(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】双方向波長アクセスシステム
(51)【国際特許分類】
H04B 10/27 20130101AFI20241205BHJP
H04J 14/02 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
H04B10/27
H04J14/02
(21)【出願番号】P 2023090569
(22)【出願日】2023-05-31
【審査請求日】2023-05-31
(32)【優先日】2023-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】501027245
【氏名又は名称】中華電信股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】廖 虹惠
(72)【発明者】
【氏名】胡 晉誠
【審査官】麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-042252(JP,A)
【文献】特開2005-012278(JP,A)
【文献】特開平08-054544(JP,A)
【文献】特開2004-126481(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/27
H04J 14/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のポートと、第2のポートと、第3のポートと、を備える第1の光サーキュレータと、
第1の主軸光ケーブルに接続された第1の分波フィルタ群であって、前記第1の分波フィルタ群は、前記第1の主軸光ケーブル内を伝送された第1の入射光を前記第1の光サーキュレータの前記第1のポートに導くと共に、前記第1の光サーキュレータの前記第3のポートから受信した第1の戻り光を前記第1の主軸光ケーブルに導き、前記第1の入射光及び前記第1の戻り光は、いずれも第1の波長を有する第1の分波フィルタ群と、
を備える第1の双方向波長アクセス装置を含む、双方向波長アクセスシステム。
【請求項2】
前記第1の光サーキュレータの前記第2のポートは、前記第1の光サーキュレータの前記第1のポートからの前記第1の入射光を出力し、第1の外部装置から受信した前記第1の戻り光を前記第1の光サーキュレータの前記第3のポートに導くために用いられる、
請求項1に記載の双方向波長アクセスシステム。
【請求項3】
前記第1の光サーキュレータの前記第2のポートは、単心光ケーブルを介して、前記第1の戻り光を提供する第1の外部装置に接続される、
請求項1に記載の双方向波長アクセスシステム。
【請求項4】
前記第1の分波フィルタ群は、単一の分波フィルタを含み、前記単一の分波フィルタの導光面と、前記第1の主軸光ケーブル内を伝送される主光線の伝送方向との間に夾角を有し、前記夾角は135度である、
請求項1に記載の双方向波長アクセスシステム。
【請求項5】
前記第1の入射光及び前記第1の戻り光は、前記第1の主軸光ケーブルにおいて反対の伝送方向を有する、
請求項4に記載の双方向波長アクセスシステム。
【請求項6】
前記第1の分波フィルタ群は、第1の分波フィルタ及び第2の分波フィルタを含み、前記第1の分波フィルタの第1の導光面と、前記第1の主軸光ケーブル内を伝送された主光線の伝送方向との間に第1の夾角を有し、前記第2の分波フィルタの第2の導光面と前記主光線の前記伝送方向との間に第2の夾角を有し、前記第1の夾角は135度であり、前記第2の夾角は135度であり、前記第1の分波フィルタと前記第2の分波フィルタの間の夾角は90度である、
請求項1に記載の双方向波長アクセスシステム。
【請求項7】
前記第1の入射光と前記第1の戻り光は、前記第1の主軸光ケーブルにおいて同一の伝送方向を有する、
請求項6に記載の双方向波長アクセスシステム。
【請求項8】
前記第1の導光面と前記第2の導光面の間の夾角は270度である、
請求項6に記載の双方向波長アクセスシステム。
【請求項9】
前記第1の分波フィルタ群は、前記第1の波長を有する光線にのみ作用する、
請求項1に記載の双方向波長アクセスシステム。
【請求項10】
前記第1の分波フィルタ群は、前記第1の主軸光ケーブル内を伝送された主光線のうち前記第1の波長を有する前記第1の入射光のみを前記第1の光サーキュレータの前記第1のポートに導くと共に、前記主光線のうち前記第1の波長を有しないその他の入射光を迂回させる、
請求項1に記載の双方向波長アクセスシステム。
【請求項11】
第1のポートと、第2のポートと、第3のポートと、を備える第2の光サーキュレータと、
前記第1の主軸光ケーブルに接続された第2の分波フィルタ群であって、前記第2の分波フィルタ群は、前記第1の主軸光ケーブル内を伝送された第2の入射光を前記第2の光サーキュレータの前記第1のポートに導くと共に、前記第2の光サーキュレータの前記第3のポートから受信した第2の戻り光を、前記第1の主軸光ケーブルに導き、前記第2の入射光及び前記第2の戻り光は、いずれも第2の波長を有する第2の分波フィルタ群と、
を備える第2の双方向波長アクセス装置をさらに含む、請求項1に記載の双方向波長アクセスシステム。
【請求項12】
前記第1の分波フィルタ群は、前記第2の分波フィルタ群よりも先に、前記第1の主軸光ケーブル内を伝送された主光線を受信する、
請求項11に記載の双方向波長アクセスシステム。
【請求項13】
前記第1の双方向波長アクセス装置及び前記第2の双方向波長アクセス装置は、特定の双方向波長アクセス装置に統合される、
請求項11に記載の双方向波長アクセスシステム。
【請求項14】
