IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セイコーソリューションズ株式会社の特許一覧

特許7598768クリティカルポイント監視装置、クリティカルポイント監視システム、クリティカルポイント監視方法、及びプログラム
<>
  • 特許-クリティカルポイント監視装置、クリティカルポイント監視システム、クリティカルポイント監視方法、及びプログラム 図1
  • 特許-クリティカルポイント監視装置、クリティカルポイント監視システム、クリティカルポイント監視方法、及びプログラム 図2
  • 特許-クリティカルポイント監視装置、クリティカルポイント監視システム、クリティカルポイント監視方法、及びプログラム 図3
  • 特許-クリティカルポイント監視装置、クリティカルポイント監視システム、クリティカルポイント監視方法、及びプログラム 図4
  • 特許-クリティカルポイント監視装置、クリティカルポイント監視システム、クリティカルポイント監視方法、及びプログラム 図5
  • 特許-クリティカルポイント監視装置、クリティカルポイント監視システム、クリティカルポイント監視方法、及びプログラム 図6
  • 特許-クリティカルポイント監視装置、クリティカルポイント監視システム、クリティカルポイント監視方法、及びプログラム 図7
  • 特許-クリティカルポイント監視装置、クリティカルポイント監視システム、クリティカルポイント監視方法、及びプログラム 図8
  • 特許-クリティカルポイント監視装置、クリティカルポイント監視システム、クリティカルポイント監視方法、及びプログラム 図9
  • 特許-クリティカルポイント監視装置、クリティカルポイント監視システム、クリティカルポイント監視方法、及びプログラム 図10
  • 特許-クリティカルポイント監視装置、クリティカルポイント監視システム、クリティカルポイント監視方法、及びプログラム 図11
  • 特許-クリティカルポイント監視装置、クリティカルポイント監視システム、クリティカルポイント監視方法、及びプログラム 図12
  • 特許-クリティカルポイント監視装置、クリティカルポイント監視システム、クリティカルポイント監視方法、及びプログラム 図13
  • 特許-クリティカルポイント監視装置、クリティカルポイント監視システム、クリティカルポイント監視方法、及びプログラム 図14
  • 特許-クリティカルポイント監視装置、クリティカルポイント監視システム、クリティカルポイント監視方法、及びプログラム 図15
  • 特許-クリティカルポイント監視装置、クリティカルポイント監視システム、クリティカルポイント監視方法、及びプログラム 図16
  • 特許-クリティカルポイント監視装置、クリティカルポイント監視システム、クリティカルポイント監視方法、及びプログラム 図17
  • 特許-クリティカルポイント監視装置、クリティカルポイント監視システム、クリティカルポイント監視方法、及びプログラム 図18
  • 特許-クリティカルポイント監視装置、クリティカルポイント監視システム、クリティカルポイント監視方法、及びプログラム 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】クリティカルポイント監視装置、クリティカルポイント監視システム、クリティカルポイント監視方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0635 20230101AFI20241205BHJP
【FI】
G06Q10/0635
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021002852
(22)【出願日】2021-01-12
(65)【公開番号】P2022108053
(43)【公開日】2022-07-25
【審査請求日】2023-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】313006647
【氏名又は名称】セイコーソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】工藤 裕章
(72)【発明者】
【氏名】塚本 俊
(72)【発明者】
【氏名】高橋 禎範
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-018163(JP,A)
【文献】ITプロジェクトの見える化 上流工程編 [online],初版,2007年05月01日,第12-13,42-45,52-65,142-153,付録ページ,[検索日2024.08.23], Internet<URL:https://www.ipa.go.jp/archive/publish/secbooks20070501.html>,ISBN:978-4-8222-6209-9
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -G06Q 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロジェクトが複数の工程に分解された複数のタスクに対する1以上の所定の監視項目について、当該監視項目について進捗が評価された値であって、前記プロジェクトを管理するためのサイクルに応じた時期に入力された値である進捗評価値を前記監視項目毎に取得する進捗評価値取得部と、
前記プロジェクトが複数の工程に分解され、前記複数のタスクそれぞれと一致している複数の外部管理タスクに対する進捗を示す外部管理進捗情報を外部のプロジェクト管理装置から取得する外部管理進捗情報取得部と、
開始予定日、完了予定日、及び担当者名を少なくとも示すタスク情報と、前記進捗評価値取得部が取得した前記監視項目毎の前記進捗評価値を示す進捗評価情報と、前記外部管理進捗情報取得部が取得した前記外部管理進捗情報と、第1検出ロジック、第2検出ロジック、及び第3検出ロジックのうち少なくとも1つ以上と、に基づいて前記タスクの初動遅延を検知するためのアラートを検知するアラート検知部と、
前記進捗評価値取得部が取得した前記監視項目毎の前記進捗評価値と、前記アラート検知部によるアラートの検知結果とを出力する出力部と
を備え
1以上の所定の監視項目は、以下のうちいずれか1以上を含み、
(イ)システム化要件の確定度合い;
(ロ)開発対象の全量の把握度合い;
(ハ)方法・技術の明確化度合い;
(ニ)技術的キー人財の可用度合い;
前記第1検出ロジックにおいて、前記アラート検知部は、タスクの開始予定日を過ぎていても前記進捗評価値が入力されていない場合、またはタスクの開始予定日を過ぎていても前記外部管理タスクに対する進捗が無い場合、前記アラートを検知したと判定し、
前記第2検出ロジックにおいて、前記アラート検知部は、今後予定されているタスクの担当者が、既に遅延しているタスクの担当者と同じである場合、前記アラートを検知したと判定し、
前記第3検出ロジックにおいて、前記アラート検知部は、完了予定日までの期間に対して、システム化要件の確定度合いの監視項目について前記進捗評価値が所定の閾値を上回っていない場合、前記アラートを検知したと判定する、
クリティカルポイント監視装置。
【請求項2】
前記出力部は、前記外部管理進捗情報取得部が取得した前記外部管理進捗情報を出力する、
請求項1に記載のクリティカルポイント監視装置。
【請求項3】
前記出力部は、前記進捗評価値と前記プロジェクトに異常が発生しているか否かとの関係が機械学習に基づいて学習された学習結果と、前記進捗評価値とに基づいて前記プロジェクトに異常が発生しているか否かが判定された結果を出力する
請求項1または請求項2に記載のクリティカルポイント監視装置。
【請求項4】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載のクリティカルポイント監視装置と
前記進捗評価値を入力する操作を受け付ける入力装置と、
前記クリティカルポイント監視装置から出力される前記監視項目毎の前記進捗評価値と前記検知結果とを表示する表示装置と、
を備えるクリティカルポイント監視システム。
【請求項5】
プロジェクトが複数の工程に分解された複数のタスクに対する1以上の所定の監視項目について、当該監視項目について進捗が評価された値であって、前記プロジェクトを管理するためのサイクルに応じた時期に入力された値である進捗評価値を前記監視項目毎に取得する進捗評価値取得ステップと、
前記プロジェクトが複数の工程に分解され、前記複数のタスクそれぞれと一致している複数の外部管理タスクに対する進捗を示す外部管理進捗情報を外部のプロジェクト管理装置から取得する外部管理進捗情報取得ステップと、
開始予定日、完了予定日、及び担当者名を少なくとも示すタスク情報と、前記進捗評価値取得ステップが取得した前記監視項目毎の前記進捗評価値を示す進捗評価情報と、前記外部管理進捗情報取得ステップが取得した前記外部管理進捗情報と、第1検出ロジック、第2検出ロジック、及び第3検出ロジックのうち少なくとも1つ以上と、に基づいて前記タスクの初動遅延を検知するためのアラートを検知するアラート検知ステップと、
前記進捗評価値取得ステップによって取得された前記監視項目毎の前記進捗評価値と、前記アラート検知ステップによるアラートの検知結果とを出力する出力ステップと
コンピュータが実行するクリティカルポイント監視方法であって、
1以上の所定の監視項目は、以下のうちいずれか1以上を含み、
(イ)システム化要件の確定度合い;
(ロ)開発対象の全量の把握度合い;
(ハ)方法・技術の明確化度合い;
(ニ)技術的キー人財の可用度合い;
前記第1検出ロジックにおいて、前記アラート検知ステップは、タスクの開始予定日を過ぎていても前記進捗評価値が入力されていない場合、またはタスクの開始予定日を過ぎていても前記外部管理タスクに対する進捗が無い場合、前記アラートを検知したと判定し、
前記第2検出ロジックにおいて、前記アラート検知ステップは、今後予定されているタスクの担当者が、既に遅延しているタスクの担当者と同じである場合、前記アラートを検知したと判定し、
前記第3検出ロジックにおいて、前記アラート検知ステップは、完了予定日までの期間に対して、システム化要件の確定度合いの監視項目について前記進捗評価値が所定の閾値を上回っていない場合、前記アラートを検知したと判定する、
クリティカルポイント監視方法
【請求項6】
前記進捗評価値を入力する入力ステップと、
前記出力ステップにおいて出力される前記監視項目毎の前記進捗評価値と前記検知結果とを表示する表示ステップと、
をさらにコンピュータが実行し、
前記進捗評価値取得ステップにおいて、前記入力ステップにおいて入力された前記進捗評価値を前記監視項目毎に取得する
請求項に記載のクリティカルポイント監視方法。
【請求項7】
コンピュータに、
プロジェクトが複数の工程に分解された複数のタスクに対する1以上の所定の監視項目について、当該監視項目について進捗が評価された値であって、前記プロジェクトを管理するためのサイクルに応じた時期に入力された値である進捗評価値を前記監視項目毎に取得する進捗評価値取得ステップと、
前記プロジェクトが複数の工程に分解され、前記複数のタスクそれぞれと一致している複数の外部管理タスクに対する進捗を示す外部管理進捗情報を外部のプロジェクト管理装置から取得する外部管理進捗情報取得ステップと、
開始予定日、完了予定日、及び担当者名を少なくとも示すタスク情報と、前記進捗評価値取得ステップが取得した前記監視項目毎の前記進捗評価値を示す進捗評価情報と、前記外部管理進捗情報取得ステップが取得した前記外部管理進捗情報と、第1検出ロジック、第2検出ロジック、及び第3検出ロジックのうち少なくとも1つ以上と、に基づいて前記タスクの初動遅延を検知するためのアラートを検知するアラート検知ステップと、
