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特許7599026電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/613 20140101AFI20241205BHJP
   H01M 10/633 20140101ALI20241205BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20241205BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20241205BHJP
   H01M 10/6568 20140101ALI20241205BHJP
【FI】
H01M10/613
H01M10/633
H01M10/625
H01M10/6556
H01M10/6568
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023536131
(86)(22)【出願日】2023-03-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(86)【国際出願番号】 CN2023080857
(87)【国際公開番号】W WO2024087459
(87)【国際公開日】2024-05-02
【審査請求日】2023-06-14
(31)【優先権主張番号】202211299662.4
(32)【優先日】2022-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518405050
【氏名又は名称】恵州億緯▲リ▼能股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】EVE ENERGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 38, Huifeng 7th Road, Zhongkai Hi-Tech Zone Huizhou, Guangdong 516006, China
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】廖虎龍
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-182124(JP,A)
【文献】特開2019-77398(JP,A)
【文献】特開2012-226895(JP,A)
【文献】特開2013-180094(JP,A)
【文献】特開2021-15746(JP,A)
【文献】特開2020-98681(JP,A)
【文献】特開2017-105276(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0221899(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2022/0320872(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第112952234(CN,A)
【文献】中国実用新案第211265674(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第115139859(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第113193267(CN,A)
【文献】中国実用新案第210733893(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/613
H01M 10/633
H01M 10/625
H01M 10/6556
H01M 10/6568
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池パック内の電池管理システムに応用される、電池パックの液冷システムに直列する電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが設けられた電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法であって、
第1の温度及び分配電流のうちの少なくとも1種類を含む前記電池エネルギー分配ユニットの目標データを検出することと、
前記目標データに応じて、制御命令を生成して前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システム又は前記電池パックの液冷システムに送信して、前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システム又は前記電池パックの液冷システムを前記制御命令に応じて稼働を開始するようにさせることにより、前記電池エネルギー分配ユニットの温度を制御することと、を含む、
電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法。
【請求項2】
前記目標データは、前記第1の温度を含み、前記制御命令は、第1の制御命令及び第2の制御命令を含み、
前記した、前記目標データに応じて、制御命令を生成して前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システム又は前記電池パックの液冷システムに送信して、前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システム又は前記電池パックの液冷システムを前記制御命令に応じて稼働を開始するようにさせることは、
前記第1の温度が第1の温度閾値よりも大きいか又は等しいか否かを判断することと、
前記第1の温度が第1の温度閾値よりも大きいか又は等しいという判断結果に応答し、前記第1の制御命令を生成して前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムに送信して、前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムを前記第1の制御命令に応じて稼働を開始するようにさせることと、
前記第1の温度が第1の温度閾値よりも小さいという判断結果に応答し、前記第2の制御命令を生成して前記電池パックの液冷システムに送信して、前記電池パックの液冷システムを前記第2の制御命令に応じて稼働を開始するようにさせることと、を含む、
請求項1に記載の電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法。
【請求項3】
前記目標データは、前記分配電流を含み、前記制御命令は、第1の制御命令及び第2の制御命令を含み、
前記した、前記目標データに応じて、制御命令を生成して前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システム又は前記電池パックの液冷システムに送信して、前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システム又は前記電池パックの液冷システムを前記制御命令に応じて稼働を開始するようにさせることは、
前記分配電流がプリセット電流よりも大きいか又は等しいか否かを判断することと、
前記分配電流がプリセット電流よりも大きいか又は等しいという判断結果に応答し、前記分配電流の受け入れ開始からの持続時間を計算することと、
前記持続時間がプリセット時間よりも大きいか否かを判断することと、
前記持続時間がプリセット時間よりも大きいという判断結果に応答し、前記第1の制御命令を生成して前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムに送信して、前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムを前記第1の制御命令に応じて稼働を開始するようにさせることと、
