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特許7599259スイッチングされた動作フェーズを用いたフォトサイト回路
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】スイッチングされた動作フェーズを用いたフォトサイト回路
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/70 20230101AFI20241206BHJP
【FI】
H04N25/70
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2024523183
(86)(22)【出願日】2021-10-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(86)【国際出願番号】 IB2021059635
(87)【国際公開番号】W WO2022084863
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2024-05-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519267990
【氏名又は名称】トライアイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】メラムド,ナダヴ
(72)【発明者】
【氏名】バカル,アブラハム
(72)【発明者】
【氏名】カパック,オマー
(72)【発明者】
【氏名】レヴィ,ウリエル
【審査官】櫃本 研太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-514709(JP,A)
【文献】特開2005-121398(JP,A)
【文献】中国実用新案第204666814(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2012/0268727(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0063450(US,A1)
【文献】特開2004-294420(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/30-5/33、23/11、
23/20-23/30、25/00、
25/20-25/61、
25/615-25/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトダイオードによって収集された光を検出する方法であって、
前記フォトダイオードによって生じたフォトダイオード発生電流を増幅器の第1入力部に連続的に供給しつつ、前記フォトダイオード発生電流を連続的に供給している期間において、前記増幅器の第2入力部にリファレンス信号を供給することと、
第1検出期間における前記フォトダイオード発生電流の積分に対応する第1電荷をキャパシタにおいて収集するために、前記第1検出期間において、前記キャパシタを介して前記増幅器の増幅器出力部と前記第1入力部との間に位置している第2フィードバック経路を接続することと、
前記キャパシタにおいて前記第1電荷を収集した後に、第1アイドル期間において、前記第2フィードバック経路を遮断し、前記キャパシタを含まない第1フィードバック経路を介して前記増幅器出力部を前記第1入力部に接続することと、
前記第1アイドル期間の後に、第2検出期間における前記フォトダイオード発生電流の積分に対応する第2電荷を前記キャパシタにおいて収集するために、前記第2検出期間において前記第2フィードバック経路を接続することと、
前記キャパシタにおいて前記第2電荷を収集した後に、第2アイドル期間において、前記第2フィードバック経路を遮断し、前記第1フィードバック経路を介して前記増幅器出力部を前記第1入力部に接続することと、
前記第2アイドル期間において、前記第1電荷と前記第2電荷との和に対応する大きさを有する第1電気信号を前記キャパシタからサンプリングするために、前記キャパシタを読出回路に接続することと、
前記第1検出期間および前記第2検出期間において前記フォトダイオードに入射した光の量を、前記第1電気信号に基づいて決定することと、を含んでいる、方法。
【請求項2】
前記方法は、
前記第2アイドル期間の後に、前記キャパシタの電圧を減少させるために、前記キャパシタの第1端子を前記キャパシタの第2端子に電気的に接続することと、
前記第1端子と前記第2端子とが接続された場合における、前記キャパシタの少なくとも1つの端子の電圧を示す第2電気信号を、前記読出回路によってサンプリングすることと、を含んでおり、
前記第1検出期間および前記第2検出期間において前記フォトダイオードに入射した光の量を決定することは、前記第2電気信号にさらに基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、
前記第1検出期間を、ターゲットに向けての第1光パルスの出射に同期させることと、
前記第2検出期間を、前記ターゲットに向けての第2光パルスの出射に同期させることと、を含んでおり、
前記第1電荷および前記第2電荷は、前記ターゲットから前記フォトダイオードに向けて反射された前記第1光パルスの光および前記第2光パルスの光にそれぞれ対応している、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1アイドル期間および前記第2アイドル期間において、前記第2フィードバック経路を遮断することは、少なくとも前記第2アイドル期間において前記フォトダイオード発生電流に起因する前記キャパシタの飽和を防止するために、前記キャパシタを前記フォトダイオード発生電流から遮断することを含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1アイドル期間において、前記第1フィードバック経路を介して前記増幅器出力部を前記第1入力部に接続することにより、前記第1アイドル期間における前記フォトダイオードの動作バイアスが維持される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第1検出フレームにおいて前記フォトダイオードに入射した光の第1量を決定し、
前記第1検出フレームよりも後の第2検出フレームにおいて、前記フォトダイオードに入射した光の第2量を決定し、
第1検出フレームよりも後の第3検出フレームにおいて、前記フォトダイオードに入射した光の第3量を決定し、
前記第1検出フレームにおいて、前記フォトダイオードが属する検出アレイのリファレンスフォトサイトによって出力される第1リファレンスフォトサイト電気信号に応じて定められる第1リファレンス信号を、前記増幅器の前記第2入力部に印加し、
前記第2検出フレームにおいて、前記リファレンスフォトサイトによって出力される第2リファレンスフォトサイト電気信号に応じて定められる第2リファレンス信号を、前記第2入力部に印加し、
前記第3検出フレームにおいて、前記リファレンスフォトサイトによって出力される第3リファレンスフォトサイト電気信号に応じて定められる第3リファレンス信号を、前記第2入力部に印加するために、
請求項1に記載の方法を繰り返すことを含んでおり、
前記第1リファレンス信号と前記第2リファレンス信号と前記第3リファレンス信号とは、互いに異なっている、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願との相互参照]
本出願は、2020年10月22日に出願された米国仮出願63/094,913の出願日の利益を主張しており、当該仮出願の内容の全体は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本明細書において記載されている態様は、一般的には撮像センサに関する。より具体的には、当該態様は、照明されたターゲットから反射され、フォトダイオードに入射した光を検出することによって撮像を実行する撮像センサに関する。
【0003】
[背景]
光検出デバイスは、フォトサイト(photosite)を含みうる。フォトサイトは、(i)入射光を検出するためのフォトダイオード(photodiode,PD)に接続されたフォトサイト読出(リードアウト)回路と、(ii)当該フォトダイオードによって供給された電荷を蓄積するためのキャパシタンスとを含む。当該キャパシタンスは、(i)少なくとも1つの専用キャパシタとして具現されてもよいし、ならびに/または、(ii)PD、トランジスタ、および/もしくはフォトサイトの他のコンポーネントの寄生キャパシタンスを用いて具現化されてもよい。
【0004】
暗電流(dark current)は、周知の現象である。フォトダイオードについて言及する場合には、暗電流とは、フォトン(光子)がデバイスに入射していない場合においてもフォトダイオードに流れる電流を指す。PDの暗電流は、当該PDの空乏領域内において電子および正孔がランダムに発生することによって生じる場合がある。
【0005】
場合によっては、制限されたサイズのキャパシタ(ディスクリートコンポーネント、寄生キャパシタンスなどを含みうる)を具現化しつつ、比較的高い暗電流を伴うPDを有するフォトサイトを提供することが必要となる。場合によっては、フォトサイトの出力検出信号に対する暗電流の影響を低減しつつ、比較的高い暗電流を伴うPDを有するフォトサイトを提供する必要がある。高い暗電流の蓄積を伴うフォトサイトでは、暗電流の蓄積および関連する影響を低減する必要があり、かつ、それらを低減することが有利となりうる。
【0006】
さらに、フォトサイト読出回路に関して、画像は、フォトダイオード読出回路によって供給される電気信号を使用して収集されうる。これらの電気信号は、対応する検出タイムフレームにおいてPDに入射した複数の照明パルスに応じて1つ以上のキャパシタに蓄積される電荷の集約(aggregation)の結果である。しかしながら、当該複数の照明パルス間に存在するアイドル時間においては、PDは(例えば、周囲光および/または固有の暗電流に起因して)電流を発生させ続ける場合がある。このようにして生じた追加の電流は、フォトサイト読出回路の(1つ以上の)キャパシタに追加の電荷を与える場合がある。このことは、読出値の精度に悪影響を与えるおそれがある。
【0007】
このように、現在の光検出デバイスは、様々な欠点を有している。当該欠点のうちの一部は、上述の通りである。
【0008】
[図面/図の簡単な説明]
添付の図面は、本明細書に組み込まれており、本明細書の一部を構成している。当該図面は、本開示の実施形態を例示しており、本明細書と共に実施形態の原理を説明しており、関連技術の当業者が当該実施形態を製作および使用することを可能にするために、さらなる役割を果たす。
【0009】
以下では、本開示の例示的な態様を、添付の図面を参照して説明する。ある要素が最初に現れる図面は、典型的には、対応する参照番号の左端の(1つ以上の)数字によって示されている。
【0010】
以下では、本明細書に開示されている実施形態の非限定的な例を、本段落の後に記載されている添付の図を参照して説明する。1つ以上の図に現れている同一の構造、要素または部分には、それらが現れる全ての図において同一の数字が付されうる。各図面および各記載は、本明細書に開示されている実施形態をはっきりと説明して明確にすることを意図しており、いかなる様式においても限定的なものとして考慮されるべきではない。全ての図面は、現在開示されている主題の例に係るデバイスまたはフローチャートを示している。当該図面は、下記の通りである。
【0011】
図1は、電圧制御電流源によって制御されるフォトダイオードを含むフォトサイトを概略的に示す。
【0012】
図2は、「3T」構造の電圧制御電流源によって制御されるフォトダイオードを含むフォトサイトを概略的に示す。
【0013】
図3Aおよび図3Bは、複数のフォトサイトと、暗電流の影響を低減するために動作可能な回路とを備えているPDDを示す。
【0014】
図3Cは、複数のフォトサイトと、暗電流の影響を低減するように動作可能な回路とを備えているPDDを示す。
【0015】
図4は、例示的なフォトダイオードのI-V曲線と、PDDについて想定される動作電圧とを示す。
【0016】
図5は、複数のリファレンスフォトサイトに接続されている制御電圧発生回路を示す。
【0017】
図6Aおよび図6Bは、フォトダイオードのアレイと、複数のフォトダイオードに基づくリファレンス回路とを備えているPDDを示す。
【0018】
図7および図8は、フォトサイトと、暗電流の影響を低減するために動作可能な回路とをそれぞれ備えているPDDをそれぞれ示す。
【0019】
図9は、光学系、プロセッサ、および追加コンポーネントを備えているPDDを示す。
【0020】
図10は、フォトディテクタにおける暗電流を補償する方法を示すフローチャートである。
【0021】
図11は、フォトディテクタをテスト(試験,検査)するための方法を示すフローチャートである。
【0022】
図12は、現在開示されている主題の例に係る、フォトディテクタをテストするための方法1200を示すフローチャートである。
【0023】
図13は、本開示の実施形態に係る例示的なフォトサイト読出回路アーキテクチャを示す。
【0024】
図14A図14Dは、本開示の実施形態に係る、図13に示されているフォトサイト読出回路アーキテクチャの例示的なスイッチング状態を示す。
【0025】
図15は、本開示の実施形態に係る複数のサンプリングウィンドウを含むサンプリング期間における動作フェーズの例を示す。
【0026】
図16は、本開示の実施形態に係る電気光学システムを示す。
【0027】
図17は、本開示の1つ以上の実施形態に係るプロセスフローを示す。
【0028】
図18は、本開示の1つ以上の実施形態に係るプロセスフローを示す。
【0029】
[詳細な説明]
以下の説明では、本開示の態様を十分に理解するために、多数の具体的な詳細部を記載している。しかしながら、構造、システム、および方法を含む態様は、これらの具体的な詳細部がなくても実施可能であることは、当業者にとって明らかであろう。本明細書における説明および表現は、その作用の実体を当最も効果的に業者に伝達するために、当業者または経験者が使用している一般的な手段である。他の例では、周知の方法、手順(プロシジャ)、コンポーネント(構成要素)、および回路は、本開示の態様を不必要に曖昧化することを避けるために、詳細には記載されていない。
【0030】
本明細書において説明されている複数の実施形態は、説明を容易にするために個別のセクションに分割されている。しかしながら、これらの実施形態は、個別に利用されてもよいし、あるいは互いに組み合わされてもよい。第1セクションは、光検出デバイス(photodetecting device,PDD)に関連する問題、特に、PDDにおける暗電流の除去または低減に対処することを対象としている。第2セクションは、フォトサイト読出回路の読出値の不正確さに関連する問題に対処することを対象としている。当該問題は、互いに隣接する光パルス間のアイドル期間においてPDが電流を生じさせることにより、当該アイドル期間において電荷が追加的に集約することによって生じる。
【0031】
<セクションI-暗電流を補償するための回路>
(A.概要)
様々な例示的な実施形態において、光検出デバイス(PDD)が提供されている。当該光検出デバイスは、アクティブフォトサイトと、リファレンス(参照,基準)フォトサイトと、第1電圧制御電流回路と、制御電圧発生回路と、を備えている。アクティブフォトサイトは、アクティブフォトダイオード(PD)を含んでいる。リファレンスフォトサイトは、リファレンスPDを含んでいる。第1電圧制御電流回路は、電圧制御電流源または電圧制御電流シンクを含んでいる。第1電圧制御電流回路は、アクティブPDに接続されている。制御電圧発生回路は、アクティブ電圧制御電流回路およびリファレンスフォトサイトに接続されており、リファレンスPDの暗電流に応じた電圧レベルを有する制御電圧を電圧制御電流回路に供給するために使用される。これにより、アクティブフォトサイトの出力に対するアクティブPDの暗電流の影響を低減できる。
【0032】
一部の実施形態では、制御電圧発生回路は、制御電圧を供給するための増幅器を含んでいる。
【0033】
一部の実施形態では、電圧制御電流回路は、電流源を含んでいる。
【0034】
一部の実施形態では、電圧制御電流回路は、電流シンクを含んでいる。
【0035】
一部の実施形態では、PDDは、電圧制御電流源または電圧制御電流シンクを含むリファレンス電圧制御電流回路を備えている。リファレンス電圧制御電流回路は、リファレンスPDに接続されている。増幅器の第1入力部には、第1入力電圧が供給される。増幅器の第2入力部は、リファレンスPDとリファレンス電圧制御電流回路とに電気的に接続されている。
【0036】
一部の実施形態では、第1電圧制御電流回路およびリファレンス電圧制御電流回路は、増幅器の出力部に接続されている。増幅器は、リファレンス電圧制御回路の出力と第1入力電圧との差を連続的に減少させることによって、制御電圧を発生させる。
【0037】
一部の実施形態では、制御電圧発生回路は、増幅器を含んでいる。電圧制御電流回路は、増幅器に接続された電流シンクを含んでいる。
【0038】
一部の実施形態において、PDDは、複数のアクティブフォトサイトと、複数のリファレンスフォトサイトと、複数の第1電圧制御電流回路と、複数のリファレンス電圧制御電流回路と、を備えている。複数のアクティブフォトサイトのそれぞれは、アクティブPDを含んでいる。複数のリファレンスフォトサイトのそれぞれは、複数のリファレンスPDを含んでいる。複数の第1電圧制御電流回路のそれぞれは、複数のアクティブPDのうちの少なくとも1つに接続されている。複数のリファレンス電圧制御電流回路のそれぞれは、複数のリファレンスPDのうちの少なくとも1つに接続されている。増幅器の第2入力部は、複数のリファレンスPDのそれぞれに電気的に接続されている。制御電圧は、複数の第1電圧制御電流回路のそれぞれに供給される。
【0039】
一部の実施形態では、複数のアクティブフォトサイトのそれぞれは、対応する電圧制御電流回路を含んでいる。
【0040】
一部の実施形態では、異なるアクティブPDが異なるレベルの暗電流を同時に発生させるとともに、異なるリファレンスPDが異なるレベルの暗電流を同時に発生させる。制御電圧発生回路は、リファレンスPDの異なる暗電流の平均化に基づいて、異なるアクティブPDに同じ制御電圧を供給する。
【0041】
一部の実施形態において、PDDは、複数の第1電圧制御電流回路を備えている。複数の第1電圧制御電流回路は、各活性フォトサイトに集合的に接続されている少なくとも1つの電圧制御電流源と、各活性フォトサイトに集合的に接続されている少なくとも1つの電圧制御電流シンクと、を備えている。制御電圧発生回路は、次に示す構成、すなわち、(a)第1時間において複数のアクティブフォトサイトに第1制御電圧を供給するために、少なくとも1つの電圧制御電流源に接続されている第1増幅器と、第2時間において複数のアクティブフォトサイトに第2制御電圧を供給するために、少なくとも1つの電圧制御電流シンクに接続されている第2増幅器と、第1制御電圧の供給と第2制御電圧の供給とを選択するためのスイッチング回路と、を含んでいる。
【0042】
一部の実施形態では、PDDは、第1入力電圧を供給するためのコントローラを含んでいる。第1入力電圧は、アクティブPDに対するバイアスに応じて定められるレベルを有している。
【0043】
一部の実施形態では、コントローラは、リファレンスPDのバイアスがアクティブPDのバイアスとほぼ(実質的に)同等になるように、第1入力電圧を供給する。
【0044】
一部の実施形態では、PDDは、当該PDDの視野からの光がリファレンスPDに到達することを妨げる物理バリアを含んでいる。
【0045】
一部の実施形態において、PDDは、複数のフォトサイトと、複数の当該フォトサイトのうちの少なくとも1つのフォトサイトを、アクティブフォサイトとして、または、リファレンスフォトサイトとして動作させるように設定するためのコントローラと、を備えている。
【0046】
一部の実施形態において、PDDは、複数のアクティブフォトサイトと、複数のリファレンスフォトサイトと、複数の第1電圧制御電流回路と、複数のリファレンス電圧制御電流回路と、を備えている。複数のアクティブフォトサイトのそれぞれは、アクティブPDを含んでいる。複数のリファレンスフォトサイトのそれぞれは、複数のリファレンスPDを含んでいる。複数の第1電圧制御電流回路のそれぞれは、複数のアクティブPDのうちの少なくとも1つに接続されている。複数のリファレンス電圧制御電流回路のそれぞれは、複数のリファレンスPDのうちの少なくとも1つに接続されている。PDDが第1温度において動作する場合、制御電圧発生回路は、複数のリファレンスPDの暗電流に応じた第1レベルにおける電流を供給するための第1制御電圧を電圧制御電流回路に供給し、アクティブフォトサイトの出力に対するアクティブPDの暗電流の影響を低減する。PDDが第1温度よりも高い第2温度において動作する場合、制御電圧発生回路は、複数のリファレンスPDの暗電流に応じた第2レベルにおける電流を供給するための第2制御電圧を電圧制御電流回路に供給し、アクティブフォトサイトの出力に対するアクティブPDの暗電流の影響を低減する。この場合、第2レベルは、第1レベルよりも高い(大きい)。
【0047】
一部の実施形態において、PDDは、複数のアクティブフォトサイトと、複数のリファレンスフォトサイトと、複数の第1電圧制御電流回路と、複数のリファレンス電圧制御電流回路と、光学系と、電源と、読出回路と、プロセッサと、メモリモジュールと、を備えている。複数のアクティブフォトサイトのそれぞれは、アクティブPDを含んでいる。複数のリファレンスフォトサイトのそれぞれは、複数のリファレンスPDを含んでいる。複数の第1電圧制御電流回路のそれぞれは、複数のアクティブPDのうちの少なくとも1つに接続されている。複数のリファレンス電圧制御電流回路のそれぞれは、複数のリファレンスPDのうちの少なくとも1つに接続されている。光学系は、PDDの視野から到来した光を複数のフォトサイトへと導く。電源は、アクティブフォトサイト、リファレンスフォトサイト、および増幅器に電力を供給する。読出回路は、アクティブフォトサイトの検出信号に応じた検出情報を供給する。プロセッサは、視野内の少なくとも対象物の画像を供給するために検出情報を処理する。メモリモジュールは、検出情報および検出信号のうちの少なくとも一方を格納(記憶)する。
【0048】
一部の実施形態では、リファレンスPDは、アクティブPDのコピーである。
【0049】
一部の実施形態では、PDDは、「サンプル・アンド・ホールド」回路を含んでいる。
【0050】
一部の実施形態では、アクティブPDは、入射光と、アクティブPDによって生じた暗電流と、に応じた検出信号を発生させる。アクティブフォトサイトのキャパシタンスは、検出信号と電圧制御電流回路の電流とから生じる電荷をサンプリング期間に亘り収集する。サンプリング期間に亘る検出信号の積分は、アクティブフォトサイトのキャパシタンスを超過しうる。
【0051】
(B.例示的な実施形態についての詳細)
図1は、100という番号が付されたフォトサイトの例を概略的に示す。フォトサイト100は、電圧制御電流源(voltage-controlled current source,VCCS)104によって制御されるフォトディテクタ(例:PD)102を含んでいる。任意ではあるが、電圧制御電流源104は、(例えば、単一のVCCS104が複数のフォトサイトに電流を供給する場合)フォトサイト100の外部に存在していてもよいことに留意されたい。VCCS104は、制御電圧(図中では、VCTRLと表記されている)に比例する電流を供給する従属的な電流源である。本開示において開示されているフォトサイトおよびPDDは、任意の適切なタイプのVCCSを含みうる。フォトサイト100の他の(「付加的な」)コンポーネント(不図示)は、概略的なボックス106によって総称的に表現されている。センシングに使用される場合、フォトサイト100などのフォトサイトおよびフォトディテクタ102などのフォトディテクタは、以下では、「アクティブ」または「非リファレンス(non-reference)」フォトサイト/フォトディテクタとも称される場合がある(電流源に対する制御電圧を決定するための入力として使用されるフォトサイトおよびフォトディテクタと区別している)。
【0052】
図2は、100’という番号が付されたフォトサイトの別の例を示す。フォトサイト100’は、フォトサイト100の例である。フォトサイト100’において、他のコンポーネント106は、「3T」(three-transistor,3つのトランジスタ)構造の形態をとっている。他の任意の適切な回路が、追加のコンポーネント106としての役割を果たしてもよい。
【0053】
