(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】すり替え検証システム、すり替え検証方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20241205BHJP
【FI】
G06Q30/0601
(21)【出願番号】P 2023128590
(22)【出願日】2023-08-07
【審査請求日】2023-08-07
(32)【優先日】2023-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】友岡 高志
(72)【発明者】
【氏名】中澤 満
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-048927(JP,A)
【文献】特開2017-097724(JP,A)
【文献】特開2022-139020(JP,A)
【文献】特開2019-095829(JP,A)
【文献】国際公開第2020/246417(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/071917(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0027021(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0090093(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を販売する販売者を識別可能な販売者識別情報と、前記販売者と前記商品を購入した購入者とが利用する電子商取引サービスの管理者から前記販売者に配送されたセキュリティシールに形成されたコードに関するコード情報と、を関連付ける第2関連付け部と、
前記商品又は当該商品の梱包資材に貼られた
前記セキュリティシールに形成された
前記コードが、前
記販売者の販売者端末により読み取られた場合に、前記販売者端末から、前
記コード情報を取得する第1取得部と、
前記販売者識別情報に関連付けられた前記コード情報が前記販売者端末から取得された場合に、前記商品を識別可能な商品識別情報と、前記販売者端末から取得された前記コード情報と、を関連付ける第1関連付け部と、
前
記購入者の購入者端末により前記コードが読み取られた場合に、前記購入者端末から、前記コード情報を取得する第2取得部と、
前記商品識別情報に関連付けられた前記コード情報と、前記購入者端末から取得された前記コード情報と、に基づいて、前記商品のすり替えの検証に関するすり替え検証処理を実行する実行部と、
を含むすり替え検証システム。
【請求項2】
商品又は当該商品の梱包資材であって、透明又は半透明の部材を含
む前記梱包資材に貼られたセキュリティシールに形成されたコードが、前記商品を販売する販売者の販売者端末により読み取られた場合に、前記販売者端末から、前記コードに関するコード情報を取得する第1取得部と、
前記商品を識別可能な商品識別情報と、前記販売者端末から取得された前記コード情報と、を関連付ける第1関連付け部と、
前記商品が梱包された前記梱包資材が前記販売者端末で撮影された場合に、前記販売者端末から、前記梱包資材を示す撮影画像を取得する第1撮影画像取得部と、
前記撮影画像に基づいて、前記商品に貼られた前記セキュリティシールが前記部材を介して前記梱包資材の外側から見えるか否かを判定する第1判定部と、
前記商品を購入した購入者の購入者端末により前記コードが読み取られた場合に、前記購入者端末から、前記コード情報を取得する第2取得部と、
前記商品識別情報に関連付けられた前記コード情報と、前記購入者端末から取得された前記コード情報と、に基づいて、前記商品のすり替えの検証に関するすり替え検証処理を実行する実行部と、
を含むすり替え検証システム。
【請求項3】
商品又は当該商品の梱包資材であって、透明又は半透明の部材を含
む前記梱包資材に貼られたセキュリティシールに形成されたコードが、前記商品を販売する販売者の販売者端末により読み取られた場合に、前記販売者端末から、前記コードに関するコード情報を取得する第1取得部と、
前記商品を識別可能な商品識別情報と、前記販売者端末から取得された前記コード情報と、を関連付ける第1関連付け部と、
前記商品を購入した購入者の購入者端末により前記コードが読み取られた場合に、前記購入者端末から、前記コード情報を取得する第2取得部と、
前記商品識別情報に関連付けられた前記コード情報と、前記購入者端末から取得された前記コード情報と、に基づいて、前記商品のすり替えの検証に関するすり替え検証処理を実行する実行部と、
前記商品が梱包された前記梱包資材が前記購入者端末で撮影された場合に、前記購入者端末から、前記梱包資材を示す撮影画像を取得する第2撮影画像取得部と、
前記撮影画像に基づいて、前記商品に貼られた前記セキュリティシールが前記部材を介して前記梱包資材の外側から見えるか否かを判定する第2判定部と、
を含むすり替え検証システム。
【請求項4】
前記実行部は、前記販売者識別情報及び前記商品識別情報に関連付けられた前記コード情報と、前記購入者端末から取得された前記コード情報と、に基づいて、前記すり替え検証処理を実行する、
請求項
1に記載のすり替え検証システム。
【請求項5】
前記第1取得部は、前記商品に貼られた第1セキュリティシールに形成された第1コードと、前記梱包資材に貼られた第2セキュリティシールに形成された第2コードと、の各々が前記販売者端末により読み取られた場合に、前記第1コードに関する第1コード情報と、前記第2コードに関する第2コード情報と、を前記販売者端末から取得し、
前記第1関連付け部は、前記商品識別情報と、前記第1コード情報及び前記第2コード情報と、を関連付け、
前記第2取得部は、前記第1コード及び前記第2コードの各々が前記購入者端末により読み取られた場合に、前記購入者端末から、前記第1コード情報及び前記第2コード情報を取得し、
前記実行部は、前記商品識別情報に関連付けられた前記第1コード情報及び前記第2コード情報と、前記購入者端末から取得された前記第1コード情報及び前記第2コード情報と、に基づいて、前記すり替え検証処理を実行する、
請求項1
~4の何れかに記載のすり替え検証システム。
【請求項6】
前記すり替え検証システムは、前記セキュリティシールのうち、前記コードが形成されたコード部分が前記商品に貼られ、かつ、他の部分が前記梱包資材に貼られるように前記販売者に案内するための案内画面を、前記販売者端末に表示させる表示制御部を更に含む、
請求項1
~4の何れかに記載のすり替え検証システム。
【請求項7】
前記実行部は、前記商品識別情報に関連付けられた前記コード情報と、前記購入者端末から取得された前記コード情報と、に基づいて、前記商品をすり替えた者の推定に関する推定処理を、前記すり替え検証処理として実行する、
請求項1
~4の何れかに記載のすり替え検証システム。
【請求項8】
前記実行部は、前記商品識別情報に関連付けられた前記コード情報と同じ前記コード情報が前記購入者端末から取得されなかった場合には、前記商品識別情報に関連付けられた前記コード情報と同じ前記コード情報が前記購入者端末から取得された場合よりも、前記購入者が前記商品をすり替えたとの推定が働くように、前記推定処理を実行する、
請求項
7に記載のすり替え検証システム。
【請求項9】
前記第1取得部は、前記セキュリティシールに形成された複数の前記コードの各々が前記販売者端末により読み取られた場合に、前記販売者端末から、前記複数のコードの各々の前記コード情報を取得し、
前記第1関連付け部は、前記商品識別情報と、前記複数のコードの各々の前記コード情報と、を関連付け、
前記第2取得部は、前記購入者端末により前記複数のコードの各々が読み取られた場合に、前記購入者端末から、前記複数のコードの各々の前記コード情報を取得し、
前記実行部は、前記商品識別情報に関連付けられた前記複数のコードの各々の前記コード情報と、前記購入者端末から取得された前記複数のコードの各々の前記コード情報と、前記すり替え検証処理を実行する、
請求項1
~4の何れかに記載のすり替え検証システム。
【請求項10】
前記第1取得部は、前記コード情報が形成された第1用紙と、前記コード情報を読み取るための定型部分が形成された第2用紙と、を含む前記セキュリティシールが前記販売者端末により読み取られた場合に、前記販売者端末から前記コード情報を取得し、
前記第2取得部は、前記第1用紙及び前記第2用紙を含む前記セキュリティシールが前記購入者端末により読み取られた場合に、前記購入者端末から前記コード情報を取得する、
請求項1
~4の何れかに記載のすり替え検証システム。
【請求項11】
前記第1取得部は、複数の前記商品の各々又は当該複数の商品を梱包する前記梱包資材に貼られた前記セキュリティシールに形成された前記コードが前記販売者端末により読み取られた場合に、前記販売者端末から前記コード情報を取得し、
前記第2取得部は、前記複数の商品の各々又は当該複数の商品を梱包する前記梱包資材に貼られた前記セキュリティシールに形成された前記コードが前記購入者端末により読み取られた場合に、前記購入者端末から前記コード情報を取得する、
請求項1
~4の何れかに記載のすり替え検証システム。
【請求項12】
前記第1取得部は、前記販売者及び前記購入者の間で行われる個人間取引における前記販売者の前記販売者端末から、前記コード情報を取得し、
前記第2取得部は、前記個人間取引における前記購入者の前記販売者端末から、前記コード情報を取得する、
請求項1
~4の何れかに記載のすり替え検証システム。
【請求項13】
商品を販売する販売者を識別可能な販売者識別情報と、前記販売者と前記商品を購入した購入者とが利用する電子商取引サービスの管理者から前記販売者に配送されたセキュリティシールに形成されたコードに関するコード情報と、を関連付ける第2関連付けステップと、
前記商品又は当該商品の梱包資材に貼られた
前記セキュリティシールに形成された
前記コードが、前
記販売者の販売者端末により読み取られた場合に、前記販売者端末から、前
記コード情報を取得する第1取得ステップと、
前記販売者識別情報に関連付けられた前記コード情報が前記販売者端末から取得された場合に、前記商品を識別可能な商品識別情報と、前記販売者端末から取得された前記コード情報と、を関連付ける第1関連付けステップと、
前
記購入者の購入者端末により前記コードが読み取られた場合に、前記購入者端末から、前記コード情報を取得する第2取得ステップと、
前記商品識別情報に関連付けられた前記コード情報と、前記購入者端末から取得された前記コード情報と、に基づいて、前記商品のすり替えの検証に関するすり替え検証処理を実行する実行ステップと、
を含むすり替え検証方法。
【請求項14】
商品を販売する販売者を識別可能な販売者識別情報と、前記販売者と前記商品を購入した購入者とが利用する電子商取引サービスの管理者から前記販売者に配送されたセキュリティシールに形成されたコードに関するコード情報と、を関連付ける第2関連付け部、
前記商品又は当該商品の梱包資材に貼られた
前記セキュリティシールに形成された
前記コードが、前
記販売者の販売者端末により読み取られた場合に、前記販売者端末から、前
記コード情報を取得する第1取得部、
前記販売者識別情報に関連付けられた前記コード情報が前記販売者端末から取得された場合に、前記商品を識別可能な商品識別情報と、前記販売者端末から取得された前記コード情報と、を関連付ける第1関連付け部、
前
記購入者の購入者端末により前記コードが読み取られた場合に、前記購入者端末から、前記コード情報を取得する第2取得部、
前記商品識別情報に関連付けられた前記コード情報と、前記購入者端末から取得された前記コード情報と、に基づいて、前記商品のすり替えの検証に関するすり替え検証処理を実行する実行部、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、すり替え検証システム、すり替え検証方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットを利用して商品を販売する電子商取引が知られている。電子商取引の一例として、個人間で取引を行うオンラインフリーマーケットも知られている。オンラインフリーマーケットでは、商品を販売する販売者は、ダンボール等の梱包資材に商品を梱包したうえで、商品を購入した購入者に商品を発送する。オンラインフリーマーケットを一例とする電子商取引では、悪意のある者による商品のすり替えが問題となっている。