第1のポートと、第2のポートと、第3のポートと、を含む第3の光サーキュレータと、
第2の主軸光ケーブルに接続された第3の分波フィルタ群であって、前記第3の分波フィルタ群は、前記第2の主軸光ケーブル内を伝送された第3の入射光を前記第3の光サーキュレータの前記第1のポートに導くと共に、前記第3の光サーキュレータの前記第3のポートから受信した第3の戻り光を、前記第2の主軸光ケーブルに導き、前記第3の入射光及び前記第3の戻り光は、いずれも第3の波長を有し、前記第1の主軸光ケーブルの出力端は、光ファイバジャンパを介して前記第2の主軸光ケーブルの入力端に接続される第3の分波フィルタ群と、
を備える第3の双方向波長アクセス装置をさらに含む、請求項1に記載の双方向波長アクセスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ネットワーク部材に関し、特に、双方向波長アクセスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
5G光ネットワークのフロントホールでの波長分割多重(Wavelength Division Multiplexing,WDM)ネットワークの台頭に伴い、低コストのWDM光ネットワークが市場の注目を集めている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、当業者にとって、5GモバイルWDMネットワーク伝送のノードアクセス性能を向上させることができる装置をどのように設計するかは重要な課題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これを考慮して、本発明は、上記技術的課題を解決するために使用できる双方向波長アクセスシステムを提供する。
【0005】
本発明の実施形態は、第1の双方向波長アクセス装置を含む双方向波長アクセスシステムを提供する。第1の双方向波長アクセス装置は、第1の光サーキュレータ、第1の分波フィルタ群を備える。第1の光サーキュレータは、第1のポートと、第2のポートと、第3のポートと、を備える。第1の分波フィルタ群は、第1の主軸光ケーブルに接続され、第1の分波フィルタ群は、第1の主軸光ケーブル内を伝送された第1の入射光を第1の光サーキュレータの第1のポートに導くと共に、第1の光サーキュレータの第3のポートから受信した第1の戻り光を第1の主軸光ケーブルに導く。ここで、第1の入射光と第1の戻り光は、いずれも第1の波長を有する。
【発明の効果】
【0006】
以上より、本発明の実施形態により提案される双方向波長アクセスシステムは、光ネットワーク構成を展開するコスト及び時間を効果的に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る双方向波長アクセスシステムの概略図である。
【
図2】本発明の第2の実施形態に係る双方向波長アクセスシステムの概略図である。
【
図3】本発明の第3の実施形態に係る双方向波長アクセスシステムの概略図である。
【
図4】本発明の第4の実施形態に係る双方向波長アクセスシステムの概略図である。
【
図5】本発明の第5の実施形態に係る双方向波長アクセスシステムの概略図である。
【
図6】本発明の第6の実施形態に係る適用シナリオを示す図である。
【
図7】本発明の第7の実施形態に係る適用シナリオを示す図である。
【
図8】本発明の第8の実施形態に係る適用シナリオを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1を参照すると、それは、本発明の第1の実施形態に係る双方向波長アクセスシステムの概略図である。
図1において、双方向波長アクセスシステム10は、第1の双方向波長アクセス装置11を含み、第1の双方向波長アクセス装置11は、第1の光サーキュレータ111及び第1の分波フィルタ群112を含む。第1の光サーキュレータ111は、第1のポート111a、第2のポート111b及び第3のポート111cを含む。第1の分波フィルタ群112は、第1の主軸光ケーブル199に接続され、第1の分波フィルタ群112は、第1の主軸光ケーブル199内を伝送された第1の入射光IL1を第1の光サーキュレータ111の第1のポート111aに導き、第1の光サーキュレータ111の第3のポート111cから受信した第1の戻り光OL1を第1の主軸光ケーブル199に導く。ここで、第1の入射光IL1及び第1の戻り光OL1は、いずれも第1の波長を有する(以下、WL1で示す)。
【0009】
第1の実施形態において、第1の光サーキュレータ111の第2のポート111bは、第1の光サーキュレータ111の第1のポート111aからの第1の入射光IL1を出力すると共に、第1外部装置E1から受信した第1の戻り光OL1を第1の光サーキュレータ111の第3ポート111cに導くために用いられる。
【0010】
第1の実施形態において、第1の光サーキュレータ111の第2のポート111bは、単心光ケーブルFI1を介して第1の戻り光OL1を提供する第1の外部装置E1に接続される。
【0011】
異なる実施形態において、第1の外部装置E1は、例えば、光サーキュレータE11、受信機Rx1、及び送信機Tx1を含んでも良く、光サーキュレータE11は、例えば、光サーキュレータE11の第2のポートを介して、第1の光サーキュレータ111の第2のポート111bからの第1の入射光IL1を受信し、さらに、光サーキュレータE11の第3のポートを介して、第1の入射光IL1を受信機Rx1に発射することができる。また、光サーキュレータE11は、例えば、光サーキュレータE11の第1のポートを介して、送信機Tx1からの第1の戻り光OL1を受信すると共に、光サーキュレータE11の第1のポートを介して、第1の戻り光OL1を光サーキュレータE11の第2のポートに転送することができる。その後、光サーキュレータE11の第2のポートは、単心光ケーブルFI1を介して、第1の戻り光OL1を第1の光サーキュレータ111の第2のポート111bに送信することができる。
