(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】電気シャント装置およびシステム
(51)【国際特許分類】
B60L 5/38 20060101AFI20241205BHJP
B61B 13/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B60L5/38 B
B61B13/00 T
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022020610
(22)【出願日】2022-02-14
【審査請求日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519447732
【氏名又は名称】トランスポーテーション アイピー ホールディングス,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100232275
【氏名又は名称】和田 宣喜
(72)【発明者】
【氏名】マクマハン,トラヴィス
(72)【発明者】
【氏名】ノックス,スティーヴン ジェー. セカンド
(72)【発明者】
【氏名】ピオトロフスキー,ゲイリー
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ステイシー ニール
【審査官】上野 力
(56)【参考文献】
【文献】実開昭51-107707(JP,U)
【文献】実開平03-011301(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第106809017(CN,A)
【文献】国際公開第2015/146393(WO,A1)
【文献】特表2019-537917(JP,A)
【文献】特開昭55-122401(JP,A)
【文献】実公昭46-009284(JP,Y1)
【文献】特開2013-198379(JP,A)
【文献】国際公開第2015/115122(WO,A1)
【文献】中国実用新案第205417201(CN,U)
【文献】特開2020-174504(JP,A)
【文献】特開2000-050406(JP,A)
【文献】特開2018-160985(JP,A)
【文献】特開平06-054404(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 5/38
B61B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャント装置であって、
車両に接続するように構成されている取り付けブラケットアセンブリと、
前記取り付けブラケットアセンブリに接続されたアクチュエータと、
前記アクチュエータに接続された付勢アセンブリ、および前記付勢アセンブリに取り付けられた導電性シューを備えるシューユニットと、を備え、
前記アクチュエータが、前記シューユニットを後退位置から、前記導電性シューが導電性の第1の走行面に接触するように位置決めされるように構成されている延出位置に選択的に移動させるように制御可能であり、かつ
前記付勢アセンブリが、前記車両の移動中に前記導電性シューを導電性の前記第1の走行面に押し付けるための第1の力を前記導電性シューに及ぼすように構成されており、
前記付勢アセンブリが前記導電性シューに対して作用させる前記第1の力の方向が垂直方向であり、
前記付勢アセンブリが、
前記アクチュエータ
の垂直方向に移動可能な端部に接続された支持部材、および少なくとも2つのねじりユニットであって、前記ねじりユニットの各々が、前記支持部材に接続されたねじり弾性部材と、一対のピボットアームとをそれぞれ含み、前記ピボットアームの第1の端部が前記ねじり弾性部材に接続され、前記ピボットアームの第2の端部が前記導電性シューに枢動可能に接続されている、支持部材、および少なくとも2つのねじりユニットと、
前記ピボットアームであって、前記導電性シューが、導電性の前記第1の走行面に押し付けられて前記ねじり弾性部材に負荷がかかるとき、前記支持部材側に枢動するように構成されており、前記ねじり弾性部材は、導電性の前記第1の走行面に対して前記導電性シューに加えられる前記第1の力に変換される第2の力を前記ピボットアームに及ぼすように構成され、更に
、前記シューユニットが前記延出位置に維持された状態において、前記導電性シューが
、導電性の前記第1の走行面から離れるように上方に移動する一方で、導電性の前記第1の走行面上で障害物に遭遇した場合、後方方向に枢動するように、前記導電性シューを導電性の前記第1の走行面に対して枢動させるように構成されている、前記ピボットアームと、を含む
シャント装置。
【請求項2】
前記導電性シューに電気的に接続された電気導体ユニットであって、導電性の前記第1の走行面と、前記車両の前記移動中に前記車両に接続された別のシャント装置の別の導電性シューが接触するように構成されている導電性の第2の走行面との間に電気シャントを確立するために、前記別の導電性シューにも電気的に接続するように構成されている電気導体ユニットをさらに備える、請求項1に記載のシャント装置。
【請求項3】
前記アクチュエータが、空気圧シリンダを含む、請求項1に記載のシャント装置。
【請求項4】
前記シューユニットと前記取り付けブラケットアセンブリとを相互接続する少なくとも1つの延出弾性部材であって、前記少なくとも1つの延出弾性部材が、前記アクチュエータが非活性化されたときに、前記シューユニットを前記後退位置に引き戻すように構成されていることからなる少なくとも1つの延出弾性部材を、さらに備える、請求項1に記載のシャント装置。
【請求項5】
前記アクチュエータが、前記シューユニットを前記後退位置から前記延出位置に選択的に移動させるように制御可能であり、前記導電性シューと前記車両が走行する導電性の前記第1の走行面との間を電気的に接続するために、前記シャント装置が使用のために前記車両に接続され、前記シューユニットが前記延出位置にある間、前記導電性シューが導電性の前記第1の走行面に接触するように位置決めされるように構成されている、請求項1に記載のシャント装置。
【請求項6】
前記アクチュエータが、前記車両の空気圧供給ラインに取り付けられるように構成されている空気圧ベローズを備え、前記空気圧ベローズが、前記空気圧供給ラインから加圧ガスを受容すると、膨張して、前記シューユニットを前記延出位置に移動させるように構成されている、請求項1に記載のシャント装置。
【請求項7】
前記アクチュエータの動作軸と、前記付勢アセンブリが前記導電性シューに及ぼすように構成されている前記第1の力の方向の両方とも、前記シャント装置が前記導電性シューを使用して導電性の前記第1の走行面に接触するために前記車両に設置されたとき、導電性の前記第1の走行面に対して実質的に垂直である、請求項1に記載のシャント装置。
【請求項8】
前記取り付けブラケットアセンブリが、細長いブラケットアームと、高さ調整部材と、ハウジングとを備え、前記ブラケットアームが、前記車両に取り付けられるように構成されている第1の端部を有し、前記高さ調整部材が、前記ブラケットアームの第2の端部に取り付けられており、前記ハウジングが、前記高さ調整部材に対して前記ハウジングの選択的な位置決めのために前記高さ調整部材に調整可能に固定され、前記シャント装置が前記車両上で使用するために取り付けられたときに前記ハウジングと導電性の前記第1の走行面との間の距離を調整し、前記アクチュエータが、前記ハウジング内に少なくとも部分的に位置決めされている、請求項1に記載のシャント装置。
