(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】参照信号をハンドリングするための、方法、および無線通信ネットワークのトランシーバ
(51)【国際特許分類】
H04L 27/26 20060101AFI20241205BHJP
H04W 24/08 20090101ALI20241205BHJP
【FI】
H04L27/26 114
H04L27/26 400
H04W24/08
(21)【出願番号】P 2023537922
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(86)【国際出願番号】 SE2020051256
(87)【国際公開番号】W WO2022139641
(87)【国際公開日】2022-06-30
【審査請求日】2023-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【氏名又は名称】小梶 晴美
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【氏名又は名称】石岡 利康
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルナル, カール
(72)【発明者】
【氏名】カールソン, トシュテン
(72)【発明者】
【氏名】ニルソン, マグヌス
【審査官】川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0045544(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0313932(US,A1)
【文献】国際公開第2020/242784(WO,A1)
【文献】特表2022-535368(JP,A)
【文献】特表2016-517653(JP,A)
【文献】Ericsson,UL Reference Signals for NR Positioning[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #97 R1-1907509,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_97/Docs/R1-1907509.zip>,2019年05月03日
【文献】Huawei, HiSilicon,SRS design for NR positioning[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #98 R1-1908115,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_98/Docs/R1-1908115.zip>,2019年08月17日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
参照信号をハンドリングするための、無線通信ネットワーク(100)の第1のトランシーバ(120)によって実施される方法であって、前記第1のトランシーバ(120)が、M個のアンテナ分岐(124、125、126)を備え、Mが少なくとも2であり、各アンテナ分岐がアンテナエレメント(121、122、123)を備え、前記方法は、
前記M個のアンテナ分岐(124、125、126)の各々の前記アンテナエレメントにおいて
、前記無線通信ネットワークの第2のトランシーバ(110)から、キャリア周波数帯域幅の少なくともサブセットのあらゆるK個のサブキャリア周波数にマッピングされたOFDM参照信号シンボルを含むOFDM変調された
時間ドメイン参照信号を受信すること(202)であって、Kがコム係数と呼ばれる、OFDM変調された
時間ドメイン参照信号を受信すること(202)と、
前記M個のアンテナ分岐(124、125、126)の各々において、
1つのOFDMシンボル
につきN個のサンプルを使用して、前記受信された
時間ドメイン参照信号をサンプリングすること(204)と、
前記M個のアンテナ分岐(124、125、126)の各々について、
少なくとも2つの反復ブロックにわたって前記サンプリングされた
時間ドメイン参照信号を
累積すること(210)であって、各ブロックがN/K個のサンプルの長さを有
し、前記少なくとも2つの反復ブロックの開始時間に関する情報に基づいて前記長さN/K個のサンプルをもつ圧縮信号を取得するために、
前記サンプリングされた時間ドメイン参照信号を累算すること(210)と、
前記M個のアンテナ分岐(124、125、126)の各々について、前記第2のトランシーバ(110)と前記第1のトランシーバ(120)との間の無線通信チャネルを推定する際に使用するためにアグリゲートユニット(128)にインターフェース(129)を介して前記圧縮信号を伝達すること(212)と
を含む、方法。
【請求項2】
前記OFDM参照信号シンボルが、サウンディング参照信号(SRS)の一部であり、前記コム係数K=4である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記OFDM参照信号シンボルが、サウンディング参照信号(SRS)の一部であり、前記コム係数K=6、8、12、または16である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記受信された
時間ドメイン参照信号が、サンプリング周波数f
sでサンプリングされ(204)、前記コム係数Kおよび前記サンプリング周波数f
sは、前記少なくとも2つの反復ブロックが各々、等しい数のサンプルを備えるように選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも2つの反復ブロックが、第1のOFDMシンボル中の第1の反復ブロックと、第2のOFDMシンボル中の第2の反復ブロックとを備えるとき、前記累算(210)は、前記第1の反復ブロックと前記第2の反復ブロックとの間の時間におけるシフトが整数個のサンプルであるように、前記第1のOFDMシンボルまたは前記第2のOFDMシンボルのサイクリックプレフィックスについて補償される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも2つの反復ブロックが、第1のOFDMシンボル中の反復ブロックの第1のセットと、第2のOFDMシンボル中の反復ブロックの第2のセットとを備え、前記累算(210)は、最初に、反復ブロックの前記第1のセットが累算され、前記第1のOFDMシンボルと前記第2のOFDMシンボルとの間の時間が整数個のサンプルでない場合、反復ブロックの前記第2のセットを反復ブロックの前記第1のセットと整合させるために分数遅延フィルタが反復ブロックの前記第2のセットに適用され、その後、反復ブロックの前記第2のセットが反復ブロックの前記第1のセットと累算されるように、実施される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記1つのOFDMシンボル
につき前記N個のサンプルと、前記コム係数Kと、OFDMシンボル開始時間とを含む、前記少なくとも2つの反復ブロックの開始時間に関する前記情報を取得すること(206)
をさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記OFDM参照信号シンボルが、前記キャリア周波数帯域幅の前記少なくともサブセットの最も低いサブキャリア上でマッピングされないとき、コム係数周波数オフセットK
shiftに関する情報を取得すること(208)と、
前記累算(210)を実施するとき、
前記時間ドメイン参照信号の位相が前記累算前にサンプルごとにシフトされるように、前記コム係数周波数オフセットK
shiftについて補償することと
をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
参照信号をハンドリングするために設定された無線通信
ネットワーク(100)において動作可能な第1のトランシーバ(120)であって、前記第1のトランシーバ(120)が、M個のアンテナ分岐(124、125、126)を備え、Mが少なくとも2であり、各アンテナ分岐がアンテナエレメント(121、122、123)を備え、前記第1のトランシーバ(120)が、処理回路(603)とメモリ(604)とを備え、前記メモリが、前記処理回路によって実行可能な命令を含んでおり、それにより、第1のトランシーバ(120)が、
前記M個のアンテナ分岐(124、125、126)の各々の前記アンテナエレメントにおいて、前記無線通信ネットワークの第2のトランシーバ(110)から、キャリア周波数帯域幅の少なくともサブセットのあらゆるK個のサブキャリア周波数にマッピングされたOFDM参照信号シンボルを含むOFDM変調された
時間ドメイン参照信号を受信することであって、Kがコム係数と呼ばれる、OFDM変調された
時間ドメイン参照信号を受信することと、
前記M個のアンテナ分岐(124、125、126)の各々において、