【0012】
一実施形態において、第1の外部装置E1は、受信機Rx1と送信機Tx1のみを含んでも良く、光サーキュレータE11は、例えば、独立した装置として第1光サーキュレータ111と第1外部装置E1との間に接続されても良いが、これに限定されない。
【0013】
いくつかの実施形態において、第1の外部装置E1は、各種の基地局など、各種の通信装置/ノードとして設置することができるが、これに限定されない。
【0014】
図1において、第1の分波フィルタ群112は、単一の分波フィルタ112aを含み、分波フィルタ112aの導光面S1と、第1の主軸光ケーブル199内を伝送される主光線MLの伝送方向D1との間に夾角AN1を有し、夾角AN1は135度である。これにより、主光線ML中の第1の入射光IL1が導光面S1に入射すると、導光面S1は第1の入射光IL1を第1の光サーキュレータ111の第1ポート111aに導くことができる。
【0015】
また、分波フィルタ112aの導光面S1が、第1の光サーキュレータ111の第3のポート111cから第1の戻り光OL1を受信すると、導光面S1は、第1の戻り光OL1を第1の主軸光ケーブル199に導き、第1戻り光OL1は、第1の主軸光ケーブル199内を伝送されることができる。
【0016】
第1の実施形態において、第1の分波フィルタ群112の分波フィルタ112aは、第1の主軸光ケーブル199内を伝送された主光線MLのうち第2の波長WL2を有する第1の入射光IL1のみを第1の光サーキュレータ111の第1のポート111aに導き、主光線MLのうち第2の波長WL2を有しないその他の入射光を迂回(bypass)させる。
図1において、分波フィルタ112aの導光面S1は、主光線MLのうち第2の波長WL2を有する第1の入射光IL1のみを第1の光サーキュレータ111の第1のポート111aに導き、主光線MLのうち第2の波長WL2を有しないその他の入射光は、分波フィルタ112aを直接通過するが、これに限定されない。別の見方をすれば、第1の分波フィルタ群112の分波フィルタ112aは、第2の波長WL2を有する光線(例えば、第1の入射光IL1及び第1の戻り光OL1)のみに作用するとも理解できる。
【0017】
第1の実施形態において、第1の入射光IL1と第1の戻り光OL1は、第1の主軸光ケーブル199内で反対の伝送方向を有していても良い。
図1において、第1の入射光IL1の伝送方向は、例えば、主光線MLの伝送方向D1と同一の方向であり、第1の戻り光OL1の伝送方向D2は、例えば、伝送方向D1と反対の方向であっても良い。本発明の実施形態において、第1の入射光IL1と第1の戻り光OL1は、第1の主軸光ケーブル199において反対の伝送方向を有するので、この適用シナリオは「バックワード・リターン」と呼ぶことができるが、これに限定されない。
【0018】
その他の実施形態において、夾角AN1は、第1の分波フィルタ群112、第1の主軸光ケーブル199及び第1の光サーキュレータ111の間の相対位置に対応して適当に調整されても良く、
図1に示される態様に限定されない。
【0019】
図2を参照すると、それは、本発明の第2の実施形態に係る双方向波長アクセスシステムの概略図である。
図2において、双方向波長アクセスシステム20は、第1の光サーキュレータ111及び第1の分波フィルタ群212を有する第1の双方向波長アクセス装置21を含む。第1の光サーキュレータ111は、第1のポート111a、第2のポート111b及び第3のポート111cを含む。第1の分波フィルタ群212は、第1の主軸光ケーブル199に接続され、ここで、第1の分波フィルタ群212は、第1の主軸光ケーブル199内を伝送された第1の入射光IL1を第1の光サーキュレータ111の第1のポート111aに導くと共に、第1の光サーキュレータ111の第3のポート111cから受信した第1の戻り光OL1を第1の主軸光ケーブル199に導き、ここで、第1の入射光IL1及び第1の戻り光OL1は、いずれも第2の波長WL2を有する。
【0020】
第2の実施形態において、
図1と異なる点は、第2の実施形態の第1の分波フィルタ群212は、分波フィルタ212aに加え、分波フィルタ212bをさらに備えることにあり、ここで、分波フィルタ212aの動作方法は、
図1の分波フィルタ112aと同一である。第2の実施形態において、分波フィルタ212a、212bの間の夾角ANは、90度であって良い。より詳細に言えば、分波フィルタ212bは、導光面S2を有しても良く、導光面S1、S2の間の夾角AN’は270度であって良いが、これに限定されない。
【0021】
図2において、分波フィルタ212bの導光面S2と主光線MLの伝送方向D1の間に夾角AN2を有し、夾角AN2は135度である。
【0022】
第2の実施形態において、導光面S1は、第1の主軸光ケーブル199内を伝送された第1の入射光IL1を第1の光サーキュレータ111の第1のポート111aに導くために用いることができる。また、導光面S2は、第1の光サーキュレータ111の第3のポート111cからの第1の戻り光OL1を受信すると共に、第1の戻り光OL1を第1の主軸光ケーブル199に導き、第1の主軸光ケーブル199内で第1の戻り光OL1を伝送させるために用いることができる。
【0023】
第2の実施形態において、第1の分波フィルタ群212の分波フィルタ212aは、第1の主軸光ケーブル199中を伝送された主光線MLのうち第2の波長WL2を有する第1の入射光IL1のみを第1の光サーキュレータ111の第1のポート111aに導き、主光線MLのうち第2の波長WL2を有しないその他の入射光を迂回(bypass)させる。
