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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】炊飯器
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20241206BHJP
【FI】
A47J27/00 109G
A47J27/00 109K
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021193361
(22)【出願日】2021-11-29
(65)【公開番号】P2023079749
(43)【公開日】2023-06-08
【審査請求日】2024-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100221556
【弁理士】
【氏名又は名称】金田 隆章
(72)【発明者】
【氏名】両角 英樹
(72)【発明者】
【氏名】仁井 雄介
(72)【発明者】
【氏名】今村 泰
(72)【発明者】
【氏名】高 雅菲
(72)【発明者】
【氏名】紺ノ 説三
(72)【発明者】
【氏名】岡本 大輔
(72)【発明者】
【氏名】北木 宏
(72)【発明者】
【氏名】梛木 隆
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-000426(JP,A)
【文献】特開2014-226238(JP,A)
【文献】国際公開第2018/003266(WO,A1)
【文献】中国実用新案第206612537(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第107638063(CN,A)
【文献】特開2005-118150(JP,A)
【文献】特開2019-154651(JP,A)
【文献】特開2015-062586(JP,A)
【文献】特開2004-065537(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00、27/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
鍋と、
米を収容する米容器と、
水を収容する水容器と、
前記米容器内の米を前記鍋内に供給する送米部と、
前記水容器内の水を前記鍋内に供給する送水部と、
前記鍋を加熱する加熱部と、
前記送米部、前記送水部、及び前記加熱部を制御し、前記鍋内に米及び水を供給して加熱することを含む炊飯動作と、前記加熱部を制御して前記鍋を保温する保温動作と、を行う制御部と、
端末から、前記炊飯動作の開始を指示する炊飯開始指示、及び、前記炊飯動作若しくは前記保温動作の中止を指示する中止指示を含む操作指示信号を無線により受信する通信部と、を備える炊飯器であって、
前記水容器は、前記炊飯器の予め定められた水容器位置に着脱可能に取り付けられ、
前記炊飯器は、前記水容器が前記水容器位置に取り付けられているか否かを検知する水容器センサを更に備え、
記制御部は、前記通信部が受信した前記中止指示に従い前記炊飯動作又は前記保温動作を中止した後は、予め定められた炊飯開始条件が満たされない限り、前記通信部を介して前記端末から前記炊飯開始指示を受け付け
前記制御部は、設定された時刻に応じた炊飯開始時刻に前記炊飯動作を開始する炊飯予約状態において、前記水容器センサが、前記水容器が前記水容器位置に取り付けられていないことを検知したとき、前記端末に通知を行う、
炊飯器。
【請求項2】
前記炊飯器は、前記炊飯開始指示を前記制御部に入力する操作部を更に備え、
前記制御部は、前記通信部が受信した前記中止指示に従い前記炊飯動作又は前記保温動作を中止した後は、前記炊飯開始条件が満たされない限り、前記操作部からの前記炊飯開始指示を受け付けない、
請求項1に記載の炊飯器。
【請求項3】
前記炊飯器は、前記鍋の開口部を開閉自在に覆う蓋体と、前記蓋体の開閉を検知する開閉センサと、を更に備え、
前記制御部が、前記通信部が受信した前記中止指示に従い前記炊飯動作又は前記保温動作を中止した後、前記開閉センサが、前記蓋体が開いた後に閉じたことを検知したとき、前記炊飯開始条件が満たされ、前記制御部は、前記炊飯開始指示を受け付け可能となる、
請求項1又は2に記載の炊飯器。
【請求項4】
前記炊飯器は、
前記筐体に着脱可能に取り付けられ、前記筐体に取り付けられた場合に前記鍋の開口部を開閉自在に覆う蓋体と、
前記蓋体が前記筐体に取り付けられているか否かを検知する蓋体センサと、を更に備え、
前記制御部が、前記通信部が受信した前記中止指示に従い前記炊飯動作又は前記保温動作を中止した後、前記蓋体センサが、前記蓋体が前記筐体に取り付けられていない状態から取り付けられた状態になったことを検知したとき、前記炊飯開始条件が満たされ、前記制御部は、前記炊飯開始指示を受け付け可能となる、
請求項1~3のいずれか1つに記載の炊飯器。
【請求項5】
前記鍋は、前記筐体に取外し可能に収容され、
前記炊飯器は、前記筐体に前記鍋が収容されていることと、前記筐体から前記鍋が取り外されていることとを検知する鍋センサを更に備え、
前記制御部が、前記通信部が受信した前記中止指示に従い前記炊飯動作又は前記保温動作を中止した後、前記鍋センサが、前記筐体から前記鍋が取り外された後に前記筐体に前記鍋が収容されたことを検知したとき、前記炊飯開始条件が満たされ、前記制御部は、前記炊飯開始指示を受け付け可能となる、
請求項1~4のいずれか1つに記載の炊飯器。
【請求項6】
前記炊飯器は、オン状態にされることにより前記制御部が前記端末からの炊飯開始指示を受け付けることを許可する許可スイッチを更に備え、
前記制御部が、前記通信部が受信した前記中止指示に従い前記炊飯動作又は前記保温動作を中止した後、前記許可スイッチがオン状態であるとき、前記炊飯開始条件が満たされ、前記制御部は、前記炊飯開始指示を受け付け可能となる、
請求項1~5のいずれか1つに記載の炊飯器。
【請求項7】
前記炊飯器は、前記鍋の温度を検知する温度センサを更に備え、
前記制御部が、前記通信部が受信した前記中止指示に従い前記炊飯動作又は前記保温動作を中止した後、前記炊飯動作の完了後に、前記温度センサが、前記鍋の温度が予め定められた閾値以下であることを検知したとき、前記炊飯開始条件が満たされ、前記制御部は、前記炊飯開始指示を受け付け可能となる、
請求項1~6のいずれか1つに記載の炊飯器。
【請求項8】
前記制御部が、前記通信部が受信した前記中止指示に従い前記炊飯動作又は前記保温動作を中止した後、前記制御部が前記中止指示を受信した時刻から予め定められた時間が経過したとき、前記炊飯開始条件が満たされ、前記制御部は、前記炊飯開始指示を受け付け可能となる、
請求項1~7のいずれか1つに記載の炊飯器。
【請求項9】
前記制御部は、前記炊飯動作を開始した後は、予め定められた中止条件が満たされない限り、前記通信部を介して前記端末から前記中止指示を受け付けない、請求項1~8のいずれか1つに記載の炊飯器。
【請求項10】
前記制御部が前記炊飯動作を開始した後、前記炊飯動作が完了したとき、前記中止条件が満たされ、前記制御部は、前記通信部を介して前記端末から前記中止指示を受け付け可能となる、請求項9に記載の炊飯器。
【請求項11】
前記制御部は、前記炊飯予約状態において、異常を検知したときは、前記端末に通知を行う、請求項1~10のいずれかに記載の炊飯器。
【請求項12】
前記制御部は、前記通知を行った場合は、前記炊飯開始時刻より前に前記端末から前記炊飯予約状態を継続する予約継続指示を受信したときに限り、前記炊飯開始時刻に前記炊飯動作を開始する、請求項11に記載の炊飯器。
【請求項13】
前記炊飯器は、前記鍋の開口部を開閉自在に覆う蓋体と、前記蓋体の開閉を検知する開閉センサと、を更に備え、
前記制御部は、前記開閉センサが、前記蓋体が開いていることを検知したとき、前記異常を検知し、前記端末に通知を行う、
請求項11又は12に記載の炊飯器。
【請求項14】
前記米容器は、前記炊飯器の予め定められた米容器位置に着脱可能に取り付けられ、
前記炊飯器は、前記米容器が前記米容器位置に取り付けられているか否かを検知する米容器センサを更に備え、
前記制御部は、前記炊飯予約状態において、前記米容器センサが、前記米容器が前記米容器位置に取り付けられていないことを検知したとき、前記異常を検知し、前記端末に通知を行う、
請求項11~13のいずれか1つに記載の炊飯器。
【請求項15】
前記炊飯器は、
前記筐体に着脱可能に取り付けられ、前記筐体に取り付けられた場合に前記鍋の開口部を開閉自在に覆う蓋体と、
前記蓋体が前記筐体に取り付けられているか否かを検知する蓋体センサと、を更に備え、
前記制御部は、前記炊飯予約状態において、前記蓋体センサが、前記蓋体が前記筐体に取り付けられていないことを検知したとき、前記異常を検知し、前記端末に通知を行う、
請求項11~14のいずれか1つに記載の炊飯器。
【請求項16】
前記端末は、第1の端末と第2の端末とを含み、
前記制御部は、前記通信部を介して前記第1の端末から前記炊飯開始指示を受け付けた後は、前記炊飯動作が完了するまでは、前記通信部を介して前記第2の端末から前記操作指示信号を受け付けない、請求項1~15のいずれか1つに記載の炊飯器。
【請求項17】
前記端末は、第1の端末と第2の端末とを含み、
前記制御部は、前記通信部を介して前記第1の端末から前記炊飯動作又は前記保温動作に関する設定を変更する設定変更指示を受け付けた後は、前記炊飯動作が完了するまでは、前記通信部を介して前記第2の端末から前記炊飯開始指示及び前記設定変更指示を受け付けない、請求項1~16のいずれか1つに記載の炊飯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、炊飯器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の炊飯器として、米を貯える貯蔵部と、炊飯部とを備え、米の保管及び炊飯の一連のプロセスを一体化した全自動炊飯器が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平5-220047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の炊飯器は、貯蔵部から炊飯部へ米を移送する機構を備えている。また、従来の炊飯器に、炊飯部へ水を供給する機構が設けられることが考えられる。これにより、炊飯部の内部を目視することなく、炊飯部へ米及び水を供給することができる。このような炊飯器では、炊飯途中又は炊飯後に炊飯動作又は保温動作が中止されて炊飯部内に米が残っている状態であるにもかかわらず、ユーザの意図に反して、次の炊飯のために炊飯部に米及び水が供給されて、更なる炊飯が開始されてしまうおそれがある。このようにして炊飯された炊飯物は、空の炊飯部に米及び水が供給されて炊飯された炊飯物に比べて、食味が落ちるおそれがある。
【0005】
本開示の目的は、ユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる炊飯器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る炊飯器は、筐体と、
鍋と、
米を収容する米容器と、
水を収容する水容器と、
前記米容器内の米を前記鍋内に供給する送米部と、
前記水容器内の水を前記鍋内に供給する送水部と、
前記鍋を加熱する加熱部と、
前記送米部、前記送水部、及び前記加熱部を制御し、前記鍋内に米及び水を供給して加熱することを含む炊飯動作と、前記加熱部を制御して前記鍋を保温する保温動作と、を行う制御部と、
端末から、前記炊飯動作の開始を指示する炊飯開始指示、及び/又は、前記炊飯動作若しくは前記保温動作の中止を指示する中止指示を含む操作指示信号を無線により受信する通信部と、を備え、
前記制御部は、前記通信部が受信した前記中止指示に従い前記炊飯動作又は前記保温動作を中止した後は、予め定められた炊飯開始条件が満たされない限り、前記通信部を介して前記端末から前記炊飯開始指示を受け付けない。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る炊飯器によれば、ユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る炊飯器の斜視図である。
