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特許7599139器具設置支援システム、器具設置支援方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】器具設置支援システム、器具設置支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20241206BHJP
   E04H 1/02 20060101ALI20241206BHJP
   G06F 30/10 20200101ALI20241206BHJP
【FI】
G06Q50/08
E04H1/02
G06F30/10
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022527566
(86)(22)【出願日】2021-04-14
(86)【国際出願番号】 JP2021015444
(87)【国際公開番号】W WO2021241047
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-11-14
(31)【優先権主張番号】P 2020093725
(32)【優先日】2020-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 慧
(72)【発明者】
【氏名】笹田 基弘
(72)【発明者】
【氏名】速水 孝之
(72)【発明者】
【氏名】山本 雅一
(72)【発明者】
【氏名】吉村 庸
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-124883(JP,A)
【文献】特開2018-173262(JP,A)
【文献】特開2009-048244(JP,A)
【文献】特開平06-295325(JP,A)
【文献】特開平05-324745(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
E04H 1/02
G06F 30/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに関連するユーザ情報を受け取るユーザ情報受付部と、
前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザが使用する施設の間取り図に配線器具に関連する器具情報を配置した設置情報を表示する表示部と、
前記ユーザ情報に基づいて、前記設置情報を生成する設置情報生成部と、
前記配線器具を前記施設へ供給する事業者から前記配線器具に関連するサプライヤ情報を受け取るサプライヤ情報受付部と、を備え、
前記設置情報生成部は、前記ユーザ情報及び前記サプライヤ情報に基づいて、前記設置情報を生成する
器具設置支援システム。
【請求項2】
ユーザに関連するユーザ情報を受け取るユーザ情報受付部と、
前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザが使用する施設の間取り図に配線器具に関連する器具情報を配置した設置情報を表示する表示部と、
前記設置情報に含まれる前記配線器具を発注するための発注情報を生成する発注情報生成部と、を備える
器具設置支援システム。
【請求項3】
ユーザに関連するユーザ情報を受け取るユーザ情報受付部と、
前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザが使用する施設の間取り図に配線器具に関連する器具情報を配置した設置情報を表示する表示部と、
前記配線器具を前記施設に設置する施工作業の補助になる施工補助情報を生成する補助情報生成部と、を備える
器具設置支援システム。
【請求項4】
前記ユーザ情報に基づいて、前記設置情報を生成する設置情報生成部を更に備える
請求項2又は3の器具設置支援システム。
【請求項5】
前記ユーザ情報を階層的に入力させるための入力支援部を更に備える
請求項1乃至4のいずれか1つの器具設置支援システム。
【請求項6】
前記設置情報を生成するまでの過程で用いられたデータから前記ユーザ情報を消去して二次利用可能な形態のデータに変換するデータ変換部を更に備える
請求項1乃至5のいずれか1つの器具設置支援システム。
【請求項7】
前記間取り図は、前記配線器具の設置位置の情報を含む
請求項1乃至6のいずれか1つの器具設置支援システム。
【請求項8】
少なくとも前記ユーザ及び前記施設の施工主が前記設置情報にアクセス可能に構成される
請求項1乃至7のいずれか1つの器具設置支援システム。
【請求項9】
ユーザに関連するユーザ情報を受け取るユーザ情報受付ステップと、
前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザが使用する施設の間取り図に配線器具に関連する器具情報を配置した設置情報を表示する表示ステップと、
前記ユーザ情報に基づいて、前記設置情報を生成する設置情報生成ステップと、
前記配線器具を前記施設へ供給する事業者から前記配線器具に関連するサプライヤ情報を受け取るサプライヤ情報受付ステップと、を含み、
前記設置情報生成ステップでは、前記ユーザ情報及び前記サプライヤ情報に基づいて、前記設置情報を生成する
器具設置支援方法。
【請求項10】
ユーザに関連するユーザ情報を受け取るユーザ情報受付ステップと、
前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザが使用する施設の間取り図に配線器具に関連する器具情報を配置した設置情報を表示する表示ステップと、
前記設置情報に含まれる前記配線器具を発注するための発注情報を生成する発注情報生成ステップと、を含む
器具設置支援方法。
【請求項11】
ユーザに関連するユーザ情報を受け取るユーザ情報受付ステップと、
前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザが使用する施設の間取り図に配線器具に関連する器具情報を配置した設置情報を表示する表示ステップと、
前記配線器具を前記施設に設置する施工作業の補助になる施工補助情報を生成する補助情報生成ステップと、を含む
器具設置支援方法。
【請求項12】
コンピュータに請求項9乃至11のいずれか1つに記載の器具設置支援方法を実行させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、器具設置支援システム、器具設置支援方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の機器設置支援システムは、複数の建物に据え付けられる予定の複数の設備機器の設定を支援する。機器設置支援システムは、複数の設備機器を管理するサーバを備え、サーバは、建物を識別する識別情報、及び建物での設置に関する設置情報を相互に関連付けたデータベースを構築するように構成されている。設置情報は、設備機器の設定位置を示す第1設置情報、設備機器の設置後の方向を示す第2設置情報、設備機器が据え付けられる設置エリアの属性を示す第3設置情報、及び設備機器が居室環境を調整する居室空間の用途を示す設置情報のうちの少なくとも1つを含む。
【0003】
すなわち、特許文献1の機器設置支援システムでは、設備機器の設定位置、設備機器の設置後の方向、設置エリアの属性、及び居室空間の用途などに基づいて、機器が設定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-173262号公報
【発明の概要】
【0005】
近年、施設に設置される配線器具にはさまざまな種類があり、施設の何処にどの配線器具を設置するかを、実際の施工前に決定しておく必要がある。しかしながら、施設のユーザの思いが、配線器具の設置に反映され難かった。
【0006】
本開示の目的は、施設のユーザの思いが配線器具の設置に反映された設置情報をユーザに提案できる器具設置支援システム、器具設置支援方法、及びプログラムを提供することにある。
【0007】
本開示の一態様に係る器具設置支援システムは、ユーザ情報受付部と、表示部と、設置情報生成部と、サプライヤ情報受付部を備える。前記ユーザ情報受付部は、ユーザに関連するユーザ情報を受け取る。前記表示部は、前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザが使用する施設の間取り図に配線器具に関連する器具情報を配置した設置情報を表示する。前記設置情報生成部は、前記ユーザ情報に基づいて、前記設置情報を生成する。前記サプライヤ情報受付部は、前記配線器具を前記施設へ供給する事業者から前記配線器具に関連するサプライヤ情報を受け取る。前記設置情報生成部は、前記ユーザ情報及び前記サプライヤ情報に基づいて、前記設置情報を生成する。
本開示の一態様に係る器具設置支援システムは、ユーザ情報受付部と、表示部と、発注情報生成部と、を備える。前記ユーザ情報受付部は、ユーザに関連するユーザ情報を受け取る。前記表示部は、前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザが使用する施設の間取り図に配線器具に関連する器具情報を配置した設置情報を表示する。前記発注情報生成部は、前記設置情報に含まれる前記配線器具を発注するための発注情報を生成する。
