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特許7599254動体検知装置、動体検知方法、プログラム、およびシステム。
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】動体検知装置、動体検知方法、プログラム、およびシステム。
(51)【国際特許分類】
   G01V 8/10 20060101AFI20241206BHJP
   G01N 35/02 20060101ALI20241206BHJP
   G06M 7/00 20060101ALI20241206BHJP
   G06T 7/254 20170101ALI20241206BHJP
   G06V 10/22 20220101ALI20241206BHJP
【FI】
G01V8/10 S
G01N35/02 C
G06M7/00 301B
G06T7/254 A
G06V10/22
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2024105328
(22)【出願日】2024-06-28
【審査請求日】2024-07-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522447093
【氏名又は名称】日昌電気制御株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100194467
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 健文
(72)【発明者】
【氏名】神藤 昌平
【審査官】鴨志田 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-089194(JP,A)
【文献】特開2014-042160(JP,A)
【文献】特開2015-095853(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 8/10
G06V 10/22
G06M 7/00
G06T 7/254
G01N 35/00 - 35/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラによって撮影された画像を取得し、前記画像において所定の条件を満たす所定の領域を特定する特定部と、
前記特定部によって特定された前記所定の領域、または前記画像のうち前記特定部によって特定された前記所定の領域以外の領域を、動体の検知を行う検知領域として設定する設定部と、
前記検知領域において前記動体の検知を行う検知部とを備え
前記所定の条件は、所定の色であることである、
動体検知装置。
【請求項2】
前記検知部の検知結果に基づいて所定の処理を行う処理部をさらに備える、
請求項1に記載の動体検知装置。
【請求項3】
前記所定の処理は、前記動体検知装置のユーザの端末に通知を行う処理である、
請求項2に記載の動体検知装置。
【請求項4】
前記所定の色は、原色である、
請求項1に記載の動体検知装置。
【請求項5】
前記原色は、赤色、緑色、または青色である、
請求項4に記載の動体検知装置。
【請求項6】
前記検知部は、フレーム間差分法を用いて前記動体の検知を行う、
請求項1から3のいずれか1項に記載の動体検知装置。
【請求項7】
前記カメラは、ベルトコンベアを撮影可能な位置に配置される、
請求項1から3のいずれか1項に記載の動体検知装置。
【請求項8】
動体検知装置が行う動体検知方法であって、
カメラによって撮影された画像を取得し、前記画像において所定の条件を満たす所定の領域を特定する特定ステップと、
前記特定ステップで特定された前記所定の領域、または前記画像のうち前記特定ステップで特定された前記所定の領域以外の領域を、動体の検知を行う検知領域として設定する設定ステップと、
前記検知領域において前記動体の検知を行う検知ステップとを備え、
前記所定の条件は、所定の色であることである、
動体検知方法。
【請求項9】
カメラによって撮影された画像を取得し、前記画像において所定の条件を満たす所定の領域を特定する特定部と、
前記特定部によって特定された前記所定の領域、または前記画像のうち前記特定部によって特定された前記所定の領域以外の領域を、動体の検知を行う検知領域として設定する設定部と、
