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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】音響出力装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 17/00 20060101AFI20241205BHJP
   H04R 1/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
H04R17/00
H04R1/00 317
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022577369
(86)(22)【出願日】2022-04-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-16
(86)【国際出願番号】 CN2022085564
(87)【国際公開番号】W WO2023193191
(87)【国際公開日】2023-10-12
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】521080118
【氏名又は名称】シェンツェン・ショックス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】朱 光▲遠▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 磊
(72)【発明者】
【氏名】▲齊▼ 心
【審査官】齊田 寛史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0124530(US,A1)
【文献】米国特許第04654554(US,A)
【文献】特開2000-233157(JP,A)
【文献】国際公開第2013/084491(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 17/00
H04R 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の振動素子と、
第2の振動素子と、
電気信号に応答して、振動するように前記第1の振動素子及び前記第2の振動素子を駆動する圧電素子と、を含み、前記第1の振動素子は、前記圧電素子の第1の位置に接続され、前記第2の振動素子は、少なくとも第1の弾性素子により前記圧電素子の第2の位置に接続され、前記第2の振動素子は、少なくとも第2の弾性素子により前記圧電素子の第3の位置に接続され、前記第2の振動素子の振動方向に、前記第1の弾性素子の第1の弾性係数が前記第2の弾性素子の第2の弾性係数と異なり、
前記第1の弾性素子は、1つ以上の第1の弾性ロッドを含み、前記第2の弾性素子は、1つ以上の第2の弾性ロッドを含む、音響出力装置。
【請求項2】
第1の接続部材と第2の接続部材とをさらに含み、前記第1の弾性素子は、前記第1の接続部材により前記圧電素子の前記第2の位置に接続され、前記第2の弾性素子は、前記第2の接続部材により前記圧電素子の前記第3の位置に接続される、請求項1に記載の音響出力装置。
【請求項3】
記第1の弾性ロッドの数量と前記第2の弾性ロッドの数量は、同じである、請求項に記載の音響出力装置。
【請求項4】
前記1つ以上の第1の弾性ロッドのうちの各第1の弾性ロッドの長さは、前記1つ以上の第2の弾性ロッドのうちの各第2の弾性ロッドの長さと異なる、請求項3に記載の音響出力装置。
【請求項5】
前記1つ以上の第1の弾性ロッドの材質は、前記1つ以上の第2の弾性ロッドの材質と異なる、請求項3又は4に記載の音響出力装置。
【請求項6】
前記1つ以上の第1の弾性ロッドのうちの隣接する2つの第1の弾性ロッドごとの夾角は、前記1つ以上の第2の弾性ロッドのうちの隣接する2つの第2の弾性ロッドごとの夾角と異なる、請求項に記載の音響出力装置。
【請求項7】
前記第1の弾性素子は、1つ以上の第1の弾性ロッドを含み、前記第2の弾性素子は、1つ以上の第2の弾性ロッドを含み、前記1つ以上の第1の弾性ロッドのうちの各第1の弾性ロッドは、前記1つ以上の第2の弾性ロッドのうちの各第2の弾性ロッドと同じであり、前記第1の弾性ロッドの数量は、前記第2の弾性ロッドの数量と異なる、請求項に記載の音響出力装置。
【請求項8】
前記第2の弾性素子は、第3の接続部材をさらに含み、前記第2の振動素子は、さらに、少なくとも前記第3の接続部材により前記圧電素子の前記第3の位置に接続される、請求項3又は7に記載の音響出力装置。
【請求項9】
前記第1の弾性素子は、1つ以上の第1の弾性ロッドを含み、前記第2の弾性素子は、第3の接続部材を含み、前記第2の振動素子は、前記第3の接続部材により前記圧電素子の前記第3の位置に接続される、請求項1又は2に記載の音響出力装置。
【請求項10】
前記第1の弾性素子の前記第1の弾性係数は、前記第2の弾性素子の前記第2の弾性係数より小さく、前記第2の弾性素子の第2の弾性係数は、1×10N/mより大きい、請求項に記載の音響出力装置。
【請求項11】
前記第2の弾性素子の前記第2の弾性係数と前記第1の弾性素子の前記第1の弾性係数との比は、10より大きい、請求項に記載の音響出力装置。
【請求項12】
前記第2の振動素子の振動方向に垂直な方向に、前記第1の弾性素子は、第3の弾性係数を有し、前記第3の弾性係数と前記第1の弾性係数との比は、1×10より大きく、或いは
前記第2の振動素子の振動方向に垂直な方向に、前記第2の弾性素子は、第4の弾性係数を有し、前記第4の弾性係数と前記第2の弾性係数との比は、1×10より大きい、請求項11に記載の音響出力装置。
【請求項13】
前記第1の振動素子と前記第2の振動素子の前記振動は、人間の耳の可聴範囲内の2つの共振ピークを生成し、前記第2の振動素子、前記第1の弾性素子及び前記第2の弾性素子は、共振して前記2つの共振ピークのうちの周波数が低いピークを生成し、前記圧電素子と前記第1の振動素子の共振は、前記2つの共振ピークのうちの周波数が高いピークを生成する、請求項12に記載の音響出力装置。
【請求項14】
前記圧電素子は、梁状構造を含み、前記第1の位置は、前記梁状構造の長さ延在方向の中心に位置する、請求項に記載の音響出力装置。
【請求項15】
前記圧電素子の長さは、3mm~30mmの範囲内にある、請求項に記載の音響出力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、音響の技術分野に関し、特に音響出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
圧電式音響出力装置は、圧電材料の逆圧電効果により振動して外部に音波を放出するものであり、従来の動電型スピーカーと比較して、電気機械変換効率が高く、エネルギー消費が低く、体積が小さく、集積度が高いなどの利点を有する。現在のデバイスの小型化及び集積化の傾向で、圧電式音響出力装置は、極めて広い将来性を有する。しかしながら、圧電式音響出力装置は、中高周波数帯域(例えば、500Hz~10kHzの周波数範囲)で感度が低く、人間の耳の可聴帯域内(例えば、20Hz-20kHz)で振動モードが多いなどの課題が存在するため、音質が低いという課題をもたらす。
したがって、中高周波数帯域での感度を向上させ、同時に可聴帯域内での振動モードを低減して、音響出力装置の音質効果を向上させることができる圧電式音響出力装置を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書の実施例に係る音響出力装置は、第1の振動素子と、第2の振動素子と、電気信号に応答して、振動するように前記第1の振動素子及び前記第2の振動素子を駆動する圧電素子と、を含み、前記第1の振動素子は、前記圧電素子の第1の位置に接続され、前記第2の振動素子は、少なくとも第1の弾性素子により前記圧電素子の第2の位置に接続され、前記第2の振動素子は、少なくとも第2の弾性素子により前記圧電素子の第3の位置に接続され、前記第2の振動素子の振動方向に、前記第1の弾性素子の第1の弾性係数が前記第2の弾性素子の第2の弾性係数と異なる。
【0004】
いくつかの実施例において、音響出力装置は、第1の接続部材と第2の接続部材とをさらに含み、前記第1の弾性素子は、前記第1の接続部材により前記圧電素子の前記第2の位置に接続され、前記第2の弾性素子は、前記第2の接続部材により前記圧電素子の前記第3の位置に接続される。
【0005】
いくつかの実施例において、前記第1の弾性素子は、1つ以上の第1の弾性ロッドを含み、前記第2の弾性素子は、1つ以上の第2の弾性ロッドを含む。
【0006】
いくつかの実施例において、前記第1の弾性ロッドの数量は、前記第2の弾性ロッドの数量と同じである。
【0007】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の第1の弾性ロッドのうちの各第1の弾性ロッドの長さは、前記1つ以上の第2の弾性ロッドのうちの各第2の弾性ロッドの長さと異なる。
【0008】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の第1の弾性ロッドの材質は、前記1つ以上の第2の弾性ロッドの材質と異なる。
【0009】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の第1の弾性ロッドのうちの隣接する2つの第1の弾性ロッドごとの夾角は、前記1つ以上の第2の弾性ロッドのうちの隣接する2つの第2の弾性ロッドごとの夾角と異なる。
【0010】
いくつかの実施例において、前記1つ以上の第1の弾性ロッドのうちの各第1の弾性ロッドは、前記1つ以上の第2の弾性ロッドのうちの各第2の弾性ロッドと同じであり、前記第1の弾性ロッドの数量は、前記第2の弾性ロッドの数量と異なる。
【0011】
いくつかの実施例において、前記第2の弾性素子は、第3の接続部材をさらに含み、前記第2の振動素子は、さらに、少なくとも前記第3の接続部材により前記圧電素子の前記第3の位置に接続される。
