(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21V 29/83 20150101AFI20241206BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20241206BHJP
F21S 9/02 20060101ALI20241206BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20241206BHJP
F21V 29/508 20150101ALI20241206BHJP
F21V 29/70 20150101ALI20241206BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241206BHJP
【FI】
F21V29/83
F21S2/00 230
F21S9/02 215
F21V23/00 160
F21V29/508
F21V29/70
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2021041808
(22)【出願日】2021-03-15
【審査請求日】2023-12-18
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 拓未
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼▲崎▼ 晃史
(72)【発明者】
【氏名】中澤 茉子
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-134208(JP,A)
【文献】実開昭52-088283(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2011/0163672(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 23/00-99/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の器具本体と、
常用照明を行う光源ユニットと、
非常用照明を行う非常用光源ユニットと、
前記非常用光源ユニットを支持する支持部材と、
を備え、
前記器具本体は、長尺の板状に形成されて造営部材に取り付けられる本体と、前記本体の短手方向に対向する一対の側壁部と、を有し、前記本体と前記一対の側壁部に囲まれた収容凹部に、前記光源ユニットの一部、前記非常用光源ユニットの一部及び前記支持部材を収容するように構成され、
前記非常用光源ユニットは、電池ブロックと、前記電池ブロックから放電される電力で点灯する非常用光源ブロックと、を有し、
前記支持部材は、前記器具本体に固定される固定部と、前記非常用光源ブロックが取り付けられる取付板と、前記電池ブロックを着脱可能に支持する支持板と、前記取付板と前記支持板の間に配置された開口部と、を有し、
前記開口部は、前記電池ブロックが前記支持板に支持されている状態で前記電池ブロックによって閉塞され、前記電池ブロックが前記支持板に支持されていない状態で開放される、
照明器具。
【請求項2】
前記本体は、前記造営部材であるつりボルトが挿通される挿通穴と、電源ケーブルが引き込まれる電源穴と、を有し、
前記開口部は、前記支持板の厚み方向において、前記挿通穴及び前記電源穴の少なくとも一方と重なるように前記支持部材に設けられる、
請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記開口部は、前記挿通穴に挿通された前記つりボルトにナットを締め付ける作業、及び前記電源穴から前記電源ケーブルを引き込む作業のうちの少なくとも一方の作業を人の手で行うことが可能な大きさに形成されている、
請求項2記載の照明器具。
【請求項4】
前記固定部は、前記一対の側壁部のうちの少なくとも一方の側壁部に固定される、
請求項1~3のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記一対の側壁部は、前記一対の側壁部の長手方向に沿った先端縁から外向きに突出する一対の突壁部を有し、
前記固定部は、前記一対の突壁部に固定される、
請求項4記載の照明器具。
【請求項6】
前記固定部は、前記取付板及び前記支持板のそれぞれの端縁から前記非常用光源ユニットと反対側に突出する1つ以上の側板と、前記1つ以上の側板を前記側壁部に固定する固定片と、を有する、
請求項4又は5記載の照明器具。
【請求項7】
前記電池ブロックは、複数の電池と、箱状に形成されて前記複数の電池を収容する電池ケースと、を有し、
前記電池ケースは、前記支持板に設けられた引掛部に引っ掛けられる突部を有する、
請求項1~6のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項8】
前記非常用光源ユニットは、前記器具本体及び前記支持部材に着脱可能に取り付けられて前記非常用光源ブロック及び前記電池ブロックを覆うカバーを更に有し、
前記カバーは、前記支持板にねじ止めされる固定部を有し、
前記電池ケースは、
前記カバーが有する前記固定部と重ならない位置に、前記突部を有する、
請求項7記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具に関し、より詳細には、常用照明と非常用照明を行う照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として特許文献1記載の照明装置を例示する。特許文献1記載の照明装置(以下、従来例という。)は、非常用光源を有する第1照明具と、常用光源を有する2つの第2照明具と、第1照明具及び2つの第2照明具が取り付けられる筐体と、を備える。筐体は、反射板を有し、天井などに設けられた開口部に埋め込むように取り付けられる。第1照明具は、長尺の筐体のほぼ中央に配置される。2つの第2照明具のそれぞれは、筐体の長手方向の両端に、第1照明具を挟むように配置される。
【0003】
