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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】商品登録装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20241205BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20241205BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20241205BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20241205BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G07G1/00 311E
G07G1/12 301E
G07G1/01 301D
G06K7/10 468
G06K7/14 060
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021031365
(22)【出願日】2021-03-01
(65)【公開番号】P2022132745
(43)【公開日】2022-09-13
【審査請求日】2023-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢嶋 信介
(72)【発明者】
【氏名】内藤 英浩
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 昌樹
(72)【発明者】
【氏名】川口 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 孝浩
(72)【発明者】
【氏名】宮島 惇
(72)【発明者】
【氏名】兼子 俊弘
(72)【発明者】
【氏名】谷平 泰樹
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-083686(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品に付されたコードシンボルを読取り可能な第1の読取領域を形成する第1読取部と、
前記第1読取部とは異なる位置に設けられ、前記第1の読取領域の少なくとも一部と重複する、前記コードシンボルを読み取り可能な第2の読取領域を形成する第2読取部と、
買物カゴを載置する置台と、
前記買物カゴの周囲を撮像する撮像部と、
前記第1読取部で読み取られた前記コードシンボルの読取り結果から、前記コードシンボルに保持された第1コード情報を取得する第1取得部と、
前記第2読取部で読み取られた前記コードシンボルの読取り結果から、前記コードシンボルに保持された第2コード情報を取得する読取る第2取得部と、
前記撮像部で撮像された撮像画像に基づいて、顧客が前記買物カゴから取り出した商品の種類及び個数を検知する検知部と、
前記第1コード情報と、前記第2コード情報とが一致した場合に、前記第1コード情報又は前記第2コード情報に基づき、商品を登録する登録部と、
を備え
前記登録部は、前記検知部が、顧客が2つ以上の同一種類の商品を前記買物カゴから取り出したことを検知した場合、前記第1コード情報と前記第2コード情報とが一致するかの判定を行わず、前記第1コード情報又は前記第2コード情報に基づき、商品を登録す
商品登録装置。
【請求項2】
前記第1コード情報と、前記第2コード情報とが一致しない場合に、報知を行う報知制御部を更に備える、
請求項1に記載の商品登録装置。
【請求項3】
前記第1コード情報と、前記第2コード情報との照合を行う照合部を更に備え、
前記照合部は、前記第1読取部及び前記第2読取部のうちの何れか一方が、前記第1コード情報及び前記第2コード情報の何れか一方を読取ってから所定時間以内に、他方が、前記第1コード情報及び前記第2コード情報の何れか一方を読取った場合に、前記第1コード情報と前記第2コード情報との照合を行う、
請求項1又は2に記載の商品登録装置。
【請求項4】
前記登録部は、前記第1読取部及び前記第2読取部のうちの何れか一方が、前記第1コード情報及び前記第2コード情報のうち何れか一方を読取ってから所定時間以内に、他方が、前記第1コード情報及び前記第2コード情報のうち何れか一方を読取れなかった場合、前記照合部による照合なしで前記第1コード情報又は前記第2コード情報に基づき、商品を登録する、
請求項3に記載の商品登録装置。
【請求項5】
前記第2読取部は、前記第1読取部の上方の位置に設けられ、前記第1読取部の光軸と前記第2読取部の光軸とは交差する、
請求項1乃至4の何れか1項に記載の商品登録装置。
【請求項6】
商品に付されたコードシンボルを読取り可能な第1の読取領域を形成する第1読取部と、前記第1読取部とは異なる位置に設けられ、前記第1の読取領域の少なくとも一部と重複する、前記コードシンボルを読み取り可能な第2の読取領域を形成する第2読取部と、買物カゴを載置する置台と、前記買物カゴの周囲を撮像する撮像部と、を備える商品登録装置のコンピュータを、
前記第1読取部で読み取られた前記コードシンボルの読取り結果から、前記コードシンボルに保持された第1コード情報を取得する第1取得部と、
前記第2読取部で読み取られた前記コードシンボルの読取り結果から、前記コードシンボルに保持された第2コード情報を取得する読取る第2取得部と、
前記撮像部で撮像された撮像画像に基づいて、顧客が前記買物カゴから取り出した商品の種類及び個数を検知する検知部と、
前記第1コード情報と、前記第2コード情報とが一致した場合に、前記第1コード情報又は前記第2コード情報に基づき、商品を登録する登録部と、
として機能させるプログラムであって、
前記登録部は、前記検知部が、顧客が2つ以上の同一種類の商品を前記買物カゴから取り出したことを検知した場合、前記第1コード情報と前記第2コード情報とが一致するかの判定を行わず、前記第1コード情報又は前記第2コード情報に基づき、商品を登録する、
プログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品登録装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スーパー等の小売店等で取り扱われる商品は、様々な大きさのものが存在している。商品に付されるバーコードも商品の大きさによって大小様々である。また、バーコードの形状を利用して絵柄をバーコードに追加したような、デザインバーコードを取り扱う商品もよく見られる。
【0003】
