(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】スプール回転制御機構を備える釣り用リール
(51)【国際特許分類】
A01K 89/0155 20060101AFI20241205BHJP
A01K 89/015 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
A01K89/0155
A01K89/015 E
(21)【出願番号】P 2024506221
(86)(22)【出願日】2023-10-03
(86)【国際出願番号】 JP2023035991
【審査請求日】2024-09-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509344157
【氏名又は名称】ピュア・フィッシング・ジャパン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】517260906
【氏名又は名称】ジャ ドゥン スポーツ エキップメント カンパニー、リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】占部 英吾
(72)【発明者】
【氏名】リ チ シン
(72)【発明者】
【氏名】ザン グォ ファ
(72)【発明者】
【氏名】チャン チャオ ヨン
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】特許第6376572(JP,B1)
【文献】特開2021-058182(JP,A)
【文献】特開2013-158295(JP,A)
【文献】特開2022-022175(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 89/0155
A01K 89/015
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプール軸
、および前記スプール軸または
前記スプール軸の少なくとも一部を覆って前記スプール軸に固定されるスリーブに連結された糸巻胴部を有するスプールと、前記スプールを、回転自在に保持するリールフレームと、前記スプールの回転を制御し得る回転制御機構と、を備えるベイトリールであって、
前記回転制御機構は、前記スプールの回転に抗するブレーキ力を発生させる電磁ブレーキ構造と、前記ブレーキ力を調整するブレーキ力調整機構とを備え、
前記電磁ブレーキ構造は、対を成す磁性体、および導電部材を有し、前記磁性体および前記導電部材は、いずれか一方が前記ブレーキ力調整機構に、他方が前記リールフレームに、前記ブレーキ力調整機構により近接可能に配設されており、
前記ブレーキ力調整機構は、前記スプール軸の軸方向に対して略垂直方向に突出して前記スプール軸または前記スリーブに設けられたカム軸と、一定範囲で前記スプール軸と同軸で回転可能かつ前記スプール軸の軸方向に移動可能な断面が円形の筒状の部材であって、
その一の端部に前記カム軸が
接触して係合可能
となっている、移動部材と、
前記移動部材の他の端部側から前記移動部材をスプール軸方向に付勢する付勢部材と、を備え、
前記移動部材の前記
他の端部またはその付近に前記磁性体または前記導電部材が連結され、前記
一の端部は、前記スプール軸の軸心に対して傾斜する線で確定される形状を有しており、
前記付勢部材が、前記磁性体または前記導電部材の側から前記移動部材を付勢して、前記カム軸が前記
一の端部と係合し、前記スプールの回転速度と前記移動部材の回転速度の差に応じて、前記磁性体または前記導電部材が固定されている前記移動部材が前記スプール軸の軸方向に移動し、これにより前記対を成す磁性体および前記導電部材の間隔が制御される、ベイトリール。
【請求項2】
前記
一の端部は、前記スプール軸の軸心に対応する位置を頂点とし、前記頂点から前記磁性体または前記導電部材側と反対側に前記スプール軸の軸心に対して上下方向に離れるように傾斜し、前記スプール軸を基準として線対称となる線で確定される形状を有している、請求項1に記載のベイトリール。
【請求項3】
前記付勢部材の前記移動部材と反対側で前記付勢部材に直接または他の部材を介して隣接して、前記スプール軸または前記スリーブに固定された停止位置規定部材を有し、これにより前記付勢部材が位置決めされ、付勢力が維持されている、請求項1または2に記載のベイトリール。
【請求項4】
前記停止位置規定部材は、中央にスプール軸またはスリーブを有するスプール軸が挿通可能な略円形の貫通孔を有するドーナッツ状の部材であり、移動部材側の面に周方向に所定の間隔で異なる深さの複数の貫通もしくは有底の孔を有し、
前記複数の孔は、前記停止位置規定部材の前記中央の貫通孔に連通するように開口しており、