1つのOFDMシンボル
につきN個のサンプルを使用して、前記受信された
時間ドメイン参照信号をサンプリングすることと、
前記M個のアンテナ分岐(124、125、126)の各々について、
少なくとも2つの反復ブロックにわたって前記サンプリングされた
時間ドメイン参照信号を
累積することであって、各ブロックがN/K個のサンプルの長さを有
し、前記少なくとも2つの反復ブロックの開始時間に関する情報に基づいて前記長さN/K個のサンプルをもつ圧縮信号を取得するために、
前記サンプリングされた時間ドメイン参照信号を累算することと、
前記M個のアンテナ分岐(124、125、126)の各々について、前記第2のトランシーバ(110)と前記第1のトランシーバ(120)との間の無線通信チャネルを推定する際に使用するためにアグリゲートユニット(128)にインターフェース(129)を介して前記圧縮信号を伝達することと
を行うために動作可能である、第1のトランシーバ(120)。
【請求項10】
前記OFDM参照信号シンボルが、サウンディング参照信号(SRS)の一部であり、前記コム係数K=4である、請求項9に記載の第1のトランシーバ(120)。
【請求項11】
前記OFDM参照信号シンボルが、サウンディング参照信号(SRS)の一部であり、前記コム係数K=6、8、12、または16である、請求項9に記載の第1のトランシーバ(120)。
【請求項12】
サンプリング周波数f
sで、前記受信された
時間ドメイン参照信号を前記サンプリングすることを行うために動作可能であり、前記コム係数Kおよび前記サンプリング周波数f
sは、前記少なくとも2つの反復ブロックが各々、等しい数のサンプルを備えるように選択される、請求項9から11のいずれか一項に記載の第1のトランシーバ(120)。
【請求項13】
前記少なくとも2つの反復ブロックが、第1のOFDMシンボル中の第1の反復ブロックと、第2のOFDMシンボル中の第2の反復ブロックとを備え、前記第1のトランシーバは、前記累算において、前記第1の反復ブロックと前記第2の反復ブロックとの間の時間におけるシフトが整数個のサンプルであるように、前記第1のOFDMシンボルまたは前記第2のOFDMシンボルのサイクリックプレフィックスについて補償するために動作可能である、請求項9から12のいずれか一項に記載の第1のトランシーバ(120)。
【請求項14】
前記少なくとも2つの反復ブロックが、第1のOFDMシンボル中の反復ブロックの第1のセットと、第2のOFDMシンボル中の反復ブロックの第2のセットとを備え、前記第1のトランシーバは、前記累算を、最初に、反復ブロックの前記第1のセットが累算され、前記第1のOFDMシンボルと前記第2のOFDMシンボルとの間の時間が整数個のサンプルでない場合、反復ブロックの前記第2のセットを反復ブロックの前記第1のセットと整合させるために分数遅延フィルタが反復ブロックの前記第2のセットに適用され、その後、反復ブロックの前記第2のセットが反復ブロックの前記第1のセットと累算されるように、実施するために動作可能である、請求項9から13のいずれか一項に記載の第1のトランシーバ(120)。
【請求項15】
前記1つのOFDMシンボル
につき前記N個のサンプルと、前記コム係数Kと、OFDMシンボル開始時間とを含む、前記少なくとも2つの反復ブロックの開始時間に関する前記情報を取得すること
を行うためにさらに動作可能である、請求項9から14のいずれか一項に記載の第1のトランシーバ(120)。
【請求項16】
前記OFDM参照信号シンボルが、前記キャリア周波数帯域幅の前記少なくともサブセットの最も低いサブキャリア上でマッピングされないとき、コム係数周波数オフセットK
shiftに関する情報を取得することと、
前記累算を実施するとき、
前記時間ドメイン参照信号の位相が前記累算前にサンプルごとにシフトされるように、前記コム係数周波数オフセットK
shiftについて補償することと
を行うためにさらに動作可能である、請求項9から15のいずれか一項に記載の第1のトランシーバ(120)。
【請求項17】
命令を備えるコンピュータプログラム(605)であって、前記命令は、参照信号をハンドリングするために設定された、無線通信ネットワークの第1のトランシーバ(120)であって、前記第1のトランシーバ(120)が、M個のアンテナ分岐(124、125、126)を備え、Mが少なくとも2であり、各アンテナ分岐がアンテナエレメント(121、122、123)を備える、第1のトランシーバ(120)の少なくとも1つの処理回路によって実行されたとき、前記第1のトランシーバ(120)に、
前記M個のアンテナ分岐(124、125、126)の各々の前記アンテナエレメントにおいて、および時間ドメインにおいて、前記無線通信ネットワークの第2のトランシーバ(110)から、キャリア周波数帯域幅の少なくともサブセットのあらゆるK個のサブキャリア周波数にマッピングされたOFDM参照信号シンボルを含むOFDM変調された
時間ドメイン参照信号を受信することであって、Kがコム係数と呼ばれる、OFDM変調された
時間ドメイン参照信号を受信するステップと、
前記M個のアンテナ分岐(124、125、126)の各々において、
1つのOFDMシンボル
につきN個のサンプルを使用して、前記受信された
時間ドメイン参照信号をサンプリングするステップと、
前記M個のアンテナ分岐(124、125、126)の各々について、
少なくとも2つの反復ブロックにわたって前記されたサンプリングされた
時間ドメイン参照信号を
累積するステップであって、各ブロックがN/K個のサンプルの長さを有
し、前記少なくとも2つの反復ブロックの開始時間に関する情報に基づいて前記長さN/K個のサンプルをもつ圧縮信号を取得するために、
前記サンプリングされた時間ドメイン参照信号を累算するステップと、
前記M個のアンテナ分岐(124、125、126)の各々について、前記第2のトランシーバ(110)と前記第1のトランシーバ(120)との間の無線通信チャネルを推定する際に使用するためにアグリゲートユニット(128)にインターフェース(129)を介して前記圧縮信号を伝達するステップと
を実施させる、コンピュータプログラム(605)。
【請求項18】
請求項17に記載のコンピュータプログラム(605)を含んでいる
コンピュータ可読記憶媒体
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、参照信号をハンドリングするための、方法、および無線通信ネットワークのトランシーバに関する。本開示は、さらに、上記の方法およびトランシーバに対応するコンピュータプログラムおよびキャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえばデータ中心の適用例による、より高い帯域幅、より高いデータレート、およびより高いネットワーク容量に対する巨大な需要を満たすために、既存の第4世代(4G)無線通信ネットワーク技術、別名Long Term Evolution(LTE)は、新無線(New Radio:NR)アクセスとも呼ばれる第5世代(5G)技術に拡張されている。以下が、5G無線通信ネットワークのためのいくつかの要件である。
- 数十メガビット毎秒のデータレートが、数万個の無線デバイスのためにサポートされるべきである、
- 1ギガビット毎秒が、同じオフィスフロア上の数十人の人々に同時に提供されるべきである、
- 数十万の同時接続が、大規模センサー展開のためにサポートされるべきである、
- スペクトル効率が、4Gと比較して著しく拡張されるべきである、
- カバレッジが改善されるべきである、
- シグナリング効率が拡張されるべきである、および
- レイテンシが、4Gと比較して著しく低減されるべきである。
【0003】
多入力多出力(MIMO)は、マルチパス伝搬を活用するために、無線アクセスネットワーク(RAN)ノード、別名基地局において、および場合によっては、無線デバイスにおいても、複数の送信および受信アンテナを使用して無線リンクのデータ搬送容量を増倍させるための方法である。これらの理由で、MIMOは、第3世代(3G)および4G無線通信ネットワークの不可欠な部分である。5Gネットワークも、MIMOを採用することになる。RANノード、および場合によっては無線デバイスも、送信機側および/または受信機側において数百個のアンテナを有し得る。一般に、Ntが送信機アンテナの数を示し、Nrが受信機アンテナの数を示す、(Nt,Nr)の場合、ピークデータレートは、リッチスキャッタリング環境において単一アンテナシステムに対してNtの係数で増倍する。さらに、マルチユーザMIMO(MU-MIMO)は、同じ帯域幅を介して同時に複数の無線デバイスに信号を送ることが可能であるための、4Gおよび5Gにおいて採用される技法である。
【0004】
さらに、送信容量を拡張するために、ますます高い周波数が使用される。5Gでは、送信周波数が、複数GHz中のものである。また、送信帯域幅が、複数GHzのエリア中のものであり得る。より高い周波数、より広い送信帯域幅、ならびに複数の送信機および/または受信機アンテナは、RANノードにおいて、および場合によっては、無線デバイスにおいても、ハンドリングされる必要がある情報の量を大幅に増加させる。
