(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】台紙およびフィルム付き台紙
(51)【国際特許分類】
B65D 73/00 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
B65D73/00 K
(21)【出願番号】P 2021110609
(22)【出願日】2021-07-02
【審査請求日】2024-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 悠希
(72)【発明者】
【氏名】西田 隼也
(72)【発明者】
【氏名】童銅 はる香
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-135116(JP,A)
【文献】特開2021-020738(JP,A)
【文献】特開2017-137081(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 73/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材およびデザイン印刷層を含む台紙本体と、
前記台紙本体にフィルムを貼り付けるための接着部とを備え、
前記台紙本体は、前記デザイン印刷層により規定される第1主面と、前記基材により規定される第2主面とを有し、
前記接着部は、前記第1主面の一部を覆うように前記第1主面上に設けられ、
前記接着部が設けられた部分の前記第1主面には、複数の凹部が形成されることによってハーフカット部が設けられ、
前記デザイン印刷層には、前記接着部の形成位置を光学的に検出するための基準となる印刷による目印線が設けられ、
前記第1主面の法線方向に沿って見た場合に、前記目印線が、前記接着部の外側であってかつ前記接着部の縁部から離間して位置している、台紙。
【請求項2】
前記目印線が、直線状に延びる直線目印部を含み、
前記第1主面の法線方向に沿って見た場合に、前記接着部が、前記直線目印部の少なくとも一部に沿って略直線状に延びる縁部を含んでいる、請求項1に記載の台紙。
【請求項3】
前記目印線が、第1方向に沿って直線状に延びる互いに平行な第1直線目印部および第2直線目印部と、前記第1方向と直交する第2方向に沿って直線状に延びる互いに平行な第3直線目印部および第4直線目印部を含み、
前記第1主面の法線方向に沿って見た場合に、前記接着部が、前記第1直線目印部の少なくとも一部に沿って略直線状に延びる第1縁部と、前記第2直線目印部の少なくとも一部に沿って略直線状に延びる第2縁部と、前記第3直線目印部の少なくとも一部に沿って略直線状に延びる第3縁部と、前記第4直線目印部の少なくとも一部に沿って略直線状に延びる第4縁部とを含む略矩形状の形状を有している、請求項1に記載の台紙。
【請求項4】
請求項3に記載の台紙と、
筒状の部位を少なくとも含み、かつ前記接着部によって前記台紙本体に貼り付けられたフィルムとを備え、
前記フィルムは、その軸方向が前記第2方向に沿うように配置され、
前記複数の凹部は、各々が前記第2方向に沿って延びるように前記第1方向に並んで形成された複数のミシン目状凹部を含み、
前記第1直線目印部が、前記第1縁部の両端部に対応する位置を超えるように延び、
前記第2直線目印部が、前記第2縁部の両端部に対応する位置を超えるように延び、
前記第3直線目印部が、前記第1縁部側に位置する第1部分と、前記第2縁部側に位置する第2部分とを含み、
前記第4直線目印部が、前記第1縁部側に位置する第3部分と、前記第2縁部側に位置する第4部分とを含んでいる、フィルム付き台紙。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムを貼り付けるための接着部が台紙本体に設けられた台紙、および、当該台紙にフィルムが貼り付けられてなるフィルム付き台紙に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品を保持するためのフィルムが台紙に貼り付けられてなるフィルム付き台紙が普及している。通常、フィルム付き台紙は、台紙本体および当該台紙本体に予め設けられた接着部を備えた台紙に、当該接着部を介してフィルムが貼り付けられることで製造される。
【0003】
上記台紙を製造するに際しては、接着部の実際の形成位置が、予め定められた、台紙本体に対して接着部が設けられるべき部分である許容範囲からずれていないことが重要である。そのため、台紙およびフィルム付き台紙の品質を安定させるためには、台紙本体に接着部を設けた後であってフィルムを台紙に貼り付ける前に、接着部の形成位置が台紙本体の許容範囲内にあるか否かを検査する必要がある。
【0004】
上記検査が可能に構成された台紙が開示された文献としては、たとえば特開2018-135116号公報(特許文献1)がある。当該特許文献1に開示された台紙においては、接着部の形成位置を光学的に検出するための基準となる複数の凹部(上記特許文献1においては、当該複数の凹部が「ハーフカット線」と称されている)が、台紙本体の所定位置に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、フィルム付き台紙においては、フィルムによって台紙に保持されている物品が、当該台紙から容易には脱落しないようにすることが求められている。この要求を満たすためには、台紙本体に対する接着部自体の接着強度を向上させることが効果的であり、当該部分の接着強度の向上を図る観点から、台紙本体に所定の形状加工を施すことが検討されている。
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に開示された台紙において、台紙本体に所定の形状加工を施した場合には、その形状加工如何によっては、接着部の形成位置を検査するに際して、当該形状加工に起因した誤検出が発生するおそれがある。
【0008】
また、上記特許文献1に開示された台紙のように、接着部の形成位置を光学的に検出するための基準となるマーカーを、台紙本体の主面において露出するように形成された上述したハーフカット線にて構成した場合には、これに起因して台紙本体自体の強度が少なからず低下してしまうおそれもある。
【0009】
したがって、本発明は、上述した問題を解決すべくなされたものであり、接着部の形成位置の検査の際の誤検出が抑制できるばかりでなく、台紙本体に対する接着部自体の接着強度の向上ならびに台紙本体自体の強度の向上が図られた台紙、および、当該台紙にフィルムが貼り付けられてなるフィルム付き台紙を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に基づく台紙は、基材およびデザイン印刷層を含む台紙本体と、当該台紙本体にフィルムを貼り付けるための接着部とを備えている。上記台紙本体は、上記デザイン印刷層により規定される第1主面と、上記基材により規定される第2主面とを有している。上記接着部は、上記第1主面の一部を覆うように上記第1主面上に設けられている。上記接着部が設けられた部分の上記第1主面には、複数の凹部が形成されることによってハーフカット部が設けられている。上記デザイン印刷層には、上記接着部の形成位置を光学的に検出するための基準となる印刷による目印線が設けられている。上記本発明に基づく台紙にあっては、上記第1主面の法線方向に沿って見た場合に、上記目印線が、上記接着部の外側であってかつ上記接着部の縁部から離間して位置している。
【0011】
ここで、上記台紙本体は、紙製または紙を含んだものに限られず、紙を含まない合成樹脂製のものであってもよい。
【0012】
