(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】発光装置並びにその製造方法及び該発光装置を備えるディスプレイパネル及び照明器具
(51)【国際特許分類】
H01L 33/58 20100101AFI20241205BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20241205BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20241205BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20241205BHJP
H01L 33/52 20100101ALI20241205BHJP
H01L 33/56 20100101ALI20241205BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20241205BHJP
【FI】
H01L33/58
F21S2/00 480
G09F9/00 338
G09F9/33
H01L33/52
H01L33/56
H01L33/62
(21)【出願番号】P 2021532393
(86)(22)【出願日】2020-06-28
(86)【国際出願番号】 CN2020098498
(87)【国際公開番号】W WO2021027405
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2021-07-19
【審判番号】
【審判請求日】2023-07-07
(31)【優先権主張番号】201910738265.4
(32)【優先日】2019-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520374807
【氏名又は名称】泉州三安半導体科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 興龍
(72)【発明者】
【氏名】徐 宸科
(72)【発明者】
【氏名】時 軍朋
(72)【発明者】
【氏名】黄 永特
【合議体】
【審判長】波多江 進
【審判官】齋藤 卓司
【審判官】吉野 三寛
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/190207(WO,A1)
【文献】特開2017-117973(JP,A)
【文献】特開2005-175417(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0237593(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102543981(CN,A)
【文献】国際公開第2019/037094(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC H01L 33/00-33/64
IPC H01S 5/00- 5/50
IPC F21S 2/00-45/70
IPC F21V 8/00
IPC F21K 9/00- 9/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに間隔を空けてそれぞれの波長の光を射出するように配置された少なくとも3つのLEDチップであって、それぞれが、互いに反対する第1の表面と第2の表面、及び前記第1の表面と前記第2の表面との間に連接している側面を有する少なくとも3つのLEDチップと、
前記少なくとも3つのLEDチップの側面を覆っていると共に前記少なくとも3つのLEDチップの間の隙間に充填されているパッケージ層と、
前記少なくとも3つのLEDチップの第1の表面の上方に設けられていると共に前記少なくとも3つのLEDチップの発光領域を覆っているレンズと、
を備え、
前記パッケージ層の上表面において、前記パッケージ層の幾何中心を円心として前記少なくとも3つのLEDチップを囲むことができる最小の円に囲まれた領域を発光領域とすると、前記発光領域の直径(D)は1mm以下であり、
前記レンズと前記パッケージ層との連接面が略楕円であり、該楕円の短軸長さ(a)の長軸長さ(b)との比(a/b)が0.4~0.9であり、該短軸長さ(a)は前記発光領域の直径(D)の1.5倍以上であり、前記
レンズの半楕円球体の高さ(h)が該短軸長さ(a)の半分より大きい、
発光装置。
【請求項2】
前記パッケージ層の光射出出力が総発光出力の30%より低いことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記パッケージ層は透過率が20%以下の有色シリコーンまたはシリコン樹脂が充填されたものであることを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記レンズは半扁球体であり、前記レンズと前記パッケージ層との連接箇所において形成される略楕円面は、短軸方向に対応する半値角をα、長軸方向に対応する半値角をβとすると、α<βであり、20°<α<70°であることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項5】
