IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ウテコ コンバーティング ソシエタ ペル アチオニの特許一覧

<>
  • 特許-印刷機 図1
  • 特許-印刷機 図2
  • 特許-印刷機 図3
  • 特許-印刷機 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】印刷機
(51)【国際特許分類】
   B41F 5/18 20060101AFI20241205BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20241205BHJP
   B41F 5/24 20060101ALI20241205BHJP
   B41F 9/00 20060101ALI20241205BHJP
   B41F 7/02 20060101ALI20241205BHJP
   B41M 1/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B41F5/18
B41J2/01
B41F5/24
B41F9/00 B
B41F7/02 454
B41M1/00
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022153823
(22)【出願日】2022-09-27
(65)【公開番号】P2023049038
(43)【公開日】2023-04-07
【審査請求日】2023-09-13
(31)【優先権主張番号】102021000024722
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】511218507
【氏名又は名称】ウテコ コンバーティング ソシエタ ペル アチオニ
【氏名又は名称原語表記】UTECO CONVERTING S.P.A.
【住所又は居所原語表記】Viale del Lavoro, 25 Z. I., 37030 COLOGNOLA AI COLLI (Prov. of Verona), ITALY
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アレッサンドロ・ビチェゴ
(72)【発明者】
【氏名】アゴスティーノ・ペルティーレ
【審査官】中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/207590(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/110912(WO,A1)
【文献】特表2017-530026(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111775559(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 5/18
B41J 2/01
B41F 5/24
B41F 9/00
B41F 7/02
B41M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷対象のシート状材料(2)を前進させるための前進手段を備える印刷機であって、前記前進手段は、少なくとも牽引ドラム(3)を設けられ、前記牽引ドラムは、それ自体の軸の周りを回転することができ、入口領域(4)で、印刷対象の前記シート状材料(2)を受け、それを、前記牽引ドラム(3)から前記シート状材料が出るための出口領域(5)に向かって搬送するよう設計され、前記出口領域は、前記入口領域(4)から、前記牽引ドラム(3)のその軸周りの回転方向に沿って、周方向に離間しており、アナログ印刷ステーション(6)が、前記牽引ドラム(3)の周りに、前記入口領域(4)と前記出口領域(5)との間において配置され、前記印刷機は、前記アナログ印刷ステーション(6)の少なくとも2つの間に、前記牽引ドラム(3)から到着する印刷対象の前記シート状材料(2)を、実質的に真っ直ぐ延在する、印刷対象の前記シート状材料(2)を前進させるための少なくとも1つの前進部分(8)を有する前進経路に沿って搬送するための搬送手段を備え、少なくとも1つのデジタル印刷ステーション(9)が、前記少なくとも1つの前進部分(8)に沿って配置されることにおいて特徴付けられる、印刷機。