前記持続時間がプリセット時間よりも小さいか又は等しいという判断結果に応答し、前記第2の制御命令を生成して前記電池パックの液冷システムに送信して、前記電池パックの液冷システムを前記第2の制御命令に応じて稼働を開始するようにさせることと、を含む、
請求項1に記載の電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法。
【請求項4】
前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システム又は前記電池パックの液冷システムが前記制御命令に応じて稼働を開始することは、
前記第1の制御命令を生成した場合、前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが前記第1の制御命令に応じてウォータポンプの稼働を制御することと、
前記第2の制御命令を生成した場合、前記電池パックの液冷システムが前記第2の制御命令に応じてウォータポンプの稼働を制御することと、のいずれかを含む、
請求項2又は3に記載の電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法。
【請求項5】
前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが前記第1の制御命令に応じてウォータポンプの稼働を制御することの後には、
前記電池エネルギー分配ユニットの第2の温度を取得することと、
前記第2の温度に応じて、前記電池エネルギー分配ユニットが降温条件を満たすか否かを判断することと、
前記電池エネルギー分配ユニットが降温条件を満たすという判断結果に応答し、前記第2の制御命令を生成して前記電池パックの液冷システムに送信して、前記電池パックの液冷システムを前記第2の制御命令に応じてウォータポンプの稼働を制御するようにさせることにより、前記電池エネルギー分配ユニットの温度を制御することと、
前記電池エネルギー分配ユニットが降温条件を満たさないという判断結果に応答し、前記第2の温度に応じて前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが故障して稼働しているか否かを判断することと、
前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが故障して稼働しているという判断結果に応答し、前記第2の温度に応じて前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの故障タイプを決定し、前記故障タイプに応じて前記電池エネルギー分配ユニットに対して故障処理を行うことと、
前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが故障して稼働していないという判断結果に応答し、前記第1の制御命令を生成して前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムに送信して、前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムを前記第1の制御命令に応じてウォータポンプの稼働を制御するようにさせることにより、前記電池エネルギー分配ユニットの温度を制御することと、がさらに含まれる、
請求項4に記載の電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法。
【請求項6】
前記降温条件は、前記第2の温度が第2の温度閾値よりも小さいか又は等しいことを含む、
請求項5に記載の電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法。
【請求項7】
前記第2の温度に応じて前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが故障して稼働しているか否かを判断することは、
前記第2の温度が第3の温度閾値よりも大きいか又は等しいか否かを判断することと、
前記第2の温度が第3の温度閾値よりも大きいか又は等しいという判断結果に応答し、前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが故障して稼働したと決定することと、
前記第2の温度が第3の温度閾値よりも小さいという判断結果に応答し、前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが正常に稼働したと決定することと、を含む、
請求項5に記載の電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法。
【請求項8】
前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの故障タイプは、冷却不足及び冷却失効を含み、
前記第2の温度に応じて前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの故障タイプを決定することは、
前記第2の温度が第4の温度閾値よりも小さいか否かを判断することと、
前記第2の温度が第4の温度閾値よりも小さいという判断結果に応答し、前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの故障タイプが冷却不足であると決定することと、
前記第2の温度が第4の温度閾値よりも大きいか又は等しいという判断結果に応答し、前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの故障タイプが冷却失効であると決定することと、を含む、
請求項5に記載の電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法。
【請求項9】
前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの故障タイプが冷却不足である場合、前記した、前記故障タイプに応じて前記電池エネルギー分配ユニットに対して故障処理を行うことは、
車両統合コントローラ又は充電パイルにパワー低下命令を送信することと、
前記車両統合コントローラにより前記パワー低下命令に応じてエンジンのパワーを低下させるか、又は前記充電パイルにより前記パワー低下命令に応じて充電パワーを低下させることと、を含む、
請求項8に記載の電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法。
【請求項10】
前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの故障タイプが冷却失効である場合、前記した、前記故障タイプに応じて前記電池エネルギー分配ユニットに対して故障処理を行うことは、
前記電池エネルギー分配ユニットを断電するように制御することを含む、
請求項8に記載の電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2022年10月24日に中国専利局に出願された、出願番号が202211299662.4である中国特許出願の優先権を主張し、上記出願の全ての内容は引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本願の実施例は、自動車安全管理の技術分野に関し、例えば電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電池エネルギー分配ユニットには、放熱しにくいという問題がある。これに対して、電池エネルギー分配ユニットの温度を制御するために、一般的に、電流容量が大きく且つ仕様型番がより高い電気部品(例えばヒューズ及びリレーなど)の配置を選択し、これにより、電池エネルギー分配ユニットの耐熱程度が向上する。しかし、このような電池エネルギー分配ユニットは、体積がより大きく、空間がより大きくなり、重量もより重く、コストもより高くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例は、電池エネルギー分配ユニットに電流容量が大きく且つ仕様型番がより高い電気部品を選択することが不要となるように、電池エネルギー分配ユニットの温度を制御可能な電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の側面において、本願の実施例は、電池パック内の電池管理システムに応用される、電池パックの液冷システムに直列する電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが設けられた電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法を提供し、