CCS104は、PD102によって生じた暗電流と同じ大きさであるが逆方向の電流を供給するために使用されてよい。これにより、暗電流をキャンセル(相殺,打消し)できる(あるいは、少なくとも低減できる)。このことは、PD102が高い暗電流を伴う場合に特に有用である。このようにして、フォトダイオードからキャパシタンスに流れる電荷(上述の通り、1つ以上のキャパシタ、フォトサイトの寄生キャパシタンス、またはそれらの組み合わせによって生じうる)と、暗電流から生じる電荷とがキャンセルされうる。留意すべきことに、暗電流とほぼ等しい大きさの電流をVCCS104によって供給することは、供給された電流が、PD102に入射した検出光の結果としてPD102によって生じる実際の電気信号をキャンセルしないことを意味している。
【0054】
図3Aは、現在開示されている主題の例に係る光検出デバイス300を示す。PDD300は、生じる暗電流が一定でない(時間に伴い変化する)場合であっても、VCCS104によって供給される電流を、PD102によって生じる暗電流に制御可能に一致させることができる回路を含んでいる。PD102によって生じる暗電流のレベルは、動作温度、および、フォトダイオードに印加されるバイアス(当該バイアスも時々刻々変化しうる)などの様々なパラメータに依存しうることに留意されたい。
【0055】
PDD300によって実行される、フォトサイト100の内部における暗電流の影響の低減(アナログまたはデジタルのいずれかの信号処理よりも後のステージではない)は、キャパシタンスを飽和させることなく、または、収集された電荷に対するその応答の直線性を低下させることなく、比較的小さいキャパシタンスの利用を可能にする。
【0056】
PDD300は、入射光を検出するためのフォトサイト100と、リファレンスフォトサイト310とを含んでいる。リファレンスォトサイト310の出力は、フォトサイト100の暗電流の影響を低減または除去するための付加的な回路(以下に述べる)によって使用される。フォトサイト100(および100’)と同様に、リファレンスフォトサイト310は、PD302、VCCS304、およびオプションとして付加的な回路(「他のコンポーネント」、総称的に306と表記されている)を含んでいる。一部の例では、PDD300のリファレンスフォトサイト310は、PDD300のフォトサイト100と同等であってもよい。任意ではあるが、フォトサイト310の1つ以上の任意のコンポーネントは、フォトサイト100の対応するコンポーネントと同等であってもよい。例えば、PD302は、PD102とほぼ同等であってもよい。例えば、VCCS304は、VCCS104と同等であってもよい。任意ではあるが、フォトサイト310の1つ以上の任意のコンポーネントは、フォトサイト100のコンポーネント(例:フォトダイオード、電流源、付加的な回路)と異なっていてもよい。フォトサイト100とフォトサイト310とのほぼ同等のコンポーネント(例:フォトダイオード、電流源、付加的な回路)は、異なる動作条件において動作させられてもよいことに留意されたい。例えば、異なるバイアスが、PD102および302に対して印加されてもよい。例えば、付加的なコンポーネント106および306の異なるコンポーネントは、それらの構造が実質的に同等であったとしても、異なるパラメータを使用して動作させられてもよいし、選択的に接続/遮断させられてもよい。簡潔化および明瞭化のために、フォトサイト310のコンポーネントには、(PDに対して)302、(VCCSに対して)304、および(付加的な回路に対して)306という数字が付されている。ただし、このことは、これらのコンポーネントがコンポーネント102、104、および106と異なっていることを示唆しているわけではない。
【0057】
一部の例では、リファレンス追加回路306は、暗電流の決定に影響を与えないように、省略または遮断されうる。PD102は、逆バイアス、順バイアス、零バイアス、またはこれらのバイアスのうちの2つもしくは3つのバイアスの間のうちの少なくとも1つにおいて、選択的に動作しうる(例えば、後述のコントローラ338などのコントローラによって制御される)。PD302は、逆バイアス、順バイアス、零バイアス、またはこれらのバイアスのうちの2つもしくは3つのバイアスの間のうちの少なくとも1つにおいて、選択的に動作しうる(例えば、後述のコントローラ338などのコントローラによって制御される)。PD102および302は、ほぼ同じバイアス(例:約-5V、約0V、約+0.7V)の下で動作しうるが、必ずしもそうとは限らない(例えば、後により詳細に述べる通り、光検出デバイス300をテストする場合)。任意ではあるが、PDD300の単一のフォトサイトは、ある場合にはフォトサイト100(PDD300の視野(field of view,FOV)から到来した光を検出する)として動作してもよいし、他の場合にはフォトサイト310(フォトサイト310の検出信号出力は、光検出デバイスの別のフォトサイト100の電圧制御電流源VCCSの制御電圧を決定するために使用される)として動作してもよい。任意ではあるが、入射光を検出するために使用される「アクティブ」フォトサイトの役割と、リファレンスフォトサイトの役割とが、交換されてもよい。PDD300は、制御電圧発生回路340をさらに備えている。制御電圧発生回路340は、増幅器318と、PDD300の複数のフォトサイトへの電気接続部と、を少なくとも含んでいる。増幅器318は、少なくとも2つの入力部、すなわち、第1入力部320と第2入力部322とを有している。増幅器318の第1入力部320には、第1入力電圧(first-input voltage,VFI)が供給される。第1入力電圧は、コントローラ(PDD300に実装されていてもよいし、外部システムに実装されていてもよいし、またはそれらの組み合わせであってもよい)によって直接的に制御されてもよい。あるいは、第1入力電圧は、システム内の他の電圧から導出されてもよい(この場合、他の電圧が、コントローラによって制御されてもよい)。増幅器318の第2入力部322は、(リファレンスフォトサイト310の)PD302のカソードに接続されている。
【0058】
第1の使用例では、PD102は、当該動作バイアスは、第1電圧(「アノード電圧」(anode voltage)とも称され、VAと表記されている)と第2電圧(「カソード電圧」(cathode voltage)とも称され、VCと表記されている)との間にある動作バイアスに維持されている。アノード電圧は、コントローラ(PDD300に実装されていてもよいし、外部システムに実装されていてもよいし、またはそれらの組み合わせであってもよい)によって直接的に制御されてもよい。あるいは、アノード電圧は、システム内の他の電圧から導出されてもよい(この場合、他の電圧が、コントローラによって制御されてもよい)。カソード電圧は、コントローラ(PDD300に実装されていてもよいし、外部システムに実装されていてもよいし、またはそれらの組み合わせであってもよい)によって直接的に制御されてもよい。あるいは、カソード電圧は、システム内の他の電圧から導出されてもよい(この場合、他の電圧が、コントローラによって制御されてもよい)。アノード電圧VAおよびカソード電圧VCのそれぞれは、時間的に一定に維持されていてもよいし、あるいは、時間的に一定に維持されていなくともよい。例えば、VAは、一定の供給源(source)によって、(例えば、パッドを介して、外部コントローラから)供給されうる。実装に応じて、VCは、ほぼ一定であってもよいし、あるいは、時間に伴って変化してもよい。例えば、フォトサイト100に対して3T構造が使用されている場合、VCは、例えば、追加コンポーネント106の動作および/またはPD102からの電流に起因して、時間に伴い変化する。任意ではあるが、VCは、(リファレンス回路ではなく)追加コンポーネント106によって、決定/制御/影響されうる。
【0059】
VCCS104は、PD102によって生じた暗電流に対抗(counter)するために、PD102のカソード端に電流を供給(フィード)するために使用されている。他の場合には、VCCS104は、他の目的を達成するために(例:光検出デバイス300を較正またはテストするために)、他の電流を供給してもよいことに留意されたい。VCCS104によって生じる電流のレベルは、増幅器318の出力電圧に応じて制御される。(図示の通り)VCCS104を制御するための制御電圧(VCTRLと表記されている)は、増幅器318の出力電圧と同等であってもよい。あるいは、VCTRLは、(例:増幅器318の出力部とVCCS104との間の抵抗またはインピーダンスに起因する)増幅器318の出力電圧から導出されてもよい。
【0060】
フォトサイト100の出力信号に対するPD102の暗電流の影響をキャンセルする(あるいは少なくとも低減する)ために、PDD300は、PD102が受けるバイアスとほぼ同じバイアスを、PD302に対して与えてもよい。例えば、PD302がPD102とほぼ同等である場合、PD302とPD102とに同じバイアスが印加されてよい。両方のPD(102および302)に同じバイアスを印加する1つの方法は、PD302のアノードに電圧VAを印加し(この場合、印加される電圧はVRPAと表記される。RPAは「リファレンスフォトダイオードのアノード(reference photodiode anode)」を意味する)、かつ、PD302のカソードに電圧VCを印加する(この場合、印加される電圧はVRPCと表記される。RPCは「リファレンスフォトダイオードのカソード(reference photodiode cathode)」を意味する)ことである。同じバイアスを印加する別の方法は、PD302のアノードにVRPA=VA+ΔVを印加し、PD302のカソードにVRPC=VC+ΔVを印加することである。任意ではあるが、アノード電圧VA、リファレンスアノード電圧VRPA、またはこれらの両方は、外部の供給源によって(例:PDD300が接続されるPCBを介して)供給されてもよい。
【0061】
上述の通り、増幅器318の第1入力部320には、第1入力電圧VFIが供給される。増幅器318の第2入力部322は、PD302のカソードに接続されている。増幅器318の動作は、当該増幅器の2つの入力部(320および322)間の電圧の差を減少させる。このため、第2入力部322の電圧を、第1入力部に印加される制御電圧(VFI)と同じ電圧に近づけることができる。次いで、図3Bを参照する。図3B(図示されている回路は、図3Aと同等である)では、PD302に流れる暗電流(以下では、DCReferenceと表記する)が、矢印352によって表されている。PD302に流れる電流は、PD102がその間暗状態に保たれている場合におけるPD102の暗電流に等しい。PDD300(または、PD300に接続されている、あるいは、隣接しているシステムコンポーネント)は、PD302に向かう光をブロッキング(遮断)しうるので、PD302は暗状態に保たれる。ブロッキングは、物理バリア(例:不透明なバリア)によって実行されてもよいし、光学系(例:迂回レンズ)によって実行されてもよいし、電子シャッタなどによって実行されてもよい。以下の説明では、PD302に流れる電流は全て、PD302によって生じた暗電流であると仮定する。代替的には、PD302が光(例:システム内の低レベルの既知の迷光)を受ける場合、既知の光由来信号をオフセットするための電流源が実装されてもよい。あるいは、迷光を(少なくとも部分的に)補償するために、第1入力電圧VFIが較正(補正)されてもよい。PD302から光を遠ざけるように意図(設計)されているバリア、光学系、または他の専用コンポーネントは、例えば、ウェハレベルで実装されていてもよいし、(PDD300が製造されているウェハと同じウェハに実装されてよい)当該ウェハに(例:接着剤を使用して)接続されていてもよいし、当該ウェハが設置されているケーシングにリジッドに接続されていてもよい。
【0062】
VFIが一定である(あるいは、低速で変化する)と仮定する。この場合、VCCS304の出力(矢印354によって表されている)は、PD302の暗電流(DCReference)とほぼ等しい大きさでなければならない。このことは、PD302の暗電流を消費するために、VCCS304が電荷キャリアを供給することにより、電圧がVFIに維持されることを意味する。VCCS304の出力は、増幅器318の出力に応じたVCTRLによって制御されるためである。増幅器318は、要求される出力を出力するように動作する。これにより、VCTRLが、PD302の暗電流と同じ大きさとなるであろう、VCCS304によって出力される電流を制御しうる。
【0063】
PD102がPD302とほぼ同等であり、かつ、VCCS104がVCCS304とほぼ同等である場合、増幅器318の出力は、VCCS104がPD102のカソードに同じレベルの電流(DCReference)を供給する原因にもなりうる。この場合、VCCS104の出力が、PD102によって生じる暗電流(以下では、DCActivePDと表記する)をキャンセルするためには、PD102とPD302との両方が、類似のレベルの暗電流を生じさせることを要する。両方のPD(102および302)に同じバイアスを与えるために(両方のPDがほぼ同じ条件、例えばほぼ同じ温度に維持されているため、この場合には、両方のPDがほぼ同じレベルの暗電流を生じさせるようになるであろう)、増幅器318の第1入力部に供給される電圧は、PD102のアノード電圧およびカソード電圧と、PD302のアノード電圧と、に応じて決定される。例えば、VAがVRPAに等しい場合、VCに等しいVFIが第1入力部320に供給されうる。VCは、時間に伴い変化する場合があるので、必ずしもコントローラによって決定されるわけではないことに留意されたい(例えば、VCは、追加コンポーネント106の結果として決定されてもよい)。PD102がPD302とは異なっている場合、および/または、VCCS104がVCCS304とは異なっている場合、増幅器318の出力は、増幅器318とVCCS104との間の電気コンポーネント(不図示)をマッチングすることによって変化させられてもよい。この場合、関連する制御電圧がVCCS104に供給されうる(例えば、PD102に流れる暗電流がPD302に流れる暗電流と線形的に相関していることが既知である場合、増幅器318の出力は、線形相関に従って変化させられうる)。同じバイアスを印加する別の方法は、PD302のアノードにVRPA=VA+ΔVを印加し、かつ、PD302のカソードにVRPC=VC+ΔVを印加することである。
【0064】
図3Cは、現在開示されている主題の例に係る、複数のフォトサイト100を含んでいる光検出デバイス300’を示す。PDD300’は、PDD300の全てのコンポーネントに加えて、付加的なフォトサイト100を含んでいる。光検出デバイス300’の異なるフォトサイトは互いにほぼ同等である(例えば、全てが2次元フォトディテクタアレイの一部である)。したがって、異なるフォトサイト100のPD302は、互いに同様の暗電流を生じさせる。したがって、PDD300’の異なるフォトサイト100のVCCS104の全てに対して、同じ制御電圧VCTRLが供給されている。これにより、これらのVCCS104に、それぞれのPD102によって生じる暗電流の影響をキャンセルさせる(あるいは、少なくとも低減させる)ことができる。PDD300に関して上述した任意のオプションは、PDD300’にも同様に当てはまる。
【0065】
一部の例では、(例:VCが一定でない場合、および/または、VCが既知でない場合)、PD102と同様の暗電流をPD302に生じさせるように選択された第1入力電圧VFIを、(例:コントローラによって)供給することが可能である。
【0066】
次いで、図4を参照する。図4は、現在開示されている主題の例に係る例示的なフォトダイオードのI-V曲線400を示す。説明の簡潔化のため、曲線400は、PD302およびPD102の両方のI-V曲線を表している。説明の目的上、PD302とPD102とはほぼ同等であり、かつ、同等なアノード電圧(すなわち、本説明では、VA=VRPA)を受けているものと仮定する。I-V曲線400は、電圧402から404までにおいて、比較的平坦である。このことは、関連するフォトダイオードに印加される402から404までの様々なバイアスが、同様のレベルの暗電流を生じさせることを意味している。VCがカソード電圧範囲内で変化している場合、VAが既知であると仮定することは、PD102におけるバイアスが電圧402から404までに制限されることを意味している。PD302におけるバイアスも電圧402から404までになるようにVRPCを印加すると、PD102とPD302とに異なるバイアスが与えられる場合であっても、VCCS104がDCActivePDに十分に近い電流を出力することになる。この事例におけるVRPCは、等価電圧414によって例示されている通り、カソード電圧範囲内であってもよいし、あるいは、等価電圧412によって例示されている通り、カソード電圧範囲外であってもよい。ただし、PD302のバイアスは、402から404までに維持されている。上述した他の構成の変更も、同様に使用されうる。他の理由により、異なるPD102およびPD302に対して異なるバイアスが印加されてもよいことに留意されたい。例えば、光検出器アレイのテストまたは較正の一部として、異なるバイアスが印加されうる。
【0067】
現実的には、ある光検出デバイスにおける複数の異なるフォトサイトにおける複数の異なるフォトダイオード(あるいは、複数の異なる他のコンポーネント)は、全く同等には製造されない。このため、複数の異なるフォトサイトの動作も、互いに全く同等ではない。フォトダイオードアレイにおいて、複数のフォトダイオードは互いに多少異なっている場合があり、かつ、複数のフォトダイオードの暗電流も多少異なっている場合がある(例えば、製造上の違い、わずかな温度差などによる)。
【0068】
図5は、現在開示されている主題の例(総称的に500と表記されている)に係る、複数のリファレンスフォトサイト310に接続されている制御電圧発生回路340を示す。図5の回路(リファレンス回路500とも称される)は、PDD300、300’、および本開示において説明されている光検出デバイスのバリエーションのいずれかにおける対応する1つ以上のフォトサイト310における1つ以上のVCCS104の制御電圧(VCTRLと表記されている)を決定するために使用されてよい。特に、リファレンス回路500は、(例えば、製造上の不正確さ、多少異なる動作条件などの結果として)ある程度異なっている複数のリファレンスフォトサイト310から収集されたデータに基づいて、光検出デバイスの1つ以上のフォトサイト100における暗電流の影響をキャンセルする(または制限する)ための制御電圧を決定するために使用されてよい。上述の通り、フォトダイオードの暗電流は、類似していたとしても、互いに異なっている場合がある。一部のフォトダイオード技術では、同等であると意図されているフォトダイオードが、1.5倍、2倍、4倍、さらにはより大きい倍率の暗電流を有する場合があることに留意されたい。本明細書において説明する平均化メカニズムにより、(例えば製造時における)このような著しい差異さえも補償できる。複数のフォトサイト310の暗電流レベルを平均化するために、増幅器318が複数のリファレンスフォトサイト310に接続されている場合、当該フォトサイト310は、例えば、上述したメカニズムのいずれかを使用して暗状態に保たれる。様々なフォトサイト310の異なるVCCS304に印加される電圧は、全てのVCCS304がほぼ同じ制御電圧を受けるように、短絡させられている。異なるリファレンスPD302のカソード電圧は、異なるネットへと短絡させられている。このようにして、異なるリファレンスフォトサイト310の電流は互いに多少異なっているが(リファレンスフォトサイト310が互いに多少異なっていることに起因する)、それぞれの光検出デバイスの1つ以上のフォトサイト100(フォトサイト100も互いに多少異なっている場合があり、かつ、リファレンスフォトサイト310とも多少異なっている場合がある)に供給される平均制御電圧は、異なるフォトサイト100に対する暗電流の影響をキャンセルするために十分に正確であり、かつ、十分に均一な態様である。任意ではあるが、単一の増幅器318の出力電圧は、全てのフォトサイト100および全てのリファレンスフォトサイト310に供給される。任意ではあるが、光検出デバイス用に選択されたフォトダイオードは、(例えば、図4に関して上述した通り)平坦なI-V応答を有している。この場合、リファレンス回路500に関して説明されている平均制御電圧は、異なるフォトサイト100の暗電流を非常に良好な程度までキャンセルする。図6Aおよび図6Bには、複数のリファレンスフォトサイト310を含んでいる光検出デバイスの非限定的な例が示されている。この例では、複数のリファレンスフォトサイト310の平均化された出力信号が、複数のアクティブフォトサイト100の出力信号を修正するために(例:出力信号の暗電流の影響を低減するために)使用される。単一の光検出デバイスにおけるリファレンスフォトサイト310とアクティブフォトサイト100とに対して、異なる構成、形状、および数値比が適用されてもよい。例えば、行方向および列方向に配列された複数のフォトサイトを含む矩形の光検出アレイにおいて、フォトサイトの行全体(例:1000個のフォトサイト)またはフォトサイトの一部の行もしくは列が、複数のリファレンスフォトサイト310として使用されてよい(任意的に暗状態に保たれる)。この場合、アレイの残りの部分は、当該リファレンスフォトサイトの行の出力を平均化することに基づく制御信号を受信する。制御電流を発生させるこの方法は、平均暗電流を除去することによって、暗電流の影響を大幅に低減し、フォトサイト間の変動のみを残している。
【0069】
図6Aおよび図6Bは、現在開示されている主題の例に係る、複数のフォトダイオードに基づくフォトサイトのアレイおよびリファレンス回路を含んでいる光検出デバイスを示す。PDD600(図6Aに示されている)およびPDD600’(図6Bに示されており、PDD600の変形例である)は、PDD300の全てのコンポーネントに加えて、付加的なフォトサイト100およびフォトサイト310を含んでいる。任意ではあるが、光検出デバイス600の(および、個別にPDD600’の)異なるフォトサイトは、互いにほぼ同等である。PDD300およびPDD300’、ならびに回路500に関して上述した任意のオプションは、PDD600およびPDD600’にも適用可能である。
【0070】
図6Aは、光検出デバイス600を示す。光検出デバイス600は、複数のフォトサイト100(のアレイ)を有する感光領域602(光検出デバイス600の動作時に外部光に曝される)と、(少なくともリファレンス電流の測定時において、任意には常時に)暗闇に保たれる複数のリファレンスフォトサイト310を有する領域604と、コントローラ338をさらに含んでいる制御電圧発生回路340と、を備えている。コントローラ338は、増幅器318の動作、増幅器318に供給される電圧、および/または、リファレンスフォトサイト310の動作を制御できる。任意ではあるが、コントローラ338は、フォトサイト100および/またはPDD600の他のコンポーネントの動作を制御してもよい。コントローラ338は、アクティブフォトサイト100とリファレンスフォトサイト310との両方を、同じ動作条件(例:バイアス、露光時間、読出レジームの管理)において動作するように制御してよい。コントローラ338の任意の機能は、外部コントローラ(例:光検出デバイスが設けられている電気光学システムの別のプロセッサ、または、光検出デバイスが設けられている自律車両のコントローラなどの補助システム)によって具現化されてもよいことに留意されたい。任意ではあるが、コントローラ338は、PDD600の他のコンポーネント(例:フォトサイト100および310、増幅器318)と同じウェハ上に実装された1つ以上のプロセッサとして具現化されてもよい。任意ではあるが、コントローラ338は、当該ウェハに接続されているプリント回路基板(printed circuit board,PCB)上の1つ以上のプロセッサとして具現化されてもよい。あるいは、他の適切なコントローラがコントローラ338として具現化されてもよい。
【0071】
図6Bは、現在開示されている主題の例に係る光検出デバイス600’を示す。光検出デバイス600’は、デバイス600と類似しているが、複数のコンポーネントが異なる位置関係で配置されている。図6Bでは、異なるフォトサイトの内部の詳細を示していない。また、図6Bでは、読出回路610が示されている。読出回路610は、フォトディテクタ100から検出信号を読み取り、さらなる処理(例:画像処理のためのノイズ低減)のために、保存のために、または、その他の用途に供するために使用される。例えば、読出回路610は、異なるフォトサイト100の読出値を、(可能である場合には、光検出デバイスの不図示の1つ以上のプロセッサによる何らかの処理の後に)順次、一時的に配列してから、さらなる処理、保存、またはその他の動作のために、当該読出値を供給できる。任意ではあるが、読出回路610は、PDD600の他のコンポーネント(例:フォトサイト100および310、増幅器318)と同じウェハ上に作製されている1つ以上のユニットとして具現化されてよい。任意ではあるが、読出回路610は、当該ウェハに接続されているプリント回路基板(PCB)上の1つ以上のユニットとして具現化されてもよい。あるいは、他の適切な読出回路が、読出回路610として具現化されてもよい。読出回路610などの読出回路は、本開示において説明されている光検出デバイス(例:PDD300、700、800、および900)のいずれにおいても実装されてよいことに留意されたい。任意的な信号のデジタル化に先立ち、光検出デバイスにおいて(例:読出回路610によって、またはそれぞれの光検出デバイスの1つ以上のプロセッサによって)実行されうるアナログ信号処理の例は、ゲインの修正(増幅)、オフセット、およびビニング(2つ以上のフォトサイトからの出力信号の結合)を含んでいる。読出データのデジタル化は、光検出デバイスにおいて実行されてもよいし、あるいは、当該光検出デバイスの外部において実行されてもよい。