このように、様々な大きさのバーコードやデザインバーコードが増えてきたことにより、バーコードを商品登録する際に、バーコード形状の変形や光の当たり方等により、当該バーコードにコード化されている情報とは異なる情報を商品登録装置が認識してしまう誤読が発生する可能性が高くなってきている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、読取の正確性を向上させた商品登録装置及びプログラムを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の商品登録装置は、商品に付されたコードシンボルを読取り可能な第1の読取領域を形成する第1読取部と、前記第1読取部とは異なる位置に設けられ、前記第1の読取領域の少なくとも一部と重複する、前記コードシンボルを読み取り可能な第2の読取領域を形成する第2読取部と、買物カゴを載置する置台と、前記買物カゴの周囲を撮像する撮像部と、前記第1読取部で読み取られた前記コードシンボルの読取り結果から、前記コードシンボルに保持された第1コード情報を取得する第1取得部と、前記第2読取部で読み取られた前記コードシンボルの読取り結果から、前記コードシンボルに保持された第2コード情報を取得する読取る第2取得部と、前記撮像部で撮像された撮像画像に基づいて、顧客が前記買物カゴから取り出した商品の種類及び個数を検知する検知部と、前記第1コード情報と、前記第2コード情報とが一致した場合に、前記第1コード情報又は前記第2コード情報に基づき、商品を登録する登録部と、を備える。また、前記登録部は、顧客が2つ以上の同一種類の商品を前記買物カゴから取り出したことが検知された場合、前記第1コード情報と前記第2コード情報とが一致するかの判定を行わず、前記第1コード情報又は前記第2コード情報に基づき、商品を登録する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置の外観の一例を示す斜視図である。
図2図2は、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置の外観の一例を示す斜視図である。
図3図3は、顧客が商品登録を行う際の商品の動きの一例を説明するための図である。
図4図4は、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置の読取(撮像)領域の一例を説明するための図である。
図5図5は、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図6図6は、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置の制御部の機能構成の一例を示す図である。
図7図7は、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、第1実施形態の変形例2に係るセルフチェックアウト装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図9図9は、第1実施形態の変形例2に係るセルフチェックアウト装置の制御部の機能構成の一例を示す図である。
図10図10は、第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置の制御部の機能構成の一例を示す図である。
図11図11は、第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら、実施形態に係るセルフチェックアウト装置1について、説明する。セルフチェックアウト装置1は、商品登録装置の一例である。
【0008】
(第1実施形態)
〈第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置の構成〉
図1及び図2は、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置1の外観の一例を示す斜視図である。
【0009】
セルフチェックアウト装置1は、顧客が自身で商品登録及び決済を行うための装置である。セルフチェックアウト装置1は、中央ユニット10と、決済ユニット20と、籠置台30と、を備えている。
【0010】
籠置台30は、商品登録・袋詰ユニットである中央ユニット10の一方の側方(図では向かって右側)に隣接して設けられる。籠置台30は、商品登録前の商品を載置する置台である。言い換えると、籠置台30は、商品登録前の商品を入れた買物籠を載せるための台である。
【0011】
籠置台30は、買物籠の載置面となる略長方形状の平坦な天板を備える。天板は、上下方向(Z軸方向)に移動可能であり、任意の高さで固定することが可能となっている。天板の上下移動に係る構成は特に問わず、種々の移動機構を採用することができる。
【0012】
例えば、籠置台30の床面に接する底板から一対のレール部材を立設するとともに、当該レール部材に対応する天板の底面の位置に、下方に突出した一対のガイド部材が取り付ける。そして、レール部材とガイド部材とが摺動自在に係合する構成とすることで、天板の上下移動を実現することができる。
【0013】
また、この場合、籠置台30は、天板に商品を入れた買物籠を置いた際に商品の重さにより天板が下方に移動してしまわないようにガイド部材をレール部材に固定する機構(例えば、ネジ等)を有する。これにより、天板を任意の高さで固定することができる。したがって、顧客は、自身の身長に合わせて買物籠の設置面の高さを調節することが可能になる。なお、籠置台30の代わりにショッピングカートを設置できるスペースを設けてもよい。
【0014】
中央ユニット10は、籠置台30に置いた買物籠に入っている商品の登録及び袋詰めを行うためのユニットである。中央ユニット10は、入力部11、表示デバイス12、袋詰台13、及び一時置台14等を備えている。
【0015】
袋詰台13は、表示デバイス12の下に位置し、入力部11による情報受付後の商品(物品)や当該商品を収納する袋を載置するための台である。なお、袋詰台13は、袋詰台13に載せられた物品の重さを量る重量センサを備えていてもよい。
【0016】
袋詰台13の奥行方向(Y軸の負方向)の奥側には、支柱16が立設されている。図1に示す構成では、支柱16は、袋詰台13の幅方向(X軸方向)において、略中央に設けられる。なお、支柱16を立設する位置は、これに限らないものとする。例えば、袋詰台13の略中央からも、後述する決済ユニット20が設けられる側(図では向かって左側)に寄った位置に支柱16を立設する形態としてもよい。
【0017】
支柱16の上部には、表示デバイス12が取り付けられている。つまり、表示デバイス12は、袋詰台13の奥行方向の奥側に位置している。
【0018】
表示デバイス12は、例えば液晶ディスプレイパネル等である。表示デバイス12は、顧客の立ち位置側(Y軸方向)に向けて取り付けられており、顧客に報知する情報を表示する。
【0019】
また、表示デバイス12は、表示画面上にタッチパネル112を備える。タッチパネル112は、顧客による手入力を受け付ける操作部である。タッチパネル112は、表示デバイス12の表面に重ねて設けられ、表示デバイス12が表示している画像に応じた操作を受け付ける。例えば、表示デバイス12が販売対象事物を表示中に、タッチパネル112が当該事物を選択する顧客の手入力を受け付ける。
【0020】
支柱16により、高さ方向(Z軸方向)において、表示デバイス12と袋詰台13との間が広く開けられて、袋詰め作業のための空間が形成される。
【0021】
また、表示デバイス12の側方(図では向かって右側)には、スキャナ111が設けられている。また、スキャナ111は、袋詰台13の奥行方向の奥側で且つ袋詰台13の幅方向の一方の側方側に位置している。
【0022】
