(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】2ステップのランダムアクセス方法、装置、端末及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 74/0836 20240101AFI20241205BHJP
【FI】
H04W74/0836
(21)【出願番号】P 2021578087
(86)(22)【出願日】2019-08-15
(86)【国際出願番号】 CN2019100872
(87)【国際公開番号】W WO2021026919
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-07-21
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18 Haibin Road,Wusha, Chang’an,Dongguan, Guangdong 523860 China
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100203105
【氏名又は名称】江口 能弘
(72)【発明者】
【氏名】シー コン
【審査官】本橋 史帆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0368167(US,A1)
【文献】OPPO,MsgB contents and formats in 2-step RACH[online],3GPP TSG RAN WG2 #106 R2-1905600,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_106/Docs/R2-1905600.zip>,2019年05月02日
【文献】Samsung,Procedure for Two-step RACH[online],3GPP TSG RAN WG1 #97 R1-1906906,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_97/Docs/R1-1906906.zip>,2019年05月03日
【文献】3GPP,3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; NR; Medium Access Control (MAC) protocol specification (Release 15)[online],3GPP TS 38.321 V15.6.0 (2019-06),https://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/38_series/38.321/38321-f60.zip,2019年06月29日,p.1, pp.32-34
【文献】Huawei, HiSilicon,Discussion on the contention resolution for 2-step RACH[online],3GPP TSG RAN WG2 #106 R2-19xxxxx,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_106/Docs/R2-1907728.zip>,2019年05月03日
【文献】Spreadtrum communications,Considerations on 2-step RACH procedure[online],3GPP TSG RAN WG1 #97 R1-1906367,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_97/Docs/R1-1906367.zip>,2019年05月02日
【文献】Email Discussion Rapporteur (ZTE),Procedures and mgsB content [105bis#30][NR/2-step RACH][online],3GPP TSG RAN WG2 #106 R2-1906308,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_106/Docs/R2-1906308 .zip>,2019年05月03日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2ステップのランダムアクセス方法であって、前記方法は、
トリガーイベントに基づいて2ステップのランダムアクセスをトリガーする場合、ユーザー機器UEは、前記UEのセルワイヤレスネットワークの一時的な識別子C-RNTIが載せられるメッセージAを送信することと、
前記UEはメッセージBを受信することと、
前記メッセージBが前記トリガーイベントに対応する条件を満たす場合、前記UEは前記2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されることを判定することと、を含み、
前記トリガーイベントは、
スケジューリング要求SR送信が失敗閾値に達すること、またはアップリンクデータが到着するが、前記アップリンクデータによってトリガーされたSRに対応するPUCCHリソースがないことを含み、
前記メッセージBが前記トリガーイベントに対応する条件を満たす場合、2ステップのランダムアクセスの衝突解決を判定することは、
前記UEは前記メッセージBの検出窓で前記C-RNTIによってスクランブリングされたPDCCHを検出し、且つ前記PDCCHにアップリンクスケジューリング認証が載せられると、前記2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されることを判定することを含み、
前記トリガーイベントは、
セカンダリセルのために時間同期を追加すること、又はダウンリンクデータが到着し、且つUEがアップリンクの非同期状態にあることを含み、
前記PDCCHはダウンリンク伝送をスケジューリングするために使用され、前記メッセージBが前記トリガーイベントに対応する条件を満たす場合、2ステップのランダムアクセスの衝突解決を判定することは、
前記UEは前記メッセージBの検出窓で前記C-RNTIによってスクランブリングされたPDCCHを検出することと、
前記UEは前記PDCCHによってスケジューリングされたダウンリンク伝送に基づきタイムアラインメントコマンドTACが載せられる第4のMAC CEが含まれる第3のMAC PDUをデコードし、前記2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されることを判定することと、を含み、
前記トリガーイベントは、
ビーム失敗回復を含み、
前記メッセージBが前記トリガーイベントに対応する条件を満たす場合、2ステップのランダムアクセスの衝突解決を判定することは、
前記UEは前記メッセージBの検出窓で前記C-RNTIによってスクランブリングされたPDCCHを検出すると、前記2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されることを判定することを
含み、
前記トリガーイベントは、
アップリンクデータが到着し、且つ前記UEがアップリンクの非同期状態にあること、又は、セルハンドオーバーを含み、
前記メッセージBが前記トリガーイベントに対応する条件を満たす場合、前記UEは2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されることを判定することは、
前記UEは前記メッセージBの検出窓で前記C-RNTIによってスクランブリングされた物理ダウンリンク制御チャネルPDCCHを検出することと、
前記PDCCHに従って、タイムアラインメントコマンドTACとアップリンクスケジューリング認証を受信し、前記2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されることを判定することと、を含み、
前記PDCCHはダウンリンク伝送をスケジューリングするために使用され、
前記PDCCHに従ってタイムアラインメントコマンドTACとアップリンクスケジューリング認証を受信し、前記2ステップのランダムアクセスチャネルの衝突が解決されることを判定することは、
前記UEは前記PDCCHによってスケジューリングされたダウンリンク伝送に基づき第1のメディアアクセス制御プロトコルデータユニットMAC PDUをデコードし、前記第1のMAC PDUに第1のメディアアクセス制御制御ユニットMAC CEが含まれ、前記第1のMAC CEに前記TACと前記アップリンクスケジューリング認証が載せられ、前記2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されることを判定すること、
または、
前記UEは前記PDCCHによってスケジューリングされたダウンリンク伝送に基づき、前記TACが載せられる第2のMAC CEと前記アップリンクスケジューリング認証が載せられる第3のMAC CEが含まれる第2のMAC PDUをデコードし、前記2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されることを判定することであって、前記アップリンクスケジューリング認証は新しいデータを送信するために使用されること、を含むことを特徴とする2ステップのランダムアクセス方法。
【請求項2】
2ステップのランダムアクセス方法であって、前記方法は、
アクセスネットワーク機器は、ユーザー端末UEがトリガーイベントに基づいて送信されたメッセージAを受信することと、
前記アクセスネットワーク機器は前記メッセージAの前記トリガーイベントに従って、前記トリガーイベントに対応する衝突解決条件を満たすメッセージBを生成することと、
前記アクセスネットワーク機器は前記メッセージBを送信することと、を含み、
前記トリガーイベントは、
スケジューリング要求SR送信が失敗閾値に達すること、またはアップリンクデータが到着するが、前記アップリンクデータによってトリガーされたSRに対応するPUCCHリソースがないことを含み、
前記アクセスネットワーク機器は前記メッセージBを送信することは、
前記C-RNTIによってスクランブリングされた、アップリンクスケジューリング認証が載せられるPDCCHを送信することを含み、
前記トリガーイベントは、
セカンダリセルのために時間同期を追加すること、又はダウンリンクデータが到着し、且つUEがアップリンクの非同期状態にあることを含み、