【請求項2】
前記搬送手段(7)は、前記前進経路に対して、前記牽引ドラム(3)から、印刷対象の前記シート状材料(2)を方向転換させるための少なくとも1つの方向転換アセンブリ(11)まで延在する少なくとも1つの外向き脚部(10)と、前記方向転換アセンブリ(11)から前記牽引ドラム(3)まで延在する少なくとも1つの内向き脚部(12)とを規定することにおいて特徴付けられる、請求項1に記載の印刷機。
【請求項3】
前記少なくとも1つの前進部分(8)は、実質的に真っ直ぐ延在し、前記少なくとも1つの外向き脚部(10)に沿って画定されることにおいて特徴付けられる、請求項2に記載の印刷機。
【請求項4】
実質的に真っ直ぐ延在する前記少なくとも1つの前進部分(8)は、実質的に水平方向に沿って延在することにおいて特徴付けられる、請求項1に記載の印刷機。
【請求項5】
前記デジタル印刷ステーション(9)は、前記少なくとも1つの前進部分(8)に沿って、印刷対象の前記シート状材料(2)の上向き面に面する少なくとも1つのインクジェットデジタル印刷ヘッド(13)を備えることにおいて特徴付けられる、請求項1に記載の印刷機。
【請求項6】
前記前進経路に沿って、前記少なくとも1つのデジタル印刷ステーション(9)の下流に、少なくとも1つの第1の乾燥ステーション(14)を備えることにおいて特徴付けられる、請求項に記載の印刷機。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第1の乾燥ステーション(14)は、前記少なくとも1つの内向き脚部(12)に沿って配置されることにおいて特徴付けられる、請求項に記載の印刷機。
【請求項8】
前記少なくとも1つの外向き脚部(10)に沿って、実質的に真っ直ぐ延在する少なくとも1つの第1の前進部分(8a)があり、前記少なくとも1つの内向き脚部(12)に沿って、実質的に真っ直ぐ延在する少なくとも1つの第2の前進部分(8b)があり、前記少なくとも1つのデジタル印刷ステーション(9)は、前記少なくとも1つの第1の前進部分(8a)に沿って配置され、前記少なくとも1つの第1の乾燥ステーション(14)は、前記少なくとも1つの第2の前進部分(8b)に沿って配置されることにおいて特徴付けられる、請求項に記載の印刷機。
【請求項9】
前記アナログ印刷ステーション(6)は、少なくとも1つのフレキソ印刷ステーションを含むことにおいて特徴付けられる、請求項1に記載の印刷機。
【請求項10】
前記アナログ印刷ステーション(6)は、少なくとも1つの輪転グラビア印刷ステーションを含むことにおいて特徴付けられる、請求項1に記載の印刷機。
【請求項11】
前記アナログ印刷ステーション(6)は、少なくとも1つのオフセット印刷ステーションを含むことにおいて特徴付けられる、請求項1に記載の印刷機。
【請求項12】
前記アナログ印刷ステーション(6)は、印刷対象の前記シート状材料の前処理のために少なくとも1つの層を塗布するための少なくとも1つのステーションを備え、前記少なくとも1つのステーションは、前記牽引ドラム(3)のその回転軸の周りの回転方向に沿って前記搬送手段(7)の上流に配置されることにおいて特徴付けられる、請求項1に記載の印刷機。
【請求項13】
前記出口領域(5)の下流に、前記前進手段に沿って配置される少なくとも1つの第2の乾燥ステーション(15)を備えることにおいて特徴付けられる、請求項に記載の印刷機。
【請求項14】