前記電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法は、
第1の温度及び分配電流のうちの少なくとも1種類を含む前記電池エネルギー分配ユニットの目標データを検出することと、
前記目標データに応じて、制御命令を生成して前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システム又は前記電池パックの液冷システムに送信して、前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システム又は前記電池パックの液冷システムを前記制御命令に応じて稼働を開始するようにさせることにより、前記電池エネルギー分配ユニットの温度を制御することと、を含む。
【0006】
一実施例において、前記目標データは、前記第1の温度を含み、前記制御命令は、第1の制御命令及び第2の制御命令を含み、
前記した、前記目標データに応じて、制御命令を生成して前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システム又は前記電池パックの液冷システムに送信して、前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システム又は前記電池パックの液冷システムを前記制御命令に応じて稼働を開始するようにさせることは、
前記第1の温度が第1の温度閾値よりも大きいか又は等しいか否かを判断することと、
前記第1の温度が第1の温度閾値よりも大きいか又は等しいという判断結果に応答し、前記第1の制御命令を生成して前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムに送信して、前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムを前記第1の制御命令に応じて稼働を開始するようにさせることと、
前記第1の温度が第1の温度閾値よりも小さいという判断結果に応答し、前記第2の制御命令を生成して前記電池パックの液冷システムに送信して、前記電池パックの液冷システムを前記第2の制御命令に応じて稼働を開始するようにさせることと、を含む。
【0007】
一実施例において、前記目標データは、前記分配電流を含み、前記制御命令は、第1の制御命令及び第2の制御命令を含み、
前記した、前記目標データに応じて、制御命令を生成して前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システム又は前記電池パックの液冷システムに送信して、前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システム又は前記電池パックの液冷システムを前記制御命令に応じて稼働を開始するようにさせることは、
前記分配電流がプリセット電流よりも大きいか又は等しいか否かを判断することと、
前記分配電流がプリセット電流よりも大きいか又は等しいという判断結果に応答し、前記分配電流の受け入れ開始からの持続時間を計算することと、
前記持続時間がプリセット時間よりも大きいか否かを判断することと、
前記持続時間がプリセット時間よりも大きいという判断結果に応答し、前記第1の制御命令を生成して前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムに送信して、前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムを前記第1の制御命令に応じて稼働を開始するようにさせることと、
前記持続時間がプリセット時間よりも小さいか又は等しいという判断結果に応答し、前記第2の制御命令を生成して前記電池パックの液冷システムに送信して、前記電池パックの液冷システムを前記第2の制御命令に応じて稼働を開始するようにさせることと、を含む。
【0008】
一実施例において、前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システム又は前記電池パックの液冷システムが前記制御命令に応じて稼働を開始することは、
前記第1の制御命令を生成した場合、前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが前記第1の制御命令に応じてウォータポンプの稼働を制御することと、
前記第2の制御命令を生成した場合、前記電池パックの液冷システムが前記第2の制御命令に応じてウォータポンプの稼働を制御することと、のいずれかを含む。
【0009】
一実施例において、前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが前記第1の制御命令に応じてウォータポンプの稼働を制御することの後には、
前記電池エネルギー分配ユニットの第2の温度を取得することと、
前記第2の温度に応じて、前記電池エネルギー分配ユニットが降温条件を満たすか否かを判断することと、
前記電池エネルギー分配ユニットが降温条件を満たすという判断結果に応答し、前記第2の制御命令を生成して前記電池パックの液冷システムに送信して、前記電池パックの液冷システムを前記第2の制御命令に応じてウォータポンプの稼働を制御するようにさせることにより、前記電池エネルギー分配ユニットの温度を制御することと、がさらに含まれる。
【0010】
前記電池エネルギー分配ユニットが降温条件を満たさないという判断結果に応答し、前記第2の温度に応じて前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが故障して稼働しているか否かを判断し、
前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが故障して稼働しているという判断結果に応答し、前記第2の温度に応じて前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの故障タイプを決定し、前記故障タイプに応じて前記電池エネルギー分配ユニットに対して故障処理を行い、
前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが故障して稼働していないという判断結果に応答し、前記第1の制御命令を生成して前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムに送信して、前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムを前記第1の制御命令に応じてウォータポンプの稼働を制御するようにさせることにより、前記電池エネルギー分配ユニットの温度を制御する。
【0011】
一実施例において、前記降温条件は、前記第2の温度が第2の温度閾値よりも小さいか又は等しいことを含む。
【0012】
一実施例において、前記第2の温度に応じて前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが故障して稼働しているか否かを判断することは、
前記第2の温度が第3の温度閾値よりも大きいか又は等しいか否かを判断することと、
