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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】商品販売データ処理システム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20241206BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
G07G1/00 331C
G07G1/00 331Z
G07G1/01 301D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023203057
(22)【出願日】2023-11-30
(62)【分割の表示】P 2020003001の分割
【原出願日】2020-01-10
(65)【公開番号】P2024009350
(43)【公開日】2024-01-19
【審査請求日】2023-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】520012275
【氏名又は名称】デジシンガポール ピーティイー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】チア ソン ペン
(72)【発明者】
【氏名】デスモンド ライ チック ション
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-026191(JP,A)
【文献】特開平08-299130(JP,A)
【文献】特開2018-036911(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 5/00
G01G 19/414-19/415
G06Q 10/00 -99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変位を検出する変位検出機器と、計量装置を備える商品販売データ処理システムであって、
前記変位検出機器は、
自機器の変位を検出可能な検出手段と、
自機器の識別情報を記憶する記憶手段と、
前記検出手段で所定の変位値を検出した場合に、前記記憶手段で記憶した前記識別情報を出力する出力手段と
を備え、
前記計量装置は、
前記出力手段で出力された前記変位検出機器の前記識別情報を入力する入力手段と、
前記入力手段で入力された前記変位検出機器の前記識別情報と関連付けられた商品を計量する計量手段と、
前記計量手段による計量値と当該商品の重量単価とに基づいて容器から出された商品の販売価格を決定する決定手段と
を備えること特徴とする商品販売データ処理システム。
【請求項2】
前記計量装置は、
前記入力手段で入力された前記変位検出機器の前記識別情報と関連付けられた商品ボタンを表示する表示手段を備え
前記計量手段は、
前記表示手段により表示される商品ボタンにより選択された商品を計量することを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理システム。
【請求項3】
記表示手段は、
前記商品ボタンを操作によらずに自動的に消去可能であることを特徴とする請求項2に記載の商品販売データ処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売データ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ショーケースからトレーを引き出したときにトレーに貼付されたICタグをショーケースの枠に配置されたアンテナで検出することにより、当該ICタグの検出結果から商品を特定するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平5-18809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、アンテナに検出されるようにトレーを引き出す必要があるなど、セルフ販売には適さないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、セルフ販売に好適な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様である商品販売データ処理システムは、変位を検出する変位検出機器と、計量装置を備える商品販売データ処理システムであって、前記変位検出機器は、自機器の変位を検出可能な検出手段と、自機器の識別情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段で記憶した前記識別情報を出力する出力手段とを備え、前記計量装置は、前記出力手段で出力された前記変位検出機器の前記識別情報を入力する入力手段と、前記入力手段で入力された前記変位検出機器の前記識別情報と関連付けられた商品情報を表示する表示手段とを備え、前記変位検出機器は、商品の容器の開閉に際し、位置が変化する場所に配置され、前記検出手段で所定の変位値を検出した場合に、前記出力手段で前記識別情報を出力すること特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る販売処理システム1のネットワーク構成の一例である。
図2】傾斜検出装置10の外観の一例を示す説明図である。
図3】傾斜検出装置10の構成の一例を示す説明図である。
図4】傾斜検出装置10の機能の一例を示す説明図である。
図5A】傾斜の検出について説明する説明図である。
図5B】傾斜の検出について説明する説明図である。
図5C】傾斜の検出について説明する説明図である。
図6】計量装置20の外観の一例を示す説明図である。
図7】計量装置20の構成の一例を示す説明図である。
図8】計量装置20が記憶する情報の一例である。
図9】計量装置20が記憶する情報の一例である。
図10】計量装置20が記憶する情報の一例である。
図11】計量装置20が記憶する情報の一例である。
図12】販売処理システム1が適用された店舗の例を示す説明図である。
図13A】容器300に設置された傾斜検出装置10の様子を示す説明図である。
図13B】容器300に設置された傾斜検出装置10の様子を示す説明図である。
図14A】容器400に設置された傾斜検出装置10の様子を示す説明図である。
図14B】容器400に設置された傾斜検出装置10の様子を示す説明図である。
図15A】商品ボタンの表示制御について概説する説明図である。
図15B】商品ボタンの表示制御について概説する説明図である
図15C】商品ボタンの表示制御について概説する説明図である
図16】商品ボタンの表示制御に関するフローチャートである。
図17】商品ボタンの表示制御に関するフローチャートである。
図18A】計量装置20における商品ボタンの表示を説明する説明図である。
図18B】計量装置20における商品ボタンの表示を説明する説明図である。
図18C】計量装置20における商品ボタンの表示を説明する説明図である。
図18D】計量装置20における商品ボタンの表示を説明する説明図である。
図19A】計量装置20における商品ボタンの表示を説明する説明図である。
図19B】計量装置20における商品ボタンの表示を説明する説明図である。
図19C】計量装置20における商品ボタンの表示を説明する説明図である。
図19D】計量装置20における商品ボタンの表示を説明する説明図である。
図20A】計量装置20における表示画面の一例である。
図20B】計量装置20における表示画面の一例である。
図20C】計量装置20における表示画面の一例である。
図20D】計量装置20における表示画面の一例である。
図20E】計量装置20における表示画面の一例である。
図20F】計量装置20における表示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の実施形態に係る販売処理システム1のネットワーク構成の一例である。販売処理システム1は、重量を計量して販売される商品(量り売り商品)を取り扱う店舗(例えば、スーパーマーケット等)に導入される。
【0009】
販売処理システム1は、複数台の傾斜検出装置10と、計量装置20とを含む。夫々の傾斜検出装置10と、計量装置20とは、通信可能に接続されている。なお、本例では、設置されたときの見た目を考慮し、無線(例えば、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)等)により接続される例を説明するが、有線により通信可能に接続されるようにしてもよい。
【0010】
図2は、傾斜検出装置10の外観の一例を示す説明図である。傾斜検出装置10は、傾斜(回転)を検出可能なセンサである。傾斜検出装置10は、傾斜を検出する対象物(本実施形態では、食品の容器等)に設置(装着)され、該対象物(又は、該対象物の一部分)の傾斜動作(回転動作)を検出する。傾斜検出装置10は、図2に示すように、例えば円筒形状である。
【0011】
傾斜検出装置10は、上面部に操作部13(ボタン)を備える。操作部13は、買物客による操作ではなく買物客以外の者(店員、販売処理システム1を提供する保守員等)による操作を意図している。操作部13は、買物客以外の者による操作を意図しているため、当該操作部13自体の存在が余り目立たないようにしている。なお、図2に示した傾斜検出装置10は円筒形状であるが、傾斜検出装置10は他の形状であってもよい。つまり、対象物の傾斜(回転)を検出可能であれば、傾斜検出装置10の形状は特に限定されない。
【0012】
図3は、傾斜検出装置10の構成の一例を示す説明図である。図4は、傾斜検出装置10の機能の一例を示す説明図である。図4は、傾斜(回転)の検出について説明する説明図である。図2図3において、同一部分には同一符号を付している。
【0013】
傾斜検出装置10は、図3に示すように、MCU(Micro Controller Unit)11と、傾斜検出部12と、操作部13と、通信部14とを備える。
【0014】
MCU11は、当該傾斜検出装置10を制御するマイクロプロセッサ(microprocessor)である。MCU11は、処理部の他、記憶部(メモリ)等を搭載している。MCU11は、内部に記憶されているプログラム(当該傾斜検出装置10の制御用プログラム)を読み出して実行することにより、当該傾斜検出装置10の動作を制御する。
【0015】