前記アクセスネットワーク機器は前記メッセージBを送信することは、
前記C-RNTIによってスクランブリングされた、ダウンリンク伝送をスケジューリングするためのPDCCHを送信することと、
前記PDCCHによってスケジューリングされたダウンリンク伝送に基づき、タイムアラインメントコマンドTACが載せられる第4のMAC CEを含む第3のMAC PDUを送信することと、を含み、
前記トリガーイベントは、
ビーム失敗回復を含み、
前記アクセスネットワーク機器は前記メッセージBを送信することは、
前記C-RNTIによってスクランブリングされたPDCCHを送信することを
含み、
前記トリガーイベントは、
アップリンクデータが到着し、且つUEがアップリンクの非同期状態にあること、又は、セルハンドオーバーを含み、
前記アクセスネットワーク機器は前記メッセージBを送信することは、
前記アクセスネットワーク機器は、前記C-RNTIによってスクランブリングされた、ダウンリンク伝送をスケジューリングするための物理ダウンリンク制御チャネルPDCCHを送信することと、
前記アクセスネットワーク機器は前記PDCCHに従ってタイムアラインメントコマンドTACとアップリンクスケジューリング認証を送信することと、を含み、
前記PDCCHに従ってタイムアラインメントコマンドTACとアップリンクスケジューリング認証を送信することは、
前記アクセスネットワーク機器は前記PDCCHによってスケジューリングされたダウンリンク伝送に基づき、前記TACと前記アップリンクスケジューリング認証が載せられる第1のMAC CEを含む第1のMAC PDUを送信すること、
または、
前記アクセスネットワーク機器は前記PDCCHによってスケジューリングされたダウンリンク伝送に基づき、前記TACが載せられる第2のMAC CEと前記アップリンクスケジューリング認証が載せられる第3のMAC CEを含む第2のMAC PDUを送信すること、を含むことを特徴とする2ステップのランダムアクセス方法。
【請求項3】
2ステップのランダムアクセス装置であって、前記装置は、
トリガーイベントに基づいて、UEのC-RNTIが載せられるメッセージAを送信するように配置される送信モジュールと、
メッセージBを受信するように配置される受信モジュールと、
前記メッセージBが前記トリガーイベントに対応する条件を満たす場合、2ステップのランダムアクセスの衝突解決を判定するように配置される処理モジュールと、を備え、
前記トリガーイベントは、
SR送信が失敗閾値に達すること、またはアップリンクデータが到着するが、前記アップリンクデータによってトリガーされたSRに対応するPUCCHリソースがないこと、を含み、
前記処理モジュールは、前記メッセージBの検出窓で前記C-RNTIによってスクランブリングされたPDCCHを検出し、且つ前記PDCCHにアップリンクスケジューリング認証が載せられると、前記2ステップのランダムアクセスチャネルの衝突が解決されることを判定するように配置され、
前記トリガーイベントは、
セカンダリセルのために時間同期を追加すること、又はダウンリンクデータが到着し、且つUEがアップリンクの非同期状態にあることを含み、
前記処理モジュールは、前記メッセージBの検出窓で前記C-RNTIによってスクランブリングされたPDCCHを検出するように配置され、
前記処理モジュールは、前記PDCCHによってスケジューリングされたダウンリンク伝送に基づき、タイムアラインメントコマンドTACが載せられる第4のMAC CEが含まれる第3のMAC PDUをデコードし、前記2ステップのランダムアクセスチャネルの衝突が解決されることを判定するように配置され、
前記トリガーイベントは、
ビーム失敗回復を含み、
前記処理モジュールは、前記メッセージBの検出窓で前記C-RNTIによってスクランブリングされたPDCCHを検出し、前記2ステップのランダムアクセスチャネルの衝突が解決されることを判定するように配置され
、
前記トリガーイベントは、
アップリンクデータが到着し、且つ前記UEがアップリンクの非同期状態にあること、又は、セルハンドオーバーを含み、
前記処理モジュールは、前記メッセージBが前記トリガーイベントに対応する条件を満たす場合、2ステップのランダムアクセスチャネルの衝突が解決されることを判定するように配置され、
前記処理モジュールは、前記メッセージBの検出窓で前記C-RNTIによってスクランブリングされた物理ダウンリンク制御チャネルPDCCHを検出するように配置され、
前記受信モジュールは、タイムアラインメントコマンドTACとアップリンクスケジューリング認証を受信するように配置され、
前記処理モジュールは、前記2ステップのランダムアクセスチャネルの衝突が解決されることを判定するように配置され、
前記PDCCHはダウンリンク伝送をスケジューリングするために使用され、
前記処理モジュールは、前記PDCCHによってスケジューリングされたダウンリンク伝送に基づき、前記TACと前記アップリンクスケジューリング認証が載せられる第1のメディアアクセス制御制御ユニットMAC CEが含まれる第1のメディアアクセスプロトコルデータユニットMAC PDUをデコードし、前記2ステップのランダムアクセスチャネルの衝突が解決されることを判定するように配置され、
または、
前記処理モジュールは、前記PDCCHによってスケジューリングされたダウンリンク伝送に基づき、前記TACが載せられる第2のMAC CEと前記アップリンクスケジューリング認証が載せられる第3のMAC CEが含まれる第2のMAC PDUをデコードし、前記2ステップのランダムアクセスチャネルの衝突が解決されることを判定するように配置され、前記アップリンクスケジューリング認証は新しいデータを送信するために使用されることを特徴とする2ステップのランダムアクセス装置。
【請求項4】
2ステップのランダムアクセス装置であって、前記装置は、
UEがトリガーイベントに基づいて送信された、前記UEのC-RNTIが載せられるメッセージAを受信するように配置される受信モジュールと、
前記メッセージAの前記トリガーイベントに基づきメッセージBを生成し、前記メッセージBが前記トリガーイベントに対応する衝突解決条件を満たすように配置される処理モジュールと、
前記トリガーイベントに対応する条件を満たす場合に2ステップのランダムアクセスの衝突解決を指示するためのメッセージBを送信するように配置される送信モジュールと、を備え、
前記トリガーイベントは、
スケジューリング要求SR送信が失敗閾値に達すること、またはアップリンクデータが到着するが、前記アップリンクデータによってトリガーされたSRに対応するPUCCHリソースがないことを含み、
前記送信モジュールは、前記C-RNTIによってスクランブリングされた、アップリンクスケジューリング認証が載せられるPDCCHを送信するように配置され、
前記トリガーイベントは、
セカンダリセルのために時間同期を追加すること、又はダウンリンクデータが到着し、且つUEがアップリンクの非同期状態にあることを含み、
前記送信モジュールは、前記C-RNTIによってスクランブリングされた、ダウンリンク伝送をスケジューリングするためのPDCCHを送信するように配置され、
前記送信モジュールは、前記PDCCHによってスケジューリングされたダウンリンク伝送に基づき、タイムアラインメントコマンドTACを送信するように配置され、
前記トリガーイベントは、
ビーム失敗回復を含み、
前記送信モジュールは、前記C-RNTIによってスクランブリングされたPDCCHを送信するように配置され
、
前記トリガーイベントは、
アップリンクデータが到着し、且つUEがアップリンクの非同期状態にあること、又は、セルハンドオーバーを含み、
前記送信モジュールは、前記C-RNTIによってスクランブリングされた、ダウンリンク伝送をスケジューリングするためのPDCCHを送信するように配置され、
前記送信モジュールは、前記PDCCHに従ってタイムアラインメントコマンドTACとアップリンクスケジューリング認証を送信するように配置され、
前記PDCCHに従ってタイムアラインメントコマンドTACとアップリンクスケジューリング認証を送信することは、以下の内容を含み、
前記送信モジュールは、前記PDCCHによってスケジューリングされたダウンリンク伝送に基づき、前記TACと前記アップリンクスケジューリング認証が載せられる第1のMAC CEを含む第1のMAC PDUを送信するように配置され、
または、
前記送信モジュールは、前記PDCCHによってスケジューリングされたダウンリンク伝送に基づき、前記TACが載せられる第2のMAC CEと前記アップリンクスケジューリング認証が載せられる第3のMAC CEを含む第2のMAC PDUを送信するように配置されることを特徴とする2ステップのランダムアクセス装置。
【請求項5】
通信端末であって、前記通信端末は、
プロセッサと、
前記プロセッサに接続されるトランシーバーと、を備え、
前記プロセッサは、請求項1に記載の2ステップのランダムアクセス方法を実現するように、実行可能な命令をロードして実行するように配置されることを特徴とする通信端末。
【請求項6】
通信機器であって、前記通信機器は、
プロセッサと、
前記プロセッサに接続されるトランシーバーと、を備え、
前記プロセッサは、請求項2に記載の2ステップのランダムアクセス方法を実現するように、実行可能な命令をロードして実行するように配置されることを特徴とする通信機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は移動通信分野に関し、特に2ステップのランダムアクセス方法、装置、端末及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ランダムアクセスチャネル(Random Access Channel、RACH)は、アクセスネットワーク機器とユーザー端末(User Equipment,UE)間の初期アクセスプロセスにおける重要なチャネルである。ロングタームエボリューション(Long-Term Evolution、LTE)は、競合ベースの4ステップ(4-step)ランダムアクセスメカニズムを使用して、ニューラジオ(New Radio、NR)システムのいくつかの使用シーンでは競合ベースの2ステップ(2-step)ランダムアクセスメカニズムに簡略化される。
【0003】
