(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】切削エッジの使用をトレースするためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06K 7/10 20060101AFI20241205BHJP
B23B 27/14 20060101ALI20241205BHJP
B23B 27/00 20060101ALI20241205BHJP
B23Q 17/00 20060101ALI20241205BHJP
B23Q 17/09 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G06K7/10 428
B23B27/14 Z
B23B27/00 D
B23Q17/00 F
B23Q17/09 B
(21)【出願番号】P 2021563232
(86)(22)【出願日】2020-04-27
(86)【国際出願番号】 EP2020061623
(87)【国際公開番号】W WO2020221694
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2023-03-01
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591106875
【氏名又は名称】セコ ツールズ アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ボーダン, ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】グラブニングスブローテン, ヤン
(72)【発明者】
【氏名】リンドホルム, ミカエル
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-050642(JP,U)
【文献】特開平01-210247(JP,A)
【文献】特開2019-042831(JP,A)
【文献】特開2015-226945(JP,A)
【文献】特開2003-048134(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0321280(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第1467684(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/10
B23B 27/14
B23B 27/00
B23Q 17/00
B23Q 17/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マシン(90)のオペレーションを管理し、前記マシン(90)の前記オペレーションにおいて使用される切削ツール(20)の切削エッジ(21、22)の使用をトレースするためのシステム(100)であって、
識別マーカ(41、42)を検出して読み出すよう構成されているリーダデバイス(10a、10b、10c)と、
前記リーダデバイス(10a、10b、10c)に動作可能に接続されている処理回路(102a、102b、102c)と、
を含むシステム(100)であって、
前記処理回路(102a、102b、102c)は、前記システム(100)に、
前記マシン(90)に挿入されている前記切削ツール(20)の前記切削エッジ(21、22)の前記識別マーカ(41、42)を前記リーダデバイス(10a、10b、10c)により読み出させ、
前記識別マーカ(41、42)をデコードさせ、前記切削エッジ(21、22)に関連付けられている切削エッジ情報データ(1ceID、2ceID)を判定させ、
前記マシン(90)の前記オペレーションに関連付けられているマシンオペレーションデータ(1mOD、2mOD)を前記マシン(90)から取得させ、
前記切削エッジ
情報データ(1ceID、2ceID)と前記マシンオペレーションデータ(1mOD、2mOD)とを示す第1の関連データ(1AD)を生成させるよう構成されているシステム(100)。
【請求項2】
前記処理回路(102a、102b、102c)は、前記システム(100)に、前記切削ツール(20)が前記マシン(90)に挿入される際に、前記マシン(90)の前記オペレーションにおいて使用される前記切削エッジ(21、22)に配置された1つの識別マーカ(41、42)を前記リーダデバイス(10a、10b、10c)により検出させるようさらに構成されている、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記処理回路(102a、102b、102c)は、前記システム(100)に、前記切削エッジ情報データ(1ceID、2ceID)に基づいて、前記切削エッジ情報データ(1ceID、2ceID)に関連付けられている前記切削エッジ(21、22)を用いての前記マシン(90)のオペレーションために前記マシン(90)を構成するためのマシン設定データ(1mSD、2mSD)を取得させるようさらに構成されている、請求項1または請求項2に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記処理回路(102a、102b、102c)は、前記システム(100)に、前記切削エッジ情報データ(1ceID、2ceID)と前記マシンオペレーションデータ(1mOD、2mOD)とに基づいて、前記マシン(90)の現在の構成が、前記切削エッジ情報データ(1ceID、2ceID)に関連付けられている前記切削エッジ(21、22)を用いての前記マシン(90)のオペレーションのために最適化されているか判定させるようさらに構成されている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記処理回路(102a、102b、102c)は、前記システム(100)に、
前記マシン(90)のオペレーションを、前記切削エッジ情報データ(1ceID、2ceID)に関連付けられている前記切削エッジ(21、22)を用いて行わせ、
前記マシン(90)のオペレーション中に、センサデータを取得するよう構成されているセンサ(55)の少なくとも第1のマシンオペレーションセンサデータ(1mosD、2mosD)を取得させ、
前記切削エッジ情報データ(1ceID、2ceID)と前記少なくとも第1のマシンオペレーションセンサデータ(1mosD、2mosD)とを示す第2の関連データ(2AD)を生成させるようさらに構成されている、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記リーダデバイス(10a、10b、10c)は、前記切削ツール(20)が前記マシン(90)に挿入される際に、前記切削ツール(20)の1つの切削エッジ(21、22)の1つの識別マーカ(41、42)を検出して読み出すことのみに配置されている、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記リーダデバイス(10a、10b、10c)は、前記切削ツール(20)が前記マシン(90)に挿入される際に、前記切削ツール(20)の複数の切削エッジ(21、22)の複数の識別マーカ(41、42)を検出して読み出すよう構成されており、前記処理回路(102a、102b、102c)は、前記システム(100)に、前記マシン(90)の前記オペレーションにおいて使用される1つの切削エッジ(21、22)の1つの識別マーカ(41、42)のみを選択するリクエストを生成させるようさらに構成されている、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項8】
マシン(90)のオペレーションを管理し、前記マシン(90)の前記オペレーションにおいて使用される切削ツール(20)の切削エッジ(21、22)の使用をトレースするための方法であって、
前記マシン(90)に挿入されている前記切削ツール(20)の前記切削エッジ(21、22)の識別マーカ(41、42)
をリーダデバイス(10a、10b、10c)により読み出すこと(S2)と、
前記識別マーカ(41、42)をデコードし、前記切削エッジ(21、22)に関連付けられている切削エッジ情報データ(1ceID、2ceID)を判定すること(S3)と、
前記マシン(90)の前記オペレーションに関連付けられているマシンオペレーションデータ(1mOD、2mOD)を前記マシン(90)から取得すること(S5)と、