傾斜検出部12は、当該傾斜検出装置10の傾斜(回転)を検出する傾斜センサである。傾斜検出部12は、当該傾斜検出装置10の傾斜角度(回転角度)を検出する。例えば、傾斜検出部12は、当該傾斜検出装置10が、ある方向について傾斜(回転)した場合に、当該傾斜動作(回転動作)における傾斜角度(回転角度)を検出可能である。
【0016】
操作部13は、上述したようにボタンである。基本的には、買物客以外の者(店員、販売処理システム1を提供する保守員等)によって押下されることを意図している。
【0017】
通信部14は、他の装置との間で情報を送受信する。例えば、通信部14は、無線通信によって、当該傾斜検出装置10を識別する情報(検出装置識別情報)を、計量装置20に送信する。
【0018】
また、傾斜検出装置10は、時計機能(計時機能)を有してよい。時計機能を有する場合、傾斜検出装置10は、例えば、ある時間までの残時間や、ある状態となってからの経過時間を測定することができる。
【0019】
なお、図3では、傾斜検出装置10がMCU11を備える構成を説明したが、傾斜検出装置10は、MCU11に代えて、CPU(Central Processing Unit)と、ROMと、RAMとを備える構成であってもよい。
【0020】
図4は、傾斜検出装置10の機能の一例を示す説明図である。図5A図5B図5Cは、傾斜(回転)の検出について説明する説明図である。図2図4において、同一部分には同一符号を付している。
【0021】
傾斜検出装置10のMCU11は、図4に示すように、設定記憶部100、角度判定部102、操作判定部104として機能する。以下、図4図5A図5B図5Cを用いて、傾斜検出装置10の機能について説明する。なお、図4を用いた説明において、図3等を用いて既に説明した内容については、説明の一部又は全部を省略する。
【0022】
設定記憶部100は、角度判定部102による判定に用いられる設定角度を記憶する。設定角度は、傾斜(回転)を検出する対象物(食品の容器等)が開放状態(該容器から食品の取り出しができる状態、該容器から食品が放出される状態等)となったかを判定するために予め設定した角度である。なお、設定角度は、対象物に応じた値(角度)である。つまり、対象物Aに設置される傾斜検出装置10には、対象物Aが開放状態となったかを判定するための設定角度(例えば、角度1)が設定され、対象物Bに設置される傾斜検出装置10には、対象物Bが開放状態となったかを判定するための設定角度(例えば、角度2)が設定される。更に、設定記憶部100は、当該傾斜検出装置10の検出装置識別情報を記憶する。
【0023】
傾斜検出部12は、当該傾斜検出装置10の傾斜(回転)を検出し、傾斜角度(回転角度)を示す情報を角度判定部102に出力する。例えば、傾斜検出部12は、当該傾斜検出装置10が、図5Aに示した姿勢から図5Bに示した姿勢に傾斜(回転)した場合、傾斜量(回転量)としてa度を角度判定部102に出力する(又は、傾斜方向も含め、+a度を角度判定部102に出力する)。また、傾斜検出部12は、当該傾斜検出装置10が、図5Cに示した姿勢から図5Bに示した姿勢に傾斜(回転)した場合には、傾斜量(回転量)としてb度を角度判定部102に出力する(又は、傾斜方向も含め、-b度を角度判定部102に出力する)。
【0024】
操作部13は、当該操作部13の操作の有無を検出可能である。操作部13は、当該操作部13が操作された場合、操作があった旨(操作があった旨を示す情報)を操作判定部104に出力する。
【0025】
角度判定部102は、傾斜検出部12から傾斜角度(回転角度)を入力する。角度判定部102は、傾斜検出部12から傾斜角度を入力した場合、傾斜検出部12から入力した傾斜角度が、設定記憶部100に記憶されている設定角度以上であるか否かを判定する。角度判定部102は、傾斜検出部12から入力した傾斜角度が設定記憶部100に記憶されている設定角度以上であった場合には、設定記憶部100に記憶されている検出装置識別情報を通信部14に通知し、当該傾斜検出装置10の検出装置識別情報を計量装置20に送信するように、通信部14を制御する。
【0026】
なお、傾斜検出部12から入力した傾斜角度が設定記憶部100に記憶されている設定角度以上である場合には、容器からの食品が取り出されたことを推定できるため(図13B図14B)、角度判定部102は、容器からの食品の取り出しを推定する推定手段であると言うこともできる。換言すれば、角度判定部102を備える傾斜検出装置10は、容器からの食品の取り出しを推定する推定機器であると言うこともできる。
【0027】
操作判定部104は、操作部13から操作があった旨を入力する。操作判定部104は、傾斜検出部12から操作があった旨を入力した場合、当該傾斜検出装置10の検出装置識別情報を計量装置20に送信するように、通信部14を制御する。
【0028】
通信部14は、角度判定部102(又は操作判定部104)の制御に従って、当該傾斜検出装置10の検出装置識別情報を計量装置20に送信する。
【0029】
図6は、計量装置20の外観の一例を示す説明図である。図7は、計量装置20の構成の一例を示す説明図である。図6図7において、同一部分には同一符号を付している。以下、図6を参照しつつ、図7に示した計量装置20の構成を説明する。
【0030】
計量装置20は、CPU21(Central Processing Unit)と、ROM22と、RAM23と、スキャナ部24と、計量部25と、タッチディスプレイ26と、音声出力部27と、印刷部28と、通信部29とを備える。
【0031】
CPU21は、中央演算処理装置であり、ROM22に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、計量装置20の動作を制御する。
【0032】
ROM22は、読み出し専用メモリであり、例えば、プログラムをはじめとしてCPU21が利用する種々の情報を記憶する。
【0033】
RAM23は、読み出し書き込みメモリであり、例えば、ROM22から読み出した情報、外部の装置(例えば、図1において非図示の管理装置等)から受信した情報、商品を登録する登録処理において生成した情報(登録データ)等、種々の情報を記憶する。
【0034】
スキャナ部24は、各種の情報を光学的に読み取る。例えば、スキャナ部24は、各種コード(バーコード、2次元コード等)を読み取る。なお、図12図20A等においては、スキャナ部24の記載を省略している。
【0035】
計量部25は、載台25dに載せられた計量対象商品を、例えばロードセルによる重量検出方式で計量する。
【0036】
タッチディスプレイ26は、客に各種情報を表示するとともに、タッチパネルも備え、操作部としての機能を有する。
【0037】
音声出力部27は、音声を出力する。例えば、音声出力部214は、音声ガイダンス等を出力する。
【0038】
印刷部28は、媒体を発行するプリンタ装置である。例えば、印刷部28は、計量対象商品に関する情報(代金を示すバーコード等)が印刷された印刷物(以下、「ラベル」ともいう)を生成(印刷)し、ラベル排出口28aから排出(発行)する。
【0039】
通信部29は、他の装置との間で情報を送受信する。例えば、通信部29は、傾斜検出装置10が送信した情報を受信する。また、通信部29は、外部の装置(例えば、図1において非図示の管理装置等)との間で情報を送受信する。
【0040】
また、計量装置20は、時計機能(計時機能)を有する。従って、計量装置20は、例えば、ある時間までの残時間や、ある状態となってからの経過時間を測定することができる。
【0041】
なお、図7では、計量装置20がCPU21と、ROM22と、RAM22とを備える構成を説明したが、計量装置20は、それらに代えて、MCU(Micro Controller Unit)を備える構成であってもよい。
【0042】
図8図12は、計量装置20が記憶する情報の一例である。計量装置20は、商品の基本情報(商品名、価格等)を保持する、商品ファイル(商品マスタとも称する)を記憶する。例えば、計量装置20は、図8に示したような商品ファイル(商品マスタとも称する)を記憶する。例えば、計量装置20は、外部の装置(例えば、図1において非図示の管理装置等)から図8に示したような商品ファイルを受信し、RAM23に記憶する。
【0043】
図8に示した商品ファイルは、データ項目として、商品識別情報、商品名、計量区分、単価、単位重量を含む。商品識別情報は、個々の商品を識別する識別情報である。商品名は、商品の名称である。
【0044】
計量区分は、計量に関する区分である。計量区分は「0」は、「不定貫」に対応する計量区分である。不定貫とは、予め設定した単位重量(本実施形態では「100g」)当りの単価と、販売する重量(計量値)とに基づいて販売価格が決定される販売方法である。計量区分「0(不定貫)」の商品については、販売価格の決定に際し、販売する重量が必要になるため、計量装置20による計量が必要である。
【0045】
計量区分「0(不定貫)」であるときは、単価欄には、単位重量当りの単価が記憶され、単位重量欄には、単位重量が記憶されている。例えば、商品識別情報「SH001」の商品(商品名「AAA」)の場合、100g当りの単価が250円である旨が記憶されている。従って、商品名「AAA」の商品は、例えば、計量値が50gであれば販売価格は125円となり、計量値が200gであれば販売価格は500円となる。
【0046】
計量区分は「1」は、「定貫」に対応する計量区分である。定貫とは、予め設定した単位数量(本実施形態では「1個」)当りの単価と、単位重量から換算される販売数量とに基づいて販売価格が決定される販売方法である。計量区分「1(定貫)」の商品については、当該商品の単位重量(単位数量である1個の重量。既に記憶)と、計量値とから、当該商品の数量を算出(推定)し、算出した当該商品の数量と、単位数量当りの単価とから、販売価格が決定されるため、計量装置20による計量は必要である。なお、個体の重量誤差はカウンティングスケール等に備えている精度補正機能を用いてもよい。
【0047】
計量区分「1(定貫)」であるときは、単価欄には、単位重量(すなわち数量1)当りの単価が記憶され、単位重量欄には、数量1に相当する単位重量が記憶されている。例えば、商品識別情報「SH103」の商品(商品名「ABC」)の場合、1個(重量80g)当りの単価が90である旨が記憶されている。従って、商品名「ABC」の商品は、例えば、計量値が85g程度であれば販売価格は1個分の90円となり、計量値が150g程度であれば販売価格は2個分の180円となる。
【0048】
