(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】衣料品を含浸させるための方法および衣料品を含浸させるための装置
(51)【国際特許分類】
D06B 1/02 20060101AFI20241205BHJP
D06M 15/277 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
D06B1/02
D06M15/277
(21)【出願番号】P 2021524235
(86)(22)【出願日】2019-11-06
(86)【国際出願番号】 DK2019050338
(87)【国際公開番号】W WO2020094200
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-11-02
(32)【優先日】2018-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】515244405
【氏名又は名称】インボックス ショーケア アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】レニ マーガ
【審査官】長谷川 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-080331(JP,A)
【文献】特開2012-214759(JP,A)
【文献】特開2013-043167(JP,A)
【文献】米国特許第08006336(US,B1)
【文献】特表2005-518891(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06B1/00-23/30
D06C3/00-29/00
D06G1/00-5/00
D06H1/00-7/24
D06J1/00-1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣料品(2)または他の生地に含浸させる方法であって、
前記方法は、
衣料品(2)または他の生地を内側支持体(1)上に吊るすステップと、
前記内側支持体(1)及び前記衣料品(2)又は他の生地から離間された外側表面(3)を提供するステップと、
複数のノズル(4)を提供するステップであって、前記ノズル(4)は前記内側支持体(1)及び前記外側表面(3)によって形成された空間内に含浸剤(5)のミストを生成し、前記ミストは前記空間内で循環される、ステップと、
所定時間後に前記空間から前記ミストを排出するステップと、
任意選択で、前記ミストを排出するのと同時に、または前記ミストが排出された直後に、乾燥サイクルを作動させるステップと、
を含む方法において、
前記衣料品(2)が前記内側支持体(1)と前記外側表面(3)との間に配置されるように、前記内側支持体(1)と前記外側表面(3)とが導電性を有し、
前記内側支持体(1)と前記衣料品(2)または他の生地を横切る前記外側表面(3)との間に静電場を提供するステップと、
前記衣料品(2)または他の生地の外側に対して外側の前記静電場内に前記含浸剤(5)を提供するステップと、
前記含浸剤(5)は、帯電しているかまたは極性の粒子を有し、前記衣料品(2)または他の生地の外側に向かって噴霧され、
前記含浸剤(5)は、前記内側支持体(1)と前記衣料品(2)または他の生地を横切る前記外側表面(3)との間の前記静電場によって影響され、前記含浸剤(5)は前記内側支持体(1)に向かって移動し、それによって処理される前記衣料品(2)または他の生地に適用され、
含浸されるコート、ジャケットもしくはシャツおよび/または一対のズボンが、全身マネキンである前記内側支持体(1)によって支持されるか、または含浸されるコート、ジャケットもしくはシャツがマネキン胴体である前記内側支持体(1)によって支持されるか、または含浸される一対のズボンがマネキン脚である前記内側支持体(1)によって支持される、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
含浸剤(5)のミストを生成するステップに先立ち、前記内側支持体(1)上に配置された前記衣料品(2)または他の生地に向けて洗浄剤を噴射するように配置されたノズル(4’)のさらなるセットが作動され、前記洗浄剤は非イオン性および/または両性界面活性剤、グリセリン、乳酸アミン塩および水を含み、前記洗浄剤を前記衣料品(2)または生地材料に適用した後、所定の時間後に、前記洗浄剤は、前記衣料品(2)または生地材料に向けて圧縮空気を噴射することによって前記衣料品(2)または生地材料から除去され、汚染された残留物を第2のフィルタユニット(8)で収集する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
マネキンが膨張可能であり、該マネキンが、コート、ジャケット、シャツまたはズボンを支持する前に膨張される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記含浸剤(5)が、以下の化合物を含む液体、
すなわち、