【0005】
トランシーバにおける性能を最適化するために、周波数選択性アンテナ組合せが仮定される。これを可能にするために、トランシーバの各アンテナ分岐は、アグリゲートユニットと、1つまたは複数のアンテナエレメントが接続されたアンテナフィードポートとの間に、アンテナ分岐自体のトランシーバ経路を有する。一般に、トランシーバにおける機能の部分が、異なる集積回路(IC)、たとえば、特定用途向け集積回路(ASIC)間でスプリットされる。可能なそのようなスプリットは、アグリゲートユニットと、アンテナ分岐のうちの1つまたは複数をハンドリングする無線ASICとの間のものである。多数のアンテナと、高い周波数と、高い帯域幅との必須条件を考慮に入れると、そのようなIC間のインターフェースを介して送られる必要がある情報の量は、極めて高い必要がある。したがって、そのようなインターフェースの通信容量は、極めて高い必要がある。したがって、そのようなインターフェースを介して送られる必要がある情報を低減する必要がある。
【0006】
さらに、多数のアンテナによって与えられる自由度を使用するために、同時に通信するべきであるRANノードと(1つまたは複数の)無線デバイスとの間の無線通信チャネルの情報が必要とされる。そのような情報は、チャネル状態情報(CSI)と呼ばれることがある。CSIは、たとえば、(1つまたは複数の)無線デバイスからのRANノードの複数の受信機アンテナの各々において受信された信号に対する測定から取得され、無線通信チャネルの相互関係を活用し得る。正確なCSIが与えられれば、送信および受信重みが、正確に決定され、(1つまたは複数の)無線デバイスへの有向送信のために使用され得る。したがって、RANノードまたは無線デバイスなど、トランシーバ内のインターフェースを介して送られる必要がある情報を低減するためのソリューションが必要である。特に、そのようなインターフェースを介して送られる必要がある、CSIなど、無線通信チャネルの情報を低減するためのソリューションが必要である。言い換えれば、効率的な様式で広帯域CSIを取得するためのソリューションが必要である。またさらに、CSIは、MU-MIMOの場合、クロストークを最小限に抑えるためにどの無線デバイスを組み合わせるべきか、およびどのようにビームフォーミングすべきかを決定するために特に重要である。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、上記で概説された問題および問題点のうちの少なくともいくつかに対処することである。添付の独立請求項において規定されている方法、ネットワークノード、および無線通信デバイスを使用することによって、これらの目的および他の目的を達成することが可能である。
【0008】
一態様によれば、無線通信ネットワークの第1のトランシーバによって実施される、参照信号をハンドリングするための方法が提供される。第1のトランシーバはM個のアンテナ分岐を備え、Mは少なくとも2であり、各アンテナ分岐はアンテナエレメントを備える。本方法は、M個のアンテナ分岐の各々のアンテナエレメントにおいて、および時間ドメインにおいて、無線通信ネットワークの第2のトランシーバから、キャリア周波数帯域幅の少なくともサブセットのあらゆるK個のサブキャリア周波数にマッピングされたOFDM参照信号シンボルを含むOFDM変調された広帯域参照信号を受信することであって、Kがコム係数と呼ばれる、OFDM変調された広帯域参照信号を受信することと、M個のアンテナ分岐の各々において、OFDMシンボルごとのN個のサンプルを使用して、受信された広帯域参照信号をサンプリングすることとを含む。本方法は、M個のアンテナ分岐の各々について、受信されたサンプリングされた広帯域参照信号を、各ブロックがN/K個のサンプルの長さを有する少なくとも2つの反復ブロックにわたって、少なくとも2つの反復ブロックの開始時間に関する情報に基づいて長さN/K個のサンプルをもつ圧縮信号を取得するために、累算することと、M個のアンテナ分岐の各々について、第2のトランシーバと第1のトランシーバとの間の無線通信チャネルを推定する際に使用するためにインターフェースを介してアグリゲートユニットに圧縮信号を伝達することとをさらに含む。
【0009】
別の態様によれば、無線通信システムにおいて動作可能であり、参照信号をハンドリングするために設定された、第1のトランシーバが提供される。第1のトランシーバはM個のアンテナ分岐を備え、Mは少なくとも2であり、各アンテナ分岐はアンテナエレメントを備える。第1のトランシーバは、処理回路とメモリとをさらに備える。メモリは、前記処理回路によって実行可能な命令を含んでおり、それにより、第1のトランシーバは、M個のアンテナ分岐の各々のアンテナエレメントにおいて、および時間ドメインにおいて、無線通信ネットワークの第2のトランシーバから、キャリア周波数帯域幅の少なくともサブセットのあらゆるK個のサブキャリア周波数にマッピングされたOFDM参照信号シンボルを含むOFDM変調された広帯域参照信号を受信することであって、Kがコム係数と呼ばれる、OFDM変調された広帯域参照信号を受信することと、M個のアンテナ分岐の各々において、OFDMシンボルごとのN個のサンプルを使用して、受信された広帯域参照信号をサンプリングすることとを行うために動作可能である。第1のトランシーバは、M個のアンテナ分岐の各々について、受信されたサンプリングされた広帯域参照信号を、各ブロックがN/K個のサンプルの長さを有する少なくとも2つの反復ブロックにわたって、少なくとも2つの反復ブロックの開始時間に関する情報に基づいて長さN/K個のサンプルをもつ圧縮信号を取得するために、累算することと、M個のアンテナ分岐の各々について、第2のトランシーバと第1のトランシーバとの間の無線通信チャネルを推定する際に使用するためにインターフェースを介してアグリゲートユニットに圧縮信号を伝達することとを行うためにさらに動作可能である。
【0010】
他の態様によれば、コンピュータプログラムおよびキャリアも提供され、その詳細は、特許請求の範囲および発明を実施するための形態において説明される。
【0011】
このソリューションのさらなる可能な特徴および利益は、以下の発明を実施するための形態から明らかになろう。
【0012】
次に、例示的な実施形態によって、および添付の図面を参照しながら、ソリューションがより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明が使用され得る無線通信ネットワークの概略ブロック図である。
【
図2】本発明が使用され得る、無線通信ネットワークの別の概略図である。
【
図3】可能な実施形態による、第1のトランシーバによって実施される方法を示すフローチャートである。
【
図4】さらなる可能な実施形態による、アンテナ分岐における参照信号のハンドリングを示すブロック図である。
【
図5】本発明の実施形態に関して使用され得る、従来技術のアンテナ較正信号ユニットのブロック図である。
【
図6】可能な実施形態による、無線通信ネットワークにおいてSRSをハンドリングするための方法を示すフローチャートである。
【
図8】さらなる可能な実施形態による、第1のトランシーバの概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明が使用され得る無線通信ネットワーク100を示す。無線通信ネットワークは、第1のトランシーバ120と通信しているか、または第1のトランシーバ120との無線通信のために適応された、第2のトランシーバ110を備える。第2のトランシーバ110は、少なくとも1つのアンテナ111を有し、少なくとも1つのアンテナ111を通して無線信号が送られ、受信される。第1のトランシーバ120は、複数のアンテナエレメント121、122、123を有し、複数のアンテナエレメント121、122、123を通して、第1のトランシーバ120は、第2のトランシーバ110によって送信された無線信号を受信することができる。第1のトランシーバ120はまた、複数のアンテナエレメントを介して、または他の図示されていないアンテナエレメントを介して、第2のトランシーバ110のほうへ信号を送信し得る。第1のトランシーバ120は、複数のアンテナ分岐124、125、126をさらに有する。各アンテナ分岐は、複数のアンテナエレメント121、122、123のうちの少なくとも1つに接続される。アンテナエレメントは、1つのアンテナ分岐にのみ接続される。異なる分岐124、125、126のアンテナエレメントは、個々にステアリング可能である。しかしながら、1つのアンテナ分岐上に2つ以上のアンテナエレメントがある場合、同じ分岐上のそれらのアンテナエレメントは、相互に個々にステアリング可能でないことがある。第1のトランシーバ120は、アグリゲートユニット128をさらに備え、複数のアンテナ分岐124、125、126はアグリゲートユニット128に至る。第2のトランシーバ110が、第2のトランシーバ110のアンテナ111から参照信号など、アナログ時間ドメイン信号を送信したとき、その信号は、第1のトランシーバ120の複数のアンテナエレメント121、122、123の各々において受信される。各アンテナエレメントに到着するアナログ時間ドメイン信号は、アンテナエレメントから、それぞれのアンテナ分岐にフィードされ、ここで、アナログ時間ドメイン信号は、以下でさらに示されるように処置される。その後、各アンテナ分岐の信号は共通のアグリゲートユニット128に伝達され、アグリゲートユニット128において、合成信号の時間ドメインから周波数ドメインへの変換など、さらなる処置が実施される。次いで、信号が複数のアンテナ分岐124、125、126から、およびアグリゲートユニット128に伝達されたとき、それらの信号は、第1のトランシーバ120の別個のIC間のインターフェースであり得るインターフェース129を介して送られる。さらに、一実施形態によれば、第1のトランシーバ120は、2つまたはそれ以上のIC135、136を備える。アンテナ分岐のうちの1つまたは複数は、1つのICにおいて組み合わせられる。