【0072】
任意ではあるが、PDD600(あるいは、本開示において開示されている他のいずれかの光検出デバイス)は、サンプリング回路を含んでいてもよい。サンプリング回路は、(異なっている場合に)増幅器318の出力電圧および/または制御電圧VCTRLをサンプリングし、少なくとも指定された最小期間において、その電圧レベルを保持する。当該サンプリング回路は、増幅器318の出力部と複数のVCCS104のうちの1つ以上との間の任意の位置(例えば、位置620)に配置されてよい。任意の適切なサンプリング回路が、使用されうる。一部の例では、例示的な回路は、「サンプル・アンド・ホールド」スイッチを含みうる。任意ではあるが、サンプリング回路は、一部の時間のみにおいて使用されてもよい。この場合、制御電圧の直接的なリアルタイム読み出しは、他の時間において実行される。例えば、システム内の暗電流の大きさがゆっくりと変化し、フォトサイト310が一部の時間においてのみ遮光される場合に、サンプリング回路を使用することは有益である。
【0073】
図7および図8は、現在開示されている主題の例に係る他の光検出デバイスを示す。上述した光検出デバイス(例:300、300’、600、600’)では、アクティブフォトサイト100およびリファレンスフォトサイト310の両方に対して、電圧制御電流源が使用されていた。電流源は、開示されている光検出デバイスにおいて使用可能な電圧制御電流回路(電圧によって制御される電流回路)の一例である。使用可能な別のタイプの電圧制御電流回路は、電圧制御電流シンクである。電圧制御電流シンクによって吸収される電流の量は、当該電圧制御電流シンクに供給される制御電圧によって制御される。例えば、PD(102、302)に対するバイアスが、上述の例におけるバイアスとは逆方向である場合に、電流シンクが使用されてよい。より一般的には、電圧制御電流源が上述(104、304)されている場合にはいつでも、このコンポーネントは、電圧制御電流シンク(704、714とそれぞれ表記されている)に置き換え可能である。電流源に替えて電流シンクを使用する場合において、それぞれの光検出デバイスの他の部分において、異なるタイプのコンポーネントまたは回路を使用する必要がありうることに留意されたい。例えば、VCCS104および304と共に使用される増幅器318は、電圧制御電流シンク704および714と共に使用される増幅器718とは、電力、サイズなどにおいて異なる。VCCSに替えて電圧制御電流シンクを含んでいるフォトサイトを区別するために、参照番号100’および310’が、上述のフォトサイト100および300に対応して使用されている。
【0074】
図7において、PDD700は、(フォトサイト100’およびフォトサイト310’の両方において)電圧制御電流シンクである電圧制御電流回路を含んでいる。増幅器318に替えて、適切な増幅器718が使用されている。電流源に関して上述した全てのバリエーションは、電流シンクに対しても同様に適用可能である。
【0075】
図8において、PDD800は、両方のタイプの電圧制御電流回路-すなわち、電圧制御電流源104および314と電圧制御電流シンク704および714との両方-を、整合増幅器318および718と共に含んでいる。これにより、例えば、PDD800のフォトダイオードを、順方向バイアスまたは逆方向バイアスのいずれかで動作させることができる。VCCSに基づくリファレンス回路と電圧制御電流シンクに基づくリファレンス回路とのどちらのリファレンス回路をアクティブ化(活性化)/非アクティブ化(非活性化)するかを選択するために、少なくとも1つのスイッチ(あるいは、他の選択機構)が使用されてよい。当該選択機構は、例えば、2つのフィードバックレギュレータが互いに「対抗して(against)」動作することを防止するために使用されてよい(例えば、フォトダイオードに対してほぼ零のバイアスが印加された状態で動作する場合)。上述した光検出デバイス(例えば、300、300’、600、600’)のいずれかに関して説明した任意のオプション、説明または変形例は、PDD700および800にも適用可能である。特に、PDD700および800は、(例えば、図5図6A、および図6Bに関して)上述した説明と同様に、複数のフォトサイト100’および/または複数のリファレンスフォトサイト310’を含みうる。
【0076】
上述した光検出デバイスのいずれにおいても、(例えば、光検出アレイの)1つ以上のフォトサイトは、(例えば、ある時間では)リファレンスフォトサイト310として、または、(例えば、他の時間では)通常のフォトサイト100として、選択的に使用されるように任意に制御可能であってよいことに留意されたい。当該フォトサイトは、両方の役割において動作するために必要な回路を含みうる。このことは、例えば、同じ光検出デバイスが異なるタイプの電気光学システムにおいて使用される場合に採用されてよい。一例として、あるシステムでは、1000個~4000個のリファレンスフォトサイト310を平均化する精度が要求される場合がある。その一方、別のシステムでは、1個~100個のリファレンスフォトサイト310を平均化することで実現可能な、より低い精度しか要求されない場合もある。別の例では、光検出器アレイの全体が暗転化され、かつ、上述した通りサンプル・アンド・ホールド回路での格納がなされる場合に、一部の(または全ての)フォトサイトに基づく制御電圧の平均化が実行されてよい。1つ以上の後続するフレームにおいて、決定された制御電圧を使用してFOVデータを検出するために、全てのフォトサイトが使用されうる。
【0077】
上記の説明では、簡単化のために、それぞれの光検出アレイにおける全てのフォトダイオードのアノード側が既知の(そして、場合によっては制御された)電圧に接続されており、かつ、検出信号ならびにVCCSおよび追加回路の接続はカソード側においてなされていると仮定されていることに留意されたい。任意ではあるが、(読み出しがアノード側においてなされる場合などには)PD102および302は、逆の様式によって接続されうることに留意されたい。
【0078】
上述の全ての光検出デバイス(例えば、300、600、700、800)に関して、フォトサイト、読出回路、リファレンス回路、および他の上述のコンポーネント(これらに加えて、必要とされる場合には任意の追加コンポーネント)は、単一のウェハ上において、複数のウェハ上において、1つ以上のPCB上において、または、フォトサイトに接続されている他の適切なタイプの回路上などにおいて実装されうることに留意されたい。
【0079】
図9は、現在開示されている主題の例に係るPDD900を示す。PDD900は、上述した光検出デバイスのうちの1つ以上に由来する構成の任意の組み合わせを採用してよく、さらに追加のコンポーネントを含んでいてもよい。例えば、PDD900は、下記の複数のコンポーネントのうちの任意の1つ以上のコンポーネントを含みうる。
【0080】
PDD900のFOVに対して光を出射するように動作可能である、少なくとも1つの光源902。光源902の光の一部は、FOV内の物体(オブジェクト)によって反射され、(光検出デバイス900の動作時に外部光に曝される)感光領域602内のフォトサイト100によってキャプチャされ、当該物体の画像または別のモデルを生成するために使用される。任意の適切なタイプの光源が、使用可能である(例:パルス型、連続型、変調型、LED、レーザ)。任意ではあるが、光源902の動作は、コントローラ(例:コントローラ338)によって制御されてよい。
【0081】
ディテクタアレイの領域604を暗状態に保つための物理バリア904。物理バリア904は、ディテクタアレイの一部であってもよいし、当該ディテクタアレイの外部に位置していてもよい。物理バリア904は、固定されていてもよいし、可動であってもよい(例:移動シャッタ)。他のタイプの暗転機構も使用可能であることに留意されたい。任意ではあるが、物理バリア904(または他の暗転機構)は、異なる時間において、検出アレイの異なる部分を暗転させてもよい。任意ではあるが、変更可能な場合、バリア904の動作は、コントローラ(例:コントローラ338)によって制御されてもよい。
【0082】
無視される(ignored)フォトサイト906。光検出アレイの全てのフォトサイトが、必ずしも検出(フォトサイト100)のために、あるいはリファレンス(フォトサイト310)のために、使用されるわけではないことに留意されたい。例えば、一部のフォトサイトは、完全に暗転化されておらず、かつ、完全に照光されていない領域内に存在している場合がある。したがって、画像(あるいは、フォトサイト100の検出信号に応じて生成される他のタイプの出力)の生成において、当該フォトサイトは無視される。任意ではあるが、異なるフォトサイトは、異なる時間において、PDD900によって無視されうる。
【0083】
フォトサイト100によって出力された検出信号を処理するための少なくとも1つのプロセッサ908。当該処理は、例えば、信号処理、画像処理、分光分析などを含みうる。任意ではあるが、プロセッサ908による処理結果は、コントローラ338(あるいは、別のコントローラ)の動作を修正するために使用されてよい。任意ではあるが、コントローラ338とプロセッサ908とは、単一の処理ユニットとして具現化されてもよい。任意ではあるが、プロセッサ908による処理結果は、例えば、通信モジュール912を介して、(i)外部システム(例:リモートサーバ、またはPDD900がインストールされた車両の車両コンピュータ)のための有形的なメモリモジュール910(格納または後の検索のために)、(ii)画像または他のタイプの結果(例:グラフ、分光器のテキスト結果)を表示するためのディスプレイ914、および、(iii)他のタイプの出力インターフェース(例:不図示のスピーカ)など、のうちの任意の1つ以上に供給されてよい。任意ではあるが、フォトサイト310からの信号は、例えば、PDD900の状態(例えば、操作性、温度)を評価するために、プロセッサ908によっても処理されてもよいことに留意されたい。
【0084】
メモリモジュール910。当該メモリモジュールは、(i)アクティブフォトサイトによって出力される検出信号、または(例えば、異なる場合)読出回路610によって出力される検出信号、および、(ii)検出信号を処理することによってプロセッサ908によって生成される検出情報、のうちの少なくとも一方を格納する。
【0085】
電源916(例:バッテリ、AC電源アダプタ、DC電源アダプタ)。当該電源は、光源、増幅器、または光検出デバイスの他のコンポーネントに電力を供給できる。
【0086】
硬質なケーシング918(あるいは、任意の他のタイプの構造支持体)。
【0087】
光源902(実装されている場合)の光をFOVへと導くために、および/または、FOVから到来した光をアクティブフォトサイト100へと導くための光学系920。当該光学系は、例えば、レンズ、ミラー(固定型または可動型)、プリズム、フィルタなどを含んでいてよい。
【0088】
上述の通り、光検出デバイスの動作条件の違いを考慮して、少なくとも1つの第1電圧制御電流回路(VCCC)104によって供給される電流のレベルを決定する制御電圧を整合させるために、当該光検出デバイスを使用できる。これにより、少なくとも1つのPD102によって生じる暗電流のレベルを変化させることができる。例えば、複数のフォトサイト100と複数のフォトサイト320とを含む光検出デバイスの場合について述べる。光検出デバイスが第1温度において動作する場合、制御電圧発生回路340は、複数のリファレンスPD302の暗電流に応じた第1レベルにおける電流を供給するための制御電圧を、電圧制御電流回路に供給する。これにより、アクティブPD102の暗電流がアクティブフォトサイト100の出力に対して及ぼす影響を低減できる。その一方、光検出デバイスが(第1温度よりも高い)第2温度において動動作する場合、制御電圧発生回路340は、複数のリファレンスPD302の暗電流に応じた第2レベルにおける電流を供給するための制御電圧を、電圧制御電流回路に供給する。これにより、アクティブPD102の暗電流がアクティブフォトサイト100の出力に対して及ぼす影響を低減できる。この場合、第2レベルの大きさは、第1レベルの大きさよりも大きく設定される。
【0089】
図10は、現在開示されている主題の例に係る光検出器における暗電流を補償するための方法1000のフローチャートである。(a)それぞれが少なくとも1つのアクティブPDを含む複数のアクティブフォトサイト、(b)リファレンスPDを含む少なくとも1つのリファレンスフォトサイト、(c)1つ以上のアクティブPDに接続されている少なくとも1つの第1VCCC、(d)1つ以上のリファレンスPDに接続されている少なくとも1つのリファレンスVCCC、および、(e)アクティブVCCCおよびリファレンスVCCCに接続されている制御電圧発生回路、を少なくとも含む光検出デバイスにおいて、方法1000が実行される。例えば、方法1000は、PDD300’、600、600’、700、および800(後者の2つの実装は、複数のアクティブフォトサイトを含む)のうちのいずれかにおいて実行されてよい。方法1000は、様々な上述のPDDの任意のコンポーネントに関して述べた任意の動作または機能を実行することを含みうることに留意されたい。
【0090】
方法1000は、ステージ1010および1020を少なくとも含む。ステージ1010は、少なくとも1つのリファレンスPDの暗電流の(1つ以上の)レベルに基づいて、制御電圧を発生させることを含む。当該制御電圧は、少なくとも1つのリファレンスVCCCに供給された場合に、リファレンスフォトサイトの出力に対するリファレンスフォトダイオードの暗電流の影響を低減する電流を、少なくとも1つのリファレンスVCCCに発生させる。ステージ1020は、少なくとも1つの第1VCCCに制御電圧を供給することによって、複数のアクティブフォトサイトの出力に対するアクティブフォトダイオードの暗電流の影響を低減する電流を、少なくとも1つの第1VCCCに発生させることを含んでいる。VCCCは、「電圧制御電流回路(Voltage Controlled Current Circuit)」の略語であり、電圧制御電流源または電圧制御電流シンクとして実装されている。
【0091】
任意ではあるが、ステージ1010は、制御電圧発生回路の一部である増幅器を用いて実装される。この場合、ステージ1010は、増幅器の第2入力部がリファレンスフォトダイオードとリファレンス電圧制御電流回路とに電気的に接続されている場合に、増幅器の第1入力部に第1入力電圧を供給することを含む。増幅器は、リファレンス電圧制御回路の出力と第1入力電圧との間の差を連続的に減少させることによって、制御電圧を発生させるために使用されてよい。任意ではあるが、(1つ以上の)第1VCCCと(1つ以上の)リファレンスVCCCとの両方が、増幅器の出力部に接続される。
【0092】
光検出デバイスが、異なるレベルの暗電流を発生させる複数の異なるリファレンスフォトダイオードを含んでいる場合、ステージ1010は、リファレンスフォトダイオードの異なる暗電流の平均化に基づいて単一の制御電圧を発生させることを含んでいてよい。
【0093】
方法1000は、光検出デバイスの視野からの光がリファレンスフォトダイオードに到達することを防止すること(例:物理バリアまたは迂回光学系を使用すること)を含んでいてよい。
【0094】
方法1000は、暗電流の影響が低減さえた後のアクティブフォトサイトの出力をサンプリングすることと、サンプリングされた出力に基づいて画像を生成することと、を含んでいてよい。
【0095】
図11は、現在開示されている主題の例に係る光検出デバイス(PDD)における暗電流を補償するための方法1100を示すフローチャートである。方法1100は、異なる温度レジームにおいて実行される2つのフェーズを有している。第1グループのステージ(1110~1116)は、PDDが第1温度(T1)において動作するときに実行される。第2グループのステージ(1120~1126)は、PDDが第1温度よりも高い第2温度(T2)において動作するときに実行される。第1温度と第2温度とが異なる程度は、方法1100の異なる実施形態または異なる例において異なりうる。例えば、温度差は、少なくとも5℃、少なくとも10℃、少なくとも20℃、少なくとも40℃、少なくとも100℃などでありうる。注目すべきことに、方法1100は、さらに小さい温度差(例:1℃未満)においても有効でありうる。第1温度および第2温度のそれぞれは、温度範囲(例えば、0.1℃、1℃、5℃、またはそれより高いスパン)として具現化されてもよいことに留意されたい。(例えば、上述の範囲によって)第2温度範囲内の任意の温度は、第1温度範囲内の任意の温度よりも高い。任意ではあるが、方法1000は、上述したPDDのいずれか(300、600など)において実行されてもよい。方法1100は、上述の様々なPDDの任意のコンポーネントに関して述べた任意の動作または機能を実行することを含んでいてよいことに留意されたい。方法1100に関するPDDは、上述のPDDのうちの任意の1つ以上に関して述べたコンポーネントの任意の組み合わせを含んでもよいことにも留意されたい。
【0096】
PDDが第1温度(第1温度範囲であってもよい)において動作する場合に実行されるステージを参照する。ステージ1110は、PDDの少なくとも1つのリファレンスPDの暗電流に基づいて第1制御電圧を決定することを含む。ステージ1112は、PDDのアクティブフォトサイトの少なくとも1つのアクティブPDに接続されている第1VCCCに第1制御電圧を供給することによって、アクティブフォトサイトにおいて、第1VCCCに第1暗電流対抗電流を発生させることを含む。ステージ1114は、(a)PDDの視野内の物体に由来する光のアクティブPDへの入射、および、(b)アクティブPDによって生じた暗電流に応じた第1検出電流を、アクティブPDによって発生させることを含む。ステージ1116は、第1検出電流および第1暗電流対抗電流(相殺電流)に応じて、第1検出信号(当該第1検出信号の大きさは、第1検出電流よりも小さい)をアクティブフォトサイトによって出力することにより、第1検出信号に対する暗電流の影響を補償することを含む。方法1100は、PDDの複数のフォトサイト(任意には、全てのフォトサイト)からの複数の第1検出信号に基づいて、PDDのFOVの少なくとも1つの第1画像を生成する任意的なステージ1118を含んでいてもよい。ステージ1118は、PDDが第1温度にある場合に実行されてもよいし、それより後に実行されてもよい。
【0097】
PDDが第2温度(第2温度範囲であってもよい)において動作する場合に実行されるステージを参照する。ステージ1120は、PDDの少なくとも1つのリファレンスPDの暗電流に基づいて第2制御電圧を決定することを含む。ステージ1122は、第2制御電圧を第1VCCCに供給することにより、アクティブフォトサイトにおいて、第1VCCCに第2暗電流対抗電流を発生させることを含む。ステージ1124は、(a)物体に由来する光のアクティブPDへの入射、および、(b)アクティブPDによって生じた暗電流、に応じた第2検出電流を、アクティブPDによって発生させることを含む。ステージ1126は、第2検出電流および第2暗電流対抗電流に応じて、第2検出信号(当該第2検出信号の大きさは、第2検出電流よりも小さい)をアクティブフォトサイトによって出力することにより、第2検出信号に対する暗電流の影響を補償することを含む。第2暗電流対抗電流の大きさは、第1暗電流対抗電流の大きさよりも大きく、1よりも大きい任意の比率でありうる。例えば、当該比率は、少なくとも2倍、またはそれより有意に高い値である(例:1桁、2桁、3桁、またはそれより高い桁)。方法1100は、PDDの複数のフォトサイト(任意には、全てのフォトサイト)からの複数の第2検出信号に基づいて、PDDのFOVの少なくとも1つの第2画像を生成する任意のステージ1128を含んでいてもよい。ステージ1128は、PDDが第2温度にある場合に実行されてもよいし、それより後に実行されてもよい。
【0098】
任意ではあるが、第1暗電流対抗電流が生じる第1時間(t1)においてアクティブフォトダイオードに入射する、物体に由来する放射の第1レベル(L1)は、第2暗電流対抗電流が生じる第2時間(t2)においてアクティブフォトダイオードに入射する、当該物体に由来する放射の第2レベル(L2)にほぼ等しい。この場合、第2検出信号の大きさは、第1検出信号の大きさにほぼ等しい。任意ではあるが、本開示に係るPDDは、特定の動作温度においてフォトダイオードが発生させる暗電流のレベルよりも有意に低い(例:1桁、2桁、またはそれより低い桁の)信号レベルを検出するために使用されうることに留意されたい。したがって、方法1100は、暗電流が検出信号よりも2桁以上大きく、互いに著しく異なる(例:2倍異なる、10倍異なる)、2つの異なる温度において、同様のレベルの出力信号を発生させるために使用されうる。
【0099】
任意ではあるが、第1制御電圧の決定および第2制御電圧の決定は、少なくとも1つの増幅器を含む制御電圧発生回路によって実行される。当該増幅器は、(i)リファレンスフォトダイオードと、(ii)リファレンスフォトダイオードに接続されたリファレンス電圧制御電流回路、とに電気的に接続されている入力部を有する。
【0100】
任意ではあるが、方法1100は、アクティブフォトダイオードに対するバイアスに応じてレベルが決定される第1入力電圧を、増幅器の別の入力部に供給することをさらに含みうる。任意ではあるが、方法1100は、リファレンスフォトダイオードに対するバイアスが活性フォトダイオードに対するバイアスとほぼ同じになるように、第1入力電圧を供給することを含みうる。任意ではあるが、方法1100は、光検出デバイスの複数のリファレンスフォトダイオードの異なる暗電流に基づいて第1制御電圧および第2制御電圧を決定することを含みうる。第1制御電圧を供給することは、複数の第1電圧制御電流回路に同じ第1制御電圧を供給することを含む。この場合、複数の第1電圧制御電流回路のそれぞれは、異なる暗電流を有する光検出デバイスの複数のアクティブフォトダイオードのうちの少なくとも1つのアクティブフォトダイオードに接続されている。第2制御電圧を供給することは、複数のアクティブフォトダイオードがさらに異なる暗電流を有している場合に、複数の第1電圧制御電流回路に同じ第2制御電圧を供給することを含む。
【0101】
任意ではあるが、異なるアクティブフォトダイオードは、異なるレベルの暗電流を同時に生じさせる。そして、異なるリファレンスフォトダイオードは、異なるレベルの暗電流を同時に生じさせる。制御電圧発生回路は、第2フォトダイオードの異なる暗電流の平均化に基づいて、異なるアクティブフォトダイオードに同じ制御電圧を供給する。任意ではあるが、方法1100は、専用光学系を使用して、視野からの光を光検出デバイスの複数のアクティブフォトダイオードに導くことと、視野からの光が光検出デバイスの複数のリファレンスフォトダイオードに到達することを防止することと、を含みうる。
【0102】
PDDが第1温度T1において動作している場合について述べる。ステップ1010において、PDDの少なくとも1つのリファレンスPDの暗電流に基づいて、第1制御電圧VCTRL1が決定される。ステップ1020において、VCTRL1が、PDDの少なくとも1つのアクティブPDに接続されている第1電圧制御電流回路(VCCC1)に供給されることより、アクティブフォトサイトにおける暗電流に対抗する第1暗対抗電流DC1COUNTERINGを、VCCC1に発生させる。ステップ1030において、アクティブPDは、(i)PDDのFOV内の物体から発せられまたは反射され、アクティブPDに入射した光、および、(ii)アクティブPDによって生じた暗電流、に応じた、第1検出電流D1DETECTIONを生じさせる。ステップ1040において、アクティブフォトサイトは、D1DETECTIONおよびDC1COUNTERINGに応じて、第1検出信号(当該第1検出信号の大きさは、D1DETECTIONの大きさよりも小さい)を出力する。
【0103】
PDDがT1より少なくとも10℃高い第2温度T2において動作している場合について述べる。ステップ1050において、PDDの少なくとも1つのリファレンスPDの暗電流に基づいて、第2制御電圧VCTRL2が決定される。ステップ1060において、VCTRL2がVCCC1に供給されることにより、アクティブフォトサイトにおける暗電流に対抗する第2暗対抗電流DC2COUNTERINGを、VCCC1に発生させる。DC2COUNTERINGは、DC1COUNTERINGの少なくとも2倍大きい。ステップ1070において、アクティブPDは、(i)PDDのFOV内の物体から発せられまたは反射され、アクティブPDに入射した光、および、(ii)アクティブPDによって生じた暗電流に応じた、第2検出電流D2DETECTIONを生じさせる。ステップ1080において、アクティブフォトサイトは、D2DETECTIONおよびDC2COUNTERINGに応じて、第2検出信号を(当該第2検出信号の大きさは、D2DETECTIONの大きさよりも小さい)を出力する。