【0003】
例えば、特許文献1~4には、商品又は梱包資材に貼り付け可能なシールにコードを形成し、シールを剥がすと、コードを欠損させる技術が記載されている。特許文献5には、商品名、数量、配送ルート、会社名、配送員名、及び配送時間等の内容を特定するための管理番号を含むコードが印刷された改ざん防止シールの当該コードを利用して、異物の混入や商品の抜き取りを防止する技術が記載されている。特許文献6には、商品に表示された二次元コードと、これと対になる他の二次元コードと、が一組になるように管理することによって、商品が入れ違いになることを防止する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2015-528121号公報
【文献】再公表2012-026305号公報
【文献】特開2013-003535号公報
【文献】特表平9-512346号公報
【文献】特開2006-001735号公報
【文献】特開2022-035081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1~4の改ざん防止シールを利用したとしても、商品又は梱包資材が開封されたか否かを検証することはできるが、商品のすり替えを検証できない。特許文献5の技術では、異物の混入や商品の抜き取りを対象としているので、商品のすり替えを検証できない。特許文献6の技術では、商品の入れ違いを対象としているので、商品のすり替えを検証できない。
【0006】
本開示の目的の1つは、商品のすり替えを検証することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るすり替え検証システムは、商品又は当該商品の梱包資材に貼られたセキュリティシールに形成されたコードが、前記商品を販売する販売者の販売者端末により読み取られた場合に、前記販売者端末から、前記コードに関するコード情報を取得する第1取得部と、前記商品を識別可能な商品識別情報と、前記販売者端末から取得された前記コード情報と、を関連付ける第1関連付け部と、前記商品を購入した購入者の購入者端末により前記コードが読み取られた場合に、前記購入者端末から、前記コード情報を取得する第2取得部と、前記商品識別情報に関連付けられた前記コード情報と、前記購入者端末から取得された前記コード情報と、に基づいて、前記商品のすり替えの検証に関するすり替え検証処理を実行する実行部と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、商品のすり替えを検証できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】すり替え検証システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】販売者端末に表示される販売者画面の一例を示す図である。
【
図3】販売者が商品を梱包する手順の一例を示す図である。
【
図4】販売者が商品を梱包する手順の一例を示す図である。
【
図5】第1コードが破損した第1セキュリティシールと、第2コードが破損した第2セキュリティシールと、の一例を示す図である。
【
図6】購入者が梱包資材から商品を取り出す様子の一例を示す図である。
【
図7】購入者端末に表示される購入者画面の一例を示す図である。
【
図8】管理者端末に表示される管理者画面の一例を示す図である。
【
図9】すり替え検証システムで実現される機能の一例を示す図である。
【
図10】ユーザデータベースの一例を示す図である。
【
図12】すり替え検証システムで実行される処理の一例を示す図である。
【
図13】変形例において実現される機能の一例を示す図である。
【
図14】変形例7のセキュリティシールの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[1.すり替え検証システムの全体構成]
本開示に係るすり替え検証システムの実施形態の一例を説明する。
図1は、すり替え検証システムの全体構成の一例を示す図である。例えば、すり替え検証システム1は、サーバ10、販売者端末20、購入者端末30、及び管理者端末40を含む。サーバ10、販売者端末20、購入者端末30、及び管理者端末40の各々は、インターネット又はLAN等のネットワークNに接続される。
【0011】
サーバ10は、サーバコンピュータである。例えば、サーバ10は、制御部11、記憶部12、及び通信部13を含む。制御部11は、少なくとも1つのプロセッサを含む。記憶部12は、RAM等の揮発性メモリと、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリと、を含む。通信部13は、有線通信用の通信インタフェースと、無線通信用の通信インタフェースと、の少なくとも一方を含む。
【0012】
販売者端末20は、販売者のコンピュータである。販売者は、商品を販売する者である。本実施形態では、販売者が個人である場合を例に挙げるが、販売者は、組織であってもよい。例えば、販売者は、実店舗、オンライン上の店舗、店舗を持たない会社、会社以外の法人、国、地方公共団体、又はその他の組織であってもよい。
図1では、1つの販売者端末20だけが示されているが、複数の販売者端末20が存在してもよい。
【0013】
例えば、販売者端末20は、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、又はウェアラブル端末である。販売者端末20は、制御部21、記憶部22、通信部23、操作部24、表示部25、及び撮影部26を含む。制御部21、記憶部22、及び通信部23の物理的構成は、それぞれ制御部11、記憶部12、及び通信部13と同様であってよい。操作部24は、キーボード、マウス、又はタッチパネル等の入力デバイスである。表示部25は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等のディスプレイである。撮影部26は、少なくとも1つのカメラを含む。
【0014】
購入者端末30は、購入者のコンピュータである。購入者は、商品を購入する者である。本実施形態では、購入者が個人である場合を例に挙げるが、購入者は、組織であってもよい。例えば、購入者は、実店舗、オンライン上の店舗、店舗を持たない会社、会社以外の法人、国、地方公共団体、又はその他の組織であってもよい。
図1では、1つの購入者端末30だけが示されているが、複数の購入者端末30が存在してもよい。
【0015】
例えば、購入者端末30は、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、又はウェアラブル端末である。購入者端末30は、制御部31、記憶部32、通信部33、操作部34、表示部35、及び撮影部36を含む。制御部31、記憶部32、通信部33、操作部34、表示部35、及び撮影部36の物理的構成は、それぞれ制御部11、記憶部12、通信部13、操作部24、表示部25、及び撮影部26と同様であってよい。
【0016】
管理者端末40は、管理者のコンピュータである。管理者は、すり替え検証システム1を管理する者である。本実施形態では、管理者がオンラインフリーマーケットの運営会社である場合を例に挙げるが、管理者は、オンラインフリーマーケットの運営会社以外の他の組織又は個人であってもよい。例えば、他の組織は、オンラインフリーマーケット以外の他のサービスの運営会社、実店舗、オンライン上の店舗、店舗を持たない会社、会社以外の法人、国、又は地方公共団体であってもよい。
図1では、1つの管理者端末40だけが示されているが、複数の管理者端末40が存在してもよい。
【0017】
例えば、管理者端末40は、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、又はウェアラブル端末である。管理者端末40は、制御部41、記憶部42、通信部43、操作部44、及び表示部45を含む。制御部41、記憶部42、通信部43、操作部44、及び表示部45の物理的構成は、それぞれ制御部11、記憶部12、通信部13、操作部24、及び表示部25と同様であってよい。
【0018】
なお、記憶部12,22,32,42に記憶されるプログラムは、ネットワークNを介して供給されてもよい。また、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に記憶されたプログラムが、情報記憶媒体を読み取る読取部(例えば、光ディスクドライブやメモリカードスロット)、又は、外部機器とデータの入出力をするための入出力部(例えば、USBポート)を介して供給されてもよい。
【0019】
また、すり替え検証システム1は、少なくとも1つのコンピュータを含めばよく、
図1の例に限られない。例えば、すり替え検証システム1は、販売者端末20、購入者端末30、及び管理者端末40を含まずに、サーバ10だけを含んでもよい。この場合、販売者端末20、購入者端末30、及び管理者端末40は、すり替え検証システム1の外部に存在する。例えば、すり替え検証システム1は、サーバ10及び管理者端末40だけを含んでもよい。この場合、販売者端末20及び購入者端末30は、すり替え検証システム1の外部に存在する。
【0020】
[2.すり替え検証システムの概要]
すり替え検証システム1は、商品が発送される任意のサービスに適用可能である。例えば、すり替え検証システム1は、オンラインフリーマーケット、ネットオークション、オンラインフリーマーケット及びネットオークション以外の電子商取引、実店舗における小売サービス、又は物流サービスに適用可能である。本実施形態では、すり替え検証システム1をオンラインフリーマーケットに適用した場合を例に挙げる。オンラインフリーマーケットサービスと記載した箇所は、他の任意のサービスに読み替えることができる。
【0021】
本実施形態では、管理者は、オンラインフリーマーケットの運営会社である。購入者及び販売者は、オンラインフリーマーケットのユーザである。オンラインフリーマーケットでは、原則として、個人間取引(いわゆるCtoC)が行われる。オンラインフリーマーケットでは、個人間取引以外の他の取引(例えば、いわゆるBtoB又はBtoC)が行われてもよい。商品の出品から購入までの流れ自体は、公知の流れであってよい。本実施形態では、購入者が商品の購入手続きを行った後の流れを説明する。例えば、購入者が商品の購入手続きを行うと、販売者は、商品の発送手続きを行う。
【0022】
図2は、販売者端末20に表示される販売者画面の一例を示す図である。例えば、販売者端末20がサーバ10にログインすると、発送手続きに関する操作を受け付ける販売者画面SC1が表示部25に表示される。販売者がボタンB10を選択すると、商品の送り状を作成するための送り状情報が表示部25に表示される。送り状情報自体は、公知のオンラインフリーマーケットで利用されている情報であってよい。販売者は、送り状情報を確認し、商品の梱包作業を行う。
【0023】
本実施形態では、管理者は、商品のすり替えを検証するために、販売者に対し、セキュリティシールを送付する。商品のすり替えは、悪意のある者が正当な商品を他の商品に入れ替えることである。本実施形態では、購入者が行う商品のすり替えの検証を例に挙げるが、商品のすり替えは、購入者以外の他の者により行われる可能性もある。例えば、商品のすり替えは、販売者、販売者が発送のために商品を持ちこんだ店舗の店員(例えば、コンビニエンスストアの店員等)、商品を配送する配送者、商品が購入者に配送される前に一時的に商品を預かった者、又はその他の者により行われる可能性もある。
【0024】
