(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】残量管理装置、残量管理システム、残量管理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20241206BHJP
【FI】
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2020196441
(22)【出願日】2020-11-27
【審査請求日】2023-09-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 翔一朗
(72)【発明者】
【氏名】守岩 和秋
(72)【発明者】
【氏名】大竹 彩斗
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 美早
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-203932(JP,A)
【文献】特開2020-101682(JP,A)
【文献】特開2019-075020(JP,A)
【文献】国際公開第2018/124291(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器で処理される消費材の残量を管理する残量管理装置であって、
前記機器が少なくとも1回の処理で使用する前記消費材の処理量を推定する消費材処理量推定部と、
前記機器が1回の処理を行った後における前記消費材の残量と、過去に前記機器が1回の処理で使用した前記消費材の処理量の履歴と、に基づいて、予め設定された基準期間経過後における前記消費材の推定残量が予め設定された基準残量以下になるか否かを判定する残量判定部と、
前記消費材を管理する管理サーバから前記消費材を購入した利用者に対応する前記機器の機器識別情報と、前記消費材の購入量を示す購入量情報と、を含む購入通知情報を取得する購入通知取得部と、
前記購入通知取得部が前記購入通知情報を取得すると、前記購入通知情報に含まれる前記機器識別情報と前記購入量情報とに基づいて、前記機器識別情報に対応する前記消費材の残量を前記購入量情報が示す購入量に相当する量を加算した量を示す新たな残量情報を生成する在庫管理部と、
前記残量判定部により前記基準期間経過後における前記消費材の推定残量が前記基準残量以下になると判定されると、前記消費材の発注に関する情報を端末装置へ送信する通知部と、を備える、
残量管理装置。
【請求項2】
前記機器での処理後の時点よりも予め設定された前記消費材の処理量を算出するための算出対象期間だけ過去の時点から前記機器での処理後の時点までの間における、前記機器の1日当たりの前記消費材の処理量の平均値を算出し、前記機器が1回の処理を行った後における前記消費材の残量から、前記基準期間に含まれる日数と前記消費材の処理量の平均値との積に相当する量を差し引いて得られる推定残量を前記残量判定部に通知する残量推定部を更に備え、
前記残量判定部は、前記推定残量が前記基準残量以下になるか否かを判定する、
請求項
1に記載の残量管理装置。
【請求項3】
前記通知部は、前記残量判定部により前記基準期間経過後における前記消費材の残量が前記基準残量以下になると判定されると、前記消費材を発注するための発注情報を前記管理サーバへ送信する、
請求項
1または2に記載の残量管理装置。
【請求項4】
機器と、
前記機器で処理される消費材の残量を管理する残量管理装置と、
前記残量管理装置と通信可能な端末装置と、を備え、
前記残量管理装置は、
前記機器が少なくとも1回の処理で使用する前記消費材の処理量を推定する消費材処理量推定部と、
前記機器が1回の処理を行った後における前記消費材の残量と、過去に前記機器が1回の処理で使用した前記消費材の処理量の履歴と、に基づいて、予め設定された基準期間経過後における前記消費材の推定残量が予め設定された基準残量以下になるか否かを判定する残量判定部と、
前記消費材を管理する管理サーバから前記消費材を購入した利用者に対応する前記機器の機器識別情報と、前記消費材の購入量を示す購入量情報と、を含む購入通知情報を取得する購入通知取得部と、
前記購入通知取得部が前記購入通知情報を取得すると、前記購入通知情報に含まれる前記機器識別情報と前記購入量情報とに基づいて、前記機器識別情報に対応する前記消費材の残量を前記購入量情報が示す購入量に相当する量を加算した量を示す新たな残量情報を生成する在庫管理部と、
前記残量判定部により前記基準期間経過後における前記消費材の推定残量が前記基準残量以下になると判定されると、前記消費材の発注に関する情報を前記端末装置へ送信する通知部と、を有する、
残量管理システム。
【請求項5】
前記端末装置は、表示部と入力部とを有し、前記消費材の残量を示す前記消費材を模した消費材画像を前記表示部に表示させるとともに前記消費材の残量を示す数値を表示し、利用者による前記入力部を介した操作に応じて、前記消費材の残量を表す数値の単位を切り替えて表示する、
請求項
4に記載の残量管理システム。
【請求項6】
前記端末装置は、表示部を有し、前記消費材を管理し且つ前記残量管理装置から送信される前記消費材を発注するための発注情報を取得する第1管理サーバに対応する第1ECサイトを示す画像と、前記消費材を管理し且つ前記端末装置から送信される前記発注情報を取得する第2管理サーバに対応する第2ECサイトを示す画像と、を含むECサイト提案画面画像を前記表示部に表示させる、
請求項
4または
5に記載の残量管理システム。
【請求項7】
前記端末装置は、前記消費材を管理する管理サーバが送信する、前記端末装置および前記機器が前記管理サーバに登録されたことを通知する登録通知情報を取得した後、前記消費材の残量を示す前記消費材を模した消費材画像を前記表示部に表示させる、
請求項
5に記載の残量管理システム。
【請求項8】
残量管理装置が、機器が少なくとも1回の処理で使用する消費材の処理量を推定するステップと、
前記残量管理装置が、前記機器が1回の処理を行った後における前記消費材の残量と、過去に前記機器が1回の処理で使用した前記消費材の処理量の履歴と、に基づいて、予め設定された基準期間経過後における前記消費材の残量が予め設定された基準残量以下になるか否かを判定するステップと、
前記残量管理装置が、前記消費材を管理する管理サーバから前記消費材を購入した利用者に対応する前記機器の機器識別情報と、前記消費材の購入量を示す購入量情報と、を含む購入通知情報を取得するステップと、