前記レンズ側から前記LEDチップ側に向かって俯瞰した際に、前記発光領域の幾何中心と前記レンズの光軸とが重なることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項6】
前記レンズはシリコーンまたは樹脂の射出成形品であることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項7】
前記少なくとも3つのLEDチップのサイズが380μm×380μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項8】
前記少なくとも3つのLEDチップ同士の間隔が50μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項9】
前記発光アセンブリは前記LEDチップを搭載するためのパッケージ基板を備えず、前記LEDチップは前記パッケージ層により位置が固定されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項10】
前記パッケージ層の下部にキャリア基板が設けられており、前記キャリア基板は下面に電極が露出していて、前記発光装置の回路層は前記キャリア基板の上側にある前記パッケージ層内に設けられていて、前記電極と前記回路層を繋ぐリード線は前記キャリア基板にあるスルーホールを通っていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項11】
前記少なくとも3つのLEDチップの上方に散乱混光層が更に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項12】
前記散乱混光層は散乱粒子が透光性シリコーンまたは樹脂内に均一に分布された硬化成形品であることを特徴とする請求項11に記載の発光装置。
【請求項13】
LEDチップを3つだけ備え、且つそれらは赤色光チップ、緑色光チップ、青色光チップであることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項14】
3つの前記LEDチップは、「品」字状または「一」字状に配列されていることを特徴とする請求項13に記載の発光装置。
【請求項15】
前記少なくとも3つのLEDチップのカソードまたはアノードはカソードコモンまたはアノードコモンを介して引き出されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項16】
前記発光装置の前記第1の表面とは反対する側には露出した電極が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項17】
前記電極は溶接可能なSMT電極であることを特徴とする請求項16に記載の発光装置。
【請求項18】
前記発光アセンブリの回路層は前記少なくとも3つのLEDチップの第2の表面側にある前記パッケージ層内に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項19】
電気接続ユニットと、筐体と、前記筐体に装着されているパネル体とを備えるディスプレイパネルであって、更に請求項1~18のいずれか一項に記載の発光装置がピクセルとして前記パネル体に装着されていることを特徴とするディスプレイパネル。
【請求項20】
支持体と発光アセンブリとを備え、前記発光アセンブリが前記支持体に装着されている照明器具であって、前記発光アセンブリが請求項1~18のいずれか一項に記載の発光装置を有することを特徴とする照明器具。
【請求項21】
(1)少なくとも3つのLEDチップを用意し、前記LEDチップは互いに反対する第1の表面と第2の表面、及び前記第1の表面と前記第2の表面との間に連接している側面を有し、前記第2の表面に一対の電極が配置されているLEDチップであって、前記少なくとも3つのLEDチップを、互いに間隔を空け且つそれぞれの前記第2の表面が同一の平面上にあるように上向きに設けられるよう、テープに粘着するステップと、
(2)パッケージ層を、前記少なくとも3つのLEDチップの間の隙間に充填されるように且つ全ての前記LEDチップの側面を覆う一方で全ての前記LEDチップの電極のある面を露出するように形成し、前記パッケージ層の上表面において、前記パッケージ層の幾何中心を円心として前記少なくとも3つのLEDチップを囲むことができる最小の円に囲まれた領域を発光領域とすると、前記発光領域の直径(D)は1mm以下であるステップと、
(3)前記少なくとも3つのLEDチップの電極のある面に、該電極と接続するように回路層を形成するステップと、
(4)前記回路層上に絶縁層を設けると共に、前記回路層の電極リード端を露出させるステップと、
(5)前記テープを取り除くステップと、