スキャナ111は、支柱16から延びる支持部材(図示しない)により支持されていてもよいし、袋詰台13に立設される他の支柱(図示しない)により支持されていてもよい。また、スキャナ111は、高さ方向において、表示デバイス12と袋詰台13との間の高さに位置している。
【0023】
スキャナ111は、バーコードや二次元コード等のコードシンボルを読取る読取装置である。コードシンボルは、例えば、商品や商品に付されたラベル、あるいは一覧表に表示されている。スキャナ111の詳細な構成については後述する。
【0024】
スキャナ111及びタッチパネル112は、入力部11を構成する。入力部11は、商品の情報の入力を受け付ける。商品は、有価で販売される事物(販売対象事物)であって、有形の物品等である。スキャナ111は、コードシンボルを読取ることで商品の情報の入力を受け付ける。また、タッチパネル112は、顧客による手入力を受け付けることで商品の情報の入力を受け付ける。
【0025】
なお、入力部11として、カメラやキーボード、ボタンが設けられていてもよい。カメラは、商品を撮像して画像を出力する撮像装置である。キーボード及びボタンは、顧客による手入力を受け付ける操作部である。
【0026】
表示デバイス12の下方には、一時置台14が設けられている。一時置台14は、支柱16により支持される。つまり、一時置台14は、高さ方向において、一時置台14は、表示デバイス12と袋詰台13との間に位置している。また、一時置台14は、高さ方向において、スキャナ111よりも下方に位置している。なお、一時置台14は、袋詰台13に立設される支柱等により支持されていてもよい。
【0027】
袋詰台13の奥行方向の手前側には、一対の袋支持部15が立設されている。袋支持部15の一方は、袋詰台13の決済ユニット20が設けられる側の端部(図では向かって左側)に立てられている。袋支持部15の他方は、幅方向において、スキャナ111が設けられる位置よりも決済ユニット20が設けられる側に寄った位置に立設される。
【0028】
顧客は、袋支持部15の上端部に袋の持ち手等を引っかけることにより、袋詰台13上にて袋を開いた状態に保つことができる。
【0029】
中央ユニット10の他方の側方(図では向かって左側)には、決済ユニット20が隣接して設けられている。決済ユニット20は、決済ユニット20は、入力部11が受け付けた情報に基づいて金銭授受ないし当該金銭授受に代わる情報授受により会計処理を行う。決済ユニット20は、袋詰台13とは別体である。言い換えると、決済ユニット20は、中央ユニット10と別体である。
【0030】
決済ユニット20は、硬貨釣銭機21と紙幣釣銭機22とを備えている。また、決済ユニット20の筐体201の上面には、プリンタ(印字部)23とカードリーダ(読取装置)24とが載置されている。更に、決済ユニット20は、警告灯25を備えている。
【0031】
硬貨釣銭機21は、硬貨投入口211及び硬貨排出口212を備えている。紙幣釣銭機22は、紙幣投入口221及び紙幣排出口222を備えている。これら(硬貨投入口211、硬貨排出口212、紙幣投入口221、紙幣排出口222)は、筐体201に設けられている。硬貨投入口211は、硬貨の投入を受け付ける入金口である。
【0032】
硬貨排出口212は、硬貨を排出する出金口である。紙幣投入口221は、紙幣の投入を受け付ける入金口である。紙幣排出口222は、紙幣を排出する出金口である。
【0033】
硬貨排出口212は、払い出された硬貨を受け止める受皿の形状に形成されている。貨幣(硬貨及び紙幣)の入出金のうち最も手間取るのは、硬貨排出口212に払い出された硬貨の取り出しである。このため、硬貨排出口212は、硬貨を取り出すにあたって都合のよい高さに設けられている。当該高さは、利用者として想定される人間の身長を考慮して設定される。
【0034】
他の入出金口(硬貨投入口211、紙幣投入口221、紙幣排出口222)は、硬貨排出口212を高さの基準とし、硬貨排出口212に可能な限り近く設けられる。硬貨投入口211は、硬貨の投げ込みやすさを考慮して、漏斗状に形成されている。
【0035】
また、硬貨投入口211は、硬貨排出口212よりも高い位置に配されている。紙幣投入口221及び紙幣排出口222は、いずれも上向きに開口した様式で、硬貨排出口212よりも低い位置に配されている。
【0036】
プリンタ23は、レシートやクーポン券等を印字発行する。カードリーダ24は、決済に用いられるクレジットカードが記憶する情報を読み取る。警告灯25は、店員による復旧操作が必要等の事態になったとき、当該事態の発生を、光を明滅させる等により周囲に報知する。
【0037】
なお、セルフチェックアウト装置1は、クレジット決済に限らず他の電子決済用の記録媒体が保持するデータを読み取る読取装置(例えば、電子マネー決済用のリーダライタ)を備えていてもよい。
【0038】
次に、スキャナ111の構成について詳しく説明する。図2は、図1のスキャナ111部分を拡大した斜視図である。スキャナ111は、顧客の立ち位置側に、撮像窓Wを備える。撮像窓W内には、第1撮像部113、LED等の光源を点灯させることにより撮像対象物に光を照射する照明部(図示しない)が設置される。顧客は、購入を希望する商品を撮像窓Wに翳すことで、当該商品の読取(撮像)を行う。
【0039】
第1撮像部113は、商品等の物品に付されたコードシンボルを含む画像を撮像する。また、第1撮像部113は、顧客が位置する側に商品に付されたコードシンボルを撮像可能な撮像範囲を形成する。第1撮像部113は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary MOS)等の撮像素子と撮像レンズとを有する。撮像レンズは、撮像領域の画像を撮像素子に結像する。
【0040】
第1撮像部113は、撮像窓Wを介して、スキャナ111の外を撮像する。例えば、第1撮像部113は、商品に印刷されたバーコードや二次元コード等を光学的に撮像する。なお、バーコードや二次元コード等は、「コードシンボル」の一例である。第1撮像部113が撮像した画像データには、第1撮像部113を識別する識別情報が付される。これにより、画像データから当該画像を撮像した撮像部を特定することができる。
【0041】
ここで、商品に印刷されるバーコードや二次元コード等には、商品の識別子(商品コード)が、バーコードや二次元コード等にエンコードされた状態で保持されているものとする。
【0042】
なお、第1撮像部113が、バーコードや二次元コード等を光学的に撮像することによりコード情報を読取ることが可能になるため、第1撮像部113は、「第1読取部」の一例であり、撮像領域は、「読取領域」の一例であると言える。また、第1撮像部113の代わりに、レーザ光の反射によりバーコードや2次元コード等を読取るスキャナを設けてもよい。
【0043】
第2撮像部114は、第1撮像部113とは異なる位置に設けられる。第1実施形態では、第2撮像部114は、スキャナ111の上面に固定されている。第2撮像部114は、第1撮像部113と同様に商品に印刷されたバーコードや二次元コード等を光学的に撮像する。第1撮像部113と同様に、第2撮像部114が撮像した画像データには、第2撮像部114を識別する識別情報が付される。
【0044】
