(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】半径方向に切断されたトーラスばねを有する封止部
(51)【国際特許分類】
F16J 15/3236 20160101AFI20241205BHJP
F16J 15/3212 20160101ALI20241205BHJP
F16J 15/3204 20160101ALI20241205BHJP
【FI】
F16J15/3236
F16J15/3212
F16J15/3204 201
(21)【出願番号】P 2023560058
(86)(22)【出願日】2022-04-27
(86)【国際出願番号】 US2022071942
(87)【国際公開番号】W WO2022232793
(87)【国際公開日】2022-11-03
【審査請求日】2023-09-28
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500149223
【氏名又は名称】サン-ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Saint-Gobain Performance Plastics, Corporation
【住所又は居所原語表記】31500 Solon Road Solon, 44139 OH USA
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニュエン,チェン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,シャン
【審査官】大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-135927(JP,A)
【文献】特開昭61-065966(JP,A)
【文献】米国特許第05163692(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0360020(US,A1)
【文献】国際公開第2017/135091(WO,A1)
【文献】米国特許第9121507(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/3236
F16J 15/3212
F16J 15/3204
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内径及び外径を備える金属環状本体と、
前記金属環状本体の前記内径及び前記外径のうちの少なくとも1つの周りに配設された、複数の半径方向に切断された穿孔と、
を備え
、
前記半径方向に切断された穿孔が、前記ばねの半径方向幅の少なくとも1%かつ75%以下である前記半径方向幅を備える、ばね。
【請求項2】
基部、内側封止脚部、及び外側封止脚部を有する、ジャケットと、
前記ジャケット内で、前記内側封止脚部と前記外側封止脚部との間に、かつ前記内側封止脚部及び前記外側封止脚部と接触して配設された、ばねであって、
内径及び外径を備える金属環状本体と、
前記金属環状本体の前記内径及び前記外径のうちの少なくとも1つの周りに配設された、複数の半径方向に切断された穿孔と、を含
み、
前記半径方向に切断された穿孔が、前記ばねの半径方向幅の少なくとも1%かつ75%以下である前記半径方向幅を備える、ばねと、
を備える、封止部。
【請求項3】
軸線を有するシャフトと、
空洞を含み、前記シャフトの周りに環状に配設された、ハウジングと、
前記空洞内に配設され、前記シャフトと前記ハウジングとの間に半径方向封止部を提供するように構成される、封止部であって、
基部と、前記シャフトに隣接しかつ接触している内側封止脚部と、前記ハウジングに隣接しかつ接触している外側封止脚部と、を有する、ジャケットと、
前記ジャケット内で、前記内側封止脚部と前記外側封止脚部との間に、かつ前記内側封止脚部及び前記外側封止脚部と接触して配設された、ばねであって、
内径及び外径を備える金属環状本体と、
前記金属環状本体の前記内径及び前記外径のうちの少なくとも1つの周りに配設された、複数の半径方向に切断された穿孔と、を含
み、
前記半径方向に切断された穿孔が、前記ばねの半径方向幅の少なくとも1%かつ75%以下である前記半径方向幅を備える、ばねと、
を含む、封止部と、
を備える、組立体。
【請求項4】
前記半径方向に切断された穿孔が、前記ばねの前記金属環状本体の前記内径の周りに配設される、請求項1~3のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【請求項5】
前記半径方向に切断された穿孔が、前記ばねの前記金属環状本体の前記外径の周りに配設される、請求項1~3のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【請求項6】
前記半径方向に切断された穿孔が、前記内径及び前記外径の両方の周りに配設される、請求項1~3のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【請求項7】
前記内径の周りに配設された前記半径方向に切断された穿孔が、前記外径の周りに配設された前記半径方向に切断された穿孔から切り離されている、請求項6に記載のばね、封止部、又は組立体。
【請求項8】
前記半径方向に切断された穿孔が、少なくとも0.05mmかつ10.0mm以下の半径方向幅を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【請求項9】
前記内径の周りに配設された前記半径方向に切断された穿孔と、前記外径の周りに配設された前記半径方向に切断された穿孔とが、異なる半径方向幅を備える、請求項6に記載のばね、封止部、又は組立体。
【請求項10】
前記内径の周りに配設された前記半径方向に切断された穿孔
と、前記外径の周りに配設された前記半径方向に切断された穿孔
とが、実質的に同様の半径方向幅を備える、請求項6に記載のばね、封止部、又は組立体。
【請求項11】
前記半径方向に切断された穿孔が、少なくとも0.001mmかつ100mm以下の間隙幅を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【請求項12】
前記半径方向に切断された穿孔が、少なくとも0.05度かつ30度以下の角度ピッチを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【請求項13】
前記金属環状本体が、Inconel(登録商標)などのニッケル-クロム系合金、ニッケル系合金、ニッケル、チタン、タングステン、ステンレス鋼、ばね鋼、鋼、アルミニウム、亜鉛、銅、マグネシウム、スズ、白金、鉛、鉄又は青銅から形成される、請求項1~3のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【請求項14】
前記ばねがジャケット内に配設され、前記ジャケットが、補強充填剤を伴って、又は伴わずに、PTFE、フルオロポリマー、パーフルオロポリマー、PTFE、TFM、PVF、PVDF、PCTFE、PFA、FEP、ETFE、ECTFE、PCTFE、PEEK、PEK、若しくはPEKKなどのポリアリールケトン、PPS、PPSU、PSU、PPE、若しくはPPOなどのポリスルホン、PPAなどの芳香族ポリアミド、PEI若しくはTPIなどの熱可塑性ポリイミド、又はそれらの任意の組み合わせから形成される、請求項1~3のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0001】
