(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】レセプタクルコネクタとプラグコネクタとを含むコネクタ組立体及びプラグコネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/71 20110101AFI20241206BHJP
H01R 13/6581 20110101ALI20241206BHJP
【FI】
H01R12/71
H01R13/6581
(21)【出願番号】P 2023542647
(86)(22)【出願日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 KR2022000420
(87)【国際公開番号】W WO2022154419
(87)【国際公開日】2022-07-21
【審査請求日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】10-2021-0006557
(32)【優先日】2021-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519373545
【氏名又は名称】センサービュー・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SENSORVIEW CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】705‐1HO, 705HO, A DONG, 240, PANGYOYEOK‐RO, BUNDANG‐GU, SEONGNAM‐SI, GYEONGGI‐DO 13493, REPUBLIC OF KOREA
(73)【特許権者】
【識別番号】515260678
【氏名又は名称】オキンス エレクトロニクス カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】6th floor, 13, Ojeongongeop-gil Uiwang-si Gyeonggi-do 16072 REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】キム・ビョンナム
(72)【発明者】
【氏名】カン・キョンイル
(72)【発明者】
【氏名】パク・ジョンミン
(72)【発明者】
【氏名】チョ・ソンチョル
(72)【発明者】
【氏名】チョン・ジングク
(72)【発明者】
【氏名】パク・ソンギュ
(72)【発明者】
【氏名】ハム・ジョンウク
【審査官】岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-243103(JP,A)
【文献】特開2006-344524(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1586431(KR,B1)
【文献】特開2020-205255(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108682990(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/71
H01R 13/6581
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レセプタクルコネクタ及び前記レセプタクルコネクタに垂直に結合されるプラグコネクタを含むコネクタ組立体であって、
前記プラグコネクタは、
一側がケーブルの信号線と電気的に接触するように形成され、他側が前記レセプタクルコネクタのクリップピンと弾性接触するように形成された信号ピンと、
前記信号ピンの他側が下方に露出されるように、前記信号ピンを取り囲み、前記信号ピンと電気的に離隔して形成された遮蔽缶と、
前記信号ピンが結合され、前記信号ピンと前記遮蔽缶との間を絶縁する第1絶縁部材と、
前記信号ピンの他側が下方に露出されるように、下部が開放され、前記遮蔽缶の上面及び側面を取り囲むプラグシェルと、を含み、
前記レセプタクルコネクタは、
下部が回路基板の信号パッドと接触するように形成され、上部が前記信号ピンの他側と弾性接触するように形成されたクリップピンと、
前記回路基板に設けられるように形成され、前記クリップピンを収容する空間を提供するレセプタクルベースと、
前記クリップピンが結合され、前記クリップピンを側面で取り囲んで、前記クリップピンと前記レセプタクルベースとの間を絶縁する第2絶縁部材と、
を含むことを特徴とするコネクタ組立体。