前記検知領域において前記動体の検知を行う検知部とを備え、
前記所定の条件は、所定の色であることである、
動体検知システム。
【請求項10】
プログラムであって、
請求項8に記載の動体検知方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項11】
コンピュータが行う情報処理方法であって、
カメラによって撮影された画像を取得し、前記画像において所定の条件を満たす所定の領域を特定する特定ステップと、
前記特定ステップで特定された前記所定の領域、または前記画像のうち前記特定ステップで特定された前記所定の領域以外の領域を、領域指定として設定する設定ステップとを備え、
前記所定の条件は、所定の色であることである、
情報処理方法。
【請求項12】
プログラムであって、
請求項11に記載の情報処理方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動体検知装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動体を検知する動体検知装置等が知られている。動体検知装置等の一例として、たとえば、特許文献1には、撮像装置による撮影範囲内に車線毎に検知エリアが設定され、移動体が複数の検知エリアのいずれに存在するか検知する車両検知装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-182325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、撮影された画像において、動体の検知を行う検知領域を設定するために、マウスを操作して検知領域を指定したり、座標を入力することによって検知領域を指定したりしなければならず、検知領域を容易に設定することが望まれている。
そこで、本発明は、動体の検知を行う検知領域を容易に設定して動体の検知を行うことができる動体検知装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る動体検知装置は、カメラによって撮影された画像を取得し、前記画像において所定の条件を満たす所定の領域を特定する特定部と、前記特定部によって特定された前記所定の領域、または前記画像のうち前記特定部によって特定された前記所定の領域以外の領域を、動体の検知を行う検知領域として設定する設定部と、前記検知領域において前記動体の検知を行う検知部とを備える。
【0006】
また、本発明の一態様に係る動体検知方法は、動体検知装置が行う動体検知方法であって、カメラによって撮影された画像を取得し、前記画像において所定の条件を満たす所定の領域を特定する特定ステップと、前記特定ステップで特定された前記所定の領域、または前記画像のうち前記特定ステップで特定された前記所定の領域以外の領域を、動体の検知を行う検知領域として設定する設定ステップと、前記検知領域において前記動体の検知を行う検知ステップとを備える。
また、本発明の一態様に係るプログラムは、プログラムであって、上記の動体検知方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、動体の検知を行う検知領域を容易に設定して動体の検知を行うことができる動体検知装置等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る動体検知装置等を示す模式図である。
図2図1の動体検知装置の機能構成を示すブロック図である。
図3図1の動体検知装置が動体の検知を行う動作の一例を示すフローチャートである。
図4図3の動作を説明するための第1説明図である。
図5図3の動作を説明するための第2説明図である。
図6図1の動体検知装置が所定の処理を行う動作の一例を示すフローチャートである。
図7図6の動作を説明するための第1説明図である。
図8図6の動作を説明するための第2説明図である。
図9図1の動体検知装置が所定の処理を行う動作の他の一例を示すフローチャートである。
図10図9の動作を説明するための第1説明図である。
図11図9の動作を説明するための第2説明図である。
図12】カメラによって撮影された画像の一例を示す模式図である。
図13】カメラによって撮影された画像の他の一例を示す模式図である。
図14】カメラによって撮影された画像のさらに他の一例を示す模式図である。
