(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】走行シナリオに基づく走行経路の自動簡易化
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20241206BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
G01C21/26 A
G09B29/10 A
(21)【出願番号】P 2022558018
(86)(22)【出願日】2021-03-10
(86)【国際出願番号】 US2021021617
(87)【国際公開番号】W WO2021194745
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2023-08-30
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521160638
【氏名又は名称】トランスファインダー コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100119725
【氏名又は名称】辻本 希世士
(74)【代理人】
【氏名又は名称】辻本 一義
(74)【代理人】
【識別番号】100168790
【氏名又は名称】丸山 英之
(72)【発明者】
【氏名】シビテッラ,アントニオ
【審査官】宮地 将斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-156236(JP,A)
【文献】特開2003-111208(JP,A)
【文献】特開2007-232427(JP,A)
【文献】特開平10-038597(JP,A)
【文献】特開2006-350089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
G09B 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両走行経路を簡易化するための機械実施方法であって、
少なくとも1つのメモリに記憶された地理的地図に少なくとも1つの電子デバイスを介してアクセスすることと、
前記少なくとも1つのメモリに、1つ以上の走行領域を表すデータを記憶することであって、前記走行領域は複数の街路区間および複数の道路分岐点を表し、前記走行領域は、
推奨された走行領域、制限された走行領域、または禁止された走行領域として使用者が指定可能であることと、
前記少なくとも1つのメモリに、カーブ進入設定を表すデータを記憶することであって、前記カーブ進入設定は、街路区間でのそれぞれの走行方向における走行についての走行優先設定を表し、前記カーブ進入設定は、前記街路区間の相対する方向のそれぞれに対して、優先設定なしの、制限された、または禁止された走行として指定可能
であることと、
前記少なくとも1つのメモリに、1つ以上の道路分岐点における1つ以上の操縦設定を表すデータを記憶することであって、前記操縦設定は前記1つ以上の道路分岐点における1つ以上の可能な走行方向を表し、前記操縦設定は、優先設定なしの、制限された、または禁止された操縦として指定可能
であることと、
前記走行領域、前記カーブ進入設定、および前記操縦設定の1つ以上を前記地理的地図上にオプションとして提供することと、
前記1つ以上の走行領域、前記1つ以上のカーブ進入設定、および前記1つ以上の操縦設定のうちの少なくとも1つの第1のセットを第1の走行シナリオに関連付けることと、
少なくとも1つの電子デバイス上の前記地理的地図上に前記第1の走行シナリオと関連付けられた前記走行領域、前記カーブ進入設定、および前記操縦設定をオプションとして表示することと、を含み、
前記1つ以上の走行領域、前記1つ以上のカーブ進入設定、および前記1つ以上の操縦設定のうちの少なくとも1つの第1のセットを第1の走行シナリオに関連付けることに基づいて、プロセッサは前記第1の走行シナリオに基づいて走行経路を生成し、前記少なくとも1つの電子デバイス
は車両が走行する前記走行経路を表示する、機械実施方法。
【請求項2】
オプションとして提供することは、前記地理的地図上に1つ以上の走行領域を提供することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
選択された前記第1の走行シナリオは、時間帯、時節、交通に影響を及ぼす出来事、燃料
の残量状態、および道路工事の1つ以上に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記地理的地図が選択される前記少なくとも1つのメモリに前記第1の走行シナリオを記憶することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの電子デバイスは前記車両内の電子デバイスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の走行シナリオと関連付けられた、走行領域、カーブ進入設定、および操縦設定のうちの少なくとも1つをオーバーライドすることと、
前記オーバーライドするステップに基づいて修正された走行経路をプロセッサによって生成することと、
前記車両が走行する前記修正された走行経路を前記少なくとも1つの電子デバイス上に表示することと、をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記オーバーライドするステップは、車両操作者または管理者によって行われる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上の走行領域、前記1つ以上のカーブ進入設定、および前記1つ以上の操縦設定のうちの少なくとも1つの第2のセットを第2の走行シナリオに関連付けることであって、前記第2のセットは前記第1のセットと異なる、関連付けることと、
前記第2の走行シナリオと関連付けられた前記走行領域、前記カーブ進入設定、および前記操縦設定を前記少なくとも1つの電子デバイス上の前記地理的地図上に表示することと、を含み、
プロセッサは前記第2の走行シナリオに基づいて走行経路を生成し、前記少なくとも1つの電子デバイスは前記車両が走行する前記走行経路を表示する、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
車両走行経路を簡易化するためのコンピュータシステムであって、
少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのメモリと通信する1つ以上のプロセッサと、を備え、
前記コンピュータシステムは方法を実行するように構成され、前記方法は、
前記少なくとも1つのメモリに記憶された地理的地図に少なくとも1つの電子デバイスを介してアクセスすることと、
前記少なくとも1つのメモリに、1つ以上の走行領域を表すデータを記憶することであって、前記走行領域は複数の街路区間および複数の道路分岐点を表し、前記走行領域は、
推奨された走行領域、制限された走行領域、または禁止された走行領域として使用者が指定可能であることと、
前記少なくとも1つのメモリに、カーブ進入設定を表すデータを記憶することであって、前記カーブ進入設定は、街路区間でのそれぞれの走行方向における走行についての走行優先設定を表し、前記カーブ進入設定は、前記街路区間の相対する方向のそれぞれに対して、優先設定なしの、制限された、または禁止された走行として指定可能
であることと、
前記少なくとも1つのメモリに、1つ以上の道路分岐点における1つ以上の操縦設定を表すデータを記憶することであって、前記操縦設定は前記1つ以上の道路分岐点における1つ以上の可能な走行方向を表し、前記操縦設定は、優先設定なしの、制限された、または禁止された操縦として指定可能
であることと、
前記地理的地図上に前記走行領域の1つ以上をオプションとして提供することであって、前記走行領域は、推奨された、制限された、または禁止された走行領域として指定される、オプション
とすることと、
前記地理的地図上に前記カーブ進入設定の1つ以上を提供することであって、前記カーブ進入設定は、前記街路区間の相対する方向のそれぞれに対して、優先設定なしの、制限された、または禁止された走行として指定
することと、
前記地理的地図における1つ以上の道路分岐点に前記操縦設定の1つ以上を提供することであって、前記操縦設定は、優先設定なしの、制限された、または禁止された操縦として指定
することと、
前記1つ以上の走行領域、前記1つ以上のカーブ進入設定、および前記1つ以上の操縦設定のうちの少なくとも1つの第1のセットを第1の走行シナリオに関連付けることと、
少なくとも1つの電子デバイス上の前記地理的地図上に前記第1の走行シナリオと関連付けられた前記走行領域、前記カーブ進入設定、および前記操縦設定を表示することと、を含み、
プロセッサは前記第1の走行シナリオに基づいて走行経路を生成し、前記少なくとも1つの電子デバイス
は車両が走行する前記走行経路を表示する、コンピュータシステム。
【請求項10】
オプションとして提供することは、前記地理的地図上に1つ以上の走行領域を提供することをさらに含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
選択された前記第1の走行シナリオは、時間帯、時節、交通に影響を及ぼす出来事、および道路工事の1つ以上に基づく、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記方法は、前記地理的地図が選択される前記少なくとも1つのメモリに前記第1の走行シナリオを記憶することをさらに含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの電子デバイスは前記車両内の電子デバイスを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記方法は、
前記第1の走行シナリオと関連付けられた、走行領域、カーブ進入設定、および操縦設定のうちの少なくとも1つをオーバーライドすることと、
前記オーバーライドするステップに基づいて修正された走行経路をプロセッサによって生成することと、
前記車両が走行する前記修正された走行経路を前記少なくとも1つの電子デバイス上に表示することと、をさらに含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記オーバーライドするステップは、車両操作者または管理者によって行われる、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記方法は、
第2の走行シナリオを選択すること、および前記走行領域、前記カーブ進入設定、および前記操縦設定の1つ以上の第2のセットを前記第2の走行シナリオに関連付けることであって、前記第2のセットは前記第1のセットと異なる、関連付けることと、
前記第2の走行シナリオと関連付けられた前記走行領域、前記カーブ進入設定、および前記操縦設定を、前記少なくとも1つの電子デバイス上の前記地理的地図上に表示することと、
をさらに含み、
プロセッサは前記第2の走行シナリオに基づいて走行経路を生成し、
前記少なくとも1つの電子デバイスは前記車両が走行する前記走行経路を表示する、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
車両走行経路を簡易化するためのコンピュータプログラム製品であって、
処理回路によって可読な少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体、および方法を実行するための命令の記憶を含み、前記方法は、
少なくとも1つのメモリに記憶された地理的地図に少なくとも1つの電子デバイスを介してアクセスすることと、
前記少なくとも1つのメモリに、1つ以上の走行領域を表すデータを記憶することであって、前記走行領域は複数の街路区間および複数の道路分岐点を表し、前記走行領域は、