前記切削エッジ情報データ(1ceID、2ceID)と前記マシンオペレーションデータ(1mOD、2mOD)とを示す第1の関連データ(1AD)を生成すること(S10)と、
を含む方法。
【請求項9】
前記切削ツール(20)が前記マシン(90)に挿入される際に、前記マシン(90)の前記オペレーションにおいて使用される前記切削エッジ(21、22)に配置された1つの識別マーカ(41、42)を前記リーダデバイス(10a、10b、10c)により検出すること(S1)をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記切削エッジ情報データ(1ceID、2ceID)に基づいて、前記切削エッジ情報データ(1ceID、2ceID)に関連付けられている前記切削エッジ(21、22)を用いてのオペレーションのために前記マシン(90)を構成するためのマシン設定データ(1mSD、2mSD)を取得すること(S4)をさらに含む、請求項8または請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記切削エッジ情報データ(1ceID、2ceID)と前記マシンオペレーションデータ(1mOD、2mOD)とに基づいて、前記マシン(90)の現在の構成が、前記切削エッジ(21、22)を用いての前記マシン(90)のオペレーションのために最適化されているかを判定すること(S6)をさらに含む、請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記マシン(90)のオペレーションを、前記切削エッジ情報データ(1ceID、2ceID)に関連付けられている前記切削エッジ(21、22)を用いて行うこと(S7)と、
前記マシン(90)のオペレーション中に、センサデータを取得するよう構成されているセンサの少なくとも第1のマシンオペレーションセンサデータ(1mosD、2mosD)を取得すること(S8)と、
前記切削エッジ情報データ(1ceID、2ceID)と前記少なくとも第1のマシンオペレーションセンサデータ(1mosD、2mosD)とを示す第2の関連データ(2AD)を生成すること(S9)と、
をさらに含む、請求項8から請求項11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも第1の関連データ(1AD、2AD)を
、処理回路(102a、102b、102c)と前記リーダデバイス(10a、10b、10c)とに動作可能に接続されているメモリ(101a、101b、101c)に保存すること(S11)と、
前記少なくとも第1の関連データ(1AD、2AD)を、前記メモリ(101a、101b、101c)から、切削エッジ(21、22)の識別マーカ(41、42)を前記リーダデバイス(10a、10b、10c)により読み出すことにより取得し、前
記識別マーカ(41、42)をデコードし、前記切削エッジ情報データ(1ceID、2ceID)を判定すること(S12)と、
をさらに含む、請求項8から請求項12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記リーダデバイス(10a、10b、10c)は、前記切削ツール(20)が前記マシン(90)に挿入される際に、前記切削ツール(20)の複数の切削エッジ(21、22)の複数の識別マーカ(41、42)を検出して読み出すよう構成されており
、処理回路(102a、102b、102c)は
、システム(100)に、前記マシン(90)の前記オペレーションにおいて使用される1つの切削エッジ(21、22)の1つの識別マーカ(41、42)のみを選択するリクエストを生成させるようさらに構成されている、請求項8から請求項13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
プログラム命令を含むコンピュータプログラムを有する非一時的コンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品(500)であって、前記コンピュータプログラムは、処理回路(102a、102b、102c)にロード可能であり、前記コンピュータプログラムが前記処理回路(102a、102b、102c)により実行されると、請求項8から請求項14のいずれか一項に記載の方法を実行するよう構成されている、コンピュータプログラム製品(500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、切り屑を除去しながらの加工の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
切削ツールは、一片の材料から切り屑を除去するために使用される1つ又はそれ以上の切削エッジを含み得る。典型的には、切削ツールは、切削ツールホルダに挿入され、マシンが、例えば、その一片の材料を処理するために、切削ツールホルダを切削ツールと共に回転させる。その一片の材料は、切削ツールの切削エッジがその一片の材料と接すると処理される。切削ツールは、切削ツールにより処理されているその一片の材料から切り屑を除去するために使用される1つ又はそれ以上の切削エッジを含み得る。切削エッジは、その一片の材料から切り屑を除去する際に摩耗する。切削ツールの1つの切削エッジ又は複数の切削エッジがある程度摩耗すると、その切削ツールは、交換しなければならない場合がある、又は、特定のタイプの処理には使用できなくなる。切削ツールの使用によって、例えば、処理されている一片の材料によって、及び、その一片の材料がどのように処理されるかによって、切削ツールの切削エッジは、特定の様式にて摩耗する。切削ツールが切削マシンにどのように挿入されるかによって、その切削ツールは、異なるオペレーションに使用できる。切削ツールがマシンに誤って挿入されると、切削ツールの寿命がより短くなり得る。特定の切削ツールに対しては、特定のマシン設定が望まれる。マシン設定が特定の切削ツールに対して正しくなければ、その特定の切削ツールの寿命がより短くなり得、これはまた、その特定の切削ツールによる一片の材料の処理に悪影響をおよぼし得る。
【発明の概要】
【0003】
今日、ツールを管理するために、各ツール上に識別マーキングを持つ切削ツールがある。切削ツールはしたがって識別できる。しかし、切削ツール上の切削エッジのトレーサビリティの容易な管理に対する要望がある。異なる切削エッジは異なって摩耗し得、特定の切削エッジが、特定の切削ツール上において機能不全となる場合がある。切削ツールの識別のみで、具体的な切削エッジについては何もわからないままでは、特定の切削エッジのトレーサビリティが援助されない。例えば、切削エッジの使用を改善するために、あらゆる切削エッジのトレーサビリティ、並びに、マシンによる処理に使用される際の切削エッジのトレーサビリティの管理に対する要望がある。また、特定の切削ツール、及び/又は、特定の切削ツールの特定の切削エッジに関するマシンオペレーション設定の管理に対する要望がある。正しいマシン設定は、切削エッジの寿命を改善し得、また、一片の材料の処理を改善し得る。また、オペレーショナルデータなどのデータの、具体的な切削エッジへの関連付けに対する要望がある。切削エッジの製造業者と、切削エッジのエンドカスタマと、の双方は、各切削エッジに関連付けられているオペレーションの詳細を理解することからの恩恵を、切削ツールの各切削エッジの寿命にわたって受ける。これらの詳細は、例えば、切削エッジを持つ切削ツールのエンドカスタマが、例えば、切削ツールを管理し、特定のオペレーションデータを、特定の切削エッジを持つ特定の切削ツールに関連付けることを援助し得る。
【0004】
本開示の目的は、従来技術における、上記に特定する欠点と、不都合な点と、の1つ又はそれ以上を、単一で、又は、いずれの組み合わせにて和らげ、軽減し、又は、無くすことを探し求める切削ツールと、システムと、方法と、コンピュータプログラム製品と、を提供することである。
【0005】
本開示は、少なくとも第1の切削エッジと、第1の切削エッジに配置された少なくとも第1の識別マーカと、を含み、少なくとも第1の識別マーカは、第1の切削エッジ情報データに関連付けられているマシン可読コードである、切削ツールを提案する。これは、少なくとも第1の切削エッジを、第1の切削エッジ情報データを使用して特定できることを意味する。
【0006】
1つの態様によると、切削ツールは、第2の切削エッジと、第2の切削エッジに配置された第2の識別マーカと、をさらに含み、第2の識別マーカは、第2の切削エッジ情報データに関連付けられているマシン可読コードである。これは、第1の切削エッジを、第1の切削エッジ情報データを使用して特定でき、第2の切削エッジを、第2の切削エッジ情報データを使用して特定できることを意味する。
