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特許7598975イメージセンサおよび画像信号処理装置の簡素化方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】イメージセンサおよび画像信号処理装置の簡素化方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
H01L27/146 D
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023108203
(22)【出願日】2023-06-30
(65)【公開番号】P2024012119
(43)【公開日】2024-01-25
【審査請求日】2023-06-30
(31)【優先権主張番号】63/389,149
(32)【優先日】2022-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/173,505
(32)【優先日】2023-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507296388
【氏名又は名称】采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VisEra Technologies Company Limited
【住所又は居所原語表記】No.12,Dusing Rd.1, Hsinchu Science Park,Hsin-Chu City,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 俊元
(72)【発明者】
【氏名】王 智明
(72)【発明者】
【氏名】王 柏翔
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 翰林
【審査官】黒田 久美子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/136469(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0353034(US,A1)
【文献】特開2022-076999(JP,A)
【文献】国際公開第2015/019913(WO,A1)
【文献】特開2022-075462(JP,A)
【文献】特開2019-197098(JP,A)
【文献】特開2018-113542(JP,A)
【文献】特開2019-012426(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0170220(US,A1)
【文献】国際公開第2020/146029(WO,A2)
【文献】特開2003-344141(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサユニットのグループ、
前記センサユニットのグループ内にそれぞれ配置された、黄色カラーユニットまたは白色カラーユニットを含むカラーユニットを有するカラーフィルタ層、
前記カラーフィルタ層上に配置された誘電体構造、および
前記誘電体構造上に配置されたメタサーフェスを含み、
前記メタサーフェスは、
複数のナノ構造と、
前記複数のナノ構造を横方向から囲む充填材料を含み、
前記複数のナノ構造は、
上から見て前記センサユニットのグループの周囲に位置する周辺ナノポスト、および
上から見て前記センサユニットのグループの中心点に位置する中央ナノポストをさらに含み、
上から見て、前記中央ナノポストの寸法が前記周辺ナノポストの寸法より大きく、
前記周辺ナノポストは隣接する前記センサユニットのグループによって共有されて配置され、
前記中央ナノポストは、前記センサユニットのグループ内に配置されるイメージセンサ。
【請求項2】
前記カラーフィルタ層の前記黄色カラーユニットは、赤色波長光線および緑色波長光線を透過するように設計されており、
前記メタサーフェスは、前記赤色波長光線および前記緑色波長光線を分離するため、前記緑色波長光線のみが前記黄色カラーユニットに向けられるように構成される請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記カラーフィルタ層の前記白色カラーユニットは、赤色波長光線、緑色波長光線、および青色波長光線を透過するように設計されており、
前記メタサーフェスは、前記赤色波長光線、前記緑色波長光線、および青色波長光線を分離するため、前記緑色波長光線のみが前記白色カラーユニットに向けられるように構成される請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
記複数のナノ構造は、上から見てそれぞれの寸法が90nm~1μmの間である請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記充填材料は空気であり、
前記充填材料の屈折率は、1.0~1.7の間であり、
前記複数のナノ構造の屈折率は、1.8~3.5の間であり、
前記複数のナノ構造の前記屈折率は、前記充填材料の前記屈折率より高い請求項4に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
前記センサユニットのグループは、第1のセンサユニットのグループ、第2のセンサユニットのグループ、第3のセンサユニットのグループ、および第4のセンサユニットのグループをさらに含み、
前記カラーフィルタ層の赤色カラーユニットは前記第1のセンサユニットのグループ内に配置され、
前記カラーフィルタ層の前記黄色カラーユニットは前記第2のセンサユニットのグループ内に配置され、
前記カラーフィルタ層の前記黄色カラーユニットは前記第3のセンサユニットのグループ内に配置され、且つ
前記カラーフィルタ層の青色カラーユニットは前記第4のセンサユニットのグループ内に配置される請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項7】
前記センサユニットのグループは、第1のセンサユニットのグループ、第2のセンサユニットのグループ、第3のセンサユニットのグループ、および第4のセンサユニットのグループをさらに含み、
前記カラーフィルタ層の赤色カラーユニットは前記第1のセンサユニットのグループ内に配置され、
前記カラーフィルタ層の前記白色カラーユニットは前記第2のセンサユニットのグループ内に配置され、
前記カラーフィルタ層の前記白色カラーユニットは前記第3のセンサユニットのグループ内に配置され、且つ
前記カラーフィルタ層の青色カラーユニットは前記第4のセンサユニットのグループ内に配置される請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項8】
前記センサユニットのグループは、第1のセンサユニットのグループ、第2のセンサユニットのグループ、第3のセンサユニットのグループ、および第4のセンサユニットのグループをさらに含み、前記第1のセンサユニットのグループ、前記第2のセンサユニットのグループ、前記第3のセンサユニットのグループ、および前記第4のセンサユニットのグループは、上から見て2×2アレイに配置された画素を構成しており、そのアレイはイメージセンサにわたってサイクルで周期的に配置される請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項9】
前記メタサーフェスの厚さは200nm~1.5μmの間であり、
前記誘電体構造の厚さは、0.1μm~3μmの間であり、
前記カラーフィルタ層の屈折率は、1.2~2.2の間であり、
前記誘電体構造の屈折率は、1.2~2.2の間である請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項10】
基板内に埋め込まれた複数の感知部、および
複数の感知部のそれぞれを分離するディープトレンチアイソレーション(DTI)構造をさらに含む請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項11】
前記センサユニットのグループ内の前記カラーフィルタ層の前記カラーユニットのそれぞれを横方向に囲み、パーティショングリッド構造の屈折率が1.0~1.6の間であるパーティショングリッド構造、
前記パーティショングリッド構造内に埋め込まれた遮光構造、および
前記メタサーフェス上に配置され、保護膜の屈折率が1.4~1.6の間である保護膜をさらに含む請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項12】
画像信号処理装置(ISP)を簡素化する方法であって、
イメージセンサを用いて画像信号を取り込むステップであり、
前記イメージセンサは、
センサユニットのグループ、
前記センサユニットのグループ内にそれぞれ配置された、黄色カラーユニットまたは白色カラーユニットを含むカラーユニットを有するカラーフィルタ層、
前記カラーフィルタ層上に配置された誘電体構造、および
前記誘電体構造上に配置されたメタサーフェスを有する、ステップと、
前記画像信号に色補正マトリックス(CCM)を適用するステップと、
前記画像信号をデモザイキングするステップと、
前記画像信号に対して露出コントラスト、ホワイトバランス、およびノイズ除去を行うステップを含み、
前記メタサーフェスは、
複数のナノ構造と、
前記複数のナノ構造を横方向から囲む充填材料を含み、
前記複数のナノ構造は、
上から見て前記センサユニットのグループの周囲に位置する周辺ナノポスト、および
上から見て前記センサユニットのグループの中心点に位置する中央ナノポストをさらに含み
上から見て、前記中央ナノポストの寸法が中央ナノポストの寸法より大きく、
前記周辺ナノポストは隣接する前記センサユニットのグループによって共有されて配置され、
前記中央ナノポストは、前記センサユニットのグループ内に配置される画像信号処理装置(ISP)を簡素化する方法。
【請求項13】