推奨された走行領域、制限された走行領域、または禁止された走行領域として使用者が指定可能であることと、
前記少なくとも1つのメモリに、カーブ進入設定を表すデータを記憶することであって、前記カーブ進入設定は、街路区間でのそれぞれの走行方向における走行についての走行優先設定を表し、前記カーブ進入設定は、前記街路区間の相対する方向のそれぞれに対して、優先設定なしの、制限された、または禁止された走行として指定可能
であることと、
前記少なくとも1つのメモリに、1つ以上の道路分岐点における1つ以上の操縦設定を表すデータを記憶することであって、前記操縦設定は前記1つ以上の道路分岐点における1つ以上の可能な走行方向を表し、前記操縦設定は、優先設定なしの、制限された、または禁止された操縦として指定可能
であることと、
前記走行領域の1つ以上を前記地理的地図上にオプションとして提供することであって、前記走行領域は、推奨された、制限された、または禁止された走行領域として指定される、オプション
とすることと、
前記地理的地図上に前記カーブ進入設定の1つ以上を提供することであって、前記カーブ進入設定は、前記街路区間の相対する方向のそれぞれに対して、優先設定なしの、制限された、または禁止された走行として指定
することと、
前記地理的地図における1つ以上の道路分岐点に前記操縦設定の1つ以上を提供することであって、前記操縦設定は、優先設定なしの、制限された、または禁止された操縦として指定
することと、
前記1つ以上の走行領域、前記1つ以上のカーブ進入設定、および前記1つ以上の操縦設定のうちの少なくとも1つの第1のセットを、第1の走行シナリオに関連付けることと、
少なくとも1つの電子デバイス上の前記地理的地図上に前記第1の走行シナリオと関連付けられた前記走行領域、前記カーブ進入設定、および前記操縦設定を表示することと、を含み、
プロセッサは前記第1の走行シナリオに基づいて走行経路を生成し、前記少なくとも1つの電子デバイス
は車両が走行する前記走行経路を表示する、コンピュータプログラム製品。
【請求項18】
オプションとして提供することは、前記地理的地図上に1つ以上の走行領域を提供することをさらに含む、請求項17に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項19】
前記第1の走行シナリオは、時間帯、時節、交通に影響を及ぼす出来事、および道路工事の1つ以上に基づく、請求項17に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
前記地理的地図が選択される前記少なくとも1つのメモリに前記第1の走行シナリオを記憶することをさらに含む、請求項17に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項21】
前記少なくとも1つの電子デバイスは前記車両内の電子デバイスを含む、請求項17に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項22】
前記方法は、
前記第1の走行シナリオと関連付けられた、走行領域、カーブ進入設定、および操縦設定のうちの少なくとも1つをオーバーライドすることと、
前記オーバーライドするステップに基づいて修正された走行経路をプロセッサによって生成することと、
前記車両が走行する前記修正された走行経路を前記少なくとも1つの電子デバイス上に表示することと、をさらに含む、請求項18に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項23】
前記方法は、
前記1つ以上の走行領域、前記1つ以上のカーブ進入設定、および前記1つ以上の操縦設定のうちの少なくとも1つの第2のセットを第2の走行シナリオに関連付けることであって、前記第2のセットは前記第1のセットと異なる、関連付けることと、
前記第2の走行シナリオと関連付けられた前記走行領域、前記カーブ進入設定、および前記操縦設定を前記少なくとも1つの電子デバイス上の前記地理的地図上に表示することと、をさらに含み、
プロセッサは前記第2の走行シナリオに基づいて走行経路を生成し、前記少なくとも1つの電子デバイスは前記車両が走行する前記走行経路を表示する、請求項18に記載のコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2020年3月27日に出願された「AUTOMATICALLY FACILITATING TRAVEL ROUTES BASED UPON TRAVEL SCENARIOS」という名称の米国仮特許出願第63/000,765号の優先権を完全にしかつ主張するものであり、この全体は参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、一般的に、車両走行に関し、とりわけ、少なくとも1つの走行シナリオに基づく走行経路を自動的に簡易化することに関する。
【背景技術】
【0003】
移動体は、車両(例えば、車、トラック、バス、およびトロリー)などの移動可能な物体、または携帯デバイスおよび無線通信デバイスを含むモバイルデバイスを含む。バスまたはトラックなどの移動体は、人、製品、または他の貨物を運ぶことなどのサービスを提供するために使用され得る。また、このような移動体は、特定の走行経路を走行するために使用されることが多い。例えば、車両は、乗員または貨物を乗せるまたは降ろすための所望のスケジュールに従った経路を頻繁に走行する場合がある。車両または他の移動体にとって最適な走行経路を生成することは、厄介な問題となり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2003/0130789号明細書
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2013/0110393号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
走行経路を簡易化する1つの課題は、走行シナリオおよび/または種々の走行シナリオに基づいて最も適した走行経路を生成することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
先行技術の短所が克服され、車両走行経路を簡易化するための方法、コンピュータシステム、および/またはコンピュータプログラム製品の提供によってさらなる利点が提供される。1つの態様では、機械実施方法は、少なくとも1つのメモリに記憶された地理的地図に少なくとも1つの電子デバイスを介してアクセスすることを含む。1つ以上の走行領域はオプションとして地理的地図上に提供されるが、地図の基礎となる構造を変えることはなく、走行領域は、推奨された、制限された、または禁止された走行領域として指定される。1つ以上のカーブ進入設定が地図上に提供されるが、地図の基礎となる構造を変えることはなく、カーブ進入設定は、街路区間でのそれぞれの走行方向における走行についての走行優先設定を表す。カーブ進入設定は、街路区間の相対する方向のそれぞれに対して、優先設定なしの、制限された、または禁止された走行として指定される。1つ以上の操縦設定は地理的地図上に提供されるが、地図の基礎となる構造を変えることはなく、地理的地図における1つ以上の道路分岐点に提供される。操縦設定は、1つ以上の道路分岐点における1つ以上の可能な走行方向を表す。操縦設定は、優先設定なしの、制限された、または禁止された操縦として指定される。1つ以上の走行領域、1つ以上のカーブ進入設定、および1つ以上の操縦設定のうちの少なくとも1つの第1のセットは、第1の走行シナリオに関連付けられる。第1の走行シナリオと関連付けられた走行領域、カーブ進入設定、および操縦設定は、少なくとも1つの電子デバイス上の地理的地図上に表示される。プロセッサは、この関連付けられた走行領域、カーブ進入設定、および操縦設定を含む第1の走行シナリオに基づいて走行経路を生成する。少なくとも1つの電子デバイスは、車両が走行する走行経路を表示する。走行シナリオは、保存されると、以前の既存のまたは新たに作成された走行経路に適用可能である。
【0008】
第1の走行シナリオは、限定はされないが、1つ以上の時間帯、時節、交通に影響を及ぼす出来事、および道路工事に基づく場合がある。少なくとも1つの電子デバイスは車両内の電子デバイスを含んでよい。方法は、地理的地図が選択される少なくとも1つのメモリに第1の走行シナリオを記憶することを含んでよい。方法は、第1の走行シナリオと関連付けられた、走行領域、カーブ進入設定、および/または操縦設定のうちの少なくとも1つをオーバーライドすることと、オーバーライドするステップに基づいて修正された走行経路をプロセッサによって生成することと、車両が走行する修正された走行経路を少なくとも1つの電子デバイス上に表示することと、をさらに含んでよい。オーバーライドするステップは、車両操作者または管理者によって行われてよい。方法は、1つ以上の走行領域、1つ以上のカーブ進入設定、および1つ以上の操縦設定のうちの少なくとも1つの第2のセットを第2の走行シナリオに関連付けることであって、第2のセットは第1のセットと異なる、第2の走行シナリオに関連付けることと、第2の走行シナリオと関連付けられた走行領域、カーブ進入設定、および操縦設定を少なくとも1つの電子デバイス上の地理的地図上に表示することと、プロセッサが第2の走行シナリオに基づいて走行経路を生成することと、少なくとも1つの電子デバイスが車両が走行する走行経路を表示することと、をさらに含んでよい。
【0009】
別の態様では、車両走行経路を簡易化するための方法を実施するためのコンピュータシステムは少なくとも1つのメモリを含む。コンピュータシステムは、少なくとも1つのメモリと通信する1つ以上のプロセッサも含む。コンピュータシステムは方法を実行するように構成される。
【0010】
別の態様では、車両走行経路を簡易化するための方法を実施するためのコンピュータプログラム製品は、処理回路によって可読であり、かつ方法を実行するための命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体を含む。また、1つ以上の態様および方法に関連したコンピュータ実施システムも本明細書に説明されかつ主張されている。さらに、1つ以上の態様に関連したサービスも、本明細書に説明されかつ主張され得る。
【0011】
さらなる特徴および利点は、本明細書に説明される技法を通して理解されるものである。他の実施形態および態様は、本明細書に詳細に説明され、かつ特許請求される態様の一部とみなされるものである。
【0012】
1つ以上の態様は、とりわけ、本明細書の最後における特許請求の範囲における例として挙げられかつ明確に主張されている。前述、ならびに1つ以上の態様の目的、特徴、および利点は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本明細書に説明される態様による地理的地図の一例を示し、該地図上に走行領域が提供されている図である。
【
図2】本明細書に説明される態様による
図1の地理的地図の一例を示し、該地図上にカーブ進入設定が提供されている図である。
【
図3】本明細書に説明される態様による地理的地図の一例を示し、該地図上に操縦設定が提供されている図である。
【
図4】本明細書に説明される態様による地理的地図の一例を示し、該地図内に第1の走行シナリオが表示されている図である。
【
図5】本明細書に説明される態様による地理的地図および第1の走行シナリオの一例であって、走行領域、カーブ進入設定、および操縦設定のうちの少なくとも1つがオーバーライドされ、修正された走行経路が生成される一例を示す図である。
【
図6】本明細書に説明される態様による地理的地図の一例を示し、該地図内に第2の走行シナリオが表示されており、ここで、第2の走行シナリオに基づいて新たな走行経路が生成されることを示す図である。
【
図7】本明細書に説明される態様による、車両走行経路を簡易化するための方法のフロー図の一例を示す図である。