封止部は、組立体の構成要素間の漏れを防止するために、多くの産業用途で使用されている。いくつかの用途では、これらの封止部は、極低温などの極端な動作条件に曝される場合があり、それにより、封止部がハードウェアから大幅に離れるように収縮又は変形して、それによって、封止部とハードウェアとの間の接触圧力を低減させる場合がある。これらの極端な動作条件における接触圧力の低減によって、封止部とハードウェアとの間の漏れが増加する結果となり得る。したがって、そのような極端な動作条件に曝される封止部は、その封止機能を適切に維持するために、より高い信頼性を必要とする。そのため、産業界は、そのような用途のための封止技術における改善を要求し続けている。
【図面の簡単な説明】
【0002】
実施形態の特徴及び利点が達成され、より詳細に理解され得るように、添付の図面に例解されるその実施形態を参照することによって、より具体的な説明が行われ得る。しかしながら、図面は、いくつかの実施形態のみを例解し、したがって、他の等しく有効な実施形態が存在し得るため、範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態による、組立体の部分断面図である。
【
図2】
図2は、本開示の一実施形態による、封止部の斜視図である。
【
図3】
図3は、本開示の一実施形態による、ばねの部分断面斜視図である。
【
図4】
図4は、本開示の一実施形態による、ばねの部分断面上面図である。
【
図5A】
図5Aは、本開示の代替的実施形態による、ばねの部分断面斜視図である。
【
図5B】
図5Bは、本開示の代替的実施形態による、複数のばねの部分断面斜視図である。
【
図6】
図6は、本開示の別の代替的実施形態による、ばねの部分断面斜視図である。
【
図7】
図7は、本開示の一実施形態による、組立体に封止部を形成する方法のフローチャートである。
【
図8】
図8は、本開示の実施形態による、2つの封止部の周長にわたる接触圧力のグラフである。
【0003】
異なる図面における同じ参照符号の使用は、同様の又は同一の部材を示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
図1は、本開示の一実施形態による、組立体100の部分断面図を示す。いくつかの実施形態では、組立体100は、カップリング組立体、ソレノイド組立体、又はバルブ組立体であり得る。より具体的な実施形態では、組立体100は、航空宇宙、代替エネルギー、医療、又は海中用のカップリング、ローディングアーム、ソレノイド、又はバルブであり得る。組立体100は、概して、ハウジング102と、軸線106を中心としてハウジング内で回転するシャフト104と、を備え得る。いくつかの実施形態では、シャフト104は、中空シャフトを備え得る。しかしながら、他の実施形態では、シャフト104は、中実シャフトを備え得る。組立体100は、ハウジング102内に形成され、かつハウジング102とシャフト104との間に形成された、空洞108を更に備え得る。いくつかの実施形態では、ハウジング102は、ハウジング102を集合的に形成する、キャップ110などの、1つ以上の追加の構成要素を備え得る。いくつかの実施形態では、ハウジング102及び/又はキャップ110の構成要素は、空洞108内に配設された環状封止部200の取り付け及び/又は取り外しを可能にするために、空洞108へのアクセスを可能にするように選択的に取り外し可能であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、キャップ110は、空洞108の1つ以上の壁を形成することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、ハウジングは、キャップ110などの追加の構成要素を備えなくてもよく、組立体100の単一の一体型構成要素であってもよい。
【0005】
環状封止部200は、概して、空洞108内に、かつシャフト104及び/又は軸線106の周囲に配設され得る。封止部200は、組立体100のハウジング102及びシャフト104に接触するように、かつハウジング102とシャフト104との間に面方向封止部又は半径方向封止部を提供するように構成され得る。封止部200は、ジャケット202及び環状付勢要素又はばね210を備え得る。ジャケット202は、ハウジング102の一部分又は任意のキャップ110に隣接しかつ接触する基部204を備え得る。ジャケット202はまた、基部204から延在し、シャフト104に隣接しかつ接触する内側封止脚部206と、基部204から延在し、ハウジング102に隣接しかつ接触する外側封止脚部208と、を備え得る。ジャケット202は、概して、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、又はそれらの組み合わせから形成され得る。より具体的には、ジャケット202は、補強充填剤を伴って、又は伴わずに、PTFE、フルオロポリマー、パーフルオロポリマー、PTFE、TFM、PVF、PVDF、PCTFE、PFA、FEP、ETFE、ECTFE、PCTFE、PEEK、PEK、若しくはPEKKなどのポリアリールケトン、PPS、PPSU、PSU、PPE、若しくはPPOなどのポリスルホン、PPAなどの芳香族ポリアミド、PEI若しくはTPIなどの熱可塑性ポリイミド、又はそれらの任意の組み合わせから形成されてもよい。
【0006】
ばね210は、概して、内径及び外径を有する金属環状本体を備え得る。ばね210は、ジャケット202内で、ジャケット202の内側封止脚部206と外側封止脚部208との間に、かつジャケット202の内側封止脚部206及び外側封止脚部208と接触して配設され得る。より具体的には、ばね210は、ばね210の金属環状本体の内径がジャケット202の内側封止脚部206に隣接しかつ接触するように、かつ、ばね210の金属環状本体の外径がジャケット202の外側封止脚部208に隣接しかつ接触するように、ジャケット202内に配設され得る。図示の実施形態では、ばね210は、実質的に円形の断面プロファイル又は形状を備える。ばね210は、概して、弾性金属材料から形成され得る。より具体的には、ばね210は、Inconel(登録商標)などのニッケル-クロム系合金、ニッケル系合金、ニッケル、チタン、タングステン、ステンレス鋼、ばね鋼、鋼、アルミニウム、亜鉛、銅、マグネシウム、スズ、白金、鉛、鉄又は青銅から形成されていてもよい。いくつかの実施形態では、ばね210は、金被覆、窒化アルミニウムクロム(AlCrN)被覆、窒化チタンアルミニウム(TiAlN)被覆、任意の他の耐摩耗性金属被覆、又はそれらの任意の組み合わせなどの被覆を備え得る。
【0007】
図2は、本開示の一実施形態による、環状封止部200の斜視図を示す。封止部200は、概して、ジャケット202と、ジャケット202内に配設されたばね210と、を備える。図示された実施形態では、ジャケット202の一部は、明確にするために除去されている。ジャケット202の一部を除去して示すように、ばね210は、封止部210の金属環状本体の内径及び外径のうちの少なくとも1つの周りに配設された、複数の半径方向に切断された穿孔212を備え得る。図に示すように、ばね210は、概して、ジャケット202内で、ジャケット202の内側封止脚部206と外側封止脚部208との間に、かつジャケット202の内側封止脚部206及び外側封止脚部208と接触して配設され得る。より具体的には、ばね210は、ばね210の金属環状本体の内径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔212が、ジャケット202の内側封止脚部206に隣接しかつ接触するように、かつ、ばね210の金属環状本体の外径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔212が、ジャケット202の外側封止脚部208に隣接しかつ接触するように、ジャケット202内に配設され得る。
【0008】