【0012】
いくつかの実施例において、前記第1の弾性素子は、1つ以上の第1の弾性ロッドを含み、前記第2の弾性素子は、第3の接続部材を含み、前記第2の振動素子は、前記第3の接続部材により前記圧電素子の前記第3の位置に接続される。
【0013】
いくつかの実施例において、前記第1の弾性素子の前記第1の弾性係数は、前記第2の弾性素子の前記第2の弾性係数より小さく、前記第2の弾性素子の第2の弾性係数は、1×10N/mより大きい。
【0014】
いくつかの実施例において、前記第2の弾性素子の前記第2の弾性係数と前記第1の弾性素子の前記第1の弾性係数との比は、10より大きい。
【0015】
いくつかの実施例において、前記第2の振動素子の振動方向に垂直な方向に、前記第1の弾性素子は、第3の弾性係数を有し、前記第3の弾性係数と前記第1の弾性係数との比は、1×10より大きく、或いは前記第2の振動素子の振動方向に垂直な方向に、前記第2の弾性素子は、第4の弾性係数を有し、前記第4の弾性係数と前記第2の弾性係数との比は、1×10より大きい。
【0016】
いくつかの実施例において、前記第1の振動素子と前記第2の振動素子の前記振動は、人間の耳の可聴範囲内の2つの共振ピークを生成する。
【0017】
いくつかの実施例において、前記第2の振動素子、前記第1の弾性素子及び前記第2の弾性素子は、共振して前記2つの共振ピークのうちの周波数が低いピークを生成し、前記圧電素子と前記第1の振動素子の共振は、前記2つの共振ピークのうちの周波数が高いピークを生成する。
【0018】
いくつかの実施例において、前記2つの共振ピークのうちの周波数が低いピークの周波数は、50Hz~2kHzの範囲内にあり、前記2つの共振ピークのうちの周波数が高いピークの周波数は、1kHz~10kHzの範囲内にある。
【0019】
いくつかの実施例において、前記圧電素子は、梁状構造を含み、前記第1の位置は、前記梁状構造の長さ延在方向の中心に位置する。
【0020】
いくつかの実施例において、前記第2の位置と前記第3の位置は、それぞれ前記梁状構造の前記長さ延在方向の2つの端部に位置する。
【0021】
いくつかの実施例において、前記振動は、前記第2の振動素子により骨伝導の方式でユーザーに伝達される。
【0022】
いくつかの実施例において、前記圧電素子の長さは、3mm~30mmの範囲内にある。
【0023】
いくつかの実施例において、前記圧電素子は、2層の圧電シートと基板を含み、前記2層の圧電シートは、それぞれ前記基板の両側に貼り付けられ、前記基板は、前記2層の圧電シートの長さ延在方向に沿う伸縮に基づいて振動を発生させる。
【0024】
付加的な特徴は、部分的には以下の説明において説明されることになり、以下の内容及び図面を検討することにより当業者に明らかになるか、又は実施例の生成又は運用により習得されてもよい。本発明の特徴は、以下の詳細な実施例に説明される方法、ツール及び組み合わせの様々な態様を実践又は使用することにより認識し、習得することができる。
【0025】
例示的な実施例を参照して本願をさらに説明する。図面を参照して上記例示的な実施例をより詳細に説明する。上記実施例は、限定的な実施例ではなく、同じ符号は、図面におけるいくつかの図における類似する構造を示す。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的な音響出力装置のブロック構成図である。
図2】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的な音響出力装置の概略構成図である。
図3】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的な音響出力装置の振動信号が弾性質量端から出力される場合の周波数応答曲線図である。
図4】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的な音響出力装置の概略構成図である。
図5】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的な音響出力装置のシミュレーションモデル図である。
図6】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的な音響出力装置の概略構成図である。
図7】本明細書のいくつかの実施例に係る別の例示的な音響出力装置の概略構成図である。
図8】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的な音響出力装置の振動信号が弾性質量端から出力される場合の周波数応答曲線図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下に説明される図面は、単に本明細書のいくつかの例又は実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて本明細書を他の類似するシナリオに適用することができる。特に言語環境から明らかではないか又は明記しない限り、図面において同じ符号は同じ構造又は操作を示す。
【0028】
本明細書で使用される「システム」、「装置」、「ユニット」及び/又は「モジュール」は、レベルの異なる様々なアセンブリ、素子、部品、部分又は組立体を区別するための方法であることを理解されたい。しかしながら、他の用語が同じ目的を達成することができれば、上記用語の代わりに他の表現を用いることができる。
【0029】
本明細書及び特許請求の範囲に示すように、文脈が明確に別段の指示をしない限り、「1つ」、「1個」、「1種」及び/又は「該」などの用語は、特に単数形を意味するものではなく、複数形を含んでもよい。一般的には、用語「含む」及び「含有」は、明確に特定されたステップ及び要素のみを含むように提示し、これらのステップ及び要素は、排他的な羅列ではなく、方法又は設備は、他のステップ又は要素も含む可能性がある。用語「基づく」とは、「少なくとも部分的に基づく」ことを意味する。用語「1つの実施例」は、「少なくとも1つの実施例」を表す。用語「他の実施例」は、「少なくとも1つの他の実施例」を表す。
【0030】
本明細書の説明では、用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」は、説明の目的のみに用いられるものであり、相対的な重要性を示したり示唆したりするか、又は示された技術的特徴の数量を黙示的に示すと理解すべきではないことを理解されたい。そのため、「第1」、「第2」、「第3」、「第4」で限定される特徴は、1つ以上の該特徴を含むことを明示的又は黙示的に示すことができる。本明細書の説明において、別に明確で、具体的な限定がない限り、「複数」は2つ以上を意味し、例えば2つ、3つなどである。
【0031】
本明細書において、別に明確な規定及び限定がない限り、用語「接続」、「固定」などは、広義に理解されるべきである。例えば、別に明確な限定がない限り、用語「接続」は、固定接続、取り外し可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、機械的な接続、又は電気的な接続であってもよく、直接的な接続であってもよく、中間媒体を介した間接的な接続であってもよく、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本明細書における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0032】
本明細書の実施例は、第1の振動素子、第2の振動素子及び圧電素子を含む音響出力装置を提供する。圧電素子は、電気信号に応答して、振動するように第1の振動素子及び第2の振動素子を駆動することができる。第1の振動素子は、圧電素子の第1の位置に接続され、第2の振動素子は、少なくとも第1の弾性素子により圧電素子の第2の位置に接続され、第2の振動素子は、少なくとも第2の弾性素子により圧電素子の第3の位置に接続される。本明細書の実施例によれば、第2の振動素子の振動方向に、第1の弾性素子の第1の弾性係数と第2の弾性素子の第2の弾性係数を異ならせることにより、音響出力装置の中高周波数帯域(例えば、1kHz-10kHz)での感度を向上させることができ、それにより音響出力装置の特別なシナリオにおける応用に役立つ。
【0033】
以下、図面を参照しながら本明細書の実施例に係る音響出力装置を詳細に説明する。
【0034】
図1は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的な音響出力装置のブロック構成図である。いくつかの実施例において、音響出力装置100は、骨導音響出力装置、気導音響出力装置又は骨導気導複合型音響出力装置であってもよい。いくつかの実施例において、音響出力装置100は、オーディオ、ヘッドホン、メガネ、補聴器、拡張現実(AugmentedReality、AR)デバイス、仮想現実(VirtualReality、VR)デバイスなど又はオーディオ再生機能を有する他のデバイス(例えば、携帯電話、コンピュータなど)を含んでもよい。いくつかの実施例において、音響出力装置100は、オープン型音響出力装置であってもよい。図1に示すように、音響出力装置100は、第1の振動素子110、第2の振動素子120、圧電素子130、第1の弾性素子140及び第2の弾性素子150を含んでもよい。
【0035】