また、第2撮像部114は、顧客が位置する側に撮像範囲を形成する。第2撮像部114は、「第2読取部」の一例である。なお、第2撮像部114の代わりに、レーザ光の反射によりバーコードや2次元コード等を読取るスキャナを設けてもよい。
【0045】
ここで、第2撮像部114は、スキャナ111の上面に設けられているため、第1撮像部113の撮像領域と第2撮像部114の撮像領域とは異なっている。また、第1撮像部113の撮像領域と、第2撮像部114の撮像領域とは、少なくとも一部が重複する。
【0046】
このように、セルフチェックアウト装置1は、上述した構成の第1撮像部113と第2撮像部114とを備えることにより、コードシンボルの読取効率を向上させることができる。以下、第2撮像部114を備えることにより、コードシンボルの読取効率が向上する理由について詳しく説明する。
【0047】
まず、本実施形態の構成と対比するため、読取部(撮像部)が一つしかない場合の構成を対比例として説明する。図3は、顧客が商品登録を行う際の商品の動きの一例を説明するための図である。ここでは、商品登録処理に慣れていない顧客が商品Iに付されたバーコードCを読取部Rに読取らせる場合について説明する。
【0048】
顧客は、買物カゴSに入った商品Iを取り出すと、例えば、バーコードCが付された面を上側に向けて図中に矢印で示した軌道で商品Iを移動させていくことで、バーコードCを読取部Rの撮像窓Wに接近させて読取を行う。
【0049】
ここで、図3の読取装置がバーコードCを読取るためには、撮像領域A内にバーコードCの全体が入っている必要がある。しかしながら、図3の矢印で示した軌道で商品Iが移動する場合、顧客は商品Iを撮像窓W付近まで近付けないと、バーコードCの全体が撮像領域A内に入らないことになる。
【0050】
また、一般的に、顧客は、商品IのバーコードCが付された面を可能な限り読取部Rに近付けて読取を行うことが多いことが知られている。この場合、商品Iを撮像窓Wに接近させ過ぎると、照明光が反射を起こしてしまうことがある。照明光が反射を起こすと、読取部Rが撮像した画像が白飛びした画像になってしまい、バーコードCを認識できず読取に失敗する可能性がある。
【0051】
さらに、デザインバーコードについては、形状が様々であるため、バーコードCの形状が変形した状態で撮像されてしまうことがある。このような場合、バーコードCを正しく認識できず、誤読が生じる可能性がある。
【0052】
一方、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置1では、第1撮像部113でバーコードCの撮像に失敗したとしても、第2撮像部114でバーコードCを正常に撮像できればバーコードCを読取ることが可能であるため、読取効率を高めることができる。以下、図4を参照して第1実施形態のセルフチェックアウト装置1の動作例を詳しく説明する。図4は、実施形態に係るセルフチェックアウト装置1の読取(撮像)領域の一例を説明するための図である。
【0053】
第1撮像部113は、袋詰台13(図1参照)の天板から離間した位置に設けられる。また、第1撮像部113は、第1撮像部113の光軸LAが、袋詰台13の天板と略平行になるよう配置される。
【0054】
第2撮像部114は、第1撮像部113の上方の位置に設けられる。また、第2撮像部114は、第2撮像部114の光軸LBが光軸LAと交差するように配置されている。一例として、第2撮像部114は、光軸LAと光軸LBとのなす角が50°になるように配置される。
【0055】
第1撮像部113は、顧客が位置する側に撮像領域Aを形成する。具体的には、第1撮像部113は、顧客が位置する側に光軸LAを中心とする撮像領域Aを形成する。
【0056】
また、第2撮像部114は、顧客が位置する側に撮像領域Bを形成する。具体的には、第2撮像部114は、顧客が位置する側に光軸LBを中心とする撮像領域Bを形成する。また、第2撮像部114の撮像角度は、光軸LBが光軸LAと交差するよう配置される。つまり、撮像領域Aと撮像領域Bとで、重複する部分が存在する。
【0057】
具体的には、第2撮像部114が形成する撮像領域Bは、図示しない撮像窓Wの前方(顧客から見て手前側)において、第1撮像部113が形成する撮像領域Aと重複する。ここで、撮像領域Aと撮像領域Bとの重複部分は、籠置台30に置かれた買物カゴSの上方となるよう設計することが好ましい。
【0058】
これにより、セルフチェックアウト装置1では、買物カゴSから撮像窓Wの方向に移動される商品Iを、第1撮像部113と第2撮像部114とで互いに異なる角度から撮像することができる。
【0059】
上述した本実施形態の構成において、顧客が商品Iに付されたバーコードCをセルフチェックアウト装置1に読取らせる場合について説明する。例えば、顧客が、図3と同様の軌道でバーコードCが付された面を上側に向けて商品Iを撮像窓Wに近付けていくと、まず、上側に向けられたバーコードCの全体が撮像領域B内に入る。そして、顧客が更に商品Iの移動を続けていくと、撮像窓W付近でバーコードCの全体が撮像領域A内に入る。
【0060】
かかる構成により、仮に顧客が商品Iを撮像窓Wに近付け過ぎた結果、照明光の反射等が原因で第1撮像部113がバーコードCの全体を撮像することに失敗したような場合でも、第2撮像部114では、バーコードCの全体を撮像できる可能性が高くなる。
【0061】
つまり、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置1は、顧客が商品Iを撮像窓Wの方へ移動させていく過程において、第1撮像部113または第2撮像部114がバーコードCを撮像可能な機会が増えるため、バーコードCの読取効率を向上させることができる。
【0062】
なお、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置1の第2撮像部114は、光軸LAと光軸LBとのなす角度が50°になるよう設けられているが、当該角度は50°に限定されない。当該角度は、顧客が商品Iを撮像窓Wの方向へ移動させる過程で撮像領域Bに、上側に向けられたバーコードCの全体が入るように30°から90°であることが好ましく、45°から90°であるとより好ましい。
【0063】
なお、スキャナ111は、支柱16に固定した状態で支持されてもよいし、回動可能な状態で支持されてもよい。後者の場合、支柱16は、例えば図中X軸方向を回動軸方向としてスキャナ111をチルト方向に回動可能に支持する。
【0064】
かかる構成とすることで、第1撮像部113の光軸LAとセルフチェックアウト装置1の設置面とがなす角度を変化させることができる。つまり、第1撮像部113による商品I等の撮像位置(撮像角度)を変化させることができる。
【0065】
また、第2撮像部114は、スキャナ111の上面に固定されているため、光軸LAとセルフチェックアウト装置1の設置面とがなす角度を変化させても、光軸LAと光軸LBとのなす角度は変化しない。
【0066】
言い換えると、第1撮像部113の光軸LAとセルフチェックアウト装置1の設置面とのなす角度を変化させると、連動して第2撮像部114の光軸LBとセルフチェックアウト装置1の設置面とがなす角度も同様の割合で変化する。
【0067】