図3及び
図4は、本開示の一実施形態による、封止部200のばね210の部分断面斜視図及び部分断面上面図を示す。
図3及び
図4に示すように、部分断面図は、封止部200のばね210のほぼ単一ピッチを表している。いくつかの実施形態では、半径方向に切断された穿孔212は、ばね210の金属環状本体の内径(ID)の周りに配設され得る。いくつかの実施形態では、半径方向に切断された穿孔212は、ばね210の金属環状本体の外径(OD)の周りに配設され得る。いくつかの実施形態では、半径方向に切断された穿孔212は、ばね210の金属環状本体の内径及び外径の両方の周りに配設され得る。内径の周りに配設された、半径方向に切断された穿孔212は、概して、外径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔212から切り離され得る。
【0009】
ばね210は、概して、外径と内径との間の差として定義される、半径方向幅(RWばね)を備え得る。同様に、半径方向に切断された穿孔212は、半径方向幅(RW切断)を備え得る。より具体的には、内径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔212は、内径から外径に向かって測定される半径方向幅を備え得、外径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔212は、外径から内径に向かって測定される半径方向幅を備え得る。いくつかの実施形態では、内径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔212は、実質的に同様の半径方向幅を備え得る。いくつかの実施形態では、外径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔212は、実質的に同様の半径方向幅を備え得る。いくつかの実施形態では、内径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔212及び外径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔212は、異なる半径方向幅を備え得る。いくつかの実施形態では、内径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔212及び外径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔212は、実質的に同様の半径方向幅を備え得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、半径方向に切断された穿孔212は、ばね210の半径方向幅の少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、又は少なくとも30%である半径方向幅を備え得る。いくつかの実施形態では、半径方向に切断された穿孔212は、ばね210の半径方向幅の75%以下、60%以下、55%以下、50%以下、49%以下、48%以下、47%以下、46%以下、45%以下、又は40%以下である半径方向幅を備え得る。更に、半径方向に切断された穿孔212は、ばね210の半径方向幅の少なくとも1%から75%以下、又は更には少なくとも25%から50%以下など、これらの最小値及び最大値のうちのいずれかの間の半径方向幅を備え得ることが理解されよう。
【0011】
いくつかの実施形態では、半径方向に切断された穿孔212は、少なくとも0.05mm、少なくとも0.10mm、少なくとも0.15mm、少なくとも0.20mm、少なくとも0.25mm、少なくとも0.5mm、少なくとも0.75mm、又は少なくとも1.0mmの半径方向幅を備え得る。いくつかの実施形態では、半径方向に切断された穿孔212は、10.0mm以下、5.0mm以下、3.0mm以下、2.5mm以下、2.0mm以下、1.75mm以下、1.5mm以下、又は1.25mm以下の半径方向幅を備え得る。更に、半径方向に切断された穿孔212は、少なくとも0.05mm~10.0mm以下、又は更には少なくとも0.5mm~1.75mm以下など、これらの最小値及び最大値のうちのいずれかの間の半径方向幅を備え得ることが理解されよう。
【0012】
半径方向に切断された穿孔212は、間隙幅(GW)を備え得る。いくつかの実施形態では、内径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔212は、実質的に同様の間隙幅を備え得る。いくつかの実施形態では、外径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔212は、実質的に同様の間隙幅を備え得る。いくつかの実施形態では、内径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔212及び外径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔212は、異なる間隙幅を備え得る。いくつかの実施形態では、内径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔212及び外径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔212は、実質的に同様の間隙幅を備え得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、半径方向に切断された穿孔212は、少なくとも0.005mm、少なくとも0.01mm、少なくとも0.02mm、少なくとも0.025mm、少なくとも0.03mm、少なくとも0.04mm、少なくとも0.05mm、少なくとも0.10mm、少なくとも0.15mm、少なくとも0.20mm、少なくとも0.25mm、又は少なくとも0.30mmの間隙幅を備え得る。いくつかの実施形態では、半径方向に切断された穿孔212は、1.0mm以下、0.75mm以下、0.70mm以下、0.65mm以下、0.60mm以下、0.55mm以下、0.50mm以下、0.45mm以下、0.40mm以下、0.35mm以下、0.30mm以下、又は0.25mm以下の間隙幅を備え得る。更に、半径方向に切断された穿孔212は、少なくとも0.005mm~1.0mm以下、又は更には少なくとも0.025mm~0.50mm以下など、これらの最小値及び最大値のうちのいずれかの間の間隙幅を備え得ることが理解されよう。
【0014】
半径方向に切断された穿孔212は、特定の角度ピッチ(隣接する半径方向に切断された穿孔212間の角度として定義される)で内径及び/又は外径の周りに配設され得る。いくつかの実施形態では、内径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔212及び外径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔212は、異なる角度ピッチを備え得る。いくつかの実施形態では、内径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔212及び外径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔212は、内径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔212及び外径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔212が半径方向に整列されるように、実質的に同様の角度ピッチを備える。
【0015】
