(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】スタンダードセル構造
(51)【国際特許分類】
H01L 21/82 20060101AFI20241206BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20241206BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20241206BHJP
H01L 21/8238 20060101ALI20241206BHJP
H01L 27/092 20060101ALI20241206BHJP
H01L 27/088 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
H01L21/82 B
H01L27/04 H
H01L27/092 F
H01L27/092 A
H01L27/04 D
H01L27/088 331A
H01L21/82 L
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022154203
(22)【出願日】2022-09-27
【審査請求日】2023-01-27
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522295047
【氏名又は名称】發明與合作實驗室有限公司
【氏名又は名称原語表記】Invention And Collaboration Laboratory Pte. Ltd.
(73)【特許権者】
【識別番号】508059915
【氏名又は名称】エトロン テクノロジー,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Etron Technology,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】盧 超群
(72)【発明者】
【氏名】闕 ▲壮▼穎
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 立平
【審査官】戸川 匠
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-054297(JP,A)
【文献】特開2023-036057(JP,A)
【文献】特開2011-233594(JP,A)
【文献】特開2002-343861(JP,A)
【文献】特開2016-006855(JP,A)
【文献】特開2005-019970(JP,A)
【文献】特表2021-504961(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0006481(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第113394215(CN,A)
【文献】韓国公開特許第2017-0023358(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/82
H01L 21/822
H01L 21/8238
H01L 27/04
H01L 27/088
H01L 27/092
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタンダードセルであって、
ウェル領域を有する基板と、
第1の型のトランジスタおよび第2の型のトランジスタを含む複数のトランジスタであって、前記第1の型のトランジスタが前記ウェル領域内に形成され、前記第2の型のトランジスタが前記ウェル領域外部に形成される、複数のトランジスタと、
前記複数のトランジスタに結合される複数のコンタクトと、
前記複数のトランジスタに電気的に結合される少なくとも1つの入力線と、
前記基板の水平表面の下の一つのトレンチ内に配置され、且つ前記第1の型のトランジスタのソース領域またはドレイン領域の下に位置決めされる、第1のアイソレーション領域と、
前記基板の水平表面の下の他のトレンチ内に配置され、且つ前記第2の型のトランジスタのソース領域またはドレイン領域の下に位置決めされる、第2のアイソレーション領域と、
前記複数のトランジスタに電気的に結合される出力線と、
前記複数のトランジスタに電気的に結合されるVDDコンタクト線と、
前記複数のトランジスタに電気的に結合されるVSSコンタクト線と
を備え、
前記第1の型のトランジスタは、互いに電気的に結合される第1の組のフィン構造を含み、前記第2の型のトランジスタは、互いに電気的に結合される第2の組のフィン構造を含み、前記第1の型のトランジスタと前記第2の型のトランジスタとの間の間隙は、3×Fp-λよりも大きくなく、ここで、Fpは、前記第1の型のトランジスタにおける隣接する2つのフィン構造間のピッチ距離であり、λは、
22nmから5nmまでの前記スタンダードセルの最小加工寸法である、スタンダードセル。
【請求項2】
前記第1の型のトランジスタにおける前記フィン構造の幅は、Fwであり、前記第1の型のトランジスタと前記第2の型のトランジスタとの間の間隙は、3×Fp-Fwよりも大きくなく、Fwは、λよりも大きい、請求項1に記載のスタンダードセル。
【請求項3】
前記第1の型のトランジスタにおける前記隣接する2つのフィン構造間のピッチ距離Fpは、3λである、請求項1に記載のスタンダードセル。
【請求項4】
前記第1の型のトランジスタと前記第2の型のトランジスタとの間の間隙は、5λに略等しい、請求項3に記載のスタンダードセル。
【請求項5】
前記第1の型のトランジスタにおける前記隣接する2つのフィン構造間のピッチ距離Fpは、3.5λである、請求項1に記載のスタンダードセル。
【請求項6】
前記第1の型のトランジスタと前記第2の型のトランジスタとの間の間隙は、2.5λに略等しい、請求項5に記載のスタンダードセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノリシック半導体ダイ内の半導体デバイスに関し、特に、最小加工寸法(minimum feature size)を小さくすることなく、モノリシック半導体ダイ内の論理回路の寸法を効果的に小さくし得る統合スケーリングおよびストレッチングプラットフォームに基づく、モノリシック半導体ダイに内蔵される最適化スタンダードセルに関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路の性能およびコストにおける向上は主として、ムーアの法則によるプロセススケーリング技術によって実現されてきており、製造プロセスの、最小28nm(またはそれ未満)までの微細化による、トランジスタ性能におけるプロセスばらつきは難題である。特に、より大容量の論理回路を実現するために必要な、記憶密度の増加のための論理回路スケーリング、待機時消費電力低減のための動作電圧(Vdd)における低減、および歩留向上は、実現がますます困難になっている。
【0003】
スタンダードセルは、論理回路における、一般に使用されており、基本的な素子である。スタンダードセルは、
図1(a)~
図1(f)に示されるような、(インバータセル、NORセル、ならびにNANDセル、インバータセル×2、NORセル×2、およびNANDセル×2などの)基本的な論理関数セルを備え得る。しかし、製造プロセスの、最小22nmまたはそれ未満(いわゆる、「最小加工寸法」、「λ」、または「F」)までの微細化でも、コンタクトの寸法および金属配線のレイアウトの干渉のために、λ
2またはF
2によって表されるスタンダードセルの合計面積は、最小加工寸法が減少すると劇的に増加する。
【0004】
最小加工寸法が減少すると、スタンダードセルの合計面積が劇的に増加する理由のいくつかは、以下のように説明され得る。従来のスタンダードセルは、
図1(a)に示されるようなインバータを例に挙げれば、複数の相互接続であって、トランジスタの拡散レベル(ソース領域およびドレイン領域)を接続するためのその第1の相互接続層M1を有している複数の相互接続を使用することによって接続される。M1のみを使用することによってダイ寸法を大きくすることなく、(入力または出力などの)信号伝達を容易にするための第2の相互接続層M2および/または第3の相互接続層M3を増加させる必要性が存在しており、その場合、いくつかの種類の導電材料で構成される構造ビア-1が、M2をM1に接続するために形成される。よって、M1とのコンタクト接続を介して拡散によって形成される垂直構造、すなわち、「拡散-コンタクト(Con)-M1」が存在する。同様に、M1にコンタクト構造を介してゲートを接続するための別の構造が、「ゲート-Con-M1」として形成され得る。
【0005】
さらに、接続構造が、M2相互接続に接続するためにビア1を介してM1相互接続から形成される必要がある場合、それは、「M1-ビア1-M2」と呼ばれる。ゲートレベルからM2相互接続への、より複雑な相互接続構造は、「ゲート-Con-M1-ビア1-M2」と表され得る。さらに、積層相互接続システムは、「M1-ビア1-M2-ビア2-M3」または「M1-ビア1-M2-ビア2-M3-ビア3-M4」構造等を有し得る。2つのアクセストランジスタ(
図1(a)に示されるようなインバータのNMOSトランジスタおよびPMOSトランジスタ)におけるゲートは、第2の相互接続層M2内に配置される入力に接続されるため、従来のインバータでは、そうした金属接続はまず、相互接続層M1を経由しなければならない。すなわち、インバータにおける従来の相互接続システムは、ゲートが、M1構造をバイパスすることなく、M2に直接接続することを可能とし得ない。その結果、一方のM1相互接続と他方のM1相互接続との間の必要な空間がダイ寸法を増大させ、場合によっては、配線接続は、直接、M2を使用してM1領域を越えるという特定の効率的なチャネリングの意図を妨げ得る。さらに、ビア1からコンタクトまでの間の自己整合構造を形成し、同時に、ビア1およびコンタクトの両方がそれぞれ、それら自身の相互接続システムに接続されることは困難である。
【0006】
さらに、(
図1(a)に示されるようなインバータの)従来のスタンダードセルでは、少なくとも、1つのNMOSトランジスタ11および1つのPMOSトランジスタ12であって、それぞれが、p基板の(nウェルおよびpウェルなどの)一部の隣接領域内に配置され、近傍に互いに隣接して形成される、1つのNMOSトランジスタ11および1つのPMOSトランジスタ12が存在しており、n+/p/n/p+寄生バイポーラ素子と呼ばれる寄生接合構造であって、
図2に示されるように、NMOSトランジスタ11のn+領域から始まり、pウェルへの、隣接するnウェルへの、さらに、PMOSトランジスタ12のp+領域(pウェル)までのその輪郭を有する寄生接合構造が形成される。n+/p接合またはp+/n接合のいずれかに大きなノイズが発生した場合、非常に大きい電流がこのn+/p/n/p+接合を通って異常に流れることがあり、これは、場合によっては、CMOS回路の一部の動作を遮断し、チップ全体の誤動作をもたらし得る。ラッチアップと呼ばれるそうした異常現象は、CMOS動作に悪影響を与え、回避されなければならない。
【0007】
確かにCMOSにとっての弱点である、ラッチアップに対する耐性を増加させる1つの方法は、n+領域からp+領域までの距離を増加させることである。よって、ラッチアップの問題を回避するための、n+領域からp+領域までの距離の増加は、スタンダードセルの寸法を大きくすることにもなる。
【0008】