他方、前記スプール軸または前記スリーブには、前記付勢部材の前記移動部材側と反対側の端部付近で、前記スプール軸の軸方向に対して略垂直に突出して位置決め用突起部が設けられており、前記突起部は、前記停止位置規定部材の前記複数の孔のいずれかに勘合している、請求項3に記載のベイトリール。
【請求項5】
前記複数の孔のうち、前記スプール軸が挿通可能な略円形の貫通孔の中心を挟んで対向する位置にある孔は、略同じ深さを有し、
他方、前記スプール軸または前記スリーブには、前記付勢部材の前記移動部材側と反対側の端部付近で、前記スプール軸の軸方向に対して略垂直の反対方向に突出する1対の位置決め用突起部が設けられており、前記突起部は、前記停止位置規定部材の前記複数の孔のうち、前記略同じ深さを有するいずれかの1対の孔に勘合している、請求項4に記載のベイトリール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプール回転制御機構を備える釣り用リールに関する。さらに詳しくは、電磁ブレーキを利用してスプールの回転を制御する機構を備える釣り用リールに関する。
【背景技術】
【0002】
釣り用リールには、スピニングリール、両軸受リールおよび片軸受リールがあり、スピニングリールでは、リール本体に前後移動可能に装着され、両軸受リールおよび片軸受リールでは、スプールはリール本体に回転自在に支持される。両軸受リールおよび片軸受リールは、このような構造により、糸に加わる力を直接スプールで受けることができ、重さがあるルアーや仕掛け(以下、ルアー等と略称する)を放出するベイトリールとして利用される。
【0003】
一方、両軸受リールおよび片軸受リールは、糸に加わる力を直接スプールで受けるという特性上、キャスティング時にスプールに糸が絡まるといった現象(いわゆるバックラッシュ)が発生しやすい、といった問題を有する。
すなわち、ルアー等をキャスティングすると、ルアー等は、放物線を描いて飛行し、これに連結する釣り糸が引っ張られてスプールの糸巻胴部から繰り出される。ルアー等を放出した直後の初期では、スプールの回転速度はそれほど速くないが、その後、ルアー等の飛行速度に追従するようにスプールの回転速度も速くなる。ルアー等が放物線の頂点を過ぎると、ルアー等の飛行速度は空気抵抗等により低下していくが、その一方で、スプールは、慣性の法則によりあまり回転速度を落とすことなく回り続けようとする。そして、ルアー等が着水すると、ルアー等により釣糸を引っ張る力が0となるが、この状態でもスプールは、回転速度は低下しているものの依然として回転し続けようとする。
この結果、スプールの糸巻胴部から供給される釣糸の量が、ルアー等によって引っ張られる釣糸の量よりも多くなり、いわゆるバックラッシュが発生する。
【0004】
一般的に、このようなバックラッシュを防ぐ方法としては、キャスティング時に、親指でスプールを押さえて摩擦制動力を発生させる方法(いわゆるサミング)が行われている。しかし、このサミング操作は、習熟したベテランでなければ適切に行うことができないので、ベイトリールを使い慣れていない釣り人であっても、バックラッシュを防ぐことができるリールへの要求がある。
【0005】
このような要求に対して、バックラッシュの発生を防止する様々な機構を備えたベイトリールが開発されており、その1つとして、磁性体と誘電体間の磁力によってスプールの回転に抗するブレーキ力を発生させ、このブレーキ力をスプールの回転速度に応じて調整することにより、ルアー等の飛距離の低下を抑制しながらバックラッシュを防ぐ、ベイトリールが提案されている(例えば、特許文献1および2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第3464362号
【文献】特許第6376572号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかるに、このようなバックラッシュ防止機構を備えた従来のベイトリールは、幾つかの点で改善が求められていた。
まず、いずれのリールにおいても、スプールの回転速度に応じて磁性体と誘電体間の距離を調整するためのカム機構が、
図1(a)および(b)に示すように、隔壁により外部から閉じた形状であるカム溝31にカム軸32が係合する構造となっていたため、カム軸32が移動する際に、2つの隔壁から摩擦抵抗を受け、カム軸32が移動するのに比較的大きな力を要し、キャスト後にカム軸32がイニシャルポジションに復帰するのが遅れるという問題があった。
また、このようなカム溝31を有するカム機構では、野外でのリールの使用時に砂などの異物がカム溝31に入って、そのまま残留し易く、水洗した際にも完全に取り除くことができないことがある。このため、残留した砂などの異物がリールの動作不良、場合によっては故障の原因になることがあった。
また、カム溝31を形成するためには、溝の周りに金属材料が存在することとなるが、これがカム機構で移動する移動部材の軽量化を妨げ、カム軸32が移動するのに比較的大きな力を要する要因になり、また、リールの軽量化を妨げる一因にもなっていた。