第1照明具は、非常時に点灯電力を供給する電池を有する。第1照明具の内部には、電池を収容する空間部が形成されている。空間部は、2つの第2照明具のうち一方の第2照明具を取り外すと、電池を着脱自在な開口を露出させる。開口には、蓋部材が着脱自在に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来例では、電池が第1照明具の内部に形成されている空間部に収容されるため、充電中に電池から発生する熱を放熱することが困難であり、電池の寿命を短くしてしまうおそれがあった。
【0006】
本開示の目的は、電池の放熱性の向上を図ることができる照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る照明器具は、長尺の器具本体と、常用照明を行う光源ユニットと、非常用照明を行う非常用光源ユニットと、前記非常用光源ユニットを支持する支持部材と、を備える。前記器具本体は、長尺の板状に形成されて造営部材に取り付けられる本体と、前記本体の短手方向に対向する一対の側壁部と、を有する。前記器具本体は、前記本体と前記一対の側壁部に囲まれた収容凹部に、前記光源ユニットの一部、前記非常用光源ユニットの一部及び前記支持部材を収容するように構成される。前記非常用光源ユニットは、電池ブロックと、前記電池ブロックから放電される電力で点灯する非常用光源ブロックと、を有する。前記支持部材は、前記器具本体に固定される固定部と、前記非常用光源ブロックが取り付けられる取付板と、前記電池ブロックを着脱可能に支持する支持板と、前記取付板と前記支持板の間に配置された開口部と、を有する。前記開口部は、前記電池ブロックが前記支持板に支持されている状態で前記電池ブロックによって閉塞され、前記電池ブロックが前記支持板に支持されていない状態で開放される。
【発明の効果】
【0008】
本開示の照明器具は、電池の放熱性の向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係る照明器具の下から見た斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の照明器具の分解斜視図である。
【
図5】
図5は、同上の照明器具における非常用光源ブロックと電池ブロックの組立て時の分解斜視図である。
【
図6】
図6は、同上の照明器具の光源ユニット、電池ブロック及びカバーを外した状態の斜視図である。
【
図7】
図7は、同上の照明器具における支持部材の上面図である。
【
図8】
図8は、同上の照明器具における支持部材の下面図である。
【
図9】
図9は、同上の照明器具における支持部材の前面図である。
【
図10】
図10は、同上の照明器具における支持部材の後面図である。
【
図11】
図11は、同上の照明器具における支持部材の左側面図である。
【
図12】
図12は、同上の照明器具における支持部材の右側面図である。
【
図13】
図13は、同上の照明器具の要部を斜め上方から見た斜視図である。
【
図14】
図14は、同上の照明器具において電池ブロックを取り付ける途中の非常用光源ユニット及び支持部材の前面図である。
【
図15】
図15は、同上の照明器具において電池ブロックを取り付けた状態の非常用光源ユニット及び支持部材の前面図である。
【
図16】
図16は、同上の照明器具において電池ブロックと光源ユニットを取り外した状態の要部の下面図である。
【
図17】
図17は、同上の照明器具において光源ユニットを取り外して電池ブロックを取り付けた状態の要部の下面図である。
【
図18】
図18は、同上の照明器具において光源ユニットを取り外した状態の要部の下面図である。
【
図19】
図19は、同上の照明器具の変形例1の下面図である。
【
図20】
図20は、同上の照明器具の変形例2の一部省略した左側面図である。
【
図21】
図21は、同上の照明器具の変形例3の一部省略した左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態に係る照明器具について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0011】
(1)実施形態に係る照明器具の概要
実施形態に係る照明器具A1は、長尺の器具本体1と、常用照明を行う光源ユニット2と、非常用照明を行う非常用光源ユニット3と、非常用光源ユニット3を支持する支持部材6と、を備える。
【0012】
器具本体1は、長尺の板状に形成されて造営部材(つりボルト90)に取り付けられる本体10と、本体10の短手方向に対向する一対の側壁部11と、を有する。器具本体1は、本体10と一対の側壁部11に囲まれた収容凹部12に、光源ユニット2の一部、非常用光源ユニット3の一部及び支持部材6を収容するように構成される。
【0013】
非常用光源ユニット3は、電池ブロック5と、電池ブロック5から放電される電力で点灯する非常用光源ブロック4と、を有する。支持部材6は、器具本体1に固定される固定部7と、非常用光源ブロック4が取り付けられる取付板80と、電池ブロック5を着脱可能に支持する支持板81と、取付板80と支持板81の間に配置された開口部82と、を有する。
【0014】
開口部82は、電池ブロック5が支持板81に支持されている状態で電池ブロック5によって閉塞される。また、開口部82は、電池ブロック5が支持板81に支持されていない状態で開放される。
【0015】
しかして、実施形態に係る照明器具A1は、支持部材6の電池ブロック5と対向する部分に開口部82が存在するので、充電中の電池ブロック5の放熱性の向上を図ることができる。
【0016】
(2)実施形態に係る照明器具の詳細
実施形態に係る照明器具A1(以下、照明器具A1と略す。)は、
図1及び
図2に示すように、器具本体1と、光源ユニット2と、非常用光源ユニット3と、支持部材6と、を備える。なお、以下の説明においては、特に断りのない限り、
図1に矢印で示す上下、前後、左右の各方向を照明器具A1の上下、前後、左右の各方向と規定する。
【0017】
(2-1)光源ユニット
光源ユニット2は、常用光源と、常用光源が取り付けられる取付部材21と、常用光源を覆う透光カバー20と、常用光源を点灯する電源装置22と、を備えている(
図1~