図3(a)は、一半導体会社(サムスン(Samsung))の5nm(UHD)スタンダードセルのPMOSならびにNMOSトランジスタ間のレイアウトおよび接続を表す「スティック線図」を示している。スティック線図は、活性領域(赤色の水平線)およびゲート線(青色の垂直線)を含んでいるに過ぎない。以下では、活性領域は、「フィン」と呼ばれ得る。当然、一方では、PMOSおよびNMOSトランジスタに直接結合されており、他方では、入力端子、出力端子、高レベル電圧Vdd、および低レベル電圧VSS(または、接地「GND」)などに結合される、なお多くのコンタクトが存在する。特に、各トランジスタは、許容範囲内にW/L比が維持され得るように、トランジスタのチャネルを形成するための2つの活性領域またはフィン(暗赤色により示される)を含んでいる。X=2×Cppであり、Y=セル_高さであり、Cppがコンタクトからポリピッチまでの間の距離(Cpp)であるとき、インバータセルの面積寸法はX×Yに等しい。(「ダミーフィン」と呼ばれる、薄赤色により示される)一部の活性領域またはフィンは、このスタンダードセルのPMOS/NMOSにおいては利用されないことが表されており、その潜在的な理由は、PMOSとNMOSとの間のラッチアップの問題に関係している可能性が高い。よって、
図3(a)中のPMOSとNMOSとの間のラッチアップ距離は、Fpがフィンピッチ(たとえば、=5λ)であるとき、3×Fp-λ(たとえば、=14λ)である。
【0009】
サムスン(Samsung)5nm(UHD)スタンダードセルにおけるCpp(54nm)およびセル_高さ(216nm)に関する利用可能なデータに基づいて、セル面積は、X×Yが23328nm
2(または、ラムダ(Lambda)(λ)が最小加工寸法5nmであるとき、933.12λ
2)に等しいことによって算出され得る。
図3(b)は、サムスン(Samsung)5nm(UHD)スタンダードセルおよびその寸法を示している。
図3(b)に示されるように、PMOSとNMOSとの間のラッチアップ距離は約15λであり、Cppは10.8λであり、セル_高さは43.2λである。
【0010】
さらに、異なるプロセステクノロジノード(または最小加工寸法)についてのCpp、およびセル_高さに関する公に利用可能な情報は、以下の表中に示されている。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
上記表を用いれば、3つのファウンドリについての、面積寸法(2×Cpp×セル_高さ) 対 異なるプロセステクノロジノードに関するスケーリング傾向は、
図4に示すことができる。テクノロジノードが(たとえば、22nmから5nmまで)減少するにつれ、λ
2換算での、従来のスタンダードセル(2×Cpp×セル_高さ)の面積寸法は、劇的に増加することは明らかである。従来のスタンダードセルでは、プロセスノードが小さいほど、λ
2換算での面積寸法は大きくなる。そうした劇的な増加は、λが減少するにつれ、ゲートコンタクト/ソースコンタクト/ドレインコンタクトの寸法を比例的に小さくすることが難しいこと、PMOSとNMOSとの間のラッチアップ距離を比例的に小さくすることが難しいこと、および、λが減少するにつれ、金属層内の干渉が減少することによって生じ得る。
【0015】
よって、上記課題を解決し得る新規なスタンダードセル構造を提案する必要性が存在している。
【発明の概要】
【0016】
本開示の一実施形態は、スタンダードセルであって、ウェル領域を有する基板と、第1の型のトランジスタおよび第2の型のトランジスタを含む複数のトランジスタであって、第1の型のトランジスタがウェル領域内に形成され、第2の型のトランジスタがウェル領域外部に形成される、複数のトランジスタと、複数のトランジスタに結合される複数のコンタクトと、複数のトランジスタに電気的に結合される少なくとも1つの入力線と、複数のトランジスタに電気的に結合される出力線と、複数のトランジスタに電気的に結合されるVDDコンタクト線と、複数のトランジスタに電気的に結合されるVSSコンタクト線とを備え、第1の型のトランジスタは、互いに電気的に結合される第1の組のフィン構造を含み、第2の型のトランジスタは、互いに電気的に結合される第2の組のフィン構造を含み、第1の型のトランジスタと第2の型のトランジスタとの間の間隙は、3×Fp-λよりも大きくなく、ここで、Fpは、第1の型のトランジスタにおける隣接する2つのフィン構造間のピッチ距離であり、λは、スタンダードセルの最小加工寸法である。
【0017】
本開示の一態様によれば、第1の型のトランジスタにおけるフィン構造の幅は、Fwであり、第1の型のトランジスタと第2の型のトランジスタとの間の間隙は、3×Fp-Fwよりも大きくなく、Fwは、λよりも大きい。
【0018】
本開示の一態様によれば、第1の型のトランジスタにおける隣接する2つのフィン構造間のピッチ距離Fpは、3λである。
【0019】
本開示の一態様によれば、第1の型のトランジスタと第2の型のトランジスタとの間の間隙は、5λに略等しい。
【0020】
本開示の一態様によれば、第1の型のトランジスタにおける隣接する2つのフィン構造間のピッチ距離Fpは、3.5λである。しかし、それは例示に過ぎず、ピッチ距離Fpは上記に限定されるものでなく、特定の他の実施形態では、ピッチ距離Fpは3.0λであり得る。
【0021】
本開示の一態様によれば、第1の型のトランジスタと第2の型のトランジスタとの間の間隙は、2.5λに略等しい。特定の他の実施形態では、ピッチ距離Fpは3.0λであり得る。
【0022】
本開示の別の実施形態は、スタンダードセルであって、複数のトランジスタであって、複数のトランジスタが、PMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタを含む、複数のトランジスタと、複数のトランジスタに結合される複数のコンタクトと、複数のトランジスタに電気的に結合される少なくとも1つの入力線と、複数のトランジスタに電気的に結合される出力線と、複数のトランジスタに電気的に結合されるVDDコンタクト線と、複数のトランジスタに電気的に結合されるVSSコンタクト線とを備え、PMOSトランジスタは、互いに電気的に結合される第1の組のフィン構造を含み、NMOSトランジスタは、互いに電気的に結合される第2の組のフィン構造を含み、第1の組のフィン構造および第2の組のフィン構造の形成中に、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタとの間に配置されるフィン構造が存在しない。
【0023】
本開示の1つの例示的な態様によれば、PMOSトランジスタのエッジとNMOSトランジスタのエッジとの間の間隙は、PMOSトランジスタにおける隣接する2つのフィン構造間のピッチ距離よりも小さい。
【0024】
本開示の一態様によれば、PMOSトランジスタにおける隣接する2つのフィン構造間のピッチ距離Fpは、3.5λである。
【0025】
本開示の一態様によれば、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタとの間の間隙は、2.5λに略等しい。
【0026】
本開示のさらに別の実施形態は、スタンダードセルであって、複数のトランジスタと、複数のトランジスタに結合される一組のコンタクトと、複数のトランジスタに電気的に結合される少なくとも1つの入力線と、複数のトランジスタに電気的に結合される出力線と、複数のトランジスタに電気的に結合されるVDDコンタクト線と、複数のトランジスタに電気的に結合されるVSSコンタクト線とを備え、スタンダードセルの最小加工寸法(λ)が22nmから漸進的に減少するにつれ、λ2換算でのスタンダードセルの面積寸法は、同じであるか、または略同じである。
【0027】
本開示の一態様によれば、スタンダードセルは、インバータセル、NANDセル、またはNORセルである。
【0028】
本開示のさらに別の実施形態は、スタンダードセルであって、複数のトランジスタと、複数のトランジスタに結合される一組のコンタクトと、複数のトランジスタに電気的に結合される少なくとも1つの入力線と、複数のトランジスタに電気的に結合される出力線と、一組のコンタクトのうちの第1のコンタクトに電気的に結合される金属コンタクト線と
を備え、第1のコンタクトは、金属コンタクト線に完全に覆われてはいない。
【0029】
本開示の一態様によれば、金属コンタクト線の幅は、第1のコンタクトの幅と同じであるか、または略同じである。
【0030】
本開示の一態様によれば、スタンダードセルは、金属コンタクト線に覆われていない、第1のコンタクトの一部分上に形成される高濃度ドープシリコンプラグをさらに備え、高濃度ドープシリコンプラグは、金属コンタクト線に接触する。
【0031】
本開示のさらに別の実施形態は、スタンダードセルであって、複数のトランジスタと、複数のトランジスタに結合される一組のコンタクトと、複数のトランジスタに電気的に結合される第1の金属線と、複数のトランジスタに電気的に結合される第2の金属線であって、第2の金属線が第1の金属線の上方にある、第2の金属線とを備え、一組のコンタクトのうちの少なくとも1つは、第1の金属線を経由することなく、第2の金属線に直接接続する。
【0032】
本開示の一態様によれば、一組のコンタクトのうちの少なくとも1つは、ゲートコンタクトである。
【0033】
本開示のさらに別の実施形態は、スタンダードセルであって、複数のトランジスタと、複数のトランジスタに結合される一組のコンタクトと、複数のトランジスタに電気的に結合される第1の金属線と、複数のトランジスタに電気的に結合される第2の金属線とを備え、複数のトランジスタは、半導体基板に基づいて形成され、複数のトランジスタのうちの少なくとも1つは、フィン構造およびフィン構造を覆うチャネル層を備え、チャネル層は、半導体基板と独立しており、イオン注入を施すことなく形成される、ドープ層である。
【0034】
本開示の一態様によれば、チャネル層は、フィン構造の第1の側壁および第2の側壁を覆い、フィン構造の頂面を覆わない。
【0035】
本開示の一態様によれば、チャネル層は、フィン構造の上面を覆う頂部分と、フィン構造の第1の側壁および第2の側壁を覆う側部分とを備え、頂部分および側部分は、同時に形成されない。
【0036】
本特許または出願ファイルは、カラーで制作されている少なくとも一図面を含む。一の(複数の)カラー図面を含む本特許または特許出願公開のコピーは、請求、および必要な料金の支払いにより日本特許庁(JPO)によって提供される。
【0037】
本開示の上述の、および他の態様は、好ましいが、限定でない1つの(複数の)実施形態の以下の詳細な説明に関して、よりよく理解されるであろう。以下の説明は添付図面を参照しながら行われる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1(a)】等価回路図であって、それぞれ、インバータセル、NORセル、およびNANDセルという、従来技術の基本的な論理関数セルを示す、等価回路図である。
【
図1(b)】等価回路図であって、それぞれ、インバータセル、NORセル、およびNANDセルという、従来技術の基本的な論理関数セルを示す、等価回路図である。
【
図1(c)】等価回路図であって、それぞれ、インバータセル、NORセル、およびNANDセルという、従来技術の基本的な論理関数セルを示す、等価回路図である。
【
図1(d)】等価回路図であって、それぞれ、インバータセル、NORセル、およびNANDセルという、従来技術の基本的な論理関数セルを示す、等価回路図である。
【
図1(e)】等価回路図であって、それぞれ、インバータセル、NORセル、およびNANDセルという、従来技術の基本的な論理関数セルを示す、等価回路図である。
【
図1(f)】等価回路図であって、それぞれ、インバータセル、NORセル、およびNANDセルという、従来技術の基本的な論理関数セルを示す、等価回路図である。
【
図2】スタンダードセルの従来のNMOSおよびPMOS構造の断面を示す図である。
【
図3(a)】一半導体会社(サムスン(Samsung))の5nm(UHD)スタンダードセルのPMOSならびにNMOSトランジスタのレイアウトおよび接続を表すスティック線図である。
【
図3(b)】
図3(a)に示されるような、サムスン(Samsung)5nm(UHD)スタンダードセルの寸法を示すスティック線図である。
【
図4】3つのファウンドリについての、面積寸法(2×Cpp×セル_高さ) 対 異なるプロセステクノロジノードに関するスケーリング傾向を示す図である。
【