【0007】
1つの態様によると、第1の識別マーカは、第1の識別マーカから第2の切削エッジまでの距離より短い、第1の切削エッジまでの距離にて、切削ツール上に配置されており、第2の識別マーカは、第2の識別マーカから第1の切削エッジまでの距離より短い、第2の切削エッジまでの距離にて、切削ツール上に配置されている。識別マーカのこの配置の1つの利点は、したがって、オペレータ又はマシンが、特定の識別マーカに関連付けられているのはどの切削エッジかを判定できることである。
【0008】
1つの態様によると、少なくとも第1の識別マーカは、二次元コード、三次元コード、クイックレスポンス(Quick Response又はQR)コード画像、大容量色付き二次元コード(High Capacity Colored Two Dimensional Code又はHCCTDC)、ヨーロッパ商品識別(European Article Number又はEAN)コード、DataMatrixコード、又はMaxiCodeの少なくともいずれ、又は、これらの少なくともいずれの組み合わせである。これは、少なくとも第1の識別マーカが、マシンにより、切削ツール上において視覚的に可読であり、例えば、切削ツールを扱うオペレータにより視覚的に検出可能でもあることを意味する。
【0009】
本開示は、マシンのオペレーションを管理し、マシンのオペレーションにおいて使用される切削ツールの切削エッジの使用をトレースするためのシステムをさらに提案する。このシステムは、少なくとも第1の識別マーカを検出して読み出すよう構成されているリーダデバイスを含む。このシステムは、リーダデバイスに動作可能に接続されており、システムに、マシンに挿入されている切削ツールの切削エッジの識別マーカをリーダデバイスにより読み出させるよう構成されている処理回路をさらに含む。この処理回路は、システムに、識別マーカをデコードさせ、切削エッジに関連付けられている切削エッジ情報データを判定させ、マシンのオペレーションに関連付けられているマシンオペレーションデータをマシンから取得させ、切削エッジ識別データとマシンオペレーションとを示す第1の関連データを生成させるようさらに構成されている。第1の関連データの利点は、切削エッジの使用を、特定のマシンオペレーションデータにトレースできることである。これは、例えば、切削エッジを、切削ツールがマシンに特定の時点にて挿入される際に、特定のオペレーションに関連付けてトレースできることを意味する。
【0010】
1つの態様によると、処理回路は、システムに、切削ツールがマシンに挿入される際に、マシンのオペレーションにおいて使用される切削エッジに配置された1つの識別マーカをリーダデバイスにより検出させるようさらに構成されている。切削エッジに配置された1つの識別マーカを検出することの利点は、切削ツールがマシンに特定の方法にて挿入される際に、特定の切削エッジが使用されることを判定できることである。
【0011】
1つの態様によると、処理回路は、システムに、切削エッジ情報データに基づいて、切削エッジ情報データに関連付けられている切削エッジを用いてのマシンのオペレーションのためにマシンを構成するためのマシン設定データを取得させるようさらに構成されている。これは、切削ツールがマシンに特定の方法にて挿入される際に使用される切削エッジと共に、マシンのオペレーションを最適化するマシン設定データを用いて、マシンを構成できることを意味する。
【0012】
1つの態様によると、処理回路は、システムに、切削エッジ情報データとマシンオペレーションデータとに基づいて、マシンの現在の構成が、切削エッジ情報データに関連付けられている切削エッジを用いてのマシンのオペレーションのために最適化されているか判定させるようさらに構成されている。換言すると、使用されている切削エッジがどれかについての知識を用いて、マシンの構成が、切削エッジと共に、オペレーションのために最適化されているか、又は、マシンを、他のマシン設定を用いて再構成する必要があるか、を判定できる。
【0013】
1つの態様によると、処理回路は、システムに、切削エッジ情報データに関連付けられている切削エッジを用いてマシンのオペレーションを行わせ、マシンのオペレーション中に、センサデータを取得するよう構成されているセンサの少なくとも第1のマシンオペレーションセンサデータを取得させ、切削エッジ情報データと少なくとも第1のマシンオペレーションセンサデータとを示す第2の関連データを生成させるようさらに構成されている。第2の関連データの利点は、切削エッジの使用を、特定のマシンオペレーションセンサデータにトレースできることである。これは、例えば、切削エッジを、切削ツールがマシンに特定の時点にてどのように挿入されたかによって、一片の材料の処理中の切削エッジの特定の温度に関連付けてトレースできることを意味する。
【0014】
1つの態様によると、リーダデバイスは、切削ツールがマシンに挿入される際に、切削ツールの1つの切削エッジの1つの識別マーカを検出して読み出すことのみに配置されている。切削ツールがマシンに挿入される際に、1つの識別マーカを検出して読み出すことのみに配置されたリーダデバイスを有することの利点は、複数の識別マーカを視覚可能にできるが、これらを、切削ツールがマシンに特定の時点にてどのように挿入されたかによって、リーダデバイスにより読み出すことから除外できることである。
【0015】
1つの態様によると、リーダデバイスは、切削ツールがマシンに挿入される際に、切削ツールの複数の切削エッジの複数の識別マーカを検出して読み出すよう構成されており、処理回路は、システムに、マシンのオペレーションにおいて使用される1つの切削エッジの1つの識別マーカのみを選択するリクエストを生成させるようさらに構成されている。これは、複数の識別マーカを、リーダデバイスにより読み出すことができ、例えば、マシンのオペレータに、1つの識別マーカのみ選択すること、例えば、マシンに関連付けられているユーザインタフェースの入力を介して、マシンのオペレーションにおいて使用される1つの切削エッジの識別マーカを選択することをリクエストできることを意味する。
【0016】
本開示は、マシンのオペレーションを管理し、マシンのオペレーションにおいて使用される切削ツールの切削エッジの使用をトレースするための方法をさらに提案する。この方法は、マシンに挿入されている切削ツールの切削エッジの識別マーカをリーダデバイスにより読み出すことと、識別マーカをデコードし、切削エッジに関連付けられている切削エッジ情報データを判定することと、を含む。この方法は、マシンのオペレーションに関連付けられているマシンオペレーションデータをマシンから取得することと、切削エッジ情報データとマシンオペレーションデータとを示す第1の関連データを生成することと、をさらに含む。第1の関連データの利点は、切削エッジの使用を、特定のマシンオペレーションデータにトレースできることである。これは、例えば、切削エッジを、切削ツールがマシンに特定の時点にて挿入される際に、特定のオペレーションに関連付けてトレースできることを意味する。
【0017】
1つの態様によると、この方法は、切削ツールがマシンに挿入される際に、マシンのオペレーションにおいて使用される切削エッジに配置された1つの識別マーカをリーダデバイスにより検出することをさらに含む。切削エッジに配置された1つの識別マーカを検出することの利点は、切削ツールがマシンに特定の方法にて挿入される際に、特定の切削エッジが使用されることを判定できることである。
【0018】
1つの態様によると、この方法は、切削エッジ情報データに基づいて、切削エッジ情報データに関連付けられている切削エッジを用いてのオペレーションのためにマシンを構成するためのマシン設定データを取得することをさらに含む。これは、切削ツールがマシンに特定の方法にて挿入される際に使用される切削エッジと共に、マシンのオペレーションを最適化するマシン設定データを用いて、マシンを構成できることを意味する。
【0019】
1つの態様によると、この方法は、切削エッジ情報データとマシンオペレーションデータとに基づいて、マシンの現在の構成が、少なくとも第1の切削エッジを用いてのマシンのオペレーションのために最適化されているか判定することをさらに含む。換言すると、使用されている切削エッジがどれかについての知識を用いて、マシンの構成が、切削エッジと共に、オペレーションのために最適化されているか、又は、マシンを、他のマシン設定を用いて再構成する必要があるか、を判定できる。
【0020】