印刷プロセスであって、印刷対象のシート状材料(2)を、入口領域(4)を通して牽引ドラム(3)に供給するステップと、前記牽引ドラム(3)の外面に付着する前記シート状材料(2)を前進させるステップと、前記牽引ドラム(3)に付着する印刷対象の前記シート状材料に対して少なくとも1つのアナログ印刷を実行するステップと、印刷対象の前記シート状材料(2)を、実質的に真っ直ぐに延在する少なくとも1つの前進部分(8)を有する前進経路に沿って搬送するために、前記牽引ドラム(3)から方向転換させるステップと、印刷対象の前記シート状材料(2)が前記少なくとも1つの実質的に真っ直ぐな前進部分(8)に沿って移動する間に、印刷対象の前記シート状材料(2)に対して少なくとも1つのデジタル印刷を実行するステップと、印刷対象の前記シート状材料(2)を前記牽引ドラム(3)の前記外面に付着するよう戻すステップと、前記牽引ドラム(3)に付着する印刷対象の前記シート状材料(2)を前進させるステップと、前記牽引ドラム(3)に付着する印刷対象の前記シート状材料(2)に対して少なくとも1つのアナログ印刷を実行するステップと、印刷された前記シート状材料(2)を前記牽引ドラムから出口領域(5)を通して取り上げるステップとを、シーケンスで含む、印刷プロセス。
【請求項15】
前記牽引ドラム(3)から前記シート状材料(2)を方向転換させるステップの前に実行される、前記少なくとも1つのアナログ印刷を実行するステップは、印刷対象の前記シート状材料(2)上に少なくとも1つの前処理層を塗布することを含むことにおいて特徴付けられる、請求項14に記載の印刷プロセス。
【請求項16】
前記少なくとも1つのデジタル印刷を実行するステップの後、前記印刷対象の前記シート状材料(2)を前記牽引ドラム(3)の前記外面に付着するよう戻すステップの前に、インクの初期乾燥の少なくとも1つのステップを提供することにおいて特徴付けられる、請求項14または15に記載の印刷プロセス。
【請求項17】
前記シート状材料(2)を前記牽引ドラム(3)から前記出口領域(5)を通して取り上げるステップの後に、インクの最終乾燥の少なくとも1つのステップを提供することにおいて特徴付けられる、請求項14に記載の印刷プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷機に関する。
【背景技術】
【0002】
異なる印刷技術に基づく印刷機が公知である。
特に、フレキソ印刷技術に基づくアナログ印刷機が知られており、フレキソ印刷技術は、可撓性の活版凸版印刷版を使用してシート状の印刷基材上に印刷を実行することを含む。
【0003】
印刷ユニットの構成に応じて、フレキソ印刷機は、印刷ユニットが単一の大型印刷ローラの周囲に分散される中央ドラムタイプ、または印刷ユニットが互いに上下に並べられる「積層」タイプ、または印刷ユニットが印刷ラインに沿って水平に分散されるインラインタイプであり得る。
【0004】
別のタイプのアナログ印刷機は、異なるタイプの印刷基材上にインクを直接転写することからなる輪転グラビア印刷技術に基づく。このタイプの機械では、印刷ユニットは、典型的には一列に配置される。
【0005】
水平線に沿って配置されたデジタルインクジェットプリントヘッドを用いて印刷基材上に直接印刷することを可能にするインクジェットデジタル印刷技術に基づく機械も知られている。
【0006】
デジタル印刷技術は、アナログ印刷技術とは異なり、小さな印刷実行を経済的かつより柔軟に行うことを可能にし、アナログ印刷技術のみに基づく生産に対して材料の保管および廃棄のためのコストがより低いことを特徴とするため、近年、デジタル印刷技術への関心が製品包装部門の企業において段々と高まっている。
【0007】
これらの利点にもかかわらず、デジタル印刷機は、いくつかの欠点を有し、それらは、例えばLDPEで作られた基材などの伸縮性基材との色の位置合わせに関する問題、および基材の移動中においても、低品質のベタ色、ステッチング欠陥の存在、色を固定することの困難さ、高い所有コスト、低い生産性、およびノズルの欠落を含む。
【0008】
利用可能な様々な異なる技術の利点を組み合わせるために、ハイブリッド印刷機も、より良好な印刷品質、エネルギー消費の低減、および無駄の低減を得るために、ならびに経時的な印刷品質の再現性を保証するために、検討されている。
【0009】
そのようなハイブリッド機は、印刷対象のシート状材料の前進経路に沿って、アナログ印刷ステーションおよびデジタル印刷ステーションの両方を有する。
【0010】
ハイブリッド機の現在の構成では、材料は、様々な印刷ステーションの間を数メートル移動しなければならず、その結果、印刷対象のシート状材料の張力における偏差および変動が生じ得るというリスクがある。これらの要因は、材料の操作を非常に複雑にし、印刷位置合わせにおける誤差の増加につながる。
