(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】部品装着装置および部品装着方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20241206BHJP
【FI】
H05K13/02 C
(21)【出願番号】P 2021028024
(22)【出願日】2021-02-25
【審査請求日】2023-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 光男
(72)【発明者】
【氏名】山本 鷹
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-046155(JP,A)
【文献】特開2005-005288(JP,A)
【文献】特開2001-135995(JP,A)
【文献】特開2010-073929(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部品保持具を備えた装着ヘッドと、
部品を送ることにより部品を供給する複数の部品供給部と、
前記複数の部品保持具の先端位置を取得する先端位置取得手段と、
取得された前記複数の部品保持具の先端位置に基づいて、
前記複数の部品保持具の先端位置が前記複数の部品供給部の部品供給位置と一致するように前記複数の部品供給部の送り量の補正量を算出する送り補正量算出部と、
算出された前記送り量の補正量に基づいて、前記複数の部品供給部に送り指令を送出する指令送出部と、
前記複数の部品保持具が保持した部品の保持位置を取得する保持位置取得手段と、を備え、
前記補正量算出部は、前記複数の部品保持具の先端位置が前記複数の部品供給部の前記部品供給位置と一致するように算出された前記送り量の補正量を前記保持位置取得手段によって取得された前記複数の部品保持具が保持した前記部品の保持位置でさらに補正し、
前記指令送出部は、さらに補正された送り量の補正量に基づいて前記複数の部品供給部に送り指令を送出し、
前記複数の部品供給部は、前記送り指令に基づく送り量で部品を送り、
前記装着ヘッドは、前記複数の部品供給部によって供給された複数の前記部品を前記複数の部品保持具で同時に保持する、部品装着装置。
【請求項2】
前記送り補正量算出部は、前記複数の部品保持具の先端位置の重心ラインの位置からの各部品保持具の先端位置のずれ量に基づいて、前記送り量の補正量を算出する、請求項1の部品装着装置。
【請求項3】
送出された前記送り指令に基づく送り量を記憶する記憶部をさらに備え、
前記指令送出部は、前記送り量の補正量と記憶される前記送り指令に基づく送り量に基づいて、前記複数の部品供給部に送り指令を送出する、請求項1または2に記載の部品装着装置。
【請求項4】
複数の部品を基板に装着する部品装着方法であって、
装着ヘッドが備える複数の部品保持具の先端位置を取得する先端位置取得工程と、
取得された前記複数の部品保持具の先端位置に基づいて、
前記複数の部品保持具の先端位置が前記複数の部品供給部の部品供給位置と一致するように部品を送ることにより部品を供給する複数の部品供給部の送り量の補正量を算出する送り補正量算出工程と、
算出された前記送り量の補正量に基づいて、前記複数の部品供給部に送り指令を送出する指令送出工程と、
前記複数の部品供給部が、前記送り指令に基づく送り量で部品を送って前記部品を供給する部品供給工程と、
前記装着ヘッドが、前記複数の部品供給部によって供給された複数の前記部品を前記複数の部品保持具で同時に保持する同時保持工程と、
前記装着ヘッドが保持する複数の前記部品を基板に装着する部品装着工程と、
前記同時保持工程において前記複数の部品保持具が保持した前記部品の保持位置を取得する部品保持位置取得工程と、を含み、
前記補正量算出工程において、前記複数の部品保持具の先端位置が前記複数の部品供給部の前記部品供給位置と一致するように算出された前記送り量の補正量は前記部品保持位置取得工程で取得された前記複数の部品保持具が保持した前記部品の保持位置でさらに補正され、
前記指令送出工程において、前記補正量算出工程でさらに補正された送り量の補正量に基づいて前記複数の部品供給部に送り指令が送出される、部品装着方法。
【請求項5】
送出された前記送り指令に基づく送り量を記憶する送り量記憶工程をさらに含み、
前記指令送出工程において、前記送り量の補正量と記憶される前記送り指令に基づく送り量に基づいて、前記複数の部品供給部に送り指令が送出される、請求項4に記載の部品装着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の部品を基板に装着する部品装着装置および部品装着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の吸着ノズル(部品保持具)を有する装着ヘッドにより、複数のフィーダ(部品供給部)が供給する複数の部品を同時に吸着して保持し、保持する部品を基板に装着する部品装着装置が知られている(例えば、特許文献1)。ところで、複数の吸着ノズルの位置と複数のフィーダの位置は同時吸着が可能なように設計されているが、正規の位置からの吸着ノズルの先端の位置のずれ量が大きい場合、部品の同時吸着に失敗することがある。特許文献1に記載の部品装着装置には、吸着ノズルのずれ量が類似していて同時吸着可能な範囲内にある吸着ノズル毎にグループ分けを行い、グループ毎に同時吸着することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1を含む従来技術では、グループ毎に部品を同時吸着するため部品実装効率が低下するという問題点があった。また、部品のサイズが小さくなると同時吸着可能な吸着ノズルのずれ量の許容範囲も狭くなることからグループ数が増えて現実的に同時吸着ができない場合もあるため、部品のサイズが小さくなっても有効に同時吸着を実現するためにはさらなる改善の余地があった。
【0005】
そこで本発明は、複数の吸着ノズルによる複数の部品の同時吸着を適切に実行することができる部品装着装置および部品装着方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の部品装着装置は、複数の部品保持具を備えた装着ヘッドと、部品を送ることにより部品を供給する複数の部品供給部と、前記複数の部品保持具の先端位置を取得する先端位置取得手段と、取得された前記複数の部品保持具の先端位置に基づいて、前記複数の部品保持具の先端位置が前記複数の部品供給部の部品供給位置と一致するように前記複数の部品供給部の送り量の補正量を算出する送り補正量算出部と、算出された前記送り量の補正量に基づいて、前記複数の部品供給部に送り指令を送出する指令送出部と、前記複数の部品保持具が保持した部品の保持位置を取得する保持位置取得手段と、を備え、前記補正量算出部は、前記複数の部品保持具の先端位置が前記複数の部品供給部の前記部品供給位置と一致するように算出された前記送り量の補正量を前記保持位置取得手段によって取得された前記複数の部品保持具が保持した前記部品の保持位置でさらに補正し、前記指令送出部は、さらに補正された送り量の補正量に基づいて前記複数の部品供給部に送り指令を送出し、前記複数の部品供給部は、前記送り指令に基づく送り量で部品を送り、前記装着ヘッドは、前記複数の部品供給部によって供給された複数の前記部品を前記複数の部品保持具で同時に保持する。