(6)前記LEDチップの出光面にレンズを作成し、前記レンズと前記パッケージ層との連接面が略楕円であり、該楕円の短軸長さ(a)の長軸長さ(b)との比(a/b)が0.4~0.9であり、該短軸長さ(a)は前記発光領域の直径(D)の1.5倍以上であり、前記
レンズの半楕円球体の高さ(h)が該短軸長さ(a)の半分より大きい、ステップと、
を含むことを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項22】
ステップ(5)とステップ(6)の間に、前記複数のチップの上部に散乱混光層を作成するステップを更に含むことを特徴とする請求項21に記載の製造方法。
【請求項23】
前記パッケージ層は透過率が20%以下の有色シリコーンまたはシリコン樹脂の硬化成形品であることを特徴とする請求項21に記載の製造方法。
【請求項24】
前記レンズはシリコーンまたは樹脂の射出成形品であることを特徴とする請求項21に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年8月12日に出願された「発光装置並びにその製造方法及び該発光装置を備えるディスプレイパネル並びに照明器具」と題された中国発明特許出願第201910738265.4号の優先権を主張するものであり、上記出願の全ての内容が参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は半導体装置の分野に関し、特には発光装置並びにその製造方法及び該発光装置を備えるディスプレイパネル及び照明器具に関する。
【背景技術】
【0003】
LEDパッケージは、チップに対する効果的な機械的保護であり、放熱を強化し、光取り出し効率を向上させ、配光特性を最適化することができるため、LEDパッケージ構造は、ディスプレイ機器や照明器具の性能に影響を与える重要な要素となる。
【0004】
従来のディスプレイパネルは、多くがリードピン型のパッケージ技術(Lamp LED)を使用している。リードピン型のパッケージは、小電流(20~30mA)、低消費電力(0.1W以下)のLEDパッケージに用いられる。例えばインジケーターの表示や指示など、大規模な集積であればディスプレイパネルとして使用することもできるが、パッケージの熱抵抗が大きく(一般的に100K/W以上)、放熱性が悪く、低寿命であるという欠点がある。特に屋外の交通表示サインとしては、放熱性、寿命、集積度が共に低いだけでなく、カラー表示を実現することができず、表示効果が大幅に劣る。
【0005】
また、交通表示や広告表示などの用途では、光エネルギーの利用効率を高め、道路などの非照射領域がLEDによる光害を受けないようにするため、LEDの発光角度を狭くし、LEDの水平照射領域を垂直照射領域よりも大きくする必要がある。しかし、従来の技術では、一般のLEDチップをキャリア基板上にダイボンディングで配置しているが、ダイボンディング装置自体の誤差(比較的優れたダイボンディング装置でも一般的に±15μm、業界最高精度のダイボンディング装置ですら±5μmの誤差が出る)や、ダイボンド材のベーキング時(ワイヤボンディング)やリフロー時(フリップチップ)において発生する変位により、従来のダイボンディングチップ間の距離は、通常は50μm以上、最小でも30μm以上であり、レンズを使用して発光角を狭める場合に、RGB各チップの発光中心をレンズの中心に位置させることが難しくなり、各チップの発光角に大きな差が生じてしまう。
【0006】
そのため、信頼性の向上を基本として、更に特殊な発光強度分布とRGBカラーディスプレイのパッケージ構造を実現するためには、LEDパッケージに新規で且つより高い要求に応じて、パッケージ設計に新たな技術的アイデアを採用する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、上記従来技術の欠点に鑑み、本発明は、従来の発光装置では小規格での集積ができないといった問題や発光角度が比較的広いといった問題を解決するための、発光装置並びにその製造方法及び該発光装置を備えるディスプレイパネル及び照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、本発明は、一つの態様として、発光装置を提供する。該発光装置は、
互いに間隔を空けてそれぞれの波長の光を射出するように配置された少なくとも3つのLEDチップであって、それぞれの発光領域の最大直径(D)が1mm以下であり、且つそれぞれが、互いに反対する第1の表面と第2の表面、及び前記第1の表面と前記第2の表面との間に連接している側面を有する少なくとも3つのLEDチップと、
前記少なくとも3つのLEDチップの側面を覆っていると共に前記少なくとも3つのLEDチップの間の隙間に充填されているパッケージ層と、
前記少なくとも3つのLEDチップの第1の表面の上方に設けられていると共に前記少なくとも3つのLEDチップの発光領域を覆っているレンズとを備える。
【0009】
ここで、前記少なくとも3つのLEDチップが発出した光の70%以上が第1の表面から射出されることが好ましい。
【0010】
即ち、前記パッケージ層の光射出出力が総発光出力の30%より低いことが好ましい。