図2】蓋体が開放状態である図1の炊飯器を示す斜視図である。
図3図1の炊飯器であって、蓋体が開放状態であるとともに水容器を取り外した状態を示す斜視図である。
図4図1の炊飯器のA1-A1線断面図である。
図5図1の炊飯器の斜視図であって、蓋体、水容器、及び米容器の上壁を取り外した状態を示す図である。
図6図1の炊飯器の平面図であって、蓋体の上壁及び操作基板を取り外した状態を示す図である。
図7図1の炊飯器の底面図であって、筐体の底壁を取り外した状態を示す図である。
図8図1の炊飯器のA2-A2線断面図である。
図9図8の二点鎖線で囲まれた領域を拡大した部分拡大図である。
図10図4の洗米装置の構成例を模式的に示す断面図である。
図11図7の制御部のハードウェア構成を例示するブロック図である。
図12図1の炊飯器の遠隔制御システムの構成例を示す模式図である。
図13図1の炊飯器による炊飯動作の全体的な流れを例示するフローチャートである。
図14図1の炊飯器による中止動作の流れを例示するフローチャートである。
図15図1の炊飯器による炊飯予約動作の流れを例示するフローチャートである。
図16図15の炊飯予約動作の変形例を示すフローチャートである。
図17図1の炊飯器の排他制御の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一態様に係る炊飯器は、筐体と、
鍋と、
米を収容する米容器と、
水を収容する水容器と、
前記米容器内の米を前記鍋内に供給する送米部と、
前記水容器内の水を前記鍋内に供給する送水部と、
前記鍋を加熱する加熱部と、
前記送米部、前記送水部、及び前記加熱部を制御し、前記鍋内に米及び水を供給して加熱することを含む炊飯動作と、前記加熱部を制御して前記鍋を保温する保温動作と、を行う制御部と、
端末から、前記炊飯動作の開始を指示する炊飯開始指示、及び/又は、前記炊飯動作若しくは前記保温動作の中止を指示する中止指示を含む操作指示信号を無線により受信する通信部と、を備え、
前記制御部は、前記通信部が受信した前記中止指示に従い前記炊飯動作又は前記保温動作を中止した後は、予め定められた炊飯開始条件が満たされない限り、前記通信部を介して前記端末から前記炊飯開始指示を受け付けない。
【0010】
この構成によれば、鍋内に米が残った状態で炊飯動作又は保温動作が中止された後に端末から遠隔操作がされ、鍋内に残った米の上から更に米及び水が供給されてしまうなど、ユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0011】
前記炊飯器は、前記炊飯開始指示を前記制御部に入力する操作部を更に備えてもよい。前記制御部は、前記通信部が受信した前記中止指示に従い前記炊飯動作又は前記保温動作を中止した後は、前記炊飯開始条件が満たされない限り、前記操作部からの前記炊飯開始指示を受け付けない。
【0012】
この構成によれば、端末からの遠隔操作により炊飯動作又は保温動作が中止された後、子どもなどの端末の操作者以外の者により炊飯器の操作部が操作されて炊飯開始指示がされることを防止することができる。これにより、鍋内に残った米の上から更に米及び水が供給されてしまうなど、ユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0013】
前記炊飯器は、前記鍋の開口部を開閉自在に覆う蓋体と、前記蓋体の開閉を検知する開閉センサと、を更に備えてもよい。この場合、前記制御部が、前記通信部が受信した前記中止指示に従い前記炊飯動作又は前記保温動作を中止した後、前記開閉センサが、前記蓋体が開いた後に閉じたことを検知したとき、前記炊飯開始条件が満たされ、前記制御部は、前記炊飯開始指示を受け付け可能となる。
【0014】
蓋体が開いた後に閉じた場合には、蓋体を開けた者によって鍋内に残った米及び水が除去されたことが想定できる。したがって、この構成によれば、鍋内に残った米の上から更に米及び水が投入されてしまうなど、ユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0015】
前記炊飯器は、前記筐体に着脱可能に取り付けられ、前記筐体に取り付けられた場合に前記鍋の開口部を開閉自在に覆う蓋体と、前記蓋体が前記筐体に取り付けられているか否かを検知する蓋体センサと、を更に備えてもよい。この場合、前記制御部が、前記通信部が受信した前記中止指示に従い前記炊飯動作又は前記保温動作を中止した後、前記蓋体センサが、前記蓋体が前記筐体に取り付けられていない状態から取り付けられた状態になったことを検知したとき、前記炊飯開始条件が満たされ、前記制御部は、前記炊飯開始指示を受け付け可能となる。
【0016】
蓋体が筐体に取り付けられていない状態から取り付けられた状態になった場合には、蓋体を筐体から取り外し又は筐体に取り付けた者によって、鍋内に残った米及び水が除去されたことが想定できる。したがって、この構成によれば、鍋内に残った米の上から更に米及び水が投入されてしまうなど、ユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0017】
前記鍋は、前記筐体に取外し可能に収容されてもよい。前記炊飯器は、前記筐体に前記鍋が収容されていることと、前記筐体から前記鍋が取り外されていることとを検知する鍋センサを更に備えてもよい。この場合、前記制御部が、前記通信部が受信した前記中止指示に従い前記炊飯動作又は前記保温動作を中止した後、前記鍋センサが、前記筐体から前記鍋が取り外された後に前記筐体に前記鍋が収容されたことを検知したとき、前記炊飯開始条件が満たされ、前記制御部は、前記炊飯開始指示を受け付け可能となる。
【0018】
筐体から鍋が取り外された後に筐体内に鍋が収容された場合には、ユーザによって鍋内に残った米及び水が除去されたことが想定できる。したがって、この構成によれば、鍋内に残った米及び水の上から更に米及び水が投入されてしまうなど、ユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0019】
前記炊飯器は、オン状態にされることにより前記制御部が前記端末からの炊飯開始指示を受け付けることを許可する許可スイッチを更に備えてもよい。この場合、前記制御部が、前記通信部が受信した前記中止指示に従い前記炊飯動作又は前記保温動作を中止した後、前記許可スイッチがオン状態であるとき、前記炊飯開始条件が満たされ、前記制御部は、前記炊飯開始指示を受け付け可能となる。
【0020】
ユーザが許可スイッチを押下してオン状態とした場合には、ユーザによって鍋内に残った米及び水が除去されたことが想定できる。したがって、この構成によれば、鍋内に残った米及び水の上から更に米及び水が投入されてしまうなど、ユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0021】
前記炊飯器は、前記鍋の温度を検知する温度センサを更に備えてもよい。この場合、前記制御部が、前記通信部が受信した前記中止指示に従い前記炊飯動作又は前記保温動作を中止した後、前記炊飯動作の完了後に、前記温度センサが、前記鍋の温度が予め定められた閾値以下であることを検知したとき、前記炊飯開始条件が満たされ、前記制御部は、前記炊飯開始指示を受け付け可能となる。
【0022】
鍋の温度が予め定められた閾値以下である場合には、保温動作が完了又は中断し、ユーザによって鍋内に残った米及び水が除去されたことが想定できる。したがって、この構成によれば、鍋内に残った米及び水の上から更に米及び水が投入されてしまうなど、ユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0023】
前記制御部が、前記通信部が受信した前記中止指示に従い前記炊飯動作又は前記保温動作を中止した後、前記制御部が前記中止指示を受信した時刻から予め定められた時間が経過したとき、前記炊飯開始条件が満たされ、前記制御部は、前記炊飯開始指示を受け付け可能となってもよい。
【0024】
中止指示を受信した時刻からある程度の時間が経過している場合には、ユーザによって鍋内に残った米及び水が除去されたことが期待できる。したがって、この構成によれば、鍋内に残った米及び水の上から更に米及び水が投入されてしまうなど、ユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0025】
前記制御部は、前記炊飯動作を開始した後は、予め定められた中止条件が満たされない限り、前記通信部を介して前記端末から前記中止指示を受け付けなくてもよい。
【0026】
この構成によれば、中止条件が満たされない限り端末からの遠隔の中止指示を受け付けないことにより、炊飯動作の途中で炊飯動作が不用意に中止されることを防止することができる。さらに、中止条件が満たされない限り端末からの遠隔の中止指示を受け付けないことにより、中止後に炊飯開始指示がされ、鍋内に残った米の上から更に米及び水が供給されてしまうなど、ユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0027】
前記制御部が前記炊飯動作を開始した後、前記炊飯動作が完了したとき、前記中止条件が満たされ、前記制御部は、前記通信部を介して前記端末から前記中止指示を受け付け可能となってもよい。
【0028】
この構成によれば、制御部は、炊飯動作が完了しない限り端末からの遠隔の中止指示を受け付けないため、炊飯動作の途中で炊飯動作が不用意に中止されることを防止することができる。
【0029】
前記制御部は、設定された時刻に応じた炊飯開始時刻に前記炊飯動作を開始する炊飯予約状態において、異常を検知したときは、前記端末に通知を行ってもよい。
【0030】
この構成によれば、ユーザは、通知により異常があることを知り、異常を解消する機会を得ることができる。したがって、異常がある状態で炊飯が行われてユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0031】
前記制御部は、前記通知を行った場合は、前記炊飯開始時刻より前に前記端末から前記炊飯予約状態を継続する予約継続指示を受信したときに限り、前記炊飯開始時刻に前記炊飯動作を開始してもよい。
【0032】
この構成によれば、異常がある状態で炊飯が行われてユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0033】
前記炊飯器は、前記鍋の開口部を開閉自在に覆う蓋体と、前記蓋体の開閉を検知する開閉センサと、を更に備え、前記制御部は、前記開閉センサが、前記蓋体が開いていることを検知したとき、前記異常を検知し、前記端末に通知を行ってもよい。
【0034】
蓋体が開いていると、炊飯を正常に行うことができないが、この構成によれば、蓋体が開いた状態で炊飯が行われてユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0035】
前記水容器は、前記炊飯器の予め定められた水容器位置に着脱可能に取り付けられ、前記炊飯器は、前記水容器が前記水容器位置に取り付けられているか否かを検知する水容器センサを更に備えてもよい。前記制御部は、前記炊飯予約状態において、前記水容器センサが、前記水容器が前記水容器位置に取り付けられていないことを検知したとき、前記異常を検知し、前記端末に通知を行ってもよい。
【0036】
水容器位置に水容器が取り付けられていないと、炊飯器は、鍋内に水を供給することができず、炊飯を正常に行うことができない。この構成によれば、水容器位置に水容器が取り付けられていない状態で炊飯が行われてユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0037】
前記米容器は、前記炊飯器の予め定められた米容器位置に着脱可能に取り付けられ、前記炊飯器は、前記米容器が前記米容器位置に取り付けられているか否かを検知する米容器センサを更に備えてもよい。前記制御部は、前記炊飯予約状態において、前記米容器センサが、前記米容器が前記米容器位置に取り付けられていないことを検知したとき、前記異常を検知し、前記端末に通知を行ってもよい。
【0038】