【0007】
本発明の部品装着方法は、複数の部品を基板に装着する部品装着方法であって、装着ヘッドが備える複数の部品保持具の先端位置を取得する先端位置取得工程と、取得された前記複数の部品保持具の先端位置に基づいて、前記複数の部品保持具の先端位置が前記複数の部品供給部の部品供給位置と一致するように部品を送ることにより部品を供給する複数の部品供給部の送り量の補正量を算出する送り補正量算出工程と、算出された前記送り量の補正量に基づいて、前記複数の部品供給部に送り指令を送出する指令送出工程と、前記複数の部品供給部が、前記送り指令に基づく送り量で部品を送って前記部品を供給する部品供給工程と、前記装着ヘッドが、前記複数の部品供給部によって供給された複数の前記部品を前記複数の部品保持具で同時に保持する同時保持工程と、前記装着ヘッドが保持する複数の前記部品を基板に装着する部品装着工程と、前記同時保持工程において前記複数の部品保持具が保持した前記部品の保持位置を取得する部品保持位置取得工程と、を含み、前記補正量算出工程において、前記複数の部品保持具の先端位置が前記複数の部品供給部の前記部品供給位置と一致するように算出された前記送り量の補正量は前記部品保持位置取得工程で取得された前記複数の部品保持具が保持した前記部品の保持位置でさらに補正され、前記指令送出工程において、前記補正量算出工程でさらに補正された送り量の補正量に基づいて前記複数の部品供給部に送り指令が送出される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の吸着ノズルによる複数の部品の同時吸着を適切に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施の形態の部品装着装置の平面図
【
図2】本発明の一実施の形態の部品装着装置が備える装着ヘッドの斜視図
【
図3】本発明の一実施の形態の部品装着装置が備える(a)装着ヘッドに装着された吸着ノズルの先端位置の説明図(b)テープフィーダの部品供給位置の説明図
【
図4】本発明の一実施の形態の部品装着装置の制御系の構成を示すブロック図
【
図5】本発明の一実施の形態の部品装着装置において使用される装着データの一例を示す図
【
図6】本発明の一実施の形態の部品装着装置が備える吸着ノズルが保持した部品の保持位置の説明図
【
図7】本発明の一実施の形態の部品装着装置において使用される(a)送り補正量データの一例を示す図(b)送り補正量の説明図
【
図8】本発明の一実施の形態の部品装着装置において使用される送り位置データの初期状態を示す図
【
図9】本発明の一実施の形態の部品装着装置が備えるテープフィーダの初期状態の説明図
【
図10】本発明の一実施の形態の部品装着装置において使用される送り位置データの部品装着作業中の一例を示す図
【
図11】本発明の一実施の形態の部品装着装置が備えるテープフィーダの部品装着作業中の送り位置の一例を示す説明図
【
図12】本発明の一実施の形態の部品装着装置において使用される送り位置データの部品装着作業中の一例を示す図
【
図13】本発明の一実施の形態の部品装着装置において使用される送り位置データの部品装着作業中の一例を示す図
【
図14】本発明の一実施の形態の部品装着装置において使用される送り位置データの部品装着作業中の一例を示す図
【
図15】本発明の一実施の形態の部品装着方法のフロー図
【
図16】本発明の一実施の形態の部品装着方法における部品ピックアップ工程のフロー図
【
図17】本発明の一実施の形態の部品装着方法における同時吸着工程のフロー図
【
図18】本発明の一実施の形態の部品装着方法における個別吸着工程のフロー図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、部品装着装置、装着ヘッド、テープフィーダの仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1、及び後述する一部では、水平面内で互いに直交する2軸として、基板搬送方向のX軸(
図1における左右方向)、基板搬送方向に直交するY軸(
図1における上下方向)が示される。
図2、及び後述する一部では、水平面と直交する高さ方向としてZ軸(
図2における上下方向)が示される。
図6、及び後述する一部では、Z軸を回転軸とする回転の方向であるθ方向が示される。
【0011】
まず
図1、
図2を参照して、部品装着装置1の構成を説明する。
図1において、部品装着装置1は、部品供給部から供給された部品を基板に装着する部品装着作業を実行する機能を有する。基台2の中央には、基板搬送コンベア3がX軸に沿って配置されている。基板搬送コンベア3は、上流から搬送された基板Bを、装着作業位置に搬入して位置決めして保持する。また、基板搬送コンベア3は、部品装着作業が完了した基板Bを下流に搬出する。
【0012】
基板搬送コンベア3の両側(Y軸の前後方向)には、フィーダベース4が配置されている。それぞれのフィーダベース4に形成されたスロット(図示省略)には、複数のテープフィーダ5がX軸に沿って装着されている。テープフィーダ5は、部品を格納するポケットが所定の間隔で形成された部品テープをフィーダベース4の外側から基板搬送コンベア3に向かう方向(テープ送り方向)にピッチ送りすることにより、以下に説明する装着ヘッドによって部品が取り出される部品供給位置に部品を供給する。
【0013】
すなわち、前側のフィーダベース4に装着されたテープフィーダ5はY軸の正方向(前側から後側に向かう方向)に部品テープをピッチ送りする。また、後側のフィーダベース4に装着されたテープフィーダ5はY軸の負方向(後側から前側に向かう方向)に部品テープをピッチ送りする。このように、フィーダベース4には、複数のテープフィーダ5が装着されている。テープフィーダ5は、部品を送ることにより部品を部品供給位置に供給する部品供給部である。
【0014】
図1において、基台2上面においてX軸における両端部には、リニア駆動機構を備えたY軸ビーム6がY軸に沿って配置されている。Y軸ビーム6には、リニア駆動機構を備えたX軸ビーム7が、Y軸に沿って移動自在に結合されている。X軸ビーム7はX軸に沿って配置されている。X軸ビーム7には、装着ヘッド8がX軸に沿って移動自在に装着されている。
【0015】
図2において、装着ヘッド8は、複数(ここでは、8つ)の部品装着部9を備えている。部品装着部9は、下方から突出するシャフト10をZ軸の上下方向に昇降させ、また、Z軸を回転軸とするθ方向に回転させる。各シャフト10の下端部には、吸着ノズルNが装着されている。吸着ノズルNは、その先端Naで部品の上面を吸着保持する。このように、装着ヘッド8は、複数(ここでは、8つ)の吸着ノズルNを備えている。吸着ノズルNは、部品を保持する部品保持具である。
【0016】
