(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】圧力センサのグループを動作させるための方法
(51)【国際特許分類】
G01L 21/12 20060101AFI20241205BHJP
G01L 27/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G01L21/12
G01L27/00
(21)【出願番号】P 2023522894
(86)(22)【出願日】2020-10-14
(86)【国際出願番号】 EP2020078937
(87)【国際公開番号】W WO2022078594
(87)【国際公開日】2022-04-21
【審査請求日】2023-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】518303251
【氏名又は名称】インフィコン・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアウス,ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】エンデレス,ロルフ
(72)【発明者】
【氏名】ベルク,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ビュースト,マルティン
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第10238961(DE,A1)
【文献】独国特許出願公開第19860500(DE,A1)
【文献】特開2001-330543(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 21/12
G01L 27/00-27/02
G01N 7/00- 7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通測定ボリューム(2)内の圧力を測定するように構成されている圧力センサ(1’、1”)のグループ(1)を動作させるための方法であって、
前記圧力センサのグループは、少なくとも、第1の圧力測定範囲(4’)を有する第1の圧力センサ(1’)と、第2の圧力測定範囲(4”)を有する第2の圧力センサ(1”)とを備え、前記第1の圧力測定範囲および前記第2の圧力測定範囲は重複圧力測定範囲(6)内で重複し、
前記第1の圧力センサ(1’)は、第1の間接圧力測定原理に基づいており、参照気体(G
ref)に対して較正された第1の測定信号を出力するように適応されており、前記第2の圧力センサ(1”)は、第2の間接圧力測定原理に基づいており、前記参照気体に対して較正された第2の測定信号を出力するように適応されており、
前記方法は、
a)前記第1の測定信号の気体種類特有の第1の較正データ(K
1[G
i])および前記第2の測定信号の気体種類特有の第2の較正データ(K
2[G
i])を提供するステップであって、前記第1の較正データおよび前記第2の較正データは、前記参照気体とは異なる少なくとも1つの第1の気体種類(G
1)を含む気体種類のリストについて、それぞれ前記第1の測定信号および前記第2の測定信号の、有効圧力(p
eff)および前記共通測定ボリューム内の気体種類に対する依存性を記述する、提供するステップ(101)と、
b)前記第1の測定信号の第1の測定値(p
1)および前記第2の測定信号の第2の測定値(p
2)を実質的に同時に記録するステップ(102)と、
c)前記第1の較正データおよび前記第2の較正データを考慮に入れて、記録された前記第1の測定値(p
1)と記録された前記第2の測定値(p
2)との組み合わせに最もよく一致する前記気体種類のリスト内の気体種類として、結果もたらされる気体種類(G
*)を決定するステップ(103)とを含む、方法。
【請求項2】
d)結果もたらされる圧力(p
*)を、前記結果もたらされる気体種類についての記録された前記第1の測定値(p
1)および前記第1の較正データの関数として、ならびに/または、前記結果もたらされる気体種類についての記録された前記第2の測定値(p
2)および前記第2の較正データの関数として決定する追加のステップ(104)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の圧力センサおよび前記第2の圧力センサが真空圧力センサである、請求項1または2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の圧力センサ(1’)がピラニセンサである、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の圧力センサ(1”)
が熱陰極電離真空計である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の圧力センサ(1”)が冷陰極電離真空
計である、請求項1~
4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の気体種類特有の較正データおよび前記第2の気体種類特有の較正データ(K
1[G
i]、K
2[G
i])は各々、それぞれ第1の係数および第2の係数(C