前記メタサーフェスは、前記黄色カラーユニットまたは前記白色カラーユニットから抽出された前記画像信号が緑色信号になるように、光線を異なる色に分離するよう構成される請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサおよびその操作方法に関するものであり、特に、イメージセンサのメタサーフェスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサ(CISとしても知られている)などのイメージセンサは、デジタル静止画カメラ、デジタルビデオカメラなどの様々な撮像装置で広く用いられている。イメージセンサの光感知部は、周囲の色の変化を検出することができ、信号電荷は、光感知部で受光される光量に応じて生成されることができる。また、光感知部で生成された信号電荷が伝送されて増幅されることにより、画像信号が得られることができる。
【0003】
いくつかのイメージセンサは、標準のベイヤー(Bayer)モザイクパターン(赤色、緑色、青色カラーフィルタユニットでサンプリングされた)の緑色のカラーフィルタユニットを、吸収の少ないまたは吸収しない材料に置き換えることができる。このタイプのセンサユニットは、光感度を高めることができるため、特に低輝度環境でのイメージセンサとして機能させることができる。しかしながら、吸収の少ない材料は、より広い波帯の光線を透過させることができるため、このようなセンサユニットを処理するには、より高い色補正係数を用いる必要がある。さらに、このようなセンサユニットの高い感度は、カラーチャネルの不均衡が生じる可能性があり、これを修正するには、より高いホワイトバランス係数が必要となる。ベイヤーパターンモザイクの処理と比較して、吸収の少ないまたは吸収しない材料を用いるセンサユニットの処理は、より高いレベルの色誤差および色ノイズが発生する可能性がある。従って、これらの、および関連する問題は、イメージセンサの設計と製造によって対処する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
イメージセンサおよび画像信号処理装置(ISP)を簡素化する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、イメージセンサは、センサユニットのグループ、およびセンサユニットのグループ内にそれぞれ配置されたカラーユニットを有するカラーフィルタ層を含む。カラーフィルタ層のカラーユニットは、黄色カラーユニットまたは白色カラーユニットを含む。イメージセンサは、カラーフィルタ層上に配置された誘電体構造、および誘電体構造上に配置されたメタサーフェスをさらに含む。
【0006】
別の実施形態では、画像信号処理装置(ISP)を簡素化する方法は、イメージセンサを用いて画像信号を取り込むステップ、画像信号に色補正マトリックス(CCM)を適用するステップ、画像信号をデモザイキングするステップ、および画像信号に対して露出コントラスト、ホワイトバランス、およびノイズ除去を行うステップを含む。イメージセンサは、センサユニットのグループ、センサユニットのグループ内にそれぞれ配置されたカラーユニットを有するカラーフィルタ層、カラーフィルタ層上に配置された誘電体構造、および誘電体構造上に配置されたメタサーフェスを含む。カラーユニットは、黄色カラーユニットまたは白色カラーユニットを含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明により消費電力を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A図1Aは、本開示のいくつかの実施形態による、イメージセンサの断面図である。
図1B図1Bは、本開示のいくつかの実施形態による、イメージセンサの上面図である。
図2図2は、本開示のいくつかの実施形態による、画像信号処理装置(ISP)を操作させる方法のプロセスフローである。
図3A図3Aは、本開示の他の実施形態による、イメージセンサの断面図である。
図3B図3Bは、本開示の他の実施形態による、イメージセンサの上面図である。
図4図4は、本開示のさらに他の実施形態による、イメージセンサの断面図である。
図5図5は、本開示のさらに他の実施形態による、様々な設計を有するイメージセンサの上面図である。
図6図6は、本開示のさらに他の実施形態による、様々な設計を有するイメージセンサの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次の開示では、異なる特徴を実施するために、多くの異なる実施の形態または実施例を提供する。本開示を簡潔に説明するために、複数の要素および複数の配列の特定の実施形態が以下に述べられる。これらはもちろん単に例示するためであり、それに限定するという意図はない。例えば、下記の開示において、第1の特徴が第2の特徴の上に形成されるということは、第1と第2の特徴が直接接触して形成される複数の実施形態を含むことができ、且つ第1と第2の特徴が直接接触しないように、付加的な特徴が第1と第2の特徴間に形成される複数の実施形態を含むこともできる。
【0010】
追加のステップが、例示された方法の前、間、または後に実施されてもよく、例示された方法のその他の実施形態では、いくつかのステップが置き換えられるか、または省略されてもよい。
【0011】
さらに、(以下の詳細な説明において)、「下の方」、「下方」、「下部」、「上」、「上方」、「上部」およびこれらに類する語のような、空間的に相対的な用語は、図において1つの要素または特徴と、別の要素と特徴との関係を記述するための説明を簡潔にするために用いられる。空間的に相対的な用語は、図に記載された方向に加えて、使用または操作する装置の異なる方向を包含することを意図している。装置は、他に方向づけされてもよく(90度回転、または他の方向に)、ここで用いられる空間的に相対的な記述は、同様にそれに応じて解釈され得る。
【0012】
本開示では、「約」、「およそ」、および「実質的に」という用語は、一般的に、所定値の+/-20%を意味し、より一般的に、所定値の+/-10%を意味し、より一般的に、所定値の+/-5%を意味し、より一般的に、所定値の+/-3%を意味し、より一般的に、所定値の+/-2%を意味し、より一般的に、所定値の+/-1%を意味し、さらにより一般的に、所定値の+/-0.5%を意味する。本開示の所定値は、近似値である。即ち、「約」、「およそ」、および「実質的に」という用語の具体的な説明がないとき、所定値は、「約」、「およそ」、および「実質的に」の意味を含む。
【0013】
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈における意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想化されたまたは過度に形式的な意味で解釈されない。
【0014】
本開示は、以下の実施形態において同じ構成要素の符号または文字を繰り返し用いる可能性がある。繰り返し用いる目的は、簡易化した、明確な説明を提供するためのもので、説明される様々な実施形態および/または構成の関係を限定するものではない。
【0015】
画素サイズの継続的な縮小化に応じて、各画素の受光量、および画素間の受光量の均一性が重要な関心事となっている。イメージセンサのうち、より小さい画素の受光均一性を高める1つの方法が、複数のセンサーユニットをグループに統合することです。本開示のいくつかの実施形態によれば、光がこのグループ内の各センサユニットによって均一に受光されたとき、イメージセンサは統一色の画像を表示することができる。しかしながら、各センサユニットが受光した光が不均一な場合、イメージセンサに色のばらつきが生じる。センサユニットのグループは、装置全体の画像フォーカスを検出し、追跡することができる間に、受信した信号によって色を決定することもできる。例えば、光が傾斜した角度で入射したとき、グループ内のセンサユニットのうちの1つは、もう1つのセンサユニットよりもより高い強度の光を受光することができ、それによりセンサユニット間の信号読み取りに基づき、入射光の方向が正確に決定されることができる。
【0016】
自然界では、光は、全ての波帯のさまざまな色の組み合わせであり得る。従来のイメージセンサは、マイクロレンズによって入射光線を集光させることができる。その後、集光された光線は、下方にあるカラーフィルタ層を透過することができる。カラーフィルタ層は、所望の色を透過させることができ、望ましくない色を吸収することができる。従来のイメージセンサが、所望の色が対応するセンサユニットによって受け取られることを確実にできても、吸収された他の色は、依然として光エネルギーの損失の一部を表すことができる。センサユニットのグループのそれぞれが、全体の光エネルギーの特定の量のみを得る場合、イメージセンサの量子効率(QE)は、改善するのが難しい可能性がある。量子効率が十分でないときはいつでも、低輝度の環境で操作する装置(ナイトビジョン装置など)または移動車両内のカメラ(リアルタイムビデオなど)が正常に機能しない可能性がある。
【0017】
画素のベイヤーパターンでは、センサユニットの4つのグループが2×2アレイに配置され、それぞれ赤色カラーユニット、緑色カラーユニット、緑色カラーユニット、および青色カラーユニットを含む。現在の業界または現在の学界では、ベイヤーパターンは、任意の潜在的な色の変化に対処するのに十分成熟した唯一のモザイク技術である。従って、ベイヤーパターンから抽出された画像信号のみが、カラー画像を復元するバックエンド製造(backend fabrication)である画像信号処理装置(ISP)に導入されることができる。画像の色と画像の解像度は画像信号処理装置で別々に処理され、処理された色と解像度は後の操作で組み合わせられることを理解されたい。
【0018】
画像センサの量子効率を向上させるために、緑色カラーユニットが黄色カラーユニットまたは白色カラーユニットに置き換えられることができる。いくつかの実施形態では、白色カラーユニットは、ガラス媒体に類似して見え得る透明色カラーユニットと見なされることもできる。緑色カラーユニットが選択されているのは、イメージセンサの中の最も大きな面積を占めるためであり、これにより画像の色の解像度を制御する。本質的に、緑色カラーユニットは、赤色波長光線の吸収材料と青色波長光線の吸収材料を含む緑色カラーフィルタ材料を有することができるため、緑色波長光線のみが透過されることができる。黄色カラーユニットでは、黄色波帯は緑色波帯および赤色波帯にわたって重なることができるため、黄色カラーユニットは青色波長光線の吸収材料のみを含む。さらに、白色カラーユニットでは、白色波帯は、青色波帯、緑色波帯、および赤色波帯にわたって重なることができるため、白色カラーユニットはどの吸収材料も含まない。吸収の少ないまたは吸収しないフィルター材料のカラーユニットの使用は、低輝度の環境 (例えば、暗所(in blackness)) において、より高い透過率、より高い光学感度、およびより優れた解像度が実現され、それにより量子効率を向上させることができる。