【請求項2】
前記遮蔽缶は、
前記ケーブルの下部が載置され、前記信号ピンの一側が配される空間を形成する下部載置溝を備える下部遮蔽缶と、
前記ケーブルの上部が載置され、前記下部載置溝と共に前記信号ピンの一側が配される空間を形成する上部載置溝を備える上部遮蔽缶と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項3】
前記信号ピンは、並列に配される第1及び第2信号ピンを含み、
前記第1絶縁部材は、前記第1及び第2信号ピンにそれぞれ対応する第1-1及び第1-2絶縁部材を含み、
前記下部載置溝は、前記第1及び第2信号ピンにそれぞれ対応する第1及び第2下部載置溝を含み、
前記上部載置溝は、前記第1及び第2下部載置溝にそれぞれ対応する第1及び第2上部載置溝を含むことを特徴とする請求項2に記載のコネクタ組立体。
【請求項4】
前記下部遮蔽缶は、前記第1及び第2下部載置溝の間に配される垂直方向の貫通ホールを備え、
前記上部遮蔽缶は、前記貫通ホールに挿入されるように下方に突出する第1突出部を備えることを特徴とする請求項3に記載のコネクタ組立体。
【請求項5】
前記上部遮蔽缶は、前記第1信号ピンの他側と前記第2信号ピンの他側との間に配されるように下方に突出する第2突出部を備えることを特徴とする請求項3に記載のコネクタ組立体。
【請求項6】
前記遮蔽缶、前記プラグシェル及び前記レセプタクルベースは、金属材質で形成されることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項7】
前記クリップピンは、前記第1及び第2信号ピンにそれぞれ対応する第1及び第2クリップピンを含み、
前記第2絶縁部材は、前記第1及び第2クリップピンにそれぞれ対応する第2-1及び第2-2絶縁部材を含み、
前記レセプタクルベースは、前記第2-1及び第2-2絶縁部材の間に配される遮蔽壁を備えることを特徴とする請求項3に記載のコネクタ組立体。
【請求項8】
前記遮蔽壁の下面は、前記回路基板のグラウンドパッドと電気的に接触するように形成されることを特徴とする請求項7に記載のコネクタ組立体。
【請求項9】
前記レセプタクルコネクタは、
前記レセプタクルベースの表面のうち、前記遮蔽缶及び前記プラグシェルと対向する部分に沿って付着され、金属または遮蔽性樹脂材質で形成され、弾性を有する弾性部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項10】
前記弾性部は、前記遮蔽缶及び前記プラグシェルと対向する部分に複数個の切開された弾性片を備えることを特徴とする請求項9に記載のコネクタ組立体。
【請求項11】
前記レセプタクルベースは、側面に複数個の締結溝を備え、
前記プラグシェルは、側面に前記締結溝にそれぞれ弾性挿入される複数個の弾性締結部を備えることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項12】
レセプタクルコネクタに垂直に結合されるプラグコネクタであって、
前記プラグコネクタは、
一側がケーブルの信号線と電気的に接触するように形成され、他側が前記レセプタクルコネクタのクリップピンと弾性接触するように形成された信号ピンと、
前記信号ピンの他側が下方に露出されるように、前記信号ピンを取り囲み、前記信号ピンと電気的に離隔して形成された遮蔽缶と、
前記信号ピンが結合され、前記信号ピンと前記遮蔽缶との間を絶縁する第1絶縁部材と、
前記信号ピンの他側が下方に露出されるように、下部が開放され、前記遮蔽缶の上面及び側面を取り囲むプラグシェルと、
を含み、
前記遮蔽缶は、
前記ケーブルの下部が載置され、前記信号ピンの一側が配される空間を形成する下部載置溝を備える下部遮蔽缶と、
前記ケーブルの上部が載置され、前記下部載置溝と共に前記信号ピンの一側が配される空間を形成する上部載置溝を備える上部遮蔽缶と、
を含むことを特徴とす
るプラグコネクタ。
【請求項13】
前記信号ピンは、並列に配される第1及び第2信号ピンを含み、
前記第1絶縁部材は、前記第1及び第2信号ピンにそれぞれ対応する第1-1及び第1-2絶縁部材を含み、
前記下部載置溝は、前記第1及び第2信号ピンにそれぞれ対応する第1及び第2下部載置溝を含み、
前記上部載置溝は、前記第1及び第2下部載置溝にそれぞれ対応する第1及び第2上部載置溝を含むことを特徴とする請求項
12に記載のプラグコネクタ。
【請求項14】
前記下部遮蔽缶は、前記第1及び第2下部載置溝の間に配される垂直方向の貫通ホールを備え、
前記上部遮蔽缶は、前記貫通ホールに挿入されるように下方に突出する第1突出部を備えることを特徴とする請求項