本開示の一態様に係る器具設置支援システムは、ユーザ情報受付部と、表示部と、補助情報生成部と、を備える。前記ユーザ情報受付部は、ユーザに関連するユーザ情報を受け取る。前記表示部は、前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザが使用する施設の間取り図に配線器具に関連する器具情報を配置した設置情報を表示する。前記補助情報生成部は、前記配線器具を前記施設に設置する施工作業の補助になる施工補助情報を生成する。
【0008】
本開示の一態様に係る器具設置支援方法は、ユーザ情報受付ステップと、表示ステップと、設置情報生成ステップと、サプライヤ情報受付ステップと、を備える。前記ユーザ情報受付ステップは、ユーザに関連するユーザ情報を受け取る。前記表示ステップは、前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザが使用する施設の間取り図に配線器具に関連する器具情報を配置した設置情報を表示する。前記設置情報生成ステップは、前記ユーザ情報に基づいて、前記設置情報を生成する。前記サプライヤ情報受付ステップは、前記配線器具を前記施設へ供給する事業者から前記配線器具に関連するサプライヤ情報を受け取る。前記設置情報生成ステップでは、前記ユーザ情報及び前記サプライヤ情報に基づいて、前記設置情報を生成する。
本開示の一態様に係る器具設置支援方法は、ユーザ情報受付ステップと、表示ステップと、発注情報生成ステップと、を備える。前記ユーザ情報受付ステップは、ユーザに関連するユーザ情報を受け取る。前記表示ステップは、前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザが使用する施設の間取り図に配線器具に関連する器具情報を配置した設置情報を表示する。前記発注情報生成ステップは、前記設置情報に含まれる前記配線器具を発注するための発注情報を生成する。
本開示の一態様に係る器具設置支援方法は、ユーザ情報受付ステップと、表示ステップと、補助情報生成ステップと、を備える。前記ユーザ情報受付ステップは、ユーザに関連するユーザ情報を受け取る。前記表示ステップは、前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザが使用する施設の間取り図に配線器具に関連する器具情報を配置した設置情報を表示する。前記補助情報生成ステップは、前記配線器具を前記施設に設置する施工作業の補助になる施工補助情報を生成する。
【0009】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータに上述の器具設置支援方法を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態の器具設置支援システムを示すブロック図である。
図2図2は、同上の器具設置支援システムが備えるユーザ端末を示すブロック図である。
図3図3Aは、同上の器具設置支援システムにおける配線器具を示す分解斜視図である。図3Bは、同上の配線器具を示す斜視図である。
図4図4は、同上の配線器具の第2ユニットの交換例を示す図である。
図5図5は、同上の器具設置支援システムの器具設置支援方法を示すフローチャートである。
図6図6は、同上の器具設置支援システムの間取り図情報の一例を示す図である。
図7図7は、同上の器具設置支援システムのコース選択画面の一例を示す図である。
図8図8は、同上の器具設置支援システムの入力画面の一例を示す図である。
図9図9は、同上の器具設置支援システムの入力画面の一例を示す図である。
図10図10は、同上の器具設置支援システムの入力画面の一例を示す図である。
図11図11は、同上の器具設置支援システムの提案画面の一例を示す図である。
図12図12は、同上の器具設置支援システムの設置情報画面の一例を示す図である。
図13図13は、同上の器具設置支援システムの下位画面の一例を示す図である。
図14図14は、同上の器具設置支援システムの第1確認画面の一例を示す図である。
図15図15は、同上の器具設置支援システムの第2確認画面の一例を示す図である。
図16図16は、同上の器具設置支援システムの別の器具設置支援方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の実施形態は、一般に器具設置支援システム、器具設置支援方法、及びプログラムに関する。より詳細に、以下の実施形態は、施設に対する配線器具の設置を支援する器具設置支援システム、器具設置支援方法、及びプログラムに関する。なお、以下に説明する実施形態は、本開示の実施形態の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0012】
(1)器具設置支援システムの概要
本実施形態の器具設置支援システムは、施設への配線器具の設置を支援する。施設は、戸建住宅、集合住宅の各住戸、オフィス、工場、又は店舗などの建造物を想定している。配線器具は、壁、天井、及び床などの造営物に取り付けられ、造営物の背面側に敷設されている電力経路に電気的に接続される器具である。例えば、配線器具は、コンセント(Outlet)、USB(Universal Serial Bus)コンセント、負荷制御装置、センサ装置、スイッチ装置、照明機器、音出力機器、火災感知器、防犯カメラ、及びインターホン機器などの少なくとも1つの機能を有する。
【0013】
図1に示す器具設置支援システム1は、施設の新築、リフォーム、又はリノベーションなどの施工前に、施設に設置する配線器具について、配線器具の種類及び設置場所などをユーザH1に提案する。本実施形態では、ユーザH1は、施設の建築主(家主)などのように、施設を使用する人である。更に、器具設置支援システム1は、施設のユーザH1、設計者H2、及び施工主H3などが、施設における配線器具の設置に関する情報を共有できるように構成されていることが好ましい。設計者H2は、施設における配線器具の配置などを設計し、さらには施設全体の設計を行ってもよい。施工主H3は、例えば施設の建設業者及び配線器具のメーカ(製造元)の少なくとも一方であり、施設の施工に関わる事業者である。
【0014】
ここで、ユーザH1は、施設に設置される配線器具に対して、ユーザH1なりの思いを持っている。例えば、配線器具の機能を重視するユーザがいれば、配線器具の意匠を重視するユーザ、又は配線器具のコストを重視するユーザもいる。更には、自身が建築主である施設の施工に際して、配線器具の種類及び設置場所などに自ら積極的に関与したいユーザがいれば、設計者H2又は施工主H3などに一任したいユーザもいる。すなわち、配線器具の設置(種類、設置場所)に対する思いは、ユーザ毎に異なる。
【0015】
そこで、器具設置支援システム1は、ユーザ情報受付部2c、及び表示部2aを備える。ユーザ情報受付部2cは、ユーザに関連するユーザ情報を受け付ける。表示部2aは、ユーザ情報に基づいて、ユーザが使用する施設の間取り図に配線器具に関連する器具情報を配置した設置情報を表示する。
【0016】
すなわち、器具設置支援システム1は、ユーザ情報に基づく設置情報を表示部2aに表示することで、施設に設置する配線器具の種類、設置場所などをユーザH1に提案する。表示部2aに表示された設置情報には、ユーザH1に関するユーザ情報が反映されている。言い換えると、設置情報にはユーザH1の思いが反映されている。ユーザH1は、表示部2aに表示された設置情報を見て、提案された配線器具の設置を確認、検討できる。
【0017】
したがって、器具設置支援システム1は、ユーザH1の思いが配線器具4の設置に反映された設置情報をユーザH1に提案できる。例えば、ユーザH1が配線器具4の選定にどの程度関わりたいと思っているか、その程度に応じてユーザH1が配線器具4の選定に関与することができる。
【0018】
また、器具設置支援システム1は、表示部2a、及びユーザ情報受付部2cに加えて、入力支援部2b、間取り情報受付部2d、サプライヤ情報受付部2e、設置情報生成部2f、発注情報生成部2g、補助情報生成部2h、データ変換部2i、データ収集部2j、提案部2k、及びサービス部2mの少なくとも1つを備えることが好ましい。
【0019】
(2)器具設置支援システムの構成
図1は、器具設置支援システム1の具体構成の一例を示し、器具設置支援システム1は、ユーザ端末11、サーバ12、設計端末13、及び施工主端末14を備える。
【0020】
(2.1)ユーザ端末
ユーザ端末11は、ユーザH1が操作するタブレット端末、スマートフォン、又はパーソナルコンピュータなどであり、表示部2aの機能を備える。
【0021】
具体的に図2に示すように、ユーザ端末11は、操作部11a、ディスプレイ11b、通信部11c、及び制御部11dを有する。
【0022】
操作部11aは、ポインティングデバイス(マウス、タッチパネル、タッチパッドなど)、キーボードなどであり、指又はペンなどによるユーザH1の操作に応じた操作信号を生成する。ディスプレイ11bは、LCD(Liquid Crystal Display)、又はOLED(Organic Light Emitting Diode)などを用いたディスプレイであり、各種画面を表示する。すなわち、ディスプレイ11bは、表示部2aとして機能する。なお、本実施形態では、ユーザ端末11はタッチパネルディスプレイを備えており、タッチパネルディスプレイが操作部11a及びディスプレイ11b(表示部2a)として機能する。