前記進捗評価値取得ステップによって取得された前記監視項目毎の前記進捗評価値と、前記アラート検知ステップによるアラートの検知結果とを出力する出力ステップと
を実行させるためのプログラムであって、
1以上の所定の監視項目は、以下のうちいずれか1以上を含み、
(イ)システム化要件の確定度合い;
(ロ)開発対象の全量の把握度合い;
(ハ)方法・技術の明確化度合い;
(ニ)技術的キー人財の可用度合い;
前記第1検出ロジックにおいて、前記アラート検知ステップは、タスクの開始予定日を過ぎていても前記進捗評価値が入力されていない場合、またはタスクの開始予定日を過ぎていても前記外部管理タスクに対する進捗が無い場合、前記アラートを検知したと判定し、
前記第2検出ロジックにおいて、前記アラート検知ステップは、今後予定されているタスクの担当者が、既に遅延しているタスクの担当者と同じである場合、前記アラートを検知したと判定し、
前記第3検出ロジックにおいて、前記アラート検知ステップは、完了予定日までの期間に対して、システム化要件の確定度合いの監視項目について前記進捗評価値が所定の閾値を上回っていない場合、前記アラートを検知したと判定する、
プログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリティカルポイント監視装置、クリティカルポイント監視システム、クリティカルポイント監視方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ソフトウェア、及びソフトウェアを含むハードウェアの開発プロジェクトにおいて、WBS(Work Breakdown Structure)やEVM(Earned Value Management)などの手法によりスケジュール遅延や経費超過のリスクが管理されてきた(例えば、非特許文献1を参照)。これらは既に確立された全方位的な技術であり今後もプロジェクト管理における主幹部分をなすものと考えられる。
しかしながら、これらのWBSやEVMなどの手法による管理を行いながらも、クリティカルパスの遅延発見が遅れ、工程が進んでからのスケジュール遅延や予算超過の発現に苦しんでいるプロジェクトが多いのも事実である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】菅野孝男、「改訂 ソフトウェア開発のマネージメント」、新紀元社、1996年6月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
クリティカルパスの遅延発見の遅れの原因は一元的なものではないし、プロジェクト毎の条件も異なる。しかしながら、クリティカルパスの遅延発見とその速やかな改善が困難となっている共通原因として、従来の手法で進捗管理に用いられる基礎データがクリティカルパスの初動遅延を検知するための情報量を含み難いという点が考えられる。
【0005】
具体的には、クリティカルパスの初動時に重要となる当該作業への入力情報の確実な定義や確認の遅れを検知する管理データが定量的かつ機械的に管理されていないという問題である。すなわち、作業への入力情報の確実な定義や確認の遅れを検知する管理データというレベルの粒度の遅延前兆については、従来は作業のリーダーが定性的かつ感覚的に属人的な判断を行なっているケースがほとんどである。
その結果、従来のプロジェクト管理では、以下のような課題があった。
(イ)クリティカルパスの初動遅延の検知に遅れが生じる。
(ロ)プロジェクト資源がクリティカルパスでない作業に偏って投入されやすくなる。
(ハ)そのためにプロジェクトの後半でスケジュールの遅延が回復困難となる。
(二)それらの結果として納期・経費・品質の全てに大きな計画齟齬を来すという構造的な問題を形成し易くなっている。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、クリティカルパスの遅延の早期検知ができるクリティカルポイント監視装置、クリティカルポイント監視システム、クリティカルポイント監視方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、プロジェクトが複数の工程に分解された複数のタスクに対する1以上の所定の監視項目について、当該監視項目について進捗が評価された値であって、前記プロジェクトを管理するためのサイクルに応じた時期に入力された値である進捗評価値を前記監視項目毎に取得する進捗評価値取得部と、前記プロジェクトが複数の工程に分解され、前記複数のタスクそれぞれと一致している複数の外部管理タスクに対する進捗を示す外部管理進捗情報を外部のプロジェクト管理装置から取得する外部管理進捗情報取得部と、開始予定日、完了予定日、及び担当者名を少なくとも示すタスク情報と、前記進捗評価値取得部が取得した前記監視項目毎の前記進捗評価値を示す進捗評価情報と、前記外部管理進捗情報取得部が取得した前記外部管理進捗情報と、第1検出ロジック、第2検出ロジック、及び第3検出ロジックのうち少なくとも1つ以上と、に基づいて前記タスクの初動遅延を検知するためのアラートを検知するアラート検知部と、前記進捗評価値取得部が取得した前記監視項目毎の前記進捗評価値と、前記アラート検知部によるアラートの検知結果とを出力する出力部とを備え、1以上の所定の監視項目は、以下のうちいずれか1以上を含み、
(イ)システム化要件の確定度合い;
(ロ)開発対象の全量の把握度合い;
(ハ)方法・技術の明確化度合い;
(ニ)技術的キー人財の可用度合い;
前記第1検出ロジックにおいて、前記アラート検知部は、タスクの開始予定日を過ぎていても前記進捗評価値が入力されていない場合、またはタスクの開始予定日を過ぎていても前記外部管理タスクに対する進捗が無い場合、前記アラートを検知したと判定し、前記第2検出ロジックにおいて、前記アラート検知部は、今後予定されているタスクの担当者が、既に遅延しているタスクの担当者と同じである場合、前記アラートを検知したと判定し、前記第3検出ロジックにおいて、前記アラート検知部は、完了予定日までの期間に対して、システム化要件の確定度合いの監視項目について前記進捗評価値が所定の閾値を上回っていない場合、前記アラートを検知したと判定する、クリティカルポイント監視装置である。
【0012】
また、本発明の一態様は、上記のクリティカルポイント監視装置において、前記出力部は、前記外部管理進捗情報取得部が取得した前記外部管理進捗情報を出力する
【0014】
また、本発明の一態様は、上記のクリティカルポイント監視装置において、前記出力部は、前記進捗評価値と前記プロジェクトに異常が発生しているか否かとの関係が機械学習に基づいて学習された学習結果と、前記進捗評価値とに基づいて前記プロジェクトに異常が発生しているか否かが判定された結果を出力する。
【0015】
また、本発明の一態様は、上記のクリティカルポイント監視装置と、前記進捗評価値を入力する操作を受け付ける入力装置と、前記クリティカルポイント監視装置から出力される前記監視項目毎の前記進捗評価値と前記検知結果とを表示する表示装置と、を備えるクリティカルポイント監視システムである。
【0016】
また、本発明の一態様は、プロジェクトが複数の工程に分解された複数のタスクに対する1以上の所定の監視項目について、当該監視項目について進捗が評価された値であって、前記プロジェクトを管理するためのサイクルに応じた時期に入力された値である進捗評価値を前記監視項目毎に取得する進捗評価値取得ステップと、前記プロジェクトが複数の工程に分解され、前記複数のタスクそれぞれと一致している複数の外部管理タスクに対する進捗を示す外部管理進捗情報を外部のプロジェクト管理装置から取得する外部管理進捗情報取得ステップと、開始予定日、完了予定日、及び担当者名を少なくとも示すタスク情報と、前記進捗評価値取得ステップが取得した前記監視項目毎の前記進捗評価値を示す進捗評価情報と、前記外部管理進捗情報取得ステップが取得した前記外部管理進捗情報と、第1検出ロジック、第2検出ロジック、及び第3検出ロジックのうち少なくとも1つ以上と、に基づいて前記タスクの初動遅延を検知するためのアラートを検知するアラート検知ステップと、前記進捗評価値取得ステップによって取得された前記監視項目毎の前記進捗評価値と、前記アラート検知ステップによるアラートの検知結果とを出力する出力ステップとコンピュータが実行するクリティカルポイント監視方法であって、1以上の所定の監視項目は、以下のうちいずれか1以上を含み、
(イ)システム化要件の確定度合い;
(ロ)開発対象の全量の把握度合い;
(ハ)方法・技術の明確化度合い;
(ニ)技術的キー人財の可用度合い;
前記第1検出ロジックにおいて、前記アラート検知ステップは、タスクの開始予定日を過ぎていても前記進捗評価値が入力されていない場合、またはタスクの開始予定日を過ぎていても前記外部管理タスクに対する進捗が無い場合、前記アラートを検知したと判定し、前記第2検出ロジックにおいて、前記アラート検知ステップは、今後予定されているタスクの担当者が、既に遅延しているタスクの担当者と同じである場合、前記アラートを検知したと判定し、前記第3検出ロジックにおいて、前記アラート検知ステップは、完了予定日までの期間に対して、システム化要件の確定度合いの監視項目について前記進捗評価値が所定の閾値を上回っていない場合、前記アラートを検知したと判定する、クリティカルポイント監視方法である。
【0017】
また、本発明の一態様は、上記のクリティカルポイント監視方法において、前記進捗評価値を入力する入力ステップと、前記出力ステップにおいて出力される前記監視項目毎の前記進捗評価値と前記検知結果とを表示する表示ステップと、をさらにコンピュータが実行し、前記進捗評価値取得ステップにおいて、前記入力ステップにおいて入力された前記進捗評価値を前記監視項目毎に取得する。
【0018】
また、本発明の一態様は、コンピュータに、プロジェクトが複数の工程に分解された複数のタスクに対する1以上の所定の監視項目について、当該監視項目について進捗が評価された値であって、前記プロジェクトを管理するためのサイクルに応じた時期に入力された値である進捗評価値を前記監視項目毎に取得する進捗評価値取得ステップと、前記プロジェクトが複数の工程に分解され、前記複数のタスクそれぞれと一致している複数の外部管理タスクに対する進捗を示す外部管理進捗情報を外部のプロジェクト管理装置から取得する外部管理進捗情報取得ステップと、開始予定日、完了予定日、及び担当者名を少なくとも示すタスク情報と、前記進捗評価値取得ステップが取得した前記監視項目毎の前記進捗評価値を示す進捗評価情報と、前記外部管理進捗情報取得ステップが取得した前記外部管理進捗情報と、第1検出ロジック、第2検出ロジック、及び第3検出ロジックのうち少なくとも1つ以上と、に基づいて前記タスクの初動遅延を検知するためのアラートを検知するアラート検知ステップと、前記進捗評価値取得ステップによって取得された前記監視項目毎の前記進捗評価値と、前記アラート検知ステップによるアラートの検知結果とを出力する出力ステップとを実行させるためのプログラムであって、1以上の所定の監視項目は、以下のうちいずれか1以上を含み、
(イ)システム化要件の確定度合い;
(ロ)開発対象の全量の把握度合い;
(ハ)方法・技術の明確化度合い;
(ニ)技術的キー人財の可用度合い;
