(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】ワーク加工用シート
(51)【国際特許分類】
B32B 27/00 20060101AFI20241205BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20241205BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20241205BHJP
H01L 21/301 20060101ALI20241205BHJP
C09J 7/38 20180101ALI20241205BHJP
C09J 201/08 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B32B27/00 M
H01L21/68 N
H01L21/304 631
H01L21/78 M
C09J7/38
C09J201/08
(21)【出願番号】P 2021508962
(86)(22)【出願日】2020-03-09
(86)【国際出願番号】 JP2020010002
(87)【国際公開番号】W WO2020195744
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】P 2019060411
(32)【優先日】2019-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【氏名又は名称】村雨 圭介
(74)【代理人】
【識別番号】100176407
【氏名又は名称】飯田 理啓
(72)【発明者】
【氏名】高麗 洋佑
(72)【発明者】
【氏名】森田 由希
【審査官】山中 隆幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-212530(JP,A)
【文献】特開2013-129723(JP,A)
【文献】特開2005-303068(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B
C09J
H01L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、前記基材の片面側に積層された中間層と、前記中間層における前記基材とは反対の面側に積層された粘着剤層とを備え、凹凸構造を表面に備えたワークを加工するためのワーク加工用シートであって、
前記基材が、ポリオレフィン系フィルム、ポリエステル系フィルムおよびエチレン系共重合フィルムの少なくとも1種からなり、
前記基材の厚さが、10μm以上、200μm以下であり、
前記中間層
および前記粘着剤層が、
アクリル系粘着剤からなり、
前記中間層の25℃における貯蔵弾性率が、前記粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率よりも低く、
前記中間層の25℃における貯蔵弾性率は、10kPa以上、260kPa以下であり、
前記粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率は、50kPa以上、300kPa以下であり、
前記中間層の厚さが、50μm以上、300μm以下であり、
JIS L1086:2007に準拠したカンチレバー法により測定される前記ワーク加工用シートの剛軟度が、10mm以上、70mm以下である
ことを特徴とするワーク加工用シート。
【請求項2】
前記中間層の25℃における貯蔵弾性率は、前記粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率よりも20kPa以上低いことを特徴とする請求項1に記載のワーク加工用シート。
【請求項3】
前記粘着剤層は、活性エネルギー線硬化性粘着剤からなることを特徴とする請求項1
または2に記載のワーク加工用シート。
【請求項4】
前記ワークは、表面にバンプを有するワークであることを特徴とする請求項1~
3のいずれか一項に記載のワーク加工用シート。
【請求項5】
前記バンプの高さは、50μm以上であることを特徴とする請求項
4に記載のワーク加工用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ等のワークの加工に好適に使用することができるワーク加工用シートに関するものであり、特に、凹凸構造を表面に備えたワークの加工に好適に使用することができるワーク加工用シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造においては、一般的に、半導体ウエハの表面に回路を形成した後、半導体ウエハの裏面を研削加工し、半導体ウエハの厚さを調整する裏面研削工程、および半導体ウエハをダイシングし、チップに個片化するダイシング工程が行われる。
【0003】
ところで、近年、製造される半導体装置が多様化していることに伴い、特殊な構成や構造を有するワークが、上述した加工の対象となるようになってきている。このようなワークの一例として、凹凸構造を表面に備えたワークが使用されことがある。
【0004】
例えば、近年の電子回路の大容量化、高機能化に対応して、複数の半導体チップを立体的に積層した積層回路の開発が進んでいる。このような積層回路においては、従来は半導体チップの導電接続をワイヤボンディングにより行うことが一般的であったが、小型化・高機能化の必要性により、ワイヤボンディングをすることなく、回路形成面からその反対面に貫通する貫通電極(TSV)を有するTSVチップを製造し、上下のTSVチップ間を直接導電接続する方法が効果的な手法として開発されている。
【0005】
上述したTSVチップ間における直接の導電接続を実現するため、TSVチップでは、通常、貫通電極の端部がチップの表面から突出するように設けられているか、または、貫通電極の端部に凸状電極が設けられている(以下、貫通電極の突出した部分および貫通電極の端部に設けられた凸状電極、さらにワークの表面において突出するように設けられた電極を総称して「バンプ」ということがある。)。このようなバンプは、チップ表面の凹凸構造を構成するものとなる。
【0006】
上述したような表面にバンプを有するチップは、表面にバンプを有するウエハをワーク加工用シート上にてダイシングして個片化することにより得ることができる。このダイシングの際には、バンプを保護する観点から、ウエハにおけるバンプが存在する面にワーク加工用シートが貼付される。そのため、ワーク加工用シートには、ワークの表面に存在するバンプを良好に埋め込むことが可能な埋め込み性が求められる。
【0007】
例えば、特許文献1には、上述のようなバンプを有する半導体ウエハをワークとすることが想定されたワーク加工用シートが開示されている。特に、特許文献1には、バンプの良好な埋め込み性を実現する観点から、基材と粘着剤層との間に吸収層を設けることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、ワーク加工用シートを用いてウエハのダイシングを行う場合、ワーク加工用シートの粘着性を有する面(以下「粘着面」という場合がある。)を、ウエハおよびダイシング用リングフレームに貼付することとなる。従来のワーク加工用シートでは、この貼付の際にシワが発生してしまい、その後を行われるダイシング工程やエキスパンド工程に悪影響が生じることがあった。