図3参照)。
【0018】
常用光源は、長尺の基板と、基板の表面に実装される多数のLED(light emitting diode)とを有している。取付部材21は、金属材料によって長尺の樋状に形成されている。取付部材21は、長尺の矩形板状に形成された底板と、底板の短手方向(前後方向)における両端から上向きに立ち上がる一対の側板210とを有している(
図2参照)。常用光源は、取付部材21の底板の下面に取り付けられる。また、取付部材21は、長手方向(左右方向)における両端寄りの位置において幅方向の一端(後端)から突出する一対の引掛金具211(
図2参照)と、幅方向の他端(前端)に配置される引掛ばね212と(
図3参照)と、を有している。
【0019】
電源装置22は、端子台23(
図2及び
図3参照)を介して常用電源(例えば、商用の電力系統)から供給される交流電力を直流電力に変換するように構成されている。電源装置22は、取付部材21の底板の上面に取り付けられる。常用光源と電源装置22は、例えば、底板に設けられた挿通穴に挿通される電線によって電気的に接続される。常用光源は、電線を介して電源装置22から直流電力が供給されることによって点灯する。
【0020】
透光カバー20は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料により上面が開口する長尺の箱形に形成されている。透光カバー20の下面は、短手方向(前後方向)において両端から中央に向かってなだらかに下向きに突出する曲面形状に形成されている(
図1参照)。なお、透光カバー20を形成する合成樹脂材料には、拡散材が混入されている。すなわち、常用光源から放射される光は、透光カバー20を透過する際に拡散される。
【0021】
光源ユニット2は、透光カバー20を除く部分(取付部材21の一対の側板210及び電源装置22など)を器具本体1の収容凹部12に収容し、透光カバー20を器具本体1の収容凹部12の開口から突出させて器具本体1に着脱可能に取り付けられる。
【0022】
(2-2)非常用光源ユニット
非常用光源ユニット3は、非常用光源ブロック4と、電池ブロック5と、カバー30と、を有している(
図2及び
図5参照)。
【0023】
非常用光源ブロック4は、LEDからなる非常用光源と、非常用光源の配光を制御するレンズ40と、電池ブロック5から供給される電力で非常用光源を点灯させる点灯回路と、を有している。また、非常用光源ブロック4は、常用電源から供給される交流電力で電池ブロック5を充電する充電回路と、点灯回路及び充電回路を制御して点検を行う制御回路と、点灯回路、充電回路、及び制御回路を収容する筐体41と、を有している。さらに、非常用光源ブロック4は、放熱板42と、点灯回路、充電回路及び制御回路と電池ブロック5を接続するためのレセプタクルコネクタ43と、端子台23を介して常用電源に接続される電線44(
図6参照)と、を有している。
【0024】
筐体41は、合成樹脂材料によって箱形に形成されている。放熱板42は、アルミ板などの金属板によってC字状に形成されている。放熱板42は、筐体41の下面及び前後両側面と筐体41の上面の一部をそれぞれ覆うように筐体41に取り付けられる。そして、放熱板42の下面に非常用光源及びレンズ40が取り付けられている(
図6参照)。
【0025】
レセプタクルコネクタ43は、筐体41の前面における右前方の角に設けられた凹所410の底面に配置されている(
図6参照)。凹所410は、筐体41の下面から上方に向かって凹んでいる。また、筐体41の前面における右端には、凹所410とつながった縦溝411が設けられている(
図5参照)。
【0026】
電池ブロック5は、複数(例えば、5本)の電池と、これら複数の電池を収容する電池ケース50と、を有している。各電池は、例えば、ニッケル水素蓄電池などの乾電池型の2次電池(蓄電池)である。
【0027】
電池ケース50は、第1ケース部51、第2ケース部52、突部53、コネクタ部54、突片55などを有する(
図2及び
図5参照)。第1ケース部51は、上下方向の高さが前後方向及び左右方向の長さよりも短い直方体状に形成されている。第1ケース部51の内部に4本の電池が収容されている。第2ケース部52は、第1ケース部51の下面における左端から下向きに突出している。第2ケース部52の内部は第1ケース部51の内部とつながっている。第2ケース部52の内部に残り1本の電池が収容されている。なお、これら5本の電池は、複数の導体板によって電気的に直列接続されている。
【0028】
突部53は、直方体状に形成され、第1ケース部51の右側面における後端から右方向に突出している(
図2参照)。突部53の前後方向の長さは、第1ケース部51の前後方向の長さよりも短い。
【0029】
コネクタ部54は、第2ケース部52における左端の前端に設けられている。コネクタ部54には、5本の電池と直列接続された一対のコンタクトが内蔵されている。コネクタ部54は、非常用光源ブロック4のレセプタクルコネクタ43と挿抜可能に接続される。
【0030】
突片55は、左右方向から見た形状がL字形に形成されている。突片55は、コネクタ部54の左側面から上向きに突出するように形成されている(
図5参照)。
【0031】
カバー30は、第1カバー31と、第2カバー32と、を有している(
図2参照)。第1カバー31と第2カバー32は、アルミなどの金属によって一体に形成されている。
【0032】
第1カバー31は、上面が開口する箱形に形成されている。第1カバー31の下面は、光源ユニット2の透光カバー20と同様に、短手方向(前後方向)において両端から中央に向かってなだらかに下向きに突出する曲面形状に形成されている。第1カバー31の下面の中央に、楕円形の凹部310が設けられ、凹部310の中央に穴311が開口している。穴311は、非常用光源ブロック4のレンズ40の一部が挿通可能な形状及び大きさに形成されている(
図1参照)。
【0033】
第1カバー31は、その上面における左端に2つの引掛ばね312を有している(
図4参照)。引掛ばね312は、前後方向から見てL字状に形成されている。また、引掛ばね312は、その先端(左端)に近付くにつれて上方へ傾斜するように構成されている。