【0023】
通信部11cは、インターネットなどを含むネットワークNT1に接続し、ネットワークNT1上のサーバ12との間で通信を行う。
【0024】
制御部11dは、ユーザH1の操作に応じた操作信号を操作部11aから受け取る。また、制御部11dは、ディスプレイ11bに表示させる画面、及び通信部11cによる通信を制御する。例えば、制御部11dは、操作信号に基づいてユーザH1に関連するユーザ情報を生成し、通信部11cからサーバ12へユーザ情報を送信させる。また、制御部11dは、ユーザ情報を階層的に入力させるための入力支援部2bとしても機能する。
【0025】
なお、ユーザ端末11は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、ユーザ端末11の少なくとも制御部11dの機能が実現される。コンピュータは、プログラムに従って動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、又はLSI(large scale integration)を含む一つ又は複数の電子回路で構成される。ここでは、ICやLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(very large scale integration)、若しくはULSI(ultra large scale integration) と呼ばれるものであってもよい。LSIの製造後にプログラムされる、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、又はLSI内部の接合関係の再構成又はLSI内部の回路区画のセットアップができる再構成可能な論理デバイスも同じ目的で使うことができる。複数の電子回路は、一つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、非一時的記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して非一時的記録媒体に供給されてもよい。
【0026】
(2.2)サーバ
サーバ12は、ネットワークNT1に接続し、ネットワークNT1上のユーザ端末11、設計端末13、及び施工主端末14との間で通信を行う。そして、サーバ12は、ユーザ端末11、設計端末13、及び施工主端末14からネットワークNT1を介して受け取った各情報の管理、各情報を用いた演算処理、及び新たな情報生成などを行う。
【0027】
サーバ12は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、サーバ12の一部または全部の機能が実現される。コンピュータは、プログラムに従って動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、非一時的記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して非一時的記録媒体に供給されてもよい。また、サーバ12は、サーバ12の各機能を分散させた複数のサーバで構成されてもよい。
【0028】
図1に示すように、サーバ12は、各種情報を記憶するための記憶部121を備える。そして、サーバ12は、ユーザ情報受付部2cとして機能する。更に、サーバ12は、間取り情報受付部2d、サプライヤ情報受付部2e、設置情報生成部2f、発注情報生成部2g、補助情報生成部2h、データ変換部2i、データ収集部2j、提案部2k、及びサービス部2mの少なくとも1つとして機能することが好ましい。
【0029】
(2.3)設計端末
設計端末13は、設計者H2が操作するタブレット端末、スマートフォン、又はパーソナルコンピュータなどであり、インターネットなどを含むネットワークNT1に接続し、ネットワークNT1上のサーバ12との間で通信を行う。なお、設計端末13の具体構成は、上述のユーザ端末11(図2参照)と同様であり、説明は省略する。
【0030】
(2.4)施工主端末
施工主端末14は、施工主H3が操作するタブレット端末、スマートフォン、又はパーソナルコンピュータなどであり、インターネットなどを含むネットワークNT1に接続し、ネットワークNT1上のサーバ12との間で通信を行う。なお、施工主端末14の具体構成は、上述のユーザ端末11(図2参照)と同様であり、説明は省略する。
【0031】
(3)配線器具
本実施形態で用いられる配線器具4について、図3A及び図3Bを用いて説明する。
【0032】
配線器具4は、壁、天井、及び床などの造営物W1に取り付けられ、図示しない負荷への電力供給、負荷の制御、及びセンシングの少なくとも1つを行う。造営物W1は、施設の壁、天井、及び床などを含む。例えば、配線器具4は、コンセント、USBコンセント、負荷制御装置、センサ装置、スイッチ装置、照明機器、音出力機器、火災感知器、防犯カメラ、及びインターホン機器などの少なくとも1つの機能を有する。
【0033】
本実施形態の配線器具4は、第1ユニット41、及び第2ユニット42を備える。第1ユニット41は、造営物W1の背面側に敷設されている電力経路に電気的に接続されて、造営物W1に固定される。第2ユニット42は、第1ユニット41に対して取り外し可能に装着され、第1ユニット41に取り付けられているときは第1ユニット41から電力を供給される。図3Aは、第2ユニット42が第1ユニット41から取り外された状態の概略斜視図である。図3Bは、第2ユニット42が第1ユニット41に装着された状態の概略斜視図である。
【0034】
造営物W1は、壁パネルW11、及び壁パネルW11の背面(後面)側に位置する柱W12を有している。壁パネルW11は、柱W12に対して固定されている。
【0035】
第1ユニット41は、壁パネルW11の背面側に配置されている。第1ユニット41は、例えば、木ねじ等の固定具91(図3A参照)によって柱W12に取り付けられる。壁パネルW11の背面側に配置された第1ユニット41は、壁パネルW11に形成されている円形の施工孔W13を通して壁パネルW11の前方に露出する。つまり、施工孔W13を通すことで、壁パネルW11の前面側から第1ユニット41にアクセス可能である。
【0036】
第1ユニット41は、矩形箱状の中空のスイッチボックス411を有し、スイッチボックス411の前面には、装着スペース412を有する。装着スペース412は、第2ユニット42の少なくとも一部を収容する凹部4121を有している。ここでは、凹部4121は、スイッチボックス411の前面の一部が後方に凹んだ形に形成されることで、前方に開放されている。凹部4121の底面には、一対の弧状の挿通孔4122が形成されている。
【0037】
第2ユニット42は、壁パネルW11の前面側から施工孔W13を通して第1ユニット41に装着される。そして、第2ユニット42は、第1ユニット41に装着された状態で、第1ユニット41から電力供給されるように構成されている。つまり、第1ユニット41は第2ユニット42に給電する。本実施形態では、第2ユニット42は、円柱部421、及び前板部422を有する。前板部422は、正方形の板状に形成され、円柱部421の前端部と一体化されている。前板部422は、円柱部421の外周から側方に張り出すように、円柱部421の前面よりも一回り大きく形成されている。円柱部421の後面には、一対の接続端子423が設けられている。
【0038】
そして、配線器具4は、第1ユニット41と第2ユニット42とを電気的かつ機械的に接続するための構成として、引掛シーリングローゼットを採用している。すなわち、第2ユニット42を第1ユニット41に取り付ける場合には、第2ユニット42の一対の接続端子423が、第1ユニット41の一対の挿通孔4122に差し込まれた状態で、第2ユニット42が正面視で時計回りに回転させられることで、第2ユニット42が第1ユニット41に対して電気的かつ機械的に接続される。
【0039】
また、第2ユニット42を第1ユニット41から取り外す場合には、第2ユニット42が正面視で反時計回りに回転させられることで、第2ユニット42が第1ユニット41から電気的かつ機械的に取り外される。
【0040】
図4は、第2ユニット42の交換例を模式的に示す説明図であって、例えば、施工孔W13から露出する第1ユニット41の形状等について、適宜簡略化して図示している。
【0041】
本実施形態では、第1ユニット41に対して、複数種類の第2ユニット42として、第2ユニット42a~42iを装着可能である。そのため、配線器具4では、造営物W1に固定された第1ユニット41を残したまま、第2ユニット42のみを別の第2ユニット42に交換することが可能である。これにより、配線器具4では、第2ユニット42を交換することによって、配線器具4の機能を変えることができる。
【0042】
図4では、第2ユニット42aは、負荷のプラグを接続可能なコンセントとしての機能を有し、照明機器、空調機器、冷蔵庫、換気扇、情報処理装置又は携帯端末などの負荷に交流電圧を出力する。