【0011】
印刷位置合わせの困難さの結果、オペレータは、可能な限り最良の印刷品質を得るためにすべての必要な測定を実行するのに長い時間を要する。多数の印刷試験は、大量の材料の無駄につながる。
【0012】
現在、様々な印刷ステーションを組み合わせることによって、ハイブリッド印刷機は、かなり長手方向に延在する構造を有し、その結果、非常に大きな面積を占める。
【0013】
また、異なる技術の有利な特徴を組み合わせるために、印刷対象のシート状材料を同伴するための中央ドラムが設けられ、その周りにインクジェットデジタル印刷ステーションが分散されるデジタル印刷機が提案されている。
【0014】
これらの機械もまた、そのような機械の印刷品質が従来のデジタル機の印刷品質よりも低いことが分かっているという点で、完全に満足のいくものではないことが分かっている。
【0015】
さらに、これらの機械は、ランニングコストが好ましくなく、画像面積比の品質が低く、ステッチング欠陥があり、全色域が制限され、乾燥能力が弱く、その結果、印刷速度が制限される。
【0016】
本発明の目的は、上述の局面の1つ以上において公知の技術を改善することができる印刷機を提供することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
この目標の中で、本発明の目的は、高い印刷品質とデジタル印刷の利点とを組み合わせることができる印刷機を提供することである。
【0018】
本発明の他の目的は、印刷位置合わせの制御に優れた印刷機を提供することにある。
本発明の別の目的は、現在公知のハイブリッド印刷機よりも占有する空間が小さい印刷機を提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、他の公知の機械に対して無駄を低減することを可能にする印刷機を提供することである。
【0020】
本発明の別の目的は、異なるタイプの印刷されたデザインの作製を可能にする柔軟な印刷機を提供することである。
【0021】
本発明の別の目的は、広範囲の互いに異なる印刷基材に印刷することができる印刷機を提供することである。
【0022】
本発明の別の目的は、画像面積比にステッチングの影響を与えない印刷機を提供することである。
【0023】
本発明の別の目的は、すべての色を含む全色域を有する印刷機を提供することである。
本発明の他の目的は、ベタ色の制御が容易な印刷機を提供することにある。
【0024】
本発明の別の目的は、既存の技術よりも良好なランニングコストを提供することができる印刷機を開発することである。
【0025】
本発明の別の目的は、従来技術よりもインクの乾燥効率を高めることができる印刷機を提供することである。
【0026】
本発明の別の目的は、LDPEで作られたものなどの伸縮性基材上にも最適に印刷することができる印刷機を提供することである。
【0027】
本発明の別の目的は、印刷対象の基材の数メートルの長さ以内の印刷位置合わせを達成することを可能にする印刷機を提供することである。
【0028】
本発明の別の目的は、従来技術に対して、より高速で動作することができる印刷機を提供することである。
【0029】
本発明の別の目的は、その技術的特質により、新しい市場領域を開拓することができる印刷機を提供することである。
【0030】
本発明のさらなる目的は、任意の既存の解決策に代わる態様で背景技術の欠点を克服することである。
【0031】
本発明の他の目的は、信頼性が高く、実現が比較的容易であり、低コストで製造可能な印刷機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0032】
この目標ならびに以下でより良く明らかになるこれらおよび他の目的は、従属請求項の特徴の1つ以上を任意選択で備える請求項1の印刷機によって達成される。
【0033】
本発明のさらなる特徴および利点は、非限定的な例として添付の図面に示されている、本発明による印刷機の好ましい、しかし排他的ではない実施形態の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明による印刷機の概略側面図である。