計量区分は「2」は、「定額」に対応する計量区分である。定額とは、予め設定した単位数量(本実施形態では「1個」)当りの単価と、置数入力される販売数量とに基づいて販売価格が決定される販売方法である。計量区分「2(定額)」の商品については、重量とは無関係に置数により販売数量が決定されるため、計量装置20による計量は不要である。
【0049】
計量区分「2(定額)」であるときは、単価欄には、数量1当りの単価が記憶される(単位重量欄には何も記憶されない)。例えば、商品識別情報「SH150」の商品(商品名「AAAA」)の場合、1個当りの単価が120である旨が記憶されている。従って、商品名「AAAA」の商品は、例えば、置数入力値が1であれば販売価格は1個分の120円となり、置数入力値が2であれば販売価格は2個分の240円となる。
【0050】
また、計量装置20は、タッチディスプレイ26に操作可能に表示する夫々の商品に対応するボタン(商品ボタン)に関する設定ファイルを記憶する。例えば、計量装置20は、図9に示したような商品ボタン設定ファイルをRAM22に記憶する。なお、計量装置20は、外部の装置(例えば、図1において非図示の管理装置等)から図9に示したような商品ボタン設定ファイルを受信し、RAM23に記憶してもよい。
【0051】
なお、商品の種類に応じて、計量装置20の画面上に表示されるメッセージが異なる。例えば、計量区分「0」及び計量区分「1」の商品の場合には「商品を載せて下さい。」といったようなメッセージが表示され、計量区分「2」の商品の場合には「数量を入力して下さい。」といったようなメッセージが表示される。
【0052】
図9に示した商品ボタン設定ファイルは、データ項目として、商品識別情報、商品ボタン識別情報、ボタン画像を含む。商品識別情報は、個々の商品を識別する識別情報である。商品ボタン識別情報は、商品ボタンを識別する識別情報である。ボタン画像は、商品ボタンの画像データである。つまり、図9に示した商品ボタン設定ファイルは、商品と、商品ボタンとの関係を記憶するものである。なお、図9に示した例では、ボタン画像欄に、ボタン画像の実体(ボタン画像のファイル名)を記憶しているが、ボタン画像の所在を示したURI(Uniform Resource Identifier)を記憶してもよい。また、ボタン画像は、図18A等に示すように、計量装置20のタッチディスプレイ26に商品ボタンとして表示されるものであるが、該当するボタン画像(ボタン画像のファイル)がない場合(記憶されていない場合や見つからない場合)には、商品名を表示してもよい。
【0053】
また、計量装置20は、傾斜検出装置10に関する設定ファイルを記憶する。例えば、計量装置20は、図10に示したような検出装置設定ファイルをRAM22に記憶する。なお、計量装置20は、外部の装置(例えば、図1において非図示の管理装置等)から図10に示したような検出装置設定ファイルを受信し、RAM23に記憶してもよい。
【0054】
図10に示した検出装置設定ファイルは、データ項目として、検出装置識別情報、商品ボタン識別情報を含む。検出装置識別情報は、傾斜検出装置10を識別する情報である。商品ボタン識別情報は、商品ボタンを識別する識別情報である。つまり、図10に示した検出装置設定ファイルは、傾斜検出装置10と、商品ボタンとの関係を記憶するものである。
【0055】
また、計量装置20は、商品ボタンの表示を制御するための制御テーブルを記憶する。例えば、計量装置20は、図11に示したような商品ボタン表示制御用テーブルをRAM22に記憶する。なお、商品ボタン表示制御用テーブルに記憶される個々のデータを商品ボタン表示制御用情報とも称する。
【0056】
詳細は後述するが、計量装置20は、傾斜検出装置10から検出装置識別情報を受信したことに基づいて商品ボタン表示制御用情報を生成する。また、計量装置20は、商品ボタンが操作(タッチ)されたことに基づいて、又は、生成時点から所定時間が経過したことに基づいて、商品ボタン表示制御用情報を消去する。
【0057】
図11に示した商品ボタン表示制御用テーブル(商品ボタン表示制御用情報)は、データ項目として、受信時刻、検出装置識別情報、商品ボタン識別情報、自動消去時刻を含む。受信時刻は、傾斜検出装置10から検出装置識別情報を受信した時刻である。つまり、受信時刻は、当該商品ボタン表示制御用情報を生成した時刻である。検出装置識別情報は、傾斜検出装置10を識別する情報であるが、具体的には、傾斜検出装置10から受信した検出装置識別情報である。商品ボタン識別情報は、商品ボタンを識別する識別情報であるが、具体的には、傾斜検出装置10から受信した検出装置識別情報に対応する商品ボタン識別情報である。自動消去時刻は、当該商品ボタン表示制御用情報を自動的に(つまり、商品ボタンの操作によらずに)消去する時刻である。
【0058】
なお、図11に示した商品ボタン表示制御用テーブル(商品ボタン表示制御用情報)は、検出装置識別情報も商品ボタン識別情報も含むが、検出装置識別情報と商品ボタン識別情報との対応関係(傾斜検出装置10と商品ボタンとの対応関係)は、他の情報(具体的には図10に示した検出装置設定ファイル)から把握されるため、商品ボタン表示制御用テーブル(商品ボタン表示制御用情報)は、検出装置識別情報、商品ボタン識別情報のうちの一方を含むものであってもよい。
【0059】
図12は、販売処理システム1が適用された店舗の例を示す説明図である。図12は、店舗内の様子を示している。画面右奥側は、商品(ドライフルーツ(DRIED FRUITS)、ナッツ(NATS)、豆(SEEDS)等の量り売りする商品)の陳列エリアである。画面左手前側は、計量エリアである。
【0060】
陳列エリアには、ドライフルーツの種類毎に容器300が並べられている。容器300は、上蓋部310を有する。上蓋部310には傾斜検出装置10が設置されている。具体的には、上蓋部310が傾くと上蓋部310の傾きに応じて傾斜検出装置10も傾くように上蓋部310に傾斜検出装置10が固定的に設置されている。客は、容器300の上蓋部310を持ち上げ、所望のドライフルーツ(該容器300内の収容物)を該容器300から取り出すことになるが、客が容器300の上蓋部310を持ち上げた場合には、傾斜検出装置10は、上蓋部310(すなわち当該傾斜検出装置10)の傾斜角度(回転角度)を検出することができる。
【0061】
陳列エリアには、また、ナッツの種類や豆の種類毎に容器400が並べられている。容器400は、押下部410を有する。押下部410には傾斜検出装置10(非図示)が設置されている。具体的には、押下部410が傾くと押下部410の傾きに応じて傾斜検出装置10も傾くように押下部410に傾斜検出装置10が固定的に設置されている。客は、容器400の押下部410を押し下げ、所望のナッツや豆(該容器400内の収容物)を該容器400から取り出すことになるが、客が容器400の押下部410を押し下げた場合には、傾斜検出装置10は、押下部410(すなわち当該傾斜検出装置10)の傾斜角度(回転角度)を検出することができる。
【0062】
計量エリアには、計量装置20が設置されている。陳列エリアにて所望の商品を取り出した客は、該商品を持って計量エリアに移動し、該商品について計量装置20を用いて計量する。
【0063】
図13A及び図13Bは、容器300に設置された傾斜検出装置10の様子を示す説明図である。図13Aは、上蓋部310が持ち上げられていない状態(商品の取り出しができない状態。閉鎖状態)である。図13Bは、上蓋部310が持ち上げられている状態(商品の取り出しができる状態。開放状態)である。傾斜検出装置10は、図13Aの状態から図13Bへの状態へと上蓋部310が持ち上げられると、図13Aの状態から図13Bへの状態へと傾斜(回転)した傾斜角度(回転角度)を検出する。
【0064】
図14A及び図14Bは、容器400に設置された傾斜検出装置10の様子を示す説明図である。図14Aは、押下部410が押し下げられていない状態(商品が放出口420から放出されない状態。閉鎖状態)である。図14Bは、押下部410が押し下げられている状態(商品が放出口420から放出される状態。開放状態)である。傾斜検出装置10は、図14Aの状態から図14Bへの状態へと押下部410が押し下げられると、図14Aの状態から図14Bへの状態へと傾斜(回転)した傾斜角度(回転角度)を検出する。
【0065】
図15A図15B及び図15Cは、商品ボタンの表示制御について概説する説明図である。具体的には、図15Aは、傾斜検出装置10が設定角度以上の傾斜(回転)を検出したことに関連し、計量装置20における商品ボタンの表示制御に係る商品ボタン表示制御用テーブルが更新される旨を説明している。
【0066】
ステップS10:傾斜検出装置10は、設定角度以上の傾斜(回転)を検出する。換言すれば、傾斜検出装置10は、検出した傾斜角度(回転角度)が設定角度以上であると判定する。より詳細には、傾斜検出装置10の傾斜検出部12は、傾斜(回転)を検出し、傾斜検出装置10の角度判定部102は、設定記憶部100に記憶されている設定角度を参照し、傾斜角度(回転角度)が、設定角度以上であると判定する。
【0067】
例えば、容器300に設置された傾斜検出装置10には、容器300が開放状態となったかを判定するための設定角度として例えば傾斜量である70度が設定されているとした場合、当該傾斜検出装置10(容器300に設置された傾斜検出装置10)は、傾斜角度(回転角度)が70度以上であると判定する(ステップS10)。また、容器400に設置された傾斜検出装置10には、容器400が開放状態となったかを判定するための設定角度として例えば傾斜量である50度が設定されているとした場合、当該傾斜検出装置10(容器400に設置され傾斜検出装置10)は、傾斜角度(回転角度)が50度以上であると判定する(ステップS10)。つまり、ステップS10は、夫々の容器に応じた設定角度以上の傾斜角度(回転角度)を検出した旨を示している。
【0068】
ステップS11:設定角度以上の傾斜(回転)を検出した傾斜検出装置10は、当該傾斜検出装置10の検出装置識別情報を計量装置20に送信する。
【0069】
ステップS20:計量装置20は、傾斜検出装置10から送信された検出装置識別情報を受信する。
【0070】
ステップS21:計量装置20は、商品ボタン表示制御用テーブルを更新する。具体的には、計量装置20は、当該検出装置識別情報を含む1件の商品ボタン表示制御用情報を、商品ボタン表示制御用テーブルに追加する。
【0071】
ステップS22:計量装置20は、商品ボタン表示制御用テーブルに基づいて商品ボタンの表示を制御する。詳細は後述する。