図1において、Y軸ビーム6およびX軸ビーム7は、装着ヘッド8をX軸およびY軸に沿って移動させるヘッド移動機構11を構成する。ヘッド移動機構11および装着ヘッド8は、吸着ノズルNによってフィーダベース4に配置されたテープフィーダ5から部品を吸着して取り出し、基板搬送コンベア3に位置決めされた基板Bの装着位置に装着する装着ターンを繰り返し実行する。
【0017】
図1において、フィーダベース4と基板搬送コンベア3との間には、部品カメラ12が配置されている。テープフィーダ5から部品を取り出した吸着ノズルNが部品カメラ12の上方を移動する際に、部品カメラ12は吸着ノズルNに保持された状態の部品を撮像して部品の保持姿勢を撮像する。この撮像結果からは、部品の保持位置などが認識される。また、部品カメラ12は、部品を保持していない吸着ノズルNの先端Naを撮像する。この撮像結果からは、装着ヘッド8における吸着ノズルNの先端Naの位置(先端位置)が認識される。装着ヘッド8には、装着ヘッド8と一体的に移動するヘッドカメラ13が取り付けられている。なお、ヘッドカメラ13は、プレートを介して装着ヘッド8に装着してもよい。
【0018】
装着ヘッド8が移動することにより、ヘッドカメラ13は基板搬送コンベア3に位置決めされた基板Bの上方に移動し、基板Bに設けられた基板マーク(図示省略)を撮像する。この撮像結果からは、基板Bの停止位置が認識される。また、ヘッドカメラ13はテープフィーダ5の上方に移動し、部品供給位置付近を撮像する。この撮像結果からは、テープフィーダ5の部品供給位置が認識される。装着ヘッド8による基板Bへの部品装着動作においては、部品カメラ12による部品Dの撮像結果と、ヘッドカメラ13による基板位置の撮像結果とを加味して装着位置の補正が行われる。
【0019】
次に、
図3(a)を参照して、装着ヘッド8に装着された吸着ノズルNの先端位置Qについて説明する。
図3(a)は、装着ヘッド8を上方から見た平面図を模式的に示している。装着ヘッド8は、X軸に沿った4つの部品装着部9をY軸に沿って2列備えている。ここで、装着ヘッド8の前列(ヘッドカメラ13とは、反対側)の4つの部品装着部9のシャフト10に装着された吸着ノズルNを左側から吸着ノズルN1~吸着ノズルN4と称する。また、装着ヘッド8の後列(ヘッドカメラ13が装着された側)の4つの部品装着部9のシャフト10に装着された吸着ノズルNを左側から吸着ノズルN5~吸着ノズルN8と称する。また、吸着ノズルN1~N8の先端Naの中心の位置を先端位置Q1~Q8と定義する。
【0020】
吸着ノズルN1~N8の先端位置Q1~Q8は、装着ヘッド8に装着されたヘッドカメラ13の中心13cを原点とし、部品装着装置1のX軸に沿ったXa軸と、Y軸に沿ったYa軸で表される直交座標系で規定される。以下、ヘッドカメラ13の中心13cを原点とし、直交するXa軸とYa軸により表される直交座標系を「ヘッド座標系」と称する。また、部品装着装置1の基台2に設定された基準位置(図示省略)を原点とし、直交するX軸とY軸により表される直交座標系を「基台座標系」と称する。部品装着装置1における装着ヘッド8の装着された吸着ノズルN1~N8の先端位置Q1~Q8は、基台座標系におけるヘッドカメラ13の中心13cの位置と、ヘッド座標系における吸着ノズルN1~N8の先端位置Q1~Q8により制御される。
【0021】
図3(a)において、ヘッド座標系における吸着ノズルN1~N8の先端位置Q1~Q8は、部品装着部9に対するシャフト10の装着具合、シャフト10の歪み、吸着ノズルN1~N8の歪みなどに起因して、所定の設計位置からずれることがある。後述する部品装着作業では、吸着ノズルN1~N8の先端位置Q1~Q8の設計位置からの位置ずれが考慮される。
【0022】
ここで、前列の吸着ノズルN1~N4の先端位置Q1~Q4の重心G1(Xa1,Ya1)を通り、Xa軸に平行なラインを前列ノズル重心ラインL1と称する。また、後列の吸着ノズルN5~N8の先端位置Q5~Q8の重心G2(Xa2,Ya2)を通り、Xa軸に平行なラインを後列ノズル重心ラインL2と称する。後述する部品装着作業では、前列ノズル重心ラインL1の位置と後列ノズル重心ラインL2の位置を使用した制御が行われる。
【0023】
次に、
図3(b)を参照して、フィーダベース4に装着されたテープフィーダ5の部品供給位置Rについて説明する。
図3(b)は、前側のフィーダベース4に装着された15基のテープフィーダ5のうちの左から4基のテープフィーダ5(1)~5(4)の部品供給位置R1~R4の近辺を上方から見た平面図を模式的に示している。テープフィーダ5の内部をピッチ送りされた部品テープのポケットPに格納された部品Dは、テープフィーダ5の上面に形成された開口部5aにおいて吸着ノズルNで取り出し可能に露出される。この例では、開口部5aに位置するポケットPの中心の位置を部品供給位置Rと定義する。なお、部品供給位置Rは、開口部5aに位置するポケットPに格納されている部品Dの中心の位置と定義してもよい。
【0024】
フィーダベース4に装着されたテープフィーダ5(1)~5(15)の部品供給位置R1~R15は、基台座標系で規定される。部品供給位置R1~R15は、フィーダベース4に形成されているスロットの加工精度、テープフィーダ5(1)~5(15)のスロットへの装着具合、テープフィーダ5(1)~5(15)において部品テープをピッチ送りするモータの停止位置のずれ、テープ送り精度などに起因して、所定の設計位置からずれることがある。後述する部品装着作業では、テープフィーダ5(1)~5(15)の部品供給位置R1~R15の設計位置からの位置ずれが考慮される。
【0025】
図3(b)において、テープフィーダ5(1)~5(15)の部品供給位置R1~R15を認識した時点における部品供給位置R1~R15のY軸方向の重心を通り、X軸に平行なラインをポケット重心ラインL3と称する。後述する部品装着作業では、ポケット重心ラインL3の位置を使用した制御が行われる。
【0026】
次に
図4を参照して、部品装着装置1の制御系の構成について説明する。特に、装着ヘッド8の複数の吸着ノズルNが複数のテープフィーダ5が供給する部品Dを同時に吸着して取り出す同時吸着に関する制御を中心に説明する。部品装着装置1は、制御装置20、基板搬送コンベア3、複数のテープフィーダ5、装着ヘッド8、ヘッド移動機構11、部品カメラ12、ヘッドカメラ13を備えている。装着ヘッド8は、複数の部品装着部9を備えている。
【0027】
制御装置20は、制御記憶部21、装着制御部22、先端位置認識処理部23、保持位置認識処理部24、供給位置認識処理部25、重心ライン位置算出部26、送り補正量算出部27、送り量算出部28、指令送出部29を備えている。制御記憶部21は記憶装置であり、装着データ30、部品データ31、先端位置データ32、保持位置データ33、供給位置データ34、重心ライン位置データ35、送り補正量データ36、送り位置データ37などが記憶されている。装着データ30には、基板Bに装着される部品Dの部品名、基板Bにおける装着位置の座標などの各種情報が、実装基板の基板種ごとに記憶されている。
【0028】
ここで