1[G
i]、C
2[G
i])によって定義され、前記第1の係数および前記第2の係数によって、それぞれ前記第1の測定信号および前記第2の測定信号が乗算されて前記有効圧力が得られ
る、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
商のリストが、前記リストからの各気体種類について、それぞれの気体種類の前記第1の係数およびそれぞれの気体種類の前記第2の係数からの商(Q[G
i])を形成することによって形成され、記録された商(Q)は、記録された前記第1の測定値(p
1)および記録された前記第2の測定値(p
2)の商として形成され、ステップc)において、記録された前記商が前記商のリストからの商(Q
*)のいずれに最も近いかが決定される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ステップc)において、前記第1の気体種類特有の較正データおよび前記第2の気体種類特有の較正データに基づく記録された前記第1の測定値(p
1)から出発して、前記気体
種類のリストからの各気体について、この気体が前記共通測定ボリューム内に存在した場合に前記第2の測定信号に対していずれの値が期待されるかが決定され、記録された前記第2の測定値(p
2)からのこの値の最小偏差は、前記結果もたらされる気体種類を決定するための基準として使用される、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記共通測定ボリューム内の圧力が変化するにつれて、前記第1の圧力センサの第1の測定値と前記第2の圧力センサの第2の測定値との複数の対が記録され、前記結果もたらされる気体種類(G
*)を決定するときに、記録された前記複数の対の組み合わせに最もよく一致する前記気体種類が選択される、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
記録された前記第1の測定値(p
1)、記録された前記第2の測定値(p
2)または前記結果もたらされる圧力(p
*)に基づいて、前記共通測定ボリューム内に存在する圧力が前記重複圧力測定範囲内にあるかどうかがチェックされ、そうでない場合、前記結果もたらされる圧力および/または前記結果もたらされる気体種類は無効であるとして拒絶される、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の方法を実行するための装置(10)であって、前記装置は、共通測定ボリューム(2)内の圧力を測定することが可能であるように構成された圧力センサのグループ(1)を備え、前記圧力センサのグループは、少なくとも、第1の圧力測定範囲(4’)を有する第1の圧力センサ(1’)と、第2の圧力測定範囲(4”)を有する第2の圧力センサ(1”)とを備え、前記第1の圧力測定範囲および前記第2の圧力測定範囲は重複圧力測定範囲(6)内で重複し、前記第1の圧力センサ(1’)は、第1の間接圧力測定原理に基づいており、前記第2の圧力センサ(1”)は、第2の間接圧力測定原理に基づいており、前記装置は、第1の較正データおよび第2の較正データを記憶するための手段(5)を備える、装置(10)。
【請求項13】
前記圧力センサの前記測定信号を処理するために、前記第1の圧力センサの第1の測定信号出力(3’)、前記第2の圧力センサの第2の測定信号出力(3”)、ならびに、第1の較正データおよび第2の較正データを記憶するための手段(5)に動作可能に接続されており、前記結果もたらされる気体種類および/または前記結果もたらされる圧力を出力するように構成されている制御ユニット(12)を備える、請求項12に記載の装置(10)。
【請求項14】
命令を備えるコンピュータプログラム製品であって、前記命令は、前記命令が請求項13に記載の装置(10)の制御ユニット(12)によって実行されると、前記制御ユニットに、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法(100)のステップを実施させる、コンピュータプログラム製品。
【請求項15】
前記第2の圧力センサ(1”)がベイヤード・アルパート型の熱陰極電離真空計である、請求項5に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の圧力センサ(1”)が反転マグネトロンである、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つの圧力センサから成るグループを動作させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、圧力を測定するための様々な測定原理が知られている。これらの測定原理は、2つのグループ、すなわち、最終的に面積当たりの力を決定する直接圧力測定原理と、圧力に対する別の物理量の依存性、例えば気体の熱伝導率の圧力依存性を利用する間接圧力測定原理とに分けることができる。間接圧力測定原理は、気体の種類に対して多かれ少なかれ強い依存性を示す。
【0003】