図2において、分波フィルタ212aの導光面S1は、主光線MLのうち第2の波長WL2を有する第1の入射光IL1のみを第1の光サーキュレータ111の第1のポート111aに導き、主光線MLのうち第2の波長WL2を有しないその他の入射光は、分波フィルタ212aを直接通過するが、これに限定されない。別の見方をすれば、第1の分波フィルタ群212の分波フィルタ112aは、第2の波長WL2を有する光線(例えば、第1の入射光IL1及び第1の戻り光OL1)のみに作用するとも理解できる。
【0024】
また、第1の分波フィルタ群212の分波フィルタ212bは、第2の波長WL2を有する光線のみに作用するよう設計しても良い。すなわち、分波フィルタ212bは、主光線MLのうち第2の波長WL2を有しないその他の光線を直接通過させても良いが、これに限定されない。
【0025】
第2の実施形態において、第1の入射光IL1と第1の戻り光OL1は、第1の主軸光ケーブル199において同一の伝送方向を有していても良い。
図2において、第1の入射光IL1の伝送方向は、例えば、主光線MLの伝送方向D1と同一の方向であり、第1の戻り光OL1の伝送方向は、例えば、伝送方向D1と同一の方向であっても良い。本発明の実施形態において、第1の入射光IL1と第1の戻り光OL1は、第1の主軸光ケーブル199において同一の伝送方向を有するので、この適用シナリオは「フォワード・リターン」と呼ぶことができるが、これに限定されない。
【0026】
その他の実施形態において、図示される各夾角は、第1の分波フィルタ群212、第1の主軸光ケーブル199、及び第1の光サーキュレータ111の間の相対位置に従って適当に調整することもでき、
図2に示す態様に限定されない。
【0027】
図3を参照すると、それは、本発明の第3の実施形態に係る双方向波長アクセスシステムの概略図である。
図3において、双方向波長アクセスシステム3
0は、
図1の第1の双方向波長アクセス装置11に加えて、第2の双方向波長アクセス装置31をさらに含んでも良く、ここで、第1の双方向波長アクセス装置11の関連の詳細は、
図1の関連説明を参照することができ、ここでは繰り返さない。
【0028】
第3の実施形態において、第2の双方向波長アクセス装置31は、第2の光サーキュレータ311及び第2の分波フィルタ群312を含む。第2の光サーキュレータ311は、第1のポート311a、第2のポート311b、及び第3のポート311cを含む。第2の分波フィルタ群312は、第1の主軸光ケーブル199に接続され、ここで、第2の分波フィルタ群312は、第1の主軸光ケーブル199内を伝送された第2の入射光IL2を第2の光サーキュレータ311の第1のポート311aに導くと共に、第2の光サーキュレータ311の第3のポート311cから受信した第2の戻り光OL2を第1の主軸光ケーブル199に導き、ここで、第2の入射光IL2及び第2の戻り光OL2は、いずれも第2の波長(以下WL2という)を有する。
【0029】
第3の実施形態において、第2の光サーキュレータ311の第2のポート311bは、第2の光サーキュレータ311の第1のポート311aからの第2の入射光IL2を出力すると共に、第2の外部装置E2から受信した第2の戻り光OL2を第2の光サーキュレータ311の第3のポート311cに導くために用いられる。
【0030】
第3の実施形態において、第2の光サーキュレータ311の第2ポート311bは、単心光ケーブルFI2を介して、第2の戻り光OL2を提供する第2の外部装置E2に接続される。
【0031】
異なる実施形態において、第2の外部装置E2は、例えば、光サーキュレータE21、受信機Rx2、及び送信機Tx2を含んでも良く、光サーキュレータE21は、例えば、光サーキュレータE21の第2のポートを介して、第2の光サーキュレータ311の第2のポート311bからの第2の入射光IL2を受信し、光サーキュレータE21の第3のポートを介して、第2の入射光IL2を受信機Rx2に発射することができる。また、光サーキュレータE21は、例えば、光サーキュレータE21の第1のポートを介して、送信機Tx2からの第2の戻り光OL2を受信すると共に、光サーキュレータE21の第1のポートを介して、第2の戻り光OL2を光サーキュレータE21の第2のポートに転送することができる。その後、光サーキュレータE21の第2のポートは、単心光ケーブルFI2を介して、第2の戻り光OL2を第2の光サーキュレータ311の第2のポート311bに送信することができる。
【0032】
一実施形態において、第2の外部装置E2は、受信器Rx2と送信器Tx2のみを含んでも良く、光サーキュレータE21は、例えば、第2の光サーキュレータ311と第2の外部装置E2との間に接続されても良いが、これに限定されない。
【0033】
いくつかの実施形態において、第2の外部装置E2は、各種の基地局など、各種の通信装置/ノードとして設置することができるが、これに限定されない。
【0034】
図3において、第2の分波フィルタ群312は、単一の分波フィルタ312aを含み、単一の分波フィルタ312aの導光面と、第1の主軸光ケーブル199内を伝送される主光線MLの伝送方向D1との間に135度の夾角を有していても良い。これにより、主光線MLのうちの第2の入射光IL2が分波フィルタ312aの導光面に入射すると、分波フィルタ312aの導光面は、第2の入射光IL2を第2の光サーキュレータ311の第1のポート311aに導くことができる。
【0035】