【0104】
図11は、デバイス300などのデバイスを、当該デバイスの較正/テストに使用する方法を示すフローチャートである。例えば、リファレンス回路のリファレンス電圧を設定して、全てのフォトサイトに対して非常に高い電流(正または負)を強制的に流すようにしてもよい。この場合、周囲の照明に関係なく(環境を制御する必要なく、リアルタイム動作中であってもよい)、非常に明るい全体画像または非常に暗い全体画像を(「実際の」センシングアレイにおいて)強制的に生じさせることができる。このことは、例えば、個々のフォトサイトを定期的にテストするために採用されうる。
【0105】
例えば、リファレンス回路に第1電流を流し、全てのフォトサイト301のキャパシタンスを強制的にフルに充電させ、その電荷をサンプリングすることにより、1つ以上のフォトサイトに欠陥があるか否かを判定できる。同様に、リファレンス回路に第2電流を流し、全ての「実際の」キャパシタを強制的にフルに放電させ、その電荷をサンプリングすることにより、1つ以上のフォトサイトに欠陥があるか否かを判定できる。
【0106】
図12は、現在開示されている主題の実施例に係る光検出デバイスをテストするための方法1200を示すフローチャートである。例えば、テストは、上述の光検出デバイスのいずれかによって実行されてよい。すなわち、暗電流の影響を低減するために有用であると上述した回路およびアーキテクチャと同じ回路およびアーキテクチャを、異なるフォトサイトの検出経路をリアルタイムでテストするために、追加的に使用できる。任意ではあるが、テストは、PDDが動作モードにある期間(つまり、テストモードでない期間)において実行されうる。一部の実施態様では、一部のフォトサイトは、FOVからの周囲光に曝されている期間において、同じPDDの他のフォトサイトがFOVの実際の画像をキャプチャしている場合であっても、(暗電流の補償の有無にかかわらず)テストされうる。任意ではあるが、方法1200は、他のタイプのPDDによって実行されてもよいことに留意されたい。方法1200は、上述のPDDに関して述べた回路またはアーキテクチャと同様の回路またはアーキテクチャを使用して任意に実行されうるが、フォトダイオードが高い暗電流を伴わない場合もあり、暗電流の低減が要求されないか、または実行されない場合もあることにも留意されたい。方法1200は、単一のフォトサイトに適用される場合について説明されているが、PDDの複数のフォトサイトに適用されてもよいし、あるいは複数のフォトサイトの全てに適用されてもよい。
【0107】
方法1200のステージ1210は、制御電圧発生回路の増幅器の第1入力部に第1電圧を供給することを含む。増幅器の第2入力部は、リファレンスフォトダイオードと、増幅器の出力電圧に応じて支配されるレベルにおける電流を供給する第2電流回路と、に接続されている。これにより、光検出デバイスのフォトサイトの第1電流回路に対する第1制御電圧を、増幅器に発生させることができる。先の図面に関して記載された例を参照すると、増幅器は増幅器318または増幅器718であってよく、フォトサイトはフォトサイト310またはフォトサイト310’であってよい。どのような第1電圧が第1入力部に供給されうるかの例については、後述する。
【0108】
方法1200のステージ1220は、フォトサイトの第1出力信号を読み取ることを含む。第1出力信号は、第1電流回路によって生じた電流およびフォトサイトのフォトダイオードに応じて、フォトサイトによって発生する。
【0109】
方法1200のステージ1230は、増幅器の第1入力部に、当該第1入力部とは異なる第2電圧を供給することによって、第1電流回路に対する第2制御電圧を増幅器に生じさせることを含む。どのような第2電圧が供給されうるかの例については、後述する。
【0110】
方法1200のステージ1240は、フォトサイトの第2出力信号を読み取ることを含む。第2出力信号は、第1電流回路によって生じた電流およびフォトサイトのフォトダイオードに応じて、フォトサイトによって発生する。
【0111】
方法1200のステージ1250は、第1出力信号および第2出力信号に基づいて、光検出デバイスの検出経路の欠陥状態を判定することを含む。検出経路は、フォトサイトおよびフォトサイトに関連する読出回路を含む。第1電圧と第2電圧との異なる組み合わせを使用しつつ、どのタイプの欠陥が検出されうるかについての例については、後述する。
【0112】
第1の例は、フォトサイトの飽和を試みるために(例:実際の検出レベルに関係なく、VCCSによってフォトサイトのキャパシタンスに非常に高い電流を供給することによって)、第1電圧およびと第2電圧のうちの少なくとも1つの電圧を使用することを含む。フォトサイトを飽和させることに失敗したこと(例えば、白でない検出信号-完全に黒またはハーフトーンでありうる-を受信したこと)は、関連するフォトサイトに、またはその読出経路のさらなるコンポーネント(フォトサイトアンプ、サンプラ、アナログ・デジタルコンバータなど)に、問題があることを示す。このような場合、(例えば)第1電圧は、増幅器に制御電圧を発生させる。この場合、第1電流回路にフォトサイトを飽和させることができる。このような場合におけるステージ1250での欠陥状態の判定は、第1出力信号が飽和していないと判定することに応じて、そのフォトサイトの検出経路が誤動作していると判定することを含みうる。このような場合の第2電圧は、フォトサイトの飽和を生じさせない電圧であってよい(このことは、例えば、VCCSに電流を生じさせず、暗電流のみを補償し、キャパシタンスによって電流が収集されることを防止する)。フォトサイト検出経路が飽和するか否かのテストは、リアルタイムで実行されうる。
【0113】
PDDをテストするためにフォトサイトの1つ以上を飽和させようとする場合、方法1200は、フォトサイトが光検出デバイスの第1検出フレームにおいて周囲光に曝されている期間において、第1出力信号を読み取ることを含みうる。第1フレームよりも早い(前の)第2検出フレームにおいて飽和出力信号を読み取ることに応じて検出経路が動作可能であると以前に決定した後に、誤動作状態の決定は実行される。例えば、PDDの動作時に(例えば、ビデオのキャプチャ時に)、同じ動作における前の時間に飽和の試みが成功した後に、飽和の試みが失敗した場合、フォトサイトが不良であると判定されうる。テストは、ビデオの一部ではないテストフレームにおいて実行されてもよいし、飽和出力が無視される個々のフォトサイトについて実行されてもよい(例えば、これらのフォトサイトに対応する画素色は、これらのフォトサイトがテストされるフレームにおいて隣接する画素から補完されてもよく、これらのフォトサイトは、このフレームのスパンでは使用できないものとして扱われる)。
【0114】
第2の例は、(例えば、VCCSによって、実際の検出レベルに関係なく、フォトサイトのキャパシタンスに非常に高い対抗電流を供給することによって)フォトサイトの枯渇(空乏化)を試みるために、第1電圧および第2電圧のうちの少なくとも1つの電圧を使用することを含む。フォトサイトの空乏化に失敗したこと(例えば、黒でない検出信号-完全に白またはハーフトーンでありうる-を受信したこと)は、関連するフォトサイト、またはその読出経路のさらなるコンポーネントに問題があることを示している。このような場合、(例えば)第2電圧は、増幅器に第2制御電圧を発生させる。この場合、第1電流回路に、フォトサイトに入射した視野光から生じる検出信号を枯渇させることができる。このような場合におけるステージ1250での欠陥状態の判定は、第2出力信号が枯渇していないと判定することに応じて、検出経路が誤動作していると判定することを含みうる。このような場合の第1電圧は、フォトサイトの飽和を生じさせない電圧であってよい(このことは、例えば、VCCSに電流を生じさせ、暗電流のみを補償し、キャパシタンスを飽和させる)。フォトサイトの検出経路が枯渇しているか否かのテストは、(例えば、それぞれのフォトサイトを暗転化することなく)リアルタイムで実行されうる。
【0115】
PDDをテストするために1つ以上のフォトサイトを枯渇させようとする場合、方法1200は、光検出デバイスの第3検出フレームにおいてフォトサイトが周囲光に曝されている期間において、第2出力信号を読み取ることを含みうる。第3フレームよりも早い第4検出フレームにおいて枯渇した出力信号を読み取ることに応じて検出経路が動作可能であると以前に決定した後に、誤動作状態の決定は実行される。
【0116】
複数の制御電圧の印加を使用してフォトサイトをテストするために方法1200を使用するさらに別の例は、2つよりも多数の電圧を印加することを含む。例えば、3つ以上の異なる電圧が、異なる時間において(例えば、異なるフレームにおいて)、増幅器の第1入力部に供給されてもよい。このような場合、ステージ1250は、第1出力信号と、第2出力信号と、増幅器の第1入力部に印加された3つ以上の電圧に対応する少なくとも1つの他の出力信号と、に基づいて、PDDの検出経路の欠陥状態を決定することを含みうる。例えば、3つ、4つ、またはより多数の異なる電圧が、異なる時間において増幅器の第1入力部に供給されてもよい(この場合、例えば、各電圧は、前の電圧よりも単調的に大きくなる)。異なる電圧に対応する同じフォトサイトの出力信号は、供給される電圧に対応するようにテストされてもよい(例えば、出力信号も大きさが単調増加する)。
【0117】
PDDの一部(あるいは、全部であってもよい)をテストするために方法1200を使用する例は、(i)PDDの複数のフォトサイトのそれぞれから、それぞれのフォトサイトの増幅器に供給される少なくとも2つの異なる電圧に応じた少なくとも2つの出力信号を読み取ることと、(ii)少なくとも1つの第1検出経路について、それぞれの第1検出経路に関連する少なくとも1つのフォトサイトによって出力された少なくとも2つの出力信号に基づいて動作可能なステータス(状態)を決定することと、(iii)少なくとも1つの第2検出経路について、それぞれの第2検出経路に関連する少なくとも1つの他のフォトサイトによって出力された少なくとも2つの出力信号に基づいて、誤動作しているステータスを決定することと、を含む。
【0118】
任意ではあるが、PDDが周囲光から遮蔽されている場合に、および/または、指定された照明(例:既知の大きさの、専用の内部照明など)を使用している場合に、方法1200は、指定されたテストターゲット(例:黒ターゲット、白ターゲット)と組み合わせて実行されうる。ただし、必ずしもそのようにすることは要しない。
【0119】
任意ではあるが、ステージ1250は、検出経路の動作状態の決定に置き換えられてよい。このことは、例えば、PDDの異なるフォトサイトを同じレベルに較正するために採用されてよい。例えば、PDDが暗転化され、専用ターゲットまたは専用照明がない場合、異なるフォトサイトのVCCSに同じ電圧が供給されうる。異なるフォトサイトの異なる出力信号は、(増幅器の第1入力部に供給される1つ以上の異なる電圧において)互いに比較されてよい。比較に基づいて、異なるフォトサイトの検出経路に補正値が割り当てられてもよい。補正値は、(異なるフォトサイトのVCCSによって含まれる電流によってシミュレートされる)同様の照明レベルに対して同様の出力信号を生じさせうる。例えば、較正された出力信号をフォトサイトBに対して出力するために、フォトサイトAの出力に1.1を乗算すべきであると決定される場合がある。例えば、較正された出力信号をフォトサイトDに対して出力するために、フォトサイトCの出力にデルタ信号ΔSを加算すべきであると決定される場合がある。
【0120】
当該(および類似の)技術は、較正およびテストに使用できる。このことは、動作(すなわち、光検出)モードと他のモード(例:後述する較正モードおよび/またはテストモード)との両方において、同じカソード電圧が両方のフォトダイオードに供給されることを意味する。(動作モードにおける)動作バイアスは、第1入力電圧VFIの特定の値である。テスト方法の例は、下記の例を含んでいる。
【0121】
例1:(a)第1入力電圧VFI/Vyを異なる値へと変更し、(b)各フォトサイトが常に異なる出力レベルを受信しているかをチェックし、(c)読出回路/読出経路をテストする。
【0122】
例2:不良フォトサイトのチェック:(a)第1入力電圧VFI/Vyを超高/超低へと変更し、(b)どのフォトサイトが変化無/不十分な黒/白のままであるかを確認する。
【0123】
<セクションII-アイドル期間の電荷集約を防止するフォトサイト読出回路アーキテクチャ>
このセクションにおいて説明される実施形態は、環境からの光、特にパルス光源の反射光を収集するフォトサイトの動作およびアーキテクチャを対象としている。例えば、このようなフォトサイトは、図9の電気光学システムに関して上述のセクションIにおいて述べた方法と同様に、光源によって生じた照明パルスを使用して物体を照明することにより、環境の画像をキャプチャするために使用されてよい。照明パルスは、環境内の1つ以上の物体によって反射され、反射された光は、フォトサイトの1つ以上のフォトダイオードに入射する。このため、各フォトダイオードによって、フォトダイオード発生電流が生じる。照明パルスは、本明細書において検出ウィンドウ、読出ウィンドウ、またはサンプリングウィンドウと呼称されているものと、タイミング合わせされてもよいし、またはその他の方法によって同期させられてもよい。当該ウィンドウは、撮像フレームなどの大きいサンプリング期間内において存在する一連のサンプリングウィンドウであってよい。したがって、フォトダイオード発生電流は、上述のサンプリングウィンドウのそれぞれにおいて生じる。その結果、1つ以上のフォトサイト読出回路によって特定される(1つ以上の)キャパシタに蓄積された電荷が、これらのサンプリングウィンドウにおいて測定される。または、当該電荷は、以下により詳細に述べる通り、より大きいサンプリング期間の終了時に測定される。
【0124】
以下により詳細に述べる通り、電気光学システムおよび/または撮像センサは、1つ以上のフォトサイト読出回路を備えていてよい。各のフォトサイト読出回路は、増幅器と、増幅器フィードバック経路の一部を形成する1つ以上のキャパシタと、を有するように実装されている。任意ではあるが、1つ以上のフォトダイオードによって生じた電荷の収集は、フォトサイトの他のコンポーネントの寄生キャパシタンスによって促進される場合がある。以下においてキャパシタについて言及する場合にはいずれも、寄生キャパシタンスが電荷の収集のために同様に使用されうることに留意されたい。フォトダイオード発生電流に起因するキャパシタへの電荷の積分または蓄積を表す電気信号を、フォトサイトの動作時に増幅器が出力するように、増幅器はフォトダイオードに接続されている。したがって、各フレームにおける電気信号は、それぞれのフレームにおいて(すなわち、そのフレームの一連の複数のサンプリングウィンドウのそれぞれに亘り)フォトサイト読出回路によってキャプチャされた光の量を示す。この動作の概要から、アイドル期間(つまり、各フレーム内の複数のサンプリングウィンドウの間)における電荷の蓄積は、電荷の誤った蓄積を招きうる。その結果、電気信号は、各フレームにおいてフォトサイト読出回路によってキャプチャされた光の量を誤って示す場合があることが明らかである。このことは、フォトサイトのキャパシタンスの飽和、または有害な結果を招きうる。このセクションにおいて説明するフォトサイト読出回路のアーキテクチャおよび動作は、このような問題に対処することを目的としている。
【0125】
図13は、本開示の実施形態に係る例示的なフォトサイト読出回路のアーキテクチャを示す。図13に示すフォトサイト読出回路1301は、接続されているフォトダイオード1308と共に、本セクション全体を通して「フォトサイト」1300と称されるものを形成する。図13および以降の多くの例は、単一のフォトダイオードを含むフォトサイトに関する例である。ただし、任意ではあるが、フォトサイト1300は、単一のフォトサイト読出回路1301によって読み出される複数のフォトダイオード1308を含んでいてもよいことに留意されたい。単一のフォトダイオード1308に接続されているフォトサイト読出回路1301に関連する以下の説明の任意の位置において、当該フォトサイト読出回路は、明示的に記載されていなくとも、複数のフォトダイオード1808を読み出すために接続されてもよい。このような場合、異なるフォトダイオード1308は、単一のフォトサイト読出回路1301によって、並列的に(すなわち、同時に)読み出されてもよく、異なる時間において(例えば、異なるサンプリングウィンドウにおいて)読み出されてもよく、あるいは、任意の他の適切な方法によって読み出されてもよい。フォトサイト1300は、本明細書において説明されている撮像センサおよび/または電気光学システムの一部として実装され、任意の適切な数のフォトサイトに属しうる。一例として、当該センサは、カメラ、Lidarセンサ、分光計などの一部であってもよい。様々な実施形態において、異なるフォトサイト読出回路1301は、1つ以上のフォトダイオード1308を共有していてもよい。あるいは、様々なフォトサイト読出回路1301の各々は、専用のフォトダイオード1308として特定(identified)されてもよい。
【0126】
さらに、様々な実施形態において、フォトダイオード1308は、フォトサイト読出回路1301の一部として(例:同じウェハ、シリコン、チップなどに)統合されていてもよいし、あるいは、個別のコンポーネントとして(例:別個のウェハ、シリコン、チップなどに)統合されていてもよい。いずれにしても、フォトダイオード1308は、特定の波長または波長範囲の光の入射に応じたフォトダイオード発生電流を生じさせるように構成されている。このことは、フォトサイト1300がその一部を形成する撮像センサおよび/または電気光学システムの特定の実装次第でありうる。例えば、上述の通り、入射光は、環境内の様々な物体から反射された照明パルスとして特定されうる。したがって、例えば、フォトダイオード1308は、短波赤外線(short-wave infrared,SWIR)として特定される波長を有する入射光に応じたフォトダイオード発生電流を発生させうる。SWIRは、典型的には0.9~1.7μmの波長範囲内にあると考慮されているが、0.7~2.5μmに分類されることもある。ただし、これらの波長は例として示されているのであって、本明細書において説明されている実施形態は、これらの特定の波長範囲内での動作に限定されるものではない。
【0127】
フォトサイト読出回路1301は、増幅器1302を含む。増幅器1302は、2つの入力端子1304および1306と、出力端子1307と、を含む。増幅器1302は、例えばオペアンプなどの任意の適切なタイプの増幅器として実装されうる。電源ピンおよびレールなどの追加の接続は、簡潔化のために図示されていない。ただし、増幅器1302は、特定の用途に応じて、任意の適切な電圧または電圧範囲の電源レールを利用することもできる。図13に示す通り、増幅器1302の一方の入力端子は、1つ以上のフォトダイオード1308が接続されうる点Aにおいて、フォトダイオード1308に接続されている。したがって、当該入力端子は、フォトダイオード信号入力部1304を表す。増幅器1302の他方の入力端子は、(例えば、後述の通り)リファレンス信号を供給する源が接続されうる点Bにおいて、リファレンス信号に接続されている。したがって、当該入力端子は、リファレンス信号入力部1306を表す。増幅器1302の出力端子は、増幅器出力部1307として特定されている。以下にさらに詳細に説明する通り、当該出力端子は、2つの個別の選択的に接続されたフィードバック経路に接続される。
【0128】
このように、増幅器1302は、フォトダイオード1308によって生じた信号を、フォトダイオード信号入力部1304において取得(受信)するように構成されている。本明細書において説明している通り、この例においても、当該信号は、フォトダイオード1308に入射した特定の波長の光に応じて生じたフォトダイオード発生電流を表しうる。当該信号は、サンプリングウィンドウの期間においてフォトダイオード1308によって生じた暗電流などの追加の成分も含む場合がある。また、増幅器1302は、外部リファレンス信号源によって生じたリファレンス信号を取得するように構成されている。リファレンス信号は、電圧リファレンスまたは電流リファレンスであってよい。したがって、リファレンス信号は、リファレンス信号源によって維持される電流レベルまたは電圧レベルのいずれかを表す。場合によっては、リファレンス電圧またはリファレンス電流は、増幅器1302に関して特定されるトランジスタを動作点に至らしめることによってフォトサイト読出回路1301をバイアスするために使用される。さらに、リファレンス信号がリファレンス電圧レベルであるかリファレンス電流レベルであるかに関係なく、リファレンス信号は、フォトサイト読出回路1301の点Bにおいて形成されるべきリファレンス電圧レベルを生じさせる。当該リファレンス電圧レベルは、増幅器1302の複数の入力端子間の仮想短絡によって、点Aにおいても生じる。図13に示す通り、フォトサイト読出回路1301の点Aにおけるリファレンス電圧レベルは、フォトダイオード信号入力部1304の接続によって、フォトダイオード1308に対するバイアスを生じさせる。例えば、リファレンス信号を増幅器1302に供給するために、リファレンス信号を供給するための上述の方法(例えば、1つ以上のリファレンスフォトサイトを使用すること)のうちのいずれかが採用されてよい。
【0129】
リファレンス信号は、任意の適切な方法によって生成されうる。コントローラ(フォトダイオード1308と同様に、フォトサイト読出回路1301の一部として統合されていてもよいし、あるいは外部に位置していてもよい)によって、リファレンス信号が決定されてもよい。コントローラは、動作条件(例:周囲光レベル、温度など)に応じて、様々なサンプリングウィンドウに対して、および/または、(例:フレームごとの)より大きいサンプリング期間に対して、リファレンス信号の振幅を任意に変更してよい。リファレンス信号レベルを制御するコントローラは、例えば、コントローラ338として特定されてもよい。セクションIにおいて上述した通り、リファレンス信号は、リファレンスフォトサイト310の出力として特定されてもよい。あるいは、本セクションにおいてさらに詳細に説明する通り、コントローラは、コントローラ1602として特定されてもよい。リファレンス信号は、任意の適切なリファレンス源(例えば、リファレンス信号発生源)によって生成されてもよい。当該リファレンス源は、リファレンス信号を生成するための既知の技術を含んでいる。
【0130】
リファレンス信号がどのように生成されるかにかかわらず、かつ、当該リファレンス信号がリファレンス電流を表すかリファレンス電圧を表すかにかかわらず、増幅器1302は、入力電圧の積分に比例する出力電圧を供給できる。例えば、このセクションにおいて上述した通り、フォトダイオード発生電流は、各サンプリングウィンドウにおいて、キャパシタ1314における電荷の蓄積をもたらす。この電荷は、キャパシタ1314の2つの端子間の電圧へと変換される。したがって、本セクションにおいてさらに詳細に後述する通り、複数の一連のサンプリングウィンドウを含みうる特定の累積サンプリング期間(例:フレーム)の終了時(終点)において、点Cの電圧は、読出回路を介して読み出される。
【0131】
図13では、簡潔化のために、読出回路は図示されていない。ただし、読出回路は、フォトサイト読出回路1301の一部として統合されていてもよいし、あるいは、フォトサイト読出回路1301の外部に位置していてもよい。読出回路は、例えば、セクションIにおいて上述した読出回路610として実装されてもよい。あるいは、本セクションにおいてさらに詳細に説明する通り、読出回路は、読出回路実装の既知の技術を含め、これらの機能を実行するように構成された任意の適切なコンポーネント(例えば、図16を参照してさらに詳細に後述する読出回路1650)として実装されてもよい。したがって、本明細書において述べるフォトサイト読出回路1301は、増幅器1302と、関連する相互接続部およびコンポーネントとの両方を含みうる。これらのコンポーネントは、1つ以上のサンプリングウィンドウにおいてフォトサイト読出回路1301によってキャプチャされた光の量を示す電圧または別の電気信号を発生させるように機能する。本セクションを通じてさらに詳細に説明する通り、フォトサイト読出回路1301は、1つ以上のサンプリングウィンドウにおいて発生した電圧を実際に測定または読み出すように機能する読出回路として特定される追加の回路コンポーネントを含みうる。より詳細に後述する通り、電荷が累積的に読み出されるように収集される期間であるサンプリングウィンドウの数は、読み出しのためのサンプリングウィンドウのシーケンスの第1サンプリングウィンドウ(最初のサンプリングウィンドウ)に先立ち、キャパシタ1314における電荷をリセットすることによって決定されうる。