直接的な気体種類非依存圧力測定原理を適用する圧力センサの例は、圧電ダイヤフラム圧力計、キャパシタンスダイヤフラム圧力計、または光学ダイヤフラム圧力計である。間接的な気体種類依存圧力測定原理を使用する圧力センサの例は、ピラニセンサ、冷陰極電離真空計(例えば、反転マグネトロン)または熱陰極電離真空計(例えば、ベイヤード・アルパート)である。
【0004】
圧力センサは、その測定原理に起因して、特定の圧力測定範囲向けに主に設計されている。測定範囲は、いくつかの圧力センサを圧力センサのグループに組み合わせることによって増大させることができる。すべてが間接圧力測定原理を適用する圧力センサの組み合わせの場合、気体種類依存性は関与する圧力センサによって異なり得るため、測定の不確実性は気体種類依存性によって増大する。さらに、いずれの気体またはいずれの気体混合物が存在するかが正確に分からないことが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、圧力センサの気体依存性から生じる困難を軽減することであった。特に、本発明の目的は、圧力センサの気体種類依存性から生じる測定の不正確さを低減する圧力センサのグループを動作させるための方法を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1に記載の方法によって解決される。
本発明による方法は、圧力センサのグループを動作させるための方法である。圧力センサのグループに属する圧力センサは、共通測定ボリューム内の圧力を測定することができるように構成される。圧力センサのグループは、少なくとも、第1の圧力測定範囲を有する第1の圧力センサと、第2の圧力測定範囲を有する第2の圧力センサとを備え、第1の圧力測定範囲および第2の圧力測定範囲は重複圧力測定範囲内で重複する。第1の圧力センサは、第1の間接圧力測定原理に基づいており、参照気体、例えば窒素に対して較正された第1の測定信号を出力するように構成される。第2の圧力センサは、第2の間接圧力測定原理に基づいており、同じ参照気体に対して較正された第2の測定信号を出力するように設定される。
【0007】
本方法は、
a)第1の測定信号の気体種類特有の第1の較正データおよび第2の測定信号の気体種類特有の第2の較正データを提供するステップであって、第1の較正データおよび第2の較正データは、参照気体とは異なる少なくとも1つの第1の気体種類を含む気体種類のリストについて、それぞれ第1の測定信号および第2の測定信号の、有効圧力および共通測定ボリューム内の気体種類に対する依存性を記述する、提供するステップと、
b)第1の測定信号の第1の測定値および第2の測定信号の第2の測定値を実質的に同時に記録するステップと、
c)第1の較正データおよび第2の較正データを考慮に入れて、記録された第1の測定値と記録された第2の測定値との組み合わせに最もよく一致する気体種類のリスト内の気体種類として、結果もたらされる気体種類を決定するステップとを含む。
【0008】
第1の較正データおよび第2の較正データは、例えば、数学的関数とその関数の少なくとも1つのパラメータとの組み合わせとして定義されてもよい。あるいは、較正データは、(ルックアップテーブル内の)テーブル値として定義することができる。較正曲線の読み取りは、テーブル値を補間することにより行うことができる。
【0009】
本発明により、共通測定ボリューム内に存在する気体の種類に関する情報を単純な方法で得ることができることを本発明者らは認識した。この情報は、下記にさらに論じるように、圧力センサからの測定信号に基づいて圧力測定の正確度を改善するために使用することができる。しかしながら、気体種類に関するこの情報は、それ自体で価値がある。実際、圧力センサのグループは、本発明の方法に従って操作されると、驚くほど単純な方法で残留気体分析器のタスクを少なくとも部分的に実施することができる。
【0010】
気体種類のリストは、窒素(N2)、酸素(O2)、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、キセノン(Xe)、二酸化炭素(CO2)、水蒸気(H2O)などの純粋な化学物質のリストとすることができる。しかしながら、気体種類のリストはまた、気体混合物のリストも含んでもよい。例えば、異なる混合比の同じ気体が、各々がそれ自体の較正データを有するリスト内の別個のエントリを有してもよい。例えば、そのようなリストは、100%のN2、90%のN2+10%のAr、80%のN2+20%のArなどのエントリを含んでもよい。気体濃度に対する較正データの感度に応じて、5%、2%、1%の増分などを提供して、気体種類依存性を十分な正確度で記述する較正データを提供することもできる。気体種類のリストは、異なる化学物質のグループを組み合わせて1つのリストエントリにすることができる。例えば、ピラニセンサの場合、空気、窒素、および酸素の較正データがともに処理される。例えば、気体種類のリストは、分子量のリストによって定義することもできる。この場合、同じ分子量の化学物質が単一のリストエントリに含まれる。
【0011】