前記第1検出ロジックにおいて、前記アラート検知ステップは、タスクの開始予定日を過ぎていても前記進捗評価値が入力されていない場合、またはタスクの開始予定日を過ぎていても前記外部管理タスクに対する進捗が無い場合、前記アラートを検知したと判定し、前記第2検出ロジックにおいて、前記アラート検知ステップは、今後予定されているタスクの担当者が、既に遅延しているタスクの担当者と同じである場合、前記アラートを検知したと判定し、前記第3検出ロジックにおいて、前記アラート検知ステップは、完了予定日までの期間に対して、システム化要件の確定度合いの監視項目について前記進捗評価値が所定の閾値を上回っていない場合、前記アラートを検知したと判定する、プログラムである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、クリティカルパスの遅延の早期検知ができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係るクリティカルポイント監視システムの一例を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係るクリティカルポイント監視システムの利用者の一例を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る管理フェーズの処理の一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る平常運用フェーズの処理の一例を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る異常運用フェーズの処理の一例を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係るクリティカルポイント監視装置が有する各機能における入力及び出力の一例を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係るクリティカルポイント監視装置が有する各機能相互間の関係の一例を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係るプロジェクト情報登録画面の一例を示す図である。
図9】本発明の実施形態に係るタスク一覧画面の一例を示す図である。
図10】本発明の実施形態に係るタスク登録修正画面一例を示す図である。
図11】本発明の実施形態に係るクリティカルポイント評価入力画面の一例を示す図である。
図12】本発明の実施形態に係る携帯端末装置に表示されるクリティカルポイント評価入力画面の一例を示す図である。
図13】本発明の実施形態に係るクリティカルポイント監視画面の一例を示す図である。
図14】本発明の実施形態に係る評価レポート画面の一例を示す図である。
図15】本発明の実施形態に係る異常検知時評価レポート画面の一例を示す図である。
図16】本発明の実施形態に係るエンスト・アラート、ノッキング・アラートそれぞれの検出ロジックの一例を示す図である。
図17】本発明の実施形態に係るプライオリティ・アラート、バックログ・アラートそれぞれの検出ロジックの一例を示す図である。
図18】本発明の実施形態に係るキーパーソン・アラート、クレディビリティ・アラートそれぞれの検出ロジックの一例を示す図である。
図19】本発明の実施形態に係るクリティカルポイント監視装置の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。図1は、本実施形態に係るクリティカルポイント監視システム1の一例を示す図である。クリティカルポイント監視システム1は、クリティカルパスの初動遅延を検知するためのシステムである。クリティカルポイントとは、クリティカルパスの初動遅延を検知するため監視項目である。
【0022】
クリティカルポイント監視システム1では、クリティカルポイントには、以下の監視項目が含まれる。
(イ)システム化要件の確定度合い
(ロ)開発全量の把握度合い
(ハ)技術的不明点の解消度合い
(二)技術的キー人財の可用度合い
【0023】
クリティカルポイント監視システム1は、クリティカルポイント監視装置2と、監視ツール端末装置3とを備える。
クリティカルポイント監視装置2は、監視対象とするプロジェクトの当該工程の作業タスク毎に、上記のクリティカルポイントの定量評価を行う。定量評価には、クリティカルポイントについて進捗が評価された値である進捗評価値が用いられる。進捗評価値は、クリティカル監視ツールを介して入力される。監視ツール端末装置3には、クリティカル監視ツールがインストールされている。
【0024】
また、クリティカルポイント監視システム1は、外部に備えられる外部プロジェクト管理サーバ4と連携して動作する。外部プロジェクト管理サーバ4は、外部プロジェクト管理ツールがインストールされている。外部プロジェクト管理ツールは、従来のWBSなどの手法によってプロジェクトを管理するツールである。
【0025】
クリティカルポイント監視システム1は、外部プロジェクト管理ツールによるプロジェクトの管理を補完するために好適に用いられる。クリティカルポイント監視システム1では、監視対象とする作業タスクの粒度は、補完する主幹手法において管理される作業タスクの粒度と同じにする。粒度の数は、一例として、十個程度から数十個の範囲である。
【0026】
クリティカルポイント監視装置2は、定量評価した監視データをデータベースに蓄積し、蓄積したデータを管理サイクルに準じて一覧性のある形式で出力する。クリティカルポイント監視装置2は、監視ツール端末装置3に入力された進捗評価値に基づいて、進捗評価マトリクスを生成する。進捗評価マトリクスとは、タスクを行として、クリティカルポイント毎の進捗評価値とを列とした表形式のデータである。
【0027】
また、クリティカルポイント監視装置2は、異常検知サーバ5と連携して動作する。異常検知サーバ5は、クリティカルポイントについて機械学習(人工知能)を用いて異常パターンを検知する。クリティカルポイント監視装置2は、上記の蓄積したデータを管理サイクルに準じて分析してリスクを評価するために、人工知能による異常パターン検知機能を併用する。
【0028】
クリティカルポイント監視システム1では、ステップS1からステップS21までの各処理が実行される。ステップS1からステップS21までの各処理は、管理フェーズ、平常運用フェーズ、及び異常運用フェーズに分類される。ステップS1からステップS7は、後述の図3に示すように管理フェーズにおいて実行される。ステップS11からステップS18は、後述の図4に示すように平常運用フェーズにおいて実行される。ステップS21からステップS22は、後述の図5に示すように異常運用フェーズにおいて実行される。
なお、図1に示す各ステップの符号と、図3図4図5図6、及び図7それぞれに示す各ステップの符号とでは、同一の処理について同じ符号を用いている。
【0029】
ここで図2を参照し、クリティカルポイント監視システム1の利用者について説明する。図2は、本実施形態に係るクリティカルポイント監視システム1の利用者の一例を示す図である。クリティカルポイント監視システム1のポイントは、開発会社側と顧客側の双方が共通の情報を見てプロジェクトの状況を把握できることである。具体的には、開発会社と顧客側の双方は、クリティカルポイント監視システム1によって生成される進捗評価マトリクスを確認することによってプロジェクトの状況を把握できる。
【0030】
開発会社側では、開発会社のプロジェクトリーダーが監視ツール端末装置3によって週に1回クリティカルポイントの進捗評価値を入力することによって、開発会社のプロジェクトリーダーと、開発会社プロジェクトマネージャー(PM)とは、クリティカルポイントの進捗の評価と重点の確認とを共有しながら行う。開発会社のプロジェクト責任者と、開発会社PMとは、進捗評価マトリクスを週に1回確認することで、進捗の評価と重点の確認とを共有しながら行う。
【0031】
クリティカルポイント監視システム1は、従来のWBSによる進捗管理を補完する位置付で、外部プロジェクト管理サーバ4と併用されることが好適である。クリティカルポイント監視システム1は、異常が起きていない平常時のプロジェクトの進捗を監視する場合に、進捗評価マトリクスを確認することで簡便な確認を可能とする。
【0032】
一方、開発会社プロジェクト責任者は、顧客側プロジェクト責任者へ、開発会社側から進捗評価マトリクスによって異常検出時の即時報告と対策の上伸を行うことができる。また、開発会社PMは、異常検出時の進捗評価マトリクスを、顧客側プロジェクト責任者や顧客側PMOと共有できる。
これらによってクリティカルポイント監視システム1は、ユーザ要件定義者の可用性不足や期日意識のスピーディーな改善を可能とする。クリティカルポイント監視システム1は、異常検知時に検知された異常に対しての説明責任(アカウンタビリティ)として絶大な効力を発揮する。
【0033】
次に図3から図7を参照し、クリティカルポイント監視システム1において実行される各処理について説明する。
[管理フェーズ]
図3は、本実施形態に係る管理フェーズの処理の一例を示す図である。管理フェーズは、プロジェクト開始時に各種情報を登録する情報登録業務に対応する情報登録フェーズと、プロジェクト開始後に各種情報を修正する情報修正業務に対応する情報修正フェーズとからなる。ステップS1、ステップS2、ステップS3、ステップS4、ステップS5、ステップS6、ステップS7の各処理は、情報登録フェーズにおいて実行される。ステップS3、ステップS4、ステップS5、ステップS6、ステップS7の各処理は、情報登録フェーズとともに情報修正フェーズにおいても実行される。
【0034】
ステップS1:監視ツール端末装置3は、PMによるプロジェクト基本情報D1を入力する操作を受け付ける。当該操作は、監視ツール端末装置3にインストールされたクリティカル監視ツールによって入力される。以下の各処理においても監視ツール端末装置3が受け付ける操作は、クリティカル監視ツールを介して行われる操作である。
【0035】
監視ツール端末装置3は、受け付けた操作に基づいて入力されたプロジェクト基本情報D1をクリティカルポイント監視装置2に出力する。プロジェクト基本情報D1には、プロジェクトの開始予定日、完了予定日、及びユーザ情報が含まれる。ユーザ情報は、クリティカルポイント監視システム1を利用するユーザとしてのPMの情報である。
ステップS2:クリティカルポイント監視装置2は、監視ツール端末装置3から取得するプロジェクト基本情報D1を記憶する。
【0036】
ステップS3:クリティカルポイント監視装置2は、外部プロジェクト管理サーバ4から外部タスク情報を取得する。外部タスク情報には、タスク名、開始予定日、完了予定日、見積工数、担当者名などの情報が含まれる。外部タスク情報は、外部プロジェクト管理サーバ4にインストールされた外部プロジェクト管理ツールを用いてPMによって入力される。
ステップS4:クリティカルポイント監視装置2は、取得した外部タスク情報をタスク情報D2として記憶する。
【0037】
ステップS5:クリティカルポイント監視装置2は、監視ツール端末装置3からの要求に応じてタスク情報D2を監視ツール端末装置3に出力する。ここで監視ツール端末装置3にタスク情報D2を表示させる操作がPMによって行われた場合、監視ツール端末装置3はクリティカルポイント監視装置2に、タスク情報D2を出力させるための要求を示す信号を送信する。
【0038】
ステップS6:監視ツール端末装置3は、PMによる入力されるタスク情報D2について登録または修正する操作を受け付ける。PMは、監視ツール端末装置3に表示されるタスク情報D2を確認して当該操作を行う。監視ツール端末装置3は、受け付けた操作に基づいてタスク情報D2について登録された情報または修正された情報をクリティカルポイント監視装置2に出力する。
【0039】
ステップS7:クリティカルポイント監視装置2は、監視ツール端末装置3から取得するタスク情報D2について登録された情報または修正された情報に基づいて、記憶しているタスク情報D2を修正する。
【0040】
[平常運用フェーズ]