【0072】
なお、図15Aは、傾斜検出装置10が設定角度以上の傾斜(回転)を検出した場合の傾斜検出装置10及び計量装置20の動作を示しているが、傾斜検出装置10の操作部13が操作された場合も同様である。つまり、傾斜検出装置10が設定角度以上の傾斜を検出した場合(ステップSS10)の流れは、上述した流れ(ステップS11、S20、S21、S22)となるが、傾斜検出装置10が操作部13の操作を検出した場合も、同様の流れ(ステップS11、S20、S21、S22)となる。
【0073】
図15Bは、計量装置20が表示する商品ボタンが操作(タッチ)されたことに関連し、計量装置20における商品ボタンの表示制御に係る商品ボタン表示制御用テーブルが更新される旨を説明している。
【0074】
ステップS23:計量装置20は、タッチディスプレイ26に表示している商品ボタンのタッチを検出する。
【0075】
ステップS24:計量装置20は、商品ボタン表示制御用テーブルを更新する。具体的には、計量装置20は、タッチを検出した商品ボタンを識別する商品ボタン識別情報を含む1件の商品ボタン表示制御用情報を、商品ボタン表示制御用テーブルから消去する。
【0076】
ステップS25:計量装置20は、商品ボタン表示制御用テーブルに基づいて商品ボタンの表示を制御する。詳細は後述する。
【0077】
図15Cは、ボタン表示制御用情報の生成時から所定時間が経過したことに関連し、計量装置20における商品ボタンの表示制御に係る商品ボタン表示制御用テーブルが更新される旨を説明している。
【0078】
ステップS26:計量装置20は、自動消去の対象となるボタン表示制御用情報(生成時から所定時間が経過したボタン表示制御用情報)を検出する。具体的には、図11に示すように、ボタン表示制御用情報において、受信時刻から所定時間経過後(図11の例では5分経過後)の時刻を自動消去時刻としているため、計量装置20は、ボタン表示制御用テーブルにおいて自動消去時刻に至ったボタン表示制御用情報を検出する。
【0079】
ステップS27:計量装置20は、商品ボタン表示制御用テーブルを更新する。具体的には、計量装置20は、生成時から所定時間が経過した商品ボタン表示制御用情報を、商品ボタン表示制御用テーブルから消去する。
【0080】
ステップS28:計量装置20は、商品ボタン表示制御用テーブルに基づいて商品ボタンの表示を制御する。詳細は後述する。
【0081】
図16及び図17は、商品ボタンの表示制御に関するフローチャートである。図16及び図17を用いて、図15A図15B及び図15Cに示した計量装置20における商品ボタンの表示制御について、より詳しく説明する。なお、図16のフローチャートは、例えば、電源オンの状態において繰り返し実行される。また、図17のフローチャートは、図16のフローチャートの続きである。
【0082】
図16のステップS100:計量装置20は、検出装置識別情報を受信したか否かを判断する。検出装置識別情報を受信したと判断した場合(ステップS100:YES)にはステップS101に進む。検出装置識別情報を受信していないと判断(ステップS100:NO)した場合にはステップS110に進む。
【0083】
なお、傾斜検出装置10は、設定角度以上の傾斜(回転)を検出した場合には、当該傾斜検出装置10の検出装置識別情報を計量装置20に送信する(図15AのステップS10参照)。また、上述したように、傾斜検出装置10は、操作部13が操作された場合にも、設定角度以上の傾斜(回転)を検出した場合と同様、当該傾斜検出装置10の検出装置識別情報を計量装置20に送信する。
【0084】
ステップS101:計量装置20は、商品ボタン表示制御用テーブルを更新する。具体的には、計量装置20は、当該検出装置識別情報を含む1件の商品ボタン表示制御用情報を、商品ボタン表示制御用テーブルに追加する。より詳細には、計量装置20は、現在時刻を項目「受信時刻」の情報としてセットし、当該検出装置識別情報を項目「検出装置識別情報」の情報としてセットし、検出装置設定ファイルを参照して得られる当該検出装置識別情報に対応する商品ボタン識別情報を項目「商品ボタン識別情報」の情報としてセットし、受信時刻(現在時刻)から所定時間経過後(例えば5分経過後)を項目「自動消去時刻」の情報としてセットした1件の商品ボタン表示制御用情報を、商品ボタン表示制御用テーブルに追加する。そして、図17のステップS124に進む。
【0085】
ステップS110:計量装置20は、タッチディスプレイ26に表示している商品ボタンがタッチされたか否かを判断する。商品ボタンがタッチされたと判断した場合(ステップS110:YES)にはステップS111に進む。商品ボタンがタッチされていないと判断した場合(ステップS110:NO)には図17のステップS120に進む。
【0086】
ステップS111:計量装置20は、商品ボタン表示制御用テーブル内に、当該商品ボタンを識別する商品ボタン識別情報を含む商品ボタン表示制御用情報(当該商品ボタンに対応する商品ボタン表示制御用情報)が複数件存在するか否かを判断する。複数件存在すると判断した場合(ステップS111:YES)にはステップS113に進む。複数件存在しないと判断した場合(ステップS111:NO)にはステップS112に進む。
【0087】
なお、後述するように、本例では、計量装置20は、商品ボタン表示制御用テーブル内に、当該商品ボタンを識別する商品ボタン識別情報を含む商品ボタン表示制御用情報が1件以上存在する商品ボタンについては当該商品ボタンを1個表示し、当該商品ボタンを識別する商品ボタン識別情報を含む商品ボタン表示制御用情報が1件も存在しない商品ボタンについては当該商品ボタンを表示しない。従って、商品ボタンがタッチされたということは(ステップS110:YES)、商品ボタン表示制御用テーブル内に、当該タッチされた商品ボタンに対応する商品ボタン表示制御用情報が少なくとも1件存在することとなる。
【0088】
ステップS112:計量装置20は、商品ボタン表示制御用テーブルを更新する。具体的には、計量装置20は、当該商品ボタンを識別する商品ボタン識別情報を含む1件の商品ボタン表示制御用情報を、商品ボタン表示制御用テーブルから消去する。つまり、商品ボタン表示制御用テーブル内には、当該商品ボタン(タッチされた商品ボタン)を識別する商品ボタン識別情報を含む商品ボタン表示制御用情報は1件しか存在しないが(ステップS111:NO)、計量装置20は、当該1件の商品ボタン表示制御用情報を、商品ボタン表示制御用テーブルから消去する。従って、当該ステップS112による更新(消去)後の商品ボタン表示制御用テーブルには、当該商品ボタンを識別する商品ボタン識別情報を含む商品ボタン表示制御用情報は1件も存在しないこととなる。そして、図17のステップS124に進む。
【0089】
ステップS113:計量装置20は、商品ボタン表示制御用テーブルを更新する。具体的には、計量装置20は、当該商品ボタンを識別する商品ボタン識別情報を含む複数件の商品ボタン表示制御用情報のうち最も受信時刻が古い1件を、商品ボタン表示制御用テーブルから消去する。つまり、商品ボタン表示制御用テーブル内には、当該商品ボタン(タッチされた商品ボタン)を識別する商品ボタン識別情報を含む商品ボタン表示制御用情報は複数件存在するが(ステップS111:YES)、計量装置20は、最も古い1件を、商品ボタン表示制御用テーブルから消去する。従って、当該ステップS113による更新(消去)後の商品ボタン表示制御用テーブルには、当該商品ボタンを識別する商品ボタン識別情報を含む商品ボタン表示制御用情報が未だ1件以上存在することとなる。そして、図17のステップS124に進む。
【0090】
図17のステップS120:計量装置20は、自動消去の対象となるボタン表示制御用情報(生成時から所定時間(図11の例では5分)が経過したボタン表示制御用情報)が存在するか否かを判断する処理(ステップS121の処理)の実行待ち時間(例えば5秒)を経過したか否かを判断する。つまり、計量装置20は、生成時から所定時間が経過したボタン表示制御用情報を商品ボタンのタッチによらずに自動的に消去することとしているが(ステップS122の処理)、負荷を考慮し、該当するボタン表示制御用情報(生成時から所定時間が経過したボタン表示制御用情報)が存在するか否かを判断する処理(ステップS121の処理)について、実行待ち時間(例えば5秒)を設けている。なお、実行待ち時間は、例えばタイマを用いて計時すればよい。実行待ち時間を経過したと判断した場合(ステップS120:YES)にはステップS121に進む。実行待ち時間を経過していないと判断した場合(ステップS120:NO)にはステップS124に進む。
【0091】
ステップS121:計量装置20は、自動消去の対象となるボタン表示制御用情報が存在するか否かを判断する。自動消去の対象となるボタン表示制御用情報が存在すると判断した場合(ステップS121:YES)にはステップS122に進む。自動消去の対象となるボタン表示制御用情報が存在しないと判断した場合(ステップS121:NO)にはステップS123に進む。
【0092】
ステップS122:計量装置20は、商品ボタン表示制御用テーブルを更新する。具体的には、計量装置20は、自動消去時刻に至ったボタン表示制御用情報を、商品ボタン表示制御用テーブルから全件消去する。そして、ステップS123に進む。
【0093】
ステップS123:計量装置20は、ステップS121の処理に用いるタイマ(実行待ち時間を計時するタイマ)を初期化する。そして、ステップS124に進む。
【0094】
ステップS124:計量装置20は、タッチディスプレイ26に現在表示している画面が、商品ボタンを表示可能な画面であるか否かを判断する。商品ボタンを表示可能な画面とは、計量する商品を選択(指定)等する画面(例えば、図20B図20Cに示したような画面)である。商品ボタンを表示可能な画面であると判断した場合(ステップS124:YES)にはステップS130に進む。商品ボタンを表示可能な画面でないと判断した場合(ステップS124:NO)には本フローチャートは終了する。
【0095】
ステップS130:計量装置20は、商品ボタン表示制御用テーブルに基づき商品ボタンの表示を制御する。具体的には、計量装置20は、商品ボタン表示制御用テーブル内に、当該商品ボタンを識別する商品ボタン識別情報を含む商品ボタン表示制御用情報が1件以上存在する商品ボタンについては当該商品ボタンを1個表示し、当該商品ボタンを識別する商品ボタン識別情報を含む商品ボタン表示制御用情報が1件も存在しない商品ボタンについては当該商品ボタンを表示しない。関連すれば、ある商品の商品ボタンは、当該商品を識別する商品ボタン識別情報を含む商品ボタン表示制御用情報が、商品ボタン表示制御用テーブル内に1件以上存在することを条件に表示される。