【0043】
第2ユニット42bは、ボリューム、ロータリエンコーダ又はロータリスイッチ等の回転操作型のユーザインタフェースを含み、負荷制御装置としての機能を有する。この第2ユニット42bは、ユーザインタフェースが受け付けたユーザの操作に応じて、照明機器等の負荷に対する通電状態を制御する。
【0044】
第2ユニット42cは、USBコンセントとしての機能を有する。第2ユニット42cは、負荷のUSBプラグを差込接続可能なUSBのレセプタクルを有し、USBプラグを通じて負荷に直流電圧を出力する。
【0045】
第2ユニット42dは、磁力によってプラグを吸着する、マグネットコンセントとしての機能を有する配線器具である。第2ユニット42dは、負荷のプラグをマグネットの磁力で吸引することにより、プラグを通じて負荷に交流又は直流の電力を供給する。
【0046】
第2ユニット42eは、人感センサ又は明るさセンサなどを含み、センサ装置としての機能を有する配線器具である。第2ユニット42eは、センサの検知結果を出力し、センサの検知結果は、照明機器等の負荷に対する通電状態の制御などの負荷制御に用いられる。
【0047】
また、第2ユニット42fは、押ボタン式、シーソ式又はタッチ式のユーザインタフェースを含み、スイッチ装置としての機能を有する。第2ユニット42fは、ユーザインタフェースが受け付けたユーザの操作に応じて、照明機器等の負荷に対する通電状態を制御する。特に、第2ユニット42fは、ユーザインタフェースを複数(ここでは4つ)含んでおり、複数(ここでは4つ)のスイッチを有している。そのため、1つの第2ユニット42fにて、複数(ここでは4つ)の負荷を制御することが可能である。
【0048】
第2ユニット42gは、押ボタン式、シーソ式又はタッチ式のユーザインタフェースを含み、スイッチ装置としての機能を有する。この第2ユニット42gは、ユーザインタフェースが受け付けたユーザの操作に応じて、照明機器等の負荷に対する通電状態を制御する。
【0049】
第2ユニット42hは、光を出力する照明機器(ダウンライト、常夜灯、階段灯、非常灯及び足元灯等を含む)としての機能を有する。第2ユニット42hは、第1ユニット41から電力供給を受けて光源を点灯させることにより、周囲を照明する。
【0050】
第2ユニット42iは、音(音声、ビープ音及びメロディ等を含む)を出力する音出力機器としての機能を有する。第2ユニット42iは、第1ユニット41からの電力供給を受けて、電気信号を音に変換することで、音を出力する。
【0051】
なお、第2ユニット42は、例えばディスプレイ、通信機器又は計測機器等の機能を有してもよい。人感センサの機能を有する第2ユニット42は、例えば照明機器の点灯状態の切り替えのために、照明空間内の人の有無を検出する。火災感知器の機能を有する第2ユニット42は、施設における火災発生の有無を検出する。防犯カメラの機能を有する第2ユニット42は、施設のセキュリティのために所定スペースを撮像し、撮像データを出力する。インターホン機器の機能を有する第2ユニット42は、他のインターホン機器との間で通話を行う。
【0052】
器具設置支援システム1では、少なくとも1つの機能を有する多くの種類の第2ユニット42が予め準備されている。したがって、施設に複数の第1ユニット41を配置しておけば、所望の第2ユニット42を複数の第1ユニット41のそれぞれに取り付けることで、第1ユニット41を交換することなく、配線器具4の機能をフレキシブルに設定又は変更できる。
【0053】
(4)器具設置支援システムの動作
(4.1)施工前
施設の建築主であるユーザH1は、施設の施工前に設計者H2及び施工主H3と打ち合わせなどを行って、施設の仕様を決める。その仕様を決める過程において、器具設置支援システム1は、図5のフローチャートに沿って、配線器具4の設置に関する提案をユーザH1に対して行う。
【0054】
設計者H2が施設の間取り図を作成すると、設計端末13は、間取り図のデータを含む間取り情報をサーバ12へ送信する。サーバ12では、間取り情報受付部2dが間取り情報を受け取り、記憶部121は、間取り情報を記憶する(S1)。すなわち、間取り情報受付部2dは、間取り情報を受け付ける受付処理を行う。
【0055】
間取り情報は、2次元CAD又は3次元CADで作成された施設の間取り図の情報である。本実施形態では、間取り図は、施設の間取りに加えて、第1ユニット41(配線器具4)の設置位置の情報も含む。すなわち、設計者H2は、施設の間取りに配線器具4の設置位置の情報も含めて、間取り図を作成する。図6は、間取り図情報の一例として、間取り図情報I1を示す。間取り図情報I1は、仮想空間内に施設の間取りを構築した施設モデルM1を含み、施設モデルM1の壁、天井、床などに第1ユニット41のモデルである第1モデルM11が配置されている。したがって、ユーザH1は、間取り図情報I1を見れば、第1ユニット41(配線器具4)の位置を容易に把握できる。
【0056】
ユーザ端末11は、器具設置支援用のアプリケーションのプログラムを予めインストールしており、ユーザH1は、ユーザ端末11を操作して器具設置支援用のアプリケーションを起動する。
【0057】
そして、ユーザH1は、ユーザ端末11を操作してユーザ情報を入力するのであるが、このとき、ユーザ端末11の制御部11dは入力支援部2bとしても機能する。入力支援部2bは、ユーザ情報の入力時にディスプレイ11bが表示する画面を階層的に遷移させる。本実施形態では、ユーザ情報の入力時の画面が、後述のプロフィール入力画面→コース選択画面G1(図7参照)→入力画面G2a(図8参照)、G2b(図9参照)、G2c(図10参照)と階層的に遷移する。したがって、ユーザH1は、ユーザ情報の入力をスムーズに行うことができる。なお、本実施形態では3段階の遷移であるが、2段階の遷移、又は4段階以上の遷移であってもよい。
【0058】
具体的に、ユーザ端末11の制御部11dは、器具設置支援用のアプリケーションが立ち上がると、プロフィール入力画面をディスプレイ11b(表示部2a)に表示させる。プロフィール入力画面は、性別、年齢、名前などのプロフィール情報をユーザ情報としてユーザH1に入力させるための画面である。ユーザH1は、プロフィール入力画面を操作してプロフィール情報を入力する。制御部11dは、入力されたプロフィール情報をメモリに格納する(S2)。なお、プロフィール情報は、本実施形態のユーザ情報に含まれる。
【0059】
次に、ユーザ端末11の制御部11dは、図7に示すコース選択画面G1をディスプレイ11b(表示部2a)に表示させる。コース選択画面G1は、ユーザH1の意向(嗜好又は希望など)に基づくコース情報をユーザ情報としてユーザH1に入力させるための画面である。具体的に、コース選択画面G1は、ボタンB1~B4を備える。ボタンB1~B3は、配線器具4の設置に対するユーザH1の意向を選択させるためのボタンである。ボタンB1は、おすすめコースを選択するためのボタンであり、配線器具4の設置に対して積極的に関与したくないユーザH1に選択される。ボタンB2は、こだわりコースを選択するためのボタンであり、配線器具4の設置に対して積極的に関与したいユーザH1に選択される。ボタンB3は、価格帯コースを選択するためのボタンであり、配線器具4の設置に対して価格を重視するユーザH1に選択される。ボタンB1~B3は、ユーザH1によって押操作されると、ボタンB1~B3のうち最後に押操作されたボタンのみが反転表示され、ユーザH1は、いずれのボタンを選択したかを確認できる。ユーザH1は、ボタンB1~B3のうちいずれか1つを選択した後、ボタンB4を押操作する。制御部11dは、ボタンB4が押操作されると、入力されたコース情報をメモリに格納する(S3)。なお、コース情報は、本実施形態のユーザ情報に含まれる。
【0060】
さらに、制御部11dは、ボタンB4が押操作されると、ステップS3で入力されたコース情報に応じて、コース別の入力画面をディスプレイ11b(表示部2a)に表示させる。コース別の入力画面は、各コースに応じた参照情報を生成するための画面である。
【0061】
図8は、ユーザH1がおすすめコースを選択した場合に、ディスプレイ11bに表示される入力画面G2aの一例を示す。入力画面G2aは、参照情報をユーザ情報としてユーザH1に入力させるための画面であり、ボタンB11~B22を備える。入力画面G2aでは、ユーザH1の家族構成及び住居構成の各情報を参照情報としている。
【0062】
ボタンB11~B15は、ユーザH1の家族構成を選択させるためのボタンである。ボタンB11は、家族構成として「単身」を選択するためのボタンである。ボタンB12は、家族構成として「夫婦」を選択するためのボタンである。ボタンB13は、家族構成として「夫婦+子供」を選択するためのボタンである。ボタンB14は、家族構成として「2世帯同居」を選択するためのボタンである。ボタンB15は、家族構成として「その他」を選択するためのボタンであり、ボタンB15が押操作されると、家族構成を手動入力する画面が表示され、ユーザH1は任意の家族構成を入力できる。
【0063】