【0019】
現在の技術では、黄色カラーユニットと白色カラーユニットから抽出された画像信号は、そのまま標準の画像信号処理装置に直接導入されることはできない(ベイヤーパターンからの信号のみが標準の画像信号処理プロセッサで処理されることができる)。従来、黄色カラーユニットまたは白色カラーユニットから抽出された画像信号は、画像信号処理装置の操作が行われ得る前に、緑色カラーユニットから抽出された信号と同等の信号に変換される必要がある可能性がある。黄色信号または白色信号を緑色カラーユニットから抽出された信号と同等の信号に変換するには、不要な波帯(例えば、赤色波帯および/または青色波帯)の黄色信号または白色信号の一部を減算する必要がある可能性がある。その後、減算された信号は、正規化係数で割られることができる。さらに、変換プロセスは、緑色のコーティング層を塗布する必要がある可能性がある。
【0020】
なお、黄色カラーユニットと白色カラーユニットがイメージセンサの中の最も大きな面積を占めるため、変換プロセスは大量の電力を消費する必要があることを理解されたい。実際、黄色信号または白色信号を緑色カラーユニットから抽出された信号と同等の信号に変換するための消費電力は、画像信号処理装置を操作するための消費電力とほぼ同じである。従って、黄色カラーユニットまたは白色カラーユニットの全体のバックエンド製造は、ベイヤーモザイクパターンの全体のバックエンド製造と比較して、2倍の電力を消費する。さらに、抽出された信号の不要な波帯が異なる可能性があるため、減算が正確でなく、変換の精度が低下する可能性がある。変換された信号が十分に正確でないときはいつでも、画像信号処理装置の操作中に色誤差が発生し、復元された画像の品質が損なわれる可能性がある。
【0021】
本開示は、従来のマイクロレンズに取って代わり、メタサーフェスを画素に組み込み、可視光用のカラールーターとして機能させている。メタサーフェスは、位相ライブラリを生成するナノ構造(ナノポストまたはピラーなど)を含み、異なる波帯の色に必要な位相差を提供する。ナノ構造がメタサーフェスにわたって配置されたとき、メタレンズが異なる色の入射光線を回折するように作成されることができ、これは、バンドパスフィルター(またはカラールーティング機能)とも呼ばれることができる。アルゴリズムを用いてナノ構造の寸法とピッチを設計することにより、入射光線の色は分離され、対応するセンサユニットにそれぞれ向けられることができる。
【0022】
所望の色の分離された光線が下方にあるカラーフィルタ層を透過したとき、光エネルギーの損失をなくすことができ、それにより量子効率を高めることができる。より具体的には、メタサーフェスは、赤色波長光線および緑色波長光線を分離することができるため、緑色波長光線のみが黄色カラーユニットに向けられることができる。メタサーフェスは、赤色波長光線、緑色波長光線、および青色波長光線を分離することができるため、緑色波長光線のみが白色カラーユニットに向けられることができる。メタサーフェスの存在により、本発明者は、黄色信号または白色信号を緑色カラーユニットから抽出された信号と同等の信号に変換する必要がないことを発見した。その結果、黄色カラーユニットまたは白色カラーユニットの全体のバックエンド製造は、より低い消費電力、より小さい色誤差の確率、およびより高い緑色の波帯ピーク(より高い透過率により)で行われることができる。
【0023】
図1Aは、本開示のいくつかの実施形態によるイメージセンサ10の断面図である。いくつかの実施形態では、イメージセンサは、実際には数百万のセンサユニットを含む可能性がある。簡潔にするために、図1Aは実際のイメージセンサの一部のみを示している。イメージセンサ10は、上から見て2×2アレイに配置されたセンサユニット100A、100B、100C、および100Dの4つのグループを含み、これについては、図1Bを参照してより詳細に説明される。なお、「上から」は、カラーフィルタ層110やメタサーフェス140等の積層面を臨む方向(積層面に対する法線に沿って、積層面を臨む方向)としてもよい。
本開示のいくつかの実施形態によれば、センサユニット100Aのグループ、センサユニット100Bのグループ、センサユニット100Cのグループ、およびセンサユニット100Dのグループは、画素を構成し得る。2×2画素アレイは、実際のイメージセンサにわたってサイクルで周期的に配置されることができる。
【0024】
本開示のいくつかの実施形態によれば、センサユニット100Aのグループ、センサユニット100Bのグループ、センサユニット100Cのグループ、およびセンサユニット100Dのグループは、クワッドフォトダイオード(QPD)など、2×2アレイに配置された4つのセンサユニットをそれぞれ含むことができる。他の実施形態では、センサユニット100Aのグループ、センサユニット100Bのグループ、センサユニット100Cのグループ、およびセンサユニット100Dのグループは、デュアルフォトダイオード(DPD)など、1×2アレイに配置された2つのセンサユニットをそれぞれ含むことができる。例えば、センサユニット100Aのグループ、センサユニット100Bのグループ、センサユニット100Cのグループ、およびセンサユニット100Dのグループは、m×n個の光電変換素子にそれぞれ対応することができ、ここでのmおよびnは同一または異なる正の整数であることができるが、本開示はこれに限定されない。例示の目的で、図1Aに示されたセンサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループは両方とも、1つの左センサユニットおよび1つの右センサユニットを含む。特に、センサユニット100Aのグループは、左センサユニット100A-Lおよび右センサユニット100A-Rを含み、センサユニット100Bのグループは、左センサユニット100B-Lおよび右センサユニット100B-Rを含む。
【0025】
図1Aに示されるように、誘電体構造130、メタサーフェス140、および保護膜150が、カラーフィルタ層110の上に順次に配置され得ることに留意されたい。カラーフィルタ層110は、センサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループ内のカラーユニットをそれぞれ含むことができる。本開示のいくつかの実施形態によれば、メタサーフェス140は、充填材料142および複数のナノ構造144を含み得る。さらに、複数のナノ構造144は、周辺ナノポスト144Aおよび中央ナノポスト144Bを含むことができる。メタサーフェス140の特徴はより詳細に説明される。図1Aに示されるように、ディープトレンチアイソレーション(DTI)構造106が左センサユニット100A-L、右センサユニット100A-R、左センサユニット100B-L、および右センサユニット100B-Rのそれぞれを囲むように配置されることができる。換言すれば、ディープトレンチアイソレーション構造106は、左センサユニット100A-L、右センサユニット100A-R、左センサユニット100B-L、および右センサユニット100B-Rのそれぞれのサイズを定義する境界として機能することができる。
【0026】
図1Aに示すように、センサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループ(およびセンサユニット100Cのグループおよびセンサユニット100Dのグループ)は、複数の感知部104およびカラーフィルタ層110のカラーユニットをそれぞれ含むことができる。複数の感知部104およびディープトレンチアイソレーション構造106は、基板102に埋め込まれることができる。いくつかの実施形態では、基板102は、イメージセンサ10の全てのセンサユニットによって共有される単一の構造であることができる。さらに、反射防止層108が基板102上に配置されることができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、基板102は、例えば、ウェハまたはチップであり得るが、本開示は、それに限定されない。いくつかの実施形態では、基板102は、半導体基板、例えばシリコン基板であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、半導体基板は、元素半導体(ゲルマニウムなど)、化合物半導体(窒化ガリウム(GaN)、炭化ケイ素(SiC)、ヒ化ガリウム(GaAs)、リン化ガリウム(GaP)、リン化インジウム(InP)、ヒ素化インジウム(InAs)、またはアンチモン化インジウム(InSb)など)、合金半導体(シリコンゲルマニウム(SiGe)合金、リン化ガリウム砒素(GaAsP)合金、リン化アルミニウムインジウム(AlInAs)合金、リン化アルミニウムガリウム(AlGaAs)合金、リン化ガリウムインジウム(GaInAs)合金、リン化ガリウムインジウム(GaInP)合金、またはリン化ガリウムインジウム砒素(GaInAsP)合金、或いはそれらの組み合わせなど)であってもよい。いくつかの実施形態では、基板102は、シリコン基板または有機光電変換層などの光電変換基板であってもよい。
【0028】