【
図8】本明細書に説明される態様による、
図4の第1の走行シナリオと関連付けられた走行領域、カーブ進入設定、および操縦設定のうちの少なくとも1つをオーバーライドして、オーバーライドするステップに基づいて修正された走行経路を生成するためのフロー図の一例を示す図である。
【
図9】本明細書に説明される態様による、新たな走行シナリオを生成するために
図4の第1の走行シナリオと異なる第2の走行シナリオを選択するためのフロー図の一例を示す図である。
【
図10】本明細書に説明される態様によるシステムの略図の一例を示す図である。
【
図11】
図10に示されるシステムのコンポーネントを示す図である。
【
図12】本明細書に説明される態様による、車両走行経路を簡易化するための方法
の一より多い態様を組み込みかつ実行するために使用され得るコンピューティング環境の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで、本明細書に開示される方法、システム、およびデバイスの構造、機能、製造、および使用の原理を全面的に理解してもらうためにある特定の例について説明する。1つ以上の例が添付の図面に示されている。具体的に本明細書に説明されかつ添付の図面に示される方法、システム、およびデバイスは非限定的な例であり、本開示の範囲は特許請求の範囲のみによって定められることを当業者は理解するであろう。1つの例に関連して示されるまたは説明される特徴は、他の例の特徴と組み合わせられてよい。このような修正および変形は、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。
【0015】
特許請求の範囲を含む本開示全体を通して使用され得る用語である「実質的に」、「およそ」、「約」、「比較的に」、または他のこのような同様の用語は、参照またはパラメータからの処理の変動などによる小さな変動について記載しかつ説明するために使用される。このような小さな変動には、参照またはパラメータからのゼロ変動も含まれる。例えば、これらの用語は、±10%以下、例えば±5%以下、例えば±2%以下、例えば±1%以下、例えば±0.5%以下、例えば±0.2%以下、例えば±0.1%以下、例えば±0.05%以下を指すことができる。
【0016】
生徒がスクールバスに乗るなどのための、物体または乗員のための走行経路を取る時、安全かつ効率的で、出発地点から経路の最終目的地までの、経路の割り当てられた停車所の全てを含む走行経路を維持するための修正が必要とされる時があり得る。例えば、新たに割り当てられた物体または乗員に対するさらなる乗車または降車要求を受け入れるためのさらなる停車所または行路区間が走行経路に追加され得ることが可能である。交通パターン、天候、または車両事故などの属性を変更することは、走行経路を「リアルタイムで」修正する必要がある場合もあり得るが、依然該経路を安全かつ効率的に維持し、先に計画した停車所全てを包含する。
【0017】
走行シナリオは、地理的地図内の車両走行経路を判断するのに役立つ、走行領域、カーブ進入設定、および/または操縦設定の関連付けられた組み合わせを含む。走行領域は、地図内の領域の走行優先設定を表す。カーブ進入設定は、地図内の街路区間における走行方向の走行優先設定を表す。操縦設定は、地理的地図内の街路の分岐点(または交差点)における走行方向の走行優先設定を表す。
【0018】
本発明の態様によって、ユーザは、経路および方向を生成する間にそのシナリオが選択されかつアクティブである時にウェイファインディングのみに影響を及ぼすカスタム設定を地図に適用することが可能になる。選択された走行シナリオは、基礎となる地図プロパティを永久に変更することはない。例えば、本発明によるソフトウェアアプリケーションによって、走行シナリオが作成される時、アプリケーションは、地図および地図における属性を使用し得るが、地図の一部にはなり得ない。むしろ、走行シナリオは、地図上に、走行領域、カーブ進入設定、および/または操縦設定を提供しかつ表示し得るが、地図の範囲内ではない場合がある。走行シナリオは、例えば、参照用に地図を使用するが地図を変えることはない、基図レイヤの上に配設される地図レイヤであってよい。
【0019】
それぞれが独自の設定を有する複数の走行シナリオは、同じ地図で使用するために作成されてよい。本発明の態様は、経路または行程計画プログラムに適用可能であるオプションの属性として含まれてよい。走行シナリオは、走行状況または条件、例えば、日中の走行、夜間の走行、または他の時間帯の走行、乾燥した天候、雨天、雪の天候、または他の天候条件、多い交通量、少ない交通量、または他の交通条件、夏または冬の走行などの季節要因による走行、授業中のまたは授業中ではない学校、道路幅、最大許容重量、可視性、および、ある特定の街路をある特定の車両が横断可能であるかどうかに対応し得る。
【0020】
1つの態様では、走行シナリオはいつでも変更されてよい。変更されると、走行経路は、新たに適用された走行シナリオと関連付けられた設定に基づいて再評価され、車両は走行経路の停車所に到着可能になる。これは、天候の変化、個人的な輸送、または使用中の車両といった、一日の中の異なった時間における交通パターンの局所的な知識を使用した状況に基づく経路設定に役立つ可能性がある。例えば、第1の走行シナリオは乾燥した天候の間の走行のためのものであり得、第2の走行シナリオは雨天の間の走行のためのものであり得る。ユーザは、乾燥した天候に基づいて第1の走行シナリオを選択してよく、その後、雨天に変わる場合、第2の走行シナリオに変更してよい。これが生じる時、システムは、第2の走行シナリオと関連付けられた設定を追加し、それに応じて走行経路を変更することになる。
【0021】
1つ以上の態様では、走行領域、カーブ進入設定、および/または操縦設定に基づいて1つ以上の走行シナリオの間に移動体についての走行経路を自動的に生成する能力が提供される。走行経路はコンピュータシステムを介して自動的に生成される。移動体は、無線通信デバイス(例えば、スマートフォン)などのモバイルデバイス、および/またはトラック、スクールバスを含むバス、車、およびトロリーなどの車両を含んでよい。
【0022】
システムがリアルタイムで走行経路を簡易化するために使用されることに加えて、システムは、走行の前におよび/または移動体に関する履歴走行およびGPSデータに基づいて、走行経路を簡易化するために使用されてよい。走行経路は移動体が走行するように設計された経路を含む。このような走行経路は、自動車の経路、バスの経路、トラックの経路、および/またはトロリーの経路を含む。計画済みの走行経路の一般的な例は、市バス公共交通経路およびスクールバス経路を含む。
【0023】
他の態様では、地理的地図が本発明によるソフトウェアアプリケーションによって最初に開かれる時、アプリケーションは、地図の既存の属性を識別し、かつこれらの基礎となる地図属性に基づいて、1つ以上のカーブ進入設定および1つ以上の操縦設定を自動的に生成してよい。アプリケーションはさらにまた、生成されたカーブ進入設定および操縦設定に基づいてデフォルトの走行シナリオを作成し、かつデフォルトの走行シナリオを地図上に表示してよい。デフォルトの走行シナリオは、地図の基礎となる属性に変更を加えることはない。オプションとして、アプリケーションは、地理的地図が最初に開かれる時に1つ以上の走行領域を生成してよい。地図が最初に開かれる時に走行領域が生成されない場合、デフォルトの走行シナリオは走行領域を含まないことになる。
【0024】
ユーザは、デフォルトの設定に変更を加えてこれらを走行シナリオとして保存する必要はない。さらに、ユーザは、走行領域、カーブ進入設定、または操縦設定を作成または編集し、これを新たな走行シナリオとして保存することができる。
【0025】
アプリケーションのアルゴリズムは、走行シナリオのカーブ進入設定および操縦設定を「優先設定なし」、「制限」、または「禁止」として指定し得る。カーブ進入設定に対する優先設定なしの指定は、街路区間における車両に利用可能な走行方向のどちらにも効率のコストの差はないと思われ、かつどちらの方向も可能であることを示すことになる。操縦設定に対する優先設定なしの指定は、街路分岐点における車両に利用可能な曲がる方向のどちらにも効率のコストの差はないと思われ、どちらに曲がるのも可能であることを示すことになる。カーブ進入設定または操縦設定のどちらに対しても制限されることの指定は、車両に利用可能な他のカーブ進入または操縦よりも車両が取るオプションのコストがより大きくなることを示すことになる。禁止の指定は、車両の行路が禁止されたカーブ進入または操縦を全くトラバースできないことを示すことになる。この場合の効率のコストは、車両が走行経路をトラバースするのに要する時間に関するコストを意味する。
【0026】
アプリケーションのアルゴリズムは、走行シナリオの走行領域を「推奨」、「制限」、または「禁止」として指定し得る。走行領域に対する制限または禁止の指定は、カーブ進入設定または操縦設定に対しては同じである。すなわち、制限された走行領域は、車両が走行領域をトラバースするオプションのコストがより大きくなることを示し、禁止された走行領域は、車両が走行領域をトラバースできないことを示す。しかしながら、走行領域に対する「推奨」の指定は、カーブ進入設定または操縦設定のどちらともに対する「優先設定なし」の指定と異なっている。すなわち、推奨された走行領域は、推奨された走行領域における街路をトラバースすることはコストがより小さいため、代替の行路を通してトラバースするよりも有利であることを示すことになる。
【0027】
行程を作成することを望んでいるユーザは、地図上にさらなる属性を入力するまたは既存の属性を変更することで、さらなる非デフォルトの走行領域、カーブ進入設定、操縦設定、および走行シナリオを作成するように促される場合がある。代替的には、ユーザは、いずれのさらなる属性も入力しないことを選び、かつデフォルトの走行シナリオだけを使用し得る。
【0028】
ユーザはまた、少なくともデフォルトの走行シナリオを含むと思われるメモリに先に記憶された1つ以上の走行シナリオから選ぶように促され得る。アプリケーションではさらにまた、選ばれた走行シナリオを地図に関連付けてよい。代替的には、ユーザは、走行シナリオが自動的に適用され得る走行経路を選択するように促され得る。
【0029】
移動体に対する走行経路を生成することに関するさらなる詳細は、以下の図を参照して説明される。このシステムまたはプロセスの態様は、移動体における1つ以上のプロセッサを含むコンピュータシステムによって、移動体に対して遠隔の1つ以上のプロセッサによって、または移動体におけるプロセッサおよび移動体に対して遠隔のプロセッサの組み合わせによって実行されてよい。多くの可能性が存在する。
【0030】
図1を参照すると、地理的地
図100を使用して提供されかつ地
図100上に表示される走行領域102、104、106を有する地
図100の一例が、本明細書に説明される態様に従って示されている。地
図100は、街路区間108および分岐点110(すなわち、2つ以上の街路が相互に連結されるまたは交差する場所)で構成される街路を含んでよい。さらに、地
図100は、地
図100の境界内に位置する車両停車所112、114、116、学校118、家120、または他の物体などの他の特徴を含み得る。地図上のさまざまな特徴は、地
図100上の特徴の位置を定める(GPSおよび/または他のX-Y座標などの)立地座標と関連付けられてよい。
【0031】
地理的地
図100は、少なくとも1つの電子デバイスの少なくとも1つのメモリに記憶されてよい。電子デバイスは車両などにおける移動体であってよい。代替的には、電子デバイスは、(車両の運転者によって使用される携帯電話など)車両内の電子デバイスであってよい。さらに、電子デバイスは、移動体でなくてもよい、または車両に位置していなくてもよい。もっと正確に言えば、電子デバイスは、例えば、どこにでも位置する、据置型メインフレームコンピュータ、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレット、またはサーバであってよい。地