【0011】
更に、前記パッケージ層は透過率が20%以下の有色シリコーンまたはシリコン樹脂が充填されたものであることが好ましい。
【0012】
また、前記レンズと前記パッケージ層との連接面が略楕円であり、該楕円の短軸長さ(a)の長軸長さ(b)との比(a/b)が0.4~0.9であり、該短軸長さ(a)は前記発光領域の最大直径(D)の1.5倍以上であり、前記半楕円球体の高さ(h)が該短軸長さ(a)の半分より大きいことが好ましい。
【0013】
更に、前記レンズは半扁球体であり、前記レンズと前記パッケージ層との連接箇所において形成される略楕円面は、短軸方向に対応する半値角をα、長軸方向に対応する半値角をβとすると、α<βであり、20°<α<70°である。
【0014】
前記レンズの短軸方向に対応する半値角αは30°より大きく50°より小さいことが好ましい。
【0015】
更に、前記レンズ側から前記LEDチップ側に向かって俯瞰した際に、前記少なくとも3つのLEDチップの発光領域の幾何中心と前記レンズの光軸とが重なる。
【0016】
前記レンズはシリコーンまたはシリコン樹脂の射出成形品であることが好ましい。
【0017】
前記少なくとも3つのLEDチップのサイズが380μm×380μm以下であることが好ましい。
【0018】
前記少なくとも3つのLEDチップ同士の間隔が50μm以下であることが好ましい。
【0019】
前記発光アセンブリは前記LEDチップを搭載するためのパッケージ基板を備えず、前記LEDチップは前記パッケージ層により位置が固定されていることが好ましい。
【0020】
前記パッケージ層の下部にはキャリア基板が設けられており、前記キャリア基板は下面に電極が露出していて、前記発光装置の回路層は前記キャリア基板の上側にある前記パッケージ層内に設けられていて、前記電極と前記回路層を繋ぐリード線は前記キャリア基板にあるスルーホールを通っていることが好ましい。
【0021】
前記少なくとも3つのLEDチップの上方に散乱混光層が更に設けられていることが好ましい。
【0022】
更に、前記散乱混光層は散乱粒子が透光性シリコーンまたは樹脂内に均一に分布された硬化成形品である。
【0023】
また、前記発光装置は、LEDチップを3つだけ備え、且つそれらは赤色光チップ、緑色光チップ、青色光チップであることが好ましい。
【0024】
更に、3つの前記LEDチップは、「品」字状または「一」字状に配列されている。
【0025】
前記少なくとも3つのLEDチップのカソードまたはアノードはカソードコモンまたはアノードコモンを介して引き出されていることが好ましい。
【0026】
前記発光装置の前記第1の表面とは反対する側には露出した電極が設けられていることが好ましい。
【0027】
更に、前記電極は溶接可能なSMT電極である。
【0028】
また、前記発光アセンブリの回路層は前記少なくとも3つのLEDチップの第2の表面側にある前記パッケージ層内に設けられていることが好ましい。
【0029】
本発明はまた別の態様として、ディスプレイパネルを提供する。該ディスプレイパネルは、電気接続ユニットと、筐体と、前記筐体に装着されているパネル体とを備え、更に上記いずれか一項に記載の発光装置がピクセルとして前記パネル体に装着されている。
【0030】
本発明は更に照明器具を提供し、該照明器具は、支持体と発光アセンブリとを備え、前記発光アセンブリは上記いずれか一項に記載の発光装置を有する。
【0031】
本発明は更に発光装置の製造方法を提供し、該方法は、
(1)少なくとも3つのLEDチップを用意し、前記LEDチップは互いに反対する第1の表面と第2の表面、及び前記第1の表面と前記第2の表面との間に連接している側面を有し、前記第2の表面に一対の電極が配置されているLEDチップであって、前記少なくとも3つのLEDチップを、互いに間隔を空け且つそれぞれの前記第2の表面が同一の平面上にあるように上向きに設けられるよう、テープに粘着するステップと、
(2)パッケージ層を、前記少なくとも3つのLEDチップの間の隙間に充填されるように且つ全ての前記LEDチップの側面を覆う一方で全ての前記LEDチップの電極のある面を露出するように形成するステップと、
(3)前記少なくとも3つのLEDチップの電極のある面に、該電極と接続するように回路層を形成するステップと、
(4)前記回路層上に絶縁層を設けると共に、前記回路層の電極リード端を露出させるステップと、
(5)前記テープを取り除くステップと、
(6)前記LEDチップの出光面にレンズを作成するステップと、を含む。
【0032】
また、ステップ(5)とステップ(6)の間に、前記複数のチップの上部に散乱混光層を作成するステップを更に含むことが好ましい。
【0033】
また、前記パッケージ層は透過率が20%以下の有色シリコーンまたはシリコン樹脂の硬化成形品であることが好ましい。
【0034】
また、前記レンズはシリコーンまたは樹脂の射出成形品であることが好ましい。
【発明の効果】
【0035】