また、分波フィルタ312aの導光面が、第2の光サーキュレータ311の第3のポート311cから第2の戻り光OL2を受信すると、分波フィルタ312aの導光面は、第2の戻り光OL2を主軸光ケーブル199内に導き、第2の戻り光OL2が第1の主軸光ケーブル199内を伝送されるようにすることができる。
【0036】
第3の実施形態において、第2の分波フィルタ群312の分波フィルタ312aは、第1の主軸光ケーブル199内を伝送された主光線MLのうち第2の波長WL2を有する第2の入射光IL2のみを第2の光サーキュレータ311の第1のポート311aに導き、主光線MLのうち第2の波長WL2を有しないその他の入射光を迂回(bypass)させる。
図3において、分波フィルタ312aの導光面は、主光線MLのうち第2の波長WL2を有する第2の入射光IL2のみを第2の光サーキュレータ311の第1のポート311aに導き、主光線MLのうち第2の波長WL2を有しないその他の入射光は、分波フィルタ312aを直接通過するが、これに限定されない。別の見方をすれば、第2の分波フィルタ群312の分波フィルタ312aは、第2の波長WL2を有する光線(例えば、第2の入射光IL2及び第2の戻り光OL2)のみに作用するとも理解できる。
【0037】
第3の実施形態において、第2の入射光IL2と第2の戻り光OL2は、第1の主軸光ケーブル199内で反対の伝送方向を有していても良い。
図3において、第2の入射光IL2の伝送方向は、例えば、主光線MLの伝送方向D1と同一の方向であり、第2戻り光OL2の伝送方向D2は、例えば、伝送方向D1と反対の方向であっても良い。つまり、第2の双方向波長アクセス装置31は、「バックワード・リターン」のシナリオで用いられるとも理解できる。
【0038】
図3において、第1の分波フィルタ群112は、第2の分波フィルタ群312よりも先に、第1の主軸光ケーブル199内を伝送された主光線MLを受信する。第1の分波フィルタ群112は、すでに第1の波長WL1を有する第1の入射光IL1を第1の光サーキュレータ111の第1のポート111aに導いたので、第2の分波フィルタ群312によって受信される主光線MLは、第1の波長WL1を有する任意の光線を含まない。別の見方をすれば、第1の分波フィルタ群112が迂回させる光線は、第2の波長WL2を有する光(例えば、第2の入射光IL2)を含む。
【0039】
また、
図3の第2の双方向波長アクセス装置31の構造は、第1の双方向波長アクセス装置11の構造と実質的に同一であるため、双方向波長アクセスシステム30は、2つの第1の双方向波長アクセス装置11を含むとも理解できる。この2つの第1の双方向波長アクセス装置11は、前後して、第1の主軸光ケーブル199内を伝送される主光線MLのうち対応する波長を有する光線を、対応する光サーキュレータに導くことができるが、これに限定されない。
【0040】
いくつかの実施形態において、
図3の第2の双方向波長アクセス装置31と、第1の双方向波長アクセス装置11は、独立した装置として実施するか、又は同一の特定の双方向波長アクセス装置に統合することができる。
【0041】
その他の実施形態において、双方向波長アクセスシステム30は、より多くの第1の双方向波長アクセス装置11及び/又は第2の双方向波長アクセス装置31を含んでも良く、それらは、
図1及び3の関連する説明で言及された方法に従ってそれぞれ動作することができる。
【0042】
図4を参照すると、それは、本発明の第4の実施形態に係る双方向波長アクセスシステムの概略図である。
図4において、双方向波長アクセスシステム40は、
図2に示される第1の双方向波長アクセス装置21に加えて、第2の双方向波長アクセス装置41をさらに含んでも良く、ここで、第1の双方向波長アクセス装置21の関連の詳細は、
図2の関連説明を参照することができ、ここでは繰り返さない。
【0043】
第4の実施形態において、第2の双方向波長アクセス装置41は、第2の光サーキュレータ411及び第2の分波フィルタ群412を含む。第2の光サーキュレータ411は、第1のポート411a、第2のポート411b、及び第3のポート411cを含む。第2の分波フィルタ群412は、第1の主軸光ケーブル199に接続され、第2の分波フィルタ群412は、第1の主軸光ケーブル199内を伝送された第2の入射光IL2を、第2の光サーキュレータ411の第1のポート411aに導くと共に、第2の光サーキュレータ411の第3のポート411cから受信した第2の戻り光OL2を第1の主軸光ケーブル199に導き、ここで、第2の入射光IL2及び第2の戻り光OL2は、いずれも第2の波長WL2を有する。
【0044】
第4の実施形態において、第2の光サーキュレータ411の第2のポート411bは、第2の光サーキュレータ411の第1のポート411aからの第2の入射光IL2を出力すると共に、第2の外部装置E2から受信した第2の戻り光OL2を第2の光サーキュレータ411の第3のポート411cに導くために用いられる。
【0045】
第4の実施形態において、第2の光サーキュレータ411の第2のポート411bは、単心光ケーブルFI2を介して、第2の戻り光OL2を提供する第2の外部装置E2に接続される。
【0046】
異なる実施形態において、第2の外部装置E2は、例えば、光サーキュレータE21、受信機Rx2、及び送信機Tx2を含んでも良く、光サーキュレータE21は、例えば、光サーキュレータE21の第2のポートを介して、第2の光サーキュレータ411の第2のポート411bからの第2の入射光IL2を受信し、光サーキュレータE21の第3のポートを介して、第2の入射光IL2を受信機Rx2に発射する。また、光サーキュレータE21は、例えば、光サーキュレータE21の第1のポートを介して、接收來自送信機Tx2からの第2の戻り光OL2を受信すると共に、光サーキュレータE21の第1のポートを介して、第2の戻り光OL2を光サーキュレータE21の第2のポートに転送する。その後、光サーキュレータE21の第2のポートは、単心ケーブルFI2を介して、第2の戻り光OL2を第2の光サーキュレータ411の第2のポート411bに送信することができる。