【請求項9】
前記導電性シューが、ダクタイル鉄、鋳鉄、鋳造ねずみ鋳鉄、または鋼のうちの1つ以上から構成されている、請求項1に記載のシャント装置。
【請求項10】
前記取り付けブラケットアセンブリ、前記アクチュエータ、または前記シューユニットのうちの少なくとも1つと動作可能に連動し、前記シューユニットの状態を検出し、検出された前記導電性シューの前記状態を示すセンサ信号を生成するように構成されているセンサユニットをさらに備える、請求項1に記載のシャント装置。
【請求項11】
前記導電性シューが前記シャント装置から分離したことを前記センサ信号が示すことに応答して、前記シューユニットが前記後退位置に移動するように、前記アクチュエータを制御するように構成されているコントローラをさらに備える、請求項10に記載のシャント装置。
【請求項12】
車両であって、
請求項1に記載のシャント装置であ
る第1のシャント装置であって、前記第1のシャント装置の前記取り付けブラケットアセンブリが、前記車両の第1の側面に取り付けられ、前記第1のシャント装置の前記導電性シューが、前記第1のシャント装置の前記シューユニットを前記延出位置に移動させるように前記第1のシャント装置の前記アクチュエータが制御されたときに、導電性の前記第1の走行面に接触するように構成されている、第1のシャント装置と、
請求項1に記載のシャント装置であ
る第2のシャント装置であって、前記第2のシャント装置の前記取り付けブラケットアセンブリが、前記車両の第2の側面に取り付けられ、前記第2のシャント装置の前記導電性シューが、前記第2のシャント装置の前記シューユニットを前記延出位置に移動させるように前記第2のシャント装置の前記アクチュエータが制御されたときに、導電性の第2の走行面に接触するように構成されている、第2のシャント装置と、
前記第1のシャント装置の前記導電性シューと、前記第2のシャント装置の前記導電性シューとに電気的に結合された電気導体ユニットであって、前記導電性シューが導電性の前記第1および第2の走行面に接触したときに導電性の前記第1および第2の走行面を分流する、電気導体ユニットと、を備える、車両。
【請求項13】
前記電気導体ユニットが、前記第1のシャント装置の前記導電性シューに電気的に接続された第1の端部と、前記第2のシャント装置の前記導電性シューに電気的に接続された第2の端部とを有する絶縁電気ケーブルを備える、請求項12に記載の車両。
【請求項14】
前記取り付けブラケットアセンブリが、取り付けブラケットを備え、
前記シューユニットが、前記取り付けブラケットに枢動可能に接続されたシュー支持板を備え、
前記アクチュエータが、シリンダユニットと、前記シリンダユニット内に動作可能に置かれたピストンと、前記シリンダユニットの内側で前記ピストンに取り付けられ、前記シリンダユニットの外側に延在するロッドと、を有する機械的流体アクチュエータを備え、前記シリンダユニットまたは前記ロッドの一方が前記取り付けブラケットに枢動可能に取り付けられ、前記シリンダユニットまたは前記ロッドのもう一方が前記シュー支持板に枢動可能に取り付けられ、前記機械的流体アクチュエータが、作動すると、前記シュー支持板を前記延出位置および前記後退位置に選択的に枢動させるように構成されており、
前記付勢アセンブリが、前記シュー支持板が前記取り付けブラケットに枢動可能に接続されている前記シュー支持板の端部に対して反対側の前記シュー支持板の遠位端の下側に接続されている、請求項1に記載のシャント装置。
【請求項15】
シャント装置であって、
車両に接続するように構成されている取り付けブラケットアセンブリと、
前記取り付けブラケットアセンブリに接続されたアクチュエータと、
前記アクチュエータに接続されたシューユニットと、を備え、
前記アクチュエータが、前記シューユニットの導電性シューが、導電性の第1の走行面に接触するように位置決めされる延出位置まで前記シューユニットを移動させるように制御可能であり、
前記シューユニットが、前記導電性シューに第1の力を及ぼし、前記車両の移動中に前記導電性シューを導電性の前記第1の走行面に押し付けるように構成されている付勢アセンブリを備えており、
該付勢アセンブリが前記導電性シューに対して作用させる前記第1の力の方向が垂直方向であり、
前記付勢アセンブリが、
前記アクチュエータ
の垂直方向に移動可能な端部に接続された支持部
材、および少なくとも2つのねじりユニットであって、前記ねじりユニットの各々が、前記支持部材に接続されたねじり弾性部材と、一対のピボットアームとをそれぞれ含み、前記ピボットアームの第1の端部が前記ねじり弾性部材に接続され、前記ピボットアームの第2の端部が前記導電性シューに枢動可能に接続されている、支持部
材、および少なくとも2つのねじりユニットと、
前記ピボットアームであって、前記導電性シューが、導電性の前記第1の走行面に押し付けられて前記ねじり弾性部材に負荷がかかるとき、前記支持部材側に枢動するように構成されており、前記ねじり弾性部材は、導電性の前記第1の走行面に対して前記導電性シューに加えられる前記第1の力に変換される第2の力を前記ピボットアームに及ぼすように構成され、更に
、前記シューユニットが前記延出位置に維持された状態において、前記導電性シューが
、導電性の前記第1の走行面から離れるように上方に移動する一方で、導電性の前記第1の走行面上で障害物に遭遇した場合、後方方向に枢動するように、前記導電性シューを導電性の前記第1の走行面に対して枢動させるように構成されている、前記ピボットアームと、を含む
シャント装置。
【請求項16】
前記導電性シューに電気的に結合された第1の端部と、前記車両に動作可能に接続された別のシャント装置の別のシューに電気的に取り付けられるように構成されている第2の端部とを有し、前記導電性シューおよび前記別のシューが導電性の前記第1および第2の走行面に接触するときに、導電性の前記第1の走行面および導電性の第2の走行面を電気的に分流する電気導体ユニットをさらに備える、請求項15に記載のシャント装置。
【請求項17】
前記シューユニットと前記ブラケットアセンブリとを相互接続する少なくとも1つの延出弾性部材であって、前記少なくとも1つの延出弾性部材が、前記アクチュエータが非活性化されたときに、前記シューユニットを後退位置に引き戻すように構成されている、少なくとも1つの延出弾性部材をさらに備える、請求項15に記載のシャント装置。
【請求項18】
方法であって、
車両に取り付けられた第1および第2のシャント装置の作動ユニットを活性化させて、前記シャント装置のそれぞれのシューユニットを、前記シューユニットのそれぞれの導電性シューが前記車両が走行する導電性の第1および第2の走行面に接触する延出位置に移動させ、前記導電性シューが導電性の前記第1および第2の走行面に接触したときに、導電性の前記第1および第2の走行面を分流するために前記導電性シューが電気的に相互接続される、活性化させることと、
前記シューユニットのそれぞれの付勢アセンブリとともに、前記導電性シューが前記車両の移動中に導電性の前記走行面に接触するときに、前記導電性シューを導電性の前記走行面に押し付ける
第1の力を及ぼすことと、
前記作動ユニットを活性化させて、前記付勢アセンブリのねじりユニットのピボットアームを前記作動ユニット