図4は、本実施形態に係る平常運用フェーズの処理の一例を示す図である。平常運用フェーズは、週次にプロジェクトの進捗を入力する業務である週次実績入力業務に対応する週次実績入力フェーズと、週次にプロジェクトの進捗を評価する業務である週次評価業務に対応する週次評価フェーズとからなる。ステップS11、ステップS12、ステップS13、及びステップS14の各処理は、週次実績入力フェーズにおいて実行される。ステップS15、ステップS16、ステップS17の各処理は、週次評価フェーズにおいて実行される。
【0041】
ステップS11:クリティカルポイント監視装置2は、所定の時期が到来すると、外部プロジェクト管理サーバ4から外部管理進捗情報D5を取得する。外部管理進捗情報D5は、外部進捗評価値を示す情報である。外部進捗評価値とは、外部プロジェクト管理サーバ4によって管理される各タスクについての進捗を示す値である。所定の時期は、週次の所定の時刻によって指定される。
ステップS12:クリティカルポイント監視装置2は、取得した外部管理進捗情報D5を記憶する。
【0042】
ステップS13:監視ツール端末装置3は、プロジェクトリーダーによる進捗評価値を入力する操作を受け付ける。プロジェクトリーダーは、週次において進捗評価値を入力する。監視ツール端末装置3は、受け付けた操作に基づいて進捗評価情報D3をクリティカルポイント監視装置2に出力する。進捗評価情報D3とは、入力された進捗評価値を示す情報である。
ステップS14:クリティカルポイント監視装置2は、監視ツール端末装置3から取得する進捗評価情報D3を記憶する。
【0043】
なお、ステップ13において、監視ツール端末装置3は、PMによるコメントを入力する操作が行われた場合、当該操作を受け付ける。PMによるコメントとは、プロジェクトを構成する各タスクについての指示である。当該コメントを、クリティカルエンゲージメントともいう。監視ツール端末装置3は、受け付けた操作に基づいてクリティカルエンゲージメント情報D4をクリティカルポイント監視装置2に出力する。クリティカルエンゲージメント情報D4は、入力されたクリティカルエンゲージメントを示す情報である。ステップ13においてPMによるコメントを入力する操作が行われた場合、ステップS14において、クリティカルポイント監視装置2は、監視ツール端末装置3から取得するクリティカルエンゲージメント情報D4を記憶する。
【0044】
ステップS15:クリティカルポイント監視装置2は、進捗評価情報D3及び外部管理進捗情報D5に基づいて進捗評価マトリクスを生成する。また、クリティカルポイント監視装置2は、進捗評価情報D3に基づいてクリティカルポイントに遅延が発生しているか否かを判定する。クリティカルポイントに遅延が発生しているか否かの判定の処理の詳細は後述する。クリティカルポイント監視装置2は、クリティカルポイントに遅延が発生しているか否かの判定結果に基づいて、進捗評価マトリクスにおいて、遅延が発生しているクリティカルポイントに対応するセルに、遅延が発生していないクリティカルポイントに対応する他のセルとは異なる色をつけて目立たせる。
【0045】
また、ステップ15において、クリティカルポイント監視装置2は、進捗評価情報D3及び外部管理進捗情報D5に基づいて、ウォーニングを検知する。クリティカルポイント監視装置2は、検知したウォーニングに基づいてリスク評価レポートB2を生成する。ウォーニングを検知する処理の詳細については後述する。
【0046】
ステップS16:クリティカルポイント監視装置2は、所定の時期が到来すると、生成した進捗評価マトリクスを監視ツール端末装置3に出力する。監視ツール端末装置3は、クリティカルポイント監視装置2から出力された進捗評価マトリクスを表示する。
ステップS17:クリティカルポイント監視装置2は、所定の時期が到来すると、生成したリスク評価レポートB2を監視ツール端末装置3に出力する。
なお、ステップS16及びステップS17において、所定の時期は、週次の所定の時刻によって指定される。
【0047】
開発会社側のプロジェクト責任者、PM、及びプロジェクトリーダーと、顧客側の責任者、及びPOM(Project Management Office)とは、進捗評価マトリクス及びリスク評価レポートB2を週次で確認することによってクリティカルポイントを監視する。なお、クリティカルポイント監視システム1において監視ツール端末装置3は複数備えられ、それぞれのユーザによって携帯、または所有される。
【0048】
[異常運用フェーズ]
図5は、本実施形態に係る異常運用フェーズの処理の一例を示す図である。異常運用フェーズは、上述した平常運用フェーズと同様に、週次実績入力フェーズと、週次評価フェーズとからなる。ステップS18は、週次実績入力フェーズにおいて実行される。ステップS21、及びステップS22の各処理は、週次評価フェーズにおいて実行される。
【0049】
ステップS18:クリティカルポイント監視装置2は、記憶している進捗評価情報D3及び外部管理進捗情報D5を異常検知サーバ5に出力する。ここでクリティカルポイント監視装置2は、ステップS14において、記憶している進捗評価情報D3及び外部管理進捗情報D5をそれぞれ、週次において取得した進捗評価情報D3及び外部管理進捗情報D5によって更新すると、更新した進捗評価情報D3及び外部管理進捗情報D5を異常検知サーバ5に出力する。
【0050】
ステップS21:異常検知サーバ5は、クリティカルポイント監視装置2から出力される進捗評価情報D3及び外部管理進捗情報D5に基づいて、異常パターンデータD7を用いて異常パターンを検知する。異常パターンデータD7は、クリティカルポイント及び外部進捗評価値と異常パターンとの関係が機械学習に基づいて予め学習された結果である。異常検知サーバ5は、異常パターンを検知した場合、当該異常パターンの内容をクリティカルポイント監視装置2に出力する。
クリティカルポイント監視装置2は、異常検知サーバ5から異常パターンデータを取得する。
【0051】
ステップS22:クリティカルポイント監視装置2は、異常検知サーバ5から取得した異常パターンデータをリスク評価レポートB2に含めてリスク評価レポートB3とする。クリティカルポイント監視装置2は、異常パターンデータを含むリスク評価レポートB3を監視ツール端末装置3に出力する。
開発会社側のプロジェクト責任者、PM、及びプロジェクトリーダーと、顧客側の責任者、及びPOMとは、異常パターンデータを含むリスク評価レポートB3を週次で確認することによって各タスクについて検知された異常を確認する。
【0052】
[クリティカルポイント監視装置の機能]
ここで図6及び図7を参照し、クリティカルポイント監視装置2が有する各機能について説明する。
図6は、本実施形態に係るクリティカルポイント監視装置2が有する各機能における入力及び出力の一例を示す図である。図7は、本実施形態に係るクリティカルポイント監視装置2が有する各機能相互間の関係の一例を示す図である。
クリティカルポイント監視装置2が有する各機能には、プロジェクト情報登録修正機能、進捗評価入力機能、進捗一覧構成及び出力機能、リスク評価及び出力機能、進捗情報転送機能、及び異常検知出力機能が含まれる。これらの機能は、上述したステップS1からステップS22までの各処理によって実行される。
【0053】
<プロジェクト情報登録修正機能>
プロジェクト情報登録修正機能は、プロジェクト情報登録A1、タスク一覧表示A2、タスク登録修正A3、及びWBS定義自動取込C1の各機能を含む。プロジェクト情報登録A1は、ステップS1及びステップS2によって実行される。タスク一覧表示A2は、ステップS5によって実行される。タスク登録修正A3は、ステップS6及びステップS7によって実行される。WBS定義自動取込C1は、ステップS3及びステップS4によって実行される。
【0054】
プロジェクト情報登録修正機能における入力は、プロジェクト基本情報D1、タスク情報D2、外部管理進捗情報D5である。プロジェクト基本情報D1、タスク情報D2は、クリティカル監視ツールからPMによって入力される。クリティカルポイント監視装置2は、プロジェクト基本情報D1、タスク情報D2を監視ツール端末装置3から取得する。外部管理進捗情報D5は、外部プロジェクト管理ツールからPMによって入力される。クリティカルポイント監視装置2は、外部管理進捗情報D5を外部プロジェクト管理サーバ4から取得する。
【0055】
プロジェクト情報登録修正機能における出力は、プロジェクト基本情報D1、タスク情報D2、外部管理進捗情報D5である。クリティカルポイント監視装置2は、これらプロジェクト基本情報D1、タスク情報D2、外部管理進捗情報D5をそれぞれ記憶する。また、クリティカルポイント監視装置2は、プロジェクト基本情報D1、タスク情報D2を監視ツール端末装置3に表示させる。
【0056】
<進捗評価入力機能>
進捗評価入力機能は、WBS進捗自動取込C2、及びクリティカルポイント評価入力A4の各機能を含む。WBS進捗自動取込C2は、ステップS11及びステップS12によって実行される。クリティカルポイント評価入力A4は、ステップS13及びステップS14によって実行される。
【0057】
進捗評価入力機能における入力は、外部管理進捗情報D5、進捗評価情報D3、クリティカルエンゲージメント情報D4である。外部管理進捗情報D5は、週次で外部プロジェクト管理ツールからプロジェクトリーダーによって入力される。クリティカルポイント監視装置2は、外部管理進捗情報D5を外部プロジェクト管理サーバ4から取得する。進捗評価情報D3は、週次でクリティカル監視ツールからプロジェクトリーダーによって入力される。クリティカルエンゲージメント情報D4は、週次でクリティカル監視ツールからPMによって入力される。クリティカルポイント監視装置2は、進捗評価情報D3を監視ツール端末装置3から取得する。
進捗評価入力機能における出力は、外部管理進捗情報D5、進捗評価情報D3である。クリティカルポイント監視装置2は、これら外部管理進捗情報D5、進捗評価情報D3をそれぞれ記憶する。
【0058】
<進捗一覧構成及び出力機能>
進捗一覧構成及び出力機能は、ウォーニング検知A5、及びクリティカルポイント監視一覧表示A6の各機能を含む。ウォーニング検知A5は、ステップS15によって実行される。クリティカルポイント監視一覧表示A6は、ステップS16によって実行される。
【0059】
進捗一覧構成及び出力機能における入力は、プロジェクト基本情報D1、タスク情報D2、進捗評価情報D3、クリティカルエンゲージメント情報D4、外部管理進捗情報D5である。クリティカルポイント監視装置2は、自装置に記憶されているプロジェクト基本情報D1、タスク情報D2、進捗評価情報D3、クリティカルエンゲージメント情報D4、外部管理進捗情報D5を読み出す。
【0060】
進捗一覧構成及び出力機能における出力は、進捗評価マトリクスB1である。クリティカルポイント監視装置2は、プロジェクト基本情報D1、タスク情報D2、進捗評価情報D3、クリティカルエンゲージメント情報D4、外部管理進捗情報D5に基づいて進捗評価マトリクスB1を生成する。クリティカルポイント監視装置2は、生成した進捗評価マトリクスB1をクリティカルポイント監視装置2に出力する。
【0061】
<リスク評価及び出力機能>
リスク評価及び出力機能は、クリティカルポイント監視一覧表示A6、及び評価レポート生成A7の各機能を含む。クリティカルポイント監視一覧表示A6は、ステップS17によって実行される。評価レポート生成A7は、ステップS22によって実行される。
【0062】
リスク評価及び出力機能における入力は、プロジェクト基本情報D1、タスク情報D2、進捗評価情報D3、クリティカルエンゲージメント情報D4、外部管理進捗情報D5である。クリティカルポイント監視装置2は、自装置に記憶されているプロジェクト基本情報D1、タスク情報D2、進捗評価情報D3、クリティカルエンゲージメント情報D4、外部管理進捗情報D5を読み出す。
