(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】作業システム、駆動システム、パラメータ設定方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G05D 3/12 20060101AFI20241206BHJP
H05K 13/04 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
G05D3/12 305V
H05K13/04 A
(21)【出願番号】P 2023531416
(86)(22)【出願日】2022-03-14
(86)【国際出願番号】 JP2022011410
(87)【国際公開番号】W WO2023276309
(87)【国際公開日】2023-01-05
【審査請求日】2023-12-20
(31)【優先権主張番号】P 2021108039
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉野 晋平
(72)【発明者】
【氏名】藤原 弘之
【審査官】大古 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-107138(JP,A)
【文献】特開2018-051664(JP,A)
【文献】特開2013-132698(JP,A)
【文献】特開平04-064288(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 3/00 - 3/20
H05K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部から付与される駆動力によって作業対象に向かって移動し、前記作業対象に作業を施すヘッド部と、
前記ヘッド部とともに移動し、前記ヘッド部の少なくとも一部である検出対象部位の変位を検出する変位検出部と、
移動している前記ヘッド部が停止するときの前記変位の検出結果に基づいて、前記駆動部による前記ヘッド部の移動を制御するための制御パラメータを設定するパラメータ設定部と、を備え
、
前記変位検出部は、前記検出対象部位を撮像する撮像部を含む
作業システム。
【請求項2】
前記パラメータ設定部は、移動している前記ヘッド部が停止するときの前記変位が減少するように前記制御パラメータを設定する
請求項1の作業システム。
【請求項3】
前記変位検出部は、前記ヘッド部に設けられている
請求項1又は2の作業システム。
【請求項4】
前記ヘッド部は、
前記作業対象に前記作業を施す作業部と、
前記作業部が取付けられ、前記駆動部によって移動するヘッド本体と、を有し、
前記検出対象部位は、前記作業部の先端を含む
請求項1乃至3のいずれか1つの作業システム。
【請求項5】
前記パラメータ設定部は、
前記変位の時間変動に基づいて、前記検出対象部位に発生した振動の振幅、周波数及び周期の少なくとも1つを振動情報として求め、
前記振動情報に基づいて前記制御パラメータを決定する
請求項1乃至4のいずれか1つの作業システム。
【請求項6】
前記ヘッド部は、
部品を捕捉する捕捉部を備え、
前記作業として、前記作業対象に前記部品を装着する装着作業を行う
請求項1乃至5のいずれか1つの作業システム。
【請求項7】
前記パラメータ設定部は、前記装着作業を行うために移動している前記ヘッド部が停止するときの前記変位の検出結果に基づいて、前記制御パラメータを設定する
請求項6の作業システム。
【請求項8】
前記制御パラメータは、前記駆動部の応答性に関するゲインである
請求項1乃至7のいずれか1つの作業システム。
【請求項9】
駆動部から付与される駆動力によって作業対象に向かって移動し、前記作業対象に作業を施すヘッド部と、
前記ヘッド部とともに移動し、前記ヘッド部の少なくとも一部である検出対象部位の変位を検出する変位検出部と、
移動している前記ヘッド部が停止するときの前記変位の検出結果に基づいて、前記駆動部による前記ヘッド部の移動を制御するための制御パラメータを設定するパラメータ設定部と、を備え、
前記制御パラメータは、前記駆動部の応答性に関するゲインである
作業システム。
【請求項10】
駆動部から付与される駆動力によって作業対象に向かって移動し、前記作業対象に作業を施すヘッド部と、
前記駆動部による前記ヘッド部の移動を制御するための制御パラメータを設定するパラメータ設定部と、を備え、
前記パラメータ設定部は、
前記ヘッド部とともに移動し前記ヘッド部の少なくとも一部である検出対象部位を撮像する撮像部を含む変位検出部から、前記検出対象部位の変位の検出結果を取得し、
移動している前記ヘッド部が停止するときの前記変位の検出結果に基づいて、前記制御パラメータを設定する
作業システム。
【請求項11】
駆動部から付与される駆動力によって作業対象に向かって移動し、前記作業対象に作業を施すヘッド部と、
前記駆動部による前記ヘッド部の移動を制御するための制御パラメータを設定するパラメータ設定部と、を備え、
前記パラメータ設定部は、
前記ヘッド部とともに移動する変位検出部から、前記ヘッド部の少なくとも一部である検出対象部位の変位の検出結果を取得し、
移動している前記ヘッド部が停止するときの前記変位の検出結果に基づいて、前記制御パラメータを設定し、
前記制御パラメータは、前記駆動部の応答性に関するゲインである
作業システム。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1つの作業システムと、
前記駆動部と、を備える
駆動システム。
【請求項13】
前記駆動部は、前記ヘッド部に前記駆動力を付与するために運動する可動部を有し、
前記可動部の位置を検出する位置検出部と、
前記ヘッド部の位置を指示する指令値に基づいて前記可動部を制御する駆動制御部と、を更に備え、
前記駆動制御部は、
前記変位の検出結果及び前記可動部の位置の検出結果に基づいて、前記ヘッド部の位置を示す制御量を求め、
前記制御量が前記指令値に追従するように、前記可動部を運動させる
請求項12の駆動システム。
【請求項14】
駆動部から付与される駆動力によって作業対象に向かって移動し、前記作業対象に作業を施すヘッド部の少なくとも一部である検出対象部位の変位を、前記ヘッド部とともに移動する変位検出部を用いて検出する変位検出ステップと、
移動している前記ヘッド部が停止するときの前記変位の検出結果に基づいて、前記駆動部による前記ヘッド部の移動を制御するための制御パラメータを設定するパラメータ設定ステップと、を含み、
前記変位検出部は、前記検出対象部位を撮像する撮像部を含む
パラメータ設定方法。
【請求項15】
駆動部から付与される駆動力によって作業対象に向かって移動し、前記作業対象に作業を施すヘッド部の少なくとも一部である検出対象部位の変位を、前記ヘッド部とともに移動する変位検出部を用いて検出する変位検出ステップと、
移動している前記ヘッド部が停止するときの前記変位の検出結果に基づいて、前記駆動部による前記ヘッド部の移動を制御するための制御パラメータを設定するパラメータ設定ステップと、を含み、
前記制御パラメータは、前記駆動部の応答性に関するゲインである
パラメータ設定方法。
【請求項16】