競合ベースの2ステップのランダムアクセスメカニズムは、UEがランダムアクセスプリアンブルとアイデンティティ情報をともにアクセスネットワーク機器に直接送信し、アクセスネットワーク機器はRACH衝突の解決方法とランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子(Random Access Radio-Network Temporary Identifier、RA-RNTI)でスクランブリングされた物理ダウンリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel、PDCCH)をともにUEに送信し、RACHの衝突問題の解決を完成する。
【0004】
しかしながら、競合ベースの2ステップのランダムアクセスの衝突解決方法には複数のトリガーイベントが存在し、各トリガーイベントに対応するシーンには異なる需要があり、これらの需要に対する合理的な衝突解決手段がない。
【発明の概要】
【0005】
本願の実施例は、直接通信の電力制御方法、装置、端末及び記憶媒体を提供し、メッセージBがトリガーイベントに対応する条件を満たすかどうかに従って、2ステップのランダムアクセスチャネルの衝突が解決されるかどうかを判定することができる。前記技術的解決手段は以下の通りである。
【0006】
本開示の一態様によれば、2ステップのランダムアクセス方法を提供し、前記方法は、
トリガーイベントに基づいて2ステップのランダムアクセスをトリガーする場合、ユーザー機器UEは、前記UEのセルワイヤレスネットワークの一時的な識別子C-RNTIが載せられるメッセージAを送信することと、
前記UEはメッセージBを受信することと、
前記メッセージBが前記トリガーイベントに対応する条件を満たす場合、前記UEは前記2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されることを判定することと、を含む。
【0007】
本開示の一態様は、2ステップのランダムアクセス方法を提供し、前記方法は、
アクセスネットワーク機器は、ユーザー端末UEがトリガーイベントに基づいて送信されたメッセージAを受信することと、
前記アクセスネットワーク機器は前記メッセージAの前記トリガーイベントに従って、前記トリガーイベントに対応する衝突解決条件を満たすメッセージBを生成することと、
前記アクセスネットワーク機器は前記メッセージBを送信することと、を含む。
【0008】
一選択可能な実施例において、前記トリガーイベントは、
アップリンクデータが到着し、且つUEがアップリンクの非同期状態にあること、又は、セルハンドオーバーを含むことを含み、
前記アクセスネットワーク機器は前記メッセージBを送信することは、
前記アクセスネットワーク機器は前記C-RNTIによってスクランブリングされた、ダウンリンク伝送をスケジューリングするためのPDCCHを送信することと、
前記アクセスネットワーク機器は前記PDCCHに従ってタイムアラインメントコマンドTACとアップリンクスケジューリング認証を送信することと、を含む。
【0009】
本開示の一態様によれば、2ステップのランダムアクセス装置を提供し、前記装置は、
トリガー原因に基づいて、UEのC-RNTIが載せられるメッセージAを送信するように配置される送信モジュールと、
メッセージBを受信するように配置される受信モジュールと、
前記メッセージBが前記トリガーイベントに対応する条件を満たす場合、2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されたことを判定するように配置される処理モジュールと、を備える。
【0010】
本開示の一態様によれば、2ステップのランダムアクセス装置を提供し、前記装置は、
UEがトリガーイベントに基づいて送信された、前記UEのC-RNTIが載せられるメッセージAを受信するように配置される受信モジュールと、
前記メッセージAの前記トリガーイベントに従って、前記トリガーイベントに対応する衝突解決条件を満たすメッセージBを生成するように配置される処理モジュールと、
前記トリガーイベントに対応する条件を満たす場合に2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されたことを指示するためのメッセージBを送信するように配置される送信モジュールと、を備える。
【0011】
本開示の一態様によれば、通信端末を提供し、前記通信端末は、
プロセッサと、
前記プロセッサに接続されるトランシーバーと、を備え、
前記プロセッサは、以上のようないずれかに記載の2ステップのランダムアクセス方法を実現するように、実行可能な命令をロードして実行するように配置される。
【0012】
本開示の一態様によれば、通信機器を提供し、前記機器は、
プロセッサと、
前記プロセッサに接続されるトランシーバーと、を備え、
前記プロセッサは、以上のようないずれかに記載の2ステップのランダムアクセス方法を実現するように、実行可能な命令をロードして実行するように配置されることを特徴とする。
【0013】
本開示の一態様によれば、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体を提供し、前記コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に少なくとも1つの命令、少なくとも一部のプログラム、コードセットまたは命令セットが記憶され、前記少なくとも1つの命令、前記少なくとも一部のプログラム、前記コードセットまたは前記命令セットはプロセッサによりロードして実行され、以上のような2ステップのランダムアクセス方法を実現するようにする。
【0014】
本開示の一態様によれば、チップを提供し、前記チップはプログラマブルロジック回路および/またはプログラム命令を含み、前記チップが稼働する時に以上のような2ステップのランダムアクセス方法を実現するために使用される。
【0015】
本開示の一態様によれば、コンピュータプログラム製品を提供し、前記コンピュータプログラム製品は1つまたは複数のコンピュータプログラムを含み、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される際に、以上のような2ステップのランダムアクセス方法を実現するために使用される。
【0016】
本願による技術的解決手段は少なくとも以下のような技術効果を有する。
メッセージBがトリガーイベントに対応する条件を満たすかどうかに従って、2ステップのランダムアクセスチャネルの衝突が解決されるかどうかを判定することによって、異なるトリガーイベントに対して、UEは異なる衝突解決条件に依拠して衝突が解決されるかどうかを判断することができ、それにより、2ステップのランダムアクセスプロセスのアクセス成功率を向上させ、UEが様々なトリガーイベントに対応するシーンで異なる需要を有する問題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本願の実施例における技術的解決手段をより明らかに説明するために、以下、実施例の説明に使用する必要がある図面を簡単に紹介し、明らかなように、以下で説明される図面は本願のいくつかの実施例だけであり、当業者にとって、創造的労働をせずに、これらの図面に基づき他の図面を得ることもできる。
【
図1】本願の一例示的な実施例による通信システムを示すブロック図である。
【
図2】本願の一例示的な実施例による2ステップのランダムアクセス方法を示すフローチャートである。
【
図3】本願の一例示的な実施例による2ステップのランダムアクセス方法を示すフローチャートである。
【
図4】本願の一例示的な実施例によるMAC CEを示すフォーマット図である。
【
図5】本願の一例示的な実施例による2ステップのランダムアクセス方法を示すフローチャートである。
【
図6】本願の一例示的な実施例によるMAC CEを示すフォーマット図である。
【
図7】本願の一例示的な実施例による2ステップのランダムアクセス方法を示すフローチャートである。
【
図8】本願の一例示的な実施例による2ステップのランダムアクセス方法を示すフローチャートである。
【
図9】本願の一例示的な実施例による2ステップのランダムアクセス方法を示すフローチャートである。
【
図10】本願の一例示的な実施例によるMAC CEを示すフォーマット図である。
【
図11】本願の一例示的な実施例による2ステップのランダムアクセス方法を示すフローチャートである。
【
図12】本願の一例示的な実施例による2ステップのランダムアクセス装置を示すブロック図である。
【
図13】本願の一例示的な実施例による2ステップのランダムアクセス装置を示すブロック図である。
【
図14】本願の一例示的な実施例による通信端末(端末またはアクセスネットワーク機器)の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで、例示的な実施例を詳細に説明し、その例を図面に示す。以下の説明が図面に言及している場合、特に明記しない限り、異なる図面の同じ番号は、同じまたは類似の要素を示す。以下の例示的な実施形態で説明される実施形態は本願相と一致するすべての実施形態を表すわけではない。逆に、それらは、添付の特許請求の範囲に詳述されているように、本願のいくつかの側面と一致する装置及び方法の例に過ぎない。
【0019】
ランダムアクセスチャネル(Random Access Channel、RACH)は、アクセスネットワーク機器とユーザー端末(User Equipment,UE)間の初期アクセスプロセスにおける重要なチャネルである。ロングタームエボリューション(Long-Term Evolution、LTE)は、競合ベースの4ステップ(4-step)ランダムアクセスメカニズムを使用して、ニューラジオ(New Radio、NR)システムのいくつかの使用シーンでは競合ベースの2ステップ(2-step)ランダムアクセスメカニズムに簡略化される。
【0020】
競合ベースの2ステップのランダムアクセスメカニズムは、UEがランダムアクセスプリアンブルとアイデンティティ情報をともにアクセスネットワーク機器に直接送信し、アクセスネットワーク機器はRACH衝突の解決方法とランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子(Random Access Radio-Network Temporary Identifier、RA-RNTI)でスクランブリングされた物理ダウンリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel、PDCCH)をともにUEに送信し、RACHの衝突問題の解決を完成する。
【0021】