a.2~20重量%の、2%active-C6を有する水溶液C6-フルオロカーボンカチオン極性分散バインダーと、
b.1~15重量%エタノールまたは他の揮発性有機溶媒と、
c.任意に缶保存剤と、
d.残りの100%までの脱イオン水と、
を含む液
体である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
衣料品(2)又は他の生地を含浸するための装置であって、
該装置は、
閉鎖可能な筐体及び前記衣料品(2)を吊るすための内側支持体(1)と、
前記内側支持体(1)から離間しているが、前記内側支持体(1)に面する外側表面(3)と、
前記内側支持体(1)と前記外側表面(3)との間の空間にミストを生成するために分配された複数のノズル(4)と、
余分な含浸剤のミストを排出するための排出システム(10)であって、任意選択でフィルタユニット(7)を含み、該フィルタユニット(7)は、臭気、揮発性溶剤、結合剤残留物、粉塵のうちの1つまたは複数を少なくとも除去または中和する、排出システム(10)と、
ユーザインターフェース上でユーザによって選択可能な、予めプログラムされた治療レジームと、選択されたレジームを実行するために装置の特徴を制御するための手段と、を含む制御ユニットと、
を備え、
前記内側支持体(1)は導電性表面を有し、前記装置は、前記内側支持体(1)によって支持される場合、前記衣料品(2)から離間し、前記衣料品(2)を実質的に覆う導電性の外側表面(3)を有し、
前記内側支持体(1)の導電性表面は、前記衣料品(2)が前記内側支持体(1)によって支持される場合、前記衣料品(2)の内側に面するように意図され、
導電性を有する前記外側表面(3)は、前記衣料品(2)が前記内側支持体(1)から又は前記内側支持体(1)に吊るされる場合、前記衣料品(2)の外側に面するように意図され、
前記装置は、前記内側支持体(1)の導電性表面と導電性を有する前記外側表面(3)との間に含浸剤(5)を提供する手段を含み、
前記装置は、前記内側支持体(1)の導電性表面と導電性を有する前記外側表面(3)との間に静電場を印加する手段を含み、
前記含浸剤(5)は極性であり、前記静電場が印加される場合、極性含浸剤は導電性を有する前記外側表面(3)から離れて前記内側支持体(1)の導電性表面に向かって方向付けられ、前記衣料品(2)または生地によって適用され、および/または吸収され、
含浸される前記衣料品(2)または生地はマネキンである前記内側支持体(1)によって支持される、装置。
【請求項6】
前記内側支持体(1)上に配置された前記衣料品(2)または生地に向けて洗浄剤を送出するためのノズル(4’)のさらなるセットが提供され、
前記洗浄剤は非イオン性および/または両性界面活性剤、グリセリン、乳酸アミン塩および水を含み、
前記衣料品(2)または生地に前記洗浄剤を適用した後の所定の時間の後に、前記衣料品(2)または生地に向けて圧縮空気を送出するために前記洗浄剤を送出するために使用されるノズルのさらなるセットまたは前記ノズル(4’)が使用され、
汚染された残留物を収集するための第2のフィルタユニット(8)が提供される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記装置の前記内側支持体(1)は、非膨張折り畳み状態と膨張拡張状態との間で膨張可能である、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記導電性表面は、前記内側支持体(1)が作製される材料と一体の導電性材料のプレート、コーパス、またはメッシュであるか、または前記導電性表面が前記内側支持体(1)が作製される材料とは別個の、非導電性の内側支持体(1)の表面に適用される箔またはメッシュである、請求項5又は7に記載の装置。
【請求項9】
導電性を有する前記外側表面は箔またはメッシュであり、前記箔またはメッシュは、前記内側支持体(1)の形状に一致する拡張状態の形状を有し、前記拡張状態のサイズを有する前記箔またはメッシュは前記内側支持体(1)の一部の外側サイズよりも大きく、導電性を有する前記外側表面は、前記衣料品(2)または生地を覆うこと、および、衣料品または他の生地の含浸中に、前記衣料品を支持する前記内側支持体(1)を覆うことを目的とする、請求項5~8の何れか一項に記載の装置。
【請求項10】
導電性を有する前記外側表面(3)は、前記内側支持体(1)を取り囲み、前記衣料品(2)または生地の含浸中に前記内側支持体(1)によって支持された前記衣料品(2)を取り囲む、箱または筐体の少なくとも1つの内面であり、前記箱または筐体は、少なくとも衣料品(2)または生地を前記箱または筐体に挿入することを可能にする開口を有し、可能であれば、衣料品(2)または生地および内側支持体(1)を前記箱または筐体に挿入することを可能にする開口を有する、請求項5~9の何れか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記含浸剤(5)は1つ以上の変位可能なスプレーブーム(9)上に配置された複数のノズル(4)によって噴射され、前記1つ以上の変位可能なスプレーブーム(9)は前記閉鎖可能な筐体の少なくとも1つの表面に沿って設けられ、前記1つ以上の変位可能なスプレーブーム(9)は、前記衣料品(2)または生地が前記衣料品(2)または生地の含浸中に前記内側支持体(1)によって支持されるとき、前記衣料品(2)または生地の近傍において、前記1つ以上の変位可能なスプレーブーム(9)の移動中に、前記内側支持体(1)と前記外側表面(3)との間の空間に含浸剤(5)のミストをスプレーする、請求項5の装置。
