IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-加熱調理器 図1
  • 特許-加熱調理器 図2
  • 特許-加熱調理器 図3
  • 特許-加熱調理器 図4
  • 特許-加熱調理器 図5
  • 特許-加熱調理器 図6
  • 特許-加熱調理器 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/12 20060101AFI20241206BHJP
【FI】
H05B6/12 317
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022026949
(22)【出願日】2022-02-24
(65)【公開番号】P2023123082
(43)【公開日】2023-09-05
【審査請求日】2024-02-06
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】浅野 正人
(72)【発明者】
【氏名】小川 賢治
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-311282(JP,A)
【文献】特開2007-280744(JP,A)
【文献】実開昭57-007193(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0297689(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0142512(US,A1)
【文献】特開2021-174643(JP,A)
【文献】特開2013-026169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 6/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱対象が載置されるトッププレートと、
前記トッププレートを支持し、第1の方向の一方の端部に吸気口を備える筺体と、
前記筺体内に且つ前記トッププレートの下方に配置された加熱コイルと、
前記筺体内に且つ前記加熱コイルの下方に配置された制御基板と、
前記筺体内に且つ前記吸気口と前記制御基板との間に配置された操作ユニットと、を有し、
前記制御基板が、複数の発熱部品と、前記発熱部品それぞれに対して熱的に接続された第1および第2のヒートシンクとを備え、
前記第1のヒートシンクが、前記加熱コイルと前記操作ユニットとの間に位置し、
前記第2のヒートシンクが、一部分が前記操作ユニットに対して前記第1の方向と直交する第2の方向に隣接するように、前記第1の方向に前記吸気口に向かって延伸している、加熱調理器。
【請求項2】
前記複数の発熱部品が、前記制御基板における前記吸気口側の端部に設けられ、
前記第1および第2のヒートシンクが、前記発熱部品の上面に接触している、請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記第1および第2のヒートシンクが、前記発熱部品から前記吸気口に向かって延伸する、請求項2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記第1および第2のヒートシンクそれぞれと前記吸気口との間に設けられ、前記吸気口を介して外部から空気を吸い込み、吸い込んだ空気を前記第1および第2のヒートシンクに向かって吹き出す吸気ファンを、さらに有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記吸気ファンと前記第1および第2のヒートシンクとを覆い、前記吸気ファンから吹き出された空気を前記第1および第2のヒートシンクにガイドするガイド部材を、さらに有する、請求項4に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記筺体が、前記第1の方向の他方の端部に排気口を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記制御基板と前記排気口との間に設けられ、前記筺体内の空気を吸引し、吸引した空気を前記排気口に向かって吹き出す排気ファンを、さらに有する、請求項6に記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記制御基板と外部電源とを電気的に接続するフィルタ回路を、さらに有し、