本発明の目的のために、気体種類のリストという用語はまた、リストエントリが有限数のリストエントリによってではなく、連続的に実行されるパラメータによって決定されるリストの一般化された形態を意味することも意図する。このパラメータは、例えば、気体の混合比とすることができる。さらなる例として、このパラメータは平均分子量とすることができる。この場合、第1の較正データおよび第2の較正データは、数式を介して、またはパラメータの各値に対するテーブル値の補間を介して、この連続パラメータの関数として定義される。気体種類のリストのこの一般化された形式は、特に、依然として言及されるべきであり、平衡方法に基づく本発明による方法の変形形態の場合に重要な役割を果たす(「最良適合」)。
【0012】
較正データは、例えば、測定データとすることができる。あるいは、較正データは、圧力センサの理論的特性から導出することもできる。較正データは、例えば、特にそれぞれの圧力センサの幾何学的形状および寸法を考慮に入れた、コンピュータシミュレーションに基づくことができる。
【0013】
本方法の実施形態は、従属請求項2~11の特徴から生じる。
本方法の変形形態は、
d)結果もたらされる圧力を、結果もたらされる気体種類についての記録された第1の測定値および第1の較正データの関数として、ならびに/または、結果もたらされる気体種類についての記録された第2の測定値および第2の較正データの関数として決定する追加のステップを含む。
【0014】
本発明者らは、存在する気体種類に関する以前に決定された情報に基づいて、グループの少なくとも2つの圧力センサの複合圧力測定範囲として生じる圧力測定範囲全体にわたって高い測定正確度が達成されることを認識した。測定ボリューム内に存在する気体種類に関する知識の欠如から生じる決定された圧力の不確実性は、この方法の変形形態において低減されるか、または理想的には完全になくなる。この変形形態では、気体種類に依存しない結果もたらされる圧力も決定される。
【0015】
本方法の一変形形態では、第1の圧力センサおよび第2の圧力センサは真空圧力センサである。
【0016】
真空圧力センサは、測定される圧力が低くなるほど、気体種類依存性を示す間接圧力測定方法に頼る必要がある可能性が高くなるため、本発明による方法から特に強く受益する。
【0017】
本方法の一変形形態では、第1の圧力センサはピラニセンサである。
ピラニセンサは、典型的な気体種類依存性を有し、例えば、参照気体として窒素に較正されたセンサの場合、例えば水蒸気では2倍高い測定値を示し、希ガスキセノンでは3倍低い測定値を示す。本発明による方法を用いなければ、これは大きな測定不確実性の原因となる。本発明による方法に関連して、この気体種類依存性は有用な情報源となる。
【0018】
本方法の1つの変形形態では、第2の圧力センサは、熱陰極電離真空計である。特に、ベイヤード・アルパート型の熱陰極電離真空計が使用される。この測定原理のために、窒素に対して較正されたセンサは、水素の場合には2.4倍低い圧力を示し、一方、キセノンの場合には2.5倍高い圧力を出力する。
【0019】
この変形形態は、特に、第1の圧力センサとしてピラニセンサを使用する変形形態と組み合わせることができる。2つのセンサの完全に異なる圧力測定原理は、それらの気体種類依存性が大きく異なるため、理想的には互いに補完する。共通測定ボリュームにおける気体種類の変化は、例えば、N2較正ピラニおよび熱陰極センサからの2つの出力圧力の偏差において顕著な形で現れる。例えば、キセノンの場合、N2に対して較正されたピラニセンサは3倍低い値を示し、N2に対して較正された熱陰極センサは2.5倍高い値を示す。
【0020】
本方法の1つの変形形態では、第2の圧力センサは、冷陰極電離真空計である。冷陰極電離真空計は、特に、反転マグネトロンとすることができる。
【0021】
この変形形態はまた、第1の圧力センサとしてのピラニセンサと協働して良好に機能する。
【0022】
本方法の1つの変形形態では、第1の気体種類特有の較正データおよび第2の気体種類特有の較正データは各々、それぞれ第1の係数および第2の係数によって定義され、第1の係数および第2の係数によって、それぞれ第1の測定信号および第2の測定信号が乗算されて有効圧力が得られる。
【0023】
したがって、例えば、第1のセンサの測定信号p1および第iの気体Giについて、有効圧力の式が適用される。
【0024】
peff=C1[Gi]p1
第2のセンサの測定信号p2については、以下のとおりである。
【0025】
peff=C2[Gi]p2
気体種類のリストならびにピラニおよび冷陰極圧力センサ型の具体的な係数を有する表を以下に示す。
【0026】
本方法の1つの変形形態では、商のリストが、リストからの各気体種類について、それぞれの気体種類の第1の係数およびそれぞれの気体種類の第2の係数からの商を形成することによって形成され、記録された商は、記録された第1の測定値および記録された第2の測定値の商として形成され、ステップc)「結果もたらされる気体種類の決定」において、記録された商が商のリストからの商のいずれに最も近いかが決定される。
【0027】
これは、商のリストQ[Gi]が、気体種類Giのリストからの各iについて、Q[Gi]=C1[Gi]/C2[Gi]またはその逆数として定義されることを意味する。
【0028】
記録された商は、(第1の圧力センサの)記録された測定値p1および(第2の圧力センサの)p2から、Q=p1/p2として計算される。
【0029】
Qに最も近いリストQ[Gi]からの商をQ*と決定する。関連する気体種類が、結果もたらされる気体種類Q*である。