上記本発明に基づく台紙にあっては、上記目印線が、直線状に延びる直線目印部を含んでいることが好ましく、また、上記第1主面の法線方向に沿って見た場合に、上記接着部が、上記直線目印部の少なくとも一部に沿って略直線状に延びる縁部を含んでいることが好ましい。
【0013】
上記本発明に基づく台紙にあっては、上記目印線が、第1方向に沿って直線状に延びる互いに平行な第1直線目印部および第2直線目印部と、上記第1方向と直交する第2方向に沿って直線状に延びる互いに平行な第3直線目印部および第4直線目印部を含んでいることが好ましい。また、その場合には、上記第1主面の法線方向に沿って見た場合に、上記接着部が、上記第1直線目印部の少なくとも一部に沿って略直線状に延びる第1縁部と、上記第2直線目印部の少なくとも一部に沿って略直線状に延びる第2縁部と、上記第3直線目印部の少なくとも一部に沿って略直線状に延びる第3縁部と、上記第4直線目印部の少なくとも一部に沿って略直線状に延びる第4縁部とを含む略矩形状の形状を有していることが好ましい。
【0014】
本発明に基づくフィルム付き台紙は、上述した本発明に基づく台紙と、上記接着部によって上記台紙本体に貼り付けられたフィルムとを備えている。上記フィルムは、筒状の部位を少なくとも含んでおり、その軸方向が上記第2方向に沿うように配置されている。上記複数の凹部は、各々が上記第2方向に沿って延びるように上記第1方向に並んで形成された複数のミシン目状凹部を含んでいる。上記第1直線目印部は、上記第1縁部の両端部に対応する位置を超えるように延びており、上記第2直線目印部は、上記第2縁部の両端部に対応する位置を超えるように延びている。上記第3直線目印部は、上記第1縁部側に位置する第1部分と、上記第2縁部側に位置する第2部分とを含んでおり、上記第4直線目印部は、上記第1縁部側に位置する第3部分と、上記第2縁部側に位置する第4部分とを含んでいる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、接着部の形成位置の検査の際の誤検出が抑制できるばかりでなく、台紙本体に対する接着部自体の接着強度の向上ならびに台紙本体自体の強度の向上が図られた台紙、および、当該台紙にフィルムが貼り付けられてなるフィルム付き台紙を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】
図1中に示すII-II線に沿った模式断面図である。
【
図3】
図1中に示すIII-III線に沿った模式断面図である。
【
図4】
図1中に示すII-II線に沿った台紙本体のみの模式断面図である。
【
図5】
図1中に示すIII-III線に沿った台紙本体のみの模式断面図である。
【
図6】実施の形態1に係るフィルム付き台紙の正面図である。
【
図7】
図6中に示すVII-VII線に沿った模式断面図である。
【
図8】
図6中に示すVIII-VIII線に沿った模式断面図である。
【
図9】実施の形態1に係るフィルム付き台紙に物品が収納された状態を示す正面図である。
【
図10】
図9に示すフィルム付き台紙の底面図である。
【
図11】実施の形態1に係るフィルム付き台紙に物品を収納する1つの方法を示す図である。
【
図12】実施の形態1に係るフィルム付き台紙に物品を収納する他の方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0018】
(実施の形態1)
<台紙>
図1は、実施の形態1に係る台紙の正面図である。
図2および
図3は、それぞれ
図1中に示すII-II線およびIII-III線に沿った模式断面図である。また、
図4および
図5は、それぞれ
図1中に示すII-II線およびIII-III線に沿った台紙本体のみの模式断面図である。
【0019】
本実施の形態に係る台紙1Aは、後述するように、接着部20の形成位置を光学的に検出するための基準となる印刷による目印線12aが台紙本体10に設けられたものである。これにより、本実施の形態に係る台紙1Aにおいては、台紙本体10に接着部20を設けた後であってフィルム100(
図6ないし
図8等参照)を台紙1Aに貼り付ける前に、接着部20の実際の形成位置が、予め定められた、台紙本体10に対して接着部20が設けられるべき部分である許容範囲内にあるか否かを検査することが可能である。以下においては、この検査について説明するに先立って、上述した
図1ないし
図5を参照して、本実施の形態に係る台紙1Aについて説明する。
【0020】
なお、以下の説明においては、
図1ないし
図3に示すように、台紙1Aを正面から見た場合の右方向および左方向をそれぞれX1方向およびX2方向と称し、これらX1方向およびX2方向に合致する方向をX軸方向とも称する。また、
図1ないし
図3に示すように、台紙1Aを正面から見た場合の上方向および下方向をそれぞれY1方向およびY2方向と称し、これらY1方向およびY2方向に合致する方向をY軸方向とも称する。さらに、
図1ないし
図3に示すように、台紙1Aを正面から見た場合の前方向および後方向をそれぞれZ1方向およびZ2方向と称し、これらZ1方向およびZ2方向に合致する方向をZ軸方向とも称する。ここで、第1方向は、X軸方向に対応しており、第2方向は、Y軸方向に対応している。
【0021】
図1ないし
図3に示すように、台紙1Aは、台紙本体10と、台紙本体10に設けられた接着部20とを備えている。台紙本体10は、接着部20を介して後述するフィルム100が貼り付けられて使用されるものであり、接着部20は、当該フィルム100を台紙本体10に貼り付けるためのものである。
【0022】
ここで、
図1においては、接着部20を想像線(二点鎖線)にて示している。これは、台紙1Aを正面から見た場合に、接着部20によって覆われることで直接的に視認することができない後述するハーフカット部13の形状およびレイアウトを、当該
図1を参照することで理解できるようにしたためである。なお、この点は後において参照する
図13ないし
図18においても同様である。
【0023】
台紙本体10は、平面視略矩形状の外形を有しており、基材11およびデザイン印刷層12を含んでいる。台紙本体10は、デザイン印刷層12により規定される第1主面10aと、基材11により規定される第2主面10bとを有している。また、台紙本体10の短辺方向は、X軸方向と一致しており、台紙本体10の長辺方向は、Y軸方向と一致している。なお、台紙本体10を平面視した場合の外形は、略矩形状に限定されず、たとえば、略矩形状を除く多角形状、略円形状、略楕円形状等であってもよい。
【0024】
基材11としては、可撓性を有しかつ比較的剛性の高いシート状のものであればよく、たとえば厚紙、合成紙、合成樹脂製シート、金属蒸着層を有する合成樹脂製シート、発泡樹脂シート、これらシート材を剥離可能に複数枚積層してなる積層シート、および1枚のシート材を複数回折り返して重ね合わせた折り畳みシート等が挙げられる。上記厚紙または合成紙は、薄い合成樹脂製フィルムおよび/または金属蒸着層が積層された厚紙または合成紙を含む。上記合成樹脂製シートとしては、たとえば、ポリプロピレン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリスチレン系等のシート材が挙げられる。
【0025】
基材11としては、上述したもののうちのいずれであってもよいが、厚紙または合成樹脂製シートを用いることが好ましい。このようにすれば、基材11を比較的安価なものとすることができる。基材11として合成樹脂製シートを用いる場合には、ポリプロピレン系シートとすることが好ましい。このようにすれば、基材11を適度な可撓性および剛性を有するものとすることができる。また、積層シートや折り畳みシートを用いることとすれば、表示面積が大きい台紙を構成することができる。
【0026】