本発明の発光装置は、従来のキャリア基板やブラケットを備えず、パッケージ層により少なくとも3つのLEDチップの側面を覆うと共に少なくとも3つのLEDチップの間の隙間を充填することにより、少なくとも3つのLEDチップの固定を実現している。このような構造により、LEDの生産効率が向上するだけでなく、生産コストの削減にも繋がり、そしてダイボンド材を用いてダイボンディングを行う必要がないので、チップ間の間隔を30μmよりも小さくすることができ、これにより発光装置の発光角度の一致性をより良く制御することができる。また、本発明に係る発光装置は、少なくとも3つのLEDチップの発光領域の上方にレンズが設けられているので、ランベルト型に近いLEDチップの光照射野分布を変化させ、光エネルギーを照射したい領域により集中させることができるよう特殊な光照射野分布を形成することで、光エネルギーの利用効率を効果的に向上させることができ、光源のエネルギー消費とコストを削減することができるだけでなく、非照射領域に光が当たって光害につながることを避けることができる。また、本発明における発光装置の発光領域の最大直径(D)が1mm以下であるので、発光領域の中心とレンズの中心との重ね合わせ誤差を効果的に低減することができ、発光装置の発光角度の差を効果的に低減することができる。
【0036】
本発明に係る発光装置に設けられる散乱混光層により、LEDチップから出力される光の均一性を効果的に向上させることができる。また、本発明において前記少なくとも3つのLEDチップの間の隙間が透過率が20%以下の有色シリコーンまたはシリコン樹脂により充填されているので、LEDディスプレイパネルの組み立て後に、隣接するディスプレイユニットからの光の干渉を大幅に低減することが可能となる。
【0037】
また、本発明に係るディスプレイパネルは、本発明に係る発光装置がピクセルユニットとして取り付けられているので、パッケージ層により、LEDディスプレイパネルの組み立て後に、隣接するディスプレイユニットからの光の干渉を大幅に低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図2】本発明の発光装置の実施例1において、レンズ側からLEDチップ側に向かって俯瞰した場合の模式図。
【
図4】本発明の発光装置の実施例1の反対側を示す斜視図。
【
図5】本発明の発光装置の実施例1における半扁球及び3つのLEDチップの発光領域中心位置を示す図。
【
図6】本発明の発光装置の実施例1における半扁球の高さを示す模式図。
【
図7】本発明の発光装置の実施例2において、レンズ側からLEDチップ側に向かって俯瞰した場合の模式図。
【
図9】本発明の発光装置の実施例2の反対側を示す斜視図。
【
図10】本発明の発光装置の実施例3を示す斜視図。
【
図11】本発明の発光装置の実施例3において、レンズ側からLEDチップ側に向かって俯瞰した場合の模式図。
【
図13】本発明の発光装置の実施例3における半扁球及び3つのLEDチップの発光領域中心位置を示す図。
【
図14】本発明の発光装置の実施例3における半扁球の高さを示す模式図。
【
図15】本発明の発光装置の実施例4を示す模式図。
【
図17】本発明の発光装置の発光強度分布を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、特定の具体例を挙げて本発明の実施形態を説明する。本発明の他の利点および効果は、本明細書に開示されている内容から当業者によって容易に理解され得る。また、本発明は、他の具体的な実施方式によって実施または応用することができ、本明細書における詳細な内容も、異なる見解や用途に基づいて、本発明の精神から逸脱しない限りで、様々な修正または変更を行うことができる。
【0040】
なお、以下の実施例で具体的に説明されていない部分は、従来の構造や一般的な製造工程である。また、以下の実施例で提供される図面は、本発明の基本的な構想を模式的に示したものに過ぎず、本発明に関連する構成要素だけが示されており、実際の実施における構成要素の数、形状、サイズに従ったものではなく、実際の実施における各構成要素の形状、数、比率は任意に変更し得るものであり、構成要素のレイアウト形態はより複雑なものであり得る。
【0041】
第1の実施例
図1~
図6に示されているように、本発明が提供する発光装置は、少なくとも3つのLEDチップ20と、パッケージ層30と、レンズ10とを備えるものである。
【0042】
少なくとも3つのLEDチップ20は、互いに間隔を空けてそれぞれの波長の光を射出するように配置されてい
る。図5に示されるように、パッケージ層30の上表面において、X軸(長軸)とY軸(短軸)とが交わる箇所をパッケージ層30の幾何中心とし、パッケージ層30の幾何中心を円心として少なくとも3つのLEDチップ20を囲むことができる最小の円に囲まれた領域を発光領域とすると、発光領域
の直径(D)が1mm以下であ
る。また、少なくとも3つのLEDチップ20は、それぞれが、互いに反対する第1の表面と第2の表面、及び前記第1の表面と前記第2の表面との間に連接している側面を有する。
【0043】