【0096】
図18A図19Dは、計量装置20における商品ボタンの表示を説明する説明図である。図18A(他図も同様)の右側部分は、商品ボタン表示制御用テーブル内の商品ボタン表示制御用情報(検出装置識別情報、商品ボタン識別情報を抜粋)の記憶状況を模式的に示している。図18A(他図も同様)の左側部分は、右側部分に対応するタッチディスプレイ26(一部)における商品ボタンの表示状況を模式的に示している。なお、商品ボタン表示制御用情報の記憶状況や商品ボタンの表示状況は、図18A図18B図18C図18D図19A図19B図19C図19Dと遷移する。
【0097】
図18Aは、商品ボタン表示制御用テーブルに1件も商品ボタン表示制御用情報が記憶されていない状況(図19Dに示したような状況)から、傾斜検出装置10(検出装置識別情報は「K001」)が、設定角度以上の傾斜(回転)を検出(又は操作部13の操作を検出)し、検出装置識別情報「K001」を計量装置20に送信した後の状況を示している。
【0098】
図18Aの右側部分は、商品ボタン表示制御用テーブル内に、検出装置識別情報「K001」及び商品ボタン識別情報「B001」を含む1件の商品ボタン表示制御用情報が記憶されている状況を示している。つまり、計量装置20は、傾斜検出装置10(検出装置識別情報は「K001」)から検出装置識別情報「K001」を受信したため、商品ボタン表示制御用テーブル内に、当該検出装置識別情報「K001」と、当該検出装置識別情報「K001」に対応する商品ボタン識別情報「B001」と、を含む商品ボタン表示制御用情報を記憶する。
【0099】
図18Aの左側部分は、タッチディスプレイ26に、商品AAA(商品名「AAA」)に対応する商品ボタン(ボタン画像Button-AAA)が表示されている状況を示している。つまり、計量装置20は、商品ボタン表示制御用テーブル内に、商品AAAを識別する商品ボタン識別情報「B001」を含む1件の商品ボタン表示制御用情報を記憶しているため、商品AAAの商品ボタンをタッチディスプレイ26に表示する。
【0100】
図18Bは、図18Aに示した状況から、傾斜検出装置10(検出装置識別情報は「K004」)が、設定角度以上の傾斜(回転)を検出(又は操作部13の操作を検出)し、検出装置識別情報「K004」を計量装置20に送信した後の状況を示している。
【0101】
図18Bの右側部分は、商品ボタン表示制御用テーブル内に、検出装置識別情報「K001」及び商品ボタン識別情報「B001」を含む1件の商品ボタン表示制御用情報と、検出装置識別情報「K004」及び商品ボタン識別情報「B020」を含む1件の商品ボタン表示制御用情報とが、記憶されている状況を示している。つまり、計量装置20は、傾斜検出装置10(検出装置識別情報は「K004」)から検出装置識別情報「K004」を受信したため、商品ボタン表示制御用テーブル内に、当該検出装置識別情報「K004」と、当該検出装置識別情報「K004」に対応する商品ボタン識別情報「B020」と、を含む商品ボタン表示制御用情報を記憶する。
【0102】
図18Bの左側部分は、タッチディスプレイ26に、商品AAAに対応する商品ボタンと、商品DDD(商品名「DDD」)に対応する商品ボタン(ボタン画像Button-DDD)と、が表示されている状況を示している。つまり、計量装置20は、商品ボタン表示制御用テーブル内に、商品AAAを識別する商品ボタン識別情報「B001」を含む1件の商品ボタン表示制御用情報と、商品DDDを識別する商品ボタン識別情報「B020」を含む1件の商品ボタン表示制御用情報と、を記憶しているため、商品AAAの商品ボタンと、商品DDDの商品ボタンと、をタッチディスプレイ26に表示する。
【0103】
図18Cは、図18Bに示した状況から、傾斜検出装置10(検出装置識別情報は「K001」)が、設定角度以上の傾斜(回転)を検出(又は操作部13の操作を検出)し、検出装置識別情報「K001」を計量装置20に送信した後の状況を示している。
【0104】
図18Cの右側部分は、商品ボタン表示制御用テーブル内に、検出装置識別情報「K001」及び商品ボタン識別情報「B001」を含む2件の商品ボタン表示制御用情報と、検出装置識別情報「K004」及び商品ボタン識別情報「B020」を含む1件の商品ボタン表示制御用情報とが、記憶されている状況を示している。つまり、計量装置20は、傾斜検出装置10(検出装置識別情報は「K001」)から検出装置識別情報「K001」を受信したため、商品ボタン表示制御用テーブル内に、当該検出装置識別情報「K001」と、当該検出装置識別情報「K001」に対応する商品ボタン識別情報「B001」と、を含む商品ボタン表示制御用情報を記憶する。
【0105】
図18Cの左側部分は、タッチディスプレイ26に、商品AAAに対応する商品ボタンと、商品DDDに対応する商品ボタンと、が表示されている状況を示している。つまり、計量装置20は、商品ボタン表示制御用テーブル内に、商品AAAを識別する商品ボタン識別情報「B001」を含む2件の商品ボタン表示制御用情報と、商品DDDを識別する商品ボタン識別情報「B020」を含む1件の商品ボタン表示制御用情報と、を記憶しているため、商品AAAの商品ボタンと、商品DDDの商品ボタンと、をタッチディスプレイ26に表示する。
【0106】
図18Dは、図18Cに示した状況から、傾斜検出装置10(検出装置識別情報は「K003」)が、設定角度以上の傾斜(回転)を検出(又は操作部13の操作を検出)し、検出装置識別情報「K003」を計量装置20に送信した後の状況を示している。
【0107】
図18Dの右側部分は、商品ボタン表示制御用テーブル内に、検出装置識別情報「K001」及び商品ボタン識別情報「B001」を含む2件の商品ボタン表示制御用情報と、検出装置識別情報「K004」及び商品ボタン識別情報「B020」を含む1件の商品ボタン表示制御用情報と、検出装置識別情報「K003」及び商品ボタン識別情報「B008」を含む1件の商品ボタン表示制御用情報と、が記憶されている状況を示している。つまり、計量装置20は、傾斜検出装置10(検出装置識別情報は「K003」)から検出装置識別情報「K003」を受信したため、商品ボタン表示制御用テーブル内に、当該検出装置識別情報「K003」と、当該検出装置識別情報「K003」に対応する商品ボタン識別情報「B008」と、を含む商品ボタン表示制御用情報を記憶する。
【0108】
図18Dの左側部分は、タッチディスプレイ26に、商品AAAに対応する商品ボタンと、商品DDDに対応する商品ボタンと、商品CCC(商品名「CCC」)に対応する商品ボタン(ボタン画像Button-CCC)と、が表示されている状況を示している。つまり、計量装置20は、商品ボタン表示制御用テーブル内に、商品AAAを識別する商品ボタン識別情報「B001」を含む2件の商品ボタン表示制御用情報と、商品DDDを識別する商品ボタン識別情報「B020」を含む1件の商品ボタン表示制御用情報と、商品CCCを識別する商品ボタン識別情報「B008」を含む1件の商品ボタン表示制御用情報と、を記憶しているため、商品AAAの商品ボタンと、商品DDDの商品ボタンと、商品CCCの商品ボタンと、をタッチディスプレイ26に表示する。
【0109】
図19Aは、図18Dに示した状況から、商品AAAの商品ボタン(ボタン画像Button-AAA)がタッチされた後の状況を示している。
【0110】
図19Aの右側部分は、商品ボタン表示制御用テーブル内に、検出装置識別情報「K004」及び商品ボタン識別情報「B020」を含む1件の商品ボタン表示制御用情報と、検出装置識別情報「K001」及び商品ボタン識別情報「B001」を含む1件の商品ボタン表示制御用情報と、検出装置識別情報「K003」及び商品ボタン識別情報「B008」を含む1件の商品ボタン表示制御用情報と、が記憶されている状況を示している。つまり、計量装置20は、商品AAAの商品ボタンがタッチされたため、商品ボタン表示制御用テーブルに記憶されている、商品AAAの商品ボタンの商品ボタン識別情報「B001」を含む2件の商品ボタン表示制御用情報のうちの1件(古い方の1件)を消去する。
【0111】
図19Aの左側部分は、タッチディスプレイ26に、商品AAAに対応する商品ボタンと、商品DDDに対応する商品ボタンと、商品CCCに対応する商品ボタンと、が表示されている状況を示している。つまり、計量装置20は、商品ボタン表示制御用テーブル内に、商品DDDを識別する商品ボタン識別情報「B020」を含む1件の商品ボタン表示制御用情報と、商品AAAを識別する商品ボタン識別情報「B001」を含む1件の商品ボタン表示制御用情報と、商品CCCを識別する商品ボタン識別情報「B008」を含む1件の商品ボタン表示制御用情報と、を記憶しているため、商品DDDの商品ボタンと、商品AAAの商品ボタンと、商品CCCの商品ボタンと、をタッチディスプレイ26に表示する。
【0112】
図19Bは、図19Aに示した状況から、商品DDDの商品ボタン(ボタン画像Button-DDD)がタッチされた後の状況を示している。
【0113】
図19Bの右側部分は、商品ボタン表示制御用テーブル内に、検出装置識別情報「K001」及び商品ボタン識別情報「B001」を含む1件の商品ボタン表示制御用情報と、検出装置識別情報「K003」及び商品ボタン識別情報「B008」を含む1件の商品ボタン表示制御用情報と、が記憶されている状況を示している。つまり、計量装置20は、商品DDDの商品ボタンがタッチされたため、商品ボタン表示制御用テーブルに記憶されている、商品DDDの商品ボタンの商品ボタン識別情報「B020」を含む商品ボタン表示制御用情報を消去する。
【0114】
図19Bの左側部分は、タッチディスプレイ26に、商品AAAに対応する商品ボタンと、商品CCCに対応する商品ボタンと、が表示されている状況を示している。つまり、計量装置20は、商品ボタン表示制御用テーブル内に、商品AAAを識別する商品ボタン識別情報「B001」を含む1件の商品ボタン表示制御用情報と、商品CCCを識別する商品ボタン識別情報「B008」を含む1件の商品ボタン表示制御用情報と、を記憶しているため、商品AAAの商品ボタンと、商品CCCの商品ボタンと、をタッチディスプレイ26に表示する。
【0115】
図19Cは、図19Bに示した状況から、商品AAAの商品ボタン(ボタン画像Button-AAA)がタッチされた後の状況を示している。