【0034】
第2カバー32は、
図2に示すように、平坦部320と、腕部321と、固定部322とを有している。平坦部320は、おおよそ矩形平板状に形成されている。平坦部320は、その左端において第1カバー31と連結されている。腕部321は、おおよそ矩形平板状に形成されている。腕部321は、平坦部320の右端における前端から上方へ立ち上がるように構成されている。固定部322は、おおよそ矩形平板状に形成されている。固定部322は、腕部321の上端から右方へ突出するように構成されている。また、固定部322は、その前方寄りの右隅に円形の挿通穴を有している。
【0035】
カバー30は、第1カバー31によって非常用光源ブロック4と電池ブロック5の一部(第2ケース部52)を下から覆い、第2カバー32によって電池ブロック5の残りの全部(第1ケース部51)を下から覆うように構成されている。なお、非常用光源ブロック4のレンズ40は、第1カバー31の穴311を通して第1カバー31の下に突出する(
図18参照)。
【0036】
(2-3)器具本体
器具本体1は、長尺の板状に形成されて造営部材(つりボルト90)に取り付けられる本体10と、本体10の短手方向に対向する一対の側壁部11と、を有している(
図1及び
図2参照)。また、器具本体1は、一対の反射板13と、一対のエンド板14と、枠部15と、を更に有している。
【0037】
本体10は、長尺の長方形状に形成されたベース板100と、ベース板100の長手方向に沿った両端(前端及び後端)から下向きに曲げ下ろされた一対の側板101と、を有している(
図3参照)。
【0038】
ベース板100は、2つの挿通穴102と1つの電源穴103を有している。2つの挿通穴102は、ベース板100の長手方向(左右方向)の両端寄りの位置に設けられた円形の穴である。各挿通穴102には、造営部材であるつりボルト90が挿通される(
図2参照)。
【0039】
電源穴103は、ベース板100の長手方向の中央に設けられた円形の穴である。電源穴103には、常用電源に接続された電源ケーブル91が引き込まれる(
図3参照)。電源ケーブル91は、例えば、3心のVVF(ビニル絶縁ビニルシース平形)ケーブルである。
【0040】
ベース板100の下面において、電源穴103と右側の挿通穴102の間に2つの端子台23が取り付けられている(
図2及び
図3参照)。一方の端子台23に電源ケーブル91と中継ケーブルが接続される。電源装置22は、中継ケーブル及び端子台23を介して電源ケーブル91と接続される。他方の端子台23に非常用光源ブロック4の電線44が接続される。なお、これらの端子台23には、後述する送り配線用の電源ケーブル91も接続される。
【0041】
一対の側板101のそれぞれの下端には、U字形状の支持部104が一体に設けられている(
図3参照)。また、一対の側板101はそれぞれ、長手方向(左右方向)に沿って階段状に折り曲げられている。
【0042】
一対の側壁部11はそれぞれ、反射板13と一体に形成されている。各反射板13は、一面(下面)を反射面とする長尺の矩形板状に形成される。各側壁部11は、長尺の矩形板状であって、反射板13の長手方向(左右方向)に沿った一端縁(上端縁)から立ち上がるように反射板13と一体に形成されている。また、各側壁部11の上端には突壁部110が設けられている。突壁部110は、長尺の矩形板状であって、側壁部11の長手方向に沿った先端縁(上端縁)から反射板13と対向する向きに突出する(
図3参照)。また、突壁部110の先端部分は、長手方向に沿って、下向きかつ鈎形に折り曲げられている。
【0043】
一対のエンド板14はそれぞれ、台形状に形成されている(
図3参照)。これら一対のエンド板14は、スポット溶接などの適宜の方法によって一対の反射板13の長手方向の両端部分と1つずつ結合される。
【0044】
枠部15は、上下方向から見て矩形の枠状に形成されている。ただし、枠部15は、一対の反射板13及び一対のエンド板14と一体に形成されることが好ましい。
【0045】
なお、一対の側壁部11は、一対の反射板13が一体のエンド板14と結合された状態において、反射板13の短手方向(前後方向)に所定の距離を空けて対向する(
図3参照)。
【0046】
本体10と一対の側壁部11は、以下のようにして結合される。まず、一対の突壁部110が、本体10の長手方向の一端から一対の支持部104の内側に挿入される。そして、一対の側壁部11に対して、本体10が側壁部11の長手方向に沿って平行移動させられる。ここで、各側壁部11の長手方向の両端に切り起こし片がそれぞれ設けられている。一方、各突壁部110の先端部分に、切欠がそれぞれ設けられている。そして、各側壁部11の切り起こし片が、各突壁部110の切欠にかしめられることにより、一対の突壁部110を介して、本体10と一対の側壁部11が結合される。
【0047】
本体10と一対の側壁部11が結合されることにより、本体10と一対の側壁部11に囲まれた収容凹部12が形成される(
図2~
図4及び
図6参照)。ただし、収容凹部12は、器具本体1の長手方向の両端(左端及び右端)において開放されている。
【0048】
(2-4)支持部材
次に、
図7~
図15を参照して支持部材6を説明する。
【0049】
支持部材6は、器具本体1に固定される固定部7と、非常用光源ユニット3が取り付けられる取付部8と、を有する。
【0050】
取付部8は、非常用光源ブロック4が取り付けられる取付板80と、電池ブロック5を着脱可能に支持する支持板81と、取付板80と支持板81の間に配置された開口部82と、を有する(
図7及び
図8参照)。
【0051】
取付板80は、長方形の平板状に形成されている(
図7及び
図8参照)。取付板80には、長方形状の縦片800が一体に設けられている(
図8~
図11参照)。縦片800は、取付板80の左端から下向きに突出している(
図9参照)。取付板80の左右方向の中央における前端及び後端に円形の穴801が1つずつ貫通している(
図7及び
図8参照)。これら2つの穴801にはねじが1本ずつ挿通される。そして、それぞれのねじが放熱板42に設けられたねじ穴にねじ込まれることにより、取付板80の下面に非常用光源ブロック4が取り付けられる(