セキュリティシールは、剥がされると少なくとも一部が破損するシールである。セキュリティシールは、剥がされると少なくとも一部の見た目が変わるシールということもできる。セキュリティシールは、セキュリティラベル又はセキュリティステッカー等の他の名称で呼ばれることもある。セキュリティシール自体は、公知の種々のタイプであってよい。例えば、剥がされると破れるタイプ、剥がされると跡が残るタイプ、貼り直しができないタイプ、又はその他のタイプであってもよい。
【0025】
本実施形態では、セキュリティシールにコードが形成されている。コードには、商品のすり替えの検証に利用される情報がコード化されている。以降、この情報を、コード情報という。例えば、コード情報は、他のコード情報と重複しないように発行されたIDである。本実施形態では、コードの一例として二次元コードを説明するが、コード自体は、種々の種類を利用可能である。例えば、コードは、バーコードであってもよい。バーコード及び二次元コードの両方がセキュリティシールに形成されていてもよい。形成とは、印刷だけではなく、箔押し又はエンボス加工等の他の方法も含む意味である。
【0026】
本実施形態では、商品に貼られるセキュリティシールと、梱包資材に貼られるセキュリティシールと、が利用される場合を例に挙げる。以降、商品に貼られるセキュリティシールを、第1セキュリティシールSS1という。梱包資材に貼られるセキュリティシールを、第2セキュリティシールSS2という。第1セキュリティシールSS1及び第2セキュリティシールSS2を区別しない場合には、単にセキュリティシールSSという。購入者は、管理者から送付された複数のセキュリティシールSSの中から任意の2枚を、第1セキュリティシールSS1及び第2セキュリティシールSS2として利用可能である。
【0027】
また、第1セキュリティシールSS1に形成されたコードを、第1コードC1という。第2セキュリティシールSS2に形成されたコードを、第2コードC2という。第1コードC1及び第2コードC2を区別しない場合には、単にコードCという。更に、第1コードC1にコード化されたコード情報を、第1コード情報という。第2コードC2にコード化されたコード情報を、第2コード情報という。第1コード情報及び第2コード情報を区別しない場合には、単にコード情報という。
【0028】
例えば、販売者が販売者画面SC1のボタンB11を選択すると、撮影部26が起動して、販売者画面SC1は、
図2の右上の状態になる。販売者がボタンB13を選択すると、撮影部26は、第1セキュリティシールSS1の第1コードC1を読み取る。その後、販売者画面SC1は、
図2の左下の状態になる。販売者がボタンB14を選択すると、撮影部26は、第2セキュリティシールSS2の第2コードC2を読み取る。その後、販売者端末20は、サーバ10に対し、第1コードC1から読み取った第1コード情報と、第2コードC2から読み取った第2コード情報と、を送信する。
【0029】
例えば、サーバ10は、販売者端末20から第1コード情報及び第2コード情報を受信すると、第1コード情報及び第2コード情報を登録する。その後、
図2の右下のように、第1コード情報及び第2コード情報の登録が完了したことが販売者画面SC1上で通知される。販売者は、ボタンB15を選択して、第1コードC1及び第2コードC2の少なくとも一方を再び撮影することもできる。販売者がボタンB16を選択すると、販売者画面SC1は、
図2の左上の状態に戻る。第1コード情報及び第2コード情報の登録が完了すると、販売者は、商品を梱包してボタンB12を選択する。
【0030】
図3及び
図4は、販売者が商品を梱包する手順の一例を示す図である。本実施形態では、梱包資材Pの一例としてダンボールを説明するが、梱包資材P自体は、種々の種類を利用可能である。例えば、ダンボール以外の箱、箱以外の容器、紙袋、ビニール袋、封筒、又はその他の資材が梱包資材Pに相当してもよい。1つの商品が複数の梱包資材Pで梱包されてもよい。逆に、複数の商品が1つの梱包資材Pで梱包されてもよい。
【0031】
図3及び
図4のように、第1セキュリティシールSS1は、短辺の端部付近(端部から所定距離以内の場所、例えば、端部から1センチメートル以内)に第1コードC1が形成されている。第1セキュリティシールSS1は、当該端部と対向する他の端部付近には、第1コードC1が形成されない。第2セキュリティシールSS2も同様に、短辺の端部付近に第2コードC2が形成されている。第2セキュリティシールSS2は、当該端部と対向する他の端部付近には、第2コードC2が形成されない。
【0032】
図3のように、販売者は、第1セキュリティシールSS1の一部を商品Iに貼る。例えば、販売者は、第1セキュリティシールSS1のうち、第1コードC1が形成された第1コード部分P10を商品Iに貼る。販売者は、第1セキュリティシールSS1のうち、第1コード部分P10以外の他の部分P11を、梱包資材Pの底面に貼る。
図3の例では、商品Iのうち、第1セキュリティシールSS1が貼られた面と反対側の面は、梱包資材Pの側面に接している。商品Iは、第1セキュリティシールSS1によって、梱包資材Pの内部で固定される。
【0033】
図4に移り、販売者は、梱包資材Pの上面(蓋)を閉じる。販売者は、梱包資材Pの上面と側面をつなぐようにして、第2セキュリティシールSS2を貼る。
図4の例では、第2セキュリティシールSS2のうち、第2コードC2が形成された第2コード部分P20が、梱包資材Pの上面に貼られている。第2セキュリティシールSS2のうち、第2コード部分P20以外の他の部分P21が、梱包資材Pの側面に貼られている。
【0034】
本実施形態では、梱包資材Pの4つの側面のうち、1つの側面は、透明の部材Mを含む。例えば、この部材Mは、ビニール又はプラスチック製のシートである。
図3及び
図4の例では、第1セキュリティシールSS1は、透明の部材Mを介して外部から視認可能である。販売者は、商品Iの梱包前ではなく、商品Iの梱包後に第1コードC1及び第2コードC2を撮影してもよい。何者かが、梱包資材Pを開けて商品Iを取り出すと、第1コードC1及び第2コードC2が破損する。
【0035】
図5は、第1コードC1が破損した第1セキュリティシールSS1と、第2コードC2が破損した第2セキュリティシールSS2と、の一例を示す図である。
図5では、第1セキュリティシールSS1及び第2セキュリティシールSS2の各々が、全面にわたって破損されている場合が示されているが、第1セキュリティシールSS1及び第2セキュリティシールSS2のうち、剥がされた部分が破損する。
【0036】
図6は、購入者が梱包資材Pから商品Iを取り出す様子の一例を示す図である。例えば、購入者は、第2セキュリティシールSS2の少なくとも一部を剥がし、梱包資材Pの上面を開ける。
図6の例では、第2コード部分P20が梱包資材Pの上面から剥がされているので、第2コードC2が破損する。購入者は、第1セキュリティシールSS1の少なくとも一部を剥がし、梱包資材Pから商品Iを取り出す。
図6の例では、第1コード部分P10が商品Iから剥がされているので、第1コードC1が破損する。
【0037】
例えば、購入者が、商品Iを偽の商品にすり替えたとする。更に、購入者が、管理者又は販売者に対し、偽の商品を梱包資材Pに入れた写真を証拠として送信し、返品又は返金を迫ったとする。この場合、購入者は、第1コードC1及び第2コードC2が破損した状態の写真しか送信できず、かつ、第1コード情報及び第2コード情報を読み取れないので、購入者の主張は、信ぴょう性を欠くと考えられる。一方、購入者が、第1コードC1及び第2コードC2が破損していない写真を送信し、かつ、第1コード情報及び第2コード情報を読み取れた場合には、販売者が誤った商品Iを発送した可能性があると考えられる。
【0038】
図7は、購入者端末30に表示される購入者画面の一例を示す図である。例えば、購入者は、商品Iに問題がなければ、購入者画面SC2のボタンB20を選択し、受取手続きを完了させる。受取手続き自体は、公知のオンラインフリーマーケットの流れと同様であってよい。購入者は、商品Iに問題がある場合、購入者画面SC2のボタンB21を選択する。購入者がボタンB21を選択すると、第1コードC1及び第2コードC2を読み取るために撮影部36が起動する。
【0039】
例えば、購入者がボタンB21を選択すると、購入者画面SC2は、
図7の右上の状態になる。購入者がボタンB22を選択すると、撮影部36は、梱包資材P内の商品Iに貼られた第1セキュリティシールSS1の第1コードC1を撮影する。購入者端末30は、第1コードC1から第1コード情報を取得する。購入者がボタンB23を選択すると、撮影部36は、第1コードC1を撮影しない。
【0040】
例えば、撮影部36がボタンB22を選択して第1コードC1を撮影した場合、又は、購入者がボタンB23を選択した場合、購入者画面SC2は、
図7の左下の状態になる。購入者がボタンB24を選択すると、撮影部36は、梱包資材P内の商品Iに貼られた第2セキュリティシールSS2の第2コードC2を撮影する。購入者端末30は、第2コードC2から第2コード情報を取得する。購入者がボタンB25を選択すると、撮影部36が第2コードC2を撮影しない。
【0041】
例えば、撮影部36がボタンB24を選択して第2コードC2を撮影した場合、又は、購入者がボタンB25を選択した場合、購入者画面SC2は、
図7の右下の状態になる。購入者がボタンB26を選択すると、撮影部36は、商品Iが入った状態の梱包資材Pの全体を撮影する。購入者がボタンB27を選択すると、撮影部36は、梱包資材Pの全体を撮影しない。
【0042】
例えば、購入者は、購入者画面SC2に対し、問い合わせ内容を入力して問い合わせ手続きを完了する。購入者が問い合わせ手続きを完了すると、購入者端末30は、サーバ10に対し、第1コード情報、第2コード情報、商品Iが入った状態の梱包資材Pの全体の撮影画像、及び問い合わせ内容を送信する。サーバ10は、これらの情報を受信して記憶部12に記録すると、管理者端末40に対し、問い合わせがあったことを通知する。管理者は、管理者端末40を操作して、問い合わせ内容を確認する。
【0043】
図8は、管理者端末40に表示される管理者画面の一例を示す図である。例えば、管理者画面SC3には、購入者が第1コードC1及び第2コードC2の各々を撮影部36で読み取れたか否かを示す情報が表示される。管理者は、管理者画面SC3を確認し、購入者による返品又は返金の要求を許可するか否かを判断する。
図8の上側の例では、第1コード情報及び第2コード情報が両方とも正当なので、販売者が誤った商品Iを発送したとの推定が働く。
図8の下側の例では、第1コード情報及び第2コード情報が両方とも読み取れないので、購入者が商品Iをすり替えたとの推定が働く。
【0044】
以上のように、すり替え検証システム1では、第1セキュリティシールSS1が商品Iに貼られる。第2セキュリティシールSS2が梱包資材Pに貼られる。管理者が購入者からの問い合わせを受けた場合に、第1セキュリティシールSS1の第1コードC1にコード化された第1コード情報と、第2セキュリティシールSS2の第2コードC2にコード化された第2コード情報と、が読み取れる状態か否かが判定される。これにより、商品のすり替えを検証する管理者の業務を支援できるようになっている。以降、すり替え検証システム1の詳細を説明する。
【0045】
[3.すり替え検証システムで実現される機能]
図9は、すり替え検証システム1で実現される機能の一例を示す図である。
【0046】
[3-1.サーバで実現される機能]
例えば、サーバ10は、データ記憶部100、第1取得部101、第1関連付け部102、第2取得部103、及び実行部104を含む。データ記憶部100は、記憶部12により実現される。第1取得部101、第1関連付け部102、第2取得部103、及び実行部104は、制御部11により実現される。
【0047】
[データ記憶部]
データ記憶部100は、サービスを提供するために必要なデータを記憶する。例えば、データ記憶部100は、ユーザデータベースDB1及び商品データベースDB2を記憶する。
【0048】