13に記載のプラグコネクタ。
【請求項15】
前記上部遮蔽缶は、前記第1信号ピンの他側と前記第2信号ピンの他側との間に配されるように下方に突出する第2突出部を備えることを特徴とする請求項
13に記載のプラグコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタに係り、より詳細には、レセプタクルコネクタとプラグコネクタとを含むコネクタ組立体及びプラグコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
多種の電子装置(例えば、有線または無線通信機器など)で内部回路は、回路基板に具現される。回路基板を他の電子装置または他の回路基板に連結するために、レセプタクルコネクタとプラグコネクタとを含むコネクタ組立体が使われる。レセプタクルコネクタは、回路基板に実装され、プラグコネクタは、ケーブルと結合され、プラグコネクタがレセプタクルコネクタに締結されて、ケーブルと回路基板とが電気的に連結される。
【0003】
このようなコネクタ組立体は、5Gなど超高速無線通信装置にも広く用いられ、周波数が高くなるほど優れた電磁波遮蔽性能が要求される。しかし、従来のコネクタ組立体は、高周波で要求される電磁波遮蔽性能を示すことができず、特に、1つのコネクタで多数のケーブルと回路基板とを同時に連結する場合、コネクタ内でのケーブル間及び信号ピン間の電磁波干渉に脆弱な問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、電磁波遮蔽性能に優れ、また、多数のケーブルと回路基板とを同時に連結しながらコネクタ内でのケーブル間及び信号ピン間の電磁波干渉を最小化することができるコネクタ組立体及びプラグコネクタを提供するところにある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、前述した課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は、下記の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するための本発明によるコネクタ組立体は、レセプタクルコネクタ及び前記レセプタクルコネクタに垂直に結合されるプラグコネクタを含むコネクタ組立体であって、前記プラグコネクタは、一側がケーブルの信号線と電気的に接触するように形成され、他側が前記レセプタクルコネクタのクリップピンと弾性接触するように形成された信号ピン;前記信号ピンの他側が下方に露出されるように、前記信号ピンを取り囲み、前記信号ピンと電気的に離隔して形成された遮蔽缶;前記信号ピンが結合され、前記信号ピンと前記遮蔽缶との間を絶縁する第1絶縁部材;及び前記信号ピンの他側が下方に露出されるように、下部が開放され、前記遮蔽缶の上面及び側面を取り囲むプラグシェル;を含み、前記レセプタクルコネクタは、下部が回路基板の信号パッドと接触するように形成され、上部が前記信号ピンの他側と弾性接触するように形成されたクリップピン;前記回路基板に設けられるように形成され、前記クリップピンを収容する空間を提供するレセプタクルベース;前記クリップピンが結合され、前記クリップピンを側面で取り囲んで、前記クリップピンと前記レセプタクルベースとの間を絶縁する第2絶縁部材;を含むことを特徴とする。
【0007】
前記遮蔽缶は、前記ケーブルの下部が載置され、前記信号ピンの一側が配される空間を形成する下部載置溝を備える下部遮蔽缶;及び前記ケーブルの上部が載置され、前記下部載置溝と共に前記信号ピンの一側が配される空間を形成する上部載置溝を備える上部遮蔽缶;を含みうる。
【0008】
前記信号ピンは、並列に配される第1及び第2信号ピンを含み、前記第1絶縁部材は、前記第1及び第2信号ピンにそれぞれ対応する第1-1及び第1-2絶縁部材を含み、前記下部載置溝は、前記第1及び第2信号ピンにそれぞれ対応する第1及び第2下部載置溝を含み、前記上部載置溝は、前記第1及び第2下部載置溝にそれぞれ対応する第1及び第2上部載置溝を含みうる。
【0009】
前記下部遮蔽缶は、前記第1及び第2下部載置溝の間に配される垂直方向の貫通ホールを備え、前記上部遮蔽缶は、前記貫通ホールに挿入されるように下方に突出する第1突出部を備えることができる。
【0010】
前記上部遮蔽缶は、前記第1信号ピンの他側と前記第2信号ピンの他側との間に配されるように下方に突出する第2突出部を備えることができる。
【0011】
前記遮蔽缶、前記プラグシェル及び前記レセプタクルベースは、金属材質で形成されうる。
【0012】