図1の例では、アンテナ分岐124、125は、第1のIC135において組み合わせられ、アンテナ分岐126は、第2のIC136上にある。次いで、第1のIC135および第2のIC136は、インターフェース129を介してアグリゲートユニット128に接続される。
【0015】
図2は、本発明が使用され得る無線通信ネットワーク100の一例を示す。ネットワーク100は、無線通信デバイス140と無線通信しているか、または無線通信デバイス140との無線通信のために適応された、無線アクセスネットワークノード130を備える。
図1の第2のトランシーバ110は、無線アクセスネットワークノード130であり得、
図1の第1のトランシーバ120は、無線通信デバイス140であり得る。代替的に、
図1の第2のトランシーバ110は、無線通信デバイス140であり得、第1のトランシーバ120は、無線アクセスネットワークノード130であり得る。
【0016】
図1および
図2の無線通信ネットワーク100は、直交周波数分割多重(OFDM)変調された信号をハンドリングし、無線デバイスに無線アクセスを提供することができる、任意の種類の無線通信ネットワークであり得る。そのような無線通信ネットワークの例は、Long Term Evolution(LTE)、LTEアドバンスト、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、新無線(NR)などの技術に基づく第5世代無線通信ネットワーク、および任意の可能な将来の第6世代無線通信ネットワークである。
【0017】
RANノード130は、単独でまたは別のネットワークノードと組み合わせて無線デバイス140に無線アクセスを提供する任意の種類のネットワークノードであり得る。無線アクセスネットワークノード130の例は、基地局(BS)、無線BS、基地トランシーバ局、BSコントローラ、ネットワークコントローラ、ノードB(NB)、エボルブドノードB(eNB)、gノードB(gNB)、マルチセル/マルチキャスト協調エンティティ、リレーノード、アクセスポイント(AP)、無線AP、リモートラジオユニット(RRU)、リモート無線ヘッド(RRH)およびマルチスタンダードBS(MSR BS)である。
【0018】
無線デバイス140は、無線信号を使用してRANノード130と無線で通信することが可能な任意のタイプのデバイスであり得る。たとえば、無線デバイス140は、ユーザ機器(UE)、マシン型UEまたはマシンツーマシン(M2M)通信が可能なUE、センサー、タブレット、モバイル端末、スマートフォン、ラップトップ組込み装備(LEE)、ラップトップ搭載機器(LME)、USBドングル、顧客構内機器(CPE)などであり得る。
【0019】
図3は、
図1とともに、参照信号をハンドリングするための、無線通信ネットワーク100の第1のトランシーバ120によって実施される方法について説明する。第1のトランシーバ120は、M個のアンテナ分岐124、125、126を備え、Mは少なくとも2であり、各アンテナ分岐は、アンテナエレメント121、122、123を備える。方法は、M個のアンテナ分岐124、125、126の各々のアンテナエレメント121、122、123において、および時間ドメインにおいて、無線通信ネットワークの第2のトランシーバ110から、キャリア周波数帯域幅の少なくともサブセットのあらゆるK個のサブキャリア周波数にマッピングされたOFDM参照信号シンボルを含むOFDM変調された広帯域参照信号を受信すること202であって、Kがコム係数と呼ばれる、OFDM変調された広帯域参照信号を受信すること202と、M個のアンテナ分岐124、125、126の各々において、OFDMシンボルごとのN個のサンプルを使用して、受信された広帯域参照信号をサンプリングすること204とを含む。方法は、M個のアンテナ分岐124、125、126の各々について、受信されたサンプリングされた広帯域参照信号を、各ブロックがN/K個のサンプルの長さを有する少なくとも2つの反復ブロックにわたって、少なくとも2つの反復ブロックの開始時間に関する情報に基づいて長さN/K個のサンプルをもつ圧縮信号を取得するために、累算すること210と、M個のアンテナ分岐124、125、126の各々について、第2のトランシーバ110と第1のトランシーバ120との間の無線通信チャネルを推定する際に使用するためにインターフェース129を介してアグリゲートユニット128に圧縮信号を伝達すること212とをさらに含む。
【0020】
第1のトランシーバ120は、RANノード130の一部であり得る。この場合、第2のトランシーバ110は、無線デバイス140の一部である。代替的に、第1のトランシーバ120は、無線デバイス140の一部である。この場合、第2のトランシーバ110は、RANノード130の一部である。「アンテナ分岐」124、125、126は、信号分岐、すなわち、1つまたは複数の電流導線である。1つのアンテナ分岐の1つの端部に接続された(1つまたは複数の)アンテナエレメント121、122、123は、第2のトランシーバによって送信されたアナログ無線信号を無線で受信する。アンテナ分岐は、電気的に並列に配置される。各分岐のアンテナエレメントにおいて受信されたアナログ無線信号は、異なるアンテナ分岐上で異なって処置され得る。「アンテナエレメント」は、信号が送られ、受信されるアンテナの一部である。アンテナ分岐ごとに1つのアンテナエレメントのみがあり得るか、または1つの分岐において2つ以上のアンテナエレメント、たとえば、アンテナエレメントのサブアレイがあり得る。アンテナ分岐は、個々に制御可能である。すなわち、異なるアンテナ分岐のアンテナエレメントは、個々に制御可能であるが、同じアンテナ分岐において2つ以上のアンテナエレメントがある場合、同じアンテナ分岐のそれらのアンテナエレメントは必ずしも個々に制御可能であるとは限らない。これは、あるアンテナ分岐のアンテナエレメントを、別のアンテナ分岐のアンテナエレメントとは異なるやり方で、制御することが可能であることを意味する。
【0021】
参照信号シンボルは、複素スカラである。参照信号は、複素スカラである複数の参照信号シンボルを備える。参照信号シンボルは、たとえば、第1の参照信号シンボルがサブキャリア0にマッピングされ、第2の参照信号シンボルがサブキャリアK-1にマッピングされ、第3の参照信号シンボルがサブキャリア2K-1にマッピングされるなどのように、K個のサブキャリアにマッピングされる。代替的に、たとえば、第1の参照信号シンボルがサブキャリア1にマッピングされ、第2の参照信号シンボルがサブキャリアKにマッピングされるなどのように、周波数オフセットがあり得、これはコムオフセットと呼ばれる。参照信号シンボルとともにマッピングされた広帯域参照信号は、その広帯域参照信号が第2のトランシーバから送られる前に、OFDM変調され、周波数ドメインから時間ドメインに変換される。広帯域参照信号は、周波数において、キャリア周波数帯域幅の少なくともサブセットにわたる。サブセットは、A個のサブキャリア周波数を備える。それらのA個のサブキャリア周波数のうちのあらゆるK個において、参照信号シンボルがマッピングされる。参照信号シンボルは同じシンボルであるか、または異なるサブキャリア周波数にマッピングされた異なるシンボルであり得る。(Kコムと呼ばれる)各K個のサブキャリア周波数上でOFDM変調された参照信号シンボルを送るとき、受信された広帯域参照信号は、N/K個のサンプルの長さで反復的になる。広帯域参照信号は、第2のトランシーバによって送られる信号がN/K個のサンプルの長さで反復されるという点で、反復的である。すなわち、1つのOFDMシンボル上で、信号は、同じ参照信号シンボルがK回送られるように反復される。無線で送信された信号が第1のトランシーバのアンテナエレメントにおいて受信されたとき、雑音および干渉が加えられている。2つまたはそれ以上のそのような反復ブロックを累算することによって、雑音および干渉は異なる反復ブロックについて異なるが、信号は反復ブロックについて同じに見えるので、雑音および干渉は抑圧され得る。