ボタンB16~B20は、ユーザH1の住居構成を選択させるためのボタンである。ボタンB16は、住居構成として「1K」を選択するためのボタンである。ボタンB17は、住居構成として「2K」を選択するためのボタンである。ボタンB18は、住居構成として「2LDK」を選択するためのボタンである。ボタンB19は、住居構成として「3LDK」を選択するためのボタンである。ボタンB20は、住居構成として「その他」を選択するためのボタンであり、ボタンB20が押操作されると、住居構成を手動入力する画面が表示され、ユーザH1は任意の住居構成を入力できる。
【0064】
ボタンB11~B15は、ユーザH1によって押操作されると、ボタンB11~B15のうち最後に押操作されたボタンのみが反転表示され、ユーザH1は、いずれのボタンを選択したかを確認できる。また、ボタンB16~B20は、ユーザH1によって押操作されると、ボタンB16~B20のうち最後に押操作されたボタンのみが反転表示され、ユーザH1は、いずれのボタンを選択したかを確認できる。ユーザH1は、ボタンB11~B15のうちいずれか1つを選択し、ボタンB16~B20のうちいずれか1つを選択した後、ボタンB21を押操作する。制御部11dは、ボタンB21が押操作されると、入力された参照情報(ユーザH1の家族構成及び住居構成の各情報)をメモリに格納する(S4)。なお、参照情報は、本実施形態のユーザ情報に含まれる。
【0065】
また、制御部11dは、ボタンB22が押操作されると、コース選択画面G1(図7参照)をディスプレイ11bに表示させる。すなわち、制御部11dは、ボタンB22が押操作されると、ステップS3に戻って、コース情報の入力処理を再び行う。
【0066】
図9は、ステップS3でユーザH1がこだわりコースを選択した場合に、ディスプレイ11bに表示される入力画面G2bの一例を示す。入力画面G2bは、参照情報をユーザ情報としてユーザH1に入力させるための画面であり、ボタンB31~B37を備える。入力画面G2bでは、ユーザH1が配線器具4に対して欲しい機能の情報を参照情報としている。
【0067】
ボタンB31~B35は、ユーザH1が欲しい機能を選択させるためのボタンである。ボタンB31~B35はそれぞれ、機能(1)~機能(5)を選択するためのボタンである。機能として、「照明の消し忘れ防止」、「鍵の閉め忘れ防止」、「防犯」、「施設の中の監視」、「親又は子供の見守り」、「節電」、「リモコンの数を減らしたい」、「機器の遠隔操作」、「スイッチ操作の低減」、「快適な温度、湿度」、及び「最新機能」などが挙げられる。
【0068】
ボタンB31~B35は、ユーザH1によって押操作されると、ボタンB31~B35のうち最後に押操作されたボタンのみが反転表示され、ユーザH1は、いずれのボタンを選択したかを確認できる。ユーザH1は、ボタンB31~B35のうちいずれか1つを選択した後、ボタンB36を押操作する。制御部11dは、ボタンB36が押操作されると、入力された参照情報(ユーザH1が欲しい機能の情報)をメモリに格納する(S4)。なお、参照情報は、本実施形態のユーザ情報に含まれる。
【0069】
また、制御部11dは、ボタンB37が押操作されると、コース選択画面G1(図7参照)をディスプレイ11bに表示させる。すなわち、制御部11dは、ボタンB37が押操作されると、ステップS3に戻って、コース情報の入力処理を再び行う。
【0070】
入力画面G2bとしては、ユーザH1が望む施設のスタイル(エレガント風、モダン風、オリエンタル風など)、又はユーザH1が重視したいシーン(家族団欒、ホームシアター、勉強、読書など)の情報を参照情報としてユーザH1に入力させるための画面であってもよい。
【0071】
図10は、ステップS3でユーザH1が価格帯コースを選択した場合に、ディスプレイ11bに表示される入力画面G2cの一例を示す。入力画面G2cは、参照情報をユーザ情報としてユーザH1に入力させるための画面であり、ボタンB41~B47を備える。入力画面G2cでは、ユーザH1が希望する配線器具4の価格帯の情報を参照情報としている。
【0072】
ボタンB41~B45は、ユーザH1が希望する配線器具4の価格帯を選択させるためのボタンである。ボタンB41~B45はそれぞれ、価格帯(1)~価格帯(5)を選択するためのボタンである。ボタンB41~B45は、ユーザH1によって押操作されると、ボタンB41~B45のうち最後に押操作されたボタンのみが反転表示され、ユーザH1は、いずれのボタンを選択したかを確認できる。ユーザH1は、ボタンB41~B45のうちいずれか1つを選択した後、ボタンB46を押操作する。制御部11dは、ボタンB46が押操作されると、入力された参照情報(ユーザH1が希望する配線器具4の価格帯の情報)をメモリに格納する(S4)。なお、参照情報は、本実施形態のユーザ情報に含まれる。
【0073】
また、制御部11dは、ボタンB47が押操作されると、コース選択画面G1(図7参照)をディスプレイ11bに表示させる。すなわち、制御部11dは、ボタンB47が押操作されると、ステップS3に戻って、コース情報の入力処理を再び行う。
【0074】
そして、制御部11dは、ボタンB21(図8参照)、B36(図9参照)、B46(図10参照)のいずれかが押操作されると、図11の提案画面G3をディスプレイ11b(表示部2a)に表示させる。提案画面G3は、ユーザH1が入力したプロフィール情報、コース情報、及び参照情報などのユーザ情報をコメント欄C1に表示する。そして、制御部11dは、提案画面G3のボタンB51が押操作されると、通信部11cからサーバ12へ、ユーザH1のユーザ情報を送信させる。サーバ12では、ユーザ情報受付部2cがユーザ情報を受け取り、記憶部121は、ユーザ情報を記憶する(S5)。すなわち、ユーザ情報受付部2cは、ユーザ情報を受け付ける受付処理を行う。
【0075】
また、制御部11dは、ボタンB52が押操作されると、入力画面G2a(図8参照)、G2b(図9参照)、G2c(図10参照)のいずれかを前画面としてディスプレイ11bに表示させる。すなわち、制御部11dは、ボタンB52が押操作されると、ステップS4に戻って、参照情報の入力処理を再び行う。
【0076】
サーバ12では、設置情報生成部2fは、記憶部121に格納されているユーザ情報(プロフィール情報、コース情報、参照情報)に基づいて設置情報を生成するシミュレーションを行う(S6)。設置情報は、ユーザH1が使用する施設の間取り図に配線器具4に関連する器具情報を配置した情報である。器具情報は、配線器具4の第2ユニット42のシンボル、機能、名称、及び型式などの情報である。すなわち、設置情報生成部2fは、ユーザ情報に基づいて、配線器具4の第2ユニット42の設置に関する提案プランを生成するシミュレーションを行う。例えば、器具設置支援システム1では、ディープラーニングなどの機械学習によって、設置情報の生成アルゴリズムを予め作成しておき、設置情報生成部2fは、機械学習による生成アルゴリズムを用いて、ユーザ情報に基づく設置情報の生成処理を行うことが好ましい。設置情報生成部2fは、生成した設置情報を、ユーザ端末11へ送信する。この設置情報生成部2fは、ユーザ情報に基づいてシミュレーションを行うことで、ユーザH1の思いが配線器具4の設置に反映された設置情報を生成できる。
【0077】
ユーザ端末11では、通信部11cがサーバ12から設置情報を受け取ると、制御部11dは、設置情報を含む設置情報画面をディスプレイ11bに表示させる(S7)。図12は、ディスプレイ11bに表示される設置情報画面G11の一例を示す。
【0078】
設置情報画面G11は、間取り図情報I1(図6参照)に、第2ユニット42のモデルである第2モデルM12を配置した画面である。すなわち、設置情報画面G11は、間取り図情報I1の施設モデルM1に第2モデルM12を取り付けた画面であり、第2モデルM12は、第1モデルM11(図6参照)に重なるように配置されている。第2モデルM12は、第1モデルM11の位置にのみ配置可能である。
【0079】
施設モデルM1内の第1モデルM11のそれぞれに装着される第2モデルM12はシミュレーション結果によって決定されている。設置情報画面G11における第2モデルM12のシンボルのデザイン(形状)は、第2ユニット42の種類毎に互いに異なるデザインに予め作成されており、設置情報画面G11を見たユーザH1は、何処にどの種類の第2ユニット42が取り付けられるかを把握できる。
【0080】
また、ユーザ端末11の入力支援部2bは、設置情報画面G11に対するユーザH1の操作によって、ディスプレイ11bが表示する画面を階層的に遷移させる。例えば、ユーザH1が操作部11aの操作によって設置情報画面G11内のいずれかの第2モデルM12を選択し、詳細表示操作を行うと、入力支援部2bは、選択された第2モデルM12の詳細を記載した下位画面G12を設置情報画面G11に重ねて、ディスプレイ11bに表示させる。第2モデルM12の詳細は、第2モデルM12の機能、名称、型式、及び設置場所などの情報である。
【0081】
図13は、下位画面G12の一例を示す。下位画面G12は、設置情報画面G11の一部に設置情報画面G11に重ねて表示され、第2モデルM12の機能、名称、型式、及び設置場所などの情報を表示する。入力支援部2bは、ユーザH1による操作部11aの操作によって、下位画面G12を消去することができる。なお、入力支援部2bは、ディスプレイ11bが表示する画面を設置情報画面G11から下位画面G12に遷移させたときに、下位画面G12のみを表示させてもよい。また、入力支援部2bは、下位画面G12から更に別の下位画面に遷移させてもよい。