リスク評価及び出力機能における出力は、リスク評価レポートB2である。クリティカルポイント監視装置2は、進捗評価情報D3、外部管理進捗情報D5に基づいてウォーニングを検知し、検知したウォーニングに基づいてリスク評価レポートB2を生成する。クリティカルポイント監視装置2は、生成したリスク評価レポートB2を監視ツール端末装置3に出力する。
【0063】
<進捗情報転送機能>
進捗情報転送機能は、プロジェクト別データ送信C3の機能を含む。プロジェクト別データ送信C3は、ステップS15及びステップS18によって実行される。
進捗情報転送機能における入力は、プロジェクト基本情報D1、タスク情報D2、進捗評価情報D3、クリティカルエンゲージメント情報D4、外部管理進捗情報D5である。クリティカルポイント監視装置2は、自装置に記憶されているプロジェクト基本情報D1、タスク情報D2、進捗評価情報D3、クリティカルエンゲージメント情報D4、外部管理進捗情報D5を読み出す。
進捗情報転送機能における出力は、プロジェクト基本情報D1、タスク情報D2、進捗評価情報D3、クリティカルエンゲージメント情報D4、外部管理進捗情報D5である。クリティカルポイント監視装置2は、読み出したプロジェクト基本情報D1、タスク情報D2、進捗評価情報D3、クリティカルエンゲージメント情報D4、外部管理進捗情報D5を異常検知サーバ5に出力する。
【0064】
<異常検知出力機能>
異常検知出力機能は、異常パターンデータ受信C4の機能を含む。異常パターンデータ受信C4は、ステップS21及びステップS22によって実行される。
異常検知出力機能における入力は、異常パターンである。クリティカルポイント監視装置2は、異常検知サーバ5によって検知された異常パターンを取得する。
異常検知出力機能における出力は、異常パターンを含むリスク評価レポートB3である。クリティカルポイント監視装置2は、異常検知サーバ5によって検知された異常パターンをリスク評価レポートB2に含めてリスク評価レポートB3とする。クリティカルポイント監視装置2は、生成したリスク評価レポートB3を監視ツール端末装置3に出力する。
【0065】
[各種画面]
次に図8から図15を参照し、監視ツール端末装置3によって表示される各種画面について説明する。
図8は、本実施形態に係るプロジェクト情報登録画面P1の一例を示す図である。プロジェクト情報登録画面P1は、ステップS1において実行されるプロジェクト情報登録A1において監視ツール端末装置3によって表示される。
プロジェクト情報登録画面P1では、プロジェクト名やプロジェクト説明などの情報を登録、変更、または削除するための操作を行うための画面である。また、プロジェクト情報登録画面P1は、プロジェクトの操作権限を持つユーザとその権限を登録、変更、または削除するための操作を行うための画面である。
【0066】
プロジェクト情報登録画面P1には、プロジェクト名、プロジェクト説明、プロジェクト期間、及びスプリントの単位のそれぞれの情報を入力するためのフォームが含まれる。スプリントの単位とは、アジャイル開発方式において用いられる開発の単位である。また、プロジェクト情報登録画面P1には、ユーザの情報が表示される。ユーザには、開発会社側のPM、プロジェクトリーダー、顧客側のPMなどが含まれる。プロジェクト情報登録画面P1から入力された各種の情報は、監視ツール端末装置3からクリティカルポイント監視装置2に出力される。監視ツール端末装置3から出力されるプロジェクト情報登録画面P1から入力された各種の情報は、クリティカルポイント監視装置2によってプロジェクト基本情報D1として記憶される。
【0067】
図9は、本実施形態に係るタスク一覧画面P2の一例を示す図である。タスク一覧画面P2は、ステップS5において実行されるタスク一覧表示A2において監視ツール端末装置3によって表示される。
タスク一覧画面P2は、プロジェクト内のタスクを一覧形式で表示するための画面である。また、タスク一覧画面P2では、一覧からタスクが選択されると、選択されたタスクに関する各種画面へ遷移する。
【0068】
タスク一覧画面P2は、タスクの管理番号(図8では「WBS No」)、タスク名、開始予定日、完了予定日、人日見積、顧客(図8では「お客様」)、設計者、開発者の各項目の列を有している。タスク一覧画面P2では、タスクの管理番号毎に、タスク名、開始予定日、完了予定日、人日見積、顧客、設計者、開発者の各項目を示す情報が2次元の表形式で表示される。
【0069】
図10は、本実施形態に係るタスク登録修正画面P3の一例を示す図である。タスク登録修正画面P3は、ステップS3、及びステップS6において実行されるタスク登録修正A3において監視ツール端末装置3によって表示される。
タスク登録修正画面P3は、WBS番号やタスク名、人日見積などのタスクの情報を登録、変更、または削除するための画面である。タスク登録修正画面P3では、外部プロジェクト管理サーバ4から連携されたタスクについても当該画面から編集可能である。特に外部プロジェクト管理サーバ4からは連携されない不足情報がある場合は、タスク登録修正画面P3を利用して補足情報を入力可能である。
【0070】
タスク登録修正画面P3には、タスクの管理番号(図8では「WBS No」)、タスク名、予定期間(開始予定日、完了予定日)、顧客(図8では「お客様」)、設計者、開発者のそれぞれの情報を入力するためのフォームが含まれる。タスク登録修正画面P3から入力された各種の情報は、監視ツール端末装置3からクリティカルポイント監視装置2に出力される。監視ツール端末装置3から出力されるタスク登録修正画面P3から入力された各種の情報は、クリティカルポイント監視装置2によってタスク情報D2として記憶される。
【0071】
図11は、本実施形態に係るクリティカルポイント評価入力画面P4の一例を示す図である。クリティカルポイント評価入力画面P4は、ステップS13において実行されるクリティカルポイント評価入力A4において監視ツール端末装置3によって表示される。
クリティカルポイント評価入力画面P4は、タスク毎に表示されて、当該タスクの情報を表示するための画面である。
【0072】
クリティカルポイント評価入力画面P4では、クリティカルポイント毎に進捗評価値を入力するためのラジオボタンが含まれる。クリティカルポイント評価入力画面P4には、クリティカルポイントとして、「要件の明確化」、「開発対象の全量把握」、「方法・技術の明確化」、「キー人財のアサイン」、及び「追加開発の収束」の各監視項目が示されている。これらのクリティカルポイントは、業種、プロジェクトの規模、作業内容などのプロジェクトの種類によらず共通して設定される監視項目である。
【0073】
本実施形態では、進捗評価値は、一例として、「Not Started Yet (0.00)」、「Started (0.10)」、「Well going (0.30)」、「Almost (0.40)」、「Waiting (0.50)」、「Completed (1.00)」の6段階評価として入力される。
進捗評価値が0に対応する「Not started yet」の段階は、当該クリティカルポイントが示す作業が開始されていない段階である。進捗評価値が0.10に対応する「Started」の段階は、当該クリティカルポイントが示す作業が開始された段階である。進捗評価値が0.03に対応する「Well going」の段階は、当該クリティカルポイントが示す作業が順調に進捗している段階である。進捗評価値が0.40に対応する「Almost」の段階は、当該クリティカルポイントが示す作業が殆ど完了している段階である。進捗評価値が0.50に対応する「Waiting」の段階は、当該クリティカルポイントについて開発者が行うべき作業が完了している段階である。進捗評価値が1.00に対応する「Completed」の段階は、当該クリティカルポイントが示す作業が完了している段階である。
【0074】
なお、プロジェクトの現場では、開発者が行うべき工程が完了したとしても、残りの工程として外部の確認や外部からの応答を待たなければならない場合がしばしばあり、そのような残りの工程に想定以上の時間を要する場合がある。そのため、本実施形態では、「Almost」、「Waiting」の段階であっても、進捗評価値としてそれぞれ0.40、0.50しか対応させていない。
【0075】
クリティカルポイント評価入力画面P4では、「追加開発の収束」の監視項目に対して、追加開発のステータスに対応する項目のメータの値を設定するためのボタンがそれぞれ設けられている。追加開発のステータスに対応する項目には、「Completed」、「High」、「Middle」、「Low」が含まれる。メータの値は、追加開発機能数を示す。
なお、「追加開発の収束」の監視項目については、「Automatic」のラジオボタンの状態に応じて、ユーザによる入力と、自動入力とが選択可能である。自動入力が選択されている場合、監視ツール端末装置3が外部プロジェクト管理サーバ4から各値を読み込んだ値が自動で設定される。
【0076】
クリティカルポイント評価入力画面P4には、評価日、タスクの管理番号(図11では「WBS No」)、タスク名、開始予定日、完了予定日、人日見積、顧客、設計者、開発者、ウェイト、現在の評価値、プロジェクトリーダー、PMの各種情報が示されている。クリティカルポイント評価入力画面P4では、従来のプロジェクト管理ツールによるタスクの進捗度合いである外部進捗評価値(以下では、WBS進捗ともいう)が0.00~1.00の数値で入力される。
【0077】
また、クリティカルポイント評価入力画面P4には、各タスクに対してコメント(クリティカルエンゲージメントという)が入力可能である。入力されたクリティカルエンゲージメントは、テキストで表示される。
【0078】
図11に示すクリティカルポイント評価入力画面P4は、一例として、監視ツール端末装置3がパーソナルコンピュータ(Personal Computer:PC)である場合のクリティカルポイント評価入力画面の一例である。
なお、クリティカルポイント評価入力画面は、監視ツール端末装置3に備えられる表示画面に応じて、他の態様で表示されてもよい。表示画面の大きさに応じて、クリティカルポイント評価入力画面P4に含まれる表示項目が複数の画面に分割されて表示されてもよい。
【0079】
図12に、監視ツール端末装置3がスマートフォンなどの携帯端末装置である場合に表示されるクリティカルポイント評価入力画面P5の一例を示す。図12は、本実施形態に係る携帯端末装置に表示されるクリティカルポイント評価入力画面P5の一例を示す図である。監視ツール端末装置3がスマートフォンなどの携帯端末装置である場合には、携帯端末装置を入力手段として使用することで、手軽にいつでもどこでも入力ができるため、クリティカルポイント監視システム1の利用に際してユーザへの負荷を軽減できる。
なお、クリティカルポイント評価入力画面P4(または、クリティカルポイント評価入力画面P5)から入力された情報は、監視ツール端末装置3からクリティカルポイント監視装置2に出力される。監視ツール端末装置3から出力されるクリティカルポイント評価入力画面P4(または、クリティカルポイント評価入力画面P5)から入力された進捗評価値は、クリティカルポイント監視装置2によって進捗評価情報D3として記憶される。
【0080】
図13は、本実施形態に係るクリティカルポイント監視画面P6の一例を示す図である。クリティカルポイント監視画面P6は、ステップS16において実行されるウォーニング検知A5及びクリティカルポイント監視一覧表示A6において監視ツール端末装置3によって表示される。クリティカルポイント監視画面P6は、進捗評価マトリクスB1、及び検知されたウォーニングに基づいて表示される。
【0081】