図14参照)。なお、非常用光源ブロック4は、取付板80の縦片800と反対側の端(右端)から僅かにはみ出した状態で取付板80に取り付けられる(
図14参照)。
【0052】
支持板81は、上下方向から見た外形がL字形の平板状に形成されている(
図7及び
図8参照)。支持板81において、左右方向の幅が狭い方の部分の先端(後端)に引掛部810が設けられている(
図8~
図10及び
図12参照)。引掛部810は、主片8100と、第1引掛片8101と、第2引掛片8102と、を有する。主片8100、第1引掛片8101、及び第2引掛片8102はそれぞれ、長方形の平板状に形成されている(
図8、
図9、及び
図12参照)。主片8100は、支持板81の先端(後端)から下向きに突出している(
図9及び
図10参照)。第1引掛片8101は、主片8100の先端(下端)から左向きに突出し、支持板81と上下方向に対向している(
図9及び
図10参照)。第2引掛片8102は、第1引掛片8101の前端縁から左向きに突出している(
図8~
図10参照)。支持板81において、左右方向の幅が広い方の部分の先端(右端)にめねじ部811が設けられている(
図7及び
図8参照)。
【0053】
開口部82は、上下方向から見た形状が四角形であって、取付板80と支持板81の間に配置されている(
図7及び
図8参照)。また、器具本体1の短手方向(前後方向)に沿った開口部82の幅は、一対の側壁部11の間の距離にほぼ等しい。ただし、開口部82の形状は四角形に限定されず、例えば、五角形以上の多角形、円形、楕円形などであっても構わない。なお、支持板81の端部であって、開口部82に臨む端部(左側の端部)は、上向きに折り返されている(
図7及び
図13参照)。
【0054】
電池ブロック5は、以下のような手順で支持部材6の支持板81に支持される。まず、支持板81に対して電池ブロック5が傾けられた状態で、電池ブロック5の電池ケース50に設けられた突部53が、支持部材6の支持板81に設けられている引掛部810に引っ掛けられる(
図14参照)。
【0055】
続いて、引掛部810に引っ掛けられた突部53を支点にして電池ブロック5が回転させられる(
図5参照)。そして、電池ブロック5の突片55が、非常用光源ブロック4の筐体41に設けられた縦溝411に挿入され、電池ブロック5のコネクタ部54がレセプタクルコネクタ43と接続される(
図15参照)。このようにして、電池ブロック5が支持部材6の支持板81に支持され、かつ、コネクタ部54とレセプタクルコネクタ43が接続される(
図15参照)。なお、電池ブロック5が支持板81に支持されている状態において、支持部材6の開口部82は、電池ブロック5によって閉塞される(
図17)。
【0056】
固定部7は、一対の側板70と、一対の固定片71と、を有している(
図7~
図10参照)。一対の側板70はそれぞれ、長方形の平板状に形成されている。一方の側板70は、取付部8(取付板80及び支持板81)の前端から上向きに突出している(
図9参照)。他方の側板70は、取付部8(取付板80及び支持板81)の後端から上向きに突出している(
図10参照)。
【0057】
一方の固定片71はそれぞれ、長方形の平板状に形成されている(
図7参照)。一方の固定片71は、前方の側板70の上端から前方へ突出している。他方の固定片71は、後方の側板70の上端から後方へ突出している。一対の固定片71の長手方向の一端(左端)に、円形の穴710が1つずつ設けられている(
図7参照)。
【0058】
また、各固定片71の長手方向の両端(左端及び右端)に、係止片72が1つずつ設けられている(
図9及び
図10参照)。これら4つの係止片72は、鈎形に形成され、固定片71の長手方向(左右方向)に沿った端縁から下向きに突出している。
【0059】
支持部材6の固定部7は、器具本体1の一対の側壁部11に固定される。具体的には、固定部7の一対の固定片71が、器具本体1における一対の側壁部11の突壁部110に1つずつ固定される。
【0060】
各固定片71に設けられた一対の係止片72が、突壁部110の左端部に設けられている一対の穴111の縁に1つずつ係止される。この状態で、固定片71の穴710に挿通されたねじ74が、突壁部110に設けられたねじ穴にねじ込まれることにより、固定片71が突壁部110に固定される(
図13参照)。なお、ねじ74が挿通される穴710は、固定片71の短手方向(前後方向)から見て、レンズ40の光軸L1とねじ74が重なる位置に設けられている(
図15参照)。
【0061】
ここで、支持部材6が器具本体1(一対の側壁部11)に固定された状態において、支持部材6の開口部82は、器具本体1の本体10の左端に位置する挿通穴102と上下方向に重なっている(
図15参照)。なお、開口部82は、挿通穴102に挿通されたつりボルト90にナット92を締め付ける作業が可能な大きさに形成される。
【0062】
しかして、支持部材6は、本体10と取付部8の間に所定の空間(配線スペースS1)を形成するように収容凹部12に収容される(
図4参照)。配線スペースS1は、少なくとも2本の電源ケーブル91を収容可能な大きさであることが好ましい。
【0063】
(3)実施形態に係る照明器具の施工手順
次に、照明器具A1の施工手順を説明する。
【0064】
まず、施工作業を行う作業者は、照明器具A1から光源ユニット2、電池ブロック5、カバー30を取り外す。そして、作業者は、天井裏に先行配線されている電源ケーブル91を本体10の電源穴103に挿通した後、天井X1に設けられた埋込穴X10に器具本体1を挿入する。このとき、作業者は、埋込穴X10内に配置されている2本のつりボルト90を、本体10に設けられた2つの挿通穴102に1本ずつ挿通する(
図2参照)。そして、作業者は、挿通穴102に挿通したつりボルト90にワッシャ93を介してナット92を締め付ける(
図16参照)。このとき、作業者は、非常用光源ユニット3の支持部材6が有する開口部82から手を入れてナット92を締め付けることができる。なお、支持板81の端部であって、開口部82に臨む端部(左側の端部)が上向きに折り返されているので、作業者の手が支持板81の縁に触れて怪我をする可能性が低下する。同様に、非常用光源ブロック4が、取付板80の縦片800と反対側の端(右端)から僅かにはみ出した状態で取付板80に取り付けられるので、作業者の手が取付板80の縁に触れて怪我をする可能性が低下する。
