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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】室内ユニット
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/49 20180101AFI20241206BHJP
   F24F 120/10 20180101ALN20241206BHJP
【FI】
F24F11/49
F24F120:10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023112601
(22)【出願日】2023-07-07
(62)【分割の表示】P 2021150004の分割
【原出願日】2018-02-22
(65)【公開番号】P2023118978
(43)【公開日】2023-08-25
【審査請求日】2023-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八重樫 正寛
(72)【発明者】
【氏名】薄井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】平池 礼樹
(72)【発明者】
【氏名】山崎 純暉
(72)【発明者】
【氏名】青山 洋路
【審査官】奈須 リサ
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-126295(JP,A)
【文献】特開2010-054143(JP,A)
【文献】特開2016-035364(JP,A)
【文献】特開2001-193985(JP,A)
【文献】特開2009-156529(JP,A)
【文献】特開2001-254990(JP,A)
【文献】米国特許第05180333(US,A)
【文献】特開2010-091159(JP,A)
【文献】国際公開第2011/067926(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/00-13/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吹き出し口と、前記吹き出し口に回動可能に設けられ上下方向の風向角度を変更することが可能なフラップと、室内における人物の有無を検出する人感センサとを備え、
スイング動作している前記フラップは、前記人感センサの検出領域に位置し、前記フラップは、前記フラップが最上位置に位置している場合に前記人感センサの検出領域から外れて位置し、
前記フラップがスイング動作している状態において、前記フラップが最上位置に位置している場合に、前記フラップを一時停止させた時に、前記人感センサによる検出信号に基づき人物の有無を検出する、
ことを特徴とする室内ユニット。
【請求項2】
吹き出し口と、前記吹き出し口に回動可能に設けられ上下方向の風向角度を変更することが可能なフラップと、室内における人物の有無を検出する人感センサとを備え、
スイング動作している前記フラップは、前記人感センサの検出領域に位置し、前記フラップは、前記フラップが最下位置に位置している場合に前記人感センサの検出領域から外れて位置し、
前記フラップがスイング動作している状態において、前記フラップが最下位置に位置している場合に、前記フラップを一時停止させた時に、前記人感センサによる検出信号に基づき人物の有無を検出する、
ことを特徴とする室内ユニット。
【請求項3】
室内ユニットは、吹き出し口と、前記吹き出し口に回動可能に設けられ風向角度を変更することが可能なフラップと、室内における人物の有無を検出する人感センサとを備え、
スイング動作している前記フラップは、前記人感センサの検出領域に位置し、前記フラップは、前記フラップが端に位置している場合に前記人感センサの検出領域から外れて位置し、
制御部は、前記フラップがスイング動作している状態において、前記フラップがスイング動作における端に位置している場合に、前記フラップを一時停止させた時に、前記人感センサによる検出信号に基づき人物の有無を検出する、
ことを特徴とする室内ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内ユニットに関し、特に、人感センサにより人物を検出しながら室内の空調を行う室内ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、制御部により、赤外線センサが人を検知したときに空気の吹き出し方向を風向切換羽根によって調節する人検知運転機能を実行し、制御部は、人検知運転機能を実行しているとき、空気の吹き出し方向が所定の方向になることを禁止し、人検知運転機能を停止しているとき、風向制限を解除するようにした空気調和機が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-156529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の技術においては、赤外線センサにより人検知運転機能を行う場合に、風向切換羽根による揺動範囲を制限して、吹き出し空気の方向を調節するようにしている。