これにより、セルフチェックアウト装置1では、例えば、顧客の身長に合わせて第1撮像部113及び第2撮像部114による撮像位置を変化させることができる。また、セルフチェックアウト装置1では、汁気のあるお惣菜等の傾けられない商品I等が撮像対象となる場合に、第1撮像部113及び第2撮像部114による撮像位置を変化させることで、当該商品I等の読取りに好適な配置を実現すること等もできる。
【0068】
したがって、セルフチェックアウト装置1では、商品の読取に係る操作性を向上させることができる。なお、スキャナ111は、支柱16の高さ方向(Z軸方向)に対しても移動可能な構成としてもよい。
【0069】
〈第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置のハードウェア構成〉
次に、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置1のハードウェア構成について説明する。図5は、セルフチェックアウト装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0070】
図5のブロック図に示すように、決済ユニット20は、制御部26、I/O機器制御部27、及び通信I/F28を、更に備えている。そして、中央ユニット10は、I/O機器制御部17、及び通信I/F18を、更に備えている。
【0071】
通信I/F(インタフェース)18,28は、自装置を外部装置と通信可能に接続する。I/O機器制御部27は、制御部26に、硬貨釣銭機21、紙幣釣銭機22、プリンタ23、及びカードリーダ24を、接続する。
【0072】
I/O機器制御部17は、通信I/F18,28を介して、制御部26に、表示デバイス12、及びスキャナ111を、接続する。なお、I/O機器制御部17は、通信I/F18,28を介して、制御部26に、重量センサを接続してもよい。
【0073】
制御部26は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有する。ROMは、CPUが実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAMは、CPUがプログラムを実行する際に一時的にデータやプログラムを記憶する。制御部26は、CPUがROMから読み出したプログラムをRAMに展開して実行することにより、自装置が備える各部を統括的に制御する。
【0074】
なお、第1実施形態では、決済ユニット20が制御部26を備えているが、中央ユニット10が制御部を備える構成であってもよい。また、中央ユニット10及び決済ユニット20の両方がそれぞれのユニットを統括的に制御する制御部を備える構成であってもよい。
【0075】
〈第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置の制御部の機能構成〉
次に、図6を参照して、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置1の制御部26の機能構成について説明する。図6は、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置1の制御部26の機能構成の一例を示す図である。セルフチェックアウト装置1は、取得部261、情報読取部262、比較照合部263、商品登録部264、及び表示制御部265を機能構成として備える。
【0076】
より詳細には、セルフチェックアウト装置1は、制御部26のCPUと制御部26のROM等に記憶されたプログラムとの協働により、上記機能構成をソフトウェア構成として備える。なお、上記機能構成の一部又は全ては、制御部26のCPU又は専用回路等のハードウェア構成により実現されてもよい。
【0077】
取得部261は、第1撮像部113で撮像される第1画像及び第2撮像部114で撮像される第2画像を取得する。具体的には、取得部121は、タッチパネル112等を介した操作等により商品登録開始が指示されると、I/O機器制御部17、通信I/F18、及び通信I/F28を介して、第1撮像部113及び第2撮像部114で撮像された画像データの取り込みを開始する。
【0078】
このとき、取得部261は、取り込んだ画像データに付された撮像部の識別情報から、当該画像データが第1撮像部113で撮像されたか第2撮像部114で撮像されたかを判別する。そして、取得部261は、第1撮像部113で撮像された画像データを第1画像として取得する。また、取得部261は、第2撮像部114で撮像された画像データを第2画像として取得する。
【0079】
その後、取得部261は、タッチパネル112の操作等により商品登録終了が指示されると、画像データの取り込みを停止する。
【0080】
情報読取部262は、第1取得部及び第2取得部の一例である。情報読取部262は、第1撮像部113又は第2撮像部114の撮像結果から、コードシンボルに保持されたコード情報を読取る(取得する)。
【0081】
具体的には、情報読取部262は、まず、取得部261が取得した第1画像又は第2画像から商品に付されたバーコードを認識する。次に、情報読取部262は、認識したバーコードにエンコードされた状態で保持されている情報をデコードすることによって、撮像した商品の商品コードを読み取る。
【0082】
このとき、情報読取部262は、取得部261が取得した第1画像から読み取った商品コードを第1商品コードとして読取る。第1商品コードは、第1コード情報の一例である。また、情報読取部262は、取得部261が取得した第2画像から読み取った商品コードを第2商品コードとして読取る。第2商品コードは、第2コード情報の一例である。
【0083】
比較照合部263は、第1商品コードと第2商品コードとを照合する。
【0084】
具体的には、比較照合部263は、情報読取部262が読取った第1商品コードと情報読取部262が読取った第2商品コードとを比較し、第1商品コードと第2商品コードとが同一であるかを確認する。比較の結果、第1商品コードと第2商品コードとが同一である場合、比較照合部263は、照合結果が一致したと判定する。比較の結果、第1商品コードと第2商品コードとが同一でない場合、照合結果が一致しないと判定する。
【0085】
なお、比較照合部263は、情報読取部262が、第1商品コード及び第2商品コードの何れか一方を読取ってから所定時間以内(例えば、1秒等)に、他方の商品コードを読取った場合に、第1商品コードと第2商品コードとの照合を行う。例えば、比較照合部263は、情報読取部262が第2商品コードよりも先に第1商品コードを読取ったとき、第1商品コードを読取ってから所定時間以内に、情報読取部262が第2商品コードを読取った場合、第1商品コードと第2商品コードとを照合する。
【0086】
言い換えると、比較照合部263は、情報読取部262が第2商品コードよりも先に第1商品コードを読取ったとき、第1商品コードを読取ってから所定時間以内に、情報読取部262が第2商品コードを読取れなかった場合は、その後、情報読取部262が第2商品コードを読取ったとしても比較照合処理を行わない。
【0087】