コンピュータに、請求項14又は15のパラメータ設定方法の前記パラメータ設定ステップを実行させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業システム、駆動システム、パラメータ設定方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の部品実装機は、部品を保持する部品保持手段をモータにより移動させて基板上に部品を実装する。部品保持手段はモータからの加速度を伴って動くために、部品保持手段が停止する際には部品保持手段に残留振動が発生する。この残留振動は部品実装機の実装精度に大きな影響を及ぼす要因の一つとなっている。
【0003】
特許文献1には、このような残留振動を低減するための処理を行う部品実装機が開示されており、部品保持手段に発生する残留振動を計測する手段としてレーザビーム計測器を用いている。そして、部品保持手段をレーザビーム計測器のレーザビームが照射される位置まで移動させることで、部品保持手段に発生する残留振動を計測する。残留振動値が許容値を超える場合には、残留振動値が許容値以下となるように部品保持手段の移動時間を変更する。
【0004】
しかしながら、特許文献1の部品実装機のような作業システムでは、ヘッド部(部品保持手段)の移動の方向及びストロークなどが変化するとヘッド部に発生する振動は変化する。そのため、レーザ測長器(レーザビーム計測器)によりヘッド部に発生する振動が計測される計測箇所以外の位置にヘッド部を移動する場合に、ヘッド部に発生する振動を低減するようにヘッド部の移動を制御することは容易にできないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【0006】
本開示の目的とするところは、制御パラメータを適切に設定することでヘッド部に発生する振動を抑制し、ヘッド部の移動範囲で高精度な作業を可能とする作業システム、駆動システム、パラメータ設定方法、及びプログラムを提供することにある。
【0007】
本開示の一態様に係る作業システムは、ヘッド部と、変位検出部と、パラメータ設定部と、を備える。前記ヘッド部は、駆動部から付与される駆動力によって作業対象に向かって移動し、前記作業対象に作業を施す。前記変位検出部は、前記ヘッド部とともに移動し、前記ヘッド部の少なくとも一部である検出対象部位の変位を検出する。前記パラメータ設定部は、移動している前記ヘッド部が停止するときの前記変位の検出結果に基づいて、前記駆動部による前記ヘッド部の移動を制御するための制御パラメータを設定する。前記変位検出部は、前記検出対象部位を撮像する撮像部を含む。
本開示の別の一態様に係る作業システムは、ヘッド部と、変位検出部と、パラメータ設定部と、を備える。前記ヘッド部は、駆動部から付与される駆動力によって作業対象に向かって移動し、前記作業対象に作業を施す。前記変位検出部は、前記ヘッド部とともに移動し、前記ヘッド部の少なくとも一部である検出対象部位の変位を検出する。前記パラメータ設定部は、移動している前記ヘッド部が停止するときの前記変位の検出結果に基づいて、前記駆動部による前記ヘッド部の移動を制御するための制御パラメータを設定する。前記制御パラメータは、前記駆動部の応答性に関するゲインである。
【0008】
本開示の一態様に係る作業システムは、ヘッド部と、パラメータ設定部と、を備える。前記ヘッド部は、駆動部から付与される駆動力によって作業対象に向かって移動し、前記作業対象に作業を施す。前記パラメータ設定部は、前記駆動部による前記ヘッド部の移動を制御するための制御パラメータを設定する。前記パラメータ設定部は、前記ヘッド部とともに移動し前記ヘッド部の少なくとも一部である検出対象部位を撮像する撮像部を含む変位検出部から、前記検出対象部位の変位の検出結果を取得し、移動している前記ヘッド部が停止するときの前記変位の検出結果に基づいて、前記制御パラメータを設定する。
本開示の別の一態様に係る作業システムは、ヘッド部と、パラメータ設定部と、を備える。前記ヘッド部は、駆動部から付与される駆動力によって作業対象に向かって移動し、前記作業対象に作業を施す。前記パラメータ設定部は、前記駆動部による前記ヘッド部の移動を制御するための制御パラメータを設定する。前記パラメータ設定部は、前記ヘッド部とともに移動する変位検出部から、前記ヘッド部の少なくとも一部である検出対象部位の変位の検出結果を取得し、移動している前記ヘッド部が停止するときの前記変位の検出結果に基づいて、前記制御パラメータを設定する。前記制御パラメータは、前記駆動部の応答性に関するゲインである。
【0009】
本開示の一態様に係る駆動システムは、上述の作業システムと、前記駆動部と、を備える。
【0010】
本開示の一態様に係るパラメータ設定方法は、変位検出ステップと、パラメータ設定ステップと、を含む。前記変位検出ステップは、駆動部から付与される駆動力によって作業対象に向かって移動し、前記作業対象に作業を施すヘッド部の少なくとも一部である検出対象部位の変位を、前記ヘッド部とともに移動する変位検出部を用いて検出する。前記パラメータ設定ステップは、移動している前記ヘッド部が停止するときの前記変位の検出結果に基づいて、前記駆動部による前記ヘッド部の移動を制御するための制御パラメータを設定する。前記変位検出部は、前記検出対象部位を撮像する撮像部を含む。
本開示の別の一態様に係るパラメータ設定方法は、変位検出ステップと、パラメータ設定ステップと、を含む。前記変位検出ステップは、駆動部から付与される駆動力によって作業対象に向かって移動し、前記作業対象に作業を施すヘッド部の少なくとも一部である検出対象部位の変位を、前記ヘッド部とともに移動する変位検出部を用いて検出する。前記パラメータ設定ステップは、移動している前記ヘッド部が停止するときの前記変位の検出結果に基づいて、前記駆動部による前記ヘッド部の移動を制御するための制御パラメータを設定する。前記制御パラメータは、前記駆動部の応答性に関するゲインである。
【0011】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、上述のパラメータ設定方法の前記パラメータ設定ステップを実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施形態の作業システムを備える駆動システムを示すブロック図である。
【
図2】
図2は、同上の作業システムの要部を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、同上の作業システムの撮像部を示す側面図である。
【
図4】
図4は、同上の作業システムのヘッド部の振動を示す概略の側面図である。
【
図5】
図5は、同上の作業システムの制御パラメータ設定方法を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、同上の作業システムの第2変形例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の実施形態は、一般に、作業システム、駆動システム、パラメータ設定方法、及びプログラムに関する。より詳細には、作業対象に向かって移動し、作業対象に作業を施すヘッド部を備える作業システム、及び駆動システム、並びにそのパラメータ設定方法、及びプログラムに関する。
【0014】