なお、基材11の厚みは、特に限定されないが、たとえば0.2mm以上1.5mm以下程度とすることができる。厚紙の場合には、0.3mm以上1.5mm以下程度とすることができ、合成樹脂製シートの場合には、0.2mm以上0.6mm以下程度とすることができる。基材11の厚みは、好ましくは0.3mm以上0.8mm以下であり、より好ましくは0.3mm以上0.5mm以下である。
【0027】
デザイン印刷層12には、文字や絵柄等のデザインが印刷インキによって表されている。当該デザインの一部には、接着部20の形成位置を光学的に検出するための基準となる目印線12aが含まれているが、目印線12aは、接着部20との関係性をもって構成されるものであるため、その詳細については後述することとする。
【0028】
デザイン印刷層12は、所望の色彩の印刷インキをオフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、およびインキジェット等の無版印刷法等の公知の印刷法にて塗布することによって形成されており、当該印刷インキを1度塗りして形成されたもののほか、2度以上重ね塗りして形成されたものでもよい。なお、微視的には、印刷インキの塗布後のデザイン印刷層12の表面には凹凸が生じるため、表面の平滑化のためにさらにデザイン印刷層12の表面を覆うように透明ニスもしくはマットニス等のコーティング層が設けられてもよい。
【0029】
デザイン印刷層12は、基材11の一方の主面の全体に設けられていてもよく、あるいは、基材11の一方の主面の一部にのみ設けられていてもよい。本実施の形態に係る台紙1Aにおいては、基材11の一方の主面全体にデザイン印刷層12が設けられている。
【0030】
なお、デザイン印刷層12の厚みは、特に限定されないが、たとえば0.5μm以上10μm以下程度とすることができる。デザイン印刷層12の厚みは、好ましくは1.5μm以上5μm以下である。
【0031】
台紙本体10には、台紙本体10に対する接着部20の接着強度を確保するためのハーフカット部13が設けられている。ハーフカット部13は、複数のミシン目状凹部13aによって構成されている。
【0032】
ハーフカット部13は、台紙本体10の第1主面10aのうちの接着部20が設けられた部分に、複数列にわたって設けられている。より詳細には、各列に対応するハーフカット部13は、いずれもY軸方向に沿って延びており、これら複数列のハーフカット部13が、X軸方向において並んでいる。これらX軸方向において並ぶ各列の間隔は、0.5mm以上5.0mm以下であることが好ましく、0.75mm以上3.0mm以下であることがさらに好ましい。
【0033】
なお、ハーフカット部13は、第1主面10aのうちの接着部20が設けられた部分よりも広い範囲に設けられていてもよい。このようにすれば、接着剤または粘着剤の台紙本体10への塗布が設計上の位置からずれた場合においても、ハーフカット部13が設けられた範囲から外れて接着部20が設けられることが抑制可能となる。
【0034】
図4および
図5に示すように、ハーフカット部13は、第1主面10aからZ2方向に向けて切り込まれたミシン目状凹部13aにより形成されている。ここで、ミシン目状凹部13aは、第2主面10bにまでは達しておらず(すなわち、台紙本体10を貫通しておらず)、基材11のZ軸方向における途中位置にまで形成されている。
【0035】
ミシン目状凹部13aの形状は、
図2および
図4に示すような断面視略V字状に限定されず、たとえば断面視略I字状等であってもよい。なお、断面視略V字状のミシン目状凹部13aが設けられることで形成されたハーフカット部13は、たとえば台紙本体10の表面をトムソン加工もしくはダイカット加工すること等によって形成することができ、断面視略I字状のミシン目状凹部13aが設けられることで形成されたハーフカット部13は、たとえば台紙本体10の表面をトムソン加工、ダイカット加工もしくはレーザー等を用いた切削加工等をすることによって形成することができる。
【0036】
上述した複数列にわたって設けられているハーフカット部13の各列には、Y軸方向において0.5mm以上3.0mm以下の長さを有する複数のミシン目状凹部13a(すなわち、切断部分)が、Y軸方向において均等な間隔で並んで設けられており、その間隔(すなわち、非切断部分)の長さは、0.5mm以上3.0mm以下であることが好ましい。一例としては、たとえば、1.0mmの切断部分と1.0mmの非切断部分とが交互に並んで設けられていることが好ましい。
【0037】
ハーフカット部13の幅は、特に限定されないが、極端にこれが小さいと、台紙本体10に対する接着部20の接着強度を確保することが難しくなり、極端にこれが大きいと、ハーフカット部13の形成による台紙本体10の強度の低下を招くおそれがある。かかる観点から、ハーフカット部13の幅は、0.2mm以上1.5mm以下であることが好ましく、0.5mm以上1.0mm以下であることがさらに好ましい。
【0038】
ハーフカット部13の深さは、特に限定されないが、極端にこれが小さいと、台紙本体10に対する接着部20の接着強度を確保することが難しくなる。かかる観点から、ハーフカット部13の深さは、0.1mm以上であることが好ましい。また、ハーフカット部13の深さの上限は、台紙本体10の厚み未満であるが、極端にこれが大きいとハーフカット部13の形成による台紙本体10の強度の低下を招くおそれがある。かかる観点から、ハーフカット部13の深さは、台紙本体10の厚みの0.8倍以下であることが好ましく、0.5倍以下であることがさらに好ましい。
【0039】
なお、上述したハーフカット部13を台紙本体10に設けることにより、台紙本体10に対する接着部20自体の接着強度を確保することができるようになるが、その詳細については後述することとする。
【0040】
また、
図1および
図3に示すように、台紙本体10には、吊下げ用の孔部14が穿設されている。孔部14は、台紙本体10の第1主面10aから第2主面10bまでを貫通する貫通孔であり、必要に応じて台紙本体10に設けられるものである。
【0041】
一方、接着部20は、物品を保持するための後述するフィルム100を台紙本体10に貼り付けるために用いられるものである。接着部20は、接着剤または粘着剤を台紙本体10の第1主面10aの一部の領域に塗布することによって設けられている。
【0042】
接着部20は、平面視した場合(すなわち、台紙本体10の第1主面10aの法線方向に沿って見た場合)に、略矩形状の外形を有しているが、その形状は、後述するフィルム100の形状に合わせて適宜変更が可能である。そのため、接着部20を平面視した場合の外形は、略矩形状に限定されず、たとえば、略矩形状を除く略多角形状、略円形状、略楕円形状等であってもよい。ここで、本実施の形態においては、接着部20が平面視細長の形状を有しており、その短辺方向が、X軸方向に一致しており、その長辺方向が、Y軸方向に一致している。
【0043】
接着部20は、透明(無色透明または有色透明)もしくは不透明のいずれであってもよいが、透明であることが好ましく、無色透明であることがより好ましい。このようにすれば、当該接着部20が設けられた台紙1Aを用いて包装体を構成した場合に、接着部20を目立ち難くすることができる。
【0044】
接着部20を構成する接着剤または粘着剤としては、台紙本体10および後述するフィルム100のそれぞれに強固に接着できるものであれば特に限定されない。上述のように透明な接着部20を形成するためには、透明な接着剤または粘着剤を用いることが好ましい。上記接着剤または粘着剤としては、たとえば、溶剤揮発硬化型接着剤、水系接着剤、湿気硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤、感熱接着剤等の接着剤、または、感圧型粘着剤、感熱粘着剤等の粘着剤を用いることができる。