前記フィルタ回路が、前記筺体の外部に位置する、請求項1から7のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記第1の方向が、前記加熱調理器の前後方向である、請求項1から8のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば特許文献1に記載するように、トッププレート上に載置されたなべなどの調理容器を加熱コイルによって誘導加熱する加熱調理器が知られている。特許文献1に記載された加熱調理器は、加熱コイルとインバータを並列に配置することによって薄型化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-280744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、加熱調理器はさらなる薄型化が求められている。しかしながら、薄型化すればするほど、加熱調理器内部の温度は上昇する。したがって、加熱調理器は、薄型化を実現しつつ、高い放熱性能を確保する必要がある。
【0005】
そこで、本開示は、加熱調理器において、薄型化を実現しつつ高い放熱性能を確保することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本開示の一態様によれば、
加熱対象が載置されるトッププレートと、
前記トッププレートを支持し、第1の方向の一方の端部に吸気口を備える筺体と、
前記筺体内に且つ前記トッププレートの下方に配置された加熱コイルと、
前記筺体内に且つ前記加熱コイルの下方に配置された制御基板と、
前記筺体内に且つ前記吸気口と前記制御基板との間に配置された操作ユニットと、を有し、
前記制御基板が、複数の発熱部品と、前記発熱部品それぞれに対して熱的に接続された第1および第2のヒートシンクとを備え、
前記第1のヒートシンクが、前記加熱コイルと前記操作ユニットとの間に位置し、
前記第2のヒートシンクが、一部分が前記操作ユニットに対して前記第1の方向と直交する第2の方向に隣接するように、前記第1の方向に前記吸気口に向かって延伸している、加熱調理器が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、加熱調理器において、薄型化を実現しつつ高い放熱性能を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施の形態1に係る加熱調理器の斜視図
図2】キッチンカウンタのワークトップに取り付けられた状態の加熱調理器の側面図
図3】トッププレートを除いた状態の加熱調理器の斜視図
図4】トッププレートを除いた状態の加熱調理器の上面図
図5】トッププレートを除いた状態の加熱調理器の分解斜視図
図6】本開示の実施の形態2に係る、トッププレートの除いた状態の加熱調理器の分解斜視図
図7】トッププレートを除いた状態の加熱調理器の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の一態様の加熱調理器は、加熱対象が載置されるトッププレートと、前記トッププレートを支持し、第1の方向の一方の端部に吸気口を備える筺体と、前記筺体内に且つ前記トッププレートの下方に配置された加熱コイルと、前記筺体内に且つ前記加熱コイルの下方に配置された制御基板と、前記筺体内に且つ前記吸気口と前記制御基板との間に配置された操作ユニットと、を有し、前記制御基板が、複数の発熱部品と、前記発熱部品それぞれに対して熱的に接続された第1および第2のヒートシンクとを備え、前記第1のヒートシンクが、前記加熱コイルと前記操作ユニットとの間に位置し、前記第2のヒートシンクが、一部分が前記操作ユニットに対して前記第1の方向と直交する第2の方向に隣接するように、前記第1の方向に前記吸気口に向かって延伸している。
【0010】
本開示の一態様によれば、加熱調理器において、薄型化を実現しつつ高い放熱性能を確保することができる。
【0011】
例えば、前記複数の発熱部品が、前記制御基板における前記吸気口側の端部に設けられ、前記第1および第2のヒートシンクが、前記発熱部品の上面に接触してもよい。
【0012】
例えば、前記第1および第2のヒートシンクが、前記発熱部品から前記吸気口に向かって延伸してもよい。
【0013】
例えば、加熱調理器が、前記第1および第2のヒートシンクそれぞれと前記吸気口との間に設けられ、前記吸気口を介して外部から空気を吸い込み、吸い込んだ空気を前記第1および第2のヒートシンクに向かって吹き出す吸気ファンを、さらに有してもよい。
【0014】
例えば、加熱調理器が、前記吸気ファンと前記第1および第2のヒートシンクとを覆い、前記吸気ファンから吹き出された空気を前記第1および第2のヒートシンクにガイドするガイド部材を、さらに有してもよい。
【0015】
例えば、前記筺体が、前記第1の方向の他方の端部に排気口を備えてもよい。
【0016】
例えば、加熱調理器が、前記制御基板と前記排気口との間に設けられ、前記筺体内の空気を吸引し、吸引した空気を前記排気口に向かって吹き出す排気ファンを、さらに有してもよい。