もう1つの実施形態では、基板102は、半導体オンインシュレータ(SOI)基板であってもよい。半導体オンインシュレータ基板は、ベースプレート、ベースプレート上に配置された埋め込み酸化物層、および埋め込み酸化物層上に配置された半導体層を含み得る。さらに、基板102は、N型またはP型の導電型であってもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、基板102は、例えば、イオン注入および/または拡散プロセスによって形成された様々なP型ドープ領域および/またはN型ドープ領域(図示せず)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、トランジスタ、フォトダイオードなどが、ディープトレンチアイソレーション構造106によって画定された活性領域に形成されてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、ディープトレンチアイソレーション構造106は、活性領域を画定し、基板102内または基板102上の活性領域要素を電気的に分離することができるが、本開示はそれに限定されない。もう1つの実施形態では、追加の分離構造が代替として適用されてもよい。シャロートレンチアイソレーション(STI)構造とシリコン局所酸化(LOCOS)構造は、他の分離構造の例である。いくつかの実施形態では、ディープトレンチアイソレーション構造106の形成は、例えば、絶縁層を基板102上に形成することを含むことができる。フォトリソグラフィのパターニングおよびエッチングにより、トレンチが基板102内に延在して形成されることができる。フォトリソグラフィプロセスは、レジストコーティング、ソフトベーキング、露光、露光後ベーキング、現像など、またはそれらの組み合わせを含むことができる。エッチングプロセスは、ドライエッチング、ウェットエッチングなど、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0031】
次に、豊富な窒素含有材料(シリコン酸窒化物(SiON)など)のライナーがトレンチに沿ってコンフォーマルに成長されることができる。その後、絶縁材料(二酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)、または酸窒化ケイ素など)が、任意の適切な堆積プロセス、例えば、化学蒸着(CVD)、高密度プラズマ化学蒸着(HDP-CVD)、プラズマ化学気相成長(PECVD)、流動性化学蒸着(FCVD)、準大気圧化学蒸着(sub-atmospheric chemical vapor deposition; SACVD)など、またはそれらの組み合わせでトレンチ内に充填されることができる。次いでアニーリングプロセスがトレンチ内の絶縁材料に実行され、次いで基板102上に化学機械研磨(CMP)などの平坦化プロセスが実行されて余剰の絶縁材料を除去し、トレンチ内の絶縁材料が基板102の上面と同じ高さになるようにする。
【0032】
引き続き図1Aに示すように、複数の感知部104は、基板102に埋め込まれている。いくつかの実施形態では、複数の感知部104はフォトダイオードである。複数の感知部104のそれぞれは、光を感知し、感知した光の強度に従って強度信号を生成するように構成される。画像信号は、強度信号によって形成され、数値データまたは電子量の読み取りであり得る。複数の感知部104によって取り込まれた(captured)された画像信号データは、画像信号処理装置に導入されることができる。前述のように、画像信号処理装置は、画像の色を復元するバックエンド製造であり、これについては、図2を参照してより詳細に説明される。
【0033】
図1Aに示すように、反射防止層108が基板102上に配置されることができる。いくつかの実施形態では、反射防止層108は、複数の感知部104に伝送される光の反射を減少させるように構成される。いくつかの実施形態では、反射防止層108は、感知部104のアレイに対応して(または平行に)水平に配置される。いくつかの実施形態では、反射防止層108の材料は、酸窒化ケイ素(SiO、ここでは、xおよびyは、0~1の範囲にある)を含むことができる。反射防止層108は、上述の任意の適切な堆積プロセスによって形成されることができる。
【0034】
上述のように、センサユニット100Aのグループ、センサユニット100Bのグループ、センサユニット100Cのグループ、およびセンサユニット100Dのグループは、反射防止層108上に配置されたカラーフィルタ層110をそれぞれ含むことができる。いくつかの実施形態では、カラーフィルタ層110のカラーユニットは、赤色、緑色、青色、シアン色、マゼンタ色、黄色、白色、透明(無色)、または赤外線であり得る。カラーフィルタ層110の各カラーユニットは、各イメージセンサ10のセンサユニット100Aのグループ、センサユニット100Bのグループ、センサユニット100Cのグループ、およびセンサユニット100Dのグループ内のそれぞれの感知部104に対応することができ、カラーユニットの色は、センサユニット100Aのグループ、センサユニット100Bのグループ、センサユニット100Cのグループ、およびセンサユニット100Dのグループのそれぞれの要求によって決まる。例えば、センサユニット100Aのグループ、センサユニット100Bのグループ、センサユニット100Cのグループ、およびセンサユニット100Dのグループは、赤色ユニット、黄色ユニット、黄色ユニット、および青色ユニットをそれぞれ含み、一般的なベイヤーパターンの緑色カラーユニットが黄色カラーユニットに置き換えられることができる。
【0035】
前述のように、イメージセンサ10はメタサーフェス140を組み込んで入射光線の色を分離するため、所望の色のみを有する分離された光線がセンサユニットにそれぞれ受光されることができる。従って、分離された光線は、依然としてわずかな量の不要な色を含み得る。カラーフィルタ層110の存在は、わずかな量の不要な色が吸収されるのを確実にし、潜在的な色ノイズを除去するために依然として必要である可能性がある。さらに、黄色カラーユニットが赤色波長光線および緑色波長光線を透過するように設計されているとき、メタサーフェス140は、赤色波長光線および緑色波長光線を分離することができるため、緑色波長光線のみが黄色カラーユニットに向けられることができる。メタサーフェス140の存在により、黄色信号を緑色カラーユニットから抽出された信号と同等の信号に変換する必要がなくなる。その結果、黄色カラーユニットの全体のバックエンド製造は、より低い消費電力、より小さい色誤差の確率、およびより高い緑色の波帯ピーク(より高い透過率により)で行われることができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、カラーフィルタ層110の各カラーユニットは、所定の範囲の光の波長を通過させる。例えば、赤色カラーフィルタユニットは、620nm~750nmまで範囲の光の波長(赤色光)を対応する感知部104に透過させ、緑色カラーフィルタユニットは、495nm~570nmの範囲の光の波長(緑色光)を対応する感知部104に透過させ、青色カラーフィルタユニットは、450nm~495nmの範囲の光の波長(青色光)を対応する感知部104に透過させる。
【0037】
いくつかの実施形態では、カラーフィルタ層110の高さは、0.3μm~2.0μmの間であることができる。特定の実施形態では、カラーフィルタ層110の高さは、約0.7μmであることができる。本開示のいくつかの実施形態によれば、カラーフィルタ層110の各ユニットの屈折率は、1.2~2.2の間であり得る。屈折率は光速を変化させる物質の特性であり、真空中の光速を物質中の光速で割って得られた値である。光が2つの異なる材料間をある角度で伝播するとき、その屈折率が光透過(屈折)の角度を決める。
【0038】
上述のように、フォトダイオードなどの各感知部104は、センサユニット100Aのグループ、センサユニット100Bのグループ、センサユニット100Cのグループ、およびセンサユニット100Dのグループのそれぞれに、受信した光信号を電気信号に変換することができる。いくつかの実施形態では、同じグループ内のセンサユニットは、同じカラーユニットを共有することができる。いくつかの実施形態では、センサユニット100Aのグループ、センサユニット100Bのグループ、センサユニット100Cのグループ、およびセンサユニット100Dのグループ100Dは、パーティショングリッド構造112によって互いに分離されており、これについては後で詳細に説明する。本開示のいくつかの実施形態によれば、カラーフィルタ層110は、反射防止層108上およびパーティショングリッド構造112によって画定された空間内に堆積される。カラーフィルタ層110は、異なるステップでコーティング、露光、および現像プロセスによって順次に形成されることができる。あるいは、カラーフィルタ層110は、インクジェット印刷によって形成されてもよい。
【0039】
引き続き図1Aに示すように、パーティショングリッド構造112は、カラーフィルタ層110の1つまたは複数のユニットの間に配置されている。例えば、パーティショングリッド構造112の中心線(図示せず)は、センサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループの境界を画定することができる。パーティショングリッド構造112は、カラーフィルタ層110の各ユニットよりも低い屈折率を有することができる。本開示のいくつかの実施形態によれば、パーティショングリッド構造112の屈折率は、1.0~1.6の間である。入射光線がカラーフィルタ層110に入射したとき、パーティショングリッド構造112は、特定のカラーユニット内の光線を分離して、光トラッピング機能として機能することができる。
【0040】
パーティショングリッド構造112の材料は、透明な誘電体材料を含んでもよい。まず、パーティション材料層が反射防止層108上にコーティングされる。次に、ハードマスク層(図示せず)がパーティション材料層上にコーティングされる。いくつかの実施形態では、ハードマスク層の材料はフォトレジストである。フォトリソグラフィプロセスがハードマスク層に実行されてパターン化する。次に、エッチングプロセスがパターン化されたハードマスク層を用いて、パーティション材料層に実行される。エッチングプロセスは、ドライエッチングであってもよい。エッチングプロセスの後、パーティション材料層の一部が反射防止層108上で除去され、複数の開口部がその中に形成される。上述のように、開口部は、その後、カラーフィルタ層110で充填される。
【0041】