図5を参照して、装着データ30の例について説明する。装着データ30には、装着番号50、ターン番号51、部品名52、装着位置53、ノズル位置54、同時フラグ55、フィーダ位置56が含まれている。装着番号50は、基板B上の装着位置を特定する情報であり、この例では、基板Bに装着する順番で1から順に番号が付されている。部品名52は、装着番号50の位置に装着する部品Dの部品名である。装着位置53は、部品Dの基板B上の装着位置と装着角度を表しており、基板B上のX軸方向の装着位置53x、Y軸方向の装着位置53y、θ方向の装着位置53θが含まれる。
【0029】
ターン番号51は、部品装着作業における装着ターンの順番を特定する情報である。ターン番号51が同じ部品Dは、同じ装着ターンにおいてテープフィーダ5から取り出される。ノズル位置54は、部品Dを吸着する吸着ノズルN1~N8を特定する情報である。ノズル位置54が「1」は、吸着ノズルN1を表している。同時フラグ55は、テープフィーダ5から部品Dを取り出す際に、同時吸着で取り出すか(「1」)、個別吸着で取り出すか(「-」)を指定する情報である。フィーダ位置56は、フィーダベース4上に装着されたテープフィーダ5の位置を特定する情報である。
【0030】
図5に示す装着データ30では、装着番号50が「1」~「8」の部品Dは、ターン番号51が「1」の装着ターンでテープフィーダ5から取り出し、基板Bの装着位置53に装着位置53θの装着角度で装着するように規定されている。その際、前列の吸着ノズルN1~N4は、同時吸着でテープフィーダ5(7)~5(10)から部品Dを同時に取り出すように規定されている。また、後列の吸着ノズルN5~N8は、個別吸着でテープフィーダ5(1)、5(3)、5(5)、5(7)から部品Dをそれぞれ取り出すように規定されている。
【0031】
同様に、装着番号50が「9」~「16」の部品Dは、ターン番号51が「2」の装着ターンでテープフィーダ5から部品Dを取り出すように規定されている。その際、前列の吸着ノズルN1~N4は、テープフィーダ5(4)~5(7)から同時吸着で部品Dを取り出すように規定されている。また、後列の吸着ノズルN5~N8は、テープフィーダ5(7)~5(10)から同時吸着で部品Dを取り出すように規定されている。
【0032】
図4において、部品データ31には、テープフィーダ5から供給される部品Dの部品名毎に、部品Dのサイズ、部品Dを供給する部品テープの幅、ポケットPのピッチなどが記憶されている。装着制御部22は、装着データ30、部品データ31、先端位置データ32、保持位置データ33、重心ライン位置データ35に基づいて、装着ヘッド8の部品装着部9に装着された吸着ノズルN(部品保持具)を昇降させてテープフィーダ5(部品供給部)が供給する部品Dを取り出し、基板Bの装着位置に装着する部品装着作業を実行させる。
【0033】
図4において、先端位置認識処理部23は、装着ヘッド8の部品装着部9、ヘッド移動機構11、部品カメラ12を制御して、ヘッド座標系における吸着ノズルN1~N8の先端位置Q1~Q8を検出する。具体的には、先端位置認識処理部23は、部品Dを保持していない装着ヘッド8を部品カメラ12の上方に移動させて、吸着ノズルN1~N8の先端Naを撮像し、撮像画像を画像認識して先端位置Q1~Q8を検出する。その際、先端位置認識処理部23は、部品装着部9を制御して吸着ノズルN1~N8をθ方向に「0°」「90°」「180°」「270°」の回転角度で回転させた状態で、吸着ノズルN1~N8の先端位置Q1~Q8を検出する。
【0034】
検出された先端位置Q1~Q8は、先端位置データ32として制御記憶部21に記憶される。すなわち、先端位置データ32には、吸着ノズルN1~N8の4つの回転角度(0°、90°、180°、270°)における先端位置Q1~Q8がそれぞれ記憶されている。このように、先端位置認識処理部23、装着ヘッド8の部品装着部9、ヘッド移動機構11、部品カメラ12は、複数の吸着ノズルN1~N8(部品保持具)の先端位置Q1~Q8を取得する先端位置取得手段38である。
【0035】
図4において、保持位置認識処理部24は、ヘッド移動機構11、部品カメラ12を制御して、ヘッド座標系における吸着ノズルN1~N8が保持した部品Dの保持位置を検出する。具体的には、保持位置認識処理部24は、吸着ノズルN1~N8が部品Dを保持した装着ヘッド8を部品カメラ12の上方に移動させて、吸着ノズルN1~N8が保持する部品Dを撮像し、撮像画像を画像認識して部品Dの保持位置を検出する。検出された部品Dの保持位置は、保持位置データ33として制御記憶部21に記憶される。このように、保持位置認識処理部24、ヘッド移動機構11、部品カメラ12は、複数の吸着ノズルN1~N8(部品保持具)が保持した部品Dの保持位置を取得する保持位置取得手段39である。
【0036】
ここで、
図6を参照して、保持位置取得手段39によって取得される部品Dの保持位置(Xd,Yd,θd)の例について説明する。
図6に示す撮像画像60は、装着ヘッド8における吸着ノズルNの中心Ncの設計位置が撮像画像60の中心60cに位置するように装着ヘッド8を移動させて、部品カメラ12によって吸着ノズルNが保持する部品Dを撮像させたものである。すなわち、撮像画像60の中心60cが、吸着ノズルNの中心Ncの設計位置である。保持位置認識処理部24は、撮像画像60を認識処理して撮像画像60の中心60cを原点とする部品Dの中心DcのX軸方向の保持位置XdとY軸方向の保持位置Ydを抽出する。また、保持位置認識処理部24は、部品Dのθ方向の回転量である保持位置θdを抽出する。
【0037】
さらに、保持位置認識処理部24は、先端位置データ32に含まれる吸着ノズルNの先端位置Qから撮像画像60における吸着ノズルNの中心位置(Xn,Yn)を算出する。部品装着作業では、吸着ノズルNの中心Ncが部品Dの中心Dcに一致するようにテープフィーダ5とヘッド移動機構11が制御されるが、テープフィーダ5のテープ送り精度やポケットPの中での部品Dの移動などに起因して、吸着ノズルNの中心位置(Xn,Yn)と部品Dの中心位置(Xd,Yd)が位置ずれすることがある。
図6は、吸着ノズルNと部品Dが位置ずれしている例を示している。
【0038】
図6において、保持位置認識処理部24は、吸着ノズルNの中心位置(Xn,Yn)と撮像画像60における部品Dの中心位置(Xd,Yd)から、吸着ノズルNに対する保持した部品DのX軸方向の位置ずれΔX(Xn-Xd)とY軸方向の位置ずれΔY(Yn-Yd)を算出する。抽出された部品Dの保持位置(Xd,Yd,θd)と、算出された部品Dの位置ずれ(ΔX,ΔY)は、保持位置データ33として制御記憶部21に記憶される。部品装着作業では、部品Dの保持位置(Xd,Yd,θd)に基づいて、基板Bに部品Dを装着する吸着ノズルNの位置が補正される。また、部品装着作業では、部品Dの位置ずれ(ΔX,ΔY)に基づいて、テープフィーダ5が供給する部品Dの部品供給位置Rが補正される。
【0039】