【0132】
図13に示す通り、アイドルタイムウィンドウにおけるフォトダイオード発生電流の寄与を低減または除去しつつ、発生電圧の測定を実行するために、フォトサイト読出回路1301は、増幅器1302に対して2つの個別のフィードバック経路を使用しうる。これらのフィードバック経路のそれぞれは、接続されているスイッチングコンポーネント1310,1312を介して、選択的に接続または遮断される。スイッチングコンポーネント1301,1312の状態の異なる組み合わせは、異なるそれぞれのスイッチング状態および対応する動作フェーズをもたらす。さらに詳細に後述する通り、2つの個別の選択的に接続されたフィードバック経路をこのように使用することにより、フォトダイオード1308を指定されたバイアスに維持しつつ、キャパシタ1314がオフ期間またはアイドル期間において電荷を保持することが保証される。このようにすることで、フォトダイオード1308の寄生キャパシタンスに起因する周囲電流または暗電流の蓄積を防止できる。また、増幅器1302の出力を、当該増幅器の動作点に維持することもできる。
【0133】
例えば、第1フィードバック経路は、スイッチングコンポーネント1310と、フォトダイオード信号入力部1304と増幅器出力部1307との間に位置している接続部と、を含みうる。第2フィードバック経路は、スイッチングコンポーネント1312と、キャパシタ1314と、フォトダイオード信号入力部1304と増幅器出力1307との間に位置している接続部と、を含みうる。図中では、キャパシタ1314は単一のコンポーネントとして図示されているが、これは例示であって限定ではないことに留意されたい。キャパシタ1314は、所望の実施態様に応じて、任意の適切な数および/または構成のキャパシタの等価キャパシタンスを表現しうることに留意されたい。
【0134】
スイッチングコンポーネント1310,1312のそれぞれは、電界効果トランジスタまたは任意の適切なタイプのトランジスタなどの、任意の適切な数および/またはタイプの電子制御スイッチとして実装されてよい。このため、スイッチングコンポーネント1310,1312は、本明細書では、代替的に、「リセットスイッチ1310」および「積分スイッチ1312」とそれぞれ称される場合があり、「スイッチ」と称される場合もある。したがって、本セクションにおいてさらに詳細に説明する通り、スイッチングコンポーネント1310,1312の状態は、コントローラによって電子的に制御されうる。このように、第1スイッチングコンポーネント1310は、フォトダイオード信号入力部1304と増幅器出力部1307とを互いに直接的に接続する第1フィードバック経路を選択的に接続または遮断するように構成されている。第2スイッチングコンポーネント1312は、フォトダイオード信号入力部1304と増幅器出力部1307とを、キャパシタ1314を介して互いに接続する第2フィードバック経路を選択的に接続または遮断するように構成されている。
【0135】
この例においても、フォトサイト1300は、フォトダイオード1308に入射した光を検出することによって動作する。当該光は、蓄積された電荷の結果として、キャパシタ1314の端子間の測定電圧へと変換される。各フレーム(あるいは、他の適切なサンプリング期間)は、複数の一連のサンプリングウィンドウを含みうる。当該ウィンドウのそれぞれは、フォトダイオード1308における光パルスの受信に同期させられうる。本明細書では、これらのサンプリングウィンドウは、検出ウィンドウと称される場合もある。フォトサイト1300の集光動作時(本明細書では、代替的に「積分フェーズ」と称される場合もある)において、電荷は、それぞれの検出ウィンドウにおけるフォトダイオード発生電流に応じて、キャパシタ1314に蓄積される。しかしながら、各検出ウィンドウ間の時間(例えば、フォトサイトに由来する予め定められた検出範囲内の物体から反射される放出光パルスが、フォトダイオード1308において受信されることが期待されていない時間)は、アイドル期間として考慮される。理想的には、当該アイドル期間において、フォトダイオード発生電流はキャパシタ1314における電荷のさらなる蓄積に寄与せず、かつ、蓄積された電荷は維持され、減少しないべきである。この場合、キャパシタ1314に蓄積された電圧は、所望の入射光パルスに応じたサンプリングウィンドウのセットのそれぞれにおいて、フォトサイト読出回路1301によってキャプチャされた光の量を正確に表す。このサンプリングウィンドウも、単一フレームまたは他の適切なサンプリング期間として特定されうる。検出ウィンドウにおいて蓄積された電圧は、検出ウィンドウの全体を通じて収集された暗電流およびノイズをも表す場合がある。しかし、例えば光検出デバイス300に関して上述した通り、このような電荷の収集を少なくとも部分的に軽減することが可能である。
【0136】
以下にさらに詳細に述べる通り、この目標は、フォトサイト読出回路1301の特定のスイッチング状態およびそれぞれの動作フェーズを、検出ウィンドウのスケジュールに同期させることによって、より良好に達成される。図14A図14Dのそれぞれに示す通り、各スイッチング状態は、固有のスイッチング状態を表す。図14A図14Dに示す通り、各スイッチング状態は、スイッチングコンポーネント1310,1312のそれぞれの導電状態(例えば、「オン」または「閉(close)」対「オフ」または「開(open)」の2値の導電状態)の固有の組み合わせを表す。本明細書に記載されている通り、スイッチングコンポーネント1310,1312の異なる導電状態間の移行(遷移)は、制御装置によって制御されうる。
【0137】
例えば、図14Aに示す通り、これらの動作フェーズのうちの1つは、フォトサイト読出回路1301のリセットフェーズとして特定されている。リセットフェーズにおいて、フォトサイト読出回路1301は、リセットスイッチング状態にある。図14Aに示されているリセットスイッチング状態は、スイッチングコンポーネント1310,1312の各々が閉じられること、または短絡させられることに対応している。リセットフェーズにおいて、キャパシタ1314は、第1フィードバック経路を介して放電させられる。したがって、点Cにおける出力電圧は、所定のリセット電圧値へと初期化またはリセットされる。この所定のリセット電圧値は、例えば0ボルトなどの任意の適切な所定の電圧値であってよい。別の例として、所定のリセット電圧値は、リファレンス信号入力部1306におけるリファレンス信号によって供給されるリファレンス電圧であってもよい。リファレンス信号が電流値を表す場合、所定のリセット電圧値は、リファレンス電流の関数であってもよいし、および/または、リファレンス電流に比例する場合もある。
【0138】
言い換えれば、動作のリセットフェーズは、特定のサンプリング期間の前に(任意には、その後に)適用される。リセットフェーズは、増幅器1302の他方の入力部に供給されるリファレンス信号に従って、増幅器1302によって点Aに所定のリセット電圧値がもたらされるように、キャパシタ1314を完全に放電させるように機能する。リファレンス信号は、(例:一定、所定の、または制御可能に変更された)リファレンス電圧またはリファレンス電流を表しうる。(例えば、光検出デバイス300に関して)本明細書において述べている通り、当該リファレンス信号は、コントローラによって任意に設定されうる。リセットフェーズにおいて、点Aの電圧が(例えば、リファレンス信号に従って)維持されるように、フォトダイオード1308によって供給される任意のフォトダイオード発生電流は、増幅器1302によって補償される。
【0139】
次に、図15を参照する。図15は、本開示の実施形態に係る複数の検出ウィンドウを含むサンプリング期間における動作フェーズの例を示す。図15では、リセットフェーズがサンプリング期間(例えば、フレーム)の開始時に使用されることが示されている。したがって、図15に示されている例示的なサンプリング期間は、本明細書において説明されている単一のフレームを表しうる。図15の例におけるフレームは、簡潔化のため、3つのサンプリングウィンドウを含んでいる。ただし、特定の用途に応じて、フレームは、3より少ない数またはより多い数のいずれかの任意の適切な数(例:2~10、数十のオーダ、または数百のオーダなど)のサンプリングウィンドウを含んでいてもよいことに留意されたい。
【0140】
図15に示されているサンプリング期間は、本明細書において説明されている実施形態に従って、各動作フェーズと、複数のサンプリングウィンドウに亘りキャパシタに蓄積された付随する電荷と、を重ね合わせた3つのグラフを示す。図15を参照すると、(例えば、付随する制御信号の論理高値に応じて)グラフが高位置にある場合、スイッチングコンポーネント1310,1312が「オン」(「閉」または「導通(conductive)」とも称される)状態に設定されることが想定されている。さらに、(例えば、付随する制御信号の論理低値に応じて)グラフが低位置にある場合、スイッチングコンポーネント1310,1312が「オフ」(「オープン」、または「非導通(con-conductive)」とも称される)状態に設定されることが想定されている。したがって、上側の2つのグラフは、サンプリング期間におけるスイッチングコンポーネント1310(中段のグラフ)および1312(最も上側のグラフ)のそれぞれについて、制御信号の論理値を経時的に表している。その一方、下側のグラフは、サンプリング期間におけるキャパシタ1314の電圧の経時的な蓄積を示している。
【0141】
したがって、図15に示す通り、フォトサイト読出回路1301がサンプリング期間におけるサンプリングまたは測定を実行する前に、最初のリセットフェーズは、点Aの電圧を所定のリセット電圧値へと最初にリセットする。リセットフェーズの次の順次的(逐次的)な動作フェーズは、図14Bに示されている。図14Bの例では、フォトサイト読出回路1301は、積分スイッチング状態に設定される。任意ではあるが、フォトサイト読出回路1301は、リセットフェーズと積分フェーズとの間の移行フェーズへと切り替えられてもよいことに留意されたい。しかし、必ずしもそうでなくともよい。図14Bに示されている積分スイッチング状態は、(i)スイッチングコンポーネント1310が開放されていることにより、フォトダイオード信号入力部1304と増幅器出力部1307との間に位置している第1フィードバック経路を遮断し、かつ、(ii)スイッチングコンポーネント1312が閉じられているまたは短絡されていることにより、キャパシタ1314を介してフォトダイオード信号入力部1304と増幅器出力部1307との間に位置している第2フィードバック経路を接続すること、に対応している。この積分フェーズにおいて、積分スイッチング状態における第1フィードバック経路および第2フィードバック経路を設定することは、キャパシタ1314における電圧の蓄積をもたらす。
【0142】
図15には、複数の積分フェーズが示されている。複数の積分フェーズのそれぞれは、サンプリング期間内の異なる検出ウィンドウに対応している(例えば、同期させられている)。各検出ウィンドウにおいて、電荷は、フォトダイオード1308のフォトダイオード発生電流の結果として、キャパシタ1314において収集される。この例においても、各検出ウィンドウは、本明細書において説明されている光源によって生じた任意の適切な数の光パルスがフォトダイオード1308によって受信される期間(すなわち、当該光パルスがフォトダイオード1308に入射する期間)に同期させられてよい。本明細書において、積分フェーズおよび対応する検出ウィンドウは、フォトダイオード1308における単一の光パルスの受信に関して言及されているが、これは例示であって限定ではない。積分フェーズおよび対応する検出ウィンドウは、それぞれのフォトダイオード1308に入射する任意の適切な数の光パルス(例:短い時間スパン内に相互に出射されるパルスの凝縮列,このパルスは、システムにおいて意図されている検出範囲(例:200メートル)よりも短い)を表す場合がある。したがって、本明細書において記載している通り、各積分フェーズは、フォトサイト読出回路1301の動作の「集光」モードであると考慮されている。本明細書において記載されている通り、各光パルスの積分時間、すなわち、検出ウィンドウ時間は、コントローラによって決定されてもよい。したがって、例えば、コントローラは、光源光パルスのタイミングについての先験的な知識と、特定の実施態様に応じてキャプチャされることに利益がある距離の範囲(例えば、10mから100mまで)とを使用して、発光を開始するトリガ信号などに基づいて、フォトサイト読出回路1301の積分フェーズをこのように同期させてもよい。
【0143】
図14Cには、積分フェーズの次の順次的な動作フェーズが示されている。図14Cの例では、フォトサイト読出回路1301は、移行スイッチング状態に設定される。図14Cに示されている移行スイッチング状態は、スイッチングコンポーネント1310,1312が両方とも開放していることにより、(i)フォトダイオード信号入力部1304と増幅器出力部1307との間に位置している第1フィードバック経路を遮断するとともに、(ii)キャパシタ1314を介してフォトダイオード信号入力部1304と増幅器出力部1307との間に位置している第2フィードバック経路を遮断することに対応している。図15に示す通り、移行フェーズは、積分フェーズとホールドフェーズとの間、および/または、ホールドフェーズと積分フェーズとの間において使用されてよい。これにより、両方のフィードバック経路が同時にオンとなる状態を防止できる。その結果、所望されない場合に、キャパシタ1314の蓄積電荷が、第1フィードバック経路を介して放電させられることを防止できる(すなわち、リセットスイッチング状態の望ましくない発生を防止できる)。ホールドフェーズがそのように呼称されるのは、キャパシタ1314の蓄積電荷が、この期間において保持(ホールド)される(すなわち、維持される)からである。したがって、図15の例における最初の2つのホールドフェーズによって示されている通り、この期間は、互いに隣接する検出ウィンドウ間のホールド期間として使用されうることに留意されたい。ただし、ホールドフェーズとして特定される期間は、図15の例における最後のホールドフェーズによって示されている通り、読出回路がキャパシタ1314の電圧値を読み出す読出フェーズとして特定されてもよい。したがって、本明細書において説明されている通り、ホールドフェーズは、維持動作(すなわち、ホールド動作)または読出動作のいずれかによって特定されうる。
【0144】
図14Dには、移行フェーズの次の順次的な動作フェーズが示されている。図14Dの例では、フォトサイト読出回路1301は、ホールドスイッチング状態に設定される。図14Dに示されているホールドスイッチング状態は、(i)スイッチングコンポーネント1310が閉じられていることにより、フォトダイオード信号入力部1304と増幅器出力部1307との間に位置している第1フィードバック経路を接続し、かつ、(ii)スイッチングコンポーネント1312が開放されていることにより、キャパシタ1314を介してフォトダイオード信号入力部1304と増幅器出力部1307との間に位置している第2フィードバック経路を遮断することに対応している。図15に示す通り、ホールドフェーズは、隣接する積分フェーズの間においても使用され、読出回路が電圧値を読み出すことができるように、キャパシタ1314における積分電荷をホールドまたは維持する。このようにして読み出された電圧値は、代替的に検出信号と称される場合があることに留意されたい。さらに、積分フェーズとホールドフェーズとの間、および/または、ホールドフェーズと積分フェーズとの間の移行フェーズは、フォトサイト読出回路1301が実装される特定のシステムのトグル速度性能に応じて、時間的に非常に短い(例えば、1ナノ秒から1マイクロ秒まで)場合があることに留意されたい。ただし、必ずしもそうではない。
【0145】
図14Dのホールドフェーズについて示されているスイッチングコンポーネント1310,1312の構成は、キャパシタ1314における蓄積電荷が維持されることを保証する。フォトダイオード1308におけるほぼ一定の電圧(フォトダイオード1308の他方の端子の電圧が、一定に維持されている、あるいは、増幅器1302に供給されるリファレンス信号の変化に同期されられていると仮定する)は、第1フィードバック経路、すなわち、フォトダイオード信号入力部1304と増幅器出力部1307との直接的な接続の結果として、増幅器1302によって実現される。点Aの電圧は、(その期間におけるほぼ一定のリファレンス信号に基づく増幅器1302の動作により)ホールドフェーズにおいて、ほぼ一定に保持される。このため、フォトダイオード1308が電流(例えば、フォトダイオード1308に入射する周囲光などによる「暗電流」)を放出し続けていても、フォトダイオード1308に接続されているキャパシタ1314の端子(例えば「プレート」)における電圧も一定に維持される。このようにして、図14Dに示されている読出スイッチングの設定は、フォトダイオード1308によって放出されるいかなる追加の望ましくない電流も、キャパシタ1314における電荷のさらなる蓄積に寄与しないことを保証する。キャパシタ1314における電圧は、読み出されるか、あるいは、次の検出ウィンドウまで単に維持されるからである。
【0146】
この例においても、キャパシタ1314における電圧は、複数の一連の検出ウィンドウに亘り、フォトサイト読出回路によって収集される(例:読み出される)場合がある。このような場合、図15に示す通り、ホールドフェーズは、一連の検出ウィンドウのそれぞれの間において、キャパシタ1314における電圧を維持するように機能する。その結果、次の積分フェーズは、キャパシタ1314における電圧のさらなる蓄積または積分をもたらす。このように、ホールドスイッチング状態における第1フィードバック経路および第2フィードバック経路の設定は、フォトダイオード1308における所定のまたは一定の電圧または電流バイアス(例:ゼロバイアス、逆バイアスなど)を同時に維持するように機能する。その結果、周囲電流または暗電流が、ダイオードの寄生キャパシタンスに蓄積することを防止できる。この例においても、このことは、上述の通りリファレンス信号を使用した結果である。この例においても、リファレンス信号の使用により、増幅器1302のリファレンス信号入力部1306において、リファレンス電圧またはリファレンス電流を生じさせることができる。したがって、同時に、ホールドスイッチング状態の設定は、増幅器1302の出力をその動作点、例えば所定の電圧リファレンス値または電流リファレンス値に維持する。本明細書において述べている通り、電圧リファレンス値または電流リファレンス値は、リファレンス信号を使用して、コントローラによって設定される。
【0147】
キャパシタ1314における電圧が、より大きいサンプリング期間(例:フレーム)の終了時によって特定されるホールドフェーズにおいて読み出された場合、フォトサイト読出回路1301は、別のリセットフェーズに従って動作して、次の一連のフレームにおけるサンプリングを開始させることができる。キャパシタ1314における電圧は、フレームの最後のホールドフェーズにおいて読み出されてもよい。あるいは、任意ではあるが、当該電圧は、フレームの終了時におけるリセットフェーズの前および後の両方において読み出されてもよい。例えば、特定のフレームの終了時において、キャパシタ1314における電圧は、図14Dに示すホールドフェーズにおいて最初に読み出され、第1電圧値が得られうる。当該第1電圧値は、その特定のフレームにおける検出信号として使用されてよい。ただし、任意ではあるが、キャパシタ1314における電圧は、図14Aに示されているリセットフェーズ(移行フェーズなどの他のフェーズの後に発生してもよい)においても読み出され、第2電圧値、例えば、本明細書において説明されている0ボルトまたは所定のリファレンス電圧値が得られてもよい。このような動作によれば、これら2つの信号(すなわち、リセットフェーズの前に測定された第1電圧、および、キャパシタ1314のドレイニングの後に測定された第2電圧)の差は、関連するフレームにおいてフォトダイオード1308によってキャプチャされた光の量を示す。
【0148】
下記の表1には、フォトサイト読出回路1301の各スイッチング状態、および、対応する動作フェーズの概要が示されている。
【表1】
【0149】
様々な例を示すために、各サイクルの期間(例:フォトサイト読出回路1301の2つの読み出しの間の期間)だけでなく、表1に示されており、かつ、本明細書においてさらに詳細に説明されている上述のフェーズのいずれかの期間は、特定の用途に応じて任意の適切な期間でありうる。例えば、各サイクル間の期間は、0.01秒から0.1秒まで(この数値は、10~100フレーム毎秒にそれぞれ対応しうる)でありうる。別の例として、(例:パルス毎の)積分フェーズ期間は、(例えば所望の検出範囲に応じて)0.1マイクロ秒から2.0マイクロ秒まででありうる。さらに別の例として、移行フェーズの期間は、(例えばスイッチング技術に応じて)1ナノ秒から1,000ナノ秒まででありうる。さらに別の例として、ホールドフェーズの期間は、(例えば、所望のパルス数、レーザ発光周波数、FOV照明の考慮事項(例えば、FOV全体が同時に照明されるか、あるいは部分的に照明されるか)などに応じて)1マイクロ秒から100ミリ秒まででありうる。付加的な例として、リセットフェーズの期間は、特定のフレームレート、用途、および上述の各サイクルの期間(例えば、100ナノ秒~100マイクロ秒)に応じて、任意の適切な期間でありうる。当然ながら、表1に示されており、かつ、本明細書において説明されているフォトサイト読出回路1301の各動作フェーズの例示的な期間はいずれも、特定の用途、実装される技術などに応じて、より短くなる場合もあるし、より長くなる場合もある。
【0150】
蓄積電圧は、図15に示されている複数のホールドフェーズのいずれか1つにおいて読み出されうることに留意されたい。当該ホールドフェーズは、図14Dに示されているホールドスイッチング状態に対応している。この例においても、図15に示されているサンプリング期間は、撮像センサのフレームとして特定される複数のサンプリングウィンドウまたは検出ウィンドウを表しうる。当該撮像センサは、複数の一連のフレームにわたって動作しうる。他の例として、電荷は、複数のフレーム間の移行に関連しないタイミングに従って(例:1フレームに2回、あるいは、隣接するフォトサイトが存在している場合には、当該隣接するフォトサイトとは異なる周波数によって)、フォトサイトから読み出されてもよい。したがって、図15に示されている最後のホールドフェーズを使用して、複数のサンプリングウィンドウの期間に亘り蓄積された電圧の合計を読み取ることができる。そして、次のフレームにおけるサンプリングを実行する前に、フォトサイト読出回路1301をリセットスイッチング状態(図15では不図示)に設定し、上述の通り、キャパシタ1314に蓄積された電圧の値をゼロまたは他の所定の電圧値にリセットしてもよい。任意ではあるが、キャパシタ1314における電圧は、このリセットスイッチング状態の期間において再び読み取られてもよい。このようにして、フォトサイト1300がその一部を形成する撮像センサは、図15に示す通り、リセットスイッチング状態、積分状態、移行状態、および読出状態に従って順次的に動作することによって、一連のフレームのセットのそれぞれにおいて、キャパシタ1314における電圧を蓄積するように構成されている。
【0151】
さらに、キャパシタ1314における電圧は、フォトサイト読出回路1301の他の動作フェーズ(すなわち、スイッチング状態)の期間において、代替的にまたは追加的に読み出されてもよいことに留意されたい。例えば、図15において「電位読み出し(potential readout)」ラベルによって示されている通り、キャパシタ1314における電圧は、上述のホールドフェーズの期間に加えて、またはその期間に替えて、積分フェーズの期間において読み出されてもよい。このことは、例えば、開発、テスト、較正などの期間において、特定の検出ウィンドウ内の特定の時間に亘りキャパシタ1314に蓄積された電荷を評価するために、特に有用でありうる。
【0152】
図16は、本開示の実施形態に係る電気光学システムを示す。電気光学システム1600は、セクションIを参照して上述した光検出デバイスのうちの任意の1つ以上に由来する構成の任意の組み合わせを採用しうる。付加的または代替的には、電気光学システム1600は、本明細書において記載されている通り、任意の好適な数のフォトサイト1300(例えば、1個、2~10個、10~100個、100~10,000個、10,000~1,000,000個、1M~10M個などのフォトサイト)を備えていてよい。任意の好適な波長タイプに従って撮像を実行するために、当該フォトサイトを、電気光学システム1600によって採用される撮像センサ1601として、集合的に動作させることもできる。ある実施形態では、撮像センサ1601は、SWIR撮像センサに従って、1つ以上のフォトダイオード1308に入射する光を検出するように構成されている。このような撮像システムは、その視野内の物体の画像(例:SWIR画像)、そのFOV内の物体の3次元(three-dimensional,3D)マッピング(例:LIDARマップ、SWIR LIDARマップ)などを出力できる。