【0047】
一実施形態において、第2の外部装置E2は、受信機Rx2と送信機Tx2のみを含んでも良く、光サーキュレータE21は、例えば、第2の光サーキュレータ411と第2の外部装置E2との間に独立した装置として接続することができるが、これに限定されない。
【0048】
いくつかの実施形態において、第2の外部装置E2は、各種の基地局など、各種の通信装置/ノードとして設置することができるが、これに限定されない。
【0049】
図4において、第2の分波フィルタ群412は、分波フィルタ412a、412bを含み、分波フィルタ412a、412bの関連角度設定は、
図2の分波フィルタ212a、212bの設定を参照することができる。
【0050】
第4の実施形態において、分波フィルタ412aの導光面は、第1の主軸光ケーブル199内を伝送される第2の入射光IL2を第2の光サーキュレータ411の第1ポート411aに導くために用いることができる。また、分波フィルタ412bの導光面は、第2の光サーキュレータ411の第3のポート411cからの第2の戻り光OL2を受信すると共に、第2の戻り光OL2を第1の主軸光ケーブル199に導き、第1の主軸光ケーブル199内で第2の戻り光OL2を伝送させるために用いることができる。
【0051】
第4の実施形態において、第2の分波フィルタ群412の分波フィルタ412aは、第1の主軸光ケーブル199内を伝送された主光線MLのうち第2の波長WL2を有する第1の入射光IL1のみを第2の光サーキュレータ411の第1のポート411aに導き、主光線MLのうち第2の波長WL2を有しないその他の入射光を迂回(bypass)させる。
図4において、分波フィルタ412aの導光面は、主光線MLのうち第2の波長WL2を有する第2の入射光IL2のみを第2の光サーキュレータ411の第1のポート411aに導き、主光線MLのうち第2の波長WL2を有しないその他の入射光は、分波フィルタ412aを直接通過するが、これに限定されない。別の見方をすれば、第2の分波フィルタ群412の分波フィルタ412aは、第2の波長WL2を有する光線(例えば、第2の入射光IL2)のみに作用するとも理解できる。
【0052】
また、第2の分波フィルタ群412の分波フィルタ412bは、第2の波長WL2を有する光線(例えば、第2の戻り光OL2)のみに作用するよう設計しても良い。すなわち、分波フィルタ412bは、主光線MLのうち第2の波長WL2を有しないその他の光線を直接通過させても良いが、これに限定されない。
【0053】
第4の実施形態において、第2の入射光IL2と第2戻り光OL2は、第1の主軸光ケーブル199内で同一の伝送方向を有していても良い。
図4において、第2の入射光IL2の伝送方向は、例えば、主光線MLの伝送方向D1と同一の方向であり、第2の戻り光OL2の伝送方向も、伝送方向D1と同一の方向とすることができる。つまり、第2の双方向波長アクセス装置41は、「フォワード・リターン」のシナリオで用いられるとも理解できる。
【0054】
図4において、第1の分波フィルタ群212は、第2の分波フィルタ群412よりも先に、第1の主軸光ケーブル199内を伝送された主光線MLを受信する。第1の分波フィルタ群212は、すでに第1の波長WL1を有する第1の入射光IL1を第1の光サーキュレータ111の第1のポート111aに導いたので、第2の分波フィルタ群312によって受信される主光線MLは、第1の波長WL1を有する任意の光線を含まない。別の見方をすれば、第1の分波フィルタ群112が迂回させる光線は、第2の波長WL2を有する光(例えば、第2の入射光IL2)を含む。
【0055】
また、
図4の第2の双方向波長アクセス装置41の構造は、第1の双方向波長アクセス装置21の構造と実質的に同一であるため、双方向波長アクセスシステム30は、2つの第1の双方向波長アクセス装置21を含むとも理解できる。この2つの第1の双方向波長アクセス装置21は、前後して、第1の主軸光ケーブル199内を伝送される主光線MLのうち対応する波長を有する光線を、対応する光サーキュレータに導くことができるが、これに限定されない。
【0056】
いくつかの実施形態において、
図4の第2の双方向波長アクセス装置41と、第1の双方向波長アクセス装置21は、独立した装置として実施するか、又は同一の特定の双方向波長アクセス装置に統合することができる。
【0057】
その他の実施形態において、双方向波長アクセスシステム40は、より多くの第1の双方向波長アクセス装置21及び/又は第2の双方向波長アクセス装置41を含んでも良く、それらは、
図2及び4の関連する説明で言及された方法に従ってそれぞれ動作することができる。
【0058】
図5を参照すると、それは、本発明の第5の実施形態に係る双方向波長アクセスシステムの概略図である。
図5において、双方向波長アクセスシステム50は、第1の双方向波長アクセス装置11及び第3の双方向波長アクセス装置51を含み、第1の双方向波長アクセス装置11の詳細は、
図1の関連説明を参照することができ、ここでは繰り返さない。
【0059】
第5の実施形態において、第3の双方向波長アクセス装置51は、第3の光サーキュレータ511及び第3の分波フィルタ群512を含む。第3の光サーキュレータ511は、第1のポート511a、第2のポート511b、及び第3のポート511cを含む。第3の分波フィルタ群512は、第2主軸光ケーブル599に接続され、第3の分波フィルタ群512は、第2の主軸光ケーブル599を伝送された第3の入射光IL3を第3の光サーキュレータ511の第1のポート511aに導くと共に、第3の光サーキュレータ511の第3のポート511cからの第3の戻り光OL3を第2の主軸光ケーブル599に導き、ここで、第3の入射光IL3及び第3の戻り光OL3は、いずれも第3の波長(以下WL3という)を有する。