1つの態様によると、この方法は、切削エッジ情報データに関連付けられている切削エッジを用いてマシンのオペレーションを行うことと、マシンのオペレーション中に、センサデータを取得するよう構成されているセンサの少なくとも第1のマシンオペレーションセンサデータを取得することと、切削エッジ情報データと少なくとも第1のマシンオペレーションセンサデータとを示す第2の関連データを生成することと、をさらに含む。これは、例えば、切削エッジを、切削ツールがマシンに特定の時点にてどのように挿入されたかによって、一片の材料の処理中の切削エッジの特定の温度に関連付けてトレースできることを意味する。
【0021】
1つの態様によると、この方法は、少なくとも第1の関連データを、処理回路とリーダデバイスとに動作可能に接続されているメモリに保存することと、少なくとも第1の関連データを、メモリから、切削エッジの識別マーカをリーダデバイスにより読み出すことにより取得し、切削ツール識別マーカをデコードし、切削エッジ情報データを判定することと、をさらに含む。これは、他のものの中で、切削エッジの特定の識別マーカを用いての切削ツールへのアクセスを有することにより、切削ツールがマシンに特定の時点にてどのように挿入されたかによって、切削エッジのオペレーションに関連付けられている複数のデータをトレースするために、メモリから少なくとも第1の関連データを取得するよう、リーダデバイスを使用できることを意味する。
【0022】
1つの態様によると、リーダデバイスは、切削ツールがマシンに挿入される際に、切削ツールの複数の切削エッジの複数の識別マーカを検出して読み出すよう構成されており、処理回路は、システムに、マシンのオペレーションにおいて使用される複数の切削エッジの1つの、1つの識別マーカのみを選択するリクエストを生成させるようさらに構成されている。これは、複数の識別マーカを、リーダデバイスにより読み出すことができ、例えば、マシンのオペレータに、1つの識別マーカのみ選択すること、例えば、マシンに関連付けられているユーザインタフェースの入力を介して、マシンのオペレーションにおいて使用される1つの切削エッジの識別マーカを選択することをリクエストできることを意味する。
【0023】
本開示は、プログラム命令を含むコンピュータプログラムを有する非一時的コンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品をさらに提案する。コンピュータプログラムは、処理回路にロード可能であり、そのコンピュータプログラムが処理回路によって実行されると、本方法と、本方法のいずれの態様と、を実行するよう構成されている。
【0024】
上述することは、添付の図面に示すような、例示的実施形態のより具体的な以下の説明から明らかとなるであろう。添付の図面では、同様の参照記号は、異なる図を通して同じ部分を示す。図面は必ずしも原寸通りではなく、これらの例示的実施形態を示すことにおいて強調されている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1a-1d】
図1aから
図1dは、本開示のいくつかの態様に係る異なる切削ツールを示す。
【
図2a-2d】
図2aから
図2dは、本開示のいくつかの態様に係る異なるシステムを示す。
【
図3】
図3は、本開示のいくつかの態様に係る方法ステップのフローチャートを示す。
【
図4】
図4は、本開示のいくつかの態様に係るコンピュータプログラム製品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の態様を、添付の図面を参照してより詳細に以下に説明する。以下に開示するこれらの方法とデバイスとは、しかし、多くの異なる形態にて実現でき、下記の態様に限定されるものと理解すべきではない。図中の類似の参照番号は、これらの図面を通して、同様の要素を示す。
【0027】
ここに使用する用語は、本開示の特定の態様を説明することのみを目的としており、本開示を限定することを意図していない。ここで使用されるように、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、そのコンテキストがさもなければ明確に示さない限りは、複数形を同様に含むことが意図されている。
【0028】
いくつかの実装では、及び、本開示のいくつかの態様によると、ブロックに記す機能又はステップは、動作図に記す順序以外に生じ得る。例えば、連続して示す2つのブロックは実際に、実質的に同時に実行され得るか、又は、関連する機能/行為によっては、これらのブロックが時に反対の順序にて実行されて得る。
【0029】
図面及び明細書では、本開示の例示的態様を開示する。しかし、これらの態様には、本開示の原理から実質的に離れることなく、多くの変形及び変更を行うことができる。したがって、本開示は、制限的なものではなく、実例となるものとみなされるべきであり、上述する特定の態様に限定されない。結果として、具体的な用語を採用しているものの、これらは、包括的かつ説明的な意味のみにおいて使用され、限定することを目的としていない。
【0030】
「含む(comprising)」という語句は、一覧するそれら以外の他の要素又はステップの存在を必ずしも除外せず、ある要素の前に置かれる「a」又は「an」という語句は、複数のそのような要素の存在を除外しないことに留意すべきである。いずれの参照記号も、特許請求の範囲を限定せず、例示的実施形態は、ハードウェア及びソフトウェアの双方を少なくとも部分的に用いて実装されてよく、各種の「手段(means)」、「ユニット(unit)」、又は「デバイス(device)」が、ハードウェアと同じアイテムにより表されてよいことにさらに留意すべきである。
【0031】
切削ツール上の切削エッジのトレーサビリティの容易な管理に対する要望がある。異なる切削エッジは異なって摩耗し得、特定の切削エッジが、特定の切削ツール上において機能不全となる場合がある。切削ツールの識別のみで、具体的な切削エッジについては何もわからないままでは、特定の切削エッジのトレーサビリティが援助されない。例えば、切削エッジの使用を改善するために、あらゆる切削エッジのトレーサビリティ、並びに、マシンによる処理に使用される際の切削エッジのトレーサビリティの管理に対する要望がある。また、特定の切削ツール、及び/又は、特定の切削ツールの特定の切削エッジに関するマシンオペレーション設定の管理に対する要望がある。正しいマシン設定は、切削エッジの寿命を改善し得、また、一片の材料の処理を改善し得る。また、オペレーショナルデータなどのデータの、具体的な切削エッジへの関連付けに対する要望がある。切削エッジの製造業者と、切削エッジのエンドカスタマと、の双方は、各切削エッジに関連付けられているオペレーションの詳細を理解することからの恩恵を、切削ツールの各切削エッジの寿命にわたって受ける。これらの詳細は、例えば、切削エッジを持つ切削ツールのエンドカスタマが、例えば、切削ツールを管理し、特定のオペレーションデータを、特定の切削エッジを持つ特定の切削ツールに関連付けることを援助し得る。
【0032】
本開示の目的は、従来技術における、上記に特定する欠点と、不都合な点と、の1つ又はそれ以上を、単一で、又は、いずれの組み合わせにて和らげ、軽減し、又は、無くすことを探し求める切削ツールと、システムと、方法と、コンピュータプログラム製品と、を提供することである。
【0033】
本開示は、少なくとも第1の切削エッジと、第1の切削エッジに配置された少なくとも第1の識別マーカと、を含み、少なくとも第1の識別マーカは、第1の切削エッジ情報データに関連付けられているマシン可読コードである、切削ツールを提案する。これは、少なくとも第1の切削エッジを、第1の切削エッジ情報データを使用して特定できることを意味する。
【0034】
1つの態様によると、切削ツールは、第2の切削エッジと、第2の切削エッジに配置された第2の識別マーカと、をさらに含み、第2の識別マーカは、第2の切削エッジ情報データに関連付けられているマシン可読コードである。これは、第1の切削エッジを、第1の切削エッジ情報データを使用して特定でき、第2の切削エッジを、第2の切削エッジ情報データを使用して特定できることを意味する。
【0035】
切削ツールの1つの態様によると、第1の識別マーカは、第1の識別マーカから第2の切削エッジまでの距離より短い、第1の切削エッジまでの距離にて、切削ツール上に配置されており、第2の識別マーカは、第2の識別マーカから第1の切削エッジまでの距離より短い、第2の切削エッジまでの距離にて、切削ツール上に配置されている。識別マーカのこの配置の1つの利点は、したがって、オペレータ又はマシンが、特定の識別マーカに関連付けられているのはどの切削エッジかを判定できることである。