【0116】
図19Cの右側部分は、商品ボタン表示制御用テーブル内に、検出装置識別情報「K003」及び商品ボタン識別情報「B008」を含む1件の商品ボタン表示制御用情報が記憶されている状況を示している。つまり、計量装置20は、商品AAAの商品ボタンがタッチされたため、商品ボタン表示制御用テーブルに記憶されている、商品AAAの商品ボタンの商品ボタン識別情報「B001」を含む商品ボタン表示制御用情報を消去する。
【0117】
図19Cの左側部分は、タッチディスプレイ26に、商品CCCに対応する商品ボタンが表示されている状況を示している。つまり、計量装置20は、商品ボタン表示制御用テーブル内に、商品CCCを識別する商品ボタン識別情報「B008」を含む1件の商品ボタン表示制御用情報を記憶しているため、商品CCCの商品ボタンをタッチディスプレイ26に表示する。
【0118】
図19Dは、図19Cに示した状況から、商品CCCを識別する商品ボタン識別情報「B008」を含む1件の商品ボタン表示制御用情報を、自動的に(商品CCCの商品ボタンの操作によらずに)消去した後の状況を示している。
【0119】
図19Dの右側部分は、商品ボタン表示制御用テーブルに1件も商品ボタン表示制御用情報が記憶されていない状況を示している。図19Dの左側部分は、タッチディスプレイ26に、何も商品ボタンが表示されていない状況を示している。
【0120】
図20A図20Fは、計量装置20における表示画面の一例である。図20Aは、計量装置20の初期画面の一例である。図20B及び図20Cは、計量対象商品を選択(指定)、検索する商品選択画面の一例である。なお、図20Bは、商品ボタンを表示していない商品選択画面である。図20Cは、商品ボタンを表示している商品選択画面である。図20Dは、商品の計量後のラベル発行画面の一例である。図20E及び図20Fは、ラベル発行後のアナウンス画面の一例である。
【0121】
なお、量り売り商品のなかには、傾斜検出装置10を用いる量り売り商品(傾斜検出装置10を設置した容器300、400等に収容される量り売り商品。例えば、ナッツ等)と、傾斜検出装置10を用いない量り売り商品(容器に収容しない量り売り商品。例えば、スイカ等のサイズの大きな商品等)と、があるものとする。
【0122】
計量装置20は、当該計量装置20が操作されていない場合には、図20Aの初期画面を表示する。計量装置20は、図20Aの初期画面において、スタートボタンがタッチされた場合には、図20B又は図20Cの商品選択画面をする。
【0123】
商品選択画面の上部には、計量値、単位重量、金額を表示する領域が設けられている。商品選択画面の下部には、仮想キーボード、仮想テンキーが表示されている。商品選択画面の中央部には、商品ボタンを表示する領域(商品ボタン領域)が設けられている。商品ボタン領域に表示される商品ボタンは、タブによって切り替え可能である。タブ「Nuts」、「Hot Items」、「Fruits」、「Vegetables」の夫々は、夫々の商品に関するタブである。タブ「Nuts」が選択された場合、商品ボタン領域には、ナッツ類に含まれる全商品の商品ボタンが一覧表示される。タブ「Hot Items」、タブ「Fruits」、タブ「Vegetables」が選択された場合についても同様である。タブ「Selected Items」は、客によって選択された商品に関するタブである。タブ「Selected Items」が選択された場合、商品ボタン領域には、傾斜検出装置10の検出結果に基づく商品、つまり客によって選択された商品の商品ボタンが表示(複数の場合には一覧表示)される。すなわち、タブ「Selected Items」により表示される商品ボタンは、全商品の商品ボタン(他の何れかのタブにより表示される商品ボタン)の一部である。
【0124】
なお、計量装置20は、当該計量装置20が操作されていない場合において、商品ボタン表示制御用テーブルに少なくとも1件の商品ボタン表示制御用情報を記憶している場合には、図20Aの初期画面に代えて、図20Cの商品選択画面(商品ボタンを配置した商品選択画面)を表示するようにしてもよい。つまり、計量装置20は、図20Aの初期画面上のスタートボタンがタッチされた後に、商品ボタンを配置した商品選択画面を表示するような場合には、初めから商品ボタンを配置した商品選択画面を表示してもよい。
【0125】
傾斜検出装置10を用いる量り売り商品(ナッツ等)を購入する客は、商品選択画面(図20Cの商品選択画面)において、計量対象商品である一の商品ボタンをタッチする。続いて、客は、計量対象商品(タッチした商品ボタンに対応する商品)を載台25dに載せる。計量装置20は、載台25dに載せられた商品を計量するとともに、商品ファイル(図8)を参照し、計量対象商品(タッチした商品ボタンに対応する商品)の計量値に応じた価格を算出し、表示する。客は、価格等を確認し、ラベルを発行するための操作を行う(図20Dのプリントボタン等のタッチ)。計量装置20は、ラベルを発行するための操作に基づいて、ラベルを発行する。また、計量装置20は、ラベルを発行後には、アナウンス画面(図20E図20F)を表示する。客は、載台25dから該当商品をおろすとともに、計量装置20が発行したラベルを該当商品(又は該当商品の包装)に貼付する。
【0126】
なお、傾斜検出装置10を用いる量り売り商品を購入する客は、上述したように、通常は、「Selected Items」のタブから商品ボタンを選択するが、時間経過により該当する商品の商品ボタンが自動消去されてしまった場合や、傾斜検出装置10の故障等により該当する商品の商品ボタンが表示されないような場合には、該当商品に対応するタブを選択し、一覧される商品ボタンから該当商品のタブを選択することもできる。つまり、精算装置20単体でも、商品ボタンによる商品選択が可能である。
【0127】
なお、傾斜検出装置10を用いない量り売り商品(スイカ等)を購入する客は、商品選択画面(図20B又は図20Cの商品選択画面)において、計量対象商品である一の商品を画面下部に表示された仮想キーボードを用いて検索する。続いて、客は、計量対象商品(検索した商品)を載台25dに載せる。計量装置20は、載台25dに載せられた商品を計量するとともに、商品ファイル(図8)を参照し、計量対象商品(検索した商品)の計量値に応じた価格を算出し、表示する。客は、価格等を確認し、ラベルを発行するための操作を行う。計量装置20は、ラベルを発行するための操作に基づいて、ラベルを発行する。また、計量装置20は、ラベルを発行後には、アナウンス画面(図20E図20F)を表示する。客は、載台25dから該当商品をおろすとともに、計量装置20が発行したラベルを該当商品(又は該当商品の包装)に貼付する。
【0128】
以上、実施形態について説明したが、上記実施形態は、一例であって具体的な構成は上記実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0129】
例えば、図2等に示した傾斜検出装置10は円筒型であるが、傾斜検出装置10の形状は円筒型でなくてもよい。
【0130】
また、上記では、傾斜検出装置10は、設置された容器の種類毎に、角度判定部102による判定に用いられる設定角度(設定記憶部100に記憶する設定角度)が異なると説明したが、換言すれば、同一種類の容器に設置された傾斜検出装置10は設定角度が同一であると説明したが、同一種類の容器に設置された傾斜検出装置10であっても、当該容器内の収容物(食品)の種類に応じて設定角度を異ならせてもよい。
【0131】
また、図16及び図17に示したフローチャートでは、計量装置20は、ステップS121の処理の実行待ち時間を経過した場合に、ステップS121の処理に用いるタイマ(実行待ち時間を計時するタイマ)を初期化し、検出装置識別情報を受信した場合や商品ボタンがタッチされた場合には、ステップS121の処理に用いるタイマを初期化しない例を説明したが、計量装置20は、ステップS121の処理の実行待ち時間を経過した場合に加えて、検出装置識別情報を受信した場合や商品ボタンがタッチされた場合のうちの一方の場合又は両方の場合にも、ステップS121の処理に用いるタイマを初期化してもよい。つまり、図16及び図17に示したフローチャートでは、ステップS101の後にステップS124に進むが、ステップS101の後にステップS123に進むようにしてもよい。また、図17に示したフローチャートでは、ステップS112(ステップS113も同様)の後にステップS124に進むが、ステップS112(ステップS113も同様)の後にステップS123に進むようにしてもよい。
【0132】
また、上記では、計量装置20は、商品ボタン表示制御用テーブル内に当該商品ボタンを識別する商品ボタン識別情報を含む商品ボタン表示制御用情報が1件以上存在する商品ボタンについて当該商品ボタンを1個表示すると説明したが、計量装置20は、商品ボタン表示制御用テーブル内に当該商品ボタンを識別する商品ボタン識別情報を含む商品ボタン表示制御用情報が複数件存在する商品ボタンについて当該商品ボタンを重ねて表示してもよい。例えば、商品ボタン表示制御用テーブルに最も早く記憶された商品ボタン表示制御用情報(最も古い商品ボタン表示制御用情報)に対応する商品ボタンを最前面に表示し、最も遅く記憶された商品ボタン表示制御用情報(最も新しい商品ボタン表示制御用情報)に対応する商品ボタンを最背面に表示してもよい。なお、商品ボタン表示制御用テーブル内に当該商品ボタンを識別する商品ボタン識別情報を含む商品ボタン表示制御用情報が複数件存在する商品ボタンについて当該商品ボタンを重ねて表示するということは、同一の商品ボタンを重ねて表示することであるため、見た目上は、商品ボタン表示制御用テーブル内に当該商品ボタンを識別する商品ボタン識別情報を含む商品ボタン表示制御用情報が1件以上存在する商品ボタンについて当該商品ボタンを1個表示することと同じである。
【0133】