また、特許文献1のリールでは、カム溝31が、スプール軸に対して非対称であるため、ハンドルアセンブリをリール本体の右側および左側に配設するリールで、異なるカム機構を作製する必要があった。
【0008】
本発明は、このようなこのようなバックラッシュ防止機構を備えた従来のベイトリールが抱える問題を解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記問題を解消する手段として、その一実施形態において、
スプール軸、場合により、前記スプール軸の少なくとも一部を覆って前記スプール軸に固定されるスリーブ、および前記スプール軸または前記スリーブに連結された糸巻胴部を有するスプールと、前記スプールを、回転自在に保持するリールフレームと、スプールの回転を制御し得る回転制御機構と、を備えるベイトリールであって、
前記回転制御機構は、前記スプールの回転に抗するブレーキ力を発生させる電磁ブレーキ構造と、前記ブレーキ力を調整するブレーキ力調整機構とを備え、
前記電磁ブレーキ構造は、対を成す磁性体、および導電部材を有し、前記磁性体および前記導電部材は、いずれか一方が前記ブレーキ力調整機構に、他方がリールフレームに、前記ブレーキ力調整機構により近接可能に配設されており、
前記ブレーキ力調整機構は、前記スプール軸の軸方向に対して略垂直方向に突出して前記スプール軸または前記スリーブに設けられたカム軸と、一定範囲で前記スプール軸と同軸で回転可能かつ前記スプール軸の軸方向に移動可能な、断面が円形の筒状の部材であって、前記カム軸が係合可能なカム軸接触端部を有する、移動部材と、一の端部側から前記移動部材をスプール軸方向に付勢する付勢部材と、を備え、
前記移動部材の前記カム軸接触端部と反対側の端部またはその付近に前記磁性体または前記導電部材が連結され、前記カム軸接触端部は、前記磁性体または前記導電部材の側と反対側に前記スプール軸の軸心に対して傾斜する線で確定される形状、好ましくは、前記スプール軸の軸心に対応する位置を頂点とし、前記頂点から前記磁性体または前記導電部材の側と反対側に前記スプール軸の軸心に対して上下方向に離れるように傾斜し、前記スプール軸を基準として線対称となる線で確定される形状を有しており、
前記付勢部材が、前記磁性体または前記導電部材の側から前記移動部材を付勢して、前記カム軸が前記カム軸接触端部と係合し、前記スプールの回転速度と前記移動部材の回転速度の差に応じて、前記磁性体または前記導電部材が固定されている前記移動部材が前記スプール軸の軸方向に移動し、これにより前記対を成す前記磁性体および前記導電部材の間隔が制御される、ベイトリールを提供する。
好ましい実施形態において、前記付勢部材の前記移動部材の側と反対側に前記付勢部材に直接または他の部材を介して隣接して、前記スプール軸または前記スリーブに固定された停止位置規定部材が設けられ、これにより前記付勢部材が位置決めされ、付勢力が維持されている。この停止位置規定部材は、好ましくは、中央にスプール軸またはスリーブを有するスプール軸が挿通可能な略円形の貫通孔を有する所定の厚さのドーナッツ状の部材であり、周方向に所定の間隔で異なる深さの複数の貫通もしくは有底の孔を有し、この複数の孔は、前記停止位置規定部材の前記中央の貫通孔に連通するように開口している。他方、前記スプール軸または前記スリーブには、前記付勢部材の前記移動部材側と反対側の端部付近で、前記スプール軸の軸方向に対して略垂直に突出する位置決め用突起部が設けられ、この突起部は、前記停止位置規定部材の前記複数の孔のいずれかに勘合している。特に好ましい実施形態では、前記複数の孔のうち、前記スプール軸が挿通可能な略円形の貫通孔の中心点を挟んで対向する位置にある孔は、略同じ深さを有し、他方、前記スプール軸または前記スリーブには、前記付勢部材の前記移動部材側と反対側の端部付近で、前記スプール軸の軸方向に対して略垂直の反対方向に突出する1対の位置決め用突起部が設けられており、この1対の突起部は、前記停止位置規定部材の前記複数の孔のうち、前記略同じ深さを有するいずれかの1対の孔に勘合している。
【発明の効果】
【0010】
本発明のリールでは、カム機構が、カム軸と上記の形状のカム軸接触端部で構成される。このカム軸接触端部は、いわば、カム溝を形成するための隔壁の略半分が取り除かれた構造であり、カム軸は、1つの隔壁のみと接触し、場合によっては、一時的に隔壁に非接触の状態となり、2つの隔壁から摩擦抵抗を受けることはない。このため、より小さな力で移動可能であり、ルアー等のキャスト後に小さな力で迅速に初期位置に復帰することができる。
また、このカム軸接触端部は、外部に開かれた構造であるがため砂などの異物がカム溝31に入り込んでも、水洗等で簡単にきれいに取り除くことができ、カム機構の掃除、給油なども簡単である。
また、カム溝を形成するために溝の周りを構成する金属材料が、大幅に不要となり、移動部材、延いてはリールを軽量化することができる。