【請求項12】
前記含浸剤(5)は以下の化合物、すなわち、
a.2~20重量%の、2%active-C6を有する水溶液C6-フルオロカーボンカチオン極性分散バインダーと、
b.1~15重量%エタノールまたは他の揮発性有機溶媒と、
c.必要に応じて、缶保存剤と、
d.残りの100%までの脱イオン水と、
を含む液体である、請求項5~11の何れか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣料品または他の織物生地を含浸させることに関する。
【背景技術】
【0002】
衣料品を多かれ少なかれ防水するためには、衣料品を含浸させることが必要とされる。時にはコートのような屋外使用のための衣料品は防水ではなく、衣料品の利用者は衣料品を少なくとも少しだけ防水にしたい場合がある。他の場合には、屋外で使用する衣料品は、衣料品の織物にワックスなどの防水剤が含浸されているため、新しい場合には防水性がある。しかしながら、衣料品の使用中、特に雨天において、防水剤は衣料品の不織布から徐々に洗い流され、衣料品はますます防水性がなくなる。また、一般的な摩耗及び擦切れの間、衣料品等を洗浄するときの機械的作用は、耐候性及び/又は防水性を減少させる。新しい防水剤は、ブラシ、スポンジによって、または防水剤を衣料品の織物上に噴霧することによって適用される必要がある。新しい防水剤を適用することは、しばしば煩わしい作業であり、衣料品の全ての部分が防水剤で適用されるわけではない危険性があり、または適用される防水剤の量が防水剤を適用する利用者による技術および努力に応じて、およびブラシ、スポンジまたは噴霧によって適用しなければならない場合に衣料品の異なる部分へのアクセスの容易さに応じて、衣料品の異なる部分で変化する危険性がある。噴霧時には、噴霧缶に使用されるしばしば有毒なエアロゾルに含浸剤を適用する人をさらさないための良好な換気の保証、および周囲の環境影響など、多くのセキュリティ問題が生じる。さらに、この防水剤の適用の変化は、変色および遮光を引き起こし得る。
【0003】
本開示の文脈内で、衣料品は、本発明で、および本発明によって処理されるのに適した品目の一例として使用される。当業者は、本発明の利点を実現した後、装置および方法が同様に、どの品目を処理するのに適しているかを認識するのであろう。このような他の品目は、テント、防水シート、車または船舶用フード、または撥水剤または他の含浸剤で含浸されることが有益な他の装置であってもよい。このような他の品目は、「他の織物生地」と呼ぶ。
【0004】
衣料品に含浸させる目的は、湿気を避け、衣料品の表面を変色させ、それによって衣料品の外観を変えることであってもよい。
【0005】
典型的には、含浸プロセスがエアロゾル缶に含まれる含浸剤によって実施され、エアロゾル缶を活性化することによって、含浸剤のミストが缶のノズルを通して生成され、ミストを衣料品に向けることによって、含浸剤の層が衣料品の表面に適用される。
【0006】
このプロセスは典型的には屋外で行われ、含浸剤ならびに含浸剤を推進するために使用されるエアロゾルは悪臭を有し、周囲に汚れを残し、吸入された場合、健康に潜在的に有害である。典型的には、含浸剤はまた、屋内および屋外の両方で全く望ましくない環境的に危険な溶媒を含有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、含浸剤を衣料品または他の織物生地に容易かつ環境的により良好に適用すること、および衣料品または他の織物生地上またはその中に含浸の均一な分布を確実にすることである。
【0008】
少なくともこの説明の範囲内で、含浸は、含浸されるべき対象物上の表面に薬剤が適用され、付着/吸収されるプロセスとして理解されるべきである。典型的には対象物が衣料品、または例えば(生地)カバー、防水シートなどのような他の生地である。
【0009】
適用される薬剤は、耐候性薬剤、防水剤、蚊または他の防虫用の薬剤であってもよい。本発明の性質のために、薬剤の組成は、本発明の特徴を利用するそれらの能力によって決定される。場合によっては、含浸剤が本発明で使用するのに適しているように、含浸剤を改変または巧みに設計することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、衣料品または他の織物生地を含浸させる方法によって得られ、この方法は、
衣料品または他の織物生地を内側支持体上に吊るすステップと、
前記内側支持体及び前記衣料品又は備品から離れた外側表面を提供するステップと、
複数のノズルを提供するステップであって、前記ノズルは内側支持体と外側表面とによって形成された空間内に含浸剤のミストを生成し、前記ミストは前記空間内で循環する、ステップと、
所定時間後に空間からミストを排出するステップと、