図10は、ユーザデータベースDB1の一例を示す図である。ユーザデータベースDB1は、オンラインフリーマーケットにおけるユーザに関する各種情報が格納されたデータベースである。販売者及び購入者の各々は、ユーザの1人である。例えば、ユーザデータベースDB1には、ユーザID、パスワード、氏名、住所、及び利用状況情報が格納される。ユーザデータベースDB1には、ユーザに関する何らかの情報が格納されるようにすればよく、ユーザデータベースDB1に格納される情報は、
図10の例に限られない。例えば、ユーザデータベースDB1には、過去の利用履歴に関する情報が格納されてもよい。
【0049】
ユーザIDは、ユーザを識別可能なユーザ識別情報である。このため、ユーザIDと記載した箇所は、ユーザ識別情報と読み替えることができる。ユーザ識別情報は、ユーザID以外の他の情報であってもよく、ユーザIDに限られない。例えば、ユーザ識別情報は、メールアドレス又は電話番号であってもよい。ユーザ識別情報は、ユーザを何らかの形で識別可能な情報であればよい。パスワードは、オンラインフリーマーケットにログインするために利用される。氏名及び住所は、送り状情報として利用される。
【0050】
利用状況情報は、オンラインフリーマーケットの利用状況に関する情報である。例えば、利用状況情報は、販売者としての利用状況に関する情報と、購入者としての利用状況に関する情報と、の少なくとも一方を含む。販売者としての利用状況に関する情報は、ユーザが販売者として出品した商品の商品IDである。購入者としての利用状況に関する情報は、ユーザが購入者として購入した商品の商品IDである。利用状況情報には、他の種々の利用状況に関する情報が含まれてよい。
【0051】
図11は、商品データベースDB2の一例を示す図である。商品データベースDB2は、オンラインフリーマーケットにおける商品に関する各種情報が格納されたデータベースである。例えば、商品データベースDB2には、商品ID、商品情報、販売者のユーザID、購入者のユーザID、第1コード情報、第2コード情報、取引状況情報、及び問い合わせ情報が格納される。商品データベースDB2には、商品に関する何らかの情報が格納されるようにすればよく、商品データベースDB2に格納される情報は、
図11の例に限られない。例えば、商品データベースDB2には、商品の購入が可能な期限、商品が購入された日時、送り状情報、又はその他の情報が格納されてもよい。
【0052】
商品IDは、商品を識別可能なユーザ識別情報である。このため、商品IDと記載した箇所は、商品識別情報と読み替えることができる。商品識別情報は、商品ID以外の他の情報であってもよく、商品IDに限られない。例えば、商品識別情報は、商品名であってもよい。商品識別情報は、商品を何らかの形で識別可能な情報であればよい。商品情報は、商品に関する情報である。例えば、商品情報は、商品名、価格、説明文、及び商品画像を含む。
【0053】
例えば、販売者がオンラインフリーマーケットに商品を出品すると、サーバ10は、他の商品の商品IDと重複しないように、当該商品の商品IDを発行する。出品の流れは、公知のオンラインフリーマーケットの流れであってよい。商品IDは、予め定められたルールに基づいて発行されるようにすればよい。サーバ10は、商品ID、販売者が出品時に入力した商品名等の商品情報、及び販売者のユーザIDを互いに関連付けて商品データベースDB2に格納する。
【0054】
例えば、購入者が商品の購入手続きを完了すると、サーバ10は、当該商品の商品IDと、購入者のユーザIDと、を関連付けて商品データベースDB2に格納する。取引状況情報は、商品の取引状況に関する情報である。例えば、取引状況情報は、発送準備中及び配送中といった取引のステータス、各ステータスになった日時、販売者及び購入者間でやりとりされるメッセージ、及びその他の情報が格納される。問い合わせ情報は、購入者から管理者に対する問い合わせに関する情報である。例えば、問い合わせ情報は、購入者端末30から受信した撮影画像、第1コード情報、及び第2コード情報を含む。
【0055】
[第1取得部]
第1取得部101は、商品又は当該商品の梱包資材に貼られたセキュリティシールSSに形成されたコードCが、商品を販売する販売者の販売者端末20により読み取られた場合に、販売者端末20から、コードCに関するコード情報を取得する。本実施形態では、個人間取引の一例であるオンラインフリーマーケットが利用されるので、第1取得部101は、販売者及び購入者の間で行われる個人間取引における販売者の販売者端末20から、コード情報を取得する。個人間取引は、ネットオークションサービスといった他のサービスであってもよい。
【0056】
本実施形態では、撮影部26がコードCを読み取る場合を説明するが、撮影部26以外の他の読取装置によってコードCが読み取られてもよい。例えば、他の読取装置は、コードリーダ、リーダライタ、又はハンディターミナルであってもよい。コードCの読み取り自体は、公知の規格で定められている方法を利用可能である。例えば、販売者端末20は、コードCを読み取ると、販売者による操作を要することなく、サーバ10に対し、コード情報を送信してもよい。販売者端末20は、コードCを読み取った後に、販売者により所定の操作が行われた場合に、サーバ10に対し、コード情報を送信してもよい。第1取得部101は、1つの商品につき1つのコード情報だけを取得してもよい。
【0057】
本実施形態では、第1セキュリティシールSS1及び第2セキュリティシールSS2が利用されるので、第1取得部101は、商品に貼られた第1セキュリティシールSS1に形成された第1コードC1と、梱包資材に貼られた第2セキュリティシールSS2に形成された第2コードC2と、の各々が販売者端末20により読み取られた場合に、第1コードC1に関する第1コード情報と、第2コードC2に関する第2コード情報と、を販売者端末20から取得する。
【0058】
例えば、第1取得部101は、第1コード情報及び第2コード情報を、販売者端末20から一度に取得してもよいし、第1コード情報及び第2コード情報を、販売者端末20から別々に取得してもよい。即ち、第1取得部101が第1コード情報を取得するタイミングと、第1取得部101が第2コード情報を取得するタイミングと、は同じであってもよいし異なってもよい。
【0059】
[第1関連付け部]
第1関連付け部102は、商品IDと、販売者端末20から取得されたコード情報と、を関連付ける。関連付けるとは、ある情報から他の情報を検索可能な状態にすることである。本実施形態では、商品データベースDB2の同じレコードに複数の情報を格納することが関連付けることに相当する場合を例に挙げる。第1関連付け部102は、商品ID及びコード情報を同じレコードに格納することによって、商品ID及びコード情報を関連付ける。
【0060】
本実施形態では、第1セキュリティシールSS1及び第2セキュリティシールSS2が利用されるので、第1関連付け部102は、商品IDと、第1コード情報及び第2コード情報と、を関連付ける。例えば、第1関連付け部102は、商品IDと、第1コード情報及び第2コード情報と、を商品データベースDB2の同じレコードに格納する。なお、第1関連付け部102は、第1コード情報及び第2コード情報と関連付ける商品IDを、販売者端末20から取得するものとする。
【0061】
[第2取得部]
第2取得部103は、商品を購入した購入者の購入者端末30によりコードCが読み取られた場合に、購入者端末30から、コード情報を取得する。本実施形態では、個人間取引の一例であるオンラインフリーマーケットが利用されるので、第2取得部103は、個人間取引における購入者の販売者端末20から、コード情報を取得する。第1取得部101の説明と同様に、購入者端末30側の読み取りも撮影部36ではなく、コードリーダ、リーダライタ、又はハンディターミナルといった他の読取装置が利用されてもよい。
【0062】
本実施形態では、第1セキュリティシールSS1及び第2セキュリティシールSS2が利用されるので、第2取得部103は、第1コードC1及び第2コードC2の各々が購入者端末30により読み取られた場合に、購入者端末30から、第1コード情報及び第2コード情報を取得する。
【0063】
例えば、第2取得部103は、第1コード情報及び第2コード情報を、購入者端末30から一度に取得してもよいし、第1コード情報及び第2コード情報を、購入者端末30から別々に取得してもよい。即ち、第2取得部103が第1コード情報を取得するタイミングと、第2取得部103が第2コード情報を取得するタイミングと、は同じであってもよいし異なってもよい。
【0064】
[実行部]
実行部104は、商品IDに関連付けられたコード情報と、購入者端末30から取得されたコード情報と、に基づいて、商品のすり替えの検証に関するすり替え検証処理を実行する。すり替え検証処理は、商品のすり替え自体を検証する処理、又は、商品のすり替えを検証する検証者を支援する処理である。本実施形態では、管理者が検証者である場合を例に挙げるが、管理者以外の他の者が検証者であってもよい。例えば、管理者から検証業務を委託されている外部機関の者が検証者であってもよい。管理者と記載した箇所は、他の任意の検証者と読み替えることができる。
【0065】
本実施形態では、実行部104は、すり替え検証処理として、管理者が商品のすり替えを検証するための管理者画面SC3を管理者端末40に表示させる処理を実行する。例えば、実行部104は、商品IDに関連付けられたコード情報と、購入者端末30から取得されたコード情報と、に基づいて、管理者画面SC3の表示データを生成して管理者端末40に送信する。
【0066】
表示データは、管理者端末40に何らかの画面を表示させるためのデータであればよく、任意のデータ形式であってよい。例えば、管理者端末40がブラウザ上で管理者画面SC3を表示させる場合、表示データは、HTMLデータである。管理者端末40がブラウザ以外のアプリケーション上で管理者画面SC3を表示させる場合、表示データは、アプリケーションで何らかの画面を表示させるためのデータ(例えば、JPEG等の画像データ)であればよい。
【0067】
例えば、実行部104は、商品IDに関連付けられたコード情報と、購入者端末30から取得されたコード情報と、が同じである否かを判定する。実行部104は、商品IDに関連付けられたコード情報と、購入者端末30から取得されたコード情報と、が同じであるか否かの判定結果を、管理者画面SC3に表示させる。実行部104は、当該判定結果として、コード情報が同じであるか否かを示すメッセージ、アイコン、又はその他の画像を、管理者画面SC3に表示させる。これらの一連の処理がすり替え検証処理に相当してもよい。
【0068】
なお、実行部104は、商品IDに関連付けられたコード情報と、購入者端末30から取得されたコード情報と、が同じであるか否かを判定せずに、これらのコード情報を、管理者画面SC3に表示させてもよい。更に、実行部104は、商品IDに関連付けられたコード情報と、購入者端末30から取得されたコード情報と、が同じであるか否かの判定結果と、これらのコード情報と、の両方を、管理者画面SC3に表示させてもよい。これらの一連の処理がすり替え検証処理に相当してもよい。
【0069】
また、実行部104は、管理者画面SC3以外の他の方法を利用して、管理者に対する通知を送信してもよい。他の方法は、何らかの通知が可能な方法であればよく、例えば、電子メール、管理者専用のアプリケーション若しくはウェブサイト上における通知、メッセージアプリ、又はその他の方法であってよい。実行部104は、商品IDに関連付けられたコード情報と、購入者端末30から取得されたコード情報と、に基づいて、すり替え検証処理として、管理者に対し、電子メール等の通知を送信してもよい。電子メール等の通知には、上記説明した判定結果と、コード情報と、の少なくとも一方が含まれるものとする。
【0070】
例えば、実行部104は、商品IDに関連付けられたコード情報と、購入者端末から取得されたコード情報と、に基づいて、商品をすり替えた者の推定に関する推定処理を、すり替え検証処理として実行してもよい。推定処理は、商品をすり替えた者自体を推定する処理、又は、商品をすり替えた者を推定する推定者を支援する処理である。本実施形態では、管理者が推定者である場合を例に挙げるが、管理者以外の他の者が推定者であってもよい。例えば、管理者から検証業務を委託されている外部機関の者が推定者であってもよい。