【0010】
本発明は、上記のような実状に鑑みてなされたものであり、優れた埋め込み性を有するとともに、貼付時におけるシワの発生を抑制することができるワーク加工用シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、第1に本発明は、基材と、前記基材の片面側に積層された中間層と、前記中間層における前記基材とは反対の面側に積層された粘着剤層とを備え、凹凸構造を表面に備えたワークを加工するためのワーク加工用シートであって、前記中間層の25℃における貯蔵弾性率が、前記粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率よりも低く、前記中間層の厚さが、50μm以上、300μm以下であり、JIS L1086:2007に準拠したカンチレバー法により測定される前記ワーク加工用シートの剛軟度が、70mm以下であることを特徴とするワーク加工用シートを提供する(発明1)。
【0012】
上記発明(発明1)に係るワーク加工用シートは、基材と粘着剤層との間に、上述したような貯蔵弾性率および厚さを有する中間層を備えることにより、ワークの表面に存在する凹凸構造に対して優れた埋め込み性を発揮することができる。さらに、ワーク加工用シートの剛軟度が上述した範囲であることにより、貼付時におけるシワの発生を良好に抑制することができる。
【0013】
上記発明(発明1)において、前記中間層の25℃における貯蔵弾性率は、前記粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率よりも20kPa以上低いことが好ましい(発明2)。
【0014】
上記発明(発明1,2)において、前記中間層の25℃における貯蔵弾性率は、10kPa以上、260kPa以下であることが好ましい(発明3)。
【0015】
上記発明(発明1~3)において、前記粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率は、50kPa以上、300kPa以下であることが好ましい(発明4)。
【0016】
上記発明(発明1~4)において、前記基材は、ポリオレフィン系フィルムからなることが好ましい(発明5)。
【0017】
上記発明(発明1~5)において、前記粘着剤層は、活性エネルギー線硬化性粘着剤からなることが好ましい(発明6)。
【0018】
上記発明(発明1~6)において、前記ワークは、表面にバンプを有するワークであることが好ましい(発明7)。
【0019】
上記発明(発明7)において、前記バンプの高さは、50μm以上であることが好ましい(発明8)。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るワーク加工用シートは、優れた埋め込み性を有するとともに、貼付時におけるシワの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態に係るワーク加工用シートの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るワーク加工用シートの断面図である。本実施形態に係るワーク加工用シート1は、基材11と、片面側に積層された中間層12と、中間層12における基材11とは反対の面側に積層された粘着剤層13とを備える。
【0023】
1.ワーク加工用シートの構成部材
(1)基材
本実施形態における基材11としては、ワーク加工用シート1の剛軟度についての前述した条件を実現できるとともに、ワーク加工用シート1の使用の際に所望の機能を発揮するものである限り、特に限定されない。
【0024】
特に、基材11は、樹脂系の材料を主材とする樹脂フィルムであることが好ましい。その具体例としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、エチレン-ノルボルネン共重合体フィルム、ノルボルネン樹脂フィルム等のポリオレフィン系フィルム;ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系フィルム;エチレン-酢酸ビニル共重合体フィルム;エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン-(メタ)アクリル酸メチル共重合体フィルム、その他のエチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム等のエチレン系共重合フィルム;ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム等のポリ塩化ビニル系フィルム;(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム;ポリウレタンフィルム;ポリイミドフィルム;ポリスチレンフィルム;ポリカーボネートフィルム;フッ素樹脂フィルムなどが挙げられる。また、これらの架橋フィルム、アイオノマーフィルムといった変性フィルムも用いられる。また、基材11は、上述したフィルムが複数積層されてなる積層フィルムであってもよい。この積層フィルムにおいて、各層を構成する材料は同種であってもよく、異種であってもよい。なお、本明細書における「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸およびメタクリル酸の両方を意味する。他の類似用語についても同様である。
【0025】
本実施形態における基材11としては、ワーク加工用シート1の剛軟度の条件を満たし易くなるという観点から、上述したフィルムの中でも、ポリオレフィン系フィルムであることが好ましく、特にポリエチレンフィルムであることが好ましい。ポリエチレンフィルムの好ましい例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)フィルム、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム、高密度ポリエチレン(HDPE)フィルム等が挙げられる。
【0026】
基材11は、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、酸化防止剤、着色剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、イオン捕捉剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤の含有量としては、特に限定されないものの、基材11が所望の機能を発揮する範囲とすることが好ましい。
【0027】
基材11の中間層12が積層される面には、中間層12との密着性を高めるために、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理が施されてもよい。
【0028】
基材11の厚さは、ワーク加工用シート1が使用される方法に応じて適宜設定できるものの、ワーク加工用シート1の剛軟度の条件を満たし易くなるという観点から、200μm以下であることが好ましく、特に150μm以下であることが好ましい。また、基材11の厚さは、ワーク加工用シート1が、ワークの加工に耐え得る強度を有し易いものとなるという観点から、10μm以上であることが好ましく、特に25μm以上であることが好ましい。
【0029】
(2)粘着剤層