図2】本発明による機械の実施形態の可能な変形例の概略側面図である。
図3】本発明による機械の詳細の部分断面側面図である。
図4図3の詳細の実施形態の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図面を参照すると、概して参照番号1によって示される本発明による印刷機は、支持フレーム上に、連続ベルトによって形成され、印刷対象のシート状材料2を前進させるための前進手段を備え、この前進手段は、少なくとも1つの牽引ドラム3を備え、この牽引ドラムは、それ自体の軸の周りを回転することができる。
【0036】
特に、牽引ドラム3は、印刷対象のシート状材料2を入口領域4で受け取り、それを出口領域5に向かって搬送するように設計され、出口領域は、牽引ドラム3のその軸の周りの回転方向に沿って入口領域4から円周方向に離間して配置され、そこでシート状材料2が最終的に牽引ドラム3から出る。
【0037】
牽引ドラム3の周囲には、入口領域4と出口領域5との間にアナログ印刷ステーション6が配置されている。
【0038】
本発明の特異性は、本発明が、アナログ印刷ステーション6の少なくとも2つの間に、牽引ドラム3から到着する印刷対象のシート状材料2を、実質的に真っ直ぐ延在する、印刷対象のシート状材料2を前方に移動させるための少なくとも1つの前進部分8を有する前進経路に沿って搬送するための搬送手段7を備えることにある。
【0039】
また、本発明によれば、少なくとも1つのデジタル印刷ステーション9が、このような前進部分8に沿って配置される。
【0040】
この解決策は、デジタル印刷ステーション9を、牽引ドラム3の外側に延在する、シート状材料を前進または前方に移動させるための前進手段の付属物に配置することを可能にし、したがって、デジタル印刷ステーションは、印刷品質に関する結果的な利点を伴って、実質的に真っ直ぐな前進部分8上で動作することができ、対照的に同じ牽引ドラムの周辺領域に沿って配置された2つのアナログ印刷ステーション6の間には、最適な印刷位置合わせを保証するという結果的な利点を伴う。
【0041】
より詳細には、搬送手段7は、シート状材料2の前進経路に対して、そのような手段が、牽引ドラム3から、牽引ドラム3に対して横方向に離間した位置に位置する、印刷対象のシート状材料2を方向転換させるための少なくとも1つの方向転換アセンブリ11まで延在する少なくとも1つの外向き脚部10と、次いで、方向転換アセンブリ11から牽引ドラム3まで延在する少なくとも1つの内向き脚部12とを与えることを規定する。
【0042】
好ましくは、前進部分8は、少なくとも1つの外向き脚部10に沿って画定され、有利には実質的に水平方向に沿って延在する。
【0043】
図示のように、搬送手段7は、例えば、少なくとも1つの方向転換ローラ7aを含むことができ、これにより、牽引ドラム3から到着するシート状材料2を、前記搬送手段によって画定される外向き脚部10に沿って搬送するために方向転換し、次いでそれをデジタル印刷ステーション9に送ることが可能になる。
【0044】
特に図3に示すように、方向転換ローラ7aは、例えば、テフロン(登録商標)の商標で市販されている材料または別の類似の材料から作製することができる、シート状材料2に接着しない層70によって外側から覆うことができる。
【0045】
代替的に、図4に示すように、方向転換ローラ7aはまた、中空シリンダによって構成され、加圧下で空気を軸方向に供給され、空気の流出のための穿孔側壁を設けられた送風バー71によって設けられて、方向転換ローラ7aの外面とシート状材料2との間に間隙を作り出すようにすることもできる。
【0046】
任意選択で、図2の例のように、搬送手段7はまた、搬送手段の内向き脚部12から到着するシート状材料2に同伴する屈曲ローラ7bを含むこともでき、したがって、材料は再び牽引ドラム3の外面に付着する。
【0047】
有利には、方向転換アセンブリ11は、1つ以上の方向転換ローラ11a、11bによって提供することができ、これらのローラは、シート状材料2を取り、それを外向き脚部10から内向き脚部12に搬送する。
【0048】