図5(a)】本発明による、新規なインバータスタンダードセルのレイアウトスタイルを示すスティック線図である。
【
図5(b)】
図5(a)に描かれるインバータスタンダードセルの寸法を備えるスティック線図である。
【
図5(c)】
図5(a)~
図5(b)に基づいて、インバータスタンダードセルを形成するための一連の処理レイアウトを示す図である。
【
図5(d)】
図5(a)~
図5(b)に基づいて、インバータスタンダードセルを形成するための一連の処理レイアウトを示す図である。
【
図5(e)】
図5(a)~
図5(b)に基づいて、インバータスタンダードセルを形成するための一連の処理レイアウトを示す図である。
【
図5(f)】
図5(a)~
図5(b)に基づいて、インバータスタンダードセルを形成するための一連の処理レイアウトを示す図である。
【
図6(a)】本発明の別の実施形態による、新規なインバータスタンダードセルのレイアウトスタイルを示すスティック線図である。
【
図6(b)】
図6(a)に描かれるインバータスタンダードセルの寸法を備えるスティック線図である。
【
図6(c)】
図6(a)~
図6(b)に基づいて、インバータスタンダードセルを形成するための一連の処理レイアウトを示す図である。
【
図6(d)】
図6(a)~
図6(b)に基づいて、インバータスタンダードセルを形成するための一連の処理レイアウトを示す図である。
【
図6(e)】
図6(a)~
図6(b)に基づいて、インバータスタンダードセルを形成するための一連の処理レイアウトを示す図である。
【
図6(f)】
図6(a)~
図6(b)に基づいて、インバータスタンダードセルを形成するための一連の処理レイアウトを示す図である。
【
図7(a)】本発明の別の実施形態による、新規なNANDスタンダードセルのレイアウトスタイルを示すスティック線図である。
【
図7(b)】
図7(a)に描かれるインバータスタンダードセルの寸法を備えるスティック線図である。
【
図7(c)】
図7(a)~
図7(b)に基づいて、インバータスタンダードセルを形成するための一連の処理レイアウトを示す図である。
【
図7(d)】
図7(a)~
図7(b)に基づいて、インバータスタンダードセルを形成するための一連の処理レイアウトを示す図である。
【
図7(e)】
図7(a)~
図7(b)に基づいて、インバータスタンダードセルを形成するための一連の処理レイアウトを示す図である。
【
図7(f)】
図7(a)~
図7(b)に基づいて、インバータスタンダードセルを形成するための一連の処理レイアウトを示す図である。
【
図8(a)】本発明による、新規なスタンダードセルにおいて使用される、微細化された金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(mMOSFET)の上面図を示す図である。
【
図8(b)】パッド酸化物層、基板上のパッド窒化物層、および基板内に形成されるSTI酸化物1の断面を示す図である。
【
図8(c)】活性領域上/の上に形成される真性ゲート(TG)およびダミーシールドゲート(DSG)を示す図である。
【
図8(d)】スピンオン誘電体(SOD)が成膜され、適切に設計されたゲートマスク層が成膜され、エッチングされることを示す図である。
【
図8(e)】ダミーシールドゲート(DSG)の上方の窒化物層と、DSGと、DSGに対応する誘電絶縁体の一部分と、DSGに対応するp型基板が除去されることを示す図である。
【
図8(f)】ゲートマスク層が除去され、SODがエッチングされ、酸化物層が成膜されて、STI-酸化物-2を形成することを示す図である。
【
図8(g)】酸化物-3層が成膜され、エッチングされて酸化物-3スペーサを形成し、低濃度ドープドレイン(LDD)がp型基板内に形成され、窒化物層が成膜され、エッチバックされて窒化物スペーサを形成し、誘電絶縁体が除去されることを示す図である。
【
図8(h)】選択エピタキシャル成長(SEG)技術により、真性シリコン電極が成長することを示す図である。
【
図8(i)】CVD-STI-酸化物3層が成膜され、エッチバックされ、真性シリコン電極が除去され、mMOSFETのソース(n+ソース)とドレイン(n+ドレイン)が形成されることを示す図である。
【
図8(j)】酸化物スペーサが成膜され、エッチングされてコンタクトホール開口を形成することを示す図である。
【
図8(k)】SOD層が成膜されて基板上の空孔を充填し、CMPを使用して表面を平坦にすることを示す図である。
【
図8(m)】
図8(l)中の構造の上に形成される光抵抗層を示す図である。
【
図8(n)】異方性エッチング技術によって露出したゲート拡張領域内の窒化物キャップ層を除去して、導電性金属ゲート層を露呈することを示す図である。
【
図8(o)】光抵抗層およびSOD層が除去されて、ソース領域およびドレイン領域の両方の頂部に開口領域を形成し、スペーサが形成されることを示す図である。
【
図8(q)】金属-1層相互接続ネットワークが形成されることを示す図である。
【
図8(r)】ゲートが、金属-1層により、ソース領域に接続される、
図8(q)の上面図である。
【
図9(a)】本開示の別の実施形態による、新規なスタンダードセルにおいて使用されるmMOSFETの構築フェーズの上面図である。
【
図9(b)】
図9(a)に示される切断線C9A1に沿う、トランジスタの構築フェーズの断面である。
【
図9(c)】
図9(a)に示される切断線C9A2に沿う、トランジスタの構築フェーズの断面である。
【
図9(d)】第2の導体ピラー部および第4の導体ピラー部が第1の導体ピラー部および第3のピラー部上に形成された後の構造を示す上面図である。
【
図9(e)】
図9(d)に描かれる切断線C9D1に沿って切断した断面図である。
【
図9(f)】
図9(d)に描かれる切断線C9D2に沿って切断した断面図である。
【
図9(g)】本開示の一実施形態による、第1の導電層および第2の誘電体副層860が第1の誘電体層の上に形成された後の構造を示す上面図である。
【
図9(h)】
図9(g)に描かれる切断線C9G1に沿って切断した断面図である。
【
図9(i)】
図9(g)に描かれる切断線C9G2に沿って切断した断面図である。
【
図9(j)】本開示の一実施形態による、導電層が上部誘電体層の上に形成された後の構造を示す上面図である。
【
図9(k)】
図9(j)に描かれる切断線C9J1に沿って切断した断面図である。
【
図9(l)】
図9(j)に描かれる切断線C9J2に沿って切断した断面図である。
【
図10(a)】本開示の一実施形態による、新規なスタンダードセルにおいて使用されるmMOSFETの上面図である。
【
図10(b)】
図10(a)に描かれる切断線C10A1に沿って切断した断面図である。
【
図10(c)】
図10(a)に描かれる切断線C10A2に沿って切断した断面図である。
【
図10(d)】本開示の別の実施形態による、新規なスタンダードセルにおいて使用される別のmMOSFETの上面図である。
【
図10(e)】
図10(d)に描かれる切断線C10D1に沿って切断した断面図である。
【
図10(f)】
図10(d)に描かれる切断線C10D2に沿って切断した断面図である。
【
図11】本開示の別の実施形態による、新規なスタンダードセルにおいて使用されるNMOSトランジスタの断面を示す図である。
【
図12(a)】本開示の一実施形態による、新規なスタンダードセルにおいて使用されるPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタの組み合わせ構造を示す上面図である。
【
図12(b)】
図12(a)中の切断線(X軸)に沿って切断したPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタの断面図である。
【
図12(c)】
図12(a)中の切断線(Y軸)に沿って切断したPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタの断面図である。
【
図13】本発明によって提供される新規なスタンダードセルの面積寸法と、種々の他の会社により、提供される従来製品のものとの比較結果を示す図である。
【
図14(a)】本開示のいくつかの実施形態による、1つの単一のNORセルと、1つの単一のNANDセルとを有するスタンダードセルの上面図、および対応する等価回路図である。1つの単一のインバータを有するスタンダードセルの実施形態については、
図5(a)~
図5(b)、および
図6(a)~
図6(b)を参照されたい。
【
図14(b)】本開示のいくつかの実施形態による、1つの単一のNORセルと、1つの単一のNANDセルとを有するスタンダードセルの上面図、および対応する等価回路図である。1つの単一のインバータを有するスタンダードセルの実施形態については、
図5(a)~
図5(b)、および
図6(a)~
図6(b)を参照されたい。
【
図14(c)】本開示のいくつかの実施形態による、1つの単一のNORセルと、1つの単一のNANDセルとを有するスタンダードセルの上面図、および対応する等価回路図である。1つの単一のインバータを有するスタンダードセルの実施形態については、
図5(a)~
図5(b)、および
図6(a)~
図6(b)を参照されたい。
【
図14(d)】本開示のいくつかの実施形態による、1つの単一のNORセルと、1つの単一のNANDセルとを有するスタンダードセルの上面図、および対応する等価回路図である。1つの単一のインバータを有するスタンダードセルの実施形態については、
図5(a)~
図5(b)、および
図6(a)~
図6(b)を参照されたい。
【
図14(e)】本開示のいくつかの実施形態による、1つの単一のNORセルと、1つの単一のNANDセルとを有するスタンダードセルの上面図、および対応する等価回路図である。1つの単一のインバータを有するスタンダードセルの実施形態については、
図5(a)~
図5(b)、および
図6(a)~
図6(b)を参照されたい。
【
図14(f)】本開示のいくつかの実施形態による、1つの単一のNORセルと、1つの単一のNANDセルとを有するスタンダードセルの上面図、および対応する等価回路図である。1つの単一のインバータを有するスタンダードセルの実施形態については、
図5(a)~
図5(b)、および
図6(a)~
図6(b)を参照されたい。
【
図14(g)】本開示のいくつかの実施形態による、インバータセル×2と、NORセル×2と、NANDセル×2とを有するスタンダードセルの上面図、および対応する等価回路図である。
【
図14(h)】本開示のいくつかの実施形態による、インバータセル×2と、NORセル×2と、NANDセル×2とを有するスタンダードセルの上面図、および対応する等価回路図である。
【
図14(i)】本開示のいくつかの実施形態による、インバータセル×2と、NORセル×2と、NANDセル×2とを有するスタンダードセルの上面図、および対応する等価回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
従来のスタンダードセルでは、最小加工寸法またはテクノロジノードの、28nm(またはそれ未満)までの微細化でも、トランジスタの寸法は、比例して小さくすることができなかった。本発明は、モノリシック半導体ダイにおいて、コンパクトなレイアウトスタイルを備える新規なスタンダードセルを開示しており、この新規なレイアウトスタイルを採用することによって、異なるテクノロジノードを跨ぐスタンダードセルの面積寸法は、ラッチアップの問題を大きくすることなく、テクノロジノードに対して均一の、またはテクノロジノードに影響されにくい状態に留まり得る。
【0040】
たとえば、
図5(a)は、本発明の一実施形態による、スタンダードセル500のスティック線図である。
図5(b)は、
図5(a)によるインバータセル500の(λ換算での)寸法を備えるスティック線図である。構造を明瞭および簡潔に説明する目的で、インバータスタンダードセル500のゲートレベルおよび拡散レベルが描かれているに過ぎない。
【0041】