【0022】
「反復ブロックのうちの少なくとも2つにわたって信号を累算すること」は、たとえば、同じサンプル上で少なくとも2つの反復ブロックの信号を互いに加えること、すなわち、反復ブロック1のサンプル1を反復ブロック2のサンプル1に加えることなどであり、各時間ポイントにおける平均をとり得る。参照信号シンボルが反復ブロックウィンドウ中の第1のサブキャリア上にない場合、すなわち、コムオフセットがある場合、2つの反復ブロックが同等であるように位相が適応される必要があり得、すなわち、反復ブロック1のサンプル1が反復ブロック2のサンプル1に加えられ得る。コムオフセットは、よく知られており、3GPP規格NR38.211 SRS物理信号において説明される。無線通信ネットワークの第2のトランシーバと第1のトランシーバとが同期されるとき、および参照信号シンボルが第2のトランシーバと第1のトランシーバの両方によって知られているとき、第1のトランシーバは、OFDMシンボルがいつ送られ、受信されたかの情報、およびそれにより反復ブロックの開始時間をすでに有し得るか、またはいずれか受信する。
【0023】
「アグリゲートユニット」は、複数のアンテナ分岐からの信号が組み合わせられて1つの同じ分岐に入り得るように複数のアンテナ分岐が合流する、第1のトランシーバのユニットである。「使用する」がアグリゲートユニットにおいて実施される、「無線通信チャネルを推定する際に使用するために」は、たとえば、高速フーリエ変換(FFT)によって、時間ドメインから周波数ドメインに圧縮信号を変換し、変換された圧縮信号に基づいて通信チャネルを推定することを含み得る。次いで、通信チャネルの推定は、ビームフォーミング重みなど、第2のトランシーバのほうへ送信する第1のトランシーバについての通信特性を決定するために、第1のトランシーバによって使用され得る。チャネル推定は、高速フーリエ変換された圧縮信号に基づく、第2のトランシーバと第1のトランシーバのM個のアンテナとの間の通信チャネルの推定であり得る。サンプリングすること204、累算すること210、および伝達すること212は、無線ユニットまたは無線ASICと呼ばれることがある第1のトランシーバ120の一部において実施され得る。
【0024】
参照信号シンボルを各K個のサブキャリア周波数にマッピングするとき、第2のトランシーバによって送られる広帯域参照信号は、OFDMシンボル内で、長さ(N/K)で反復的になる。キャリア帯域幅の少なくともサブセットの周波数範囲全体にわたって広がる参照シンボルがあるとき、反復的な部分は、コヒーレンス帯域幅ごとに少なくとも1つの参照シンボルがある限り、チャネルを決定するために必要な情報を含んでいる。さらに、それらの部分が反復的であるとき、それらの部分は同じ信号を含んでいる。第1のトランシーバにおける反復的な部分間の唯一の違いは、反復的な部分が、異なる反復的な部分について異なって見える雑音および干渉を加えられることである。それにより、複数のそのような反復的な部分を累算するとき、雑音および干渉は抑圧され得、累算された信号は、1つの反復的な部分のみよりもチャネル全体にわたって良好になることになる。さらに、累算された反復的な部分が多いほど、累算された信号は、より良好になる。さらに、圧縮信号の情報の量は、圧縮前の信号全体についてよりもはるかに低いので、インターフェースの通信リソースは、インターフェースを介してアグリゲートユニットに圧縮信号のみを送るとき、信号全体を送ることと比較して、大幅に限定され得る。同時に、反復的な信号は、通信チャネルを推定するための十分な情報を備える。実際、そのような圧縮信号では、情報が失われないことがわかった。さらに、圧縮信号は信号全体よりもはるかに小さいので、アグリゲートユニットにおける算出リソースは、信号全体がアグリゲートユニットにおいてハンドリングされることになるときと比較して大いに限定され得る。
【0025】
一実施形態によれば、OFDM参照信号シンボルは、サウンディング参照信号(SRS)の一部であり、コム係数K=4である。参照信号シンボルは、SRS中の複素スカラと見なされ得る。UEからの、コム係数4をもつSRS信号を送信することが、3GPP38.211リリース15、チャプター6.4.1.4「サウンディング参照信号」においてサポートされる。したがって、説明される方法は、規格化修正を必要とすることなしに、K=4をもつ受信されたSRSに対して実装され得る。
【0026】
別の実施形態によれば、OFDM参照信号シンボルは、サウンディング参照信号(SRS)の一部であり、コム係数K=6、8、12または16である。テストは、方法が、今日の規格において使用されるK係数、すなわち、K=4よりも高いK係数についてもうまく働くことを示した。より高いK係数は、周波数的に、参照信号のよりスパースな挿入を意味し、これは、K=4と比較して、送信するためのより少ないデータ、したがって送信およびデータリソースを節約することを意味する。さらに、より高いK係数は、反復ブロックが長さN/Kを有するとき、1つのOFDMシンボルにわたるより多くの反復ブロックを意味する。より多くの反復ブロックは、無線チャネルの統計的により良好な平均値が達成され得ること、すなわち、より低い雑音および干渉を暗示する。さらに、圧縮信号の長さN/Kは、より高いKの場合より短くなり、したがって、インターフェースを介したアグリゲートユニットへの帯域幅は、なお一層低下され得る。また、より高いKの場合、より多くの無線デバイスが、それらの無線デバイスに異なる時間シフトを与えることによって、通信チャネル上で多重化され得る。少なくとも理論的には、K=8は、8つの無線デバイスが多重化され得ることを表す。しかしながら、無線デバイスの数が増加するとき、インターフェースを介した必要とされる帯域幅も増加する。
【0027】
別の実施形態によれば、受信された広帯域参照信号は、204において、サンプリング周波数fsでサンプリングされる。さらに、コム係数Kおよびサンプリング周波数fsは、少なくとも2つの反復ブロックが各々、等しい数のサンプルを備えるように選択される。これによって、少なくとも2つの反復ブロックを累算することは、一様でない量のサンプルが比較されるべきである場合と比較して、はるかに容易になり、すなわち、あまり複雑でないことになる。別の実施形態によれば、少なくとも2つの反復ブロックの各々は、整数個のサンプルである。
【0028】
また別の実施形態によれば、少なくとも2つの反復ブロックが、第1のOFDMシンボル中の第1の反復ブロックと、第2のOFDMシンボル中の第2の反復ブロックとを備えるとき、累算210は、第1の反復ブロックと第2の反復ブロックとの間の時間におけるシフトが整数個のサンプルであるように、第1のOFDMシンボルまたは第2のOFDMシンボルのサイクリックプレフィックスについて補償される。いくつかの場合には、累算210は、2つ以上のOFDMシンボルに属する反復ブロックについて実施される。これは、累算が、少なくとも1つの反復ブロックがあるOFDMシンボルに属し、少なくとも1つの他の反復ブロックが別のOFDMシンボルに属するように、2つのOFDMシンボル間のOFDMシンボル境界にわたって実施されることを意味する。そのような累算が実施されるとき、OFDMシンボルの終了および/または始まりにおいて存在するサイクリックプレフィックスが考慮に入れられなければならない。これは、サイクリックプレフィックスが整数値の代わりに実数値になるように無線通信ネットワークベース時間と比較してサンプリング周波数が選択されるとき、特に重要である。その場合、本来、主に、または単に、CPによるものである第1の反復ブロックと第2の反復ブロックとの間の持続時間が整数個のサンプルになるような、補償が必要とされる。
【0029】
別の実施形態によれば、少なくとも2つの反復ブロックは、第1のOFDMシンボル中の反復ブロックの第1のセットと、第2のOFDMシンボル中の反復ブロックの第2のセットとを備える。さらに、累算210は、最初に、反復ブロックの第1のセットが累算され、第1のOFDMシンボルと第2のOFDMシンボルとの間の時間が整数個のサンプルでない場合、反復ブロックの第2のセットを反復ブロックの第1のセットと整合させるために分数遅延フィルタが反復ブロックの第2のセットに適用され、その後、反復ブロックの第2のセットが反復ブロックの第1のセットと累算されるように、実施される。言い換えれば、反復ブロックの第2のセットは、反復ブロックの第2のセットが、すでに累算された、反復ブロックの第1のセットに累算される前に、反復ブロックの第1のセットと時間的に整合される。
図4のステップ308も参照されたい。これは、第1のOFDMシンボルと第2のOFDMシンボルとの間の時間的距離が整数個のサンプルでない場合、上記で説明されたサイクリックプレフィックス補償を行う有利なやり方である。
【0030】