前記第2の温度が第3の温度閾値よりも大きいか又は等しいという判断結果に応答し、前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが故障して稼働したと決定することと、
前記第2の温度が第3の温度閾値よりも小さいという判断結果に応答し、前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが正常に稼働したと決定することと、を含む。
【0013】
一実施例において、前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの故障タイプは、冷却不足及び冷却失効を含み、
前記第2の温度に応じて前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの故障タイプを決定することは、
前記第2の温度が第4の温度閾値よりも小さいか否かを判断することと、
前記第2の温度が第4の温度閾値よりも小さいという判断結果に応答し、前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの故障タイプが冷却不足であると決定することと、
前記第2の温度が第4の温度閾値よりも大きいか又は等しいという判断結果に応答し、前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの故障タイプが冷却失効であると決定することと、を含む。
【0014】
一実施例において、前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの故障タイプが冷却不足である場合、前記した、前記故障タイプに応じて前記電池エネルギー分配ユニットに対して故障処理を行うことは、
車両統合コントローラ又は充電パイルにパワー低下命令を送信することと、
前記車両統合コントローラにより前記パワー低下命令に応じてエンジンのパワーを低下させるか、又は前記充電パイルにより前記パワー低下命令に応じて充電パワーを低下させることと、を含む。
【0015】
一実施例において、前記電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの故障タイプが冷却失効である場合、前記した、前記故障タイプに応じて前記電池エネルギー分配ユニットに対して故障処理を行うことは、前記電池エネルギー分配ユニットを断電するように制御することを含む。
【発明の効果】
【0016】
本願の有益な効果は以下の通りである。
本願の実施例の電池エネルギー分配ユニットには、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが設けられている。電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法は、電池パック内の電池管理システムに応用され、電池管理システムは、第1の温度及び分配電流のうちの少なくとも1種類を含む電池エネルギー分配ユニットの目標データを検出可能であり、これにより、電池管理システムは、電池エネルギー分配ユニットの第1の温度及び分配電流をリアルタイムにモニタすることで、後続の電池エネルギー分配ユニットの温度に対する調節を容易にすることができる。電池管理システムは、目標データに応じて、制御命令を生成して電池エネルギー分配ユニットの液冷システム又は電池パックの液冷システムに送信して、電池エネルギー分配ユニットの液冷システム又は電池パックの液冷システムを制御命令に応じて稼働を開始するようにさせることにより、電池エネルギー分配ユニットと電池エネルギー分配ユニットの液冷システム又は電池パックの液冷システムとの熱量交換速度を制御し、さらに電池エネルギー分配ユニットの放熱、降温に対する制御を実現する。これから分かるように、本態様は、電池エネルギー分配ユニットの温度を制御可能であり、これにより、電池エネルギー分配ユニットに電流容量が大きく且つ仕様型番がより高い電気部品を選択することが不要となるため、電池エネルギー分配ユニットの体積が大きくなり、空間が大きくなり、重量が重くなり、コストが増加することがない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本願の実施例に係る電池エネルギー分配ユニットの液冷システムと電池パックの液冷システムとの接続関係の模式図である。
図2】本願の実施例に係る電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法のフローの模式図である。
図3】本願の実施例に係る電池管理システムと電池エネルギー分配ユニットとの接続構造の模式図である。
図4】本願の実施例に係る他の1つの電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法のフローの模式図である。
図5】本願の実施例に係る他の1つの電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法のフローの模式図である。
図6】本願の実施例に係る他の1つの電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法のフローの模式図である。
図7】本願の実施例に係る電池管理システムが電池エネルギー分配ユニットが降温条件を満たすか否かを判断する方法のフローの模式図である。
図8】本願の実施例に係る電池管理システムが電池エネルギー分配ユニットの液冷システムに故障して稼働していることが発生したか否かを判断する方法のフローの模式図である。
図9】本願の実施例に係る電池管理システムが第2の温度に応じて電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの故障タイプを決定する方法のフローの模式図である。
図10】本願の実施例に係る他の1つの電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法のフローの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本願の明細書及び特許請求の範囲並びに上記図面における用語「第1」、「第2」などは、特定の順序又は優先順位を説明することに用いられる必要がなく、類似する対象を区別するためのものである。このように使用されるデータは、ここで説明される本願の実施例がここで図示又は説明されるもの以外の順序で実施可能であるように、適切な場合において置き換えることができる、ことを理解すべきである。また、用語「含む」及び「有する」並びにこれらの如何なる変形も、排他的ではない包含をカバーすることを意図し、例えば、一連のステップ又はユニットの過程、方法、システム、製品又は機器を包含し、必ずしも明確に挙げられたそれらのステップ又はユニットに限定されず、明確に挙げられていない又はこれらの過程、方法、製品又は機器にとって固有である他のステップ又はユニットを包含してもよい。
【0019】
図1は、本願の実施例に係る電池エネルギー分配ユニットの液冷システムと電池パックの液冷システムとの接続関係の模式図であり、電池エネルギー分配ユニットには、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが設けられており、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムは、電池パックの液冷システムに直列する。
【0020】
電池パックの液冷システムには、電池パック冷液入水口01、電池パック凝縮管02及び電池パック冷液出水口03が設けられている。電池エネルギー分配ユニットの液冷システムには、電池エネルギー分配ユニット凝縮管04が設けられている。電池パック冷液入水口01、電池パック凝縮管02、電池エネルギー分配ユニット凝縮管04及び電池パック冷液出水口03は、直列して接続される。そのうち、電池パック凝縮管02は、電池パックの周囲に設けられ、電池エネルギー分配ユニット凝縮管04は、電池エネルギー分配ユニットの周囲に設けられ、電池パック冷液入水口01及び電池パック冷液出水口03は、ウォータポンプ05に接続され、ウォータポンプ05は、冷液を電池パック凝縮管02及び電池エネルギー分配ユニット凝縮管04の中で循環して流動するように制御可能であり、これにより、冷液と電池パック及び電池エネルギー分配ユニットとの熱エネルギー交換を実現する。