また、好ましい実施形態では、カム軸接触端部は、スプール軸の軸心に対応する位置に頂点があり、スプール軸を基準として線対称となる線で確定される形状を有しているので、スプールの回転方向に関わらず、同様の機能を発揮することができる。これにより、ベイトリール1が右ハンドルモデルか左ハンドルモデルかに関わらず、調整機構を同じ部品で構成することができる。
また、好ましい実施形態では、上述の停止位置規定部材および場合によっては位置決め用突起部により、簡単に、磁性体と導電性部材の間の距離を微調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1(a)は、特許文献1に開示するリールのカム機構を概略的に示す模式図であり、
図1(b)は、特許文献2に開示するリールのカム機構を概略的に示す模式図である。
【
図2】本発明の一の実施形態によるベイトリールの外観を概略的に示す斜視図である。
【
図3】本発明の一の実施形態によるベイトリールに設置されるスプールの外観を示す斜視図である。
【
図4】本発明の一の実施形態によるベイトリールの内部構造を概略的に示す部分断面図である。図の簡潔化のために、一部の構造は省略している。また、ブレーキ調整機構18は側面図として表現され、導電部材17は、外延付近のみ断面図で示している。
【
図5】本発明の一の実施形態によるベイトリールに設置される電磁ブレーキ構造の一例の概要を示す一部断面図である。
【
図6】本発明の一の実施形態によるベイトリールに設置される電磁ブレーキ構造の他の例の概要を示す一部断面図である。
【
図7】本発明の一の実施形態によるベイトリールに設置される電磁ブレーキ構造の更に他の例の概要を示す一部断面図である。
【
図8】本発明の一の実施形態によるベイトリールに設置される電磁ブレーキ構造の更に他の例の概要を示す一部断面図である。
【
図9】
図9は、本発明の一の実施形態によるベイトリールで使用される移動部材の停止位置規定部材(座金(ワッシャ))および係止部材を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、本発明の一の実施形態によるベイトリールで、異なる厚さの座金(ワッシャ)をスプール軸に装着した状態を示す側面図である。
【
図11A】
図11Aは、本発明の他の実施形態によるベイトリールにおいて、ドーナッツ状の停止位置規定部材であって、移動部材側の面に周方向に異なる深さの複数の孔を有する停止位置規定部材に、スプール軸またはスリーブにスプール軸の軸方向に対して略垂直の方向に突出して設けられた突起部が勘合した状態を示す概略図である。
【
図11B】
図11Bは、
図11Aに示す停止位置規定部材を、スリーブに突起部を有するスプール軸に勘合する前の状態を示す斜視図である。
【
図12】本発明の一の実施形態によるベイトリールの回転制御機構を概略的に示す観念図である。
【
図13】本発明の一の実施形態によるベイトリールに設けられるブレーキ力調整機構を示す斜視図である。円盤状の導電部材17を端部に取り付けた移動部材19に、スリーブ3を有するスプール軸2を挿入し、スリーブ3に設けられたカム軸22が、移動部材19のV字に切り欠きされた端部21に、初期位置で係合するように移動部材19が配設されている。
【
図14】本発明の一の実施形態によるベイトリールに設けられるカム軸付きスリーブを有するスプール軸を示す斜視図である。
【
図15】本発明の一の実施形態によるベイトリールに設けられる、円盤状の導電部材を端部に取り付け、付勢部材を嵌め込んだ状態の移動部材を示す斜視図である。
【
図16】本発明の一の実施形態によるベイトリールに設けられるブレーキ力調整機構を示す側面図である。円盤状の導電部材17を端部に取り付けた移動部材19に、スリーブ3を有するスプール軸2を挿入し、スリーブ3に設けられたカム軸22が、移動部材19のV字に切り欠きされた端部21に、初期位置で係合するように移動部材19が配設されている。また、付勢部材23が、移動部材19のカム軸接触端部21と反対側の端部に隣接して配設され、座金(ワッシャ)20および係止部材26により固定されている。
【
図17】本発明の一の実施形態によるベイトリールでルアー等をキャスティングした際の、初期、中期および後期におけるベイトリールの回転制御機構の作動状況を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態を詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施の形態に限定して理解されるべきものではない。
図2は、本発明の一実施形態よる釣り用リールの外観を示す斜視図である。
図3は、本発明の一の実施形態によるベイトリールに設置されるスプールの外観を示す斜視図である。
図4は、発明の一の実施形態によるベイトリールの内部構造を概略的に示す部分断面図である。