の垂直方向に移動可能な端部に接続された支持部材側に枢動させ、前記ピボットアームは、前記ピボットアームの第1の端部においてねじり弾性部材によって前記支持部材に接続され、前記ピボットアームは、前記ピボットアームの第2の端部において前記導電性シューに枢動可能に接続されており、前記ピボットアームを前記支持部材側に枢動させることで、前記ねじり弾性部材に負荷がかかり、導電性の第1および第2の各前記走行面に対して前記導電性シューに加えられる前記第1の力に変換される第2の力を前記ピボットアームに及ぼすことと、
各シューユニットが前記延出位置に維持された状態において、前記導電性シューのうちの少なくとも1つが、導電性の前記第1および第2の走行面から離れるように上方に移動する一方で、導電性の前記第1および第2の走行面上で障害物に遭遇した場合に後方方向に枢動するように、前記導電性シューのうちの少なくとも1つを、前記ピボットアームを用いて導電性の前記第1および第2の走行面に対して枢動させることと、を含
み、
前記第1のシャント装置の前記付勢アセンブリが該第1のシャント装置の前記導電性シューに対して作用させる前記第1の力の方向が垂直方向である、方法。
【請求項19】
前記作動ユニットの非活性化または前記作動ユニットの故障の1つ以上に応答して、前記作動ユニットを後退させることにより、前記導電性シューが導電性の前記第1および第2の走行面に接触しない後退位置に前記シューユニットを後退することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記導電性シューのうちの1つが分離したことを示す信号、または前記車両が走行する経路に沿って検出された障害物を示す信号の受信に応答して、前記作動ユニットを後退させることにより、前記導電性シューが導電性の前記第1および第2の走行面に接触しない後退位置に前記シューユニットを移動させる、または移動することを引き起こすように前記作動ユニットを非活性化させることをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国仮出願第63/151,498号(2021年2月19日に出願)の優先権を主張し、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書の主題の実施形態は、電気シャントに関する。他の実施形態は、車両用の電気シャントに関する。
【背景技術】
【0003】
いくつかの車両制御システムは、車両が動作する2つの隣接する導電性走行面、例えば、平行な線路の2つの区画を電気的に相互接続または短絡するために、車両に搭載されたシャント接続を利用する。走行面は、例えば、信号伝達技術を使用して走行面の経路に沿った車両の場所を決定する目的で、それらの間に電気接続を確立するために分流される。シャント接続は、車両の導電性(例えば、金属)牽引構成要素、すなわち、1つの走行面から、車両の第1の金属車輪を通って、車両の金属車軸を通って、車両の第2の金属車輪(車輪は車軸に接続されている)に延在し、次いで、第2の金属車輪から第2の走行面に延在する電気接続によって確立される。しかしながら、そのような車両が動作する複雑な動作環境により、輪軸シャントは、特定の車両制御アプリケーションに対して十分な接続性(時間的、および/または信号強度の観点から)を提供しない場合がある。例えば、走行面上に水または氷などの物質が付着すると、車輪と走行面との間の電気的接続が一時的に途切れる可能性がある。
【0004】
したがって、既存のデバイスとは異なる電気シャントアセンブリまたはシステムを提供することが望ましい場合がある。
【0005】
簡単な説明
一実施形態では、シャント装置は、車両に接続するように構成されている取り付けブラケットアセンブリ、取り付けブラケットアセンブリに接続されたアクチュエータ、およびアクチュエータに接続されたシューユニットを含む。アクチュエータは、装置が車両に展開されるとき、シューユニットの導電性シューが、車両が走行する(例えば、金属レールの)導電性の第1の走行面に接触するように位置決めされる延出位置に(例えば、後退位置から延出位置に)、シューユニットを移動させるように制御可能である。シューユニットは、シューに力を及ぼし、車両の移動中にシューを走行面に押し付けるように構成されている弾性付勢アセンブリを含む。
【0006】
実施形態では、そのようなシャント装置のうちの2つは、車両の向かい合う側に取り付けられてもよい。2つのシャント装置のシューは、例えば、車両の側部の間の車両の下またはそれを通って延在するケーブルまたは他の電気導体ユニットによって互いに電気的に接続されている。シューがそれぞれの走行面と接触すると、走行面は電気的に分流される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の主題は、添付の図面を参照して、非限定的な実施形態の以下の説明を読むことから理解され得る。
【0008】
【
図2】車両シャントシステムの実施形態を図示する。
【
図3】それぞれ延出(作動)および後退(停止)状態にある
図1のシャント装置を示す。
【
図4】それぞれ延出(作動)および後退(停止)状態にある
図1のシャント装置を示す。
【
図5】シャント装置の付勢アセンブリの部分の実施形態の上面図または平面図である。
【
図6】
図5に示される付勢アセンブリの部分の側面図である。
【
図8】センサユニットを有するシャント装置の一部を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に記載される主題の実施形態は、車両用の電気シャントシステムに関し、例えば、車両の位置決定または他の信号伝達の目的のために、車両がその上でまたはそれに沿って動作する導電性走行面を電気的に分流させるためのものである。一態様では、シャント装置は、車両に接続するように構成されている取り付けブラケットアセンブリ、取り付けブラケットアセンブリに接続されたアクチュエータ、およびアクチュエータに接続されたシューユニットを含み得る。アクチュエータは、シューユニットを後退位置から延出位置に移動させるように制御可能である。シューユニットは、導電性シューと、例えば、延出位置の方向に、シューに力を及ぼすように構成されている付勢アセンブリとを含む。装置が車両上に動作可能に展開され、アクチュエータがシューユニットを延出位置に移動させるように制御されるとき、導電性シューは、車両が走行する導電性の第1の走行面に接触するように位置決めされている。同時に、付勢アセンブリは、表面の凹凸、表面上の破片などにもかかわらず、シューと走行面との間の接触を維持するために、シューを走行面に押し付ける。
【0010】
実施形態では、そのようなシャント装置のうちの2つは、車両の向かい合う側に取り付けられてもよい。2つのシャント装置のシューは、例えば、車両の側部の間の車両の下またはそれを通って延在するケーブルまたは他の電気導体ユニットによって互いに電気的に接続されている。シューがそれぞれの走行面と接触すると、走行面は電気的に分流される。
【0011】
一態様によれば、シャント装置は、車両上に対で展開されてもよく、例えば、1対、2対、または2つ超の対が存在してもよい。各対について、1つのシャント装置は、第1の導電性走行面に対して車両の一方の側上に位置決めされ、別のシャント装置は、第2の導電性走行面に対して車両の他方の側上に位置決めされている。2つのシャント装置は、電気導体ユニット(例えば、単一の電気ケーブル、または複数の電気的に相互接続された導体経路)によって互いに電気的に接続されている。シャントデバイスのアクチュエータが、シューユニットを延出位置に移動させるように制御されている(例えば、作動させる)とき、シューは走行面に接触し、それによって走行面は、シューおよび電気ケーブルユニットを通して電気的に分流される。電気シャントは、実質的にほとんど抵抗がない(例えば、一実施形態では50ミリオーム以下、別の実施形態では10ミリオーム以下)電気接続、または走行面間の対応する電圧降下である。走行面を分流することは、既知の方法での車両位置決定、または他の車両信号の目的のために、走行面を通しての電気信号情報の生成(例えば、信号の印加または中断)をもたらし得る。