【0036】
1つの態様によると、少なくとも第1の識別マーカは、二次元コード、三次元コード、クイックレスポンス(Quick Response又はQR)コード画像、大容量色付き二次元コード(High Capacity Colored Two Dimensional Code又はHCCTDC)、ヨーロッパ商品識別(European Article Number又はEAN)コード、DataMatrixコード、又はMaxiCodeの少なくともいずれ、又は、これらの少なくともいずれの組み合わせである。これは、少なくとも第1の識別マーカが、マシンにより、切削ツール上において視覚的に可読であり、例えば、切削ツールを扱うオペレータにより視覚的に検出可能でもあることを意味する。
【0037】
本開示は、少なくとも第1の切削エッジ21と、第1の切削エッジ21に配置された少なくとも第1の識別マーカ41と、を含む切削ツール20を提案する。
図1aから
図1dは、本開示のいくつかの態様に係る異なる切削ツールを示す。異なる種類の切削ツールがある。切削ツールの例として、切削インサート、ミリングカッター、ソリッドエンドミル、旋削ツール、削孔ツール、ボーリングヘッド、リーミングツール、スレッド旋削ツール、スレッドミリングツール、及びスレッドタッピングツールなどが挙げられる。
【0038】
少なくとも第1の識別マーカ41は、第1の切削エッジ情報データ1ceIDに関連付けられているマシン可読コードである。これは、少なくとも第1の切削エッジ21を、第1の切削エッジ情報データ1ceIDを使用して特定できることを意味する。1つの態様によると、切削エッジ情報データは、固有のアイデンティティである。1つの態様によると、切削エッジ情報データは、数字、及び/又は、図と文字との組み合わせである。1つの態様によると、切削エッジ情報データは、シリアルナンバーである。切削ツール20が製品寿命においてどのポイントにあるかによって、切削エッジ情報データは、以下にさらに詳述する、さらなる情報を含んでよい。
【0039】
図1dに示す切削ツール20は、第1の切削エッジ21と、第1の切削エッジ21に配置された第1の識別マーカ41と、を含む。1つの態様によると、切削ツール20は、
図1aから
図1cに示すような複数の切削エッジを含む。
【0040】
1つの態様によると、切削ツール20は、第2の切削エッジ22と、第2の切削エッジ22に配置された第2の識別マーカ42と、をさらに含み、第2の識別マーカ42は、第2の切削エッジ情報データ2ceIDに関連付けられているマシン可読コードである。これは、第1の切削エッジ21を、第1の切削エッジ情報データ1ceIDを使用して特定でき、第2の切削エッジ22を、第2の切削エッジ情報データ2ceIDを使用して特定できることを意味する。換言すると、異なる切削エッジは異なる識別マーカを有し、各切削エッジを、個別の切削エッジ情報データに関連付けることができる。
【0041】
切削ツール20の1つの態様によると、第1の識別マーカ41は、第1の識別マーカ41から第2の切削エッジ22までの距離より短い、第1の切削エッジ21までの距離にて、切削ツール20上に配置されており、第2の識別マーカ42は、第2の識別マーカ42から第1の切削エッジ21までの距離より短い、第2の切削エッジ22までの距離にて、切削ツール20上に配置されている。これを、
図1aから
図1cに示す。識別マーカのこの配置の1つの利点は、オペレータ又はマシンが、特定の識別マーカに関連付けられているのはどの切削エッジかを判定できることである。オペレータは、特定の識別マーカが、特定の切削エッジに関連付けられていることを、切削ツールを目視することによって容易に判定できる。例えば、カメラセンサと画像処理とを利用するマシンもまた、特定の識別マーカが、特定の切削エッジに関連付けられていることを、例えば、切削エッジまでの距離を判定する物体認識を使用して判定できる。
【0042】
1つの態様によると、少なくとも第1の識別マーカ41は、二次元コード、三次元コード、クイックレスポンス(Quick Response又はQR)コード画像、大容量色付き二次元コード(High Capacity Colored Two Dimensional Code又はHCCTDC)、ヨーロッパ商品識別(European Article Number又はEAN)コード、DataMatrixコード、又はMaxiCodeの少なくともいずれ、又は、これらの少なくともいずれの組み合わせである。これは、少なくとも第1の識別マーカ41が、マシンにより、切削ツール20上において視覚的に可読であり、例えば、切削ツールを扱うオペレータにより視覚的に検出可能でもあることを意味する。
【0043】
1つの態様によると、少なくとも第1の識別マーカ41は、業界標準マシン可読コードである。1つの態様によると、少なくとも第1の識別マーカ41は、企業内部のマシン可読コードである。1つの態様によると、少なくとも第1の識別マーカ41は、オープンソースマシン可読コードである。
【0044】
1つの態様によると、少なくとも第1の識別マーカ41は、異なる色を使用して適用される。1つの態様によると、少なくとも第1の識別マーカ41は、切削ツールにて、切削エッジの近くにエッチングされる、又は、切削エッジの表面にエッチングされる。
【0045】
1つの態様によると、マシン可読コードと切削エッジ情報データとの間の関連は、具体的な識別マーカに対する既知のアルゴリズムにより画定される。1つの態様によると、切削エッジ情報データは、識別マーカの外観を判定する、具体的な識別マーカのための既知のアルゴリズムを使用してコード化される。
【0046】
本開示は、マシン90のオペレーションを管理し、マシン90のオペレーションにおいて使用される切削ツール20の切削エッジ21、22の使用をトレースするためのシステム100をさらに提案する。
図2aから
図2dは、本開示のいくつかの態様に係る異なるシステムを示す。マシン90を、
図2aから
図2dのそれぞれに示す。マシン90はしかし、サイズが異なっており、
図2aから
図2dに視覚化されていない異なるプロパティを有する。
図2aから
図2dでは、マシン90はまた、サイズを拡大した、マシン90の一部として見ることができる。異なるタイプのマシン90がある。1つの態様によると、マシン90は、切削ツール20及び/又は切削ツールホルダ30を受容するよう構成されているマシンである。1つの態様によると、切削ツール20は、
図2aから
図2dに示すように、切削ツールホルダ30に挿入される。1つの態様によると、切削ツールホルダ30は、マシン90による一片の材料の処理のために、切削ツール20を受容するよう構成されている。1つの態様によると、マシン90及び/又は切削ツールホルダ30は、切削ツール、切削インサート、ミリングカッター、ソリッドエンドミル、旋削ツール、削孔ツール、ボーリングヘッド、リーミングツール、スレッド旋削ツール、スレッドミリングツール、及びスレッドタッピングツールなどの少なくともいずれを受容及び/又は保持するよう構成されている。
【0047】
システム100は、少なくとも第1の識別マーカ41、42を検出して読み出すよう構成されているリーダデバイス10a、10b、10cを含む。システム100は、リーダデバイス10a、10b、10cに動作可能に接続されている処理回路102a、102b、102cをさらに含む。
【0048】
1つの態様によると、処理回路102a、102b、102cと、リーダデバイス10a、10b、10cと、は、電子デバイス1a、1b、1cに動作可能に接続されている。1つの態様によると、電子デバイス1a、1b、1cは、リーダデバイス10a、10b、10cに動作可能に接続されている処理回路102a、102b、102cを含む。
【0049】
1つの態様によると、リーダデバイス10a、10b、10cは、画像を取得するよう構成されている少なくとも1つのカメラを含む。リーダデバイス10a、10b、10cは、電子デバイス1a、1b、1cに統合されたコンポーネント、又は、スタンドアローンコンポーネントであってよい。1つの態様によると、電子デバイス1a、1b、1cは、リーダデバイス10a、10b、10cに接続されるよう構成されている。1つの態様によると、電子デバイス1a、1b、1cは、通信ネットワーク50に接続されるよう構成されている。
【0050】
図2aと
図2bとは、スマートフォン、タブレット、セルラーフォン、フィーチャーフォン、又はいずれの携帯電子デバイスの形態である電子デバイス1aを示す。1つの例では、