任意選択で、ミストを排出するのと同時に、またはミストが排出された直後に、乾燥サイクルを作動させるステップ、とを含む。
【0011】
このようにして、環境的に安全で、かつ、扱いやすい含浸プロセスが作り出される。さらに、内側支持体は含浸されるべき品目を支持し、品目がしわにならず、折り畳まれず、または含浸することが望ましい表面に接近できるように、これらを確実にすることに加えて、含浸剤が衣料品の内側に接着されることを妨ぐ。これは2つの利点を有し、第1に、使用される含浸剤の量を少なくでき、第2に、含浸プロセスは表面を横切って実質的に均等に分配された含浸剤の層を提供するが、過剰の薬剤は集まるかもしれない。これは、利用者の他の衣料品に溢れ出し/マーキングを生じさせる可能性がある。
【0012】
本発明のさらなる有利な実施形態では内側支持体および外側表面が導電性であり、衣料品は内側支持体と外側表面との間に配置され、前記内側支持体と前記衣料品または他の織物生地を横切る前記外側表面との間に静電場を提供し、衣料品または他の織物生地の外側に対して外側における静電場内に含浸剤を提供し、含浸剤は帯電され、衣料品または他の織物生地の外側に向かって噴霧され、含浸剤は衣料品または他の織物生地の外側に、および/または衣料品または他の織物生地の中に適用される。
【0013】
静電場の使用によって衣料品または他の織物生地を含侵することは、衣料品または他の織物生地を含浸させることをより容易にし、含浸剤をより均一に分散させる。使用される含浸剤の量は、含浸剤が衣料品または他の織物生地に均一に分配される場合に最適化される。また、衣料品または他の織物生地の全ての部分は含浸され、衣料品または他の織物生地の全ての部分は同量の含浸剤で含浸される。
【0014】
これは、含浸剤が衣料品表面を覆うにつれて電場が変化し、含浸スプレー(ミスト)を構成する帯電した含浸粒子が含浸剤によってまだ覆われていない領域に対応して、電場がより高いひきつけ力を有する領域に引き付けられるという事実による。
【0015】
これに関連して、「織物に適用される」および「織物の中に適用される」という用語は、少なくとも同様の含浸剤を適用する従来技術の方法に比較して、長時間の効果が得られ、特定の薬剤の完全な適用が達成されるような様式で、含浸剤が織物に適用され、接着され、吸収され、または他の方法で統合されると理解されるべきである。
【0016】
本発明による方法の一態様では含浸されるコート、ジャケットまたはシャツおよび/または一対のズボンは支持構造によって支持され、または含浸されるコート、ジャケットまたはシャツはマネキン胴によって支持され、または含浸される一対のズボンはマネキン脚によって支持される。
【0017】
含浸剤のミストを生成する方法のさらなる実施形態において、内側支持体上に配置された衣料品または他の織物材料に向けて洗浄剤を出すように配置されたさらなるノズルセットが作動化され、洗浄剤は非イオン性および/または両性界面活性剤、グリセリン、乳酸アミン塩および水を含み、洗浄剤を衣料品または他の織物材料に適用した後、所定の時間後に、洗浄剤は好ましくは衣料品または他の織物材料に向けて圧縮空気を噴射することによって、衣料品または他の織物材料から除去され、汚染されたものを収集する、第2のフィルタユニット内に残る。
【0018】
洗浄剤の適用およびその後の除去は衣料品の表面を脂肪および/または油を含まないままにし、その結果、表面は含浸剤を受容し、衣料品の材料に結合するためにより良好に調製される。洗浄剤は、衣料品/内側支持体に向かって圧縮空気を噴射することによって除去される。ノズルのさらなる設定によって促進される圧縮空気の噴射の後、残留物、すなわち衣料品から除去された汚染物質の含有量を有する洗浄剤は、第2のフィルタユニットに収集される。典型的には、このフィルタユニットには取り外し可能で洗浄可能なフィルタが設けられている。
【0019】
支持構造体は典型的には身体マネキンまたはマネキンの適切な部分(例えば、ズボン/パンツが含浸される場合の下部、シャツ、ジャケットなどのための上部胴体部)であってもよい。
【0020】
本発明による方法の可能な態様において、マネキンまたはマネキンの部分は膨張可能であり、マネキンはコート、ジャケット、シャツまたはズボンを支持する前に膨張される。
【0021】
環境に優しい含浸剤を提供するために、本発明は、以下の化合物を含有する液体である含浸剤を使用する方法を提案する。
a.2~20重量%、より好ましくは4~12重量%、最も好ましくは7~8重量%の、2%active-C6を有する水溶液C6-フルオロカーボンカチオン極性分散バインダーと、
b.1~15重量%エタノールまたは他の揮発性有機溶媒と、
c.任意に缶保存剤と、
d.残りは100%までの脱イオン水と、である。
【0022】
本発明の目的は、衣料品、例えば、コート、ジャケット、シャツ又は一対のズボンを含浸させるための装置によっても達成され、前記装置は、
閉鎖可能な筐体内に衣料品を支持するための内側支持体と、
内側の支持体から離間しているが対向している外側表面と、
内側支持体と外側表面との間の空間にミストを生成するために分配された複数のノズルと、