図4において、供給位置認識処理部25は、ヘッド移動機構11、ヘッドカメラ13を制御して、基台座標系におけるテープフィーダ5(1)~5(15)の部品供給位置R1~R15を検出する。具体的には、供給位置認識処理部25は、ヘッドカメラ13をフィーダベース4に配置されたテープフィーダ5(1)~5(15)の開口部5aの上方に移動させて、テープフィーダ5(1)~5(15)の上面を撮像し、撮像画像を画像認識して部品供給位置R1~R15を検出する。供給位置認識処理部25は、前側と後側のフィーダベース4に配置されたテープフィーダ5(1)~5(15)の部品供給位置R1~R15をそれぞれ検出する。
【0040】
検出された部品供給位置R1~R15は、供給位置データ34として制御記憶部21に記憶される。このように、供給位置認識処理部25、ヘッド移動機構11、ヘッドカメラ13は、フィーダベース4に配置されたテープフィーダ5(1)~5(15)の部品供給位置R1~R15を取得する供給位置取得手段40である。
【0041】
図4において、重心ライン位置算出部26は、先端位置データ32に含まれる装着ヘッド8の前列の吸着ノズルN1~N4の先端位置Q1~Q4に基づいて、前列ノズル重心ラインL1の位置(Ya1)を算出する(
図3(a)参照)。また、重心ライン位置算出部26は、先端位置データ32に含まれる装着ヘッド8の後列の吸着ノズルN5~N8の先端位置Q5~Q8に基づいて、後列ノズル重心ラインL2の位置(Ya2)を算出する(
図3(a)参照)。
【0042】
また、重心ライン位置算出部26は、供給位置データ34に含まれる前側と後側のフィーダベース4に装着されたテープフィーダ5(1)~5(15)の部品供給位置R1~R15に基づいて、ポケット重心ラインL3の位置をそれぞれ算出する(
図3(b)参照)。算出された前列ノズル重心ラインL1の位置(Ya1)、後列ノズル重心ラインL2の位置(Ya2)、前側のポケット重心ラインL3の位置、前側のポケット重心ラインL3の位置は、重心ライン位置データ35として制御記憶部21に記憶される。
【0043】
図4において、送り補正量算出部27は、先端位置データ32に含まれる先端位置取得手段38によって取得された複数の吸着ノズルN1~N8(部品保持具)の先端位置Q1~Q8に基づいて、フィーダベース4に配置された複数のテープフィーダ5(1)~5(15)(部品供給部)の送り補正量S1~S8(送り量の補正量)を算出する。送り補正量S1~S8は、ポケットPから部品Dが取り出されたテープフィーダ5(1)~5(15)において、部品テープをピッチ送りして次の部品Dを部品供給位置R1~R15に移動させる際に、吸着ノズルN1~N8の先端Naの位置のずれを補正するためにポケットPの間隔(ピッチ送り量)に加える補正量である。
【0044】
送り補正量算出部27は、重心ライン位置データ35に含まれる前列ノズル重心ラインL1の位置(Ya1)と、先端位置データ32に含まれる先端位置Q1~Q4に基づいて、前列の吸着ノズルN1~N4の送り補正量S1~S4を算出する。具体的には、送り補正量算出部27は、ヘッド座標系における前列ノズル重心ラインL1の位置(Ya1)からのYa軸方向の先端位置Q1~Q4のずれ量を送り補正量S1~S4として算出する。同様に、送り補正量算出部27は、後列ノズル重心ラインL2の位置(Ya2)と、先端位置Q5~Q8に基づいて、後列の吸着ノズルN5~N8の送り補正量S5~S8を算出する。算出された送り補正量S1~S8は、送り補正量データ36として制御記憶部21に記憶される。
【0045】
ここで
図7(a)を参照して、送り補正量データ36について説明する。送り補正量データ36には、装着ヘッド8の吸着ノズルN1~N8のノズル位置54に対応して、送り補正量57(送り量の補正量)が記憶されている。
図7(b)は、装着ヘッド8の後列の吸着ノズルN6,N7の送り補正量S6,S7の例を、模式的に示している。
【0046】
送り補正量算出部27は、後列ノズル重心ラインL2の位置(Ya2)からのYa軸方向の先端位置Q6のずれ量を送り補正量S6として算出する。同様に、送り補正量算出部27は、後列ノズル重心ラインL2の位置(Ya2)からのYa軸方向の先端位置Q7のずれ量を送り補正量S7として算出する。このように、送り補正量算出部27は、複数の部品保持具(吸着ノズルN1~N8)の先端位置Q1~Q8の重心ライン(前列ノズル重心ラインL1、後列ノズル重心ラインL2)の位置からの各部品保持具の先端位置Q1~Q8のずれ量に基づいて、送り量の補正量(送り補正量S1~S8)を算出する。
【0047】
図4において、送り位置データ37には、フィーダベース4に配置された複数のテープフィーダ5(1)~5(15)(部品供給部)の現在の部品供給位置R1~R15(ポケットPの中心)が記憶されている。指令送出部29は、フィーダベース4に配置された複数のテープフィーダ5(1)~5(15)に部品テープをピッチ送りする送り量を指示する送り指令を送出する。送り位置データ37は、指令送出部29から送出された送り指令に基づいてテープフィーダ5(1)~(15)が部品Dをピッチ送りすると更新される。
【0048】
図4において、送り量算出部28は、装着データ30、部品データ31、保持位置データ33、送り補正量データ36、送り位置データ37に基づいて、前後のフィーダベース4に配置されたテープフィーダ5(1)~5(15)が次の部品Dを供給するために部品テープをピッチ送りする送り量を算出する。具体的には、送り量算出部28は、部品装着装置1が生産する実装基板の基板種を変更するためにフィーダベース4に配置するテープフィーダ5を入れ替える段取り替え作業の後や電源投入直後に、供給位置取得手段40が新たに取得した供給位置データ34に基づいて、テープフィーダ5(1)~5(15)を初期状態にするための送り量を算出する。
【0049】
ここで、
図8、
図9を参照して、送り量算出部28が算出するテープフィーダ5(1)~5(15)を初期状態にするための送り量について説明する。
図8は、指令送出部29から送出された送り指令に基づいてテープフィーダ5(1)~5(15)が部品テープをテープ送りして初期状態となった送り位置データ37を示している。送り位置データ37には、フィーダ位置56、部品名52の他、ピッチ送り量58、送り位置59が含まれている。ピッチ送り量58は、テープフィーダ5(1)~5(15)にセットされている部品テープのポケットPの間隔である。送り位置59は、現在の部品供給位置R1~R15である。初期状態とは、全てのフィーダ位置56で送り位置59が「0」となっている状態である。
【0050】
図9は、初期状態となったテープフィーダ5(1)~5(15)を模式的に示している。
図9は、
図3(b)に示す初期状態にする前の状態から、送り指令に基づいてテープフィーダ5(1)~5(15)が部品テープをテープ送りした後の状態(初期状態)を示している。すなわち、初期状態とは、テープフィーダ5(1)~5(15)の部品供給位置R1~R15がポケット重心ラインL3に並んだ状態である。また、
図8に示す送り位置データ37では、ポケット重心ラインL3の位置を送り位置59の原点(「0」)と規定している。
【0051】
送り量算出部28は、テープフィーダ5(1)~5(15)の部品供給位置R1~R15がポケット重心ラインL3に並ぶように送り量を算出する。
図3(b)、