第1の振動素子110と第2の振動素子120は、いずれも一定の質量を有するマスであってもよい。いくつかの実施例において、第1の振動素子110及び/又は第2の振動素子120は、振動板、振動膜などを含んでもよく、それにより音響出力装置100が第1の振動素子110及び/又は第2の振動素子120により振動を出力する。いくつかの実施例において、マスの材質は、金属(例えば、銅、鉄、マグネシウム、アルミニウム、タングステンなど)、合金(例えば、アルミニウム合金、チタン合金、タングステン合金など)、高分子材料(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーンゴムなど)などの材質を含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、第1の振動素子110の材質と第2の振動素子120の材質は、同じであってもよく、異なってもよい。いくつかの実施例において、第1の振動素子110の質量と第2の振動素子120の質量は、同じであってもよく、異なってもよい。いくつかの実施例において、第1の振動素子110又は第2の振動素子120の質量は、10g未満であってもよい。いくつかの実施例において、第1の振動素子110又は第2の振動素子120の質量は、8g未満であってもよい。いくつかの実施例において、第1の振動素子110又は第2の振動素子120の質量は、6g未満であってもよい。いくつかの実施例において、第1の振動素子110又は第2の振動素子120の質量は、5g未満であってもよい。
【0036】
圧電素子130は、逆圧電効果により電気エネルギーを機械エネルギーに変換することができる電気エネルギー変換デバイスであってもよい。いくつかの実施例において、圧電素子130は、圧電セラミックス、圧電石英、圧電結晶、圧電ポリマーなどの圧電効果を有する材料で構成されてもよい。いくつかの実施例において、圧電素子130は、シート状、環状、菱形、直方体形、柱状、球形などの規則的な形状、又はそれらの任意の組み合わせであってもよく、他の不規則的な形状であってもよい。いくつかの実施例において、圧電素子130は、梁状構造(例えば、一定の幅を有する帯状構造)を含んでもよい(図2図4に示すとおりである)。例として、梁状構造は、2層の圧電シート及び基板を含んでもよく、2層の圧電シートは、それぞれ基板の両側に貼り付けられる。基板は、2層の圧電シートの梁状構造の長さ延在方向に沿う伸縮に基づいて振動を発生させることができる(例えば、基板の表面に垂直な方向に沿って振動する)。本明細書において、圧電素子130の梁状構造の長さ延在方向は、梁状構造の当該延在方向における最小加工寸法が、梁状構造の他の任意の方向における最小加工寸法よりも1倍以上大きい方向であってもよい。いくつかの実施例において、梁状構造は、直線型の梁状構造、屈曲型の梁状構造などを含んでもよい。本明細書において、直線型の梁状構造を例として説明し、それは、本明細書の範囲を限定するものではない。梁状構造に関するより多くの説明については、図2及びその説明を参照することができる。
【0037】
第1の振動素子110は、圧電素子130の第1の位置に物理的に接続されてもよい(例えば、接着、係止、ネジ接続、溶接など)。第2の振動素子120は、少なくとも第1の弾性素子140により圧電素子130の第2の位置に接続され、少なくとも第2の弾性素子150により圧電素子130の第3の位置に接続されてもよい。換言すれば、第1の弾性素子140の一端は、圧電素子130の第2の位置に接続されてもよく、第2の弾性素子150の一端は、圧電素子130の第3の位置に接続されてもよく、第1の弾性素子140と第2の弾性素子150の他端は、同時に第2の振動素子120に接続される。圧電素子130は、駆動電圧(又は励起信号)の作用で変形することができ、それにより振動を発生させる。第1の振動素子110と第2の振動素子120は、それぞれ圧電素子130の振動に応答して振動を発生させることができる。具体的には、圧電素子130は、振動を第1の振動素子110に直接伝達することができ、圧電素子130の振動は、第1の弾性素子140及び第2の弾性素子150により第2の振動素子120に伝達することができる。つまり、第2の振動素子120は、第1の弾性素子140及び第2の弾性素子150から伝達された振動を同時に受けることができる。本明細書の実施例において、圧電素子130に直接接続された第1の振動素子110は、質量端と称されてもよく、第1の弾性素子140及び第2の弾性素子150により圧電素子130に接続された第2の振動素子120は、弾性質量端と称されてもよい。
【0038】
いくつかの実施例において、第1の弾性素子140及び第2の弾性素子150は、第2の振動素子120の同じ位置に接続されてもよく、異なる位置に接続されてもよい。例えば、図5に示すように、第1の弾性素子140及び第2の弾性素子150は、第2の振動素子120の中間位置Aに同時に接続されてもよい。また例えば、図5に示すように、第1の弾性素子140は、第2の振動素子120の位置A’に接続されてもよく、第2の弾性素子150は、第2の振動素子120の位置A’’に接続されてもよい。
【0039】
いくつかの実施例において、圧電素子130が梁状構造を含む場合、第1の位置は、梁状構造の長さ延在方向の中心に位置してもよい。第2の位置と第3の位置は、それぞれ梁状構造の長さ延在方向の2つの端部に位置してもよい。いくつかの実施例において、第2の位置と第3の位置は、それぞれ梁状構造の長さ延在方向における、その中心に関して対称又は非対称である任意の2つの位置に位置してもよい。いくつかの実施例において、圧電素子130は、例えば、円形、三角形、五角形、六角形などの規則的な形状又は他の不規則的な形状をさらに含んでもよい。例えば、圧電素子130の形状が円形である場合、第1の位置は、該円形の円心であってもよく、第2の位置と第3の位置は、それぞれ該円形の径方向の両端に位置してもよい。また例えば、圧電素子130の形状が不規則的な形状である場合、第1の位置は、該不規則的な形状の重心であってもよく、第2の位置と第3の位置は、それぞれ該不規則的な形状(例えば、エッジ)における、その重心に関して対称又は非対称である2つの位置であってもよい。本明細書において、説明を容易にするために、梁状構造を有する圧電素子を圧電素子130の例とする。
【0040】
いくつかの実施例において、第1の弾性素子140及び第2の弾性素子150は、(例えば、接着、溶接、係止などの方式で)圧電素子130の第2の位置と第3の位置に直接接続されてもよい。いくつかの実施例において、音響出力装置100は、第1の接続部材と第2の接続部材(図示せず)をさらに含んでもよい。第2の振動素子120と第1の弾性素子140は、第1の接続部材により圧電素子130の第2の位置に接続されてもよく、第2の振動素子120と第2の弾性素子150は、第2の接続部材により圧電素子130の第3の位置に接続されてもよい。例えば、図4に示すように、第2の振動素子120と第1の弾性素子140は、第1の接続部材182により圧電素子130の端部(すなわち、第2の位置)に接続されてもよく、第2の振動素子120と第2の弾性素子150は、第2の接続部材184により圧電素子130の他端部(すなわち、第3の位置)に接続されてもよい。
【0041】
第2の振動素子120の振動方向に、第1の弾性素子140の第1の弾性係数と第2の弾性素子150の第2の弾性係数は、異なってもよい。いくつかの実施例において、第1の弾性素子140及び/又は第2の弾性素子150の材料は、振動伝達能力を有する任意の材料であってもよい。例えば、第1の弾性素子140及び/又は第2の弾性素子150の材料は、シリコーンゴム、ウレタンフォーム、プラスチック、ゴム、金属など、又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施例において、第1の弾性素子140及び/又は第2の弾性素子150は、優れた弾性を有する(すなわち、弾性変形が発生しやすい)部品であってもよい。例えば、第1の弾性素子140及び/又は第2の弾性素子150は、バネ(空気バネ、機械バネ、電磁バネなど)、振動伝達シート、弾性シート、基板など、又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施例において、第1の弾性素子140及び/又は第2の弾性素子150は、1つ以上の弾性ロッド(例えば、図4に示す第1の弾性ロッド142及び/又は第2の弾性ロッド152)を含んでもよい。第2の振動素子120は、1つ以上の弾性ロッドに接続されてもよく、それにより圧電素子130の第2の位置及び/又は第3の位置との接続を実現する。いくつかの実施例において、第1の弾性素子140及び/又は第2の弾性素子150の長さ、材質又はそれに含まれた弾性ロッドの数量、長さ、材質、夾角など又はそれらの任意の組み合わせを調整することで、第1の弾性素子140の第1の弾性係数と第2の弾性素子150の第2の弾性係数を異ならせることができる。第1の弾性素子140及び/又は第2の弾性素子150に関するより多くの説明については、本明細書の他の部分(例えば、図2図4及びそれらの説明)を参照することができ、ここでは説明を説明を省略する。
【0042】
いくつかの実施例において、第1の振動素子110と第2の振動素子120の振動は、人間の耳の可聴周波数範囲内(例えば、20Hz-20kHz)の2つの共振ピークを生成することができる。具体的には、第2の振動素子120、第1の弾性素子140及び第2の弾性素子150の共振は、上記2つの共振ピークのうちの周波数が低い(例えば、50Hz-2000Hz)第1の共振ピーク(図3における破線円M内の共振ピーク)を生成することができ、圧電素子130と第1の振動素子110の共振は、上記2つの共振ピークのうちの周波数が高い(例えば、1kHz-10kHz)第2の共振ピーク(図3における破線円N内の共振ピーク)を生成することができる。第2の共振ピークに対応する周波数(第2の共振周波数と称されてもよく)は、第1の共振ピークに対応する周波数(第1の共振周波数と称されてもよく)より高くてもよい。
【0043】