そのため、赤外線センサによる人の誤検知を防止することはできるが、風向切換羽根による揺動範囲を規制するものであるため、室内全体にわたる送風制御を適正に行うことができなくなるおそれがある。
本発明は、前記した点に鑑みてなされたものであり、人感センサによる誤検知を防止することができるとともに、室内の送風制御を適正に行うことのできる室内ユニットを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため、本発明に係る室内ユニットは、吹き出し口と、前記吹き出し口に回動可能に設けられ上下方向の風向角度を変更することが可能なフラップと、室内における人物の有無を検出する人感センサとを備え、スイング動作している前記フラップは、前記人感センサの検出領域に位置し、前記フラップは、前記フラップが最上位置に位置している場合に前記人感センサの検出領域から外れて位置し、前記フラップがスイング動作している状態において、前記フラップが最上位置に位置している場合に、前記フラップを一時停止させた時に、前記人感センサによる検出信号に基づき人物の有無を検出する、ことを特徴とする。
【0006】
これによれば、フラップが最上位置に位置している場合に、人感センサによる検出信号に基づき人物の有無を検出し、最上位置は人感センサの検出領域から外れていることから、フラップの動作が外乱とならず、人感センサによる誤検出を防止することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、人感センサによる検出の際に、フラップの動作が外乱とならず、人感センサによる誤検出を防止することができる。その結果、人感センサの誤検出を防止しつつ、フラップを最大限にスイング動作させることができ、室内の適正な送風制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る室内ユニットの室内ユニットの実施形態を示す正面図
図2】本実施形態の室内ユニットの拡大図
図3】本実施形態の制御構成を示すブロック図
図4】本実施形態における人感センサとフラップとの関係を示す説明図
図5】人感センサによる検出結果の波形を示すグラフ
図6】本実施形態の動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
第1の発明は、吹き出し口と、前記吹き出し口に回動可能に設けられ上下方向の風向角度を変更することが可能なフラップと、室内における人物の有無を検出する人感センサとを備え、前記フラップがスイング動作している状態において、前記フラップが最上位置に位置している場合に、前記人感センサによる検出信号に基づき人物の有無を検出し、前記最上位置は前記人感センサの検出領域から外れている。
これによれば、フラップが最上位置に位置している場合に、人感センサによる検出信号に基づき人物の有無を検出し、最上位置は人感センサの検出領域から外れていることから、フラップの動作が外乱とならず、人感センサによる誤検出を防止することができる。その結果、人感センサの誤検出を防止しつつ、フラップを最大限にスイング動作させることができ、室内の適正な送風制御を行うことができる。
【0010】
第2の発明は、吹き出し口と、前記吹き出し口に回動可能に設けられ上下方向の風向角度を変更することが可能なフラップと、室内における人物の有無を検出する人感センサとを備え、前記フラップがスイング動作している状態において、前記フラップが最下位置に位置している場合に、前記人感センサによる検出信号に基づき人物の有無を検出し、前記最下位置は前記人感センサの検出領域から外れている。
これによれば、フラップが最下位置に位置している場合に、人感センサによる検出信号に基づき人物の有無を検出し、最下位置は人感センサの検出領域から外れていることから、フラップの動作が外乱とならず、人感センサによる誤検出を防止することができる。その結果、人感センサの誤検出を防止しつつ、フラップを最大限にスイング動作させることができ、室内の適正な送風制御を行うことができる。
【0011】
第3の発明は、室内ユニットと、前記室内ユニットを制御する制御部とを備え、前記室内ユニットは、吹き出し口と、前記吹き出し口に回動可能に設けられ風向角度を変更することが可能なフラップと、室内における人物の有無を検出する人感センサとを備え、前記制御部は、前記フラップがスイング動作している状態において、前記フラップがスイング動作における端に位置している場合に、前記人感センサによる検出信号に基づき人物の有無を検出し、前記端の位置は前記人感センサの検出領域から外れている。
これによれば、フラップが端に位置している場合に、人感センサによる検出信号に基づき人物の有無を検出し、端の位置は人感センサの検出領域から外れていることから、フラップの動作が外乱とならず、人感センサによる誤検出を防止することができる。その結果、人感センサの誤検出を防止しつつ、フラップを最大限にスイング動作させることができ、室内の適正な送風制御を行うことができる。