図9の例では、初期状態にする前に部品供給位置R1,R3がポケット重心ラインL3より後に位置していたテープフィーダ5(1),5(3)については、送り量算出部28は、部品テープを進めるように正の送り量を算出する。また、初期状態にする前に部品供給位置R2,R4がポケット重心ラインL3より先に位置していたテープフィーダ5(2),5(4)については、送り量算出部28は、部品テープを戻すように負の送り量を算出する。
【0052】
次に
図10~
図14を参照して、部品装着作業において送り量算出部28が算出するテープフィーダ5(1)~5(15)の送り量を説明する。
図10、
図12~
図14は、
図5に示す装着データ30に基づいて送り量算出部28が算出した送り量に基づいてテープフィーダ5(1)~5(15)が部品テープをピッチ送りした後の送り位置データ37に、フィーダ位置56に対する送り量61を併せて表示している。以下、送り位置データ37には、フィーダ位置56毎の送り量61が含まれているとする。すなわち、制御記憶部21は、送出された送り指令に基づく送り量61(送り位置データ37)を記憶する記憶部である。
【0053】
送り量算出部28は、前側と後側のフィーダベース4に配置されたテープフィーダ5(1)~(15)の送り量61をそれぞれ算出する。その際、送り量算出部28は、前側と後側のテープフィーダ5(1)~(15)のピッチ送り方向が逆であることを考慮して送り量61を算出する。以下、ピッチ送り方向がY軸の正方向である前側のフィーダベース4に配置されたテープフィーダ5(1)~(15)を例に説明する。
【0054】
図10は、初期状態のテープフィーダ5(7)~(10)に対して、
図5に示す装着データ30の装着番号50が「1」~「4」(以下、単に「装着番号1~4」などと称する。)の部品Dを供給するように送り量算出部28が算出した送り量61に基づいてピッチ送りされた後の送り位置データ37である。
図11は、
図10に示す送り位置データ37に対応するテープフィーダ5(7)~(10)の部品供給位置R7~R10の状態を模式的に示している。
【0055】
ターン番号51が「1」の装着ターン(以下、単に「ターン1」などと称する。)において、装着ヘッド8の前列の吸着ノズルN1~N4によりフィーダ位置56が「7」~「10」(以下、単に「フィーダ位置7~10」などと称する。)のテープフィーダ5(7)~5(10)から部品Dを同時吸着するようにテープ送りされている。
【0056】
図10において、送り量算出部28は、送り補正量データ36に記憶されている吸着ノズルN1~N4の送り補正量S1~S4に基づいて、フィーダ位置7~10のテープフィーダ5(7)~5(10)の部品供給位置R7~R10が送り補正量S1~S4となるように、送り量61を算出する。例えば、送り量算出部28は、フィーダ位置7のテープフィーダ5(7)の送り量61を、吸着ノズルN1の送り補正量S1と同じ「S1」と算出する。
【0057】
同時吸着の場合、部品装着作業において装着制御部22は、装着ヘッド8を移動させて装着ヘッド8の前列ノズル重心ラインL1がテープフィーダ5(1)~(15)のポケット重心ラインL3に一致するように位置決めする。これにより、基台座標系における吸着ノズルN1~N4の先端位置Q1~Q4が、フィーダ位置7~10のテープフィーダ5(7)~5(10)の部品供給位置R7~R10と一致する(
図11参照)。次いで装着制御部22は、吸着ノズルN1~N4を同時に下降させて部品Dを同時吸着させる。これにより、吸着ノズルN1~N4の中心Ncが保持した部品Dの中心Dcに一致することが期待される。
【0058】
このように、指令送出部29は、送り量の補正量(送り補正量S1~S4)と記憶される送り指令に基づく送り量61に基づいて、複数の部品供給部(テープフィーダ5(7)~5(10))に送り指令を送出する。そして、複数の部品供給部は、送り指令に基づく送り量61で部品Dを送り、装着ヘッド8は、複数の部品供給部によって供給された複数の部品Dを複数の部品保持具(吸着ノズルN1~N4)で同時に保持する。
【0059】
図12は、
図10の状態から装着データ30の装着番号5~8の部品Dを供給する状態にピッチ送りされた後の送り位置データ37である。すなわち、ターン1で装着ヘッド8の後列の吸着ノズルN5~N8がフィーダ位置1,3,5,7のテープフィーダ5(1),5(3),5(5),5(7)から部品Dを個別吸着するようにテープ送りされている。個別吸着の場合、送り量算出部28は、テープフィーダ5(1),5(3),5(5),5(7)の部品供給位置R1,R3,R5,R7がポケット重心ラインL3に位置するように、すなわち、送り位置59が「0」となるように送り量61を算出する。
【0060】
図12において、フィーダ位置1,3,5の送り位置59は、
図10の状態で「0」にあるため、送り量算出部28は送り量61を「0」と算出する。すなわち、指令送出部29は、テープフィーダ5(1),5(3),5(5)に送り指令を送出しない。フィーダ位置7の送り位置59は、
図10の状態で「S1」にあるため、送り量算出部28は送り量61を「T07-S1」と算出する。すなわち、部品テープをポケットPの間隔(T07)だけピッチ送りする送り量から、前の位置である「S1」の分を戻して「0」となるように送り量61を算出する。
【0061】
個別吸着の場合、部品装着作業において装着制御部22は、装着ヘッド8を移動させて装着ヘッド8の吸着ノズルN5の中心Ncがフィーダ位置1のテープフィーダ5(1)のポケット重心ラインL3に一致するように位置決めする。これにより、基台座標系における吸着ノズルN5の先端位置Q5が、フィーダ位置1のテープフィーダ5(1)の部品供給位置R1と一致する。次いで装着制御部22は、吸着ノズルN5を下降させて部品Dを個別吸着させる。これにより、吸着ノズルN5の中心Ncが保持した部品Dの中心Dcに一致することが期待される。以下、装着制御部22は、同様の制御を繰り返して、吸着ノズルN6~N8に部品Dを個別吸着させる。
【0062】
ターン1において装着ヘッド8の全ての吸着ノズルN1~N8に部品Dが保持されると、保持位置取得手段39によって吸着ノズルN1~N8が保持する部品Dの保持位置(Xd,Yd,θd)が取得される。装着制御部22は、取得された保持位置(Xd,Yd,θd)に基づいて吸着ノズルN1~N8の位置を補正して、基板Bの装着位置53に部品Dをそれぞれ装着させる。また、装着制御部22は、保持位置取得手段39が保持位置(Xd,Yd,θd)を取得した状態から部品Dを回転させて基板Bに装着する場合は、先端位置データ32に記憶されている回転角度毎の吸着ノズルN1~N8の先端位置Q1~Q8に基づいて、吸着ノズルN1~N8の位置を補正して基板Bに部品Dを装着させる。
【0063】
図13は、
図12の状態から装着データ30の装着番号9~12の部品Dを供給する状態にピッチ送りされた後の送り位置データ37である。すなわち、ターン2で装着ヘッド8の前列の吸着ノズルN1~N4がフィーダ位置4~7のテープフィーダ5(4)~5(7)から部品Dを同時吸着するようにテープ送りされている。
図13の例では、吸着ノズルN1~N4の送り補正量S1~S4に加えて、ターン1で取得された保持位置データ33に含まれる部品Dの位置ずれ(ΔX,ΔY)も加味して、送り位置59が算出されるところが