【0153】
例えば、撮像センサ1601は、任意の適切な数のフォトサイト1300を含みうる。フォトサイト1300のそれぞれは、図13に示されているフォトサイト読出回路1301と同様または同一のフォトサイト読出回路を含んでいる。したがって、撮像センサ1601は、本セクションにおいて説明されており、かつ、図13に示されているフォトサイト1300として特定されるフォトサイトの、任意の適切な数Nを含みうる。当然ながら、図16に示されているフォトサイト1300のそれぞれ、フォトサイト読出回路1301および光検出器1308を、別個のコンポーネントまたは統合されたコンポーネントとして含んでいてもよい。したがって、撮像センサ1601は、本セクションにおいて説明されているフォトサイト1300をそれぞれ含んでいる検出アレイとして特定されうる。さらに、検出アレイは、簡潔化のために図16では図示されていない他のフォトサイトを含んでいてもよい。例えば、撮像センサ1601として特定される検出アレイは、任意の適切な数のフォトサイト1300を含んでいてよい。さらに、検出アレイは、セクションIにおいて図9を参照して上述された領域604によって特定されているリファレンスフォトサイト310などの、動作中の少なくとも一部の時間において暗状態に維持される任意の適切な数のリファレンスフォトサイトを含んでいてもよい。リファレンスフォトサイトは、(例えば、暗電流に対する補償応答を実証するために)フォトサイト読出回路1301を含んでいてもよいが、必ずしもそうでなくともよい。任意ではあるが、撮像センサ1601は、(i)フォトサイト1300と、(ii)フォトサイト読出回路1301に関して説明した2つのフィードバック経路を含まない他のタイプのフォトサイトと、の両方を含んでいてもよい。
【0154】
したがって、撮像センサ1601は、任意の適切な画素数によって特定されうる。各画素は、フォトサイト1300の少なくとも1つ(場合によってはそれより多く)に対応している。さらに、単一のフォトサイト1300は、複数のフォトダイオード1308を含みうる。これらのフォトダイオード1308は、同一のタイプであってもよいし、異なるタイプであってもよい。したがって、フォトサイトは、各サンプリング期間(例:フレーム)において、「画素値」が読み出される基本単位として考慮されうる。ただし、1つの画素が複数のフォトダイオード1308を含んでいる場合もある。したがって、フォトダイオード1300と画素との間には、必ずしも1:1の関係があるとは限らない。一例として(例えば、低照度条件において)、画像画素は、隣接する2個、4個などのフォトサイト1300の出力に基づいていてもよい。複数の隣接するフォトサイトをこのようにグループ化する技術は、「ビニング(binning)」として公知である。したがって、フォトサイトのそれぞれの1300の出力は、任意の適切な数の対応するフォトダイオードに入射した光を表しうる。撮像センサ1601によって使用されるフォトサイト1300のそれぞれの出力は、個別に(例えば、異なるフレームにおいて)読み取られてもよいし、任意の適切な方法によって組み合わせられてもよい。
【0155】
例えば、簡潔化のために図16には図示していないが、電気光学システム1600は、PDD900のコンポーネントおよび/または機能のうちのいずれか、または上述のセクションIにおいて説明した他の実施形態を備えていてもよい。例えば、図13を参照して本明細書において説明したリファレンス信号は、フォトダイオード1308が属する検出アレイのリファレンスフォトサイトであって、周囲光から遮蔽されたリファレンスフォトサイトによって出力されたリファレンスフォトサイト電気信号に応じて、生成および/または決定されうる。リファレンス信号は、例えばセクションIにおいて上述した、それぞれ接続された複数のリファレンスフォトサイトから、または、他の方法で割り当てられた、複数のリファレンスフォトサイトのうちの1つから受信したリファレンス信号を使用して、任意の適切な時間において(例えば、各フレームにおいて)、フォトサイト読出回路1301のそれぞれに対して生成されうる。リファレンスフォトサイトによって生じたリファレンス信号は、温度または他の動作条件などの任意の好適な条件に基づいて、任意の好適な期間に亘り調整されうる。例えば、リファレンスフォトサイトによって生じたリファレンス信号は、ある期間(例:フレーム内の各検出ウィンドウ)においては一定の値に維持されるが、他の期間(例:一連のフレーム間)においては調整されてもよい。その結果、2つ以上の一連のフレーム間または他の適切なサンプリング期間において、リファレンス信号の大きさ(例:電流値または電圧値)を相異させることができる。
【0156】
電気光学システム1600は、光源1604をさらに含みうる。当該光源は、電気光学システム1600の視野(field of view,FoV)に対して光を出射するように構成されている。光源1604の光の一部は、FoV内の物体によって反射され、フォトサイト1300によってキャプチャされる。フォトサイト1300は、電気光学システム1600の動作時には外部光に曝される。電気光学システム1600は、このようにして撮像センサ1601によって検出された光を使用して、物体の画像または別のモデルを生成する。光源1604は、任意の適切なタイプの光源(例:パルス光源、連続光源、変調光源、LED、レーザなど)として実装されうる。光源1604の動作は、コントローラ1602によって制御されうる。当該コントローラは、本明細書においてセクションIにおいて上述したコントローラ338として実装されてもよいし、以下にさらに詳細に説明する任意の適切なタイプのコントローラとして実装されてもよい。
【0157】
本明細書において述べている通り、コントローラ1602は、フォトサイト1300のそれぞれをさらに制御してもよい。このことは、増幅器1302、増幅器1302にリファレンス信号として供給される電圧および/または電流、スイッチングコンポーネント1310,1302のスイッチング状態などを制御することを含む。コントローラ1602は、電気光学システム1600の任意の適切なコンポーネントの動作をさらに制御してもよい。コントローラ1602は、例えば、任意の適切なタイプのコントローラデバイス、マイクロコントローラ、処理回路、プロセッサ、ハードウェアコンポーネント、実行可能な命令、またはこれらの組み合わせとして実装されてよい。追加の例を示すために、コントローラ1602は、電気光学システム1600および/または撮像センサ1601の他のコンポーネント(例えば、フォトサイト1300)と同じウェハ上に作製された1つ以上のプロセッサとして実装されてもよい。別の例として、コントローラ1602は、当該ウェハに接続されたプリント回路基板(PCB)上の1つ以上のプロセッサとして実装されてもよい。
【0158】
電気光学システム1600は、フォトサイト1300によって出力された検出信号(例:累積電圧)を処理するように構成されたプロセッサ1608をさらに含んでいてもよい。当該処理は、例えば、信号処理、画像処理、分光分析などを含みうる。任意ではあるが、プロセッサ1608による処理結果は、コントローラ1602(または別のコントローラ)の動作を修正するために使用されてよい。任意ではあるが、コントローラ1602およびプロセッサ1608は、単一の処理ユニットとして実装されてもよい。
【0159】
電気光学システム1600は、メモリ1610を含んでいてもよい。当該メモリは、任意の適切なサイズおよびタイプ(例:不揮発性メモリ、RAMなど)であってよい。電気光学システム1600は、プロセッサ1608の処理結果を、外部システム(例:遠隔サーバ、または電気光学システム1600が搭載された車両の車両コンピュータなど)のために、通信回路1612を介して、メモリ1610に(例えば、保存または後の検索のために)格納してもよい。付加的または代替的には、メモリ1610に格納された処理結果は、表示のためにディスプレイ1614に送信されてもよい。当該ディスプレイは、画像または他のタイプの結果(例:グラフ、分光器のテキスト結果)を表示しうる。当該処理結果は、他のタイプの出力インターフェース(例:不図示のスピーカ)などに送信されてもよい。任意ではあるが、フォトサイト1300からの信号は、例えば、撮像センサ1601の状態(例:操作性、温度)を評価するために、プロセッサ1608によって処理されてもよいことに留意されたい。
【0160】
電気光学システム1600は、電源1616(例:バッテリ、AC電源アダプタ、DC電源アダプタなど)を含んでいてもよい。電源1616は、フォトサイト1300または電気光学システム1600の他のコンポーネントに電力を供給できる。
【0161】
電気光学システム1600は、光学系1620を含んでいてもよい。当該光学系は、光源1604の光をFOVへと導く、および/または、FOVからの光をフォトサイト1300へと導く。当該光学系は、例えば、レンズ、ミラー(固定式または可動式)、プリズム、フィルタなどを含みうる。
【0162】
電気光学システム1600は、リファレンス信号発生回路1640を含んでいてもよい。リファレンス信号発生回路1640は、1つ以上のフォトサイト1300に接続されていてよい。リファレンス信号発生回路1640は、セクションIを参照して上述した制御電圧発生回路340として実装されてもよい。あるいは、リファレンス信号発生回路1640は、撮像センサ1601を構成する1つ以上のフォトサイト1300の増幅器1302のリファレンス信号入力部1306にリファレンス電流信号またはリファレンス電圧信号を供給するために、任意の適切な数および/またはタイプのハードウェアコンポーネントによって実装されてもよい。例えば、リファレンス信号発生回路1640は、任意の適切なタイプの電圧制御および/または電流制御の電圧源または電流源(例:VCCS、CCCS、CCVS、VCVSなど)として実装されてもよい。別の例として、上述の通り、リファレンス信号発生回路1640は、検出アレイのリファレンスフォトサイトによって出力されるリファレンスフォトサイト電気信号に応じたリファレンス信号を発生させてもよい。この例においても、リファレンス信号は、特定のサンプリング期間(例:あるフレーム内の各検出ウィンドウ)において、同じ電圧レベルまたは電流レベルに維持される電圧信号または電流信号でありうる。ただし、リファレンス信号は、他の期間(例:複数のフレーム間)において調整されてもよい。リファレンス信号は、周囲光レベル、温度などの特定の動作条件に基づいて特定の時間において選択される特性(例:電流または電圧の大きさ)を有するように生成されうる。リファレンス信号発生回路1640は、コントローラ1602によって制御されてもよい。
【0163】
電気光学システム1600は、読出回路1640を含んでいてもよい。読出回路1640は、セクションIを参照して上述した読出回路610として実装されてもよい。あるいは、読出回路1640は、フォトサイト1300から検出信号(例:蓄積電圧)を読み出すために、さらなる処理のために(例:画像処理を目的としてノイズを低減するために)検出信号をコントローラ1602および/またはプロセッサ1608に供給するため、検出信号をメモリ1610に格納するために、または任意の他の適切な目的のために、任意の適切な数および/またはタイプのハードウェアコンポーネントによって実装されてもよい。
【0164】
例えば、読出回路1650は、さらなる処理、格納、またはその他の動作のために読出値を供給する前に、異なるフォトサイト1300の読出値(例えば、蓄積された電圧値)を順次的に(例えば、1つ以上のプロセッサ1608による何らかの処理の後に)一時的に配列させることができる。読出回路1650は、電気光学システム1600の他のコンポーネント(例:フォトサイト1300)と同じウェハ上に作製された1つ以上のコンポーネントとして実装されてよい。任意ではあるが、読出回路1650は、当該ウェハに接続されたプリント回路基板(PCB)上の1つ以上のコンポーネントとして実装されてもよい。読出回路1650などの読出回路は、上記のセクションIにおいて説明されている光検出デバイス(例:PDD300、700、800、および900)のいずれかに実装されてもよいことに留意されたい。読出回路1650は、マイクロコントローラ、処理回路、プロセッサ、ハードウェアコンポーネント、実行可能な命令、またはこれらの組み合わせとして実装されてもよい。
【0165】
例えば、読出回路1650は、検出信号をデジタル化するアナログ信号処理のために、1つ以上のアナログ・トゥ・デジタルコンバータ(analog-to-digital converter,ADC)および/またはコンポーネントを含みうる。付加的または代替的に、読出回路1650は、重み付け(増幅)、オフセット、および/またはビニング(2つ以上のフォトサイト1300から到来した出力信号の結合)を実行してもよい。検出信号のデジタル化は、電気光学システム1600において実施されてもよい。あるいは、読出回路1650は、電気光学システム1600の外部にあってもよい。この場合、当該読出回路は、本明細書において説明されている機能と同じ機能を実行しうる。
【0166】
この例においても、撮像センサ1601は、上述の通り、任意の適切な数のフォトサイト読出回路1301を含みうる。撮像センサ1601のフォトサイト読出回路1301のそれぞれは、より大きい全体的なサンプリング期間(例:フレーム)における各サンプリングウィンドウにおいて、それぞれのキャパシタ1314に電圧を蓄積させることができる。本明細書においてさらに詳細に説明されている通り、コントローラ1602は、例えば、撮像センサ1601のフォトサイト1300のそれぞれのスイッチング状態、または、行もしくは列などの組織化されたサブセットのスイッチング状態を制御できる。さらに、読出回路1650は、撮像センサ1601によって実装されているフォトサイト1300およびそれぞれのフォトサイト読出回路1301のそれぞれに接続されうる。したがって、本明細書において説明されている通り、読出回路1650は、任意のホールドフェーズにおいて、フォトサイト読出回路1301のそれぞれのキャパシタ1314における電圧の蓄積を測定するように構成されている。
【0167】
いずれの場合においても、任意ではあるが、コントローラ1602は、各サンプリングウィンドウに対して、および/または、一連のサンプリング期間(例:一連のフレーム)に対して、撮像センサ1601のフォトサイト1300の任意の適切な部分のスイッチング状態を同期させるように機能しうる。この同期は、図15を参照して上述した方法と同様の方法によって、すなわち、図15に示す通り、リセットスイッチング状態、積分状態、移行状態、および読出状態に従って、フォトサイト1300のセットの各1つ(例:行、列など)を順次的に動作させることによって、撮像センサ1601のフォトサイト1300のそれぞれを制御するように機能しうる。このことを実現するために、コントローラ1602は、撮像センサ1601によって実装されているそれぞれのフォトサイト1300に関して特定されるスイッチのそれぞれのセット(例:1310,1312)を制御するように構成されうる。この場合、フォトサイト読出回路1301の全体またはその所定のグループ(例:行、列など)のスイッチング状態動作を、互いに同期させることができる。例えば、コントローラ1602は、フォトサイト読出回路1301の全体またはその所定のグループ(例:行、列など)のスイッチング状態を制御してもよい。この場合、フォトサイト読出回路1301のそれぞれを、リセットフェーズ、統合フェーズ、移行フェーズ、および/またはホールドフェーズに従って、互いに同時に動作させることができる。
【0168】
したがって、コントローラ1602は、特定の用途に基づく任意の適切なパターン、スケジュールなどに従って、撮像センサ1601によって実装される読出回路1301のそれぞれのスイッチング状態を制御してよい。例えば、コントローラ1602は、ライン単位(例:行単位または列単位)のリセット、露光、および読出シーケンスを容易化するために、撮像センサ1601によって実装されている読出回路1301のそれぞれのタイミングを制御してよい。このことは、ローリングシャッタに従う撮像センサ1601の実装の一部として採用されうる。別の例として、コントローラ1602は、グローバルリセットおよび積分シーケンスを使用して、撮像センサ1601によって実装されている読出回路1301のそれぞれを制御してもよい。この場合、読出回路1301のそれぞれのスイッチング状態は、互いに同期化されうる。ただし、フォトサイト読出回路1301のそれぞれのキャパシタにおける測定電圧は、ライン単位(例:行単位または列単位)で読み出されうる。このことは、グローバルシャッタに従う撮像センサ1601の実装の一部として採用されうる。
【0169】
図17は、本開示の例に係るプロセスフローを示す。図17を参照すると、プロセスフロー1700は、1つ以上のプロセッサ(処理回路)および/またはストレージデバイスによって実行される、および/または、他の方法によって関連付けられるコンピュータ実装方法であってよい。これらのプロセッサおよび/またはストレージデバイスは、電気光学デバイスとして特定される1つ以上のコンピューティングコンポーネント(例:図16に示されている電気光学デバイス1600の1つ以上のコンポーネント、例えば、コントローラ1602、読出回路1650、プロセッサ1608など)と関連付けられうる。任意ではあるが、プロセスフロー1700は、専用のハードウェアを使用することによって、および/または、適切なメモリまたは他のストレージデバイス(例:メモリ1610)に格納された実行可能な命令を読み出すことによって、1つ以上の当該コンポーネントによって実行されてもよい。フロー1700の様々なプロセスは、図16に示されている電気光学装置1600のコンポーネントと、または不図示の他のデバイスの他の適切なコンポーネントのうちの1つ以上とにおいて、組み合わせて実行されてもよいし、および/または共有して実行されてもよい。
【0170】
マシン可読命令または他の適切な命令を実行する場合、本明細書において説明されている1つ以上のコンポーネントは、不図示の他のコンピュータ可読記憶媒体に格納されている命令(ローカルに格納された命令であってもよく、および/または、処理回路自体の一部であってもよい)を実行してもよい。プロセスフロー1700は、簡潔化のために図17には図示されていない代替的または付加的なステップを含んでいてもよいし、図17に示されている順序とは異なる順序で実行されてもよい。
【0171】
フロー1700は、例えば、フォトダイオード信号入力部(例:フォトダイオード信号入力部1304)と、リファレンス信号入力部(例:リファレンス信号入力部1306)と、増幅器出力部(例:増幅器出力部1307)とを有する増幅器(例:増幅器1302)を含むフォトサイト読出回路(例:フォトサイト読出回路1301)を含むセンサ(例:撮像センサ1601)を動作させる方法を表しうる。
【0172】
プロセスフロー1700は、複数の光パルスを発生させるために光源の起動(アクティベーション)を制御すること(ブロック1701)を含みうる。このことは、例えば、本明細書において説明されている通り、コントローラ1602が、任意の適切な波長の複数の光パルスを発生させるように光源1604を制御することを含みうる。さらに後述する通り、この態様における光パルスの発生およびタイミングは、図17に示すプロセスフロー1700の他のアクトと並列的に制御されてもよいし、および/または、当該他のアクトと同期して制御されてもよい。
【0173】
プロセスフロー1700は、フォトダイオード信号入力部と増幅器出力部とを接続する第1フィードバック経路を選択的に接続または遮断し、かつ、キャパシタを介してフォトダイオード信号入力部を増幅器出力部に接続する第2フィードバック経路を選択的に接続または遮断するように、複数のスイッチを制御すること(ブロック1702A)を含みうる。このことは、例えば、図13を参照して上述した通り、コントローラ1602が、1つ以上の電気制御信号によってスイッチングコンポーネント1310,1312の状態を制御することを含みうる。第1フィードバック経路は、フォトダイオード信号入力部1304と増幅器出力部1307との、(キャパシタ1314を含まない)直接的な接続を表しうる。第2フィードバック経路は、フォトダイオード信号入力部1304と増幅器出力部1307との、キャプチャ1314を含む接続を表しうる。本明細書において説明されており、かつ、以下にさらに説明されている通り、複数のスイッチを制御する例は、図15に示されている対応する動作フェーズに従って動作するように、フォトサイト読出回路1301を、図14A図14Dに示されている様々なスイッチング状態に設定することを含みうる。
【0174】
プロセスフロー1700は、第1スイッチング状態に対応する第1フェーズの期間において、キャパシタ1314への電圧の蓄積をもたらすフォトダイオード発生電流を取得すること(ブロック1704)をさらに含みうる。本明細書において記載している通り、フォトダイオード発生電流は、撮像センサ1601の一部を形成するフォトダイオード読出回路1301のうちの1つ以上によって取得されうる。例えば、この第1スイッチング状態は、図14Bに示されている積分フェーズに対応しうる。当該積分フェーズでは、第1フィードバック経路が遮断されており、かつ、第2フィードバック経路が接続されている。
【0175】
さらに、上述した通り、撮像センサ1601のフォトサイト読出回路1301のそれぞれは、例えばフレームなどの全体的により大きいサンプリング期間において、一連の検出ウィンドウに亘りサンプリングを実行するように構成されていてもよい。プロセスフロー1700は、サンプリング期間(例:フレーム)が終了したか否かの判定(ブロック1706)を含みうる。そうではない(終了していない)場合、フロー1700は、複数のスイッチを制御するアクト(ブロック1702A)を繰り返してもよい。このことは、例えば、フォトサイト読出回路1301を、移行スイッチング状態、ホールドスイッチング状態、および隣接する検出ウィンドウ間の別の移行スイッチング状態に設定し、次いで、図15を参照して上述した通り、フォトダイオード発生電流を次の検出ウィンドウに対応する積分フェーズの期間において受信し続ける(ブロック1704)ために、フォトサイト読出回路1301を積分スイッチング状態に設定することを含んでいてもよい。したがって、ブロック1702A、1704、および1706は、任意の適切な数の一連の検出ウィンドウについて繰り返されてよい。
【0176】
このように、個別の検出ウィンドウのセットのそれぞれにおいて、フォトサイト読出回路1301がキャパシタ1314に電圧を蓄積させるように、撮像センサ1601は、(例:コントローラ1602によって)動作させられうる。それゆえ、図15に示す通り、フォトサイト読出回路1301は、個別の検出ウィンドウの設定されたシーケンスの互いに隣接するそれぞれ(例:あるセット)の間において、ホールドスイッチング状態に設定されうる。本明細書において述べている通り、検出ウィンドウのシーケンスのそれぞれは、複数の光パルスのうちの1つ以上の反射がフォトダイオード1308に入射するサンプリング期間に対応しうる。したがって、上述の通り光源を制御して光パルスを発生させるアクト(ブロック1701)は、センサ1601に関連する所定の検出範囲に基づいて、光パルスの発生を、リセットフェーズ、積分フェーズ、移行フェーズ、およびホールドフェーズのそれぞれに同期させることを含みうる。例えば、ターゲット物体についての所定の範囲(例:最大範囲)の知識を使用して、光がフォトサイト1308に到達すると予想される時間が、1つ以上のそれぞれの光パルスが発生した時間から計算されうる。当該時間は、積分フェーズにおけるフォトサイト読出回路1301の動作の基礎として使用されうる。一例として、この計算は、下記の式1、
式1: T=2(d/v)
によって表される。
【0177】
式1において、Tは、それぞれの光パルスがフォトサイト1308に到達するまでの時間を表す。dは、フォトダイオード1308と検出すべきターゲット物体との間の所望の所定の範囲を表す。vは、空気中または関連する媒体中の光速を表す。定数である2は、ターゲット物体に向けて移動し、次いで、反射によってフォトダイオード1308へと戻る光に由来して使用されている。
【0178】
一方、サンプリング期間(例:フレーム)が終了した場合(ブロック1706における「Y」)、複数のスイッチを制御する別のアクト(ブロック1702A)が実行される。しかしながら、この場合、フォトサイト読出回路1301は、キャパシタ1314における電圧の蓄積を測定(ブロック1708)する前に、移行スイッチング状態およびホールドスイッチング状態に設定されてもよい。したがって、測定(ブロック1708)は、第2スイッチング状態に対応する第2フェーズの期間において、キャパシタ1314に電圧を蓄積させることを含みうる。蓄積電圧は、例えば、図13に示されているフォトサイト読出回路1301の点Cにおける電圧を含みうる。第2スイッチング状態は、例えば、図14Dに示されているホールドフェーズに対応しうる。当該ホールドフェーズでは、第1フィードバック経路は接続されており、かつ、第2フィードバック経路は遮断されている。この例においても、上述の通り、測定時において(ブロック1708)、第1フィードバック経路を接続することは、フォトダイオード信号入力部1304におけるバイアス電圧を一定の電圧レベルに維持しつつ、キャパシタ1314における電圧の蓄積を維持する。