パッケージ層30は、少なくとも3つのLEDチップ20の側面を覆っていると共に前記少なくとも3つのLEDチップ20同士の隙間に充填されている。
【0044】
レンズ10は、前記少なくとも3つのLEDチップ20の第1の表面の上方に設けられていると共に前記少なくとも3つのLEDチップ20の発光領域を覆っている。
【0045】
本発明に係る発光装置は、従来の基板やブラケットを備えず、パッケージ層30により少なくとも3つのLEDチップ20の側面を覆うと共に少なくとも3つのLEDチップ20の間の隙間を充填することにより、少なくとも3つのLEDチップ20の固定を実現している。このような構造により、LEDの生産効率が向上するだけでなく、生産コストの削減にも繋がり、そしてダイボンド材を用いてダイボンディングを行う必要がないので、チップ間の間隔を30μmよりも小さくすることができ、これにより発光装置の発光角度の一致性をより良く制御することができる。また、本発明に係る発光装置は、少なくとも3つのLEDチップ20の発光領域の上方にレンズ10が設けられているので、ランベルト型に近いLEDチップ20の光照射野分布を変化させ、光エネルギーを照射したい領域により集中させることができるよう特殊な光照射野分布を形成することで、光エネルギーの利用効率を効果的に向上させることができ、光源のエネルギー消費とコストを削減することができるだけでなく、非照射領域に光が当たって光害につながることを避けることができる。また、本発明における発光装置の発光領域の直径(D)が1mm以下であるので、発光領域の中心とレンズ10の中心との重ね合わせ誤差を効果的に低減することができ、発光装置の発光角度の差を効果的に低減することができる。
【0046】
説明の便宜のため、本実施形態において発光装置はLEDチップ20を3つ備えるが、本発明における発光装置は、各LEDチップの発光領域の直径(D)が1mm以下でありさえすれば、LEDチップ20を3つのみ備えてもよく、あるいは3つより多く備えてもよく、例えば4つ、5つのマイクロLED(100μm×100μm以下)を備えてもよい。また、これら3つのLEDチップ20は、異なる光を発してもよく、幅広い用途を考慮して、本実施例の3つのLEDチップ20は、R光チップ、G光チップ、B光チップであり、赤色光、緑色光、青色光をそれぞれ対応して発する。
【0047】
本発明におけるLEDチップ20の第1の表面の発光率に関しては、原則的に限定する必要はないが、エネルギー効率を向上させるために、本実施例におけるパッケージ層30の光射出出力が総発光出力の30%より低いこと、即ち、少なくとも3つのLEDチップ20が発出した光の70%以上が第1の表面から射出されることが好ましい。
【0048】
LEDチップ20の光が主に第1の表面から射出され、パッケージ層30が少なくとも3つのLEDチップ20の側面を覆っていると共にこれら少なくとも3つのLEDチップ20の間の隙間に充填されていることを考慮すると、本発明におけるパッケージ層30の色は限定する必要はないが、パッケージ層30からの透過光による非照射領域における光害を軽減するために、本実施例におけるパッケージ層30は、透過率が30%以下のシリコーンまたは樹脂からなることが好ましく、その透過率は例えば30%以下である20%、10%、あるいは0%などとすることができ、透過率が低いほど光の遮断効果が高くなる。本実施例におけるパッケージ層30は透過率が20%であり、パッケージ層30の色は、黒などの暗色とすることができ、黒や暗色のパッケージ層30は、表示装置のコントラストを向上させることができる。より好ましくは、パッケージ層30は、透過率が20%以下の有色シリコーンまたは有色シリコン樹脂からなるとよい。
【0049】
本発明におけるレンズ10は一次パッケージレンズであり、光出射面を1つだけ有し、その光出射面がLEDチップ20から離れる方向に盛り上がっており、その盛り上がりの形状は、実現したい光照射野分布に応じて調整可能であるが、X方向とY方向とで異なる半値角を実現し、LEDの横方向の照射エリアが縦方向の照射エリアよりも大きくなるようにするために、好ましくは、本実施例におけるレンズ10は半扁球体である。前記レンズと前記パッケージ層との連接箇所において形成される略楕円面(略楕円面とは、面の輪郭が楕円に近似するまたは楕円に近い形状を有することを意味する)は、短軸方向に対応する半値角をα、長軸方向に対応する半値角をβとすると、α<βであり、20°<α<70°であることが好ましい。またαは25°、30°、50°、60°、65°など20°~70°の間の任意の値を取り得る。本実施例のレンズ10としては、短軸方向に対応する半値角αが、35°、40°、45°など、30°~50°の間の任意の値であるものを用いることが好ましい。
【0050】
発光角度をより一層狭めるために、本実施例における半楕円球体の短軸長さ(a)の長軸長さ(b)との比(a/b)が、0.4≦a/b≦0.9であり、該短軸長さ(a)は前記発光領域の直径(D)の1.5倍以上であることが好ましい。ここでa/bは0.4、0.65、0.7、075、0.8、0.85、0.9など0.4~0.9(0.4と0.9を含む)の間の任意の値を取ることができ、また、半楕円球の高さ(h)はh>0.5aである。