この実施形態の釣り用リールは、
図2に示す通り、両軸受リールであり、ベイトキャスト用のロープロファイル型のリールである。このベイトキャストリール1は、
図2および3に示す通り、スプール軸2およびスプール軸2に連結された糸巻胴部4を有するスプール5が、回転自在にリールフレーム6に保持されており、スプール軸2に回転運動を伝えるハンドルアセンブリ10がリールの側方に配置されている。また、ハンドルアセンブリ10のリールフレーム側には、ドラグ調整用のスタードラグ11が設けられている。
【0013】
リールフレーム6は、フレーム本体7と、フレーム本体7の両側に設けられるサイドカバー8と、フレーム本体7の前方に設けられるフロントカバー9とを有している。
【0014】
図2、3、および4に示す通り、スプール5は、棒状部材からなるスプール軸2と、場合によってスプール軸2の一部を覆ってスプール軸に固定されるスリーブ3と、糸巻胴部4とを備え、糸巻胴部4は、筒状の糸巻胴部本体4-1と、糸巻胴部本体の両側に外方向に延出するフランジ4-2と、糸巻胴部本体4-1の内面のスプール軸2の軸方向の略中央部分からスプール軸に向かって延伸する円盤状の部材であって、糸巻胴部本体4-1とスプール軸2とを同軸となるように連結するスプール連結部材4-3とで構成される。
他の実施形態においては、スプール軸2の少なくとも一部を覆うようにスプール軸2に固定されたスリーブ3が設けられ、このスリーブ3にスプール連結部材4-3が連結され、スプール5がスリーブ3を介してスプール軸2と同軸となるように固定される。
【0015】
スプール5を構成する各部材の材質については、特に制限はなく、強度、耐腐食性、耐候性、耐擦傷性、密度などの特性を考慮して、適切な材料で構成することができる。スプール軸およびスリーブは、たとえばステンレスまたはアルミニウム合金で構成することができ、糸巻胴部は、例えば、チタン合金、マグネシウム合金で構成することができる。
【0016】
図4に示す通り、スプール5は、軸受け25を介して、スプール軸2を回転軸として回転自在にリールフレーム6に保持され、好ましくは、着脱自在にリールフレーム6に保持される。
図2に示す通り、ハンドルアセンブリ10は、リールフレーム6(サイドカバー8)の側方に配置され、回転軸を中心に回転可能なハンドル10-1と、このハンドルの回転力をスプール軸2に伝達する伝動機構(図示せず)とを備えている。また、このリールでは、糸を繰り出す側(
図2では紙面上方)に、糸の巻き付けを均等の行うためのレベルワインダー12が設けられており、糸を繰り出す側と反対側(
図2では紙面下方)には、ハンドル10-1の回転力をスプール軸2に伝達可能とする状態と、スプール5が自由回転状態となり、それに巻かれた糸が放出可能な状態との切り替えを行うクラッチ機構に連結されたクラッチレバー13が設けられている。
【0017】
ルアー等をキャスティングする際は、クラッチレバー13をOFFにした状態で、スプール5が勝手に回転しないように釣糸を親指等で押さえた状態でキャスティング姿勢に入り、ルアー等を投げ出すタイミングで釣糸を押さえていた親指等を離してルアー等を所望の箇所へキャスティングする。これにより、スプール5が自由回転状態になり、釣り糸がルアー等に引っ張られて糸巻胴部から繰り出され、スプール5が回転し始める。
【0018】
この実施形態よるベイトキャストリールでは、
図4~17に示すように、上述の基本的な構成に加え、バックラッシュを防止するために、スプールの回転を制御し得る回転制御機構14を備えている。
本実施形態のベイトリール1の回転制御機構14は、電磁ブレーキ構造15と、当該ブレーキ力を調整するブレーキ調整機構18とを備える。
【0019】
電磁ブレーキ構造15は、磁力によりスプールの回転に抗するブレーキ力を発生させる構造であり、
図4乃至8および12に示す通り、磁性体16と、導電部材17とで構成される。
磁性体16は、導電部材17に対して磁気を発生させる機能を有する部材であればよく、例えば永久磁石などで構成することができる。
導電部材17は、磁性体16に接近させた際、磁性体16の作用によってその表面に渦電流が発生する導電性の部材である。例えば、アルミニウムや、アルミニウム合金などの非磁性の導電体で構成することができる。また、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS樹脂)、ポリオキシメチレン(POM)樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂等の合成樹脂で成形した基材上に銅箔、アルミ箔を形成して構成することもできる。
【0020】