図1Aに示すように、遮光構造114は、センサユニット100Aのグループとセンサユニット100Bのグループとの間の反射防止層108上に配置されている。いくつかの実施形態では、遮光構造114は、パーティショングリッド構造112内に埋め込まれている。いくつかの実施形態では、パーティショングリッド構造112は、イメージセンサ10の設計要件に応じて、遮光構造114よりも高くても遮光構造114と同じ高さにしてもよい。いくつかの実施形態では、遮光構造114は、センサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループの境界にまたがっている。即ち、遮光構造114は、任意の2つの隣接するセンサユニットによって共有されるように配置されている(例えば、左センサユニット100A-Lおよび右センサユニット100B-R)。遮光構造114の配置は、カラーフィルタ層110に対応したカラーユニットの下にある感知部104のうちの1つが、受信信号の精度に影響を及ぼす可能性がある異なる色の隣接するカラーユニットからさらなる光を受光するのを防ぐことができる。本開示のいくつかの実施形態では、遮光構造114の高さは、0.005μm~0.4μmの間であることができる。いくつかの実施形態では、遮光構造114の材料は、不透明な金属(タングステン(W)、アルミニウム(Al)など)、不透明な金属窒化物(窒化チタン(TiN)など)、不透明な金属酸化物(酸化チタン(TiO)など)、他の適切な材料、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、本開示はそれらに限定されない。遮光構造114は、反射防止層108上に金属層を堆積し、次いでフォトリソグラフィおよびエッチングプロセスを用いて金属層をパターン化することができるが、本開示はそれに限定されない。
【0042】
図1Aに示すように、誘電体構造130は、カラーフィルタ層110上に配置されることができる。いくつかの実施形態では、誘電体構造130は、カラーフィルタ層110およびパーティショングリッド構造112をカバーすることができる。本開示のいくつかの実施形態によれば、誘電体構造130は、異なる偏光の光線がそのそれぞれのターゲットに到達するのに必要な伝播経路を提供することができる。誘電体構造130の屈折率は、1.2~2.2の間である。さらに、誘電体構造130の屈折率は、後続して形成されるナノ構造144の屈折率より著しく低い。本開示のいくつかの実施形態によれば、誘電体構造130の厚さは、0.1μm~3μmの間であり得る。理想的には、誘電体構造130の厚さは可能な限り小さく維持されるべきであることを理解されたい。誘電体構造130の寸法は、所望の色の分離された光線の伝播経路を決定することができる。より薄い誘電体構造130はより大きな位相差を必要とし得るため、光線の伝搬角度を調整するために、メタサーフェス140によって微調整され、各色に分離された光線は、より正確に指定されたターゲットに向かって伝播することができる。しかしながら、誘電体構造130の厚さがあまりに小さく設定されると、メタサーフェス140の製造が困難になりすぎる。
【0043】
いくつかの実施形態では、誘電体構造130は、例えば、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素、炭化ケイ素、炭窒化ケイ素(SiCN)、酸窒化ケイ素、酸窒化ケイ素(SiO1-x-y、ここでのxおよびyは0~1の範囲である)、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、ドープされていないケイ酸塩ガラス、またはドープされた酸化ケイ素 (例えば、ホウ素ドープリンケイ酸塩ガラス(BPSG)、溶融シリカ(FSG)、リンケイ酸ガラス(PSG)、ホウ素ドープケイ酸ガラス(BSG)など)、低誘電率材料、有機透明材料など、またはそれらの組み合わせを含む透明材料であり得るが、本開示はそれらに限定されない。誘電体構造130の形成は、例えば、スピンオンコーティングプロセス、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、原子層堆積(ALD)、他の適切な方法、またはそれらの組み合わせを含むことができる堆積プロセスを含んでもよい。その後、化学機械研磨などの平坦化プロセスが実行され、平坦化された上面を形成してもよい。
【0044】
図1Aに示すように、メタサーフェス140は、誘電体構造130の平坦化された上面に配置され得る。メタサーフェス140がイメージセンサ10に統合されているとき、メタサーフェス140は、センサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループの寸法に適合するように設計される必要がある。いくつかの実施形態では、メタサーフェス140は、入射光線の色を分離するように設計され得る。入射光線の色は、波長によって異なる光の回折または散乱特性を用いて分離されることができ、分離された光線の透過方向は、メタサーフェス140の屈折率および形状に従って、それらのそれぞれの波長で調整されることができる。異なる色の分離された光線は、対応するカラーユニットに向けられることができる。イメージセンサ10がメタサーフェス140を組み込んだとき、カラーフィルタ層110のカラーユニットは、入射光線の所望の色のみを受け取ることができる(入射光線の色は、上方にあるメタサーフェス140によって予め分離されているため)。
【0045】
前述のように、メタサーフェス140は、充填材料142と複数のナノ構造144を含むことができる。いくつかの実施形態では、充填材料142は、複数のナノ構造144を横方向に囲むことができる。充填材料142はナノ構造144の側壁を覆ってもよい。メタサーフェス140がイメージセンサ10に組み込まれたとき、法線方向(カラーフィルタ層110やメタサーフェス140等の積層面に対して法線方向)でイメージセンサ10に入射する入射光線は、入射光線が下方にあるカラーフィルタ層110に透過される前に、その色に基づいて分離されることができる。このような構成は、カラーフィルタ層110の各カラーユニットが所望の色の最大の光エネルギーを受け取ることを可能にする。換言すれば、光エネルギーの損失が最小化されることができ、量子効率が最適化されることができる。いくつかの実施形態では、量子効率は光電変換効率であり、入射光線がいかに効率よく電気信号に変換されることができるかを測定する。
【0046】
いくつかの実施形態では、複数のナノ構造144によって作成されたメタレンズは、従来のマイクロレンズよりも大きな有効収集領域(effective collected area)をカバーすることができる。例えば、青色カラーユニットの1つが赤色カラーユニットと緑色カラーユニットに囲まれたとき、メタレンズは、青色カラーユニット自体、水平方向上の2つの隣接するユニット、垂直方向上の2つの隣接するユニット、および対角方向上の4つの隣接するユニット(合計9つのカラーユニット)にまたがる収集領領域をカバーすることができる。このような構成は、青色ユニットが、対角に隣接する赤色カラーユニットと、水平および垂直に隣接する緑色カラーユニットから、青色カラー波帯のさらなるエネルギーを消費することを可能にする。しかしながら、ベイヤーパターンの緑色カラーユニットは一般的にイメージセンサ内の50%の面積を占めるため、対角方向に沿って互いに隣接して配置される傾向がある。緑色カラーユニットのメタレンズは、緑色カラーユニットが別の緑色カラーユニットから緑色波帯のさらなるエネルギーを消費することができないため、制限された有効収集領域をカバーすることができる。このため、緑色カラーユニットをより透過率の高い黄色カラーユニットまたは白色カラーユニットに置き換えることは、量子効率スペクトルの緑色波帯ピークの約10%の増加を得るために、制限された有効集光面積の欠点を補うことができる。
【0047】
本開示のいくつかの実施形態によれば、黄色カラーユニットが赤色波長光線と緑色波長光線を透過するように設計されているとき、メタサーフェス140は、赤色波長光線および緑色波長光線を分離することができるため、緑色波長光線のみが黄色カラーユニットに向けられることができる。メタサーフェス140の存在により、黄色信号を緑色カラーユニットから抽出された信号と同等の信号に変換する必要がなくなる。その結果、黄色カラーユニットの全体のバックエンド製造は、より低い消費電力、より小さい色誤差の確率、およびより高い緑色の波帯ピーク(より高い透過率により)で行われることができる。
【0048】
メタサーフェス140の厚さは200nm~1.5μmの間である。いくつかの実施形態では、充填材料142および複数のナノ構造144は同じ厚さであり得る。他の実施形態では、充填材料142の厚さおよび複数のナノ構造144の厚さは、用途および設計要件に応じて変化し得る。本開示のいくつかの実施形態によれば、複数のナノ構造144の屈折率は、充填材料142の屈折率より高い。充填材料142の屈折率は、1.0~1.7の間であり得る。複数のナノ構造144の屈折率は、1.8~3.5の間であり得る。いくつかの実施形態では、充填材料142は空気であることができる。複数のナノ構造144が周囲空気(1の屈折率を有する)によって囲まれているとき、屈折率間の最大の差が実現されて、著しく大きな位相差を生成することができるため、入射光線がそれぞれの色の波帯に基づいてより容易に分離されることができることに留意されたい。異なる色の入射光線が特定のナノ構造144に接触すると、より長い波長の色は、より短い波長の色とは異なってナノ構造144を表示することができ、従って位相差が生成される。
【0049】
図1Aに示されたように、複数のナノ構造144の周辺ナノポスト144Aは、センサユニット100Aのグループの周囲およびセンサユニット100Bのグループの周囲に配置されることができる。複数のナノ構造144の中央ナノポスト144Bは、センサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループ内(グループ周囲よりも内側)に配置されることができる。例えば、それらはセンサユニット100Aのグループの中心点、およびセンサユニット100Bのグループの中心点に配置されることができる。複数のナノ構造144の周辺ナノポスト144Aおよび中央ナノポスト144Bは、充填材料142によって横方向に囲まれ得る。充填材料142の材料は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリチオフェン(PT)樹脂、フェノールノボラック(PN)など、またはそれらの組み合わせの透明樹脂を含むことができる。複数のナノ構造144の材料は、インジウムスズ酸化物(ITO)、スズ酸化物(SnO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)、インジウムスズ亜鉛酸化物(ITZO)、アンチモンスズ酸化物(ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、二酸化チタン(TiO)、五酸化タンタル(Ta)、酸化ニオブ(V)(Nb)、窒化ケイ素、窒化ガリウム、窒化アルミニウム(AlN)など、またはそれらの組み合わせなど透明導電材料を含むことができる。下部電極103および上部電極109は、物理蒸着、原子層堆積、めっき、スパッタリングなど、またはそれらの組み合わせによって形成されることができる。