【0012】
上述のように、走行面は導電性であり、車両は走行面の上、かつ/またはそれに沿って走行するように構成されている。例えば、走行面は、平行な金属レールの上面または他の表面であってもよく、車両は、機関車などのレール車両であってもよい。他の例では、走行面は、経路の側面に沿った金属ガイドウェイの表面、通信または他の目的で使用される車両の上または下の電気導体、運搬トラック、鉱山トロッコ、自動車などのための金属車道ストリップなどであり得る。車両は、走行面上に座るように構成されてもよいが、これは必ずしもすべての用途に当てはまるとは限らず、例えば、「走行」は、車両が面上、またはそれに沿って、またはその近くで動作し得ることを意味する。
【0013】
実施形態では、導電性シューは、全体または一部がダクタイル鉄でできている。例えば、導電性シュー全体は、鋳造ねずみ鋳鉄、ダクタイル鉄(例えば、鋳鉄)、鋼(例えば、鋳造または他の鋼)でできていてもよく、または走行面に接触するように構成されているシューの底部部分は、ダクタイル鉄でできていてもよく、シューの残りの部分は、1つ以上の他の材料でできている。他の可能な材料としては、他のタイプの鉄、鋼、銅、他の導電性金属、金属複合材、金属(複数可)の複合材、および他の材料などが挙げられる。しかしながら、一般に、耐久性があり、低抵抗率/高導電性を有する1つまたは複数の材料を使用することが望ましい場合がある。一態様では、シューは、金属もしくは他の導電性材料の固体ブロックまたは他の本体である。本体は、長さ、長さより短い幅、および幅より短い厚さを有する概ね長方形の概ね細長い固体であってもよい。幅は、走行面の幅に対応し得る。他の態様では、シューは、走行面に接触するように構成されている可撓性の導電性ブラシを含み得る。シューの底面または縁(すなわち、走行面に接触するように構成および位置決めされているシューの表面)は、平坦であってもよく、またはそれらは、シューと走行面との間の走行摩擦のレベルを低減する一方で、電気接続の所望のレベルまたは程度を維持するために、溝、凹部、空隙などを備えていてもよい。
【0014】
一実施形態では、シューの前縁および/または後縁(それぞれ、走行面に沿って前方または後方に移動する方向で)は、走行面との電気的接続のためではなく、シューの前方の走行面を削り取るか、またはそうでなければ機械的に調整するために、シューの他の部分と同じまたは異なる材料で形成され、かつ/または作られる。例えば、シューは、セラミック、ポリマー、または突然の衝撃力に耐えることができる他の高強度材料の先端部分を備えることができる。動作中、前縁部は、シューの前方の走行面から異物を削り取り、これにより、走行面とシューの間の振動または衝撃の相互作用、シューと走行面の分離の実例などを低減することができる。代替的に、シューの前および後縁部は、シューの主要部分が走行面と接触するときに走行面から少し離れて位置決めされるように、シューの前および後縁部を隆起またはリップさせて、破片からの衝撃を低減することができる(例えば、破片は、まだシューを収縮させることなく前縁または後縁の下を通過し、シューは、シュー前縁で破片に衝突する代わりに破片の上をスライドする)。
【0015】
実施形態では、シャント装置のアクチュエータは、制御信号を受信し、制御信号に応答して、シューユニットを移動させるために(アクチュエータの作業部材または他の部分を)延出および/または後退するように構成されているデバイスであってもよい。アクチュエータの種類に応じて、制御信号は、電気信号(例えば、指定された波形による電力の印加または除去)、油圧(例えば、加圧された液体の印加または除去)、空気圧(例えば、加圧されたガスの印加または除去)などであり得る。制御信号は、車両制御システムまたは他の制御システム、例えば、マイクロプロセッサベースのコントローラ、電気機械制御システム、1つ以上の機械的スイッチまたはバルブなどによって、直接的または間接的に、自動的にまたは手動で生成されてもよい。
【0016】
一実施形態において、アクチュエータは、空気圧ベローズであってもよい。空気圧ベローズは、膨張可能(折り畳み可能および拡張可能)であり、ガス密の内部空間を画定する柔軟な袋部材(例えば、シース、円筒壁など)によって相互に接続される2つのエンドプレートを含む。袋部材は、ポリマー、ポリマー複合材、天然膜等から作られてもよい。減圧されると、袋部材は、折り畳まれた状態にあるか、または少なくとも自由に折り畳むことができ、それにより、エンドプレートは互いに比較的近くにあることができる。ベローズは、プレートの一方に進入開口部を含み、車両の空気圧ラインに接続するように構成されている。制御可能なバルブは、空気圧ラインに空気圧で接続され、車両に搭載された圧力源、例えば空気圧縮機リザーバからの空気圧ラインへの加圧ガス(例えば、空気)の印加を制御する。バルブが開かれると、加圧されたガスはベローズの内部空間に入り、これにより、袋部材が膨張し、反対側のエンドプレートが進入開口部を有するエンドプレートから離れて移動する。この動きにより、シューユニットは延出位置に移動する。
【0017】
任意選択で、アクチュエータは、圧力(例えば、空気、別の気体、または液体)を受容して、(例えば、加圧されたとき)空気圧シリンダを膨張させ、(例えば、減圧されたとき)非膨張状態に収縮または戻すことができる空気圧シリンダであってもよい。制御可能なバルブは、空気圧ラインに空気圧で接続され、車両に搭載された圧力源、例えば空気圧縮機リザーバからの空気圧ラインへの加圧ガス(例えば、空気)の印加を制御することができる。バルブが開かれると、加圧されたガスがシリンダの内部空間に入り込み、シリンダが膨張するか、または延びる。この動きにより、シューユニットは延出位置に移動する。シリンダは、バルブの閉鎖時、またはガス圧力が(例えば、バルブを介して)シリンダに印加されなくなったときに、自動的に収縮してもよく、または非延出状態に戻ってもよい。
【0018】
他の実施形態では、アクチュエータは、油圧ベローズ、例えば、一般的に上述されるが加圧された液体の適用時に動作するデバイスであり得る。そのような場合、ベローズは、例えば、油圧ポンプ、車両の油圧供給ラインなどに接続されるように構成され得る。
【0019】
他の実施形態では、アクチュエータは、油圧シリンダ、空気圧シリンダ、もしくは他の機械的流体アクチュエータであってもよく、またはそれらは、プッシュプルソレノイドもしくは他の線形ソレノイド(例えば、コイルに電気的に通電することにより、作業動作のためにロッドまたはピストンを線形に移動させるデバイス)、モータ駆動の線形移動アーム部材などの電気駆動アクチュエータであってもよい。油圧シリンダの場合、油圧シリンダは、加圧液体の供給源、例えば、油圧ポンプ(油圧シリンダに一体化されているか、またはそれ以外の場合)または油圧供給ラインに油圧的に接続されるように構成されている。同様に、空気圧シリンダは、圧縮機、空気圧供給ラインなどに空気圧的に接続されるように構成されている。