2-stepランダムアクセスメカニズムでは、異なるトリガーイベントが衝突解決に対して異なる需要があり、如何に異なるトリガーイベントで、2ステップのランダムアクセスにおける衝突解決を実現するかに対して、本願は以下のような実施例を提供する。
【0022】
図1は本願の一例示的な実施例による通信システムを示すブロック図である。アクセスネットワーク12には複数のアクセスネットワーク機器120を含み、アクセスネットワーク機器120は基地局であってもよく、前記基地局はアクセスネットワークに配備された、端末に無線通信機能を提供する装置である。基地局には、様々な形態のマクロ基地局、ミクロ基地局、中継局、アクセスポイントなどが含まれる。異なる無線アクセス技術のシステムでは、基地局機能を備える機器の名称は異なる可能性があり、例えばLTEシステムでは、gNB又はeNBと呼ばれ、5G NR-Uシステムでは、gNodeB又はgNBと呼ばれる。通信技術の進化に伴って、「基地局」のような説明が変化する可能性がある。便利のため、本願の実施例において、端末13のために無線通信機能を提供する上記の装置をアクセスネットワーク機器と総称する。
【0023】
端末13は様々な無線通信機能を持つハンドヘルド機器、車載機器、ウェアラブル機器、計算機器または無線モデムに接続される他の処理機器、及び様々な形態のユーザー機器、モバイルステーション(Mobile Station、MS)、端末(terminal device)などを含むことができる。説明を簡単にするために、以上で言及された機器は端末と総称する。
【0024】
端末とアクセスネットワーク機器の通信中に、端末が一旦1つのセルを発見すると、該セルのアクセスネットワーク機器に接続されるように該セルにアクセスする可能性がある。端末が該アクセスネットワーク機器に接続されるプロセスはランダムアクセスプロセスと呼ばれる。ランダムアクセスプロセスでは、アクセスネットワーク機器は端末に1つのセル内での1つの一意の識別子を与える必要がある。実際のシーンでは、複数の端末は同様な対応するメッセージに反応し、即ち衝突が発生する可能性がある。このような衝突を解決するために、アクセスネットワーク機器は端末にユニークなC-RNTIを割り当てる必要がある。
【0025】
図2は本願の一例示的な実施例による2ステップのランダムアクセス方法を示すフローチャートである。該方法はUEとアクセスネットワーク機器により実行可能であり、該方法は、以下のステップを含む。
ステップ201において、トリガーイベントに基づいて2ステップのランダムアクセスをトリガーする場合、UEは、UEのC-RNTIが載せられるメッセージAを送信する。
【0026】
2ステップ(2-step)ランダムアクセスメカニズムは4ステップ(4-step)ランダムアクセスメカニズムを進化させるものである。2ステップのランダムアクセスメカニズムのプロセスでは、UEは直接にランダムアクセスプリアンブルとアイデンティティ情報(例えばC-RNTI)をアクセスネットワーク機器に送信する。
【0027】
メッセージAは、ランダムアクセスプリアンブルとアイデンティティ情報を含む。即ち、メッセージAは4ステップランダムアクセスにおけるメッセージ1とメッセージ3の内容を含む。
【0028】
ステップ202において、アクセスネットワーク機器はメッセージAを受信する。
【0029】
UEはアクセスネットワーク機器にランダムアクセスプリアンブルとアイデンティティ情報を送信した後、アクセスネットワーク機器はUEからのメッセージAを受信する。
【0030】
ステップ203において、アクセスネットワーク機器はメッセージAのトリガーイベントに基づきメッセージBを生成し、メッセージBはトリガーイベントに対応する衝突解決条件を満たす。
【0031】
メッセージBにランダムアクセス応答と衝突を解決するためのメッセージが載せられる。例えば、C-RNTIによってスクランブリングされたPDCCH情報である。
【0032】
ステップ204において、アクセスネットワーク機器はメッセージBを送信する。
【0033】
ステップ205において、UEはメッセージBを受信する。
【0034】
UEがメッセージAを送信した後、メッセージBの検出窓を開く。
【0035】
選択可能に、UEがメッセージBを受信した場合、メッセージBの命令に基づき他の情報を受信することができる。
【0036】
選択可能に、UEがメッセージBを受信した場合、衝突が解決されるかどうかを判断する。
【0037】
ステップ206において、メッセージBはトリガーイベントに対応する条件を満たす場合、2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されたことを判定する。
【0038】
トリガーイベントに対応する条件は、トリガーイベントに対応する衝突解決条件である。少なくとも2つのトリガーイベントに対応する衝突解決条件が異なる。
【0039】
以上のように、本実施例による2ステップのランダムアクセス方法は、メッセージBがトリガーイベントに対応する条件を満たすかどうかに従って、2ステップのランダムアクセスチャネルの衝突が解決されるかどうかを判定することによって、異なるトリガーイベントに対して、UEは異なる衝突解決条件に依拠して衝突が解決されるかどうかを判断することができ、それにより、2ステップのランダムアクセスプロセスのアクセス成功率を向上させ、UEが様々なトリガーイベントに対応するシーンで異なる需要を有する問題を解決する。
【0040】
メッセージAにC-RNTI MAC CEが含まれる場合に対して、UEが2ステップのランダムアクセスを開始するようにトリガーするトリガーイベントは、
アップリンクデータが到着し、且つUEが非同期状態にあるトリガーイベント1(E1と略称)、
アップリンクデータが到着するが、トリガーされたSRに対応するPUCCHリソースがないトリガーイベント2(E2と略称)、
SR送信が失敗閾値に達するトリガーイベント3(E3と略称)、
セルハンドオーバーのトリガーイベント4(E4と略称)、
セカンダリセルのために時間同期を追加するトリガーイベント5(E5と略称)、
ビーム失敗回復のトリガーイベント6(E6と略称)、及び
ダウンリンクデータが到着し、且つUEがアップリンクの非同期状態にあるトリガーイベント7(E7と略称)、という7種を少なくとも含む。
【0041】
これらのトリガーイベントの中で、トリガーイベント1とトリガーイベント4はどちらもUEがアップリンクTAを取得する一方で、1つのアップリンクスケジューリング認証を取得する必要があり、トリガーイベント2とトリガーイベント3では、UEがアップリンク同期にあったため、アップリンクTAを必要としないが、アップリンクデータを送信するための1つのアップリンクスケジューリング認証を必要とし、トリガーイベント5とトリガーイベント7では、UEは送信する必要があるアップリンクスケジューリングがなく、アップリンクTAを取得するだけでよく、トリガーイベント6では、UEはアップリンクTAを必要とせず、アップリンクスケジューリング認証も必要がない。要するに、以下の7種のトリガーイベントを下記表1にまとめる。
【0042】
【0043】
以下の実施例では、上記の4つの場合をそれぞれ紹介する。
【0044】
第1の場合について、
図3は本願の一例示的な実施例による2ステップのランダムアクセス方法を示すフローチャートである。該方法はUEとアクセスネットワーク機器により実行可能であり、該方法は、以下のステップを含む。
【0045】
ステップ301において、トリガーイベントに基づいて2ステップのランダムアクセスをトリガーする場合、UEはメッセージAを送信し、トリガーイベントは、アップリンクデータが到着し、且つUEがアップリンクの非同期状態にあること、又は、セルハンドオーバーを含む。
【0046】
メッセージAはランダムアクセスプリアンブル(preamble)とペイロード(payload)を含む。ランダムアクセスプリアンブルはランダムアクセスチャネル(PRACH)リソースで送信される。ペイロードに4ステップランダムアクセスのメッセージ3の内容が載せられる。例えば、ペイロードにMAC CEが載せられ、該MAC CEにUEのC-RNTIが載せられる。ペイロードは物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)に担持して送信される。
【0047】
該2ステップのランダムアクセスはE1またはE4によりトリガーされる。即ち該2ステップのランダムアクセスはMAC sublayerまたはRRC sublayerによりトリガーされる。選択可能に、トリガー原因は、UEがアップリンクの非同期状態にあること、またはセルハンドオーバーである。
【0048】
ステップ302において、アクセスネットワーク機器はメッセージAを受信する。
【0049】
アクセスネットワーク機器はPRACHでランダムアクセスプリアンブルを受信し、PUSCHでペイロードを受信する。
【0050】
ステップ303において、アクセスネットワーク機器はメッセージAのトリガーイベントに基づきメッセージBを生成し、メッセージBはトリガーイベントに対応する衝突解決条件を満たす。
【0051】
アクセスネットワーク機器はメッセージAを受信した場合、メッセージAにおけるC-RNTIに基づきUEの他の情報(例えばコンテキスト情報、同期タイマーの状態情報等)を取得し、UEの他の情報と状態に基づきメッセージAのトリガーイベントを知る。
【0052】
本実施例において、メッセージAのトリガーイベントは、UEがアップリンクの非同期状態にあること、またはセルハンドオーバーであると、メッセージBは、メッセージAのトリガーイベントに対応する衝突解決条件を解決することができるのを満たす必要がある。
【0053】
選択可能に、メッセージBにメッセージAのトリガーイベントに対応する衝突を解決できる解決情報が直接含まれることができ、メッセージBにおける情報スケジューリングのダウンリンク伝送(またはアップリンク伝送)にはメッセージAのトリガーイベントに対応する衝突を解決するできる解決情報も含まれることができる。
【0054】
ステップ304において、アクセスネットワーク機器はメッセージBを送信し、メッセージBにC-RNTIによってスクランブリングされたPDCCHが含まれ、PDCCHはダウンリンク伝送をスケジューリングするために使用される。
【0055】
選択可能に、該PDCCHにダウンリンク伝送をスケジューリングするためのDCIが載せられる。
【0056】
ステップ305において、UEはメッセージBを受信する。
【0057】
UEがメッセージAを送信した後、メッセージBの検出窓を開くことになる。UEは自体のC-RNTIを使用してスクランブルを解除し、PDCCHを取得する。