【0050】
引き続き図1Aに示すように、保護膜150は、メタサーフェス140上に配置されることができる。いくつかの実施形態では、保護膜150は、メタサーフェス140をコンフォーマルに覆うことができ、下方にある構造に機械的保護および電気絶縁を提供することができる。保護膜150の屈折率は、約1.4~1.6の間である。保護膜150の厚さは、5nm~200nmの間であり得る。保護膜150の材料および形成は、誘電体構造130の材料および形成と同様であり、繰り返しを避けるために、ここでは詳細を再度説明しない。
【0051】
図1Bは、本開示のいくつかの実施形態による、イメージセンサ10の上面図である。図1Aは、図1Bの線A-A’から得られた断面図であることに留意されたい。前述のように、センサユニット100Aのグループ、センサユニット100Bのグループ、センサユニット100Cのグループ、およびセンサユニット100Dのグループは、ビニングモードを有する画素を構成することができる。2×2画素アレイは、実際のイメージセンサにわたってサイクルで周期的に配置されることができる。また、センサユニット100Aのグループ、センサユニット100Bのグループ、センサユニット100Cのグループ、またはセンサユニット100Dのグループは、2×2に配置された4つのセンサユニットをそれぞれ含み得る。説明のために、基板102、感知部104、ディープトレンチアイソレーション構造106、反射防止層108、カラーフィルタ層110、パーティショングリッド構造112、遮光構造114、誘電体構造130、および保護膜150は省略されている。充填材料142および複数のナノ構造144の特徴は、図1Aに示されたものと同様であり、繰り返しを避けるために、ここでは詳細を再度説明しない。
【0052】
図1Bに示すように、周辺ナノポスト144Aは、上から見て2×2アレイに配置された画素のセンサユニット100Aのグループ、センサユニット100Bのグループ、センサユニット100Cのグループ、およびセンサユニット100Dのグループであり、画素アレイはサイクルで周期的に配置されるため、隣接するセンサユニットのグループによって共有されるように配置されている。それに対して、中央ナノポスト144Bは、センサユニット100Aのグループ、センサユニット100Bのグループ、センサユニット100Cのグループ、およびセンサユニット100Dのグループ内に配置されるため、それらは隣接するセンサユニットのグループによって共有されない。原則として、複数のナノ構造144は、センサユニット100Aのグループ、センサユニット100Bのグループ、センサユニット100Cのグループ、およびセンサユニット100Dのグループの全てのセンサユニットを画定するグリッド線で交差された全てのグリッド点に存在する。より具体的には、複数のナノ構造144は、全てのセンサユニットの全ての角に配置される。しかしながら、センサユニットのサイズが小型化し続けるにつれて、複数のナノ構造144の分布もより密になってきた(またはより「密集」している)。複数のナノ構造144のより高密度の構成は、全てのナノ構造144の寸法(直径など)の調整可能な範囲を直接制限することができる。複数のナノ構造144の制限された寸法の調整が可能である場合、位相差の発生は、ある波帯の色を分離するのに十分でない可能性がある。例えば、ナノ構造144は、そのより短い波長により、青色光に必要な位相差を生成することができる可能性がある。しかしながら、より長い波長を有する赤色光または緑色光に必要な位相差を生成する効率が大きく損なわれる可能性がある。
【0053】
位相差を改善するために、元の周辺ナノポスト144Aの一部が除去され、中央ナノポスト144Bにより多くの空間を残し、その寸法をより自由に調整するようにする。別の観点から、周辺ナノポスト144Aのいくつかが除去されると見なす代わりに、無限に小さい寸法に縮小されていると見なされることもできる。上から見て複数のナノ構造144のそれぞれの寸法は、90nm~1μmの間であり得る。複数のナノ構造144は上から見て円形に示されているが、本開示はこれに限定されない。複数のナノ構造144は、必要な位相差が生成される限り、任意の適切な幾何学的形状を有することができる。複数のナノ構造144の形状は、各ナノ構造144の中心点に対して対称であるべきであることを理解されたい。円形は、その無指向性により、選ばれている。隣接するナノ構造144の間(例えば、2つの周辺ナノポスト144Aの間、2つの中央ナノポスト144Bの間、または周辺ナノポスト144Aと中央ナノポスト144Bの間)の最小ピッチは、センサユニット100Aのグループ、センサユニット100Bのグループ、センサユニット100Cのグループ、およびセンサユニット100Dのグループのそれぞれの寸法の半分である。
【0054】
引き続き図1Bに示すように、本開示の特定の実施形態では、センサユニット100Aのグループ、センサユニット100Bのグループ、センサユニット100Cのグループ、およびセンサユニット100Dのグループは、赤色カラーユニット、黄色カラーユニット、黄色カラーユニット、および青色カラーユニットをそれぞれ含み得る。センサユニット100Bのグループおよびセンサユニット100Cのグループは両方とも黄色カラーユニットを含むため、センサユニット100Bのグループとセンサユニット100Cのグループの複数のナノ構造144(例えば、周辺ナノポスト144Aおよび中央ナノポスト144B)は、同じ構成を有し得ることに留意されたい。黄色カラーユニットが赤色波長光線および緑色波長光線を透過するように設計されているとき、メタサーフェス140は、赤色波長光線および緑色波長光線を分離することができるため、緑色波長光線のみが黄色カラーユニットに向けられることができる。メタサーフェス140の存在により、黄色信号を緑色カラーユニットから抽出された信号と同等の信号に変換する必要がなくなる。その結果、黄色カラーユニットの全体のバックエンド製造は、より低い消費電力、より小さい色誤差の確率、およびより高い緑色の波帯ピーク(より高い透過率により)で行われることができる。
【0055】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、画像信号処理装置を操作させる方法のプロセスフローである。方法200は、図1Aおよび図1Bで説明されたイメージセンサ10を用いたものであるため、画像信号処理装置を操作する全体的な手順が減少されることができる。後続する段落では、図2に示された操作について詳細に説明する。方法200の前、間、および後にさらなる操作が提供されることができ、いくつかの他の操作はここでは簡単に説明されるに過ぎない可能性があることに留意されたい。方法200は特定の順序で実行されるものとして説明されることができるが、他の方法は任意の論理的順序で実行されることができる。
【0056】
図2に示されるように、方法200の操作202では、図1Aおよび図1Bで説明されたイメージセンサ10を用いて画像信号が取り込まれる。前述したように、イメージセンサ10は、2×2に配列された赤色カラーユニット、黄色カラーユニット、黄色カラーユニット、および青色カラーユニットの画素を含む。さらに、イメージセンサ10は、メタサーフェス140を組み込んで、緑色の波長の光線のみが黄色カラーユニットに向けられ得ることを確実にする。黄色信号を緑色カラーユニットから抽出された信号と同等の信号に変換する必要がなくなり、画像信号処理装置を減少することになる。
【0057】
現在、ベイヤーパターンは、前述のように、任意の潜在的な色の変化に対処するのに十分成熟した唯一のモザイク技術(典型的には、2×2アレイに配置された赤色カラーユニット、緑色カラーユニット、緑色カラーユニット、および青色カラーユニットを含む)である。ベイヤーモザイクで指定された以外のカラーユニット(例えば、黄色カラーユニットまたは白色カラーユニット)を有するイメージセンサが用いられているときはいつでも、他のカラーユニットからの信号は、ベイヤーモザイクのカラーユニット(例えば、緑色カラーユニット)から抽出された信号と同等の信号に変換する必要がある。本発明のメタサーフェス140は、黄色カラーユニットまたは白色カラーユニットに緑色波長光線のみを受光させることができるため、緑色信号のみが黄色カラーユニットまたは白色カラーユニットから抽出されることができる。従って、ベイヤーモザイクパターンに対応する画像信号を取り込みは、操作202において可能となる。
【0058】
図2に示されるように、方法200の操作204において、色補正マトリックス(CCM)が信号データに適用できる。色補正マトリックスは、取り込まれた画像信号データのスペクトルに基づいて書き込まれることができる。自然界での全ての色は広い波帯によって構成されており、これは、「純粋な」色がない(レーザーツールを除く)ことを理解されたい。さらに、表示される色は、照明設定または材料の特性によっても決定され得る。マトリックス自体は、異なる強度の列および異なる色の行を含むことができ、取り込まれた電気信号データは、マトリックスと掛け合わされることになる。いくつかの実施形態では、色補正マトリックスは、3×3マトリックスまたは6×6マトリックスであってもよい。3×3マトリックスは消費電力がより少ないことができる。6×6マトリックスはより多くの電力を消費するが、変換により多くの計算を要することが多い、純粋でない色から抽出された画像信号データにより適切に適用される可能性がある。信号データが標準の赤色画像データ、標準の緑色画像データ、および標準の青色画像データに変換されるとき、色補正マトリックスは、計算された色が標準の色の座標にできるだけ近くなるように確実にし得る。さらに、補正メカニズムは色ノイズを除去することさえあり、標準画像データを表示に使用できるようにする。さらに、この補正機構により、色ノイズを除去することまででき、標準の画像データが表示に用いられるようにすることも可能である。