いくつかの実施形態では、半径方向に切断された穿孔212は、少なくとも0.05度、少なくとも0.10度、少なくとも0.15度、少なくとも0.25度、少なくとも0.5度、少なくとも1度、少なくとも2度、少なくとも3度、少なくとも4度、少なくとも5度、又は少なくとも10度の角度ピッチを備え得る。いくつかの実施形態では、半径方向に切断された穿孔212は、30度以下、20度以下、15度以下、10度以下、5度以下、4度以下、3度以下、2度以下、1度以下、0.5度以下、又は0.25度以下の角度ピッチを備え得る。更に、半径方向に切断された穿孔212は、少なくとも0.05度から30度以下、又は更に少なくとも1度から5度以下など、これらの最小値及び最大値のうちのいずれかの間の角度ピッチを備え得ることが理解されよう。
【0016】
ばね210は、概して、種々のサイズの用途に好適であり得る。いくつかの実施形態では、ばね210の金属環状本体の内径は、少なくとも0.05mm、少なくとも0.25mm、少なくとも0.5mm、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも4mm、少なくとも5mm、少なくとも6mm、少なくとも7mm、少なくとも8mm、少なくとも9mm、少なくとも10mm、少なくとも25mm、少なくとも50mm、少なくとも75mm、少なくとも100mm、少なくとも150mm、少なくとも200mm、少なくとも250mm、少なくとも300mm、又は更にそれ以上であってもよい。いくつかの実施形態では、ばね210の金属環状本体の外径は、少なくとも0.25mm、少なくとも0.5mm、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも4mm、少なくとも5mm、少なくとも6mm、少なくとも7mm、少なくとも8mm、少なくとも9mm、少なくとも10mm、少なくとも11mm、少なくとも12mm、少なくとも13mm、少なくとも14mm、少なくとも15mm、少なくとも25mm、少なくとも50mm、少なくとも75mm、少なくとも100mm、少なくとも150mm、少なくとも200mm、少なくとも250mm、少なくとも300mm、少なくとも500mm、又は更にそれ以上であってもよい。
【0017】
図5Aは、本開示の代替的実施形態による、環状ばね310の部分断面斜視図である。ばね310は、概して、ばね210と実質的に同様であってもよい。しかしながら、ばね210の実質的に円形の断面プロファイルとは対照的に、ばね310は、実質的にC字形の断面プロファイルを備える。ばね310は、ばね210の半径方向に切断された穿孔212と概して実質的に同様であり得る、複数の半径方向に切断された穿孔312を備えることが理解されよう。更に、ばね310はまた、対向する遠位端314において先端を切り取って実質的にC字形の断面プロファイルを形成する、実質的に丸い断面プロファイルを備え得る。加えて、いくつかの実施形態では、半径方向に切断された穿孔312は、ばね310の遠位端314を通って延在し得る。
【0018】
図5Bは、本開示の代替的実施形態による、複数の環状ばね310、310’の部分断面斜視図である。ばね310、310’は、各々が概してばね210と実質的に同様であってもよい。しかしながら、ばね210の実質的に円形の断面プロファイルとは対照的に、ばね310、310’は、実質的にC字形の断面プロファイルを備える。ばね310、310’は、ばね210の半径方向に切断された穿孔212と概して実質的に同様であり得る、複数の半径方向に切断された穿孔312、312’を備えることが理解されよう。更に、ばね310、310’はまた、対向する遠位端314、314’において先端を切り取って実質的にC字形の断面プロファイルを形成する、実質的に丸い断面プロファイルを備え得る。加えて、いくつかの実施形態では、半径方向に切断された穿孔312、312’は、ばね310、310’の遠位端314、314’を通って延在し得る。
図5Bに示すように、ばね310、310’は、ばね310、310’の円周の少なくとも一部に沿って半径方向に互いに嵌合することができる。ばねのこの組み合わせは、
図3~
図4のばねで行うことができる。
【0019】
図6は、本開示の別の代替的実施形態による、環状ばね410の部分断面斜視図である。ばね410は、概して、ばね210と実質的に同様であってもよい。しかしながら、ばね210の実質的に円形の断面プロファイルとは対照的に、ばね410は、実質的にピーナッツ形又は8の字形の断面プロファイルを備える。ばね410は、ばね210の半径方向に切断された穿孔212と概して実質的に同様であり得る、複数の半径方向に切断された穿孔412を備えることが理解されよう。更に、ばね410はまた、上部丸み部分414、下部丸み部分418、及び上部丸み部分414と下部丸み部分418との間に配設された対向する中央丸み部分416を備えて、実質的にピーナッツ形又は8の字形の断面プロファイルを形成し得る。加えて、いくつかの実施形態では、半径方向に切断された穿孔412は、半径方向に切断された穿孔412が上部丸み部分414から中央丸み部分416を通って下部丸み部分418内に延在するように、上部丸み部分414から下部丸み部分418まで連続的であってもよい。更に、いくつかの実施形態では、ばねの実施形態は、実質的にU字形の断面プロファイル、実質的にD字形の断面プロファイル、実質的に放物線状の断面プロファイル、実質的に楕円形の断面プロファイル、又は本明細書で開示する実施形態による、ばねの金属環状本体内に配設された複数の半径方向に切断された穿孔を有する任意の他の形状の断面プロファイルを備え得る。
【0020】
図7は、本開示の一実施形態による、組立体100に封止部を形成する方法700のフローチャートである。方法700は、ブロック702において、軸線106を有するシャフト104と、空洞108を備え、シャフト104の周りに環状に配設されたハウジング102と、空洞108内に配設され、シャフト104とハウジング102との間に半径方向封止部を提供するように構成された封止部200と、を有し、封止部200が、基部204、内側封止脚部206、及び外側封止脚部208を有するジャケット202と、ジャケット202内で、内側封止脚部206と外側封止脚部208との間に、かつ内側封止脚部206及び外側封止脚部208と接触して配設され、内径及び外径を備える金属環状本体と、金属環状本体の内径及び外径のうちの少なくとも1つの周りに配設された、複数の半径方向に切断された穿孔212、312、412と、を備える、ばね210、310、410と、を備える、組立体100を提供することによって、開始することができる。
【0021】
方法700は、ブロック704において、ジャケット202の内側封止脚部206がシャフト104との半径方向封止部を形成し、ジャケット202の外側封止脚部208がハウジング102との半径方向封止部を形成するように、組立体100内の封止部200を配設することによって、続き得る。方法700は、ブロック706において、組立体100を動作させることによって続き得る。いくつかの実施形態では、組立体100を動作させることは、組立体を極低温で動作させることを含み得る。方法700は、ブロック708において、ばね210、310、410の金属環状本体における封止部200の接触圧力と、半径方向に切断された穿孔212、312、412における封止部200の接触圧力との差を維持することによって、続き得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、ばね210、310、410の金属環状本体における封止部200の接触圧力と、半径方向に切断された穿孔212、312、412における封止部200の接触圧力との差は、少なくとも0.5MPa、少なくとも1.0MPa、少なくとも2.0MPa、少なくとも2.5MPa、少なくとも3.0MPa、少なくとも4.0MPa、少なくとも5.0MPa、少なくとも7.5MPa、少なくとも10MPa、又は少なくとも15MPaであり得る。いくつかの実施形態では、ばね210、310、410の金属環状本体における封止部200の接触圧力と、半径方向に切断された穿孔212、312、412における封止部200の接触圧力との接触圧力の差は、50MPa以下、45MPa以下、40MPa以下、35MPa以下、30MPa以下、25MPa以下、20MPa以下、19MPa以下、18MPa以下、17MPa以下、16MPa以下、15MPa以下、10MPa以下、又は5MPa以下であり得る。更に、ばね210、310、410の金属環状本体における封止部200の接触圧力と、半径方向に切断された穿孔212、312、412における封止部200の接触圧力との差は、少なくとも0.5MPa~50MPa以下、又は更に少なくとも5MPa~20MPa以下など、これらの最小値及び最大値のうちのいずれかの間であり得ることが理解されよう。