【0058】
検出窓では、UEはメッセージBを受信した後、PDCCHにおけるDCIを取得する。
【0059】
ステップ306において、アクセスネットワーク機器はPDCCHによってスケジューリングされたダウンリンク伝送に基づき、第1のMAC PDUを送信し、該第1のMAC PDUに第1のMAC CEが載せられ、第1のMAC CEにTACとアップリンクスケジューリング認証(UL grant)が載せられる。
【0060】
図4は本願の一例示的な実施例による第1のMAC CEを示すフォーマット図である。
図4を参照し、該第1のMAC CEのメッセージフォーマットでは、第1のMAC CEが5バイトを占有し、各バイトが8ビットである。TACはバイト1とバイト2の12ビットを占有し、アップリンクスケジューリング認証はバイト2~バイト5の27ビットを占有する。Rは予約ビットである。
【0061】
選択可能に、TACとアップリンクスケジューリング認証が占有するビット数は
図4のものと異なってもよく、本実施例はこれを限定しない。
【0062】
TACはUEにアクセスネットワーク機器とアップリンク同期を再取得させるために使用される。UL grantはUEがアップリンク伝送するリソースをスケジューリングするために使用される。
【0063】
本実施例において、TACとアップリンクスケジューリング認証を同じMAC CEにパックして送信する。該TACとUL grantは同じMACサブヘッダーに対応し、1つの論理チャネル識別子(LCID)の指示のみを必要とする。
【0064】
ステップ307において、UEはPDCCHによってスケジューリングされたダウンリンク伝送に基づき第1のMAC PDUをデコードし、該第1のMAC PDUに第1のMAC CEが載せられる。
【0065】
UEはPDCCHにおけるDCIのスケジューリングに基づき、第1のMAC PDUを受信とデコードし、該第1のMAC PDUに第1のMAC CEが載せられる。
【0066】
ステップ308において、第1のMAC CEにTACとアップリンクスケジューリング認証が載せられ、2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されることを判定する。
【0067】
以上のように、本実施例による2ステップのランダムアクセス方法は、UEがアップリンクTAを取得する必要があるだけでなく、アップリンクスケジューリング認証を取得する必要がある場合、PDCCHによってTACとアップリンクスケジューリング認証を同時に含む単一のMAC CEをスケジューリングする方法は、1つのMAC CEのみで衝突解決の送信を完成することができ、それにより、UEとアクセスネットワーク機器との間の相互作用フローを簡素化と減少する。
【0068】
図5は本願の一例示的な実施例による2ステップのランダムアクセス方法を示すフローチャートである。該方法はUEとアクセスネットワーク機器により実行可能であり、該方法は以下のステップを含む。
【0069】
ステップ501において、トリガーイベントに基づいて2ステップのランダムアクセスをトリガーする場合、UEはメッセージAを送信し、トリガーイベントは、アップリンクデータが到着し、且つUEがアップリンクの非同期状態にあること、又は、セルハンドオーバーを含む。
【0070】
メッセージAはランダムアクセスプリアンブル(preamble)とペイロード(payload)を含む。ランダムアクセスプリアンブルはランダムアクセスチャネル(PRACH)リソースで送信される。ペイロードに4ステップランダムアクセスのメッセージ3の内容が載せられる。例えば、ペイロードにMAC CEが載せられ、該MAC CEにUEのC-RNTIが載せられる。ペイロードは物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)に担持して送信される。
【0071】
該2ステップのランダムアクセスはE1またはE4によりトリガーされる。即ち該2ステップのランダムアクセスはMAC sublayerまたはRRC sublayerによりトリガーされる。選択可能に、メッセージAにさらにトリガー原因が載せられ、即ちUEがアップリンクの非同期状態にあること、またはセルハンドオーバーである。
【0072】
ステップ502において、アクセスネットワーク機器はメッセージAを受信する。
【0073】
アクセスネットワーク機器はPRACHでランダムアクセスプリアンブルを受信し、PUSCHでペイロードを受信する。
【0074】
ステップ503において、アクセスネットワーク機器はメッセージAのトリガーイベントに基づきメッセージBを生成し、メッセージBはトリガーイベントに対応する衝突解決条件を満たす。
【0075】
アクセスネットワーク機器はメッセージAを受信する場合、メッセージAにおけるC-RNTIに基づきUEの他の情報(例えばコンテキスト情報、同期タイマーの状態情報等)を取得し、UEの他の情報と状態に基づきメッセージAのトリガーイベントを知る。
【0076】
本実施例において、メッセージAのトリガーイベントはUEがアップリンクの非同期状態にあること、またはセルハンドオーバーであると、メッセージBはメッセージAのトリガーイベントに対応する衝突を解決できる解決条件を満たす必要がある。
【0077】
選択可能に、メッセージBにメッセージAのトリガーイベントに対応する衝突を解決できる解決情報が直接含まれることができ、メッセージBにおける情報スケジューリングのダウンリンク伝送(またはアップリンク伝送)にメッセージAのトリガーイベントに対応する衝突を解決できる解決情報も含まれることができる。
【0078】
ステップ504において、アクセスネットワーク機器はC-RNTIによってスクランブリングされたPDCCHを含むメッセージBを送信し、PDCCHはダウンリンク伝送をスケジューリングするために使用される。
【0079】
選択可能に、該PDCCHにダウンリンク伝送をスケジューリングするためのDCIが載せられる。
【0080】
ステップ505において、UEはメッセージBを受信する。
【0081】
UEがメッセージAを送信した後、メッセージBの検出窓を開くことになる。UEは自体のC-RNTIを使用してスクランブルを解除し、PDCCHを取得する。
【0082】
検出窓では、UEはメッセージBを受信した後、PDCCHにおけるDCIを取得する。
【0083】
ステップ506において、アクセスネットワーク機器はPDCCHによってスケジューリングされたダウンリンク伝送に基づき、第2のMAC PDUを送信し、第2のMAC PDUに第2のMAC CEと第3のMAC CEが載せられ、第2のMAC CEにTACが載せられ、第3のMAC CEにアップリンクスケジューリング認証が載せられる。
【0084】
図6は本願の一例示的な実施例による第2のMAC CEと第3のMAC CEを示すフォーマット図である。
図6の(a)を参照し、該第2のMAC CEフォーマットでは、第2のMAC CEがバイト1とバイト2の16ビットを占有し、
図6の(b)を参照し、該第3のMAC CEフォーマットでは、第3のMAC CEがバイト1~バイト4の32ビットを占有する。Rは予約ビットである。
【0085】
選択可能に、TACとアップリンクスケジューリング認証が占有するビット数は
図4のものと異なってもよく、本実施例はこれを限定しない。
【0086】
TACはUEにアクセスネットワーク機器とアップリンク同期を再取得させるために使用される。UL grantはUEがアップリンク伝送するリソースをスケジューリングするために使用される。
【0087】
本実施例において、TACとアップリンクスケジューリング認証を異なるMAC CEにパックして送信する。該TACとUL grantは異なるMACサブヘッダーに対応し、それぞれ1つの論理チャネル識別子(LCID)指示を必要とし、即ち異なるLCID指示を有する。
【0088】
ステップ507において、UEはPDCCHによってスケジューリングされるダウンリンク伝送に基づき第2のMAC PDUをデコードし、第2のMAC PDUに第2のMAC CEと第3のMAC CEが載せられる。
【0089】
UEはPDCCHによってスケジューリングされたダウンリンク伝送に基づき、第2のMAC PDUからTACを含む第2のMAC CEとアップリンクスケジューリング認証を含む第3のMAC CEをデコードする。
【0090】
ステップ508において、第2のMAC CEにTACが載せられ、第3のMAC CEにアップリンクスケジューリング認証が載せられ、2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されることを判定する。
【0091】
UEは2つのMAC CEをそれぞれデコードし、TACとアップリンクスケジューリング認証を取得した後、2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されることを判定することができる。
【0092】
以上のように、本実施例による2ステップのランダムアクセス方法は、UEがアップリンクTAを取得する必要があるだけでなく、アップリンクスケジューリング認証を取得する必要もある場合、PDCCHによってTACとアップリンクスケジューリング認証を同時に含む2つのMAC CEをスケジューリングする方法は、TACとアップリンクスケジューリング認証を分割送信することができ、UEとアクセスネットワーク機器間の相互作用の柔軟性を増加する。
【0093】
図7は本願の一例示的な実施例による2ステップのランダムアクセス方法を示すフローチャートである。該方法はUEとアクセスネットワーク機器により実行可能であり、該方法は以下のステップを含む。
【0094】
ステップ701において、トリガーイベントに基づいて2ステップのランダムアクセスをトリガーする場合、UEがメッセージAを送信し、トリガーイベントは、アップリンクデータが到着し、且つUEがアップリンクの非同期状態にあること、又は、セルハンドオーバーを含む。
【0095】
メッセージAはランダムアクセスプリアンブル(preamble)とペイロード(payload)を含む。ランダムアクセスプリアンブルはランダムアクセスチャネル(PRACH)リソースで送信される。ペイロードに4ステップランダムアクセスのメッセージ3の内容が載せられる。例えば、ペイロードにMAC CEが載せられ、該MAC CEにUEのC-RNTIが載せられる。ペイロードは物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)に担持して送信される。