【0021】
表1は、本願の実施例に係る電池エネルギー分配ユニットの使用の作動状態及びセルの発熱の作動状態の管理情報であり、表1における電池エネルギー分配ユニットの使用の作動状態及びセルの発熱の作動状態に応じて、電池エネルギー分配ユニットの温度制御に対して分析を行い、そのうち、電池エネルギー分配ユニットの最高温度は、85℃よりも小さい。
【0022】
上表を分析して分かるように、セル温度が-20℃~10℃にあるとき、電池パック熱管理システムは、加熱機能を実行し、冷液≦40℃であり、セルの能力の影響を受けて、電池エネルギー分配ユニットに大パワーで作動するという状況が存在せず、電池パックの充放電の電流が低く、電池エネルギー分配ユニットの発熱パワーが低く、電池エネルギー分配ユニットの最高温度が85℃以内にあり、電池エネルギー分配ユニットの温度と冷液温度とに温度差が存在し、電池エネルギー分配ユニットの熱量が冷液内に伝達可能であり、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムは作動しなくてもよく、電池パックの液冷システムのみが、冷液を、循環して電池エネルギー分配ユニットに対して放熱を行うように制御すればよい。
【0023】
セル温度が10℃~15℃にあるとき、電池パック熱管理システムは、加熱機能の実行を継続し、冷液≦40℃であり、セルは大パワーでの作動を許容し、電池エネルギー分配ユニットは分配電流が大きくなり、冷液温度が高くなり且つ冷液の循環速度が低いという状況が存在する。そのため、電池管理システムによる電池エネルギー分配ユニットの温度又は分配電流の採取が必要とされる。電池管理システムにより採取された電池エネルギー分配ユニットの最高温度≧85℃(85℃が電池管理システムの設定閾値である)又は分配電流≧400A(400Aが電池管理システムの設定閾値である)であると、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムは、冷液と電池エネルギー分配ユニットとの熱量交換速度を加速させて、電池エネルギー分配ユニットに対する降温の目的を達成するために、冷液を高速で循環するように制御する必要があり、電池エネルギー分配ユニットの温度が70℃(70摂氏度が電池管理システムの設定閾値であり、この設定閾値で電池エネルギー分配ユニットが正常に作動できる)に低下すると、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムは、作動を停止し、電池パックの液冷システムは、冷液を、循環して電池エネルギー分配ユニットに対して放熱を行うように制御する。
【0024】
セル温度>30℃であると、電池パック熱管理システムは、冷凍機能を実行する。電池管理システムにより採取された電池エネルギー分配ユニットの最高温度≧85℃(85℃が電池管理システムの設定閾値である)又は分配電流≧400A(400Aが電池管理システムの設定閾値である)であると、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムは、冷液と電池エネルギー分配ユニットとの熱量交換速度を加速させて、電池エネルギー分配ユニットに対する降温の目的を達成するために、冷液を高速で循環するように制御する必要があり、電池エネルギー分配ユニットの温度が70℃(70摂氏度が電池管理システムの設定閾値であり、この閾値で電池エネルギー分配ユニットが正常に作動できる)に低下すると、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムは、作動を停止し、電池パックの液冷システムは、冷液を、循環して電池エネルギー分配ユニットに対して放熱を行うように制御する。
【0025】
上記分析に応じて、本願の実施例は、電池エネルギー分配ユニットに電流容量が大きく且つ仕様型番がより高い電気部品を選択することが不要となるように、電池エネルギー分配ユニットの温度を制御するための電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法を提供する。
【0026】
図2は、本願の実施例に係る電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法のフローの模式図であり、本実施例は、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムを有する電池エネルギー分配ユニットに対する温度制御に適用可能であり、該方法は、電池管理システムにより実行されてもよく、電池管理システムは、ハードウェア及び/又はソフトウェアの方式を採用して実現可能である。該方法のステップは、以下を含む。
【0027】
S110において、第1の温度及び分配電流のうちの少なくとも1種類を含む電池エネルギー分配ユニットの目標データを検出する。
【0028】
第1の温度とは、電池エネルギー分配ユニットの温度であり、分配電流とは、電池エネルギー分配ユニットの高圧回路の電流である。例示的に、図3は、本願の実施例に係る電池管理システムと電池エネルギー分配ユニットとの接続構造の模式図であり、図3に示すように、電池管理システム10は、電池エネルギー分配ユニット20に接続される。電池エネルギー分配ユニット20は、電流センサP及び複数の温度サンプリング点を備える。そのうち、電池管理システム10は、電池エネルギー分配ユニット20に接続される。電池管理システム10は、電池エネルギー分配ユニット20の第1の温度を検出できるように、電池エネルギー分配ユニット20の高圧回路の複数の温度サンプリング点(例えば温度サンプリング点NTC1、温度サンプリング点NTC2、温度サンプリング点NTC3及び温度サンプリング点NTC4)に接続される。そのうち、温度サンプリング点は、電池管理システム10による電池エネルギー分配ユニット20の第1の温度の検出の精確度を向上させるために、能受動一体式ヒューズQ、メイン正極リレーM1、メイン負極リレーM2、プリチャージリレーM3及び急速充電リレーM4の付近に設けられてもよい。電池管理システム10はさらに、電流センサPに接続され、電流センサPは、電池エネルギー分配ユニット20の高圧回路の分配電流を検出可能であり、リアルタイムに高圧回路の分配電流を検知し、リアルタイムに高圧回路の分配電流を電池管理システム10に伝送することができる。
【0029】
電池管理システム10は、第1の温度及び分配電流を取得し、第1の温度の大きさ及び分配電流の大きさにより、電池エネルギー分配ユニット20の第1の温度及び分配電流をリアルタイムにモニタすることで、後続の電池エネルギー分配ユニット20の温度に対する調節制御を容易にすることができる。
【0030】
S120において、目標データに応じて、制御命令を生成して電池エネルギー分配ユニットの液冷システム又は電池パックの液冷システムに送信して、電池エネルギー分配ユニットの液冷システム又は電池パックの液冷システムを制御命令に応じて稼働を開始するようにさせることにより、電池エネルギー分配ユニットの温度を制御する。
【0031】
電池管理システム10は直接、第1の温度の大きさにより、電池エネルギー分配ユニット20の温度が電池エネルギー分配ユニット20の正常な作動に影響するか否かを判断し、電池エネルギー分配ユニット20の温度が電池エネルギー分配ユニット20の正常な作動に影響するか否かを判断基準として制御命令を生成することで、電池エネルギー分配ユニット20の温度に対する急速調節を実現することができる。
【0032】