本実施形態における粘着剤層13を構成する粘着剤としては、中間層12と粘着剤層13との間における貯蔵弾性率の関係を実現できるとともに、ワークの加工のために十分な対ワーク粘着力を発揮することができる限り、特に限定されない。
【0030】
例えば、粘着剤層13を構成する粘着剤の例としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリビニルエーテル系粘着剤等が挙げられる。これらの中でも、所望の粘着力を発揮し易く、また、粘着剤層13の貯蔵弾性率を調整し易いという観点から、アクリル系粘着剤を使用することが好ましい。
【0031】
また、粘着剤層13を構成する粘着剤は、活性エネルギー線硬化性を有しない粘着剤であってもよいものの、活性エネルギー線硬化性を有する粘着剤(以下、「活性エネルギー線硬化性粘着剤」という場合がある。)であることが好ましい。粘着剤層13が活性エネルギー線硬化性粘着剤から構成されていることで、活性エネルギー線の照射により粘着剤層13を硬化させて、ワーク加工用シート1の被着体に対する粘着力を低下させることができる。これにより、加工後のワークをワーク加工用シート1から容易に分離することが可能となる。
【0032】
粘着剤層13を構成する活性エネルギー線硬化性粘着剤としては、活性エネルギー線硬化性を有するポリマーを主成分とするものであってもよいし、活性エネルギー線非硬化性ポリマー(活性エネルギー線硬化性を有しないポリマー)と少なくとも1つ以上の活性エネルギー線硬化性基を有するモノマーおよび/またはオリゴマーとの混合物を主成分とするものであってもよい。
【0033】
最初に、活性エネルギー線硬化性粘着剤が、活性エネルギー線硬化性を有するポリマーを主成分とする場合について、以下説明する。
【0034】
活性エネルギー線硬化性を有するポリマーは、側鎖に活性エネルギー線硬化性を有する官能基(活性エネルギー線硬化性基)が導入された(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(A)(以下「活性エネルギー線硬化性重合体(A)」という場合がある。)であることが好ましい。当該活性エネルギー線硬化性重合体(A)を使用することで、粘着剤層13を硬化させた後におけるワーク加工用シート1と被着体とを分離させる際に、被着体への糊残りを抑制し易いものとなる。この活性エネルギー線硬化性重合体(A)は、官能基含有モノマー単位を有するアクリル系共重合体(a1)と、その官能基に結合する官能基を有する不飽和基含有化合物(a2)とを反応させて得られるものであることが好ましい。
【0035】
上述した官能基含有モノマーとしては、重合性の二重結合と、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、アミド基、ベンジル基、グリシジル基等の官能基とを分子内に有するモノマーが好ましく、これらの中でも、官能基としてヒドロキシ基を含有するモノマー(ヒドロキシ基含有モノマー)を使用することが好ましい。
【0036】
上記ヒドロキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル等が挙げられ、これらの中でも、アクリル酸2-ヒドロキシエチルを使用することが好ましい。なお、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0037】
上記カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0038】
上記アミノ基含有モノマーまたはアミド基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸n-ブチルアミノエチル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0039】
アクリル系共重合体(a1)は、上記官能基含有モノマーから導かれる構成単位を、3質量%以上含有することが好ましく、特に5質量%以上含有することが好ましい。また、アクリル系共重合体(a1)は、上記官能基含有モノマーから導かれる構成単位を、30質量%以下で含有することが好ましく、特に20質量%以下で含有することが好ましく、さらには15質量%以下で含有することが好ましい。アクリル系共重合体(a1)が官能基含有モノマーを上記範囲で含有することにより、所望の活性エネルギー線硬化性重合体(A)を形成し易いものとなる。
【0040】
アクリル系共重合体(a1)は、所望の性能を有する粘着剤を形成し易いという観点から、アクリル系共重合体(a1)を構成するモノマー単位として、(メタ)アクリル酸アルキルエステル含有することも好ましい。当該(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が1~18であるものが好ましく、特に炭素数が1~4であるものが好ましい。
【0041】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸n-ペンチル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n-デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上述した(メタ)アクリル酸アルキルエステルの中でも、(メタ)アクリル酸メチルおよび(メタ)アクリル酸n-ブチルの少なくとも1種を使用することが好ましく、特にアクリル酸メチルおよびアクリル酸n-ブチルの少なくとも1種を使用することが好ましい。
【0042】
アクリル系共重合体(a1)は、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルから導かれる構成単位を、60質量%以上含有することが好ましく、特に70質量%以上含有することが好ましく、さらには80質量%以上含有することが好ましい。また、アクリル系共重合体(a1)は、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルから導かれる構成単位を、97質量%以下で含有することが好ましく、特に95質量%以下で含有することが好ましく、さらには85質量%以下で含有することが好ましい。アクリル系共重合体(a1)が(メタ)アクリル酸アルキルエステルを上記範囲で含有することにより、所望の性能を有する粘着剤を形成し易いものとなる。
【0043】
アクリル系共重合体(a1)は、上述した官能基含有モノマーおよび(メタ)アクリル酸アルキルエステルとともに、その他のモノマーを共重合したものであってもよい。
【0044】
上記その他のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル等のアルコキシアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステル;N-(メタ)アクリロイルモルホリン、N-ビニル-2-ピロリドン、N-(メタ)アクリロイルピロリドン等の窒素含有複素環を有するモノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド等の非架橋性のアクリルアミド;(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノプロピル等の非架橋性の3級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル;酢酸ビニル;スチレンなどが挙げられる。