【0023】
いくつかの実施形態では、ばね210、310、410の金属環状本体における封止部200の接触圧力と、半径方向に切断された穿孔212、312、412における封止部200の接触圧力との接触圧力の差は、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下であってもよく、又は実質的に差が無くてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、半径方向に切断された穿孔212、312、412における封止部200の接触圧力は、ばね210、310、410の金属環状本体における封止部200の接触圧力の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%であり得る。
【0025】
図8は、本開示の実施形態による、2つの封止部200の周長にわたる接触圧力のグラフである。図に示すように、内径及び外径の周りに配設された約0.025mmの間隙幅を有する複数の半径方向に切断された穿孔210を有するばね210を有する第1のサンプル封止部200が、極低温で試験された。ばね210の金属環状本体における封止部200の接触圧力は、約105MPaであった。半径方向に切断された穿孔における接触圧力は、約87MPaであった。ばね210の金属環状本体における封止部200の接触圧力と、半径方向に切断された穿孔210における封止部200の接触圧力との差は、約18MPaであった。内径及び外径の周りに配設された約0.30mmの間隙幅を有する複数の半径方向に切断された穿孔210を有するばね210を有する第2のサンプル封止部200が、極低温で試験された。ばね210の金属環状本体における封止部200の接触圧力は、約93MPaであった。半径方向に切断された穿孔における接触圧力は、約77MPaであった。ばね210の金属環状本体における封止部200の接触圧力と、半径方向に切断された穿孔210における封止部200の接触圧力との差は、約16MPaであった。
【0026】
ばねの金属環状本体における接触圧力と、螺旋穿孔における封止部の接触圧力との差が50MPa以上であり得る、ばねの周囲に連続螺旋穿孔巻線を有する従来の環状封止部と比較して、封止部200の実施形態は、極低温及び他の動作温度において、改善された接触圧力プロファイルを維持する。そのため、封止部200の実施形態は、ばねの周りに連続螺旋穿孔巻線を有する従来の環状封止部よりも、様々な用途に対してより好適であり、より信頼性が高い。
【0027】
いくつかの実施形態では、ばね210、310、410の金属環状本体における封止部200の接触圧力は、少なくとも5MPa、少なくとも10MPa、少なくとも15MPa、少なくとも20MPa、少なくとも25MPa、少なくとも30MPa、少なくとも35MPa、少なくとも40MPa、少なくとも45MPa、少なくとも50MPa、少なくとも60MPa、少なくとも65MPa、少なくとも70MPa、少なくとも75MPa、少なくとも80MPa、少なくとも85MPa、少なくとも90MPa、又は少なくとも95MPaであり得る。いくつかの実施形態では、半径方向に切断された穿孔212、312、412における封止部200の接触圧力は、少なくとも1MPa、少なくとも2MPa、少なくとも3MPa、少なくとも4MPa、少なくとも5MPa、少なくとも10MPa、少なくとも15MPa、少なくとも20MPa、少なくとも25MPa、少なくとも30MPa、少なくとも35MPa、少なくとも40MPa、少なくとも45MPa、少なくとも50MPa、少なくとも60MPa、少なくとも65MPa、少なくとも70MPa、少なくとも75MPa、少なくとも80MPa、少なくとも85MPa、又は少なくとも90MPaであり得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、ばね210、310、410の金属環状本体における封止部200の接触圧力と、半径方向に切断された穿孔212、312、412における封止部200の接触圧力との差は、少なくとも0.5MPa、少なくとも1.0MPa、少なくとも2.0MPa、少なくとも2.5MPa、少なくとも3.0MPa、少なくとも4.0MPa、少なくとも5.0MPa、少なくとも7.5MPa、少なくとも10MPa、又は少なくとも15MPaであり得る。いくつかの実施形態では、ばね210、310、410の金属環状本体における封止部200の接触圧力と、半径方向に切断された穿孔212、312、412における封止部200の接触圧力との差は、50MPa以下、45MPa以下、40MPa以下、35MPa以下、30MPa以下、25MPa以下、20MPa以下、19MPa以下、18MPa以下、17MPa以下、16MPa以下、15MPa以下、10MPa以下、又は5MPa以下であり得る。更に、ばね210、310、410の金属環状本体における封止部200の接触圧力と、半径方向に切断された穿孔212、312、412における封止部200の接触圧力との差は、少なくとも0.5MPa~50MPa以下、又は更に少なくとも5MPa~20MPa以下など、これらの最小値及び最大値のうちのいずれかの間であり得ることが理解されよう。
【0029】
いくつかの実施形態では、ばね210、310、410の金属環状本体における封止部200の接触圧力と、半径方向に切断された穿孔212、312、412における封止部200の接触圧力との接触圧力の差は、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下であってもよく、又は実質的に差が無くてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、半径方向に切断された穿孔212、312、412における封止部200の接触圧力は、ばね210、310、410の金属環状本体における封止部200の接触圧力の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%であり得る。
【0031】
組立体100、封止部200、ばね210、310、410、及び/又は組立体100内に封止部を形成する方法700の実施形態は、以下のうちの1つ以上を含むことができる。
【0032】
実施形態1.内径及び外径を備える金属環状本体と、金属環状本体の内径及び外径のうちの少なくとも1つの周りに配設された複数の半径方向に切断された穿孔と、を備える、ばね。
【0033】
実施形態2.基部、内側封止脚部、及び外側封止脚部を有する、ジャケットと、ジャケット内で、内側封止脚部と外側封止脚部との間に、かつ内側封止脚部及び外側封止脚部と接触して配設される、ばねであって、内径及び外径を備える金属環状本体と、金属環状本体の内径及び外径のうちの少なくとも1つの周りに配設される複数の半径方向に切断された穿孔と、を含む、ばねと、を備える、封止部。