また、電池エネルギー分配ユニット20の分配電流が大きいほど、電池エネルギー分配ユニット20の温度は高くなる。分配電流が一定程度に到達すると、電池エネルギー分配ユニット20の温度は急速に高くなって電池エネルギー分配ユニット20の正常な作動の温度範囲を超える。これにより、電池管理システム10は間接、分配電流の大きさにより、電池エネルギー分配ユニット20の温度が電池エネルギー分配ユニット20の正常な作動に影響するか否かを判断し、電池エネルギー分配ユニット20の温度が電池エネルギー分配ユニット20の正常な作動に影響するか否かを判断基準として制御命令を生成することで、電池エネルギー分配ユニット20の温度に対する急速調節を実現することができる。
【0033】
電池エネルギー分配ユニット20の温度が電池エネルギー分配ユニット20の正常な作動に影響すると、電池エネルギー分配ユニット20の温度が高すぎるので急速降温が必要であることを示しており、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムは、制御命令に応じて稼働を起動し、冷液を高速で循環するように制御して、冷液と電池エネルギー分配ユニット20との熱量交換速度を加速させることで、電池エネルギー分配ユニット20の急速降温に対する制御を実現することができる。
【0034】
電池エネルギー分配ユニット20の温度が電池エネルギー分配ユニット20の正常な作動に影響しないと、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムは、稼働を停止し、電池パックの液冷システムにより制御命令に応じて稼働の起動が制御され、冷液を正常に循環するように制御することで、電池エネルギー分配ユニット20の正常な放熱に対する制御を実現することができる。
【0035】
本願の実施例の電池エネルギー分配ユニットには、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが設けられている。電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法は、電池パック内の電池管理システムに応用され、電池管理システムは、第1の温度及び分配電流のうちの少なくとも1種類を含む電池エネルギー分配ユニットの目標データを検出可能であり、これにより、電池管理システムは、電池エネルギー分配ユニットの第1の温度及び分配電流をリアルタイムにモニタすることで、後続の電池エネルギー分配ユニットの温度に対する調節を容易にすることができる。電池管理システムは、目標データに応じて、制御命令を生成して電池エネルギー分配ユニットの液冷システム又は電池パックの液冷システムに送信して、電池エネルギー分配ユニットの液冷システム又は電池パックの液冷システムを制御命令に応じて稼働を開始するようにさせることにより、電池エネルギー分配ユニットと電池エネルギー分配ユニットの液冷システム又は電池パックの液冷システムとの熱量交換速度を制御し、さらに電池エネルギー分配ユニットの放熱、降温に対する制御を実現する。これから分かるように、本態様は、電池エネルギー分配ユニットの温度を制御可能であり、これにより、電池エネルギー分配ユニットに電流容量が大きく且つ仕様型番がより高い電気部品の選択が不要となるため、電池エネルギー分配ユニットの体積が大きくなり、空間が大きくなり、重量が重くなり、コストが増加することがない。
【0036】
好ましくは、制御命令は、第1の制御命令及び第2の制御命令を含む。
【0037】
電池管理システム10により生成される制御命令は、第1の制御命令及び第2の制御命令を含む。そのうち、電池エネルギー分配ユニット20の温度が電池エネルギー分配ユニット20の正常な作動に影響すると、電池管理システム10は、第1の制御命令を生成し、高速で電池エネルギー分配ユニット20に対して放熱、降温を行う。電池エネルギー分配ユニット20の温度が電池エネルギー分配ユニット20の正常な作動に影響しないと、電池管理システム10は、第2の制御命令を生成し、正常な速度で電池エネルギー分配ユニット20に対して放熱、降温を行う。
【0038】
図4は、本願の実施例に係る他の1つの電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法のフローの模式図であり、図4に示すように、該方法のステップは、以下を含む。
【0039】
S210において、電池エネルギー分配ユニットの第1の温度を検出する。
【0040】
S220において、第1の温度が第1の温度閾値よりも大きいか又は等しいか否かを判断し、第1の温度が第1の温度閾値よりも大きいか又は等しいという判断結果に応答し、S230を実行し、第1の温度が第1の温度閾値よりも小さいという判断結果に応答し、S240を実行する。
【0041】
そのうち、第1の温度閾値は、予め設定された温度であり、第1の温度閾値は、電池エネルギー分配ユニット20が正常に作動できるときの最高温度である。
【0042】
S230において、第1の制御命令を生成して電池エネルギー分配ユニットの液冷システムに送信して、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムを第1の制御命令に応じて稼働を開始するようにさせる。
【0043】
S240において、第2の制御命令を生成して電池パックの液冷システムに送信して、電池パックの液冷システムを第2の制御命令に応じて稼働を開始するようにさせる。
【0044】
上記過程において、電池管理システム10は直接、第1の温度の大きさにより、異なる制御命令を生成することで、電池エネルギー分配ユニット20の温度を急速調節することができる。
【0045】
図5は、本願の実施例に係る他の1つの電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法のフローの模式図であり、図5に示すように、該方法のステップは、以下を含む。
【0046】
S310において、電池エネルギー分配ユニットの分配電流を検出する。
【0047】
S320において、分配電流がプリセット電流よりも大きいか又は等しいか否かを判断し、分配電流がプリセット電流よりも大きいか又は等しいという判断結果に応答し、S330を実行し、分配電流がプリセット電流よりも小さいという判断結果に応答し、S310を実行する。
【0048】
そのうち、プリセット電流は、予め設定された電流であり、電池エネルギー分配ユニット20の分配電流がプリセット電流を超えると、電池エネルギー分配ユニット20の温度は急速に高くなって電池エネルギー分配ユニット20が正常に作動できる温度範囲を超える。
【0049】
S330において、分配電流の受け入れ開始からの持続時間を計算する。
【0050】
分配電流には不安定な状況が存在するため、電池管理システム10は、分配電流のバラツキにより受け入れられた分配電流が不正確になることを防止するために、分配電流が受け入れられたことの開始からの持続時間を計算する必要がある。
【0051】
S340において、持続時間がプリセット時間よりも大きいか否かを判断し、持続時間がプリセット時間よりも大きいという判断結果に応答し、S350を実行し、持続時間がプリセット時間よりも小さいか又は等しいという判断結果に応答し、S360を実行する。
【0052】
S350において、第1の制御命令を生成して電池エネルギー分配ユニットの液冷システムに送信して、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムを第1の制御命令に応じて稼働を開始するようにさせる。
【0053】
S360において、第2の制御命令を生成して電池パックの液冷システムに送信して、電池パックの液冷システムを第2の制御命令に応じて稼働を開始するようにさせる。
【0054】
上記過程において、電池管理システム10は間接、分配電流により、異なる制御命令を生成することで、電池エネルギー分配ユニット20の温度を急速調節することができる。
【0055】