前記クリップピンは、前記第1及び第2信号ピンにそれぞれ対応する第1及び第2クリップピンを含み、前記第2絶縁部材は、前記第1及び第2クリップピンにそれぞれ対応する第2-1及び第2-2絶縁部材を含み、前記レセプタクルベースは、前記第2-1及び第2-2絶縁部材の間に配される遮蔽壁を備えることができる。
【0013】
前記遮蔽壁の下面は、前記回路基板のグラウンドパッドと電気的に接触するように形成されうる。
【0014】
前記レセプタクルコネクタは、前記レセプタクルベースの表面のうち、前記遮蔽缶及び前記プラグシェルと対向する部分に沿って付着され、金属または遮蔽性樹脂材質で形成され、弾性を有する弾性部をさらに含みうる。
【0015】
前記弾性部は、前記遮蔽缶及び前記プラグシェルと対向する部分に複数個の切開された弾性片を備えることができる。
【0016】
前記レセプタクルベースは、側面に複数個の締結溝を備え、前記プラグシェルは、側面に前記締結溝にそれぞれ弾性挿入される複数個の弾性締結部を備えることができる。
【0017】
前記技術的課題を解決するための本発明によるプラグコネクタは、レセプタクルコネクタに垂直に結合されるプラグコネクタであって、一側がケーブルの信号線と電気的に接触するように形成され、他側が前記レセプタクルコネクタのクリップピンと弾性接触するように形成された信号ピン;前記信号ピンの他側が下方に露出されるように、前記信号ピンを取り囲み、前記信号ピンと電気的に離隔して形成された遮蔽缶;前記信号ピンが結合され、前記信号ピンと前記遮蔽缶との間を絶縁する第1絶縁部材;及び前記信号ピンの他側が下方に露出されるように、下部が開放され、前記遮蔽缶の上面及び側面を取り囲むプラグシェル;を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の実施形態によるプラグコネクタ及びコネクタ組立体は、電磁波遮蔽性能に優れ、また、多数のケーブルと回路基板とを同時に連結しながらコネクタ内でのケーブル間及び信号ピン間の電磁波干渉を最小化することができる効果を提供する。
【0019】
本発明の効果は、前述した効果に限定されず、言及されていないさらに他の効果は、下記の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1A】本発明の一実施形態によるコネクタ組立体を一側から見た図面である。
【
図1C】
図1Aのコネクタ組立体をさらに他側から見た図面である。
【
図2A】本発明の一実施形態によるプラグコネクタの第1分解図である。
【
図2B】本発明の一実施形態によるプラグコネクタの第2分解図である。
【
図2C】
図2Bのプラグコネクタの第2分解図を他側から見た図面である。
【
図2D】本発明の一実施形態によるプラグコネクタの第3分解図である。
【
図3A】本発明の一実施形態によるレセプタクルコネクタの分解図である。
【
図3B】
図3Aのレセプタクルコネクタの分解図を他側から見た図面である。
【
図4A】プラグコネクタとレセプタクルコネクタとが結合された状態のコネクタ組立体を一側から見た図面である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。以下、説明及び添付図面で実質的に同じ構成要素は、それぞれ同じ符号で示すことにより、重複説明を省略する。また、本発明を説明するに当って、関連した公知の機能あるいは構成についての具体的な説明が、本発明の要旨を不明にする恐れがあると判断される場合、それについての詳細な説明は省略する。
【0022】
図1Aないし
図1Cは、本発明の一実施形態によるコネクタ組立体を示す図面である。本明細書では、便宜上、
図1Aを基準にX軸方向を前側(あるいは、前面、あるいは、前端)、-X軸方向を後側(あるいは、裏面、後端)、Z軸方向を上方(あるいは、上面、上端)、-Z軸方向を下方(あるいは、下面、下端)、Y/-Y軸方向を側方と定義する。
図1Aは、コネクタ組立体を前上方側から見た図面であり、
図1Bは、コネクタ組立体を後上方側から見た図面であり、
図1Cは、コネクタ組立体を前下方側から見た図面である。
【0023】
本実施形態によるコネクタ組立体は、回路基板(
図4Cの図面符号P)に実装されるレセプタクルコネクタ200と、ケーブル300と結合し、レセプタクルコネクタ200に垂直に結合されるプラグコネクタ100と、を含む。
レセプタクルコネクタ200は、表面実装(surface mount devices、SMD/surface mount technology、SMT)方式、貫通方式であるSIP(single in-line package)、DIP(dual in-line package)、QIP(quad in-line package)方式などで回路基板(P)に実装されるか、表面実装方式と貫通方式とを混用して実装される。実施形態によって、レセプタクルコネクタ200は、別個の部品ではなく、回路基板(P)と一体に形成されうる。