【0082】
また、ユーザH1は、操作部11aを操作することで、設置情報画面G11で提案されている設置情報に変更を加えることもできる。
【0083】
例えば、ユーザH1が操作部11aの操作によって設置情報画面G11内のいずれかの第2モデルM12を選択し、機器変更操作を行うと、入力支援部2bは、選択された第2モデルM12に代わって配置可能な1つ以上の第2モデルM12を列挙した機器変更画面をディスプレイ11bに表示させる。機器変更画面に列挙された第2モデルM12は、機能、名称、及び型式などとともに表示される。ユーザH1は、操作部11aを操作することで、機器変更画面に列挙された第2モデルM12からいずれか1つの第2モデルM12を変更後の第2モデルM12として選択する。入力支援部2bは、設置情報画面G11内の第2モデルM12をユーザH1が選択した変更後の第2モデルM12に置き換える。この結果、設置情報画面G11で提案された設置情報が、ユーザH1の意向により沿った設置情報に変更される(S9)。
【0084】
さらに、ユーザH1が操作部11aの操作によって設置情報画面G11内の所望の位置を選択し、機器追加操作を行うと、入力支援部2bは、選択された位置に第1モデルM11を追加し、ユーザH1が選択した第2モデルM12を第1モデルM11に重ねる。この結果、設置情報画面G11で提案された設置情報が、ユーザH1の意向により沿った設置情報に変更される(S9)。
【0085】
そして、ユーザH1は、ディスプレイ11bに表示されている設置情報画面G11を見て、現状の設置情報画面G11を最終の設置情報画面G11として承認すれば、設置情報画面G11のボタンB61(図12参照)を押操作する。すなわち、ユーザH1は、最終の設置情報を承認すれば、設置情報画面G11のボタンB61を押操作する。制御部11dは、ボタンB61が押操作されればOKと判断して(S8)、ディスプレイ11bに第1確認画面G21(図14参照)を表示させる(S10)。制御部11dは、ボタンB61が押操作されなければ(S8)、上述のステップS9の処理を可能とする。
【0086】
図14は、ディスプレイ11bに表示される第1確認画面G21の一例を示す。第1確認画面G21は、入力フィールドF101、ボタンB101~B102を備える。
【0087】
入力フィールドF101には、ユーザH1による操作部11aの入力操作によって、最終の設置情報画面G11を保存するファイル名が入力される。ユーザH1は、入力フィールドF101にファイル名を入力した後に、ボタンB101を押操作する。制御部11dは、ボタンB101が押操作されると、入力されたファイル名と最終の設置情報画面G11とを紐付けた保存情報をメモリに格納する。
【0088】
また、ユーザH1は、最終の設置情報画面G11に基づく配線器具4のリストを要求する場合には、ボタンB102を押操作する。制御部11dは、ボタンB102が押操作されると、図15の第2確認画面G22をディスプレイ11bに表示させる。第2確認画面G22は、ボタンB111、B112を備え、配線器具4のリストL1を表示する。制御部11dは、リストL1を最終の設置情報画面G11に基づいて作成する。
【0089】
ユーザH1は、表示されているリストL1を確認した後、ボタンB111を押操作する。制御部11dは、ボタンB111が押操作されると、最終の設置情報画面G11の情報を通信部11cからサーバ12へ送信させる。サーバ12では、記憶部121が最終の設置情報画面G11の情報を記憶する。更に、サーバ12では、発注情報生成部2gが、最終の設置情報画面G11(最終の設置情報)に基づいて配線器具4の発注情報を生成する。発注情報は、最終の設置情報画面G11に含まれている配線器具4の第1ユニット41及び第2ユニット42の各型式、個数、及び価格などの各情報を含む。そして、発注情報生成部2gは、発注情報を設計端末13及び施工主端末14へ送信する。
【0090】
ユーザH1がボタンB112を押操作すると、制御部11dは、サーバ12から発注情報をダウンロードして、発注情報をメモリに格納する。制御部11dは、ユーザH1による操作部11aの操作によって、メモリから発注情報の情報を読み出して、発注情報をディスプレイ11bに表示させたり、発注情報をプリンタに印刷させたりすることができる。
【0091】
したがって、設計者H2及び施工主H3は、設計者H2及び施工主H3も、ユーザH1に承認された最終の設置情報(最終の設置情報画面G11)をユーザH1とリアルタイムに共有でき、施工管理業務(調達、製造、在庫、出荷等)の効率化を実現することができる。従来、配線器具4の選択には、設計者H2及び施工主H3の少なくとも一方がユーザH1と面談することで、設置情報を共有しており、人リソース及び時間の無駄があった。しかしながら、器具設置支援システム1は、ユーザH1のみの判断、又はユーザH1と設計者H2との面談によって設置情報を作成でき、設置情報を、ユーザH1、設計者H2及び施工主H3とでリアルタイムに共有でき、人リソース及び時間を有効に使うことができる。
【0092】
また、施工主H3は、配線器具4(第2ユニット42)の在庫及び供給能力などのバックヤードの情報をサプライヤ情報として、施工主端末14からサーバ12へ送信することができる。サーバ12では、サプライヤ情報受付部2eが、サプライヤ情報を受け取る。この場合、設置情報生成部2fは、ユーザ情報及びサプライヤ情報に基づいて、設置情報を生成することが好ましい。具体的に、設置情報生成部2fは、在庫している複数の第2ユニット42のうち、在庫数が多い第2ユニット42を、在庫数が少ない第2ユニット42に比べて優先して用いるように、設置情報を生成する。また、設置情報生成部2fは、供給能力が高い第2ユニット42を、供給能力が低い第2ユニット42に比べて優先して用いるように、設置情報を生成する。したがって、器具設置支援システム1は、配線器具4(第2ユニット42)の在庫及び供給能力などに応じて、特定の第2ユニット42を優先して用いた設置情報を生成するので、施工主H3は、配線器具4の発注に応えやすくなる。
【0093】
また、サーバ12では、ユーザ端末11から最終の設置情報(最終の設置情報画面G11)を受け取ると、補助情報生成部2hが、配線器具4を施設に設置する施工作業の補助になる施工補助情報を生成することが好ましい。施工補助情報は、施設に設置される配線器具4の設定情報、識別情報、及び連携情報などの少なくとも1つである。設定情報は、配線器具4の機能を特定又は制限するために、配線器具4のソフトウェア又はハードウェアの設定に関する情報である。識別情報は、施設内の管理(制御、監視)のために、複数の配線器具4のそれぞれに固有に割り当てる情報である。連携情報は、施設に取り付けられる複数の配線器具4のうち、互いに連携する2つ以上の配線器具4に予め施しておくペアリングに関する情報である。
【0094】
サーバ12は、補助情報生成部2hが生成した施工補助情報を設計端末13及び施工主端末14へ送信する。設計者H2は、施工補助情報に基づいて、配線器具4のそれぞれの設置に関する設計を行うことができる。施工主H3は、配線器具4に施工補助情報に基づく設定を施してから、配線器具4を施設へ出荷することができる。
【0095】
したがって、施設での施工時に、配線器具4の設定を行う必要がなく、施工時間の短縮、施工の低コスト化、及び施工の汎用化などを図ることができる。また、施設での施工時に、配線器具4の誤設置及び誤接続などが発生すると、配線器具4の誤設置及び誤接続を報知することも容易に可能となる。
【0096】
また、サーバ12では、データ変換部2iが、設置情報を生成するまでの過程で用いられたデータを二次利用可能な形態のデータに変換することが好ましい。具体的に、データ変換部2iは、ユーザ情報、間取り情報、サプライヤ情報、設置情報、発注情報、及び施工補助情報などの一次データから個人情報を削除又は消去したデータを、二次データとして生成する。サーバ12は、多数のユーザH1から取得したユーザ情報、間取り情報、サプライヤ情報、設置情報、発注情報、及び施工補助情報などから、ビッグデータとして二次利用可能な二次データを生成できる。例えば、ユーザH1の属性及び設置情報に基づいて、第2ユニット42の選択傾向、トレンドなどを分析できる。
【0097】
また、器具設置支援システム1では、少なくともユーザH1及び施設の施工主H3が設置情報にアクセス可能に構成されることが好ましい。この場合、ユーザH1だけでなく、施工主H3も施工主端末14を用いて、ユーザ端末11に表示されている設置情報画面G11にアクセスできる。すなわち、ユーザH1だけでなく、施工主H3も設置情報画面G11に変更を加えることができる。
【0098】
さらに、器具設置支援システム1では、ユーザH1及び施工主H3に加えて、設計者H2も設計端末13を用いて、ユーザ端末11に表示されている設置情報画面G11にアクセスできることが好ましい。この場合、ユーザH1、設計者H2、及び施工主H3のそれぞれの意向を反映させた設置情報を生成できる。
【0099】