【0045】
上記溶剤揮発型接着剤は、樹脂成分が溶剤に溶解されることによって流動性を有し、揮発によって固化する接着剤である。上記水系接着剤は、樹脂成分が水に溶解または分散された流動性を有し、乾燥により固化する接着剤である。上記紫外線硬化型接着剤は、紫外線を照射することによって固化する接着剤である。上記感圧型粘着剤は、被着体を押しつけることによって接着する粘着剤である。上記感熱接着剤または感熱粘着剤は、所定温度(たとえば80℃以上130℃以下)に加熱することによって接着性を生じ、それを常温に冷却することで接着強度が得られる接着剤または粘着剤である。
【0046】
ここで、接着部20に後述するフィルム100を接着させずに、台紙1Aのみを保管・運搬する場合には、接着部20は、塗布後において常温で接着性を有さない接着剤または粘着剤にて形成されていることが好ましく、特に感熱接着剤または感熱粘着剤にて形成されていることがより好ましい。
【0047】
上記感熱接着剤または感熱粘着剤としては、たとえば、ディレードタック型接着剤または粘着剤、パートコート型接着剤または粘着剤、ホットメルト型接着剤または粘着剤等を用いることができる。
【0048】
ディレードタック型接着剤または粘着剤は、塗布乾燥後に接着部を成す接着剤または粘着剤である。ディレードタック型接着剤または粘着剤は、塗布乾燥後のその表面が常温では接着性または粘着性を示さないが、加熱によって接着性または粘着性が生じ、かつその接着性またはその粘着性が冷却後も所定期間(数分間から数日間)持続する接着剤または粘着剤である。ディレードタック型接着剤または粘着剤は、通常、ベースポリマー、固体可塑剤(結晶性可塑剤)、粘着付与剤等から構成されている。
【0049】
パートコート型接着剤または粘着剤は、グラビアコーティング等の印刷法によって塗布可能でかつ塗布乾燥後に接着部を成す接着剤または粘着剤であり、塗布乾燥後の表面が常温では接着性または粘着性を示さないが、加熱によって接着性または粘着性が生じる接着剤または粘着剤である。パートコート型接着剤または粘着剤は、通常、ベースポリマー、粘着付与剤、有機溶剤等の溶媒等から構成されている。
【0050】
ホットメルト型接着剤または粘着剤は、加熱して軟化させることによって塗布し、塗布後に冷却することによって接着部を成す接着剤または粘着剤であり、冷却後の表面が常温では接着性または粘着性を示さないが、加熱によって接着性または粘着性が生じる接着剤または粘着剤である。ホットメルト型接着剤または粘着剤は、通常、ベースポリマー、粘着付与剤、ワックス類等から構成されている。
【0051】
ここで、後述するフィルム付き台紙2として、台紙1Aに接着剤または粘着剤を塗布することで接着部20を形成し、その後直ちにこの接着部20を介して台紙1Aにフィルム100を貼り付けることで得られるものとする場合において、これを保管・運搬する場合には、上述した感熱接着剤または感熱粘着剤の中でも、速やかに接着力が得られるホットメルト型接着剤または粘着剤から形成された接着部20を用いることが好ましい。このようにすれば、比較的厚みの大きい接着部20を容易に形成することができる。
【0052】
ホットメルト型接着剤または粘着剤としては、ベースポリマーによる分類によれば、たとえば、エチレン-ビニルアルコール共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸メチル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体等のオレフィン系ホットメルト型接着剤または粘着剤、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン-ブロック共重合体(SEBS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)等の熱可塑性エラストマーであるゴム系ホットメルト型接着剤または粘着剤、ポリエステル系ホットメルト型接着剤または粘着剤、およびポリアミド系ホットメルト型接着剤または粘着剤等が挙げられる。
【0053】
なお、ホットメルト型接着剤または粘着剤としては、フィルム100が貼り付けられてから冷却・固化された後においても容易に軟化しない、硬化剤等を含む反応型のもの、または、空気中の水分と反応して硬化する湿気硬化型のもの等が用いられることが好ましい。
【0054】
接着部20の厚みは、特に限定されないが、極端にこれが小さいと、後述する、接着部20の形成位置の光学的な検出が困難になるおそれがある。かかる観点から、接着部20の厚みは、80μm以上であることが好ましく、120μm以上であることがより好ましい。接着部20の厚みの上限は、特に限定されないが、費用対効果を考慮すると200μm以下が好ましく、160μm以下がより好ましい。
【0055】
なお、ホットメルト型接着剤または粘着剤からなる接着部20を台紙1Aに形成する方法としては、加熱されることで溶融状態となったホットメルト型接着剤または粘着剤を、塗布幅に適合したノズルから吐出することによって台紙1Aの所定位置に塗布することが好ましい。
【0056】
以下、接着部20と、台紙本体10に形成されたハーフカット部13との関係性について、前述の
図1ないし
図5を参照して説明する。
【0057】
図1ないし
図3に示すように、接着部20は、ハーフカット部13が設けられた台紙本体10の第1主面10a上に接着剤または粘着剤を塗布することによって形成される。その際、接着剤または粘着剤は、
図4および
図5に示すハーフカット部13のミシン目状凹部13aを埋め込むように塗布される。これにより、
図2および
図3に示すように、接着剤または粘着剤が塗布されることで形成された接着部20は、その一部がミシン目状凹部13aに食い込むように位置することになる。
【0058】
そのため、このように構成することにより、ハーフカット部13が設けられていない台紙本体10に接着部20が設けられる場合に比べて、接着部20の台紙本体10に対する接触面積が増加するばかりでなく、いわゆるアンカー効果が得られることになり、接着部20自体の台紙本体10に対する接着強度を飛躍的に向上させることができる。
【0059】
さらに、上述したように、接着剤または粘着剤がミシン目状凹部13aを埋め込むように塗布されることにより、周囲に比して脆弱な部位であるミシン目状凹部13aがこの埋め込まれた部分の接着部20によって補強されることにもなるため、ミシン目状凹部13aを設けることによって生じ得る台紙本体10の強度の低下をも抑制することができる。
【0060】
したがって、上記構成を採用することにより、台紙本体10に対する接着部20自体の接着強度の向上が図られた台紙とすることができる。
【0061】
以下、接着部20と、台紙本体10のデザイン印刷層12に設けられた目印線12aとの関係性について、目印線12aの構成と併せて、前述の
図1ないし
図3を参照して説明する。
【0062】
図1ないし
図3に示すように、目印線12aは、台紙1Aを平面視した場合(すなわち、台紙本体10の第1主面10aの法線方向に沿って見た場合)に、接着部20の外側であってかつ接着部20の縁部から離間して位置するように設けられている。このように構成することにより、目印線12aは、接着部20の実際の形成位置を光学的に検出するための基準となるマーカーとしての機能を発揮することができる。なお、目印線12aは、より好ましくは、台紙本体10に設けられる接着部20の形成予定領域の周縁の少なくとも一部に沿うように、当該周縁の一部と並走するように設けられる。
【0063】
具体的には、本実施の形態に係る台紙1Aにおいては、
図1に示すように、接着部20が、平面視した場合に縁部20aを有しており、目印線12aが、この接着部20の縁部20aから外側に離間して位置している。