以下、実施形態に係る作業システム、駆動システム、パラメータ設定方法、及びプログラムについて、
図1~
図5を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0015】
(1)駆動システムの概要
以下、本実施形態に係る駆動システム1の概要について説明する。
【0016】
【0017】
図1に示す駆動システム1は、作業対象8に作業を施すシステムであり、例えば、工場、研究所、事務所及び教育施設等の施設において、電子機器、自動車、衣料品、食料品、医薬品及び工芸品等の種々の製品の製造のための作業に用いられる。作業は、作業対象8に対して施される装着、検査、塗布、ボンディング、及び移載などである。装着は、作業対象8に部品を装着(実装)する作業である。検査は、作業対象8の外観(形状、大きさ、キズ、位置など)、又は内部(クラック、空洞など)を検査する作業である。塗布は、作業対象8にはんだ、接着剤、及びフラックスなどの液剤を塗布する作業である。ボンディングは、作業対象8にボンディングを施す作業である。移載は、作業対象8を移動させる作業である。
【0018】
本実施形態では、駆動システム1が、工場での電子機器の製造に用いられる場合について説明する。一般的な電子機器は、例えば、電源回路及び制御回路等の各種の回路ブロックを有している。これらの回路ブロックの製造にあたっては、一例として、はんだ塗布工程、実装工程、及びはんだ付け工程が、この順で行われる。はんだ塗布工程では、基板(プリント配線板を含む)にクリーム状はんだが塗布(又は印刷)される。実装工程では、基板に部品(電子部品を含む)が装着される。はんだ付け工程では、例えば、部品が装着された状態の基板を、リフロー炉にて加熱することにより、クリーム状はんだを溶かしてはんだ付けが行われる。駆動システム1は、実装工程において、作業対象8である基板81(
図2及び
図3参照)に対して、部品9(
図2及び
図3参照)を装着する装着作業を行う。
【0019】
装着作業では、ヘッド部の吸着ノズルが部品9を部品供給部から吸着し、基板81の上面に装着する。このとき、ヘッド部の位置制御は、高い位置決め精度を要する。そこで、ヘッド部を移動させる駆動部のアクチュエータとして主にサーボモータが採用されている。サーボモータの制御には、指令(制御目標)と実動作との偏差を小さくするフィードバック制御という技術が用いられる。そして、サーボモータのフィードバック制御を高精度に行うためには、ゲインなどの制御パラメータを適切に設定することが必要になる。
【0020】
サーボモータの制御パラメータ設定を行う設定作業では、ヘッド部の実動作を把握する手段として、据え置き型のレーザ測長器による吸着ノズルの振動(ノズル振れ)の測定結果を用いることが考えられる。装着作業では、ヘッド部が部品供給部から基板上へ移動し基板81上で停止したり、ヘッド部が基板81上の次の装着位置に移動して停止したりするときに、ヘッド部に振動が発生する。レーザ測長器は、ヘッド部の停止時にヘッド部の吸着ノズルに発生する振動(ノズル振れ)をレーザ測定する。そして、ノズル振れの測定結果から、ヘッド部の実動作を把握し、指令と実動作との偏差が小さくなるように制御パラメータを設定する。
【0021】
ここで、ヘッド部がX軸及びY軸(
図2参照)の各方向に移動するとして、ノズル振れは、移動しているヘッド部が停止するXY平面(X軸及びY軸で定義される平面)上の位置によって異なる。そこで、移動しているヘッド部が停止するXY平面上の位置を動作ポジションとし、複数の動作ポジションのそれぞれでノズル振れが測定される。具体的には、指定された始点からヘッド部がY軸(
図2参照)方向に移動するという条件下で、ヘッド部が移動する距離を示すストロークを可変にしてストローク毎にノズル振れが測定される。また、始点をX軸(
図2参照)方向において異なる複数の位置にそれぞれ設定し、X軸方向において互いに異なる位置の各始点からストローク毎のノズル振れが測定される。しかし、動作ポジションを変えてノズル振れを測定するには、動作ポジション毎にレーザ測長器の設置が必要となり、動作ポジションを変更する度にレーザ測長器の再設置を行わなければならない。この結果、装着作業中にヘッド部が指定された第1点から第2点まで移動する際の制御パラメータを適切に設定するためには、少なくともノズル振れが測定される動作ポジションの数を増やすことが考えられるが、多くの時間と手間が必要になってしまう。すなわち、ヘッド部の移動範囲で高精度な作業を可能とするために、制御パラメータを適切に設定するには、多くの時間と手間が必要であった。
【0022】
また、据え置き型のレーザ測長器によるノズル振れの測定結果を用いた制御パラメータ設定は、駆動システムの開発時に開発機を用いて行われており、駆動システムの量産機毎には実施されていない。すなわち、駆動システムの個体差を考慮した制御パラメータ設定は行われていない。また、量産機毎に、据え置き型のレーザ測長器を用いて、ヘッド部の移動範囲で高精度な作業を可能とするために制御パラメータを適切に設定することは困難であった。
【0023】
また、据え置き型のレーザ測長器を用いた場合、設備内部の吸着ノズルの振動を測定するためには、設備外部に設置したレーザ測長器が設備内部の吸着ノズルにレーザを照射する。しかし、設備の構造によっては、レーザを照射できる設備内の範囲が限定されてしまう。この場合、設備内部の吸着ノズルの振動を測定すること自体が困難であった。
【0024】
そこで、本実施形態の駆動システム1は、
図1に示す作業システム2、及び駆動部6を備えている。作業システム2は、ヘッド部3、変位検出部4、及び制御部5を備えている。
【0025】
ヘッド部3と制御部5との間、変位検出部4と制御部5との間、及び駆動部6と制御部5との間は、無線経路又は有線経路を介して互いに通信可能にそれぞれ接続されている。無線通信は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、又はZigBee(登録商標)などの規格に準拠することが好ましい。有線通信は、イーサネット(Ethernet)(登録商標)などの有線LAN(Local Area Network)の規格に準拠していることが好ましい。なお、無線通信及び有線通信は、専用の通信規格であってもよい。
【0026】
ヘッド部3は、駆動部6から付与される駆動力によって作業対象8に向かって移動し、作業対象8に作業を施す。変位検出部4は、ヘッド部3とともに移動し、ヘッド部3の少なくとも一部である検出対象部位3aの変位を検出する。制御部5のパラメータ設定部52は、移動しているヘッド部3が停止するときの変位の検出結果に基づいて、駆動部6によるヘッド部3の移動を制御するための制御パラメータを設定する。したがって、駆動システム1及び作業システム2は、制御パラメータを適切に設定することでヘッド部3に発生する振動を抑制し、ヘッド部3の移動範囲で高精度な作業を可能とする。
【0027】
(2)詳細
(2.1)前提
本実施形態では一例として、表面実装技術(SMT:Surface Mount Technology)による部品9の装着に、駆動システム1が用いられる場合について説明する。つまり、部品9は、表面実装用の部品(SMD:Surface Mount Device)であって、基板81の実装面811(