したがって、ユーザ端末11に表示されている設置情報画面G11に対して、ユーザ端末11、設計端末13、及び施工主端末14からそれぞれ変更を加えることができるので、ユーザH1、設計者H2、及び施工主H3の各意向を反映させた設置情報を生成できる。すなわち、設計者H2又は施工主H3がユーザH1の思いに対してリアルタイム、又はタイムラグを抑えて翌日などに反応することができる。
【0100】
設置情報は、ビルディング インフォメーション モデリング(Building Information Modeling)データの一部として利用されてもよい。以降、ビルディング インフォメーションモデリングをBIMデータと略称する。BIMデータには、設置情報に加えて、施設の3次元モデルのデータ、部材属性データ、スケジュールデータ、及び労働資源データ以外に、施工費、施工前の企画段階の情報、及び施工に携わる業者などに関する他のデータも含まれる。この場合、さらに広範囲に亘ってデータ管理の共通化を図ることができる。
【0101】
(4.2)施工後
器具設置支援システム1は、施設に設置された配線器具4の動作に関する使用情報をサーバ12へ送信するための使用情報生成部を備えている。使用情報生成部は、配線器具4に一体に設けられる構成、及び配線器具4と別体に設けられる構成のいずれであってもよい。
【0102】
そして、器具設置支援システム1では、施設に配線器具4が設置された施工後において、サーバ12が使用情報を収集する。使用情報は、配線器具4の動作に関する情報である。サーバ12は、使用情報をビッグデータとして収集し、使用情報を解析することで、ユーザH1に対して配線器具4に関する提案、及びサービス提供を行う。さらに、サーバ12は、配線器具4のメーカ、及び各種サービスを提供する事業者などに使用情報又は使用情報の解析結果などを提供する。使用情報の解析は、地域毎、施工主H3毎、又はユーザH1毎に行われることが好ましい。
【0103】
器具設置支援システム1は、配線器具4の使用情報を収集することで、施工後における配線器具4の状態を把握でき、ユーザH1の生活に合った提案及びサービスを提供できる。例えば、ユーザH1は、自分の生活に合った新たな配線器具4を選定し直すことができる。一方、設計者H2及び施工主H3は、ユーザH1との接点を維持して、様々な事業を展開できる。
【0104】
(4.2.1)配線器具4に関する提案
以下、施工後に器具設置支援システム1が行う配線器具4に関する提案について、図16のフローチャートを用いて説明する。
【0105】
器具設置支援システム1では、データ収集部2jが、施設に設置されている配線器具4の使用情報を収集し、使用情報を記憶部121に格納する(S21)。
【0106】
器具設置支援システム1では、提案部2kが、記憶部121に格納されている使用情報に基づいて、配線器具4に関する提案を提案情報として生成し、ユーザ端末11へ送信する。ユーザ端末11では、制御部11dがディスプレイ11b(表示部2a)に提案情報を表示させる。ユーザH1は、ディスプレイ11bに表示された提案情報を見て、提案内容を確認できる。また、提案部2kは、SNS(Social Networking Service)を利用して、提案情報をユーザ端末11へ送信してもよい。
【0107】
具体的に、使用情報は、以下の各情報を含む。
・配線器具4の第2ユニット42の自発的な動作内容(例えば、センサ装置及び照明装置などの動作の頻度又は回数)。
・第2ユニット42の使われ方(スイッチ装置などのように、第2ユニット42を用いる人の癖が反映される情報であり、例えばスイッチ装置などの操作の頻度又は回数)。
・第2ユニット42の使用履歴。
・第2ユニット42(例えば、コンセント、USBコンセントなど)に接続されている電気機器の使用状況(消費電力、使用履歴など)。
・複数の第2ユニット42の各動作の相関(例えば、人感センサと照明機器との相関など)。
【0108】
データ収集部2jは、第2ユニット42の消費電力、又は第2ユニット42に接続されている電気機器の消費電力に基づいて、使用情報を収集してもよい。また、データ収集部2jは、ディスアグリゲーション(Disaggregation)によって、第2ユニット42の消費電力、又は第2ユニット42に接続されている電気機器の消費電力を検出してもよい。
【0109】
提案部2kは、例えば、施設に設置されている配線器具4がユーザH1の生活に適しているか否かを、施工後の所定期間(例えば、施工後の1ヶ月間)における使用情報に基づいて分析する。
【0110】
具体的に、コンセントとして機能する第2ユニット42a(図4参照)の使用情報として、プラグの抜き差しが頻繁に行われていれば、提案部2kは、第2ユニット42aをUSBコンセントとして機能する第2ユニット42c(図4参照)に交換することを提案する提案情報を生成する。
【0111】
スイッチ装置として機能する第2ユニット42gの操作頻度が高ければ、提案部2kは、人感センサの機能を有する第2ユニット42eを用いたシステムを提案する提案情報を生成する。
【0112】
また、提案部2kは、使用情報を分析して、生活の改善情報をユーザH1へ提案する提案情報を生成してもよい。
【0113】
また、提案部2kは、使用情報を分析して、ユーザH1へ提案情報を伝えるためにメッセージを作成してもよい。例えば、メッセージとしては、「配線器具を使用してから、1ヶ月が経過しました。ありがとうございます。配線器具の機能についてもっと知りたいときは、知りたいことを話しかけてみてください。」などが挙げられる。
【0114】
そして、提案部2kは、提案情報を生成する際に、使用情報に加えて、施設の間取り図を用いて提案を行うことが好ましい。この場合、提案情報では、施設の間取り図に対して、追加する配線器具4、入れ替える配線器具4、交換する配線器具4などが図示されて、ユーザH1は、提案内容を容易に把握できる。
【0115】
また、提案部2kは、間取図において配線器具4が配置されている場所と、配線器具4の機能との相関に基づいて提案を行うことが好ましい。例えば、トイレに設置されている第2ユニット42には、トイレという場所に応じた機能が要求される。そこで、提案部2kは、トイレに設置される第2ユニット42として、トイレという場所に応じた機能を有する第2ユニット42を提案する。この場合、器具設置支援システム1は、提案内容の最適化を図ることができる。
【0116】
また、提案部2kは、施設の第1空間における使用情報に基づいて、施設の第2空間に対して提案を行うことが好ましい。例えば、施設が集合住宅である場合、集合住宅の各住戸の構造は似通っている。したがって、集合住宅の各住戸のうち、第1住戸における配線器具4の使い方を、第2住戸において参考にすることができる。そこで、提案部2kは、施設の第1住戸における使用情報に基づいて、施設の第2住戸に対して提案を行う。この場合、器具設置支援システム1は、提案内容の幅を拡げることができる。
【0117】
また、サーバ12は、複数の施設から、複数の施設の各使用情報を収集してもよい。この場合、提案部2kは、複数の施設のうち第1施設における使用情報に基づいて、複数の施設のうち第2施設に対して提案を行うことが好ましい。例えば、複数の施設が同じ系列の店舗である場合、店舗の構造は似通っている。したがって、第1店舗における配線器具4の使い方を、第2店舗において参考にすることができる。この場合、器具設置支援システム1は、提案内容の幅を拡げることができる。
【0118】
なお、提案部2kによる提案内容は上記の提案に限定されず、第2ユニット42の新製品の案内、又は第2ユニット42の寿命通知などであってもよい。
【0119】
(4.2.2)サービス提供
以下、施工後に器具設置支援システム1が行うサービスの提供について説明する。
【0120】
器具設置支援システム1では、サービス部2mが、記憶部121に格納されている使用情報に基づいて、以下のような各種サービスを提供する。
・施設内の高齢者及び子供の見守りサービス。
・施設の消費電力の監視サービス。
【0121】
なお、サービス部2mが提供するサービスは、上記サービスに限定されない。
【0122】
(5)変形例
ユーザ端末11が、表示部2a、入力支援部2b、ユーザ情報受付部2c、間取り情報受付部2d、サプライヤ情報受付部2e、設置情報生成部2f、発注情報生成部2g、補助情報生成部2h、データ変換部2i、データ収集部2j、提案部2k、及びサービス部2mを備えてもよい。
【0123】
また、図1に示す器具設置支援システム1では、表示部2a、入力支援部2b、ユーザ情報受付部2c、間取り情報受付部2d、サプライヤ情報受付部2e、設置情報生成部2f、発注情報生成部2g、補助情報生成部2h、データ変換部2i、データ収集部2j、提案部2k、及びサービス部2mを2つのコンピュータ(ユーザ端末11及びサーバ12)に分散させている。しかしながら、上述の各部を3つ以上のコンピュータに分散させてもよい。
【0124】
すなわち、少なくとも1つのコンピュータがプログラムを実行して、上述の表示部2a、入力支援部2b、ユーザ情報受付部2c、間取り情報受付部2d、サプライヤ情報受付部2e、設置情報生成部2f、発注情報生成部2g、補助情報生成部2h、データ変換部2i、データ収集部2j、提案部2k、及びサービス部2mの各機能が実現されればよい。
【0125】
(6)まとめ