【0064】
より詳細には、目印線12aは、第1方向であるX軸方向に沿って直線状に延びる互いに平行な第1直線目印部12a1および第2直線目印部12a2と、第2方向であるY軸方向に沿って直線状に延びる互いに平行な第3直線目印部12a3および第4直線目印部12a4とを含んでいる。
【0065】
一方、平面視した場合に、接着部20の縁部20aは、第1直線目印部12a1に沿って略直線状に延びる第1縁部20a1と、第2直線目印部12a2に沿って略直線状に延びる第2縁部20a2と、第3直線目印部12a3に沿って略直線状に延びる第3縁部20a3と、第4直線目印部12a4に沿って略直線状に延びる第4縁部20a4とを含んでいる。
【0066】
ここで、第1直線目印部12a1は、第1縁部20a1の両端部(すなわち、X軸方向における両端部)に対応する位置を超えるように延びている。また、第2直線目印部12a2は、第2縁部20a2の両端部(すなわち、X軸方向における両端部)に対応する位置を超えるように延びている。
【0067】
第3直線目印部12a3は、第1縁部20a1側(すなわち、Y1方向側)に位置する第1部分12a3(1)と、第2縁部20a2側(すなわち、Y2方向側)に位置する第2部分12a3(2)とを含んでいる。第4直線目印部12a4は、第1縁部20a1側(すなわち、Y1方向側)に位置する第3部分12a4(1)と、第2縁部20a2側(すなわち、Y2方向側)に位置する第4部分12a4(2)とを含んでいる。
【0068】
また、第3直線目印部12a3の第1部分12a3(1)は、第1直線目印部12a1の第3縁部20a3側(すなわち、X2方向側)の端部に接続されており、第3直線目印部12a3の第2部分12a3(2)は、第2直線目印部12a2の第3縁部20a3側(すなわち、X2方向側)の端部に接続されている。第4直線目印部12a4の第3部分12a4(1)は、第1直線目印部12a1の第4縁部20a4側(すなわち、X1方向側)の端部に接続されており、第4直線目印部12a4の第4部分12a4(2)は、第2直線目印部12a2の第4縁部20a4側(すなわち、X1方向側)の端部に接続されている。
【0069】
目印線12aの太さは、特に限定されないが、極端にこれが小さいと、後述する、接着部20の形成位置の光学的な検出が困難になるおそれがあり、極端にこれが大きいと、デザイン性を損なうおそれがある。かかる観点から、目印線12aの太さは、0.3mm以上1.0mm以下であることが好ましい。
【0070】
また、目印線12aの色は、周囲とのコントラストが確保できる色であれば特に限定されるものではないが、周囲を淡い色に配色するとともに目印線12aを濃い色に配色することが好ましい。一例としては、たとえば周囲を白色系もしくは黄色系に配色する場合には、目印線12aは濃紺、濃赤、もしくは黒色に配色することが好ましく、また、周囲を紺色に配色する場合もしくは蒸着紙を用いる場合には、目印線12aは白色に配色することが好ましい。
【0071】
ここで、本実施の形態に係る台紙1Aにおいては、台紙本体10に接着部20を設けた後であってフィルム100(
図6ないし
図8等参照)を台紙1Aに貼り付ける前に、接着部20の実際の形成位置が、予め定められた、台紙本体10に対して接着部20が設けられるべき部分である許容範囲内にあるか否かを検査することが行なわれる。当該検査には、一般に光反射によって対象物の位置を検出可能な検出装置が用いられる。なお、この検出装置には、光を照射する照射部と、反射光を受光する受光部と、反射光を解析する処理部とが含まれる。
【0072】
検査にあっては、まず、接着部20が設けられた台紙1Aに対して、検出装置の照射部によって光が照射される。台紙本体10の第1主面10a側に照射された光は、台紙本体10および接着部20によって反射され、検出装置の受光部にて受光される。この反射光が検出装置の処理部において解析されることにより、目印線12aの位置および接着部20の形成位置が特定される。なお、用いられる照射光は、特に限定されず、一般には近赤外線が用いられるが、赤外線等を用いてもよい。
【0073】
より詳細には、目印線12aの色は、目印線12aの周囲の色と異なるように配色されているため、目印線12aにおける光の反射率は、目印線12aの周囲における光の反射率と異なることになる。この光の反射率の相違に起因して、目印線12aにおいては、目印線12aの周囲における反射光とは強度の異なる光が反射される。この反射光の強度の相違を検出することにより、目印線12aの位置を特定することができる。
【0074】
また、接着部20の縁部20aにあっては、
図2および
図3に示すように、台紙本体10の第1主面10aを基準としてZ軸方向に段差が生じている。そのため、縁部20aにおいては、照射光とは波長の異なるおよび/または強度の小さい光が反射される。この反射光の波長および/または強度の相違を検出することにより、接着部20の形成位置を特定することができる。
【0075】
以上によって得られた目印線12aおよび接着部20の位置情報を元にして、接着部20が台紙本体10の許容範囲内にあるか否かが検査される。より詳細には、特定された目印線12aの位置を基準にして、接着部20の位置までの距離が算出される。その距離が設計値の許容範囲内である場合には、接着部20の形成位置が、台紙本体10の許容範囲内にあることが確認でき、設計値の許容範囲外である場合には、接着部20の形成位置が、台紙本体10の許容範囲外にあることが確認できる。なお、許容範囲は、これを任意に設定することができるが、たとえば、これを上述した算出距離の設計値に対するずれが2mm未満の範囲、もしくは1mm未満の範囲等に設定することができる。
【0076】
ここで、本実施の形態に係る台紙1Aにおいては、第1直線目印部12a1および第2直線目印部12a2によって接着部20のY軸方向のずれを特に精緻に検出することができ、第3直線目印部12a3および第4直線目印部12a4によって接着部20のX軸方向のずれを特に精緻に検出することができる。このように構成することにより、台紙1Aを平面視した場合のいずれの方向においても、接着部20の形成位置のずれを精緻に検出することができる。
【0077】
ここで、接着部の形成位置を光学的に検出するための基準となるマーカーとしてのハーフカット線が設けられてなる従来の台紙に、当該接着部の台紙本体自体に対する接着強度を確保するためのハーフカット部を設けた場合には、接着強度を確保するためのハーフカット部における反射光が、マーカーとしてのハーフカット線における反射光として誤検出されてしまうおそれがある。
【0078】
より詳細には、上記ハーフカット線およびハーフカット部のいずれにおいても、台紙本体に形成された凹部によって生じた段差によって性質の似た光(すなわち、照射光と波長の異なるおよび/または強度の小さい光)が反射されることになり、これが、上述した誤検出を起こす要因となる。
【0079】
一方で、本実施の形態においては、上述したように、目印線12aとその周囲との光の反射率の相違に基づいて目印線12aが検出される。すなわち、目印線12aにおける反射光とハーフカット部13における反射光とは性質が異なるため、上述したような誤検出が発生するおそれが大幅に抑制できることになる。
【0080】
さらには、本実施の形態に係る台紙1Aにおいては、接着部20の形成位置を光学的に検出するための基準となるマーカーとして目印線12aを用いているため、接着部の形成位置を光学的に検出するための基準となるマーカーとしてのハーフカット線が設けられてなる従来の台紙に比べて、このマーカーが形成された位置における台紙自体の強度も向上することになる。
【0081】