【0045】
アクリル系共重合体(a1)の重合態様は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。また、重合法に関しては特に限定されず、一般的な重合法、例えば溶液重合法により重合することができる。
【0046】
上記官能基含有モノマー単位を有するアクリル系共重合体(a1)を、その官能基に結合する官能基を有する不飽和基含有化合物(a2)と反応させることにより、活性エネルギー線硬化性重合体(A)が得られる。
【0047】
不飽和基含有化合物(a2)が有する官能基は、アクリル系共重合体(a1)が有する官能基含有モノマー単位の官能基の種類に応じて、適宜選択することができる。例えば、アクリル系共重合体(a1)が有する官能基がヒドロキシ基、アミノ基またはアミド基の場合、不飽和基含有化合物(a2)が有する官能基としてはイソシアネート基またはエポキシ基が好ましく、アクリル系共重合体(a1)が有する官能基がグリシジル基の場合、不飽和基含有化合物(a2)が有する官能基としてはアミノ基、カルボキシ基またはアジリジニル基が好ましい。
【0048】
また上記不飽和基含有化合物(a2)には、活性エネルギー線重合性の炭素-炭素二重結合が、1分子中に少なくとも1個、好ましくは1~6個、さらに好ましくは1~4個含まれている。このような不飽和基含有化合物(a2)の具体例としては、例えば、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタ-イソプロペニル-α,α-ジメチルベンジルイソシアネート、メタクリロイルイソシアネート、アリルイソシアネート、1,1-(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート;ジイソシアネート化合物またはポリイソシアネート化合物と、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとの反応により得られるアクリロイルモノイソシアネート化合物;ジイソシアネート化合物またはポリイソシアネート化合物と、ポリオール化合物と、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとの反応により得られるアクリロイルモノイソシアネート化合物;(メタ)アクリル酸グリシジル;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2-(1-アジリジニル)エチル、2-ビニル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン等が挙げられる。
【0049】
上記不飽和基含有化合物(a2)は、上記アクリル系共重合体(a1)の官能基含有モノマーのモル数に対して、好ましくは50モル%以上、特に好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上の割合で用いられる。また、上記不飽和基含有化合物(a2)は、上記アクリル系共重合体(a1)の官能基含有モノマーのモル数に対して、好ましくは95モル%以下、特に好ましくは93モル%以下、さらに好ましくは90モル%以下の割合で用いられる。
【0050】
アクリル系共重合体(a1)と不飽和基含有化合物(a2)との反応においては、アクリル系共重合体(a1)が有する官能基と不飽和基含有化合物(a2)が有する官能基との組合せに応じて、反応の温度、圧力、溶媒、時間、触媒の有無、触媒の種類を適宜選択することができる。これにより、アクリル系共重合体(a1)中に存在する官能基と、不飽和基含有化合物(a2)中の官能基とが反応し、不飽和基がアクリル系共重合体(a1)中の側鎖に導入され、活性エネルギー線硬化性重合体(A)が得られる。
【0051】
このようにして得られる活性エネルギー線硬化性重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、1万以上であることが好ましく、特に15万以上であることが好ましく、さらには20万以上であることが好ましい。また、当該重量平均分子量(Mw)は、150万以下であることが好ましく、特に100万以下であることが好ましく、さらには80万以下であることが好ましい。なお、本明細書における重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定した標準ポリスチレン換算の値である。
【0052】
活性エネルギー線硬化性粘着剤が、活性エネルギー線硬化性重合体(A)といった活性エネルギー線硬化性を有するポリマーを主成分とする場合であっても、活性エネルギー線硬化性粘着剤は、活性エネルギー線硬化性のモノマーおよび/またはオリゴマー(B)をさらに含有してもよい。
【0053】
活性エネルギー線硬化性のモノマーおよび/またはオリゴマー(B)としては、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル等を使用することができる。
【0054】
かかる活性エネルギー線硬化性のモノマーおよび/またはオリゴマー(B)としては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の単官能性アクリル酸エステル類、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等の多官能性アクリル酸エステル類、ポリエステルオリゴ(メタ)アクリレート、ポリウレタンオリゴ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0055】
活性エネルギー線硬化性重合体(A)に対し、活性エネルギー線硬化性のモノマーおよび/またはオリゴマー(B)を配合する場合、活性エネルギー線硬化性粘着剤中における活性エネルギー線硬化性のモノマーおよび/またはオリゴマー(B)の含有量は、活性エネルギー線硬化性重合体(A)100質量部に対して、0質量部超であることが好ましく、特に60質量部以上であることが好ましい。また、当該含有量は、活性エネルギー線硬化性重合体(A)100質量部に対して、250質量部以下であることが好ましく、特に200質量部以下であることが好ましい。
【0056】
ここで、活性エネルギー線硬化性粘着剤を硬化させるための活性エネルギー線として紫外線を用いる場合には、光重合開始剤(C)を添加することが好ましい。この光重合開始剤(C)の使用により、重合硬化時間および光線照射量を少なくすることができる。
【0057】
光重合開始剤(C)の具体例としては、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール、2,4-ジエチルチオキサンソン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンジル、ジベンジル、ジアセチル、β-クロールアンスラキノン、(2,4,6-トリメチルベンジルジフェニル)フォスフィンオキサイド、2-ベンゾチアゾール-N,N-ジエチルジチオカルバメート、オリゴ{2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-プロペニル)フェニル]プロパノン}、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オンなどが挙げられる。これらの中でも、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オンを使用することが好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0058】