【0060】
本実施形態において、第3の双方向波長アクセス装置51の構造は、第1の双方向波長アクセス装置11の構造と実質的に同一であるが、第1の双方向波長アクセス装置11は、第1の主軸光ケーブル199に接続され、第3の双方向波長アクセス装置51は、第2の主軸光ケーブル599に接続される。したがって、第3の双方向波長アクセス装置51の動作方法の詳細は、
図1の関連説明を参照することができ、ここでは繰り返さない。
【0061】
第5の実施形態において、第1の主軸光ケーブル199の出力端は、光ファイバジャンパJLを介して、第2の主軸光ケーブル599の入力端に接続でき、これにより、
図3に示した構成と同様の機能を実現することができる。より詳細に言えば、
図3の構成は、異なる波長アクセス装置を内部で直列接続したものと理解でき、
図5の構成は、異なる波長アクセス装置を外部で直列接続したものと理解できる。これより分かるように、本発明の実施形態の構成は、ある程度の構成の自由度を有することが分かる。
【0062】
図6を参照すると、それは、本発明の第6の実施形態に係る適用シナリオを示す図である。
図6において、左半分に示す構成は、既存の光ネットワーク構成610の概略図であり、右半分に示す構成は、本実施形態の双方向波長アクセスシステムを適用した後の光ネットワーク構成620の概略図である。
【0063】
光ネットワーク構成61では、電気通信局端が光信号をユーザ端に提供しようとする場合、波長分割マルチプレクサ(Wavelength Division Multiplexer、WDM)611を介して、異なる波長の光信号を多重化し、多重化後の光信号をユーザ端に対応するWDM612(光化学ジャンクションボックス又は機械室端に設置可能)に送信する必要がある。ユーザ端のWDM612がWDM611からの多重化された光信号を受信すると、WDM612はこの多重化された光信号を逆多重化すると共に、異なる波長を有する光信号を、それぞれ対応する双方向2心光ファイバを介して、ユーザ端装置A、B、C、Dに送信することができる。これより分かるように、ユーザ端にN個のユーザ端装置が存在する場合、光ネットワーク構成610を実現するために、N*2本の光ファイバを使用する必要があることが分かる。
【0064】
これと比較して、本発明の実施形態の双方向波長アクセスシステムを応用した光ネットワーク構成620(「バックワード・リターン」のシナリオに対応する)では、1つの双方向波長アクセス装置を使用するだけで、ある特定の波長の光線(光信号)を、単心光ファイバを介して対応するユーザ端装置に転送することができる。したがって、ユーザ端にN個のユーザ端装置が存在する場合、光ネットワーク構成620を実現するためにN個の光ファイバだけが必要である。
【0065】
理解すべき点として、光ネットワーク構成620では、異なるユーザ端装置に対応する第1の双方向波長アクセス装置11及び/又は第2の双方向波長アクセス装置31の分波フィルタを使用して、対応する波長を有する光線を導くことができる。例えば、ユーザ端装置Aがある波長1に対応すると仮定すると、ユーザ端装置Aに対応する第1の双方向波長アクセス装置11内の分波フィルタを使用して、第1の主軸光ケーブル199における波長1を有する光線を導くことができる。又、例えば、ユーザ端装置Bがある波長2に対応すると仮定すると、ユーザ端装置Bに対応する第1の双方向波長アクセス装置11内の分波フィルタを使用して、第1の主軸光ケーブル199における波長2を有する光線を導くことができる。さらに、ユーザ端装置C、Dがそれぞれ波長3、4に対応すると仮定すると、ユーザ端装置C、Dの第1の双方向波長アクセス装置11及び第3の双方向波長アクセス装置31における分波フィルタを用いて、第1の主軸光ケーブル199における波長3、4を有する光線をそれぞれ導くことができる。
【0066】
これより分かるように、既存の光ネットワーク構成610と比較して、本発明の実施形態の双方向波長アクセスシステムを適用した光ネットワーク構成620は、光ファイバの数の半分を節約できるため、光ネットワーク構成を展開するコスト及び時間を効果的に削減することができる。
【0067】
図7を参照すると、それは、本発明の第7の実施形態に係る適用シナリオを示す図である。
図7において、図示されるネットワーク構成
図710は、例えば、「フォワード・リターン」のシナリオに対応する。
図7から分かるように、1つの双方向波長アクセス装置を使用するだけで、ある特定の波長を有する光線(光信号)を単心光ファイバを介して対応する基地局端に導くことができる。したがって、N個の基地局端が存在する場合、ユーザ端では、N本の光ファイバを使用するだけで、光ネットワーク構成710を実現することができる。これより分かるように、既存の光ネットワーク構成と比較して、本発明の実施形態の双方向波長アクセスシステムを適用した光ネットワーク構成710は、光ファイバの数の半分を節約できるため、光ネットワーク構成を展開するコスト及び時間を効果的に削減することができる。
【0068】
図8を参照すると、それは、本発明の第8の実施形態に係る適用シナリオを示す図である。
図8において、上半分に示される構成は、既存の光ネットワーク構成810の概略図であり、下半分に示される構成は、本発明の実施形態の双方向波長アクセスシステムを適用した後の光ネットワーク構成820の概略図である。
【0069】