したがって、以上において説明した本実施の形態に係る台紙1Aとすることにより、接着部20の形成位置の検査の際の誤検出が抑制できるばかりでなく、台紙本体10に対する接着部20自体の接着強度の向上ならびに台紙本体10自体の強度の向上が図られた台紙とすることができる。
【0082】
<フィルム付き台紙>
図6は、本実施の形態に係るフィルム付き台紙の正面図である。
図7および
図8は、それぞれ
図6中に示すVII-VII線およびVIII-VIII線に沿った模式断面図である。次に、これら
図6ないし
図8を参照して、本実施の形態に係るフィルム付き台紙2について説明する。
【0083】
図6ないし
図8に示すように、フィルム付き台紙2は、上述した台紙1Aと、当該台紙1Aに設けられた接着部20を介して台紙本体10に貼り付けられたフィルム100とを備えている。
【0084】
フィルム100は、物品をその内部に収納するためのものであり、偏平に折り畳まれた状態で台紙1Aの接着部20に接着される。ここで、
図6および
図7においては、フィルム100が、台紙本体10の第1主面10aと平行に配置されるように接着部20に接着されているが、台紙本体10の第1主面10aに対して傾斜するようにこれが接着されてもよい。なお、常温では接着性または粘着性を有さない感熱接着剤または感熱粘着剤等を用いて接着部20が形成されている場合には、フィルム100を接着部20に接着させるに先だって、接着部20を加熱等することにより、接着性または粘着性を発現させる必要がある。
【0085】
フィルム100としては、熱収縮性フィルム、自己伸縮性フィルム等を用いることができる。熱収縮性フィルムとは、たとえば70℃以上120℃以下のような所望の温度に加熱されることによって収縮する性質(熱収縮性)を有する柔軟なフィルムをいう。熱収縮性フィルムは、熱収縮性と併せて自己伸縮性を有していてもよい。自己伸縮性フィルムとは、引っ張られることで拡張し、引っ張り力が解除されるとほぼ元の形状に戻る性質(自己伸縮性)を有する柔軟なフィルムをいう。
【0086】
本実施の形態に係るフィルム付き台紙2においては、フィルム100として熱収縮性フィルムまたは自己伸縮性フィルムを筒状に形成したものが用いられることが好ましく、特に、熱収縮性フィルムが用いられることがより好ましい。
【0087】
熱収縮性を有するフィルム100は、熱収縮性フィルムの一方向(主たる熱収縮方向)を周方向として、その熱収縮性フィルムを筒状に形成することによって得られる。かかるフィルム100は、たとえば、70℃以上120℃以下に加熱されることによって周方向に大きく熱収縮する。
【0088】
上記熱収縮性フィルムは、柔軟性を有し、さらに、少なくとも一方向(当該一方向は、筒状に形成された際に周方向となる方向である)に熱収縮性を有するフィルムであれば特に限定されず、公知のフィルムを用いることができる。熱収縮性フィルムは、樹脂成分を含む形成材料を成膜し、それを少なくとも一方向に延伸した後に、所望の温度で熱エージングすることによって得られる。
【0089】
なお、上記熱収縮性フィルムとしては、上記一方向とは異なる他方向においても若干熱収縮または熱伸張するフィルムが用いられてもよい。他方向とは、好ましくはフィルム面内において上記一方向に直交する方向である。熱収縮性フィルムの形成材料としては、特に限定されず、たとえば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリ乳酸等の生分解性樹脂、塩化ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂から選ばれる1種または2種以上の混合物等を主成分として含む樹脂組成物が挙げられる。また、熱収縮性フィルムは、単層でもよく、2層以上の積層体でもよい。
【0090】
フィルム100としては、不透明なものを用いてもよいが、無色透明または有色透明のものを用いることが好ましい。このようにすれば、フィルム100にデザインを施した場合に、そのデザインの見栄えが向上する。
【0091】
また、フィルム100の厚みは、特に限定されないが、たとえば、20μm以上100μm以下とすることができる。なお、特に図示しないが、フィルム100には、必要に応じてデザイン印刷層、表面保護層、滑り層等の任意の層が設けられていてもよい。
【0092】
フィルム100の大きさは、物品に応じて適宜設定できる。フィルム100が筒状でかつ上記一方向に熱収縮性を有する場合には、フィルム100の内周長は、物品を挿入するために、物品の最大外周長よりも大きくする必要がある。一方、フィルム100が自己伸縮性を有する場合には、フィルム100の内周長は、拡径力を解除した後に自己収縮によって物品に密着するようにするために、物品の最小外周長よりも小さくする必要がある。
【0093】
フィルム100の軸方向長さは、物品の軸方向の長さと同じでもよいし、それよりも小さくても大きくてもよい。軸方向長さが物品よりも大きいフィルム100を用いた場合には、フィルム100に物品を挿入してからフィルム100が加熱される。これにより、フィルム100の軸方向の両端部の各々が、物品の軸方向の対応する端面周縁部に回り込んで密着する、または、フィルム100の軸方向の一方の端部が、物品の軸方向の対応する端面周縁部に回り込んで密着するようになる。
【0094】
なお、
図6ないし
図8においては、その軸方向長さが物品の軸方向の長さよりも大きいフィルム100が用いられている。また、偏平に折り畳まれた状態におけるフィルム100の幅方向(すなわちX軸方向)の大きさは、
図6および
図7においては、台紙1Aの幅方向の大きさよりも小さくなっているが、台紙1Aの幅方向の大きさより大きくなっていてもよい。
【0095】
<包装体>
図9および
図10は、それぞれ本実施の形態に係るフィルム付き台紙に物品が被覆された状態を示す正面図および底面図である。
図11は、本実施の形態に係るフィルム付き台紙に物品を被覆する1つの方法を示す図であり、
図12は、本実施の形態に係るフィルム付き台紙に物品を被覆する他の方法を示す図である。次に、これら
図9ないし
図12を参照して、本実施の形態に係る包装体3について説明する。
【0096】
図9および
図10に示すように、包装体3は、上述したフィルム付き台紙2と、フィルム付き台紙2のフィルム100内に被覆された物品110とを備えている。
【0097】
物品110は、特に限定されず、様々なものが適用できる。一例としては、物品110として、化粧料等が被覆されたスプレー式容器、キャップ付き容器、ボトル型容器等の各種の容器が挙げられる。これらの容器の形状は、特に限定されないが、たとえば、円筒状、楕円筒状、円錐台状もしくは楕円錐台状等の錐台状、三角筒状もしくは四角筒状等の多角筒状、円錐台状、および楕円錐台状等が挙げられる。また、物品110は、大径胴部とそれよりも外周長の小さい小径胴部とを有する異径胴部を有するものでもよい。
【0098】
図9および
図10に示す包装体3においては、フィルム100のY軸方向の両端部の各々が、物品110のY軸方向の対応する端面周縁部に回り込んで密着しているとともに、フィルム100のY軸方向の両端部を除く部分が物品110の外周面に密着している。このように構成することにより、物品110は、フィルム100を介して台紙1Aに保持されている。
【0099】
なお、一般に、物品が台紙の厚み方向(すなわちZ軸方向)において台紙から突出している包装体にあっては、その保管時または運搬時に物品が異物に接触することにより、物品を保持しているフィルムが台紙本体から捩れ、フィルムを台紙本体から剥がすように外力が加えられることがある。
【0100】
本実施の形態に係る包装体3においては、物品110の形状が円柱状であることから、上述した外力が、特にX軸方向において大きく加えられる可能性がある。すなわち、物品110が、その断面形状が略円形状もしくは略楕円形状等である場合には、このようなX軸方向の外力が加わることによって物品110が転動し易く、それに伴ってフィルム100が台紙本体10から剥がれる方向に力が作用し易くなる。