過剰の含浸剤のミストを排出するための排出システムであって、前記排出システムは任意選択でフィルタユニットを含み、前記フィルタは、臭気、揮発性溶媒、任意の結合剤残渣または粉塵のうちの1つまたは複数を少なくとも除去または中和する、排出システムと、
ユーザインターフェース上でユーザによって選択可能な予めプログラムされた治療レジームと、選択されたレジームを実行するために装置の特徴を制御するための手段とを有する制御ユニットと、を備える。
【0023】
このような装置は、上述の方法を実行するのに適している。さらに、特にフィルタユニットが設けられている実施形態では、この装置が例えば、換気、潜在的に有毒な液体または気体の取扱いなどに関する特別な措置なしに、店舗または家庭環境で使用することができる。装置は完全に自己独立性がある(電力のみを必要とする)。
【0024】
さらなる好都合な実施形態では内側支持体が導電性表面を有し、前記装置は内側支持体から間隔を置いて配置され、内側支持体によって支持される場合に衣料品を実質的に覆う導電性外側表面を有し、
内側支持体の導電性表面は、衣料品が内側支持体によって支持される場合に衣料品の内側に面するように意図され、
導電性外側表面は、衣料品が内側支持体によって支持される場合に衣料品の外側に面するように意図され、
前記装置は、内側支持体の導電性表面と導電性外側表面との間に静電場を印加するための手段を含み、
前記装置は、内側支持体の導電性表面と導電性外側表面との間に含浸剤を提供するための手段を含み、
含浸剤は、静電場が印加される場合に、極性であり、極性含浸剤は導電性外側表面から離れて、内側支持体の導電性表面に向かって方向付けられ、衣料品または他の織物布地に対して適用され、および/またはそれよって吸収される。
【0025】
極性含浸液体/ミストと組み合わされた電場は、含浸粒子を内側支持体に引きつける。この内側支持体は、含浸されるべき衣料品によって覆われるので、粒子が衣料品と接触することが保証される。さらに、衣料品の表面がますます含浸剤で覆われるにつれて、そのような領域では含浸された品目によって作り出される絶縁のために電場が減少するが、完全に含浸されていない品目の他の領域は依然として含浸粒子をき付ける。このようにして、より均一で完全な含浸が達成される。
【0026】
本発明による装置の一実施形態では、内側支持体が非膨張折り畳み状態と膨張拡張状態との間で膨張可能である。
【0027】
本発明の可能な実施形態では、導電性表面は内側支持体が作製される材料と一体の導電性材料のプレート(plate)またはコーパス(corpus)またはメッシュ(mesh)であり、または導電性表面は非導電性内側支持体の表面に適用される別個の箔またはメッシュである。
【0028】
本発明による装置の別の可能な実施形態では、導電性外側表面は箔またはメッシュであり、拡張状態の形状を有する箔またはメッシュは内側支持体の形状に一致し、拡張状態のサイズを有する箔またはメッシュは内側支持体の一部の外側サイズよりも大きく、導電性外側カバーは衣料品または他の織物生地を覆い、衣料品または他の織物生地の含浸中に、衣料品または他の織物生地を支持する内側支持体を覆うように意図される。
【0029】
本発明による装置のさらに別の実施形態では、導電性外側カバーが内側支持体を取り囲み、衣料品または他の織物生地の含浸中に内側支持体によって支持される衣料品または他の織物生地を取り囲む箱の少なくとも1つの内面である。
【0030】
含浸剤は、衣料品または他の織物生地が衣料品の含浸中に内側支持体によって支持される場合に、衣料品または他の織物生地の近傍に提供される複数の固定噴射ノズルによって提供されてもよく、複数の固定噴射ノズルは衣料品または他の織物生地の含浸中に、衣料品または他の織物生地の様々な部分に含浸剤をスプレーするために、衣料品または他の織物生地に対して配置される。
【0031】
代替的に又は追加的に、含浸剤は、1つ以上の変位可能なスプレーブーム上に配置された1つ以上のノズルによって提供されてもよく、1つ以上の変位可能なスプレーブームは箱の少なくとも1つの表面に沿って提供され、1つ以上の変位可能なスプレーブームは衣料品又は他の織物生地が衣料品又は他の織物生地の含浸中に内側支持体によって支持される場合に、衣料品又は他の織物生地の移動中に、含浸剤のミストを箱内にスプレーする。
【0032】
本発明による装置のさらなる実施形態では、内側支持体上に配置された衣料品または他の織物材料に向けて洗浄剤を送出するためのさらなるノズルセットが提供され、洗浄剤は非イオン性および/または両性界面活性剤、グリセリン、乳酸アミン塩および水を含み、衣料品または他の織物材料に洗浄剤を適用した後の所定の時間の後、衣料品または他の織物材料に向けて圧縮空気を送出するために、洗浄剤を送出するために使用されるさらなるノズルセットまたは同じノズルセットが使用され、汚染された残留物を収集するための第2のフィルタユニットが提供される。
【0033】
用語「含浸剤」は、撥水性、色、微妙さなどの特定の特性を得るために表面に適用することが望ましい任意の通常の液体または気体物質として理解されるべきである。例は、シリコンベースの撥水性含浸剤、脂肪/油性物質を含有する溶媒、または種々の着色剤であり得る。また、溶媒を含まない薬剤を使用してもよい。