いくつかの実施例において、第2の振動素子120の質量、第1の弾性素子140及び/又は第2の弾性素子150の弾性係数(例えば、第1の弾性係数及び/又は第2の弾性係数)を調整することで、第1の共振ピークに対応する第1の共振周波数及び/又は第2の共振ピークに対応する第2の共振周波数の周波数範囲を調整することができる。いくつかの実施例において、第1の共振周波数の周波数範囲は、20Hz-2000Hzであってもよい。いくつかの実施例において、第1の共振周波数の周波数範囲は、50Hz-1500Hzであってもよい。いくつかの実施例において、第1の共振周波数の周波数範囲は、100Hz-1000Hzであってもよい。いくつかの実施例において、第1の共振周波数の周波数範囲は、150Hz-500Hzであってもよい。いくつかの実施例において、第1の共振周波数の周波数範囲は、150Hz-200Hzであってもよい。
【0044】
いくつかの実施例において、圧電素子130の性能パラメータを調整することで、第2の共振ピークに対応する第2の共振周波数の周波数範囲を調整することができる。いくつかの実施例において、圧電素子130の性能パラメータは、幾何学的パラメータ、材料パラメータなどを含んでもよい。例示的な幾何学的パラメータは、厚さ、長さなどを含んでもよい。例示的な材料パラメータは、弾性率、密度などを含んでもよい。いくつかの実施例において、第2の共振周波数は、圧電素子130の固有周波数であってもよい。いくつかの実施例において、第2の共振周波数の周波数範囲は、1kHz-10kHzであってもよい。いくつかの実施例において、第2の共振周波数の周波数範囲は、1kHz-9kHzであってもよい。いくつかの実施例において、第2の共振周波数の周波数範囲は、1kHz-8kHzであってもよい。いくつかの実施例において、第2の共振周波数の周波数範囲は、1kHz-7kHzであってもよい。いくつかの実施例において、第2の共振周波数の周波数範囲は、1kHz-6kHzであってもよい。いくつかの実施例において、第2の共振周波数の周波数範囲は、2kHz-5kHzであってもよい。いくつかの実施例において、第2の共振周波数の周波数範囲は、3kHz-4kHzであってもよい。
【0045】
いくつかの実施例において、音響出力装置100の1つ以上の素子に減衰を付加してもよく、それにより音響出力装置100の共振ピークをより平坦にする。例えば、減衰効果が大きい材料(例えば、シリコーンゴム、ゴム、ウレタンフォームなど)を用いて第1の弾性素子140及び/又は第2の弾性素子150を製造してもよい。また例えば、圧電素子130に減衰材料を塗布してもよい。例えば、第1の振動素子110及び/又は第2の振動素子120に減衰材料を塗布してもよいし、電磁減衰を付加してもよい。
【0046】
いくつかの実施例において、圧電素子130(又は音響出力装置100)の振動は、第1の振動素子110及び/又は第2の振動素子120により骨伝導の方式でユーザーに伝達されてもよい。例示的に、第2の振動素子120は、ユーザーの頭部皮膚に直接接触してもよく、圧電素子130の振動は、第2の振動素子120によりユーザーの顔部の骨格及び/又は筋肉に伝達され、最終的にユーザーの耳部に伝達される。また例えば、第2の振動素子120は、人体と直接接触しなくてもよく、圧電素子130の振動は、第2の振動素子120により音響出力装置のハウジングに伝達され、さらにハウジングによりユーザーの顔部の骨格及び/又は筋肉に伝達され、最終的にユーザーの耳部に伝達されてもよい。いくつかの実施例において、圧電素子130の振動は、第1の振動素子110及び/又は第2の振動素子120により空気伝導の方式でユーザーに伝達されてもよい。例示的に、第2の振動素子120は、振動するようにその周囲の空気を直接駆動することができ、それにより空気によりユーザーの耳部に伝達する。また例えば、第2の振動素子120は、さらに振動膜に接続されてもよく、第2の振動素子120の振動は、振動膜に伝達され、さらに振動膜により、振動するように空気を駆動して、空気によりユーザーの耳部に伝達されてもよい。
【0047】
いくつかの実施例において、音響出力装置100は、ハウジング構造160を含んでもよい。ハウジング構造160は、音響出力装置100の他の部品(例えば、第1の振動素子110、第2の振動素子120、圧電素子130、第1の弾性素子140又は第2の弾性素子150など)を載置するように構成されてもよい。いくつかの実施例において、ハウジング構造160は、内部が中空の密閉式又は半密閉式構造であってもよく、音響出力装置100の他の部品は、ハウジング構造内又は上に位置する。いくつかの実施例において、ハウジング構造160の形状は、直方体、円柱体、円錐台などの規則的又は不規則的な形状の立体構造であってもよい。ユーザーが音響出力装置100を装着する場合、ハウジング構造160は、ユーザーの耳の付近に位置してもよい。例えば、ハウジング構造160は、ユーザーの耳介の周側(例えば、前側又は後側)に位置してもよい。また例えば、ハウジング構造160は、ユーザーの耳道を塞がないか又はカバーしないように、ユーザーの耳に位置してもよい。いくつかの実施例において、音響出力装置100は、骨導ヘッドホンであってもよく、ハウジング構造160の少なくとも一側は、ユーザーの皮膚と接触してもよい。骨導ヘッドホン内の音響駆動装置アセンブリ(例えば、圧電素子130、第1の振動素子110、第1の弾性素子140、第2の弾性素子150及び第2の振動素子120の組み合わせ)は、オーディオ信号を機械的振動に変換し、該機械的振動は、ハウジング構造160及びユーザーの骨格によりユーザーの聴覚神経に伝達されてもよい。いくつかの実施例において、音響出力装置100は、気導ヘッドホンであってもよく、ハウジング構造160の少なくとも一側は、ユーザーの皮膚に接触してもよく、接触しなくてもよい。ハウジング構造160の側壁は、少なくとも1つの音導孔を含み、気導ヘッドホン内の音響駆動装置アセンブリは、オーディオ信号を気導音声に変換し、該気導音声は、音導孔によりユーザーの耳の方向に放出されてもよい。
【0048】
いくつかの実施例において、音響出力装置100は、固定構造170を含んでもよい。固定構造170は、音響出力装置100をユーザーの耳の付近に固定するように構成されてもよい。いくつかの実施例において、固定構造170は、音響出力装置100のハウジング構造160に物理的に接続されてもよい(例えば、接着、係止、ネジ接続など)。いくつかの実施例において、音響出力装置100のハウジング構造160は、固定構造170の一部であってもよい。いくつかの実施例において、固定構造170は、耳掛け、後掛け、弾性ベルト、テンプルなどを含んでもよく、それにより音響出力装置100は、ユーザーの耳の付近に、よりよく固定することができ、ユーザーの使用時に落下することを防止する。例えば、固定構造170は、耳掛けであってもよく、耳掛けは、耳部領域の周りに装着するように構成されてもよい。いくつかの実施例において、耳掛けは、一体型フック状物であってもよく、弾性的に引っ張られてユーザーの耳部に装着されてもよく、同時に耳掛けは、ユーザーの耳介に圧力を印加することにより、音響出力装置100をユーザーの耳部又は頭部の特定の位置にしっかりと固定することができる。いくつかの実施例において、耳掛けは、別体型帯状物であってもよい。例えば、耳掛けは、剛性部分と可撓性部分を含んでもよい。剛性部分は、剛性材料(例えば、プラスチック又は金属)で製造されてもよく、剛性部分は、物理的な接続(例えば、係止、ネジ接続など)の方式で音響出力装置100のハウジング構造160に固定されてもよい。可撓性部は、弾性材料(例えば、布地、複合材料又は/及びクロロプレンゴム)で製造されてもよい。また例えば、固定構造170は、首/肩領域の周りに装着するように構成されたネックバンドであってもよい。また例えば、固定構造170は、テンプルであってもよく、メガネの一部として、ユーザーの耳部に掛けられる。
【0049】
なお、以上の図1に関する説明は、説明の目的のためのものにすぎず、本願の範囲を限定することを意図するものではない。当業者であれば、本願の説明に基づいて様々な変更及び修正を行うことができる。例えば、いくつかの実施例において、音響出力装置100は、1つ以上の部品(例えば、信号送受信機、対話モジュール、電池など)をさらに含んでもよい。いくつかの実施例において、音響出力装置100内の1つ以上の部品は、類似する機能を実現することができる他の素子により代替されてもよい。例えば、音響出力装置100は、固定構造170を含まなくてもよく、ハウジング構造160又はその一部は、ハウジング構造がユーザーの耳の付近に掛けることができるように、人体の耳に合わせる形状(例えば、円環形、楕円形、(規則的又は不規則的な)多角形、U字形、V字形、半円形)を有するハウジング構造であってもよい。しかしながら、これらの変更及び修正は、本願の範囲から逸脱しない。
【0050】
図2は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的な音響出力装置の概略構成図である。図2に示すように、音響出力装置200は、第1の振動素子110、第2の振動素子120、圧電素子130、第1の弾性素子140及び第2の弾性素子150を含んでもよい。圧電素子130は、梁状構造を含んでもよい。いくつかの実施例において、圧電素子130の長さ(すなわち、梁状構造の長さ延在方向の寸法)は、3mm-30mmの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、圧電素子130の長さは、3mm~25mmの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、圧電素子130の長さは、3mm~20mmの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、圧電素子130の長さは、3mm-18mmの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、圧電素子130の長さは、3mm-15mmの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、圧電素子130の長さは、3mm-10mmの範囲内にあってもよい。
【0051】