前記残量管理装置が、前記購入通知情報を取得すると、前記購入通知情報に含まれる前記機器識別情報と前記購入量情報とに基づいて、前記機器識別情報に対応する前記消費材の残量を前記購入量情報が示す購入量に相当する量を加算した量を示す新たな残量情報を生成するステップと、
前記残量管理装置が、前記基準期間経過後における前記消費材の残量が前記基準残量以下になると判定されると、前記消費材の発注に関する情報を端末装置へ送信するステップと、を含む、
残量管理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
機器が1回の処理で使用する消費材の処理量を推定する消費材処理量推定部、
前記機器が1回の処理を行った後における前記消費材の残量と、過去に前記機器が1回の処理で使用した前記消費材の処理量の履歴と、に基づいて、予め設定された基準期間経過後における前記消費材の残量が予め設定された基準残量以下になるか否かを判定する残量判定部、
前記消費材を管理する管理サーバから前記消費材を購入した利用者に対応する前記機器の機器識別情報と、前記消費材の購入量を示す購入量情報と、を含む購入通知情報を取得する購入通知取得部、
前記購入通知取得部が前記購入通知情報を取得すると、前記購入通知情報に含まれる前記機器識別情報と前記購入量情報とに基づいて、前記機器識別情報に対応する前記消費材の残量を前記購入量情報が示す購入量に相当する量を加算した量を示す新たな残量情報を生成する在庫管理部、
前記残量判定部により前記基準期間経過後における前記消費材の残量が前記基準残量以下になると判定されると、前記消費材の発注に関する情報を端末装置へ送信する通知部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、残量管理装置、残量管理システム、残量管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
保管庫に保管された消耗品全体の重量を計測し計測した重量値を示す情報を、インターネットを介してサーバへ送信する計測器と、計測器から受信した情報が示す重量値が予め設定された重量値を下回った場合に消耗品の発注処理を実行するサーバと、を備える発注システムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された発注システムの場合、消耗品全体の重量を常に計測しておく必要があるため、消耗品全てを常に計測器上に設置された保管庫に保管しておく必要がある。このため、例えば消耗品を分散して保管したりすることができず、利用者の利便性が損なわれる虞がある。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされたものであり、消費材の在庫切れを抑制しつつ、利用者の利便性を高めることができる残量管理装置、残量管理システム、残量管理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係る残量管理装置は、
機器で処理される消費材の残量を管理する残量管理装置であって、
前記機器が少なくとも1回の処理で使用する前記消費材の処理量を推定する消費材処理量推定部と、
前記機器が1回の処理を行った後における前記消費材の残量と、過去に前記機器が1回の処理で使用した前記消費材の処理量の履歴と、に基づいて、予め設定された基準期間経過後における前記消費材の推定残量が予め設定された基準残量以下になるか否かを判定する残量判定部と、
前記消費材を管理する管理サーバから前記消費材を購入した利用者に対応する前記機器の機器識別情報と、前記消費材の購入量を示す購入量情報と、を含む購入通知情報を取得する購入通知取得部と、
前記購入通知取得部が前記購入通知情報を取得すると、前記購入通知情報に含まれる前記機器識別情報と前記購入量情報とに基づいて、前記機器識別情報に対応する前記消費材の残量を前記購入量情報が示す購入量に相当する量を加算した量を示す新たな残量情報を生成する在庫管理部と、
前記残量判定部により前記基準期間経過後における前記消費材の推定残量が前記基準残量以下になると判定されると、前記消費材の発注に関する情報を端末装置へ送信する通知部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、残量判定部が、機器が1回の処理を行った後における消費材の残量と、過去に機器が1回の処理で使用した消費材の処理量の履歴と、に基づいて、基準期間経過後における消費材の推定残量が基準残量以下になるか否かを判定する。そして、通知部が、残量判定部により基準期間経過後における消費材の推定残量が基準残量以下になると判定されると、消費材の発注に関する情報を端末装置へ送信する。これにより、利用者は、使用する消費材を1箇所に纏めて保管して置く必要が無く、分散して保管していても、消費材の残量が基準残量以下になる前に消費材の発注に関する情報を端末装置を介して確認することができる。従って、消費材の在庫切れを抑制しつつ、利用者の利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の実施の形態に係る残量管理システムの概略構成図
【
図2】実施の形態に係る管理サーバが管理する利用者データベースの一例を示す図
【
図3】実施の形態に係る残量管理システムのハードウェア構成を示すブロック図
【
図4】実施の形態に係る残量管理装置の機能構成を示すブロック図
【
図5】(A)は実施の形態に係る在庫量記憶部が記憶する情報の一例を示す図、(B)は実施の形態に係る炊飯量履歴記憶部が記憶する情報の一例を示す図
【
図6】実施の形態に係る利用者情報記憶部が記憶する情報の一例を示す図
【
図7】実施の形態に係る残量管理システムの動作の一例を示すシーケンス図
【
図8】実施の形態に係る端末装置の表示部に表示される操作画面画像の一例を示す図
【
図9】(A)は実施の形態に係る端末装置の表示部に表示されるECサイト提案画面画像の一例を示す図、(B)は実施の形態に係る端末装置の表示部に表示される他のECサイト提案画面画像の他の一例を示す図
【
図10】(A)は実施の形態に係る端末装置の表示部に表示されるECサイト提案画面画像の一例を示す図、(B)は実施の形態に係る端末装置の表示部に表示される他の操作画面画像の他の一例を示す図
【
図11】実施の形態に係る残量管理システムの動作の一例を示すシーケンス図