上述の実施形態に係る第1の態様の器具設置支援システム(1)は、ユーザ情報受付部(2c)と、表示部(2a)と、を備える。ユーザ情報受付部(2c)は、ユーザ(H1)に関連するユーザ情報を受け取る。表示部(2a)は、ユーザ情報に基づいて、ユーザ(H1)が使用する施設の間取り図に配線器具(4)に関連する器具情報を配置した設置情報を表示する。
【0126】
上述の器具設置支援システム(1)は、ユーザ(H1)の思いが配線器具(4)の設置に反映された設置情報をユーザ(H1)に提案できる。
【0127】
上述の実施形態に係る第2の態様の器具設置支援システム(1)は、第1の態様において、ユーザ情報に基づいて、設置情報を生成する設置情報生成部(2f)を更に備えることが好ましい。
【0128】
上述の器具設置支援システム(1)は、ユーザ(H1)の思いが配線器具(4)の設置に反映された設置情報を生成できる。
【0129】
上述の実施形態に係る第3の態様の器具設置支援システム(1)は、第2の態様において、配線器具(4)を施設へ供給する事業者(H3)から配線器具(4)に関連するサプライヤ情報を受け取るサプライヤ情報受付部(2e)を更に備えることが好ましい。設置情報生成部(2f)は、ユーザ情報及びサプライヤ情報に基づいて、設置情報を生成する。
【0130】
上述の器具設置支援システム(1)は、配線器具(4)の在庫及び供給能力などに応じて、特定の配線器具(4)を優先して用いた設置情報を生成でき、配線器具(4)の発注に応えやすくなる。
【0131】
上述の実施形態に係る第4の態様の器具設置支援システム(1)では、第1乃至第3の態様のいずれか1つにおいて、ユーザ情報は、ユーザの意向に関する情報を含むことが好ましい。
【0132】
上述の器具設置支援システム(1)は、ユーザ(H1)の嗜好及び希望などの意向を設置情報に反映させることができる。
【0133】
上述の実施形態に係る第5の態様の器具設置支援システム(1)は、第1乃至第4の態様のいずれか1つにおいて、ユーザ情報を階層的に入力させるための入力支援部(2b)を更に備えることが好ましい。
【0134】
上述の器具設置支援システム(1)では、ユーザ(H1)は、ユーザ情報の入力をスムーズに行うことができる。
【0135】
上述の実施形態に係る第6の態様の器具設置支援システム(1)は、第1乃至第5の態様のいずれか1つにおいて、設置情報に含まれる配線器具を発注するための発注情報を生成する発注情報生成部(2g)を更に備えることが好ましい。
【0136】
上述の器具設置支援システム(1)は、施工管理業務の効率化を実現することができる。
【0137】
上述の実施形態に係る第7の態様の器具設置支援システム(1)は、第1乃至第6の態様のいずれか1つにおいて、配線器具(4)を施設に設置する施工作業の補助になる施工補助情報を生成する補助情報生成部(2h)を更に備えることが好ましい。
【0138】
上述の器具設置支援システム(1)は、施設での施工時に配線器具(4)の設定を不要とし、施工時間の短縮、施工の低コスト化、及び施工の汎用化などを図ることができる。
【0139】
上述の実施形態に係る第8の態様の器具設置支援システム(1)は、第1乃至第7の態様のいずれか1つにおいて、設置情報を生成するまでの過程で用いられたデータを二次利用可能な形態のデータに変換するデータ変換部(2i)を更に備えることが好ましい。
【0140】
上述の器具設置支援システム(1)は、ビッグデータとして二次利用可能な二次データを生成できる。
【0141】
上述の実施形態に係る第9の態様の器具設置支援システム(1)では、第1乃至第8の態様のいずれか1つにおいて、間取り図は、配線器具(4)の設置位置の情報を含むことが好ましい。
【0142】
上述の器具設置支援システム(1)では、ユーザ(H1)は、配線器具(4)の位置を容易に把握できる。
【0143】
上述の実施形態に係る第10の態様の器具設置支援システム(1)では、第1乃至第9の態様のいずれか1つにおいて、少なくともユーザ(H1)及び施設の施工主(H3)が設置情報にアクセス可能に構成されることが好ましい。
【0144】
上述の器具設置支援システム(1)は、ユーザ(H1)及び施工主(H3)のそれぞれの意向を反映させた設置情報を生成できる。
【0145】
上述の実施形態に係る第11の態様の器具設置支援方法は、ユーザ情報受付ステップ(S5)と、表示ステップ(S7)と、を備える。ユーザ情報受付ステップ(S5)は、ユーザ(H1)に関連するユーザ情報を受け取る。表示ステップ(S7)は、ユーザ情報に基づいて、ユーザ(H1)が使用する施設の間取り図に配線器具(4)に関連する器具情報を配置した設置情報を表示する。
【0146】
上述の器具設置支援方法は、ユーザ(H1)の思いが配線器具(4)の設置に反映された設置情報をユーザ(H1)に提案できる。
【0147】
上述の実施形態に係る第12の態様のプログラムは、コンピュータに第11の態様の器具設置支援方法を実行させる。
【0148】
上述のプログラムは、ユーザ(H1)の思いが配線器具(4)の設置に反映された設置情報をユーザ(H1)に提案できる。
【0149】
上述の実施形態に係る第13の態様の器具設置支援システム(1)は、データ収集部(2j)と、提案部(2k)と、を備える。データ収集部(2j)は、施設に設置されている配線器具(4)の動作に関する使用情報を収集する。提案部(2k)は、使用情報に基づいて、配線器具(4)に関する提案を行う。
【0150】
上述の器具設置支援システム(1)は、ユーザ(H1)の生活に合った提案を行うことができる。
【0151】
上述の実施形態に係る第14の態様の器具設置支援システム(1)では、第13の態様において、提案部(2k)は、使用情報に加えて、施設の間取り図を用いて、提案を行うことが好ましい。
【0152】
上述の器具設置支援システム(1)では、ユーザ(H1)は、提案内容を容易に把握できる。
【0153】
上述の実施形態に係る第15の態様の器具設置支援システム(1)では、第13又は第14の態様において、提案部(2k)は、配線器具(4)が配置されている場所と、配線器具(4)の機能との相関に基づいて提案を行うことが好ましい。
【0154】
上述の器具設置支援システム(1)は、提案内容の最適化を図ることができる。
【0155】
上述の実施形態に係る第16の態様の器具設置支援システム(1)では、第13乃至第15の態様のいずれか1つにおいて、使用情報は、配線器具(4)の使われ方に関する情報を含むことが好ましい。
【0156】
上述の器具設置支援システム(1)は、配線器具(4)の使われ方に合った提案を行うことができる。
【0157】
上述の実施形態に係る第17の態様の器具設置支援システム(1)では、第16の態様において、使用情報は、配線器具(4)の操作の頻度又は回数に関する情報を含むことが好ましい。
【0158】
上述の器具設置支援システム(1)は、配線器具(4)の操作の頻度又は回数に合った提案を行うことができる。
【0159】
上述の実施形態に係る第18の態様の器具設置支援システム(1)では、第13乃至第17の態様のいずれか1つにおいて、配線器具(4)の数は複数であり、使用情報は、複数の配線器具(4)の各動作の相関に関する情報を含むことが好ましい。
【0160】
上述の器具設置支援システム(1)は、複数の配線器具(4)の各動作の相関を考慮した提案を行うことができる。
【0161】
上述の実施形態に係る第19の態様の器具設置支援システム(1)では、第13乃至第18の態様のいずれか1つにおいて、提案部(2k)は、施設の第1空間における使用情報に基づいて、施設の第2空間に対して提案を行うことが好ましい。
【0162】
上述の器具設置支援システム(1)は、提案内容の幅を拡げることができる。
【0163】
上述の実施形態に係る第20の態様の器具設置支援システム(1)では、第13至第19の態様のいずれか1つにおいて、施設の数は複数であり、提案部(2k)は、複数の施設のうち第1施設における使用情報に基づいて、複数の施設のうち第2施設に対して提案を行うことが好ましい。
【0164】
上述の器具設置支援システム(1)は、提案内容の幅を拡げることができる。
【0165】
上述の実施形態に係る第21の態様の器具設置支援方法は、データ収集ステップ(S21)と、提案ステップ(S22)と、を備える。データ収集ステップ(S21)は、施設に設置されている配線器具(4)の動作に関する使用情報を収集する。提案ステップ(S22)は、使用情報に基づいて、配線器具(4)に関する提案を行う。
【0166】
上述の器具設置支援方法は、ユーザ(H1)の生活に合った提案を行うことができる。
【0167】
上述の実施形態に係る第22の態様のプログラムは、コンピュータに第21の態様の器具設置支援方法を実行させる。
【0168】
上述のプログラムは、ユーザ(H1)の生活に合った提案を行うことができる。
【符号の説明】
【0169】
1 器具設置支援システム
2a 表示部
2b 入力支援部
2c ユーザ情報受付部
2e サプライヤ情報受付部
2f 設置情報生成部
2g 発注情報生成部
2h 補助情報生成部
2i データ変換部
4 配線器具
H1 ユーザ
H3 施工主(事業者)
S5 ユーザ情報受付ステップ
S7 表示ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16