図100は、電子デバイスと関連付けられたソフトウェアによって提供され、かつ電子デバイスと関連付けられたユーザインターフェース上に表示されてよい。
【0032】
電子デバイスと関連付けられたソフトウェアによって、ユーザは地
図100と対話することが可能になり得る。例えば、地図上の、街路および街路区間、X-Y座標、ならびに区域についての属性は、1つ以上の走行シナリオに関連付けられてよい。走行シナリオの範囲内で、属性は、出発地点、(計画済みおよび計画外の)停車所、および目的地に対して作成された(
図4の方向矢印122によって示されるような)車両走行経路が、物体および/または乗員の効率的な輸送に必要とされる規則および優先設定に従うように修正されてよい。
【0033】
ユーザは、例えば、地
図100における描画形状または境界によって任意の数の走行領域(走行領域102、104、106など)を作成してよい。地理的地図を使用して作成された走行領域102、104、106のそれぞれは、推奨された、制限された、または禁止された走行領域として指定されてよい。X-Y座標が走行領域の境界内にある(街路108および交差点110などの)全ての特徴は、その領域の指定と関連付けられることになる。
【0034】
(走行領域102などの)推奨された走行領域は、走行経路作成または走行に関する他の可能なオプションの前に使用されるべき区域である。(走行領域106などの)制限された走行領域は回避されるべき区域である。禁止された走行領域は、走行経路作成に使用されることはあり得ない区域である。
【0035】
走行領域が「制限」として指定されるか否かの判断は、重み付けしたスケールで計算され得る。例えば、走行領域が制限される場合、該領域内にあるいずれの街路区間も、経路設定アルゴリズムによって重み付けされ得、車両がトラバースする効率に関するオプションのコストがより大きくなる。経路設定アルゴリズムでは、制限された走行領域の外側の種々の街路を使用して車両の走行経路を修正しようと試みる場合がある。修正された走行経路が街路の異なるセットを走行することを必要とするが、制限された領域を通って走行することに対して効率のコストが等しいまたはこれを下回る場合、修正された走行経路が使用されることになる。依然、車両が等しいまたはより少ないコストのやり方で目的地に達することを可能にする代替の走行経路がない場合、走行経路は、車両が制限された走行領域を通る経路になる。
図2においてカーブ進入設定に関しておよび
図3において操縦設定に関してより詳細に論じられるように、制限されたカーブ進入設定および制限された操縦設定はまた、重み付けしたスケールで計算されてよく、かつ制限された走行領域のものと同様に評価され得る。
【0036】
走行経路を判断する先行技術の方法は、一般的に、推奨または禁止として指定される走行領域に限定されている。しかしながら、走行領域のこのような一般化された指定は、制限された走行領域を考慮に入れておらず、この場合、例えば、他の代替の経路があまり効率的でない場合、制限された走行領域をトラバースする場合がある。走行領域の少なくとも3つのタイプの優先指定(例えば、推奨、制限、および禁止)を利用することによって、走行経路を判断する時に先行技術に対して改善されたレベルの効率が提供され得る。さらに、結果として生じる最適化された走行経路は、走行領域に対する推奨指定および禁止指定のみを利用する先行技術の方法よりもトラバースする時間が少なくなる場合がある。さらに、先行技術の方法は、走行領域に適用され得る推奨指定、制限指定、および禁止指定、または、カーブ進入設定および操縦設定に適用され得る優先設定なし、制限、および禁止の組み合わせを開示していない。そのように、本発明は、先行技術の方法で判断された走行経路よりもトラバースするのが早くかつ効率的である改善された走行経路を生成し得る、技術的改善および他の改善を含む。
【0037】
推奨された、制限された、および禁止された走行領域のそれぞれは、ユーザに対するこれらの指定を識別するための独自の視覚的インジケータによって表示され得る。例えば、推奨された走行領域102は緑、白、または無色で表示されてよく、制限された走行領域106は、黄または網掛けで表示されてまたは複数のXを含んでよく、禁止された走行領域104は赤で表示されてまたは点で描かれてよい。
【0038】
図2を参照すると、地理的地
図100を使用してカーブ進入設定124、126、128が提供されている地
図100の一例が本明細書に説明される態様に従って示されている。(方向矢印124、126、128によって示されるような)カーブ進入設定は、街路区間108におけるそれぞれの走行方向での走行に関する走行優先設定を表す。カーブ進入設定は、街路区間の相対する方向のそれぞれに対する優先設定なしの124、制限された126、または禁止された128走行として指定され得る。
【0039】
カーブ進入設定が「制限」として指定されるかどうかの判断は、本発明による経路設定アルゴリズムによって重み付けしたスケールで計算されてよい。例えば、カーブ進入が制限される場合、他の利用可能なカーブ進入設定よりも車両が取るオプションのコストがより大きい経路設定アルゴリズムによって計算されかつ重み付けされ得る。経路設定アルゴリズムでは、異なるカーブ進入を使用して走行経路を修正しようと試みる場合がある。代替のカーブ進入を使用する修正された走行経路が街路の異なるセットを走行することを必要とするが、制限されたカーブ進入を通って走行することに対して効率のコストが等しいまたはこれを下回る場合、修正された走行経路が使用されることになる。依然、車両が等しいまたはより少ないコストのやり方で目的地に達することを可能にする代替の走行経路がない場合、車両は制限されたカーブ進入を使用することになる。
【0040】
優先設定なしの、制限された、および禁止されたカーブ進入設定のそれぞれは、ユーザに対するこれらの指定を識別するための独自の視覚的インジケータによって表示され得る。例えば、優先設定なしのカーブ進入設定124は緑色、白色、または無色の方向矢印で表示されてよく、制限されたカーブ進入設定126は、黄色または網掛けのまたは一部が黒および一部が白の方向矢印で表示されてよく、禁止されたカーブ進入設定128は赤色のまたは点で描かれたまたは真っ黒の方向矢印で表示されてよい。
【0041】
(カーブ進入設定124などの)優先設定なしのカーブ進入設定は、(
図4における走行経路122などの)走行経路に対してどちらの方向にもまたはどちらの側にも使用可能である街路区間における走行方向に対して指定され得る。(カーブ進入設定126などの)制限されたカーブ進入設定は、示された側での走行を制限することになる街路区間における走行方向に対して指定され得る。(カーブ進入設定128などの)禁止されたカーブ進入設定は、示された側での走行を禁止することになる街路区間である。優先設定なしの、制限された、または禁止されたカーブ進入設定は、街路区間の片側または両側に対して設定されてよい。
【0042】
カーブ進入設定は、電子デバイスと関連付けられたユーザインターフェースを通してユーザによって調節されてよい。例えば、最初に、地
図100上の全てのカーブ進入設定124、126、128は、優先設定なしで設定されてよく、全てのカーブ進入方向矢印124、126、128は、白色にされてよい。その後、方向矢印126を1回クリックすると、設定が制限に変更され得、方向矢印126の色が黄に変更され得る。方向矢印128を2回クリックすると、設定が禁止に変更され得、方向矢印128の色が赤に変更され得る。
【0043】
出発地点112、(計画済みまたは計画外の)停車所114から、および目的地116までの走行経路が作成される場合、計算によって、最も効率的な経路が生成されることになり、かつ、街路区間が2車線路である場合にどちらの方向にも進める優先設定なし124の街路区間108のトラバースが可能である。走行経路はまた、重み付けした計算によって取るべき最も効率的な方向であると思われることが示される場合に、制限された街路区間126をトラバースする場合がある。走行経路は禁止された街路区間128をトラバースできない。
【0044】
図2における例として、走行経路は、街路区間108Aがカーブ進入設定126Aによる制限された街路区間方向と指定されても街路区間108Aをトラバースする場合がある。これは、唯一の他の代替策がカーブ進入設定128Bによって禁止された街路区間方向と指定される街路区間108Bをトラバースすることと思われるからである。
【0045】
図3を参照すると、地理的地
図100を使用して提供されかつ地
図100上に表示する操縦設定130、132、134を有する地
図100の一例が、本明細書に説明される態様に従って示されている。(方向矢印130、132、134によって示されるような)操縦設定は、1つ以上の道路分岐点(または交差点)110における1つ以上の可能な走行方向を表す。操縦設定は、優先設定なしの130、制限された132、または禁止された134操縦として指定され得る。
【0046】
操縦設定が「制限」として指定されるか否かの判断は、重み付けしたスケールで計算され得る。例えば、操縦設定が制限される場合、他の利用可能な操縦設定よりも車両が取るオプションのコストがより大きい経路設定アルゴリズムによって計算されかつ重み付けされ得る。経路設定アルゴリズムでは、異なる操縦設定を使用して走行経路を修正しようと試みる場合がある。代替の操縦設定を使用する修正された走行経路が街路の異なるセットを走行することを必要とするが、制限された操縦によって走行することに対してコストが等しいまたはこれを下回る場合、修正された走行経路が使用されることになる。依然、車両が等しいまたはより少ないコストのやり方で目的地に達することを可能にする修正された走行経路がない場合、行路では制限された操縦を使用することになる。
【0047】
優先設定なしの、制限された、および禁止された操縦設定のそれぞれは、ユーザに対するこれらの指定を識別するための独自の視覚的インジケータによって表示され得る。例えば、優先設定なしの操縦設定130は緑色、白色、または無色の方向矢印で表示されてよく、制限された操縦設定132は、黄色または網掛けのまたは一部が黒および一部が白の方向矢印で表示されてよく、禁止された操縦設定134は赤色のまたは点で描かれたまたは真っ黒の方向矢印で表示されてよい。
【0048】
(方向矢印130などの)優先設定なしの操縦設定は、出発地点112から、(計画済みまたは計画外の)停車所114までのおよび目的地116までの走行経路を計算するために走行時に任意の方向に曲がってよい分岐点である。優先設定なしの操縦設定は、分岐点110の全ての可能な方向に対して設定されてよい。一方通行路の事例では、操縦設定は、可能とされる走行方向における街路に曲がることのみが可能とされる。
【0049】
(方向矢印132などの)制限された操縦設定は、走行時に示された方向に曲がるべきではない分岐点である。出発地点112から、(計画済みまたは計画外の)停車所114までのおよび目的地116までの走行経路を計算する時、ソフトウェアでは制限された操縦設定を使用することを回避する場合がある。制限された操縦設定は分岐点110の全ての可能な方向に対して設定され得る。
【0050】
(方向矢印134などの)禁止された操縦設定は、走行時に示された方向に曲がることができない分岐点である。出発地点112から、(計画済みまたは計画外の)停車所114までのおよび目的地116までの走行経路を計算する時、ソフトウェアでは禁止された操縦設定で曲がることを使用しないことになる。禁止された操縦設定は分岐点110の全ての可能な方向に対して設定され得る。
【0051】
操縦設定は、電子デバイスと関連付けられたユーザインターフェースを通してユーザによって調節されてよい。例えば、最初に、地