このように、所定時間を超えた場合は、比較照合処理を省略することで、第1商品コード及び第2商品コードの両方を読取るまで読取を繰り返す必要がなくなり、読取効率を向上させることができる。
【0088】
商品登録部264は、登録部の一例である。商品登録部264は、第1商品コードと、第2商品コードとが一致した場合に、第1商品コード又は第2商品コードに基づき、商品を登録する。
【0089】
具体的には、商品登録部264は、比較照合部263による第1商品コードと第2商品コードとの照合結果が一致した場合、例えば、自装置又はオンライン接続された外部装置の記憶部に記憶されたPLU(Price Look Up)ファイルを参照する。PLUファイルは、商品コードに関連付けて、商品の名称や価格等を、例えばテーブルの形式で記録したものである。
【0090】
次いで、商品登録部264は、PLUファイルに記録された情報のうち、情報読取部262が読み取った第1商品コード又は第2商品コードに関連付けられた情報を得る。そして、これらの情報を、商品の情報として記録するとともに、商品の価格を購入金額に加算する。上述の一連の処理により、商品登録部264は、商品を登録する。
【0091】
商品登録部264が、上述した処理を行うことにより、コードシンボルの読取の正確性を向上させることができる。以下、コードシンボルの読取の正確性を向上させることができる理由について説明する。
【0092】
例えば、顧客が、デザインバーコードが付された商品を、まず第1撮像部113に撮像させ、続いて第2撮像部114に撮像させた場合であって、かつ、第1撮像部113が撮像したバーコードの画像が変形しており、バーコードを正しく認識できなかった場合を考える。さらに、このとき、第2撮像部114は、所定時間内にバーコードを正しく認識できる状態で当該商品を撮像できたものとする。
【0093】
この場合、情報読取部262は、第1画像のバーコードを正しく認識できないため、本来読取るべき商品コードとは異なる商品コードを第1商品コードとして取得する。一方、第2画像はバーコードを正しく認識できる状態で撮像されているため、情報読取部262は、本来読み取るべき商品コードを第2商品コードとして取得する。
【0094】
そして、上記のように、第1商品コードと第2商品コードとが異なっているため、商品登録部264は、商品の登録を行わない。したがって、誤って読取られた第1商品コードに基づいて、商品登録を行うことがなくなる。これにより、コードシンボルの読取の正確性を向上させることができる。
【0095】
なお、商品登録部264は、情報読取部262が、第1商品コード及び第2商品コードのうちの何れか一方を読取ってから所定時間以内に、他方の商品コードを読取れなかった場合、比較照合部263による照合なしで第1商品コード又は第2商品コードに基づき、商品を登録する。
【0096】
この場合、情報読取部262は、第1商品コード及び第2商品コードのうちの何れか一方を読取ってから所定時間経過後に、他方の商品コードを読み取ったとしても、商品登録部264により、第1商品コード及び第2商品コードのうちの何れか一方に基づいて、商品の登録が行われるまでは、読取った商品コードを破棄する(読捨てる)。これにより、商品登録部264は、商品の二重登録を防止することができる。
【0097】
例えば、商品登録部264は、情報読取部262が第2商品コードよりも先に第1商品コードを読取ったとき、第1商品コードを読取ってから所定時間以内に、情報読取部262が第2商品コードを読取れなかった場合、第1商品コードに基づいて、商品の登録を行う。
【0098】
上記のような処理を行うことにより、第1商品コード及び第2商品コードの両方を読取らなくても商品登録処理が実行されるため、商品登録処理の効率を向上させることができる。
【0099】
表示制御部265は、報知制御部の一例である。表示制御部265は、各種画面を表示デバイス12に表示する制御を行う。表示制御部265は、例えば、第1商品コードと、第2商品コードとが一致しない場合に、報知を行う。具体的には、表示制御部265は、比較照合部263による照合結果が一致しない場合、ユーザに再度商品を読取るよう促す警告メッセージを表示デバイス12に表示する制御を行う。
【0100】
なお、セルフチェックアウト装置1は、例えば、スピーカから警告音を発する等の表示以外の方法で警告を報知してもよい。また、表示と表示以外の方法とを組み合わせて警告を行ってもよい。
【0101】
〈第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置の処理〉
次に、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置の処理について説明する。図7は第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置の処理の一例を示すフローチャートである。なお、図7は、情報読取部262が、第1商品コード及び第2商品コードの何れか一方を読取ってから所定時間経過する前に、他方の商品コードを読取った場合の処理を示している。
【0102】
まず、第1撮像部113及び第2撮像部114は、顧客がスキャナ111に翳した商品を撮像する(ステップS1)。
【0103】
取得部261は、第1撮像部113が撮像した商品の画像データを第1画像として取得する(ステップS2)。
【0104】
情報読取部262は、第1画像から第1商品コードを読取る(ステップS3)。
【0105】
また、取得部261は、第2撮像部114が撮像した商品の画像データを第2画像として取得する(ステップS4)。なお、ステップS2よりも先にステップS4の処理が実行されてもよい。
【0106】
情報読取部262は、第2画像から第2商品コードを読取る(ステップS5)。
【0107】
比較照合部263は、第1商品コードと第2商品コードとを比較照合し、第1商品コードと第2商品コードとが一致するか否かを確認する(ステップS6)。
【0108】
第1商品コードと第2商品コードとが一致しない場合(ステップS6:No)、表示制御部265は、再度商品の読取を行うよう促す警告メッセージを表示デバイス12に表示する制御を行った後、ステップS1の処理に移行する(ステップS7)。
【0109】
一方、第1商品コードと第2商品コードとが一致した場合(ステップS6:Yes)、商品登録部264は、第1商品コード(又は第2商品コード)に基づき、商品の登録を行う(ステップS8)。
【0110】
商品登録部264は、顧客から商品登録終了の指示があったか否かを確認する(ステップS9)。商品登録終了の指示がない場合(ステップS9:No)、ステップS1の処理に移行する。一方、商品登録終了の指示があった場合(ステップS9:Yes)、精算処理に移行し、本処理を終了する。
【0111】
〈第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置の効果〉
第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置1の効果について説明する。第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置1の比較照合部263は、第1商品コードと第2商品コードとを照合する。また、商品登録部264は、照合結果が一致した場合に商品登録を行う。