ここで、インバータスタンダードセル500は、NMOSトランジスタおよびPMOSトランジスタを含み、PMOSトランジスタは、半導体基板(図示せず)のn_ウェル領域内に形成される2つのフィン(それらの間のピッチ距離Fpが3λである)からなる第1のフィン構造と、上記フィン構造を覆うゲートとを有し、NMOSトランジスタは、半導体基板(図示せず)のp_ウェル領域内に形成される2つのフィン(それらの間のピッチ距離Fpが3λである)からなる第2のフィン構造と、上記第2のフィン構造を覆うゲートとを有している。NMOSトランジスタは、間隙により、PMOSトランジスタと離間しており、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタとの間に配置される1つのダミーフィンのみが存在している。
【0042】
インバータスタンダードセル500の面積寸法によって、コンパクトな設計が実現されることがあり、インバータスタンダードセル500の最小加工寸法(λ)が、異なるテクノロジノードに対して漸進的に(たとえば、22nmから16nmまで、または22nmから5nmまで)減少するにつれ、λ2換算でのインバータスタンダードセル500の面積寸法は、同じであるか、または略同じである。本実施形態では、活性領域またはフィンの幅は、λであり、ゲート線(またはポリライン)の幅もまた、同様であり、Cppは、4λであり、セル_高さは、24λであり、インバータスタンダードセル500のセル面積(黒破線の矩形で記されている、2×Cpp×セル_高さ)は、192λ2である。
【0043】
図5(c)~
図5(f)は、λが5nmに設定される際に、
図5(a)および
図5(b)に基づいて、新規なインバータスタンダードセル500を形成するための一連の処理レイアウトを示す図である。
図5(a)に示されるように、複数の組のフィン構造(たとえば、複数の水平フィン)が、半導体基板(図示せず)上に形成され、半導体基板のn_ウェル領域内に形成される2つの隣接フィン501は、PMOSトランジスタの活性領域として使用される。半導体基板内に形成され、PMOSに隣接する2つの隣接フィン502は、NMOSトランジスタの活性領域として使用される。ここでは、半導体基板内に、および、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタとの間に形成される2つの隣接フィン503は、2つのダミーフィンとしての役割を果たし得る。
図5(c)では、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタとの間の間隙は、3×Fp-Fwに等しいか、または略等しく、Fpは、2つの隣接フィン構造間の、
図5(a)に示されるフィンピッチ距離であり(たとえば、Fp=3λであり)、Fwは。フィン構造のフィン幅である。本実施形態では、フィン幅Fwは、λ(最小加工寸法)に設定される。よって、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタとの間の間隙は、3×Fp-λに等しいか、または略等しい(たとえば、間隙=8λである)。
【0044】
さらに、複数のゲート線504(または、ポリライン)が、半導体基板上であって、PMOSトランジスタと、NMOSトランジスタと、ダミーフィンとのフィン構造にまたがって形成されている。本実施形態では、2つのゲート線またはポリライン間の間隙(Cpp、
図5(a)に記されている)は、最小で4λである。
図5(c)では、複数のソース/ドレインコンタクトAA_CT505(金属-1層(M1)にソース/ドレイン領域の活性領域を接続するための開口ビアマスク層)およびゲートコンタクトGate_CT506(金属-2層(M2)にポリラインを直接接続するための開口ビアマスク層)が形成されている。
図5(d)では、複数の金属-1層(M1)507(幅:λまたはそれよりも大きい)が形成され、複数のソース/ドレインコンタクト505(AA_CTマスク)を接続するが、ゲートコンタクトGate_CT506は、金属-1層(M1)507に接続されない。
図5(e)では、金属-1層(M1)507を金属-2層(M2)に接続するための複数のビア1 508が、金属-1層(M1)507の頂部上に形成されている。
図5(f)では、複数の金属-2層(M2)509が形成されて、複数のビア1 508をVdd、出力端子、およびVssそれぞれに接続し、1つのさらなる金属-2層(M2)510が形成され、ゲートコンタクトGate_CT506を入力端子に直接接続する。
【0045】
図6(a)は、本発明の別の実施形態によるスタンダードセル600のスティック線図を示している。
図6(b)は、
図6(a)によるインバータセル600の(λ換算での)寸法を有するスティック線図である。構造を明瞭および簡潔に説明する目的で、インバータスタンダードセル600のゲートレベルおよび拡散レベルが描かれているに過ぎない。
【0046】
インバータスタンダードセル600は、NMOSトランジスタおよびPMOSトランジスタを含み、PMOSトランジスタは、半導体基板(図示せず)のn_ウェル領域内に形成される2つのフィン(それらの間のピッチ距離Fpは3λである)からなる第1のフィン構造と、上記フィン構造を覆うゲートとを有し、NMOSトランジスタは、半導体基板(図示せず)のp_ウェル領域内に形成される2つのフィン(それらの間のピッチ距離Fpは3λである)からなる第2のフィン構造と、上記第2のフィン構造を覆うゲートとを有している。NMOSトランジスタは、間隙により、PMOSトランジスタと離間しており、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタとの間に配置される1つのダミーフィンのみが存在している。
【0047】
インバータスタンダードセル600の面積寸法により、コンパクトな設計が実現されることがあり、インバータスタンダードセル600の最小加工寸法(λ)が、異なるテクノロジノードに対して漸進的に(たとえば、22nmから16nmまで、または22nmから5nmまで)減少するにつれ、λ2換算でのインバータスタンダードセル600の面積寸法は、同じであるか、または略同じである。本実施形態では、活性領域またはフィンの幅は、λであり、ゲート線(またはポリライン)の幅も同様であり、Cppは、4λであり、セル_高さは、21λであり、インバータスタンダードセル600のセル面積(黒破線の矩形で記されている、2×Cpp×セル_高さ)は、168λ2である。
【0048】
図6(c)~
図6(f)は、λが5nmに設定される際に、
図6(a)および
図6(b)に基づいて、新規なインバータスタンダードセル600を形成するための一連の処理レイアウトを示す図である。
図6(a)に示されるように、複数の組のフィン構造(たとえば、複数の水平フィン)が、半導体基板(図示せず)上に形成され、半導体基板のn_ウェル領域内に形成される2つの隣接フィン601は、PMOSトランジスタの活性領域として使用される。半導体基板内に形成されるn_ウェル領域内に形成され、PMOSに隣接する2つの隣接フィン602は、NMOSトランジスタの活性領域として使用される。ここでは、半導体基板内であって、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタとの間に形成される1つのみのフィン603は、ダミーフィンとしての役割を果たし得る。
図6(c)では、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタとの間の間隙は、2×Fp-Fwに等しいか、または略等しく、Fpは、
図6(a)に示される、2つの隣接フィン構造間のフィンピッチ距離であり(たとえば、Fp=3λであり)、Fwは、フィン構造のフィン幅である。本実施形態では、フィン幅Fwは、λ(最小加工寸法)に設定される。よって、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタとの間の間隙は、2×Fp-λに等しいか、または略等しい(たとえば、間隙=5λである)。
【0049】
さらに、複数のゲート線604(または、ポリライン)が、半導体基板上であって、PMOSトランジスタと、NMOSトランジスタと、ダミーフィンとのフィン構造にまたがって形成されている。本実施形態では、2つのゲート線またはポリライン間の間隙(Cpp、
図6(a)に記されている)は、最小で4λである。
図6(c)では、複数のソース/ドレインコンタクトAA_CT605(金属-1層(M1)にソース/ドレイン領域の活性領域を接続するための開口ビアマスク層)、およびゲートコンタクトGate_CT506(金属-2層(M2)にポリラインを直接接続するための開口ビアマスク層)が形成されている。
図6(d)では、複数の金属-1層(M1)607(幅:λまたはそれよりも大きい)が形成され、複数のソース/ドレインコンタクト605(AA_CTマスク)を接続するが、ゲートコンタクトGate_C606は、金属-1層(M1)607に接続されない。
図6(e)では、金属-1層(M1)607を金属-2層(M2)に接続するための複数のビア1 608が、金属-1層(M1)607に基づいて形成されている。
図6(f)では、複数の金属-2層(M2)609が形成され、複数のビア1 608をVdd、出力端子、およびVssそれぞれに接続し、1つのさらなる金属-2層(M2)610が形成され、ゲートコンタクトGate_C606を入力端子に直接接続する。
【0050】
図7(a)は、本発明の別の実施形態によるスタンダードセル700のスティック線図を示している。
図7(b)は、
図7(a)によるインバータセル700の(λ換算での)寸法を有するスティック線図である。構造を明瞭および簡潔に説明する目的で、インバータスタンダードセル700のゲートレベルおよび拡散レベルが描かれているに過ぎない。
【0051】
インバータスタンダードセル700は、NMOSトランジスタおよびPMOSトランジスタを含み、PMOSトランジスタは、半導体基板(図示せず)のn_ウェル領域内に形成される2つのフィン(それらの間のピッチ距離Fpは3.5λである)からなる第1のフィン構造と、上記フィン構造を覆うゲートとを有し、NMOSトランジスタは、半導体基板(図示せず)のp_ウェル領域内に形成される2つのフィン(それらの間のピッチ距離Fpが3.5λである)からなる第2のフィン構造と、上記第2のフィン構造を覆うゲートとを有している。NMOSトランジスタは、間隙により、PMOSトランジスタと離間しており、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタとの間に配置される1つのダミーフィンのみが存在している。
【0052】
インバータスタンダードセル700の面積寸法により、コンパクトな設計が実現される場ことがあり、インバータスタンダードセル700の最小加工寸法(λ)が、異なるテクノロジノードに対して漸進的に(たとえば、22nmから16nmまで、または22nmから5nmまで)減少するにつれ、λ2換算でのインバータスタンダードセル700の面積寸法は、同じであるか、または略同じである。本実施形態では、活性領域またはフィンの幅は、λであり、ゲート線(またはポリライン)の幅もまた、同様であり、Cppは、4λであり、セル_高さは、21λであり、インバータスタンダードセル500のセル面積(黒破線の矩形で記されている、2×Cpp×セル_高さは、168λ2である。
【0053】
図7(c)~
図7(f)は、λが5nmに設定される際に、
図7(a)および
図7(b)に基づいて、新規なインバータスタンダードセル600を形成するための一連の処理レイアウトを示す図である。
図7(a)に示されるように、複数の組のフィン構造(たとえば、複数の水平フィン)が、半導体基板(図示せず)上に形成され、半導体基板のn_ウェル領域内に形成される2つの隣接フィン701は、PMOSトランジスタの活性領域として使用される。半導体基板内に形成されるn_ウェル領域内に形成され、PMOSに隣接する2つの隣接フィン702は、NMOSトランジスタの活性領域として使用される。ここでは、半導体基板内であって、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタとの間に形成されるダミーフィンは存在していない。