クリティカルポイント監視画面P6は、タスク名、開始予定日、完了予定日、人日見積、スプリント、顧客(図13では「お客様」)、設計者、開発者、開発機能残数、追加開発残数、各クリティカルポイント(「要件の明確化」、「開発対象の全量把握」、「方法・技術の明確化」、「キー人財のアサイン」)、外部進捗評価値(図13では「WBS視点の進捗度」)、ウェイト、合計の各項目の列を有している。クリティカルポイント監視画面P6は、タスク毎に、開始予定日、完了予定日、人日見積、スプリント、顧客、設計者、開発者、開発機能残数、追加開発残数、各クリティカルポイント、外部進捗評価値、ウェイト、合計の各項目を示す情報が2次元の表形式で表示される。
【0082】
合計とは、タスク毎の進捗評価値にウェイトが乗じられて算出された値である。合計の項目には、さらに、複数のタスクをまとめた単位及びプロジェクト単位においても合計が表示されている。複数のタスクをまとめた単位とは、例えば、タスクの完了予定時期毎に複数のタスクをまとめた単位である。なお、クリティカルポイント監視画面P6では、タスクの完了予定時期(図13では、8月完了、9月完了、10月完了の3つの時期)に応じて、各タスクが分類されている。
【0083】
また、クリティカルポイント監視画面P6では、前回評価時の合計値と比較して今回評価時の合計値がどれだけ増減したかが表示される。クリティカルポイント監視画面P6には、さらに、開発機能残数、追加開発残数、各クリティカルポイントの進捗評価値、外部進捗評価値、合計の各項目についての合計を示す情報が下段に示されている。
【0084】
なお、クリティカルポイント監視画面P6では、各クリティカルポイントの進捗評価値、外部プロジェクト管理ツールによる進捗評価値、合計はそれぞれ、それぞれが完了した場合の値に対する比の形式で表示されている。
【0085】
クリティカルポイント監視画面P6では、ウォーニングデータD6に基づいて進捗の遅れが検知された項目のセルには、色がつけられて表示されている。当該項目には、タスク名、各クリティカルポイント、外部進捗評価値、開発機能残数、追加開発残数、合計それぞれのタスク毎の項目が含まれる。なおウォーニングデータD6は、後述するように、進捗評価値及びまたは外部管理進捗評価値と、所定の閾値との比較に基づいてクリティカルポイント監視装置2によって生成される。
クリティカルポイント監視画面P6では、検知された進捗の遅れの程度が2段階に分類されて、それぞれ2種類の色を用いて表示されている。例えば、進捗の遅れが小さい項目、大きい項目は、薄いピンク、濃いピンクそれぞれを用いて表示される。進捗の遅れが小さい項目、大きい項目は、所定の閾値を用いて判定される。
【0086】
なお、クリティカルポイント監視画面P6では、タスク毎に、当該タスクが実行されるスプリントに対応するセルと、当該タスクが実行されないスプリントに対応するセルとのそれぞれには、「〇」、「-」がそれぞれ表示されている。また、現在の日付に対応するスプリントのセルは、枠P60によって囲まれて表示されている。当該枠は、現在の日付に応じて移動する。
【0087】
なお、タスクが、スプリントについて現在の日付において実行されるタスク(つまり、枠P60内において「〇」が表示されるタスク)であるか否かに応じて、クリティカルポイント監視装置2は、進捗の遅れを検知するための閾値を設定してもよい。例えば、スプリントについて現在の日付において実行されるタスクの進捗を評価する場合に、当該閾値を小さい値に設定してもよい。
【0088】
図14は、本実施形態に係る評価レポート画面P7の一例を示す図である。評価レポート画面P7は、ステップS17において実行されるクリティカルポイント監視一覧表示A6において監視ツール端末装置3によって表示される。
評価レポート画面P7では、タスク情報D2、進捗評価情報D3、及び外部管理進捗情報D5に基づいて検出された各種のアラートの情報が表示される。各種のアラートについては後述する。
【0089】
評価レポート画面P7では、検出された各種のアラートが、その内容と、その程度を示す値とともに表示されている。また、評価レポート画面P7では、検出されたアラートの程度を示す値が、グラフとして表示されている。
なお、評価レポート画面P7において表示される内容は、評価レポートとして印刷が可能である。
【0090】
図15は、本実施形態に係る異常検知時評価レポート画面P8の一例を示す図である。異常検知時評価レポート画面P8は、ステップS22において実行される異常検知時の評価レポート生成A7において監視ツール端末装置3によって表示される。
異常検知時評価レポート画面P8では、異常検知サーバ5により機械学習に基づいて検出された異常パターンが列挙されて表示されている。
なお、異常検知時評価レポート画面P8において表示される内容は、評価レポートとして印刷が可能である。
【0091】
[アラートの検出ロジック]
次に図16から図18を参照し、クリティカルポイント監視装置2のアラートの検出ロジックについて説明する。クリティカルポイント監視装置2が検出するアラートには、エンスト・アラート、ノッキング・アラート、プライオリティ・アラート、バックログ・アラート、キーパーソン・アラート、クレディビリティ・アラートの6種類が含まれる。
【0092】
以下に説明するように、クリティカルポイント監視装置2は、これら6種類のアラートそれぞれに対する所定の検出ロジックに基づいて、当該アラートを検知するための判定を行う。アラートそれぞれに対する検出ロジックでは、当該アラートを検知するための監視項目がそれぞれ設定されている。検出ロジックにおいて、定量的な判定には、それぞれの判定に応じた所定の閾値が用いられる。
【0093】
図16は、本実施形態に係るエンスト・アラート、ノッキング・アラートそれぞれの検出ロジックの一例を示す図である。
エンスト・アラートは、タスク別に初動遅延を検知するためのアラートである。エンスト・アラートの発生要因には、3つの発生要因が想定される。
【0094】
エンスト・アラートの1つ目の発生要因には、タスクが開始予定日を過ぎても実行されていないことがある。当該発生要因を監視するため、評価日、開始予定日、クリティカルポイント、WBS進捗が監視項目とされる。クリティカルポイント監視装置2は、開始予定日を過ぎていても、クリティカルポイントが入力されない、もしくはWBS進捗が無い場合、エンスト・アラートを検知したと判定する。
【0095】
エンスト・アラートの2つ目の発生要因には、タスクの担当者が、既に遅延が発生しているタスクにアサインされていることがある。当該発生要因を監視するため、評価日、顧客、設計者、開発者が監視項目とされる。
クリティカルポイント監視装置2は、今後予定されているタスクの担当者が、既に遅延しているタスクの担当者と同じである場合、エンスト・アラートを検知したと判定する。
【0096】
エンスト・アラートの3つ目の発生要因には、やるべきこと(要件)が明確になっていないことがある。当該発生要因を監視するため、評価日、顧客、設計者、開発者、クリティカルポイント(要件の明確化)が監視項目とされる。クリティカルポイント監視装置2は、完了予定日までの期間に対して、クリティカルポイント(要件の明確化)が基準値を上回っていない場合、エンスト・アラートを検知したと判定する。
【0097】
ノッキング・アラートは、初動後のタスクの進捗度の加速の遅延を検知するためのアラートである。ノッキング・アラートの発生要因には、2つの発生要因が想定される。
ノッキング・アラートの1つ目の発生要因には、タスクは開始したが進捗が思わしくないことがある。また、ノッキング・アラートの2つ目の発生要因には、タスク開始後に、逆に進捗が良すぎることがある。
【0098】
当該2つの発生要因を監視するため、評価日、開始日、開始予定日、完了予定日、人日見積、各クリティカルポイント、WBS進捗が監視項目とされる。クリティカルポイント監視装置2は、開始日と完了予定日、見積工数から想定される進捗率を算出する。クリティカルポイント監視装置2は、算出した進捗率が、実際のWBS進捗およびクリティカルポイントと比較して大きく乖離している場合、ノッキング・アラートを検知したと判定する。
【0099】
図17は、本実施形態に係るプライオリティ・アラート、バックログ・アラートそれぞれの検出ロジックの一例を示す図である。
プライオリティ・アラートは、巡行時の疑似進捗を検知するためのアラートである。プライオリティ・アラートの発生要因には、2つの発生要因が想定される。
【0100】
プライオリティ・アラートの1つ目の発生要因には、前回評価時から進捗が無い、もしくは進捗率が下がっていることがある。当該発生要因を監視するため、前回評価時のクリティカルポイントとWBS進捗、開始日、開始予定日、完了予定日、人日見積、各クリティカルポイント、WBS進捗が監視項目とされる。クリティカルポイント監視装置2は、前回評価時と今回評価時とにおいて、クリティカルポイント及びWBS進捗とをそれぞれ比較する。クリティカルポイント監視装置2は、比較の結果、クリティカルポイント及びWBS進捗に進捗がないと判定する場合、プライオリティ・アラートを検知したと判定する。
【0101】
プライオリティ・アラートの2つ目の発生要因には、進捗率が適切ではない(つまり、悪すぎる、良すぎる)ことがある。当該発生要因を監視するため、評価日、開始日、開始予定日、完了予定日、人日見積、各クリティカルポイント、WBS進捗が監視項目とされる。クリティカルポイント監視装置2は、開始日と終了予定日、見積工数から妥当な進捗率を計算し、実際のWBS進捗およびクリティカルポイントと比較する。クリティカルポイント監視装置2は、実際のWBS進捗およびクリティカルポイントが算出した進捗率と大きく乖離している場合、プライオリティ・アラートを検知したと判定する。
【0102】
バックログ・アラートは、課題解消の収束の遅延を検知するためのアラートである。バックログ・アラートの発生要因には、3つの発生要因が想定される。
【0103】
バックログ・アラートの1つ目の発生要因には、開発機能数に対して、バックログの数が多いことがある。当該発生要因を監視するため、人日見積、開発機能数、クリティカルポイント(追加開発の収束)が監視項目とされる。クリティカルポイント監視装置2は、見積工数、開発機能数に対してバックログの数が多い場合、バックログ・アラートを検知したと判定する。
【0104】
バックログ・アラートの2つ目の発生要因には、バックログの収束が見込めないことがある。
当該発生要因を監視するため、評価日、完了予定日、クリティカルポイント(追加開発の収束)が監視項目とされる。
クリティカルポイント監視装置2は、完了予定日までの日数に対して、未対応のバックログの数が多いか否かを判定する。クリティカルポイント監視装置2は、完了予定日までの日数に対して、未対応のバックログの数が多いと判定する場合、バックログ・アラートを検知したと判定する。
【0105】
バックログ・アラートの3つ目の発生要因には、バックログの優先度が適切ではないことがある。当該発生要因を監視するため、クリティカルポイント(追加開発の収束)が監視項目とされる。クリティカルポイント監視装置2は、プロジェクト全体を通して、バックログの優先度が偏っている(「High」の割合が多すぎるなど)と判定する場合、バックログ・アラートを検知したと判定する。
【0106】
図18は、本実施形態に係るキーパーソン・アラート、クレディビリティ・アラートそれぞれの検出ロジックの一例を示す図である。
キーパーソン・アラートは、キー人財への過負荷を監視するためのアラートである。キーパーソン・アラートの発生要因には、2つの発生要因が想定される。
【0107】