図15】領域指定装置が所定の処理を行う動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る動体検知装置10等を示す模式図である。まず、図1を参照して、動体検知装置10等について説明する。
【0010】
動体検知装置10は、動体の検知を行う装置である。図1に示すように、本実施形態では、動体検知装置10は、カメラ1によって撮影された画像を取得し、当該画像に基づいて動体の検知を行う。動体検知装置10は、検知結果に基づいて、所定の処理を行う。たとえば、動体検知装置10は、検知結果に基づいて、搬送装置2を制御する。また、動体検知装置10は、動体を検知した場合、ユーザ端末3に通知を行う。
【0011】
カメラ1は、ベルトコンベア4を撮影可能な位置に配置されている。本実施形態では、カメラ1は、ベルトコンベア4の上方に配置され、下方を撮影することによってベルトコンベア4を撮影する。なお、カメラ1の配置位置はこれに限定されず、動体の検知を行いたい場所を撮影するように配置すればよい。
【0012】
搬送装置2は、ベルトコンベア4に物品5を搬送する装置である。搬送装置2によってベルトコンベア4に搬送された物品5は、ベルトコンベア4によって搬送される。
ユーザ端末3は、動体検知装置10のユーザの端末である。たとえば、ユーザ端末3は、スマートフォン、タブレット端末、パソコン等である。
図2は、図1の動体検知装置10の機能構成を示すブロック図である。次に、図2を参照して、動体検知装置10の機能構成について説明する。
【0013】
図2に示すように、動体検知装置10は、特定部11と、設定部12と、検知部13と、処理部14と、記憶部15とを備えている。たとえば、特定部11、設定部12、検知部13、および処理部14は、プロセッサおよび通信モジュール等によって構成され、記憶部15は、メモリ等によって構成される。特定部11、設定部12、検知部13、処理部14、および記憶部15は、単一の筐体内に設けられてもよいし、複数の筐体に分散されて設けられてもよい。
【0014】
特定部11は、カメラ1によって撮影された画像を取得し、当該画像において所定の条件を満たす所定の領域を特定する。当該画像は、静止画像であってもよいし、動画像であってもよい。特定部11は、無線通信または有線通信等によって、カメラ1から直接的または間接的に画像を取得する。
【0015】
所定の条件は、ユーザ等によって予め設定され、記憶部15に記憶されている。たとえば、所定の条件は、所定の色であることである。この場合、特定部11は、カメラ1によって撮影された画像において、所定の色の領域を所定の領域として特定する。具体的には、所定の色は、原色等である。たとえば、原色は、赤色、緑色、または青色である。特定部11は、RGB色空間またはHSV空間等に基づいて、色を識別する。なお、所定の色は、原色でなくてもよく、赤色、緑色、および青色以外の色であってもよい。
【0016】
設定部12は、特定部11によって特定された所定の領域、またはカメラ1によって撮影された画像のうち特定部11によって特定された所定の領域以外の領域を、動体の検知を行う検知領域として設定する。所定の領域を検知領域として設定するか、所定の領域以外の領域を検知領域として設定するかは、ユーザ等によって予め設定され、設定部12は、ユーザ等による設定にしたがって検知領域を設定する。ユーザ等による当該設定は、記憶部15に記憶されている。たとえば、特定部11は、特定した所定の領域をマスキング(カバーリング)し、設定部12は、マスキング(カバーリング)された領域、またはマスキング(カバーリング)された領域以外の領域を、検知領域として設定する。
【0017】
設定部12によって検知領域が設定された後、検知領域は、所定の条件を満たす必要はない。たとえば、所定の条件が青色であることである場合、動体の検知を行いたい場所を青色の布等で覆っておくことによって、カメラ1によって撮影された画像において当該場所を含む領域が、所定の条件を満たす所定の領域として特定され、検知領域に設定される。検知領域が設定された後、当該青色の布等を取り除いたとしても、検知領域の設定は維持されるので、当該青色の布等を取り除いた状態で、当該場所において動体の検知を行うことができる。
【0018】