図2及び
図3参照)上に配置されることをもって装着される。
【0028】
また、本開示でいう「撮像結果」は、撮像部41の撮像画像であって、静止画(静止画像)及び動画(動画像)を含む。さらに、「動画」は、コマ撮り等により得られる複数の静止画にて構成される撮像画像を含む。撮像部41の撮像画像は、撮像部41から出力されたデータそのものでなくてもよい。例えば、撮像部41の撮像画像は、必要に応じて適宜データの圧縮、他のデータ形式への変換、又は撮像部41の撮像画像から一部を切り出す加工、ピント調整、明度調整、若しくはコントラスト調整等の加工が施されていてもよい。本実施形態では一例として、撮像部41の撮像画像は、フルカラーの動画である。
【0029】
以下では一例として、
図2に示すように、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸の3軸を設定し、作業対象8である基板81の実装面811に平行な軸を「X軸」及び「Y軸」とし、基板81の厚み方向に平行な軸を「Z」軸とする。さらに、Z軸に沿う両方向のうち一方向を上方向とし、他方向を下方向とする。例えば、後述の捕捉部322が基板81の実装面811に対向しているとき、基板81は、捕捉部322の下方に位置する。なお、X軸、Y軸、及びZ軸は、いずれも仮想的な軸であり、図面中の「X」、「Y」、「Z」を示す矢印は、説明のために表記しているに過ぎず、いずれも実体を伴わない。また、これらの方向は駆動システム1の使用時の方向を限定する趣旨ではない。
【0030】
また、駆動システム1には、冷却水の循環用のパイプ、電力供給用のケーブル及び空圧(正圧及び真空を含む)供給用のパイプ等が接続されるが、本実施形態では、これらの図示を適宜省略する。
【0031】
(2.2)ヘッド部
ヘッド部3のより詳細な構成について、
図1-
図3を参照して説明する。
【0032】
ヘッド部3は、ヘッド本体31、及び作業部32を備える。
【0033】
ヘッド本体31は、箱状に形成された筐体であり、作業部32を保持している。作業部32は、アクチュエータ321、及び捕捉部322を備える。本実施形態に係る駆動システム1では、1つのヘッド本体31に、アクチュエータ321及び捕捉部322を1つずつ設けている。これにより、ヘッド部3は、1つの部品9を捕捉可能である。
【0034】
捕捉部322は、例えば、下端面に吸着口を有する吸着ノズルである。捕捉部322は、制御部5のヘッド制御部53にて制御され、部品9を下端面に捕捉(保持)する捕捉状態と、部品9を解放(捕捉を解除)する解放状態と、を切替可能である。ただし、捕捉部322は、吸着ノズルに限らず、例えば、ロボットハンドのように部品9を挟む(摘む)ことによって捕捉(保持)する構成でもよい。
【0035】
捕捉部322による部品9の捕捉に関しては、ヘッド部3は、動力としての空圧(真空)の供給を受けて動作する。つまり、ヘッド部3は、捕捉部322に繋がる空圧(真空)の供給路上のバルブを開閉することによって、捕捉部322の捕捉状態と、解放状態と、を切り替える。
【0036】
アクチュエータ321は、捕捉部322をZ軸方向に直進移動させる。さらに、アクチュエータ321は、捕捉部322をZ軸方向に沿った軸線を中心とする回転方向(以下、「θ方向」という)に回転移動させる。本実施形態では一例として、Z軸方向への捕捉部322の移動に関しては、アクチュエータ321は、リニアモータで発生する駆動力にて駆動する。θ方向への捕捉部322の回転移動に関しては、アクチュエータ321は、回転型モータで発生する駆動力にて駆動する。また、ヘッド部3は、駆動部6から付与される駆動力によって、X軸方向及びY軸方向に直進移動する。したがって、ヘッド部3の捕捉部322は、駆動部6及びアクチュエータ321によって、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向及びθ方向に移動することが可能である。
【0037】
ヘッド本体31は、一例として、金属製であって直方体状に形成されている。ヘッド本体31にアクチュエータ321及び捕捉部322が組み付けられることによって、ヘッド本体31はアクチュエータ321及び捕捉部322を保持する。本実施形態では、捕捉部322は、Z軸方向及びθ方向への移動が可能な状態で、アクチュエータ321を介してヘッド本体31に間接的に保持される。ヘッド部3は、ヘッド本体31が駆動部6にてX-Y平面内で移動させられることによって、X-Y平面内を移動する。
【0038】
上述した構成によれば、
図2及び
図3に示すように、ヘッド部3は、捕捉部322にて部品9を捕捉した状態で、捕捉部322を作業対象8である基板81に近づけるように移動させる。そして、アクチュエータ321が、捕捉部322をZ軸に沿って上下方向に移動させることで、部品9を基板81の実装面811に装着することが可能となる。具体的に、ヘッド部3は、部品9を捕捉した状態の捕捉部322を下降させることで、部品9を基板81の実装面811に装着する。
【0039】
(2.3)変位検出部
変位検出部4のより詳細な構成について、
図1-
図3を参照して説明する。
【0040】
本実施形態の変位検出部4は、撮像部41を備えて、ヘッド部3のヘッド本体31の下面に取り付けられている。すなわち、変位検出部4はヘッド部3とともに移動する。
【0041】
撮像部41は、
図2及び
図3に示すように、2つのカメラ411、412を有している。カメラ411、412は、X軸方向に沿って並んで配置された、所謂ステレオカメラである。なお、カメラ411、412は、Y軸方向に沿って並んで配置されてもよい。
【0042】
カメラ411、412のそれぞれは、撮像素子及び光学系を有している。撮像素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)又はCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)のようなイメージセンサである。撮像素子は、受光面に結像した画像を電気信号に変換して出力する。光学系は、1つ以上のレンズ及びミラー等を含んでいる。本実施形態では一例として、光学系は、複数のレンズの組み合わせ(レンズ群)にて実現される。光学系は、撮像領域からの光を撮像素子の受光面に結像させる。
【0043】
カメラ411、412のそれぞれは、ヘッド部3の少なくとも一部である検出対象部位3aを撮像する。本実施形態では、検出対象部位3aは、作業部32の先端を含む。具体的に、作業部32の捕捉部322の下端(先端)が検出対象部位3aである。すなわち、カメラ411の撮像領域R1(
図3参照)は検出対象部位3aを含み、カメラ412の撮像領域R2(
図3参照)は検出対象部位3aを含む。
【0044】
したがって、上述の2つのカメラ411、412を備える撮像部41は、検出対象部位3aを撮像部41の撮像領域に含んでおり、検出対象部位3aを撮像することができる。検出対象部位3aは、ヘッド部3の変位に相当するヘッド部3の振動が表れやすい部位であり、本実施形態では、捕捉部322の下端(先端)を検出対象部位3aとしている。
【0045】