【0024】
図2Aないし
図2Cは、本発明の一実施形態によるプラグコネクタ100を示す図面であって、
図2Aは、プラグコネクタ100を前下方側から見た第1分解図であり、
図2Bは、プラグコネクタ100を前上方側から見た第2分解図であり、
図2Cは、
図2Bのプラグコネクタ100の第2分解図を前下方側から見た図面であり、
図2Dは、プラグコネクタ100を前上方側から見た第3分解図である。
【0025】
本実施形態において、プラグコネクタ100に結合されるケーブル300として同軸ケーブルを例として説明するが、ケーブル300は、同軸ケーブルの代わりに、データケーブル(data cable)、ワイヤ(wire)、FFC(Flexible Flat Cable)、FPC(Flexible Printed Circuit)など多様な形態のケーブルである。
【0026】
ケーブル300は、信号線(内部導体)310、信号線310の電磁波を遮蔽(shield)し、アルミニウム、銅などで作られる外部導体330、信号線310と外部導体330との間を絶縁させ、分離する誘電体320、外部導体330を保護する外皮(ジャケット)340を含みうる。
プラグコネクタ100は、第1及び第2信号ピン110a、110b、遮蔽缶(shield can)120、130、第1-1及び第1-2絶縁部材140a、140b、プラグシェル150を含む。
【0027】
本実施形態において、ケーブル300は、2個であると例示しているが、ケーブル300は、1個でもあり、3個以上でもある。ケーブル300が複数個である場合、ケーブル300は、互いに並列に配される。ケーブル300の個数によって、第1及び第2信号ピン110a、110b、遮蔽缶120、130、第1-1及び第1-2絶縁部材140a、140b、プラグシェル150の個数または構造は、適切に変形されうるということを、当業者であれば、理解できるであろう。
【0028】
第1及び第2信号ピン110a、110bは、ケーブル300ごとに設けられ、ケーブル300と同様に第1及び第2信号ピン110a、110bも、互いに並列に配される。第1及び第2信号ピン110a、110bは、後側部分111a、111bと、後側部分111a、111bと一体に形成される前側部分112a、112bと、を含みうる。後側部分111a、111bは、信号線310と電気的に接触するように形成される。例えば、後側部分111a、111bは、信号線310が挿入される挿入部を備えるか、後側部分111a、111bと信号線310とがつぼめまたはソルダリングなどを通じて電気的に接触される。前側部分112a、112bは、後述するレセプタクルコネクタ200の第1及び第2クリップピン210a、210bと弾性接触するように形成される。例えば、前側部分112a、112bは、およそ「
」字状に形成されうる。
【0029】
遮蔽缶120、130は、第1及び第2信号ピン110a、110bの前側部分112a、112bが下方に露出されるように、第1及び第2信号ピン110a、110bを取り囲み、第1及び第2信号ピン110a、110bと電気的に離隔して形成される。遮蔽缶120、130は、電磁波遮蔽のために、金属材質で形成されうる。遮蔽缶120、130は、下部遮蔽缶120と上部遮蔽缶130とを含みうる。下部遮蔽缶120は、ケーブル300の下部が載置され、第1及び第2信号ピン110a、110bの後側部分111a、111bが配される空間を形成する第1及び第2下部載置溝121a、121bを備えることができる。上部遮蔽缶130は、下部遮蔽缶120を覆うように形成され、ケーブル300の上部が載置され、第1及び第2信号ピン110a、110bの後側部分111a、111bが配される空間を形成する第1及び第2上部載置溝131a、131bを備えることができる。上部遮蔽缶130は、第1及び第2信号ピン110a、110bの前側部分112a、112bを覆うように下部遮蔽缶120よりも前側にさらに長く形成されうる。本実施形態において、遮蔽缶120、130は、下部遮蔽缶120と上部遮蔽缶130とが結合されて形成されると説明しているが、遮蔽缶120、130は、一体に形成されうる。
【0030】