【0051】
より良好な光照射野分布を実現し、チップの発光角度の差を小さくするために、本実施例における、レンズ10側からLEDチップ20側に向かって俯瞰した際に、少なくとも3つのLEDチップ20の発光領域の幾何中心とレンズ10の光軸とが重なる。
【0052】
本実施例において、レンズ10は、シリコーンや樹脂を用いて射出成形法で作られたものである。レンズ10の金型と接続されたLEDとを固定し、LEDとレンズ10の金型の間に形成されたキャビティの内部に熱硬化性の透明シリコーンやエポキシ樹脂を充填し、これを加熱して成形することで、レンズ10の金型の形状に沿ったレンズ10を形成する。
【0053】
本発明で必要とされる発光領域の直径(D)が1mmより小さいことを考慮すると、本実施例におけるLEDチップ20は、サイズが380μm×380μm以下のミニLED、または100μm×100μm以下のマイクロLEDであることが好ましく、本実施例ではサイズが380μm×380μm以下のミニLEDを用いる。
【0054】
本実施例における3つのLEDチップ20同士の間隔は50μm以下であり、40μm、30μm、20μm、10μm、5μmなどであってもよい。
【0055】
本発明の発光装置において、LEDチップ20がパッケージ層30によって固定され得ることを考慮すると、本実施例による発光アセンブリは、LEDチップ20を搭載するためのパッケージ基板を備えず、LEDチップ20はパッケージ層30により所定の位置に固定されていることが好ましい。このようなパッケージ基板のない構造は、LEDの生産効率を高めて、生産コストを低減するだけでなく、ダイボンド材によるダイボンディングが不要になるため、チップ同士の間隔を30μm以下とすることができ、発光装置の発光角度の整合性をより良好に制御することができる。
【0056】
本実施例における3つのLEDチップ20は、様々な方式に配列することができるが、製造の利便性を考慮すると、本実施例においては3つのLEDチップ20を「一」字状に配列分布し、それらのカソードまたはアノードはカソードコモンまたはアノードコモンを介して引き出されているようにすることが好ましく、また発光装置の第1の表面とは反対する側には露出した電極が設けられていて、更に電極50は、実装を容易にするために、溶接可能なSMT電極となっている。
【0057】
本実施による発光アセンブリの回路層40は、絶縁層を単独で設けてもよく、パッケージ層を介して絶縁されていてもよく、本実施例の回路層40は、3つのLEDチップ20の第2の表面側のパッケージ層30内に設けられ、パッケージ層30を介して絶縁されている。
【0058】
第2の実施例
図7~
図9に示すように、本実施例は、第1の実施例と概ね同じ発光装置を提供するが、異なる点は、パッケージ層30の下部にキャリア基板60が設けられ、パッケージ層30の下面がキャリア基板60に取り付けられ、キャリア基板60の下面にはSMT電極50が露出していて、キャリア基板60の上側にあるパッケージ層30内に発光装置の回路層40が設けられ、SMT電極50と回路層40との間のリード線は、キャリア基板60のスルーホール61に通されている点である。キャリア基板60は、パッケージ層30を十分に剛性支持することができ、高温によるパッケージ層30の変形を防ぐ。
【0059】
第3の実施例
図10~
図14に示すように、本実施例は、第1の実施例と概ね同じ発光装置を提供するが、異なる点は、本実施例では、3つのLEDチップ20が「品」字状に配列分布されている点にある。一方、「品」字状に配列分布されている3つのLEDチップ20の発光領域
の直径(D)が1mm以下であることは第1の実施例と同様であり、本実施例の半楕円球体の短軸長さ(a)の長軸長さ(b)との比(a/b)は、やはり0.4≦a/b≦0.9であり、且つ短軸長さ(a)は発光領域
の直径(D)の1.5倍以上である。ここでa/bは0.4、0.45、0.7、075、0.8、0.85、0.9など0.4~0.9(0.4と0.9を含む)の間の任意の値を取ることができ、また、半楕円球の高さ(h)はh>0.5aである。「品」字状に配列することにより、LEDチップ20同士の間隔が近くなり、光の混合に有利になる。
【0060】
第4の実施例
図15に示すように、本実施例は、第1の実施例と概ね同じであるが、3つのLEDチップ20の上方に散乱混光層70が更に設けられている点で異なる。散乱混光層70は、散乱粒子が透光性シリコーンまたは樹脂内に均一に分布した硬化成形品である。本発明の発光素子における散乱粒子は、散乱機能を有するある種の粒状物質であってもよく、SiO
2、TiO
2、あるいはSiO
2とTiO
2の混合物など、複数の散乱粒子を組み合わせたものであってもよい。散乱混光層70を設けることで、LEDチップ20から出力される光の均一性を向上させることができる。
図17に示すように、本実施例の発光装置の発光強度分布は、
図16の従来の発光装置の発光強度分布と比較して、より集中している。
【0061】
第5の実施例