【0020】
アクチュエータは、それぞれの制御信号の印加により、シューユニットを後退位置から延出位置へ移動させることと、シューユニットを延出位置から後退位置へ移動させることの両方を制御可能に構成されていてもよい。代替的に、アクチュエータは、シューユニットを後退位置から延出位置に移動させるように構成されていてもよく、シューユニットの後退位置への復帰は、アクチュエータが非活性化(例えば、減圧または非通電)されたときに、シャント装置に提供された自動復帰デバイス/コンポーネントによって実施される。例えば、一実施形態では、シャント装置は、取り付けブラケットアセンブリおよびシューユニットを相互接続する少なくとも1つの延出弾性部材を含む。(「弾性部材」とは、一般に、圧縮、延伸、ねじり、または負荷をかけて機械的エネルギーを蓄積することができ、無負荷状態に戻りやすいばね、ポリマーバンド、その他のポリマー部材などを指す。延出弾性部材は、装填時に伸長または延出し、延出方向とは反対方向に力を及ぼすものである。例としては、引っ張りばね、ゴムバンド、または他のポリマーバンドが挙げられる。)空気圧ベローズまたは他のアクチュエータが非活性化される(例えば、圧力源がベローズから取り外される)と、延出弾性部材は、無負荷状態に自動的に弾き戻すか、または別様で後退し、シューユニットを後退位置に引き戻すことができる。
【0021】
延出弾性部材または他の自動復帰デバイスは、アクチュエータが制御可能に非活性化または停止されるときに、シューユニットを後退位置に戻すように構成されている。自動復帰デバイスはまた、アクチュエータが故障した場合、または別様に意図せずに非活性化された場合、シューユニットを後退位置に戻す役割を果たす。例えば、空気圧ベローズの場合、エアバッグ(例えば、1つ以上のベローズ)が穿刺され(それによって圧力を失う)、車両の空気圧ラインが車両システムの故障などにより圧力が低下することによって、意図的ではない非活性化が生じ得る。別の例は、車両の電気的故障により電力を失うプッシュプルソレノイドである。このように自動的にシューユニットを後退させることは、フェイルセーフの観点から望ましい場合があり、例えば、システムの障害または故障は、シューユニットが自動的に機械的に指定された非活性化または安全な位置に後退される結果となる。
【0022】
一実施形態では、シャット装置は、シューユニットと取り付けブラケットアセンブリとを相互接続する(自動復帰デバイスとしての)2つ以上の引っ張りばねを含む。例えば、アクチュエータのいずれかの側に位置決めされた2つの引っ張りばね、またはアクチュエータの周囲に等間隔に位置決めされた4つの引っ張りばねがあり得る。可能な自動復帰デバイスの他の例としては、他のタイプの弾性部材、レバー式つり合い重り、または作動圧力が失われると作動部材(例えば、ロッドまたはピストン)を後退させる油圧シリンダもしくは空気圧シリンダが挙げられる。
【0023】
実施形態では、シューユニットは、弾性付勢アセンブリを含んでもよい。付勢アセンブリは、アクチュエータと導電性シューズとを相互接続し、アクチュエータに向かって移動し、およびそれから離れるための移動範囲をシューに提供する1つ以上の弾性(可撓性または別様に移動可能)構成要素を含む。付勢アセンブリは、走行面の方向に導電性シューに力を及ぼすように構成されている。印加される力は、アクチュエータによって印加される任意の力に加えて、シューユニットが延出位置にあるときに、シューユニットが走行面に対してどれだけ近くに位置決めされているかの関数であってもよい。(以下で論じるように、実施形態では、シューユニットと走行面との間の距離は、取り付けブラケットアセンブリの高さ調整機能などによって調整可能である)。一実施形態では、付勢アセンブリは、シューユニットが延出位置にあるときに、導電性シューに対して80~100ニュートンの力を走行面に及ぼすように構成されている。これにより、表面の凹凸、破片などにもかかわらず、走行面に沿って、かつ接触しているシューの追跡が容易になる。
【0024】
一実施形態では、付勢アセンブリは、アクチュエータの可動端に接続された支持部材(例えば、支持板)と、少なくとも2つのねじりユニットとを含む。各ねじりユニットは、支持部材に動作可能に接続されたそれぞれのねじり弾性部材(例えば、ねじりばね)と、一対のピボットアームとを含む。ピボットアームの第1の端部は、ねじり弾性部材に動作可能に接続され、導電性シューは、ピボットアームの第2の端部に枢動可能に取り付けられている。動作中、シャント装置が車両に展開され、走行面に対して指定された方法で位置決めされ、かつシューユニットが後退位置にあるとき、ねじり弾性部材は無負荷となり、ピボットアームとシューは支持部材から離れた延出位置にある。シューユニットを延出位置に移動すると、最初はシューが走行面に接触する。シューユニットをその延出位置まで完全に移動すると、シューが走行面に押し付けられる。これにより、ピボットアームが支持部材側に枢動し、ねじり弾性部材に負荷がかかる。その負荷状態では、ねじり弾性部材がピボットアームに力を及ぼし、それは走行面に抗してシューに加わる力に変換される。例えば、シューが走行面の破片、突起、バンプなどに遭遇した場合、シューはねじり弾性部材の作用に抗して上方に移動するが、破片、バンプ、突起などが過ぎると、ねじり弾性部材がシューを下方に押し戻し、接触を維持するか、または少なくともシューと面の分離の事例もしくは時間を最小にすることができる。ピボットアームは、シューを損傷させないように、シューが表面に対して枢動することを許容する。例えば、車両に搭載されたいくつかの既知のシャント接続では、走行面に接触するシューは、走行面に対して上下に動くことが制限され得る。シューが面上で障害物に遭遇した場合、シューの移動方向およびシューの力は概して垂直である。これにより、シューに大きな機械的衝撃が生じ、シューが車両から引き剥がされたり、その他の損傷を受けたりする可能性がある。しかしながら、本発明の主題の少なくとも1つの実施形態のピボットアームは、シューが(単に反対方向ではない)少なくとも2つの方向に移動することを許容する。具体的には、ピボットアームにより、シューは上方への移動と後方への枢動(移動方向に対して)の両方を許容することができる。シューは障害物に遭遇した場合、シューの可能な移動方向により即しており、シューがその力から離れる方向に動くことで、少なくともその力の一部は緩和される。例えば、シューは、面および障害物から離れるように上方に移動し得、かつ後方方向に枢動し得る。これは、シューが少なくとも部分的に、力から離れた方向に移動することができるため、シューへの応力をはるかに低くすることができる。
【0025】
他の実施形態では、付勢アセンブリは、ばね式ハサミアームアセンブリ、単純圧縮ばね、ショックアブソーバなどを含み得る。
【0026】
図面の
図1~
図4を参照すると、
図1は、車両24(
図2を参照)に接続するように構成されている取り付けブラケット組立体22、取り付けブラケットアセンブリに接続されたアクチュエータ26、およびアクチュエータに接続されたシューユニット28を有するシャント装置20の第1の実施形態を示す。アクチュエータは、シューユニットを後退位置30(
図4を参照)から延出位置32(
図1および