【
図12】実施の形態に係る残量管理システムの動作の一例を示すシーケンス図
【
図13】(A)は実施の形態に係る端末装置の表示部に表示される操作画面画像の一例を示す図、(B)は実施の形態に係る端末装置の表示部に表示される他の操作画面画像の他の一例を示す図
【
図14】実施の形態に係る残量管理システムの動作の一例を示すシーケンス図
【
図15】実施の形態に係る端末装置の表示部に表示される操作画面画像の一例を示す図
【
図16】実施の形態に係る残量管理システムの動作の一例を示すシーケンス図
【
図17】実施の形態に係るクラウドサーバが実行する残量管理処理の流れの一例を示すフローチャート
【
図18】実施の形態に係るクラウドサーバが実行する残量管理処理の流れの一例を示すフローチャート
【
図19】変形例に係る炊飯量履歴記憶部が記憶する情報の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態に係る残量管理装置について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係る残量管理装置は、炊飯器で炊飯処理される消費材である米の残量を管理する残量管理装置である。この残量管理装置は、炊飯量推定部と、残量判定部と、通知部と、を備える。ここで、炊飯量推定部は、炊飯器が1回の炊飯処理で使用する米の炊飯量を推定する消費材処理量推定部である。残量判定部は、炊飯器が1回の炊飯処理を行った後における米の残量と、過去に炊飯器が1回の炊飯処理で使用した米の炊飯量の履歴と、に基づいて、予め設定された基準期間経過後における米の残量が予め設定された基準残量以下になるか否かを判定する。通知部は、残量判定部により基準期間経過後における米の残量が基準残量以下になると判定されると、米の発注に関する情報を端末装置へ送信する。
【0010】
本実施の形態に係る残量管理システムは、例えば
図1に示すような、住宅H内に配置された炊飯器2と、炊飯器2の利用者が所持する端末装置3と、クラウドサーバ1と、を備える。住宅Hには、炊飯器2と局所ネットワークNW2を介して通信可能なブロードバンドルータ(以下、「BBR」と称する。)6が設置されている。BBR6は、インターネットのような広域ネットワークNW1に接続されている。局所ネットワークNW2は、無線LAN(Local Area Network)または有線LANである。端末装置3とクラウドサーバ1とは、広域ネットワークNW1を介して互いに通信可能となっている。また、広域ネットワークNW1には、管理サーバ91、92が接続されている。
【0011】
管理サーバ91、92は、それぞれ、米の販売業者が米の商取引を行うためのEC(Electronic Commerce)サイトを運用するためのサーバである。ここでは、管理サーバ91が、利用者の米の残量が不足することが予想される場合にその旨を利用者に連絡すること無く自動的に米を発注する処理に対応している第1管理サーバであり、管理サーバ92が、前述の自動的に米を発注する処理に対応していない第2管理サーバであるとする。この場合、管理サーバ91は、クラウドサーバ1から広域ネットワークNW1を介して米の販売業者に対して米の発注を行う発注情報を取得すると、取得した発注情報に基づいて、発注元の利用者の氏名、住所等の個人情報と発注した米の量を示す情報とを含む注文伝票情報を生成して販売業者が所持する端末装置(図示せず)へ送信する。この販売業者が所持する端末装置は、汎用のパーソナルコンピュータ、スマートフォン等である。一方、管理サーバ92は、端末装置3から広域ネットワークNW1を介して発注情報を取得すると、取得した発注情報に基づいて注文伝票情報を生成して販売業者が所持する端末装置へ送信する。また、販売業者が所持する端末装置は、管理サーバ91、92から注文伝票情報を取得すると、それを所持する販売業者に新たな注文伝票情報が取得されたことを通知する処理を実行する。そして、販売業者は、通知された注文伝票情報の内容に基づいて、発注元の利用者宛てに注文された米を発送する。また、販売業者が、注文された米を利用者宛に発送した後、発送したことを管理サーバ91、92に通知するための操作を端末装置に対して行うと、端末装置は、注文された米の発送が完了したことを通知する発送完了通知情報を管理サーバ91、92へ送信する。一方、管理サーバ91、92は、販売業者が所持する端末装置から発送完了通知情報を取得すると、これに応じて、対応する利用者が米を購入したことを通知する購入通知情報を生成してクラウドサーバ1へ送信する。ここで、購入通知情報には、米を購入した利用者に対応する炊飯器2の機器識別情報と、利用者が購入した米の量を示す情報と、が含まれる。
【0012】
また、管理サーバ91、92は、例えば
図2に示すような、炊飯器2の利用者を管理するための利用者データベース931を備える。この利用者データベース931には、利用者の氏名を示す名称情報と、利用者の住所を示す住所情報と、利用者が購入する米の商品名を示す商品情報と、利用者が所持する端末装置3の端末識別情報と、利用者が使用する炊飯器2の機器識別情報と、が互いに対応づけて登録されている。そして、管理サーバ91、92は、端末装置3から送信される、利用者が入力した名称情報、住所情報および商品情報を含む利用者情報を取得すると、取得した利用者情報に含まれる名称情報、住所情報および商品情報と送信元の端末装置3の端末識別情報とを抽出する。そして、管理サーバ91、92は、抽出した名称情報、住所情報、商品情報および端末識別情報を互いに対応づけて利用者データベース931に登録する。そして、管理サーバ91、92は、クラウドサーバ1に対して炊飯器2の機器識別情報の送信を要求する機器識別情報要求情報をクラウドサーバ1へ送信することにより、クラウドサーバ1から炊飯器2の機器識別情報を取得する。このとき、管理サーバ91、92は、取得した機器識別情報を端末識別情報に対応づけて利用者データベース931に登録する。また、管理サーバ91、92は、炊飯器2の機器識別情報が利用者データベース931に登録されたことを通知する登録通知情報を生成してクラウドサーバ1へ送信する。ここで、登録通知情報には、管理サーバ91、92が管理するECサイトのECサイト種別情報と機器識別情報と端末識別情報とが含まれる。
【0013】
炊飯器2は、