図10に示す同時吸着の例とは異なる。
【0064】
図13において、フィーダ位置4~7の送り位置59は、吸着ノズルN1~N4の送り補正量S1~S4からターン1で吸着ノズルN1~N4が保持した部品DのY軸方向の位置ずれΔY1~ΔY4だけ補正されている。送り量算出部28は、
図12のフィーダ位置4~7の送り位置59が
図13のフィーダ位置4~7の送り位置59となるように、送り量61を算出する。例えば、フィーダ位置7では、送り量算出部28はピッチ送り量58(T07)に「S4-ΔY4」を加えた送り量61を算出する。指令送出部29は、算出された送り量61が送られるように送り指令を送出する。
【0065】
このように、保持位置取得手段39は、ターン1において複数の部品保持具(吸着ノズルN1~N4)が保持した部品Dの保持位置(Xd,Yd,θd)を取得し、指令送出部29は、送り量の補正量(送り補正量S1~S4)と取得された保持位置(Xd,Yd,θd)から算出されるY軸方向の位置ずれΔY1~ΔY4に基づいて、複数の部品供給部(テープフィーダ5(4)~5(7))に送り指令を送出する。これにより、部品Dの中心Dcが吸着ノズルN1~N4の中心Ncとなるように精度良く保持されることが期待される。
【0066】
図14は、
図13の状態から装着データ30の装着番号13~16の部品Dを供給する状態にピッチ送りされた後の送り位置データ37である。すなわち、ターン2で装着ヘッド8の後列の吸着ノズルN5~N8がフィーダ位置7~10のテープフィーダ5(7)~5(10)から部品Dを同時吸着するようにテープ送りされている。
【0067】
図13と同様に、フィーダ位置7~10の送り位置59は、吸着ノズルN5~N8の送り補正量S5~S8からターン1で吸着ノズルN5~N8が保持した部品DのY軸方向の位置ずれΔY5~ΔY8だけ補正されている。例えば、フィーダ位置7では、送り量算出部28はピッチ送り量58(T07)に「S5-ΔY5」を加えた送り量から、前の位置である「S4-ΔY4」の分を戻すように送り量61を算出する。
【0068】
なお、送り量算出部28が送り量61を算出する際に、前のターンで取得されたY軸方向の位置ずれΔY1~ΔY8による補正量の算出は、ターン毎に実行する必要はない。例えば、5ターン分のY軸方向の位置ずれΔY1~ΔY8が蓄積されると、次のターンからその平均値で補正するようにしてもよい。また、過去の5ターン分のY軸方向の位置ずれΔY1~ΔY8の移動平均で補正するようにしてもよい。
【0069】
また、テープフィーダ5(1)~5(15)毎にY軸方向の位置ずれΔY1~ΔY8による補正量を算出するようにしてもよい。また、5枚の実装基板でY軸方向の位置ずれΔY1~ΔY8が取得されると、装着番号50毎に平均値を算出して補正値として使用するようにしてもよい。これにより、テープ送り精度誤差や突発的なずれの影響が排除され、テープフィーダ5(1)~5(15)と吸着ノズルN1~N8との組み合わせによる同時吸着の精度向上が期待される。
【0070】
次に
図15~
図18のフローに沿って、部品装着装置1によって複数の部品Dを基板Bに装着する部品装着方法について説明する。
図15において、まず、先端位置取得手段38は、装着ヘッド8が備える複数の吸着ノズルN1~N8(部品保持具)の先端位置Q1~Q8を取得する(ST1:先端位置取得工程)。次いで供給位置取得手段40は、フィーダベース4に配置されたテープフィーダ5(1)~5(15)(部品供給部)の部品供給位置R1~R15を取得する(ST2:供給位置取得工程)。
【0071】
次いで重心ライン位置算出部26は、先端位置Q1~Q4から前列ノズル重心ラインL1の位置(Ya1)を、先端位置Q5~Q6から後列ノズル重心ラインL2の位置(Ya2)を、部品供給位置R1~R15からポケット重心ラインL3の位置をそれぞれ算出する(ST3:重心ライン位置算出工程)。次いで送り補正量算出部27は、取得された複数の吸着ノズルN1~N8の先端位置Q1~Q8に基づいて、複数のテープフィーダ5(1)~5(15)の送り補正量S1~S8(送り量の補正量)を算出する(ST4:送り補正量算出工程)。
【0072】
図15において、次いで送り量算出部28はテープフィーダ5(1)~5(15)を初期状態にするための送り量61を算出し、指令送出部29がテープフィーダ5(1)~5(15)に送り指令を送出する。送り指令を受信したテープフィーダ5(1)~5(15)は、部品テープを送り量61だけテープ送りする(ST5:初期状態化工程)。これにより、テープフィーダ5(1)~5(15)の部品供給位置R1~R15がポケット重心ラインL3に並ぶ初期状態となる(
図9参照)。初期状態化工程(ST5)は、段取り替え作業後や電源投入直後など、部品装着作業を開始する前に実行される。
【0073】
次いで部品装着作業が開始される。すなわち、基板搬送コンベア3により作業対象の基板Bが装着作業位置に搬入されて位置決めされる(ST6:基板搬入工程)。次いで送り量算出部28は、装着データ30から1ターン分のデータを取得する(ST7:データ取得工程)。次いで装着ヘッド8の吸着ノズルN1~N8により、テープフィーダ5(1)~5(15)から部品Dがピックアップされる(ST8:部品ピックアップ工程)。次いで保持位置取得手段39は、複数の吸着ノズルN1~N8が保持した部品Dの保持位置(Xd,Yd,θd)を取得する(ST9:部品保持位置取得工程)。
【0074】
図15において、次いで装着制御部22は、装着ヘッド8が吸着ノズルN1~N8により保持する複数の部品Dを基板Bの装着位置53に装着させる(ST10:部品装着工程)。その際、装着制御部22は、先端位置データ32、保持位置データ33に基づいて、基板Bに部品Dを装着させる吸着ノズルN1~N8の基板Bに対する位置を補正する。次の装着ターンが有る場合(ST11においてYes)、データ取得工程(ST7)から部品装着工程(ST10)が繰り返し実行される。全ての装着ターンが終了すると(ST11においてNo)、基板搬送コンベア3により作業済みの基板Bが下流に搬出される(ST12:基板搬出工程)。作業対象の基板Bが残っている間は(ST13においてYes)、基板搬入工程(ST6)に戻って部品装着作業が繰り返し実行される。
【0075】
次に
図16を参照して、部品ピックアップ工程(ST8)の詳細について説明する。まず、装着データ30において、その装着ターンで前列の吸着ノズルN1~N4を使用すると規定されている場合(ST21においてYes)、同時吸着フラグが有るか否かが判断される(ST22)。すなわち、装着データ30の同時フラグ55が「1」か否かが判断される。同時吸着フラグが有る場合(ST22においてYes)、前列の吸着ノズルN1~N4に同時吸着により部品Dが保持される(ST23:前列同時吸着工程)。同時吸着フラグが無い場合(ST22においてNo)、前列の吸着ノズルN1~N4に個別吸着により部品Dが保持される(ST24:前列個別吸着工程)。
【0076】