検知部13は、設定部12によって設定された検知領域において動体の検知を行う。たとえば、検知部13は、フレーム間差分法を用いて動体の検知を行う。具体的には、検知部13は、カメラ1によって撮影された動画像における連続する複数の静止画像(画像フレーム)の差分から、検知領域における動体の検知を行う。なお、検知部13は、背景差分法を用いて動体の検知を行ってもよいし、フレーム間差分法および背景差分法の両方を用いて動体の検知を行ってもよいし、これら以外の方法で動体の検知を行ってもよい。
また、検知部13は、動画像の情報に限らず、固有識別が可能な音声情報を用いて、動体の検知を行ってもよい。例えば、ベルトコンベア4を稼働させるモータ(図示せず)の回転軸に取り付けた鈴の音(環境音)、またはブザー音であって良い。さらに、人間が発言した特定の指示した音声情報であって良い。特定の指示した音声情報としては、「この音、この音!」というような指示があった場合、その鳴っている音であってよく、人間の声そのものをであって良い。
【0019】
処理部14は、検知部13の検知結果に基づいて所定の処理を行う。たとえば、検知部13が動体を検知した場合の所定の処理は、ユーザ端末3に通知を行う処理であり、処理部14は、検知部13が動体を検知した場合、ユーザ端末3に通知を行う。たとえば、処理部14は、通話アプリまたはチャットアプリ等によって、ユーザ端末3に通知を行う。また、検知部13が動体を検知しなくなった場合の所定の処理は、搬送装置2によって物品5をベルトコンベア4に搬送する処理であり、処理部14は、検知部13が動体を検知しなくなった場合、搬送装置2によって物品5をベルトコンベア4に搬送する。処理部14は、無線通信または有線通信等によって、搬送装置2に制御信号を送信することによって、搬送装置2を制御する。なお、所定の処理は、これらに限定されず、種々のプログラムを実行させる処理等であればよい。たとえば、所定の処理は、検知部13が動体を検知した場合に、ベルトコンベア4を停止させる処理等であってもよい。
【0020】
たとえば、処理部14は、検知部13の検知結果に基づいて、変化があればベルトコンベア4を回すようにしてもよい。また、処理部14は、手前から来る物品5が動いているか否かを検知部13によって検知し、検知結果に基づいてベルトコンベア4の回転を開始するようにしてもよい。データの管理は、カメラ1でID管理し、トラッキングすることで実現するものであって良く、ユーザ端末3から要求を与えられて管理するものであってもよい。処理部14は、動体検知した情報を、ユーザ端末3に対して通知し、ユーザ端末3で管理された物品5の情報を取得し、当該物品5の情報に基づいて搬送装置2を制御することも可能である。これにより、開示の技術の実施形態に係る動体検知装置10自体またはシステム自体が物品5の状況を判断することができる。このような処理部をエッジ側の端末に設けることにより、物品5に関する不必要な情報(物品5が搬送装置2以外の所を移動している、または停止している等の情報)が処理部に送信されることに比べて、処理部に送信する情報や信号線が大幅に抑制することができる。したがって、緊急処理等のために人間が介入や、レイアウトが変更された場合でも、動体検知装置10が自ら検知し処理するため、他のユーザ端末の変更や調整をせずに搬送を実現することが可能となる。
記憶部15は、種々の情報を記憶している。具体的には、上述したように、記憶部15は、所定の条件等を記憶している。
【0021】
図3は、図1の動体検知装置10が動体の検知を行う動作の一例を示すフローチャートである。図4は、図3の動作を説明するための第1説明図である。図5は、図3の動作を説明するための第2説明図である。図3から図5を参照して、動体検知装置10が動体の検知を行う動作の一例について説明する。
【0022】
図3に示すように、特定部11は、カメラ1によって撮影された画像を取得し(ステップS1)、取得した画像において、所定の条件を満たす所定の領域を特定する(ステップS2)。
【0023】
設定部12は、特定部11によって特定された所定の領域、または、カメラ1によって撮影された画像のうち特定部11によって特定された所定の領域以外の領域を、動体の検知を行う検知領域として設定する(ステップS3)。
検知部13は、検知領域において動体の検知を行う(ステップS4)。
【0024】