図100上の全ての操縦設定130、132、134は、優先設定なしで設定されてよく、全ての操縦設定方向矢印130、132、134は、白色にされてよい。その後、方向矢印132を1回クリックすると、設定が制限に変更され得、方向矢印132の色が黄に変更され得る。方向矢印134を2回クリックすると、設定が禁止に変更され得、方向矢印134の色が赤に変更され得る。
【0052】
走行経路が作成される時、計算では、最も効率的な経路を使用することになり、優先設定なし130の分岐点110において任意の方向に進むように曲がって(または操縦して)よい。走行経路はまた、重み付けした計算によって取るべき最も効率的な操縦であると思われることが示される場合に、制限された方向132に曲がる場合がある。走行経路は禁止された方向134には操縦することはできない。
【0053】
図4を参照すると、地理的地
図100内に表示される第1の走行シナリオ140の走行経路を表示する地
図100の一例が、本明細書に説明される態様に従って示されている。走行領域102、104、106、カーブ進入設定124、126、128、または操縦設定130、132、134のうちの1つが(
図1~
図3に示されるように)作成されており、かつ走行シナリオ(例えば、「乾燥した天候」の走行に使用される第1の走行シナリオなど)に関連付けられていると、走行経路は、最初の出発地および最後の目的地を含む選択された計画済みまたは計画外の停車所用に作成され得る。
【0054】
図4の例では、いずれの作成された走行領域102、104、106、カーブ進入設定124、126、128、および操縦設定130、132、134も、第1の走行シナリオ140(例えば、「乾燥した天候の走行」)と関連付けられる。しかしながら、走行領域、カーブ進入設定、および操縦設定の特徴の任意の数および組み合わせは、走行シナリオが少なくとも1つのこのような特徴を含むという条件で、走行シナリオと関連付けられてよい。
【0055】
第1の走行シナリオ140と関連付けられた、走行領域102、104、106、カーブ進入設定124、126、128、および操縦設定130、132、134は、少なくとも1つの電子デバイス上の地理的地図上に表示され得る。電子デバイスと関連付けられたプロセッサは、さらにまた、第1の走行シナリオ140に基づいて(
図4に示されるような)走行経路122を生成し得る。少なくとも1つの電子デバイスはさらにまた、車両が走行する走行経路122を表示し得る。このような電子デバイスのうちの1つは車両に位置してよく、他の電子デバイスはその他の所に位置してよい。例えば、他の電子デバイスは、輸送管理者の設備に位置してよく、経路を表示する他の電子デバイスは、乗員またはその家族などの顧客によって使用されてよい。
【0056】
走行経路122が出発地点112、(計画済みまたは計画外の)停車所114から、および目的地116までの第1の走行シナリオ140に基づいて作成される時、プロセッサは、先述の設定に基づいて最も効率的な経路を計算することになる。
図4に示される例では、計算された経路122は、推奨された走行領域102を通してトラバースし、かつ制限された走行領域106および禁止された走行領域104を回避する。さらに、走行経路122はまた、方向矢印126Aによる制限された街路区間方向と指定されても、街路区間108Aをトラバースする。これは、唯一の他の代替策が、方向矢印128Bによる禁止された街路区間方向と指定される街路区間108Bをトラバースすることと思われるからである。最後に、走行経路122は、それぞれの交差点110において優先設定なしの操縦130のみを取り、かつ制限された操縦132および禁止された操縦134を回避する。
【0057】
走行領域102、104、106、カーブ進入設定124、126、128、および操縦設定130、132、134の(第1の走行シナリオ140などの)走行シナリオおよびこの特徴は、多くの属性に基づいてよい。例えば、これらは、限定はされないが、天候、時間帯、時節、交通に影響を及ぼす出来事、燃料状態、および道路工事を含む1つ以上の属性に基づいてよい。第1の走行シナリオ140およびこの関連付けられた走行領域、カーブ進入設定、および操縦設定は、作成されると、(地理的地
図100も含んで)少なくとも1つのメモリに記憶されてよい。しかしながら、走行シナリオ140は、地理的地
図100と別個の物体として少なくとも1つのメモリに記憶され得る。
【0058】
図5を参照すると、地理的地
図100および第1の走行シナリオ140の一例が示されており、ここで、本明細書に説明される態様に従って、走行領域、カーブ進入設定、または操縦設定のうちの少なくとも1つはオーバーライドされ、修正された走行経路144が生成される。第1の走行シナリオ140が基づく(天候、工事、または車両事故などの)属性が変更される場合、第1の走行シナリオ140と関連付けられた、走行領域102、104、106、カーブ進入設定124、126、128、および操縦設定130、132、134の特徴のうちの少なくとも1つは、オーバーライドされ得る。オーバーライドされると、プロセッサは、これらの特徴のオーバーライドに基づいて(走行経路144などの)修正された走行経路を生成してよい。次いで、車両が走行する修正された走行経路144が少なくとも1つの電子デバイス上に表示され得る。オーバーライドするステップは、車両操作者または管理者によって実行されてよい。修正された走行経路144は走行シナリオ140を変更しなくてよく、走行シナリオ140は依然、他のユーザによっておよび他の走行経路に対して使用されてよい。
【0059】
図5の具体的な例において、車両事故142は、街路108Cにおいて生じたことで、優先設定なしの操縦として指定される操縦設定130Aが禁止になる。それ故に、この経路をトラバースする車両の管理者または操作者は、この事故に気付くと、操縦130Aをオーバーライドするコマンドを電子デバイスに入力し、かつ操縦130Aを禁止された操縦として効果的に再指定してよい。システムのソフトウェアはさらにまた、修正された経路144を生成することになる。
図5に示されるように、変えられた走行経路144は、制限された走行領域106を通行し、代わりの街路108Dを取ることによって、街路108Cを回避する。
図5に示される具体的な例では操縦設定130Aをオーバーライドするが、走行領域、カーブ進入設定、および/または操縦設定の任意の数または組み合わせが、条件を変更することに応じてオーバーライドされる場合がある。
【0060】
図6を参照すると、第2の走行シナリオ150が地理的地
図100上に表示されている地
図100の一例が、本明細書に説明される態様に従って示されている。(時間帯、天候、工事、および交通などの)条件が変更されると、これらの変更された条件に基づいてより効率的な走行経路を生成するために種々の走行シナリオが選択され得る。そのように、例えば、第2の走行シナリオは「雪の天候」の走行条件のためのものであり得る。
【0061】
それ故に、走行領域、カーブ進入設定、および操縦設定の特徴のうちの1つ以上の第2のセットは、第2の走行シナリオ150と関連付けられてよい。第2の走行シナリオ150と関連付けられた特徴の第2のセットは、第1の走行シナリオ140と関連付けられた特徴の第1のセットと異なる場合がある。例えば、雪の天候のために制限される走行領域、ならびにカーブ進入設定および/または操縦設定があり得る。第2の走行シナリオ150と関連付けられた走行領域、カーブ進入設定、および操縦設定の第2のセットは、さらにまた、少なくとも1つの電子デバイス上の地理的地
図100上に表示されてよい。電子デバイスと関連付けられたプロセッサはさらにまた、第2の走行シナリオ150に基づいて走行経路146を生成してよい。少なくとも1つの電子デバイスは次いで、車両が走行する走行経路146を、例えば、ユーザインターフェースの表示画面上に表示し得る。
【0062】
図6に示される例では、第2の走行シナリオ用の走行領域、カーブ進入設定、および操縦設定の特徴のいくつかは異なっている。より具体的には、走行領域に関して、
図4の禁止された走行領域104は、第2の走行シナリオと関連付けられていないため、地
図100に示されていない。その代わりに、地理的地
図100上の推奨された走行領域148が第2の走行シナリオと関連付けられ、かつ地理的地
図100上に表示される。このような状況は、例えば、第1の走行シナリオが「ラッシュアワー」または混雑した交通条件のためのものであり、第2の走行シナリオが夜間の走行条件のためのものである時に生じる場合がある。カーブ進入設定に関して、街路区間108Dに対して指定された異なるカーブ進入設定124Aは、操縦設定130Bのように第2の走行シナリオと関連付けられる。
【0063】
第2の走行シナリオ150に基づいて生成された走行経路146は、ここで、第1の走行シナリオの禁止された領域104が使用される区域を通してトラバースし、かつ街路108Dに優先設定なしで左へ曲がる操縦130Bを実行する。走行経路146は次いで、新たな推奨された走行領域148を通る優先設定なしのカーブ進入方向124Aにおいて街路区間108Dをトラバースすることで、この計画済みの停車所114に達する。この例について、停車所114から116の最終目的地まで、走行経路146は、第1の走行シナリオを使用して生成された元の走行経路140と同じである。しかしながら、走行シナリオおよびこれらの関連付けられた設定に基づいて、特定の走行シナリオ用の生成された走行経路は、行程の始点および終点が同じであり得る時でも、他の走行経路と全く異なっている場合がある。
【0064】
図7を参照すると、車両走行経路を簡易化するための方法200のフロー図の一例が、本明細書に説明される態様に従って示されている。方法200は202で開始し、ここで、少なくとも1つの電子デバイスは、電子デバイスと関連付けられた少なくとも1つのメモリに記憶された地理的地
図100にアクセスする。地
図100は、街路区間108および交差点110で構成される街路を含んでよい。さらに、地
図100は、車両停車所112、114、116、学校118、および家120などの他の特徴を含み得る。
【0065】
204では、方法は、オプションとして、地理的地
図100上に表示される1つ以上の走行領域102、104、106を提供する。走行領域は、地
図100の領域(または区域)を通る走行優先設定を表す。走行領域は、推奨された、制限された、または禁止された走行領域として指定されてよい。走行領域は、1つ以上の走行シナリオと関連付けられるため、該走行シナリオで使用され得る。本発明によるソフトウェアアプリケーションは、オプションとして、地理的地図が最初に開かれる時に1つ以上の走行領域を提供し得る。地図が最初に開かれる時に生成される走行領域がない場合、デフォルトの走行シナリオは走行領域を含まないことになる。
【0066】
206では、地理的地
図100内に1つ以上のカーブ進入設定124、126、128が提供される。カーブ進入設定は、街路区間108におけるそれぞれの走行方向での走行に対する走行優先設定を表す。カーブ進入設定は、街路区間の相対する方向のそれぞれに対して優先設定なしの、制限された、または禁止された走行として指定され得る。カーブ進入設定は、1つ以上の走行シナリオと関連付けられることで、該走行シナリオで使用され得る。
【0067】
208では、地理的地
図100内の1つ以上の道路分岐点(または交差点)110において1つ以上の操縦設定130、132、134が提供される。操縦設定は、1つ以上の道路交差点における1つ以上の可能な走行方向を表す。操縦設定は、優先設定なしの、制限された、または禁止された操縦として指定され得る。操縦設定は、1つ以上の走行シナリオと関連付けられることで、該走行シナリオで使用され得る。
【0068】
方法の210では、第1の走行シナリオ140は、走行領域102、104、106、カーブ進入設定124、126、128、および操縦設定130、132、134のうちの1つ以上の第1のセットと関連付けられる。第1の走行シナリオは、走行領域、カーブ進入設定、および/または操縦設定の特徴のうちの少なくとも1つを含み、かつこれらの特徴の任意の数の任意の組み合わせであってよい。
【0069】