そして、撮像部41は、ヘッド本体31の下面に取り付けられている。すなわち、ヘッド部3と撮像部41とは同時に移動する。言い換えると、撮像部41は、ヘッド部3とともに移動する。したがって、撮像部41は、ヘッド部3が移動して停止する位置に関わらず、検出対象部位3aを撮像できる。撮像部41の撮像結果は、動画であり、検出対象部位3aの変位の時間変動に関する情報を含む。すなわち、撮像部41は、検出対象部位3aの変位の検出結果を撮像画像として生成する。なお、撮像部41は、時系列に沿って撮像された複数の静止画像を、検出結果として生成してもよい。撮像部41により生成された撮像画像は、検出対象部位3aの変位を示す座標データに変換される。例えば、ヘッド部3が停止するときの検出対象部位3aの目標位置に対する検出対象部位3aの現在位置を示すデータに変換される。
【0046】
上述のように、変位検出部4は、ヘッド部3とともに移動し、ヘッド部3の少なくとも一部である検出対象部位3aの変位を検出することができる。
【0047】
(2.4)駆動部
駆動部6のより詳細な構成について、
図1及び
図2を参照して説明する。
【0048】
駆動部6は、
図1に示すように、可動部61、及び位置検出部62を備える。
【0049】
可動部61は、制御部5の駆動制御部51にて制御され、ヘッド部3に駆動力を付与するために運動する。本実施形態の駆動部6は、リニアサーボモータを含み、直線運動するスライダを可動部61として有する。そして、駆動部6は、電力供給を受けてリニアサーボモータで発生する駆動力により可動部61を直線運動させる。可動部61にはヘッド部3が機械的に取り付けられており、可動部61が直線運動することで、ヘッド部3をX-Y平面内でリニアに移動させる。
【0050】
位置検出部62は、可動部61の位置を検出する。具体的に、位置検出部62は、可動部61の直線運動の方向における位置を検出するエンコーダを備える。位置検出部62の検出結果は、可動部61の位置情報として制御部5に送信される。
【0051】
本実施形態では、
図2に示すように、2つの駆動部6として、X軸駆動部6A、及びY軸駆動部6Bを有している。
【0052】
X軸駆動部6Aは、ヘッド部3をX軸方向に直進移動させるスライダを可動部61A(61)として備え、可動部61AのX軸方向の位置を検出するエンコーダを位置検出部62A(62)として備える。位置検出部62Aは、可動部61Aの位置の検出結果として、可動部61Aの位置情報を生成する。
【0053】
Y軸駆動部6Bは、ヘッド部3をX軸駆動部6AとともにY軸方向に直進移動させるスライダを可動部61B(61)として備え、可動部61BのY軸方向の位置を検出するエンコーダを位置検出部62B(62)として備える。位置検出部62Bは、可動部61Bの位置の検出結果として、可動部61Bの位置情報を生成する。
【0054】
(2.5)制御部
制御部5のより詳細な構成について、
図1を参照して説明する。
【0055】
制御部5は、駆動システム1の各部を制御する。
【0056】
制御部5は、コンピュータを備えていることが好ましい。このコンピュータがプログラムを実行することによって、制御部5の一部又は全部の機能が実現される。コンピュータは、プログラムに従って動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、又はLSI(Large Scale Integration)を含む一つ又は複数の電子回路で構成される。ここでは、ICやLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、若しくはULSI(Ultra Large Scale Integration) と呼ばれるものであってもよい。LSIの製造後にプログラムされる、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、又はLSI内部の接合関係の再構成又はLSI内部の回路区画のセットアップができる再構成可能な論理デバイスも同じ目的で使うことができる。複数の電子回路は、一つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは一つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。また、制御部5の少なくとも一部は、クラウドコンピューティング技術によって実現されてもよい。
【0057】
制御部5は、ヘッド部3、変位検出部4、及び駆動部6の各々と通信可能に構成されている。制御部5は、ヘッド部3及び駆動部6に制御信号を出力し、捕捉部322にて捕捉した部品9を基板81の実装面811に装着するように、ヘッド部3及び駆動部6を制御する。また、制御部5は、変位検出部4の撮像部41に制御信号を出力して、撮像部41を制御したり、撮像部41の撮像画像を撮像部41から取得したりする。
【0058】
具体的に、制御部5は、駆動制御部51、パラメータ設定部52、及びヘッド制御部53を備える。
【0059】
駆動制御部51は、外部の図示しない管理システムから指令信号を受け取り、駆動部6の位置検出部62から可動部61の位置情報を受け取る。指令信号は、ヘッド部3の位置を指示する指令値のデータを含む信号である。また、駆動制御部51は、位置検出部62のエンコーダの出力を可動部61の位置情報として受け取り、可動部61の位置情報に基づいて、可動部61の位置を把握できる。そして、駆動制御部51は、可動部61の位置の検出結果(可動部61の位置)に基づいて、ヘッド部3の位置(現在位置)を示すヘッド部3の制御量を求める。
【0060】
そして、駆動制御部51は、制御量が指令値に追従するように、可動部61のリニア運動を制御する。すなわち、駆動制御部51は、ヘッド部3の制御量(現在位置)が指令値(目標位置)に追従するように、可動部61の位置をフィードバック制御する。このとき、駆動制御部51は、上述の制御量を用いてフィードバック制御することで、フィードバック制御の精度を向上させることができる。
【0061】
駆動制御部51は、可動部61の位置制御を行うにあたって、制御パラメータを用いる。制御パラメータは、駆動部6によるヘッド部3の移動を制御するためのパラメータである。具体的に、制御パラメータは、フィードバック制御のゲイン、並びに移動速度、加速時間、及び減速時間などである。
【0062】
パラメータ設定部52は、駆動部6によるヘッド部3の移動を制御するための制御パラメータを設定する。具体的に、パラメータ設定部52は、撮像部41から検出対象部位3aの撮像画像を受け取る。パラメータ設定部52は、撮像部41の撮像画像に基づいて、ヘッド部3(捕捉部322)の検出対象部位3aの振動を検出できる。そして、パラメータ設定部52は、移動しているヘッド部3が停止するときの検出対象部位3aの振動に基づいて、制御パラメータを設定する。
【0063】
ヘッド制御部53は、アクチュエータ321及び捕捉部322を制御する。具体的に、ヘッド制御部53は、アクチュエータ321を制御することで、捕捉部322をZ軸方向及びθ方向に移動させる。また、ヘッド制御部53は、捕捉部322を制御することで、捕捉部322による部品9の捕捉状態と部品9の解放状態とを切り替える。
【0064】
(2.6)制御パラメータ設定方法