たとえば、図4に示すように、特定部11は、カメラ1によって撮影された画像1aを取得する。ここでは、ベルトコンベア4には面状部材6が被せられており、画像1aには、面状部材6が被せられたベルトコンベア4が写っている。ここでは、所定の条件は、青色であることであり、面状部材6は、青色の布である。したがって、特定部11は、取得した画像1aにおいて、面状部材6が位置している領域(図4のドット部分を参照)を所定の領域として特定し、所定の領域をマスキング(カバーリング)する。なお、面状部材6は、布等のシート状部材でなくてもよく、板材等の板状部材等であってもよい。マスキング(カバーリング)とは、例えば、特定の色やパターンを持つ領域を識別する際に、その領域を覆う形で指定することを言う。
【0025】
図5に示すように、設定部12は、特定部11によって特定された所定の領域を、検知領域R(図5の太線を参照)として設定する。検知部13は、検知領域Rにおいて動体の検知を行う。ここでは、検知部13による動体の検知を行うとき、面状部材6は取り除かれる。
【0026】
図6は、図1の動体検知装置10が所定の処理を行う動作の一例を示すフローチャートである。図7は、図6の動作を説明するための第1説明図である。図8は、図6の動作を説明するための第2説明図である。図6から図8を参照して、動体検知装置10が所定の処理を行う動作の一例について説明する。
図6に示すように、処理部14は、検知部13が動体を検知したか否かを判定する(ステップS11)。
処理部14は、検知部13が動体を検知していない場合(ステップS11でNo)、検知部13が動体を検知したか否かを再び判定する(ステップS11)。
処理部14は、検知部13が動体を検知した場合(ステップS11でYes)、所定の処理として、ユーザ端末3に通知を行う(ステップS12)。
【0027】
たとえば、検知部13は、カメラ1によって、図7に示す画像1bの後に連続して、図8に示す画像1cが撮影された場合、物品5を動体として検知する。処理部14は、検知部13が動体を検知したので、ユーザ端末3に通知を行う。
【0028】
図9は、図1の動体検知装置10が所定の処理を行う動作の他の一例を示すフローチャートである。図10は、図9の動作を説明するための第1説明図である。図11は、図9の動作を説明するための第2説明図である。図9から図11を参照して、動体検知装置10が所定の処理を行う動作の他の一例について説明する。
図9に示すように、処理部14は、検知部13が動体を検知しているか否かを判定する(ステップS21)。
【0029】
処理部14は、検知部13が動体を検知している場合(ステップS21でYes)、検知部13が動体を検知しているか否かを再び判定する(ステップS21)。処理部14は、検知部13が動体を検知しなくなった場合(ステップS21でNo)、所定の処理として、物品5を搬送する(ステップS22)。
【0030】
たとえば、検知部13は、カメラ1によって、図10に示す画像1dの後に連続して、図11に示す画像1eが撮影された場合、動体を検知しなくなる。処理部14は、検知部13が動体を検知しなくなったので、搬送装置2によって物品5をベルトコンベア4に搬送する。
【0031】
動体検知装置10では、マウスを操作して検知領域を指定したり、座標を入力することによって検知領域を指定したりすることなく、検知領域を設定できるので、検知領域を容易に設定できる。また、動体検知装置10では、光電センサ等を使用することなく、カメラ1を用いて、動体の検知を行うことができるので、コストの増加を抑制でき、設置作業が大掛かりになることを抑制でき、簡単に導入でき、任意の位置において動体の検知を行い易くなる。
【0032】
以上のように、本発明の実施形態に係る動体検知装置10は、カメラ1によって撮影された画像を取得し、当該画像において所定の条件を満たす所定の領域を特定する特定部11と、特定部11によって特定された所定の領域、または当該画像のうち特定部11によって特定された所定の領域以外の領域を、動体の検知を行う検知領域として設定する設定部12と、検知領域において動体の検知を行う検知部13とを備える。
【0033】
これによれば、動体の検知を行いたい場所または動体の検知を行いたくない場所を、所定の条件を満たすようにし、カメラ1で撮影することによって、検知領域を設定できるので、動体の検知を行う検知領域を容易に設定して動体の検知を行うことができる。
また、本発明の実施形態に係る動体検知装置10は、検知部13の検知結果に基づいて所定の処理を行う処理部14をさらに備える。
これによれば、検知部13が動体を検知した場合であったり、検知部13が動体を検知しなくなった場合等に、所定の処理を行うことができる。