212では、第1の走行シナリオ140と関連付けられた走行領域、カーブ進入設定、および操縦設定は、少なくとも1つの電子デバイス上の地理的地図上に表示される。方法の212では、プロセッサは、第1の走行シナリオ140に基づく走行経路122を生成する。214では、車両が走行する走行経路122は、少なくとも1つの電子デバイス上に表示される。
【0070】
図8を参照すると、
図7の第1の走行シナリオ140と関連付けられた、走行領域102、104、
106、カーブ進入設定124、126、128、および操縦設定130、132、134のうちの少なくとも1つをオーバーライドして、オーバーライドするステップに基づいて修正された走行経路144を生成するための方法220のフロー図の一例が、本明細書に説明される態様に従って示されている。この方法220は、
図7に記載される方法200を補足するものである。
【0071】
方法220は222で開始し、ここで、電子デバイスと関連付けられたプロセッサは、第1の走行シナリオ140と関連付けられた、走行領域102、104、106、カーブ進入設定124、126、128、および操縦設定130、132、134のうちの少なくとも1つをオーバーライドすることに基づく修正された走行経路144を生成する。オーバーライドすることは車両操作者または管理者によって行われ得る。オーバーライドすることはまた、リアルタイムで行われ得る。例えば、走行経路が地理的地図の街路への推奨される操縦を示すが、車両(バスなど)の運転者がその街路を実質的にふさぐ事故が生じたことを見出す場合、運転者は、その操縦を、電子デバイスと関連付けられたユーザインターフェースを通してオーバーライドしてよい。運転者は、例えば、その操縦を推奨ではなく制限として再指定し得る。
【0072】
224では、車両が走行する修正された走行経路144が少なくとも1つの電子デバイス上に表示され得る。修正された走行経路144は走行シナリオ140を変更しなくてよく、走行シナリオ140は依然、他のユーザによっておよび他の走行経路に対して使用されてよい。
【0073】
図9を参照すると、第1の走行シナリオ140と異なる第2の走行シナリオ150を選択することで、第2の走行シナリオ150に基づいて走行経路146を生成するための方法230のフロー図の一例が、本明細書に説明される態様に従って示されている。この方法230は、
図7に記載される方法200を補足するものである。
【0074】
方法230は232で開始し、ここで、走行領域102、104、106、カーブ進入設定124、126、128、および操縦設定130、132、134のうちの1つ以上の第2のセットは、第2の走行シナリオ150と関連付けられる。第2の走行シナリオ150に関連付けられた第2のセットは、第1の走行シナリオ140に関連付けられた第1のセットと異なる場合がある。走行条件に基づいて、第2の走行シナリオ150は、走行のためのシナリオとして選択されることになる。
【0075】
第2の走行シナリオが選択された後、234において、第2の走行シナリオと関連付けられた走行領域、カーブ進入設定、および操縦設定は、少なくとも1つの電子デバイス上の地理的地
図100上に表示されてよい。236において、プロセッサは、第2の走行シナリオ150に基づいて走行経路146を生成する。238において、車両が走行する走行経路146は、少なくとも1つの走行デバイス上に表示される。
【0076】
図10および
図11を参照すると、車両走行経路を簡易化するための例示の実施形態によるシステム300の態様が示されている。システム300は、データ(または情報)304が送信され、固有のアルゴリズム306を含むプロセスが実行される1つ以上のプロセッサまたはサーバ302を含んでよい。1つの例では、システム300は、クラウドコンピューティング308を介して実装され得る。システム300は、ある区域の電子地図を表し得る情報304を受信するまたは得る。情報304は、地図上の、街路区間で構成されるそれぞれの街路、および交差点に対する座標、ならびに、車両が停止し得るそれぞれの潜在的な停車所に対する座標も含んでよい。情報304は、地図上の、街路区間、交差点、停車所、および任意の他の物体または特徴と関連付けられたさまざまな属性に関する入力データも含み得る。
【0077】
システム300はまた、走行シナリオ、ならびに、走行シナリオを構成する走行領域、カーブ進入設定、および操縦設定の特徴に関する情報304を受信するまたは得る。情報304は、ユーザインターフェース314を通してユーザによってシステム300に入力されてよい。このようなユーザは、例えば、走行管理者、車両操作者、または車両乗員などであってよい。情報はまた、例えば、全地球測位システム(GPS)または気象衛星によってシステム300に電子的に送信され得る。
【0078】
情報304は、このような特徴と関連付けられたまたは該特徴に影響を及ぼす属性を含んでよい。例えば、サイズ、形状、および場所などの属性は、走行領域に関連している情報であってよい。また、例として、一方通行路、交通パターン、工事、および時間帯のような属性は、カーブ進入設定、および操縦設定に関連している情報であり得る。情報304はまた、走行領域、カーブ進入設定、および操縦設定が、推奨、制限、または禁止と指定されているかどうかについて含んでよい。システム300はまた、例えば、走行領域の制限から推奨への再指定など、このような走行シナリオ、走行領域、カーブ進入設定、または操縦設定に関するリアルタイムの更新されたまたは修正された情報304を得るように動作可能である。
【0079】
情報304は、コンピュータまたはモバイルデバイスからこのような情報を受信すること、または1つ以上の記憶デバイスに記憶されているGPSデータから同情報を生成することを含む任意の実行可能な方法によって得られ得る。情報はまた、1以上のユーザ310によって入力されてよい。情報を得るための他の技法はまた、同情報を作成する、生成する、および/または得るために使用されてよい。システム300、およびこれと関連付けられたメモリ内に、情報304は任意の望ましいフォーマットで記憶されてよい。
【0080】
プロセッサ302によって実行されるプロセスまたはアルゴリズム306では、情報304を使用して結果312を生成してよい。結果312は、選択された走行シナリオ、ならびに、走行経路、カーブ進入設定、および操縦設定の1つ以上の組み合わせに基づいて、走行経路を電子的に表しておよび/または生成してよい。システム300は結果312を後の使用または分析のために記憶してよい。
【0081】
ユーザ(例えば、操作者、管理者、または車両運転者など)310は、結果312を任意の数のユーザインターフェース314上で見ることが可能にされてよい。ユーザ310はまた、ユーザインターフェース314を通してさらなる情報304を入力して、プロセスまたはアルゴリズム306を修正するようなタスクを実行することで、結果312を編集するまたはさらに分析することが可能にされ得る。
【0082】
生成された経路は、ファーストパーティおよびサードパーティの交通データ、天候データ、危険データ、および/または回避地帯データを考慮に入れた、システムによって最適化された経路であり得る。さらに、最適化された経路は、現在のデータおよび/または履歴データに基づいてよい。いくつかの実施形態では、生成された経路は、主要経路および複数の代替経路を含んでよい。代替経路は、それぞれの経路を完成させるために目的コスト関数に基づく総距離、総時間、または総コストに基づいて優先順位が付けられ得る。
【0083】
リアルタイムデータを使用して動作する時、システムは、走行経路を最適化するために、バス、スクールバスもしくはトロリー、または配達トラックなどの車両群を含む車両用の走行経路を生成することを担う輸送責任者などのユーザによって使用されてよい。最適化された走行経路が判断されると、ユーザは、ある特定の車両が最適化された走行経路をトラバースすることを認可または可能にしてよい。代替的には、ユーザは、ある特定の車両が他の走行経路をトラバースすることを制限または防止し得る。
【0084】
また、システムは、公共交通経路などにおいてバスまたはトロリーのユーザによって使用され得る。例えば、バスまたはトロリーなどの移動体が、最初の初期目的地から最終目的地までの走行に割り当てられる時、ユーザは種々の走行シナリオに基づいて走行経路を最適化してよい。モバイルデバイスは、1つ以上の車両、および経路に(以上に説明されるように)割り当てられている車両用の計画済み走行経路を表示してよい。
【0085】
さらに、システムが走行履歴またはGPSデータを使用して動作する時、システムのユーザは、走行が望まれる範囲内の地理的区域に関連する履歴データ、およびさまざまな走行シナリオに基づいて、走行経路を生成するためにシステムを使用してよい。システムは、移動体の走行中に、走行およびGPSデータを履歴データとして記憶してよい。この点において、履歴GPSデータは、経時的に蓄積され、かつシステムにまたは遠隔に記憶される。履歴GPSデータは、種々の走行シナリオの間に、移動体および計画済み走行経路のデータ分析を行って、走行領域、カーブ進入、および操縦設定を判断するために使用可能である。
【0086】
本発明の1つ以上の態様によって使用され得るプロセッサを含むコンピュータシステムの1つの例について、
図12を参照して説明する。この例では、コンピュータシステムは、本発明の態様によって使用されてもされなくてもよいさらなるコンポーネントを含むコンピューティング環境の一部である。
【0087】
図12に示されるように、本発明のプロセスを実行するのに使用可能なコンピューティング環境400が開示されている。コンピューティング環境は、例えば、汎用コンピューティングデバイスの形態の、例えば、示されるコンピュータシステム402を含む。コンピュータシステム402は、限定はされないが、1つ以上のプロセッサまたは処理ユニット404(例えば、中央処理ユニット(CPU))、メモリ406(例として、別称、システムメモリ、メインメモリ、メインストレージ、中央ストレージ、またはストレージ)、および、1つ以上のバスおよび/または他の接続410によって互いに結合される1つ以上の入出力(I/O)インターフェース408を含み得る。
【0088】
バス410は、メモリバスまたはメモリコントローラ、周辺バス、アクセラレイティッドグラフィックスポート、および、さまざまなバスアーキテクチャのいずれかを使用するプロセッサまたはローカルバスを含むいくつかのタイプのバス構造のいずれの1つ以上を表す。例として、限定はされないが、このようなアーキテクチャは、業界標準アーキテクチャ(ISA)、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)、拡張ISA(EISA)、ビデオエレクトロニクススタンダードアソシエーション(VESA)ローカルバス、および周辺コンポーネント相互接続(PCI)を含む。
【0089】
メモリ406は、例えば、プロセッサ404のローカルキャッシュ422に結合され得る共有キャッシュなどのキャッシュ420を含んでよい。さらに、メモリ406は、1つ以上のプログラムまたはアプリケーション430、オペレーティングシステム432、および1つ以上のコンピュータ可読プログラム命令434を含んでよい。コンピュータ可読プログラム命令434は、本発明の態様の実施形態の機能を実行するように構成されてよい。
【0090】
コンピュータシステム402はまた、例えば、I/Oインターフェース408を介して、1つ以上の外部デバイス440、1つ以上のネットワークインターフェース442、および/または1つ以上のデータストレージデバイス444と通信してよい。外部デバイスの例には、ユーザ端末、テープドライブ、ポインティングデバイス、ディスプレイなどが含まれる。ネットワークインターフェース442は、コンピュータシステム402が、ローカルエリアネットワーク(LAN)、一般的なワイドエリアネットワーク(WAN)、および/またはパブリックネットワーク(例えばインターネット)などの1つ以上のネットワークと通信できるようにすることで、他のコンピュータデバイスまたはシステムと通信できるようにする。例えば、システムは、移動体が割り当て済みであるまたは割り当てられていない状況を、グラフィカルユーザインターフェースを介してユーザに通信するために、パーソナルコンピュータ、タブレットデバイス、またはスマートフォンに接続されてよい。