図3に示すように、調理する米が投入される内鍋(図示せず)と、内鍋を加熱する加熱部21と、加熱開始後の経過時間を計時する計時部22と、内鍋の内側の温度を計測する温度計測部23と、加熱部21、計時部22および温度計測部23を制御する炊飯器制御部24と、通信アダプタ29と、を備える。炊飯器制御部24は、加熱部21を駆動して炊飯処理を実行する毎に、温度計測部23により計測される内鍋の内側の温度の時間プロファイルを示すパラメータ情報を生成し、生成したパラメータ情報を通信アダプタ29へ出力する。通信アダプタ29は、炊飯器制御部24から入力されるパラメータ情報を、局所ネットワークNW2、BBR6および広域ネットワークNW1を介してクラウドサーバ1へ送信する。
【0014】
端末装置3は、例えばスマートフォンであり、CPU(Central Processing Unit)301と、主記憶部302と、補助記憶部303と、表示部304と、入力部305と、広域通信部306と、各部を接続するバス309と、を備え、炊飯器2の利用者により操作される。主記憶部302は、例えばRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリであり、CPU301の作業領域として使用される。補助記憶部303は、例えばROM(Read Only Memory)、半導体フラッシュメモリ等の不揮発性メモリであり、端末装置3の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。表示部304は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-luminescence)ディスプレイ等であり各種情報を表示する。入力部305は、例えば表示部304に重ねて配置される透明なタッチパッドであり、端末装置3の利用者の操作に応じた各種操作情報を受け付けて、受け付けた操作情報をCPU301へ出力する。広域通信部306は、広域ネットワークNW1に接続するためのインタフェースを有する。
【0015】
この端末装置3は、利用者が入力部305を介して自身が使用する炊飯器2をクラウドサーバ1に登録するための炊飯器登録操作を行うと、炊飯器2の機器識別情報と端末装置3の端末識別情報とを含む登録情報を生成してクラウドサーバ1へ送信する。また、端末装置3は、クラウドサーバ1から送信される、利用者が利用することができる複数種類のECサイトを利用者に提案するための情報を含むECサイト提案情報を取得すると、取得したECサイト提案情報に基づいて、複数種類のECサイトに関する情報を含む操作画面画像を表示部304に表示させる。更に、端末装置3は、利用者が入力部305を介してECサイトを管理する管理サーバ91、92に利用者として登録するためのECサイト登録操作を行うと、利用者がECサイト登録操作において入力した名称情報、住所情報および商品情報を含む利用者情報を生成する。そして、端末装置3は、端末装置3の端末識別情報をクラウドサーバ1へ送信するとともに、前述の利用者情報を管理サーバ91、92へ送信する。
【0016】
クラウドサーバ1は、炊飯器2と局所ネットワークNW2、BBR6および広域ネットワークNW1を介して接続され、炊飯器2で炊飯処理される米の残量を管理する残量管理装置として機能する。クラウドサーバ1は、例えばサーバ用途のコンピュータであり、CPU101と、主記憶部102と、補助記憶部103と、広域通信部106と、各部を接続するバス109と、を備える。CPU101は、例えばマルチコアプロセッサである。主記憶部102は、揮発性メモリであり、CPU101の作業領域として使用される。補助記憶部103は、不揮発性メモリを有し、ROM、ストレージとして機能し、クラウドサーバ1の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。広域通信部106は、広域ネットワークNW1およびBBR6を介して炊飯器2と通信する。
【0017】
CPU101は、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み出して実行することにより、
図4に示すように、パラメータ取得部111、炊飯量推定部112、在庫量取得部113、残量推定部114、残量判定部115、通知部116、購入通知取得部117、在庫管理部118および利用者情報設定部119として機能する。また、
図3に示す補助記憶部103は、
図4に示すように、パラメータ記憶部131と、在庫量記憶部132と、炊飯量履歴記憶部133と、判定基準記憶部134と、利用者情報記憶部135と、を有する。
【0018】
パラメータ記憶部131は、炊飯器2から送信されたパラメータ情報を、炊飯器2を識別する機器識別情報に対応づけて記憶する。在庫量記憶部132は、例えば
図5(A)に示すように、利用者が管理する米に関する商品情報と米の残量を示す残量情報とを、利用者が所持する炊飯器2の機器識別情報に対応づけて記憶する。炊飯量履歴記憶部133は、例えば
図5(B)に示すように、炊飯した日を示す炊飯日情報とその日に炊飯した量を示す炊飯量情報とを、炊飯器2の機器識別情報に対応づけて記憶する。
【0019】
図4に戻って、判定基準記憶部134は、米の発注に関する情報を端末装置3へ送信するとともに発注情報を管理サーバ91、92へ送信するか否かを判定する基準となる予め設定された基準残量を示す情報を記憶する。ここで、米の発注に関する情報には、利用者に事前に連絡することなく米の販売者に対して米を自動的に発注するための発注情報を管理サーバ91へ送信したことを示す自動発注通知情報、或いは、利用者に対して米を発注することを促す購入促進情報が含まれる。利用者情報記憶部135は、
図6に示すように、炊飯器2を利用する利用者が所持する端末装置3の端末識別情報を、その利用者が所持する炊飯器2の機器識別情報と、利用者するECサイトの広域ネットワークNW1におけるアドレスを示すECサイトアドレス情報と、ECサイト種別情報と、に対応づけて記憶する。ここで、ECサイト種別情報は、利用者が利用者するECサイトが炊飯器2での炊飯処理後の時点から予め設定された基準期間経過後の米の推定残量が前述の基準残量以下となった場合、事前に利用者に連絡すること無く米を自動的に発注するいわゆる自動発注に対応しているか否かを示すフラグ情報であり、自動発注に対応している場合「F1」に設定される。
【0020】