下部遮蔽缶120は、第1及び第2下部載置溝121a、121bの間に配される垂直方向の貫通ホール122を備え、上部遮蔽缶130は、貫通ホール122に挿入されるように下方に突出する第1突出部132を備えることができる。第1突出部132は、隣接したケーブル300の間、第1信号ピン110aの後側部分111aと第2信号ピン110bの後側部分111bとの間を遮蔽する役割を行える。
【0031】
また、上部遮蔽缶130は、第1信号ピン110aの前側部分112aと第2信号ピン110bの前側部分112bとの間に配されるように下方に突出する第2突出部133を備えることができる。第2突出部133は、第1信号ピン110aの前側部分112aと第2信号ピン110bの前側部分112bとの間を遮蔽する役割を行える。実施形態によって、遮蔽缶120、130とケーブル300の外部導体330は、ソルダリングを通じて結合されうる。
【0032】
第1-1及び第1-2絶縁部材140a、140bは、第1及び第2信号ピン110a、110bが結合されて第1及び第2信号ピン110a、110bと遮蔽缶120、130との間を絶縁させる。第1-1及び第1-2絶縁部材140a、140bは、第1及び第2信号ピン110a、110bの前側部分112a、112bが貫通する貫通ホールを備え、第1及び第2信号ピン110a、110bの前側部分112a、112bの上部を覆い、下部が露出されるように形成されうる。第1-1及び第1-2絶縁部材140a、140bは、その間の連結部品によって一体に形成されうる。
【0033】
プラグシェル150は、第1及び第2信号ピン110a、110bの前側部分112a、112bが下方に露出されるように、下部が開放され、遮蔽缶120、130の上面及び側面を取り囲むように形成される。プラグシェル150は、電磁波遮蔽のために金属材質で形成されうる。また、プラグシェル150は、遮蔽缶120、130の後側から遮蔽缶120、130の外に露出されるケーブル300の一部を取り囲んで支持する取り囲み部151を備えることができる。このような取り囲み部151は、プラグシェル150の上部から後側に延設される。取り囲み部151は、ケーブル300が過度に折れるか、離脱されて損傷されることを防止することができる。また、上部遮蔽缶130の上面に複数個の突出部134が形成され、プラグシェル150の上部に突出部134に対応する貫通ホール152が形成されて、突出部134が貫通ホール152に挿入されることにより、プラグシェル150と上部遮蔽缶130とが堅固に結合されうる。実施形態によって、遮蔽性能の向上または振動などに対する信頼性を増加させるために、プラグシェル150をカバーする追加的なシェルが備えられうる。また、本実施形態において、プラグシェル150の前面と側面との間に間隙があると示されるが、実施形態によっては、側面が前面に延長折り曲げられて延長折り曲げられた部分によって前面の一部が取り囲まれるように形成されうる。
【0034】
本発明の実施形態によるプラグコネクタ100によれば、ケーブル300の信号線310及び外部導体330、信号ピン110を通じて発生する電磁波が遮蔽缶120、130によって1次的に遮蔽され、プラグシェル150によって2次的に遮蔽されるので、電磁波遮蔽性能が向上する。また、隣接した信号線310間、または隣接した第1及び第2信号ピン110a、110b間の電磁波が遮蔽缶120、130の第1突出部132及び第2突出部133によって遮蔽されるので、信号間の干渉が最小化される。
【0035】
図3A及び
図3Bは、本発明の一実施形態によるレセプタクルコネクタ200を示す図面であって、
図3Aは、レセプタクルコネクタ200を後上方側から見た分解図であり、
図3Bは、
図3Aの分解図を前下方側から見た図面である。
【0036】
レセプタクルコネクタ200は、第1及び第2クリップピン210a、210b、レセプタクルベース220、第2-1及び第2-2絶縁部材230a、230b、弾性部240を含む。
【0037】
第1及び第2クリップピン210a、210bは、下面が回路基板(
図4Cの図面符号P)の信号パッド(図示せず)と弾性接触またはソルダリングなどを通じて電気的に接触するように形成され、上部が第1及び第2信号ピン110a、110bの前側部分112a、112bと弾性接触するように形成される。例えば、第1及び第2クリップピン210a、210bは、およそ「
」字状に形成されうる。実施形態によって、第1及び第2クリップピン210a、210bは、回路基板(P)の信号パッドに表面実装(SMD/SMT)方式、貫通方式であるSIP、DIP、QIP方式などによって電気的に接触されても良い。
【0038】