好都合には、デジタル印刷ステーション9は、前進部分8に沿って、印刷対象のシート状材料2の上向き面に面して配置され、シート状材料2の前進方向に沿って互いに横方向に隣接する1つ以上のデジタルインクジェット印刷ヘッド13を備える。
【0049】
任意選択的に、少なくとも前進部分8に沿って、シート状材料2が載る真空マット16を有することが可能であり、これは、デジタル印刷ステーション9によるインクの適用中にシート状材料2の望ましくない変位を防止することを可能にする。
【0050】
好都合には、搬送手段7によって画定される前進経路に沿って、デジタル印刷ステーション9の下流に、例えば乾燥トンネルによって構成される、少なくとも1つの第1の乾燥ステーションまたはインクの初期乾燥のためのステーション14があり得る。
【0051】
好ましくは、第1の乾燥ステーション14は、被印刷材料2を転写ドラム3に戻す搬送手段7の内向き脚部12に沿って配置される。
【0052】
より好ましくは、図示の実施形態によれば、搬送手段7によって画定される外向き脚部10に沿って、実質的に真っ直ぐに延在する少なくとも1つの第1の前進部分8aがあり、内向き脚部12に沿って、実質的に真っ直ぐに延在する少なくとも1つの第2の前進部分8bがある。この場合、デジタル印刷ステーション9は、上述の第1の前進部分8aに沿って都合よく配置され、第1の乾燥ステーション14は、第2の前進部分8bに沿って配置される。
【0053】
牽引ドラム3のそれ自体の軸を中心とした回転方向に関して、搬送手段7の上流および下流の両方に、1つ以上のアナログ印刷ステーション6があり得ることに注目されたい。
【0054】
好都合には、牽引ドラム3の周りに配置されたアナログ印刷ステーション6は、少なくとも1つのフレキソ印刷ステーションおよび/または少なくとも1つの輪転グラビア印刷ステーションおよび/または「オフセット」タイプの少なくとも1つの印刷ステーションを含むことができる。
【0055】
有利には、輪転グラビア印刷ステーションは、例えば、牽引ドラム3からのシート状材料2の出口領域5のすぐ上流に配置することができ、好ましくは、そこで、図1および図2に示すように、輪転グラビア印刷ステーションのシリンダ間のシート状材料2の通過を可能にするために、牽引ドラム3から印刷対象のシート状材料2を分離する。
【0056】
有利には、アナログ印刷ステーション6は、印刷対象のシート状材料の前処理のために少なくとも1つの層を塗布するための少なくとも1つのステーションをさらに備えることができ、このステーションは、牽引ドラム3のその回転軸の周りの回転方向に沿って搬送手段7の上流に配置される。例えば、このような前処理層は、デジタル印刷ステーションおよび/または後続のアナログ印刷ステーション6によってシート状材料2に塗布されるインクの接着を改善するように適合されたプライマーまたはコーティングであり得る。
【0057】
アナログ印刷ステーション6およびデジタル印刷ステーション9で使用されるインクは、水系、生物学的、または無溶媒タイプであり得ることに留意されたい。
【0058】
有利には、シート状材料2の前進手段に沿って、好ましくはシート状材料2の転写ドラム3からの出口領域5の下流に、少なくとも1つの第2の乾燥ステーションまたはインクの最終乾燥のためのステーション15があってよく、これも、乾燥トンネルによって提供され得る。
【0059】
牽引ドラム3の周りに、牽引ドラム3の回転方向において各アナログ印刷ステーション6の下流に、好ましくは1つのアナログ印刷ステーション6と後続のアナログ印刷ステーションとの間に、インクを乾燥させるための少なくとも1つのそれぞれのフード18が任意選択で存在し得ることに留意されたい。少なくとも1つの乾燥フード18を搬送手段7の下流に設けることもできることに留意されたい。
【0060】
本発明による印刷機の動作は以下の通りである。
印刷対象のシート状材料2は、前進手段によって、入口領域4を通って牽引ドラム3に供給され、転写ドラム3の外面に付着しながら、少なくとも1つのアナログ印刷ステーション6を通過して進み、アナログ印刷ステーション6は、転写ドラム3上を通過しているシート状材料2に少なくとも1層の前処理を好都合に施すか、または、一般に、例えばフレキソ印刷または輪転グラビア印刷などのアナログ印刷を実行することができる。