【0017】
例えば、加熱調理器が、前記制御基板と外部電源とを電気的に接続するフィルタ回路を、さらに有し、前記フィルタ回路が、前記筺体の外部に位置してもよい。
【0018】
例えば、前記第1の方向が、前記加熱調理器の前後方向であってもよい。
【0019】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本開示の一実施の形態1に係る加熱調理器の斜視図である。また、図2は、キッチンカウンタのワークトップに取り付けられた状態の加熱調理器の側面図である。さらに、図3は、トッププレートを除いた状態の加熱調理器の斜視図である。さらにまた、図4は、トッププレートを取り除いた状態の加熱調理器の上面図である。そして、図5は、トッププレートを取り除いた状態の加熱調理器の分解斜視図である。
【0021】
図1および図2に示すように、本実施の形態1の場合、加熱調理器10は、キッチンカウンタKCのワークトップWTに取り付けられて使用される、いわゆるビルトイン型の誘導加熱調理器である。
【0022】
図2に示すように、加熱調理器10は、加熱対象であるなべなどの調理容器が載置されるトッププレート12と、トッププレート12を支持する筺体14と、例えば商業電源などの外部電源と電気的に接続するための電源ケーブル16とを有する。加熱調理器10のトッププレート12がワークトップWT上に載置され、筺体14がワークトップWTに形成された貫通穴H内に配置される。電源ケーブル16は、キッチンカウンタKC内に設けられたコンセント(図示せず)に接続される。
【0023】
トッププレート12は、例えば耐熱ガラスから作製され、その上面に加熱対象であるなべなどの調理容器が載置される。
【0024】
筺体14は、例えば金属材料から作製され、その内部にトッププレート12上の調理容器を誘導加熱するための複数の構成要素を格納している。
【0025】
また、筺体14は、その前端部に吸気口を備える。具体的には、本実施の形態1の場合、図1図3、および図5に示すように、筺体14は、その前方に向いて開口する多数の孔から構成される吸気口14aと、図4に示すように、下方に向いて開口する多数の孔から構成される吸気口14bとを備える。
【0026】
さらに、筺体14は、本実施の形態1の場合、後端部に排気口を備える。具体的には、図1図3、および図4に示すように、筺体14は、上方に向いて開口する多数の孔から構成される排気口14cと、図5に示すように、後方に向いて開口する多数の孔から構成される排気口14dとを備える。
【0027】
図2に示すように、吸気口14a、14bを介して、外部の空気Aが筺体14内に流入する。また、排気口14c、14dを介して、筺体14内の空気Aが外部に流出する。この空気Aの流れにより、筺体14内で発生した熱が外部に排出される。
【0028】
図3図5に示すように、加熱調理器10は、筺体14内に、コイルユニット18A、18Bと、コイルユニット18A、18Bそれぞれをユーザが操作するための操作ユニット20A、20Bと、制御基板22とを有する。
【0029】
コイルユニット18A、18Bは、加熱コイル24A、24Bと、コイルベース26A、26Bとを備える。本実施の形態1の場合、コイルユニット18A、18Bは、加熱調理器10の左右方向に並んだ状態で、筺体14内に配置されている。また、コイルユニット18A、18Bは、加熱コイル24A、24Bがトッププレート12の下方に配置されてトッププレート12の下面に対して間隔をあけて対向するように、筺体14内に配置されている。それにより、コイルユニット18A、18Bの加熱コイル24A、24Bは、その上方のトッププレート12の部分上に載置された調理容器を誘導加熱することができる。
【0030】
コイルユニット18A、18Bのコイルベース26A、26Bは、加熱コイル24A、24Bを支持し、制御基板22の上方に配置され、制御基板22と間隔をあけて対向する。また、コイルベース26A、26Bには、加熱コイル24A、24B以外に、その上方の調理容器の温度を検出するための赤外線センサなどが設けられている。
【0031】
操作ユニット20Aは、コイルユニット18Aの加熱コイル24Aをユーザが操作するためのユニットであって、本実施の形態1の場合には上方視でコイルユニット18Aの前方に配置されている。また、操作ユニット20Bは、コイルユニット18Bの加熱コイル24Bをユーザが操作するためのユニットであって、上方視でコイルユニット18Bの前方に配置されている。操作ユニット20A、20Bそれぞれは、トッププレート12を介してユーザに操作される静電容量式の複数のボタン28を備える。
【0032】
また、操作ユニット20A、20Bは、上方視で、筺体14の吸気口14aと制御基板22との間に位置するように、筺体14内に配置されている。