また、上記では、傾斜検出装置10において、設定角度以上の傾斜を検出した場合(角度判定部102による判定による場合)であっても操作部13が操作された場合であっても、計量装置20は、両者を区別することなく、同様の処理(当該傾斜検出装置10の検出装置識別情報を含む1件の商品ボタン表示制御用情報を商品ボタン表示制御用テーブルに追加する処理)を実行する例を説明したが、傾斜検出装置10において、設定角度以上の傾斜を検出した場合と、操作部13が操作された場合とで、計量装置20による処理を異ならせてもよい。例えば、傾斜検出装置10は、当該傾斜検出装置10の検出装置識別情報を計量装置20に送信するときに、設定角度以上の傾斜を検出したか、操作部13が操作されたかを識別可能な情報を送信し(設定角度以上の傾斜を検出した場合には当該傾斜検出装置10の検出装置識別情報とともに送信区分情報として値「1」を送信し、操作部13が操作された場合には当該傾斜検出装置10の検出装置識別情報とともに送信区分情報として値「2」を送信し)、計量装置20は、上記識別可能な情報(送信区分情報)の値に応じて、例えば、商品ボタンの表示制御を異ならせてもよい。一例として、計量装置20は、送信区分情報の値に応じて(つまり、傾斜検出装置10において設定角度以上の傾斜が検出された場合と、傾斜検出装置10において操作部13が操作された場合とで)、表示態様を異ならせてもよい。他の例として、計量装置20は、送信区分情報の値に応じて、自動消去迄の時間(つまり、操作がなくても表示され続ける時間)を異ならせてもよい。
【0134】
また、上記では、容器300に傾斜検出装置10を設置する例と、容器400に傾斜検出装置10を設置する例とを説明したが、傾斜検出装置10の設置先は、容器300、容器400に限定されない。例えば、ガチャ(Gacha)のように操作部を回転させることにより収容物(食品等)が放出される容器(回転部分)に傾斜検出装置10を設置してもよい。
【0135】
また、上記では、傾斜検出装置10と計量装置20とが、直接的に無線(又は有線)により接続される構成を説明したが、傾斜検出装置10と計量装置20とが他の装置を介して間接的に無線(又は有線)により接続される構成であってもよい。例えば、両者が、ハブ(HUB)、ルータ(router)等の中継器を介して接続される構成であってもよいし、サーバ等のコンピュータを介して接続される構成であってもよい。
【0136】
また、上記では、商品ボタンには何ら情報を付加していないが、商品ボタンに情報を付加してもよい。例えば、夫々の商品ボタンについて時間経過がわかるような情報を表示してもよい。具体的には、ある商品を収容している容器に設置された傾斜検出装置10が設定角度以上の傾斜を検出したことに基づいて、計量装置20において当該商品の商品ボタンが表示されることになるが、当該商品ボタンに対応付けて(例えば、当該商品ボタンの一部に重ねて、又は、当該ボタンの近傍に)、時間経過に関する数字を表示してもよい。例えば、自動消去時刻迄の残時間をカウントダウンする数字(例えば、秒単位でカウントダウンする数字)を表示してもよい。残時間のカウントダウンは、傾斜の検出時を基準にしてもよい。具体的には、非表示であった商品ボタンが新たに表示される場合(商品ボタン表示制御用テーブル内に当該商品ボタンの商品ボタン識別情報を含む商品ボタン表示制御用情報が1件も存在していなかった状態から、商品ボタン表示制御用テーブル内に当該商品ボタンの商品ボタン識別情報を含む商品ボタン表示制御用情報が1件追加される場合)には、自動消去時刻迄の時間(300秒)を最大値としてカウントダウンを開始し、表示していた商品ボタンのタッチ後にも当該商品ボタンを表示し続ける場合(商品ボタン表示制御用テーブル内に当該商品ボタンの商品ボタン識別情報を含む商品ボタン表示制御用情報が複数件も存在している状態から、当該商品ボタンの商品ボタン識別情報を含む商品ボタン表示制御用情報を1件消去する場合)には、自動消去時刻迄の時間(300秒)からタッチされる迄の経過時間を減算した時間を最大値としてカウントダウンを開始してもよい。つまり、同一種類の商品ボタンの背面に表示していた商品ボタンを前面に表示するような場合には、前面に表示したときに、背面に表示されていたときの経過時間を減算した数字からカウントダウンを開始してもよい。なお、自動消去時刻迄の残時間が所定時間未満(または以下)になった場合にカウントダウンを開始してもよい。また、秒単位の表示ではなく、5秒毎や10秒毎の表示であってもよい。また、メータのようなもので残時間を表示してもよい。
【0137】
また、上記では、傾斜検出装置10が設定角度以上傾斜した場合には、常に、当該傾斜検出装置10の検出装置識別情報を含む1件の商品ボタン表示制御用情報が商品ボタン表示制御用テーブルに追加される例を説明した。つまり、傾斜検出装置10が設定角度以上傾斜する毎に、当該傾斜検出装置10に対応する商品の商品ボタンの表示回数がカウントアップされる例を説明した。これに対し、傾斜検出装置10が設定角度以上傾斜した場合であっても、当該傾斜検出装置10に対応する商品の商品ボタンの表示回数がカウントアップされない場合があるようにしてもよい。実装方法としては、下記のように、傾斜検出装置10による制御と、計量装置20による制御とが考えられる。
【0138】
(傾斜検出装置10による制御例)
傾斜検出装置10は、検出装置識別情報を送信した後の所定の時間内(例えば、10秒間程度)においては、再度、検出装置識別情報を送信しないようにする。具体的には、傾斜検出装置10は、検出装置識別情報の送信後の所定の時間内は、設定角度以上の傾斜を検出したと判定した場合であっても検出装置識別情報を送信しないようにしてもよいし、あるいは、設定角度以上の傾斜を検出したかの判定自体を行わないようにしてもよい。上述の所定の時間は、閾値として管理(記憶)しておけばよい。
【0139】
(計量装置20による制御例)
計量装置20は、検出装置識別情報を受信した後の所定の時間内(例えば、10秒間程度)においては、再度、同一の検出装置識別情報を受信しても無視するようにする。具体的には、計量装置20は、ある傾斜検出装置10から検出装置識別情報を受信し、当該傾斜検出装置10の検出装置識別情報を含む1件の商品ボタン表示制御用情報を商品ボタン表示制御用テーブルに追加した後の所定の時間内においては、再度、当該傾斜検出装置10から検出装置識別情報を受信したとしても、当該傾斜検出装置10の検出装置識別情報を含む商品ボタン表示制御用情報を商品ボタン表示制御用テーブルに追加しないようにしてもよい。上述の所定の時間は、閾値として管理(記憶)しておけばよい。
【0140】
上述した制御によれば、ある容器が短時間に複数回開閉したような場合に、当該容器に収容されている商品の商品ボタンの表示回数が必要以上にカウントアップされないようにすることができる。つまり、検出間隔が短く、実際には、容器から食品が複数回取り出されていないような場合に、必要以上に商品ボタンを表示しないようにすることができる。一例として、蓋を開けて閉めたが、直ぐに、やはり買おうと蓋を再度開けたような場合には、カウントは2回ではなく1回となるようにすることができる。また、重量(価格)を調整するために、商品を追加あるいは戻すといった場面も想定されるが、このような画面に対しても、所定時間の調整することによって対処可能である。なお、容器の種類に応じて、上述の所定の時間を異ならせてもよい。また、特定の容器において、当該制御を実施するようにしてもよい。
【0141】
また、傾斜を検出した回数に代えて又は加えて、傾斜を検出した時間によって、識別情報の送信を制御してもよい。例えば、設定角度以上の傾斜(設定角度未満も含む傾斜としてもよい)を検出した検出時間が所定時間以上である場合にはカウントし、当該検出時間が所定時間未満である場合にはカウントしないようにしてもよい。具体的には、傾斜検出装置10は、上記検出時間が所定時間になったときに(所定時間、継続して検出した場合に)、検出装置識別情報を送信してもよい。これにより、手が滑った場合や、即座に購入をやめる判断をしてすぐに戻した場合は、ノーカウントとすることができる。
【0142】
また、上記では、販売処理システム1が1台の計量装置20を備える構成を説明したが、販売処理システム1は2台以上の計量装置20を備える構成であってもよい。計量装置20が2台以上である場合には、どの計量装置20においても、同じように商品ボタンが表示されるようにすればよい。つまり、ある計量装置20が、例えば、商品AAAの商品ボタン及び商品BBBの商品ボタンを表示しているときは、他の全ての計量装置20においても、商品AAAの商品ボタン及び商品BBBの商品ボタンが表示されるようにすればよい。実装方法としては、例えば、以下の3つが考えられる。
【0143】
(実装方法1)
実装方法1は、夫々の計量装置20が、商品ボタン表示制御用テーブルを保持し、夫々の商品ボタン表示制御用テーブルの記憶内容を同期させる方法である。具体的には、傾斜検出装置10は、検出装置識別情報を夫々の計量装置20に送信する。検出装置識別情報を受信した夫々の計量装置20は、自身が保持する商品ボタン表示制御用テーブルに商品ボタン表示制御用情報を追加する。ある計量装置20において商品ボタンがタッチされた場合には、当該計量装置20は、自身が保持する商品ボタン表示制御用テーブルから当該商品ボタンに対応する商品ボタン表示制御用情報を消去するとともに、当該商品ボタンがタッチされた旨を他の全ての計量装置20に通知する。当該通知を受けた夫々の計量装置20は、夫々が保持する商品ボタン表示制御用テーブルから当該商品ボタンに対応する商品ボタン表示制御用情報を消去する。また、夫々の計量装置20は、商品ボタン表示制御用テーブルから、自動消去の対象となるボタン表示制御用情報を消去する。
【0144】
(実装方法2)
実装方法2は、複数の計量装置20のうちの1台の計量装置(以下、代表計量装置と称する)20が、商品ボタン表示制御用テーブルを保持し、他の計量装置20が、代表計量装置20が保持する商品ボタン表示制御用テーブルを参照する方法である。つまり、代表計量装置20及び他の計量装置20が、代表計量装置20が保持する商品ボタン表示制御用テーブルを参照し、夫々における商品ボタンの表示を制御する方法である。具体的には、傾斜検出装置10は、検出装置識別情報を代表計量装置20に送信する。検出装置識別情報を受信した代表計量装置20は、自身が保持する商品ボタン表示制御用テーブルに商品ボタン表示制御用情報を追加する。代表計量装置20においてある商品ボタンがタッチされた場合には、自身が保持する商品ボタン表示制御用テーブルから当該商品ボタンに対応する商品ボタン表示制御用情報を消去する。他の計量装置20においてある商品ボタンがタッチされた場合には、当該商品ボタンがタッチされた旨を代表計量装置20に通知する。当該通知を受けた代表計量装置20は、自身保持する商品ボタン表示制御用テーブルから当該商品ボタンに対応する商品ボタン表示制御用情報を消去する。また、代表計量装置20は、商品ボタン表示制御用テーブルから、自動消去の対象となるボタン表示制御用情報を消去する。
【0145】
(実装方法3)