【0091】
データストレージデバイス444は、1つ以上のプログラム446、1つ以上のコンピュータ可読プログラム命令448、および/またはデータなどを記憶し得る。コンピュータ可読プログラム命令は、本発明の態様の実施形態の機能を実行するように構成されてよい。
【0092】
コンピュータシステム402は、取り外し可能/取り外し不可能な揮発性/不揮発性コンピュータシステム記憶媒体を含んでおよび/またはこれに結合されてよい。例えば、該コンピュータシステム402は、取り外し不可能な不揮発性磁気媒体(典型的には、「ハードドライブ」と呼ばれる)、取り外し可能な不揮発性磁気ディスク(例えば、「フロッピーディスク」)から読み取りかつこれに書き込むための磁気ディスクドライブ、および/またはCD-ROM、DVD-ROM、または他の光媒体などの、取り外し可能な不揮発性光ディスクから読み取りかつこれに書き込むための光ディスクドライブを含んでおよび/またはこれに結合されてよい。他のハードウェアコンポーネントおよび/またはソフトウェアコンポーネントがコンピュータシステム402と併せて使用可能であることは、理解されるべきである。例には、限定はされないが、マイクロコード、デバイスドライバ、冗長処理ユニット、外部ディスクドライブアレイ、RAIDシステム、テープドライブ、およびデータアーカイブストレージシステムなどが含まれる。
【0093】
コンピュータシステム402は、多数の他の汎用または専用コンピューティングシステム環境もしくは構成で動作可能であってよい。コンピュータシステム402による使用に好適であり得る、周知のコンピューティングシステム、環境、および/または構成の例には、限定はされないが、パーソナルコンピュータ(PC)システム、サーバコンピュータシステム、シンクライアント、シッククライアント、ハンドヘルドまたはラップトップデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースシステム、セットトップボックス、プログラム可能な家庭用電化製品、ネットワークPC、ミニコンピュータシステム、メインフレームコンピュータシステム、および、上記のシステムまたはデバイスのいずれかを含む分散クラウドコンピューティング環境などが含まれる。
【0094】
コンピュータシステムまたはコンピューティング環境のプロセッサおよび/または他の態様の1つ以上は、移動体から遠隔であってよい。さらに、1つの特定の例では、プロセッサ404などのプロセッサは、本発明の1つ以上の態様に従って、トレーニングおよび学習に基づいて、移動体に対する最適な走行経路または行路を提供するために、1つ以上の機械学習エンジンおよび/または他のエンジンを実行してよい。これらのエンジンは、メインメモリおよび/または1つ以上のキャッシュを含むメモリ、および/または外部ストレージに記憶されてよく、かつ1つ以上のプロセッサにおいて実行されてよい。多くの変形が存在する。
【0095】
本発明の1つ以上の態様は、コンピュータ技術および/または技術分野の改善と密接な関係にある。
【0096】
1つ以上の態様はクラウドコンピューティングに関連し得る。本開示はクラウドコンピューティングに関する詳細な説明を含むが、本明細書に挙げられる教示の実装形態がクラウドコンピューティング環境に限定されないことは、前もって理解されたい。もっと正確に言えば、本発明の実施形態は、現在既知であるまたは後に開発される任意の他のタイプのコンピューティング環境と併せて実施可能である。
【0097】
クラウドコンピューティングは、サービスのプロバイダによる最低限の管理努力または対話によって迅速にプロビジョニングかつリリース可能である構成可能なコンピューティングリソース(例えば、ネットワーク、ネットワーク帯域幅、サーバ、処理、メモリ、ストレージ、アプリケーション、仮想機械、およびサービス)の共有プールへの便宜的なオンデマンドのネットワークアクセスを可能にするためのサービスデリバリのモデルである。このクラウドモデルは、少なくとも5つの特性、少なくとも3つのサービスモデル、および少なくとも4つの展開モデルを含み得る。
【0098】
特性は以下のようになる。
【0099】
オンデマンドのセルフサービス:クラウドコンシューマは、サーバ時間およびネットワークストレージなどのコンピューティング能力を、必要に応じて、人間がサービスのプロバイダと対話する必要なく自動的に、一方的に提供することができる。
【0100】
広範なネットワークアクセス:能力は、ネットワーク上で利用可能であり、異種のシンまたはシッククライアントプラットフォーム(例えば、携帯電話、ラップトップ、およびPDA)による使用を促進する標準的な機構を通してアクセスされる。
【0101】
リソースのプール化:プロバイダのコンピューティングリソースは、マルチテナントモデルを使用して複数のコンシューマにサービス提供されるようにプールされ、異なる物理および仮想リソースは、要求に応じて動的に割り当ておよび再割り当てされる。コンシューマは、一般的に、提供されるリソースの厳密な場所に対する制御または知識を有していないが、より高いレベルの抽象概念(例えば、国、州、またはデータセンタ)で場所を特定することができる場合があるという点で、位置独立感がある。
【0102】
迅速な弾力性:能力は、迅速かつ弾力的に、場合によっては自動的にプロビジョニングされて素早くスケールアウトし、かつ迅速にリリースされて素早くスケールインすることができる。コンシューマには、プロビジョニングに利用可能な能力は、無制限であるように見えることが多く、かつどんな時にもいくらでも購入可能である。
【0103】
従量制サービス:クラウドシステムは、サービスのタイプ(例えば、ストレージ、処理、帯域幅、およびアクティブユーザアカウント)に適切なある抽象化レベルでの計測能力を活用することによってリソース使用を自動的に制御しかつ最適化する。リソース使用量は、監視、制御、および報告可能であることで、利用されるサービスのプロバイダおよびコンシューマ両方に透明性が与えられる。
【0104】
サービスモデルは以下のようになる。
【0105】
サービスとしてのソフトウェア(SaaS):コンシューマに提供される能力は、クラウドインフラストラクチャ上で実行するプロバイダのアプリケーションを使用することである。アプリケーションには、ウェブブラウザ(例えば、ウェブベースの電子メール)などのシンクライアントインターフェースを通してさまざまなクライアントデバイスからアクセス可能である。コンシューマは、限定的なユーザ固有のアプリケーション構成設定は例外であり得るが、ネットワーク、サーバ、オペレーティングシステム、ストレージ、または個々のアプリケーション能力でさえも含めて、基礎となるクラウドインフラストラクチャを管理も制御もしない。
【0106】
サービスとしてのプラットフォーム(PaaS):コンシューマに提供される能力は、プロバイダによってサポートされたプログラミング言語およびツールを使用して作成された、コンシューマにより作成されたまたは取得されたアプリケーションを、クラウドインフラストラクチャ上に展開することである。コンシューマは、ネットワーク、サーバ、オペレーティングシステム、またはストレージを含む、基礎となるクラウドインフラストラクチャを管理も制御もしないが、展開されたアプリケーションを、場合によってはアプリケーションのホスティング環境の構成を制御している。
【0107】
サービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS):コンシューマに提供される能力は、処理、ストレージ、ネットワーク、および、コンシューマが展開できる他の基本的なコンピューティングリソースをプロビジョニングし、かつオペレーティングシステムおよびアプリケーションを含むことができる任意のソフトウェアを実行することである。コンシューマは、基礎となるクラウドインフラストラクチャを管理も制御もしないが、オペレーティングシステム、ストレージ、展開されたアプリケーションを制御しており、場合によっては、ネットワークコンポーネント(例えば、ホストファイアウォール)の選択を限定的に制御している。
【0108】
展開モデルは以下のようになる。
【0109】
プライベートクラウド:クラウドインフラストラクチャはある組織のためだけに動作させる。これは、この組織またはサードパーティによって管理され得、かつオンプレミスまたはオフプレミスで存在し得る。
【0110】
コミュニティクラウド:クラウドインフラストラクチャは、いくつかの組織によって共有され、かつ、共有の懸念事項(例えば、ミッション、セキュリティ要件、ポリシー、およびコンプライアンス上の考慮事項)を有する特有のコミュニティをサポートする。これは、組織またはサードパーティによって管理されてよく、かつオンプレミスまたはオフプレミスで存在し得る。
【0111】
パブリッククラウド:クラウドインフラストラクチャは、一般大衆または大規模な業界団体に利用可能とされ、かつクラウドサービスを販売する組織によって所有される。
【0112】
ハイブリッドクラウド:クラウドインフラストラクチャは、独自のエンティティのままであるが、データおよびアプリケーションのポータビリティを可能にする標準化技術または専売の技術(例えば、クラウド間のロードバランシングのためのクラウドバースティング)によって結び付けられた、2以上のクラウド(プライベート、コミュニティ、またはパブリック)を合成したものである。
【0113】
クラウドコンピューティング環境は、ステートレス、低結合、モジュール性、および意味相互運用性に重点をおいたサービス指向型である。クラウドコンピューティングの中心には、相互接続されたノードのネットワークを含むインフラストラクチャがある。
【0114】
本発明の態様は、任意の可能な技術的詳細レベルの統合におけるシステム、方法、および/またはコンピュータプログラム製品であり得る。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(または媒体)を含み得る。
【0115】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスが使用する命令を保持しかつ記憶することができる有形デバイスとすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、限定されないが、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光学記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、または前述の任意の好適な組み合わせであり得る。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の網羅的ではないリストは、以下:ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピディスク、パンチカードまたは命令が記録されている溝における隆起構造などの機械的にエンコードされたデバイス、および前述の任意の好適な組み合わせを含む。コンピュータ可読記憶媒体は、本明細書で使用される際、電波、または他の自由に伝搬する電磁波、導波路または他の送信媒体を通して伝搬する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通る光パルス)、または、配線を通して送信される電気信号などの一時的な信号自体として解釈されない。
【0116】