【0033】
制御基板22は、コイルユニット18A、18Bおよび操作ユニット20A、20Bを制御する基板であって、筺体14内に配置されている。また、制御基板22は、コイルユニット18A、18Bの下方に位置するように、筺体14内に設けられている。さらに、制御基板22は、電源ケーブル16を介して、外部電源に接続されている。本実施の形態1の場合、例えば、制御基板22には、インバータ回路、電源回路、フィルタ回路、プロセッサ、メモリなどが実装されている。
【0034】
図4に示すように、制御基板22には、複数の発熱部品30、32、34、および36が実装されている。複数の発熱部品30、32、34,および36は、例えば、コンデンサ、チョークコイル、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの電子部品である。なお、本明細書において、「発熱部品」は、安定して動作するために、および/または他の部品などの構成要素に影響するほどの熱量を発生するために、一時的なまたは継続的な強制冷却が必要な部品を言う。
【0035】
本実施の形態1の場合、発熱部品30、32、34、および36は、制御基板22における前方側の端部、すなわち筺体14の吸気口14a、14b側の端部に配置されている。これにより、発熱部品30、32、34、および36は、吸気口14a、14bを介して筺体14内に流入した空気Aによって効率的に冷却される。すなわち、他の電子部品によって温度が上昇した高温状態の空気Aではなく、略室内温度の空気Aによって発熱部品30、32、34、および36は冷却される。
【0036】
また、本実施の形態1の場合、発熱部品30、32、34、および36の制御基板22における配置位置と冷却方法は、それぞれの発熱量によって異なる。
【0037】
発熱量が相対的に大きい発熱部品30、32は、上方視で、操作ユニット20Aとコイルユニット18Aとの間および操作ユニット20Bとコイルユニット18Bとの間から外れた制御基板22上の位置に配置されている。これにより、吸気口14a、14bを介して流入した空気Aが、操作ユニット20A、20Bに温められることなく、発熱部品30、32に向かう。その結果、操作ユニット20A、20Bの風下に配置されている場合に比べて、発熱部品30、32は、効率的に冷却される。
【0038】
また、このような発熱部品30、32のレイアウトにより、発熱部品30、32の冷却によって高温になった空気Aがコイルユニット18A、18Bに向かうことが抑制されている。これと異なり、発熱部品30、32がコイルユニット18A、18Bの風上に位置すると、発熱部品30、32から高温状態の空気Aがコイルユニット18A、18Bに向かう。その結果、コイルユニット18A、18の冷却効率が低下する。したがって、発熱量が相対的に小さい発熱部品34、36が、上方視で、操作ユニット20Aとコイルユニット18Aとの間および操作ユニット20Bとコイルユニット18Bとの間の位置に配置されている。
【0039】
図4および図5に示すように、制御基板22には、複数のヒートシンク40、42、および44が設けられている。
【0040】
ヒートシンク40、42、および44それぞれは、高い伝熱性を持つ材料、例えばアルミニウム材料から作製されている。また、ヒートシンク40、42、および44は、加熱調理器10の前後方向にそれぞれ延在し、左右方向に間隔をあけた複数のフィン40a、42a、44aを備える。
【0041】
ヒートシンク40、42、および44は、最も発熱量が小さい発熱部品36を除く発熱部品30、32、および34に対して熱的に接続されている。なお、ここで言う「熱的な接続」は、発熱部品からヒートシンクへの伝熱が可能に発熱部品とヒートシンクとが直接的または間接的に接触している状態を言う。
【0042】
本実施の形態1の場合、ヒートシンク(第2のヒートシンク)40は、発熱部品30の上面に接触した状態で制御基板22に設けられている。また、ヒートシンク(第2のヒートシンク)42は、発熱部品32の上面に接触した状態で制御基板22に設けられている。さらに、ヒートシンク(第1のヒートシンク)44は、発熱部品34の上面に接触した状態で制御基板22に設けられている。
【0043】
ヒートシンク40、42、および44それぞれは、図4に示すように、発熱部品30、32、および34から筺体14の吸気口14a、14bに向かって、すなわち本実施の形態1の場合には前方に向かって延伸している。それにより、ヒートシンク40、42、および44それぞれのフィン40a、42a、および44aの表面積が増加し、発熱部品30、32、および34に対する冷却性能が向上する。
【0044】
なお、フィン40a、42a、44aが上方に向かって延伸するのではなく、前方に向かって延伸するので、加熱調理器10の上下方向のサイズが増加しない。これにより、加熱調理器10の薄型化に寄与することができる。