【0096】
該2ステップのランダムアクセスはE1またはE4によりトリガーされる。即ち該2ステップのランダムアクセスはMAC sublayerまたはRRC sublayerによりトリガーされる。選択可能に、メッセージAにさらにトリガー原因が載せられ、即ちUEがアップリンクの非同期状態にあること、またはセルハンドオーバーである。
【0097】
ステップ702において、アクセスネットワーク機器はメッセージAを受信する。
【0098】
アクセスネットワーク機器はPRACHでランダムアクセスプリアンブルを受信し、PUSCHでペイロードを受信する。
【0099】
ステップ703において、アクセスネットワーク機器はメッセージAのトリガーイベントに基づきメッセージBを生成し、メッセージBはトリガーイベントに対応する衝突解決条件を満たす。
【0100】
アクセスネットワーク機器はメッセージAを受信する場合、メッセージAにおけるC-RNTIに基づきUEの他の情報(例えばコンテキスト情報、同期タイマーの状態情報等)を取得し、UEの他の情報と状態に基づきメッセージAのトリガーイベントを知る。
【0101】
本実施例において、メッセージAのトリガーイベントはUEがアップリンクの非同期状態にあること、またはセルハンドオーバーであると、メッセージBはメッセージAのトリガーイベントに対応する衝突を解決できる解決条件を満たす必要がある。
【0102】
選択可能に、メッセージBにメッセージAのトリガーイベントに対応する衝突を解決できる解決情報が直接含まれることができ、メッセージBにおける情報スケジューリングのダウンリンク伝送(またはアップリンク伝送)にメッセージAのトリガーイベントに対応する衝突を解決できる解決情報も含まれることができる。
【0103】
ステップ704において、アクセスネットワーク機器はC-RNTIによってスクランブリングされたPDCCHを含むメッセージBを送信し、PDCCHではDCIを送信し、DCIにTACとアップリンクスケジューリング認証が載せられる。
【0104】
選択可能に、該PDCCHにDCIが載せられ、該DCIにTACとアップリンクスケジューリング認証が載せられる。該DCIは、アップリンク伝送をスケジューリングするために使用される。該アップリンクスケジューリング認証は新しいデータを送信するために使用される。
【0105】
ステップ705において、UEはメッセージBを受信する。
【0106】
UEがメッセージAを送信した後、メッセージBの検出窓を開くことになる。UEは自体のC-RNTIを使用してスクランブルを解除し、PDCCHを取得する。
【0107】
ステップ706において、DCIにTACとアップリンクスケジューリング認証が載せられると、2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されることを判定する。
【0108】
DCIにTACとアップリンクスケジューリング認証が載せられると、2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されることを判定する。
【0109】
以上のように、本実施例による2ステップのランダムアクセス方法は、UEがメッセージBのPDCCHを受信した後、TACとアップリンクスケジューリング認証を取得することができ、UEが衝突解決をできるだけ速く取得し、それにより、2ステップのランダムアクセスがかかる時間を短縮する。
【0110】
図8は本願の一例示的な実施例による2ステップのランダムアクセス方法を示すフローチャートである。該方法はUEとアクセスネットワーク機器により実行可能であり、該方法は、以下のステップを含む。
【0111】
ステップ801において、トリガーイベントに基づいて2ステップのランダムアクセスをトリガーする場合、UEがメッセージAを送信し、トリガーイベントは、SR送信が失敗閾値に達すること、またはアップリンクデータが到達するが、アップリンクデータによってトリガーされたSRに対応するPUCCHリソースがないことを含む。
【0112】
SRは、UEのアップリンクスケジューリング申請を指す。送信する必要があるアップリンクデータが存在すると、UEはアクセスネットワーク機器にSRを送信する必要がある。
【0113】
メッセージAはランダムアクセスプリアンブル(preamble)とペイロード(payload)を含む。ランダムアクセスプリアンブルはランダムアクセスチャネル(PRACH)リソースで送信される。ペイロードに4ステップランダムアクセスのメッセージ3の内容が載せられる。例えば、ペイロードにMAC CEが載せられ、該MAC CEにUEのC-RNTIが載せられる。ペイロードは物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)に担持して送信される。
【0114】
該2ステップのランダムアクセスはE2またはE3によりトリガーされる。選択可能に、メッセージAにさらにトリガー原因が載せられる。
【0115】
ステップ802において、アクセスネットワーク機器はメッセージAを受信する。
【0116】
アクセスネットワーク機器はPRACHでランダムアクセスプリアンブルを受信し、PUSCHでペイロードを受信する。
【0117】
ステップ803において、アクセスネットワーク機器はメッセージAのトリガーイベントに基づきメッセージBを生成し、メッセージBはトリガーイベントに対応する衝突解決条件を満たす。
【0118】
アクセスネットワーク機器はメッセージAを受信する場合、メッセージAにおけるC-RNTIに基づきUEの他の情報(例えばコンテキスト情報、同期タイマーの状態情報等)を知って、UEの他の情報と状態に基づきメッセージAのトリガーイベントを知る。
【0119】
本実施例において、メッセージAのトリガーイベントはSR送信が失敗閾値に達すること、またはアップリンクデータが到着するが、トリガーされたSRに対応するPUCCHリソースがないことであると、メッセージBはメッセージAのトリガーイベントに対応する衝突を解決できる解決条件を満たす必要がある。
【0120】
ステップ804において、アクセスネットワーク機器はUEにメッセージBを送信し、メッセージBはC-RNTIによってスクランブリングされたPDCCHを含み、且つPDCCHにアップリンクスケジューリング認証が載せられる。
【0121】
選択可能に、該PDCCHにアップリンク伝送をスケジューリングするためのDCIが載せられる。該DCIにUL grantが載せられる。
【0122】
ステップ805において、UEはメッセージBを受信する。
【0123】
UEがメッセージAを送信した後、メッセージBの検出窓を開くことになる。UEは自体のC-RNTIを使用してスクランブルを解除し、PDCCHを取得する。
【0124】
検出窓では、UEはメッセージBを受信した後、PDCCHにおけるDCIを取得する。
【0125】
ステップ806において、メッセージBの検出窓でC-RNTIによってスクランブリングされたPDCCHを検出し、且つPDCCHがアップリンクスケジューリング認証を有すると、2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されることを判定する。
【0126】
メッセージBの検出窓でC-RNTIによってスクランブリングされたPDCCHを検出し、PDCCHからDCIをデコードし、該DCIにアップリンクスケジューリング認証が載せられると、2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されることを判定する。
【0127】
以上のように、本実施例による2ステップのランダムアクセス方法は、UEがアップリンクスケジューリング認証のみを取得する必要がある場合、メッセージBではUEにアップリンクスケジューリング認証を直接送信するため、UEとアクセスネットワーク機器間の相互作用フローを簡素化と減少する。
【0128】
図9は本願の一例示的な実施例による2ステップのランダムアクセス方法を示すフローチャートである。該方法はUEとアクセスネットワーク機器により実行可能であり、該方法は以下のステップを含む。
【0129】
ステップ901において、トリガーイベントに基づいて2ステップのランダムアクセスをトリガーする場合、UEがメッセージAを送信し、トリガーイベントは、セカンダリセルのために時間同期を追加すること、又はダウンリンクデータが到着し、且つUEがアップリンクの非同期状態にあることを含む。
【0130】
UEがプライマリセルにあり、セカンダリセルのアクセスネットワーク機器と情報を送信する必要もあると、セカンダリセルとの時間同期を行う必要があり、このような場合、UEがアップリンクTAを取得する必要がある。又は、UEにはダウンリンクデータが到着し、且つUEがアップリンクの非同期状態にあり、この時、UEはアップリンクTAを取得することもできる。
【0131】
メッセージAはランダムアクセスプリアンブル(preamble)とペイロード(payload)を含む。ランダムアクセスプリアンブルはランダムアクセスチャネル(PRACH)リソースで送信される。ペイロードに4ステップランダムアクセスのメッセージ3の内容が載せられる。例えば、ペイロードにMAC CEが載せられ、該MAC CEにUEのC-RNTIが載せられる。ペイロードは物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)に担持して送信される。
【0132】
該2ステップのランダムアクセスはE5またはE7によりトリガーされる。選択可能に、メッセージAにさらにトリガー原因が載せられる。
【0133】
ステップ902において、アクセスネットワーク機器はメッセージAを受信する。
【0134】
アクセスネットワーク機器はPRACHでランダムアクセスプリアンブルを受信し、PUSCHでペイロードを受信する。
【0135】
ステップ903において、アクセスネットワーク機器はメッセージAのトリガーイベントに基づきメッセージBを生成し、メッセージBはトリガーイベントに対応する衝突解決条件を満たす。
【0136】
アクセスネットワーク機器はメッセージAを受信する場合、メッセージAにおける情報、及びUEがアクセスネットワーク機器との他の情報と状態に基づきメッセージAのトリガーイベントをともに知る。
【0137】
本実施例において、メッセージAのトリガーイベントはセカンダリセルのために時間同期を追加すること、又は、ダウンリンクデータが到着し、且つUEがアップリンクの非同期状態にあることであると、メッセージBはメッセージAのトリガーイベントに対応する衝突を解決する解決条件を満たす必要がある。