また、本発明の実施形態に係る動体検知装置10において、所定の処理は、ユーザ端末3に通知を行う処理である。
これによれば、検知部13が動体を検知した場合であったり、検知部13が動体を検知しなくなった場合等に、ユーザ端末3に通知を行うことができる。
また、本発明の実施形態に係る動体検知装置10において、所定の条件は、所定の色であるという条件である。
【0034】
これによれば、動体の検知を行いたい場所または動体の検知を行いたくない場所を、所定の色にし、カメラ1で撮影することによって、検知領域を設定できるので、動体の検知を行う検知領域をさらに容易に設定して動体の検知を行うことができる。
また、本発明の実施形態に係る動体検知装置10において、所定の色は、原色である。
【0035】
これによれば、動体の検知を行いたい場所または動体の検知を行いたくない場所を、原色にし、カメラ1で撮影することによって、検知領域を設定できるので、動体の検知を行う検知領域をさらに容易に設定して動体の検知を行うことができる。
また、本発明の実施形態に係る動体検知装置10において、原色は、赤色、緑色、または青色である。
【0036】
これによれば、動体の検知を行いたい場所または動体の検知を行いたくない場所を、赤色、緑色、または青色にし、カメラ1で撮影することによって、検知領域を設定できるので、動体の検知を行う検知領域をさらに容易に設定して動体の検知を行うことができる。
また、本発明の実施形態に係る動体検知装置10において、検知部13は、フレーム間差分法を用いて動体の検知を行う。
これによれば、フレーム間差分法を用いて、動体の検知を容易に行うことができる。
また、本発明の実施形態に係る動体検知装置10において、カメラ1は、ベルトコンベア4を撮影可能な位置に配置される。
これによれば、ベルトコンベア4またはベルトコンベア4以外の場所を、検知領域として容易に設定できる。
【0037】
また、本発明の実施形態に係る動体検知方法は、動体検知装置10が行う動体検知方法であって、カメラ1によって撮影された画像を取得し(ステップS1)、当該画像において所定の条件を満たす所定の領域を特定する特定ステップ(ステップS2)と、特定ステップで特定された所定の領域、または当該画像のうち特定ステップで特定された所定の領域以外の領域を、動体の検知を行う検知領域として設定する設定ステップ(ステップS3)と、検知領域において動体の検知を行う検知ステップ(ステップS4)とを備える。
これによれば、上記の動体検知装置10と同様の作用効果を奏する。
また、本発明の実施形態に係るプログラムは、プログラムであって、上記の動体検知方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
これによれば、上記の動体検知装置10と同様の作用効果を奏する。
【0038】
以上、一つまたは複数の態様に係る動体検知装置等について、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施形態に施したものも、本発明の範囲内に含まれてもよい。
【0039】
上述した実施形態では、所定の条件が、所定の色であることである場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、所定の条件は、所定の色で囲まれていることであってもよい。この場合、特定部11は、カメラ1によって撮影された画像において、所定の色で囲まれている領域を所定の領域として特定する。
【0040】
たとえば、図12に示すように、特定部11は、カメラ1によって撮影された画像1fを取得した場合、画像1fにおいて、所定の色の線状部材7で囲まれた領域(図12のドット部分を参照)を、所定の領域として特定する。このように、動体の検知を行いたい場所または動体の検知を行いたくない場所を、所定の色の線状部材7で囲み、カメラ1で撮影することによって、検知領域を設定できるので、動体の検知を行う検知領域をさらに容易に設定して動体の検知を行うことができる。たとえば、線状部材7は、所定の色の紐等の細長い部材等である。
【0041】
また、たとえば、図13に示すように、特定部11は、カメラ1によって撮影された画像1gを取得した場合、画像1gにおいて、所定の色の複数の点状部材8で囲まれた領域(図13のドット部分を参照)を、所定の領域として特定する。このように、動体の検知を行いたい場所または動体の検知を行いたくない場所を、所定の色の複数の点状部材8で囲み、カメラ1で撮影することによって、検知領域を設定できるので、動体の検知を行う検知領域をさらに容易に設定して動体の検知を行うことができる。たとえば、点状部材8は、所定の色の円形状または多角形状の部材等である。