【0034】
特に好ましい含浸剤は、以下の化合物を含有する液体である。
a.2~20重量%、より好ましくは4~12重量%、最も好ましくは7~8重量%の、2%active-C6を有する水溶液C6-フルオロカーボンカチオン極性分散バインダーと、
b.1~15重量%エタノールまたは他の揮発性有機溶媒と、
c.任意に缶保存剤と、
d.残りは100%までの脱イオン水である。
【0035】
用語「ミスト」は、ノズルから噴射される微小液滴の比較的密な集合として理解されるべきである。
【0036】
本発明は、内側支持体を覆うための導電性外側カバー、箱を示す図面を参照して以下に説明される。図示の実施形態では、内側支持体はマネキン胴体である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は、コート、ジャケット又はシャツのような衣料品を含浸させるための装置を示す図である。
【
図2】
図2は、胴体がシャツの形態の衣料品を備えている別の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図は、コート、ジャケット又はシャツのような衣料品を含浸させるための装置を示す。ズボン、手袋または靴のような他の衣料品片も、本発明による装置に含浸させることができる。テント、防水シート、車両または船舶用フード、または撥水剤または他の含浸剤で含浸されることから利益を得る他の装置などの衣料品ではない装置でさえ、本発明による装置によって含浸されてもよい。
【0039】
この装置は、衣料品または他の織物生地を支持するための内側支持体を有する。
【0040】
図示の実施形態では、装置はマネキン胴体1である内側支持体を備える。マネキン胴体1は木材または硬質ポリマーのような非導電性材料から作られてもよいが、表面に適用または埋め込まれた導電性材料を有してもよく、あるいはマネキン胴体が鋼のような導電性材料から作られてもよい。
【0041】
マネキン胴体1が電気的に非導電性の材料で作られている場合、マネキン胴体1の材料には、電気的に導電性の表面が設けられなければならない。導電性表面を備えたマネキン胴体1の代わりに、導電性材料で作られた、または少なくとも導電性材料を含む別個の箔またはメッシュを緩めに適用し、マネキン胴体1を覆ってもよい。
【0042】
マネキン胴体1は、好ましくは導電性の外側表面3、マネキン胴体1及びマネキン胴体1によって支持された衣料品2を、衣料品2の含浸中に覆うための箱内に配置される。導電性の外側表面3は、マネキンを囲む箱を構成する。箱の内側には、含浸剤を衣料品2に噴霧するための噴霧ノズル4が設けられている。図示の実施形態では噴射ノズル4が上述したように、外側表面3の内側壁に沿って固定され、それによって箱の内側表面は外側表面を構成する。
【0043】
代替的な実施形態によれば、外側表面は、マネキン胴体1を覆うための箔またはメッシュであってもよく、場合によっては箱の内側にあって、含浸剤を周囲から遠ざけておく。代替的な実施形態では外側表面はマネキン胴体1の形状と一致する形状を有するが、マネキン胴体1よりも大きなサイズを有し、その結果、外側表面はマネキン胴体1とマネキン胴体1によって支持されるジャケットのような衣料品2との両方を覆うことができる。
【0044】
外側表面の大きさは、マネキン胴体1と外側表面との間に隙間が設けられるようにする。ギャップの大きさは衣料品2を収容するのに十分な大きさでなければならないが、マネキン胴体1と外側表面との間の距離を減少させるように制限されることも好ましい。また、マネキン胴体1と外側表面との間の距離を減少させることにより、マネキン胴体1と外側表面との間に印加される必要な電圧を減少させる。
【0045】
外側表面3がマネキン胴体1と、ジャケットのような衣料品2とを覆うとき、静電場が、マネキン胴体1と外側表面との間に設けられることになる。
【0046】
従って、マネキン胴体1と外側表面との間の距離は静電場を提供するために必要な電力を減少させるために、静電場の大きさが大きすぎる必要がないように制限されることが好ましい。しかしながら、上述したように、マネキン胴体1と外側表面との間の距離は、新規な方法及び新規な装置による含浸のためにマネキン胴体1によって支持される種々の衣料品又は装置を収容するのに十分な大きさでなければならない。外側表面と衣料品との間の距離はまた、含浸剤のミストが広がり、衣料品上に実質的に連続した含浸剤のミストを提供することができるのに十分でなければならない。
【0047】
以下に示すような装置の実施形態を用いて、衣料品2に含浸剤を適用する方法について説明する。
【0048】
含浸されるべき衣料品2又は他の織物生地は、マネキン胴体1又は外側表面3を有する箱内の他の支持構造体によって支持される。例として、衣料品2は衣料品2の内側がマネキン胴体1に面し、衣料品2の外側が箱の内部で外側表面3に面した状態で、マネキン胴体1の外面上および外面によって支持される。
【0049】
箱は閉じられ、外側表面3とマネキン胴体1の外側表面との間に静電場が印加される。静電場が印加されると、含浸剤5は、箱の内側側壁に沿って延在する1つ以上の噴射ノズル4によって箱の内部にスプレーされる。