図2aと
図2bとに示すように、リーダデバイス10aは、スマートフォンのカメラである。
【0051】
一例では、電子デバイス1bは、
図2cに示すように、マシン90の一部である。
図2cに示す一例では、リーダデバイス10bは、電子デバイス1bに接続されており、マシン90の一部としてインストールされているスタンドアローンリーダデバイスである。1つの態様によると、電子デバイスは、
図2dに示すように、通信ネットワーク50を介してリーダデバイス10cに接続されたリモートサーバ1cである。
【0052】
1つの態様によると、電子デバイス1a、1b、1cは、メモリ101a、101b、101cをさらに含む。1つの態様によると、1つの電子デバイス1a、1b、1cは、
図2aから
図2dに示すように、通信ネットワーク50を介して別の電子デバイス1a、1b、1cに接続されるよう構成されている。
【0053】
1つの例では、通信ネットワーク50は、
図2aから
図2dに示すように、無線ローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Network又はWLAN)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Ultra-Wideband、近距離無線通信(Near Field Communication又はNFC)、無線自動識別(Radio Frequency Identification又はRFID)、又は同様のネットワークなどの、標準化された無線ローカルエリアネットワークである。1つの例では、通信ネットワーク50は、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(Global System for Mobile Communications又はGSM)、拡張GSM(Extended GSM)、汎用パケット無線サービス(General Packet Radio Service又はGPRS)、GSM進化型高速データレート(Enhanced Data Rates for GSM Evolution又はEDGE)、広帯域符号分割多重アクセス(Wideband Code Division Multiple Access又はWCDMA)、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution又はLTE)、狭帯域インターネットオブシングス(Narrowband-IoT)、5G、ワールドワイドインターオペラビリティフォーマイクロウェーブアクセス(Worldwide Interoperability for Microwave Access又はWiMAX)、ウルトラモバイルブロードバンド(Ultra Mobile Broadband又はUMB)、又は同様のネットワークなどの、標準化された無線ワイドエリアネットワークである。通信ネットワーク50はまた、ローカルエリアネットワークとワイドエリアネットワークとの双方の組み合わせとすることもできる。通信ネットワーク50はまた、有線ネットワークとすることもできる。1つの態様によると、通信ネットワーク50は、共通のインターネットプロトコル(Internet Protocol又はIP)により画定される。
【0054】
1つの態様によると、電子デバイス1a、1b、1cは、別の電子デバイス1a、1b、1cにおけるメモリ101a、101b、101cに、通信ネットワーク50を介して接続されるよう構成されている。
【0055】
1つの態様によると、処理回路102a、102b、102cは、電子デバイス1a、1b、1cに、ツール20aの切削エッジ21、22に配置された識別マーカ41、42をリーダデバイス10a、10b、10cにより検出させるよう構成されている。
【0056】
処理回路102a、102b、102cは、システム100に、マシン90に挿入されている切削ツール20の切削エッジ21、22の識別マーカ41、42をリーダデバイス10a、10b、10cにより読み出させるよう構成されている。
図2aから
図2dは、マシン90に挿入されている切削ツール20を示す。
【0057】
切削ツール20が、
図2aに示すように、マシン90に挿入される際に、1つの識別マーカ41のみが、リーダデバイス10a、10b、10cにより読み出されるよう、視覚可能となる。この例では、切削ツール20がマシン90に挿入される際に、インジケーションマーカ41に関連付けられている切削エッジ21が、マシンによる一片の材料の処理のために現在使用されている切削エッジであることが判定される。
【0058】
切削ツール20が、
図2bに示すように、マシン90に挿入される際に、複数の識別マーカ41、42が、リーダデバイス10a、10b、10cにより読み出されるよう、視覚可能となる。この例では、切削ツール20がマシン90に挿入される際に、インジケーションマーカ41、42に関連付けられている切削エッジ21、22の少なくとも1つが、マシンによる一片の材料の処理のために現在使用されていることが判定される。
【0059】
1つの態様によると、リーダデバイス10a、10b、10cは、切削ツール20がマシン90に挿入される際に、切削ツール20の1つの切削エッジ21、22の1つの識別マーカ41、42を検出して読み出すことのみに配置されている。切削ツール20がマシン90に挿入される際に、1つの識別マーカ41、42を検出して読み出すことのみに配置されたリーダデバイス10a、10b、10cを有することの利点は、複数の識別マーカ41、42を視覚可能にできるが、これらを、切削ツール20がマシンに特定の時点にてどのように挿入されたかによって、リーダデバイス10a、10b、10cにより読み出されることから除外できることである。
【0060】
切削ツール20が、
図2cと
図2dとに示すように、マシン90に挿入される際に、1つの識別マーカ42のみが、リーダデバイス10a、10b、10cにより読み出され得る。これらの例では、切削ツール20がマシン90に挿入される際に、インジケーションマーカ42に関連付けられている切削エッジ22が、マシンによる一片の材料の処理のために現在使用されている切削エッジであることが判定される。この例では、リーダデバイス10a、10b、10cは、切削ツールの1つの切削エッジの1つの識別マーカ、つまり、
図2cから
図2dにおいて「A」と示すエリアにて検出可能であり、可読である識別マーカを検出して読み出すことのみに配置されている。
【0061】
1つの態様によると、リーダデバイス10a、10b、10cは、切削ツール20がマシン90に挿入される際に、切削ツール20の画像認識を使用して、切削ツール20の1つの切削エッジ21、22の1つの識別マーカ41、42を検出して読み出すことのみに配置されている。1つの態様によると、切削ツール20の画像認識は、切削ツールの所定の画像に基づく。1つの態様によると、リーダデバイスは、切削ツール20の画像認識に基づいて、切削ツール20の特定の位置にある1つの切削エッジ21、22の識別マーカ41、42のみを読み出すよう構成されている。一例では、切削ツール20の予め定められたエリアのみが、切削ツール20の画像認識に基づいて、リーダデバイス10a、10b、10cにより読み出される。1つの態様によると、切削ツール20の画像認識は、機械学習に基づく。
【0062】
処理回路102a、102b、102cは、システム100に、識別マーカ41、42をデコードさせ、切削エッジ21、22に関連付けられている切削エッジ情報データ1ceID、2ceIDを判定させ、マシン90のオペレーションに関連付けられているマシンオペレーションデータ1mOD、2mODをマシン90から取得させ、切削エッジ識別データ1ceID、2ceIDとマシンオペレーションデータ1mOD、2mODとを示す第1の関連データ1ADを生成させるようさらに構成されている。
【0063】
1つの態様によると、第1の関連データ1ADは、時間情報データをさらに含む。一例では、第1の関連データ1ADは、第1の時点にてタイムスタンプされ、さらに、第2の時点にてタイムスタンプされる。換言すると、特定の時間又は特定の期間を、第1の関連データ1ADに関連付けることができる。1つの態様によると、第1の関連データ1ADは、メモリ101a、101b、101cに保存される。
【0064】