いくつかの実施例において、図2に示すように、圧電素子130は、2つの圧電シート(すなわち、圧電シート132と圧電シート134)と基板136を含んでもよい。基板136は、部品を載置するキャリア、及び振動に応答して変形する素子として構成されてもよい。いくつかの実施例において、基板136の材料は、金属(例えば、銅張箔、鋼など)、フェノール樹脂、架橋ポリスチレンなどのうちの1種以上の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、基板136の形状は、圧電素子130の形状に基づいて決定されてもよい。例えば、圧電素子130が圧電カンチレバーであり、それに応じて基板136は、長尺状に設定されてもよい。また例えば、圧電素子130が圧電フィルムであり、それに応じて基板136は、板状、シート状に設定されてもよい。
【0052】
圧電シート132と圧電シート134は、圧電効果及び/又は逆圧電効果を提供するアセンブリであってもよい。いくつかの実施例において、圧電シートは、基板136の1つ以上の表面を被覆するとともに、駆動電圧の作用で変形して基板136を変形させることにより、圧電素子130の振動出力を実現することができる。例えば、圧電素子130の厚さ方向(矢印ZZ’に示すように)に沿って、圧電シート132と圧電シート134は、それぞれ基板136の両側に貼り付けられ、基板136は、圧電シート132と圧電シート134の圧電素子130の長さ延在方向(矢印XX’に示すように)に沿う伸縮に基づいて振動を発生させることができる。具体的には、圧電素子130の厚さ方向ZZ’に沿って通電する場合、基板136の一側に位置する圧電シートは、その長さ延在方向に沿って収縮することができ、基板136の他側に位置する圧電シートは、その長さ延在方向に沿って伸長することができ、それにより基板136の表面に垂直な方向(すなわち、厚さ方向ZZ’)に沿って屈曲振動するように基板136を駆動する。
【0053】
いくつかの実施例において、圧電シート132及び/又は圧電シート134の材質は、圧電セラミックス、圧電石英、圧電結晶、圧電ポリマーなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。例示的な圧電結晶は、水晶、閃亜鉛鉱、方ホウ石、電気石、紅亜鉛鉱、GaAs、チタン酸バリウム及びその誘導体結晶、KH2PO4、NaKC4H4O6・4H2O(ロッシェル塩)など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。例示的な圧電セラミックス材料は、チタン酸バリウム(BT)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ニオブ酸鉛バリウムリチウム(PBLN)、変性チタン酸鉛(PT)、窒化アルミニウム(AIN)、酸化亜鉛(ZnO)など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。例示的な圧電ポリマー材料は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含んでもよい。
【0054】
第1の振動素子110は、圧電素子130の第1の位置に接続されてもよい。第2の振動素子120は、第1の弾性素子140により圧電素子130の第2の位置に接続され、第2の弾性素子150により圧電素子130の第3の位置に接続されてもよい。梁状構造を有する圧電素子130が振動する場合、その端部の振幅が大きいため、第1の位置、第2の位置及び/又は第3の位置が梁状構造の端部に位置する場合、それらに対応する振動素子端の出力応答感度が高く、音質が高いことが理解されよう。
【0055】
いくつかの実施例において、第1の位置は、梁状構造の長さ延在方向の中心に位置してもよく、第2の位置は、梁状構造の長さ延在方向の一端に位置してもよく、第3の位置は、梁状構造の長さ延在方向の他端に位置してもよく、それにより第1の位置を通過し、かつ梁状構造の長さ延在方向に垂直な面を対称面とする圧電素子130の対称構造を実現する。例えば、図2に示すように、第1の振動素子110は、圧電素子130の長さ延在方向における第1の表面の中間位置(すなわち、第1の位置)に貼り合わせられてもよく、第1の弾性素子140は、圧電素子130の長さ延在方向における第1の表面に対向する第2の表面の一端(すなわち、第2の位置)に貼り合わせられてもよく、第2の弾性素子150は、圧電素子130の長さ延在方向における第1の表面に対向する第2の表面の他端(すなわち、第3の位置)に貼り合わせられてもよい。いくつかの実施例において、圧電素子130は、2つのサブ圧電素子を含んでもよい。各サブ圧電素子の一端は、第1の振動素子110に接続されてもよい。各サブ圧電素子の他端は、それぞれ第1の弾性素子140と第2の弾性素子150により第2の振動素子120に接続されてもよい。いくつかの実施例において、2つのサブ圧電素子は、一直線に位置してもよい。2つのサブ圧電素子は、第1の振動素子110の中心を通過し、かつ梁状構造の長さ延在方向に垂直な面に関して対称に配置されてもよい。このような状況で、第1の振動素子110の中心は、2つのサブ圧電素子で構成された圧電素子の中心位置と見なすことができる。第1の振動素子110は、該圧電素子の中心位置、すなわち、第1の位置に接続される。
【0056】
いくつかの実施例において、音響出力装置200は、1つ以上の接続部材(図示せず)を含んでもよく、音響出力装置200の2つの部品の間は、接続部材により接続されてもよい。例えば、第2の振動素子120と第1の弾性素子140は、接続部材により圧電素子130の第2の位置に接続されてもよい。また例えば、第2の振動素子120と第2の弾性素子150は、接続部材により圧電素子130の第3の位置に接続されてもよい。接続部材は、圧電素子130の第2の位置(又は第3の位置)に設置されてもよく、第1の弾性素子140(又は第2の弾性素子150)の一端は、接続部材に接続されてもよく、第1の弾性素子140(又は第2の弾性素子150)の他端は、第2の振動素子120に接続されてもよい。接続部材の設置により、圧電素子130の第2の位置又は第3の位置での振動を第1の弾性素子140又は第2の弾性素子150と第2の振動素子120に伝達することができると同時に、第1の弾性素子140及び/又は第2の弾性素子150の構造をより柔軟に設置することができる。例えば、図2に示すように、第2の振動素子120は、圧電素子130と同じ形状を有する振動板であってもよい。振動板と圧電素子130は、対向して配置されてもよい。第1の弾性素子140及び/又は第2の弾性素子150は、バネ(例えば、機械バネ、電磁バネなど)であってもよく、弾性係数が小さい他の材質で製造されたロッド状物であってもよい。第1の弾性素子140及び/又は第2の弾性素子150は、第2の振動素子120と圧電素子130との間に垂直に配置されてもよい。このような状況で、第1の弾性素子140は、第2の振動素子120の振動方向における第1の弾性係数を有してもよく、第2の弾性素子150は、第2の振動素子120の振動方向における第2の弾性係数を有してもよい。また例えば、図4に示すように、第1の弾性素子140及び/又は第2の弾性素子150は、複数の弾性ロッド(例えば、第1の弾性ロッド142又は第2の弾性ロッド152)を含んでもよい。弾性ロッドは、第1の接続部材182及び第2の接続部材184により圧電素子130に接続されてもよい。弾性ロッドは、圧電素子130と第2の振動素子120との間に、圧電素子130に対して傾斜又は平行に接続されてもよい。このような状況で、第1の弾性ロッドは、第2の振動素子120の振動方向における第1の弾性係数を有してもよく、同時に第1の弾性ロッドは、第2の振動素子120の振動方向に垂直な方向における第3の弾性係数を有してもよく、第2の弾性ロッドは、第2の振動素子120の振動方向における第2の弾性係数を有してもよく、第2の弾性ロッドは、第2の振動素子120の振動方向に垂直な方向における第4の弾性係数を有してもよい。弾性ロッドに関するより多くの説明については、図4及びその説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0057】
第1の弾性素子140の第1の弾性係数と第2の弾性素子150の第2の弾性係数は、異なってもよい。いくつかの実施例において、第1の弾性素子140の第1の弾性係数と第2の弾性素子150の第2の弾性係数との間の差は、音響出力装置200の周波数応答曲線に影響を与えることができる(図3に示すとおりである)。いくつかの実施例において、第2の弾性係数は、第1の弾性係数より大きくてもよい。第2の弾性係数と第1の弾性係数との比は10より大きくてもよい。いくつかの実施例において、音響出力装置200が1.5kHz-3kHzの区間で高い感度を有し、平坦な周波数応答曲線を有することを保証するために、第2の弾性係数と第1の弾性係数との比は、10-50の範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、音響出力装置200が2.5kHz-4kHzの区間で高い感度を有し、平坦な周波数応答曲線を有することを保証するために、第2の弾性係数と第1の弾性係数との比は、50-100の範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、音響出力装置200が3kHz-5kHzの区間で高い感度を有し、平坦な周波数応答曲線を有することを保証するために、第2の弾性係数と第1の弾性係数との比は、100-1000の範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、第2の弾性係数は、第1の弾性係数よりはるかに大きくてもよい。例えば、図2において配置された第1の弾性素子140は、バネであってもよく、第2の弾性素子150は、弾性率が大きい材質(例えば、金属)で製造されたロッド状物であってもよい。換言すれば、第2の振動素子120は、バネにより圧電素子130に弾性的に接続されることではなく、該ロッド状物により圧電素子130に剛性的に接続されてもよい。
【0058】