【0034】
実施形態3.組立体であって、軸線を有するシャフトと、空洞を備え、かつシャフトの周囲に環状に配設される、ハウジングと、空洞内に配設され、かつシャフトとハウジングとの間に半径方向封止部を提供するように構成される、封止部であって、基部、シャフトに隣接しかつ接触している内側封止脚部、及びハウジングに隣接しかつ接触している外側封止脚部を有する、ジャケットと、ジャケット内で、内側封止脚部と外側封止脚部との間に、かつ内側封止脚部及び外側封止脚部に接触して配設される、ばねであって、内径及び外径を備える金属環状本体と、金属環状本体の内径及び外径のうちの少なくとも1つの周りに配設された複数の半径方向に切断された穿孔と、を含む、ばねと、を含む、封止部と、を備える、組立体。
【0035】
実施形態4.半径方向に切断された穿孔が、ばねの金属環状本体の内径の周りに配設される、実施形態1~3のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0036】
実施形態5.半径方向に切断された穿孔が、ばねの金属環状本体の外径の周りに配設される、実施形態1~4のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0037】
実施形態6.半径方向に切断された穿孔が、内径及び外径の両方の周りに配設される、実施形態1~5のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0038】
実施形態7.内径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔が、外径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔から切り離されている、実施形態6に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0039】
実施形態8.半径方向に切断された穿孔が、ばねの半径方向幅の少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、又は少なくとも30%である半径方向幅を備える、実施形態1~7のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0040】
実施形態9.半径方向に切断された穿孔が、ばねの半径方向幅の75%以下、60%以下、55%以下、50%以下、49%以下、48%以下、47%以下、46%以下、45%以下、又は40%以下である半径方向幅を備える、実施形態1~8のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0041】
実施形態10.半径方向に切断された穿孔が、少なくとも0.05mm、少なくとも0.10mm、少なくとも0.15mm、少なくとも0.20mm、少なくとも0.25mm、少なくとも0.5mm、少なくとも0.75mm、又は少なくとも1.0mmの半径方向幅を備える、実施形態1~9のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0042】
実施形態11.半径方向に切断された穿孔が、10.0mm以下、5.0mm以下、3.0mm以下、2.5mm以下、2.0mm以下、1.75mm以下、1.5mm以下、又は1.25mm以下の半径方向幅を備える、実施形態1~10のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0043】
実施形態12.内径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔と、外径の周りに配設される半径方向に切断された穿孔とが、異なる半径方向幅を備える、実施形態6~11のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0044】
実施形態13.内径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔及び外径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔が、実質的に同様の半径方向幅を備える、実施形態6~11のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0045】
実施形態14.半径方向に切断された穿孔が、少なくとも0.001mm、少なくとも0.005mm、少なくとも0.01mm、少なくとも0.02mm、少なくとも0.025mm、少なくとも0.03mm、少なくとも0.04mm、少なくとも0.05mm、少なくとも0.10mm、少なくとも0.15mm、少なくとも0.20mm、少なくとも0.25mm、又は少なくとも0.30mmの間隙幅を備える、実施形態1~13のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0046】
実施形態15.半径方向に切断された穿孔が、100mm以下、10mm以下、1.0mm以下、0.75mm以下、0.70mm以下、0.65mm以下、0.60mm以下、0.55mm以下、0.50mm以下、0.45mm以下、0.40mm以下、0.35mm以下、0.30mm以下、又は0.25mm以下の間隙幅を備える、実施形態1~14のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0047】
実施形態16.内径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔と、外径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔とが、異なる間隙幅を備える、実施形態14又は15に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0048】
実施形態17.内径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔及び外径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔が、実質的に同様の間隙幅を備える、実施形態14又は15に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0049】
実施形態18.半径方向に切断された穿孔が、少なくとも0.05度、少なくとも0.10度、少なくとも0.15度、少なくとも0.25度、少なくとも0.5度、少なくとも1度、少なくとも2度、少なくとも3度、少なくとも4度、少なくとも5度、又は少なくとも10度の角度ピッチを備える、実施形態1~17のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0050】
実施形態19.半径方向に切断された穿孔が、30度以下、20度以下、15度以下、10度以下、5度以下、4度以下、3度以下、2度以下、1度以下、0.5度以下、又は0.25度以下の角度ピッチを備える、実施形態1~18のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0051】
実施形態20.内径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔と、外径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔とが、異なる角度ピッチを備える、実施形態18又は19に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0052】