【0061】
その後、シート状材料2は、搬送手段7によって転写ドラム3から方向転換ローラ7aを介して取り上げられ、転写ドラム3の外側に配置されたデジタル印刷ステーション9に送られるために、搬送手段7によって画定された前進経路の外向き脚部10に沿って搬送される。
【0062】
特に、外向き脚部10に沿って進むことによって、シート状材料2は、第1の前進部分8aを移動し、デジタル印刷ステーション9を通過して、そこでデジタル印刷プロセスを経る。
【0063】
デジタル印刷ステーション9から出ると、シート状材料2は、方向転換アセンブリ11に到達し、方向転換アセンブリは、シート状材料2を内向き脚部12に向かって導き、そこでシート状材料2は第2の前進部分8bを移動し、第1の乾燥ステーション14を通過して、印刷対象のシート状材料に塗布されたインクの初期乾燥を実行することを可能にする。
【0064】
乾燥ステーション14の下流では、シート状材料2が再び牽引ドラム3に到達し、牽引ドラム3の外面に付着しながらその前進を継続する。
【0065】
この時点で、牽引ドラム3上のその前進において進みながら、シート状材料2は、搬送手段7の下流に位置するアナログ印刷ステーション6を通過し、各ステーションは、シート状材料2上に各色のインクを塗布する。
【0066】
シート状材料2は、出口領域5に到達すると、最終的に牽引ドラム3から取り外されて、牽引ドラム3の入口領域4から出口領域5への前進中にシート状材料2に塗布されたインクの最終乾燥を実行する第2の乾燥ステーション15に送られる。
【0067】
実際には、本発明は、牽引ドラムの存在により、従来のハイブリッド印刷機に対して非常にコンパクトであり、シート状材料の牽引ドラム上への入口領域と牽引ドラムから離れる出口領域との間に介在し、シート状材料の実質的に真っ直ぐな前進部分上でデジタル印刷を実行することを可能にする搬送手段の存在により、デジタル印刷の最適な品質を保証することができる印刷機を提供することによって、意図される目標および目的を完全に達成することが見出された。
【0068】
本発明の別の利点は、牽引ドラムの周りに順に配置されたアナログ印刷ステーションの存在のおかげで、従来のハイブリッド機に対して最適な印刷位置合わせを保証することである。
【0069】
また、デジタル印刷ステーションの下流にアナログ印刷ステーションを有することの利点は、インクまたは塗料または接着剤が非常に低い粘度で塗布される必要があり、本発明によって可能にされる同じ速度に達するために、非常に長い乾燥オーブンが必要とされるデジタル技術を用いて行うことがはるかに困難である、高速で大きい厚みのインクまたは塗料または接着剤(コールドシール、ヒートシールなど)の層を塗布することができることである。
【0070】
デジタル印刷ステーションの下流にアナログ印刷ステーションを有することの別の利点は、ベタ色の均一性および測色であり、なぜならば、スポット色を達成するために複数の色を重ね合わせるために複数のヘッドを使用するデジタル技術とは異なり、単一の印刷ステーションにおいてアナログ技術で印刷することができ、その結果、色合わせの時間およびコストが削減されるからである。
【0071】
このように考案された本発明は、すべて特許請求の範囲内にある多くの修正および変形が可能である。
【0072】
したがって、例えば、デジタル印刷ステーション9は、代替として、トナーを使用するかまたはストリームインクジェット技術を使用するデバイスを用いて実現することができる。
【0073】
さらに、EB/UVインクが使用される場合、1つ以上の乾燥ステーションは、インクの種類に応じて、電子ビームまたはUV線の放出を使用してインクの重合を実行するように適合されることに留意されたい。
【0074】
実際には、使用される材料、ならびに付随する形状および寸法は、要件および最新技術に応じて任意のものであってもよい。
【符号の説明】
【0075】
2 シート状材料、3 牽引ドラム、4 入口領域、5 出口領域、6 アナログ印刷ステーション、8 前進部分、9 デジタル印刷ステーション。
図1
図2
図3
図4