光重合開始剤(C)は、活性エネルギー線硬化性重合体(A)(活性エネルギー線硬化性のモノマーおよび/またはオリゴマー(B)を配合する場合には、活性エネルギー線硬化性重合体(A)および活性エネルギー線硬化性のモノマーおよび/またはオリゴマー(B)の合計量100質量部)100質量部に対して0.1質量部以上、特に0.5質量部以上の量で用いられることが好ましい。また、光重合開始剤(C)は、活性エネルギー線硬化性重合体(A)(活性エネルギー線硬化性のモノマーおよび/またはオリゴマー(B)を配合する場合には、活性エネルギー線硬化性重合体(A)および活性エネルギー線硬化性のモノマーおよび/またはオリゴマー(B)の合計量100質量部)100質量部に対して10質量部以下、特に6質量部以下の量で用いられることが好ましい。
【0059】
活性エネルギー線硬化性粘着剤においては、上記成分以外にも、適宜他の成分を配合してもよい。他の成分としては、例えば、活性エネルギー線非硬化性ポリマー成分またはオリゴマー成分(D)、架橋剤(E)等が挙げられる。
【0060】
活性エネルギー線非硬化性ポリマー成分またはオリゴマー成分(D)としては、例えば、ポリアクリル酸エステル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリオレフィン等が挙げられ、重量平均分子量(Mw)が3000~250万のポリマーまたはオリゴマーが好ましい。当該成分(D)を活性エネルギー線硬化性粘着剤に配合することにより、硬化前における粘着性および剥離性、硬化後の強度、他の層との接着性、保存安定性などを改善し得る。当該成分(D)の配合量は特に限定されず、活性エネルギー線硬化性重合体(A)100質量部に対して0質量部超、50質量部以下の範囲で適宜決定される。
【0061】
架橋剤(E)の使用は、粘着剤層13の貯蔵弾性率を所望の範囲に調整し易いという観点から好ましい。架橋剤(E)としては、活性エネルギー線硬化性重合体(A)等が有する官能基との反応性を有する多官能性化合物を用いることができる。このような多官能性化合物の例としては、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アミン化合物、メラミン化合物、アジリジン化合物、ヒドラジン化合物、アルデヒド化合物、オキサゾリン化合物、金属アルコキシド化合物、金属キレート化合物、金属塩、アンモニウム塩、反応性フェノール樹脂等を挙げることができる。
【0062】
架橋剤(E)の配合量は、活性エネルギー線硬化性重合体(A)100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、特に0.1質量部以上であることが好ましい。また、架橋剤(E)の配合量は、活性エネルギー線硬化性重合体(A)100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、特に5質量部以下であることが好ましい。
【0063】
次に、活性エネルギー線硬化性粘着剤が、活性エネルギー線非硬化性ポリマー成分と少なくとも1つ以上の活性エネルギー線硬化性基を有するモノマーおよび/またはオリゴマーとの混合物を主成分とする場合について、以下説明する。
【0064】
活性エネルギー線非硬化性ポリマー成分としては、例えば、前述したアクリル系共重合体(a1)と同様の成分が使用できる。
【0065】
少なくとも1つ以上の活性エネルギー線硬化性基を有するモノマーおよび/またはオリゴマーとしては、前述の成分(B)と同じものが選択できる。活性エネルギー線非硬化性ポリマー成分と少なくとも1つ以上の活性エネルギー線硬化性基を有するモノマーおよび/またはオリゴマーとの配合比は、活性エネルギー線非硬化性ポリマー成分100質量部に対して、少なくとも1つ以上の活性エネルギー線硬化性基を有するモノマーおよび/またはオリゴマー1質量部以上であるのが好ましく、特に60質量部以上であるのが好ましい。また、当該配合比は、活性エネルギー線非硬化性ポリマー成分100質量部に対して、少なくとも1つ以上の活性エネルギー線硬化性基を有するモノマーおよび/またはオリゴマー200質量部以下であるのが好ましく、特に160質量部以下であるのが好ましい。
【0066】
この場合においても、上記と同様に、光重合開始剤(C)や架橋剤(E)を適宜配合することができる。
【0067】
粘着剤層13の25℃における貯蔵弾性率は、50kPa以上であることが好ましく、特に70kPa以上であることが好ましく、さらには100kPa以上であることが好ましい。粘着剤層13の25℃における貯蔵弾性率が50kPa以上であることにより、粘着剤層13の25℃における貯蔵弾性率と比較して、中間層12の25℃における貯蔵弾性率の方が低いという関係を満たし易くなる。また、粘着剤層13の25℃における貯蔵弾性率は、300kPa以下であることが好ましく、特に200kPa以下であることが好ましく、さらには150kPa以下であることが好ましい。上記貯蔵弾性率が300kPa以下であることにより、本実施形態に係るワーク加工用シート1が、凹凸構造に対してより優れた埋め込み性を発揮し易いものとなる。なお、本明細書において、粘着剤層13の25℃における貯蔵弾性率とは、粘着剤層13が活性エネルギー線硬化性粘着剤からなる場合であったとしても、粘着剤層13に対して活性エネルギー線を照射する前に測定された25℃における貯蔵弾性率をいうものとする。当該貯蔵弾性率の測定方法の詳細は、後述する試験例に記載の通りである。
【0068】
粘着剤層13の厚さは、5μm以上であることが好ましく、特に10μm以上であることが好ましく、さらには15μm以上であることが好ましい。粘着剤層13の厚さが5μm以上であることで、本実施形態に係るワーク加工用シート1が所望の粘着性を発揮し易いものとなる。また、粘着剤層13の厚さは、60μm以下であることが好ましく、特に45μm以下であることが好ましく、さらには30μm以下であることが好ましい。粘着剤層13の厚さが60μm以下であることで、ワーク加工用シート1が剛軟度の条件を満たし易いものとなる。また、粘着剤層13の厚さが60μm以下であることで、硬化後の粘着剤層13から被着体を分離する際に、分離し易いものとなる。
【0069】
(3)中間層
本実施形態における中間層12は、中間層12と粘着剤層13との間における貯蔵弾性率の関係を達成できる限り、特に限定されない。中間層12を構成する材料としては、貯蔵弾性率に関する条件を達成し易いという観点から所定の樹脂を使用することが好ましく、さらに製造の容易性の観点から、中間層12は粘着剤からなるものであることが好ましい。
【0070】
中間層12を構成するための粘着剤としては、粘着剤層13を構成するための粘着剤として前述したものを使用することができる。ここで、中間層12に対してはワークが直接貼付されることはないため、加工後のワークに対する剥離の容易性を考慮する必要がない。その観点から、中間層12を構成するための粘着剤は、活性エネルギー線硬化性を有しない粘着剤であることが好ましい。
【0071】