【0059】
図2に示されるように、方法200の操作206において、画像信号はデモザイキングを受ける。ベイヤーパターンがサイクルで周期的に配置されたとき、パターンがモザイク画像のように見える可能性がある。デモザイキングアルゴリズムは、イメージセンサから出力された不完全なカラーサンプルからフルカラーイメージを再構築するように用いられることができる。いくつかの実施形態では、デモザイキングは偽の色および色ノイズを除去することができる。デモザイキングアルゴリズムを用いることで、赤色信号、緑色信号、青色信号、およびそれらの相対的な組成を含む全ての画素が、より高解像度の色により正確に表示されることができる。
【0060】
図2に示されるように、方法200の操作208において、画像信号に対する露出コントラスト、ホワイトバランス、およびノイズ除去が実行される。露出コントラストは、低照度環境で撮像された画像の解像度を高めることができる。撮像された画像の色は、周囲の光源に応じて変化する可能性があることを理解されたい。ホワイトバランスは、光源設定を組み込んで表示される色を補正することができるため、人間の目で見た色により近づけることができる。低輝度環境では、色ノイズが特に目立つ可能性がある。さらに、装置の動作中、発生した熱は、不要な色ノイズとなり、復元された画像がリアルに見えなくなる可能性がある。いくつかの実施形態では、画像信号処理装置のノイズ除去アルゴリズムは、色ノイズの数値読み取りを決定することができ、次いで抑制されることができる。
【0061】
図3Aは、本開示の他の実施形態による、イメージセンサ20の断面図である。前述のように、著しく大きな位相差を生成することが不可欠であるため、異なる色の光線が分離され、異なるセンサユニットに向けられることができる。メタサーフェス140の構成は、用途または設計要件に応じて変えることができる。基板102、感知部104、ディープトレンチアイソレーション構造106、反射防止層108、カラーフィルタ層110、パーティショングリッド構造112、遮光構造114、誘電体構造130、メタサーフェス140、および保護膜150は、図1Aに示されたものと同様であり、繰り返しを避けるために、ここでは詳細を再度説明しない。
【0062】
図3Aに示すように、イメージセンサ20の断面図が示されている。図1Aと比較すると、イメージセンサ20のセンサユニット100Cのグループとセンサユニット100Dのグループが表示されている。説明のために、図3Aに示されたセンサユニット100Cのグループおよびセンサユニット100Dのグループは両方とも、1つの左センサユニットおよび1つの右センサユニットを含む。特に、センサユニット100Cのグループは、左センサユニット100C-Lおよび右センサユニット100C-Rを含み、センサユニット100Dのグループは、左センサユニット100D-Lおよび右センサユニット100D-Rを含む。センサユニット100Cのグループ内は中央ナノポスト144Bが存在しない。メタサーフェス140がイメージセンサ20に組み込まれたとき、法線方向でイメージセンサ20に入射する入射光線は、入射光線が下方にあるカラーフィルタ層110に透過される前に、その色に基づいて分離されることができる。このような構成は、カラーフィルタ層110の各カラーユニットが所望の色の最大の光エネルギーを受け取ることを可能にする。換言すれば、光エネルギーの損失が最小化されることができ、量子効率が最適化されることができる。
【0063】
本開示のいくつかの実施形態によれば、白色カラーユニットが赤色波長光線、緑色波長光線、および青色波長光線を透過するように設計されているとき、メタサーフェス140は、赤色波長光線、緑色波長光線、および青色波長光線を分離することができるため、緑色波長光線のみが白色カラーユニットに向けられることができる。メタサーフェス140の存在により、白色信号を緑色カラーユニットから抽出された信号と同等の信号に変換する必要がなくなる。その結果、白色カラーユニットの全体のバックエンド製造は、より低い消費電力、より小さい色誤差の確率、およびより高い緑色の波帯ピーク(より高い透過率により)で行われることができる。
【0064】
図3Bは、本開示のいくつかの実施形態による、イメージセンサ20の断面図である。図3Aは、図3Bの線B-B’から得られた断面図であることに留意されたい。前述のように、センサユニット100Aのグループ、センサユニット100Bのグループ、センサユニット100Cのグループ、およびセンサユニット100Dのグループは、ビニングモードを有する画素を構成することができる。2×2画素アレイは、実際のイメージセンサにわたってサイクルで周期的に配置されることができる。また、センサユニット100Aのグループ、センサユニット100Bのグループ、センサユニット100Cのグループ、またはセンサユニット100Dのグループは、2×2に配置された4つのセンサユニットをそれぞれ含み得る。説明のために、基板102、感知部104、ディープトレンチアイソレーション構造106、反射防止層108、カラーフィルタ層110、パーティショングリッド構造112、遮光構造114、誘電体構造130、および保護膜150は省略されている。充填材料142および複数のナノ構造144の特徴は、図3Aに示されたものと同様であり、繰り返しを避けるために、ここでは詳細を再度説明しない。
【0065】
図3Bに示すように、周辺ナノポスト144Aは、上から見て2×2アレイに配置された画素のセンサユニット100Aのグループ、センサユニット100Bのグループ、センサユニット100Cのグループ、およびセンサユニット100Dのグループであり、画素アレイはサイクルで周期的に配置されるため、隣接するセンサユニットのグループによって共有されるように配置されている。それに対して、中央ナノポスト144Bは、いくつかのセンサユニット100Aのグループ、センサユニット100Bのグループ、センサユニット100Cのグループ、およびセンサユニット100Dのグループ内に配置される。センサユニット100Bのグループおよびセンサユニット100Cのグループ内は、中央ナノポスト144Bは存在しない。別の観点から、中央ナノポスト144Bのいくつかが除去されると見なす代わりに、無限に小さい寸法に縮小されていると見なされることもできる。
【0066】
引き続き図3Bに示すように、本開示の特定の実施形態では、センサユニット100Aのグループ、センサユニット100Bのグループ、センサユニット100Cのグループ、およびセンサユニット100Dのグループは、赤色カラーユニット、白色カラーユニット、白色カラーユニット、および青色カラーユニットをそれぞれ含み得る。センサユニット100Bのグループおよびセンサユニット100Cのグループは両方とも白色カラーユニットを含むため、センサユニット100Bのグループとセンサユニット100Cのグループの複数のナノ構造144(例えば、周辺ナノポスト144Aおよび中央ナノポスト144B)は、同じ構成(またはその中にナノ構造144が配置されない)を有し得ることに留意されたい。白色波帯は黄色波帯全体を具現化するため、図3Bに示されたメタサーフェス140の構成は、黄色カラーユニットにも用いられ得る。白色カラーユニットが赤色波長光線、緑色波長光線、および青色波長光線を透過するように設計されているとき、メタサーフェス140は、赤色波長光線、緑色波長光線、および青色波長光線を分離することができるため、緑色波長光線のみが白色カラーユニットに向けられることができる。メタサーフェス140の存在により、白色信号を緑色カラーユニットから抽出された信号と同等の信号に変換する必要がなくなる。その結果、白色カラーユニットの全体のバックエンド製造は、より低い消費電力、より小さい色誤差の確率、およびより高い緑色の波帯ピーク(より高い透過率により)で行われることができる。
【0067】
図4は、本開示のさらに他の実施形態による、イメージセンサ30の断面図である。前述のように、著しく大きな位相差を生成することが不可欠であるため、異なる色の光線が分離され、異なるセンサユニットに向けられることができる。メタサーフェスの構成は、用途または設計要件に応じて変えることができる。基板102、感知部104、ディープトレンチアイソレーション構造106、反射防止層108、カラーフィルタ層110、パーティショングリッド構造112、遮光構造114、誘電体構造130、メタサーフェス140、および保護膜150は、図1Aに示されたものと同様であり、繰り返しを避けるために、ここでは詳細を再度説明しない。
【0068】
図4に示すように、イメージセンサ30の断面図が示されている。図1Aと比較すると、さらなるメタサーフェス140’が元のメタサーフェス140に加えられる。本開示のいくつかの実施形態によれば、メタサーフェス140’は、充填材料142’および複数のナノ構造144’を含み得る。さらに、複数のナノ構造144’は、周辺ナノポスト144A’および中央ナノポスト144B’を含むことができる。メタサーフェス全体が非常に厚く設計されているとき、その大きいアスペクト比により、単一のパターニングプロセスでメタサーフェスを製造することが困難である可能性がある。従って、メタサーフェス全体は、メタサーフェス140およびメタサーフェス140’の複数の順次の層で形成され得る。メタサーフェス140およびメタサーフェス140’は、シフトされ(特にイメージセンサのエッジ近くで)、大きな傾斜角で入射光線に応答することができることを理解されたい。多層構成のメタサーフェスにより、イメージセンサ30に入射する入射光線は、入射光線が下方にあるカラーフィルタ層110に透過される前に、その色に基づいて分離されることができる。その結果、カラーフィルタ層110の各カラーユニットは、所望の色の最大の光エネルギーを受け取ることができる。換言すれば、光エネルギーの損失が最小化されることができ、量子効率が最適化されることができる。
【0069】