実施形態21.内径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔及び外径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔が、内径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔及び外径の周りに配設された半径方向に切断された穿孔が半径方向に整列されるように、実質的に同様の角度ピッチを備える、実施形態18又は19に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0053】
実施形態22.ばねの金属環状本体の内径が、少なくとも0.05mm、少なくとも0.25mm、少なくとも0.5mm、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも4mm、少なくとも5mm、少なくとも6mm、少なくとも7mm、少なくとも8mm、少なくとも9mm、少なくとも10mm、少なくとも25mm、少なくとも50mm、少なくとも75mm、少なくとも100mm、少なくとも150mm、少なくとも200mm、少なくとも250mm、少なくとも300mm、又は更にそれ以上である、実施形態1~21のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0054】
実施形態23.ばねの金属環状本体の外径が、少なくとも0.25mm、少なくとも0.5mm、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも4mm、少なくとも5mm、少なくとも6mm、少なくとも7mm、少なくとも8mm、少なくとも9mm、少なくとも10mm、少なくとも11mm、少なくとも12mm、少なくとも13mm、少なくとも14mm、少なくとも15mm、少なくとも25mm、少なくとも50mm、少なくとも75mm、少なくとも100mm、少なくとも150mm、少なくとも200mm、少なくとも250mm、少なくとも300mm、少なくとも500mm、又は更にそれ以上である、実施形態1~22のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0055】
実施形態24.金属環状本体が、Inconel(登録商標)などのニッケル-クロム系合金、ニッケル系合金、ニッケル、チタン、タングステン、ステンレス鋼、ばね鋼、鋼、アルミニウム、亜鉛、銅、マグネシウム、スズ、白金、鉛、鉄又は青銅から形成される、実施形態1~23のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0056】
実施形態25.金属環状本体が被覆を備える、実施形態24に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0057】
実施形態26.被覆が、金ストライク被覆、窒化アルミニウムクロム(AlCrN)被覆、又は窒化チタンアルミニウム(TiAlN)被覆を含む、実施形態25に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0058】
実施形態27.ばねが、ジャケット内に配設される、実施形態1~26のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0059】
実施形態28.ばねの金属環状本体の内径がジャケットの内側封止脚部に隣接しかつ接触し、ばねの金属環状本体の外径がジャケットの外側封止脚部に隣接しかつ接触する、実施形態27に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0060】
実施形態29.ジャケットが、補強充填剤を伴うか又は伴わずに、PTFE、フルオロポリマー、ペルフルオロポリマー、PTFE、TFM、PVF、PVDF、PCTFE、PFA、FEP、ETFE、ECTFE、PCTFE、PEEK、PEK、若しくはPEKKなどのポリアリールケトン、PPS、PPSU、PSU、PPE、若しくはPPOなどのポリスルホン、PPAなどの芳香族ポリアミド、PEI若しくはTPIなどの熱可塑性ポリイミド、又はそれらの任意の組み合わせから形成されている、実施形態27又は28に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0061】
実施形態30.ばねの金属環状本体における封止部の接触圧力が、少なくとも5MPa、少なくとも10MPa、少なくとも15MPa、少なくとも20MPa、少なくとも25MPa、少なくとも30MPa、少なくとも35MPa、少なくとも40MPa、少なくとも45MPa、少なくとも50MPa、少なくとも60MPa、少なくとも65MPa、少なくとも70MPa、少なくとも75MPa、少なくとも80MPa、少なくとも85MPa、少なくとも90MPa、又は少なくとも95MPaである、実施形態1~29のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0062】
実施形態31.半径方向に切断された穿孔における封止部の接触圧力が、少なくとも1MPa、少なくとも2MPa、少なくとも3MPa、少なくとも4MPa、少なくとも5MPa、少なくとも10MPa、少なくとも15MPa、少なくとも20MPa、少なくとも25MPa、少なくとも30MPa、少なくとも35MPa、少なくとも40MPa、少なくとも45MPa、少なくとも50MPa、少なくとも60MPa、少なくとも65MPa、少なくとも70MPa、少なくとも75MPa、少なくとも80MPa、少なくとも85MPa、又は少なくとも90MPaである、実施形態1~30のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0063】
実施形態32.ばねの金属環状本体における封止部の接触圧力と、半径方向に切断された穿孔における封止部の接触圧力との差が、少なくとも0.5MPa、少なくとも1.0MPa、少なくとも2.0MPa、少なくとも2.5MPa、少なくとも3.0MPa、少なくとも4.0MPa、少なくとも5.0MPa、少なくとも7.5MPa、少なくとも10MPa、又は少なくとも15MPaである、実施形態1~31のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0064】
実施形態33.ばねの金属環状本体における封止部の接触圧力と、半径方向に切断された穿孔における封止部の接触圧力との接触圧力の差が、50MPa以下、45MPa以下、40MPa以下、35MPa以下、30MPa以下、25MPa以下、20MPa以下、19MPa以下、18MPa以下、17MPa以下、16MPa以下、15MPa以下、10MPa以下、又は5MPa以下である、実施形態1~32のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0065】
実施形態34.ばねの金属環状本体における封止部の接触圧力と、半径方向に切断された穿孔における封止部の接触圧力との差が、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下である、又は実質的に差が無い、実施形態1~33のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0066】
実施形態35.半径方向に切断された穿孔における封止部の接触圧力が、ばねの金属環状本体における封止部の接触圧力の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%である、実施形態1~34のいずれか一項に記載のばね、封止部、又は組立体。