【0065】
このようにして、器具本体1が2本のつりボルト90に固定される。なお、器具本体1の枠部15が、天井X1における埋込穴X10の周縁に当たることにより、埋込穴X10が器具本体1で塞がれる。
【0066】
続いて、作業者は、電源穴103から引き込んだ電源ケーブル91を端子台23に接続する。さらに、作業者は、送り配線用の電源ケーブル91を端子台23に接続する。作業者は、2本の電源ケーブル91を器具本体1の収容凹部12の配線スペースS1に収容し(
図3及び
図4参照)、送り配線用の電源ケーブル91を、収容凹部12の長手方向の一端から器具本体1の外に引き出し、別の照明器具A1の器具本体1の収容凹部12に収容する。
【0067】
次に、作業者は、「(2-4)支持部材」で説明した手順で、支持部材6の支持板81に電池ブロック5を支持させる(
図14及び
図15参照)。それから、作業者は、カバー30を器具本体1に取り付ける。作業者は、第1カバー31の一対の引掛ばね312を、左側のエンド板14の上端と非常用光源ブロック4の左端の隙間に挿入する。一対の引掛ばね312は、器具本体1の左側のエンド板14の上端から右方に突出する突片に引っ掛けられる(
図4参照)。
【0068】
続いて、作業者は、第2カバー32の固定部322を、支持板81のめねじ部811に下から被せる。そして、作業者は、固定部322の挿通穴に挿通したねじ323を支持板81のめねじ部811にねじ込むことにより、カバー30を器具本体1及び支持部材6に取り付ける。なお、カバー30の平坦部320の上面(電池ブロック5と対向する面)に複数の突起が形成されている。これら複数の突起が、電池ケース50の第1ケース部51の下面に当たることにより、カバー30が電池ブロック5のがたつきを抑えることができる。
【0069】
次に、作業者は、光源ユニット2を器具本体1に取り付ける。まず、作業者は、器具本体1の後方の側壁部11に設けられている角穴112(
図2参照)に、一対の引掛金具211を引っ掛けて、光源ユニット2を器具本体1に仮つりする。作業者は、光源ユニット2を器具本体1に仮つりした状態で、端子台23に接続されている電源コネクタを、光源ユニット2の電源装置22と接続する。
【0070】
続いて、作業者は、器具本体1の前方の側壁部11に設けられている受け金具16(
図2参照)に、光源ユニット2の引掛ばね212(
図3参照)を引っ掛ける。最後に、作業者は、引掛金具211を支点として光源ユニット2を持ち上げるように回転させる。すると、引掛ばね212が受け金具16に引っ掛かったままで元の状態に戻ることにより、引掛ばね212のばね力で光源ユニット2が器具本体1に保持される(
図1及び
図3参照)。
【0071】
以上のような手順で照明器具A1が天井X1に施工される。
【0072】
(4)変形例
以下、本実施形態に係る照明器具A1の幾つかの変形例を説明する。ただし、以下に説明する各変形例の基本構成は、実施形態に係る照明器具A1の基本構成と共通であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して図示及び説明を省略する。
【0073】
(4-1)変形例1
変形例1の照明器具A1は、
図19に示すように、2つの光源ユニット2を備える点と、2つの光源ユニット2の間に非常用光源ユニット3が配置される点と、が実施形態と異なる。
【0074】
2つの光源ユニット2はそれぞれ、実施形態に係る照明器具A1における光源ユニット2の長さ(長手方向の寸法)を約半分としたものである。これら2つの光源ユニット2は、器具本体1の長手方向の両端に寄せて器具本体1に取り付けられる。
【0075】
非常用光源ユニット3は、2つの光源ユニット2の間、すなわち、器具本体1の長手方向の中央に配置される。この場合、非常用光源ユニット3を支持する支持部材6の開口部82は、本体10に中央に設けられている電源穴103と対向する。
【0076】
しかして、変形例1の照明器具A1においても、支持部材6の開口部82を通して、電源穴103から電源ケーブル91を引き込む作業を行うことができる。
【0077】
上述のように、非常用光源ユニット3は、器具本体1の長手方向の端以外の位置、例えば、長手方向の中央に配置されても構わない。
【0078】
(4-2)変形例2
変形例2の照明器具A1は、支持部材6の固定部7が側板70と固定片71をそれぞれ1つずつしか有していない点に特徴がある(
図20参照)。
【0079】
変形例2の照明器具A1は、固定部7が側板70と固定片71を1つずつしか有していないので、器具本体1の一方の側壁部11の突壁部110に固定片71を固定するだけで支持部材6を器具本体1に取り付けることができる。その結果、変形例2の照明器具A1は、組立作業の作業性の向上を図ることができる。
【0080】
(4-3)変形例3
変形例3の照明器具A1は、支持部材6における固定部7の構造に特徴がある。変形例3における固定部7は、一対の側板70と、一対の固定片71と、を有している。そして、一対の側板70はそれぞれ、取付部8の前端及び後端から下向きに突出している(
図21参照)。一対の固定片71はそれぞれ、一対の側板70の下端から外向きに突出している。
【0081】
支持部材6の固定部7は、器具本体1の一対の側壁部11に固定される。具体的には、固定部7の一対の固定片71が、器具本体1における一対の側壁部11に1つずつねじ止めによって固定される(
図21参照)。なお、一対の固定片71はそれぞれ、一対の側壁部11の下端に1つずつ係止される。
【0082】
変形例3の照明器具A1は、支持部材6の固定部7を取付部8の下側に配置したことにより、配線スペースS1を更に拡げることができる(
図21参照)。
【0083】
(5)実施形態に係る照明器具の利点