黄色カラーユニットが赤色波長光線および緑色波長光線を透過するように設計されているとき、メタサーフェス140は、赤色波長光線および緑色波長光線を分離することができるため、緑色波長光線のみが黄色カラーユニットに向けられることができる。白色カラーユニットが赤色波長光線、緑色波長光線、および青色波長光線を透過するように設計されているとき、メタサーフェス140は、赤色波長光線、緑色波長光線、および青色波長光線を分離することができるため、緑色波長光線のみが白色カラーユニットに向けられることができる。メタサーフェス140の存在により、黄色信号または白色信号を緑色カラーユニットから抽出された信号と同等の信号に変換する必要がなくなる。その結果、黄色カラーユニットまたは白色カラーユニットの全体のバックエンド製造は、より低い消費電力、より小さい色誤差の確率、およびより高い緑色の波帯ピーク(より高い透過率により)で行われることができる。
【0070】
図5および図6は、本開示のさらに他の実施形態による、様々な設計を有するイメージセンサ40および50の上面図である。前述のように、著しく大きな位相差を生成することが不可欠であるため、異なる色の光線が分離され、異なるセンサユニットに向けられることができる。メタサーフェス140の構成は、用途または設計要件に応じて変えることができる。前述のように、センサユニット100Aのグループ、センサユニット100Bのグループ、センサユニット100Cのグループ、およびセンサユニット100Dのグループは、ビニングモードを有する画素を構成することができる。2×2画素アレイは、実際のイメージセンサにわたってサイクルで周期的に配置されることができる。また、センサユニット100Aのグループ、センサユニット100Bのグループ、センサユニット100Cのグループ、またはセンサユニット100Dのグループは、2×2に配置された4つのセンサユニットをそれぞれ含み得る。説明のために、基板102、感知部104、ディープトレンチアイソレーション構造106、反射防止層108、カラーフィルタ層110、パーティショングリッド構造112、遮光構造114、誘電体構造130、および保護膜150は省略されている。充填材料142および複数のナノ構造144の特徴は、図1Aに示されたものと同様であり、繰り返しを避けるために、ここでは詳細を再度説明しない。
【0071】
図5に示すように、イメージセンサ40の上面図が示されている。周辺ナノポスト144Aは、上から見て2×2アレイに配置された画素のセンサユニット100Aのグループ、センサユニット100Bのグループ、センサユニット100Cのグループ、およびセンサユニット100Dのグループであり、画素アレイはサイクルで周期的に配置されるため、隣接するセンサユニットのグループによって共有されるように配置されている。それに対して、中央ナノポスト144Bは、いくつかのセンサユニット100Aのグループ、センサユニット100Bのグループ、センサユニット100Cのグループ、およびセンサユニット100Dのグループ内に配置される。図1Bと比較すると、青色カラーユニットを含み得るセンサユニット100Dのグループ内は、中央ナノポスト144Bは存在しない。別の観点から、中央ナノポスト144Bが除去されると見なす代わりに、無限に小さい寸法に縮小されていると見なされることもできる。
【0072】
引き続き図5に示すように、イメージセンサ40のメタサーフェス140は、黄色カラーユニットおよび白色カラーユニットの両方に実施されることができる。黄色カラーユニットが赤色波長光線および緑色波長光線を透過するように設計されているとき、メタサーフェス140は、赤色波長光線および緑色波長光線を分離することができるため、緑色波長光線のみが黄色カラーユニットに向けられることができる。白色カラーユニットが赤色波長光線、緑色波長光線、および青色波長光線を透過するように設計されているとき、メタサーフェス140は、赤色波長光線、緑色波長光線、および青色波長光線を分離することができるため、緑色波長光線のみが白色カラーユニットに向けられることができる。メタサーフェス140の存在により、黄色信号または白色信号を緑色カラーユニットから抽出された信号と同等の信号に変換する必要がなくなる。その結果、黄色カラーユニットまたは白色カラーユニットの全体のバックエンド製造は、より低い消費電力、より小さい色誤差の確率、およびより高い緑色の波帯ピーク(より高い透過率により)で行われることができる。
【0073】
図6に示すように、イメージセンサ50の上面図が示されている。図5と比較すると、センサユニット100Bのグループおよびセンサユニット100Cのグループ内は、2つの中央ナノポスト144Bのみ存在する。換言すれば、センサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Dのグループ内はナノ構造144がなく、赤色カラーユニットおよび青色カラーユニットをそれぞれ含み得る。別の観点から、周辺ナノポスト144Aおよび中央ナノポスト144Bのいくつかが除去されると見なす代わりに、無限に小さい寸法に縮小されていると見なされることもできる。
【0074】
引き続き図6に示すように、イメージセンサ50のメタサーフェス140は、黄色カラーユニットおよび白色カラーユニットの両方に実施されることができる。黄色カラーユニットが赤色波長光線および緑色波長光線を透過するように設計されているとき、メタサーフェス140は、赤色波長光線および緑色波長光線を分離することができるため、緑色波長光線のみが黄色カラーユニットに向けられることができる。白色カラーユニットが赤色波長光線、緑色波長光線、および青色波長光線を透過するように設計されているとき、メタサーフェス140は、赤色波長光線、緑色波長光線、および青色波長光線を分離することができるため、緑色波長光線のみが白色カラーユニットに向けられることができる。メタサーフェス140の存在により、黄色信号または白色信号を緑色カラーユニットから抽出された信号と同等の信号に変換する必要がなくなる。その結果、黄色カラーユニットまたは白色カラーユニットの全体のバックエンド製造は、より低い消費電力、より小さい色誤差の確率、およびより高い緑色の波帯ピーク(より高い透過率により)で行われることができる。
【0075】
メタサーフェスを標準のイメージセンサに組み込むことにより、異なる色の入射光線が分離され、異なるセンサユニットに向けられることができるため、光エネルギーの損失が最小化されることができ、量子効率が向上されることができる。黄色カラーユニットまたは白色カラーユニットが実施され、緑色カラーユニットを置き換えて、低輝度の環境(または暗所)において透過率を高めるとき、メタサーフェス140は、黄色カラーユニットまたは白色カラーユニットに緑色波長光線のみを受光させることができるため、緑色信号のみが黄色カラーユニットまたは白色カラーユニットから抽出されることができる。その結果、黄色カラーユニットまたは白色カラーユニットの全体のバックエンド製造(画像信号処理装置を操作するための)は、より低い消費電力、より小さい色誤差の確率、およびより高い緑色の波帯ピーク(より高い透過率により)で行われることができる。
【0076】
前述の内容は、当業者が本開示の態様をよりよく理解できるように、いくつかの実施形態の特徴を概説している。当業者は、同じ目的を実行するため、および/または本明細書に導入される実施形態の同じ利点を達成するための他のプロセスおよび構造を設計または修正するための基礎として本開示を容易に使用できることを理解できる。当業者はまた、そのような同等の構造が本開示の精神および範囲から逸脱せず、且つそれらは、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書で様々な変更、置換、および代替を行うことができることを理解するべきである。従って、保護の範囲は特許請求の範囲を通じて決定される必要がある。さらに、本開示のいくつかの実施形態が上記に開示されているが、それらは、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【0077】
本明細書全体にわたる特徴、利点、または同様の用語への言及は、本開示で実現され得る全ての特徴および利点が、本開示の任意の単一の実施形態で実現されるべきまたは実現され得ることを意味するのではない。むしろ、特徴および利点に言及する用語は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、利点、または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味すると理解される。従って、本明細書全体にわたる特徴および利点、ならびに類似の用語の議論は、必ずしもそうではないが、同じ実施形態を指すことがある。
【0078】
さらに、1つまたは複数の実施形態では、本開示の説明された特徴、利点、および特性は、任意の適切な方法で組み合わせてもよい。当業者は、本明細書の説明に基づいて、特定の実施形態の1つまたは複数の特定の特徴または利点なしに本開示を実施できることを認識するであろう。他の例では、本開示の全ての実施形態に存在しない可能性がある、追加の特徴および利点が特定の実施形態において認識され得る。
【符号の説明】
【0079】
10 イメージセンサ
20 イメージセンサ
30 イメージセンサ
40 イメージセンサ
50 イメージセンサ
100A センサユニット
100A-L 左センサユニット
100A-R 右センサユニット
100B センサユニット
100B-L 左センサユニット
100B-R 右センサユニット
100C センサユニット
100C-L 左センサユニット
100C-R 右センサユニット
100D センサユニット
100D-L 左センサユニット
100D-R 右センサユニット
102 基板
104 感知部
106 ディープトレンチアイソレーション構造
108 反射防止層
110 カラーフィルタ層
112 パーティショングリッド構造
114 遮光構造
130 誘電体構造
140 メタサーフェス
140’ メタサーフェス
142 充填材料
142’充填材料
144 ナノ構造
144’ ナノ構造
144A 周辺ナノポスト
144A’ 周辺ナノポスト
144B 中央ナノポスト
144B’ 中央ナノポスト
150 保護膜
200 方法
202 操作
204 操作
206 操作
208 操作
A-A’ 線
B-B’ 線
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6