米容器位置に米容器が取り付けられていないと、炊飯器は、鍋内に米を供給することができず、炊飯を正常に行うことができない。この構成によれば、米容器位置に米容器が取り付けられていない状態で炊飯が行われてユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0039】
前記炊飯器は、前記筐体に着脱可能に取り付けられ、前記筐体に取り付けられた場合に前記鍋の開口部を開閉自在に覆う蓋体と、前記蓋体が前記筐体に取り付けられているか否かを検知する蓋体センサと、を更に備えてもよい。前記制御部は、前記炊飯予約状態において、前記蓋体センサが、前記蓋体が前記筐体に取り付けられていないことを検知したとき、前記異常を検知し、前記端末に通知を行ってもよい。
【0040】
蓋体が筐体に取り付けられていないと、炊飯を正常に行うことができないが、この構成によれば、蓋体が筐体に取り付けられていない状態で炊飯が行われてユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0041】
前記端末は、第1の端末と第2の端末とを含んでもよい。前記制御部は、前記通信部を介して前記第1の端末から前記炊飯開始指示を受け付けた後は、前記炊飯動作が完了するまでは、前記通信部を介して前記第2の端末から前記操作指示信号を受け付けなくてもよい。
【0042】
この構成によれば、炊飯を開始させた第1の端末のユーザによる炊飯設定が、第2の端末を使用する者によって変更されてしまうことを防止することができる。
【0043】
前記端末は、第1の端末と第2の端末とを含んでもよい。前記制御部は、前記通信部を介して前記第1の端末から前記炊飯動作又は前記保温動作に関する設定を変更する設定変更指示を受け付けた後は、前記炊飯動作が完了するまでは、前記通信部を介して前記第2の端末から前記炊飯開始指示及び前記設定変更指示を受け付けなくてもよい。
【0044】
この構成によれば、第1の端末のユーザが既に炊飯を開始させているにもかかわらず、第2の端末を使用する者による炊飯開始指示が行われ、炊飯器の鍋内に残った米の上から更に米及び水が投入されてしまうという事態を防止することができる。
【0045】
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0046】
なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0047】
図面の一部には、説明の便宜上、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を示している。本明細書では、X軸方向を横方向又は幅方向、Y軸方向を前後方向又は奥行方向、Z軸の正方向を上方向、Z軸の負方向を下方向とも呼ぶ。また、本明細書では、通常使用時の状態を想定して「上」、「下」、「前」、「後」等の方向を示す用語を用いる。しかしながら、これらの用語は、本発明の炊飯器の使用状態等を限定することを意味するものではない。
【0048】
[構成]
本発明の実施形態に係る炊飯器の全体構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る炊飯器100の斜視図である。図2は、蓋体2が開放状態である図1の炊飯器100を示す斜視図である。図3は、図1の炊飯器100であって、蓋体2が開放状態であるとともに水容器3を取り外した状態を示す斜視図である。炊飯器100は、空の鍋5に自動的に米及び水を供給して加熱調理を行うことができる、いわゆる全自動炊飯器である。
【0049】
図1に示すように、炊飯器100は、筐体1と、筐体1の上部を覆う蓋体2と、水容器3と、米容器4とを備える。水容器3及び米容器4は、直方体又は略直方体形状を有し、筐体1の一側面1aに沿うように設けられている。
【0050】
筐体1は、X軸、Y軸及びZ軸を辺とする直方体又は略直方体形状の本体部11と、水容器3及び米容器4が載置される直方体又は略直方体の台部12とを備える。本体部11と台部12とは、前後方向(Y方向)の長さである奥行が一致し、それぞれの一側面が空間的に連通するように接続されている。筐体1、本体部11、及び台部12は、それぞれ平面視において矩形又は略矩形形状を有する。
【0051】
台部12は、本体部11の一側面11aの下部から側方(-X方向、図2では左方向)に延在するように設けられている。台部12のZ方向の長さである高さは、本体部11の高さよりも低く設定されている。これにより、本体部11の一側面11aが外部に露出している。本実施形態においては、本体部11の一側面11aが、筐体1の一側面1aに対応する。
【0052】
図2~4に示すように、本体部11は、鍋5を収容する鍋収容部11bを有する。本体部11の後方上部には、横方向に延在する回動軸TAが設けられている。蓋体2は、回動軸TAに回動自在に取り付けられている。蓋体2は、回動軸TAを中心として回動することにより、鍋5の開口部5aを開閉自在に覆うように構成されている。本実施形態において、蓋体2は、直方体又は略直方体形状を有する。
【0053】
蓋体2は、筐体1に着脱可能に取り付けられてもよい。例えば、蓋体2は、回動軸TAに着脱可能に取り付けられ、回動軸TAから取外し可能であってもよい。あるいは、回動軸TAが本体部11に着脱可能に取り付けられており、回動軸TAを取り外すことに伴って、回動軸TAに取り付けられた蓋体2も本体部11から取外し可能であってもよい。
【0054】
図1に示すように、蓋体2が鍋5の開口部5aを覆う閉鎖状態において、蓋体2の奥行は、本体部11の奥行と一致する。蓋体2の閉鎖状態において、筐体1の本体部11の高さと蓋体2の高さとの和は、筐体1の台部12の高さと水容器3又は米容器4の高さとの和と一致する。また、蓋体2の閉鎖状態において、筐体1の本体部11の幅と台部12の幅との和は、蓋体2の幅と水容器3又は米容器4の幅との和と一致する。すなわち、蓋体2の閉鎖状態において、本実施形態に係る炊飯器100は、直方体又は略直方体形状を有する。
【0055】
水容器3は、水を収容する容器である。米容器4は、米を収容する容器である。水容器3と米容器4とは、炊飯器100の前方側から後方側へ直列に配置される。図3に示すように、水容器3及び米容器4の少なくとも一方は、着脱可能である。本実施形態において、水容器3は、米容器4よりも炊飯器100の前方側に配置されている。本実施形態において、水容器3の容量は、米容器4の容量の1.0倍以上1.5倍以下である。
【0056】
図4は、図1の炊飯器100のA1-A1線断面図である。A1-A1線断面図とは、A1-A1線を通りYZ平面に平行な断面をA1-A1線の矢印の方向に見た断面図である。図5は、図1の炊飯器100の斜視図であって、蓋体2、水容器3、及び米容器4の上壁を取り外した状態を示す図である。図6は、図1の炊飯器100の平面図であって、蓋体2の上壁及び操作基板を取り外した状態を示す図である。図7は、図1の炊飯器100の底面図であって、筐体1の底壁を取り外した状態を示す図である。図8は、図1の炊飯器100のA2-A2線断面図である。図9は、図8の二点鎖線で囲まれた領域を拡大した部分拡大図である。
【0057】
図4図6に示すように、蓋体2内には、洗米装置6が配置されている。洗米装置6は、水容器3内の水を用いて、米容器4内から洗米装置6内に供給された米を洗う。洗米装置6は、蓋体2の閉鎖状態において、鍋5の開口部5aの上方に位置するように設けられている。本実施形態において、洗米装置6には、鍋5の開口部5aに対応する位置に開閉弁64(図10参照)が設けられている。洗米装置6によって洗米された米は、開閉弁が開放されることで鍋5内に落下する。洗米装置6の洗米に使用された水は、筐体1の本体部11の下方に収納された排水タンク7に収容される。洗米装置6の詳細な構成については後述する。
【0058】
図5図7に示すように、洗米装置6と排水タンク7とは、排水管71を介して接続されている。排水管71は、回動軸TAを収容する回動軸収容部TA1を通じて延在している。排水管71には、図7に示すように、排水ポンプ72が設けられている。本実施形態において、排水ポンプ72は、2本の排水管71を連結するように取り付けられている。排水ポンプ72が駆動されることで、洗米装置6の洗米に使用された水は、排水タンク7に収容される。
【0059】
排水タンク7は、筐体1の一側面1aとは異なる筐体1の側面から一部が露出するように設けられている。例えば、排水タンク7は、図5に示すように、本体部11の前面11cから一部が露出するように設けられる。また、排水タンク7は、着脱可能に設けられている。本実施形態において、排水タンク7は、引き出し式に構成され、図3に示すように、前方に引き出すことで本体部11から取り外すことができる。
【0060】
図4図6及び図8図9に示すように、洗米装置6と水容器3とは、蓋体側送水管81及び容器側送水管82によって接続されている。蓋体側送水管81は、蓋体2の内部を通過して蓋体2の外部と鍋5内とを連通する配管である。本実施形態において、蓋体側送水管81は、洗米装置6を介して鍋5内と連通している。容器側送水管82は、水容器3の内部と水容器3の外部とを連通する配管である。本実施形態において、容器側送水管82は、水容器3に着脱可能に取り付けられている。本実施形態においては、洗米装置6と蓋体側送水管81と容器側送水管82とによって、水容器3内の水を鍋5内に供給する送水経路が構成されている。
【0061】
蓋体側送水管81には、本開示の送水部の一例である送水ポンプ83と、送水管用の排水ポンプ84とが設けられている。送水ポンプ83は、水容器3側から鍋5側への一方向のみに流体(水及び気体を含む)を送る第1ポンプの一例である。送水ポンプ83は、例えば、ダイヤフラムポンプなどの容積ポンプである。本実施形態において、送水ポンプ83は、2本の蓋体側送水管81を連結するように取り付けられている。排水ポンプ84は、送水ポンプ83よりも水容器3側に配置され、蓋体側送水管81内に気体(例えば、空気)を送る第2ポンプの一例である。本実施形態において、排水ポンプ84は、蓋体側送水管81から分岐した分岐管に接続されている。
【0062】
図2及び図3に示すように、蓋体側送水管81の一端部81aは、水容器3の一部である段差部31と対向する面に設けられている。本実施形態において、蓋体側送水管81の一端部81aは、段差部31と対向する位置で露出している。水容器3の段差部31は、本体部11の一側面11a側に突出し、水容器3の上面に対してZ方向の長さが短く、それによって段差を生じる部分である。蓋体2は、蓋体2が閉鎖状態にあるとき、水容器3の段差部31を覆うように設けられている。すなわち、蓋体2の幅は、本体部11の幅よりも長く設定されている。また、本実施形態において、蓋体側送水管81の一端部81aは、回動軸TAから離れた蓋体2の回動先端部2a側に配置されている。
【0063】
容器側送水管82の一端部82aは、水容器3の段差部31に設けられている。本実施形態において、容器側送水管82の一端部82aは、蓋体側送水管81の一端部81aと同様に、回動軸TAから離れた蓋体2の回動先端部2a側に配置されている。蓋体2が鍋5の開口部5aを覆う閉鎖状態にあるとき、蓋体側送水管81と容器側送水管82とが互いに流体連通するように接続される。また、蓋体2が鍋5の開口部5aを開放するように回動するとき、蓋体側送水管81と容器側送水管82との接続が解除される。
【0064】
本実施形態において、蓋体側送水管81の一端部81aは、図8及び図9に示すように、蓋体2の厚さ方向且つ内側に突出する筒状の蓋体側接続部2bの周囲に装着されている。また、容器側送水管82の一端部82aは、蓋体側接続部2bに向けて突出するように設けられ、その周囲に筒状のパッキン31aが取り付けられている。蓋体2が鍋5の開口部5aを覆うように回動するとき、図8及び図9に示すように、容器側送水管82の一端部82aと蓋体側送水管81の一端部81aとが互いに流体連通するように接続される。
【0065】
洗米装置6と米容器4とは、図4図8に示すように、送米管91を介して接続されている。本実施形態において、送米管91は、回動軸TAを収容する回動軸収容部TA1を通じて延在している。送米管91の一端部91aには、図4図7図8に示すように、送米ファン92が設けられている。送米ファン92が駆動されることで、送米管91内の米が、洗米装置6に送られる。本実施形態においては、洗米装置6と送米管91とによって、米容器4内の米を鍋5内に供給する送米経路が構成されている。