図6は、本願の実施例に係る他の1つの電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法のフローの模式図であり、図6に示すように、該方法のステップは、以下を含む。
【0056】
S410において、第1の温度及び分配電流のうちの少なくとも1種類を含む電池エネルギー分配ユニットの目標データを検出する。
【0057】
S420において、目標データに応じて、第1の制御命令又は第2の制御命令を生成する。
【0058】
S430において、第1の制御命令を生成して電池エネルギー分配ユニットの液冷システムに送信して、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムを第1の制御命令に応じてウォータポンプの稼働を制御するようにさせることにより、電池エネルギー分配ユニットの温度を制御する。
【0059】
S431において、電池エネルギー分配ユニットの第2の温度を取得する。
【0060】
第2の温度は、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが第1の制御命令に応じてウォータポンプの稼働を制御した後、電池管理システム10により検出される電池エネルギー分配ユニット20の温度である。
【0061】
S432において、第2の温度に応じて、電池エネルギー分配ユニットが降温条件を満たすか否かを判断し、電池エネルギー分配ユニットが降温条件を満たすという判断結果に応答し、S440を実行し、電池エネルギー分配ユニットが降温条件を満たさないという判断結果に応答し、S433を実行する。
【0062】
第2の温度が電池エネルギー分配ユニット20が正常に作動できる温度であれば、電池エネルギー分配ユニット20の降温が成功し、電池エネルギー分配ユニット20が降温条件を満たすことを示す。第2の温度が電池エネルギー分配ユニット20が正常に作動できない温度であれば、電池エネルギー分配ユニット20の降温が失敗し、電池エネルギー分配ユニット20が降温条件を満たさないことを示す。
【0063】
S440において、第2の制御命令を生成して電池パックの液冷システムに送信して、電池パックの液冷システムを第2の制御命令に応じてウォータポンプの稼働を制御するようにさせることにより、電池エネルギー分配ユニットの温度を制御する。
【0064】
S433において、第2の温度に応じて電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが故障して稼働しているか否かを判断し、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが故障して稼働しているという判断結果に応答し、S434を実行し、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが故障して稼働していないという判断結果に応答し、S430を実行する。
【0065】
電池エネルギー分配ユニット20の降温が失敗した場合、電池エネルギー分配ユニット20の降温の失敗が、電池エネルギー分配ユニット20の温度がまだ正常に作動できる温度に低下していなかったことに起因するか、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが故障して稼働したことに起因するかを決定する必要がある。
【0066】
S434において、第2の温度に応じて電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの故障タイプを決定し、故障タイプに応じて電池エネルギー分配ユニットに対して故障処理を行う。
【0067】
電池エネルギー分配ユニット20の降温の失敗が、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが故障して稼働したことに起因することが決定されると、後続で電池管理システム10が電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの故障タイプに応じて的確な故障処理を行うように、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの故障タイプを決定する必要がある。
【0068】
例示的に、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの故障タイプは、冷却不足及び冷却失効を含む。電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの冷却が不足しているとき、電池エネルギー分配ユニット20の温度は、1つの温度範囲内にあり、例えば130℃>電池エネルギー分配ユニット20の温度≧105℃である。電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの冷却が失効しているとき、電池エネルギー分配ユニット20の温度も、1つの温度範囲内にあり、例えば電池エネルギー分配ユニット20の温度≧130℃である。
【0069】
例示的に、図7は、本願の実施例に係る電池管理システムが電池エネルギー分配ユニットが降温条件を満たすか否かを判断する方法のフローの模式図であり、上記実施例を踏まえ、電池管理システムが第2の温度に応じて電池エネルギー分配ユニットが降温条件を満たすか否かを判断する方法は、以下を含む。
【0070】
S510において、第2の温度が第2の温度閾値よりも小さいか又は等しいか否かを判断し、第2の温度が第2の温度閾値よりも小さいか又は等しければ、S520を実行し、第2の温度が第2の温度閾値よりも大きければ、S530を実行する。
【0071】
第2の温度閾値は、電池エネルギー分配ユニットが正常に作動できる最高温度である。
【0072】
S520において、電池エネルギー分配ユニットは降温条件を満たす。
【0073】
S530において、電池エネルギー分配ユニットは降温条件を満たさない。
【0074】
例示的に、図8は、本願の実施例に係る電池管理システムが電池エネルギー分配ユニットの液冷システムに故障して稼働していることが発生したか否かを判断する方法のフローの模式図であり、上記実施例を踏まえ、電池管理システムが第2の温度に応じて電池エネルギー分配ユニットの液冷システムに故障して稼働していることが発生したか否かを判断する方法は、以下を含む。
【0075】
S610において、第2の温度が第3の温度閾値よりも大きいか又は等しいか否かを判断し、第2の温度が第3の温度閾値よりも大きいか又は等しいという判断結果に応答し、S620を実行し、第2の温度が第3の温度閾値よりも小さいという判断結果に応答し、S630を実行する。
【0076】
第3の温度閾値は、電池エネルギー分配ユニットが有効に降温できない最小温度値である。
【0077】
S620において、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムは故障して稼働している。
【0078】
S630において、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムは正常に稼働している。
【0079】
好ましくは、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの故障タイプは、冷却不足及び冷却失効を含む。
【0080】
電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの冷却が不足しているとき、電池エネルギー分配ユニット20の温度は、1つの温度範囲内にあり、例えば130℃>電池エネルギー分配ユニット20の温度≧105℃である。電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの冷却が失効しているとき、電池エネルギー分配ユニット20の温度も、1つの温度範囲内にあり、例えば電池エネルギー分配ユニット20の温度≧130℃である。
【0081】