照明器具A1において、支持部材6は、器具本体1に固定される固定部7と、非常用光源ブロック4が取り付けられる取付板80と、電池ブロック5を着脱可能に支持する支持板81と、取付板80と支持板81の間に配置された開口部82と、を有する。開口部82は、電池ブロック5が支持板81に支持されている状態で電池ブロック5によって閉塞される。また、開口部82は、電池ブロック5が支持板81に支持されていない状態で開放される。
【0084】
ここで、電池ブロック5は、常用電源が停電していないとき、常用電源から供給される電力(常用電力)を用いて非常用光源ブロック4の充電回路によって充電される。そして、充電中においては、電池ブロック5、詳しくは、複数の電池及び複数の電池を接続する導体板から熱が放出される。なお、電池ブロック5に使用されるニッケル水素蓄電池は、特に温度が高くなることで寿命が短くなる傾向にあるため、充電時に発する熱を放熱して電池ブロック5の温度上昇を抑えることが望ましい。
【0085】
しかして、開口部82によって、電池ブロック5の上方の支持部材6を開放しているので、電池ブロック5から放射される熱により、開口部82を通して対流が生じる。その結果、照明器具A1は、支持部材6が開口部82を有しない場合に比べて、電池ブロック5の放熱性の向上を図ることができるという利点がある。
【0086】
また、照明器具A1において、開口部82は、支持板81の厚み方向において、挿通穴102及び電源穴103の少なくとも一方と重なるように支持部材6に設けられる。つまり、挿通穴102に挿通されるつりボルト90にナット92を締め付ける作業、あるいは、電源穴103から電源ケーブル91を引き込む作業、が開口部82を通して実行可能である。特に、開口部82が、上記作業を人の手で行うことが可能な大きさに形成されることにより、照明器具A1は、施工作業の作業性の向上を図ることができるという利点がある。
【0087】
さらに、照明器具A1では、支持部材6の開口部82を通して、非常用光源ブロック4を常用電源と接続するための電線44を、収容凹部12における電池ブロック5の上の空間(配線スペースS1)に配置することができる(
図6参照)。これにより、照明器具A1は、支持板81に電池ブロック5が取り付けられる際に電池ブロック5と支持板81の間に電線44が挟み込まれることを回避できる。しかも、照明器具A1は、電線44と電池ブロック5を離すことによって、電線44を流れる交流電流によって電池ブロック5の導電板に誘導される電磁ノイズの抑制を図ることができる。なお、電線44は、側壁部11及び本体10に取り付けられた複数のケーブルホルダ45に支持される(
図6参照)。
【0088】
ところで、器具本体1の本体10は、2本のつりボルト90にナット92が締め付けられた状態において、撓みが生じる可能性がある。仮に、支持部材6の固定部7が本体10に固定された場合、本体10の撓みが支持部材6にも影響し、支持部材6に支持される非常用光源ユニット3の配光特性が変化してしまう可能性がある。これに対して、照明器具A1では、支持部材6の固定部7が、一対の側壁部11に固定される。詳しくは、固定部7の一対の側板70に設けられた固定片71が、一対の側壁部11の長手方向に沿った先端縁から外向きに突出する一対の突壁部110に固定される(
図13参照)。そのため、照明器具A1は、本体10の撓みが支持部材6に及ぼす影響を低減し、非常用光源ユニット3の配光特性の変化を抑制できるという利点がある。
【0089】
ここで、固定片71が固定される突壁部110が、一対の側壁部11の長手方向に沿った先端縁から外向きに突出しているので、器具本体1を組み立てる際、一対の側壁部11に対して支持部材6と本体10を同じ方向から組み立てることができる。そのため、照明器具A1は、一対の側壁部11に対して、支持部材6と本体10を異なる方向(例えば、上方向と下方向)から組み立てる場合に比べて、組立て作業の作業性の向上を図ることができる。
【0090】
さらに、固定片71が、取付板80及び支持板81のそれぞれの端縁から非常用光源ユニット3と反対側に突出する側板70に設けられているので、取付板80及び支持板81との距離を大きくして、本体10の撓みが支持部材6の取付板80に及ぼす影響を更に低減することができる。
【0091】
また、非常用光源ユニット3の電池ブロック5の電池ケース50は、支持部材6の支持板81に設けられた引掛部810に引っ掛けられる突部53を有している。すなわち、照明器具A1では、電池ケース50の突部53を引掛部810に引っ掛けることにより、電池ブロック5を支持部材6に仮支持させることができる。つまり、照明器具A1では、電池ブロック5を支持部材6に仮支持させることにより、器具本体1及び支持部材6に対するカバー30の取付・取り外しの作業性の向上を図ることができるという利点がある。
【0092】
ここで、支持部材6の固定部7において、各固定片71に設けられる穴710が、固定片71の短手方向(前後方向)から見て、レンズ40の光軸L1と、穴710に挿通されるねじ74が重なる位置に設けられている(
図15参照)。そのため、照明器具A1は、一対の側壁部11に対して支持部材6ががたついたとしても、器具本体1に対してレンズ40の光軸L1がずれることを抑制できる。
【0093】
また、非常用光源ユニット3において、電池ケース50の突部53は、カバー30に設けられている固定部322と重ならない位置に設けられている(
図18参照)。これにより、突部53が固定部322と重なる位置に設けられる場合に比べて、カバー30の長手方向(左右方向)の長さを縮小することができる。
【0094】
(6)まとめ
本開示の第1の態様に係る照明器具(A1)は、長尺の器具本体(1)と、常用照明を行う光源ユニット(2)と、非常用照明を行う非常用光源ユニット(3)と、非常用光源ユニット(3)を支持する支持部材(6)と、を備える。器具本体(1)は、長尺の板状に形成されて造営部材(つりボルト90)に取り付けられる本体(10)と、本体(10)の短手方向に対向する一対の側壁部(11)と、を有する。器具本体(1)は、本体(10)と一対の側壁部(11)に囲まれた収容凹部(12)に、光源ユニット(2)の一部、非常用光源ユニット(3)の一部及び支持部材(6)を収容するように構成される。非常用光源ユニット(3)は、電池ブロック(5)と、電池ブロック(5)から放電される電力で点灯する非常用光源ブロック(4)と、を有する。支持部材(6)は、器具本体(1)に固定される固定部(7)と、非常用光源ブロック(4)が取り付けられる取付板(80)と、電池ブロック(5)を着脱可能に支持する支持板(81)と、取付板(80)と支持板(81)の間に配置された開口部(82)と、を有する。開口部(82)は、電池ブロック(5)が支持板(81)に支持されている状態で電池ブロック(5)によって閉塞され、電池ブロック(5)が支持板(81)に支持されていない状態で開放される。