【0042】
また、上述した実施形態では、特定部11が、所定の条件を満たす所定の領域を特定する場合について説明したが、たとえば、特定部11は、さらに、所定の条件とは異なる条件を満たす部分を特定してもよい。所定の条件が、所定の色であることである場合、当該異なる条件は、当該所定の色とは異なる色であること等である。具体的には、所定の条件が、青色であることである場合、当該異なる条件は、赤色であること等である。この場合、設定部12は、当該異なる条件を満たす部分を、検知部13による検知に用いる部分として設定する。処理部14は、検知部13によって、動体が当該異なる条件を満たす部分に到達したことが検知された場合等に、所定の処理を行う。
【0043】
たとえば、図14に示すように、設定部12は、カメラ1によって撮影された画像1hにおいて、検知領域Rを設定するとともに、所定の条件とは異なる条件を満たす部分として特定部11に特定された部分を、部分Pとして設定する。たとえば、検知領域Rは、青色の布が配置されていた領域であり、部分Pは、青色の布の上に赤色の紐等が配置されていた部分である。検知部13は、検知領域Rにおいて、動体が部分Pに到達したか否かを検知する。処理部14は、動体が部分Pに到達したことを検知部13が検知した場合、所定の処理として、搬送装置2によって物品5をベルトコンベア4に搬送してもよいし、ベルトコンベア4を停止させる等してもよい。
【0044】
また、本発明は、動体検知装置等のコンピュータが実行する動体検知方法として実現されてもよい。また、本発明は、動体検知方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。また、本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0045】
上記実施形態では、カメラ1は、ベルトコンベア4の上方に配置され、下方を撮影することによってベルトコンベア4を撮影するとしたが、カメラ1は装置10に内蔵されていても良い。
【0046】
上記実施形態では、搬送装置2は、ベルトコンベア4に物品5を搬送する装置であるとしたが、搬送装置2とベルトコンベア4は同じ装置(一体の装置)であっても良い。また、搬送装置2は、ベルトコンベア4を制御する制御部として独立した別の装置でもよい。
【0047】
上記実施形態では次のようにした。データの移送は、カメラ1でID管理し、トラッキングすることでデータのサーバにノード側からのアクセスが来たらデータを渡す。もしくは、各ノードの移送完了でサーバに移送完了フラグを出し、サーバからデータを受信し、ノードから各機器に入出力信号を出す。このようにすることによって、配線工事が楽になり、カメラ1でエッジ処理でき、途中のCVが壊れても、別のシステム(この場合はノード)を犠牲にして移設可能となり、PLCが不要となる。また、緊急処理等のために人間が介入し、人間を動体として検知した場合、手動操作を必要とすることなく、物品5をベルトコンベア4に搬送しないようにしてもよい。この場合は動体検知装置10がノードに内蔵され得る。すなわちサーバは開示の技術における「ユーザ端末3」の一例である。しかしながら、次のようにしても良い。例えば、データの移送は、広角で撮影するカメラ1でID管理やトラッキングしても良いし、複数のカメラを用いてトラッキングしても良い。もしくはデータのトラッキングはサーバや他の装置で管理する場合は処理部14からサーバに対して移送完了フラグを出し、サーバ側でデータのトラッキングを行っても良い。このようにノード側で動体検知した際の判断、処理を行うことは、搬送制御における従来の中央集権形から端末処理形とする事が容易であり、設置時の信号配線の省配線化や工期短縮、リスク分散、緊急時やレイアウト変更時、人間が介入しての物体追加時でも滞りなく搬送制御できる。