例示的に、図9は、本願の実施例に係る電池管理システムが第2の温度に応じて電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの故障タイプを決定する方法のフローの模式図であり、上記実施例を踏まえ、電池管理システムが第2の温度に応じて電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの故障タイプを決定する方法は、以下を含む。
【0082】
S710において、第2の温度が第4の温度閾値よりも小さいか否かを判断し、第2の温度が第4の温度閾値よりも小さいという判断結果に応答し、S720を実行し、第2の温度が第4の温度閾値よりも大きいか又は等しいという判断結果に応答し、S730を実行する。
【0083】
第4の温度閾値は、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムが電池エネルギー分配ユニット20の温度を調節できなくなると、電池エネルギー分配ユニット20が到達する最小温度値である。
【0084】
S720において、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの故障タイプは冷却不足である。
【0085】
S730において、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの故障タイプは冷却失効である。
【0086】
図10は、本願の実施例に係る他の1つの電池エネルギー分配ユニットの温度制御方法のフローの模式図であり、図10に示すように、該方法のステップは、以下を含む。
【0087】
S811において、第1の温度及び分配電流のうちの少なくとも1種類を含む電池エネルギー分配ユニットの目標データを検出し、引き続きS812及びS813を実行するか、若しくは引き続きS812又はS813を実行する。
【0088】
S812において、第1の温度が第1の温度閾値よりも大きいか又は等しいか否かを判断し、第1の温度が第1の温度閾値よりも大きいか又は等しいという判断結果に応答し、S816を実行し、第1の温度が第1の温度閾値よりも小さいという判断結果に応答し、S819を実行する。
【0089】
S813において、分配電流がプリセット電流よりも大きいか又は等しいか否かを判断し、分配電流がプリセット電流よりも大きいか又は等しいという判断結果に応答し、S814を実行し、分配電流がプリセット電流よりも小さいという判断結果に応答し、S811を実行する。
【0090】
S814において、分配電流の受け入れ開始からの持続時間を計算する。
【0091】
S815において、持続時間がプリセット時間よりも大きいか否かを判断し、持続時間がプリセット時間よりも大きいという判断結果に応答し、S816を実行し、持続時間がプリセット時間よりも小さいか又は等しいという判断結果に応答し、S819を実行する。
【0092】
例示的に、分配電流の受け入れ開始からの持続時間を計算し、持続時間がプリセット時間よりも大きいか否かを判断することは、プリセット電流よりも大きいか又は等しい分配電流の受け入れから、プリセット電流よりも大きいか又は等しい分配電流を受け入れている持続時間を計算することであってもよく、例えばプリセット電流が400Aであり、400Aよりも大きいか又は等しい分配電流が受け入れられたときから、分配電流が400Aよりも大きいか又は等しくなっている持続時間を計算してから、持続時間がプリセット時間よりも大きいか否かを判断する。
【0093】
S816において、第1の制御命令を生成して電池エネルギー分配ユニットの液冷システムに送信して、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムを第1の制御命令に応じて稼働を開始するようにさせる。
【0094】
S817において、電池エネルギー分配ユニットの第2の温度を取得する。
【0095】
S818において、第2の温度に応じて、電池エネルギー分配ユニットが降温条件を満たすか否かを判断し、電池エネルギー分配ユニットが降温条件を満たすという判断結果に応答し、S819を実行し、電池エネルギー分配ユニットが降温条件を満たさないという判断結果に応答し、S820を実行する。
【0096】
S819において、第2の制御命令を生成して電池パックの液冷システムに送信して、電池パックの液冷システムを第2の制御命令に応じて稼働を開始するようにさせる。
【0097】
S820において、第2の温度が第3の温度閾値よりも大きいか又は等しいか否かを判断し、第2の温度が第3の温度閾値よりも大きいか又は等しいという判断結果に応答し、S821を実行し、第2の温度が第3の温度閾値よりも小さいという判断結果に応答し、S816を実行する。
【0098】
S821において、第2の温度が第4の温度閾値よりも小さいか否かを判断し、第2の温度が第4の温度閾値よりも小さいという判断結果に応答し、S822を実行し、第2の温度が第4の温度閾値よりも大きいか又は等しいという判断結果に応答し、S824を実行する。
【0099】
S822において、車両統合コントローラ又は充電パイルにパワー低下命令を送信する。
【0100】
例示的に、仮に第3の温度閾値は105℃であり、第4の温度閾値は130℃である。電池管理システム10により130℃>電池エネルギー分配ユニット20の温度≧105℃であることが検知されると、電池管理システム10は、車両統合コントローラ又は充電パイルにパワー低下命令を送信し、パワーを現在のパワーの80%に低下させ、105℃を基準とし、電池エネルギー分配ユニット20の温度が1℃上昇するたびに、現在のパワーが20%低下する。
【0101】
S823において、車両統合コントローラは、パワー低下命令に応じてエンジンのパワーを低下させ、又は充電パイルは、パワー低下命令に応じて充電パワーを低下させ、S825を実行する。
【0102】
S824において、電池エネルギー分配ユニットを断電するように制御する。
【0103】
例示的に、引き続き図3を参照し、電池管理システム10は、電池エネルギー分配ユニット20に接続される。電池エネルギー分配ユニット20は、能受動一体式ヒューズQ、放電端A、充電端C、メイン正極リレーM1、メイン負極リレーM2、プリチャージリレーM3及び急速充電リレーM4をさらに備える。
【0104】
電池管理システム10は、電池エネルギー分配ユニット20に接続される。電池管理システム10は、それぞれ能受動一体式ヒューズQ、メイン正極リレーM1、メイン負極リレーM2、プリチャージリレーM3及び急速充電リレーM4に接続される。電池管理システム10は、電池エネルギー分配ユニット20を断電するように制御し、電池管理システム10は、能受動一体式ヒューズQの内蔵の火薬がトリガされて、能動的に電池エネルギー分配ユニット20の高圧回路を爆破して電池エネルギー分配ユニット20の高圧回路をオフにさせるように、能受動一体式ヒューズQに励起電源信号を提供可能である。また、電池管理システム10は、能受動一体式ヒューズQを制御して電池エネルギー分配ユニット20の高圧回路をオフにさせた後、電池管理システム10は、それぞれメイン正極リレーM1、メイン負極リレーM2、プリチャージリレーM3及び急速充電リレーM4に制御信号を送信することで、メイン正極リレーM1、メイン負極リレーM2、プリチャージリレーM3及び急速充電リレーM4をオフになるように制御することができる。
【0105】
S825において、電池管理システム及び車両統合コントローラは、電池エネルギー分配ユニットの液冷システムの故障情報を記録する。
【0106】
以上に示す様々な形式のフローを使用し、ステップを並べ替えたり、追加したり、削除したりすることができることを理解すべきである。例えば、本願に記載の複数のステップは、並行して実行されてもよいし、順次的に実行されてもよいし、異なる順序で実行されてもよく、本願の技術態様の所望の結果が実現できれば、本明細書において、ここで制限されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10