【0179】
いずれの例においても、測定(ブロック1708)が完了すると、複数のスイッチを制御する別のアクト(ブロック1702A)が実行される。しかしながら、この場合、フォトサイト読出回路1301は、第1フィードバック経路および第2フィードバック経路の両方が接続されるリセットスイッチング状態に設定される(任意ではあるが、直接的にリセットスイッチング状態に設定される)前に、移行スイッチング状態およびホールドスイッチング状態に設定されてもよい。この例においても、このリセットスイッチング状態は、キャパシタにおける電圧が0ボルトまたは他の適切な電圧値へとリセットされることに対応しうる。このリセットスイッチング状態は、次のサンプリング期間(例:次のフレーム)に対応しうる。したがって、ブロック1702A、1704、1706、1702B、および1708は、任意の適切な数の一連のサンプリング期間(例:フレーム)について繰り返されてもよい。このように、センサ1601は、リセットフェーズ、積分フェーズ、移行フェーズ、およびホールドフェーズに従って順次的に動作して、一連のフレームのセットのそれぞれにおいて、キャパシタ1314における蓄積電圧を測定できる。
【0180】
したがって、ホールドフェーズの期間においてキャパシタ1314における蓄積電圧を測定するアクト(ブロック1708)は、一連のフレームのセットに含まれる特定のフレームの終了時における、キャパシタ1314への電圧の蓄積を測定することを表しうる。この測定は、リセットフェーズの後に発生する別の測定(不図示)を含みうる。この場合、フレームの終了時におけるキャパシタ1314における電圧は、0ボルトまたは他の所定の値へとリセットされる。すなわち、図17には1つの測定ブロック(1708)のみが示されているが、上述の通り、測定は、2つの個別の測定を含んでいてもよい。一方の測定は、例えば、ホールドフェーズの期間(例:フレームの終了時)における測定である。他方の測定は、リセットフェーズの期間(例:次の一連のフレームが開始する前)における測定である。この場合、2つの読出検出信号間の差が測定値として使用される。当該測定値は、一連の検出ウィンドウにおける(ただし、複数の検出ウィンドウの間ではない)、フォトダイオードに入射する検出可能な光の量を示すことに留意されたい。したがって、特定のフレームにおけるキャパシタ1314における蓄積電圧の測定値は、ホールドフェーズの期間におけるキャパシタ1314における電圧の蓄積量と、リセットフェーズの期間におけるキャパシタ1314における電圧の蓄積量と、の差を使用して決定されてもよい。この例においても、当該差は、その特定のフレームの期間においてフォトサイト読出回路1301によってキャプチャされた光の量を示す。当然ながら、キャパシタ1314における蓄積電圧の測定(ブロック1708)は、各フレームの終了時のみに限定されない。図15における電位読出期間によって示されている通り、蓄積電圧の測定値は、任意のホールドフェーズの期間において読み出されてもよい。
【0181】
図18は、本開示の1つ以上の実施形態に係るプロセスフローを示す。図18を参照すると、プロセスフロー1800は、1つ以上のプロセッサ(処理回路)および/またはストレージデバイスによって実行されてよく、および/または、他の方法によって関連付けられるコンピュータ実装方法であってよい。これらのプロセッサおよび/またはストレージデバイスは、電気光学デバイスとして特定されている1つ以上のコンピューティングコンポーネント(例:図16に示されている電気光学デバイス1600の1つ以上のコンポーネント、例えば、コントローラ1602、読出回路1650、プロセッサ1608など)と関連付けられていてよい。任意ではあるが、プロセスフロー1800は、専用のハードウェアを使用して、および/または、適切なメモリまたは他のストレージデバイス(例:メモリ1610)に格納された実行可能命令を読み取ることによって、1つ以上の当該コンポーネントによって実行されうる。プロセスフロー1800の様々なプロセスは、図16に示されている電気光学デバイス1600のコンポーネントのうちの1つ以上と、または、不図示の他のデバイスの他の適切なコンポーネントとで、組み合わせて実行されてもよいし、および/または、共有して実行されてもよい。プロセスフロー1800の様々なプロセスは、図13に示されているフォトサイト読出回路1301のコンポーネントのうちの1つ以上と、または、不図示の他のデバイスの他の好適なコンポーネントとで、組み合わせて実行されてもよいし、および/または、共有して実行されてもよい。
【0182】
マシン可読命令または他の適切な命令を実行する場合、本明細書において説明されている1つ以上のコンポーネントは、不図示の他のコンピュータ可読記憶媒体に格納されている命令(ローカルに格納されている命令であってもよいし、および/または、処理回路自体の一部であってもよい)を実行してもよい。プロセスフロー1800は、簡潔化のために図18には図示されていない代替的または付加的なステップを含んでいてもよいし、図18に示されているステップの順序とは異なる順序によって実行されてもよい。
【0183】
フロー1800は、例えば、1つ以上のフォトダイオード(例:フォトダイオード1308)によって収集された光を検出するための方法を表しうる。フロー1800は、例えば、図13を参照して本セクションにおいて図示および説明されているフォトサイト読出回路1301に関連しうる。
【0184】
プロセスフロー1800は、複数の光パルスを発生させるために光源の起動を制御すること(ブロック1801)を含みうる。このことは、例えば、本明細書において説明されている通り、コントローラ1602が、任意の適切な波長の複数の光パルスを発生させるように光源1604を制御することを含みうる。さらに後述する通り、この態様における光パルスの発生およびタイミングは、図18に示すプロセスフロー1800の他のアクトと並列的に制御されてもよいし、および/または、同期して制御されてもよい。
【0185】
フロー1800は、フォトダイオードによって生じたフォトダイオード発生電流を増幅器(例:増幅器1302)の第1入力部(例:フォトダイオード信号入力部1304)に連続的に供給しつつ、当該増幅器の第2入力部(例:リファレンス信号入力部1306)にリファレンス信号を供給すること(ブロック1802)を含みうる。図18に示されているプロセスフロー1800を構成する様々なブロックは、フォトダイオード発生電流を連続的に供給することと同時に発生してもよいし(すなわち、ステージ1804、1806、1808、1810、1812、および1814のうちの1つ以上の任意の組み合わせは、ステージ1802の実行と同時に実行されてもよい)、図示されている通りの順序で発生してもよいし、あるいは、任意の他の適切な順序で発生してもよい。
【0186】
プロセスフロー1800は、第1検出期間におけるフォトダイオード発生電流の積分に対応する第1電荷をキャパシタ(例:キャパシタ1314)において収集するために、第1検出期間において、当該キャパシタを介して増幅器の増幅器出力部(例:増幅器出力部1307)とフォトダイオード信号入力部との間に位置している第2フィードバック経路を接続すること(ブロック1804)を含みうる。例えば、この第1検出期間は、積分フェーズおよび対応するスイッチング状態に従って動作するフォトダイオード読出回路1302(図14Bに示されている)に対応する検出ウィンドウを含みうる。本明細書において説明されている通り、第1検出期間は、(例えば、コントローラ1602によって)、ターゲットに向けての1つ以上の第1光パルスの出射(例えば、光源1604による)に同期させられていてもよい(例:第1検出期間に対応する1つ以上の第1光パルス)。
【0187】
フロー1800は、例えば、キャパシタにおける第1電荷の収集(ブロック1804)の後に、第1アイドル期間において、第2フィードバック経路を遮断し(ブロック1806)、キャパシタを含まない第1フィードバック経路を介して増幅器出力部をフォトダイオード信号入力部に接続すること(ブロック1086)を含みうる。この第1アイドル期間は、例えば、図14Dに示されている通り、ホールドフェーズおよび対応するスイッチング状態に従ってフォトダイオード読出回路1302が動作することに対応しうる。
【0188】
フロー1800は、第1アイドル期間の後に、第2検出期間におけるフォトダイオード発生電流の積分に対応する第2電荷をキャパシタに収集するために、第2検出期間において、第2フィードバック経路を接続すること(ブロック1808)を含みうる。この第2検出期間は、例えば、図14Bに示されるように、次の積分フェーズおよび対応するスイッチング状態に従って動作するフォトダイオード読出回路1302(図14Bに示されている)に対応する次の一連の検出ウィンドウを含みうる。例えば、図15に示す通り、第1検出期間は、複数の積分フェーズのうちの1つに対応していてよい。その一方、第2検出期間は、サンプリング期間内の後続の(例:隣接しているまたは次の)積分フェーズに対応しうる。本明細書において説明されている通り、第2検出期間は、(例えば、コントローラ1602によって)、ターゲットに向けての少なくとも1つの第2光パルスの出射(例えば、光源1604による)に同期させられていてもよい(例:第2検出期間に対応する少なくとも1つの第2光パルス)。したがって、第1電荷および第2電荷はそれぞれ、少なくとも1つの第1光パルスの光および少なくとも1つの第2光パルスの光がそれぞれターゲットから反射されてフォトダイオード1308に入射した結果としての、フォトダイオード発生電流に起因する電荷の蓄積に対応しうる。
【0189】
フロー1800は、キャパシタにおいて第2電荷を収集した後、第2アイドル期間において、第2フィードバック経路を遮断し(ブロック1810)、第1フィードバック経路を介して増幅器出力部をフォトダイオード信号入力部に接続すること(ブロック1810)を含みうる。この第2アイドル期間は、例えば、図14Dに示されている通り、フォトダイオード読出回路1302が次のホールドフェーズおよび対応するスイッチング状態に従って動作することに対応しうる。例えば、第1アイドル期間は、図15に示されている複数のホールドフェーズのうちの1つに対応している。その一方、第2アイドル期間は、サンプリング期間内の後続の(例:隣接している、次の、あるいは、いくぶん後の)ホールドフェーズに対応しうる。
【0190】
第1アイドル期間において、および、第2アイドル期間において、第2フィードバック経路を遮断するアクト(ブロック1806,1810)は、キャパシタ1314をフォトダイオード発生電流から遮断することを含みうる。このようにすることで、ホールドフェーズは、第1アイドル期間および第2アイドル期間において、フォトダイオード発生電流に起因するキャパシタ1314の飽和を防止するようにも機能しうる。さらに、本明細書において説明されている通り、第1アイドル期間において、および、第2アイドル期間において、第1フィードバック経路を介して増幅器出力部をフォトダイオード信号入力部に接続すること(ブロック1806,1810)は、第1アイドル期間および第2アイドル期間のそれぞれにおいて(例えば、2つのホールドフェーズにおいて)、フォトダイオード1308における動作バイアスを維持する。
【0191】
フロー1800は、第2アイドル期間において、第1電荷と第2電荷との和に対応する大きさを有する第1電気信号をキャパシタからサンプリングするために、キャパシタを読出回路に接続すること(ブロック1812)を含みうる。この接続部は、例えば、ブロック1810について上述した通り、次のホールドフェーズに従って動作するフォトダイオード読出回路1301を含みうる。さらに、この接続部は、この次のホールドフェーズの期間におけるキャパシタ1314の電圧を表す電気信号を測定する読出回路(例:読出回路1650)を含みうる。一連の検出ウィンドウ間における動作の移行フェーズおよびホールドフェーズは、キャパシタ1314に蓄積された電荷が減少しないことを保証する。このため、次のホールドフェーズの期間において測定されるキャパシタ1314における電圧は、直近のリセットフェーズ以降の全ての以前の検出ウィンドウにおいてキャパシタ1314に蓄積された電圧の和または集約を表す。
【0192】
フロー1800は、例えば、第1検出期間および第2検出期間においてフォトダイオードに入射した光の量を、第1電気信号に基づいて決定すること(ブロック1814)を含みうる。この例においても、キャパシタ1314に蓄積された電荷は、隣接する検出ウィンドウの間において減少しない。このため、第1電気信号は、前の検出ウィンドウ(例:前の積分フェーズ)の期間においてフォトダイオード1308に入射した光の総量の集約を表す(例えば、第1電気信号は、当該総量に比例するか、あるいは、当該総量についての予め決定されている関数となる)。
【0193】
この例においても、図15を参照して上述した通り、フォトサイト読出回路1301は、より大きいサンプリング期間(例:フレーム)の一部を構成しうる複数の検出ウィンドウに亘り、積分フェーズと移行フェーズとホールドフェーズとの間で順次に交互に動作するプロセスを繰り返しうる。さらに、フォトサイト読出回路1301は、当該サンプリング期間の終了時にリセットフェーズに設定されてもよい。したがって、簡潔化のために図18には図示されていないが、フロー1800は、第2アイドル期間の後に、キャパシタ1314の第1端子をキャパシタ1314の第2端子に電気的に接続することにより、キャパシタ1314に印加される電圧を枯渇させることをさらに含みうる。このことは、例えば、図14Aに示されている通り、リセットスイッチング状態の期間においてスイッチング素子1310を閉じることによって、実現されうる。
【0194】
さらに、簡潔化のために図18には図示されていないが、プロセスフロー1800は、第1端子と第2端子とが接続されているときのキャパシタ1314の少なくとも1つの端子の電圧を示す第2電気信号を、読出回路(例:読出回路1650)によってサンプリングすることをさらに含みうる。言い換えれば、読出回路1650は、電圧が0ボルトまたは他の所定の電圧値にリセットされるべきリセットスイッチング状態の期間における電圧レベルを読み出してもよい。そのようにすることにより、読出回路1650は、光がフォトダイオード1308に入射していないときに、キャパシタ1314に蓄積された電圧の「ベースライン」を測定することが可能になる。したがって、第1検出期間および第2検出期間においてフォトダイオードに入射した光の量を決定するアクト(ブロック1814)は、第2アイドル期間(すなわち、ホールドフェーズ)において測定された第1電気信号と、第2アイドル期間の後に(例:リセットフェーズの期間において)測定された第2電気信号との間の差をとることによって、第2電気信号にさらに基づきうる。
【0195】
この例においても、本明細書において言及されている検出ウィンドウは、より長いサンプリング期間(例:フレーム)の一部を構成する場合がある。本明細書において、当該フレームは、代替的に検出フレームと称される場合もある。したがって、プロセスフロー1800は、各検出フレームについて繰り返されてもよい。このことは、例えば、ブロック1802~1814を実行して、(i)第1検出フレームにおいてフォトダイオード1308に入射した光の第1量を決定すること、(ii)第1検出フレームよりも後の第2検出フレームにおいてフォトダイオード1308に入射した光の第2量を決定すること、(iii)第1検出フレームよりも後の第3検出フレームにおいてフォトダイオード1308に入射した光の第3量を決定すること、などを含みうる。
【0196】
プロセスフロー1800は、この繰り返されるプロセスの一部として、第1フレームにおいて、図16に関して上述した通り、フォトダイオードが属する検出アレイのリファレンスフォトサイトであって、周囲光から遮蔽されているリファレンスフォトサイトによって出力される第1リファレンスフォトサイト電気信号に応じて定められる第1リファレンス信号を、増幅器(例:増幅器1302)の第2入力部(例:リファレンス信号入力部1306)に供給することをさらに含みうる。そして、後続する第2フレームにおいて、異なる第2リファレンス信号が第2入力部に供給されてもよい。第2リファレンス信号は、リファレンスフォトサイトによって出力される第2リファレンスフォトサイト電気信号に応じて定められる。そして、後続する第3フレームにおいて、異なる第3リファレンス信号が第2入力部に供給されてもよい。第3リファレンス信号は、リファレンスフォトサイトによって出力される第3リファレンスフォトサイト電気信号に応じて定められる。本明細書において記載されている通り、このプロセスは、温度または他の動作条件に基づいて、リファレンス信号発生回路1640に異なるリファレンス信号を供給させるために、コントローラ1602によって実行されてもよい。このプロセスは、一連のフレームに亘り、任意の適切な数だけ繰り返されてもよい。この場合、本明細書において記載されている通り、リファレンス信号はフレームごとに調整される。
【0197】
(複数の例)
下記の複数の例は、現在開示されている主題の様々な態様に関する。
【0198】
例1.
光検出デバイスは、アクティブフォトダイオードを含むアクティブフォトサイトと、リファレンスフォトダイオードを含むリファレンスフォトサイトと、電圧制御電流源または電圧制御電流シンクを含む第1電圧制御電流回路と、制御電圧発生回路と、を備えている。第1電圧制御電流回路は、アクティブフォトダイオードに接続されている。制御電圧発生回路は、アクティブ電圧制御電流回路およびリファレンスフォトサイトに接続されている。制御電圧発生回路は、リファレンスフォトダイオードの暗電流に応じた電圧レベルを有する制御電圧を、電圧制御電流回路に供給するために使用される。これにより、アクティブフォトダイオードの暗電流がアクティブフォトサイトの出力に及ぼす影響を低減できる。
【0199】
例2.
上記例1の光検出デバイスにおいて、制御電圧発生回路は、制御電圧を供給するための増幅器を含んでいる。
【0200】
例3.
上記例1~例2の任意の組み合わせの光検出デバイスにおいて、当該光検出デバイスは、電圧制御電流源または電圧制御電流シンクを含むリファレンス電圧制御電流回路を備えており、リファレンス電圧制御電流回路は、リファレンスフォトダイオードに接続されている。増幅器の第1入力部には、第1入力電圧が供給される。増幅器の第2入力部は、リファレンスフォトダイオードとリファレンス電圧制御電流回路とに電気的に接続されている。
【0201】
例4.
上記例1~例3の任意の組み合わせの光検出デバイスにおいて、第1電圧制御電流回路およびリファレンス電圧制御電流回路は、増幅器の出力部に接続されている。増幅器は、リファレンス電圧制御回路の出力と第1入力電圧との差を連続的に減少させることによって、制御電圧を発生させる。
【0202】
例5.
上記例1~例4の任意の組み合わせの光検出デバイスにおいて、当該光検出デバイスは、複数のアクティブフォトサイトと、複数のリファレンスフォトサイトと、複数の第1電圧制御電流回路と、および複数のリファレンス電圧制御電流回路と、を備えている。複数のアクティブフォトサイトのそれぞれは、アクティブフォトダイオードを含んでいる。複数のリファレンスフォトサイトのそれぞれは、複数のリファレンスフォトダイオードを含んでいる。複数の第1電圧制御電流回路のそれぞれは、複数のアクティブフォトダイオードのうちの少なくとも1つに接続されている。複数のリファレンス電圧制御電流回路のそれぞれは、複数のリファレンスフォトダイオードのうちの少なくとも1つに接続されている。増幅器の第2入力部は、複数のリファレンスフォトダイオードのそれぞれに電気的に接続されている。制御電圧は、複数の第1電圧制御電流回路のそれぞれに供給される。
【0203】
例6.
上記例1~例5の任意の組み合わせの光検出デバイスにおいて、異なるアクティブフォトダイオードは、異なるレベルの暗電流を同時に発生させ、異なるリファレンスフォトダイオードは、異なるレベルの暗電流を同時に発生させ、制御電圧発生回路は、リファレンスフォトダイオードの異なる暗電流の平均化に基づいて、異なるアクティブフォトダイオードに同じ制御電圧を供給する。
【0204】
例7.
上記例1~例6の任意の組み合わせの光検出デバイスにおいて、当該光検出デバイスは、複数の第1電圧制御電流回路を備えている。複数の第1電圧制御電流回路は、各アクティブフォトサイトに集合的に接続されている少なくとも1つの電圧制御電流源と、各アクティブフォトサイトに集合的に接続されている少なくとも1つの電圧制御電流シンクと、を含んでいる。制御電圧発生回路は、(i)少なくとも1つの電圧制御電流源に接続されており、第1時間において第1制御電圧を複数のアクティブフォトサイトに供給するための第1増幅器と、(ii)少なくとも1つの電圧制御電流シンクに接続されており、第2時間において第2制御電圧を複数のアクティブフォトサイトに供給するための第2増幅器と、(iii)第1制御電圧の供給と第2制御電圧の供給とを選択するためのスイッチング回路と、を含んでいる。
【0205】
例8.
上記例1~例7の任意の組み合わせの光検出デバイスにおいて、当該光検出デバイスは、アクティブフォトダイオードにおけるバイアスに対応して定められるレベルを有する第1入力電圧を供給するためのコントローラをさらに備えている。
【0206】
例9.
上記例1~例8の任意の組み合わせの光検出デバイスにおいて、コントローラは、リファレンスフォトダイオードにおけるバイアスがアクティブフォトダイオードにおけるバイアスとほぼ同じになるように、第1入力電圧を供給する。
【0207】
例10.
上記例1~例9の任意の組み合わせの光検出デバイスにおいて、当該光検出デバイスは、光検出デバイスの視野からの光がリファレンスフォトダイオードに到達することを防止する物理バリアを備えている。
【0208】
例11.
上記例1~例10の任意の組み合わせの光検出デバイスにおいて、当該光検出デバイスは、複数のフォトサイトと、コントローラと、を備えている。コントローラは、複数のフォトサイトのうちの少なくとも1つのフォトサイトをアクティブフォサイトまたはリファレンスフォサイトとして動作させるように設定する。
【0209】
例12.
上記例1~例11の任意の組み合わせの光検出デバイスにおいて、当該光検出デバイスは、複数のアクティブフォトサイトと、複数のリファレンスフォトサイトと、複数の第1電圧制御電流回路と、複数のリファレンス電圧制御電流回路と、を備えている。複数のアクティブフォトサイトのそれぞれは、アクティブフォトダイオードを含んでいる。複数のリファレンスフォトサイトのそれぞれは、複数のリファレンスフォトダイオードを含んでいる。複数の第1電圧制御電流回路のそれぞれは、複数のアクティブフォトダイオードのうちの少なくとも1つに接続されている。複数のリファレンス電圧制御電流回路のそれぞれは、複数のリファレンスフォトダイオードのうちの少なくとも1つに接続されている。光検出デバイスが第1温度において動作する場合、複数のリファレンスフォトダイオードの暗電流に応じて第1レベルの電流を供給するために、制御電圧発生回路は、第1制御電圧を電圧制御電流回路に供給する。これにより、アクティブフォトダイオードの暗電流が活性フォトダイオードの出力に及ぼす影響を低減できる。光検出デバイスが第1温度よりも高い第2温度で動作する場合、複数のリファレンスフォトダイオードの暗電流に応じて、第1レベルよりも大きい第2レベルの電流を供給するために、制御電圧発生回路は、第2制御電圧を電圧制御電流回路に供給する。これにより、アクティブフォトダイオードの暗電流が活性フォトダイオードの出力に及ぼし影響を低減できる。
【0210】
例13.
上記例1~例12の任意の組み合わせの光検出デバイスにおいて、当該光検出デバイスは、複数のアクティブフォトサイトと、複数のリファレンスフォトサイトと、複数の第1電圧制御電流回路と、複数のリファレンス電圧制御電流回路と、光学系と、電源と、読出回路と、プロセッサと、メモリモジュールと、を備えている。複数のアクティブフォトサイトのそれぞれは、アクティブフォトダイオードを含んでいる。複数のリファレンスフォトサイトのそれぞれは、複数のリファレンスフォトダイオードを含んでいる。複数の第1電圧制御電流回路のそれぞれは、複数のアクティブフォトダイオードのうちの少なくとも1つに接続されている。複数のリファレンスフォトサイトのそれぞれは、複数のリファレンスフォトダイオードのうちの少なくとも1つに接続されている。光学系は、光検出デバイスの視野からの光を複数のフォトサイトへと導く、電源は、アクティブフォトダイオード、リファレンスフォトダイオード、および増幅器に電力を供給する。読出回路は、アクティブフォトダイオードの検出信号に応じた検出情報を供給する。プロセッサは、視野内の少なくとも対象物の画像を供給するために検出情報を処理する。メモリモジュールは、検出情報および検出信号のうちの少なくとも一方を格納する。
【0211】
例14.