対となる磁性体16および導電部材17の間の距離は、後述する移動部材19によって変動するが、移動部材19によって両者が近接した際に磁性体16が導電部材17に作用して渦電流を発生し得る距離となるように、両者の初期位置での距離間を設定する必要がある。このような対となる磁性体16および導電部材17の初期位置は、移動部材の停止位置規定部材が設置される位置、移動部材の構造、大きさおよび設置位置、移動部材に連結される磁性体16または導電部材17の設置位置、大きさおよび構造、リールフレームの構造、ならびにリールフレームに連結される導電部材17または磁性体16の設置位置、大きさ、および構造などによって決定される。
ブレーキ調整機構による渦電流量の調整が容易なことから、通常、両者は、スプール軸方向で相互に対向して配設される。例えば、
図4および5に示す通り、磁性体16および導電部材17は、いずれか一方がブレーキ調整機構18に、他方がリールフレーム6に、ブレーキ力調整機構18により相互に接近した際に、磁性体16の作用によって導電部材17の表面に渦電流が発生可能な位置に配設され、典型的には相互にスプール軸方向で対向して配設される。
【0021】
一の実施形態によれば、
図6に示すように、導電部材17を円盤状とし、複数の磁性体16をスプール軸2の周方向に一定間隔、典型的には等間隔で、ブレーキ力調整機構18により相互に接近した際に、磁性体16の作用によって導電部材17の表面に渦電流が発生可能となる距離で対向するように配置することができる。
また、他の実施形態によれば、
図7および8に示すように、導電部材17-1を、スプール軸と同軸の円筒状とし、一方、磁性体16-1、16-2は、断面がコの字となる形状とし、あるいは、一対の2つの板状部材で構成し、ブレーキ力調整機構18により相互に接近した際に、導電部材17-1の筒状の端部が、断面がコの字となる形状を有する磁性体16-1の凹部、あるいは一定間隔を空けて対向する一対の板状で構成される磁性体16-2の隙間に収容可能となるように導電部材17-1および磁性体16-1、16-2を構成し、配設することもできる。この場合、磁性体16-1、16-2が導電部材17-1に作用して発生する渦電流は、先端部の侵入量に応じて大きくなる。
【0022】
また、対となる磁性体16および導電部材17間の距離を微調整したい場合には、
図10に示すように、予定する磁性体16および導電部材17間の距離に応じて、停止位置規定部材20の厚さを変更したり、停止位置規定部材20を複数重ねて使用して、移動部材19の停止位置を微調整することができる。停止位置規定部材20としては、例えば、
図9に示す座金(ワッシャ)20を用いることができ、停止位置規定部材20を固定する固定部材としては、取り外しが簡単で、次に述べるブレーキ力調整機構の構造を簡潔にできる点でクリップなどの係止部材26が好ましい。
【0023】
また、対となる磁性体16および導電部材17間の距離は、
図11A乃至および
図11Cに示す異なる構造の停止位置規定部材27によっても微調整することができる。この停止位置規定部材27は、中央にスプール軸2またはスリーブ3を有するスプール軸2が挿通可能な略円形の貫通孔を有する所定の厚さのドーナッツ状の部材であり、周方向に所定の間隔で異なる深さの複数の貫通もしくは有底の孔もしくは溝28-1~28-4を有する。これらの複数の孔もしくは溝28-1~28-4は、停止位置規定部材27の中央の貫通孔に連通するように開口している。他方、スプール軸2またはスリーブ3には、付勢部材23の移動部材の側と反対側の端部付近で、スプール軸2の軸方向に対して略垂直に突出しする位置決め用突起部29が設けられている。停止位置規定部材27の貫通孔28-1は、突起部29が通過可能な形状および大きさで形成されており、突起部29をこの貫通孔28-1に挿入後、停止位置規定部材27を回転して、突起部29が他の有底の孔もしくは溝28-2~28-4のいずれかに勘合される。好ましい実施形態では、
図11Cに示す通り、中央の円形の貫通孔の中心を挟んで対応する位置の孔(それぞれ、28-1、28-2、28-3、28-4)が、同じ深さ有し、周方向に順に深くなっている。他方、スプール軸2またはスリーブ3には、スプール軸2の軸方向に対して略垂直の反対方向に突出して2つの位置決め用突起部29が設けられている。停止位置規定部材27の貫通孔28-1は、突起部29が通過可能な形状および大きさで形成されており、突起部29は、この貫通孔28-1に挿入した後に停止位置規定部材27を回転して、他の有底の孔もしくは溝28-2~28-4に勘合される。これらスプール軸2、またはスリーブ3に設けられた2つの突起部29を、予定する対となる磁性体16および導電部材17間の距離に応じて、適切な深さを有する一対の孔(28-1、28-2、28-3、または28-4)に勘合させて停止位置規定部材27を装着することで、対となる磁性体16および導電部材17間の距離を調整することができる。
【0024】
図12乃至16に示す通り、ブレーキ力調整機構18は、スプール軸2またはスリーブ3に設けられたカム軸22と、カム軸22が係合可能なカム軸接触端部21を有し、磁性体16または導電部材17が連結される移動部材19と、一の端部側から移動部材をスプール軸方向に付勢する付勢部材23とを備える。