別の実施形態によれば、方法は、OFDMシンボルごとのN個のサンプルと、コム係数Kと、OFDMシンボル開始時間とを含む、少なくとも2つの反復ブロックの開始時間に関する情報を取得すること206をさらに含む。次いで、この制御情報は、開始時間が第1のトランシーバにまだ知られてない場合、少なくとも2つの反復ブロックの各々の開始時間を見つけるために使用される。制御情報は、アグリゲートユニットなど、ノードの別のユニットから、または別のノードから、第1の送信機によって取得され得る。累算が2つまたはそれ以上のOFDMシンボルにおいて実施される場合、OFDMシンボル開始時間は、累算中に含まれる各OFDMシンボルについての開始時間を含む。
【0031】
また別の実施形態によれば、方法は、OFDM参照信号シンボルが、キャリア周波数帯域幅の少なくともサブセットの最も低いサブキャリア上でマッピングされないとき、コム係数周波数オフセットKshiftに関する情報を取得すること208と、累算210を実施するとき、コム係数周波数オフセットKshiftについて補償することとをさらに含む。コム係数周波数オフセット、別名コムオフセットは、コム係数周波数オフセットをデローテート(de-rotate)することによって補償され得る。言い換えれば、補償は、累算の前のサンプルごとの位相シフトによって実施される。コム係数周波数オフセットに関する情報は、実際のオフセットであり得るか、またはその情報は、サンプルごとの位相シフトであり得る。オフセットは、たとえば、第1のトランシーバ中のルックアップテーブルにおいて適用するための位相シフトを指し得る。
【0032】
実施形態によれば、本発明のソリューションは、以下のステップのうちの1つまたは複数からなる。
- 完全なシステム帯域幅、またはシステム帯域幅のサブセットにわたって、L個のOFDMシンボルの少なくとも部分わたって、通常のKコム上で参照信号を送信するように第2のトランシーバを設定するステップ、ここで、Lは少なくとも1の整数であり、Kはコム係数である、
- 第1のトランシーバにおいて、M
rx個のアンテナ分岐の第1のセットにおいて時間ドメイン参照信号を受信するステップ。M
rxは、M個の受信機アンテナ分岐を表し、ここで、Mは少なくとも2である。アンテナ分岐は、個々のアンテナエレメントを有するか、または線形受信ビームフォーミングを使用して取得される組合せを有し得る、
- アンテナ分岐の各々において、OFDMシンボルごとのN
rx個のサンプルを使用して、時間ドメイン信号をサンプリングするステップ、
- 第1のトランシーバの受信回路、すなわち、アンテナ分岐の回路に、反復ブロックの開始および長さに関係する情報を設定するステップ、
- M
rx個のアンテナの各々についての受信されたサンプリングされた時間ドメイン信号を、反復ブロックにわたって、長さ
の圧縮信号を取得するために、加算するステップ、
- 内部インターフェースを介してアグリゲートユニットに圧縮信号を伝達するステップ、ならびに、
- 第2のトランシーバと第1のトランシーバとの間の無線通信チャネルを推定するために、すなわち、プリコーダ生成および/またはスケジューリングのために、アグリゲートユニットにおいて圧縮信号を使用するステップ。
【0033】
以下では、上述のステップが、より詳細に説明される。最初に、無線デバイスであり得る第2のトランシーバは、Kコム、別名コム係数K上で、SRSまたは復調用参照信号(DMRS)であり得る参照信号X(k)を送信するように設定される。これは、参照信号rがあらゆるK個のサブキャリアに、場合によっては所与のコム係数周波数オフセットK
shiftとともにマッピングされることを意味する。
kが上記の式を満たしていない場合、X(k)=0であり、
ここで、k=サブキャリアインデックスである。その場合、第2のトランシーバは、OFDM変調を実施し、時間ドメインx(n)において、無線で送信された広帯域参照信号を取得することになる。
明らかに、
を有する。
これは、離散フーリエ変換(DFT)のよく知られている性質である。サイクリックプレフィックス追加などがここでは含まれないことに注意されたい。
【0034】
その後、第1のトランシーバは、Mrx個のアンテナ分岐に接続された第1のトランシーバのアンテナエレメントにおいて、送信された広帯域時間ドメイン参照信号を受信する。アンテナ分岐の各々において、広帯域時間ドメイン信号は、OFDMシンボルごとのNrx個サンプルを使用してサンプリングされる。アンテナm上の受信されたサンプリングされた信号は、
ym(n)
によって示される。
【0035】
次いで、第1のトランシーバの受信回路に、反復ブロックの開始および長さに関係する情報が設定される。反復ブロックの持続時間は、一般に、N
rx/K、別名N/K個のサンプルである。反復ブロックbについての開始ポイントn
bは、一般に、
であり、
ここで、n
0は、フレーム同期から導出され得る、サンプルストリームにおける第1のサンプリングされたOFDMシンボルのOFDMシンボル位置によって与えられる。
【0036】
さらに、M
rx個のアンテナポートの各々についての受信された信号は、反復ブロックにわたって、長さN/Kの圧縮信号c
mを取得するために加算され、これは、以下の
に従って数学的に説明される。
潜在的に、アンテナ分岐の信号の線形変換が、圧縮信号「c」、またはサンプリングされた信号「y」のいずれかに適用され、M
rx個のストリームから
のストリームにマッピングし得、ここで、WBは広帯域を表す。マッピングは、M
rx個のアンテナ分岐のうちの少なくともいくつかから、ストリームの線形組合せによる
の仮想アンテナ分岐を作成することによって実施され得る。実際のアンテナ分岐よりも少数のそのような仮想アンテナ分岐を有することによって、アグリゲートユニットのほうへのインターフェースに関する広帯域要件のさらなる低減が達成される。
【0037】
その後、圧縮信号は、内部インターフェースを介してアグリゲートユニットに伝達される。圧縮信号は、内部インターフェースを最大限に利用するために、バッファされ、いくらかの遅延を伴って送信され得る。圧縮信号は、たとえば、ダウンリンク(DL)スロットにおいて、または可能な狭帯域受信機が使用されないとき、送信され得る。
【0038】
さらに、圧縮信号は、無線チャネルを推定するために、さらには、たとえばプリコーダ生成、および/またはスケジューリングのために、アグリゲートユニットによって使用される。これは、圧縮信号c
m(n)が、たとえば、FFTを使用して周波数ドメインに変換されることを伴い得る。その場合、チャネル推定
は、周波数ドメインに変換された圧縮信号c
mを使用して形成され得る。これは、マッチドフィルタ処理ステップ、ならびに、たとえば、サブキャリアにわたる離散コサイン変換、および変換された生のチャネル情報の選択されたサブセットとしてチャネル推定を規定するビーム空間変換を使用する、変換処理を伴い得る。チャネル推定は、DLまたはアップリンク(UL)における、無線デバイスについてのスケジューリング帯域幅を決定する、マルチユーザ多入力多出力(MU-MIMO)送信の場合を含む、DL送信についてのプリコーダを決定する、周波数選択性の空間的に十分にサンプリングされた干渉測度を決定する、たとえば、1つまたは複数のビームのグリッド(GoB:Grid of Beams)またはDFTビーム、すなわち、DFTベースの線形位相フロントプリコーダであり得る、UL受信についての受信重みを決定する、どの無線デバイスをスロット中で共同スケジュールすべきかを決定し、どの無線デバイスが空間多重化され得るかを決定する、のうちの1つまたは複数を実施するために使用され得る。
【0039】
一実施形態によれば、送信される参照信号は、コムK=4をもつSRSである。別の実施形態によれば、送信される参照信号は、コムK=8、またはK=6、またはK=16、またはK=12をもつSRSである。
【0040】
別の実施形態によれば、複雑な実装ソリューションを回避するために、各KL個の反復ブロックにおいて、すなわち、各L個のOFDMシンボルの各K個のブロックにおいて、同じ数のサンプルを有することが、重要であり得る。その場合、コム係数は、サンプリング周波数とマッチされる必要がある。新無線(NR)標準サブキャリア帯域幅は、BW
sc=2
μ*15kHzであり、ここで、μ=0..4であり、ヌメロロジーに関係する。NRベースタイミングは、シンボルごとに2048時間サンプルを仮定する。シンボル開始、サイクリックプレフィックスなど、すべてのフレーム構造イベントが、この時間量子化に基づいて時間通りに行われる。実際の実装形態は、総通信帯域幅、高いサンプルレートと、最小の必要とされるサンプルレートとの間のコストバランスが、情報信号の帯域幅であることのような理由に基づいて、このサンプルレートから逸脱し得る。3.84MHzおよび15kHzが2のべき乗関係を有するので、サンプリング周波数f
s=N
samp*3.84MHzを選択することは、自然である。さらに、シンボルごとのサンプルの数は、
である。
一例として、100MHzキャリア帯域幅および120kHzヌメロロジー(μ=3)を仮定する。その場合、1つの可能性は、2のべき乗係数としてN