【0095】
第1の態様に係る照明器具(A1)は、開口部(82)によって、電池ブロック(5)の上方の支持部材(6)を開放しているので、電池ブロック(5)から放射される熱により、開口部(82)を通して対流が生じる。その結果、第1の態様に係る照明器具(A1)は、支持部材(6)が開口部(82)を有しない場合に比べて、電池(電池ブロック5)の放熱性の向上を図ることができる。
【0096】
本開示の第2の態様に係る照明器具(A1)は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第2の態様に係る照明器具(A1)において、本体(10)は、造営部材であるつりボルト(90)が挿通される挿通穴(102)と、電源ケーブル(91)が引き込まれる電源穴(103)と、を有することが好ましい。開口部(82)は、支持板(81)の厚み方向において、挿通穴(102)及び電源穴(103)の少なくとも一方と重なるように支持部材(6)に設けられることが好ましい。
【0097】
第2の態様に係る照明器具(A1)は、挿通穴(102)に挿通されるつりボルト(90)にナットを締め付ける作業、あるいは、電源穴(103)から電源ケーブル(91)を引き込む作業、が開口部(82)を通して実行可能である。その結果、第2の態様に係る照明器具(A1)は、施工作業の作業性の向上を図ることができる。
【0098】
本開示の第3の態様に係る照明器具(A1)は、第2の態様との組合せにより実現され得る。第3の態様に係る照明器具(A1)において、開口部(82)は、挿通穴(102)に挿通されたつりボルト(90)にナット(92)を締め付ける作業、及び電源穴(103)から電源ケーブル(91)を引き込む作業のうちの少なくとも一方の作業を人の手で行うことが可能な大きさに形成されていることが好ましい。
【0099】
第3の態様に係る照明器具(A1)は、開口部(82)が、上記作業を人の手で行うことが可能な大きさに形成されるので、施工作業の作業性の更なる向上を図ることができる。
【0100】
本開示の第4の態様に係る照明器具(A1)は、第1~第3の態様のいずれかとの組合せにより実現され得る。第4の態様に係る照明器具(A1)において、固定部(7)は、一対の側壁部(11)のうちの少なくとも一方の側壁部(11)に固定されることが好ましい。
【0101】
第4の態様に係る照明器具(A1)は、本体(10)に生じる撓みが支持部材(6)に与える影響を低減することができる。
【0102】
本開示の第5の態様に係る照明器具(A1)は、第4の態様との組合せにより実現され得る。第5の態様に係る照明器具(A1)において、一対の側壁部(11)は、一対の側壁部(11)の長手方向に沿った先端縁から外向きに突出する一対の突壁部(110)を有することが好ましい。固定部(7)は、一対の突壁部(110)に固定されることが好ましい。
【0103】
第5の態様に係る照明器具(A1)は、一対の側壁部(11)に対して、支持部材(6)と本体(10)を異なる方向(例えば、上方向と下方向)から組み立てる場合に比べて、組立て作業の作業性の向上を図ることができる。
【0104】
本開示の第6の態様に係る照明器具(A1)は、第4又は第5の態様との組合せにより実現され得る。第6の態様に係る照明器具(A1)において、固定部(7)は、取付板(80)及び支持板(81)のそれぞれの端縁から非常用光源ユニット(3)と反対側に突出する1つ以上の側板(70)と、1つ以上の側板(70)を側壁部(11)に固定する固定片(71)と、を有することが好ましい。
【0105】
第6の態様に係る照明器具(A1)は、本体(10)に生じる撓みが支持部材(6)に与える影響を更に低減することができる。
【0106】
本開示の第7の態様に係る照明器具(A1)は、第1~第6の態様のいずれかとの組合せにより実現され得る。第7の態様に係る照明器具(A1)において、電池ブロック(5)は、複数の電池と、箱状に形成されて複数の電池を収容する電池ケース(50)と、を有することが好ましい。電池ケース(50)は、支持板(81)に設けられた引掛部(810)に引っ掛けられる突部(53)を有することが好ましい。
【0107】
第7の態様に係る照明器具(A1)は、突部(53)を引掛部(810)に引っ掛けて電池ケース(50)を回転させることにより、電池ブロック(5)を支持部材(6)の支持板(81)に容易に支持させることができる。
【0108】
本開示の第8の態様に係る照明器具(A1)は、第7の態様との組合せにより実現され得る。第8の態様に係る照明器具(A1)において、非常用光源ユニット(3)は、器具本体(1)及び支持部材(6)に着脱可能に取り付けられて非常用光源ブロック(4)及び電池ブロック(5)を覆うカバー(30)を更に有することが好ましい。カバー(30)は、支持板(81)にねじ止めされる固定部(322)を有することが好ましい。電池ケース(50)は、固定部(322)と重ならない位置に、突部(51)を有することが好ましい。
【0109】
第8の態様に係る照明器具(A1)は、突部(51)が固定部(322)と重なる位置に設けられる場合に比べて、カバー(30)の長さを縮小することができる。
【符号の説明】
【0110】
A1 照明器具
1 器具本体
2 光源ユニット
3 非常用光源ユニット
4 非常用光源ブロック
5 電池ブロック
6 支持部材
7 固定部
8 取付部
10 本体
11 側壁部
12 収容凹部
30 カバー
50 電池ケース
53 突部
70 側板
71 固定片
80 取付板
81 支持板
82 開口部
90 つりボルト
91 電源ケーブル
92 ナット
102 挿通穴
103 電源穴
110 突壁部
322 固定部