【0030】
本方法の一変形形態では、ステップc)「結果もたらされる気体種類の決定」において、第1の気体種類特有の較正データおよび第2の気体種類特有の較正データに基づく記録された第1の測定値から出発して、気体のリストからの各気体について、この気体が共通測定ボリューム内に存在した場合に第2の測定信号に対していずれの値が期待されるかが決定される。記録された第2の測定値からのこの値の最小偏差は、結果もたらされる気体種類を決定するための基準として使用される。
【0031】
この変形形態では、例えば、気体種類の有限リストから選択することが可能である。この変形形態は、上述の気体種類のリストの一般化された形式にも適している。記録された第2の測定値からの第2の測定信号の較正データから予測された値の最小偏差の基準の結果として、気体種類のリストの連続パラメータの最良の選択が、例えば、混合比または平均分子量の値に対して得られる。連続パラメータのこの選択は、結果もたらされる気体種類を定義する。
【0032】
本方法の1つの変形形態では、共通測定ボリューム内の圧力が変化するにつれて、第1の圧力センサからの第1の測定値と第2の圧力センサからの第2の測定値との複数の対が記録され、結果もたらされる気体種類を決定するときに、記録された複数の対の組み合わせに最もよく一致する気体種類が選択される。
【0033】
本方法の変形形態は、異なる気体の較正曲線が、例えば、単一の圧力値における測定のみでは観察できない異なる勾配または曲率に起因して、有効圧力に対するそれらの依存性が異なる場合に特に有用である。共通測定ボリューム内の圧力を変化させる条件は、例えば、ポンプをオンにするか、またはバルブを開いて気体を共通測定ボリューム内に入れることによって能動的に達成することができる。しかしながら、圧力を変化させる条件は、代替的に、例えば、圧力センサのうちの1つからの測定信号を連続的に観察し、十分に速い圧力変化速度が観察されるとすぐに方法を開始することによって達成することができる。このようにして、気体依存較正曲線の異なる進行が区別可能な測定結果に反映される十分に大きい圧力範囲から測定データを収集することができる。
【0034】
また、この変形形態では、気体種類のリストを操作することが可能であり、リストエントリは連続パラメータによって定義される。これは、テーブルからの最良適合気体に「丸める」必要がないため、決定される圧力の正確度をさらに増大することができる。連続パラメータの適応は、気体混合物からの測定ボリューム中に有効に存在する状況をよりよく表すことができる。
【0035】
方法の1つの変形形態では、記録された第1の測定値、記録された第2の測定値または結果もたらされる圧力を使用して、共通測定ボリューム内に存在する圧力が重複圧力測定範囲内にあるかどうかをチェックし、そうでない場合、結果もたらされる圧力および/または結果もたらされる気体種類は無効であるとして拒絶される。
【0036】
共通測定ボリューム内の有効圧力が、本方法のステップに使用される両方の圧力センサの圧力測定範囲内の圧力に対応しない場合、決定された結果もたらされる気体種類、および任意選択的に、結果もたらされる圧力は妥当なものではない。前述の条件が満たされるかどうかは、方法のいくつかのステップが既に実行された後にのみ真であることが判明し得る。本方法の本変形形態は、単純な方法で品質保証を提供する。
【0037】
さらに、本発明は、本発明による方法を実行するための装置である、請求項12に記載の装置にも関する。
【0038】
装置は、共通測定ボリューム内の圧力を測定するように構成された圧力センサのグループを備える。圧力センサのグループは、少なくとも、第1の圧力測定範囲を有する第1の圧力センサと、第2の圧力測定範囲を有する第2の圧力センサとを備え、第1の圧力測定範囲および第2の圧力測定範囲は重複圧力測定範囲内で重複する。第1の圧力センサは、第1の間接圧力測定原理に基づいており、第2の圧力センサは、第2の間接圧力測定原理に基づいている。装置は、第1の較正データおよび第2の較正データを記憶するための手段をさらに備える。
【0039】
装置の一実施形態は、圧力センサの測定信号を処理するために、第1の圧力センサの第1の測定信号出力、第2の圧力センサの第2の測定信号出力、ならびに、第1の較正データおよび第2の較正データを記憶するための手段に動作可能に接続された制御ユニットをさらに備える。装置は、結果もたらされる気体種類および/または結果もたらされる圧力を出力するようにさらに適応される。
【0040】
この実施形態では、結果もたらされる気体種類は内部結果のままであり得、例えば、結果もたらされる圧力のみがインターフェースを介して出力され得る。これにより、装置は外部からは単一の圧力センサのように挙動することができ、測定ボリューム内の気体種類にかかわらず、圧力の正確な測定結果を提供する。
【0041】
さらに、請求項14に記載のコンピュータプログラム製品も本発明の範囲内である。コンピュータプログラム製品は、命令が本発明による装置の制御ユニットによって実行されると、制御ユニットに、本発明による方法または方法の変形形態のうちの1つのステップを実施させる命令を含む。
【0042】