【0050】
箱内に含浸剤5を噴霧すると、箱を満たす含浸剤のミストが生成される。含浸剤5のミストは静電的に帯電され、箱の1つ以上の側壁とマネキン胴体1の外面との間の静電場のために、ミストは箱の1つ以上の側壁からマネキン胴体1の外面に向かって導かれる。
【0051】
衣料品2はマネキン胴体1によって支持され、従ってマネキン胴体1を覆うので、霧は衣料品2に適用される。含浸剤の粘度に応じて、含浸剤のミストの液滴の大きさに応じて、静電場の大きさに応じて、および織物の生地およびデニールに応じて、液滴は、衣料品2の表面にのみ適用されるか、または衣料品2の織物によって部分的にまたは完全に吸収されるかのいずれかである。
【0052】
一定時間経過後、含浸剤5の噴霧を停止し、静電場を遮断する。衣料品2は、必要に応じて最終的に含浸されてもよく、または衣料品2は織物がより良好に含浸剤5を吸収するためにさらなる処理、場合によっては加熱、または含浸剤5がより固くなり、場合によっては例えば衣料品からの水をはじく際により良好になるように冷却されてもよい。含浸剤はまた、後処理が硬化であってもよいタイプのものであってもよく、したがって、適切な硬化手段、例えば、UV光を箱内に提供してもよい。
【0053】
図2には、胴体1がシャツの形態の衣料品2を備えている別の実施形態が示されている。衣料品2はノズル4から放出される含浸剤のミスト5を受け入れるために衣料品の外面のみが利用可能であるように、内側支持体1を覆っている。更に、ノズル4’の幾つかは、ブーム9を動かすことによって、例えば、外側
表面3の外周に沿ってブームを循環させることができるようにブーム上に配置され、それによって、衣料品2を取り囲む含浸液のより広く広がったミストを得ることができる。
【0054】
さらに、
図2に示された装置は筐体の内側からミストおよび他の液体および気体の両方を排気することができるように、排出システム10を備える。この実施形態では、排出システム10が外部11への空気流を生成することができ、空気流(またはガス流量)が例えば、あらゆる臭気を中和する活性炭フィルタである第1のフィルタ7を通過し、第2に、沈殿によって、フィルタユニットおよび排出システム10を通るガス流量からあらゆる揮発性溶媒を沈殿させることができるさらなるガスフィルタである第2のフィルタ8を通過するベンチレータ6を備える。
なお、本発明の態様(構成)として以下に示すものがある。
[態様1]
衣料品または他の織物生地を処理する方法であって、
前記方法は、
衣料品または他の織物生地を内側支持体上に吊るすステップと、
前記内側支持体及び前記衣料品又は他の織物生地から離間された外側表面を提供するステップと、
複数のノズルを提供するステップであって、前記ノズルは前記内側支持体及び前記外側表面によって形成された空間内に含浸剤のミストを生成することができ、前記ミストは前記空間内で循環される、ステップと、
所定時間後に前記空間からミストを排出するステップと、
任意選択で、ミストを排出するのと同時に、またはミストが排出された直後に、乾燥サイクルを作動させるステップと、
を含む方法。
[態様2]
前記衣料品が前記内側支持体と前記外側表面との間に配置されるように、前記内側支持体と前記外側表面とが導電性を有し、
前記内側支持体と前記衣料品または他の織物生地を横切る前記外側表面との間に静電場を提供するステップと、
前記衣料品または他の織物生地の外側に対して外側の静電場内に含浸剤を提供するステップと、
前記含浸剤は帯電しているかまたは極性の粒子を有し、前記衣料品または他の織物生地の外側に向かって噴霧され、
前記含浸剤は、前記内側支持体と前記衣料品または他の織物生地を横切る前記外側表面との間の静電場によって影響され、前記含浸剤は前記内側支持体に向かって移動し、それによって処理される前記衣料品または他の織物生地に適用される、
態様1による方法。
[態様3]
含浸されるコート、ジャケットもしくはシャツおよび/または一対のズボンが、全身マネキンである前記内側支持体によって支持されるか、または含浸されるコート、ジャケットもしくはシャツがマネキン胴体である前記内側支持体によって支持されるか、または含浸される一対のズボンがマネキン脚である前記内側支持体によって支持される、
態様1に記載の方法。
[態様4]
前記含浸剤のミストを生成するステップに先立ち、前記内側支持体上に配置された前記衣料品または他の織物材料に向けて洗浄剤を噴射するように配置されたノズルのさらなるセットが作動され、洗浄剤は非イオン性および/または両性界面活性剤、グリセリン、乳酸アミン塩および水を含み、前記洗浄剤を衣料品または他の織状材料に適用した後、所定の時間後に、前記洗浄剤は、好ましくは前記衣料品または他の織物材料に向けて圧縮空気を噴射することによって前記衣料品または他の織物材料から除去され、汚染された残留物第2のフィルターで収集する、態様1または2に記載の方法。
[態様5]
マネキンが膨張可能であり、該マネキンが、コート、ジャケット、シャツまたはズボンを支持する前に膨張される、態様3に記載の方法。
[態様6]
前記含浸剤が、以下の化合物を含む液体、
すなわち、