【0045】
また、発熱部品30、32、および34から吸気口14a、14bに向かって延伸しているので、ヒートシンク40、42、および44は、吸気口14a、14bから離れる方向に延伸する場合に比べて、冷却性能が向上する。すなわち、吸気口14a、14bに向かって延伸することにより、温度が相対的に低い空気Aとヒートシンク40、42、および44は接触する機会が増加する。
【0046】
ヒートシンク40、42は、一部分が操作ユニット20A、20Bに対して加熱調理器10の左右方向に隣接するように、前後方向に筺体14の吸気口14a、14bに向かって延伸している。これにより、ヒートシンク40、42の発熱部品30、32に対する冷却効率がさらに向上する。また、操作ユニット20Aと筺体14の左側壁部14eとの間のデッドスペース、操作ユニット20Aと20Bとの間のデッドスペース、および操作ユニット20Bと筺体14の右側壁部14fとの間のデッドスペースが有効利用される。すなわち、これらのデッドスペース内に延伸することにより、ヒートシンク40、42は、周りの構成要素のレイアウトに影響することなく、また加熱調理器10のサイズを変更することなく、高い冷却性能を持つことができる。
【0047】
また、本実施の形態1の場合、図3図5に示すように、筺体14内には、複数の吸気ファン(第1のファン)50と、複数の排気ファン(第2のファン)52とが設けられている。
【0048】
複数の吸気ファン50は、例えば軸流ファンであって、上方視で、ヒートシンク40、42、および44と筺体14の吸気口14a、14bとの間に設けられている。
【0049】
吸気ファン50それぞれは、吸気口14a、14bを介して外部から空気Aを吸い込み、吸い込んだ空気Aをヒートシンク40、42、および44に向かって吹き出す。これにより、空気Aが、外部から筺体14内に効率的に吸引される。また、発熱部品30、32、および34の発熱によって高温状態のヒートシンク40、42、および44がより冷却される。したがって、吸気ファン50によってヒートシンク40、42、および44が強制冷却されるので、吸気ファン50がない場合に比べて、ヒートシンク40、42、および44を小型化することができる。特に、ヒートシンク40、42、および44の上下方向のサイズを小さくすることにより、加熱調理器10の薄型化に寄与することができる。
【0050】
なお、本実施の形態1の場合、上方視で、ヒートシンクに熱的に接続されていない発熱部品36と筺体14の吸気口14a、14bとの間に、吸気ファン54が設けられている。発熱部品36は、吸気ファン54から吹き出された空気Aにあたって冷却される。
【0051】
複数の排気ファン52は、例えば軸流ファンであって、上方視で、制御基板22と筺体14の排気口14c、14dとの間に設けられている。
【0052】
排気ファン52それぞれは、筺体14内の空気Aを吸引し、吸引した空気Aを排気口14c、14dに向かって吹き出す。これにより、筺体14内の高温の空気Aが外部に効率的に排出される。
【0053】
なお、本実施の形態1の場合、吸気ファン50、排気ファン52、および吸気ファン54は、30mm角の同一のファンである。このような小型のファンを使用する理由は、ファンによる加熱調理器10の上下方向のサイズの増加を抑制するためである。
【0054】
また、本実施の形態1の場合、吸気ファン50、54と排気ファン52は、上方視で、加熱調理器10の前後方向に対向する。また、複数の吸気ファン50、54は、加熱調理器10の左右方向の位置が異なるように、また左右方向に全体にわたって筺体14内に配置されている。それとともに、複数の排気ファン52も、左右方向の位置が異なるように、また左右方向に全体にわたって筺体14内に配置されている。それにより、複数のファン50、52、および54は、筺体14内全体にわたって、加熱調理器10の前後方向の空気Aの流れを発生させる。すなわち、筺体14の吸気口14a、14bから排気口14c、14dに向かう空気Aの流れが発生する。その結果、ヒートシンク40、42、および44を介して発熱部品30、32、および34を冷却する以外に、発熱部品36、コイルユニット18A、18B、操作ユニット20A、20Bなどの筺体14内の構成要素も冷却される。
【0055】
以上のような本実施の形態1によれば、加熱調理器は、薄型化を実現しつつ高い放熱性能を確保することができる。
【0056】
(実施の形態2)
本実施の形態2は、いくつかの特徴が異なる点を除いて、上述の実施の形態1と実質的に同一である。したがって、異なる点について説明する。
【0057】
図6は、本開示の実施の形態2に係る、トッププレートの除いた状態の加熱調理器の分解斜視図である。また、図7は、トッププレートを除いた状態の加熱調理器の斜視図である。