図3を参照)に移動させるように制御可能である。シューユニットは、導電性シュー34と、例えば、延出位置の方向38に、シューに力を及ぼすように構成されている付勢アセンブリ36とを含む。装置が車両上に動作可能に展開され、アクチュエータが、シューユニットを延出位置に移動させるように制御されるとき、導電性シューは、車両が走行する導電性の第1の走行面40(例えば、金属レールの上面または他の表面)に接触するように位置決めされている。同時に、付勢アセンブリは、(付勢アセンブリを有さないことに対して)シューと走行面との間の接触の度合または程度を上げるために、シューを走行面に押し付ける。
【0027】
図2を参照すると、一実施形態では、システム42(例えば、導電性走行面を分流するための車両シャントシステム)は、車両(鉄道車両または他の車両)に、例えば、車両の片側で、第1の走行面に対して上方または他の近傍に取り付けられているシャント装置を含む。(装置20と同じ構成を有する)第2のシャント装置44は、車両に、別の場所、例えば、車両の反対側で、車両が動作する導電性の第2の走行面46の上方または近傍に取り付けられてもよい。設置中、ブラケットアセンブリが車両に所定の位置に固定される前に、シャント装置は、垂直に、かつ/またはそうでなければ、走行面に対して位置決めされているので、装置のシューユニットが延出位置に移動されると、導電性シューは、付勢アセンブリに一部負荷がかかった状態で走行面に接触する。すなわち、走行面に接触する位置において、シューは、それらの全可能な走行範囲(アクチュエータに最も近いシューの第1の区切り位置とアクチュエータから最も遠いシューの第2の区切り位置との間として定義される範囲)の中央のどこかにあり、その結果、走行面に沿った移動中に、シューは、(例えば、破片に遭遇したときに)付勢アセンブリによって印加される力に抗して上向きに移動することができ、(例えば、破片を一度通過すると)付勢アセンブリの作用を受けて下向きに移動することができる。
【0028】
また、システムは、電気導体ユニット48を含む。2つのシャント装置のシューは、例えば、車両の側部の間の車両の下または車両を通って延在する電気導体ユニットによって互いに電気的に接続されている。シューがそれぞれの走行面40、46と接触すると、走行面は、シューおよび電気導体ユニットの電気的経路によって電気的に分流される。一実施形態では、電気導体ユニットは、一方のシューに電気機械的に接続された(溶接、はんだ付け、またはボルト、ラグ、もしくは他の締結具によって機械的に接続され、かつ、例えば、金属間接触によって、電気的にも接続された)第1の端部と、他方のシューに電気機械的に接続された第2の端部を有する絶縁ケーブルとを含む。代替的に、電気導体ユニットは、2つのシューの間に低抵抗電気経路を確立するために、直列に、または別様に互いに接続されている複数の導体を含み得る。例えば、電気導体ユニットは、取り付けブラケットアセンブリの金属部品にシューに電気的に接続する第1のケーブル/ワイヤと、取り付けブラケットアセンブリの金属部品と、取り付けブラケットアセンブリの金属部品を他のシャント装置の取り付けブラケットアセンブリの金属部品に電気的に接続する第2のケーブル/ワイヤと、他のシャント装置の取り付けブラケットアセンブリの金属部品と、他のシャント装置の取り付けブラケットアセンブリの金属部品を他のシューに電気的に接続する第3のケーブル/ワイヤと、を含むことができる。他の構成も可能であり、例えば、シャント装置は、シューと取り付けブラケットアセンブリとの間に低抵抗経路をともに確立する相互接続された金属部品、例えば、金属製の取り付けブラケットアセンブリに取り付けられた金属製の引っ張りばねに取り付けられた金属付勢アセンブリに取り付けられた導電性シュー(および低抵抗経路を完成するための、例えば、2つのシャントアセンブリのブラケットアセンブリを相互接続するケーブル)などを含んでいる。
【0029】
一実施形態では、
図1に戻って参照すると、取り付けブラケットアセンブリは、細長いブラケットアーム50と、高さ調整部材52と、ハウジング54(
図1および
図4ではカバーまたは蓋が取り外された状態で、
図3ではカバーまたは蓋がある状態で示されている)とを含むことができる。ブラケットアームは、車両に取り付けられるように構成されている第1の端部56と、遠位の第2の端部58とを有する。第1および第2の端部部分は、互いに接続される第1および第2の端部部分の間に介在される1つ以上の振動減衰器、例えばポリマーブッシュまたはワッシャによって互いに接続されてもよい。代替的に、シャント装置は、振動減衰器を含んでいなくてもよい。高さ調整部材は、ブラケットアームの第2の端部に取り付けられる。高さ調整部材は、垂直配向のプレート(図示のように)、垂直配向のスライドアーム(またはアーム)、細長い垂直配向の格子またはラダー片などであってもよい。(シャント装置が車両に設置されている場合に相対的に垂直。)ハウジングは、高さ調整部材に調整可能に固定され、装置が車両に使用するために設置されたときに、ハウジングと走行面との間の距離を調節するために、方向62に沿って、高さ調整部材に対してハウジングを選択的に位置決めするためのものである。例えば、ハウジングは、ボルトおよびナットまたは他の締結具によって高さ調整部材に取り外し可能に、しかし確実に接続されてもよく、高さ調整部材は、ハウジングの異なる選択可能な位置においてボルトまたは他の締結具を受容するための穴または開口の配列を有している。代替的または追加的に、ハウジングは、フック、タブおよびスロット、クリップ、スポット溶接などで取り外し可能に取り付けられ得る。ハウジングは内部空間を画定し、その空間は完全または部分的に密閉され、内部の環境汚染を低減することができる一方、アクチュエータ(ハウジング内部)がシューユニットを移動させる方法を提供する。例えば、ハウジングは下部開口を有し、付勢アセンブリの支持部材64(例えば、長方形または他のプレート)が下部開口内にぴったりと嵌り、ハウジングに対して摺動可能に移動しつつ、内部に対する密閉機能を提供してもよい。(
図1および
図3のハウジングは、内部空間を示すために部分的に取り外されている)。
【0030】
図1に示すように、アクチュエータは、本明細書で論じられるように、他の構成要素とともにハウジング内に置かれている。アクチュエータの上端は、ハウジングに取り付けられている。アクチュエータのもう一方の遠位端は、シューユニットに取り付けられている。使用されるアクチュエータの種類の機能として、アクチュエータの作動または活性化は、アクチュエータを膨張させ、またはアクチュエータの作動部材を動かし、いずれの場合も方向38に沿って下方に移動させる。ハウジングおよびアクチュエータは、アクチュエータを制御ライン66に接続し、ひいては制御システム68に接続するための接続および/またはスルーパス/開口機能を備えている。空気圧アクチュエータの場合、制御ラインは、例えば、空気圧供給ラインであってもよく、制御システムは、アクチュエータに加圧ガスを制御可能に供給し、除去するために供給ラインに動作可能に接続されたバルブ(例えば、アクチュエータに制御可能に圧力を印加し、アクチュエータから大気に圧力を放出するよう構成されているバルブ)を含み得る。制御システムは、例えば、運転室から弁を制御するためのスイッチまたは他の制御要素をさらに含んでもよく、あるいは弁は、電子車両コントローラによって電気的に制御されるように構成されていてもよい。電気通電されたアクチュエータの場合、制御ラインは、例えばスイッチからまたは電子車両コントローラから、アクチュエータに電気信号を印加するための1つ以上の電気ワイヤまたはケーブルを含み得る。
【0031】