sampを選択し、最小周波数100MHzを上回る最も低いサンプリング周波数をとることである。これは、以下を選択することを意味する。
これは、コム係数Kが2のべき乗K=2
αとして選択されなければならないことを示す。これは、各反復ブロックにおいて、2のべき乗の数のサンプルを与えることになる。別の選定は、サンプリングレートのオーバーヘッドを最小限に抑えるために、N
sampのより低い数を選択することである。
を選択することは、コム係数について、係数3と係数5とをも含むことができるようになる。1つの興味深い選定は、リソースブロックごとに1つのサウンディングサブキャリアを与えるK=12を選択することである。今日のNR規格は、係数をK∈{2,4,8}に限定する。提案は、K=2
α*3
γ≦32を可能にすることであり、ここで、上限が、無線チャネルにおけるコヒーレンス帯域幅によってセットされる。
【0041】
いくつかの場合には、異なるOFDMシンボルの反復ブロックが、累算、すなわち加算され得る。それらの場合、シンボル間、すなわち、第1のシンボルと連続する第2のシンボルとの間において使用されるサイクリックプレフィックス(CP)が、第2のシンボルの反復ブロックがどこで開始するかを決定するとき、考慮に入れられる必要がある。CPの長さが整数個のNRベースサンプル時間であるが、CPのサンプルの数がスロットにわたって変動することに留意されたい。第2のトランシーバがNRベースサンプル時間とは別のサンプリング周波数を選択した場合、たとえば、前述の115.2MHz選定の場合、サンプルの数単位で測定される各CPの長さは、整数の代わりに実数であり得る。その場合、これは、異なるシンボルからの反復ブロックを累算することより前に補償されなければならない。提案される実施形態は、各シンボルについてCPの整数部分を補償するシンボル開始時間を選択することである。その場合、シンボルについての累算された結果は、シンボル間の累算より前の分数サンプル(fractional sample)について補償される。これを実装するための1つの可能なやり方は、分数遅延フィルタを適用することであり、これは、
図4において示されており、以下で説明される。
【0042】
以下では、
図4を参照しながら、本発明の実施形態のハードウェア実現の説明である。前述のように、トランシーバは、少なくとも1つのアンテナエレメントに各々接続されたアンテナ分岐のセットを備えることが説明されおり、すべてのアンテナエレメントは、たとえば、アレイにおいて配置される。一般的な適用例は、100のオーダーのアンテナエレメントの数を有する。また、通信帯域幅は、一般に、数百MHzである。結果として、アンテナ分岐へのおよびアンテナ分岐からアグリゲートユニットへの情報の総量は、極めて高い。これは、電力と製造コストの両方に関してコストがかかり得る。
【0043】
図4は、以下ではスパースサウンディング受信機ブロック300と呼ばれる、第1のトランシーバ120の1つの単一の(受信機)アンテナ分岐の可能な実装形態について説明する。各アンテナ分岐は、同様の実装形態を有することになるか、または有し得る。仮定は、無線アーキテクチャが、無線チャネルを識別するために、すべてのアンテナ分岐、または少なくとも十分なアンテナ分岐から受信されたデジタル化された信号へのアクセスを可能にすることである。スパースサウンディング受信ブロック300への入力が、デジタル化された、すなわち、サンプリングされた、およびチャネルフィルタ処理された信号であり、以下で、サンプリングされた参照信号302と呼ばれる。サンプリングされた参照信号は、コム係数周波数オフセットK
shiftがある場合、潜在的周波数オフセットをデローテートする、周波数オフセット補償器304にフィードされる。次いで、潜在的にデローテートされたサンプリングされた参照信号は、OFDMシンボル内の反復ブロック、シンボル内のすべての反復ブロックあるいは規定された量のまたはいくつかのブロックのいずれか、を累算する、第1の累算器306にフィードされる。累算を実施するための制御情報は、サンプルレートに定量化されたシンボル開始時間、コム係数Kおよびヌメロロジーであり、これは、シンボルごとのサンプルの数を示す。累算された信号は、圧縮信号と呼ばれる。圧縮信号は、長さN/Kを有する。第1の累算器306におけるシンボル内での累算の後に、および、累算が2つ以上のOFDMシンボルについて、すなわち、OFDMシンボル境界にわたって実施されるべきである場合、圧縮信号は分数遅延フィルタ308にフィードされる。この遅延フィルタは、シンボル開始の分数サンプル部分について、たとえば、整数個のサンプルではないCPの部分について信号を補償する。これは、シンボル間の累算を可能にする。その場合、そのような累算は、遅延フィルタ308補償の後に、第2の累算器310において実施される。遅延フィルタ308および第2の累算器310への制御入力は、累算が実施されるべきであるOFDMシンボルの数、サイクリックプレフィックス部分およびヌメロロジー、すなわち、シンボルごとのサンプルの数である。最終的に、受信されたサウンディングシーケンス、別名、圧縮信号312が配信される。圧縮信号312の情報コンテンツは、反復ブロックと同じ数のサンプル、すなわちN/Kを有する。累算は、反復される反復ブロックの総数に比例する信号品質において処理利得を与える。
【0044】
発明者は、提示される実装形態が、同じ出願人の国際特許出願WO2020/043310において提示された効率的な相互結合アンテナ較正を実施するために必要とされる提案されたハードウェアと共通する多くの部分を有することを見つけ出した。本文書において、かなり異なる発明が存在し、これは、効率的なアンテナ較正を実施することを扱う。本文書の一部は、較正信号を受信するための1つの可能なハードウェアブロックの提示である。提案される較正信号は、スパースサウンディング信号とまったく同様であり、したがって、本発明の一実施形態は、WO2020/043310のハードウェアブロックを使用する、ただし、本発明のスパースサウンディング信号をもハンドリングするためのいくつかの特徴を加えられた、アンテナ較正信号ならびにスパースサウンディング信号の両方を受信するために設計されたハードウェアブロックを使用することである。
【0045】
WO2020/043310のハードウェアブロックは、
図5において提示される。
図5は、アンテナ較正信号の受信の原理を示す。
図5は受信分岐のセット、「RxV
i」参照、を示すことに留意されたい。アンテナ較正の場合、コードシーケンスが、各アンテナ分岐の信号に乗算される。コード乗算は、本発明のスパースサウンディングのために使用されないが、マークされた並列ブロック116は、上記で提示されたサウンディング信号をもハンドリングするために使用され得る。言い換えれば、発明者は、
図5のデコーダ部分114を
図4のスパースサウンディング受信機ブロックとマージすることによって、両方の機能、すなわち、アンテナ較正およびスパースサウンディング参照信号ハンドリングについての共通のハードウェアブロックが達成されたことを見つけ出した。
図4と比較して、
図5のブロック116は、第1の累算器306と、遅延フィルタ308と、第2の累算器310とを備え、遅延フィルタ308および第2の累算器310は、2つまたはそれ以上のOFDMシンボルにわたって累算が実施されるとき、使用される。
【0046】
図6は、トランシーバがgノードBによって例示された基地局において実装されるときの、一実施形態による、トランシーバ内の制御シグナリングのフローチャートを示す。最初に、gノードBは、402において、参照信号要求、たとえば、SRS要求を1つまたは複数のUEに送る。SRS要求は、SRSを送信すべき時間、コム係数K、コム係数周波数オフセットK
shiftなど、パラメータへのインデックスを含み、K
shift=0は、オフセット、SRSシーケンスを決定するための情報などがないことを意味する。次いで、
図1のアグリゲートユニット128であり得るgノードBの中央ユニットが、404において、gノードBの無線ユニット、すなわち、アンテナ分岐への制御メッセージを構築するために、SRS要求をローカル無線情報と組み合わせる。無線ユニットへの制御メッセージは、シンボル受信をいつ開始すべきかの、整数および分数部分など、各反復ブロックの開始時間を指示する情報、コム係数K、コム係数周波数オフセットK
shift、反復ブロックごとのNr個のサンプル、N/K、またはOFDMシンボルごとのサンプルの数Nを含む。中央ユニットは、406において、制御メッセージを、1つまたは複数の集積回路、たとえば中央ユニットとは別個のASIC上にある無線ユニットに通信する。無線ユニットは、408において、1回またはSRSを有する各スロットについて、SRS受信機をセットアップすることと、1つまたは複数のUEによって送られたサウンディング信号を受信することと、説明される実施形態による、アンテナからのサウンディング信号を累算することと、得られた圧縮信号を中央ユニットに送ることとを実施する。中央ユニットは、410において、無線ユニットから圧縮信号を受信し、圧縮信号、すなわち累算されたサウンディング信号に基づいて、gノードBと1つまたは複数のUEとの間の(1つまたは複数の)無線チャネルを推定する。無線チャネル推定は、次いで、412において、中央ユニットにおけるさらなる処理のために使用される。