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る室内ユニットの実施形態を示す正面図である。図2は、室内ユニットの拡大図である。
【0013】
図1および図2に示すように、室内の壁面などに設置される室内ユニット10を備えている。室内ユニット10は、箱型の筐体11を備えており、筐体11の内部には、図示しない室内熱交換器と、室内ファンと、ファンモータとが収容されている。
筐体11の前面下方には、室内熱交換器により熱交換した後の空気を室内に吹出す吹き出し口12が設けられている。吹き出し口12には、吹き出し口12からの空気の吹き出し方向を調整するためのフラップ13が設けられており、フラップ13は、両端部を支持されて上下方向に揺動自在に設けられている。
【0014】
室内ユニット10には、図示しない室外機が冷媒配管を介して接続されている。室外機には、いずれも図示しないが、圧縮機、四方弁、室外熱交換器などの冷媒回路を構成する部材が収容されている。
そして、例えば、冷房運転を行う場合は、圧縮機を駆動することにより、圧縮機から吐出された高温高圧のガス冷媒は、室外熱交換器に流入し、室外空気と熱交換して凝縮し液化する。液化した冷媒は、膨張弁などで所定の低圧に減圧され、室内熱交換器で室内空気と熱交換して蒸発する。そして、冷媒の蒸発によって冷却された室内空気は、室内ファンによって室内へと吹き出され、室内を冷房する。また、室内熱交換器で蒸発して気化した冷媒は、冷媒配管を通って室外機の圧縮機に戻される。
【0015】
また、筐体11の前面下方に配置された吹き出し口12の一側には、人感センサ15が配置されている。人感センサ15は、例えば、赤外線センサなどにより構成されており、室内に人物が存在しているか否かを検出することができるように構成されている。
【0016】
次に、本実施形態における制御構成について説明する。
図3は、本実施形態の制御構成を示すブロック図である。図4は、本実施形態における人感センサ15とフラップとの関係を示す説明図である。
図3に示すように、本実施形態においては、例えば、CPUおよびメモリなどからなり所定のプログラムに基づいて動作される制御部20を備えており、制御部20は、室内ユニット10を構成する各機器の動作を制御するように構成されている。
また、制御部20は、人感センサ15による人物の有無などの検出結果を入力し、室内ユニット10の室内ファンを駆動するファンモータ21およびフラップ13を駆動するフラップ駆動モータ22を制御するように構成されている。
【0017】
また、制御部20は、室内ユニット10の人感センサ15の検出結果に応じて、室内に人物が存在するか否かを判断するように構成されている。
ここで、本実施形態においては、制御部20は、フラップ連動モードにより制御することができるように構成されている。
フラップ連動モードは、フラップ13がスイング動作している場合において、人感センサ15の検出結果を利用するタイミングを制御するものである。
【0018】
図4中一点鎖線で示すように、フラップ13は揺動動作する。そのため、フラップ13がスイング動作している場合、人感センサ15による検出を行うと、図4に示すように、フラップ13の動きが人感センサ15の検出領域に入ってしまうことがある。
このようにフラップ13がスイング動作をしている場合に、人感センサ15の検出結果をすべて利用してしまうと、人感センサ15の検出領域をスイング動作しているフラップ13が通過した際に、人感センサ15が誤動作してしまうおそれがある。
【0019】
そのため、本実施形態においては、制御部20は、フラップ連動モードにより制御する場合は、フラップ13がスイング制御されている場合、フラップ13が最上位置および最下位置に位置した場合にのみ、人感センサ15による検出結果を取得するように構成されている。
具体的には、制御部20は、フラップ駆動モータ22を制御することにより、フラップ13が最上位置または最下位置に位置した場合に、フラップ駆動モータ22を停止制御し、フラップ13を一時的に停止させる。そして、制御部20は、フラップ13を一時停止させた時に、人感センサ15による検出結果を取得するように構成されている。
【0020】
本実施形態においては、フラップ13を一時停止させる時間は、フラップ13の停止により人感センサ15による検出信号の波形が安定するまでの時間と、人感センサ15により検出信号を取得することができる時間とを合計した時間に設定される。
【0021】
図5は、人感センサ15による検出結果の波形を示すグラフである。
図5に示すように、フラップ13が停止してから、人感センサ15による検出信号の波形が安定するまでに時間がかかることがわかっている。そのため、人感センサ15による検出信号の波形が安定しない状態で、人感センサ15による検出結果を取得してしまうと、人物を誤検出してしまうおそれがある。
具体的には、人感センサ15の感度や性能などにもよるが、本実施形態においては、フラップ13の停止により人感センサ15による検出信号の波形が安定するまでの時間としては2秒、人感センサ15により検出信号を取得することができる時間としては2秒に設定される。
【0022】