【0066】
米容器4には、図7及び図8に示すように、本開示の送米部の一例である送米装置93が取り付けられている。米容器4の底部は、下方に突出するテーパ状の断面を有するように形成されている。送米装置93は、米容器4の最下部に接続され、横方向に延在するように設けられている。送米装置93は、送米管91と連通している。送米装置93は、米容器4内の米を取り込んで、送米管91に送り出すように構成されている。
【0067】
図2及び図3に示すように、米容器4には、蓋体2の一部と対向する位置に段差部41が設けられている。米容器4の段差部41は、本体部11の一側面11a側に突出し、米容器4の上面に対してZ方向の長さが短く、それによって段差を生じる部分である。水容器3と米容器4とが台部12に載置された際、米容器4の段差部41は、水容器3の段差部31と面一になるように構成されている。蓋体2は、蓋体2が閉鎖状態にあるとき、水容器3の段差部31及び米容器4の段差部41を覆うように設けられている。
【0068】
図1に示すように、蓋体2の上面には、炊飯量、炊飯コース(白米コース、玄米コースなど)などの各種炊飯情報を表示するとともに、当該各種炊飯情報の中から特定の炊飯情報を選択可能な表示操作部21が設けられている。表示操作部21は、各種炊飯情報を表示するディスプレイ21Aと、炊飯量、炊飯コースの選択の他、種々の処理の実行を指示する操作指示を入力するための複数の入力ボタン21Bとを備える。入力ボタン21Bは、本開示の「操作部」の一例である。このような操作指示は、例えば、一連の炊飯動作の開始を指示する炊飯開始指示、設定時刻に炊飯を開始又は完了させるための炊飯予約指示、炊飯又は保温動作の中止を指示する中止指示、設定変更指示等を含む。設定変更指示は、例えば、炊飯コース、保温温度、保温時間、炊飯予約時の炊飯完了時刻等の、炊飯動作又は保温動作に関する設定を変更可能に構成される。
【0069】
ディスプレイ21Aは、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイを含む。ユーザは、ディスプレイ21Aに表示された各種炊飯情報を参照しつつ、複数の入力ボタン21Bにより操作指示を入力することができる。
【0070】
米容器4には、図1に示すように、炊飯動作を無洗米モードにするか否かを選択する選択部42が設けられている。例えば、ユーザは、米容器4内に無洗米を収容した場合、選択部42を操作して無洗米モードにする。本実施形態において、選択部42は、米容器4の上面に設けられたボタンである。制御部15は、選択部42又は端末200によって無洗米モードが選択された場合、洗米工程、排水工程、及び注水工程を実行しないように構成されている(図13参照)。
【0071】
図1に示すように、蓋体2の上面には、炊飯器100が後述の遠隔操作指示を受け付けることを許可する許可スイッチ22が更に設けられている。例えば、炊飯器100は、許可スイッチ22がオン状態であるときは遠隔操作指示を受け付け、オフ状態であるときは遠隔操作指示を受け付けない。
【0072】
図示の例では、操作部の一例として、種々の処理の実行を指示する複数の入力ボタン21Bと、許可スイッチ22とを例示しているが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、表示操作部21は、複数の入力ボタン21Bの代わりに、ディスプレイ21Aと一体的に設けられたタッチパネルを備え、タッチパネルの操作により種々の処理の実行を指示可能に構成されてもよい。許可スイッチ22も、タッチパネルの操作によりオン状態とオフ状態とを切替可能に構成されてもよい。また、複数の入力ボタン21B及び許可スイッチ22が図示の例のようにハードウェアスイッチとして設けられる必要はなく、ソフトウェアスイッチとして設けられてもよい。
【0073】
図4に示すように、筐体1の鍋収容部11bの外周面には、鍋5に対向する位置に加熱部13が設けられている。加熱部13は、例えば、通電されることにより、鍋5を誘導加熱するコイルを含む。筐体1の鍋収容部11bの中央底部には、貫通穴が設けられ、当該貫通穴を通じて鍋5の中央底部に接触するように温度センサ14が設けられている。温度センサ14は、鍋5、特に鍋5の底部の温度を検知する。
【0074】
炊飯器100は、蓋体2の開閉を検知する開閉センサ56(図11参照)を更に備える。開閉センサ56は、蓋体2が閉鎖状態であるか否かを検知することにより蓋体2の開閉を検知してもよい。開閉センサ56は、例えば、蓋体2が閉鎖状態であるときに蓋体2によって押し下げられてオン状態となるメカスイッチ式のセンサである。
【0075】
炊飯器100は、筐体1内の鍋5の有無を検知する鍋センサ57(図11参照)を更に備える。鍋センサ57は、筐体1の鍋収容部11bに鍋5が収容されたことと、筐体1の鍋収容部11bから鍋5が取り外されたこととを検知する。鍋センサ57は、例えば、鍋収容部11bの底部から上方に突出し、鍋5が収容されたときに鍋5によって押し下げられてオン状態となるメカスイッチ式のセンサである。鍋センサ57はこれに限定されず、例えば、静電タッチセンサ等の静電容量式センサ、重量センサ、赤外線センサ等のセンサであってもよい。
【0076】
炊飯器100は、水容器3が予め定められた水容器位置に取り付けられているか否かを検知する水容器センサ32(図11参照)を更に備える。水容器位置は、例えば、筐体1の台部12の所定位置である。水容器センサ32は、例えば、水容器3が水容器位置に載置されたときに水容器3によって押し下げられてオン状態となるメカスイッチ式のセンサである。水容器センサ32はこれに限定されず、例えば、静電タッチセンサ等の静電容量式センサ、重量センサ、赤外線センサ等のセンサであってもよい。
【0077】
炊飯器100は、水容器3内の水位を検知する水位センサ33(図11参照)を更に備えてもよい。水位センサ33は、例えば、静電タッチセンサ等の静電容量式センサ、及び/又は水容器3内に取り付けられた圧力センサである。水位センサ33は、例えば重量センサ、赤外線センサ等のセンサであってもよい。なお、水位センサ33は、炊飯器100の必須の構成要素ではない。水位センサ33を備えない場合であっても、炊飯器100は、本開示の目的を達成できる。水位センサ33を備えない場合は、これを備える場合に比べて、炊飯器100のコスト及びサイズを低減することができる。
【0078】
炊飯器100は、米容器4が予め定められた米容器位置に取り付けられているか否かを検知する米容器センサ44(図11参照)を更に備えてもよい。すなわち、米容器4が着脱可能である場合において、米容器センサ44は、筐体1の所定位置である米容器位置に米容器4が取り付けられているか否かを検知する。米容器センサ44は、例えば、米容器4が米容器位置に載置されたときに米容器4によって押し下げられてオン状態となるメカスイッチ式のセンサである。米容器センサ44はこれに限定されず、例えば、静電タッチセンサ等の静電容量式センサ、重量センサ、赤外線センサ等のセンサであってもよい。
【0079】
炊飯器100は、米容器4内に収納された米の量である貯米量を検知する貯米量センサ45(図11参照)を更に備えてもよい。例えば、貯米量センサ45は、米容器4内に、予め定められた高さまで米があるか否かを検知する。貯米量センサ45は、例えば、米容器4の外側表面に取り付けられた静電タッチセンサ等の静電容量式センサである。貯米量センサ45は、静電容量式センサに限定されず、例えば重量センサ、米容器4内に設けられたメカスイッチ式のセンサ、赤外線センサ等のセンサであってもよい。なお、貯米量センサ45は、炊飯器100の必須の構成要素ではない。貯米量センサ45を備えない場合であっても、炊飯器100は、本開示の目的を達成できる。貯米量センサ45を備えない場合は、これを備える場合に比べて、炊飯器100のコスト及びサイズを低減することができる。
【0080】
炊飯器100は、蓋体2が筐体1に着脱可能に取り付けられている場合には、蓋体2が筐体1に取り付けられているか否かを検知する蓋体センサ58(図11参照)を更に備えてもよい。蓋体センサ58は、例えば、蓋体2が予め定められた位置に載置されたときに蓋体2によって押し下げられてオン状態となるメカスイッチ式のセンサである。蓋体センサ58はこれに限定されず、例えば、重量センサ、赤外線センサ、光センサ等のセンサであってもよい。
【0081】
図10は、図4の洗米装置6の構成例を模式的に示す断面図である。洗米装置6は、洗米モータ61と、洗米羽根62と、洗米槽63と、開閉弁64とを備える。
【0082】
洗米モータ61は、洗米羽根62を回転させる動力を発生させる駆動源である。洗米羽根62は、洗米モータ61の出力軸61aに取り付けられ、出力軸61aの軸周りに回転するように構成されている。洗米槽63は、洗米装置6内に送られた米及び水を収容する部分であり、下方に向かって直径が小さくなるようにテーパ状に形成されている。洗米羽根62は、洗米槽63のテーパ状の内壁面に沿って回転することで、洗米槽63内の米及び水を洗米するように構成されている。洗米槽63には、排水管71が接続されている。洗米槽63内で洗米に使用された水は、排水管71を通じて排水タンク7に送られる。開閉弁64は、洗米槽63の底部を開閉可能に構成されている。開閉弁64が開放されることにより、洗米槽63内で洗米された米が鍋5内に落下する。
【0083】
図7に示すように、炊飯器100は、筐体1の本体部11の内部に、制御部15を備える。制御部15は、炊飯器100の全体の動作を制御する。
【0084】
図11は、制御部15のハードウェア構成を例示するブロック図である。制御部15は、演算回路51と、記憶装置52と、入力インタフェース(I/F)53と、出力インタフェース54と、通信インタフェース55とを備える。
【0085】
演算回路51は、例えば、CPU、MPU、FPGA等の回路で構成され、情報処理を行って制御部15の機能を実現する。このような情報処理は、例えば、演算回路51が記憶装置52に格納されたプログラムを実行することにより実現される。
【0086】
記憶装置52は、制御部15の機能を実現するために必要なプログラム、中止フラグ、投入完了フラグ等の情報を記録する記録媒体である。記憶装置52は、例えば、フラッシュメモリ、ROM、RAM、その他の記録媒体単独で又はそれらを組み合わせて実現される。記憶装置52は、ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)等の半導体記憶装置、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気記憶装置を含んでもよい。
【0087】
入力インタフェース53は、入力装置16からの情報を受け付けるために、制御部15と入力装置16とを接続するインタフェース回路である。入力インタフェース53は、既存の有線通信規格又は無線通信規格に従って入力装置16とデータ通信を行う通信回路であってもよい。入力装置16は、例えば、温度センサ14、入力ボタン21B、許可スイッチ22、水容器センサ32、水位センサ33、米容器センサ44、貯米量センサ45、開閉センサ56、鍋センサ57等を含む。
【0088】
出力インタフェース54は、出力装置17に情報を出力するために、制御部15と出力装置17とを接続するインタフェース回路である。出力インタフェース54は、既存の有線通信規格又は無線通信規格に従って出力装置17とデータ通信を行う通信回路であってもよい。出力装置17は、例えば、加熱部13、ディスプレイ21A、洗米モータ61、開閉弁64、排水ポンプ72、排水ポンプ84、送米ファン92等を含む。
【0089】
通信インタフェース55は、既存の有線通信規格又は無線通信規格に従ってデータ通信を行う通信回路である。演算回路51は、通信インタフェース55及びネットワーク18を介して、後述の端末200及びサーバ装置300(図12参照)と通信可能に構成される。
【0090】
図12は、本実施形態に係る炊飯器100の遠隔制御システム10の構成例を示す模式図である。遠隔制御システム10は、炊飯器100と、1又は複数の端末200と、サーバ装置300とを含む。端末200は、スマートフォン、タブレット端末、デスクトップ型PC、ノート型PC等の情報処理装置を含む。炊飯器100、端末200、及びサーバ装置300は、例えば、それぞれネットワーク18に接続されている。