中間層12を構成するための粘着剤としての、活性エネルギー線硬化性を有しない粘着剤としては、前述したアクリル系共重合体(a1)と同様の成分が使用できる。ここで、アクリル系共重合体(a1)中における、官能基含有モノマーおよび(メタ)アクリル酸アルキルエステルから導かれる構成単位の含有量も、粘着剤層13における含有量と同様とすることができる。
【0072】
また、中間層12を構成するための粘着剤においても、架橋剤(E)を含有することが好ましく、その際の架橋剤(E)の配合量は、粘着剤層13における配合量と同様にすることができる。
【0073】
本実施形態に係るワーク加工用シート1においては、中間層12の25℃における貯蔵弾性率が、粘着剤層13の25℃における貯蔵弾性率よりも低いものとなっている。これにより、ワーク加工用シート1は、粘着剤層13の耐ワーク粘着力といった性能を所望の範囲に維持しながらも、表面に凹凸構造を備えるワークにおける当該凹凸構造に対して良好な埋め込み性を発揮できるものとなる。この観点から、中間層12の25℃における貯蔵弾性率は、粘着剤層13の25℃における貯蔵弾性率よりも20kPa以上低いことが好ましく、特に30kPa以上低いことが好ましく、さらには40kPa以上低いことが好ましい。
【0074】
中間層12の25℃における貯蔵弾性率は、260kPa以下であることが好ましく、特に160kPa以下であることが好ましく、さらには70kPa以下であることが好ましい。中間層12の25℃における貯蔵弾性率が260kPa以下であることにより、中間層12と粘着剤層13との間における上述した貯蔵弾性率の関係を達成し易くなる。また、中間層12の25℃における貯蔵弾性率は、10kPa以上であることが好ましく、特に20kPa以上であることが好ましく、さらには30kPa以上であることが好ましい。上記貯蔵弾性率が10kPa以上であることにより、本実施形態に係るワーク加工用シート1が剛軟度についての条件を満たし易いものとなる。なお、上記貯蔵弾性率の測定方法の詳細は、後述する試験例に記載の通りである。
【0075】
本実施形態に係るワーク加工用シート1においては、中間層12の厚さが、50μm以上であり、50μm超であることが好ましく、特に70μm以上であることが好ましく、さらには100μm以上であることが好ましい。中間層12の厚さが50μm以上であることにより、比較的高低差の大きい凹凸構造を有するワークに対しても、良好な埋め込み性を発揮できるものとなる。また、中間層12の厚さは、300μm以下であることが好ましい。中間層12の厚さが300μm以下であることで、ワーク加工用シート1の使用の際に、中間層12を構成する成分が中間層12から浸み出してくることを効果的に抑制することができ、ワークの加工をより良好に行うことが可能となる。
【0076】
また、中間層12の厚さと粘着剤層13の厚さとの合計は、良好な埋め込み性を発揮し易いという観点から、本実施形態に係るワーク加工用シート1が使用されるワークに存在する凹凸構造の凸部の高さの1.2倍以上の厚さであることが好ましく、特に2倍以上の厚さであることが好ましい。さらに、中間層12の厚さは、良好な埋め込み性を発揮し易いという観点から、粘着剤層13の厚さよりも厚いことが好ましい。
【0077】
(4)剥離シート
本実施形態に係るワーク加工用シート1では、粘着剤層13における中間層12とは反対側の面(以下、「粘着面」という場合がある。)をワークに貼付するまでの間、当該面を保護する目的で、当該面に剥離シートが積層されていてもよい。剥離シートの構成は任意であり、プラスチックフィルムを剥離剤等により剥離処理したものが例示される。プラスチックフィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、およびポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルムが挙げられる。剥離剤としては、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系等を用いることができ、これらの中で、安価で安定した性能が得られるシリコーン系が好ましい。剥離シートの厚さについては特に制限はないが、通常20μm以上、250μm以下である。
【0078】
2.ワーク加工用シートの物性
本実施形態に係るワーク加工用シート1では、JIS L1086:2007に準拠したカンチレバー法により測定されるワーク加工用シート1の剛軟度が、70mm以下である。剛軟度が70mm以下であることにより、本実施形態に係るワーク加工用シート1では、使用時におけるシワの発生を良好に抑制することができる。一般的に、ワーク加工用シートは、貼付する対象(例えば、ウエハおよびリングフレーム)の形状に合わせてカットされた後、当該貼付対象に貼付される。このようにカットされたワーク加工用シートは、貼付の際にシワが生じ易い。特に、貼付対象に貼り始めた付近の位置よりも、貼り終わり付近の位置においてシワが生じ易い。しかしながら、本実施形態に係るワーク加工用シート1によれば、当該シワについても良好に抑制することができる。このような観点から、上述した剛軟度は、50mm以下であることが好ましく、特に40mm以下であることが好ましい。
【0079】
また、本実施形態に係るワーク加工用シート1では、上述した剛軟度が、10mm以上であることが好ましい。上述した剛軟度が10mm以上であることにより、貼付対象に貼付した状態のワーク加工用シート1において、張力の影響による変形が生じ難くなり、その結果、凹凸構造に対してより良好な埋め込み性を達成し易いものとなる。また、上述した剛軟度が10mm以上であることにより、ワーク加工用シート1の取り扱い性もより良好なものとなる。なお、上述した剛軟度の測定方法の詳細は、後述する試験例に記載の通りである。
【0080】
3.ワーク加工用シートの製造方法
本実施形態に係るワーク加工用シート1の製造方法は特に限定されない。好ましい製造方法としては、基材11と中間層12との積層体、および粘着剤層13と剥離シートとの積層体を準備した後、中間層12と粘着剤層13とが接触するようにこれらの積層体を貼り合わせる方法が挙げられる。
【0081】
上述した2種の積層体の形成は、公知の方法により行うことができる。例えば、中間層12を形成するための粘着性組成物、および所望によりさらに溶媒または分散媒を含有する塗布液を調製し、当該塗布液を基材11の片面上に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥させることにより中間層12を形成することができる。これにより、基材11と中間層12との積層体を得ることができる。また、粘着剤層13を形成するための粘着性組成物、および所望によりさらに溶媒または分散媒を含有する塗布液を調製し、当該塗布液を剥離シートの剥離面上に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥させることにより粘着剤層13を形成することができる。これにより、粘着剤層13と剥離シートとの積層体を得ることができる。
【0082】
上述したような、塗布液の塗布は公知の方法により行うことができ、例えば、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等により行うことができる。なお、塗布液は、塗布を行うことが可能であればその性状は特に限定されず、中間層11または粘着剤層13を形成するための成分を溶質として含有する場合もあれば、分散質として含有する場合もある。また、剥離シートは工程材料として剥離してもよいし、ワークに貼付するまでの間、粘着剤層13を保護していてもよい。