以下では、この場合は係数として利用可能である具体的な較正データを有する、第1の圧力センサとしてピラニセンサ(係数C1の形態の較正データ)を有し、第2の圧力センサとして熱陰極電離真空計(係数C2の形態の較正データ)を有する圧力センサのグループに基づいて例を説明する。
【0043】
5*10E-2~5*10E-4mbarの圧力範囲内で、以下が良好な近似で適用される。
【0044】
圧力センサ1のpeff=C1[Gi]*p1
圧力センサ2のpeff=C2[Gi]*p2
下記の表のそれぞれの行は、気体G1に従って読み取られる。この圧力範囲は、2つの圧力センサの重複圧力測定範囲内にもある。この表は、参照気体としての窒素N2に適用され、その結果、窒素の場合、気体種類依存係数は1である。空気(air)および酸素(O2)は、ここで選択されたセンサの参照気体N2と実質的に同一に挙動し、したがって表の1行に列挙されている。
【0045】
【0046】
2つの圧力センサの共通測定ボリューム内の有効圧力peffが表に従った気体依存係数による較正の有効範囲内にある場合、第1の圧力センサは測定値p1=peff/C1を供給し、第2の圧力センサは測定値p2=peff/C2を供給する。したがって、2つの測定値の商は、以下のとおりであり、
p1/p2=(C2*peff)/(C1*peff)=C2/C1
これは、Peffの正確な値が何であるかに関係ない。近似の重複圧力測定範囲または有効範囲は、この例では20年に及ぶ。
【0047】
例えば、商p1/p2に対して7を超える値が決定された場合、気体ヘリウム(He)が、上記の表の気体のリスト内で最もよく適合し(Q[He]のテーブル値=7.38)、2番目の最良適合値(Q[H2]=4.80)は既に比較的遠くにある。したがって、本発明による方法のステップc)では、ヘリウムがこの場合の結果もたらされる気体種類として決定される。本方法の変形形態のステップd)において、結果もたらされる圧力p*は、気体ヘリウムの係数、すなわち結果もたらされる気体種類を用いて、例えば以下の式によって決定することができる。
【0048】
p*=C1[He]*p1=0.8*p1
あるいは、以下の式を適用することができ、
p*=C2[He]*p2=5.9*p2
または、例えば、以下のように、両方の圧力センサの測定値に基づく平均値を求めることができる。
【0049】
p*=C1[He]*p1+C2[He]*p2/2
本発明の例示的な実施形態が、図を参照して下記にさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】本方法を実行するための装置の概略図である。
【
図3】第1の圧力測定範囲および第2の圧力測定範囲ならびに結果もたらされる重複圧力測定範囲の可能な相対位置の概略図である。
【
図4】ピラニセンサによって決定された圧力の、気体種類に対する依存性を示す両対数図である。
【
図5】第1の気体依存較正曲線および第2の気体依存較正曲線の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1は、本方法を実行するための例示的な装置10を概略的に示す。装置は、共通測定ボリューム2内の圧力を測定することができる少なくとも1つの第1の圧力センサ1’および1つの第2の圧力センサ1”を有する圧力センサのグループ1を備える。測定ボリューム2は、特に、一点鎖線で囲まれた領域によって概略的に示されるような、真空チャンバの部分容積であり得る。第1の圧力センサ1’は、第1の測定信号出力3’から制御ユニット12に第1の測定信号p
1を転送するように設定される。第2の圧力センサ1”は、第2の測定信号出力3”から制御ユニット12に第2の測定信号p
2を転送するように設定される。破線で描かれたアクティブ接続は、例えばワイヤによって実装することができ、それらはまた、例えば無線信号(Bluetooth(登録商標)など)または光信号伝送によって実装することもできる。破線矢印は、装置の要素間の情報の流れを示す。装置は、制御ユニットに送信することができる気体依存較正データを記憶するための手段5を備える。結果もたらされる気体種類G
*および結果もたらされる圧力p
*は、制御ユニットによって出力することができる。
【0052】
図示の装置の部品または装置全体を、共通のハウジング内に設置することができる。特に、圧力センサのグループと制御ユニットとを共通のハウジング内で組み合わせて圧力センサユニットを形成することができる。加えて、較正データを記憶するための手段は、任意選択的に、共通のハウジング内に収容されてもよい。
【0053】
図2は、本発明による方法100のフローチャートを示す。本方法は、
a)第1の測定信号の気体種類特有の第1の較正データK
1[G
i]および第2の測定信号の気体種類特有の第2の較正データK
2[G
i]を提供するステップ101であって、第1の較正データおよび第2の較正データは、参照気体とは異なる少なくとも1つの第1の気体種類G
iを含む気体種類のリストについて、それぞれ第1の測定信号および第2の測定信号の、有効圧力p
effおよび共通測定ボリューム内の気体種類に対する依存性を記述する、提供するステップと、
b)重複圧力測定範囲内で第1の測定信号の第1の測定値p
1および第2の測定信号の第2の測定値p
2を実質的に同時に決定するステップ102と、