本実施例は、第1の実施例と概ね同じ発光装置を提供するが、異なる点は、本実施例においては3つのLEDチップが「品」字状に配列分布されている点にある。「品」字状に配列3つのLEDチップ20の発光領域の直径(D)は1mm以下である。
【0062】
第6の実施例
本実施例はディスプレイパネルを提供するものであり、該ディスプレイパネルは、電気接続ユニットと、筐体と、パネル体とを備え、前記パネル体は前記筐体に装着されていて、前記電気接続ユニットは前記パネル体と外部回路を電気的に接続していて、前記パネル体には第1の実施例~第4の実施例のいずれかの発光装置がピクセルとして装着されていて、発光装置の電極50は錫ペーストを用いて固定され、電気接続ユニットのディスプレイパネル配線板と電気的に接続されるよう溶接されている。本発明のディスプレイパネルとして、本発明の発光装置がピクセルユニットとしてディスプレイパネルに取り付けられたものを用いる場合、パッケージ層30により、LEDディスプレイパネルの組み立て後に、隣接するディスプレイユニットからの光の干渉を大幅に低減することが可能となる。
【0063】
第7の実施例
本実施例は、支持体と発光アセンブリとを備え、前記発光アセンブリが前記支持体に装着されている照明器具であって、前記発光アセンブリが第1の実施例~第4の実施例のいずれかの発光装置を有する照明器具を提供する。
【0064】
第8の実施例
本実施例は、発光装置の製造方法を提供するものであり、該方法は以下のステップを含む。
(1)少なくとも3つのLEDチップを用意し、前記LEDチップは互いに反対する第1の表面と第2の表面、及び前記第1の表面と前記第2の表面との間に連接している側面を有し、前記第2の表面に一対の電極が配置されているLEDチップであって、前記少なくとも3つのLEDチップを、互いに間隔を空け且つそれぞれの前記第2の表面が同一の平面上にあるように上向きに設けられるよう、テープに粘着するステップ。
(2)液体の有色シリコーンまたは樹脂を、前記少なくとも3つのLEDチップの間の隙間に充填されるように且つ全てのLEDチップの側面を覆う一方で全ての前記LEDチップの電極のある面を露出するようにした上で凝固成形してパッケージ層を形成するステップ。
(3)前記少なくとも3つのLEDチップの電極のある面に、該電極と接続するように回路層を形成するステップ。
(4)前記回路層上に絶縁層を設けると共に、前記回路層の電極リード端を露出させるステップ。
(5)テープを取り除くステップ。
(6)前記少なくとも3つのLEDチップの第1の表面上部に散乱混光層を作成するステップ。
【0065】
レンズ金型を散乱混光層上に固定し、散乱混光層とレンズ金型の間に形成されたキャビティ内に熱硬化性の透明シリコーンまたはエポキシ樹脂を充填し、加熱成形後にレンズ金型に沿った形状のレンズが形成される。
【0066】
なお、散乱混光層構造を設けない場合は、レンズ金型をパッケージ層上に固定し、パッケージ層とレンズ金型の間に形成されたキャビティ内に熱硬化性の透明シリコーンまたはエポキシ樹脂を充填し、加熱成形後にレンズ金型に沿った形状のレンズを形成することもできる。
【0067】
要約すると、本発明の発光装置は、従来のキャリア基板やブラケットを備えず、パッケージ層により少なくとも3つのLEDチップの側面を覆うと共に少なくとも3つのLEDチップの間の隙間を充填することにより、少なくとも3つのLEDチップの固定を実現している。このような構造により、LEDの生産効率が向上するだけでなく、生産コストの削減にも繋がり、そしてダイボンド材を用いてダイボンディングを行う必要がないので、チップ間の間隔を30μmよりも小さくすることができ、これにより発光装置の発光角度の一致性をより良く制御することができる。また、本発明に係る発光装置は、少なくとも3つのLEDチップの発光領域の上方にレンズが設けられているので、ランベルト型に近いLEDチップの光照射野分布を変化させ、光エネルギーを照射したい領域により集中させることができるよう特殊な光照射野分布を形成することで、光エネルギーの利用効率を効果的に向上させることができ、光源のエネルギー消費とコストを削減することができるだけでなく、非照射領域に光が当たって光害につながることを避けることができる。したがって、本発明は、従来技術の欠点を効果的に克服し、高い産業利用価値を有する。
【0068】
上記の実施例は、本発明の原理とその効果を例示したものに過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者であれば、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、上記の実施例をアレンジまたは変更することができる。したがって、本発明で開示されている精神と技術的構想から逸脱することなく、例えば当業者によって成され得るすべての均等なアレンジまたは変更は、依然として本発明の特許請求の範囲にカバーされるものとする。
【符号の説明】
【0069】
10 レンズ
20 LEDチップ
30 パッケージ層
40 回路層
50 電極
60 キャリア基板
61 スルーホール
70 散乱混光層