【0091】
サーバ装置300は、演算回路301と、記憶装置302と、通信インタフェース303とを備える情報処理装置である。
【0092】
演算回路301は、例えば、CPU、MPU、FPGA等の回路で構成され、情報処理を行ってサーバ装置300の機能を実現する。このような情報処理は、例えば、演算回路301が記憶装置302に格納されたプログラムを実行することにより実現される。
【0093】
記憶装置302は、サーバ装置300の機能を実現するために必要なプログラム及びデータを含む種々の情報を記録する記録媒体である。記憶装置302は、例えば、ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)等の半導体記憶装置、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気記憶装置、フラッシュメモリ、ROM、RAM、その他の記録媒体単独で又はそれらを組み合わせて実現される。
【0094】
通信インタフェース303は、既存の有線通信規格又は無線通信規格に従ってデータ通信を行う通信回路である。演算回路301は、通信インタフェース303及びネットワーク18を介して、炊飯器100及び端末200と通信可能に構成される。
【0095】
サーバ装置300は、1台のコンピュータによって実現されてもよいし、複数のコンピュータが協働することによって実現されてもよい。また、サーバ装置300は、クラウドサーバであってもよい。
【0096】
端末200は、例えば、炊飯器100を遠隔制御するためのアプリケーションソフトウェアを、サーバ装置300又は他のコンピュータからダウンロードしてインストールすることができる。端末200のユーザは、アプリケーションソフトウェアを起動して炊飯器100の状態を確認することができる。また、端末200のユーザは、端末200上でアプリケーションソフトウェアを操作し、炊飯器100を遠隔制御することができる。例えば、端末200のユーザは、端末200を用いてアプリケーションソフトウェアを操作することにより、炊飯器100についての遠隔操作入力をサーバ装置300に送信する。サーバ装置300は、端末200から受信した遠隔操作入力に基づいて、遠隔操作指示を炊飯器100に送信する。炊飯器100の制御部15は、受信した遠隔操作指示に従って動作する。
【0097】
このような遠隔操作指示は、遠隔操作入力によるものであって、一連の炊飯動作の開始を指示する炊飯開始指示、設定時刻に炊飯を開始又は完了させるための炊飯予約指示、炊飯又は保温動作の中止を指示する中止指示、設定変更指示等を含む。
【0098】
また、炊飯器100の情報が、サーバ装置300を介して端末200に送信され、送信された情報が端末200のユーザに報知されてもよい。例えば、水位センサ33の検知結果に基づいて算出された水容器3内の水の残量、貯米量センサ45によって検知された貯米量等が、端末200のディスプレイに表示される。これにより、ユーザは、炊飯が可能か否かを判断することができる。
【0099】
以上のように、炊飯器100は、端末200により遠隔操作可能に構成されている。
【0100】
[炊飯動作]
以下、炊飯器100の動作について説明する。図13は、炊飯器100による炊飯動作の全体的な流れを例示するフローチャートである。図13の処理は、制御部15の演算回路51によって行われる。
【0101】
まず、ステップS1において、演算回路51は、炊飯開始指示を受信したか否かを判断する。炊飯開始指示は、ローカル操作によるものと、遠隔操作によるものとを含む。ローカル操作による炊飯開始指示は、ユーザが入力ボタン21Bを操作することによって、入力インタフェース53を介して演算回路51に入力されるもの(図1,11等参照)である。遠隔操作による炊飯開始指示は、ユーザが端末200を操作することにより、ネットワーク18及び通信インタフェース55を介して演算回路51に入力されるもの(図12参照)である。さらに、炊飯開始指示は、演算回路51自身によって発せられる自発指示を含んでもよい。自発指示は、例えば、演算回路51が炊飯予約状態である場合に、予約設定に応じて炊飯を開始すべき時刻となったときに発せられる。
【0102】
演算回路51は、炊飯開始指示を受信した場合(S1でYes)、ステップS2に進み、炊飯開始指示を受信していない場合(S1でNo)、ステップS1に戻る。
【0103】
ステップS2において、演算回路51は、中止フラグ(後述の図14のステップS23参照)がオン状態であるか否かを判断する。中止フラグは、初期状態がオフ状態であり、中止指示に基づき炊飯又は保温動作が中止された場合にオン状態とされるフラグである。中止フラグは、例えば、ステップS2とS4との間、及びステップS3とS4との間でリセットされてオフ状態となる。演算回路51は、中止フラグがオン状態であると判断した場合(S2でYes)、ステップS3に進む。演算回路51は、中止フラグがオン状態でないと判断した場合(S2でNo)、例えば中止フラグがオフ状態であると判断した場合、ステップS4に進む。
【0104】
ステップS3については、炊飯動作の一連の流れ(S4~S11)を説明した後に説明する。
【0105】
ステップS4において、演算回路51は、送米工程及び送水工程を行う。送米工程は、米容器4内の米を洗米装置6内に送る工程である。送米工程において、演算回路51は、炊飯情報に応じて予め決められた時間、送米装置93を駆動させて、米容器4内の米を送米管91内に移動させるとともに、送米ファン92を駆動させて、送米管91内の米を洗米装置6内に送る。送水工程は、水容器3内の水を洗米装置6内に送る工程である。送水工程において、演算回路51は、炊飯情報に応じて予め決められた時間、送水ポンプ83を駆動させて、水容器3内の水を容器側送水管82及び蓋体側送水管81を通じて洗米装置6内に送る。送米工程と送水工程とは、順に行われてもよいし、同時に行われてもよい。送米工程で洗米装置6に送る米の量は、表示操作部21を用いてユーザによって選択された炊飯量に対応する量(以下、「設定炊飯量」という。)の全量であってもよいし、当該設定炊飯量を複数分割した量であってもよい。
【0106】
次のステップS5において、演算回路51は、選択部42又は端末200によって無洗米モードが選択されているか否かを判断する。無洗米モードが選択されていないと判断した場合(S5でNo)、演算回路51は、洗米ステップS6、排水ステップS7、注水ステップS8を順に行った後、ステップS9に進む。ステップS5において無洗米モードが選択されていると判断した場合(S5でYes)、演算回路51は、ステップS6~S8を行わずにステップS9に進む。
【0107】
洗米ステップS6は、洗米装置6内に供給された水を用いて、洗米装置6内に供給された米を洗米する工程である。演算回路51は、炊飯情報に応じて予め決められた時間、洗米装置6を駆動して、洗米装置6内の米及び水によって洗米を行う。
【0108】
排水ステップS7は、洗米後の水を洗米装置6外に排出する工程である。演算回路51は、炊飯情報に応じて予め決められた時間、排水ポンプ72を駆動して、排水管71を通じて洗米後の水を洗米装置6から排水タンク7に排出する。
【0109】
注水ステップS8は、洗米装置6の内壁に洗米後の米が付着して鍋5内に落下しないことを抑えるために、水容器3内の水を洗米装置6に送る工程である。注水ステップS8において、演算回路51は、炊飯情報に応じて予め決められた時間、送水ポンプ83を駆動させて、水容器3内の水を容器側送水管82及び蓋体側送水管81を通じて洗米装置6内に送る。
【0110】
ステップS9において、演算回路51は、洗米装置6の開閉弁64を開放して、洗米装置6内の米及び水を鍋5内に投入する。次のステップS10において、演算回路51は、鍋5内への米及び水の投入が完了したことを示す投入完了フラグをオン状態にする。投入完了フラグは、初期状態がオフ状態であるフラグであり、保温動作の完了後、又は、保温動作が行われない場合には炊飯ステップS11の完了後にリセットされてオフ状態となる。
【0111】
次のステップS11において、演算回路51は、炊飯工程を行う。例えば、炊飯工程においては、炊飯シーケンスが実行される。ここで、「炊飯シーケンス」とは、予熱、昇温、沸騰維持、蒸らしの主として4つの工程を順に実行するにあたって、各工程において通電時間、加熱温度、加熱時間、加熱出力等が予め決められている炊飯の手順をいう。複数の炊飯コースのそれぞれに対応する複数の炊飯シーケンスが準備されてもよい。炊飯シーケンスを実行するためのプログラムは、例えば記憶装置302に格納される。本実施形態において、演算回路51は、表示操作部21又は端末200を用いてユーザによって選択された炊飯情報及び温度センサ14の検知温度に基づいて、加熱部13を制御し、炊飯工程を実行する。
【0112】
炊飯ステップS11が完了した後、鍋5の温度を設定された保温温度に保つ保温動作が実行されてもよい。
【0113】
以上のようにして、本実施形態に係る炊飯器は、洗米から炊飯まで自動的に行うことができる。以下、ステップS3について説明する。
【0114】
ステップS3において、演算回路51は、予め定められた炊飯開始条件が満たされているか否かを判断し、Yesの場合はステップS4に進み、Noの場合はステップS1に戻る。すなわち、炊飯開始条件が満たされていない場合、演算回路51は、ステップS4~S11の炊飯動作を実行しない。このように、端末200のユーザ操作に基づいて遠隔操作による炊飯開始指示が炊飯器100に対して送信されたにもかかわらず、制御部15の演算回路51が炊飯動作を実行しないことを、本明細書では、「制御部15が端末200からの炊飯開始指示を受け付けない」と表現することがある。「制御部15が端末200からの炊飯開始指示を受け付けない」は、入力ボタン21Bの操作などのローカル操作による炊飯開始指示が制御部15に入力されたにもかかわらず、制御部15の演算回路51が炊飯動作を実行しないことも含む。
【0115】
炊飯開始条件の一例は、開閉センサ56が、蓋体2が開いた後に閉じたことを検知したこと(以下、「炊飯開始条件1」という。)である。開閉センサ56は、蓋体2が開いたことと閉じたこととを検知し、演算回路51が、開閉センサ56の検知結果に基づいて、開閉の時間的前後関係を検知してもよい。
【0116】
例えば、前回実行された炊飯又は保温動作が中止された後に蓋体2が閉じたままである場合、鍋5内に米が残ったままである事態があり得る。このような場合に、ユーザの遠隔操作による炊飯開始指示に従って米及び水を投入するステップS9が行われると、米が鍋5外に漏れ出たり、米に火が通らなかったりして炊飯が失敗するなど、ユーザの意図通りの炊飯が行われない。このように炊飯された炊飯物は、空の炊飯部に米及び水が供給されて適切に炊飯された炊飯物に比べて、食味が落ちるおそれがある。炊飯開始条件1が満たされて、蓋体2が開いた後に閉じた場合には、蓋体2を開けた者によって鍋5内に残った米及び水が除去されたことが想定できる。このように、炊飯開始条件1を設けることにより、鍋5内に残った米及び水の上から更に米及び水が投入されてしまうなど、ユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0117】
炊飯開始条件の他の例は、蓋体センサ58が、蓋体2が筐体1に取り付けられていない状態から取り付けられた状態になったことを検知したこと(以下、「炊飯開始条件2」という。)である。蓋体センサ58は、蓋体2が筐体1に取り付けられていないことと、取り付けられていることとを検知し、演算回路51が、蓋体センサ58の検知結果に基づいて、両状態の時間的前後関係を検知してもよい。炊飯開始条件2が満たされて、蓋体2が筐体1に取り付けられていない状態から取り付けられた状態になった場合には、蓋体2を筐体1から取り外し又は筐体1に取り付けた者によって、鍋5内に残った米及び水が除去されたことが想定できる。このように、炊飯開始条件2を設けることにより、鍋5内に残った米及び水の上から更に米及び水が投入されてしまうなど、ユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0118】