【0101】
この点、本実施の形態に係る包装体3においては、上述したように、接着部20の台紙本体10自体に対する接着強度を確保するためのハーフカット部13が、いずれもY軸方向に沿って延びるように形成されたミシン目状凹部13aにて構成されているため、当該ミシン目状凹部13aが接着部20によって埋め込まれることにより、X軸方向に沿った接着強度が向上していることになる。
【0102】
そのため、当該構成を採用することにより、フィルム100内に物品110が被覆されている状態において外力が加わった場合にも、フィルム100および物品110が台紙1Aから剥がれることが効果的に防止できることになる。
【0103】
ここで、包装体3は、たとえば、
図11において示す方法および
図12において示す方法等によって得ることができる。
【0104】
図11に示す方法は、予め台紙1Aにフィルム100を貼り付けておき、この状態においてフィルム100に物品110を挿入する方法である。この場合には、まず、フィルム付き台紙2に設けられた熱収縮性を有するフィルム100が、偏平に畳まれた状態から筒状に開いた状態とされる。これによりフィルム100のY2方向側の端部に形成された開口から、物品110が図中矢印AR1方向に向けて挿入され、その後にフィルム100が加熱されることにより、フィルム100が熱収縮することでフィルム100が物品110に密着させられる。これにより、
図9および
図10に示すような包装体3が得られる。なお、物品110は、フィルム100のY1方向側端部の開口から挿入されてもよい。
【0105】
ここで、フィルム100が自己伸縮性を有する場合には、強制的に拡径されたフィルム100に物品110が挿入され、その後に強制的な拡径が解除されることによってフィルム100が収縮することで物品110に対してフィルム100が密着させられる。
【0106】
図12に示す方法は、予めフィルム100で物品110を被覆しておき、その後に物品110ごとフィルム100を台紙1Aに貼り付ける方法である。この場合には、まず、フィルム100で被覆された物品110を予め準備し、フィルム100の外周面が台紙1Aに設けられた接着部20に接着されることとなるように、図中矢印AR2方向に向けて物品110を台紙1Aに押し付ける。これにより、
図9および
図10に示すような包装体3が得られる。
【0107】
なお、予めフィルム100で物品110を被覆する際には、フィルム100として、筒状の熱収縮性フィルムではなく二軸延伸の熱収縮性フィルムが用いられる。この二軸延伸の熱収縮性フィルムを用いて包装体を製造する方法としては、たとえば、フィルム100によって物品110が被覆され、その後にフィルム100同士が溶断シールされることによって物品110の全面が被覆されるいわゆるピロー包装や、L形シール包装機によって物品110の全面が被覆されるいわゆるオーバーラップ包装等がある。
【0108】
ここで、オーバーラップ包装に用いられる二軸延伸熱収縮フィルムとしては、たとえば、ポリエチレン系樹脂もしくはポリプロピレン系樹脂を主体とした厚さ8μm以上40μm以下の単層もしくは複層のフィルムが用いられる。この二軸延伸熱収縮フィルムは、二軸方向にそれぞれ30%以上の熱収縮性を有するものであることが好ましく、40%以上の熱収縮性を有するものであることがさらに好ましい。
【0109】
(第1変形例)
図13は、第1変形例に係る台紙の正面図である。以下、この
図13を参照して、上述した実施の形態1に基づいた第1変形例に係る台紙1A1について説明する。
【0110】
図13に示すように、本変形例に係る台紙1A1は、上述した実施の形態1に係る台紙1Aと比較した場合に、台紙本体10の第1主面10aに設けられたハーフカット部13の向きが相違している。
【0111】
具体的には、本変形例に係る台紙1A1においては、台紙本体10の第1主面10aのうちの接着部20が設けられる部分(以下、これを「接着部形成予定領域」と称する)の全域において、ハーフカット部13が、X軸方向およびY軸方向の双方に対して傾斜する方向(以下、これを単に「傾斜方向」と称する)に沿って延びるように複数列にわたって設けられている。
【0112】
このように構成した場合には、上述した実施の形態1において説明した効果に準じた効果が得られるばかりでなく、ハーフカット部13が傾斜方向に沿って延びるように設けられることにより、台紙本体10に対する接着部20自体の接着強度をX軸方向だけでなくY軸方向に対しても向上させることができる。
【0113】
さらには、このように構成した場合には、接着部形成予定領域の外側に設けられた目印線12aと、接着部形成予定領域の内側に形成されたハーフカット部13とが、台紙本体10の第1主面10a上において互いに交差する方向に延在することになるため、接着部20の実際の形成位置を光学的に検出するに際して、マーカーとしての目印線12aの位置を特定する際の判断基準としてその向きを加えることにより、これを容易に特定することができ、ハーフカット部13を目印線12aと取り違えるといった誤検出の発生がより確実に抑制できることにもなる。
【0114】
加えて、このように構成した場合には、接着部20の縁部20aと、接着部形成予定領域の内側に形成されたハーフカット部13とが、台紙本体10の第1主面10a上において互いに交差する方向に延在することになるため、接着部20の実際の形成位置を光学的に検出するに際して、接着部20の縁部20aの位置を特定する際の判断基準としてその向きを加えることにより、これを容易に特定することができ、ハーフカット部13を接着部20の縁部20aと取り違えるといった誤検出の発生がより確実に抑制できることにもなる。
【0115】
(第2変形例)
図14は、第2変形例に係る台紙の正面図である。以下、この
図14を参照して、上述した実施の形態1に基づいた第2変形例に係る台紙1A2について説明する。
【0116】
図14に示すように、本変形例に係る台紙1A2は、上述した実施の形態1に係る台紙1Aと比較した場合に、台紙本体10の第1主面10aに設けられたハーフカット部13の向きが一部において相違している。
【0117】
具体的には、本変形例に係る台紙1A2においては、台紙本体10の接着部形成予定領域のうちのY軸方向における中央部において、ハーフカット部13がY軸方向に沿って延びるように複数列にわたって設けられており、台紙本体10の接着部形成予定領域のうちのY軸方向における両端部において、ハーフカット部13が傾斜方向に沿って延びるように複数列にわたって設けられている。
【0118】
このように構成した場合には、上述した実施の形態1において説明した効果に準じた効果が得られるばかりでなく、X軸方向において外力が加わり易い接着部20のY軸方向における中央部において、台紙本体10に対する接着部20自体の接着強度を当該X軸方向に対して向上させつつ、X軸方向のみならずY軸方向においても外力が加わり易い接着部20のY軸方向における両端部において、台紙本体10に対する接着部20自体の接着強度をX軸方向だけでなくY軸方向に対しても向上させることができる。
【0119】
さらには、このように構成した場合には、台紙本体10の接着部形成予定領域の外側に設けられた目印線12aと、台紙本体10の接着部形成予定領域の内側であってかつ上記目印線12aから比較的近い位置に形成されたハーフカット部13(すなわち、接着部形成予定領域のY軸方向における両端部)とが、台紙本体10の第1主面10a上において互いに交差する方向に延在することになるため、接着部20の実際の形成位置を光学的に検出するに際して、マーカーとしての目印線12aの位置を特定する際の判断基準としてその向きを加えることにより、これを容易に特定することができ、ハーフカット部13を目印線12aと取り違えるといった誤検出の発生がより確実に抑制できることにもなる。