【0047】
図7は、OFDM参照信号シンボルがあらゆるK個のサブキャリア周波数にマッピングされるとき、広帯域参照信号が、第2のトランシーバ110から送信されるか、または第1のトランシーバ120によって受信されるときに、時間ドメインにおいて見えるような、広帯域参照信号の一例を示す。この例では、K=4であり、これは、各反復ブロックがN/K個のサンプルの長さを有するとき、1つのOFDMシンボル内に4つの反復ブロックがあることになることを意味する。Xでマークされた信号の部分は、サイクリックプレフィックスを表す。反復ブロックは、番号でマークされる。反復ブロック1~4は、第1のOFDMシンボルに属し、反復ブロック5~8は、第2のOFDMシンボルに属する。
【0048】
図8は、
図1とともに、参照信号をハンドリングするために設定された無線通信システム100において動作可能な第1のトランシーバ120について説明する。第1のトランシーバ120は、M個のアンテナ分岐124、125、126を備え、Mは少なくとも2であり、各アンテナ分岐は、アンテナエレメント121、122、123を備える。第1のトランシーバ120は、処理回路603とメモリ604とをさらに備える。メモリは、前記処理回路によって実行可能な命令を含んでおり、それにより、第1のトランシーバ120は、M個のアンテナ分岐124、125、126の各々のアンテナエレメントにおいて、および時間ドメインにおいて、無線通信ネットワークの第2のトランシーバ110から、キャリア周波数帯域幅の少なくともサブセットのあらゆるK個のサブキャリア周波数にマッピングされたOFDM参照信号シンボルを含むOFDM変調された広帯域参照信号を受信することであって、Kがコム係数と呼ばれる、OFDM変調された広帯域参照信号を受信することと、M個のアンテナ分岐124、125、126の各々において、OFDMシンボルごとのN個のサンプルを使用して、受信された広帯域参照信号をサンプリングすることとを行うために動作可能である。第1のトランシーバ120は、M個のアンテナ分岐124、125、126の各々について、受信されたサンプリングされた広帯域参照信号を、各ブロックがN/K個のサンプルの長さを有する少なくとも2つの反復ブロックにわたって、少なくとも2つの反復ブロックの開始時間に関する情報に基づいて長さN/K個のサンプルをもつ圧縮信号を取得するために、累算することと、M個のアンテナ分岐124、125、126の各々について、第2のトランシーバ110と第1のトランシーバ120との間の無線通信チャネルを推定する際に使用するためにインターフェース129を介してアグリゲートユニット128に圧縮信号を伝達することと行うためにさらに動作可能である。
【0049】
一実施形態によれば、OFDM参照信号シンボルは、サウンディング参照信号(SRS)の一部であり、コム係数K=4である。別の実施形態によれば、OFDM参照信号シンボルは、SRSの一部であり、コム係数K=6、8、12または16である。
【0050】
別の実施形態によれば、第1のトランシーバ120は、サンプリング周波数fsで、受信された広帯域参照信号をサンプリングすることを行うために動作可能であり、コム係数Kおよびサンプリング周波数fsは、少なくとも2つの反復ブロックが各々、等しい数のサンプルを備えるように選択される。
【0051】
別の実施形態によれば、少なくとも2つの反復ブロックは、第1のOFDMシンボル中の第1の反復ブロックと、第2のOFDMシンボル中の第2の反復ブロックとを備える。さらに、第1のトランシーバは、累算において、第1の反復ブロックと第2の反復ブロックとの間の時間におけるシフトが整数個のサンプルであるように、第1のOFDMシンボルまたは第2のOFDMシンボルのサイクリックプレフィックスについて補償するために動作可能である。
【0052】
また別の実施形態によれば、少なくとも2つの反復ブロックは、第1のOFDMシンボル中の反復ブロックの第1のセットと、第2のOFDMシンボル中の反復ブロックの第2のセットとを備える。さらに、第1のトランシーバは、最初に、反復ブロックの第1のセットが累算され、第1のOFDMシンボルと第2のOFDMシンボルとの間の時間が整数個のサンプルでない場合、反復ブロックの第2のセットを反復ブロックの第1のセットと整合させるために分数遅延フィルタが反復ブロックの第2のセットに適用され、その後、反復ブロックの第2のセットが反復ブロックの第1のセットと累算されるように、累算を実施するために動作可能である。
【0053】
また別の実施形態によれば、第1のトランシーバ120は、OFDMシンボルごとのN個のサンプルと、コム係数Kと、OFDMシンボル開始時間とを含む、少なくとも2つの反復ブロックの開始時間に関する情報を取得するためにさらに動作可能である。
【0054】
また別の実施形態によれば、第1のトランシーバ120は、OFDM参照信号シンボルが、キャリア周波数帯域幅の少なくともサブセットの最も低いサブキャリア上でマッピングされないとき、コム係数周波数オフセットKshiftに関する情報を取得することと、累算を実施するとき、コム係数周波数オフセットKshiftについて補償することとを行うためにさらに動作可能である。
【0055】
他の実施形態によれば、第1のトランシーバ120は、通信ユニット602をさらに備え得、通信ユニット602は、第2のトランシーバ110との無線通信のための従来の手段を備えると考えられ得る。前記処理回路603によって実行可能な命令は、たとえば、前記メモリ604に記憶されたコンピュータプログラム605として構成され得る。処理回路603およびメモリ604は、サブ構成601において構成され得る。サブ構成601は、上述の方法を実施するように設定された、マイクロプロセッサおよび十分なソフトウェアおよびストレージ、したがって、プログラマブル論理デバイス(PLD)、または他の(1つまたは複数の)電子的構成要素/(1つまたは複数の)処理回路であり得る。処理回路603は、1つまたは複数のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または、命令を実行するように適応されたこれらの組合せを備え得る。
【0056】
コンピュータプログラム605は、その命令が処理回路において動作させられたとき、それらの命令が、第1のトランシーバ120に、第1のトランシーバ120の説明された実施形態およびその方法のうちのいずれかにおいて説明されたステップを実施させるように構成され得る。コンピュータプログラム605は、処理回路603に接続可能なコンピュータプログラム製品によって搬送され得る。コンピュータプログラム製品は、メモリ604であるか、または少なくともメモリにおいて構成され得る。メモリ604は、たとえば、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(読取り専用メモリ)またはEEPROM(電気的消去可能プログラマブルROM)として実現され得る。いくつかの実施形態では、キャリアは、コンピュータプログラム605を含んでいることがある。キャリアは、電子信号、光信号、電磁信号、磁気信号、電気信号、無線信号、マイクロ波信号、またはコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つであり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、たとえば、CD、DVDまたはフラッシュメモリであり得、そこからプログラムがメモリ604にダウンロードされ得る。代替的に、コンピュータプログラムは、第1のトランシーバ120が通信ユニット602を介してアクセスできるサーバまたは任意の他のエンティティ上に記憶され得る。コンピュータプログラム605は、次いで、サーバからメモリ604にダウンロードされ得る。
【0057】
上記の説明は複数の特異性を含んでいるが、これらの特異性は、本明細書で説明される概念の範囲を限定するものとして解釈されるべきでなく、説明される概念のいくつかの例となる実施形態の例示を単に提供するにすぎないものとして解釈されるべきである。ここで説明される概念の範囲は、当業者に明らかになり得る他の実施形態を完全に包含すること、したがって、ここで説明される概念の範囲は限定されるものでないことが諒解されよう。単数形でのエレメントへの言及は、明示的にそのように述べられない限り、「唯一」を意味するものでなく、むしろ「1つまたは複数」を意味するものとする。当業者に知られている、上記で説明された実施形態のエレメントに対するすべての構造的および機能的等価物は、参照により本明細書に明確に組み込まれ、本明細書によって包含されるものとする。その上、装置または方法が、本明細書によって包含されるために、ここで説明される概念によって解決されるべきあらゆる問題に対処する必要はない。例示的な図では、破線は、概して、破線内の特徴が随意であることを表す。