【0071】
例えば、実行部104は、商品IDに関連付けられたコード情報と同じコード情報が購入者端末30から取得されなかった場合には、商品IDに関連付けられたコード情報と同じコード情報が購入者端末30から取得された場合よりも、購入者が商品をすり替えたとの推定が働くように、推定処理を実行する。実行部104は、商品IDに関連付けられたコード情報と同じコード情報が購入者端末30から取得されなかった場合には、購入者が商品をすり替えたと推定する。実行部104は、管理者画面SC3に推定結果を表示させてもよいし、管理者画面SC3以外の他の方法(例えば、電子メール)によって、管理者に対し、推定結果を通知してもよい。
【0072】
例えば、実行部104は、商品IDに関連付けられた第1コード情報及び第2コード情報と同じ第1コード情報及び第2コード情報が購入者端末30から取得されなかった場合には、商品IDに関連付けられた第1コード情報及び第2コード情報と同じ第1コード情報及び第2コード情報が購入者端末30から取得された場合よりも、購入者が商品をすり替えたとの推定が働くように、推定処理を実行する。実行部104は、商品IDに関連付けられた第1コード情報と同じ第1コード情報が購入者端末30から取得されず、かつ、商品IDに関連付けられた第2コード情報と同じ第2コード情報が購入者端末30から取得されなかった場合には、購入者が商品をすり替えたと推定する。
【0073】
なお、推定処理は、上記の例に限られない。例えば、実行部104は、販売者、配送者、及び購入者といった複数の者の各々に対し、すり替えの疑いを示すスコアを計算することによって、推定処理を実行してもよい。スコアは、任意の形式で表現可能であり、例えば、数値又は文字であってもよい。実行部104は、商品IDに関連付けられたコード情報と同じコード情報が購入者端末30から取得された場合には、商品IDに関連付けられたコード情報と同じコード情報が購入者端末30から取得されなかった場合よりも、購入者のスコアを低くして、他の者(ここでは、販売者及び配送者)のスコアを高くする。
【0074】
例えば、実行部104は、商品IDに関連付けられた第1コード情報と同じ第1コード情報が購入者端末30から取得されず、かつ、商品IDに関連付けられた第2コード情報と同じ第2コード情報が購入者端末30から取得されなかった場合には、これらの少なくとも一方が取得された場合よりも、購入者のスコアを低くして、他の者(ここでは、販売者及び配送者)のスコアを高くする。実行部104は、管理者画面SC3にスコアを表示させてもよい。
【0075】
本実施形態では、第1セキュリティシールSS1及び第2セキュリティシールSS2が利用されるので、実行部104は、商品IDに関連付けられた第1コード情報及び第2コード情報と、購入者端末から取得された第1コード情報及び第2コード情報と、に基づいて、すり替え検証処理を実行する。
図8の例であれば、実行部104は、商品IDに関連付けられた第1コード情報と同じ第1コード情報が購入者端末30から取得されたか否かを判定する。実行部104は、商品IDに関連付けられた第2コード情報と同じ第2コード情報が購入者端末30から取得されたか否かを判定する。実行部104は、これら2つの判定結果を管理者画面SC3に表示させる。
【0076】
なお、すり替え検証処理は、商品のすり替えの検証に関する何らかの処理であればよく、上記説明した処理に限られない。例えば、実行部104は、すり替え検証処理として、すり替えが行われたか否かの推定結果をデータベースに格納する処理を実行してもよい。実行部104は、すり替え検証処理として、すり替えが行われたと推定した商品の返品又は返金を開始する処理を実行してもよい。
【0077】
[3-2.販売者端末で実現される機能]
販売者端末20は、データ記憶部200、表示制御部201、及び操作受付部202を含む。データ記憶部200は、記憶部22により実現される。表示制御部201及び操作受付部202は、制御部21により実現される。
【0078】
[データ記憶部]
データ記憶部200は、販売者がオンラインフリーマーケットを利用するために必要なデータを記憶する。例えば、データ記憶部200は、ブラウザ又はオンラインフリーマーケット専用のアプリケーションを記憶する。
【0079】
[表示制御部]
表示制御部201は、販売者がオンラインフリーマーケットを利用するための販売者画面SC1を表示部25に表示させる。
【0080】
[操作受付部]
操作受付部202は、販売者がオンラインフリーマーケットを利用するための操作を受け付ける。例えば、操作受付部202は、第1コードC1を撮影部26に読み取らせるための操作と、第2コードC2を撮影部26に読み取らせるための操作と、を受け付ける。販売者端末20は、サーバ10に対し、第1コードC1から読み取られた第1コード情報と、第2コードC2から読み取られた第2コード情報と、を送信する。
【0081】
[3-3.購入者端末で実現される機能]
購入者端末30は、データ記憶部300、表示制御部301、及び操作受付部302を含む。データ記憶部300は、記憶部32により実現される。表示制御部301及び操作受付部302は、制御部31により実現される。
【0082】
[データ記憶部]
データ記憶部300は、購入者がオンラインフリーマーケットを利用するために必要なデータを記憶する。例えば、データ記憶部300は、ブラウザ又はオンラインフリーマーケット専用のアプリケーションを記憶する。
【0083】
[表示制御部]
表示制御部301は、購入者がオンラインフリーマーケットを利用するための購入者画面SC2を表示部35に表示させる。
【0084】
[操作受付部]
操作受付部302は、購入者がオンラインフリーマーケットを利用するための操作を受け付ける。例えば、操作受付部302は、第1コードC1を撮影部36に読み取らせるための操作と、第2コードC2を撮影部36に読み取らせるための操作と、を受け付ける。購入者端末30は、サーバ10に対し、第1コードC1から読み取られた第1コード情報と、第2コードC2から読み取られた第2コード情報と、を送信する。
【0085】
[3-4.管理者端末で実現される機能]
管理者端末40は、データ記憶部400、表示制御部401、及び操作受付部402を含む。データ記憶部400は、記憶部42により実現される。表示制御部401及び操作受付部402は、制御部41により実現される。
【0086】
[データ記憶部]
データ記憶部400は、管理者がすり替えを検証するために必要なデータを記憶する。例えば、データ記憶部400は、ブラウザ又はオンラインフリーマーケット専用のアプリケーションを記憶する。
【0087】
[表示制御部]
表示制御部401は、管理者がすり替えを検証するための管理者画面SC3を表示部45に表示させる。例えば、表示制御部401は、購入者が撮影した第1コードC1の撮影画像、第2コードC2の撮影画像、及び商品Iが入れられた梱包資材Pの外観の撮影画像の少なくとも1つを、管理者画面SC3に表示させてもよい。この場合、管理者は、各撮影画像の状態を目視して、商品のすり替えを検証する。
【0088】
[操作受付部]
操作受付部402は、管理者がすり替えを検証するための操作を受け付ける。
【0089】
[4.すり替え検証システム1で実行される処理]
図12は、すり替え検証システム1で実行される処理の一例を示す図である。
図12の処理は、制御部11,21,31,41がそれぞれ記憶部12,22,32,42に記憶されたプログラムに従って動作することによって実行される。本実施形態では、すり替え検証システム1で実行される処理のうち、商品の発送手続き以降の処理について説明する。
【0090】
図12のように、サーバ10及び販売者端末20の間で、販売者画面SC1を表示させるための処理が実行される(S1)。販売者端末20は、販売者がボタンB11を選択すると、撮影部26を起動し、第1コードC1及び第2コードC2の各々を読み取って第1コード情報及び第2コード情報を取得する(S2)。販売者端末20は、サーバ10に対し、第1コード情報及び第2コード情報を送信する(S3)。
【0091】
サーバ10は、販売者端末20から第1コード情報及び第2コード情報を受信すると(S4)、発送手続きの対象となる商品の商品ID、第1コード情報、及び第2コード情報を関連付けて商品データベースDB2に格納する(S5)。その後、サーバ10及び販売者端末20の間で、発送手続きを完了するための処理が実行される。以降、梱包資材Pに梱包された商品Iが発送される。
【0092】
サーバ10及び購入者端末30の間で、購入者画面SC2を表示させるための処理が実行される(S6)。購入者端末30は、購入者の操作を特定する(S7)。S7においてボタンB20が選択された場合(S7:B20)、サーバ10及び購入者端末30の間で、商品の受け取りを完了するための処理が実行され(S8)、本処理は終了する。S8の処理自体は、公知のオンラインフリーマーケットの処理であってよい。
【0093】
S7においてボタンB21が選択された場合(S7:B21)、購入者端末30は、購入者による問い合わせ内容の入力を受け付ける(S9)。S9では、
図7を参照して説明したように、購入者端末30は、コードC1を撮影するためのボタンB22の選択、コードC2を撮影するためのボタンB24の選択、及び問い合わせ内容の入力を受け付ける。購入者端末30は、サーバ10に対し、問い合わせ情報を送信する(S10)。S10では、購入者端末30は、第1コード情報、第2コード情報、撮影画像、及び問い合わせ内容を含む問い合わせ情報を、サーバ10に送信する。
【0094】
サーバ10は、購入者端末30から問い合わせ情報を受信すると(S11)、問い合わせ対象となる商品の商品IDに、問い合わせ情報を関連付けて商品データベースDB2に格納する(S12)。その後、サーバ10及び管理者端末40の間で、管理者画面SC3を表示させるための処理が、すり替え検証処理として実行され(S13)、本処理は終了する。S13では、サーバ10は、購入者端末30から受信した問合せ情報に含まれる商品IDに関連付けられて商品データベースDB2に格納されたコード情報と、購入者端末30から受信した問合せ情報に含まれるコード情報と、が同じであるか否かを判定する。サーバ10は、当該判定結果に基づいて、管理者画面SC3の表示データを生成する。
【0095】
[5.実施形態のまとめ]
本実施形態のすり替え検証システム1は、セキュリティシールSSに形成されたコードCが販売者端末20により読み取られた場合に、商品IDと、販売者端末20から取得されたコード情報と、を関連付ける。すり替え検証システム1は、購入者端末30によりコードCが読み取られた場合に、商品IDに関連付けられたコード情報と、購入者端末30から取得されたコード情報と、に基づいて、すり替え検証処理を実行する。これにより、コードCが形成されたセキュリティシールSSを利用して、商品Iのすり替えを検証できる。例えば、購入者が梱包資材Pに入っていた商品Iを偽の商品にすり替えた場合、すり替え時にセキュリティシールSSが破損するので、管理者は、商品Iが梱包資材Pから取り出されたことを把握できる。この場合、購入者が返品又は返金を申し出たとしても、管理者は、購入者の証言が偽りである可能性があることを推定できる。購入者以外の他の者がすり替えを行う場合も同様である。
【0096】
また、すり替え検証システム1は、商品Iに貼られた第1セキュリティシールSS1に形成された第1コードC1と、梱包資材Pに貼られた第2セキュリティシールSS2に形成された第2コードC2と、の各々が販売者端末20により読み取られた場合に、商品IDと、第1コード情報及び第2コード情報と、を関連付ける。すり替え検証システム1は、第1コードC1及び第2コードC2の各々が購入者端末30により読み取られた場合に、商品IDに関連付けられた第1コード情報及び第2コード情報と、購入者端末30から取得された第1コード情報及び第2コード情報と、に基づいて、すり替え検証処理を実行する。これにより、管理者は、第1セキュリティシールSS1によって、商品Iが梱包資材Pから取り出されたことを特定できる。管理者は、第2セキュリティシールSS2によって、梱包資材Pが開けられたことを特定できる。これにより、管理者は、商品Iのすり替えを、より精度よく検証できる。