図3は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的な音響出力装置の振動信号が弾性質量端から出力される場合の周波数応答曲線図である。図3に示すように、曲線L31は、第1の弾性素子の第1の弾性係数ks1と第2の弾性素子の第2の弾性係数ks2が同じである場合、振動信号が弾性質量端から出力された音響出力装置(例えば、音響出力装置200)の周波数応答曲線を示す。曲線L32は、第2の弾性素子の第2の弾性係数ks2と第1の弾性素子の第1の弾性係数ks1との比が10である場合、振動信号が弾性質量端から出力された音響出力装置の周波数応答曲線を示す。曲線L33は、第2の弾性素子の第2の弾性係数ks2と第1の弾性素子の第1の弾性係数ks1との比が100である場合、振動信号が弾性質量端から出力された音響出力装置の周波数応答曲線を示す。曲線L34は、第2の弾性素子の第2の弾性係数ks2と第1の弾性素子の第1の弾性係数ks1との比が1000である場合、振動信号が弾性質量端から出力された音響出力装置の周波数応答曲線を示す。曲線L35は、第2の弾性素子の第2の弾性係数ks2と第1の弾性素子の第1の弾性係数ks1との比が10000である場合、振動信号が弾性質量端から出力された音響出力装置の周波数応答曲線を示す。例示的な説明として、図3に示すように、各周波数応答曲線に対応する第1の弾性素子の第1の弾性係数ks1は、いずれも同じであり、666.2N/mである。
【0059】
図3に示すように、曲線L31、曲線L32、曲線L33、曲線L34及び曲線L35は、100Hz-5000Hz(人間の耳の可聴範囲内にある)で、いずれも2つの共振ピークを有する。破線円M内の第1の共振ピークは、第2の振動素子120、第1の弾性素子140及び第2の弾性素子150の共振で生成されてもよい。破線円N内の第2の共振ピークは、第1の振動素子110及び圧電素子130の共振で生成されてもよい。図3から分かるように、第1の弾性素子140の第1の弾性係数ks1と第2の弾性素子150の第2の弾性係数ks2が同じである場合(曲線L31に対応する)、その第1の共振ピークと第2の共振ピークとの間の曲線が平坦であり、ピークとディップがなく、感度が低い。第1の弾性係数ks1を変化しないように維持し、第2の弾性係数ks2を増加させ、換言すれば、音響出力装置200を弾性対称の音響出力装置(曲線L31に対応する)から弾性非対称の音響出力装置(例えば、曲線L32に対応する)に変更する場合、音響出力装置200の第1の共振ピーク(破線円M内の共振ピーク)に対応する第1の共振周波数がわずかに増加し、直ちに第1の共振ピークの後に共振ディップ(すなわち、破線円O内の共振ディップ)が生成する。
【0060】
第2の弾性係数ks2のさらなる増加に伴って(曲線L32~曲線L35に対応する)、第1の共振ピークの位置は、実質的には変化せず、第1の共振ピーク後の共振ディップに対応する周波数は、第2の弾性係数ks2の増加に伴って実質的には変化しない。したがって、該共振ディップの位置は、弾性係数が小さい弾性素子によって決定される。第2の弾性係数ks2の増加に伴って、第2の共振ピーク(すなわち、破線円N内の共振ピーク)は、徐々に高周波に移動し、かつ第2の共振ピーク後の周波数応答振幅値は、明らかに向上する。換言すれば、音響出力装置200は、中高周波数帯域(例えば、1kHz-10kHz)で感度が高い。第2の弾性係数ks2が第1の弾性係数ks1の1000倍に増加した後、第2の弾性係数ks2を増加させ続けると、音響出力装置200の周波数応答曲線は、実質的には変化しない(例えば、曲線L34及び曲線L35に示すとおりである)。
【0061】
以上より、第2の弾性係数ks2と第1の弾性係数ks1が異なる場合、音響出力装置200は、中高周波数帯域で感度が高い。第2の弾性係数ks2と第1の弾性係数ks1との間の差の増加に伴って、音響出力装置200の中高周波数帯域での感度が向上する。いくつかの実施例において、第2の弾性係数ks2と第1の弾性係数ks1との間の差がある値を超える(例えば、第2の弾性係数ks2と第1の弾性係数ks1との比が1000倍より大きい)場合、音響出力装置200の中高周波数帯域での周波数応答は、実質的には変化せず、すなわち、音響出力装置200の中高周波数帯域での感度は、向上しなくなる。
【0062】
図4は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的な音響出力装置の概略構成図である。図5は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的な音響出力装置のシミュレーションモデル図である。図4に示すように、音響出力装置400は、音響出力装置200と類似する構造を有してもよい。例えば、音響出力装置400は、第1の振動素子110、第2の振動素子120、圧電素子130、第1の弾性素子140及び第2の弾性素子150を含んでもよい。また例えば、圧電素子130は、梁状構造を含んでもよい。第1の振動素子110は、梁状構造の長さ延在方向の中心位置(すなわち、第1の位置)に接続されてもよい。第2の振動素子120は、第1の弾性素子140及び第2の弾性素子150により梁状構造の長さ延在方向の両端(すなわち、第2の位置と第3の位置)に接続されてもよい。本明細書において、説明を容易にするために、第1の位置が梁状構造の中心位置であり、第2の位置と第3の位置がそれぞれ梁状構造の長さ延在方向の両端であることを例とする。
【0063】
いくつかの実施例において、音響出力装置400は、第1の接続部材182と第2の接続部材184をさらに含んでもよい。第2の振動素子120と第1の弾性素子140は、第1の接続部材182により圧電素子130の第2の位置に接続されてもよい。第1の接続部材182は、圧電素子130の第2の位置に設置されてもよく、第1の弾性素子140の一端は、第1の接続部材182に接続されてもよく、第1の弾性素子140の他端は、第2の振動素子120に接続されてもよい。同様に、第2の振動素子120と第2の弾性素子150は、第2の接続部材184により圧電素子130の第3の位置に接続されてもよい。第2の接続部材184は、圧電素子130の第3の位置に設置されてもよく、第2の弾性素子150の一端は、第2の接続部材184に接続されてもよく、第2の弾性素子150の他端は、第2の振動素子120に接続されてもよい。
【0064】
いくつかの実施例において、第1の弾性素子140及び第2の弾性素子150のうちの少なくとも1つは、圧電素子130に対して傾斜又は平行に配置されてもよい。例えば、図4に示すように、第1の接続部材182と第2の接続部材184を利用して、第1の弾性素子140及び第2の弾性素子150が位置する平面は、圧電素子130の表面に平行であってもよい。このような状況で、圧電素子130に対して傾斜又は平行に配置された弾性素子は、第2の振動素子120の振動方向と上記第2の振動素子の振動方向に垂直な方向に弾性係数成分を有することができる。具体的には、図5に示すように、第1の弾性素子140(図示せず)は、圧電素子130に垂直な方向ZZ’に沿って(又は第2の振動素子120の振動方向に沿って)第1の弾性係数を有し、第1の弾性素子140は、圧電素子130の長さに平行な方向XX’に沿って第3の弾性係数を有する。第2の弾性素子150(図示せず)は、圧電素子130に垂直な方向ZZ’に沿って(又は第2の振動素子120の振動方向に沿って)第2の弾性係数を有し、第2の弾性素子150は、圧電素子130の長さに平行な方向XX’に沿って第4の弾性係数を有する。
【0065】
いくつかの実施例において、第1の弾性素子140が振動を伝達する場合、第1の弾性係数は、第1の弾性素子140のZZ’方向における変位出力に影響を与えることができ、第3の弾性係数は、第1の弾性素子140のXX’方向における変位出力に影響を与えることができる。第1の弾性素子140のXX’方向における変位出力により第1の弾性素子140(例えば、弾性ロッド)の両端が押圧されて屈曲変形する可能性があるため、圧電素子130の長さに平行な方向XX’に沿った弾性変形は、圧電素子130に垂直な方向ZZ’で変位出力を生成することができる。換言すれば、第3の弾性係数は、第1の弾性素子140のZZ’方向における変形能力に影響を与えることができ、それにより第1の弾性素子140に接続された第2の振動素子120の振動出力に影響を与えることができる。同様に、第2の弾性素子150が振動を伝達する場合、第2の弾性素子150のXX’方向における変位出力により第2の弾性素子150の両端が押圧されて屈曲変形する可能性があるため、圧電素子130の長さに平行な方向XX’に沿った弾性変形は、圧電素子130に垂直な方向ZZ’で変位出力を生成することができる。換言すれば、第4の弾性係数は、第2の弾性素子150のZZ’方向における変形能力に影響を与えることができ、それにより第2の弾性素子150に接続された第2の振動素子120の振動出力に影響を与えることができる。いくつかの実施例において、第3の弾性係数(又は第4の弾性係数)が小さければ小さいほど、第3の弾性係数(又は第4の弾性係数)のZZ’方向における振動伝達に対する寄与が大きい。
【0066】
音響出力装置400が中高周波数帯域(例えば、1kHz-10kHz)で高い感度を有することを保証するために(図8に示すように)、第2の振動素子120(又は圧電素子130)の振動方向に、第1の弾性素子140の第1の弾性係数と第2の弾性素子150の第2の弾性係数は、異なってもよい。例えば、第2の弾性係数は、第1の弾性係数より大きくてもよく、第1の弾性係数より小さくてもよい。本明細書において、説明を容易にするために、第2の弾性係数が第1の弾性係数より大きいことを例とする。音響出力装置400が振動する場合、第2の弾性係数が第1の弾性係数より大きいため、第2の振動素子120が圧電素子130の表面に垂直な方向に振動すると同時に第1の弾性素子140又は第2の弾性素子150に向いて傾斜揺動することがあることが理解されよう。