図1に示すように、実施形態では、シャント装置のアクチュエータはまた、自動復帰デバイスとして動作し得る。自動復帰デバイスは、アクチュエータが意図的に非活性化されたとき、およびアクチュエータが故障状態など非意図的に非活性化されたときに、シューユニットを後退位置に戻すように構成されている、アクチュエータ内部の1つ以上の内部弾性部材であってもよい。自動復帰デバイスは、取り付けブラケットアセンブリとシューユニットとを相互接続する少なくとも1つの延出弾性部材を含み得る。シューユニットが後退され、アクチュエータが非活性化されると、少なくとも1つの延出弾性部材が弛緩し、無負荷の状態となる。アクチュエータが活性化してシューユニットを延出位置に移動させると、シューユニットは少なくとも1つの延出弾性部材を引っ張り、伸びるか、または膨張して潜在的な機械エネルギーが満ちた状態になる。アクチュエータが非活性化されると、少なくとも1つの延出弾性部材はその無負荷状態まで自由に収縮し、シューユニットを後退位置まで引き戻すことができる。少なくとも1つの弾性部材は、アクチュエータのいずれかの側面またはその周りに位置決めされた2つ以上の引っ張りばねを含み得、ハウジング上部内部を付勢アセンブリ支持部材の内向きの表面と相互接続することができる。引っ張りばねは、ハウジングまたは支持部材にブラケット対で取り付けられたシャフト要素上にばねのループ端を置くことによって、ハウジングおよび支持部材に取り付けることができる。
【0032】
実施形態では、シューユニットは、支持部材64(例えば、支持板)、付勢アセンブリ、および導電性シューを含み得る。支持部材は、上記で考察されたように、アクチュエータおよび(提供されている場合)自動復帰デバイスに取り付けられている。付勢アセンブリは、支持部材に取り付けられ、シューは、ひいては付勢アセンブリに取り付けられる。付勢アセンブリは、シャント装置が走行面に対して車両上に適切に位置決めされているときに、走行面に抗してシューに力を及ぼし、シューが区切られた移動範囲内で走行面に向かって、かつそこから離れて(および、逆に、ハウジングから離れて、かつそれに向かって)移動することを許容する1つ以上の弾性要素を含む。
図1の実施形態では、
図5および
図6にさらに示されるように、付勢アセンブリは、少なくとも2つのねじりユニット76を含む。各ねじりユニットは、支持部材に動作可能に接続されたそれぞれのねじり弾性部材78(例えば、ねじりばね、ゴムまたは他のポリマー部材など)と、一対のピボットアーム80、81とを含む。ピボットアームの第1の端部は、ねじり弾性部材に動作可能に接続され、導電性シューは、ピボットアームの第2の端部に枢動可能に取り付けられている。例えば、ねじり弾性部材は、支持部材に取り付けられた一対のブラケットの間に、または支持部材に取り付けられた単一ホルダブロック82の円筒開口部内に回転可能に置かれた円筒シャフト83の内側もしくは周りに、ピボットアームがシャフトに取り付けられ、シャフトが回転するときに枢動するように装填されてもよい。ピボットアームの第2の端部は、同様に、シューに取り付けられた一対のブラケットの間(または第2の単一ホルダブロック87内)に回転可能に置かれている第2の円筒シャフト85に接続され得る。動作中、シューと支持部材との間のピボットアームの枢動接続は、シューが支持部材に対して移動することを許容する。円筒シャフトに作動可能に装填/結合されるねじり弾性部材は、シューの移動の方向に応じて、シューからエネルギーを受けるとともに、シューに力としてエネルギーを与える両方のための弾性を提供する。例えば、シューが支持部材に向かって移動された場合、ねじり弾性部材はエネルギーを獲得し、シューが支持部材から離れて自由に移動できる場合、ねじり弾性部材は実質的にその方向にシューを押し、シューが支持部材に対するシューの位置に関して走行面に抗して静的に位置付けられている場合、ねじり弾性部材は走行面に抗してシューに力を及ぼす。
【0033】
図1に示すように、付勢アセンブリはまた、付勢アセンブリの他の部分(例えば、ブロックホルダ82)を支持部材から離れるようにオフセットするために、支持部材の底部または下面に接続された台座、プラットフォーム、支柱など84を含み得る。
【0034】
動作中、車両への取り付け後、シャントアセンブリは、
図4に示すように、アクチュエータが作動していない(例えば、加圧されていない)状態で、かつシューユニットが後退状態に位置決めされた状態で、最初に「オフ」または非活性化状態になる。シャントアセンブリを作動させるため、制御信号はアクチュエータに接続された制御ラインに印加され、例えば、バルブが開かれて、空気圧ラインからの加圧ガスがアクチュエータに入ることが許容される。アクチュエータは、膨張するか、または別様に作動され、シューユニットを走行面に向かって下方に移動させる。同時に、引っ張りばねまたは他の延出弾性部材は、伸びるか、引き伸ばされて、弛んだ無負荷状態から負荷状態へと移行する。シューユニットが下方に移動すると、シューは最初に走行面に接触する。
図3に示すように、シューユニットは下向きに移動し続け、走行面に押し付けられているシューは摺動および枢動し、シューが支持部材およびハウジングに近づくようになる。これにより、付勢アセンブリ(例えば、ねじり弾性部材)に負荷がかかり、走行面に抗してシューを押し下げる力が及ぼされる。アクチュエータが停止されると、アクチュエータはもはやシューユニットを所定の位置に保持しなくなり、延出弾性部材が収縮/無負荷となり、シューユニットを
図4の後退位置まで引き戻すことが許容される。
【0035】
一態様では、アクチュエータの動作軸88と、装置がシューを使用するために車両上に設置されて走行面に接触したときに、付勢アセンブリがシューに作用するように構成されている力の方向38とは、ともに走行面に対して実質的に垂直(プラスまたはマイナス5度)であってもよい。これは、(アクチュエータと付勢アセンブリの)組み合わされた力が直線上にあり、走行面上でシューを直接押し下げる役割を果たしていることを反映している。これにより、通常とは異なる力に対して、シューがより高度な追跡または走行面との接触を維持するのに役立ち得る。
【0036】
図7は、シャント装置90の別の実施形態を図示する。シャント装置は、例えば、車体の側面への取り付けに適用可能であり得る。装置90は、取り付けブラケット92を有する取り付けブラケットアセンブリと、取り付けブラケットに(例えば、ピボットピン96によって)枢動可能に接続されたシュー支持板94を有するシューユニットとを含む。装置はまた、シリンダユニット100を有する機械的流体アクチュエータ(例えば、空気圧シリンダまたは油圧シリンダ)であり得るアクチュエータ98、シリンダユニット内に動作可能に置かれたピストン102(図に概略的に示される)、およびシリンダユニットの内側にピストンに取り付けられ、シリンダユニットの外側に延在するロッド104を含む。シリンダユニットまたはロッドの一方は、取り付けブラケットに枢動可能に取り付けられ、シリンダユニットまたはロッドの他方は、シュー支持板に枢動可能に取り付けられる。機械的流体アクチュエータ98は、作動されると、シュー支持板を延出位置と後退位置とに選択的に枢動するように構成されている。装置はまた、支持板が取り付けブラケットに枢動可能に接続されている支持板の端部と反対側のシュー支持板の遠位端の下側に接続される付勢アセンブリ106を含む。シュー34は、付勢アセンブリに取り付けられ、本明細書の他の箇所に記載されているように概して動作するように構成されている。付勢アセンブリは、(図示のような)ばね式ハサミアームアセンブリ、