図4に戻って、パラメータ取得部111は、炊飯器2から送信されるパラメータ情報を取得し、取得したパラメータ情報をパラメータ情報の送信元の炊飯器2の機器識別情報に対応づけてパラメータ記憶部131に記憶させる。炊飯量推定部112は、炊飯器2が1日における少なくとも1回の炊飯処理で使用する米の炊飯量を推定する消費材処理量推定部である。炊飯量推定部112は、パラメータ情報が示す炊飯器2の内鍋の内側の温度プロファイルに基づいて、予め設定された単位時間当たりの温度変化量を算出し、算出した温度変化量から炊飯量を推定する。また、炊飯量推定部112は、炊飯量履歴記憶部133が記憶する、炊飯量を推定した日に対応する炊飯量情報が示す炊飯量に、推定した炊飯量を加算して得られる炊飯量を示す情報で、その日の炊飯量情報を更新する。
【0021】
在庫量取得部113は、端末装置3から送信される在庫量情報を取得し、取得した在庫量情報を在庫量情報に含まれる炊飯器2の機器識別情報に対応づけて在庫量記憶部132に記憶させる。残量推定部114は、炊飯量推定部112が炊飯量を推定する毎に、在庫量記憶部132が記憶する残量情報が示す米の残量から推定された炊飯量を差し引くことにより、新たな残量を算出し、算出した新たな残量を示す残量情報で在庫量記憶部132が記憶する残量情報を更新する。また、残量推定部114は、炊飯器2での炊飯処理後の時点から予め設定された基準期間だけ経過した後の時点における米の残量を推定する。具体的には、残量推定部114は、まず、炊飯器2での炊飯処理後の時点よりも予め設定された米の炊飯量を算出するための算出対象期間だけ過去の時点から炊飯器2での炊飯処理後の時点までの間における、炊飯器2の1日当たりの米の炊飯量の平均値を算出する。次に、残量推定部114は、炊飯器2が1回の炊飯処理を行った後における米の残量から、前述の基準期間に含まれる日数と算出した米の炊飯量の平均値との積に相当する量を差し引いて得られる炊飯器2での炊飯処理後の時点から基準期間だけ経過後の推定残量を算出する。そして、残量推定部114は、算出した推定残量を示す情報を残量判定部115に通知する。
【0022】
残量判定部115は、炊飯器2が1回の炊飯処理を行った後における米の残量と、過去に炊飯器2が少なくとも1回の処理で使用した米の炊飯量の履歴と、に基づいて、炊飯器2での炊飯処理後の時点から前述の基準期間経過後における米の残量が予め設定された基準残量以下になるか否かを判定する。具体的には、残量判定部115は、残量推定部114から通知される情報が示す推定残量が前述の基準残量以下になるか否かを判定する。残量判定部115は、炊飯器2での炊飯処理後の時点から基準期間経過後における米の推定残量が基準残量以下になると判定すると、推定残量が基準残量以下になることを通知する残量不足情報を通知部116に通知する。
【0023】
通知部116は、残量判定部115から残量不足情報が通知されると、利用者情報記憶部135が記憶するその対象となる炊飯器2の機器識別情報に対応するECサイト種別情報が自動発注に対応可能なECサイトであることを示すか否かを判定する。そして、通知部116は、その対象となる炊飯器2の機器識別情報に対応するECサイト種別情報が自動発注に対応可能なECサイトであることを示す場合、発注情報を管理サーバ91へ送信するとともに、自動発注を実行したことを利用者に通知するための自動発注通知情報を端末装置3へ送信する。一方、通知部116は、その対象となる炊飯器2の機器識別情報に対応するECサイト種別情報が自動発注に対応していないECサイトであることを示す場合、前述の購買促進情報を端末装置3へ送信する。
【0024】
購入通知取得部117は、管理サーバ91、92から米を購入した利用者に対応する炊飯器2の機器識別情報と、米の購入量を示す購入量情報と、を含む購入通知情報を取得する。そして、購入通知取得部117は、管理サーバ91、92から送信される購入通知情報を取得すると、取得した購入通知情報から購入した米の量を示す情報と、対応する炊飯器2の機器識別情報と、を抽出して在庫管理部118に通知する。在庫管理部118は、購入通知取得部117が購入通知情報を取得すると、購入通知情報に含まれる機器識別情報と購入量情報とに基づいて、機器識別情報に対応する米の残量を購入量情報が示す購入量に相当する量を加算した量を示す残量情報を生成する。具体的には、在庫管理部118は、まず、在庫量記憶部132が記憶する購入通知取得部117から通知される機器識別情報に対応する残量情報を特定する。そして、在庫管理部118は、特定した残量情報が示す残量に、購入通知取得部117から通知される情報が示す利用者が購入した米の量を加算して得られる量を示す新たな残量情報を生成し、生成した残量情報を用いて在庫量記憶部132が記憶する残量情報を更新する。
【0025】
利用者情報設定部119は、端末装置3から前述の登録情報を取得すると、取得した登録情報に含まれる機器識別情報で識別される炊飯器2に対して応答情報の送信を要求する応答要求情報を炊飯器2へ送信する。そして、利用者情報設定部119は、炊飯器2から応答情報を取得すると、取得した応答情報に含まれる機器識別情報と登録情報の送信元の端末装置3の端末識別情報とを対応づけて利用者情報記憶部135に記憶させる。また、利用者情報設定部119は、利用者に対して利用するECサイトを選択するための操作画面画像を端末装置3に表示させるためのECサイト提案情報を生成して端末装置3へ送信する。更に、利用者情報設定部119は、管理サーバ91、92から前述の登録通知情報を取得すると、取得した登録通知情報からECサイト種別情報、機器識別情報および端末識別情報を抽出する。そして、利用者情報設定部119は、抽出したECサイト種別情報、機器識別情報および端末識別情報を用いて利用者情報記憶部135が記憶するECサイト種別情報、機器識別情報および端末識別情報を更新する。このとき、利用者情報設定部119は、在庫量記憶部132において、抽出した機器識別情報に対応する残量情報および商品情報を記憶する領域を確保する。
【0026】
次に、本実施の形態に係る残量管理システムの動作について
図7から
図16を参照しながら説明する。まず、
図7に示すように、利用者が、入力部305を介して自身が使用する炊飯器2をクラウドサーバ1に登録するための炊飯器登録操作を行ったとする。ここで、端末装置3は、例えば
図8に示すような操作画面画像GA10を表示部304に表示させる。この操作画面画像GA10は、炊飯器2のMACアドレス情報を入力するための入力欄B11と、炊飯器2の識別番号を入力するための入力欄B12と、利用者が入力内容を決定する際に選択される釦画像BU10と、を含む。そして、端末装置3が