【0112】
したがって、例えば、第1撮像部113及び第2撮像部114の何れか一方でコードシンボルの誤読があった場合、照合結果が一致しないため、商品の登録は行われない。言い換えると、誤読した商品コードに基づいて、商品登録が行われることを防ぐことができる。つまり、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置1によれば、コードシンボルの読取の正確性を高めることができる。
【0113】
なお、上記した第1実施形態は、セルフチェックアウト装置1が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上記した第1実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。
【0114】
なお、以下では、上述した第1実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0115】
<第1実施形態の変形例1>
上記の実施形態では、セルフチェックアウト装置1は、第1撮像部113と第2撮像部114との2つの撮像部を備える形態を説明したが、これに限らず、夫々異なる位置から商品を撮像する3以上の撮像部を備えてもよい。
【0116】
例えば、セルフチェックアウト装置1は、上述した第1撮像部113及び第2撮像部114とともに、第1撮像部113の下方に撮像部(第3撮像部)を更に備えていてもよい。この場合、バーコードCが下側に向けられていたような場合でもバーコードCの全体の撮像が可能になり、更に読取効率を高めることができる。
【0117】
例えば、第3撮像部を備えている場合、取得部261は、第3撮像部で撮像された画像データを第3画像として取得する。情報読取部262は、取得部261が取得した第3画像から読み取った商品コードを第3商品コードとして読取る。比較照合部263は、第1商品コード、第2商品コード、及び第3商品コードを比較照合する。
【0118】
商品登録部264は、第1商品コード、第2商品コード、及び第3商品コードが全て一致した場合、一致した商品コードに基づいて、商品を登録する。なお、商品登録部264は、第1商品コード、第2商品コード、及び第3商品コードのうち、何れか2つ(過半数)が一致した場合、一致した商品コードに基づいて、商品を登録してもよい。
【0119】
本変形例によれば、読取効率を高めた上で、読取の正確さも高めることができる。
【0120】
<第1実施形態の変形例2>
次に、第1実施形態の変形例2に係るセルフチェックアウト装置1について説明する。図8は、第1実施形態の変形例2のセルフチェックアウト装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0121】
本変形例に係るセルフチェックアウト装置1は、カメラ29を更に備える。カメラ29は、籠置台30に置かれた買物カゴの周囲を撮像可能な位置に配置されるカメラである。
【0122】
図9は、第1実施形態の変形例2のセルフチェックアウト装置1の制御部26の機能構成の一例を示すブロック図である。本変形例に係るセルフチェックアウト装置1は、検知部266を更に備える。
【0123】
検知部266は、顧客が買物カゴから取り出した商品の種類及び個数を検知する。具体的には、検知部266は、カメラ29が撮像した買物カゴの周囲の画像を取得し、解析することにより、顧客が買物カゴから商品を取り出したこと、並びに、取り出された商品の種類及び個数を検知する。
【0124】
本変形例では、検知部266が、顧客が2つ以上の同一商品を買物カゴから取り出したことを検知した場合、比較照合部263は、第1商品コードと第2商品コードとの比較照合を行わない。
【0125】
また、上記の場合、表示制御部265は、商品を1つずつスキャナ111に翳すよう顧客に促すメッセージを表示デバイス12に表示する制御を行ってもよい。
【0126】
本変形例によれば、例えば、顧客が同一商品を2つ同時にスキャナ111に翳し、第1撮像部113が2つのうちの何れか一方を撮像し、第2撮像部114が他方を撮像したような場合に、1つの商品として商品の登録が行われてしまう事態を回避することができる。
【0127】
<第1実施形態の変形例3>
上述の第1実施形態では、情報読取部262が、第1商品コード及び第2商品コードの何れか一方を読取ってから所定時間以内に、他方の商品コードを読取った場合に、比較照合部263が、第1商品コードと第2商品コードとの照合を行う形態について説明した。しかしながら、比較照合部263は、必ず第1商品コードと第2商品コードとの照合を行うこととしてもよい。
【0128】
本変形例では、表示制御部265は、情報読取部262が、第1商品コード及び第2商品コードの何れか一方を読取ってから所定時間以内に、他方の商品コードを読取れない場合、顧客に対して、商品をスキャナに翳し直すよう報知を行う。そして、情報読取部262が、第1商品コード及び第2商品コードの両方を読取るまで、顧客にバーコードの読取を繰り返させる。
【0129】
本変形例によれば、比較照合部263は、必ず第1商品コードと第2商品コードとの照合を行うため、よりコードシンボルの読取の正確性を向上させることができる。
【0130】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置1について説明する。第2実施形態では、商品登録の処理時間を短縮することが可能な構成について説明する。なお、第2実施形態の説明において、上述の第1実施形態と同様の動作を示す箇所には、図面等において同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0131】
〈第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置の機能構成〉
第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置の機能構成について説明する。図10は、第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置1の制御部26の機能構成の一例を示す図である。第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置1は、比較照合部263の代わりにフラグ管理部267及び画像消去部268を備える。
【0132】
取得部261は、第1実施形態と同様の処理を行うため、詳細な説明は省略する。
【0133】
フラグ管理部267は、取得部261が取得した画像データの取得フラグを管理する。フラグ管理部267は、取得部261が第1画像を取得した場合、第1フラグを立てる処理を実行する。同様に、フラグ管理部267は、取得部261が第2画像を取得した場合、第2フラグを立てる処理を実行する。
【0134】
画像消去部268は、フラグ管理部267が立てたフラグに従い、画像データの消去を実行する。画像消去部268は、フラグ管理部267が第1フラグを立てた場合、第1フラグを立てた時点において、第2フラグが立っているかを確認する。そして、第2フラグが立っている場合、画像消去部268は、第1画像を消去する処理を実行する。