実装方法3は、計量装置20とは異なる他の装置(例えば、サーバ等の管理装置)が、商品ボタン表示制御用テーブルを保持し、夫々の計量装置20が、管理装置が保持する商品ボタン表示制御用テーブルを参照する方法である。つまり、夫々の計量装置20が、管理装置が保持する商品ボタン表示制御用テーブルを参照し、夫々における商品ボタンの表示を制御する方法である。具体的には、傾斜検出装置10は、検出装置識別情報を管理装置に送信する。検出装置識別情報を受信した管理装置は、商品ボタン表示制御用テーブルに商品ボタン表示制御用情報を追加する。ある計量装置20において商品ボタンがタッチされた場合には、当該計量装置20は当該商品ボタンがタッチされた旨を管理装置に通知する。当該通知を受けた管理装置は、商品ボタン表示制御用テーブルから当該商品ボタンに対応する商品ボタン表示制御用情報を消去する。また、管理装置は、商品ボタン表示制御用テーブルから、自動消去の対象となるボタン表示制御用情報を消去する。
【0146】
また、上記では、販売処理システム1は、自装置の傾斜(回転)を検出する検出装置(傾斜検出装置10)を備えるが、販売処理システム1が備える検出装置は、自装置の変位(位置の変化。姿勢の変化も含む)を検出可能なものであればよく、自装置の傾斜(回転)を検出する検出装置に限定されない。例えば、販売処理システム1は、自装置の加速度を検出する検出装置を備えていてもよいし、自装置の角速度を検出する検出装置を備えていてもよい。すなわち、傾斜センサ(傾斜検出部12)を備える検出装置(傾斜検出装置10)に代えて又は加えて、加速度センサや角速度センサなどと呼ばれるセンサを備える検出装置を用いてもよい。これにより、例えば、鉛直方向(重力方向)には動がない水平面上の動き(水平面上の回転、水平面上の直線動作)であっても検出することができる。つまり、販売処理システム1が備える検出装置は、食品の取り出しの動きを検出可能なものであればよく、該食品の取り出しの動きがどのような動きであっても、該動きに対応する検出装置を用意すればよい。
【0147】
以下、実施形態総括を記載する。
[技術分野]
本発明は、商品販売データ処理システムに関する。
[背景技術]
例えば、ショーケースからトレーを引き出したときにトレーに貼付されたICタグをショーケースの枠に配置されたアンテナで検出することにより、当該ICタグの検出結果から商品を特定するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開平5-18809号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、アンテナに検出されるようにトレーを引き出す必要があるなど、セルフ販売には適さないという問題がある。つまり、教育された店員の場合、あるトレー内の商品を取り出す際に、当該トレーをアンテナに検出されるように常に適切に引き出すようにするかもしれないが、特に教育されていない客の場合には、常に適切に引き出すとは考え難いため、計量する商品を適切に特定できない虞がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、セルフ販売に好適な技術を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
(1)上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、変位を検出する変位検出機器(傾斜検出装置10等)と、計量装置(計量装置20)を備える商品販売データ処理システム(販売処理システム1等)であって、前記変位検出機器は、自機器の変位を検出可能な検出手段(傾斜検出部12等)と、自機器の識別情報(検出装置識別情報等)を記憶する記憶手段(設定記憶部100等)と、前記記憶手段で記憶した前記識別情報を出力する出力手段(通信部14等)とを備え、前記計量装置は、前記出力手段で出力された前記変位検出機器の前記識別情報を入力する入力手段(通信部29等)と、前記入力手段で入力された前記変位検出機器の前記識別情報と関連付けられた商品情報(商品ボタン等)を表示する表示手段(タッチディスプレイ26等)とを備え、前記変位検出機器は、商品の容器(容器300、400等)の開閉に際し、位置が変化する場所に配置され(図13A図13B図14A図14B等)前記検出手段で所定の変位値を検出した場合に、前記出力手段で前記識別情報を出力する(図15A等)こと特徴とする。
上記(1)の商品販売データ処理システムによれば、セルフ販売であっても、計量する商品を適切に特定することができる。例えば、上述したアンテナに検出されるようにトレーを引き出すシステムの場合には、実際に商品が取り出された場合であっても商品の取り出しが検出されない虞(商品を特定できない虞)があるが、本商品販売データ処理システムでは、少なくとも、実際に商品が取り出された場合には商品の取り出しが検出されるため、商品を取り出したにも関わらず、該商品を特定できないという状況は生じなくなる。
(2)(1)の商品販売データ処理システムにおいて、前記変位検出機器は、前記検出手段による変位検出時間を計時する計時手段を備え、前記変位検出時間が所定の時間となった場合に、前記出力手段で前記識別情報を出力することを特徴とする。
上記(2)の商品販売データ処理システムによれば、計量する商品を適切に特定することができる。
(3)(1)又は(2)の商品販売データ処理システムにおいて、前記計量装置は、前記入力手段で、所定の期間内に同一の変位検出機器の前記識別情報を複数回入力された場合、前記表示手段で、当該識別情報と関連付けられた商品情報を1回表示することを特徴とする。
上記(3)の商品販売データ処理システムによれば、計量する商品を適切に特定することができる。
(4)また、他の態様は、容器(容器300、400等)からの食品の取り出しを推定する推定機器(傾斜検出装置10等)と、前記容器から取り出された食品を計量する計量装置(計量装置20)とを含み、計量食品の販売を支援する販売支援システム(販売処理システム1等)であって、前記容器は、回転部材(上蓋部310、押下部410等)を含み、前記回転部材の回転によって食品の取り出しが可能となり、前記推定機器は、前記回転部材に装着され、前記回転部材の回転を検出可能な検出手段(傾斜検出部12等)と、前記検出手段の検出結果に基づいて前記容器からの食品の取り出しを推定する推定手段(角度判定部102等)とを備え、前記計量装置は、前記容器から出された食品を計量する計量手段(計量部25等)と、前記計量手段による計量値と重量単価とに基づいて、前記容器から出された食品の販売価格を決定する決定手段(CPU21等)とを備えることを特徴とする。
上記(4)の販売支援システムによれば、セルフ販売であっても、計量する商品を適切に特定することができる。例えば、上述したアンテナに検出されるようにトレーを引き出すシステムの場合には、実際に商品が取り出された場合であっても商品の取り出しが検出されない虞(商品を特定できない虞)があるが、本販売支援システムでは、少なくとも、実際に商品が取り出された場合には商品の取り出しが検出されるため、商品を取り出したにも関わらず、該商品を特定できないという状況は生じなくなる。
(5)(4)の販売支援システムにおいて、前記推定機器は、前記容器毎に設けられ、前記計量装置は、前記推定機器によって夫々の前記容器から取り出されたと推定された食品に応じたボタンを一覧表示(図18A図19D)する表示手段を更に備え、前記計量手段は、前記ボタンで選択された食品を計量することを特徴とする。
上記(5)の販売支援システムによれば、簡便に、計量する商品を選択(指定)することができる。つまり、必要なボタン(計量すべき商品のボタンとしてタッチが予想されるボタン)のみが表示されるため、時間をかけずに、計量する商品を選択(指定)することができる。また、選択(指定)し間違える可能性も低くすることができる。
(6)(5)の販売支援システムにおいて、前記推定機器は、自機器を識別可能な識別情報(例えば、検出装置識別情報)を送信する送信手段を備え、前記検出手段は、自機器の傾斜を検出可能であり、前記送信手段は、前記検出手段が所定の傾斜を検出した場合に前記識別情報を送信し、前記計量装置は、前記推定機器によって送信された前記識別情報を受信する受信手段を備え、前記表示手段は、前記受信手段によって受信した前記識別情報によって識別される前記推定機器に対応する食品に応じたボタン(商品ボタン等)を表示することを特徴とする。
上記(6)の販売支援システムによれば、セルフ販売であっても、計量する商品を適切に特定することができる。
(7)(6)の販売支援システムにおいて、前記推定機器は、操作手段(操作部13等)を備え、前記送信手段は、前記操作手段に対する操作に応じて前記識別情報を送信することを特徴とする。
上記(7)の販売支援システムによれば、運用テストや、トラブル時に、操作に応じて、システムを動作させることができる。
(8)上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、自機器を識別可能な識別情報(検出装置識別情報等)を記憶する記憶手段(設定記憶部100等)と、操作手段(操作部13等)と、自機器の傾斜を検出する検出手段(傾斜検出部12)と、前記識別情報を出力する出力手段(通信部14)とを備え、前記出力手段は、前記検出手段が所定の傾斜を検出した場合に前記識別情報を出力するとともに、前記操作手段に対する操作に応じて前記識別情報を出力することを特徴とする。
上記(8)の傾斜検出機器によれば、セルフ販売であっても、計量する商品を適切に特定することができる。
【0148】
なお、以上に説明した販売処理システム1、傾斜検出装置10、計量装置20等を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0149】
1…販売処理システム
10…傾斜検出装置
11…MCU
12…傾斜検出部
13…操作部
14…通信部
20…計量装置
21…CPU
22…ROM
23…RAM
24…スキャナ部
25…計量部
26…タッチディスプレイ
27…音声出力部
28…印刷部
29…通信部
100…設定記憶部
102…角度判定部
104…操作判定部
300…容器
310…上蓋部
400…容器
410…押下部
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
図16
図17
図18A
図18B
図18C
図18D
図19A
図19B
図19C
図19D
図20A
図20B
図20C
図20D
図20E
図20F