図8に示すような操作画面画像GA10を表示部304に表示させた状態で、MACアドレス情報および識別番号を入力した後、入力部305における釦画像BU10に対応する部分をタッチされたとする。この場合、端末装置3は、
図7に示すように、炊飯器2の機器識別情報と端末装置3の端末識別情報とを含む登録情報を生成する(ステップS1)。次に、生成された登録情報が、端末装置3からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS2)。一方、クラウドサーバ1が、端末装置3から送信された登録情報を取得すると、前述の応答要求情報が、クラウドサーバ1から炊飯器2へ送信される(ステップS3)。一方、炊飯器2が応答要求情報を取得すると、これに応じて、前述の応答情報が、炊飯器2からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS4)。続いて、クラウドサーバ1は、応答情報を取得すると、取得した応答情報に含まれる機器識別情報と登録情報の送信元の端末装置3の端末識別情報とを対応づけて利用者情報記憶部135に記憶させる(ステップS5)。
【0027】
その後、クラウドサーバ1は、利用者に対して利用するECサイトを選択するための操作画面画像を端末装置3に表示させるためのECサイト提案情報を生成する(ステップS6)。次に、生成されたECサイト提案情報が、クラウドサーバ1から端末装置3へ送信される(ステップS7)。一方、端末装置3は、クラウドサーバ1から送信される、利用者が利用することができる複数種類のECサイトを利用者に提案するための情報を含むECサイト提案情報を取得すると、取得したECサイト提案情報に基づいて、複数種類のECサイトに関する情報を含むECサイト提案画面画像を表示部304に表示させる(ステップS8)。
【0028】
ここで、端末装置3は、例えば
図9(A)に示すような、ECサイト提案画面画像GA11を表示部304に表示させる。このECサイト提案画面画像GA11は、複数種類のECサイトそれぞれに対応する釦画像BU11、BU12と、利用者が釦画像BU11、BU12に対応するECサイト以外のECサイトを登録する際に選択される釦画像BU13と、を含む。ここで、釦画像BU11に対応するECサイト(Aサイト)は、米の推定残量が基準残量以下となった場合に自動的に米を発注することが可能な第1ECサイトである。また、釦画像BU12に対応するECサイト(Bサイト)は、米の推定残量が基準残量以下となった場合に事前に利用者に米の購入を促す購入促進情報が通知される処理が行われる第2ECサイトである。そして、利用者が、端末装置3の入力部305における釦画像BU11または釦画像BU12に対応する部分をタッチすると、端末装置3は、例えば
図9(B)に示すようなECサイト提案画面画像GA12を表示部304に表示させる。この操作画面画像GA12は、購入サイトを登録するか否かを利用者に確認するメッセージと、「OK」を示す釦画像BU21と、「キャンセル」を示す釦画像BU22と、を含むポップアップ画像PG12が合成された画像である。また、利用者が、端末装置3の入力部305における釦画像BU13に対応する部分をタッチすると、端末装置3は、例えば
図10(A)に示すようなECサイト提案画面画像GA13を表示部304に表示させる。この操作画面画像GA13は、利用者が購入サイトの名称とURL(Uniform Resource Locator)とを入力する入力欄B11,B12と、「OK」を示す釦画像BU31と、「キャンセル」を示す釦画像BU32と、を含むポップアップ画像PG13が合成された画像である。
【0029】
そして、端末装置3が
図9(B)に示すような操作画面画像GA12を表示部304に表示させた状態で、入力部305における釦画像BU21に対応する部分をタッチされた、或いは、端末装置3が
図10(A)に示すような操作画面画像GA13を表示部304に表示させた状態で、入力部305における釦画像BU31に対応する部分がタッチされたとする。この場合、
図7に示すように、端末装置3は、利用者がECサイト登録操作において入力した名称情報、住所情報および商品情報を含む利用者情報を生成する(ステップS9)。続いて、端末装置3の端末識別情報が、端末装置3からクラウドサーバ1へ送信されるとともに(ステップS10)、前述の利用者情報が、端末装置3から管理サーバ91、92へ送信される(ステップS11)。一方、クラウドサーバ1は、端末装置3から送信される端末識別情報を取得すると、利用者情報記憶部135が記憶する機器識別情報の中から、取得した端末識別情報に対応する機器識別情報を特定する(ステップS12)。
【0030】
また、管理サーバ91、92は、端末装置3から送信される利用者情報を取得すると、利用者情報から名称情報、住所情報、商品情報および端末識別情報を抽出する(ステップS13)。その後、
図11に示すように、管理サーバ91、92は、抽出した名称情報、住所情報、商品情報および端末識別情報を互いに対応づけて利用者データベース931に登録する(ステップS14)。次に、クラウドサーバ1に対して機器識別情報の送信を要求する機器識別情報要求情報が、管理サーバ91、92からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS15)。この機器識別情報要求情報には、端末装置3の端末識別情報が含まれている。一方、クラウドサーバ1が、管理サーバ91、92から送信される機器識別情報要求情報を取得すると、機器識別情報要求情報に含まれる端末識別情報を抽出し、抽出した端末識別情報が特定した機器識別情報に対応する端末識別情報と一致すると判定したとする(ステップS16)。この場合、クラウドサーバ1が特定した機器識別情報が、クラウドサーバ1から管理サーバ91、92へ送信される(ステップS17)。一方、管理サーバ91、92は、クラウドサーバ1から送信される機器識別情報を取得すると、取得した機器識別情報を、端末識別情報に対応づけて利用者データベースに登録する(ステップS18)。
【0031】