【0138】
ステップ904において、アクセスネットワーク機器はUEにメッセージBを送信し、メッセージBはC-RNTIによってスクランブリングされるPDCCHを含み、且つPDCCHはダウンリンク伝送をスケジューリングするために使用される。
【0139】
選択可能に、該PDCCHにダウンリンク伝送をスケジューリングするためのDCIが載せられる。
【0140】
ステップ905において、UEはメッセージBを受信する。
【0141】
UEがメッセージAを送信した後、メッセージBの検出窓を開くことになる。UEは自体のC-RNTIを使用してスクランブルを解除し、PDCCHを取得する。
【0142】
検出窓では、UEはメッセージBを受信した後、PDCCHにおけるDCIを取得する。
【0143】
ステップ906において、アクセスネットワーク機器はPDCCHによってスケジューリングされたダウンリンク伝送に基づき、UEに第3のMAC PDUを送信し、第3のMAC PDUに第4のMAC CEが含まれ、第4のMAC CEにTACが載せられる。
【0144】
図10は本願の一例示的な実施例による第4のMAC CEを示すフォーマット図である。
図10を参照されたい。該第4のMAC CEのフォーマットでは、TACはバイト1とバイト2の12ビットを占有する。
【0145】
選択可能に、TACが占有するビット数は
図10のものと異なってもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0146】
ステップ907において、UEはPDCCHによってスケジューリングされたダウンリンク伝送に基づき、デコードして第3のMAC PDUを取得し、第3のMAC PDUに第4のMAC CEが含まれ、第4のMAC CEにTACが載せられ、2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されることを判定する。
【0147】
以上のように、本実施例による2ステップのランダムアクセス方法は、UEがTACのみを取得する必要がある場合、メッセージBのPDCCHによってスケジューリングされたダウンリンク伝送でUEにTACを送信することによって、UEとアクセスネットワーク機器間の相互作用フローを簡素化と減少する。
【0148】
図11は本願の一例示的な実施例による2ステップのランダムアクセス方法を示すフローチャートである。該方法はUEとアクセスネットワーク機器により実行可能であり、該方法は以下のステップを含む。
【0149】
ステップ1101において、トリガーイベントに基づいて2ステップのランダムアクセスをトリガーする場合、UEがメッセージAを送信し、トリガーイベントは、ビーム失敗回復を含む。
【0150】
ビーム失敗回復はビーム管理の1つの機能であり、本来に互いに位置合わせた基地局ビームと端末ビームとの間に障害物(例えば人間、車両)によって遮られる場合、新しい一対のビームを見つける必要があり、特定の反射経路上で互いに位置合わせることができ、通信を継続できるように確保する。
【0151】
メッセージAはランダムアクセスプリアンブル(preamble)とペイロード(payload)を含む。ランダムアクセスプリアンブルはランダムアクセスチャネル(PRACH)リソースで送信される。ペイロードに4ステップランダムアクセスのメッセージ3の内容が載せられる。例えば、ペイロードにMAC CEが載せられ、該MAC CEにUEのC-RNTIが載せられる。ペイロードは物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)に担持して送信される。
【0152】
該2ステップのランダムアクセスはE6によりトリガーされる。選択可能に、メッセージAにさらにトリガー原因が載せられる。
【0153】
ステップ1102において、アクセスネットワーク機器はメッセージAを受信する。
【0154】
アクセスネットワーク機器はPRACHでランダムアクセスプリアンブルを受信し、PUSCHでペイロードを受信する。
【0155】
ステップ1103において、アクセスネットワーク機器はメッセージAのトリガーイベントに基づきメッセージBを生成し、メッセージBはトリガーイベントに対応する衝突解決条件を満たす。
【0156】
アクセスネットワーク機器がメッセージAを受信する場合、メッセージAにおける情報、及びUEがアクセスネットワーク機器との他の情報と状態に基づきメッセージAのトリガーイベントをともに知る。
【0157】
本実施例において、メッセージAのトリガーイベントはビーム失敗回復であると、メッセージBはメッセージAのトリガーイベントに対応する衝突を解決できる解決条件を満たす必要がある。
【0158】
ステップ1104において、アクセスネットワーク機器はUEにメッセージBを送信し、メッセージBはC-RNTIによってスクランブリングされるPDCCHを含む。
【0159】
本実施例において、メッセージAのトリガーイベントはUEがアップリンクの非同期状態にあること、またはセルハンドオーバーであると、メッセージBはメッセージAのトリガーイベントに対応する衝突を解決できる解決条件を満たす必要がある。
【0160】
選択可能に、メッセージBにメッセージAのトリガーイベントに対応する衝突を解決できる解決情報が直接含まれることができ、メッセージBにおける情報スケジューリングのダウンリンク伝送(またはアップリンク伝送)にメッセージAのトリガーイベントに対応する衝突を解決できる解決情報も含まれることができる。
【0161】
ステップ1105において、UEはメッセージBを受信する。
【0162】
UEがメッセージAを送信した後、メッセージBの検出窓を開くことになる。UEは自体のC-RNTIを使用してスクランブルを解除し、PDCCHを取得する。
【0163】
ステップ1106において、メッセージBの検出窓でC-RNTIによってスクランブリングされたPDCCHを受信すると、2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されることを判定する。
【0164】
以上のように、本実施例による2ステップのランダムアクセス方法は、ビーム失敗回復のシーンで、アクセスネットワーク機器がUEにC-RNTIによってスクランブリングされたPDCCHを送信するだけで、衝突が成功に解決されると考えられ、UEとアクセスネットワーク機器間の相互作用フローを簡素化と減少する。
【0165】
以上のような実施例の説明に基づいて、メッセージAが送信される場合、MAC層エンティティは次のように進行し、
1>メッセージAの送信が終了する場合、第1のPDCCHではメッセージBの検出窓を開く。
1>メッセージBの検出窓の稼働プロセスでは、RA-RNTIとC-RNTIによってPDCCHにおけるプライマリセルとセカンダリセルのメッセージBを監視する。
1>下位層からプライマリセルまたはセカンダリセルにおけるPDCCHチャネルでの受信通知を取得すると、
2>メッセージAにC-RNTI MAC CEが含まれると、
3>ランダムアクセスプログラムがビーム失敗プロセスから始まり、且つPDCCHによって送信されたアドレスがC-RNTIによってポジショニングされる場合、または、
3>ランダムアクセスプログラムが1つのPDCCH命令から始まり、同時に、このMAC PDUにTACが載せられる1つのMAC CEが含まれる場合、または、
3>ランダムアクセスプログラムがMACサブ層自体から始まり(例えば、アップリンクデータが到着するが、トリガーされたSRに対応するPUCCHリソースがなく、またはSR送信が失敗閾値に達する)、且つ送信アドレスがC-RNTIにポジショニングされるPDCCHには新しい送信に対応する1つのアップリンクスケジューリング認証が含まれる場合、または、
3>アップリンクデータが到着し、且つUEが非同期状態にある(例えば、シーン切替)にあり、且つPDCCHがC-RNTIにポジショニングされ、同時に、MAC PDUが成功にデコードされ、このMAC PDUに1つの時間スケジューリング命令TACとアップリンクスケジューリング認証のMAC CEが含まれる場合、
4>正確な解決的手段を提供すると考えられ、
4>メッセージBの検出窓を停止し、
4>ランダムアクセスプロセスが成功に完成されると考えれる。
【0166】
図12は本願の一例示的な実施例による2ステップのランダムアクセス装置を示すフローブロック図である。該装置はソフトウェア、ハードウェア又は両方の組合わせによってUEの全部または一部になることができる。該装置は、受信モジュール1201、処理モジュール1202及び送信モジュール1203を備える。
【0167】
前記送信モジュール1203は、トリガーイベントに基づいて2ステップのランダムアクセスをトリガーする場合、前記UEのC-RNTIが載せられるメッセージAを送信するように配置され、
前記受信モジュール1201は、メッセージBを受信するように配置され、
前記処理モジュール1202は、前記メッセージBが前記トリガーイベントに対応する条件を満たす場合、前記2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されることを判定するように配置される。
【0168】
一例において、前記トリガーイベントは、
アップリンクデータが到着し、且つUEがアップリンクの非同期状態にあること、又は、セルハンドオーバーを含み、
前記処理モジュール1202は、前記メッセージBが前記トリガーイベントに対応する条件を満たす場合、2ステップのランダムアクセスの衝突解決を判定するように配置され、以下の内容を含み、
前記処理モジュール1202は、前記メッセージBの検出窓で前記C-RNTIによってスクランブリングされたPDCCHを検出するように配置され、
前記受信モジュール1201は、前記PDCCHに基づき、タイムアラインメントコマンドTACとアップリンクスケジューリング認証を受信し、前記2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されることを判定するように配置される。
【0169】
一例において、前記PDCCHはダウンリンク伝送をスケジューリングするために使用され、
前記受信モジュール1201は、前記PDCCHに基づき、タイムアラインメントコマンドTACとアップリンクスケジューリング認証を受信し、前記2ステップのランダムアクセスチャネルの衝突が解決されることを判定するように配置され、以下の内容を含み、