炊飯開始条件の他の例は、鍋センサ57が、筐体1から鍋5が取り外された後に筐体1内に鍋5が収容されたことを検知したこと(以下、「炊飯開始条件3」という。)である。鍋センサ57は、筐体1内における鍋5の有無を検知し、演算回路51が、鍋センサ57の検知結果に基づいて、筐体1から鍋5が取り外された後に筐体1内に鍋5が収容されたことを検知してもよい。炊飯開始条件3が満たされて、筐体1から鍋5が取り外された後に筐体1内に鍋5が収容された場合には、ユーザによって鍋5内に残った米及び水が除去されたことが想定できる。このように、炊飯開始条件3を設けることにより、鍋5内に残った米及び水の上から更に米及び水が投入されてしまうなど、ユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0119】
炊飯開始条件の他の例は、許可スイッチ22がオン状態であること(以下、「炊飯開始条件4」という。)である。ユーザが許可スイッチ22を押下してオン状態とした場合には、ユーザによって鍋5内に残った米及び水が除去されたことが想定できる。このように、炊飯開始条件4を設けることにより、鍋5内に残った米及び水の上から更に米及び水が投入されてしまうなど、ユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0120】
炊飯開始条件の他の例は、炊飯ステップS11の完了後に、温度センサ14が、鍋5の温度が予め定められた閾値以下であることを検知したこと(以下、「炊飯開始条件5」という。)である。当該閾値は、例えば、保温温度より数℃~10℃低い相対値に設定される。あるいは、当該閾値は、常温、25℃~75℃等の絶対的な値に設定される。炊飯開始条件5が満たされている場合には、保温動作が完了又は中断し、ユーザによって鍋5内に残った米及び水が除去されたことが想定できる。このように、炊飯開始条件5を設けることにより、鍋5内に残った米及び水の上から更に米及び水が投入されてしまうなど、ユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0121】
炊飯開始条件の他の例は、演算回路51が炊飯中止指示を受信又は受け付けた時刻、例えば中止フラグがオン状態となった時刻から、予め定められた時間が経過したことと(以下、「炊飯開始条件6」という。)である。中止フラグがオン状態となった時刻、すなわち中止指示に基づき炊飯又は保温動作が中止された時刻からある程度の時間が経過している場合には、ユーザによって鍋5内に残った米及び水が除去されたことが期待できる。このように、炊飯開始条件6を設けることにより、鍋5内に残った米及び水の上から更に米及び水が投入されてしまうなど、ユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0122】
[中止動作]
以下、中止動作について説明する。中止動作は、炊飯器100の種々の動作を中止する動作である。中止動作の一例は、演算回路51が図13の炊飯動作又は保温動作を開始した後、受信した中止指示に基づいて、実行中の動作を中止する動作である。図14は、中止動作の流れを例示するフローチャートである。図14の中止動作は、制御部15の演算回路51によって行われる。図14の中止動作は、図13の炊飯動作と並行して、又は図13の炊飯動作の途中に割り込んで行われてもよい。
【0123】
まず、図14のステップS20において、演算回路51は、中止指示を受信したか否かを判断する。中止指示は、図13のステップS1の炊飯開始指示と同様に、ローカル操作によるものと、遠隔操作によるものとを含む。
【0124】
演算回路51は、中止指示を受信した場合(S20でYes)、ステップS21に進み、中止指示を受信していない場合(S20でNo)、ステップS20に戻る。すなわち、演算回路51は、中止指示を受信しない限り、ステップS21以降の処理を行わない。
【0125】
ステップS21において、演算回路51は、投入完了フラグがオン状態であるか否かを判断する。演算回路51は、投入完了フラグがオン状態であると判断した場合(S21でYes)、ステップS24に進み、投入完了フラグがオン状態でないと判断した場合(S21でNo)、例えば投入完了フラグがオフ状態であると判断した場合、ステップS22に進む。
【0126】
演算回路51は、ステップS22において実行中である炊飯動作又は保温動作を中止し、次のステップS23において中止フラグをオン状態にする。
【0127】
ステップS24において、演算回路51は、ステップS20で受信した中止指示が遠隔操作によるものであるか否かを判断する。演算回路51は、受信した中止指示が遠隔操作によるものであると判断した場合(S24でYes)、ステップS25に進み、受信した中止指示が遠隔操作によるものでないと判断した場合(S24でNo)、例えば受信した中止指示がローカル操作によるものであると判断した場合、ステップS22に進む。
【0128】
ステップS25において、演算回路51は、予め定められた中止条件が満たされているか否かを判断する。中止条件は、演算回路51が遠隔操作による中止指示を受け付けるための条件である。中止条件が満たされていると判断した場合(S25でYes)、演算回路51は、中止ステップS22に進んで実行中である炊飯動作又は保温動作を中止する。一方、中止条件が満たされていないと判断した場合(S25でNo)、演算回路51は、中止ステップS22を実行しない。
【0129】
このように、端末200のユーザ操作に基づいて遠隔操作による中止指示が炊飯器100に対して送信されたにもかかわらず、制御部15の演算回路51が炊飯動作を実行しないことを、本明細書では、「制御部15が端末200からの中止指示を受け付けない」と表現することがある。
【0130】
中止条件が満たされていないと判断した場合(S25でNo)、演算回路51は、ステップS26を行ってもよい。ステップS26において、演算回路51は、サーバ装置300に信号を送信し、信号を受信したサーバ装置300が、アプリケーションソフトウェアによって、中止指示を送信した端末200に、中止指示を受け付けない旨を表示するなどの報知動作を行う。これにより、端末200を用いて中止指示を送信したユーザに対して、中止指示が受け付けられない旨を報知することができる。報知の方法は、端末200のディスプレイ等への表示の他、音声による報知であってもよい。
【0131】
上記の中止条件の一例は、炊飯ステップS11が完了したことである。鍋5内への米及び水の投入が完了して投入完了フラグがオン状態となっているにもかかわらず、1又は複数の端末200が自由に炊飯動作を中止できるとすると、炊飯開始指示を送信した端末200のユーザの意図する炊飯が遂行できない。さらに、中止後に1又は複数の端末200が、サーバ装置300を介して炊飯器100に対して自由に炊飯開始指示を送信できるとすると、米及び水が再び投入されて(S9)米が鍋5外に漏れ出たり、米に火が通らなかったりして炊飯が失敗するおそれがある。制御部15が、サーバ装置300を介して炊飯器100に対して炊飯開始指示を送信した端末200、又は他の端末200からの中止指示を、炊飯が完了しない限り受け付けないことにより、炊飯動作の途中で炊飯動作が不用意に中止されることを防止することができる。さらに、中止後に炊飯開始指示がされ、鍋5内に残った米及び水の上から更に米及び水が投入されてしまうなど、ユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0132】
[炊飯予約動作]
以下、炊飯予約動作について説明する。炊飯予約動作は、ユーザによって設定された時刻に炊飯を開始又は完了させるための動作である。図15は、炊飯予約動作の流れを例示するフローチャートである。図15の炊飯予約動作は、制御部15の演算回路51によって行われる。
【0133】
まず、ステップS30において、演算回路51は、炊飯予約指示を受信したか否かを判断する。炊飯予約指示は、炊飯開始指示及び中止指示と同様に、ローカル操作によるものと、遠隔操作によるものとを含む。炊飯予約指示は、例えば、炊飯完了時刻を含む。例えば、ユーザは、17時に炊飯を完了させたい場合は、炊飯完了時刻を17時に設定する。炊飯予約指示は、炊飯完了時刻に代えて、炊飯開始時刻を含んでもよい。
【0134】
演算回路51は、炊飯予約指示を受信した場合(S30でYes)、ステップS31に進み、中止指示を受信していない場合(S30でNo)、ステップS30に戻る。すなわち、演算回路51は、炊飯予約指示を受信しない限り、ステップS31以降の処理を行わない。
【0135】
ステップS31において、演算回路51は、炊飯器100の動作モードを炊飯予約状態に設定し、ステップS32に進む。
【0136】
ステップS32において、演算回路51は、炊飯予約状態における炊飯器100の異常が検知されたか否かを判断する。炊飯予約状態において炊飯器100に異常があると、炊飯を正常に行うことができない。演算回路51は、異常が検知されていないと判断した場合(S32でNo)、ステップS33に進む。
【0137】
ステップS33において、演算回路51は、炊飯完了時刻に対応する炊飯開始時刻が到来するのを待ち、到来した場合にステップS34に進む。例えば、炊飯完了時刻が17時であり、炊飯動作(図13参照)に要する時間が1時間である場合、演算回路51は、16時になったときにステップS34に進む。
【0138】
ステップS34において、演算回路51は、炊飯開始指示を行う。ステップS34の炊飯開始指示は、図13の炊飯動作を開始するための指示である。演算回路51は、ステップS34の炊飯開始指示を行った場合、図13のステップS1において炊飯開始指示を受信した場合と同様の動作を行う。あるいは、演算回路51は、ステップS34において、実際に演算回路51自身に対して炊飯開始指示を送信してもよい。
【0139】
ステップS32において、演算回路51は、異常が検知されたと判断した場合(S32でYes)、ステップS35に進む。このような異常として、例えば、炊飯器100のある自宅にいる人による誤操作、子どもによるいたずら等によって引き起こされるものが想定される。
【0140】
異常の一例は、炊飯器100が炊飯予約状態であるときに蓋体2が開いていることである。蓋体2が開いていると、炊飯を正常に行うことができない。例えば、開閉センサ56が、蓋体2が開いていることを検知したとき、演算回路51は、異常が検知されたと判断する。
【0141】
異常の他の例は、炊飯器100が炊飯予約状態であるときに蓋体2が筐体1から取り外されていることである。蓋体2が筐体1から取り外されていると、炊飯を正常に行うことができない。例えば、蓋体センサ58が、蓋体2が筐体1に取り付けられていないことを検知したとき、演算回路51は、異常が検知されたと判断する。
【0142】
異常の他の例は、炊飯器100が炊飯予約状態であるときに、筐体1の台部12の所定位置に水容器3が取り付けられていないこと、又は、筐体1の所定位置に米容器4が取り付けられていないことである。所定位置に米容器4又は水容器3が取り付けられていないと、炊飯器100は、鍋5内に米又は水を供給することができず、炊飯を正常に行うことができない。例えば、水容器センサ32が、筐体1の台部12の所定位置に水容器3が取り付けられていないことを検知したとき、演算回路51は、異常が検知されたと判断する。例えば、米容器センサ44が、筐体1の所定位置に米容器4が取り付けられていないことを検知したとき、演算回路51は、異常が検知されたと判断する。
【0143】
異常の他の例は、炊飯器100が炊飯予約状態であるときに、水容器3内の水位が、炊飯を行うために必要な水の量に対応する水位閾値に達していないこと、又は、貯米量が、炊飯を行うために必要な量に達していないことである。このような異常があると、水又は米が足りず、炊飯器100は、炊飯を正常に行うことができない。例えば、水位センサ33が、水容器3内の水位が水位閾値に達していないことを検知したとき、演算回路51は、異常が検知されたと判断する。例えば、貯米量センサ45が、貯米量が炊飯を行うために必要な量に達していないことを検知したとき、演算回路51は、異常が検知されたと判断する。
【0144】
異常が検知された場合、ステップS35において、演算回路51は、異常があることをユーザに通知する。例えば、演算回路51は、ディスプレイ21Aに異常がある旨を表示し、及び/又は、異常があることを示す警告音をスピーカに出力させることにより、異常があることをユーザに通知する。