続いて、管理サーバ91、92は、機器識別情報と端末識別情報とが利用者データベースに登録されたことを通知する登録通知情報を生成する(ステップS19)。ここで、登録通知情報には、利用者データベースに登録した機器識別情報および端末識別情報と、管理サーバ91、92が管理するECサイトのECサイト種別情報と、が含まれる。その後、生成された登録通知情報が、管理サーバ91、92からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS20)。一方、クラウドサーバ1は、登録通知情報を取得すると、取得した登録通知情報からECサイト種別情報、機器識別情報および端末識別情報を抽出し、抽出したECサイト種別情報、機器識別情報および端末識別情報を用いて利用者情報記憶部135が記憶する機器識別情報および端末識別情報を更新する(ステップS21)。このとき、クラウドサーバ1は、在庫量記憶部132において、抽出した機器識別情報に対応する残量情報および商品情報を記憶する領域を確保する。また、登録通知情報は、管理サーバ91、92から端末装置3へも送信される(ステップS22)。
【0032】
一方、端末装置3は、登録通知情報を取得すると、在庫量設定画面画像GA14を表示部304に表示させる(ステップS23)。ここで、端末装置3は、例えば
図10(B)に示すような在庫量設定画面画像GA14を表示部304に表示させる。この在庫量設定画面画像GA14は、米の残量の初期値の入力を促すメッセージ画像M41と、米の残量の初期値を設定するためのスライド釦画像SB41と、「入力」を示す釦画像BU41と、「キャンセル」を示す釦画像BU42と、を含むポップアップ画像PG14が合成された画像である。ここで、端末装置3が
図7(B)に示すような在庫量設定画面画像GA14を表示部304に表示させた状態で、利用者が、入力部305におけるスライド釦画像SB41に対応する部分を指でタッチした状態で矢印AR14に示す方向へスライドさせると、米の残量の初期値を変化させることができる。そして、利用者が、米の残量の初期値を決定した後、入力部305における釦画像BU41に対応する部分をタッチすると、
図11に示すように、端末装置3は、米の種別を示す商品情報と米の残量を示す残量情報と利用者が所持する炊飯器2の機器識別情報とを含む在庫量情報を生成する(ステップS24)。次に、生成された在庫量情報が、端末装置3からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS25)。一方、クラウドサーバ1は、在庫量情報を取得すると、取得した在庫量情報に含まれる残量情報、商品情報および炊飯器2の機器識別情報を抽出し、抽出した残量情報、商品情報および機器識別情報を互いに対応づけて在庫量記憶部132に記憶させる(ステップS26)。続いて、
図12に示すように、利用者に対して米の在庫量の初期値の設定が完了したことを通知する在庫量設定完了通知情報が、クラウドサーバ1から端末装置3へ送信される(ステップS27)。
【0033】
一方、端末装置3は、前述の在庫量設定完了通知情報を取得すると、在庫量通知画面画像を表示部304に表示させる(ステップS28)。ここで、端末装置3は、例えば
図13(A)に示すような、在庫量通知画面画像GA15を表示部304に表示させる。この在庫量通知画面画像GA15は、米の残量を示す米を模した消費材画像GRと、米の残量を示す数値画像M51と、米の残量を示す数値単位を切り替えるための切り替え釦を示す釦画像BU51、BU52と、在庫量設定画面画像GA14に切り替える際に選択される釦画像BU53と、を含む。そして、釦画像BU51が選択されている状態では、
図13(A)に示すように、釦画像BU51が釦画像BU52に比べて濃い表示色で表示されるとともに、米の残量を「kg」で表す数値画像M51が表示される。ここで、利用者が、入力部305における釦画像BU52に対応する部分をタッチすると、端末装置3は、
図13(B)に示すような操作画面画像GA16を表示部304に表示させる。この操作画面画像GA16では、釦画像BU52が釦画像BU51に比べて濃い表示色で表示されるとともに、米の残量を「合数」で表す数値画像M52が表示される。また、端末装置3は、
図13(A)または(B)に示すような在庫量通知画面画像GA15、GA16が表示部304に表示させている状態で、利用者が入力部305における釦画像BU53に対応する部分をタッチすると、
図10(B)に示す在庫量設定画面画像GA14を表示部304に表示させる。
【0034】
図12に戻って、その後、炊飯器2において炊飯を開始する操作が行われたとする。この場合、炊飯器2は、米の炊飯処理を実行する(ステップS29)。ここで、炊飯器2は、炊飯処理中において、温度計測部23により内鍋の内側の温度を予め設定された単位時間毎に計測する。そして、炊飯器2は、炊飯処理が完了すると、内鍋の内側の温度の時間プロファイルを示すパラメータ情報を生成する(ステップS30)。このパラメータ情報には、炊飯器2の機器識別情報が付加されている。次に、生成されたパラメータ情報が、炊飯器2からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS31)。
【0035】
続いて、クラウドサーバ1は、パラメータ情報を取得すると、取得したパラメータ情報が示す炊飯器2の内鍋の内側の温度の時間プロファイルに基づいて、予め設定された単位時間当たりの温度変化量を算出し、算出した温度変化量から炊飯量を推定する(ステップS32)。その後、クラウドサーバ1は、炊飯量履歴記憶部133が記憶する、炊飯量を推定した日に対応する炊飯量情報が示す炊飯量に、推定した炊飯量を加算して得られる炊飯量を示す情報で、その日の炊飯量情報を更新する(ステップS33)。次に、クラウドサーバ1は、在庫量記憶部132が記憶するパラメータ情報に含まれる機器識別情報に対応する残量情報を参照して、残量情報が示す米の残量から炊飯量を差し引くことにより、炊飯器2での炊飯処理後の時点における米の残量を算出する。そして、クラウドサーバ1は、算出した新たな残量を示す残量情報で在庫量記憶部132が記憶する残量情報を更新する(ステップS34)。続いて、クラウドサーバ1は、炊飯器2での炊飯処理後の時点よりも予め設定された米の炊飯量を算出するための算出対象期間だけ過去の時点から炊飯器2での炊飯処理後の時点までの間における、炊飯器2の1日当たりの米の炊飯量の平均値を算出する(ステップS35)。その後、クラウドサーバ1は、炊飯器2が1回の炊飯処理を行った後における米の残量と算出した米の炊飯量の平均値とに基づいて、炊飯器2での炊飯処理後の時点から基準期間だけ経過後の推定残量を算出する(ステップS36)。
【0036】