上述の駆動システム1及び作業システム2は、捕捉部322が部品9を部品供給部から吸着し、基板81の実装面811に装着する装着作業を行う。具体的に、捕捉部322が部品9を吸着すると、ヘッド部3は、駆動部6によって、X-Y平面内を基板81の上方の動作ポジションに向かって移動し、動作ポジションで停止する。詳細には、捕捉部322が部品9を吸着すると、駆動制御部51は、指令値に応じた移動指令を駆動部6に出力し、ヘッド部3は駆動部6によって、目標位置に向かって移動する。単位時間あたりの移動量を示す移動指令が0、つまり停止指令が駆動制御部51から駆動部6に出力されたとき、ヘッド部3は目標位置に達しているのではなく、目標位置とヘッド部3の現在位置との間には偏差が存在する。すなわち、ヘッド部3の目標位置に相当する指令値とヘッド部3の現在位置に相当する制御量との間には偏差が存在する。そして、停止指令が出力された時点からの目標位置とヘッド部3の現在位置との間の偏差(指令値と制御量との間の偏差)が減衰しながら、ヘッド部3は目標位置に到達して、停止する。なお、「ヘッド部3が停止する」とは、駆動部6の駆動力がなくなることによって、駆動部6の駆動力によるヘッド部3の移動が停止する、ことを意味する。すなわち、ヘッド部3が停止している状態で、ヘッド部3が振動することはあり得る。
【0065】
しかし、移動しているヘッド部3が動作ポジションで停止するときに、ヘッド部3は慣性力によって振動する(
図4参照)。特に、ヘッド部3の先端の検出対象部位3a(捕捉部322の下端)が大きく振動する。ヘッド部3が大きく振動していると、アクチュエータ321及び捕捉部322による装着精度が低下してしまう。あるいは、ヘッド部3の振動が収まるまで動作ポジションで待機させる待機時間が長くなり、装着作業の生産性が低下してしまう。
【0066】
そこで、パラメータ設定部52が
図5に示す制御パラメータ設定方法を実行する。この制御パラメータ設定方法は、駆動部6によるヘッド部3の移動を制御するための制御パラメータを設定することで、移動しているヘッド部3が動作ポジションで停止するときの振動(変位)を減少させる。
【0067】
ここで、「振動(変位)を減少させる」とは、以下の2つの概念を含む。
・ヘッド部3に発生する振動の振幅(振動の中心からの最大の変位)を減少させる。
・整定時間を短くする。
【0068】
ヘッド部3の位置制御には、フィードバック制御が用いられる。そして、ヘッド部3を停止させるときのフィードバック制御では、制御量(現在位置)と指令値(目標位置)との偏差が大きいと整定時間が長くなる。なお、整定時間とは、ヘッド部3の振動が許容値以内に収束するまでに要する時間である。例えば、調整対象となる制御パラメータを、フィードバック制御の応答性を設定するパラメータである「ゲイン」とする。この場合、ゲインが大きい程、フィードバック制御の応答性は向上するが、オーバシュートが発生しやすくなって、振動が増大する傾向になる。また、ゲインが小さい程、オーバシュートが発生し難く、振動は低減するが、整定時間が長くなることで、作業時間が長くなる。
【0069】
上述のように、本実施形態では、移動しているヘッド部3が停止するときの検出対象部位3aの振動(変位)が減少するように制御パラメータを設定することで、装着精度の確保と作業時間の短縮とを両立させている。
【0070】
まず、捕捉部322が部品9を捕捉した後、ヘッド部3は、駆動部6によって、X-Y平面内を基板81の上方の動作ポジションに向かって移動する。そして、ヘッド部3が動作ポジションに到着すると、駆動部6はヘッド部3の移動を停止させる。
【0071】
撮像部41は、少なくとも、移動しているヘッド部3が動作ポジションで停止する直前の検出対象部位3aを撮像することで、検出対象部位3aの振動(変位)を検出する(変位検出ステップS1)。なお、撮像部41は、常に撮像する構成であってもよい。また、撮像部41は、ヘッド部3の制御量と指令値との偏差が閾値以下になると撮像を開始する構成であってもよい。また、撮像部41は、駆動制御部51が駆動部6に対する移動指令を完了した時点(停止指令が出力された時点)で撮像を開始する構成であってもよい。また、撮像部41は、ヘッド部3の制御量が指令値に一致すると撮像を開始する構成であってもよい。
【0072】
パラメータ設定部52は、撮像部41の撮像画像のデータを受け取る。撮像画像は、動画又は時系列に沿って撮像された複数の静止画像であり、振動(変位)の時間変動の情報が含まれている。したがって、パラメータ設定部52は、撮像画像に基づいて、検出対象部位3aに発生した振動の振幅、周波数及び周期の少なくとも1つを振動情報として求めることができる。そして、パラメータ設定部52は、振動情報に基づいて制御パラメータを決定する(パラメータ設定ステップS2)。
【0073】
具体的に、パラメータ設定部52は、撮像画像に基づいて、振動の振幅及び周波数、及びそれらの時間変化を振動情報として求めることで、振動の過渡特性を解析する。パラメータ設定部52は、振動の過渡特性の解析結果に基づいて、フィードバック制御の整定時間が最小になる制御パラメータを求める。あるいは、パラメータ設定部52は、振動情報に基づいて、フィードバック制御の整定時間が閾値以下になる制御パラメータを求めてもよい。
【0074】
駆動システム1及び作業システム2は、上述の変位検出ステップS1及びパラメータ設定ステップS2を含む制御パラメータ設定方法を、複数の動作ポジションのそれぞれにおいて実行する。この結果、パラメータ設定部52は、複数の動作ポジションのそれぞれにおいて、装着精度の確保と待機時間の短縮とを両立させることのできる制御パラメータを決定できる。そして、パラメータ設定部52は、複数の動作ポジションのそれぞれに個別に対応する複数の制御パラメータをフィードバック制御に設定する。この場合、駆動制御部51は、複数の動作ポジションのそれぞれに適した制御パラメータを用いてフィードバック制御を行うことができる。
【0075】
また、パラメータ設定部52は、複数の動作ポジションのそれぞれに対応する制御パラメータの平均値、中央値、最大値、又は最小値を代表値とし、この代表値を複数の動作ポジションに共通の制御パラメータとして設定してもよい。あるいは、パラメータ設定部52は、複数の動作ポジションでヘッド部3に発生する振動を検出し、それらの検出結果から複数の動作ポジションに共通のゲインをフィードバック制御に設定してもよい。この場合、上述の変位検出ステップS1とパラメータ設定ステップS2との間に、全ての動作ポジションで変位検出ステップS1を行ったか否かを判定する判定ステップを設ける。例えば、パラメータ設定部52は、全ての動作ポジションにおける変位検出ステップS1の処理が完了するまで、変位検出ステップS1を繰り返す。パラメータ設定部52は、全ての動作ポジションにおける変位検出ステップS1の処理が完了すれば、全ての動作ポジションでの検出結果に基づいて、全ての動作ポジションに共通のゲインをフィードバック制御に設定する。
【0076】
以降、駆動システム1及び作業システム2では、駆動制御部51は、パラメータ設定部52が設定した制御パラメータを用いてフィードバック制御を行う。なお、パラメータ設定部52によるパラメータ設定は、本システムの工場からの出荷前、現場での施工時、定期メンテナンスを行うとき、及び稼働中のうち、少なくとも1つのタイミングで行われる。
【0077】