【0097】
また、すり替え検証システム1は、商品IDに関連付けられたコード情報と、購入者端末30から取得されたコード情報と、に基づいて、商品Iをすり替えた者の推定に関する推定処理を、すり替え検証処理として実行する。これにより、商品Iをすり替えた者を推定できる。例えば、すり替え検証システム1は、商品Iのすり替えが行われたか否かだけではなく、誰が商品Iをすり替えたかを推定することによって、オンラインフリーマーケットの健全化を図ることができる。
【0098】
また、すり替え検証システム1は、商品IDに関連付けられたコード情報と同じコード情報が購入者端末30から取得されなかった場合には、商品IDに関連付けられたコード情報と同じコード情報が購入者端末30から取得された場合よりも、購入者が商品Iをすり替えたとの推定が働くように、推定処理を実行する。これにより、商品Iをすり替えた者を、より精度よく推定できる。例えば、すり替え検証システム1は、購入者端末30から正当なコード情報を受信しなかった場合に、すり替え検証処理として、購入者が商品Iをすり替えた可能性を管理者画面SC3に表示させる処理を実行する。この場合、管理者は、誰が商品Iをすり替えたかを推定しやすくなる。
【0099】
また、すり替え検証システム1は、販売者及び購入者の間で行われる個人間取引における販売者の販売者端末20から、コード情報を取得する。すり替え検証システム1は、個人間取引における購入者の販売者端末20から、コード情報を取得する。これにより、個人間取引における商品Iのすり替えを検証できる。
【0100】
[6.変形例]
なお、本開示は、以上に説明した実施形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【0101】
図13は、変形例において実現される機能の一例を示す図である。以降説明する変形例では、第2関連付け部105、表示制御部106、第1撮影画像取得部107、第1判定部108、第2撮影画像取得部109、及び第2判定部110が実現される。第2関連付け部105、表示制御部106、第1撮影画像取得部107、第1判定部108、第2撮影画像取得部109、及び第2判定部110の各々は、制御部11により実現される。
【0102】
[6-1.変形例1]
例えば、実施形態では、管理者が販売者にセキュリティシールSSを送付する場合を例に挙げた。サーバ10は、どの販売者にどのセキュリティシールSSが送付されたかを管理してもよい。変形例1のすり替え検証システム1は、第2関連付け部105を含む。第2関連付け部105は、販売者のユーザIDと、販売者及び購入者が利用するオンラインフリーマーケットの管理者から販売者に配送されたセキュリティシールSSに形成されたコードCのコード情報と、を関連付ける。
【0103】
販売者のユーザIDは、販売者を識別可能な販売者識別情報の一例である。このため、販売者のユーザIDと記載した箇所は、販売者識別情報と読み替えることができる。販売者識別情報は、販売者のユーザ識別情報であればよく、販売者のユーザID以外の他の情報であってもよい。例えば、販売者識別情報は、販売者のメールアドレス又は電話番号であってもよい。なお、実施形態で説明したように、オンラインフリーマーケットは、電子商取引サービスの一例である。
【0104】
変形例1のユーザデータベースDB1には、管理者がユーザに送付したセキュリティシールSSのコードCにコード化されたコード情報が格納される。ある取引における購入者が他の取引の販売者になることがあるので、ここでは、販売者及び購入者を区別せずに、ユーザという。例えば、管理者端末40は、管理者は、ユーザにセキュリティシールSSを送付する場合、当該ユーザのユーザIDと、当該セキュリティシールSSのコードCにコード化されたコード情報と、を操作部44から入力する。
【0105】
例えば、第2関連付け部105は、管理者端末40から、管理者が入力したユーザID及びコード情報を取得する。第2関連付け部105は、管理者端末40から取得したユーザID及びコード情報を互いに関連付けてユーザデータベースDB1に格納する。ユーザID及びコード情報は、ユーザデータベースDB1以外の他のデータベースに格納されてもよい。セキュリティシールSSには、予めコードCが形成されていてもよいし、管理者端末40に接続された画像形成装置がセキュリティシールSSにコードCを形成してもよい。
【0106】
なお、ユーザID及びコード情報は、操作部44から入力されるのではなく、記憶部42、外部の情報記憶媒体、又は管理者端末40以外の他のコンピュータに記憶されていてもよい。この場合、第2関連付け部105は、記憶部42、外部の情報記憶媒体、又は他のコンピュータに記憶されたユーザID及びコード情報を、互いに関連付けてユーザデータベースDB1に格納する。ユーザID及びコード情報は、管理者端末40のカメラ又はコードリーダ等の読取装置によって読み取られてもよい。この場合、第2関連付け部105は、管理者端末40の読取装置によって読み取られたユーザID及びコード情報を、互いに関連付けてユーザデータベースDB1に格納する。
【0107】
変形例1の第1関連付け部102は、販売者のユーザIDに関連付けられたコード情報が販売者端末20から取得された場合に、商品IDと、コード情報と、を関連付ける。第1関連付け部102は、ある販売者の販売者端末20から何らかのコード情報が取得された場合に、ユーザデータベースDB1を参照し、当該販売者のユーザIDに、当該コード情報が関連付けられているか否かを判定する。第1関連付け部102は、これらが関連付けられていると判定された場合に、商品IDと、コード情報と、を関連付ける。
【0108】
例えば、第1関連付け部102は、販売者のユーザIDに関連付けられていないコード情報が販売者端末20から取得された場合には、商品IDと、コード情報と、を関連付けない。この場合、販売者が、他のユーザから何らかの形で不正にセキュリティシールSSを入手したり、不正なセキュリティシールSSを自作したりした可能性があるので、第1関連付け部102は、商品ID及びコード情報を関連付けない。販売者画面SC1には、エラーメッセージが表示される。この場合、すり替え検証システム1は、販売者が発送手続きを完了できないようにしてもよいし、セキュリティシールSSが貼り付けられずに商品Iの発送が行われてもよい。
【0109】
変形例1のすり替え検証システム1は、販売者のユーザIDと、管理者から販売者に配送されたセキュリティシールSSに形成されたコードCのコード情報と、を関連付ける。すり替え検証システム1は、販売者のユーザIDに関連付けられたコード情報が販売者端末20から取得された場合に、商品IDと、コード情報と、を関連付ける。これにより、商品のすり替えを、より精度よく検証できる。例えば、販売者が、他のユーザから何らかの形で不正にセキュリティシールSSを入手したり、不正なセキュリティシールSSを自作したりした場合には、販売者のユーザIDと、コード情報と、が関連付けられないので、販売者による不正を防止できる。
【0110】
[6-2.変形例2]
例えば、変形例1において、実行部104は、販売者のユーザID及び商品IDに関連付けられたコード情報と、購入者端末30から取得されたコード情報と、に基づいて、すり替え検証処理を実行してもよい。実行部104は、ある購入者の購入者端末30からコード情報が取得された場合に、ユーザデータベースDB1又は商品データベースDB2を参照し、この購入者が購入した商品の商品IDに関連付けられたコード情報を取得する。
【0111】
例えば、実行部104は、購入者端末30から取得されたコード情報と、ユーザデータベースDB1から取得されたコード情報と、が同じであるか否かを判定する。実行部104は、これらが同じであるか否かの判定結果に基づいて、すり替え検証処理を実行する。実行部104は、これらが同じであるか否かの判定結果を管理者画面SC3に表示させることによって、すり替え検証処理を実行する。
【0112】
変形例2のすり替え検証システム1は、販売者のユーザID及び商品IDに関連付けられたコード情報と、購入者端末30から取得されたコード情報と、に基づいて、すり替え検証処理を実行する。これにより、商品のすり替えを、より精度よく検証できる。例えば、購入者が、他のユーザから何らかの形で不正にセキュリティシールSSを入手したり、不正なセキュリティシールSSを自作したりした場合には、商品IDに関連付けられたコード情報と、販売者端末20から取得されたコード情報と、が同じではないので、購入者による不正を防止できる。
【0113】
[6-3.変形例3]
例えば、実施形態では、
図3及び
図4の手順で商品Iが梱包資材Pに梱包される場合を例に挙げた。この一連の手順は、販売者端末20で表示されてもよい。変形例3のすり替え検証システム1は、表示制御部106を含む。表示制御部106は、セキュリティシールSSのうち、コードCが形成されたコードC形成部分が商品Iに貼られ、かつ、他の部分が梱包資材Pに貼られるように販売者に案内するための案内画面を、販売者端末20に表示させる。
【0114】
案内画面は、
図3及び
図4で説明した手順を示す情報を含む。この情報は、テキスト、画像、動画、又はこれらの組み合わせであってもよい。例えば、表示制御部106は、案内画面の表示データを販売者端末20に送信することによって、案内画面を販売者端末20に表示させる。表示データは、何らかの画面を表示するためのデータであればよく、任意のデータ形式であってよい。例えば、ブラウザが利用される場合には、表示データは、HTMLデータである。オンラインフリーマーケット専用のアプリケーションが利用される場合には、表示データは、アプリケーション上で何らかの画面を表示するためのデータであればよい。
【0115】
変形例3のデータ記憶部100は、案内画面の表示データを記憶する。表示制御部106は、販売者端末20に対し、データ記憶部100に記憶された案内画面の表示データを送信する。表示制御部106は、データ記憶部100に記憶された案内画面の表示データをそのまま送信するのではなく、データ記憶部100に記憶されたデータに基づいて、案内画面の最終的な表示データを生成し、販売者端末20に対し、当該生成した表示データを送信してもよい。
【0116】
変形例3のすり替え検証システム1は、セキュリティシールSSのうち、コードCが形成されたコードC形成部分が商品Iに貼られ、かつ、他の部分が梱包資材Pに貼られるように販売者に案内するための案内画面を、販売者端末20に表示させる。これにより、販売者の利便性が高まる。すり替えの検証に最適な状態で販売者が荷物Iを発送できる。
【0117】
[6-4.変形例4]
例えば、梱包資材Pが透明又は半透明の部材Mを含む場合には、商品Iが梱包資材Pに適切に梱包されているか否かが画像処理によって判定されるようにしてもよい。
図2の例では、販売者は、販売者画面SC1から第1コードC1及び第2コードC2を撮影する前又は後のタイミングで、商品Iが梱包された梱包資材Pを撮影部26で撮影する。変形例4のすり替え検証システム1は、第1撮影画像取得部107及び第1判定部108を含む。
【0118】
第1撮影画像取得部107は、商品Iが梱包された梱包資材Pが販売者端末20で撮影された場合に、販売者端末20から、梱包資材Pを示す撮影画像を取得する。例えば、販売者画面SC1には、梱包が完了した後に、梱包資材Pの外側から梱包済みの商品Iを撮影するように促すメッセージが表示される。販売者端末20は、販売者が撮影部26で梱包資材Pの外側から梱包資材Pを撮影した場合に、サーバ10に対し、撮影部26により生成された撮影画像を送信する。
【0119】
第1判定部108は、撮影画像に基づいて、商品Iに貼られたセキュリティシールSSが部材Mを介して梱包資材Pの外側から見えるか否かを判定する。例えば、第1判定部108は、撮影画像に基づいて、コードCを検出可能であるか否かを判定する。第1判定部108は、コードCを検出可能であると判定した場合に、セキュリティシールSSが部材Mを介して梱包資材Pの外側から見えると判定する。第1判定部108は、コードCを検出可能ではないと判定した場合に、セキュリティシールSSが部材Mを介して梱包資材Pの外側から見えないと判定する。