図7(c)では、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタとの間の間隙は、Fp-Fwに等しいか、または略等しく、Fpは、
図7(a)に示される、2つの隣接フィン構造間のフィンピッチ距離であり(たとえば、Fp=3.5λであり)、Fwは、フィン構造のフィン幅である。本実施形態では、フィン幅Fwは、λ(最小加工寸法)に設定される。よって、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタとの間の間隙は、Fp-λに等しいか、または略等しい(たとえば、間隙=2.5λである)。
【0054】
さらに、複数のゲート線704(または、ポリ(Poly)ライン)が、半導体基板上であって、PMOSトランジスタと、NMOSトランジスタと、ダミーフィンとのフィン構造にまたがって形成されている。本実施形態では、2つのゲート線またはポリライン間の間隙(Cpp、
図7(a)に記されている)は、最小で4λである。
図7(c)では、複数のソース/ドレインコンタクトAA_CT705(金属-1層(M1)にソース/ドレイン領域の活性領域を接続するための開口ビアマスク層)、およびゲートコンタクトGate_CT706(金属-2層(M2)にポリラインを直接接続するための開口ビアマスク層)が形成されている。
図7(d)では、複数の金属-1層(M1)707(幅:λまたはそれよりも大きい)が形成され、複数のソース/ドレインコンタクト705(AA_CTマスク)を接続するが、ゲートコンタクトGate_C706は、金属-1層(M1)707に接続するものでない。
図7(e)では、金属-1層(M1)707を金属-2層(M2)に接続するための複数のビア1 708が、金属-1層(M1)707に基づいて形成されている。
図7(f)では、複数の金属-2層(M2)709が形成され、複数のビア1 708をVdd、出力端子、およびVssそれぞれに接続し。1つのさらなる金属-2層(M2)710が形成され、ゲートコンタクトGate_C706を入力端子に直接接続する。
【0055】
従来のスタンダードセルは、金属-1層(M1)をバイパスすることなく、ゲートまたはソース/ドレインが金属-2層(M2)に直接接続することを可能にするものでないことがある。本発明は、以下のように、ゲート/ソース/ドレインが、1つの垂直導電性プラグにより、遷移金属-1層なしで、自己整合方式で金属-2相互接続層に直接接続され得る新規なスタンダードセル構造を開示している。
【0056】
図5(a)~
図5(f)、
図6(a)~
図6(f)、および
図7(a)~
図7(f)では、省略されている記号の意味は、以下の通りである。
【0057】
【0058】
さらに、インバータスタンダードセル500のそれらの寸法は、新規なインバータスタンダードセル500内のPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタのソース、ドレイン、およびゲートの直線寸法を正確に制御することにより、容易に実現されることがあり、直線寸法は、現在利用可能なテクノロジノードの寸法(または最小加工寸法)に関係なく、最小で、最小加工寸法であるラムダ(Lambda)(λ)であることがある。
【0059】
従来のスタンダードセルでは、製造プロセスの微細化が、最小で、28nmまたはそれ未満(いわゆる、「最小加工寸法」、「λ」、または「F」)までの場合にも、スタンダードセルに使用される金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(mMOSFET)の寸法は、比例して小さくできなかった。しかし、本実施形態では、(
図5(a)中のPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタなどの)隣接する2つのトランジスタが、ドレイン/ソースを介して互いに接続されると、隣接する2つのトランジスタのゲートのエッジ間の距離(すなわち、ラッチアップ距離)は、最小で8λであり得る。さらに、ソース、ドレイン、およびゲート用のコンタクトホールの直線寸法が、λ未満、たとえば0.6λ~0.8λであることが、ドレイン領域内で(、同様に、ソース領域およびゲート領域内で)実現され得る。
【0060】
図5(b)、
図6(b)、および
図7(b)に示されるように、PMOSおよびNMOSのそれぞれは、適度なW/L比を維持するために複数の活性領域を含んでいる。(金属-1層(M1)との接続のための)ソース/ドレインコンタクトAA_CTは、活性領域内に形成され得る。本発明は、ゲートレベルマスク(Gate-Level Mask)上に付加される、一時的なダミーシールドゲート(dummy shield gate:DSG)を使用して、フォトリソグラフィ位置ずれ許容度(Photolithographic Misalignment Tolerances:MTP)を回避することにより、ソース領域と分離領域との間の、ゲートエッジから境界エッジまでの設計距離(GEBESI)を大きくすることを実現する。
【0061】
たとえば、
図8(a)は、本発明の一実施形態による、新規なスタンダードセルにおいて使用される、微細化された金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(mMOSFET)800の例である。
図8(a)に示されるように、mMOSFET800は、(1)長さG(L)および幅G(W)を有するゲート構造810を、(2)ゲート構造810のエッジから分離領域805のエッジまでの直線寸法である長さS(L)および幅S(W)を有するソース803をゲート構造810の左側に、(3)ゲート構造810のエッジから分離領域805のエッジまでの直線寸法である長さD(L)および幅D(W)を有するドレイン807をゲート構造810の右側に、(4)それぞれC-S(L)ならびにC-S(W)と表記される開口の長さおよび幅を有する、自己整合技術によって形成されているコンタクトホール809をソース803の中心に、(5)それぞれC-D(L)ならびにC-D(W)と表記される開口の長さおよび幅を有する、自己整合技術によって形成されるコンタクトホール811を同様にドレイン807の中心に含んでいる。長さG(L)、長さD(L)および長さS(L)は、最小で、最小加工寸法λに正確に制御され得る。さらに、C-S(L)およびC-S(W)と表記される開口の長さおよび幅、または、D-S(L)およびD-S(W)と表記される開口の長さおよび幅は、λ未満、たとえば0.6λ~0.8λであり得る。
【0062】
以下では、本発明のスタンダードセルにおいて使用されている上記mMOSFET800の製造プロセスについて簡単に説明する。mMOSFET800の構造、およびその製造プロセスの詳細な説明は、2020年12月31日に出願され、「MINIATURIZED TRANSISTOR STRUCTURE WITH CONTROLLED DIMENSIONS OF SOURCE/DRAIN AND CONTACT-OPENING AND RELATED MANUFACTURE METHOD」と題された米国特許出願番号第17/138,918号において開示されており、米国特許出願番号第17/138,918号の内容全体は、本明細書中、参照によって援用される。
【0063】
図8(b)に示されるように、パッド酸化物層802が形成され、パッド窒化物層804が基板801上に成膜される。mMOSFET800の活性領域はまた、画定されており、活性領域の外部のシリコン材料の部分を除去して、トレンチ構造を生成する。トレンチ構造内に、酸化物-1層が成膜され、エッチバックされて、シリコン基板の原水平表面(「HSS」)の下方に、シャロートレンチアイソレーション(STI-酸化物1)806を形成する。
【0064】
パッド酸化物層802およびパッド窒化物層804が除去され、誘電絶縁体812がHSSの上に形成される。次いで、HSSの上方に、ゲート層810および窒化物層814が成膜され、ゲート層810および窒化物層814がエッチングされて、mMOSFETの真性ゲート(true gate:TG)および真性ゲートに対して所望の直線距離を有するダミーシールドゲート(DSG)を形成する。
図8(c)に示されるように、真性ゲート(TG)の長さはλであり、ダミーシールドゲート(DSG)の長さもλであり、真性ゲート(TG)およびダミーシールドゲート(DSG)のエッジ間の距離もλである。
【0065】
次いで、スピンオン誘電体(SOD)712を成膜し、次いで、SOD712をエッチバックする。
図8(d)に示されるように、フォトリソグラフィマスク技術によって適切に設計されたゲートマスク層802を形成する。その後、
図8(e)に示されるように、異方性エッチング技術を利用して、ダミーシールドゲート(DSG)の上方の窒化物層614を除去し、ダミーシールドゲート(DSG)と、ダミーシールドゲート(DSG)に対応する誘電絶縁体612の部分と、ダミーシールドゲート(DSG)に対応するp型基板601とを除去する。
【0066】
さらに、
図8(f)に示されるように、ゲートマスク層802を除去し、SOD712をエッチングし、STI-酸化物-2 1002を成膜し、次いで、エッチバックする。次いで、
図8(g)に示されるように、酸化物-3層を成膜およびエッチバックして酸化物-3スペーサ1502を形成し、p型基板601内に低濃度ドープドレイン(LDD)1504を形成し、窒化物層を成膜およびエッチバックして窒化物スペーサ1506を形成し、誘電絶縁体402を除去する。
【0067】
さらに、
図8(h)に示されるように、選択エピタキシャル成長(SEG)技術を利用して、真性シリコン電極1602を成長させる。次いで、
図8(i)に示されるように、CVD-STI-酸化物3層1702を成膜およびエッチバックし、真性シリコン1602を除去し、mMOSFETのソース領域(n+ソース)1704およびドレイン領域(n+ドレイン)1706を形成する。ソース領域(n+ソース)1704およびドレイン領域(n+ドレイン)1706は、真性ゲート(TG)と、CVD-STI-酸化物3層1702であって、その位置が元々、ダミーシールドゲート(DSG)によって占められるCVD-STI-酸化物3層1702との間に形成され、よって、ソース領域(n+ソース)1704(またはドレイン領域(n+ドレイン)1706)の長さおよび幅は、最小でλであり得る。ソース領域(n+ソース)1704(またはドレイン領域(n+ドレイン)1706)の開口は、λ未満、たとえば0.8λであり得る。
図8(j)に示されるように、そうした開口は、さらなる酸化物スペーサ1802が形成される場合に、縮小され得る。
【0068】
さらに、新規なスタンダードセルによって、第1の金属相互接続(M1層)が、自己整合性微細化コンタクトによって、従来のコンタクトホール開口マスクおよび/またはM1接続用の金属-0媒介層(translation layer)を使用することなく、ゲート、ソース、および/またはドレイン領域を直接接続する。
図8(i)に続いて、SOD層1901が成膜されて、ソース領域(n+ソース)1704(またはドレイン領域(n+ドレイン)1706)の開口1804を含む、基板上の空孔を充填する。次いで、
図8(k)に示されるように、CMPを使用して表面を平坦にする。
図8(l)は、
図8(k)の上面図であり、水平方向における複数のフィンガを示している。
【0069】
さらに、
図8(m)に示されるように、適切に設計されているマスクを使用し、光抵抗層1902を実施し、それにより、
図8(l)中のY軸に沿ってゲート拡張領域のエリアを露出させるための、長さGROC(L)の別個の空間を有する、
図8(l)中のX軸に沿った特定のストライプパターンがもたらされる。
図8(m)に示されるように、最もアグレッシブなデザインルールは、GROC(L)=λである場合である。次いで、(