上述のように、駆動システム1及び作業システム2は、ヘッド部3とともに移動する撮像部41を用いて、複数の動作ポジションにおける検出対象部位3aの振動を検出する。そして、駆動システム1及び作業システム2は、複数の動作ポジションのそれぞれにおいてヘッド部3に発生する振動を低減できる適切な制御パラメータを決定する。この結果、駆動システム1及び作業システム2は、据え置き型のレーザ測長器を用いてヘッド部3の振動を検出する構成に比べて、複数の動作ポジションで振動を測定する手間を抑えて、適切なゲインの設定ができる。すなわち、駆動システム1及び作業システム2は、制御パラメータを適切に設定することでヘッド部3に発生する振動を抑制し、ヘッド部3の移動範囲で高精度な作業を可能とする。
【0078】
また、駆動システム1及び作業システム2は、システムの量産機毎のパラメータ設定を容易に行うことができる。この結果、駆動システム1及び作業システム2は、システムの個体差を考慮したパラメータ設定を容易に行うことができる。
【0079】
また、変位検出部4は、ヘッド部3に取り付けられている。この結果、駆動システム1及び作業システム2は、ヘッド部3が移動して停止する位置に関わらず、ヘッド部3の振動を検出することができる。
【0080】
また、パラメータ設定部52は、装着作業を行うために移動しているヘッド部3が停止するときの振動の検出結果に基づいて、制御パラメータを設定している。すなわち、駆動システム1及び作業システム2は、装着作業を実行しながらパラメータ設定を行うことができるので、パラメータ設定を行うための時間を装着作業の時間と別に準備する必要がなく、使い勝手が向上する。
【0081】
また、制御部5がコンピュータを備えていれば、このコンピュータが実行するプログラムは、コンピュータに上述のパラメータ設定ステップS2の動作を実行させる。
【0082】
(3)第1変形例
本変形例では、駆動制御部51は、可動部61の位置の検出結果及び検出対象部位3aの変位の検出結果に基づいて、ヘッド部3の位置を示す制御量を求め、制御量が指令値に追従するように、可動部61を運動させる。
【0083】
具体的に、駆動制御部51は、位置検出部62のエンコーダの出力を可動部61の位置情報として受け取り、可動部61の位置情報に基づいて、可動部61の位置を把握できる。さらに、駆動制御部51は、撮像部41の撮像画像に基づいて、検出対象部位3aの振動の発生状況(振幅、周波数、周期、及びそれらの時間変化など)を把握できる。そこで、駆動制御部51は、可動部61の位置だけでなく、検出対象部位3aの振動の発生状況も用いて、ヘッド部3の位置(現在位置)を求め、このヘッド部3の位置を示す制御量を求める。すなわち、本変形例の駆動制御部51は、可動部61の位置の検出結果と検出対象部位3aの振動の検出結果とに基づいて、制御量を求める。この場合、駆動制御部51は、ヘッド部3の実際の振れを反映させたヘッド部3の現在位置を制御量として求めることができる。
【0084】
したがって、駆動システム1は、ヘッド部3の振れを反映させた制御量を用いるので、ヘッド部3の位置決め精度を向上させることができる。
【0085】
また、本変形例の制御量を用いる駆動システム1においても、上述の実施形態と同様に制御パラメータを調整することで、ヘッド部3を動作ポジションに停止させるときに、ヘッド部3の振動の振幅を減少させることができる。
【0086】
(4)第2変形例
図6は、作業システムの変形例として、作業システム2Aを示す。
【0087】
作業システム2Aは、変位検出部4を構成要件から外している。すなわち、変位検出部4は、作業システム2Aに含まれない。この場合、作業システム2Aの製造メーカと、変位検出部4の製造メーカとが異なっていても、駆動システム1を構成することができる。
【0088】
(5)第3変形例
パラメータ設定部52が設定する制御パラメータはゲイン以外であってもよく、パラメータ設定部52は、2つ以上の制御パラメータを設定してもよい。すなわち、パラメータ設定部52は、ゲイン、移動速度、加速時間、及び減速時間などの少なくとも1つを制御パラメータとして設定すればよい。
【0089】
変位検出部4は、ヘッド部3とともに移動し、ヘッド部3の検出対象部位3aの変位を検出する機能を有していればよく、撮像部41を備える構成に限定されない。例えば、変位検出部4は、レーザ装置、又は加速度センサなどを備える構成であってもよい。
【0090】
また、変位検出部4は、ヘッド部3と別体に構成されてもよい。この場合、駆動システム又は作業システムは、変位検出部4をヘッド部3と同期させてヘッド部3とともに移動させる変位検出部用の駆動部を更に備える。
【0091】
変位検出部4が備える撮像部41は、2つのカメラ411、412を備える構成に限定されない。撮像部41は、1つ又は3つ以上のカメラを有する構成であってもよい。
【0092】
変位検出部4は、上述のようにヘッド部3が振動している場合の変位を検出するだけに限定されず、ヘッド部3が振動していない場合の変位を検出してもよい。つまり、パラメータ設定部52が実行する制御パラメータ設定方法は、移動しているヘッド部3が停止するときにヘッド部3が振動していない場合であっても、駆動部6によるヘッド部3の移動を制御するための制御パラメータを調整することで、ヘッド部3が停止するときの変位を減少させる。
【0093】
駆動部6の可動部61は、ヘッド部3に駆動力を付与するために運動する可動部であればよく、直線運動するスライダに限定されない。例えば、駆動部6は、回転サーボモータを含み、回転運動する回転子を可動部61として有してもよい。あるいは、駆動部6は平面サーボモータを含み、固定子の表面を自在に移動する可動子を可動部61として有してもよい。
【0094】
駆動システム1及び作業システム2が作業対象8に施す作業は、装着に限定されない。作業は、例えば検査、塗布、ボンディング、又は移載などであってもよい。言い換えると、ヘッド部3の作業部32は、吸着ノズルを備える構成に限定されない。作業部32は、作業対象8の検査情報を収集する検査部を備える構成であってもよい。また、作業部32は、作業対象8に塗料を塗布する塗布部を備える構成であってもよい。また、作業部32は、作業対象8にボンディングを行うボンディング部を備える構成であってもよい。また、作業部32は、作業対象8を移動させる移載部を備える構成であってもよい。
【0095】
作業対象8は、基板81以外であってもよい。作業対象8は、例えば電子機器、電気機器、組立品、成形品、生成物、又はその他の製品などであってもよい。
【0096】
(6)まとめ
実施形態に係る第1の態様の作業システム(2)は、ヘッド部(3)と、変位検出部(4)と、パラメータ設定部(52)と、を備える。ヘッド部(3)は、駆動部(6)から付与される駆動力によって作業対象(8)に向かって移動し、作業対象(8)に作業を施す。変位検出部(4)は、ヘッド部(3)とともに移動し、ヘッド部(3)の少なくとも一部である検出対象部位(3a)の変位を検出する。パラメータ設定部(52)は、移動しているヘッド部(3)が停止するときの変位の検出結果に基づいて、駆動部(6)によるヘッド部(3)の移動を制御するための制御パラメータを設定する。
【0097】
上述の作業システム(2)は、制御パラメータを適切に設定することでヘッド部(3)に発生する振動を抑制し、ヘッド部(3)の移動範囲で高精度な作業を可能とする。