【0025】
図12乃至14に示すように、カム軸22は、スプール軸2の軸方向に対して略垂直方向に突出して、スプール軸2またはスリーブ3に設けられ、略円柱状の形状をしている。このカム軸22は、例えば、スプール軸2またはスリーブ3に所定の直径の有底孔または貫通孔を設け、この有底孔または貫通孔と同じ直径で所定の高さの棒状の部材を嵌め込むことで形成することができる。この際、例えば、有底孔または貫通孔の内側壁にネジ溝を形成し、カム軸22の一部にネジ山を形成すれば、カム軸22を有底孔または貫通孔に螺合して固定することができる。また、有底孔または貫通孔の内壁面にカム軸22の一部を接着剤で接着してもよい。
【0026】
図12、13、15、および16に示すように、移動部材19は、一定範囲でスプール軸2と同軸で回転可能かつスプール軸2の軸方向に移動可能な断面が円形の筒状の部材である。移動部材19の中空な空間に、スプール軸2またはスリーブ3を有するスプール軸2が挿通され、移動部材19のカム軸接触端部21に、スプール軸2またはスリーブ3に設けられたカム軸22が係合するように移動部材19が配設される。
【0027】
また、移動部材19には、スプール軸2の軸方向のカム軸接触端部21と反対側の端部またはその付近で磁性体16または導電部材17が連結される。したがって、移動部材19は、その一の端部またはその付近で連結された磁性体16または導電部材17が、リールフレーム6の所定の位置に配設された導電部材17または磁性体16に対して所定の距離で位置でき、その一方で、カム軸22が他端21と係合して所定の動作が可能となるように設計され、配置される。
【0028】
カム軸接触端部21は、スプール軸2の軸心に対して傾斜した線で確定される形状とすればよく、想定される移動部材19とスプール軸2との回転差を念頭に、傾斜角の程度を決め、傾斜角の変化させることができる。スプール軸の軸心に対する傾斜角が鋭角になるように形成すれば、移動部材19とスプール軸2の回転差(言い換えれば、スプールの回転速度との差)に対する移動部材19の移動スピードを速くでき、その逆に傾斜角を鈍角にすれば移動部材19とスプール軸2の回転差に対する移動部材19の移動スピードを遅くできる。従って、この点を考慮してカム軸接触端部21の形状を決定すればよい。
また、ハンドルアセンブリを左右どちらに設置した場合でも、同じ部品を利用できる点で、カム軸接触端部21は、スプール軸を基準として線対称となる線で確定される形状とすることが好ましい。好ましい実施形態によれば、このようなカム軸接触端部21は、スプール軸2の軸心に対応する位置に頂点があり、当該頂点から磁性体または導電部材側と反対側にスプール軸の軸心に対して上下方向に離れるように傾斜し、スプール軸を基準として線対称となる線で確定される形状を有している。
例えば、V字を90度時計回りで回転させてスプール軸を基準として線対称となるように位置させた形状、U字を90度時計回りで回転させてスプール軸を基準として線対称となるように位置させた形状、2つの線対称の円弧状の線をスプール軸の軸心に対応する位置を頂点として連結した形状などがある。
本発明のリールでは、移動部材19は、カム溝を有さず、いわば、カム溝を形成するための隔壁の略半分が取り除かれた構造を有する。この結果、カム軸は、1つの隔壁のみによって規制され、場合によっては、一時的に隔壁に非接触の状態となり、2つの隔壁から接触抵抗を受けることはない。また、カム溝を形成するためのその周囲の基材が、カム軸接触端部では略半減することとなり、移動部材の軽量化が可能となる。
【0029】
図10、11、12、および16に示す通り、付勢部材23は、移動部材19の磁性体16または導電部材17が連結された端部側から移動部材19をスプール軸方向にハンドルアッセンブリ側(磁性体16または導電部材17が連結された端部とは反対側)に向かって付勢する部材である。付勢部材23は、このような機能を有する部材であればよく、例えば、公知のバネや、ゴムなどの弾性部材で構成することができる。バネで構成した場合には、その材質や太さを調整することによって付勢力を容易に調整することができる。
また、付勢部材23は、上記の機能を発揮し得るように配置すればよいが、通常、移動部材の端部に、直に隣接して、または他の部材を介して隣接して配設され、移動部材側と反対側にスプール軸2またはスリーブ3に取り付けられた停止位置規定部材20によって位置決めされ、付勢状態が維持される。
【0030】
上述した電磁ブレーキ構造15およびブレーキ調整機構18を有する回転制御機構14を備えるベイトリールでは、スプールの糸巻胴部から供給される釣糸の量と、ルアー等によって引っ張られる釣糸の量がズレるタイミングで、回転制御機構によって両者の差に応じてスプールの回転速度を制御して、スプールが過回転になるのを防止することができる。