上記実施形態では、動体検知装置10は、カメラ1によって撮影された画像を取得し、当該画像に基づいて動体の検知を行う。動体検知装置10は、検知結果に基づいて、所定の処理を行う。たとえば、動体検知装置10は、検知結果に基づいて、搬送装置2を制御する。また、動体検知装置10は、動体を検知した場合、ユーザ端末3に通知を行うとしたが、本発明では発明の範囲で適宜変更可能であり、例えば、さらに、別のパソコン、別のプロセッサ、別のサーバ、別のセントラルブレイン(Central Brain)を含む)、または別の搬送装置(次の搬送装置や、前の搬送装置を含む。)を更に備えても良い。これを組み合わせてシステムを構築しても良い。
【0048】
(領域指定方法)
情報処理方法、具体的には領域指定方法は、コンピュータが行う領域指定方法であって、カメラによって撮影された画像を取得し、前記画像において所定の条件を満たす所定の領域を特定する特定ステップと、前記特定ステップで特定された前記所定の領域、または前記画像のうち前記特定ステップで特定された前記所定の領域以外の領域を、領域指定として設定する設定ステップと、を備える。これにより、領域指定の時間が大幅に削減でき、領域指定の自動化を容易に実現できる。具体的には、この方法は、設定部912が、マスキングされた領域、またはマスキングされた領域以外の領域を、領域指定として設定する。「領域指定として設定」とは、特定の範囲やエリアを明確に定義して、その範囲内で特定の操作や処理を行うように設定することを意味する。例えば、制御部(設定部)は、「領域指定として設定」された特定の範囲やエリアをオブジェクト検出を行うなどの処理を行う。
【0049】
(領域指定装置)
情報処理装置、具体的には領域指定装置910は、特定部911と、設定部912と、検知部913と、処理部914と、記憶部915とを備えている。領域指定装置910は動体検知装置10とほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
特定部911は特定部11と同様の構成である。
設定部912は、特定部911によって特定された所定の領域、またはカメラ1によって撮影された画像のうち特定部911によって特定された所定の領域以外の領域を、領域指定として設定する。所定の領域を領域指定として設定するか、所定の領域以外の領域を領域指定として設定するかは、ユーザ等によって予め設定され、設定部912は、ユーザ等による設定にしたがって領域指定を設定する。ユーザ等による当該設定は、記憶部915に記憶されている。たとえば、特定部911は、特定した所定の領域をマスキングし、設定部912は、マスキングされた領域、またはマスキングされた領域以外の領域を、領域指定として設定する。
設定部912によって領域指定が設定された後、所定の条件を満たす必要はない。たとえば、所定の条件が青色であることである場合、領域指定として設定を行いたい範囲、エリアを青色の布等で覆っておくことによって、カメラ1によって撮影された画像において当該場所を含む領域が、所定の条件を満たす所定の領域として特定され、領域指定に設定される。領域指定が設定された後、当該青色の布等を取り除いたとしても、領域指定の設定は維持される。
【0050】
(フローチャート)
図15に示すように、特定部11は、カメラ1によって撮影された画像を取得し(ステップS21)、取得した画像において、所定の条件を満たす所定の領域を特定する(ステップS22)。設定部12は、特定部11によって特定された所定の領域、または、カメラ1によって撮影された画像のうち特定部11によって特定された所定の領域以外の領域を、領域指定として設定する(ステップS23)。
【符号の説明】
【0051】
1 カメラ
1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h 画像
2 搬送装置
3 ユーザ端末
4 ベルトコンベア
5 物品
6 面状部材
7 線状部材
8 点状部材
10 動体検知装置
11 特定部
12 設定部
13 検知部
14 処理部
15 記憶部
P 部分
R 検知領域
【要約】
【課題】動体の検知を行う検知領域を容易に設定して動体の検知を行うことができる動体検知装置等を提供する。
【解決手段】動体検知装置10は、カメラ1によって撮影された画像を取得し、当該画像において所定の条件を満たす所定の領域を特定する特定部11と、特定部11によって特定された所定の領域、または当該画像のうち特定部11によって特定された所定の領域以外の領域を、動体の検知を行う検知領域として設定する設定部12と、検知領域において動体の検知を行う検知部13とを備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15