光ネットワーク構成810において、ベースバンドユニット(Baseband Unit,BBU)及び/又は分散ユニット(distribute unit,DU)が、4つの基地局811~814に光信号を提供しようとする場合、対応するWDMを介して、異なる波長を有する光信号を多重化し、その後、多重化後の光信号を基地局に対応するWDMに送信する必要がある。その後、基地局に対応するWDMは、この多重化された光信号を逆多重化し、異なる波長を有する光信号を、それぞれ対応する双方向2コア光ファイバを介して、基地局811~814に送信することができる。したがって、光ネットワーク構成810において、基地局に対応するWDMは、異なる波長に対応する光信号を8心光ケーブルを介して基地局811~814に送信する必要がある。
【0070】
これと比較して、本発明の実施形態の双方向波長アクセスシステムを適用した光ネットワーク構成820(それは「バックワード・リターン」のシナリオに対応する)では、1つの双方向波長アクセス装置のみを使用するだけで、ある特定の波長を有する光線(光信号)を単一コア光ファイバを介して対応する基地局に導くことができるので、基地局端では、4本の光ファイバを使用するだけで、光ネットワーク構成820を実現することができる。
【0071】
理解すべき点として、光ネットワーク構成820では、異なる基地局に対応する第1の双方向波長アクセス装置11内の分波フィルタを使用して、対応する波長を有する光線を導くことができる。例えば、基地局811がある波長1に対応すると仮定すると、基地局811に対応する第1の双方向波長アクセス装置11内の分波フィルタを使用して、第1の主軸光ケーブル199における波長1を有する光線を導くことができる。又、例えば、基地局812が特定の波長2に対応すると仮定すると、基地局812に対応する第1の双方向波長アクセス装置11内の分波フィルタを使用して、第1の主軸光ケーブル199における波長2を有する光線を導くことができる。
【0072】
これより分かるように、既存の光ネットワーク構成810と比較して、本発明の実施形態の双方向波長アクセスシステムを適用した光ネットワーク構成820は、光ファイバの数の半分を節約できるため、光ネットワーク構成を展開するコスト及び時間を効果的に削減することができる。
【0073】
以上をまとめ、本発明の実施形態は、少なくとも以下の特徴を有する。(1)低コストのWDM光ネットワーク分散式マルチノードアクセスサービスの課題を解決する。(2)どのような光伝送方法によっても、単心の光ファイバで双方向帯域バリアフリー相互通信を実現することができ、伝送用光ファイバの数の半分以上を節約し、新しい光ケーブル敷設のコストと適時性を効果的に削減できる。さらに、本発明の実施形態は、既存の光ネットワークを利用して、光コンポーネントを展開及び再利用(reuse)することができるため、コストを節約しつつ、運用上の利点を高めることに加えて、サービスポートを追加する場合に、元のネットワーク及び設備に影響することなく、プラグアンドプレイを実現しながら、現場での一時的なファイバーコア不足の課題を解決することができる。
【0074】
また、本発明の実施形態の構成では、光受動部品を使用するため、電源供給が不要であり、設置、保守・運用が容易であるという利点を有する。さらに、本発明の実施形態の構成は、各ノードでアクセスするのに便利な、屋外活動ジャンクションボックス又は光ファイバージャンクションボックスに設置することができる。
【0075】
別の見方をすれば、本発明の目的は、一組の外付式の単一光ファイバ双方向波長アクセス装置を提供することである。関連する適用シナリオでは、保守・運用担当者は、WDM光ネットワークのアクセスノードで、本発明の実施形態の構成を直接導入し、これにより、ダウンストリーム(downstream)波長を即座に取得して、アップストリーム(upstream)波長を保存することができる。
【0076】
以上、本発明を実施の形態で開示したが、本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、いくつかの変更や修正を行うことができる。本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の実施形態の双方向波長アクセスシステムは、5G光ネットワークの展開に応用することができる。
【符号の説明】
【0078】
10、20、30、40、50:双方向波長アクセスシステム
11、21:第1の双方向波長アクセス装置
111:第1の光サーキュレータ
112、212:第1の分波フィルタ群
112a、112b、212a、212b、312a、412a、412b:分波フィルタ
111a、311a、411a、511a:第1のポート
111b、311b、411b、511b:第2のポート
111c、311c、411c、511c:第3のポート
199:第1の主軸光ケーブル
31:第2の双方向波長アクセス装置
311、411:第2の光サーキュレータ
312、412:第2の分波フィルタ群
51:第3の双方向波長アクセス装置
511:第3の光サーキュレータ
512:第3の分波フィルタ群
599:第2の主軸光ケーブル
610、620、710、810、820:光ネットワーク構成
611、612:WDM
811~814:基地局
A、B、C、D:ユーザ端装置
IL1:第1の入射光
IL2:第2の入射光
IL3:第3の入射光
OL1:第1の戻り光
OL2:第2の戻り光
OL3:第3の戻り光
E1:第1の外部装置
E2:第2の外部装置
FI1、FI2:単心光ケーブル
E11、E21:光サーキュレータ
Rx1、Rx2:受信機
Tx1、Tx2:送信機
D1、D2:伝送方向
AN1、AN2、AN、AN’:夾角
S1、S2:導光面
ML:主光線