【0083】
粘着剤層13を形成するための粘着性組成物が架橋剤(E)を含有する場合には、上記の乾燥の条件(温度、時間など)を変えることにより、または加熱処理を別途設けることにより、塗膜内の活性エネルギー線硬化性重合体(A)と架橋剤(E)との架橋反応を進行させ、粘着剤層13内に所望の存在密度で架橋構造を形成することが好ましい。中間層12を形成するための粘着性組成物が架橋剤(E)を含有する場合も、同様にして、塗膜内のアクリル系共重合体(a1)と架橋剤(E)との架橋反応を進行させることが好ましい。さらに、上述した架橋反応を十分に進行させるために、上述した2種の積層体を貼り合わせた後、例えば23℃、相対湿度50%の環境に数日間静置するといった養生を行ってもよい。
【0084】
4.ワーク加工用シートの使用方法
本実施形態に係るワーク加工用シート1は、凹凸構造を表面に備えたワークの加工のために使用することができる。すなわち、本実施形態に係るワーク加工用シート1の粘着面を上記ワークにおける凹凸構造が存在する面に貼付した後、ワーク加工用シート1上にて上記ワークの加工を行うことができる。当該加工に応じて、本実施形態に係るワーク加工用シート1は、バックグラインドシート、ダイシングシート、エキスパンドシート、ピックアップシート等として使用することができる。
【0085】
ここで、本実施形態に係るワーク加工用シート1によれば、前述した通り、その粘着面をワークに貼付する際におけるワーク加工用シート1のシワの発生を良好に抑制することができる。そのため、本実施形態に係るワーク加工用シート1によれば、ダイシングやエキスパンドといった工程を良好に行うことが可能となる。
【0086】
また、本実施形態に係るワーク加工用シート1は、前述した通り、ワーク表面に存在する凹凸構造に対して優れた埋め込み性を発揮することができる。そのため、本実施形態に係るワーク加工用シート1によれば、凹凸構造を保護しながら、所望の加工を行うことができる。本実施形態に係るワーク加工用シート1を用いて加工されるワークの例としては、表面に凹凸構造を備える半導体ウエハ、半導体パッケージ等の半導体部材、ガラス板等のガラス部材が挙げられる。また、上記凹凸構造の例としては、バンプが挙げられ、特に凸状電極が挙げられる。本実施形態に係るワーク加工用シート1は、貫通電極を備えたTSVウエハの加工に使用することが特に好適である。
【0087】
ここで、表面にバンプを有するワークにおけるバンプの形状や位置については、特に限定はないものの、当該バンプの高さは、50μm以上であってもよく、特に50μm超であってもよく、さらには70μm以上であってもよい。本実施形態に係るワーク加工用シート1によれば、このような比較的高さいの高いバンプに対しても、良好な埋め込み性を発揮することができる。
【0088】
本実施形態に係るワーク加工用シート1上にてワークの加工が完了し、加工後のワークをワーク加工用シート1から分離する場合には、当該分離の前にワーク加工用シート1における粘着剤層13に対して活性エネルギー線を照射することが好ましい。これにより、粘着剤層13が硬化して、加工後のワークに対するワーク加工用シート1の粘着力が良好に低下し、加工後のワークの分離が容易となる。
【0089】
上述した活性エネルギー線としては、例えば、電磁波または荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するものを使用でき、具体的には、紫外線や電子線などを使用することができる。特に、取扱いが容易な紫外線が好ましい。紫外線の照射は、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、LED等によって行うことができ、紫外線の照射量は、照度が50mW/cm2以上、1000mW/cm2以下であることが好ましい。また、光量は、50mJ/cm2以上であることが好ましく、特に80mJ/cm2以上であることが好ましく、さらには200mJ/cm2以上であることが好ましい。また、光量は、10000mJ/cm2以下であることが好ましく、特に5000mJ/cm2以下であることが好ましく、さらには2000mJ/cm2以下であることが好ましい。一方、電子線の照射は、電子線加速器等によって行うことができ、電子線の照射量は、10krad以上、1000krad以下が好ましい。
【0090】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0091】
例えば、基材11における中間層12とは反対側の面や、基材11と中間層12との間には、他の層が介在していてもよい。
【実施例】
【0092】
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
【0093】
〔実施例1〕
(1)基材の作製
低密度ポリエチレンを、小型Tダイ押出機(東洋精機製作所社製,製品名「ラボプラストミル」)によって押出成形し、厚さ70μmの基材を得た。この基材単独の剛軟度を、後述する試験例2と同様の方法にて測定したところ、19mmであった。
【0094】
(2)中間層用粘着性組成物の調製
アクリル酸n-ブチル70質量部と、アクリル酸メチル20質量部と、アクリル酸2-ヒドロキシエチル10質量部とを、溶液重合法により重合させて、(メタ)アクリル酸エステル重合体を得た。このアクリル系重合体の重量平均分子量(Mw)を後述する方法により測定したところ、65万であった。
【0095】
上記で得られたアクリル系重合体100質量部と、架橋剤としてのトリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート(東ソー社製,製品名「コロネートL」)0.13質量部とを溶媒中で混合し、中間層用粘着性組成物の塗布液を得た。
【0096】
(3)粘着剤層用粘着性組成物の調製
アクリル酸n-ブチル83質量部と、アクリル酸メチル10質量部と、アクリル酸2-ヒドロキシエチル7質量部とを、溶液重合法により重合させて、(メタ)アクリル酸エステル重合体を得た。この(メタ)アクリル酸エステル重合体と、当該アクリル系共重合体のアクリル酸2-ヒドロキシエチルのモル数に対して80モル%のメタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)とを反応させて、側鎖に活性エネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体を得た。このアクリル系重合体の重量平均分子量(Mw)を後述する方法により測定したところ、65万であった。
【0097】
上記で得られた、側鎖に活性エネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体100質量部と、光重合開始剤としての2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン(BASF社製,製品名「オムニラッド127」)3質量部と、架橋剤としてのトリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート(東ソー社製,製品名「コロネートL」)0.43質量部とを溶媒中で混合し、粘着剤層用粘着性組成物の塗布液を得た。