キーパーソン・アラートの1つ目の発生要因には、特定の担当者の抱えているタスクの総量が多いことがある。当該発生要因を監視するため、顧客、要件定者、設計者、開発者、人日見積、評価日、完了予定日が監視項目とされる。クリティカルポイント監視装置2は、各担当者毎の見積工数を計算し、終了予定日までの残日数から作業量が妥当か否かを判定する。クリティカルポイント監視装置2は、当該作業量が妥当が妥当でないと判定する場合、キーパーソン・アラートを検知したと判定する。
【0108】
キーパーソン・アラートの2つ目の発生要因には、特定の担当者のタスクの進捗が思わしくないことがある。当該発生要因を監視するため、顧客、設計者、開発者、評価日、完了予定日、各クリティカルポイント、WBS進捗が監視項目とされる。クリティカルポイント監視装置2は、遅延しているタスクが、特定の担当者に偏っていないか否かを判定する。クリティカルポイント監視装置2は、遅延しているタスクが、特定の担当者に偏っていると判定する場合、キーパーソン・アラートを検知したと判定する。
【0109】
クレディビリティ・アラートは、入力情報の信頼性を監視するためのアラートである。クレディビリティ・アラートの発生要因には、2つの発生要因が想定される。
【0110】
クレディビリティ・アラートの1つ目の発生要因には、クリティカルポイントの入力を疎かにしていることがある。当該発生要因を監視するため、評価日が監視項目とされる。クリティカルポイント監視装置2は、クリティカルポイントの入力が適切なタイミングで行われているか(遅すぎないか、早すぎないか)否かを判定する。クリティカルポイント監視装置2は、クリティカルポイントの入力が適切なタイミングで行われていないと判定する場合、クレディビリティ・アラートを検知したと判定する。
【0111】
クレディビリティ・アラートの2つ目の発生要因には、クリティカルポイントを偽って入力していることがある。当該発生要因を監視するため、2種類の監視項目が用いられる。
【0112】
1つ目の監視項目として、前回評価時の各クリティカルポイントとWBS進捗、今回評価時の各クリティカルポイントとWBS進捗が監視項目とされる。クリティカルポイント監視装置2は、前回評価時のクリティカルポイントやWBS進捗と比較して、今回評価に矛盾が無いか否かを判定する。クリティカルポイント監視装置2は、矛盾があると判定する場合、クレディビリティ・アラートを検知したと判定する。
【0113】
2つ目の監視項目として、過去から今回までの各クリティカルポイントとWBS進捗が監視項目とされる。クリティカルポイント監視装置2は、過去のクリティカルポイントとWBS進捗が理想的すぎないか否かを判定する。クリティカルポイント監視装置2は、過去のクリティカルポイントとWBS進捗が理想的すぎると判定する場合、クレディビリティ・アラートを検知したと判定する。
【0114】
[クリティカルポイント監視装置2の構成]
図19は、本実施形態に係るクリティカルポイント監視装置2の構成の一例を示す図である。クリティカルポイント監視装置2は、一例として、サーバである。クリティカルポイント監視装置2は、入力部20と、管理部21と、出力部22と、記憶部23とを備える。入力部20、管理部21、及び出力部22は、CPU(Central Processing Unit)がROM(Read Only Memory)からプログラムを読み込んで処理を実行することにより実現される。
【0115】
入力部20は、他の装置から各種の情報を取得する。入力部20は、通信部(不図示)を介して他の装置と通信を行うことによってそれらの各種の情報を取得する。入力部20は、プロジェクト基本情報取得部200と、進捗評価値取得部201と、外部管理進捗情報取得部202と、異常パターン取得部203とを備える。
【0116】
プロジェクト基本情報取得部200は、監視ツール端末装置3からプロジェクト基本情報D1、及びタスク情報D2を取得する。
【0117】
進捗評価値取得部201は、監視ツール端末装置3から進捗評価情報D3を取得する。ここで上述したように進捗評価情報D3は、プロジェクトが複数の工程に分解された複数のタスクに対する1以上の所定のクリティカルポイントについて、当該クリティカルポイントについて進捗が評価された値である進捗評価値を示す情報である。進捗評価情報D3では、進捗評価値はクリティカルポイント毎に含まれる。したがって、進捗評価値取得部201は、複数のタスクそれぞれについて進捗評価値をクリティカルポイント毎に取得する。
上述したように、進捗評価値は、プロジェクトを管理するためのサイクルに応じた時期(週次)に監視ツール端末装置3において入力された値である。
【0118】
外部管理進捗情報取得部202は、外部プロジェクト管理サーバ4から外部管理進捗情報D5を取得する。上述したように、外部管理進捗情報D5は、プロジェクトが複数の工程に分解された複数の外部管理タスクに対する進捗を示す外部管理進捗評価値を示す。したがって、外部管理進捗情報取得部202は、外部プロジェクト管理サーバ4からプロジェクトが複数の工程に分解された複数の外部管理タスクに対する進捗を示す外部管理進捗情報D5を取得する。
また、クリティカルポイント監視装置2が監視する複数のタスクそれぞれと、外部プロジェクト管理サーバ4によって管理される複数の外部管理タスクそれぞれとは一致している。
【0119】
異常パターン取得部203は、異常検知サーバ5から異常パターンを取得する。異常パターンは、異常検知サーバ5によって異常パターンデータD7、タスク情報D2、進捗評価情報D3、外部管理進捗情報D5に基づいて検知される。
【0120】
管理部21は、各タスクの進捗の遅れを監視するための処理を行う。管理部21は、登録部210と、リスク評価部211と、クリティカルポイント監視部212と、アラート検知部213と、評価レポート生成部214とを備える。
【0121】
登録部210は、プロジェクト基本情報取得部200が取得したプロジェクト基本情報D1、及びタスク情報D2を記憶部23に記憶させる。また、登録部210は、プロジェクト基本情報取得部200が取得したプロジェクト基本情報D1、及びタスク情報D2に基づいて、記憶部23に記憶されたプロジェクト基本情報D1、及びタスク情報D2をそれぞれ更新する。
【0122】
リスク評価部211は、進捗評価情報D3及び外部管理進捗情報D5に基づいて各クリティカルポイントについてウォーニングを検知する。リスク評価部211は、各クリティカルポイントについて、進捗評価値及びまたは外部管理進捗評価値と、所定の閾値とを比較する。リスク評価部211は、クリティカルポイントについて、それらの評価値が所定の閾値以下である場合、当該クリティカルポイントについてウォーニングを検知する。閾値は、クリティカルポイント毎の進捗評価値、クリティカルポイント毎の外部管理進捗評価値のそれぞれについて設定される。閾値は、それらの評価値について共通であってもよい。
【0123】
ウォーニングは、タスクに遅延が発生していることを示す。つまり、リスク評価部211は、進捗評価値取得部201によって取得された進捗評価値に基づいて複数のタスクそれぞれについてタスクに遅延が発生しているか否かを判定する。
【0124】
クリティカルポイント監視部212は、プロジェクト基本情報D1、タスク情報D2、進捗評価情報D3、クリティカルエンゲージメント情報D4、及び外部管理進捗情報D5に基づいて、進捗評価マトリクスB1を生成する。ここでクリティカルポイント監視部212は、進捗評価マトリクスB1に含まれるセルのうち、リスク評価部211によってウォーニングが検知されたクリティカルポイントに対応するセルには、進捗の遅れに応じて所定の色(例えば、薄いピンク、濃いピンク)を割り当てる。
【0125】
アラート検知部213は、タスク情報D2、進捗評価情報D3、外部管理進捗情報D5、及び上述した検出ロジックに基づいて、各種のアラートを検知する。アラート検知部213は、検知したアラートを、記憶部23に記憶されるウォーニングデータD6に含める。
【0126】
評価レポート生成部214は、ウォーニングデータD6に基づいてリスク評価レポートB2を生成する。また、評価レポート生成部214は、異常パターン取得部203が取得した異常パターンデータD7に基づいて、異常パターン検出時のリスク評価レポートB3を生成する。
【0127】
出力部22は、他の装置に各種の情報を出力する。出力部22は、通信部(不図示)を介して他の装置と通信を行うことによってそれらの各種の情報を出力する。
出力部22は、タスク情報D2、進捗評価マトリクスB1、リスク評価レポートB2、及びリスク評価レポートB3を監視ツール端末装置3に出力する。ここで出力部22は、週次において進捗評価マトリクスB1、リスク評価レポートB2、及びリスク評価レポートB3を監視ツール端末装置3に出力する。つまり、出力部22は、進捗評価値取得部201が取得したクリティカルポイント毎の進捗評価値と、リスク評価部211による判定結果とを、プロジェクトを管理するためのサイクルに応じた時期に出力する。進捗評価マトリクスB1、リスク評価レポートB2、及びリスク評価レポートB3は、管理サイクルに応じた時期に出力された方が、他の時期に出力される場合に比べて、プロジェクトを管理する上でユーザにとって利便性が高い。
【0128】
リスク評価レポートB3には、異常検知サーバ5によって検知された異常パターンが含まれる。つまり、出力部22は、進捗評価値とプロジェクトに異常が発生しているか否かとの関係が機械学習に基づいて学習された学習結果(本実施形態において、異常パターンデータD7)と、進捗評価値とに基づいてプロジェクトに異常が発生しているか否かが判定された結果(本実施形態において、異常検知サーバ5によって検知された異常パターン)を出力する。
【0129】
また、出力部22は、タスク情報D2、進捗評価情報D3、外部管理進捗情報D5を異常検知サーバ5に出力する。
【0130】
ここで、進捗評価マトリクスB1には、進捗評価値取得部201が取得したクリティカルポイント毎の進捗評価値と、リスク評価部211による判定結果(検知されたウォーニング)とが含まれる。したがって、出力部22は、進捗評価値取得部201が取得したクリティカルポイント毎の進捗評価値と、リスク評価部211による判定結果とを出力する。
【0131】
また、上述したように、進捗評価マトリクスB1では、ウォーニングが検知されたクリティカルポイントに対応するセルは、所定の色がつけられて監視ツール端末装置3において表示される。したがって、出力部22は、クリティカルポイント毎の進捗評価値と判定結果とを表示装置(監視ツール端末装置3)に出力し、クリティカルポイント毎の進捗評価値を判定結果に応じた態様で表示装置(監視ツール端末装置3)に表示させる。
【0132】
なお、ウォーニングが検知されたクリティカルポイントに対応するセルには、ピンク(濃いピンク、薄いピンク)以外の色によって色がつけられてもよい。また、当該セルの背景に色がつけられてもよいし、当該セルに表示される数字のフォント(色、大きさ、種類など)が変更されてもよい。また、当該セルが枠で囲われてもよいし、当該セルに表示される数字を点滅させてもよい。
【0133】
上述したように、進捗評価マトリクスB1では、タスクとクリティカルポイント毎の進捗評価値とがそれぞれ行または列とした表形式で配置される。つまり、進捗評価マトリクスB1では、タスクとクリティカルポイント毎の進捗評価値とが対応づけられている。したがって、出力部22は、複数のタスクそれぞれについて、進捗評価値取得部201が取得したクリティカルポイント毎の進捗評価値と、リスク評価部211による判定結果とを監視ツール端末装置3に出力し、複数のタスクそれぞれについて、出力部22が出力するクリティカルポイント毎の進捗評価値と判定結果とに基づいて、クリティカルポイント毎の進捗評価値を、タスクとクリティカルポイント毎の進捗評価値とが対応づけられた態様であって、かつリスク評価部211による前記判定結果に応じた態様で監視ツール端末装置3に表示させる。