図8(n)に示される)異方性エッチング技術を使用して、露出したゲート拡張領域内の窒化物(Nitride)キャップ層を除去して、導電性金属ゲート層を露呈する。
【0070】
その後、光抵抗層1902を除去し、次いで、ソース領域1704およびドレイン領域1706の両方の頂部上の開口領域が再び露呈されるようにSOD層1901を除去する。次いで、適切に設計された厚さを有する酸化物層1904を成膜し、次いで、異方性エッチング技術を使用して、ソース領域1704と、ドレイン領域1706と、露出したゲート拡張領域1903との開口領域内の4つの側壁上にスペーサを形成する。したがって、自然に構築されるコンタクトホール開口が、露出したゲート拡張領域、ソース領域1704、およびドレイン領域1706それぞれの中に形成される。
図8(o)は、そうしたトランジスタ構造の断面を示している。
図8(p)は、
図8(o)中のそうしたトランジスタ構造の上面図を示している。露出したゲート拡張領域1903内の開口の垂直長CRMG(L)は、λであり得る長さGROC(L)よりも小さい。
【0071】
最後に、適切に設計された厚さを有する金属-1層1905を形成して、前述のコンタクトホール開口のすべてのホールを充填し、ウェーハ表面のトポグラフィに沿う平滑な平坦面となる。次いで、
図8(q)に示されるように、フォトリソグラフィマスク技術を使用して、コンタクトホール開口それぞれの間の接続の全てを生成し、必要な金属-1相互接続ネットワークを実現する。
図8(r)は、
図8(q)に示されるmMOSFET800の上面図である。よって、この金属-1層は、すべてのトランジスタを接続する直接相互接続機能とともに、ゲートおよびソース/ドレインに対するコンタクト充填、ならびにプラグ接続の機能の両方を実現するタスクを完了する。高価であり、非常に厳密に制御される従来のコンタクトホールマスクを使用し、特に、数十億個のトランジスタの水平方向の幾何学的形状をさらに微細化するうえで、最も困難な課題であろう、コンタクトホール開口を穿孔するというその後の非常に困難なプロセスを続行する必要性は存在しない。さらに、それは、コンタクトホール開口内への金属プラグの挿入、および(たとえば、金属ゼロ構造を生成する特定の最先端技術に明確に必要とされる)複雑な統合処理工程によって、金属スタッドを実現するためのCMPプロセスの両方を行うことを排除する。
【0072】
それにより、(
図5(b)に示されるようなAA_CTなどの)ソース/ドレインコンタクトの寸法は、テクノロジノードの寸法(または最小加工寸法)に関係なく、最小でλ×λになり得る。同様に、(金属2層(
図5(b)に示されるM2)との直接の接続のためのゲート_CTなどの)ゲートコンタクトは、ゲートまたはポリライン上に形成されることがあり、ゲートコンタクトの寸法もλ×λである。すなわち、スタンダードセル内の、(
図5(a)中のPMOSトランジスタ、NMOSトランジスタなどの)トランジスタのソース、ドレイン、およびゲートと、それらのコンタクトとの直線寸法は、正確に制御されることがあり、直線寸法は、最小で、最小加工寸法であるラムダ(Lambda)(λ)であり得る。本実施形態では、ソース/ドレインコンタクト寸法は、より大きく(たとえば、λ(Y方向の幅)×2λ(X方向の長さ)に)なり、2つのゲートまたはポリライン間の間隙は、3λよりも大きく(たとえば、4または5λに)なる。
【0073】
さらに、前述のように、従来のスタンダードセルは、M1構造をバイパスすることなく、ゲートまたは拡散部がM2に直接接続することを可能としないことがある。本発明は、ゲート(Gate)または拡散(ソース/ドレイン)エリアが、遷移層M1なしで、同じダイ上のその他の場所において、コンタクトおよびビア1を作製する構築フェーズ中にそれぞれ形成されるコンタクト-Aおよびビア1-Aからなる1つの垂直導電性プラグによって、自己整合方式で、M2相互接続層に直接接続される新規なスタンダードセルを開示している。その結果、一方のM1相互接続と他方のM1相互接続との間の必要な空間、および特定の配線接続におけるブロッキングの問題が軽減される。
【0074】
以下では、ゲートおよび拡散(ソース/ドレイン)エリアが、自己整合方式で、遷移層M1なしで、M2相互接続層に直接接続される、本発明の別の実施形態によるスタンダードセルにおいて使用されるmMOSFET900について簡単に説明する。
図9(a)はmMOSFET900の構築フェーズの上面図であり、
図9(b)および
図9(c)は、
図9(a)に示される切断線C9A1および切断線C9A2にそれぞれに沿う、トランジスタの構築フェーズの2つの断面である。
【0075】
図9(b)および
図9(c)に示されるように、mMOSFET900は、シャロートレンチアイソレータ(STI)905によって形成および制限される。mMOSFET900は、ゲート端子902と、ゲート端子902の下にあるトランジスタチャネル領域903と、ソース/ドレイン領域904とを有する。ゲート端子902は、ゲート誘電体層902aと、ゲート誘電体層902aの上に形成されるゲート導電層902bと、ゲート導電層902bの上に形成されるシリコン領域(またはシード領域)902cとを備える。シリコン領域902cは、ポリシリコンまたは非晶質シリコンで作製されることがある。ゲート端子902は、シリコン領域902cの頂部の上に、キャップ層902d(たとえば、窒化物層)をさらに含み、(たとえば、窒化物スペーサ902s1および熱酸化物スペーサ902s2を含む)少なくとも1つのスペーサをゲート誘電体層902a、ゲート導電層902b、およびシリコン領域902cの側壁の上にさらに含んでいる。第1の誘電体層920は、STI905とともに、ゲート端子902およびソース/ドレイン領域904を含むmMOSFET900の活性領域を少なくとも覆って、半導体基板901上に形成される。
【0076】
(オープンホール907aおよび907bなどの)複数のオープンホールは、第1の誘電体層920内に形成され、シリコン領域902cの頂部分91およびソース/ドレイン領域904の頂部分92を露呈する。いくつかの実施形態では、オープンホール907aおよび907bは、フォトリソグラフィプロセスによって形成され、第1の誘電体層920の部分を除去して、シリコン領域902cの上記部分と、ソース/ドレイン領域904のドレイン端子のシリコン領域とを露出させる。一例では、オープンホール907aおよび907bそれぞれは、最小加工寸法(たとえば、mMOSFET900の臨界寸法)に等しい寸法であり得る。当然、オープンホール907aおよび907bの寸法は、最小加工寸法より大きいことがある。オープンホール907aおよび907bの底部(すなわち、露呈されている頂部分91および露呈されている頂部分92)はそれぞれ、多結晶/非晶質シリコン、または高い導電性を有する高濃度不純物濃度を有する結晶シリコンのいずれかを有する材料で作製される。ゲート端子の露出したシリコン領域902cおよびソース/ドレイン端子の露出したシリコン領域は、選択エピタキシャル成長技術(SEG)によってシード領域に基づいて、ピラーを成長させるためのシード領域である。
【0077】
次いで、
図9(d)~
図9(f)に示されるように、高濃度ドープ導電性シリコンプラグ(または導体ピラー)が、露呈されている頂部分91および露呈されている頂部分92に基づいて、SEGによって成長し、第1の導体ピラー部931aおよび第3の導体ピラー部931bを形成する。次いで、第1の誘電体副層940が、第1の誘電体副層940の頂面940sが第1の導体ピラー部931aおよび第3の導体ピラー部931bの頂面と略同一平面上にあるように、第1の誘電体層920の上に形成される。第1の導体ピラー部931aおよび第3の導体ピラー部931bの「露出したヘッド」(または露出した頂面)は、その後のSEGプロセスのシード部として使用され得る。さらに、第1の導体ピラー部931aおよび第3の導体ピラー部931bのそれぞれは、その頂部分内にシード領域またはシードピラーを有し、そうしたシード領域またはシードピラーは、以下の選択エピタキシャル成長に使用され得る。続いて、第2の導体ピラー部932aが、第2の選択エピタキシャル成長によって、第1の導体ピラー部931a上に形成され、第4の導体ピラー部932bが、第3の導体ピラー部931b上に形成される。
図9(d)は、本開示の一実施形態による、第2の導体ピラー部932aおよび第4の導体ピラー部932bが第1の導体ピラー部931aおよび第3のピラー部931b上にそれぞれ形成された後の構造を示す上面図である。
図9(e)は、
図9(d)に描かれる切断線C9D2に沿って切断した断面図である。
図9(f)は、
図9(d)に描かれる切断線C9D1に沿って切断した断面図である。
【0078】
さらに、
図9(g)~
図9(i)に示されるように、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、または他の好適な導電性材料などの第1の導電層950が、第1の誘電体副層940の頂面940s上に成膜され得る。次いで、第2の導電性副層960が第1の導電層950上に成膜される。第1の導電層950および第2の誘電体副層960がパターニングされて、開口中空909を画定し、第1の導体ピラー930Aは、第1の導電層950および第2の誘電体副層960に接触することなく、開口中空909を貫通する。
図9(g)は、本開示の一実施形態による、第1の導電層950および第2の誘電体副層960が第1の誘電体副層940の上に形成された後の構造を示す上面図である。
図9(h)は、
図9(g)に描かれる切断線C9G1に沿って切断した断面図である。
図9(i)は、
図9(g)に描かれる切断線C9G2に沿って切断した断面図である。
【0079】
また、
図9(j)~9(l)に示されるように、上部誘電体層970が成膜されて、第2の誘電体副層960および第1の誘電体副層940を覆って開口中空909を充填する。上部誘電体層970の頂面970sは、(第1の導体ピラー部またはサブピラー931a、および第2の導体ピラー部またはサブピラー932aを含む)第1の導体ピラー930Aおよび(第3の導体ピラー部またはサブピラー931bおよび第4の導体ピラー部またはサブピラー932bを含む)第2の導体ピラー930Bの頂面930tよりも低い。次いで、上部導電層980が上部誘電体層970の上に形成され、第1の導体ピラー930Aは、上部導電層980に接続するが、第1の導電層950とは接続されない。この例では、
図9(j)は、本開示の一実施形態による、導電層980が上部誘電体層970の上に形成された後の構造を示す上面図である。
図9(k)は、
図9(j)に描かれる切断線C9J1に沿って切断した断面図である。
図9(l)は、
図9(j)に描かれる切断線C9J2に沿って切断した断面図である。
【0080】
前述のように、ゲート端子の露出したシリコン領域702cおよびソース/ドレイン端子の露出したシリコン領域のそれぞれは、選択エピタキシャル成長技術(SEG)によって、シード領域に基づいて、ピラーを成長させるためのシード領域を有する。さらに、第1の導体ピラー部931aおよび第3の導体ピラー部931bのそれぞれも、その頂部分内にシード領域またはシードピラーを有し、そうしたシード領域またはシードピラーは、以下の選択エピタキシャル成長に使用され得る。本実施形態は、導電端子の頂部分上にシード部またはシードピラーが存在し、導体ピラー部が以下の選択エピタキシャル成長技術について構成される限り、1つの垂直導電性または導体プラグによって、自己整合方式で、(導電層M2、M3、..MX-1に接続することなく)M1相互接続(一種の導電端子)または導電層がMX相互接続層に直接接続することを可能にするようにも適用され得る。シード部またはシードピラーは、シリコンに限定されるものでなく、以下の選択エピタキシャル成長のために構成されるシードとして許容可能な任意の材料が使用され得る。
【0081】
要約すれば、新規なスタンダードセル、およびスタンダードセルには、少なくとも以下の利点が存在する。