なお、フラップ連動モードは、フラップ13がスイング動作している場合にのみ行われる制御である。そのため、フラップ13が任意の箇所で固定されている場合には、フラップ連動モードによる制御は行わず、人感センサ15による検出信号は、制御部20ですべて取得され、室内における人物の監視が行われる。
また、制御部20は、人感センサ15により室内の人物を検出して、人物の存在に対して、自動的にフラップ13の動作制御およびファン駆動モータの駆動制御を行う省エネモードの場合に、フラップ連動モードによる制御を行うように構成されている。すなわち、省エネモードによる制御を行わない場合には、フラップ連動モードによる制御は行わない。
【0023】
次に、本実施形態の作用について、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
本実施形態においては、まず、制御部20は、省エネモードが選択されているか否かを判断し(ST1)、省エネモードに設定されていない場合には、人感センサ15を停止させる(ST2)。
省エネモードに設定されている場合には(ST1:YES)、制御部20は、フラップ13がスイング設定されているか否かを判断し(ST3)、スイング設定されている場合には、制御部20は、フラップ連動モードによる制御を行う(ST5)。スイング設定されていない場合は(ST3:NO)、制御部20は、常時、人感センサ15による人物検出を行う(ST4)。
【0024】
制御部20は、フラップ連動モードを開始すると、フラップ駆動モータ22を駆動してフラップ13のスイング動作を開始し(ST6)、プラップが最上位置または最下位位置に移動した場合には、フラップ駆動モータ22を停止制御して、フラップ13を停止させる(ST7)。このとき、フラップ13を駆動している間、制御部20は、人感センサ15による検出信号を破棄する(ST8)。
そして、フラップ13が停止した後(ST7:YES)、所定時間(2秒)が経過した場合には(ST9:YES)、人感センサ15による検出信号を取得する(ST10)。このとき、フラップ13が停止した後、所定時間(2秒)が経過するまでは(ST9:NO)、制御部20は、人感センサ15による検出信号を破棄する(ST11)。
【0025】
人感センサ15による検出信号の取得を開始してから所定時間(2秒)が経過した場合には(ST12:YES)、制御部20は、人感センサ15による検出が終了したと判断し(ST13)、フラップ駆動モータ22を駆動してフラップ13のスイング動作を開始する(ST14)。
その後、制御部20は、フラップ13のスイング開始(ST6)から、前述の動作を繰り返して行うように制御する。
【0026】
以上述べたように、本実施形態においては、制御部20は、人感センサ15による検出結果を取得するとともに、フラップ13のスイング動作制御を行い、制御部20は、フラップ13がスイング動作している場合には、フラップ13が最上位置および最下位置に位置している場合にのみ、人感センサ15による検出結果を取得するフラップ連動モードによる制御を行う。
これにより、フラップ13が最上位置および最下位置に位置している場合にのみ、人感センサ15による検出結果を取得するので、人感センサ15による検出の際に、フラップ13の動作が外乱とならず、人感センサ15による誤検出を防止することができる。その結果、人感センサ15の誤検出を防止しつつ、フラップ13を最大限にスイング動作させることができ、室内の適正な送風制御を行うことができる。
【0027】
また、本実施形態においては、制御部20は、フラップ連動モードによる制御を行う場合には、フラップ13が最上位置および最下位置に位置した時に、フラップ13を一時停止させるように制御し、フラップ13を停止させた後、所定時間後に人感センサ15による検出結果を取得する。
これにより、フラップ13が最上位置および最下位置に位置した時に、フラップ13を一時停止させた後、所定時間後に人感センサ15による検出結果を取得するので、人感センサ15による検出の際に、フラップ13の動作が外乱とならず、人感センサ15による誤検出を防止することができる。
【0028】
また、本実施形態においては、フラップ13を一時停止させる時間は、フラップ13の停止により人感センサ15による検出信号の波形が安定するまでの時間と、人感センサ15により検出信号を取得することができる時間とを合計した時間である。
これにより、プラップの停止により人感センサ15による検出信号の波形が安定した後に、人感センサ15による検出信号を取得することができ、安定した人感センサ15による検出信号を取得することができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
以上のように、本発明によれば、人感センサによる誤検知を防止することができるとともに、室内の送風制御を適正に行うことができるので、人感センサを備えた室内ユニットとして好適である。
【符号の説明】
【0030】
10 室内ユニット
11 筐体
12 吹き出し口
13 フラップ
15 人感センサ
20 制御部
21 ファンモータ
22 フラップ駆動モータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6