【0145】
また、ステップS35の通知は、遠隔通知も含む。例えば、演算回路51は、異常が検知されたことを示す異常検知信号をサーバ装置300に送信する。サーバ装置300は、異常検知信号を受信した場合、炊飯器100の炊飯予約状態を継続すべきか否かを確認するための情報を、端末200に送信する。この情報の送信は、サーバ装置300が、アプリケーションソフトウェアによって、端末200のディスプレイに、炊飯予約状態を継続すべきか否かを確認するテキストを表示させるための情報の送信を含む。
【0146】
次のステップS36において、演算回路51は、炊飯開始時刻までに予約継続指示を受信したか否かを判断する。予約継続指示は、炊飯開始指示、中止指示、及び炊飯予約指示と同様に、ローカル操作によるものと、遠隔操作によるものとを含む。例えば、端末200のユーザが、アプリケーションソフトウェアを操作して炊飯予約状態を継続すべきことを選択した場合、サーバ装置300が炊飯器100に予約継続指示を送信する。本明細書では、このように、制御部15の演算回路51が、ユーザによる端末200の操作に基づいてサーバ装置300が炊飯器100に送信した予約継続指示を受信することも、「制御部15が端末200から予約継続指示を受信する」と表現することがある。
【0147】
炊飯開始時刻までに予約継続指示を受信した場合(S36でYes)、演算回路51は、ステップS33に進む。炊飯開始時刻までに予約継続指示を受信しなかった場合(S36でNo)、演算回路51は、ステップS34を実行せずに図15のフローを終了し、炊飯を行わない。
【0148】
このようにして、炊飯予約状態における炊飯器100の異常が検知された場合には、ユーザに炊飯予約状態を継続すべきか否かを確認することにより、異常がある状態で炊飯が行われてユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0149】
図16は、図15の炊飯予約動作の変形例を示すフローチャートである。図16の炊飯予約動作の変形例は、図15のステップS36に代えて、ステップS37を含む。
【0150】
ステップS37において、演算回路51は、炊飯開始時刻までにステップS32で検知された異常が解消されたか否か、及び、炊飯開始時刻までに予約継続指示を受信したか否かを判断する。炊飯開始時刻までに異常が解消された場合、又は、炊飯開始時刻までに予約継続指示を受信した場合(S37でYes)、演算回路51は、ステップS33に進む。図16の炊飯予約動作の変形例では、図15と異なり、異常が解消された場合には、炊飯開始時刻までに予約継続指示を受信しないときであっても、炊飯を開始することができる。
【0151】
[排他制御]
遠隔制御システム10は、炊飯器100の制御部15が端末200から炊飯開始指示又は設定変更指示を受け付けた後は、炊飯が完了するまで、炊飯器100の制御部15が他の端末からの操作指示を受け付けないように、排他制御を実現してもよい。図17は、このような排他制御の一例を示すシーケンス図である。
【0152】
図17において、ユーザ操作に基づいて端末200aが炊飯開始指示を含む遠隔操作入力をサーバ装置300に送信し(S40)、これに応じてサーバ装置300が炊飯開始指示を炊飯器100に送信する(S60)。炊飯開始指示を受信した炊飯器100の演算回路51は、所定の条件が満たされている場合には炊飯動作S4~S11(図13参照)を実行する。
【0153】
炊飯器100の炊飯動作中に他の端末200bが炊飯中止指示を含む遠隔操作入力をサーバ装置300に送信(S50)した場合、サーバ装置300は、炊飯中止指示を炊飯器100に送信しない。この場合、サーバ装置300は、「他のユーザが炊飯を実行中のため、指示を受け付けません」などの受付拒否メッセージを端末200bに送信してもよい(S51)。このような受付拒否メッセージの送信は、サーバ装置300が、アプリケーションソフトウェアによって、端末200bに、受付拒否メッセージを表示させるなどの通知動作であってもよい。
【0154】
サーバ装置300は、遠隔操作入力が端末200a,200bのいずれから送信されたかを特定するために、例えばアプリケーションソフトウェアの登録IDを利用する。登録IDは、操作対象である炊飯器100に紐づけられる。家族など複数の者が炊飯器100を遠隔操作する利用形態があるため、1つの炊飯器100には、複数の登録IDが紐づけられてもよい。あるいは、サーバ装置300は、遠隔操作入力が端末200a,200bのいずれから送信されたかを特定するために、MACアドレス等の端末200a,200bに固有の機器識別情報を利用してもよい。
【0155】
上記では端末200bによって炊飯中止指示が送信される例について説明したが、炊飯開始指示、炊飯予約指示、設定変更指示等の他の操作指示についても同様である。すなわち、炊飯器100の炊飯動作中に、他の端末200bが炊飯器100に何らかの操作指示を送信しようとしても、サーバ装置300は、当該操作指示を炊飯器100に送信しない。炊飯器100の制御部15は、炊飯が完了した後は、端末200bからの炊飯開始指示を受け付けることができる(S52,S62)。
【0156】
また、上記では、端末200aによって炊飯開始指示が送信される例について説明したが、設定変更指示及び炊飯予約指示についても同様である。例えば、ユーザ操作に基づいて端末200aが設定変更指示を含む遠隔操作入力をサーバ装置300に送信し、これに応じてサーバ装置300が設定変更指示を炊飯器100に送信した場合、炊飯器100の制御部15は、炊飯が完了しない限り、端末200bからの操作指示を受け付けない。
【0157】
このように、排他制御を設けることにより、炊飯を開始させたユーザ以外の者による炊飯開始指示により、炊飯器100の鍋5内に残った米及び水の上から更に米及び水が投入されてしまうことを防止することができる。また、排他制御を設けることにより、炊飯を開始させたユーザによる炊飯設定が、当該ユーザ以外の者によって変更されてしまうことを防止することができる。
【0158】
なお、上記では、炊飯器100の炊飯動作中に他の端末200bが炊飯中止指示を含む遠隔操作入力をサーバ装置300に送信した場合、サーバ装置300が炊飯中止指示を炊飯器100に送信しない例について説明したが、排他制御はこれに限定されない。例えば、上記の場合、サーバ装置300は通常通り炊飯中止指示を炊飯器100に送信するものの、炊飯器100の制御部15が受信した炊飯中止指示に従わないという意味で、端末200bからの操作指示を受け付けなくてもよい。
【0159】
[効果等]
以上のように、本実施形態に係る炊飯器100は、筐体1と、鍋5と、米を収容する米容器4と、水を収容する水容器3と、送米装置93と、送水ポンプ83と、鍋5を加熱する加熱部13と、制御部15と、通信インタフェース55と、を備える。送米装置93は、米容器4内の米を鍋5内に供給する。送水ポンプ83は、水容器3内の水を鍋5内に供給する。制御部15は、少なくとも、送米装置93、送水ポンプ83、及び加熱部13を制御し、鍋5内に米及び水を供給して加熱することを含む炊飯動作と、加熱部13を制御して鍋5を保温する保温動作と、を行う。通信インタフェース55は、端末200から、炊飯動作の開始を指示する炊飯開始指示、及び/又は、炊飯動作若しくは保温動作の中止を指示する中止指示を含む操作指示信号を無線により受信する。制御部15は、通信インタフェース55が受信した中止指示に従い炊飯動作又は保温動作を中止した後は、予め定められた炊飯開始条件が満たされない限り、通信インタフェース55を介して端末200から炊飯開始指示を受け付けない。
【0160】
本実施形態に係る炊飯器100によれば、鍋5内に米が残った状態で炊飯動作又は保温動作が中止された後に端末200から遠隔操作がされ、鍋5内に残った米の上から更に米及び水が供給されてしまうなど、ユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0161】
本実施形態に係る炊飯器100は、炊飯開始指示を制御部15に入力する入力ボタン21Bを更に備えてもよい。この場合、制御部15は、通信インタフェース55が受信した中止指示に従い炊飯動作又は保温動作を中止した後は、炊飯開始条件が満たされない限り、入力ボタン21Bからの炊飯開始指示を受け付けない。
【0162】
本実施形態に係る炊飯器100によれば、端末200からの遠隔操作により炊飯動作又は保温動作が中止された後、子どもなど、端末200の操作者以外の者により入力ボタン21Bがいたずらに操作されて炊飯開始指示がされることを防止することができる。これにより、鍋5内に残った米の上から更に米及び水が供給されてしまうなど、ユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0163】
本実施形態に係る炊飯器100は、鍋5の開口部5aを開閉自在に覆う蓋体2と、蓋体2の開閉を検知する開閉センサ56と、を更に備えてもよい。この場合、制御部15が、通信インタフェース55が受信した中止指示に従い炊飯動作又は保温動作を中止した後、開閉センサ56が、蓋体2が開いた後に閉じたことを検知したとき、炊飯開始条件が満たされ、制御部15は、炊飯開始指示を受け付け可能となる。
【0164】
蓋体2が開いた後に閉じた場合には、蓋体2を開けた者によって鍋5内に残った米及び水が除去されたことが想定できる。したがって、本実施形態に係る炊飯器100によれば、鍋内に残った米の上から更に米及び水が投入されてしまうなど、ユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0165】
本実施形態に係る炊飯器100は、筐体1に着脱可能に取り付けられ、筐体1に取り付けられた場合に鍋5の開口部5aを開閉自在に覆う蓋体2と、蓋体2が筐体1に取り付けられているか否かを検知する蓋体センサ58と、を更に備えてもよい。この場合、制御部15が、通信インタフェース55が受信した中止指示に従い炊飯動作又は保温動作を中止した後、蓋体センサ58が、蓋体2が筐体1に取り付けられていない状態から取り付けられた状態になったことを検知したとき、炊飯開始条件が満たされ、制御部15は、炊飯開始指示を受け付け可能となる。
【0166】
蓋体2が筐体1に取り付けられていない状態から取り付けられた状態になった場合には、蓋体2を筐体1から取り外し又は筐体1に取り付けた者によって、鍋5内に残った米及び水が除去されたことが想定できる。したがって、この構成によれば、鍋5内に残った米の上から更に米及び水が投入されてしまうなど、ユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0167】
鍋5は、筐体1に取外し可能に収容されてもよい。本実施形態に係る炊飯器100は、筐体1に鍋5が収容されていることと、筐体1から鍋5が取り外されていることとを検知する鍋センサ57を更に備えてもよい。この場合、制御部15が、通信インタフェース55が受信した中止指示に従い炊飯動作又は保温動作を中止した後、鍋センサ57が、筐体1から鍋5が取り外された後に筐体1に鍋5が収容されたことを検知したとき、炊飯開始条件が満たされる。炊飯開始条件が満たされると、制御部15は、炊飯開始指示を受け付け可能となる。
【0168】
筐体1から鍋5が取り外された後に筐体1内に鍋5が収容された場合には、ユーザによって鍋5内に残った米及び水が除去されたことが想定できる。したがって、本実施形態に係る炊飯器100によれば、鍋5内に残った米及び水の上から更に米及び水が投入されてしまうなど、ユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0169】
本実施形態に係る炊飯器100は、オン状態にされることにより制御部15が端末200からの炊飯開始指示を受け付けることを許可する許可スイッチ22を更に備えてもよい。この場合、制御部15が、通信インタフェース55が受信した中止指示に従い炊飯動作又は保温動作を中止した後、許可スイッチ22がオン状態であるとき、炊飯開始条件が満たされ、制御部15は、炊飯開始指示を受け付け可能となる。
【0170】