c)第1の較正データおよび第2の較正データを考慮に入れることによって、記録された第1の測定値p
1と記録された第2の測定値p
2との組み合わせに最もよく一致する気体種類のリスト内の気体種類として、結果もたらされる気体種類G
*を決定するステップ103とを含む。
【0054】
ステップ101、102および103は、手順の開始(START)前に必要な較正データが既に利用可能にされた状態で、順次実行される。方法の終了(END)時に、結果もたらされる気体G*が分かる。
【0055】
任意選択のステップd)が破線の長方形によって示されており、これは、付加的に実行されると、結果もたらされる圧力も出力として提供する方法の変形形態をもたらす。この追加のステップにより、結果もたらされる圧力p*も方法の終了時に分かる。
【0056】
追加のステップd)は、結果もたらされる圧力p*を、結果もたらされる気体種類についての記録された第1の測定値p1および第1の較正データの関数として、ならびに/または、結果もたらされる気体種類についての記録された第2の測定値p2および第2の較正データの関数として決定すること104を含む。したがって、ステップc)から分かる、結果もたらされる気体種類に基づいて、対応する較正データセットを使用して、圧力センサの測定値を気体種類非依存有効圧力に変換する。
【0057】
図3は、
図3a)および
図3b)において、圧力軸p上で、圧力センサのグループの第1の圧力センサ1’および第2の圧力センサ1”の第1の圧力測定範囲4’および第2の圧力測定範囲4”の相対位置の2つの可能性を概略的に示す。圧力軸pは、ここでは概略的に理解されるべきであり、例えば直線軸または対数軸であってもよい。高圧は、より低い圧力よりも軸上でさらに上方に引かれる。第1の圧力測定範囲4’および第2の圧力測定範囲4”が重複する重複圧力測定範囲6が存在する。本方法のステップa)における第1の測定信号および第2の測定信号の読み取りは、共通測定ボリューム内の圧力がこの重複圧力測定範囲6内にある間に行われる。
図3.b)では、重複圧力測定範囲が第2の圧力測定範囲4’と同一になるように、第2の圧力測定範囲4”が完全に第1の圧力測定範囲4’内にある場合が示されている。
【0058】
図4は、ピラニセンサによって決定された圧力の、特定の気体種類に対する依存性を両対数表現において示す。水平方向には、「有効」圧力p
effがプロットされている。垂直方向において、ピラニセンサにおいて読み取られた圧力p(mbar)は、各々が別個の曲線を有する異なる種類の気体の有効圧力p
eff(mbar)の関数としてプロットされる。図の右上の領域の各曲線のラベルを参照されたい。図示の圧力範囲は、両軸上で10
-3mbar~10
2mbar、すなわち5桁にわたって延在する。この場合、ピラニセンサは、気体種類が空気の圧力p
effを示すように較正され、すなわち、空気に対する圧力曲線(Air)は、両対数プロット内の対角線上の直線である。したがって、示されている曲線の各々は、気体種類依存較正曲線である。第1の圧力センサは、例えばピラニセンサとすることができ、したがって、
図4に示す曲線のセットは、気体種類特有の第1の較正データを表すことができる。
【0059】
約1mbar未満の圧力範囲内では、気体種類の影響は、peffとピラニセンサによって測定された圧力pとの間の係数で記述することができ、これは曲線のオフセットとして両対数図に示されている。本発明者らが認識しているように、約20年以上の間のこれらの較正曲線の本質的な情報は、上述の係数によって既に十分に正確に説明することができ、その結果、対応する係数を有する表は、非常にメモリ節約的な形式の気体種類特有の初期較正データである。
【0060】
同様に、第2の圧力センサの第2の較正データは、曲線のセットとして、または係数の表として提供することができる。
【0061】
図5は、気体G
1(実線)、気体G
2(短い破線)および気体G
3(長い破線)の3つの気体の例示的かつ概略的な較正曲線を示す。左半分には、第1の圧力センサの較正曲線が、第1の測定信号p
1の関数として示されている。右半分には、第2の圧力センサの較正曲線が、第2の測定信号p
2の関数として示されている。それぞれの測定信号に対応する有効圧力p
effは、垂直軸上にプロットされ、左図の特定の垂直位置は、右図の同じ有効圧力に対応する。較正曲線は、本発明の基礎となる原理を明らかにする例示的な例として理解されるべきである。例えば、図は、両対数表現であってもよい。第1のセンサの気体種類依存性は、第2のセンサの気体種類依存性とは異なる。第2の圧力センサでは、曲線の勾配および曲率の変化が明らかであり、この変化は、この例では第1のセンサの較正曲線では顕著ではない。
【0062】
白い三角形は、p1軸上の第1の圧力センサの決定された第1の測定信号を示す。同時に、第2の圧力センサは、p2軸上に黒い三角形として表示される第2の測定信号を決定した。白い三角形から始まる補助線により、気体種類に応じて共通測定ボリュームにおいてどの有効圧力が予想され、この有効圧力においてどの第2の測定信号が予想されるかが示される。気体G3は実測値に最もよく適合するため、気体G3が、結果もたらされる気体G*として規定される。これに対する基準は、例えば、任意選択的に対数の、p2軸上の距離であり得る。ここで、G*=G3,の較正曲線上で、結果もたらされる圧力p*をpeff軸で読み取ることができる。