(1)スタンダードセル内のトランジスタのソース、ドレイン、およびゲートの直線寸法は、正確に制御され、直線寸法は、最小で、最小加工寸法であるラムダ(Lambda)(λ)であり得る。したがって、隣接する2つのトランジスタがドレイン/ソースを介して互いに接続されている場合、トランジスタの長さ寸法は、最小で3λになり、隣接する2つのトランジスタのゲートのエッジ間の距離は最小で2λであり得る。当然、許容度目的で、トランジスタの長さ寸法は、約3λ~6λまたはそれより大きくなり、隣接する2つのトランジスタのゲートのエッジ間の距離は、8λまたはそれよりも大きくなり得る。
(2)第1の金属相互接続(M1層)は、自己整合性微細化コンタクトによって、従来のコンタクトホール開口マスクおよび/またはM1接続用の金属-0媒介層を使用することなく、ゲート、ソースおよび/またはドレイン領域を直接接続する。
(3)ゲートおよび/または拡散(ソース/ドレイン)エリアは、自己整合方式で、金属1層(M1)を接続することなく、金属2(M2)相互接続層に直接接続される。したがって、一方の金属1層(M1)相互接続層と他方の金属1層(M1)相互接続層との間の必要な空間、および、一部の配線接続におけるブロッキングの問題が軽減される。さらに、下部金属層が、導体ピラーによって上部金属層に直接接続されるが、導体ピラーが、下部金属層と上部金属層との間のいずれの中間金属層にも電気的に接続されない場合にも、同じ構造が適用され得る。
(4)スタンダードセル内の高レベル電圧Vddおよび/または低レベル電圧VSS用の金属配線は、シリコン基板の元のシリコン表面の下に配置されることがあり、よって、コンタクトの寸法同士、高レベル電圧Vddおよび低レベル電圧VSSなどを接続する金属配線のレイアウト同士の干渉は、スタンダードセルの寸法が小さくされても回避され得る。さらに、Vddまたはグランド接続用の金属2層(M2)または金属3層(M3)とソース/ドレイン領域を電気的に結合するために元々使用される、ソース/ドレイン領域用の開口は、新規なスタンダードセル、およびスタンダードセル内では省略され得る。
【0082】
いくつかの代替的な実施形態では、導体ピラーは金属導体ピラーであることがあるか、または、金属導体ピラーと、その頂部分上のシード部もしくはシードピラーとを有する複合導体ピラーであることがある。たとえば、
図10(a)は、本開示の一実施形態による、新規なスタンダードセルにおいて使用されるmMOSFET1000の上面図である。
図10(b)は、
図8(a)に描かれる切断線C10A1に沿って切断した断面図である。
図10(c)は、
図10(a)に描かれる切断線C10A2に沿って切断した断面図である。本実施形態では、相互接続層を接続するために使用される導体ピラーmMOSFET1000は、タングステンピラーおよび第1の高濃度ドープシリコンピラーを含み、その頂部分内にシード領域またはシードピラーを有する。
【0083】
図10(a)~
図10(c)に示されるように、
図9(j)~
図9(l)中の、高濃度ドープN+ポリシリコンピラー931a、932a、931b、932bは除去され、タングステンピラー1030w、TiN層1030n、および高濃度ドープシリコンピラーによって置換され得る。第1の導体ピラーは、(タングステンピラー830wおよびTiN層1030nを含む)金属ピラー部1030Aと、高濃度ドープシリコンピラー1010aとを含み、第2の導体ピラーは、(タングステンピラー1030wおよびTiN層1030nを含む)金属ピラー部1030Bと、高濃度ドープシリコンピラー1010bとを含む。高濃度ドープシリコンピラー1010aおよび1010bは、以下で形成される金属接続を接続するように構成される導体ピラーを成長させるためのシード領域またはシードピラーとしての役割を果たす。たとえば、高濃度ドープシリコンピラー1010aおよび1010bは、その上に別のシリコンピラーを成長させて、第1の誘電体副層1040の上に形成され、高濃度ドープシリコンピラー1010aおよび1010bに電気的に接続される第1の導電層1050aまたは1050bを接続するための以下のSEGプロセスのシード領域またはシードピラーとしての役割を果たす。導体ピラーは、その頂部分内にシード領域またはシードピラーを有することがあり、以下のSEGプロセスが、その上に別のシリコンピラーを成長させるために構成される導体ピラーのシード領域またはシードピラーであるため、ボーダレスコンタクトが実現される。
【0084】
いくつかの実施形態では、(第1の金属副層1050aまたは1050bなどの)金属コンタクト線の幅は、(高濃度ドープシリコンピラー1010aまたは1010bなどの)コンタクトの幅と同じであるか、または略同じであり得る。当然、金属コンタクト線の幅は、第1のコンタクトの幅と異なり得る。
図10(d)~
図10(f)に示されるように、(第1の金属副層1050aまたは第2の金属副層1050bなどの)金属導線の幅は、(最小で、高濃度ドープシリコンピラー1010aまたは1010bの最小加工寸法であり得る)下方のコンタクトプラグの幅とも同じでない。しかし、金属導線と、下のコンタクトプラグとの間に位置ずれが存在し、フォトリソグラフィマスク位置ずれ許容度は、(第1の金属副層1050aまたは第2の金属副層1050bなどの)金属導線が、(
図10(e)および
図10(f)に示されるような、高濃度ドープシリコンピラー1010aまたは1010bなどの)コンタクトを完全には覆い得ないことを生じ得るが、コンタクトエリアの不足によって、金属導電層とコンタクトとの間の抵抗が高すぎることがあり得る心配はない。
【0085】
よって、金属導線と、下方のコンタクトとの間の抵抗は、適切に制御され得る。ここで、本発明は、(SEGまたは他の選択成膜方法)選択成長を使用して、金属導線および下方のコンタクトプラグの両方を接続する特定の超高濃度ドープシリコン材料を成長させて、金属導線と下方のコンタクトプラグとの間の位置ずれによって発生する抵抗の問題を改善する。本実施形態では、さらなるSEGプロセスが行われ、特定の超高濃度ドープシリコン材料(サイドピラー1020)を成長させて、金属導電層1050aおよび1050bの垂直壁を取り付ける。
図10(d)は本開示の別の実施形態による、新規なスタンダードセルにおいて使用される別のmMOSFETの上面図であり、
図10(e)は、
図10(d)に描かれる切断線C10D1に沿って切断した断面図である。
図10(f)は、
図10(d)に描かれる切断線C10D2に沿って切断した断面図である。
【0086】
従来のスタンダードセルは、金属1層(M1)をバイパスすることなく、ゲートまたはソース/ドレインが金属2層(M2)に直接接続することを可能とし得ない。本発明は、ゲート/ソース/ドレインが、1つの垂直導電性プラグによって、自己整合方式で、遷移金属-1層(M1)なしで、金属-2相互接続層(M2)に直接接続され得る新規なスタンダードセル構造を開示している。金属-2相互接続層(M2)に直接接続されるゲートエリア/活性領域に関する詳細な説明は、2021年11月17日に出願され、「INTERCONNECTION STRUCTURE AND MANUFACTURE METHOD THEREOF」と題された米国特許出願番号第17/528,957号において開示されており、米国特許出願番号第17/528,957号の内容全体は、本明細書中、参照によって援用される。
【0087】
さらに、本発明は、ソースおよびドレイン領域が、絶縁体によって完全に分離される新規なMOS構造を開示しており、そうした絶縁体は、ラッチアップの問題に対する耐性を向上させるのみならず、シリコン基板内へのアイソレーション距離を増加させ、隣接するトランジスタ内の接合を分離して接合間の表面距離を低減(たとえば、3λ)し、スタンダードセルの寸法も同様となる。以下では、NMOSならびにPMOSトランジスタ内のソースおよびドレイン領域のn+とp+との領域がそれぞれ、絶縁体によって完全に分離される新規なCMOS構造について簡単に説明する。
【0088】
本開示の別の実施形態による、新規なスタンダードセルにおいて使用されるNMOSトランジスタ51の断面を示す図である
図11を参照されたい。ゲート誘電体層331および(ゲート金属などの)ゲート導電層332を備えるゲート構造33が、(シリコン基板などの)半導体基板の水平表面または原表面の上方にある。(酸化物層および窒化物層の複合体などの)誘電体キャップ333が、ゲート導電層332の上方にある。さらに、酸化物層341および窒化物層342の複合体を含み得るスペーサ34が、ゲート構造33の側壁を覆うために使用される。トレンチがシリコン基板内に形成され、ソース領域55およびドレイン領域56の全部または少なくとも一部が、それぞれ、対応するトレンチ内に位置決めされる。MOSトランジスタ52内のソース(またはドレイン)領域は、N+領域または他の適切なドーププロファイル領域(たとえば、P-領域およびP+領域からの漸進的な、または段階的な変化)を含み得る。
【0089】
さらに、(窒化物または他の高k誘電体材料などの)局所アイソレーション48がトレンチ内に配置され、ソース領域の下に位置決めされ、別の局所アイソレーション48が別のトレンチ内に配置され、ドレイン領域の下に位置決めされる。そうした局所アイソレーション48は、シリコン基板の水平シリコン表面(HSS)の下にあり、シリコン基板内への局所アイソレーション(LISS)48と呼ばれ得る。LISS48は、厚い窒化物層または誘電体層の複合体であり得る。たとえば、局所アイソレーションまたはLISS48は、トレンチの側壁の少なくとも一部分を覆う酸化物層(酸化物-3V層481と呼ばれる)と、トレンチの底壁の少なくとも一部分を覆う別の酸化物層(酸化物-3B層482)とを含む複合局所アイソレーションを備え得る。酸化物-3V層481および酸化物-3B層482は、熱酸化処理によって形成され得る。
【0090】
複合局所アイソレーション48は、酸化物-3B層482の上にあり、酸化物-3V層481に接触する窒化物層483(窒化物-3層と呼ばれる)をさらに含む。窒化物層483または窒化物-3は、酸化物-3V層が、設計されるように最大限に残っている限り、任意の適切な絶縁材料によって置換され得ることが言及される。さらに、
図9中のSTI(シャロートレンチアイソレーション(Shallow Trench Isolation))領域は、STI-1層491およびSTI-2層492を含む複合STI49を備えることがあり、STI-1層491およびSTI-2層492はそれぞれ、異なるプロセスによって厚い酸化物材料で作製され得る。
【0091】
さらに、
図11中のソース(またはドレイン)領域は、複合ソース領域55および/またはドレイン領域56を備え得る。たとえば、NMOSトランジスタ51内では、複合ソース領域55(またはドレイン領域56)は、トレンチ内に、低濃度ドープドレイン(LDD)551およびN+の高濃度ドープ領域552を少なくとも備える。なお、特に、低濃度ドープドレイン(LDD)551は、均一な(110)結晶方位を有する露出したシリコン表面に当接する。露出したシリコン表面は、ゲート構造のエッジとは対照的に、TEC(有効チャネル長の鋭利なエッジとなるように適切に画定されてエッチングされたトランジスタ本体(の厚さ)と
図11にラベル表示される、好適な凹んだ厚みを有するその垂直境界を有する。露出したシリコン表面は、ゲート構造と実質的に位置合わせされている。露出したシリコン表面は、トランジスタのチャネルの端子面であり得る。
【0092】
低濃度ドープドレイン(LDD)551およびN+の高濃度ドープ領域552が、複合ソース領域55またはドレイン領域56の新たに形成された結晶の、変化する(110)結晶構造に対するシード効果を有さない、LISS領域にわたる適切に整った(110)新たな格子を形成するために、結晶シーズとして使用される、露出したTECエリアからシリコンを成長させるための選択エピタキシャル成長(SEG)技術(または、原子層堆積ALDもしくは選択成長ALD-SALDであり得る他の適切な技術)に基づいて形成され得る。(低濃度ドープドレイン(LDD)551およびN+の高濃度ドープ領域552を含む)そうした新たに形成された結晶は、