【0120】
加えて、このように構成した場合には、接着部20の縁部20aと、接着部形成予定領域の内側であってかつ接着部形成予定領域のY軸方向における両端部に形成されたハーフカット部13とが、台紙本体10の第1主面10a上において互いに交差する方向に延在することになるため、接着部20の実際の形成位置を光学的に検出するに際して、接着部20の縁部20aの位置を特定する際の判断基準としてその向きを加えることにより、これを容易に特定することができ、ハーフカット部13を接着部20の縁部20aと取り違えるといった誤検出の発生がより確実に抑制できることにもなる。
【0121】
(第3変形例)
図15は、第3変形例に係る台紙の正面図である。以下、この
図15を参照して、上述した実施の形態1に基づいた第3変形例に係る台紙1A3について説明する。
【0122】
図15に示すように、本変形例に係る台紙1A3は、上述した実施の形態1に係る台紙1Aと比較した場合に、台紙本体10の第1主面10aに設けられたハーフカット部13の向きが一部において相違している。
【0123】
具体的には、本変形例に係る台紙1A3においては、台紙本体10の接着部形成予定領域のうちの四隅部において、ハーフカット部13が傾斜方向に沿って延びるように複数列にわたって設けられており、台紙本体10の接着部形成予定領域のうちのその余の部分において、ハーフカット部13がY軸方向に沿って延びるように複数列にわたって設けられている。
【0124】
このように構成した場合にも、上述した第2変形例において説明した効果に準じた効果を得ることができる。
【0125】
(実施の形態2)
図16は、実施の形態2に係る台紙の正面図である。以下、この
図16を参照して、本実施の形態に係る台紙1Bについて説明する。
【0126】
図16に示すように、本実施の形態に係る台紙1Bは、上述した実施の形態1に係る台紙1Aと比較した場合に、目印線12aの構成においてのみ相違している。
【0127】
具体的には、本実施の形態に係る台紙1Bにおいては、目印線12aの第3直線目印部12a3が、上述した第1部分12a3(1)および第2部分12a3(2)を有しておらず、目印線12aの第4直線目印部12a4が、上述した第3部分12a4(1)および第4部分12a4(2)を有していない。これに代えて、第3直線目印部12a3は、接着部20の縁部20aの第3縁部20a3のY軸方向における中央部に対して略平行に延びており、第4直線目印部12a4は、接着部20の縁部20aの第4縁部20a4のY軸方向における中央部に対して略平行に延びている。
【0128】
このように構成した場合にも、目印線12aを用いることによって接着部20のずれを検出することが可能になる。したがって、上述した実施の形態1において説明した効果に準じた効果を得ることができる。なお、当該構成を採用した場合には、平面視略矩形状の接着部20が有する4つの縁部20aの各々に沿って目印線12aが位置することになるため、第1直線目印部12a1および第2直線目印部12a2によって接着部20のY軸方向のずれを特に精緻に検出することができ、第3直線目印部12a3および第4直線目印部12a4によって接着部20のX軸方向のずれを特に精緻に検出することができる。
【0129】
(実施の形態3)
図17は、実施の形態3に係る台紙の正面図である。以下、この
図17を参照して、本実施の形態に係る台紙1Cについて説明する。
【0130】
図17に示すように、本実施の形態に係る台紙1Cは、上述した実施の形態1に係る台紙1Aと比較した場合に、目印線12aの構成においてのみ相違している。
【0131】
具体的には、本実施の形態に係る台紙1Cにおいては、目印線12aが、上述した第2直線目印部12a2、第3直線目印部12a3および第4直線目印部12a4を含んでおらず、第1直線目印部12a1のみを有している。
【0132】
このように構成した場合にも、目印線12aを用いることによって接着部20のずれを検出することが可能になる。したがって、上述した実施の形態1において説明した効果に準じた効果を得ることができる。なお、当該構成を採用した場合には、平面視略矩形状の接着部20が有する4つの縁部20aのうちの第1縁部20a1に沿って第1直線目印部12a1が位置することになるため、これによって接着部20のY軸方向のずれを特に精緻に検出することができる。
【0133】
(実施の形態4)
図18は、実施の形態4に係る台紙の正面図である。以下、この
図18を参照して、本実施の形態に係る台紙1Dについて説明する。
【0134】
図18に示すように、本実施の形態に係る台紙1Dは、上述した実施の形態1に係る台紙1Aと比較した場合に、目印線12aおよび接着部20の構成においてのみ相違している。
【0135】
具体的には、本実施の形態に係る台紙1Dにおいては、接着部20が平面視略楕円形状を有しており、これに応じて目印線12aが楕円弧状に形成されている。より詳細には、目印線12aは、接着部20の外側の領域に配置された曲線状に延びる一本の線にて構成されており、接着部20の縁部20aの一部に沿って延びている。
【0136】
このように構成した場合にも、目印線12aを用いることによって接着部20のずれを検出することが可能になる。したがって、上述した実施の形態1において説明した効果に準じた効果を得ることができる。
【0137】
(その他の形態等)
上述した実施の形態およびその変形例においては、1つの台紙本体に対して1つの接着部が設けられているが、1つの台紙本体に、独立した複数の接着部が設けられてもよい。ここで、複数の接着部の各々に対して1つのフィルムが接着されてもよく、複数の接着部にまたがるように1つのフィルムが接着されてもよい。
【0138】
また、上述した実施の形態およびその変形例においては、台紙本体が、基材と、第1主面を規定するデザイン印刷層とによって構成されているが、基材の第2主面を規定する側にさらに別のデザイン印刷層が設けられてもよい。
【0139】
また、上述した実施の形態およびその変形例においては、ハーフカット部が、台紙本体の第1主面のうちの接着部が設けられた部分にY軸方向に沿って延びるように複数列にわたって設けられているが、これに代えて、ハーフカット部が、X軸方向に沿って延びるように複数列にわたって設けられてもよい。
【0140】
上述した実施の形態およびその変形例において開示した各部の形状や構成、大きさ、数、材質等は、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々変更が可能である。
【0141】
加えて、上述した実施の形態およびその変形例において開示した特徴的な構成は、本発明の趣旨に照らして許容される範囲で当然に相互に組み合わせることが可能である。
【0142】
このように、今回開示した上記実施の形態およびその変形例はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0143】
1A~1D、1A1~1A3 台紙、2 フィルム付き台紙、3 包装体、10 台紙本体、10a 第1主面、10b 第2主面、11 基材、12 デザイン印刷層、12a 目印線、12a1 第1直線目印部、12a2 第2直線目印部、12a3 第3直線目印部、12a3(1) 第1部分、12a3(2) 第2部分、12a4 第4直線目印部、12a4(1) 第3部分、12a4(2) 第4部分、13 ハーフカット部、13a ミシン目状凹部、14 孔部、20 接着部、20a 縁部、20a1 第1縁部、20a2 第2縁部、20a3 第3縁部、20a4 第4縁部、100 フィルム、110 物品。