【0063】
第1の測定信号および第2の測定信号のいくつかのそのような対が比較される場合、例えば、距離の二乗の和が、最良適合気体を決定するための適切な基準である。第1の測定信号および第2の測定信号の役割は、実際に測定された第2の測定信号から開始しても、p1軸上の予想される測定信号が決定され、そこで、代替的または付加的に、測定された第1の測定信号からの距離が最良適合気体の基準として決定されるという点で逆転することができる。
【0064】
本発明による方法およびそのすべての実施形態は、圧力センサのうちの少なくとも1つをゼロ化する追加のステップと組み合わされてもよい。様々な型の圧力センサにおいて、所与の有効圧力に対して生成された測定信号は、経時的にドリフトする。この効果はゼロ化によって排除することができ、これにより、本発明による方法の正確度がさらに増大する。ゼロ点測定信号は、好ましくは、ゼロ化されるべき圧力センサの測定範囲より少なくとも10~20年低い有効圧力において決定される。十分に低い圧力が存在するかどうかのチェックは、様々な方法で実行することができる。例えば、ピラニセンサをゼロ化するために、十分に低い圧力の達成は、その圧力測定範囲がピラニセンサの測定範囲よりも少なくとも20年低い圧力測定範囲に及ぶ電離真空計によってチェックすることができる。別の例として、ベイヤード・アルパート型電離真空計をゼロ化する場合、十分に低い圧力に達することは、抽出器型電離真空計によってチェックすることができる。圧力センサをゼロ化するのに十分に低い圧力に達することは、例えば、共通測定ボリュームを長時間ポンプダウンするなどの適切な方法ステップによっても達成することができる。あるいは、十分に低い圧力の達成は、圧力センサの共通測定ボリュームに動作可能に接続された真空ポンプの動作パラメータから導出することもできる。
【0065】
圧力センサのドリフトおよび気体種類依存性は、2つの別個の現象であることに留意されたい。例えば、気体種類の変更のたびに圧力センサが常に0にリセットされるとしても、気体種類依存性が依然として存在する。
【0066】
気体混合物のリストを含み得る気体種類のリストを取り扱うことができる方法に戻ると、以下の例示的な例が与えられる。例えば、ピラニセンサの場合、その着想は、全熱伝導率に対する気体混合物の各成分の熱伝導率の寄与を要約することである。例えば、刊行物K.Jousten,On the gas species dependence of Pirani vacuum gauges,Vac.Sei.Technol.A 26,3,May/Jun 2008の式11によれば、Joustenは、混合物に含まれる各気体種の有効適応係数および熱容量を考慮した式を与えている。あるいは、ピラニセンサにも適している、刊行物Ikhsan Setiawan et al,Critical Temperature Differences of a Standing Wave Thermoacoustic Prime Mover with Various Helium-Based Binary Mixture Working Gases,2015 J.Phys.:Conf.Ser.622 012010からの式17および18によれば、Setiawanは、関与する各気体種の気体分率、熱伝導率およびモル質量に基づいて、気体混合物の熱伝導率を示す式を与えている。上記の式の両方は、気体混合物の形態の気体種類の表を生成するために、または連続パラメータとして1つまたは複数の気体種類の一部を使用するためにも適している。後者は、上記のような「最良適合」手順に有利である。
【0067】
電離真空計を用いて、類似しているが幾分より複雑な手順が可能である。ここで、電子のエネルギー分布、気体のイオン化ポテンシャル、気体のフラグメンテーションおよび任意の再結合は、イオン電流の予測のための変数に影響を与える可能性があるため、重要である。一方におけるイオン収集器におけるイオン電流と、他方における電子放出電流および圧力との比として定義される感度Sが実験データまたはシミュレーションから既知である場合、結合イオン電流は、関与する気体種類の分圧で重み付けされた和として決定することができる。圧力および分圧は、残留圧力に対する差と考えられ、収集器電流は、残留圧力における収集器電流に対する差とみなされる。
【符号の説明】
【0068】
参照符号のリスト
1 圧力センサのグループ
1’ 第1の圧力センサ
1” 第2の圧力センサ
2 共通測定ボリューム
3’ 第1の測定信号出力
3” 第2の測定信号出力
4’ 第1の圧力測定範囲
4” 第2の圧力測定範囲
5 較正データを記憶するための手段
6 重複圧力測定範囲
12 制御ユニット
G* 結果もたらされる気体種類
p1 第1の測定信号
p2 第2の測定信号
peff 有効圧力
p* 結果もたらされる圧力
100 方法
101 ステップa)較正データを提供する
102 ステップb)第1の測定信号および第2の測定信号の記録
103 ステップc)結果もたらされる気体種類を決定する
104 ステップd)結果もたらされる圧力を決定する
START 方法の開始
END 方法の終了