図1の実施形態に示されるような付勢アセンブリ、または本明細書の他の箇所に記載されるような付勢アセンブリであってもよい。
【0037】
別の実施形態では、
図8を参照すると、本明細書に記載されるシャント装置は、センサユニット108をさらに含む。センサユニットは、取り付けブラケットアセンブリ、アクチュエータ、またはシューユニットのうちの少なくとも1つと動作可能に連動するように構成されている。センサユニットはまた、シュー34の状態を検出し、検出されたシューの状態を示すセンサ信号110を生成するように構成されている。例えば、センサ信号は、シューがシャント装置の他の部分から離れることに応答して(したがって、それを示す)生成されてもよい。一例では、
図8に示されるように、センサユニットは、バッテリまたは他の電圧源112、電圧源に電気的に接続された抵抗器114、および電圧源または抵抗器に電気的に接続された電圧検出器116を含み得、これらはすべて、例えば、ホルダブロック82(またはシューから離れた他の場所)上に、またはその中に位置決めされている。センサユニットはまた、電圧源/抵抗器/電圧検出器から、ピボットアームに沿って、またはそれを通って、シューの上もしくは周りに下り、ピボットアームに沿って、またはそれを通って、電圧源/抵抗器/電圧検出器に戻り、回路経路を完成するために伸びる回路トレースまたは他の導体118を含む。別の導体(例えば、ケーブルまたはワイヤ)は、電圧検出器をコントローラに接続する。動作中、通常、電圧検出器は、完全な回路の存在により、電圧の存在を示す信号を出力する。しかしながら、シューがシャント装置から分離した場合、回路トレース118は、それに沿って分離し、開回路状態が作り出される。これにより、電圧検出器は非活性化し、または電圧の欠如を示す信号を発生させる。いずれの場合も、指定された信号の有無は、分離したシューによって引き起こされる可能性が高いとして、情報110を開回路のコントローラに伝達する。コントローラは、シューが分離した可能性を示す信号に応答して、シューユニットを後退(例えば、フェイルセーフ)位置に移動させるように、シャント装置、および/または、車両に搭載されたすべてのシャント装置を自動的に制御するように構成されてもよい。他の可能なセンサユニットは、シューとシャント装置の残りの部分との間の他の壊れやすいリンク、光学センサ、ビデオセンサ、圧力スイッチ(例えば、シューの存在はスイッチを作動させるが、シューが分離するとスイッチが非活性化する)などを含み得る。別の実施例では、ケーブルは、シューに、かつシューから離れて位置決めされた回路トレースに機械的に取り付けられており、回路トレースは、例えば、上述したようなオフシュー回路の一部である。シューが分離した場合、ケーブルはシューとともに分離するように構成されており、ケーブルの他端はオフシュー回路トレースから外れて切断され、開回路状態が作り出される。これにより、ピボットアームとシューに沿って回路トレースを通す必要がなくなる。
【0038】
別の実施形態では、コントローラは、(上述したように)分離したシューまたは他のシャント故障状態を示す信号を受信すること、車両が走行する経路に沿って検出された障害物を示す信号を受信すること、天候情報、車両の場所の情報、車輪または走行面に砂が塗布されているかどうかに関する情報、車輪または走行面に潤滑油が塗布されているかどうかに関する情報、車両の運転状態または条件に関する情報などのうちの1つ以上に応答して、シューユニットが後退位置に移動するように、車両に搭載された1つ以上のシャント装置を自動的または他の方法で制御するように構成されてもよい。
【0039】
実施形態では、シャントアセンブリは、機関車または他の鉄道車両に展開される。シャントアセンブリは、車両の車体、車両のフレーム、車両のトラック/台車などに取り付けられ得る。一実施形態では、シャントアセンブリは、車両に予め搭載されているサンディングブラケットに取り付けられる。そのようなサンディングブラケットは、通常、車両の車台内、下にあるトラックの近くに位置決めされ、牽引の目的でレール面に砂を制御可能に塗布するサンディングアプリケータ(例えば、アプリケータバルブおよび供給ライン)を保持するために使用されている。車両のすべてのサンディングブラケットが現在使用されていない場合もあり(すなわち、サンディングブラケットの一部のみが現在サンディング関連機器を保持している場合もある)、その場合、シャントアセンブリは、使用されていないサンディングブラケットに取り付けられてもよい。
【0040】
一実施形態では、方法(例えば、車両を操作する方法)は、車両に取り付けられた第1および第2のシャント装置の作動ユニットを活性化させて、シャント装置のそれぞれのシューユニットを、シューユニットのそれぞれの導電性シューが車両が走行する第1および第2の導電性走行面に接触する延出位置まで移動させることであって、シューが走行面に接触すると走行面を分流させるために電気的に相互接続される、移動させることと、シューユニットのそれぞれの付勢アセンブリで、車両の移動中にシューが走行面に接触するとシューを走行面に押し付ける力を作用させることと、を含む。
【0041】
本方法の別の実施形態では、本方法は、作動ユニットの非活性化または作動ユニットの故障の1つ以上に応答して、シューが走行面に接触しない後退位置にシューユニットを後退することをさらに含む。
【0042】
本方法の別の実施形態では、本方法は、シューのうちの1つが分離したことを示す信号または車両が走行する経路に沿って検出された障害物を示す信号の受信に応答して、シューが走行面に接触しない後退位置にシューユニットを移動させる、または移動することを引き起こすように作動ユニットを非活性化させることをさらに含む。
【0043】
単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明示的に別様に示さない限り、複数参照を含む。「任意選択の」または「任意選択で」は、続いて記載される事象または状況が生じ得るか、または生じ得ず、その記載が、その事象が生じる事象と生じない事象とを含み得ることを意味する。本明細書および特許請求の範囲全体を通して本明細書で使用される近似言語は、関連する基本的な機能に変化をもたらすことなく許容可能に変化し得るあらゆる定量的表現を修正するために適用することができる。したがって、「約」、「実質的に」、および「およそ」などの用語または複数の用語によって修飾される値は、指定された正確な値に限定されない場合もある。少なくともいくつかの場合では、近似言語は、値を測定するための器具の精度に対応し得る。本明細書および特許請求の範囲全体を通して、範囲制限を組み合わせ、かつ/または交換してもよく、そのような範囲は識別され得、文脈または言語が別途指示しない限り、そこに含まれるすべての部分的な範囲を含む。
【0044】
この書面による説明は、実施例を使用して、最良の形態を含む実施形態を開示し、任意のデバイスまたはシステムを作製および使用することと、任意の組み込まれた方法を実行することを含む実施形態を当業者が実践することを可能にする。特許請求の範囲は、本開示の特許性のある範囲を定義し、当業者が想達する他の実施例を含むものである。そのような他の例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言との非実質的な差を有する同等の構造要素を含む場合に、特許請求の範囲であることが意図される。