ユーザが許可スイッチ22を押下してオン状態とした場合には、ユーザによって鍋5内に残った米及び水が除去されたことが想定できる。したがって、本実施形態に係る炊飯器100によれば、鍋5内に残った米及び水の上から更に米及び水が投入されてしまうなど、ユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0171】
本実施形態に係る炊飯器100は、鍋5の温度を検知する温度センサ14を更に備えてもよい。この場合、制御部15が、通信インタフェース55が受信した中止指示に従い炊飯動作又は保温動作を中止した後、炊飯動作の完了後に、温度センサ14が、鍋5の温度が予め定められた閾値以下であることを検知したとき、炊飯開始条件が満たされる。炊飯開始条件が満たされると、制御部15は、炊飯開始指示を受け付け可能となる。
【0172】
鍋5の温度が予め定められた閾値以下である場合には、保温動作が完了又は中断し、ユーザによって鍋5内に残った米及び水が除去されたことが想定できる。したがって、本実施形態に係る炊飯器100によれば、鍋5内に残った米及び水の上から更に米及び水が投入されてしまうなど、ユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0173】
制御部15が、通信インタフェース55が受信した中止指示に従い炊飯動作又は保温動作を中止した後、制御部15が中止指示を受信した時刻から予め定められた時間が経過したとき、炊飯開始条件が満たされてもよい。炊飯開始条件が満たされると、制御部15は、炊飯開始指示を受け付け可能となる。
【0174】
中止指示を受信した時刻からある程度の時間が経過している場合には、ユーザによって鍋5内に残った米及び水が除去されたことが期待できる。したがって、本実施形態に係る炊飯器100によれば、鍋5内に残った米及び水の上から更に米及び水が投入されてしまうなど、ユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0175】
制御部15は、炊飯動作を開始した後は、予め定められた中止条件が満たされない限り、通信インタフェース55を介して端末200から中止指示を受け付けなくてもよい。
【0176】
本実施形態に係る炊飯器100によれば、中止条件が満たされない限り端末200からの遠隔の中止指示を受け付けないことにより、炊飯動作の途中で炊飯動作が不用意に中止されることを防止することができる。さらに、中止条件が満たされない限り端末200からの遠隔の中止指示を受け付けないことにより、中止後に炊飯開始指示がされ、鍋5内に残った米の上から更に米及び水が供給されてしまうなど、ユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0177】
制御部15が炊飯動作を開始した後、炊飯動作が完了したとき、中止条件が満たされてもよい。中止条件が満たされると、制御部15は、通信インタフェース55を介して端末200から中止指示を受け付け可能となる。
【0178】
本実施形態に係る炊飯器100によれば、制御部15は、炊飯動作が完了しない限り端末200からの遠隔の中止指示を受け付けないため、炊飯動作の途中で炊飯動作が不用意に中止されることを防止することができる。
【0179】
制御部15は、設定された時刻に応じた炊飯開始時刻に炊飯動作を開始する炊飯予約状態において、異常を検知したときは、端末200に通知を行ってもよい。
【0180】
本実施形態に係る炊飯器100によれば、ユーザは、通知により異常があることを知り、異常を解消する機会を得ることができる。したがって、異常がある状態で炊飯が行われてユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0181】
制御部15は、通知を行った場合は、炊飯開始時刻より前に端末200から炊飯予約状態を継続する予約継続指示を受信したときに限り、炊飯開始時刻に炊飯動作を開始してもよい。
【0182】
本実施形態に係る炊飯器100によれば、異常がある状態で炊飯が行われてユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0183】
本実施形態に係る炊飯器100は、鍋5の開口部5aを開閉自在に覆う蓋体2と、蓋体2の開閉を検知する開閉センサ56と、を更に備えてもよい。この場合、制御部15は、開閉センサ56が、蓋体2が開いていることを検知したとき、異常を検知し、端末200に通知を行う。
【0184】
蓋体2が開いていると、炊飯を正常に行うことができないが、本実施形態に係る炊飯器100によれば、蓋体2が開いている場合には通知がされるため、蓋体2が開いた状態で炊飯が行われてユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0185】
水容器3は、炊飯器100の予め定められた水容器位置に着脱可能に取り付けられ、炊飯器100は、水容器3が水容器位置に取り付けられているか否かを検知する水容器センサを更に備えてもよい。この場合、制御部15は、炊飯予約状態において、水容器センサが、水容器3が水容器位置に取り付けられていないことを検知したとき、異常を検知し、端末200に通知を行う。
【0186】
水容器位置に水容器3が取り付けられていないと、炊飯器は、鍋5内に水を供給することができず、炊飯を正常に行うことができない。本実施形態に係る炊飯器100によれば、水容器3が水容器位置に取り付けられていない場合には通知がされるため、水容器位置に水容器3が取り付けられていない状態で炊飯が行われてユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0187】
米容器4は、炊飯器100の予め定められた米容器位置に着脱可能に取り付けられ、炊飯器100は、米容器4が米容器位置に取り付けられているか否かを検知する米容器センサを更に備えてもよい。この場合、制御部15は、炊飯予約状態において、米容器センサが、米容器4が米容器位置に取り付けられていないことを検知したとき、異常を検知し、端末200に通知を行う。
【0188】
米容器位置に米容器4が取り付けられていないと、炊飯器は、鍋5内に米を供給することができず、炊飯を正常に行うことができない。本実施形態に係る炊飯器100によれば、米容器4が米容器位置に取り付けられていない場合には通知がされるため、米容器位置に米容器4が取り付けられていない状態で炊飯が行われてユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0189】
本実施形態に係る炊飯器100は、筐体1に着脱可能に取り付けられ、筐体1に取り付けられた場合に鍋5の開口部5aを開閉自在に覆う蓋体2と、蓋体2が筐体1に取り付けられているか否かを検知する蓋体センサ58と、を更に備えてもよい。この場合、制御部15は、炊飯予約状態において、蓋体センサ58が、蓋体2が筐体1に取り付けられていないことを検知したとき、異常を検知し、端末200に通知を行う。
【0190】
蓋体2が筐体1に取り付けられていないと、炊飯を正常に行うことができないが、この構成によれば、蓋体2が筐体1に取り付けられていない状態で炊飯が行われてユーザの意図通りの炊飯が行われない事態を防止することができる。
【0191】
端末200の数は、複数であってもよい。例えば、端末200は、第1の端末200aと第2の端末200bとを含んでもよい。この場合、制御部15は、通信インタフェース55を介して第1の端末200aから炊飯開始指示を受け付けた後は、炊飯動作が完了するまでは、通信インタフェース55を介して第2の端末200bから操作指示信号を受け付けなくてもよい。
【0192】
本実施形態に係る炊飯器100によれば、炊飯を開始させた第1の端末200aのユーザによる炊飯設定が、第2の端末200bを使用する者によって変更されてしまうことを防止することができる。
【0193】
制御部15は、通信インタフェース55を介して第1の端末200aから炊飯動作又は保温動作に関する設定を変更する設定変更指示を受け付けた後は、炊飯動作が完了するまでは、通信インタフェース55を介して第2の端末200bから炊飯開始指示及び設定変更指示を受け付けなくてもよい。
【0194】
本実施形態に係る炊飯器100によれば、第1の端末200aのユーザが既に炊飯を開始させているにもかかわらず、第2の端末200bを使用する者による炊飯開始指示が行われ、鍋5内に残った米の上から更に米及び水が投入されてしまうという事態を防止することができる。
【0195】
(変形例)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用できる。また、上記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。そこで、以下、実施形態の変形例を例示する。
【0196】
(第1変形例)
上記実施形態では、端末200のユーザ操作に基づいて遠隔操作による炊飯開始指示が炊飯器100に対して送信された場合であっても、炊飯開始条件が満たされていないときには、制御部15の演算回路51が炊飯動作を実行しないことを説明した。上記実施形態では、このことを「制御部15が端末200からの炊飯開始指示を受け付けない」の一例として説明した。しかしながら、本開示はこれに限定されない。例えば、炊飯開始条件が満たされていない場合、端末200上のアプリケーションソフトウェアにおいて、炊飯開始のためのユーザによる操作入力が不可能であるように構成されてもよい。このようなアプリケーションソフトウェア上の操作ロックも、本開示の「制御部15が端末200からの炊飯開始指示を受け付けない」に含まれる。
【0197】
(第2変形例)
上記実施形態では、端末200のユーザ操作に基づいて遠隔操作による中止指示が炊飯器100に対して送信された場合であっても、中止条件が満たされていないときには、制御部15の演算回路51が炊飯動作を実行しないことを説明した。上記実施形態では、このことを「制御部15が端末200からの中止指示を受け付けない」の一例として説明した。しかしながら、本開示はこれに限定されない。例えば、中止条件が満たされていない場合、端末200上のアプリケーションソフトウェアにおいて、中止のためのユーザによる操作入力が不可能であるように構成されてもよい。このようなアプリケーションソフトウェア上の操作ロックも、本開示の「制御部15が端末200からの中止指示を受け付けない」に含まれる。
【0198】
(第3変形例)
上記実施形態では、端末200がサーバ装置300を介して炊飯器100を遠隔制御する遠隔制御システム10について説明したが、本開示の遠隔制御はこれに限定されない。例えば、本開示の遠隔制御システムは、端末200と炊飯器100とが直接的に通信を行うことにより、端末200が炊飯器100を遠隔制御可能に構成されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0199】
本開示は、炊飯器に適用可能である。
【符号の説明】
【0200】
1 筐体
1a 一側面
2 蓋体
2a 回動先端部
2b 蓋体側接続部
3 水容器
4 米容器
5 鍋
5a 開口部
6 洗米装置
7 排水タンク
10 遠隔制御システム
11 本体部
11a 一側面
11b 鍋収容部
11c 前面
12 台部
13 加熱部
14 温度センサ
15 制御部
16 入力装置
17 出力装置
18 ネットワーク
21 表示操作部
21A ディスプレイ
21B 入力ボタン
22 許可スイッチ
31 段差部
31a パッキン
32 水容器センサ
33 水位センサ
41 段差部
42 選択部
44 米容器センサ
45 貯米量センサ
51 演算回路
52 記憶装置
53 入力インタフェース
54 出力インタフェース
55 通信インタフェース
56 開閉センサ
57 鍋センサ
58 蓋体センサ
61 洗米モータ
61a 出力軸
62 洗米羽根
63 洗米槽
64 開閉弁
71 排水管
72 排水ポンプ
81 蓋体側送水管
81a 一端部
82 容器側送水管
82a 一端部
83 送水ポンプ
84 排水ポンプ
91 送米管
91a 一端部
92 送米ファン
93 送米装置
100 炊飯器
200 端末
300 サーバ装置
301 演算回路
302 記憶装置
303 通信インタフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17