【0067】
実施形態36.軸線を有するシャフトと、空洞を備え、シャフトの周りに環状に配設されるハウジングと、空洞内に配設され、シャフトとハウジングとの間に半径方向封止部を提供するように構成された封止部であって、基部と内側封止脚部と外側封止脚部とを有するジャケットと、ジャケット内で、内側封止脚部と外側封止脚部との間に、かつ内側封止脚部及び外側封止脚部と接触して配設され、内径及び外径を備える金属環状本体と、金属環状本体の内径及び外径のうちの少なくとも1つの周りに配設された複数の半径方向に切断された穿孔と、を備える、ばねと、を備える、封止部と、を有する組立体を提供することと、ジャケットの内側封止脚部がシャフトとの半径方向封止部を形成し、ジャケットの外側封止脚部がハウジングとの径方向封止部を形成するように、組立体内の封止部を配設することと、組立体を動作させることと、ばねの金属環状本体における封止部の接触圧力と、半径方向に切断された穿孔における封止部の接触圧力との差を維持することと、を含む、実施形態1~35のいずれか一項に記載の組立体において封止部を形成する方法。
【0068】
実施形態37.ばねの金属環状本体における封止部の接触圧力と、半径方向に切断された穿孔における封止部の接触圧力との差が、少なくとも0.5MPa、少なくとも1.0MPa、少なくとも2.0MPa、少なくとも2.5MPa、少なくとも3.0MPa、少なくとも4.0MPa、少なくとも5.0MPa、少なくとも7.5MPa、少なくとも10MPa、又は少なくとも15MPaである、実施形態36に記載の方法。
【0069】
実施形態38.ばねの金属環状本体における封止部の接触圧力と、半径方向に切断された穿孔における封止部の接触圧力との接触圧力の差が、50MPa以下、45MPa以下、40MPa以下、35MPa以下、30MPa以下、25MPa以下、20MPa以下、19MPa以下、18MPa以下、17MPa以下、16MPa以下、15MPa以下、10MPa以下、又は5MPa以下である、実施形態36又は37に記載の方法。
【0070】
実施形態39.ばねの金属環状本体における封止部の接触圧力と、半径方向に切断された穿孔における封止部の接触圧力との差が、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下である、又は実質的に差が無い、実施形態36~38のいずれか一項に記載の方法。
【0071】
実施形態40.半径方向に切断された穿孔における封止部の接触圧力が、ばねの金属環状本体における封止部の接触圧力の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%である、実施形態36~39のいずれか一項に記載の方法。
【0072】
実施形態41.ばねが、実質的に円形の断面プロファイル、実質的にC字形の断面プロファイル、実質的にピーナッツ形若しくは8の字形のプロファイル、実質的にU字形の断面プロファイル、実質的にD字形の断面プロファイル、実質的に放物線状の断面プロファイル、実質的に楕円形の断面プロファイル、又はばねの金属環状本体内に配設された複数の半径方向に切断された穿孔を有する任意の他の形状の断面プロファイルを備える、実施形態1~35のいずれか一項に記載のばね、封止部、若しくは組立体又は実施形態36~40のいずれか一項に記載の方法。
【0073】
実施形態42.封止部が極低温で動作可能であるか、又は組立体を動作させることが極低温で行われる、実施形態1~35のいずれか一項に記載のばね、封止部、若しくは組立体又は実施形態36~41のいずれか一項に記載の方法。
【0074】
本明細書は、最良の形態を含む実施形態を開示するために、また、当業者が本発明を作製及び使用することを可能にするために、実施例を使用している。特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例を含み得る。そのような他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの言葉と異ならない構造要素を有する場合、又はそれらが特許請求の範囲の文字通りの言葉と実質的に異ならない等価な構造要素を含む場合、特許請求の範囲内であることが意図される。
【0075】
一般的な説明又は実施例において、上で説明される活動の全てが必要とされるわけではなく、特定の活動の一部が必要とされない場合があり、説明される活動に加えて1つ以上の更なる活動が行われ得ることに留意されたい。なおも更に、活動が列挙される順序は、必ずしもそれらが行われる順序ではない。
【0076】
前述の明細書では、特定の実施形態を参照して概念を記載してきた。しかしながら、当業者であれば、以下の特許請求の範囲に掲げる本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を行うことができることを理解する。そのため、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で考慮されるべきであり、全てのこのような修正は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0077】
本明細書中で使用される場合、「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」という用語、又はそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含を網羅することが意図される。例えば、特徴のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されず、明示的に列挙されていないか、又はそのようなプロセス、方法、物品、若しくは装置に固有の他の特徴を含み得る。更に、矛盾する記載がない限り、「又は/若しくは(or)」は、包含的な「又は/若しくは(or)」を指し、排他的な「又は/若しくは(or)」を指すものではない。例えば、条件A又は/若しくはBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(又は/若しくは存在し)、Bが偽である(又は/若しくは存在しない)、Aが偽であり(又は/若しくは存在せず)、Bが真である(又は/若しくは存在する)、及び、AとBとの両方が真である(又は/若しくは存在する)。
【0078】
また、「1つの(a)」又は「1つの(an)」の使用は、本明細書に記載の要素及び部品を説明するために用いられる。これは、単に便宜上、及び本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行われる。この記載は、1つ又は少なくとも1つを含むように読まれるべきであり、単数はまた、そうでないことを意味することが明らかでない限り、複数も含む。
【0079】
利益、他の利点、及び問題の解決策は、特定の実施形態に関して上で説明されている。しかしながら、利益、利点、問題の解決策、及び任意の利益、利点、又は解決策をもたらすかより顕著にする可能性がある任意の特徴(複数可)は、請求項のいずれか又は全ての重要な、必要な、又は本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0080】
本明細書を読んだ後、当業者には、特定の特徴が、明確にするために、別個の実施形態の文脈において本明細書に記載されており、単一の実施形態において組み合わせて提供され得ることが理解されよう。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されている様々な特徴は、別個に又は任意の部分的な組み合わせで提供され得る。更に、範囲で述べられた値への言及は、その範囲内のありとあらゆる値を含む。