これは、例えば、特定の切削エッジ21、22が、切削ツール20により処理される一片の材料から切り屑を除去するために使用される際に、その処理に関連付けられているマシンオペレーションデータ1mOD、2mODが、切削エッジ識別データ1ceID、2ceIDに関連付けられることを意味する。第1の関連データ1ADはしたがって、特定の切削エッジ21、22が、特定の時間にて、又は、特定の期間中にどのように使用されたかをトレースすることに使用できる。一例では、特定の切削エッジ21、22の使用は、特定の切削エッジ21、22の将来の使用を判定するために使用される。一例では、第1の関連データ1ADは、特定の切削エッジ21、22が、特定の切削エッジ21、22にダメージを引き起こしたかもしれないオペレーションにさらされたかを判定することに使用できる。
【0065】
1つの態様によると、マシン90のオペレーションに関連付けられているマシンオペレーションデータ1mOD、2mODは、通信ネットワーク50を介して取得される。1つの態様によると、マシン90のオペレーションに関連付けられているマシンオペレーションデータ1mOD、2mODは、マシン90のオペレータによる、ユーザインタフェース400a、400b、400cを介してのマシンオペレーションデータ1mOD、2mODの入力を介して取得される。
【0066】
1つの態様によると、切削エッジ情報データは、切削エッジ識別データである。第1の関連データ1ADの利点は、切削エッジ21、22の使用を、特定のマシンオペレーションデータ1mOD、2mODにトレースできることである。これは、例えば、切削エッジ21、22を、切削ツール20がマシンに特定の時点にて挿入される際に、特定のオペレーションに関連付けてトレースできることを意味する。
【0067】
1つの態様によると、処理回路102a、102b、102cは、システム100に、切削ツール20がマシン90に挿入される際に、マシン90のオペレーションにおいて使用される切削エッジ21、22に配置された1つの識別マーカ41、42をリーダデバイス10a、10b、10cにより検出させるようさらに構成されている。切削エッジ21、22に配置された1つの識別マーカ41、42を検出することの利点は、切削ツール20がマシンに特定の方法にて挿入される際に、特定の切削エッジ21、22が使用されることを判定できることである。
【0068】
1つの態様によると、処理回路102a、102b、102cは、システム100に、切削エッジ情報データ1ceID、2ceIDに基づいて、切削エッジ情報データ1ceID、2ceIDに関連付けられている切削エッジ21、22を用いてのマシン90のオペレーションのためにマシン90を構成するためのマシン設定データ1mSD、2mSDを取得させるようさらに構成されている。これは、切削ツール20がマシンに特定の方法にて挿入される際に使用される切削エッジ21、22と共に、マシン90のオペレーションを最適化するマシン設定データ1mSD、2mSDを用いて、マシン90を構成できることを意味する。
【0069】
1つの態様によると、マシン設定データ1mSD、2mSDは、メモリ101a、101b、101cから取得され、切削エッジ21、22と共に、マシン90のオペレーションを最適化するマシン設定データ1mSD、2mSDを用いてマシンを自動的に構成するために、マシン90に転送される。
【0070】
1つの態様によると、マシン設定データ1mSD、2mSDは、メモリ101a、101b、101cから取得され、切削エッジ21、22と共に、マシン90のオペレーションを最適化するマシン設定データ1mSD、2mSDを用いてマシンを自動的に構成するために、ユーザインタフェース400a、400b、400cを介してオペレータに提示される。
【0071】
1つの態様によると、処理回路102a、102b、102cは、システム100に、切削エッジ情報データ1ceID、2ceIDとマシンオペレーションデータ1mOD、2mODとに基づいて、マシン90の現在の構成が、切削エッジ情報データ1ceID、2ceIDに関連付けられている切削エッジ21、22を用いてのマシン90のオペレーションのために最適化されているか判定させるようさらに構成されている。換言すると、使用されている切削エッジ21、22がどれかについての知識を用いて、マシン90の構成が、切削エッジ21、22と共に、オペレーションのために最適化されているか、又は、マシン90を、他のマシン設定を用いて再構成する必要があるか、を判定できる。一例では、マシン90が、切削エッジ21、22と共に、オペレーションのために最適化されていないことが判定されると、マシンのオペレータは、ユーザインタフェース400a、400b、400cを介して促される。一例では、マシン90のオペレータは、マシン90のオペレーションを最適化するために、異なる切削エッジを使用するよう指示される。さらなる例では、オペレータは、切削ツール20がマシン90又はツールホルダ30に正しく挿入されていないことを促される。一例では、特定の識別マーカ41、42は、切削ツール20がツールホルダ30又はマシン90に挿入されるまで、リーダデバイス10a、10b、10cにより可読であるべきではなく、これは続いて、切削ツールがマシン90又はツールホルダ30に正しく挿入されたことのインジケーションとなる。
【0072】
一例では、マシン90が、切削エッジ21、22と共に、オペレーションのために最適化されていないことが判定されると、マシンは作動不可となる。1つの態様によると、マシン90が、切削エッジ21、22と共に、オペレーションのために最適化されていないことを判定することにおいて、マシン90のオペレーションのためにマシン90を構成するためのマシン設定データ1mSD、2mSDが取得され、ユーザインタフェース400a、400b、400cを介してマシン90のオペレータに提示される。
【0073】
1つの態様によると、処理回路102a、102b、102cは、システム100に、切削エッジ情報データ1ceID、2ceIDに関連付けられている切削エッジ21、22を用いてマシン90のオペレーションを行わせ、マシン90のオペレーション中に、センサデータを取得するよう構成されているセンサ55の少なくとも第1のマシンオペレーションセンサデータ1mosD、2mosDを取得させ、切削エッジ情報データ1ceID、2ceIDと少なくとも第1のマシンオペレーションセンサデータ1mosD、2mosDとを示す第2の関連データ2ADを生成させるようさらに構成されている。1つの態様によると、センサ55は、マシンのオペレーション中にマシンオペレーションセンサデータ1mosD、2mosDを取得するよう構成されている、スタンドアローンセンサ、又は、マシンに統合されたセンサのいずれである。1つの態様によると、マシンオペレーションセンサデータ1mosD、2mosDは、切削エッジ21、22の環境の測定に基づく。一例では、マシンオペレーションセンサデータ1mosD、2mosDは、温度測定データ、気圧測定データ、粒子測定データ、及び画像センサデータのいずれである。一例では、マシンオペレーションセンサデータ1mosD、2mosDは、マシン90のマシンオペレーションデータ1mOD、2mODを確認及び/又は立証するために使用される実トルク測定データ、毎分あたりの実回転数データ、実際の力測定データのいずれである。
【0074】
1つの態様によると、第2の関連データ2ADは、時間情報データをさらに含む。一例では、第2の関連データ2ADは、第1の時点にてタイムスタンプされ、さらに、第2の時点にてタイムスタンプされる。換言すると、特定の時間又は特定の期間を、第2の関連データ2ADに関連付けることができる。1つの態様によると、第2の関連データ2ADは、メモリ101a、101b、101cに保存される。
【0075】
第2の関連データ2ADの利点は、切削エッジ21、22の使用を、特定のマシンオペレーションセンサデータ1mosD、2mosDにトレースできることである。これは、例えば、切削エッジ21、22を、切削ツール20がマシンに特定の時点にてどのように挿入されたかによって、一片の材料の処理中の切削エッジ21、22の特定の温度に関連付けてトレースできることを意味する。
【0076】
1つの態様によると、リーダデバイス10a、10b、10cは、切削ツール20がマシン90に挿入される際に、切削ツール20の複数の切削エッジ21、22の複数の識別マーカ41、42を検出して読み出すよう構成されており、処理回路102a、102b、102cは、システム100に、マシン90のオペレーションにおいて使用される1つの切削エッジ21、22の1つの識別マーカ41、42のみを選択するリクエストを生成させるようさらに構成されている。これは、複数の識別マーカ41、42を、リーダデバイス10a、10b、10cにより読み出すことができ、例えば、マシン90のオペレータに、1つの識別マーカ41、42のみ選択すること、例えば、マシン90に関連付けられているユーザインタフェース400a、400b、400cの入力を介して、マシン90のオペレーションにおいて使用される1つの切削エッジ21、22の識別マーカ41、42を選択することをリクエストできることを意味する。