【0135】
同様に、画像消去部268は、フラグ管理部267が第2フラグを立てた場合、第2フラグを立てた時点において、第1フラグが立っているかを確認する。そして、第1フラグが立っている場合、画像消去部268は、第2画像を消去する処理を実行する。
【0136】
情報読取部262は、画像消去部268により消去されていない画像データ(第1画像又は第2画像)から商品コード(第1商品コード又は第2商品コード)を読取る。
【0137】
商品登録部264は、情報読取部262が読取った商品コードに基づいて、商品の登録を実行する。
【0138】
〈第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置の処理〉
次に、第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置の処理について説明する。図11は第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【0139】
まず、第1撮像部113及び第2撮像部114は、顧客がスキャナ111に翳した商品を撮像する(ステップS11)。
【0140】
取得部261は、第1撮像部113が撮像した商品の画像データを第1画像として取得する(ステップS12)。
【0141】
フラグ管理部267は、第1フラグを立てる処理を実行する(ステップS13)。
【0142】
画像消去部268は、第1フラグを立てた時点において、第2フラグが立っているか否かを確認する(ステップS14)。第2フラグが立っている場合(ステップS14:Yes)、画像消去部268は、第1画像を消去する(ステップS15)。一方、第2フラグが立っていない場合(ステップS14:No)、ステップS20の処理に移行する。
【0143】
また、取得部261は、第2撮像部114が撮像した商品の画像データを第2画像として取得する(ステップS16)。なお、ステップS12よりも先にステップS16の処理が実行されてもよい。
【0144】
フラグ管理部267は、第2フラグを立てる処理を実行する(ステップS17)。
【0145】
画像消去部268は、第2フラグを立てた時点において、第1フラグが立っているか否かを確認する(ステップS18)。第1フラグが立っている場合(ステップS18:Yes)、画像消去部268は、第2画像を消去する(ステップS19)。一方、第1フラグが立っていない場合(ステップS18:No)、ステップS20の処理に移行する。
【0146】
情報読取部262は、画像消去部268に消去されていない画像データから商品コードを読取る(ステップS20)。
【0147】
商品登録部264は、情報読取部262が読取った商品コードに基づいて、商品登録処理を行う(ステップS21)。
【0148】
商品登録部264は、顧客から商品登録終了の指示があったか否かを確認する(ステップS22)。商品登録終了の指示がない場合(ステップS22:No)、ステップS1の処理に移行する。一方、商品登録終了の指示があった場合(ステップS22:Yes)、精算処理に移行し、本処理を終了する。
【0149】
〈第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置の効果〉
第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置1の効果について説明する。第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置1のフラグ管理部267は、取得部261が第1画像を取得した場合は、第1フラグを立て、取得部261が第2画像を取得した場合は、第2フラグを立てる。また、画像消去部268は、第1フラグを立てた時点において、第2フラグが立っている場合、第1画像を消去し、第2フラグを立てた時点において、第1フラグが立っている場合、第2画像を消去する。情報読取部262は、画像消去部268に消去されていない画像データから商品コードを読取り、商品登録部264は、情報読取部262が読取った商品コードに基づいて、商品登録を行う。
【0150】
これにより、第1画像及び第2画像のうち何れか一方は、画像消去部268により消去されるため、1つのコードシンボルから二重に商品登録が行われてしまうことを防止することができる。
【0151】
また、第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置1は、第1撮像部113及び第2撮像部114を備えるため、撮像部が1つしかない場合に比べ、コードシンボルの撮像機会を増やすことができる。更に、情報読取部262は、第1撮像部113及び第2撮像部114のうち何れか一方が、コードシンボルを撮像すれば、商品コードを読取ることができる。つまり、コードシンボルの読取にかかる時間を短縮することができる。
【0152】
よって、第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置1によれば、二重登録を防止した上で商品登録処理にかかる時間を短縮することができる。
【0153】
上記第1実施形態及び第2実施形態のセルフチェックアウト装置1で実行されるプログラムは、セルフチェックアウト装置1が備える記憶媒体(制御部26のROM)に予め組み込んで提供するものとする。
【0154】
しかし、これに限らず、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0155】
なお、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0156】
また、上記第1実施形態及び第2実施形態のセルフチェックアウト装置1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上記第1実施形態及び第2実施形態のセルフチェックアウト装置1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【0157】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0158】
1 セルフチェックアウト装置
10 中央ユニット
11 入力部
12 表示デバイス
13 袋詰台
14 一時置台
15 袋支持部
16 支柱
17 I/O機器制御部
18 通信I/F
20 決済ユニット
21 硬貨釣銭機
22 紙幣釣銭機
23 プリンタ
24 カードリーダ
25 警告灯
26 制御部
27 I/O機器制御部
28 通信I/F
29 カメラ
30 籠置台
111 スキャナ
112 タッチパネル
113 第1撮像部
114 第2撮像部
211 硬貨投入口
212 硬貨排出口
221 紙幣投入口
222 紙幣排出口
261 取得部
262 情報読取部
263 比較照合部
264 商品登録部
265 表示制御部
266 検知部
267 フラグ管理部
268 画像消去部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0159】
【文献】特開平6-231364号公報
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