【0067】
いくつかの実施例において、第1の弾性素子140の第3の弾性係数の圧電素子130に垂直な方向ZZ’における第2の振動素子120の振動出力に対する影響と、第2の弾性素子150の第4の弾性係数の圧電素子130に垂直な方向ZZ’における第2の振動素子120の振動出力に対する影響とをさらに調整することで、音響出力装置400の周波数応答表現を変更することができる。いくつかの実施例において、第1の弾性素子140の第3の弾性係数と第2の弾性素子150の第4の弾性係数は、同じであってもよく、異なってもよい。いくつかの実施例において、第1の弾性素子140の第3の弾性係数と第1の弾性係数との比及び/又は第2の弾性素子150の第4の弾性係数と第2の弾性係数との比は、1×10より大きくてもよい。いくつかの実施例において、第1の弾性素子140の第3の弾性係数と第1の弾性係数との比及び/又は第2の弾性素子150の第4の弾性係数と第2の弾性係数との比は、1×10より大きくてもよい。いくつかの実施例において、第1の弾性素子140の第3の弾性係数と第1の弾性係数との比及び/又は第2の弾性素子150の第4の弾性係数と第2の弾性係数との比は、1×10より大きくてもよい。いくつかの実施例において、第1の弾性素子140の第3の弾性係数と第1の弾性係数との比及び/又は第2の弾性素子150の第4の弾性係数と第2の弾性係数との比は、1×10より大きくてもよい。
【0068】
いくつかの実施例において、第1の弾性素子140は、1つ以上の第1の弾性ロッド142を含んでもよく、第2の弾性素子150は、1つ以上の第2の弾性ロッド152を含んでもよい。いくつかの実施例において、第1の弾性ロッド142及び/又は第2の弾性ロッド152は、円柱状、直方体状又は他の任意の適切な形状の構造(例えば、図4に示す凹凸状の構造)を有してもよい。いくつかの実施例において、第1の弾性ロッド142及び/又は第2の弾性ロッド152の数量、長さ、材質、構造、配置パターンなど又はそれらの任意の組み合わせを調整することで、第1の弾性素子140の第1の弾性係数と第2の弾性素子150の第2の弾性係数を異ならせることができる。
【0069】
いくつかの実施例において、第1の弾性ロッド142の数量と第2の弾性ロッド152の数量は、同じであってもよく、異なってもよい。例えば、各第1の弾性ロッド142が各第2の弾性ロッド152と同じである(例えば、材質、長さ、構造などがいずれも同じである)場合、第1の弾性ロッド142の数量と第2の弾性ロッド152の数量は、異なってもよい。この場合、第1の弾性素子140及び第2の弾性素子150に含まれた弾性ロッドの数量が異なるため、両者の第2の振動素子120の振動方向における弾性係数(すなわち、第1の弾性係数と第2の弾性係数)が異なる。また例えば、第1の弾性ロッド142の数量と第2の弾性ロッド152の数量が同じであってもよく(例えば、いずれも2つ、3つ、4つなどである)、各第1の弾性ロッド142の他の特性(例えば、長さ、材質など)と各第2の弾性ロッド152の他の特性(例えば、長さ、材質など)を異ならせることで、第1の弾性素子140の第1の弾性係数と第2の弾性素子150の第2の弾性係数を異ならせることができる。例として、1つ以上第1の弾性ロッド142のうちの各第1の弾性ロッドの材質と1つ以上の第2の弾性ロッド152のうちの各第2の弾性ロッドの材質を異ならせることで、第1の弾性素子140の第1の弾性係数と第2の弾性素子150の第2の弾性係数を異ならせることができる。例えば、第1の弾性ロッド142の材質は、小さい弾性率を有する材質(例えば、シリコーンゴム、ウレタンフォーム、プラスチック、ゴムなど)であってもよく、第2の弾性ロッド152の材質は、大きい弾性率を有する材質(例えば、金属、合金など)であってもよい。
【0070】
いくつかの実施例において、第1の弾性ロッド142及び/又は第2の弾性ロッド152の配置パターンを変更することで、第1の弾性素子140の第1の弾性係数と第2の弾性素子150の第2の弾性係数を異ならせることができる。例えば、各第1の弾性ロッド142と各第2の弾性ロッド152が同じであり(例えば、材質、長さなど)、第1の弾性ロッド142の数量と第2の弾性ロッド152の数量が同じである場合、隣接する2つの第1の弾性ロッド142ごとの夾角又は隣接する2つの第2の弾性ロッド152ごとの夾角を設定することで、第1の弾性素子140の第1の弾性係数と第2の弾性素子150の第2の弾性係数を異ならせることができる。例えば、第2の弾性係数を第1の弾性係数より大きくするために、隣接する2つの第2の弾性ロッド152ごとの夾角を隣接する2つの第1の弾性ロッド142ごとの夾角より小さくすることができる。いくつかの実施例において、非対称構造による不必要な揺れ、ずれをできるだけ減少させ、音響出力装置400が出力した音質に悪影響を与えることを避けるために、第1の弾性ロッド142は、圧電素子130の中心を通過し、かつ圧電素子130の表面に垂直な平面に関して対称に配置されてもく、第2の弾性ロッド152は、圧電素子130の中心を通過し、かつ圧電素子130の表面に垂直な平面に関して対称に配置されてもよい。
【0071】
いくつかの実施例において、各第1の弾性ロッド142と各第2の弾性ロッド152の長さを異ならせることで、第1の弾性素子140の第1の弾性係数と第2の弾性素子150の第2の弾性係数を異ならせることができる。なお、本明細書において、第1の弾性ロッド142の長さは、第1の弾性ロッド142が外力の作用を受けない状態(すなわち、自然状態)での長さであってもよく、第2の弾性ロッド152の長さは、第2の弾性ロッド152が外力の作用を受けない状態での長さであってもよい。いくつかの実施例において、各第1の弾性ロッド142と各第2の弾性ロッド152の構造を異ならせることで、第1の弾性素子140の第1の弾性係数と第2の弾性素子150の第2の弾性係数を異ならせることができる。例えば、各第1の弾性ロッド142は、凹凸状の構造を有してもよく、各第2の弾性ロッド152は、円筒形の長い棒状構造を有してもよい。
【0072】
図6は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的な音響出力装置の概略構成図である。図7は、本明細書のいくつかの実施例に係る別の例示的な音響出力装置の概略構成図である。図6に示すように、音響出力装置600は、音響出力装置400と類似する構造を有してもよい。音響出力装置600と音響出力装置400は、音響出力装置600において、第2の弾性ロッド152に加えて、第2の弾性素子150が第3の接続部材190をさらに含む点で相違する。第2の振動素子120は、さらに第3の接続部材190により圧電素子130の第3の位置に接続されてもよい。
【0073】
いくつかの実施例において、第3の接続部材190は、任意の材料で製造された部品であってもよい。第3の接続部材190は、第2の弾性ロッド152と共に第2の弾性素子150を構成することができる。換言すれば、第2の弾性素子150の弾性係数(例えば、第2の振動素子120の振動方向における第2の弾性係数)は、第3の接続部材190と第2の弾性ロッド152により共に提供される。いくつかの実施例において、第2の弾性ロッド152と第1の弾性ロッド142の設定が同じである(例えば、構造、長さ、数量、材質などが同じである)場合、第3の接続部材190(それが第2の弾性素子150に追加の弾性係数を提供することができる)を設定することで、第2の弾性素子150の第2の弾性係数と第1の弾性素子140の第1の弾性係数を異ならせることができる。
【0074】
いくつかの実施例において、第3の接続部材190の構造、材質などを変更することで、第2の弾性素子150の第2の弾性係数と第1の弾性素子140の第1の弾性係数との間の差を調整することができ、それにより音響出力装置600は、異なる周波数帯域内の感度が向上し、より多くの使用シナリオに適応することができる。いくつかの実施例において、第3の接続部材190は、シート状、環状、菱形、直方体形、柱状、球形などの形状、又はそれらの任意の組み合わせであってもよく、他の不規則的な形状であってもよい。いくつかの実施例において、第3の接続部材190の材料は、シリコーンゴム、ウレタンフォーム、プラスチック、ゴム、金属など、又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0075】
いくつかの実施例において、第3の接続部材190が大きい弾性率を有する材質(例えば、金属、合金)で製造される場合、第2の振動素子120と圧電素子130が第3の接続部材190により剛性的に接続され、このような状況で、第2の弾性ロッド152を除去してもよい。図7における音響出力装置700に示すように、第2の振動素子120は、直接第3の接続部材190により圧電素子130の第3の位置に接続されてもよい。この場合、第3の接続部材190は、第2の弾性素子150として機能する。いくつかの実施例において、第2の振動素子120を上記第2の接続部材184に剛性的に接続するために、第2の弾性素子150の第2の弾性係数は、1×10N/mより大きくてもよい。いくつかの実施例において、第2の振動素子120を上記第2の接続部材184に剛性的に接続するために、第2の弾性係数は、1×10N/mより大きくてもよい。いくつかの実施例において、第2の振動素子120を上記第2の接続部材184に剛性的に接続するために、第2の弾性係数は、1×10N/mより大きくてもよい。いくつかの実施例において、第2の振動素子120を上記第2の接続部材184に剛性的に接続するために、第2の弾性係数は、1×10N/mより大きくてもよい。
【0076】
いくつかの実施例において、第1の弾性素子140は、第4の接続部材(図示せず)を含んでもよく、第2の振動素子120は、さらに第4の接続部材により圧電素子130の第2の位置に接続されてもよい。このような状況で、第3の接続部材190と第4の接続部材を異ならせることで(例えば、構造、材質などを異ならせる)、第1の弾性素子140の第1の弾性係数と第2の弾性素子150の第2の弾性係数を異ならせることができる。