【0077】
図2aから
図2bに示す例では、スマートフォンのカメラが、リーダデバイス10aとして使用される。
図2bに示す例では、リーダデバイス10aは、切削ツール20がマシン90に挿入される際に、切削ツール20の複数の切削エッジ21、22の複数の識別マーカ41、42を検出して読み出す。正しい使用データを生成するために、使用されている切削エッジ21が、使用されている切削エッジとして選択される必要がある。一例では、マシンのオペレータは、スマートフォンのユーザインタフェース400aを介して、マシン90のオペレーションにおいて使用される切削エッジがどれかを示すよう促される。
【0078】
本開示は、マシン90のオペレーションを管理し、マシン90のオペレーションにおいて使用される切削ツール20の切削エッジ21、22の使用をトレースするための方法をさらに提案する。この方法は、マシン90に挿入されている切削ツール20の切削エッジ21、22の識別マーカ41、42をリーダデバイス10a、10b、10cにより読み出すステップS2と、識別マーカ41、42をデコードし、切削エッジ21、22に関連付けられている切削エッジ情報データ1ceID、2ceIDを判定するステップS3と、を含む。この方法は、マシン90のオペレーションに関連付けられているマシンオペレーションデータ1mOD、2mODをマシン90から取得するステップS5と、切削エッジ情報データ1ceID、2ceIDとマシンオペレーションデータ1mOD、2mODとを示す第1の関連データ1ADを生成するステップS10と、をさらに含む。第1の関連データ1ADの利点は、切削エッジ21、22の使用を、特定のマシンオペレーションデータ1mOD、2mODにトレースできることである。これは、例えば、切削エッジ21、22を、切削ツール20がマシンに特定の時点にて挿入される際に、特定のオペレーションに関連付けてトレースできることを意味する。
【0079】
1つの態様によると、この方法は、切削ツール20がマシン90に挿入される際に、マシン90のオペレーションにおいて使用される切削エッジ21、22に配置された1つの識別マーカ41、42をリーダデバイス10a、10b、10cにより検出するステップS1をさらに含む。切削エッジ21、22に配置された1つの識別マーカ41、42を検出することの利点は、切削ツール20がマシンに特定の方法にて挿入される際に、特定の切削エッジ21、22が使用されることを判定できることである。
【0080】
1つの態様によると、この方法は、切削エッジ情報データ1ceID、2ceIDに基づいて、切削エッジ情報データ1ceID、2ceIDに関連付けられている切削エッジ21、22を用いてのオペレーションのためにマシン90を構成するためのマシン設定データ1mSD、2mSDを取得するステップS4をさらに含む。これは、切削ツール20がマシンに特定の方法にて挿入される際に使用される切削エッジ21、22と共に、マシン90のオペレーションを最適化するマシン設定データ1mSD、2mSDを用いて、マシン90を構成できることを意味する。
【0081】
1つの態様によると、この方法は、切削エッジ情報データ1ceID、2ceIDとマシンオペレーションデータ1mOD、2mODとに基づいて、マシン90の現在の構成が、少なくとも第1の切削エッジ21、22を用いてのマシン90のオペレーションのために最適化されているか判定するステップS6をさらに含む。換言すると、使用されている切削エッジ21、22がどれかについての知識を用いて、マシン90の構成が、切削エッジ21、22と共に、オペレーションのために最適化されているか、又は、マシン90を、他のマシン設定を用いて再構成する必要があるか、を判定できる。
【0082】
1つの態様によると、この方法は、切削エッジ情報データ1ceID、2ceIDに関連付けられている切削エッジ21、22を用いてマシン90のオペレーションを行うステップS7と、マシン90のオペレーション中に、センサデータを取得するよう構成されているセンサの少なくとも第1のマシンオペレーションセンサデータ1mosD、2mosDを取得するステップS8と、切削エッジ情報データ1ceID、2ceIDと少なくとも第1のマシンオペレーションセンサデータ1mosD、2mosDとを示す第2の関連データ2ADを生成するステップS9と、をさらに含む。これは、例えば、切削エッジ21、22を、切削ツール20がマシンに特定の時点にてどのように挿入されたかによって、一片の材料の処理中の切削エッジ21、22の特定の温度に関連付けてトレースできることを意味する。
【0083】
1つの態様によると、この方法は、少なくとも第1の関連データ1AD、2ADを、処理回路102a、102b、102cとリーダデバイス10a、10b、10cとに動作可能に接続されているメモリ101a、101b、101cに保存するステップS11と、少なくとも第1の関連データ1AD、2ADを、メモリ101a、101b、101cから、切削エッジ21、22の識別マーカ41、42をリーダデバイス10a、10b、10cにより読み出すことにより取得し、切削ツール識別マーカ41、42をデコードし、切削エッジ情報データ1ceID、2ceIDを判定するステップS12と、をさらに含む。これは、他のものの中で、切削エッジ21、22の特定の識別マーカ41、42を用いての切削ツール20へのアクセスを有することにより、切削ツール20がマシンに特定の時点にてどのように挿入されたかによって、切削エッジ21、22のオペレーションに関連付けられている複数のデータをトレースするために、メモリ101a、101b、101cから少なくとも第1の関連データ1AD、2ADを取得するよう、リーダデバイス10a、10b、10cを使用できることを意味する。一例では、少なくとも第1の関連データ1AD、2ADは、メモリ101a、101b、101cから取得され、ユーザインタフェース400a、400b、400cを介してオペレータに提示される。一例では、少なくとも第1の関連データ1AD、2ADは、ユーザインタフェース400a、400b、400cを介してオペレータにより入力された切削エッジ情報データ1ceID、2ceIDに基づくリクエストにより、メモリ101a、101b、101cから取得される。
【0084】
1つの態様によると、リーダデバイス10a、10b、10cは、切削ツール20がマシン90に挿入される際に、切削ツール20の複数の切削エッジ21、22の複数の識別マーカ41、42を検出して読み出すよう構成されており、処理回路102a、102b、102cは、システム100に、マシン90のオペレーションにおいて使用される複数の切削エッジ21、22の1つの、1つの識別マーカ41、42のみを選択するリクエストを生成させるようさらに構成されている。これは、複数の識別マーカ41、42を、リーダデバイス10a、10b、10cにより読み出すことができ、例えば、マシン90のオペレータに、1つの識別マーカ41、42のみ選択すること、例えば、マシン90に関連付けられているユーザインタフェース400a、400b、400cの入力を介して、マシン90のオペレーションにおいて使用される1つの切削エッジ21、22の識別マーカ41、42を選択することをリクエストできることを意味する。
【0085】
本開示は、
図4に示すような、プログラム命令を含むコンピュータプログラムを有する非一時的コンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品500をさらに提案する。コンピュータプログラムは、処理回路102a、102b、102cにロード可能であり、そのコンピュータプログラムが処理回路102a、102b、102cによって実行されると、本方法と、本方法のいずれの態様と、を実行するよう構成されている。
【0086】
1つの態様によると、処理回路102a、102b、102cは、システム100に、上記の方法のいずれ又はそれ以上の態様を実行させるようさらに構成されている。図面及び明細書では、例示的実施形態を開示する。しかし、これらの実施形態には、多くの変形及び変更を行うことができる。結果として、具体的な用語を採用しているものの、これらは、包括的かつ説明的な意味において使用され、以下の特許請求の範囲により画定される実施形態の範囲を限定することを目的としていない。