a.2~20重量%、より好ましくは4~12重量%、最も好ましくは7~8重量%の、2%active-C6を有する水溶液C6-フルオロカーボンカチオン極性分散バインダーと、
b.1~15重量%エタノールまたは他の揮発性有機溶媒と、
c.任意に缶保存剤と、
d.残りの100%までの脱イオン水と、
を含む液で態様1に記載の方法。
[態様7]
衣料品、例えばコート、ジャケット、シャツ又は一対のズボン又は他の織物生地、例えばテント、防水シート、車両又は船舶用フードを含浸するための装置であって、
閉鎖可能な筐体内に前記衣料品を支持するための内側支持体と、
前記内側支持体から離間しているが、前記内側支持体に面する外側表面と、
前記内側支持体と前記外側表面との間の空間にミストを生成するために分配された複数のノズルと、
余分な含浸剤のミストを排出するための排出システムであって、任意選択でフィルタユニットを含み、該フィルタユニットは、臭気、揮発性溶剤、結合剤残留物、粉塵のうちの1つまたは複数を少なくとも除去または中和する、排出システムと、
ユーザインターフェース上でユーザによって選択可能な、予めプログラムされた治療レジームと、選択されたレジームを実行するために装置の特徴を制御するための手段と、を含む制御ユニットと、
を備える、装置。
[態様8]
前記内側支持体は導電性表面を有し、前記装置は、前記内側支持体によって支持される場合、前記衣料品から離間し、前記衣料品を実質的に覆う導電性外側表面を有し、
前記内側支持体の導電性表面は、前記衣料品が前記内側支持体によって支持される場合、前記衣料品の内側に面するように意図され、
前記導電性外側表面は、前記衣料品が前記内側支持体によって支持される場合、前記衣料品の外側に面するように意図され、
前記装置は、前記内側支持体の導電性表面と前記導電性外側表面との間に含浸剤を提供する手段を含み、
前記装置は、前記内側支持体の導電性表面と前記導電性外側表面との間に静電場を印加する手段を含み、
前記含浸剤は極性であり、前記静電場が印加される場合、極性含浸剤は前記導電性外側表面から離れて前記内側支持体の導電性表面に向かって方向付けられ、前記衣料品または他の織物生地によって適用され、および/または吸収される、態様7に記載の装置。
[態様9]
前記内側支持体上に配置された衣料品または他の織物材料に向けて洗浄剤を送出するためのノズルのさらなるセットが提供され、前記洗浄剤は非イオン性および/または両性界面活性剤、グリセリン、乳酸アミン塩および水を含み、衣料品または他の織物状材料に洗浄剤を適用した後の所定の時間の後に、衣料品または他の織物材料に向けて圧縮空気を送出するために洗浄剤を送出するために使用されるノズルのさらなるセットまたは同じノズルが使用され、汚染された残留物を収集するための第2のフィルタユニットが提供される、態様7または8に記載の装置。
[態様10]
前記装置の前記内側支持体は、非膨張折り畳み状態と膨張拡張状態との間で膨張可能である、態様7に記載の装置。
[態様11]
導電性表面は、前記内側支持体が作製される材料と一体の導電性材料のプレート、コーパス、またはメッシュであるか、または前記導電性表面が前記内側支持体が作製される材料とは別個の、非導電性内側支持体の表面に適用される箔またはメッシュである、態様7または10に記載の装置。
[態様12]
導電性外側カバーは箔またはメッシュであり、前記箔またはメッシュは、前記内側支持体の形状に一致する拡張状態の形状を有し、前記拡張状態のサイズを有する前記箔またはメッシュは前記内側支持体の一部の外側サイズよりも大きく、前記導電性外側カバーは衣料品または他の織物生地を覆うこと、および、衣料品または他の織物生地の含浸中に、前記内側支持体を覆うことを目的とする、態様7~11の何れか一項に記載の装置。
[態様13]
導電性外側カバーは前記内側支持体を取り囲み、前記衣料品または他の織物生地の含浸中に前記内側支持体によって支持された前記衣料品を取り囲む、箱または筐体の少なくとも1つの内面であり、前記箱または筐体は少なくとも衣料品または他の織物生地を前記箱または筐体に挿入することを可能にする開口を有し、可能であれば、衣料品または他の織物生地および内側支持体を前記箱または筐体に挿入することを可能にする開口を有する、態様7~12の何れか一項に記載の装置。
[態様14]
前記含浸剤は1つ以上の変位可能なスプレーブーム上に配置された複数のノズルによって噴射され、前記1つ以上の変位可能なスプレーブームは前記閉鎖可能な筐体の少なくとも1つの表面に沿って設けられ、前記1つ以上の変位可能なスプレーブームは前記衣料品または他の織物生地が前記衣料品または他の織物生地の含浸中に前記内側支持体によって支持されるとき、前記衣料品または他の織物生地の移動中に、前記内側支持体と前記外側表面との間の空間に含浸剤のミストをスプレーする、態様7の装置。
[態様15]
前記含浸剤は以下の化合物、すなわち、
a.2~20重量%、より好ましくは4~12重量%、最も好ましくは7~8重量%の、2%active-C6を有する水溶液C6-フルオロカーボンカチオン極性分散バインダーと、
b.1~15重量%エタノールまたは他の揮発性有機溶媒と、
c.必要に応じて、缶防腐剤と、
d.残りの100%までの脱イオン水と、
を含む液体である、態様7~14の何れか一項に記載の装置。