【0134】
進捗評価マトリクスB1では、タスクとクリティカルポイント毎の進捗評価値とがそれぞれ行または列とした表形式で配置されているため一覧性がある。なお、進捗評価マトリクスB1では、タスクとクリティカルポイント毎の進捗評価値とが対応づけられていれば、タスクとクリティカルポイント毎の進捗評価値とがそれぞれ行または列とした表形式以外の配置で、タスクとクリティカルポイント毎の進捗評価値とが配置されてもよい。例えば、タスク毎に画面の領域が分割されて、それぞれの領域に、当該タスクに対するクリティカルポイント毎の進捗評価値がまとめて表示されてもよい。
また、1つの画面に1つのタスクに対するクリティカルポイント毎の進捗評価値が表示されてもよい。
【0135】
なお、クリティカルポイント監視システム1に印刷装置(不図示)が備えられる場合、出力部22は、当該印刷装置に進捗評価マトリクスB1、リスク評価レポートB2、リスク評価レポートB3を印刷させてもよい。出力部22は、進捗評価マトリクスB1、リスク評価レポートB2、リスク評価レポートB3それぞれについて印刷に適したレイアウトの情報を、それらの情報とともに印刷装置に出力する。印刷装置は、レイアウトの情報に基づいて、進捗評価マトリクスB1、リスク評価レポートB2、リスク評価レポートB3を印刷に適したレイアウトにおいて印刷する。
【0136】
なお、記憶部23は、クリティカルポイント監視装置2とは別体として備えられる外部のデータベースに備えられてもよい。記憶部23に記憶されるプロジェクト基本情報D1、タスク情報D2、進捗評価情報D3、クリティカルエンゲージメント情報D4、外部管理進捗情報D5、ウォーニングデータD6のうちいずれか1以上が外部のデータベースに記憶されてもよい。
【0137】
なお、異常検知サーバ5は、クリティカルポイント監視装置2と一体となって備えられてもよい。つまり、クリティカルポイント監視装置2が、異常検知サーバ5の機能を備えてもよい。その場合、例えば、リスク評価部211は、進捗評価値とプロジェクトに異常が発生しているか否かとの関係が機械学習に基づいて学習された学習結果と、進捗評価値取得部201によって取得された進捗評価値とに基づいてプロジェクトに異常が発生しているか否かを判定する。
【0138】
なお、本実施形態では、クリティカルポイントであるクリティカルポイントは、システム化要件の確定度合い、開発全量の把握度合い、技術的不明点の解消度合い、技術的キー人財の可用度合い、及び追加開発の収束である場合の一例について説明したが、これに限られない。1以上のクリティカルポイントは、システム化要件の確定度合い、開発全量の把握度合い、技術的不明点の解消度合い、技術的キー人財の可用度合いのうちいずれか1以上を含んでいればよい。
【0139】
監視ツール端末装置3は、PCまたはスマートフォンなどの携帯端末である。監視ツール端末装置3は、端末装置側入力部30と、表示部31とを備える。
端末装置側入力部30は、進捗評価値などの各種情報を入力する操作を受け付ける。端末装置側入力部30は、入力された進捗評価値などの各種情報をクリティカルポイント監視装置2に出力する。端末装置側入力部30は、入力装置の一例である。
【0140】
表示部31は、クリティカルポイント監視装置2から出力される各種情報を表示する。表示部31は、進捗評価マトリクスB1を表示する。つまり、表示部31は、クリティカルポイント監視装置2から出力されるクリティカルポイント毎の進捗評価値と判定結果とを表示する。表示部31は、表示装置の一例である。
【0141】
以上に説明したように、本実施形態に係るクリティカルポイント監視装置2は、進捗評価値取得部201と、リスク評価部211と、出力部22とを備える。
進捗評価値取得部201は、プロジェクトが複数の工程に分解された複数のタスクに対する1以上の所定の監視項目(本実施形態において、クリティカルポイント)について、当該監視項目(本実施形態において、クリティカルポイント)について進捗が評価された値である進捗評価値(本実施形態において、進捗評価情報D3)を監視項目(本実施形態において、クリティカルポイント)毎に取得する。
リスク評価部211は、進捗評価値取得部201によって取得された進捗評価値(本実施形態において、進捗評価情報D3)に基づいてタスクに遅延が発生しているか否かを判定する。
出力部22は、進捗評価値取得部201が取得した監視項目(本実施形態において、クリティカルポイント)毎の進捗評価値と、リスク評価部211による判定結果とを出力する。
【0142】
この構成により、本実施形態に係るクリティカルポイント監視装置2では、監視項目について定量的かつ機械的に遅延兆候の評価ができるため、クリティカルパスの遅延の早期検知ができる。本実施形態に係るクリティカルポイント監視装置2では、万人がクリティカルパスの遅延監視を容易に実施可能である。
【0143】
また、本実施形態に係るクリティカルポイント監視装置2では、1以上の監視項目(本実施形態において、クリティカルポイント)は、以下のうちいずれか1以上を含む、
(イ)システム化要件の確定度合い;
(ロ)開発全量の把握度合い;
(ハ)技術的不明点の解消度合い;
(ニ)技術的キー人財の可用度合い
【0144】
この構成により、本実施形態に係るクリティカルポイント監視装置2では、必要最小限の監視項目に基づいて定量的かつ機械的に遅延兆候の評価ができるため、クリティカルパスの初動遅延検知の遅れを未然に防げる、プロジェクト資源がクリティカルパスでない作業に偏って投入されてしまうことを抑制できる、プロジェクトの後半での回復困難なスケジュール遅延の発現を未然に防げる、またそれらの結果として納期・経費・品質の全てに大きな計画齟齬を来すという従来の構造的な問題が発生してしまうことを抑制できる。
【0145】
また、本実施形態に係るクリティカルポイント監視装置2では、出力部22は、監視項目(本実施形態において、クリティカルポイント)毎の進捗評価値と判定結果とを表示装置(本実施形態において、表示部31)に出力し、監視項目(本実施形態において、クリティカルポイント)毎の進捗評価値を判定結果に応じた態様(本実施形態において、進捗評価マトリクスB1)で表示装置(本実施形態において、表示部31)に表示させる。
【0146】
この構成により、本実施形態に係るクリティカルポイント監視装置2によって出力される進捗評価マトリクスB1は、スケジュール遅延発生時や異常値検知時における複数部門・複数企業に渡る原因究明と対策立案の迅速化とを促す定量的な可視化資料の源泉となる。また、進捗評価マトリクスB1は、社会的な価値として、従来は遅延の責任を問われ易い地位にあった現場の開発者にとっての免責証明の役割を果たす資料の源泉となる。
【0147】
また、本実施形態に係るクリティカルポイント監視装置2では、外部管理進捗情報取得部202をさらに備える。外部管理進捗情報取得部202は、外部のプロジェクト管理装置(本実施形態において、外部プロジェクト管理サーバ4)からプロジェクトが複数の工程に分解された複数の外部管理タスクに対する進捗を示す外部管理進捗情報D5を取得する。出力部22は、外部管理進捗情報取得部202が取得した外部管理進捗情報D5を出力する。複数のタスクそれぞれと、複数の外部管理タスクそれぞれとは一致している。
【0148】
この構成により、本実施形態に係るクリティカルポイント監視装置2では、外部のプロジェクト管理装置と連携ができるため、従来の様々なプロジェクト管理手法と排反することなく、むしろ補完的な位置付けとして、しかも比較的軽微な労力により、上記の効果を奏することができる。そのため、本実施形態に係るクリティカルポイント監視装置2では、経済的な利益だけでなく、ソフトウェア開発分野における可視化の推進と、現場開発者の免責証明を含めた多くの社会的な価値を実現する。
【0149】
本実施形態に係るクリティカルポイント監視システム1は、クリティカルポイント監視装置2と、入力装置(本実施形態において、端末装置側入力部30)と、表示装置(本実施形態において、表示部31)とを備える。入力装置(本実施形態において、端末装置側入力部30)は、入力された進捗評価値をクリティカルポイント監視装置2に出力する。表示装置(本実施形態において、表示部31)は、クリティカルポイント監視装置2から出力される監視項目毎の進捗評価値と判定結果と(本実施形態において、進捗評価マトリクスB1)を表示する。
【0150】
この構成により、クリティカルポイント監視システム1では、入力装置(本実施形態において、端末装置側入力部30)によって簡易な入力方法による進捗評価を実現し、当該システムの利用に際してユーザへの負荷を軽減できる。入力装置としては、本実施形態のようにスマートフォンなどの携帯端末が好適に用いられる。また、上述したようにクリティカルポイント監視装置2は、従来のプロジェクト管理手法を補完する用途において好適に用いられるため、この点においても当該システムの利用に際してユーザへの負荷を軽減できることは好ましい。
【0151】
また、この構成により、クリティカルポイント監視システム1では、クリティカルポイントが定量評価された進捗評価情報D3を蓄積し、一覧性のある形式で出力できる。ユーザは、出力された監視項目毎の進捗評価値と判定結果と(本実施形態において、進捗評価マトリクスB1)に基づいて、プロジェクトの進捗状況や遅延状況について簡便に把握できる。また、クリティカルポイント監視システム1では、入力されたクリティカルポイントの情報に基づいて、ウォーニングを利用者に提示し、遅延の早期発見と解決を促すことができる。
【0152】
また、本実施形態に係るクリティカルポイント監視装置2では、出力部22は、進捗評価値とプロジェクトに異常が発生しているか否かとの関係が機械学習に基づいて学習された学習結果(本実施形態において、異常パターンデータD7)と、進捗評価値とに基づいてプロジェクトに異常が発生しているか否かが判定された結果(本実施形態において、異常検知サーバ5によって検知された異常パターン)を出力する。
【0153】
この構成により、本実施形態に係るクリティカルポイント監視装置2では、蓄積された進捗評価値と外部管理進捗評価値等の情報を基に、人工知能によってプロジェクトの状況が分析され、遅延などの異常検知が行われた結果を、ユーザに通知できる。また、検知された異常パターンは、リスク評価レポートB3に含められて、監視ツール端末装置3の表示部31にリスク評価レポートB3として表示される。これによって、人工知能による異常検知の結果を、人間が理解しやすい形式で出力できる。
【0154】
なお、上述した実施形態におけるクリティカルポイント監視装置2の一部、例えば、入力部20、管理部21、及び出力部22をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、クリティカルポイント監視装置2に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
また、上述した実施形態におけるクリティカルポイント監視装置2の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。クリティカルポイント監視装置2の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【0155】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0156】
1…クリティカルポイント監視システム、2…クリティカルポイント監視装置、3…監視ツール端末装置、4…外部プロジェクト管理サーバ、5…異常検知サーバ、201…進捗評価値取得部、211…リスク評価部、22…出力部、D3…進捗評価情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19