【0031】
具体的には、
図17に概略的に示す通り、キャスティング初期では、スプール(図示せず)の回転速度が小さいため、スプール(図示せず)の回転により生じる回転力が、付勢部材23による付勢力より小さい。この状態では、移動部材19はスプール軸2と一体で回転し、移動部材19とスプール軸2の間で回転速度の差は生じないため、カム軸22は、カム軸接触端部21の頂点21-1に留まったままとなる。この結果、移動部材19は初期の位置のままであり、これに連結されている磁性体16または導電部材17は、対を成す他方の導電部材17または磁性体16に対して最も離れて位置し、スプール(図示せず)の回転に抗する制動力は最も小さい。
【0032】
一方、ルアー等の飛行速度に追従してスプール(図示せず)の回転が速くなると、スプールの回転力が、付勢部材23による付勢力を上回るようになる。この状態では、移動部材19の回転とスプール軸2の回転とで回転差が生じるようになり、カム軸22が、頂点21-1からカム軸接触端部21に当接した状態でカム軸接触端部21に沿って移動し、移動部材19をスプール軸2の軸方向でカム軸接触端部21と反対側(
図17では紙面左側)へ移動させる。この結果、移動部材19に連結されている磁性体16または導電部材17は、リールフレーム(図示せず)に保持されている導電部材17または磁性体16に向かって移動することとなる。導電部材17または磁性体16の移動速度は、スプール(図示せず)の回転力に依存し、導電部材17または磁性体16は、最大で、停止位置規定部材20で規定される停止位置まで移動できる。対を成す導電部材17および磁性体16の間の距離に応じて、移動部材19の回転に抗する制動力が発生し、カム機構を介してさらにスプール(図示せず)の回転に抗する制動力が発生する。この結果、スプール(図示せず)の過回転が低減され、バックラッシュが防止される。
なお、このリールでは、移動部材19がV字に切り欠きされて軽量化され、カム軸22が2つの隔壁から接触抵抗を受けることがない。このため、より小さな力でのカム軸22の移動が可能となっている。
【0033】
ルアー等が頂点を過ぎて着水する段階では、回転制御機構によってスプール(図示せず)の回転速度が低下し、カム軸22がカム軸接触部21を押し付ける力が小さくなる。そして、付勢部材(図示せず)による付勢力がスプールの回転力を上回るようになると、カム軸22が、今度はカム軸接触端部21の頂点21-1に向かってカム軸接触端部21に沿って、あるいは一時的にはカム軸接触端部21に接することなしに移動し、最終的には、カム軸接触端部21の頂点21-1に復帰する。これにより、移動部材19はスプール軸2の軸方向でハンドル側(磁性体または導電部材が連結された端部とは反対側)(
図17では紙面右側)に移動し、最終的に初期の位置に復帰する。この結果、移動部材19に連結されている磁性体16または導電部材17は、リールフレーム(図示せず)に保持されている導電部材17または磁性体16から離れて行くように移動し、導電部材17が磁性体16の磁界から受ける電磁力が小さくなる。このため、スプールの回転に抗する制動力も低減し、最終的に初期の位置に復帰した場合に最も小さくなる。
なお、このリールでは、移動部材19がV字に切り欠きされて軽量化され、カム軸22が2つの隔壁から接触抵抗を受けることがないため、上記復帰動作においてもより小さな力でのカム軸22、ひいては移動部材19の移動が可能となっている。
【0034】
このリールでは、このような動作を通じて、飛距離を不必要に低下させることなく、スプールに適度な制動力を付与して、バックラッシュを効果的に防止することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 ベイトリール
2 スプール軸
3 スリーブ
4 糸巻胴部
4-1 糸巻胴部本体
4-2 糸巻胴部フランジ
4-3 スプール連結部材
5 スプール
6 リールフレーム
7 フレーム本体
8 サイドカバー
9 フロントカバー
10 ハンドルアセンブリ
10-1 ハンドル
10-2 伝動機構
11 スタードラグ
12 レベルワインダー
13 クラッチレバー
14 回転制御機構
15 電磁ブレーキ構造
16 磁性体
16-1 一対の2つの板状部材で構成される磁性体
16-2 断面がコの字状の磁性体
17 導電部材
17-1 円筒状の導電部材
18 ブレーキ調整機構
19 移動部材
20 停止位置規定部材(座金(ワッシャ))
21 カム軸接触端部
21-1 頂点
22 カム軸
23 付勢部材
25 軸受け
26 係止部材(クリップ)
27 停止位置規定部材
28(28-1~28-4) 孔
29 位置決め用突起部
31 カム溝(従来技術)
32 カム軸(従来技術)
【要約】
従来のバックラッシュ防止機構を備えるベイトリールが抱える問題を解消する。
バックラッシュ防止機構に利用されるカム機構を、カム軸と特定の形状のカム軸接触端部で構成する。