【0120】
なお、第1判定部108は、梱包資材Pのうち、部材Mを含む側面が示されたテンプレート画像と、販売者端末20から受信した撮影画像と、に基づいて、撮影画像に部材Mが示されているか否かを判定してもよい。更に、第1判定部108は、部材Mの特徴が学習された機械学習モデルを利用して、撮影画像に部材Mが示されているか否かを判定してもよい。機械学習モデル自体は、画像処理で利用される公知のモデルであってよい。第1判定部108は、撮影画像に部材Mが示されており、かつ、部材Mを介してセキュリティシールSSが梱包資材Pの外側から見えるか否かを判定する。
【0121】
変形例4のすり替え検証システム1は、第1判定部108の判定結果に基づいて、所定の処理を実行する。変形例4では、所定の処理の一例として、販売者による発送を許可する処理を説明するが、所定の処理は、予め定められた処理であればよく、他の処理であってもよい。例えば、所定の処理は、商品のすり替えが発生した場合に販売者がすり替えたと推定する処理、販売者が商品をすり替えたことを示すスコアを高くする処理、又は販売者若しくは管理者に何らかの通知を送信する処理であってもよい。
【0122】
例えば、すり替え検証システム1は、商品Iに貼られたセキュリティシールSSが部材Mを介して梱包資材Pの外側から見えると判定されない場合に、販売者による発送を許可せず、商品Iに貼られたセキュリティシールSSが部材Mを介して梱包資材Pの外側から見えると判定された場合に、販売者による発送を許可する。変形例4では、
図2の左上の販売者画面SC1のボタンB12を選択できるようにすることを、発送を許可することに相当する場合を説明するが、販売者による発送の手続きを完了させることが発送を許可することに相当すればよい。例えば、取引のステータスを発送の手続きが完了したことを示すように変更すること、又は、ボタンB12を表示させることが発送を許可することに相当してもよい。
【0123】
変形例4のすり替え検証システム1は、撮影画像に基づいて、商品Iに貼られたセキュリティシールSSが部材Mを介して梱包資材Pの外側から見えるか否かを判定する。これにより、販売者は、適切な状態で商品Iを発送できるようになる。
【0124】
[6-5.変形例5]
例えば、セキュリティシールSSには、複数のコードCが形成されていてもよい。個々のコードCには、互いに異なるコード情報がコード化されているものとするが、互いに同じコード情報がコード化されていてもよい。1つのセキュリティシールSSに形成されるコードCの数は、任意の数であってよい。例えば、1つのセキュリティシールSSには、2つ、3つ、又はそれ以上のコードCが形成されていてもよい。更に、1つのセキュリティシールSSには、バーコード及び二次元コードが混在してもよい。
【0125】
第1取得部101は、セキュリティシールSSに形成された複数のコードCの各々が販売者端末20により読み取られた場合に、販売者端末20から、複数のコードCの各々のコード情報を取得する。個々のコードCを読み取る手順自体は、実施形態と同様である。販売者端末20は、サーバ10に対し、複数のコード情報を一度にまとめて送信してもよいし、複数のコード情報の各々を別々に送信してもよい。
【0126】
変形例7の第1関連付け部102は、商品IDと、複数のコードCの各々のコード情報と、を関連付ける。第1関連付け部102は、1つの商品IDに複数のコード情報を関連付ける。個々のコード情報を商品IDに関連付けるための処理は、実施形態と同様である。
【0127】
第2取得部103は、購入者端末30により複数のコードCの各々が読み取られた場合に、購入者端末30から、複数のコードCの各々のコード情報を取得する。個々のコードCを読み取る手順自体は、実施形態と同様である。購入者端末30は、サーバ10に対し、複数のコード情報を一度にまとめて送信してもよいし、複数のコード情報の各々を別々に送信してもよい。
【0128】
実行部104は、商品IDに関連付けられた複数のコードCの各々のコード情報と、購入者端末30から取得された複数のコードCの各々のコード情報と、すり替え検証処理を実行する。例えば、実行部104は、商品IDに関連付けられた複数のコード情報のうち、同じコード情報が購入者端末30から受信した数をカウントする。実行部104は、当該カウントされた数を管理者画面SC3に表示させることによって、すり替え検証処理を実行する。
【0129】
変形例5のすり替え検証システム1は、セキュリティシールSSに形成された複数のコードCの各々が販売者端末20により読み取られた場合に、商品IDと、複数のコードCの各々のコード情報と、を関連付ける。すり替え検証システム1は、購入者端末30により複数のコードCの各々が読み取られた場合に、商品IDに関連付けられた複数のコードCの各々のコード情報と、購入者端末30から取得された複数のコードCの各々のコード情報と、すり替え検証処理を実行する。これにより、商品のすり替えを検証できる。
【0130】
[6-6.変形例6]
例えば、変形例4では、販売者が梱包済みの梱包資材Pを撮影する場合を説明したが、購入者側で同様の処理が実行されてもよい。変形例6のすり替え検証システム1は、第2撮影画像取得部109及び第2判定部110を含む。
【0131】
第2撮影画像取得部109は、商品Iが梱包された梱包資材Pが購入者端末30で撮影された場合に、購入者端末30から、梱包資材Pを示す撮影画像を取得する。例えば、購入者画面SC2には、商品Iが到着した後に、梱包資材Pの外側から梱包済みの商品Iを撮影するように促すメッセージが表示される。購入者端末30は、購入者が撮影部36で梱包資材Pの外側から梱包資材Pを撮影した場合に、サーバ10に対し、撮影部36により生成された撮影画像を送信する。
【0132】
第2判定部110は、撮影画像に基づいて、商品Iに貼られたセキュリティシールSSが部材Mを介して梱包資材Pの外側から見えるか否かを判定する。例えば、第2判定部110は、撮影画像に基づいて、コードCを検出可能であるか否かを判定する。第2判定部110は、コードCを検出可能であると判定した場合に、セキュリティシールSSが部材Mを介して梱包資材Pの外側から見えると判定する。第2判定部110は、コードCを検出可能ではないと判定した場合に、セキュリティシールSSが部材Mを介して梱包資材Pの外側から見えないと判定する。
【0133】
なお、第2判定部110は、梱包資材Pのうち、部材Mを含む側面が示されたテンプレート画像と、購入者端末30から受信した撮影画像と、に基づいて、撮影画像に部材Mが示されているか否かを判定してもよい。更に、第2判定部110は、部材Mの特徴が学習された機械学習モデルを利用して、撮影画像に部材Mが示されているか否かを判定してもよい。機械学習モデル自体は、画像処理で利用される公知のモデルであってよい。第2判定部110は、撮影画像に部材Mが示されており、かつ、部材Mを介してセキュリティシールSSが梱包資材Pの外側から見えるか否かを判定する。
【0134】
変形例6のすり替え検証システム1は、第2判定部110の判定結果に基づいて、所定の処理を実行する。変形例6では、所定の処理の一例として、購入者に受取手続きの完了を許可する処理を説明するが、所定の処理は、予め定められた処理であればよく、他の処理であってもよい。例えば、所定の処理は、商品のすり替えが発生した場合に購入者がすり替えたと推定する処理、購入者が商品をすり替えたことを示すスコアを高くする処理、又は購入者若しくは管理者に何らかの通知を送信する処理であってもよい。
【0135】
例えば、すり替え検証システム1は、商品Iに貼られたセキュリティシールSSが部材Mを介して梱包資材Pの外側から見えると判定されない場合に、購入者による受取手続きを許可せず、商品Iに貼られたセキュリティシールSSが部材Mを介して梱包資材Pの外側から見えると判定された場合に、購入者による受取手続きを許可する。変形例6では、
図7の左上の購入者画面SC2のボタンB20を選択できるようにすることを、受取手続きを許可することに相当する場合を説明するが、例えば、取引のステータスを受取手続きが完了したことを示すように変更すること、又は、ボタンB20を表示させることが受取手続きを許可することに相当してもよい。
【0136】
変形例6のすり替え検証システム1は、撮影画像に基づいて、商品Iに貼られたセキュリティシールSSが部材Mを介して梱包資材Pの外側から見えるか否かを判定する。これにより、商品のすり替えを、より精度よく検証できる。
【0137】
[6-7.変形例7]
例えば、セキュリティシールSSは、実施形態の例に限られない。変形例7では、コード情報が形成された第1用紙と、コード情報を読み取るための定型部分が形成された第2用紙と、を含むセキュリティシールSSを例に挙げる。定型部分は、コードの規格で定められた部分であり、例えば、二次元コードのファインダパターン(切り出しシンボル)、アライメントパターン、タイミングパターン、フォーマット情報、又はこれらの組み合わせである。定型部分は、バーコードのスタートキャラクタの部分、ストップキャラクタの部分、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0138】
図14は、変形例7のセキュリティシールSSの一例を示す図である。
図14の例では、定型部分がファインダパターンである場合を説明する。例えば、第1用紙p1は、コード情報が形成されている。ここでのコード情報は、定型部分以外の他の部分である。即ち、コード情報は、コード化の対象となる部分である。第1用紙p1には、二次元コードのファインダパターンが形成されていない。第2用紙p2は、二次元コードのファインダパターンが形成されている。第2用紙p2は、コード情報が形成されていない。
【0139】
変形例7では、第1用紙p1が粘着面を有さない単なる紙であり、第2用紙p2がセキュリティシールの一種である場合を説明する。第2用紙p2のうち、定型部分以外の部分は、透明又は半透明であるものとする。このため、販売者が第1用紙p1の上から第2用紙p2を貼り付けると、セキュリティシールSSが完成する。販売者は、第1用紙p1を上から第2用紙p2で押さえ付けるようにして、商品I又は梱包資材Pに貼り付ける。第1用紙p1及び第2用紙p2は、両方ともセキュリティシールの一種であってもよい。販売者が第2用紙p2の上から第1用紙p1を貼り付けると、セキュリティシールSSが完成するタイプであってもよい。即ち、第1用紙p1及び第2用紙p2は、何れが上になってもよい。
【0140】
変形例7の第1取得部101は、コード情報が形成された第1用紙と、コード情報を読み取るための定型部分が形成された第2用紙と、を含むセキュリティシールSSが販売者端末20により読み取られた場合に、販売者端末20からコード情報を取得する。第2取得部103は、第1用紙及び第2用紙を含むセキュリティシールSSが購入者端末30により読み取られた場合に、購入者端末30からコード情報を取得する。第1取得部101及び第2取得部103の処理自体は、実施形態と同様である。
【0141】
変形例7のすり替え検証システム1は、コード情報が形成された第1用紙と、コード情報を読み取るための定型部分が形成された第2用紙と、を含むセキュリティシールSSが販売者端末20により読み取られた場合に、販売者端末20からコード情報を取得する。すり替え検証システム1は、第1用紙及び第2用紙を含むセキュリティシールSSが購入者端末30により読み取られた場合に、購入者端末30からコード情報を取得する。これにより、商品Iのすり替えを、より精度よく検証できる。更に、悪意のある者がセキュリティシールSSを偽造しにくくなる。
【0142】
[6-8.変形例8]
例えば、1つの梱包資材Pに複数の商品Iが梱包されてもよい。この場合、個々の商品Iに別々のセキュリティシールSSが貼られてもよい。変形例8の第1取得部101は、複数の商品Iの各々又は当該複数の商品Iを梱包する梱包資材Pに貼られたセキュリティシールSSに形成されたコードCが販売者端末20により読み取られた場合に、販売者端末20からコード情報を取得する。個々の商品Iに貼られたセキュリティシールSSからコード情報を取得する処理自体は、実施形態で説明した通りである。