フォトサイト読出回路は、増幅器と、第1スイッチと、第2スイッチと、を備えている。増幅器は、フォトダイオード信号入力部と、リファレンス信号入力部と、増幅器出力部と、を有している。第1スイッチは、フォトダイオード信号入力部と増幅器出力部とを接続する第1フィードバック経路を選択的に接続または遮断する(非接続状態にする,disconnect)ように構成されている。第2スイッチは、キャパシタを介してフォトダイオード信号入力部を増幅器出力部に接続する第2フィードバック経路を選択的に接続または遮断するように構成されている。フォトダイオード信号入力部は、フォトサイト読出回路が第1スイッチング状態にある場合に、キャパシタにおける電圧の蓄積をもたらすフォトダイオード発生電流を取得するように構成されている。フォトサイト読出回路が第2スイッチング状態にある場合、キャパシタにおける電圧の蓄積が維持される。第1スイッチング状態において、第1スイッチは第1フィードバック経路を遮断し、かつ、第2スイッチは第2フィードバック経路を接続する。第2スイッチング状態において、第1スイッチは第1フィードバック経路を接続し、第2スイッチは第2フィードバック経路を遮断する。
【0212】
例15.
上記例14のフォトサイト読出回路において、第2スイッチング状態において第1フィードバック経路を接続することは、フォトダイオード信号入力部におけるバイアス電圧を一定の電圧レベルに維持させつつ、キャパシタにおける電圧の蓄積を維持させる。
【0213】
例16.
上記例14~例15の任意の組み合わせのフォトサイト読出回路において、第3スイッチング状態において、第1スイッチは第1フィードバック経路を接続し、かつ、第2スイッチは第2フィードバック経路を接続する。当該第3スイッチング状態は、キャパシタにおける電圧が0ボルトにリセットされることに対応している。
【0214】
例17.
上記例14~例16の任意の組み合わせのフォトサイト読出回路において、当該フォトサイト読出回路は、個別の検出ウィンドウのセットに属するそれぞれの検出ウィンドウの期間において、キャパシタに電圧を蓄積するように構成されている。第1スイッチおよび第2スイッチは、個別の検出ウィンドウのセットに属する隣接するそれぞれの検出ウィンドウ同士の間において、第2スイッチング状態に従ってフォトサイト読出回路を動作させる。
【0215】
例18.
上記例14~例17の任意の組み合わせのフォトサイト読出回路において、当該フォトサイト読出回路は、撮像センサの一部である。フォトサイト読出回路は、第1スイッチング状態、第2スイッチング状態、および第3スイッチング状態に従って順次的に動作することによって、一連のフレームのセットに属する各フレームにおいて、キャパシタに電圧を蓄積するように構成されている。第1スイッチング状態、第2スイッチング状態、および第3スイッチング状態の順次的な動作は、撮像センサの少なくとも1つの他のフォトサイト読出回路に同期させられている。
【0216】
例19.
上記例14~例18の任意の組み合わせのフォトサイト読出回路において、当該フォトサイト読出回路は、短波長赤外(shortwave infrared,SWIR)撮像センサの複数のフォトサイト読出回路に属している。
【0217】
例20.
電気光学システムは、複数のフォトサイト読出回路と、コントローラと、読出回路と、を備えている。複数のフォトサイト読出回路のそれぞれは、増幅器および複数のスイッチを備えている。増幅器は、フォトダイオード信号入力部と、リファレンス信号入力部と、増幅器出力部と、を有している。複数のスイッチは、(i)フォトダイオード信号入力部を増幅器出力部に接続する第1フィードバック経路を選択的に接続または遮断し、かつ、(ii)キャパシタを介してフォトダイオード信号入力部を増幅器出力部に接続する第2フィードバック経路を選択的に接続または遮断するように構成されている。フォトダイオード信号入力部は、フォトサイト読出回路が第1スイッチング状態にある場合に、キャパシタにおける電圧の蓄積をもたらすフォトダイオード発生電流を取得するように構成されている。フォトサイト読出回路が第2スイッチング状態にある場合に、キャパシタにおける電圧の蓄積は維持される。コントローラは、複数のフォトサイトのそれぞれについて、複数のスイッチを制御することにより、(i)第1フィードバック経路を遮断し、かつ、第2フィードバック経路を接続することによって、第1スイッチング状態の期間において電気光学システムを動作させ、(ii)第1フィードバック経路を接続し、かつ、第2フィードバック経路を遮断することによって、第2スイッチング状態の期間において電気光学システムを動作させるように構成されている。読出回路は、複数のフォトサイトのそれぞれについて、第1スイッチング状態または第2スイッチング状態のうちの一方の期間における、キャパシタにおける電圧の蓄積を測定するように構成されている。
【0218】
例21.
上記例20の電気光学システムにおいて、複数のフォトサイト読出回路のそれぞれにおいて、第2スイッチング状態において、それぞれのフォトサイト読出回路の第1フィードバック経路を接続することは、それぞれのフォトサイト読出回路のフォトダイオード信号入力部におけるバイアス電圧を一定の電圧レベルに維持しつつ、それぞれのフォトサイト読出回路のキャパシタにおける電圧の蓄積を維持させる。
【0219】
例22.
上記例20~例21の任意の組み合わせの電気光学システムにおいて、コントローラは、複数のフォトサイト読出回路に属するそれぞれのフォトサイト読出回路における複数のスイッチを制御して、それぞれのフォトサイト読出回路の第1フィードバック経路とそれぞれのフォトサイト読出回路の第2フィードバック経路とを接続することによって、それぞれのフォトサイト読出回路のフォトダイオード信号入力部をそれぞれのフォトサイト読出回路の増幅器出力部に接続する第3スイッチング状態において電気光学システムを動作させるように構成されている。第3スイッチング状態は、それぞれのフォトサイト読出回路のキャパシタにおける電圧が0ボルトにリセットされることに対応している。
【0220】
例23.
上記例20~例22の任意の組み合わせの電気光学システムにおいて、当該電気光学システムは、複数の光パルスを発生させるように構成されている光源をさらに備えている。複数のフォトサイト読出回路に属するそれぞれのフォトサイト読出回路は、一連の検出ウィンドウのそれぞれにおいて、それぞれのフォトサイト読出回路のキャパシタに電圧を蓄積するように構成されている。一連の検出ウィンドウのシーケンスのそれぞれは、複数の光パルスのそれぞれが、それぞれのフォトサイト読出回路に接続されているフォトダイオードに入射するサンプリング期間に対応している。
【0221】
例24.
上記例20~例23の任意の組み合わせの電気光学システムにおいて、一連の検出ウィンドウにおける互いに隣接する検出ウィンドウの間において、複数のフォトサイト読出回路のそれぞれが、第2スイッチング状態に従って動作する。
【0222】
例25.
上記例20~例24の任意の組み合わせの電気光学システムにおいて、複数のフォトサイト読出回路は、撮像センサの一部である。コントローラは、第1スイッチング状態、第2スイッチング状態、および第3スイッチング状態に従って撮像センサを順次的に動作させることによって、複数のフォトサイト読出回路のそれぞれに、一連のフレームのセットのそれぞれにおいて、それぞれのフォトサイト読出回路のキャパシタに電圧を蓄積させるように構成されている。
【0223】
例26.
上記例20~例25の任意の組み合わせの電気光学システムにおいて、コントローラは、複数のフォトサイト読出回路のそれぞれのフォトサイト読出回路によって特定されるそれぞれの複数のスイッチを制御して、第1スイッチング状態および前記第2スイッチング状態に従ってそれぞれのフォトサイト読出回路の動作を同期させるように構成されている。
【0224】
例27.
フォトダイオード信号入力部とリファレンス信号入力部と増幅器出力部とを有する増幅器を含むフォトサイト読出回路を含むセンサを動作させるための方法。当該方法は、複数のスイッチを制御して、(i)フォトダイオード信号入力部と増幅器出力部を接続する第1フィードバック経路を選択的に接続または遮断するとともに、(ii)キャパシタを介してフォトダイオード信号入力部を増幅器出力部に接続する第2フィードバック経路を選択的に接続または切断することを含む。当該方法は、第1スイッチング状態に対応する第1フェーズの期間において、キャパシタにおける電圧の蓄積をもたらすフォトダイオード発生電流を取得することを含む。第1スイッチング状態は、第1フィードバック経路が遮断されており、かつ、第2フィードバック経路が接続されていることに対応している。当該方法は、第1フェーズ、または、第2スイッチング状態に対応する第2フェーズのうちの一方の期間において、キャパシタにおける電圧の蓄積を測定することを含む。第2スイッチング状態は、第1フィードバック経路が接続されており、かつ、第2フィードバック経路が遮断されていることに対応している。
【0225】
例28.
上記例27の方法において、第2スイッチング状態において第1フィードバック経路を接続することにより、フォトダイオード信号入力部におけるバイアス電圧が一定の電圧レベルに維持されつつ、キャパシタにおける電圧の蓄積が維持される。
【0226】
例29.
上記例27~例28の任意の組み合わせの方法において、当該方法は、複数のスイッチによって第1フィードバック経路および第2フィードバック経路を接続することによって、第3スイッチング状態に対応する第3フェーズにおいてセンサを動作させることをさらに含んでいる。第3スイッチング状態は、キャパシタにおける電圧が0ボルトにリセットされることに対応している。
【0227】
例30.
上記例27~例29の任意の組み合わせの方法において、当該方法は、一連の個別の検出ウィンドウのそれぞれにおいて、キャパシタに電圧を蓄積するためにセンサを動作させることをさらに含んでいる。この場合、一連の個別の検出ウィンドウの互いに隣接する検出ウィンドウの間において、フォトサイト読出回路は、第2スイッチング状態に設定される。
【0228】
例31.
上記例27~例30の任意の組み合わせの方法において、当該方法は、一連のフレームのセットのそれぞれにおいて、キャパシタに電圧を蓄積するために、第1スイッチング状態、第2スイッチング状態、および第3スイッチング状態に従ってセンサを順次的に動作させることをさらに含む。
【0229】
例32.
上記例27~例31の任意の組み合わせの方法において、キャパシタにおける電圧の蓄積を測定することは、第2フェーズの期間において、一連のフレームのセットに属する第1フレームの終了時におけるキャパシタの電圧の蓄積を測定することと、第3フェーズの期間において、当該第1フレームの終了時においてキャパシタの電圧が0ボルトにリセットされることを測定することと、を含む。この場合、第2フェーズの期間と第3フェーズの期間との間におけるキャパシタにおける電圧の蓄積量の差は、第1フレームの期間においてフォトサイト読出回路によってキャプチャされた光の量を示す。
【0230】
例33.
上記例27~例32の任意の組み合わせの方法において、当該方法は、複数の光パルスを発生させるために光源の起動を制御することと、一連の検出ウィンドウのそれぞれにおいてキャパシタに電圧を蓄積するためにセンサを動作させることと、をさらに含んでいる。この場合、一連の検出ウィンドウのそれぞれは、複数の光パルスのそれぞれが、フォトダイオード信号入力部に接続されているフォトダイオードに入射するサンプリング期間に対応している。
【0231】
例34.
上記例27~例33の任意の組み合わせの方法において、光源の起動を制御することは、センサに関連する所定の検出範囲に基づいて、複数の光パルスの発生を、第1フェーズ、第2フェーズ、および第3フェーズに同期させることを含んでいる。
【0232】
例35.
フォトダイオードによって収集された光を検出する方法。当該方法は、フォトダイオードによって発生したフォトダイオード発生電流を増幅器の第1入力部に連続的に供給しつつ、増幅器の第2入力部にリファレンス信号を供給することを含む。当該方法は、フォトダイオード発生電流を連続的に供給している期間において、第1検出期間において、キャパシタを介して増幅器の出力部とフォトダイオードの信号入力部との間に位置している第2フィードバック経路を接続し、第1検出期間におけるフォトダイオード発生電流の積分に対応する第1電荷をキャパシタにおいて収集することを含んでいる。当該方法は、キャパシタにおいて第1電荷を収集した後、第1アイドル期間において、第2フィードバック経路を遮断するとともに、キャパシタを含まない第1フィードバック経路を介して増幅器出力部をフォトダイオード信号入力部に接続することを含んでいる。当該方法は、第1アイドル期間の後、第2検出期間において第2フィードバック経路を接続し、第2検出期間におけるフォトダイオード発生電流の積分に対応する第2電荷をキャパシタにおいて収集することを含んでいる。当該方法は、キャパシタにおいて第2電荷を収集した後、第2アイドル期間において、第2フィードバック経路を遮断するとともに、第1フィードバック経路を介して増幅器出力部をフォトダイオード信号入力部に接続することを含んでいる。当該方法は、第2アイドル期間において、キャパシタを読出回路に接続し、第1電荷と第2電荷との和に対応する大きさを有する第1電気信号をキャパシタからサンプリングすることを含んでいる。当該方法は、第1電気信号に基づいて、第1検出期間および第2検出期間において、フォトダイオードに入射した光の量を決定することを含んでいる。
【0233】
例36.
上記例35の方法において、当該方法は、第2アイドル期間の後に、キャパシタの電圧を枯渇させるために、キャパシタの第1端子をキャパシタの第2端子に電気的に接続することと、第1端子と第2端子とが接続された場合におけるキャパシタの少なくとも1つの端子の電圧を示す第2電気信号を読出回路によってサンプリングすることと、を含む。第1検出期間および第2検出期間においてフォトダイオードに入射した光の量を決定するアクトは、第2電気信号にさらに基づいている。
【0234】
例37.
上記例35~例36の任意の組み合わせの方法において、当該方法は、第1検出期間を、ターゲットに向けての第1光パルスの出射に同期させることと、第2検出期間を、ターゲットに向けての第2光パルスの出射に同期させることと、をさらに含む。第1電荷および第2電荷は、ターゲットから反射によって反射され、フォトダイオードに向かう第1光パルスの光および第2光パルスの光にそれぞれ対応している。
【0235】
例38.
上記例35~例37の任意の組み合わせの方法において、第1アイドル期間および第2アイドル期間において第2フィードバック経路を遮断するアクトは、少なくとも第2アイドル期間におけるフォトダイオード発生電流に起因するキャパシタの飽和を防止するために、キャパシタをフォトダイオード発生電流から遮断することを含む。
【0236】
例39.
上記例35~例38の任意の組み合わせの方法において、第1アイドル期間において第1フィードバック経路を介して増幅器出力部をフォトダイオード信号入力部に接続するアクトは、第1アイドル期間におけるフォトダイオードの動作バイアスを維持する。
【0237】
例40.
上記例35~例39の任意の組み合わせの方法において、当該方法は、第1検出フレームにおいてフォトダイオードに入射した光の第1量を決定し、第1検出フレームよりも後の第2検出フレームにおいてフォトダイオードに入射した光の第2量を決定し、第1検出フレームよりも後の第3検出フレームにおいてフォトダイオードに入射した光の第3量を決定し、第1フレームにおいて、増幅器の第2入力部に、フォトダイオードが属する検出アレイのリファレンスフォトサイトから出力される第1リファレンスフォトサイト電気信号に応じて定められる第1リファレンス信号を印加し、第2フレームにおいて、第2入力部に、リファレンスフォトサイトによって出力される第2リファレンスフォトサイト電気信号に応じて定められる第2リファレンス信号を印加し、第3検出フレームにおいて、第2入力部に、リファレンスフォトサイトによって出力される第3リファレンスフォトサイト電気信号に応じて定められる第3リファレンス信号を印加するために、請求項22に記載の方法を繰り返すことを含んでいる。第1リファレンス信号と第2リファレンス信号と第3リファレンス信号とは、互いに異なっている。
【0238】
図示および説明されている通りの装置。
【0239】
図示および説明されている通りの方法。
【0240】
(結論)
本開示は、特定の実施形態、および、全般的に関連する方法の観点から説明されているが、実施形態および方法の変更および並べ替えは、当業者にとって明らかであろう。例えば、任意ではあるが、例えば、異なるスペクトルフィルタが異なるフォトダイオードの正面に配置されている場合、単一のフォトサイトは、単一のフォトダイオードよりも多くのフォトダイオードを含みうる。(例えば、異なる範囲について)異なるフォトダイオードが使用される場合、個別のフィードバック回路が、同じ種類の全てのフォトダイオードに対して実装されうる。本開示は、本明細書に記載されている特定の実施形態によって限定されるのではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきであると理解されたい。
【0241】
別段の定めが無い限り、選択のためのオプションのリストの最後の2つの要素(メンバー)の間に「および/または」という表現を使用することは、リストされているオプションのうちの1つ以上の選択が適切であり、かつ、それがなされてよいことを示す。
【0242】
特許請求の範囲または明細書が「a」または「an」という要素に言及している場合、当該言及は、その要素が1つ存在していないと解釈されるべきではないと理解されたい。
【0243】
本明細書において言及されているすべての参考文献は、各参考文献が参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個別に示されている場合と同じ程度まで、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。加えて、本出願における参考文献の引用または特定は、当該参考文献が本開示の先行技術として利用可能であることを認めるものとしては解釈されるべきではない。
【0244】
特定の態様に関する上述の説明は、他者は、当業者内の知識を適用することにより、過度の実験を行うことなく、本開示の一般的なコンセプトから逸脱することなく、当該特定の態様を様々な用途のために容易に修正および/または適用させることができるように、本開示の一般的な性質を十分に明らかにしている。したがって、このような適用および修正は、本明細書において示されている教示および指針(ガイダンス)に基づき、開示されている態様の均等物の意味および範囲内にあることが意図されている。本明細書における用語または語法は、説明のためのものであり、限定のためのものではないことを理解されたい。したがって、本明細書における用語または語法は、教示および指針に照らして当業者によって解釈されるべきである。
【0245】
本明細書における「一態様」、「ある態様」、「例示的態様」などへの言及は、記載されている態様が特定の構成、構造、または特性を含む可能性があることを示しているが、全ての態様が必ずしも特定の構成、構造、または特性を含んでいるとは限らない。さらに、これらの語句は、必ずしも同じ態様を指しているとは限らない。さらに、特定の構成、構造、または特性がある態様に関連して記載されている場合、他の態様に関連して当該構成、構造、または特性に影響を及ぼすことは、そのことが明示的に記載されているか否かにかかわらず、当業者の知識の範囲内であると考慮されている。
【0246】
本明細書に記載されている例示的な態様は、例示を目的として示されており、限定的なものではない。他の例示的な態様も可能であり、例示的な態様に修正を加えてもよい。したがって、本明細書は、本開示を限定するものではない。むしろ、本開示の範囲は、後掲の特許請求の範囲およびそれらの均等物のみに従って定められる。
【0247】
各態様は、ハードウェア(例:回路)、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組み合わせとして実装されてよい。各態様は、マシン可読媒体に格納された、1つ以上のプロセッサによって読み取られ、実行されうる、マシン可読命令として実装されてもよい。マシン可読媒体は、マシン(例:コンピューティングデバイス)によって読み取り可能な形態によって情報を格納または伝送するための任意の機構を含みうる。例えば、マシン可読媒体は、読取専用メモリ(read only memory,ROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory,RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気的信号、光学的信号、音響的信号、または他の形態の伝搬信号(例:搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)などを含みうる。さらに、本明細書では、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令が特定のアクションを実行するものとして記載されている場合がある。しかしながら、当該記載は単に便宜上のものであり、実際には、当該動作は、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令などを実行するコンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、または他のデバイスから生じることを理解されたい。さらに、実装のバリエーションは、汎用コンピュータによって実行されてもよい。
【0248】
本明細書における説明の目的上、「処理回路」または「プロセッサ回路」という用語は、(1つ以上の)回路、(1つ以上の)プロセッサ、ロジック(論理)、またはそれらの組み合わせであると理解されるべきである。例えば、回路は、アナログ回路、デジタル回路、ステートマシンロジック、他の構造の電子ハードウェア、またはそれらの組み合わせを含みうる。プロセッサは、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor,DSP)、または他のハードウェアプロセッサを含みうる。プロセッサには、本明細書に記載されている態様に従って対応する(1つ以上の)機能を実行する命令が、「ハードコード」されうる。あるいは、プロセッサは、内部メモリおよび/または外部メモリにアクセスして、メモリに格納された命令を取得してもよい。当該命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに関連する対応する(1つ以上の)機能を実行する、および/または、内部にプロセッサを有するコンポーネントの動作に関連する1つ以上の機能および/または動作を実行する。
【0249】
本明細書に記載されている例示的な態様のうちの1つ以上において、処理回路は、データおよび/または命令を格納するメモリを含みうる。メモリは、例えば、読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、磁気記憶媒体、光ディスク、消去可能プログラマブル読取専用メモリ(erasable programmable read only memory,EPROM)、およびプログラマブル読取専用メモリ(programmable read only memory,PROM)を含む、任意の周知の揮発性メモリおよび/または不揮発性メモリであってよい。メモリは、非リムーバブルであってもよいし、リムーバブルであってもよいし、あるいはその両方の組み合わせであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0250】
図1】電圧制御電流源によって制御されるフォトダイオードを含むフォトサイトを概略的に示す。
図2】「3T」構造の電圧制御電流源によって制御されるフォトダイオードを含むフォトサイトを概略的に示す。
図3A】複数のフォトサイトと、暗電流の影響を低減するために動作可能な回路とを備えているPDDを示す。
図3B】複数のフォトサイトと、暗電流の影響を低減するために動作可能な回路とを備えているPDDを示す。
図3C】複数のフォトサイトと、暗電流の影響を低減するように動作可能な回路とを備えているPDDを示す。
図4】例示的なフォトダイオードのI-V曲線と、PDDについて想定される動作電圧とを示す。
図5】複数のリファレンスフォトサイトに接続されている制御電圧発生回路を示す。
図6A】フォトダイオードのアレイと、複数のフォトダイオードに基づくリファレンス回路とを備えているPDDを示す。
図6B】フォトダイオードのアレイと、複数のフォトダイオードに基づくリファレンス回路とを備えているPDDを示す。
図7】フォトサイトと、暗電流の影響を低減するために動作可能な回路とをそれぞれ備えているPDDをそれぞれ示す。
図8】フォトサイトと、暗電流の影響を低減するために動作可能な回路とをそれぞれ備えているPDDをそれぞれ示す。
図9】光学系、プロセッサ、および追加コンポーネントを備えているPDDを示す。
図10】フォトディテクタにおける暗電流を補償する方法を示すフローチャートである。
図11】フォトディテクタをテストするための方法を示すフローチャートである。
図12】現在開示されている主題の例に係る、フォトディテクタをテストするための方法1200を示すフローチャートである。
図13】本開示の実施形態に係る例示的なフォトサイト読出回路アーキテクチャを示す。
図14A】本開示の実施形態に係る、図13に示されているフォトサイト読出回路アーキテクチャの例示的なスイッチング状態を示す。
図14B】本開示の実施形態に係る、図13に示されているフォトサイト読出回路アーキテクチャの例示的なスイッチング状態を示す。
図14C】本開示の実施形態に係る、図13に示されているフォトサイト読出回路アーキテクチャの例示的なスイッチング状態を示す。
図14D】本開示の実施形態に係る、図13に示されているフォトサイト読出回路アーキテクチャの例示的なスイッチング状態を示す。
図15】本開示の実施形態に係る複数のサンプリングウィンドウを含むサンプリング期間における動作フェーズの例を示す。
図16】本開示の実施形態に係る電気光学システムを示す。
図17】本開示の1つ以上の実施形態に係るプロセスフローを示す。
図18】本開示の1つ以上の実施形態に係るプロセスフローを示す。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図15
図16
図17
図18