【0077】
図8は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的な音響出力装置の振動信号が弾性質量端から出力される場合の周波数応答曲線図である。図8に示すように、曲線L81は、第1の弾性素子の第1の弾性係数ks1と第2の弾性素子の第2の弾性係数ks2が同じであり、いずれも666.2N/mであり、かつ第1の弾性素子の第3の弾性係数kh1と第2の弾性素子の第4の弾性係数kh2が同じであり、いずれも666.2N/mである場合、振動信号が弾性質量端から出力された音響出力装置の周波数応答曲線を示す。曲線L82、曲線L83、曲線L84は、第1の弾性素子の第1の弾性係数がいずれも666.2N/mであり、第1の弾性素子の第1の弾性係数ks1と第2の弾性素子の第2の弾性係数ks2との比がいずれも100であり、第1の弾性素子の第3の弾性係数kh1と第1の弾性係数ks1との比がそれぞれ100、1000、2000であり、第2の弾性素子の第4の弾性係数kh2と第2の弾性係数ks2との比がそれぞれ100、1000、2000である場合に、振動信号が弾性質量端から出力された音響出力装置(例えば、音響出力装置400)の周波数応答曲線を示す。
【0078】
図8に示すように、曲線L81、曲線L82、曲線L83及び曲線L84は、100Hz-5000Hz(人間の耳の可聴範囲内にある)で、いずれも2つの共振ピークを有する。破線円Q内の第1の共振ピークは、第2の振動素子120、第1の弾性素子140及び第2の弾性素子150の共振で生成されてもよい。破線円P内の第2の共振ピークは、第1の振動素子110及び圧電素子130の共振で生成されてもよい。図8から分かるように、第1の弾性素子140の第1の弾性係数ks1と第2の弾性素子150の第2の弾性係数ks2が同じであり、かつ第1の弾性素子の第3の弾性係数kh1と第2の弾性素子の第4の弾性係数kh2が同じである場合(曲線L81に対応する)、その第1の共振ピークと第2の共振ピークとの間の曲線が平坦であり、ピークとディップがなく、感度が低い。第1の弾性係数ks1を変化しないように維持し、第2の弾性係数ks2をks1の100倍に増加させ、換言すれば、音響出力装置400を弾性対称の音響出力装置(曲線L81に対応する)から弾性非対称の音響出力装置(例えば、曲線L82、曲線L83、曲線L84に対応する)に変更する場合、音響出力装置400の第1の共振ピーク(破線円Q内の共振ピーク)に対応する第1の共振周波数が増加し、直ちに第1の共振ピークの後に共振ディップ(すなわち、破線円P内の共振ディップ)が生成する。
【0079】
さらに、曲線L82~曲線L84に示すように、第1の弾性素子の第3の弾性係数kh1と第2の弾性素子の第4の弾性係数kh2が第2の振動素子120の振動出力に影響を与えることができるため、第1の弾性素子140の第3の弾性係数kh1と第2の弾性素子150の第4の弾性係数kh2を徐々に増加させる場合(曲線L82~曲線L84に対応する)、第1の共振ピークに対応する第1の共振周波数及びその直後の共振ディップに対応する周波数は、同時に徐々に高い周波数に移動し、第1の共振ピーク前の周波数応答振幅値は、わずかに増加し、第2の共振ピーク後の周波数応答振幅値は、明らかに向上する。換言すれば、音響出力装置400は、中高周波数帯域(例えば、1kHz-10kHz)で感度が高い。第1の弾性素子140の第3の弾性係数kh1が第1の弾性係数ks1の2000倍に増加し、第2の弾性素子150の第4の弾性係数kh2が第2の弾性係数ks2の2000倍に増加する場合、第1の共振ピーク後の第1の共振ディップと第2の共振ピークは、明らかな相殺効果が発生し(曲線L84に対応する)、それにより対応する音響出力装置の周波数応答がより平坦である。第2の弾性係数ks2と第1の弾性係数ks1との間の差の増加に伴って、音響出力装置400の中高周波数帯域での感度が向上する。いくつかの実施例において、第2の弾性係数ks2と第1の弾性係数ks1との間の差がある値を超える(例えば、第2の弾性係数ks2と第1の弾性係数ks1との比が1000倍より大きい)場合、音響出力装置400の中高周波数帯域での周波数応答は、実質的には変化せず、すなわち、音響出力装置400の中高周波数帯域での感度は、向上しなくなる。
【0080】
以上より、第2の弾性係数ks2と第1の弾性係数ks1が異なる場合、音響出力装置400は、中高周波数帯域で感度が高い。第1の弾性係数ks1と第2の弾性係数ks2を変化しないように維持する場合、第3の弾性係数kh1と第4の弾性係数kh2の増加に伴って、音響出力装置400の中高周波数帯域での感度が向上し、中高周波数帯域での周波数応答曲線がより平坦である。いくつかの実施例において、音響出力装置400の500Hz-3000Hzの周波数帯域での感度を向上させるために、第2の弾性係数ks2と第1の弾性係数ks1との間の差を10N/m-10N/mの範囲内に設定し、同時に第3の弾性係数kh1を10N/m-10N/mの範囲内に設定し、第4の弾性係数kh2を10N/m-10N/mの範囲内に設定することができる。いくつかの実施例において、音響出力装置400の1500Hz-7000Hzの周波数帯域での感度及び該周波数帯域での周波数応答曲線の平坦度を向上させるために、第2の弾性係数ks2と第1の弾性係数ks1との間の差を10N/m-10N/mの範囲内に設定し、同時に第3の弾性係数kh1を10N/m-10N/mの範囲内に設定し、第4の弾性係数kh2を10N/m-10N/mの範囲内に設定することができる。
【0081】
上記で基本概念を説明してきたが、当業者にとっては、上記詳細な開示は、単なる例として提示されているに過ぎず、本明細書を限定するものではないことは明らかである。本明細書において明確に記載されていないが、当業者は、本明細書に対して様々な変更、改良及び修正を行うことができる。これらの変更、改良及び修正は、本明細書によって示唆されることが意図されておるため、本明細書の例示的な実施例の精神及び範囲内にある。
【0082】
さらに、本明細書の実施例を説明するために、本明細書において特定の用語が使用されている。例えば、「1つの実施例」、「一実施例」、及び/又は「いくつかの実施例」は、本明細書の少なくとも1つの実施例に関連した特定の特徴、構造又は特性を意味する。したがって、本明細書の様々な部分における「一実施例」又は「1つの実施例」又は「1つの代替的な実施例」の2つ以上の言及は、必ずしもすべてが同一の実施例を指すとは限らないことを強調し、理解されたい。また、本明細書の1つ以上の実施例における特定の特徴、構造又は特性は、適切に組み合わせられてもよい。
【0083】
また、特許請求の範囲に明確に記載されていない限り、本明細書に記載の処理要素又はシーケンスの列挙した順序、英数字の使用、又は他の名称の使用は、本明細書の手順及び方法の順序を限定するものではない。上記開示において、発明の様々な有用な実施例であると現在考えられるものを様々な例を通して説明しているが、そのような詳細は、単に説明の目的のためであり、添付の特許請求の範囲は、開示される実施例に限定されないが、逆に、本明細書の実施例の趣旨及び範囲内にあるすべての修正及び等価な組み合わせをカバーするように意図されることを理解されたい。例えば、上述したシステムアセンブリは、ハードウェアデバイスにより実装されてもよいが、ソフトウェアのみのソリューション、例えば、既存のサーバ又はモバイルデバイスに説明されたシステムをインストールすることにより実装されてもよい。
【0084】
同様に、本明細書の実施例の前述の説明では、本明細書を簡略化して、1つ以上の発明の実施例への理解を助ける目的で、様々な特徴が1つの実施例、図面又はその説明にまとめられることがあることを理解されたい。しかしながら、このような開示方法は、特許請求される主題が各請求項で列挙されるより多くの特徴を必要とするという意図を反映するものと解釈すべきではない。実際に、実施例の特徴は、上記開示された単一の実施例のすべての特徴より少ない場合がある。
【0085】
いくつかの実施例において、成分及び属性の数量を説明する数字が使用されており、このような実施例を説明するための数字は、いくつかの例において修飾語「約」、「ほぼ」又は「実質的」によって修飾されるものであることを理解されたい。特に明記しない限り、「約」、「ほぼ」又は「実質的」は、上記数字の±20%の変動が許容されることを意味する。よって、いくつかの実施例において、明細書及び特許請求の範囲に使用されている数値パラメータは、いずれも個別の実施例に必要な特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施例において、数値パラメータについては、規定された有効桁数を考慮すると共に、通常の丸め手法を適用するべきである。本明細書のいくつかの実施例において、その範囲を決定するための数値範囲及びパラメータは近似値であるが、具体的な実施例において、このような数値は可能な限り正確に設定される。
【0086】
最後に、本明細書に記載の実施例は、単に本明細書の実施例の原理を説明するものであることを理解されたい。他の変形例も本明細書の範囲内にある可能性がある。したがって、限定するものではなく、例として、本明細書の実施例の代替構成は、本明細書の教示と一致するように見なされてもよい。よって、本明細書の実施例は、本明細書において明確に紹介して説明された実施例に限定されない。
【符号の説明】
【0087】
110 第1の振動素子
120 第2の振動素子
130 圧電素子
140 第1の弾性素子
150 第2の弾性素子
182 第1の接続部材
184 第2の接続部材
142 第1の弾性ロッド
152 第2の弾性ロッド
図1
図2
図3
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図6
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図8