【0143】
変形例8の第2取得部103は、複数の商品Iの各々又は当該複数の商品Iを梱包する梱包資材Pに貼られたセキュリティシールSSに形成されたコードCが購入者端末30により読み取られた場合に、購入者端末からコード情報を取得する。個々の商品Iに貼られたセキュリティシールSSからコード情報を取得する処理自体は、実施形態で説明した通りである。
【0144】
変形例8のすり替え検証システム1は、複数の商品Iの各々又は当該複数の商品Iを梱包する梱包資材Pに貼られたセキュリティシールSSに形成されたコードCが販売者端末20により読み取られた場合に、販売者端末20からコード情報を取得する。すり替え検証システム1は、複数の商品Iの各々又は当該複数の商品Iを梱包する梱包資材Pに貼られたセキュリティシールSSに形成されたコードCが購入者端末30により読み取られた場合に、購入者端末からコード情報を取得する。これにより、商品Iのすり替えを、より精度よく検証できる。
【0145】
[6-9.変形例9]
例えば、悪意のある購入者等は、セキュリティシールSSを剥がさずに切断することによって、すり替えを行うことがある。
図6の例であれば、悪意のある購入者等は、セキュリティシールSS2のうち、梱包資材Pの上面と、梱包資材Pの側面と、をつなぐ部分を切断することによって、梱包資材Pの上面を開けることがある。悪意のある購入者等は、セキュリティシールSS1のうち、商品Iと梱包資材Pの底面をつなぐ部分を切断することによって、商品Iを取り出すことがある。
【0146】
上記のような不正を防止するために、すり替え検証システム1に係るサーバ10は、購入者端末30が梱包資材P上のセキュリティシールSSからコード情報を読み取る際に、購入者端末30にセキュリティシールSS上のコードC周辺の状況を示す画像を取得させ、コード情報とともにサーバ10へ送信させてもよい。コードC周辺の状況は、セキュリティシールSSのうち、コードC以外の他の部分の全部又は一部である。
【0147】
例えば、すり替え検証システム1に係るサーバ10は、セキュリティシールSSが切断されたことを示す線状のオブジェクト(例えば、セキュリティシールSSの切断面を示す線)を画像中のセキュリティシールSSから検出した場合に、購入者端末30が読み取ったコード情報を無効なコード情報として扱い、すり替えが発生したことを示す判定結果を決定してもよい。サーバ10は、公知の画像処理モデルを利用してセキュリティシールSSにおける切断等の異常を示すオブジェクトを検出してもよい。
【0148】
変形例9のすり替え検証システム1は、悪意をもった購入者等がセキュリティシールSSを剥離せずに切断することで本発明に係るすり替え検証処理を突破することを、防止することができる。また、すり替え検証システム1に係るサーバ10は、購入者端末30から問い合わせ情報を受信した後に、コード情報及び/又はコードC周辺の状況を示す画像を再び購入者端末30に取得させサーバ10へ送信させてもよい。ここで、サーバ10は、購入者端末30からサーバ10へ再び送信されるコード情報及び/又はコードC周辺の状況を示す画像にタイムスタンプを付与させてもよい。これらの点は、実施形態及び変形例1~8についても同様である。
【0149】
[6-10.その他の変形例]
例えば、上記説明した変形例を組み合わせてもよい。
【0150】
例えば、サーバ10で実現されるものとして説明した機能は、すり替え検証システム1における少なくとも1つのコンピュータにより実現されるようにすればよく、複数のコンピュータで機能が分担されてもよい。この場合、複数のコンピュータの各々が、他のコンピュータに対し、自身の処理結果を送信することによって、機能の分担が実現されるようにすればよい。例えば、サーバ10で実現されるものとして説明した機能は、管理者端末40により実現されてもよい。
【0151】
[7.付記]
例えば、本開示に係るすり替え検証システムは、下記のような構成も可能である。
(1)
商品又は当該商品の梱包資材に貼られたセキュリティシールに形成されたコードが、前記商品を販売する販売者の販売者端末により読み取られた場合に、前記販売者端末から、前記コードに関するコード情報を取得する第1取得部と、
前記商品を識別可能な商品識別情報と、前記販売者端末から取得された前記コード情報と、を関連付ける第1関連付け部と、
前記商品を購入した購入者の購入者端末により前記コードが読み取られた場合に、前記購入者端末から、前記コード情報を取得する第2取得部と、
前記商品識別情報に関連付けられた前記コード情報と、前記購入者端末から取得された前記コード情報と、に基づいて、前記商品のすり替えの検証に関するすり替え検証処理を実行する実行部と、
を含むすり替え検証システム。
(2)
前記第1取得部は、前記商品に貼られた第1セキュリティシールに形成された第1コードと、前記梱包資材に貼られた第2セキュリティシールに形成された第2コードと、の各々が前記販売者端末により読み取られた場合に、前記第1コードに関する第1コード情報と、前記第2コードに関する第2コード情報と、を前記販売者端末から取得し、
前記第1関連付け部は、前記商品識別情報と、前記第1コード情報及び前記第2コード情報と、を関連付け、
前記第2取得部は、前記第1コード及び前記第2コードの各々が前記購入者端末により読み取られた場合に、前記購入者端末から、前記第1コード情報及び前記第2コード情報を取得し、
前記実行部は、前記商品識別情報に関連付けられた前記第1コード情報及び前記第2コード情報と、前記購入者端末から取得された前記第1コード情報及び前記第2コード情報と、に基づいて、前記すり替え検証処理を実行する、
(1)に記載のすり替え検証システム。
(3)
前記すり替え検証システムは、前記販売者を識別可能な販売者識別情報と、前記販売者及び前記購入者が利用する電子商取引サービスの管理者から前記販売者に配送された前記セキュリティシールに形成された前記コードの前記コード情報と、を関連付ける第2関連付け部を更に含み、
前記第1関連付け部は、前記販売者識別情報に関連付けられた前記コード情報が前記販売者端末から取得された場合に、前記商品識別情報と、前記コード情報と、を関連付ける、
(1)又は(2)に記載のすり替え検証システム。
(4)
前記実行部は、前記販売者識別情報及び前記商品識別情報に関連付けられた前記コード情報と、前記購入者端末から取得された前記コード情報と、に基づいて、前記すり替え検証処理を実行する、
(3)に記載のすり替え検証システム。
(5)
前記すり替え検証システムは、前記セキュリティシールのうち、前記コードが形成されたコード部分が前記商品に貼られ、かつ、他の部分が前記梱包資材に貼られるように前記販売者に案内するための案内画面を、前記販売者端末に表示させる表示制御部を更に含む、
(1)~(4)の何れかに記載のすり替え検証システム。
(6)
前記実行部は、前記商品識別情報に関連付けられた前記コード情報と、前記購入者端末から取得された前記コード情報と、に基づいて、前記商品をすり替えた者の推定に関する推定処理を、前記すり替え検証処理として実行する、
(1)~(5)の何れかに記載のすり替え検証システム。
(7)
前記実行部は、前記商品識別情報に関連付けられた前記コード情報と同じ前記コード情報が前記購入者端末から取得されなかった場合には、前記商品識別情報に関連付けられた前記コード情報と同じ前記コード情報が前記購入者端末から取得された場合よりも、前記購入者が前記商品をすり替えたとの推定が働くように、前記推定処理を実行する、
(6)に記載のすり替え検証システム。
(8)
前記梱包資材は、透明又は半透明の部材を含み、
前記すり替え検証システムは、
前記商品が梱包された前記梱包資材が前記販売者端末で撮影された場合に、前記販売者端末から、前記梱包資材を示す撮影画像を取得する第1撮影画像取得部と、
前記撮影画像に基づいて、前記商品に貼られた前記セキュリティシールが前記部材を介して前記梱包資材の外側から見えるか否かを判定する第1判定部と、
(1)~(7)の何れかに記載のすり替え検証システム。
(9)
前記第1取得部は、前記セキュリティシールに形成された複数の前記コードの各々が前記販売者端末により読み取られた場合に、前記販売者端末から、前記複数のコードの各々の前記コード情報を取得し、
前記第1関連付け部は、前記商品識別情報と、前記複数のコードの各々の前記コード情報と、を関連付け、
前記第2取得部は、前記購入者端末により前記複数のコードの各々が読み取られた場合に、前記購入者端末から、前記複数のコードの各々の前記コード情報を取得し、
前記実行部は、前記商品識別情報に関連付けられた前記複数のコードの各々の前記コード情報と、前記購入者端末から取得された前記複数のコードの各々の前記コード情報と、前記すり替え検証処理を実行する、
(1)~(8)の何れかに記載のすり替え検証システム。
(10)
前記梱包資材は、透明又は半透明の部材を含み、
前記すり替え検証システムは、
前記商品が梱包された前記梱包資材が前記購入者端末で撮影された場合に、前記購入者端末から、前記梱包資材を示す撮影画像を取得する第2撮影画像取得部と、
前記撮影画像に基づいて、前記商品に貼られた前記セキュリティシールが前記部材を介して前記梱包資材の外側から見えるか否かを判定する第2判定部と、
を更に含む(1)~(9)の何れかに記載のすり替え検証システム。
(11)
前記第1取得部は、前記コード情報が形成された第1用紙と、前記コード情報を読み取るための定型部分が形成された第2用紙と、を含む前記セキュリティシールが前記販売者端末により読み取られた場合に、前記販売者端末から前記コード情報を取得し、
前記第2取得部は、前記第1用紙及び前記第2用紙を含む前記セキュリティシールが前記購入者端末により読み取られた場合に、前記購入者端末から前記コード情報を取得する、
(1)~(10)の何れかに記載のすり替え検証システム。
(12)
前記第1取得部は、複数の前記商品の各々又は当該複数の商品を梱包する前記梱包資材に貼られた前記セキュリティシールに形成された前記コードが前記販売者端末により読み取られた場合に、前記販売者端末から前記コード情報を取得し、
前記第2取得部は、前記複数の商品の各々又は当該複数の商品を梱包する前記梱包資材に貼られた前記セキュリティシールに形成された前記コードが前記購入者端末により読み取られた場合に、前記購入者端末から前記コード情報を取得する、
(1)~(11)の何れかに記載のすり替え検証システム。
(13)
前記第1取得部は、前記販売者及び前記購入者の間で行われる個人間取引における前記販売者の前記販売者端末から、前記コード情報を取得し、
前記第2取得部は、前記個人間取引における前記購入者の前記販売者端末から、前記コード情報を取得する、
(1)~(12)の何れかに記載のすり替え検証システム。
【符号の説明】
【0152】
1 すり替え検証システム、N ネットワーク、10 サーバ、11,21,31,41 制御部、12,22,32,42 記憶部、13,23,33,43 通信部、20 販売者端末、24,34,44 操作部、25,35,45 表示部、26,36 撮影部、30 購入者端末、40 管理者端末、100 データ記憶部、101 第1取得部、102 第1関連付け部、103 第2取得部、104 実行部、105 第2関連付け部、106 表示制御部、107 第1撮影画像取得部、108 第2撮影画像取得部、109 第2判定部、200 データ記憶部、201 表示制御部、202 操作受付部、300 データ記憶部、301 表示制御部、302 操作受付部、400 データ記憶部、401 表示制御部、402 操作受付部、B10,B11,B12,B13,B14,B15,B16,B20,B21,B22,B23,B24,B25,B26,B27 ボタン、DB1 ユーザデータベース、DB2 商品データベース、P10 第1コード部分、P11 他の部分、P20 第2コード部分、P21 他の部分、SC1 販売者画面、SC2 購入者画面、SC3 管理者画面。