前列の吸着ノズルN1~N4を使用しないと規定されている場合(ST21においてNo)、または、前列同時吸着工程(ST23)もしくは前列個別吸着工程(ST24)が終了すると、次いでその装着ターンで後列の吸着ノズルN5~N8を使用すると規定されているか否かが判断される(ST25)。後列の吸着ノズルN5~N8を使用すると規定されている場合(ST25においてYes)、同時吸着フラグが有るか否かが判断される(ST26)。同時吸着フラグが有る場合(ST26においてYes)、後列の吸着ノズルN5~N8に同時吸着により部品Dが保持される(ST27:後列同時吸着工程)。
【0077】
同時吸着フラグが無い場合(ST26においてNo)、後列の吸着ノズルN5~N8に個別吸着により部品Dが保持される(ST28:後列個別吸着工程)。後列の吸着ノズルN5~N8を使用しないと規定されている場合(ST25においてNo)、または、後列同時吸着工程(ST27)もしくは後列個別吸着工程(ST28)が終了すると、部品ピックアップ工程(ST8)が終了する。
【0078】
次に
図17を参照して、前列同時吸着工程(ST23)と後列同時吸着工程(ST27)について説明する。前列同時吸着工程(ST23)と後列同時吸着工程(ST27)は、同時吸着する吸着ノズルN1~N8が前列の吸着ノズルN1~N4であるか、後列の吸着ノズルN5~N8であるかの違いであり、ここでは、前列同時吸着工程(ST23)を例に説明する。同時吸着工程では、まず、送り量算出部28は、送り補正量データ36から送り補正量S1~S4を読み出し(ST31)、送り位置データ37から送り位置59を読み出し(ST32)、保持位置データ33からY軸方向の位置ずれΔY1~ΔY4を読み出し(ST33)、送り量61を算出する(ST34)。
【0079】
次いで指令送出部29は、算出された送り量61に基づいて、対象の複数のテープフィーダ5(1)~5(15)に送り指令を送出する(ST35:同時指令送出工程)。送り指令を受信した複数のテープフィーダ5(1)~(15)は、送り指令に基づく送り量61で部品Dを送って部品Dを部品供給位置R1~R15に供給する(ST36:同時部品供給工程)。次いで装着制御部22は、前列ノズル重心ラインL1の位置(Ya1)がポケット重心ラインL3の位置と一致するように装着ヘッド8を移動させて位置決めする(ST37)。
【0080】
図17において、対象のテープフィーダ5(1)~5(15)でのテープ送りが完了すると(ST38においてYes)、装着制御部22は、吸着ノズルN1~N4を同時に下降させてテープフィーダ5(1)~5(15)から部品Dを同時吸着させる(ST39:同時保持工程)。すなわち、装着ヘッド8が、複数のテープフィーダ5(1)~5(15)によって供給された複数の部品Dを複数の吸着ノズルN1~N4で同時に保持する(ST39)。次いで送り位置データ37の送り位置59が、送出された送り指令に基づく送り量61で更新(記憶)される(ST40:同時送り量記憶工程)。
【0081】
次に
図18を参照して、前列個別吸着工程(ST24)と後列個別吸着工程(ST28)について説明する。前列個別吸着工程(ST24)と後列個別吸着工程(ST28)は、個別吸着する吸着ノズルN1~N8が前列の吸着ノズルN1~N4であるか、後列の吸着ノズルN5~N8であるかの違いであり、ここでは、前列個別吸着工程(ST24)を例に説明する。個別吸着工程では、まず、送り量算出部28は、先端位置データ32から吸着ノズルN1~N4の先端位置Q1~Q4を読み出し(ST41)、送り位置データ37から送り位置59を読み出し(ST42)、保持位置データ33からY軸方向の位置ずれΔY1~ΔY4を読み出し(ST43)、送り量61を算出する(ST44)。
【0082】
次いで指令送出部29は、算出された送り量61に基づいて、対象のテープフィーダ5(1)~5(15)に送り指令を送出する(ST45:個別指令送出工程)。送り指令を受信したテープフィーダ5(1)~(15)は、送り指令に基づく送り量61で部品Dを送って部品Dを部品供給位置R1~R15に供給する(ST46:個別部品供給工程)。次いで装着制御部22は、吸着ノズルN1の先端位置Q1がポケット重心ラインL3の位置と一致するように装着ヘッド8を移動させて位置決めする(ST47)。
【0083】
図18において、対象のテープフィーダ5(1)~5(15)でのテープ送りが完了すると(ST48においてYes)、装着制御部22は、吸着ノズルN1~N4を下降させてテープフィーダ5(1)~5(15)から部品Dを個別吸着させる(ST49:個別保持工程)。次に部品Dを個別吸着させる吸着ノズルN2~N4が有る場合(ST50においてYes)、個別指令送出工程(ST45)に戻って部品Dの供給と個別吸着が実行される(ST45~ST49)。全ての吸着ノズルN1~N4に部品Dを個別吸着させると(ST50においてNo)、次いで送り位置データ37の送り位置59が、送出された送り指令に基づく送り量61で更新(記憶)される(ST51:個別送り量記憶工程)。
【0084】
次の装着ターンでの部品ピックアップ工程(ST8)では、同時送り量記憶工程(ST40)、または、個別送り量記憶工程(ST51)において更新された送り位置データ37に基づいて、送り量61が算出される。すなわち、同時指令送出工程(ST35)、または、個別指令送出工程(ST45)において、送り補正量S1~S8と記憶される送り指令に基づく送り量61(送り位置59)に基づいて、複数のテープフィーダ5(1)~5(15)に送り指令が送出される。
【0085】
上記説明したように、本実施の形態の部品装着装置1は、複数の部品保持具(吸着ノズルN1~N8)を備えた装着ヘッド8と、部品Dを供給する複数の部品供給部(テープフィーダ5(1)~5(15))と、複数の部品保持具の先端位置Q1~Q8を取得する先端位置取得手段38と、取得された複数の部品保持具の先端位置Q1~Q8に基づいて、複数の部品供給部の送り量の補正量(送り補正量S1~S8)を算出する送り補正量算出部27と、算出された送り量の補正量に基づいて、複数の部品供給部に送り指令を送出する指令送出部29と、を備えている。
【0086】
そして、複数の部品供給部は、送り指令に基づく送り量61で部品Dを送り、装着ヘッド8は、複数の部品供給部によって供給された複数の部品Dを複数の部品保持具で同時に保持する。これによって、複数の吸着ノズルN1~N8による複数の部品Dの同時吸着を適切に実行することができる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明の部品装着装置および部品装着方法は、複数の吸着ノズルによる複数の部品の同時吸着を適切に実行することができるという効果を有し、部品を基板に実装する分野において有用である。
【符号の説明】
【0088】
1 部品装着装置
5,5(1)~5(4),5(7)~5(10) テープフィーダ(部品供給部)
8 装着ヘッド
38 先端位置取得手段
39 保持位置取得手段
D 部品
L1 前列ノズル重心ライン(重心ライン)
L2 後列ノズル重心ライン(重心ライン)
N,N1~N8 吸着ノズル(部品保持具)
Q1~Q8 先端位置
S1~S4,S6,S7 送り補正量(送り量の補正量)
Xd X軸方向の保持位置
Yd Y軸方向の保持位置