前記UEは前記PDCCHによってスケジューリングされたダウンリンク伝送に基づきMAC PDUをデコードし、該MAC PDUに第1のMAC CEが含まれ、前記第1のMAC CEに前記TACと前記アップリンクスケジューリング認証が載せられ、前記2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されることを判定し、
または、
前記UEは前記PDCCHによってスケジューリングされたダウンリンク伝送に基づきMAC PDUをデコードし、該MAC PDUに第2のMAC CEと第3のMAC CEが含まれ、前記第2のMAC CEに前記TACが載せられ、前記第3のMAC CEに前記アップリンクスケジューリング認証が載せられ、前記2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されることを判定し、前記アップリンクスケジューリング認証は新しいデータを送信するために使用される。
【0170】
一例において、前記PDCCHはアップリンク伝送をスケジューリングするために使用され、
前記処理モジュール1202は、前記PDCCHによってデコードされたDCIに前記TACと前記アップリンクスケジューリング認証が載せられると、前記ランダムアクセスチャネルの衝突が解決されることを判定するように配置される。
【0171】
前記アップリンクスケジューリング認証は新しいデータを送信するために使用される。
【0172】
一例において、前記トリガーイベントは、
SR送信が失敗閾値に達すること、またはアップリンクデータが到着するが、前記アップリンクデータによってトリガーされたSRに対応するPUCCHリソースがないことを含み、
前記処理モジュール1202は、前記メッセージBの検出窓で前記C-RNTIによってスクランブリングされたPDCCHを検出し、且つ前記PDCCHにアップリンクスケジューリング認証が載せられると、前記2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されることを判定するように配置される。
【0173】
一例において、前記トリガーイベントは、
セカンダリセルのために時間同期を追加すること、又はダウンリンクデータが到着し、且つUEがアップリンクの非同期状態にあることを含み、
前記処理モジュール1202は、前記メッセージBの検出窓で前記C-RNTIによってスクランブリングされたPDCCHを検出するように配置され、
前記処理モジュール1202は、前記PDCCHがダウンリンク伝送をスケジューリングし、UEがスケジューリングされたダウンリンク伝送に基づきMAC PDUをデコードし、前記MAC PDUに第4のMAC CEが含まれ、前記第4のMAC CEに前記TACが載せられ、前記2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されることを判定するように配置される。
【0174】
一例において、前記トリガーイベントは、
ビーム失敗回復を含み、
前記処理モジュール1202は、前記メッセージBの検出窓で前記C-RNTIによってスクランブリングされたPDCCHを検出し、前記2ステップのランダムアクセスの衝突が解決されることを判定するように配置される。
【0175】
図13は本願の一例示的な実施例による2ステップのランダムアクセス装置を示すフローブロック図である。該装置はソフトウェア、ハードウェア又は両方の組合わせによってアクセスネットワーク機器の全部または一部になることができる。該装置は受信モジュール1301、処理モジュール1302、及び送信モジュール1303を備える。
【0176】
前記受信モジュール1301は、UEがトリガーイベントに基づいて送信されたメッセージAを受信するように配置され、
前記処理モジュール1302は、前記メッセージAの前記トリガーイベントに基づきメッセージBを生成し、前記メッセージBは前記トリガーイベントに対応する衝突解決条件を満たすように配置され、
前記送信モジュール1303は、前記メッセージBを送信するように配置される。
【0177】
一例において、前記トリガーイベントは、
アップリンクデータが到着し、且つUEがアップリンクの非同期状態にあること、又は、セルハンドオーバーを含み、
前記送信モジュール1303は、前記アクセスネットワーク機器は前記C-RNTIによってスクランブリングされた、ダウンリンク伝送をスケジューリングするためのPDCCHを送信し、
前記アクセスネットワーク機器は前記PDCCHによってスケジューリングされたダウンリンク伝送に基づき、タイムアラインメントコマンドTACとアップリンクスケジューリング認証を送信するように配置される。
【0178】
一例において、前記送信モジュール1303は、前記アクセスネットワーク機器は、前記PDCCHによってスケジューリングされたダウンリンク伝送に基づき、前記TACと前記アップリンクスケジューリング認証が載せられる第1のMAC CEを送信し、
または、
前記アクセスネットワーク機器は前記PDCCHによってスケジューリングされたダウンリンク伝送に基づき、前記TACが載せられる第2のMAC CEと前記アップリンクスケジューリング認証が載せられる第3のMAC CEを送信するように配置される。
【0179】
一例において、前記送信モジュール1303は、前記PDCCHで前記TACと前記アップリンクスケジューリング認証が載せられるDCIを送信するように配置される。
【0180】
一例において、前記トリガーイベントは、
SR送信が失敗閾値に達すること、またはアップリンクデータが到着するが、前記アップリンクデータによってトリガーされたSRに対応するPUCCHリソースがないことを含み、
前記送信モジュール1303は、前記C-RNTIによってスクランブリングされた、アップリンクスケジューリング認証が載せられるPDCCHを送信するように配置される。
【0181】
一例において、前記トリガーイベントは、
セカンダリセルのために時間同期を追加すること、又はダウンリンクデータが到着し、且つUEがアップリンクの非同期状態にあることを含み、
前記送信モジュール1303は、前記C-RNTIによってスクランブリングされた、ダウンリンク伝送をスケジューリングするためのPDCCHを送信し、
前記PDCCHによってスケジューリングされたダウンリンク伝送に基づき、タイムアラインメントコマンドTACを送信するように配置される。
【0182】
一例において、前記トリガーイベントは、
ビーム失敗回復を含み、
前記送信モジュール1303は、前記C-RNTIによってスクランブリングされたPDCCHを送信するように配置される。
【0183】
図14は本願の一例示的な実施例による通信端末(端末またはアクセスネットワーク機器)を示す構造模式図であり、該ユーザー機器は、プロセッサ1401、受信機1402、送信機1403、メモリ1404、及びバス1405を備え、
プロセッサ1401は1つ又は1つ以上の処理コアを含み、プロセッサ1401はソフトウェアプログラム及びモジュールを稼働することにより、様々な機能的アプリケーション及び情報処理を実行する。
【0184】
受信機1402および送信機1403は1つの通信コンポーネントとして実現されてもよく、該通信コンポーネントは通信チップであってもよい。
【0185】
メモリ1404はバス1405を介してプロセッサ1401に接続される。
【0186】
メモリ1404は少なくとも1つの命令を記憶するために使用でき、プロセッサ1401は上記方法実施例における各ステップを実現するように、該少なくとも1つの命令を実行するために使用される。
【0187】
なお、メモリ1404は任意のタイプの揮発性または不揮発性の記憶機器又はそれらの組み合わせによって実現されることができ、揮発性または不揮発性の記憶機器は、磁気ディスクまたは光ディスク、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM)、スタティックエニタイムアクセスメモリ(SRAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、プログラム可能な読み取り専用メモリ(PROM)を含むが、これらに制限されない。
【0188】
例示的な実施例において、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体を提供し、前記コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に少なくとも1つの命令、少なくとも一部のプログラム、コードセットまたは命令セットが記憶され、前記少なくとも1つの命令、前記少なくとも一部のプログラム、前記コードセットまたは命令セットは前記プロセッサによりロードして実行され、上記の各方法実施例による通信機器により実行されるアップリンクデータの送信/受信方法を実現するようにする。
【0189】
本願の一例示的な実施例はコンピュータで読み取り可能な記憶媒体をさらに提供し、前記コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に少なくとも1つの命令、少なくとも一部のプログラム、コードセットまたは命令セットが記憶され、前記少なくとも1つの命令、前記少なくとも一部のプログラム、前記コードセットまたは命令セットは前記プロセッサによりロードして実行され、上記の各方法実施例による直接通信の電力制御方法を実現するようにする。
【0190】
理解すべきこととして、本明細書で言及された「複数」とは、2つまたは2つ以上を指す。「および/または」は、関連オブジェクトの関連関係を説明し、例えば、Aおよび/またはBは、Aのみが存在する場合、AとBが同時に存在する場合、Bのみが存在する場合の3種の関係が存在できるのを示す。文字「/」は通常、前後の関連オブジェクトが「または」の関係であることを示す。
【0191】
当業者は、明細書を考慮し、ここで開示された発明を実践した後、本願の他の実施手段を容易に想到し得る。本願は、本願のいずれの変形、用途又は適用的変化を含むことを主旨とし、これらの変形、用途又は適用的変化は本願の一般的な原理に従い、本願に開示されていない当該分野における公知の常識または従来の技術的手段を含む。明細書と実施例は例示的なもののみとして見なされ、本願の本当の範囲と精神は以下の請求項によって指摘される。
【0192】
理解すべきこととして、本願は、上記に記載され、図面に示されている正確な構造に限定されず、その範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更を行うことができる。本願の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。