【0058】
図6および図7に示すように、本実施の形態2に係る加熱調理器110は、筺体114の外部に外部ユニット160を有する。外部ユニット160は、筺体114内の制御基板122と中継ケーブル162を介して電気的に接続されている。また、外部ユニット160は、商業電源などの外部電源と電気的に接続する電源ケーブル116を備える。
【0059】
外部ユニット160には、フィルタ回路が形成された基板が内蔵されている。フィルタ回路は、制御基板122と外部電源とを電気的に接続し、外部電源から制御基板122へのノイズの伝達を抑制するとともに制御基板122から外部電源へのノイズの伝達を抑制する。フィルタ回路が、筺体114内の制御基板122ではなく、筺体114の外部に設けられているため、筺体114内の温度上昇を抑制することができる。
【0060】
また、本実施の形態2に係る加熱調理器110は、吸気ファン150、154とヒートシンク140、142、および144を覆うガイド部材164、166を有する。ガイド部材164により、ヒートシンク140の前方に位置する吸気ファン150から吹き出された空気が、そのヒートシンク140にガイドされる。また、ヒートシンク142の前方に位置する吸気ファン150から吹き出された空気が、そのヒートシンク142にガイドされる。そして、ヒートシンク144の前方に位置する吸気ファン154から吹き出された空気が、そのヒートシンク144にガイドされる。その結果、ガイド部材164、166がない場合に比べて、ヒートシンク140、142、および144がより冷却される。
【0061】
以上のような本実施の形態2も、上述の実施の形態1と同様に、加熱調理器は、薄型化を実現しつつ高い放熱性能を確保することができる。
【0062】
以上、上述の実施の形態を挙げて本開示を説明したが、本開示は上述の実施の形態に限定されない。
【0063】
例えば、上述の実施の形態1の場合、筺体14の前端部に吸気口14a、14bが設けられ、後端部に排気口14c、14dが設けられている。すなわち、吸気口14a、14bと排気口14c、14dは、上方視で、加熱調理器10の前後方向に対向する。しかしながら、本開示の実施の形態はこれに限らない。吸気口は、前端部以外の端部に設けられてもよい。例えば、吸気口が筺体の左側端部に設けられ、排気口が筺体の右側端部に設けられてもよい。また例えば、吸気口が筺体の前端部に設けられ、排気口が筺体の左側および右側の端部に設けられてもよい。
【0064】
また、上述の実施の形態1の場合、筺体14内には、複数の吸気ファン50と複数の排気ファン52とが設けられている。しかしながら、本開示の実施の形態はこれに限らない。吸気ファンおよび排気ファンの一方がなくてもよい。すなわち、外部から筺体内に流入し、そして筺体内から外部に流出する空気の流れが発生するのであれば、筺体内にファンを設けなくてもよい。
【0065】
さらに、上述の実施の形態1の場合、ヒートシンク40、42、および44は、発熱部品30、32、および34の上面に接触することにより、発熱部品30、32、および34に対して熱的に接続している。しかしながら、本開示の実施の形態はこれに限らない。ヒートシンクと発熱部品は、ヒートパイプなどの別の熱伝達部材を介して、熱的に接続されてもよい。
【0066】
すなわち、本開示の実施の形態に係る加熱調理器は、広義には、加熱対象が載置されるトッププレートと、前記トッププレートを支持し、第1の方向の一方の端部に吸気口を備える筺体と、前記筺体内に且つ前記トッププレートの下方に配置された加熱コイルと、前記筺体内に且つ前記加熱コイルの下方に配置された制御基板と、前記筺体内に且つ前記吸気口と前記制御基板との間に配置された操作ユニットと、を有し、前記制御基板が、複数の発熱部品と、前記発熱部品それぞれに対して熱的に接続された第1および第2のヒートシンクとを備え、前記第1のヒートシンクが、前記加熱コイルと前記操作ユニットとの間に位置し、前記第2のヒートシンクが、一部分が前記操作ユニットに対して前記第1の方向と直交する第2の方向に隣接するように、前記第1の方向に前記吸気口に向かって延伸している。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本開示は、加熱調理器であれば適用可能である。
【符号の説明】
【0068】
10 加熱調理器
14 筺体
20A 操作ユニット
20B 操作ユニット
24A 加熱コイル
24B 加熱コイル
30 発熱部品
32 発熱部品
34 発熱部品
40 ヒートシンク(第2のヒートシンク)
42 ヒートシンク(第2のヒートシンク)
44 ヒートシンク(第1のヒートシンク)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7