本明細書に説明されるコンピュータ可読プログラム命令は、ネットワーク、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、および/または無線ネットワークを介して、コンピュータ可読記憶媒体から各々のコンピューティング/処理デバイスに、または、外部コンピュータもしくは外部ストレージデバイスにダウンロード可能である。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線送信、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ、および/またはエッジサーバを含んでよい。それぞれのコンピューティング/処理デバイスにおけるネットワークアダプタカードまたはネットワークインターフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、かつ、コンピュータ可読プログラム命令を転送して対応するコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体に記憶する。
【0117】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路のための構成データ、または、アンギュラ、HTML、CSS、.NET Framework、C#、およびマイクロソフトSQLサーバなど、SmalltalkまたはC++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および、「C」プログラミング言語、または同様のプログラミング言語などの手続き型プログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書き込まれるソースコードもしくはオブジェクトコードのどちらでもあり得る。コンピュータ可読プログラム命令は、完全にユーザのコンピュータ上で実行され得、一部がユーザのコンピュータ上で独立型ソフトウェアパッケージとして実行され得、一部がユーザのコンピュータ上で実行され一部がリモートコンピュータ上で実行され得、または完全にリモートコンピュータもしくはサーバ上で実行され得る。後者のシナリオにおいて、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通してユーザのコンピュータに接続され得る、または外部コンピュータへの接続が(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用するインターネットを通して)なされ得る。いくつかの実施形態において、例えば、プログラマブルロジック回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはプログラマブルロジックアレイ(PLA)を含む電子回路は、本発明の態様を実行するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用することによって、コンピュータ可読プログラム命令を実行して電子回路をパーソナライズし得る。
【0118】
本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/またはブロック図を参照して本明細書に説明される。フローチャート図および/またはブロック図のそれぞれのブロック、ならびにフローチャート図および/またはブロック図におけるブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装できることが理解されるであろう。
【0119】
これらのコンピュータ可読プログラム命令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに与えて機械を製造することで、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図の1つもしくは複数のブロックで特定された機能/動作を実施するための手段をもたらすようにし得る。コンピュータ、プログラム可能なデータ処理装置、および/または他のデバイスを特定の方式で機能させるように指図することができるこれらのコンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され得ることで、命令が記憶されているコンピュータ可読記憶媒体が、フローチャートおよび/またはブロック図の1つもしくは複数のブロックにおいて特定された機能/動作の態様を実施する命令を含む製品を含むようにする。
【0120】
コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、または他のデバイス上にロードされて一連の動作ステップをコンピュータ、他のプログラム可能な装置、または他のデバイス上で実行させてコンピュータ実施プロセスを生じさせることで、コンピュータ、他のプログラム可能な装置、または他のデバイス上で実行される命令がフローチャートおよび/またはブロック図の1つもしくは複数のブロックにおいて特定された機能/動作を実施するようにし得る。
【0121】
図におけるフローチャート図およびブロック図は、本発明のさまざまな実施形態による、システム、方法、およびコンピュータプログラム製品の考えられる実装形態のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。この点に関して、フローチャート図またはブロック図におけるそれぞれのブロックは、特定された論理機能を実施するための1つ以上の実行可能命令を含む、モジュール、セグメント、または命令の一部を表してよい。いくつかの代替的な実装形態では、ブロックに記される機能は、図に記される順序以外の順序で生じる場合がある。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行され得る、または、ブロックは、関与する機能に応じて逆の順序で実行される時があり得る。ブロック図および/またはフローチャート図のそれぞれのブロック、およびブロック図および/またはフローチャート図におけるブロックの組み合わせが、特定された機能または動作を実行する、または専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせを実行する、専用ハードウェアベースのシステムによって実装できることにも留意されたい。
【0122】
上記のことに加えて、1つ以上の態様は、顧客環境の管理を行うサービスプロバイダによって提供、供給、展開、管理、サービス提供などがなされ得る。例えば、サービスプロバイダは、1以上の顧客のための1つ以上の態様を実行するコンピュータコードおよび/またはコンピュータインフラストラクチャを作成、維持、サポートなどすることができる。引き換えに、サービスプロバイダは、例として、サブスクリプションおよび/または料金契約の下で顧客から支払いを受けてよい。さらにまたは代替的には、サービスプロバイダは、1以上のサードパーティへの広告コンテンツの売上高からの支払いを受けてよい。
【0123】
1つの態様では、1つ以上の実施形態を実行するためのアプリケーションが展開されてよい。1つの例として、アプリケーションの展開は、1つ以上の実施形態を実行するように動作可能なコンピュータインフラストラクチャを提供することを含む。
【0124】
さらなる態様として、コンピュータ可読コードをコンピューティングシステムに統合することを含むコンピューティングインフラストラクチャが展開されてよく、このコンピューティングインフラストラクチャでは、コードがコンピューティングシステムとの組み合わせで1つ以上の実施形態を実行することが可能である。
【0125】
なおさらなる態様として、コンピュータ可読コードをコンピュータシステムに統合することを含むコンピューティングインフラストラクチャを統合するためのプロセスが提供され得る。コンピュータシステムはコンピュータ可読媒体を含み、コンピュータ媒体は1つ以上の実施形態を含む。コードはコンピュータシステムとの組み合わせで1つ以上の実施形態を実行することが可能である。
【0126】
さまざまな実施形態について上記で説明したが、これらは例にすぎない。例えば、異なるタイプの無人空中車両が使用され得、ならびに他のタイプのニューラルネットワークおよび/または進化的アルゴリズムが使用され得る。多くの変形が可能である。
【0127】
さらに、他のタイプのコンピューティング環境が利益をもたらし、使用され得る。例として、システムバスによってメモリ要素に直接または間接的に結合された少なくとも2つのプロセッサを含む、プログラムコードを記憶および/または実行するのに好適なデータ処理システムが使用可能である。メモリ要素は、例えば、実行中にバルクストレージからコードが取り出されなければならない回数を低減するために、少なくとも何らかのプログラムコードの一時的記憶を行う、プログラムコードの実際の実行中に用いられるローカルメモリと、バルクストレージと、キャッシュメモリとを含む。
【0128】
(限定はしないが、キーボード、ディスプレイ、ポインティングデバイス、DASD、テープ、CD、DVD、サムドライブ、および他のメモリ媒体などを含む)入出力またはI/Oデバイスは、直接または介在するI/Oコントローラを通してシステムに結合可能である。また、データ処理システムが、介在するプライベートまたはパブリックネットワークを通して、他のデータ処理システムまたはリモートプリンタもしくはストレージデバイスに結合されるようになることを可能にするために、ネットワークアダプタがシステムに結合され得る。モデム、ケーブルモデム、およびイーサネットカードは、利用可能なタイプのネットワークアダプタのほんのわずかにすぎない。
【0129】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態のみについて説明する目的のものであり、限定的であることを意図するものではない。本明細書で使用される際、単数形「a」、「an」、および「the」は、コンテキストが別段明示しない限り、複数形をも含むことが意図される。さらに、「備える(comprise)」および/または「備える(comprising)」という用語は、本明細書で使用される時、述べられる特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/またはコンポーネントの存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、および/またはこれらのグループの存在または追加を除外しないことが理解されるであろう。
【0130】
もしあれば、以下の特許請求の範囲における全ての手段またはステップに加えて機能要素の対応する構造、材料、動作、および等価物は、具体的に特許請求されるように、他の特許請求される要素と組み合わせた機能を実行するための任意の構造、材料、または動作を含むことが意図される。1つ以上の実施形態についての説明は、例示および説明の目的で提示されているが、網羅的であることも、開示された形態に限定されることも意図されていない。多くの修正および変形が当業者に明らかになるであろう。実施形態は、さまざまな態様および実際的応用を最も良く説明するために、かつ、他の当業者が、企図された特定の使用に好適であるようなさまざまな修正を有するさまざまな実施形態を理解することを可能にするために、選ばれかつ説明された。
【0131】
前述の概念、および本明細書により詳細に論じられる追加の概念の全ての組み合わせが(このような概念が相互に矛盾しないという条件で)、本明細書に開示される発明の主題の一部であるとして検討され、かつ本明細書に説明されるような利益および利点を実現するものであることは、理解されるべきである。とりわけ、本開示の終わりに明らかとなる特許請求される主題の全ての組み合わせは、本明細書に開示される発明の主題の一部であるとして検討される。具体的な例を参照して本発明を説明してきたが、説明される発明の概念の趣旨および範囲内で多数の変更がなされ得ることは、理解されるべきである。それ故に、本開示は、説明される例に限定されず、以下の特許請求の範囲の言語によって定められる全範囲を有することが意図される。