図9に記されているように、TEC-Siという名で呼ばれ得る。
【0093】
一実施形態では、TECは、ゲート構造33のエッジと位置合わせされるか、または実質的に位置合わせされ、LDD551の長さは、調節可能であり、TECの反対側にある、LDD551の側壁は、スペーサ34の側壁と位置合わせされるか、または実質的に位置合わせされ得る。複合ソース(またはドレイン)領域はさらに、ソース/ドレイン領域全体の完成のために、TEC-Si部分との水平接続において形成される、いくつかのタングステン(または他の好適な金属材料)プラグ553をさらに備え得る。
図9に示されるように、金属-1層などの後の金属相互接続に流れる活性チャネル電流は、特定の良好な金属と金属とのオーミックコンタクトによって、LDD551およびN+の高濃度ドープ領域552を介して、金属-1に直接接続されるタングステン553(または他の金属材料)に、従来のシリコンと金属との間のコンタクトよりもはるかに低い抵抗で流れる。
【0094】
NMOSトランジスタ51のソース/ドレインコンタクト抵抗は、
図11に示されるように、ソース/ドレイン構造内で利用される、併合された金属半導体接合の構造に応じて妥当な範囲に保たれ得る。このソース/ドレイン構造内の併合された金属半導体接合は、電流集中効果を改善し、コンタクト抵抗を低減し得る。さらに、ソース/ドレイン構造の底部は、底部酸化物(酸化物-3B層482)(
図11に示される)により基板から分離されているので、n+とn+との間、またはp+とp+との間の分離は、適度な範囲内に保たれ得る。したがって、PMOSトランジスタ(図示せず)の隣接する2つの活性領域間の間隔は、2λに低減され得る。底部酸化物(酸化物-3B層482)は、ソース/ドレイン接合漏れ電流を大幅に低減することがあり、その場合、n+とn+との間、またはp+とp+との間の漏れ電流を低減する。
【0095】
さらに、従来のスタンダードセルでは、高レベル電圧Vddおよび低レベル電圧Vss(またはグランド)用の金属配線は、シリコン基板の元のシリコン表面の上に配置され、そうした配置は、他の複数の金属配線とそれらの金属配線との間に十分な空間が存在しない場合には干渉する。本発明は、高レベル電圧Vddおよび/または低レベル電圧Vss用の金属配線が、シリコン基板の元のシリコン表面の下に配置され得るので、コンタクトの寸法、高レベル電圧Vddおよび低レベル電圧Vssなどを接続する金属配線のレイアウトの干渉が、スタンダードセルの寸法が小さくされても回避され得る新規なスタンダードセルを開示している。
【0096】
別の実施形態では、NMOS51のドレイン領域内では、酸化物-3B層482および窒化物層483なしで、タングステンまたは他の金属材料553は、Vddに電気的に結合されるPウェルに直接結合されている。一方、NMOS51のソース領域内では、タングステンまたは他の金属材料553は、グランドに電気的に結合されるpウェルまたはP基板に直接結合され得る。よって、Vddまたはグランド接続用の金属2層(M2)または金属3層(M3)とソース/ドレイン領域を電気的に結合するために元々使用される、ソース/ドレイン領域用の開口は、新規なスタンダードセル、およびスタンダードセル内では省略され得る。前述の構造、およびその製造プロセスの構造についての詳細な説明は、2020年8月11日に出願され、「TRANSISTOR STRUCTURE AND RELATED INVERTER」と題された米国特許出願番号第16/991,044号において開示されており、米国特許出願番号第16/991,044号の内容全体は、本明細書中、参照によって援用される。
【0097】
図12(a)は、本開示の一実施形態による、新規なスタンダードセルにおいて使用されるPMOSトランジスタ52およびNMOSトランジスタ51の組み合わせ構造を示す上面図である。
図12(b)は、
図12(a)中の切断線(X軸)に沿って切断したPMOSトランジスタ52およびNMOSトランジスタ51の断面図である。
図12(b)に示されるように、その結果、n+/p接合からpウェル(またはp基板)/nウェル接合を介してn/p+接合に至る、はるかに長い経路となる。LDD-n/p接合からpウェル/nウェル接合を介してn/LDD-p接合に至る、考えられるラッチアップ経路は、
図12(b)に記される、長さ(1)、長さ(2)(一LISS領域の底壁の長さ)、長さ(3)、長さ(4)、長さ(5)、長さ(6)、長さ(7)(別のLISS領域の底壁の長さ)、および長さ(8)を含んでいる。一方、
図2に示される、PMOSトランジスタ12およびNMOSトランジスタ11を組み合わせる従来のCMOS構造では、n+/p接合からpウェル/nウェル接合を介してn/p+接合に至る、考えられるラッチアップ経路は、(
図2に示される)長さ(d)、長さ(e)、長さ(f)、および長さ(g)を含んでいるに過ぎない。
図12(b)のそうした考えられるラッチアップ経路は、
図2の経路よりも長い。したがって、デバイスレイアウトの観点から、
図12(b)中のPMOSトランジスタ52およびNMOSトランジスタ51間の確保されるエッジ距離(Xn+Xp)は、
図2のエッジ距離よりも小さくなり得る。たとえば、確保されるエッジ距離(Xn+Xp)は、約2~4λ、たとえば3λであり得る。
【0098】
さらに、従来のスタンダードセルと違って、本発明では、スタンダードセルのPMOSトランジスタ52とNMOSトランジスタ51との間の、シリコン基板内へのクロスシェイプの局所アイソレーション(LISS)(たとえば、窒化物-3+酸化物-3)を利用するので、PMOSトランジスタ52とNMOSトランジスタ51との間の考えられるラッチアップ経路は、従来のCMOS内のものよりも長くなり得るし、PMOSトランジスタ52とNMOSトランジスタ51との間のラッチアップ距離または確保されるエッジ距離は、従来のスタンダードセル内で使用されるものよりも短くなり得る。
【0099】
したがって、本発明における、PMOSトランジスタ52とNMOSトランジスタ51との間のラッチアップ距離は、テクノロジノードの寸法(または最小加工寸法)に関係なく、最小で8λである。本発明では、NMOSならびにPMOSトランジスタ内のソースおよびドレイン領域のn+とp+との領域はそれぞれ、絶縁体によって完全に分離されており、そうした絶縁体は、ラッチアップの問題に対する耐性を向上させるのみならず、シリコン基板内へのアイソレーション距離を増加させて、PMOSトランジスタ52およびNMOSトランジスタ51内の接合を、接合間の表面距離が低減させられ得るように分離する。PMOSおよびNMOSの新規な組み合わせ構造についての詳細な説明は、2021年5月12日に出願され、「COMPLEMENTARY MOSFET STRUCTURE WITH LOCALIZED ISOLATIONS IN SILICON SUBSTRATE TO REDUCE LEAKAGES AND PREVENT LATCH-UP」と題された米国特許出願番号第17/318,097号において開示されており、米国特許出願番号第17/318,097号の内容全体は、本明細書中、参照によって援用される。
【0100】
ソース/ドレインコンタクト寸法が小さい場合の小I-on電流の問題を解決するために、本発明は、ここでは、選択成長方法(たとえば、選択エピタキシャル成長(SEG)技術)をさらに使用して、PMOSトランジスタ52(またはNMOSトランジスタ51)のゲート構造33の下の(フィン構造1003などの)活性領域の元の本体を覆う薄チャネル層1001を成長させて、電子/正孔移動度を向上させ得る。たとえば、
図12(c)は、
図12(a)中の切断線(Y軸)に沿って切断したPMOSトランジスタ52およびNMOSトランジスタ51の断面図である。薄チャネル層1001は、イオン注入を施すことなく形成されるドープされたチャネル層である。さらに、薄チャネル層1001は、元のシリコン基板の一部でなく、よって、薄チャネル層1001は、半導体基板から独立している。さらに、一実施形態では、薄チャネル層1001は、フィン構造1003の第1の側壁および第2の側壁を覆い、フィン構造1003の頂面を覆うものでない。別の実施形態では、薄チャネル層1001は、フィン構造1003の頂面を覆う頂部分(図示せず)と、フィン構造の第1の側壁および第2の側壁を覆う側部分とを備え、頂部分および側部分は、同時に形成されていない。トランジスタの改善されたI-on電流についての詳細な説明は、2021年7月29日に出願され、「New Transistor Structure and Processing Method Thereof」と題された米国特許仮出願番号第63/226,787号において開示されており、米国特許仮出願番号第63/226,787号の内容全体は、本明細書中、参照によって援用される。
【0101】
上述によれば、(
図5(a)および
図5(b)に示される新規なインバータセル500などの)インバータが収容されるスタンダードセルは、本発明の新規な構造では、面積寸法(2×Cpp×セル_高さ)192λ
2を有し、λ
2換算でのそうした面積寸法は、
図13に示されるように、(A_社、B_社、C_社などの)種々の会社によって提供される従来製品と比較して、少なくとも、テクノロジノード22nmから5nmまでほぼ同じになる。
図13は、本発明によって提供される新規なスタンダードセルの面積寸法と、種々の他の会社によって提供される従来製品の面積寸法との比較結果を示す図である。
【0102】
しかし、新規なスタンダードセルのレイアウトスタイルおよび面積寸法は、これらの事項に限定されるものでない。一部の他の実施形態では、本発明は、異なるレイアウトスタイルおよびセル寸法(たとえば、3×Cpp×セル_高さ、または5×Cpp×セル_高さ)を有する種々のスタンダードセル(たとえば、1つの単一のNORセル、1つの単一のNANDセル、NORセル×2、またはNANDセル×2を有するスタンダードセル)において利用され得る。
【0103】
たとえば、
図14(a)~
図14(f)は、本開示のいくつかの実施形態による、1つの単一のNORセルと、1つの単一のNANDセルとを有するスタンダードセルの上面図、および対応する等価回路図である。
図14(g)~
図14(i)は、本開示のいくつかの実施形態による、インバータセル×2と、NORセル×2と、NANDセル×2とを有するスタンダードセルの上面図、および対応する等価回路図である。1つの単一のNORセルと、1つの単一のNANDセルと、インバータセル×2とを有するスタンダードセルは、3×Cpp×セル(Cell)_高さ(Height)のセル寸法を有することがあり、NORセル×2と、NANDセル×2とを有するスタンダードセルは5×Cpp×セル(Cell)_高さ(Height)のセル寸法を有することがある。1つの単一のインバータを有するスタンダードセルの実施形態については、
図5(a)~
図5(b)、および
図6(a)~
図6(b)を参照されたい。
【0104】
本発明は、新規なスタンダードセル設計において、コンパクトなレイアウトスタイルを展開している。本開示のいくつかの実施形態では、新規な、コンパクトなレイアウトスタイルは、λ(ラムダ(Lambda)は、テクノロジノードの最小加工寸法である)換算での技術スケーリングから独立し得る面積寸法λ2をスタンダードセルが有することを可能にし得る。本明細書において説明されるレイアウト設計では、異なるテクノロジノードに跨るスタンダードセルの面積寸法は、テクノロジノードに対して均一か、またはテクノロジノードに影響されにくい状態に留まり得る。さらに、ラッチアップの問題は、スタンダードセルの寸法が小さくなるにつれ、大きくならない。
【0105】
本発明は、例示によって、および、(複数の)好ましい実施形態によって説明されているが、本発明は、それらに限定されるものでないと理解されるものである。他方で、それは、種々の修正、ならびに同様の配置および手順を包含することが意図されており、したがって、添付請求項の範囲には、そうした修正、ならびにすべての同様の配置および手順を包含する最も広い解釈が与えられるべきである。