【0098】
(4)中間層の形成
上記工程(1)にて作製した基材の片面に対して、上記工程(2)にて調製した中間層用粘着性組成物の塗布液を塗布し、加熱により乾燥させることで、基材上に厚さ150μmの中間層を形成した。これにより、基材と中間層とが積層されてなる第1の積層体を得た。
【0099】
(5)粘着剤層の形成
厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にシリコーン系の剥離剤層が形成されてなる剥離シート(リンテック社製,製品名「SP-PET381031」)の剥離面に対して、上記工程(3)にて調製した粘着剤層用粘着性組成物の塗布液を塗布し、加熱により乾燥させることで、剥離シート上に、厚さ20μmの粘着剤層を形成した。これにより、粘着剤層と剥離シートとが積層されてなる第2の積層体を得た。
【0100】
(6)ワーク加工用シートの作製
上記工程(4)で得られた第1の積層体における中間層側の面と、上記工程(5)で得られた第2の積層体における粘着剤層側の面とを貼り合わせることで、ワーク加工用シートを得た。
【0101】
ここで、前述した重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定(GPC測定)した標準ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
<測定条件>
・測定装置:東ソー社製,HLC-8320
・GPCカラム(以下の順に通過):東ソー社製
TSK gel superH-H
TSK gel superHM-H
TSK gel superH2000
・測定溶媒:テトラヒドロフラン
・測定温度:40℃
【0102】
〔実施例2~6,比較例1~3〕
基材の種類および厚さ、ならびに中間層の厚さを表1に記載の通り変更した以外は、実施例1と同様にしてワーク加工用シートを製造した。
【0103】
〔試験例1〕(貯蔵弾性率の測定)
実施例および比較例において調製した中間層用粘着性組成物を、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート製基材フィルムの片面にシリコーン系の剥離剤層が形成されてなる剥離シート(リンテック社製:SP-PET381031)の剥離面に塗布し、加熱により乾燥させることで、剥離シート上に、厚さ40μmの中間層を形成した。このようにして得られる中間層と剥離シートとの積層体を複数用意した。
【0104】
上述した積層体を用いて中間層を厚さ800μmとなるまで貼り合せ、得られた中間層の積層体を直径10mmの円形に打ち抜いて、中間層の粘弾性を測定するための試料を得た。そして、粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント社製,製品名「ARES」)により、上記の試料に周波数1Hzのひずみを与え、-50~150℃の貯蔵弾性率を測定し、25℃における貯蔵弾性率の値(kPa)を得た。結果を、中間層の貯蔵弾性率として表1に示す。
【0105】
また、上述した中間層用粘着性組成物を、実施例および比較例において調製した粘着剤層用粘着性組成物に代えた以外は上記と同様にして、粘着剤層における25℃の貯蔵弾性率(kPa)を測定した。結果を、粘着剤層の貯蔵弾性率として表1に示す。
【0106】
〔試験例2〕(剛軟度の測定)
実施例および比較例で製造したワーク加工用シートについて、JIS L1086:2007に準拠したカンチレバー法により、剛軟度を測定した。具体的には、実施例および比較例で製造したワーク加工用シートを2cm×15cmのサイズに裁断した後、剥離シートを剥離して除去することで、測定用サンプルを得た。当該測定用サンプルにおける粘着剤層側の面が上となるように、当該測定用サンプルを45°カンチレバー試験機のプラットホームに載置した。そして、測定用サンプルを一定速度で45°カンチレバー試験機の斜面方向にスライドさせた。測定用サンプルがたわみ、斜面に接したときのスライド量(mm)を記録した。この測定を、異なるサンプルを用いて5回行い、平均値を算出した。当該平均値を、剛軟度(mm)として表1に示す。
【0107】
〔試験例3〕(シワの評価)
実施例および比較例で製造したワーク加工用シートから剥離シートを剥離して露出した粘着剤層の露出面を、シリコンウエハおよびダイシング用リングフレームに貼付した。これらの操作は、ウエハマウンター(リンテック社製,製品名「RAD-2510F/12」)を用いて、貼付圧力:0.2MPa、貼付速度:20mm/s、貼付温度:40℃の条件で行った。
【0108】
貼付後、ワーク加工用シートにシワ(特に、貼付終わりの部分におけるシワ)が発生しているか否かを目視で確認した。そして、以下の基準に基づいて、シワの発生の有無について評価した。
○:シワが発生していなかった。
×:シワが発生していた。
【0109】
〔試験例4〕(埋め込み性の評価)
バンプ径:30μm、バンプピッチ:100μm、バンプ高さ:20μmのバンプを表面に有するバンプウエハ1、およびバンプ径:100μm、バンプピッチ:200μm、バンプ高さ:80μmのバンプを表面に有するバンプウエハ2を用意した。
【0110】
実施例および比較例で製造したワーク加工用シートから剥離シートを剥離して露出した粘着剤層の露出面を、上述したバンプウエハ1およびバンプウエハ2のそれぞれにおけるバンプが存在する面に貼付した。このときの貼付は、ウエハ保護用粘着シート貼付装置(リンテック社製、製品名「RAD-3510F/12」)を用いて、貼付温度:40℃、貼付速度:5mm/sの条件にて行った。
【0111】
そして、粘着シート貼付後のバンプウエハのバンプ周囲の気泡を光学顕微鏡にて観察し、以下の基準に基づき、バンプウエハ1およびバンプウエハ2のそれぞれについて、バンプの埋め込み性を評価した。結果を表1に示す。
〇:隣接する気泡と接触している気泡がほぼ確認されなかった(気泡同士が独立して存在)。
△:隣接する一部の気泡と接触する気泡が確認されたものの、隣接する全ての気泡と接触する気泡はほぼ確認されなかった(気泡が部分的に接触)。
×:ほぼすべての気泡が、隣接する全ての気泡と接触していた(気泡同士が接触)。
【0112】
なお、表1に記載の略号等の詳細は以下の通りである。
〔基材〕
LDPE:低密度ポリエチレンを押出成形してなる基材
PET:ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製,製品名「コスモシャイン A4100」)
EMAA:エチレン・メタクリル酸共重合体(三井・デュポンポリケミカル社製,製品名「ニュクレル N0903HC」)を押出成形してなるフィルムに、電子線照射(照射量:110kGy,照射回数:1回,照射面:中間層と接する面)を行って得た基材
【0113】
【0114】
表1から明らかなように、実施例に係るワーク加工用シートは、バンプに対して優れた埋め込み性を有するとともに、貼付時のシワの発生を良好に抑制することができた。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明に係るワーク加工用シートは、凹凸構造を表面に備えたワークのためのダイシングシート等として好適に用いられる。
【符号の説明】
【0116】
1…ワーク加工用シート
11…基材
12…中間層
13…粘着剤層