レセプタクルベース220は、基板(P)の上面に設けられるように形成され、第2-1及び第2-2絶縁部材230a、230bと第1及び第2クリップピン210a、210bとを収容する第1及び第2空間221a、221bを提供する。第1及び第2空間221a、221bは、レセプタクルベース220の上下を貫通するように形成されうる。レセプタクルベース220は、電磁波遮蔽及び接地のために金属材質で形成されうる。
【0039】
第2-1及び第2-2絶縁部材230a、230bは、レセプタクルベース220の第1及び第2空間221a、221bに挿入され、第1及び第2クリップピン210a、210bを側面で取り囲んで、第1及び第2クリップピン210a、210bを固定させると同時に第1及び第2クリップピン210a、210bとレセプタクルベース220との間を絶縁させる。第2-1及び第2-2絶縁部材230a、230bは、その間の連結部品231によって一体に形成されうる。
【0040】
レセプタクルベース220は、第1及び第2空間221a、221bを区分しながら第2-1及び第2-2絶縁部材230a、230bの間に配される遮蔽壁226を備えることができる。遮蔽壁226は、第1及び第2クリップピン210a、210bの間を遮蔽する役割を行える。第2-1及び第2-2絶縁部材230a、230bの間の連結部品231には、上下に貫通するホール232が形成されうる。そして、遮蔽壁226は、ホール232に挿入され、その下面がレセプタクルベース220の下面とおよそ同一平面上にある突出部227を含みうる。突出部227は、回路基板(P)のグラウンドパッド(図示せず)と電気的に接触(例えば、ソルダリングなどによって)することができる。そうすると、遮蔽壁226が接地されて、第1及び第2クリップピン210a、210bの間の遮蔽効果がさらに向上する。
【0041】
弾性部240は、金属または遮蔽性樹脂材質で形成され、弾性を有するように部分的に板状に形成される。弾性部240は、レセプタクルベース220の表面のうち、プラグコネクタ100の遮蔽缶120、130及びプラグシェル150と対向する部分に沿って付着される。弾性部240は、プラグコネクタ100とレセプタクルベース220との結合時に、その間の離隔を最小化して遮蔽性能を向上させる。また、弾性部240は、プラグコネクタ100の遮蔽缶120、130及びプラグシェル150と対向する部分に多数の切開された弾性片241を備えることができる。弾性片241は、プラグコネクタ100、弾性部240、レセプタクルベース220間の接触力を増加させて遮蔽性能をさらに向上させうる。
【0042】
プラグコネクタ100とレセプタクルコネクタ200との堅固な結合のために、レセプタクルベース220は、前方側面及び側方側面に複数個の締結溝224、225を備え、プラグシェル150は、前方側面及び側方側面に締結溝224、225に対応する弾性締結部154、155を備えて、プラグコネクタ100とレセプタクルコネクタ200との結合時に弾性締結部154、155が締結溝224、225に弾性挿入される。
【0043】
図4Aないし
図4Cは、プラグコネクタ100とレセプタクルコネクタ200とが結合された状態のコネクタ組立体を示す図面であって、
図4Aは、プラグコネクタ100とレセプタクルコネクタ200とが結合された状態のコネクタ組立体を前上方側から見た図面であり、
図4Bは、プラグコネクタ100とレセプタクルコネクタ200とが結合された状態のコネクタ組立体を前下方側から見た図面であり、
図4Cは、プラグコネクタ100とレセプタクルコネクタ200とが結合された状態のコネクタ組立体の断面図である。
【0044】
図4Cを参照すれば、第1信号ピン110aの前側部分112aと第1クリップピン210aの上部とが互いに弾性接触する。信号線310と第1信号ピン110aは、遮蔽缶120、130によって1次的に遮蔽され、プラグシェル150によって2次的に遮蔽される。第1クリップピン210aは、レセプタクルベース220によって遮蔽される。
【0045】
以上、本発明について、その望ましい実施形態を中心に説明した。当業者ならば、本発明が、本発明の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態として具現可能であるということを理解できるであろう。したがって、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されなければならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にあるあらゆる差異点は、本発明に含まれたと解釈しなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、電気コネクタの製造及び開発分野に用いられる。