【0098】
実施形態に係る第2の態様の作業システム(2)では、第1の態様において、パラメータ設定部(52)は、移動しているヘッド部(3)が停止するときの変位が減少するように制御パラメータを設定することが好ましい。
【0099】
上述の作業システム(2)は、作業精度の確保と待機時間の短縮とを両立させることができる。
【0100】
実施形態に係る第3の態様の作業システム(2)では、第1又は第2の態様において、変位検出部(4)は、ヘッド部(3)に設けられていることが好ましい。
【0101】
上述の作業システム(2)は、ヘッド部(3)が移動して停止する位置に関わらず、検出対象部位(3a)の変位を検出することができる。
【0102】
実施形態に係る第4の態様の作業システム(2)では、第1乃至第3の態様のいずれか1つにおいて、変位検出部(4)は、検出対象部位(3a)を撮像する撮像部(41)を含むことが好ましい。
【0103】
上述の作業システム(2)は、検出対象部位(3a)の変位の検出結果を画像データとして生成でき、変位の解析処理が容易になる。
【0104】
実施形態に係る第5の態様の作業システム(2)では、第1乃至第4の態様のいずれか1つにおいて、ヘッド部(3)は、作業対象(8)に作業を施す作業部(32)と、作業部(32)が取付けられ、駆動部(6)によって移動するヘッド本体(31)と、を有する。検出対象部位(3a)は、作業部(32)の先端を含むことが好ましい。
【0105】
上述の作業システム(2)は、ヘッド部(3)のうち、ヘッド部(3)の変位が顕著に表れる部位を検出対象部位(3a)とすることで、検出対象部位(3a)の変位を容易に検出できる。
【0106】
実施形態に係る第6の態様の作業システム(2)では、第1乃至第5の態様のいずれか1つにおいて、パラメータ設定部(52)は、変位の時間変動に基づいて、検出対象部位(3a)に発生した振動の振幅、周波数及び周期の少なくとも1つを振動情報として求めることが好ましい。パラメータ設定部(52)は、振動情報に基づいて制御パラメータを決定する。
【0107】
上述の作業システム(2)は、振動を解析することで、制御パラメータをより適切に設定できる。
【0108】
実施形態に係る第7の態様の作業システム(2)では、第1乃至第6の態様のいずれか1つにおいて、ヘッド部(3)は、部品(9)を捕捉する捕捉部(322)を備え、作業として、作業対象(8)に部品(9)を装着する装着作業を行うことが好ましい。
【0109】
上述の作業システム(2)は、装着作業を行うヘッド部(3)の制御に対して、適切な制御パラメータを容易に設定できるので、装着精度の向上と、装着に要する時間の短縮と、を両立させることができる。
【0110】
実施形態に係る第8の態様の作業システム(2)では、第7の態様において、パラメータ設定部(52)は、装着作業を行うために移動しているヘッド部(3)が停止するときの変位の検出結果に基づいて、制御パラメータを設定することが好ましい。
【0111】
上述の作業システム(2)は、一連の装着作業を実行しながら制御パラメータの設定を行うことができるので、制御パラメータの設定を行うための時間を装着作業の時間と別に準備する必要がなく、使い勝手が向上する。
【0112】
実施形態に係る第9の態様の作業システム(2)では、第1乃至第8の態様のいずれか1つにおいて、制御パラメータは、駆動部(6)の応答性に関するゲインであることが好ましい。
【0113】
上述の作業システム(2)は、ゲインを設定することで、検出対象部位(3a)の変位を設定することができる。
【0114】
実施形態に係る第10の態様の作業システム(2A)は、ヘッド部(3)と、パラメータ設定部(52)と、を備える。ヘッド部(3)は、駆動部(6)から付与される駆動力によって作業対象(8)に向かって移動し、作業対象(8)に作業を施す。パラメータ設定部(52)は、駆動部(6)によるヘッド部(3)の移動を制御するための制御パラメータを設定する。パラメータ設定部(52)は、ヘッド部(3)とともに移動する変位検出部(4)から、ヘッド部(3)の少なくとも一部である検出対象部位(3a)の変位の検出結果を取得する。パラメータ設定部(52)は、移動しているヘッド部(3)が停止するときの変位の検出結果に基づいて、制御パラメータを設定する。
【0115】
上述の作業システム(2A)は、制御パラメータを適切に設定することでヘッド部(3)に発生する振動を抑制し、ヘッド部(3)の移動範囲で高精度な作業を可能とする。
【0116】
実施形態に係る第11の態様の駆動システム(1)は、第1乃至第10の態様のいずれか1つ作業システム(2、2A)と、駆動部(6)と、を備える。
【0117】
上述の駆動システム(1)は、制御パラメータを適切に設定することでヘッド部(3)に発生する振動を抑制し、ヘッド部(3)の移動範囲で高精度な作業を可能とする。
【0118】
実施形態に係る第12の態様の駆動システム(1)では、第11の態様において、駆動部(6)は、ヘッド部(3)に駆動力を付与するために運動する可動部(61)を有することが好ましい。駆動システム(1)は、位置検出部(62)と、駆動制御部(51)と、を更に備えることが好ましい。位置検出部(62)は、可動部(61)の位置を検出する。駆動制御部(51)は、ヘッド部(3)の位置を指示する指令値に基づいて可動部(61)を制御する。駆動制御部(51)は、変位の検出結果及び可動部(61)の位置の検出結果に基づいて、ヘッド部(3)の位置を示す制御量を求め、制御量が指令値に追従するように、可動部(61)を運動させる。
【0119】
上述の駆動システム(1)は、フィードバック制御の精度を向上させることができる。
【0120】
実施形態に係る第13の態様のパラメータ設定方法は、変位検出ステップ(S1)と、パラメータ設定ステップ(S2)と、を含む。変位検出ステップ(S1)は、駆動部(6)から付与される駆動力によって作業対象(8)に向かって移動し、作業対象(8)に作業を施すヘッド部(3)の少なくとも一部である検出対象部位(3a)の変位を、ヘッド部(3)とともに移動する変位検出部(4)を用いて検出する。パラメータ設定ステップ(S2)は、移動しているヘッド部(3)が停止するときの変位の検出結果に基づいて、駆動部(6)によるヘッド部(3)の移動を制御するための制御パラメータを設定する。
【0121】
上述のパラメータ設定方法は、制御パラメータを適切に設定することでヘッド部(3)に発生する振動を抑制し、ヘッド部(3)の移動範囲で高精度な作業を可能とする。
【0122】
実施形態に係る第14の態様のプログラムは、コンピュータに、第13の態様のパラメータ設定方法のパラメータ設定ステップ(S2)を実行させる。
【0123】
上述のプログラムは、制御パラメータを適切に設定することでヘッド部(3)に発生する振動を抑制し、ヘッド部(3)の移動範囲で高精度な作業を可能とする。
【符号の説明】
【0124】
1 駆動システム
2、2A 作業システム
3 ヘッド部
3a 検出対象部位
31 ヘッド本体
32 作業部
322 捕捉部
4 変位検出部
41 撮像部
51 駆動制御部
52 パラメータ設定部
6 駆動部
61 可動部
62 位置検出部
8 作業対象
9 部品
S1 変位検出ステップ
S2 パラメータ設定ステップ