次に、クラウドサーバ1は、炊飯器2が1回の炊飯処理を行った後における米の残量と、過去に炊飯器2が少なくとも1回の処理で使用した米の炊飯量の履歴と、に基づいて、炊飯器2での炊飯処理後の時点から基準期間経過後における米の残量が予め設定された基準残量以下と判定したとする(ステップS37)。そして、
図14に示すように、クラウドサーバ1が、利用者情報記憶部135が記憶するECサイト種別情報に基づいて、利用者が、管理サーバ91が管理する自動発注に対応したECサイトを登録していると判定したとする(ステップS38)。即ち、ステップS8において端末装置3がECサイト提案画面画像GA11を表示部304に表示させている状態で、利用者が、端末装置3の入力部305における釦画像BU11に対応する部分をタッチした場合である。この場合、クラウドサーバ1は、米の販売業者に対して米の発注を行うための発注情報を生成する(ステップS39)。続いて、生成された発注情報が、クラウドサーバ1から管理サーバ91へ送信される(ステップS40)。これらのことから、ECサイト提案画面画像GA11に含まれる釦画像BU11は、クラウドサーバ1が送信する発注情報を取得する管理サーバ91に対応するECサイトを示していると言える。ここで、管理サーバ91は、発注情報を取得すると、取得した発注情報に基づいて、前述の発注元の利用者の氏名、住所等の個人情報と発注した米の量を示す情報とを含む注文伝票情報を生成して販売業者が所持する端末装置(図示せず)へ送信する。一方、販売業者が所持する端末装置は、管理サーバ91から注文伝票情報を取得すると、新たな注文伝票情報が取得されたことを通知する処理を実行する。
【0037】
また、利用者に対して事前に連絡することなく米を自動発注した旨を利用者に通知する自動発注通知情報が、クラウドサーバ1から端末装置3へ送信される(ステップS41)。一方、端末装置3は、自動発注通知情報を取得すると、自動発注通知画面を表示部304に表示させる(ステップS42)。ここで、端末装置3は、例えば
図15に示すような自動発注通知画面画像GA17を表示部304に表示させる。この自動発注通知画面画像GA17は、利用者に米を自動的に発注したことを通知するためのメッセージ画像M71と、「閉じる」と表示された釦画像BU7と、を含むポップアップ画像PG17が合成された画像である。そして、端末装置3は、自動発注通知画面画像GA17を表示部304に表示させた状態で、利用者が入力部305における釦画像BU7に対応する部分をタッチすると、ポップアップ画像PG17を表示部304から消去する。
【0038】
図14に戻って、その後、米の販売業者が、前述の注文伝票情報の内容に基づいて、発注元の利用者宛てに注文された米の発送を完了したとする。このとき、米の販売業者が、注文された米を利用者宛に発送した後、発送したことを管理サーバ91に通知するための操作を端末装置に対して行うと、端末装置は、注文された米の発送が完了したことを通知する発送完了通知情報を管理サーバ91へ送信する。一方、管理サーバ91は販売業者が所持する端末装置から発送完了通知情報を取得すると、対応する利用者が米を購入したことを通知する購入通知情報を生成する。そして、生成された購入通知情報が、管理サーバ91からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS43)。一方、クラウドサーバ1は、購入通知情報を取得すると、取得した購入通知情報に含まれる利用者が購入した米の量を示す購入量情報を抽出する。そして、クラウドサーバ1は、在庫量記憶部132が記憶する残量情報が示す残量に、抽出した購入量情報が示す米の量を加算して得られる量を示す新たな残量情報を生成し、生成した残量情報を用いて在庫量記憶部132が記憶する残量情報を更新する(ステップS44)。
【0039】
また、クラウドサーバ1が、炊飯器2での炊飯処理後の時点から基準期間経過後における米の残量が予め設定された基準残量以下と判定した後(ステップS35)、利用者情報記憶部135が記憶するECサイト種別情報に基づいて、利用者が、管理サーバ92が管理する自動発注に対応していないECサイトを登録していると判定したとする(ステップS45)。即ち、ステップS8において端末装置3がECサイト提案画面画像GA11を表示部304に表示させている状態で、利用者が、端末装置3の入力部305における釦画像BU12に対応する部分をタッチした場合である。この場合、クラウドサーバ1は、利用者に対して米の購入を催促する購入催促情報を生成する(ステップS46)。続いて、生成された購入催促情報が、クラウドサーバ1から端末装置3へ送信される(ステップS47)。一方、
図16に示すように、端末装置3は、購入催促情報を取得すると、購入催促情報に基づいて、利用者に対して米の購入を催促する購入催促画面を表示部304に表示させる(ステップS48)。ここで、利用者が、端末装置3の入力部305に対して米を発注するための発注操作が行われると、発注情報が、端末装置3から管理サーバ92へ送信される(ステップS49)。これらのことから、ECサイト提案画面画像GA11に含まれる釦画像BU12は、端末装置3が送信する発注情報を取得する管理サーバ92に対応するECサイトを示していると言える。ここで、管理サーバ92は、発注情報を取得すると、取得した発注情報に基づいて、前述の注文伝票情報を生成して販売業者が所持する端末装置(図示せず)へ送信する。一方、販売業者が所持する端末装置は、管理サーバ91から注文伝票情報を取得すると、新たな注文伝票情報が取得されたことを通知する処理を実行する。
【0040】
その後、米の販売業者が、前述の注文伝票情報の内容に基づいて、発注元の利用者宛てに注文された米の発送を完了したとする。このとき、米の販売業者が、注文された米を利用者宛に発送した後、発送したことを管理サーバ92に通知するための操作を端末装置に対して行うと、端末装置は、注文された米の発送が完了したことを通知する発送完了通知情報を管理サーバ92へ送信する。一方、管理サーバ92は販売業者が所持する端末装置から発送完了通知情報を取得すると、対応する利用者が米を購入したことを通知する購入通知情報を生成する。そして、生成された購入通知情報が、管理サーバ92からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS50)。一方、クラウドサーバ1は、購入通知情報を取得すると、取得した購入通知情報に含まれる利用者が購入した米の量を示す購入量情報を抽出する。そして、そして、クラウドサーバ1は、在庫量記憶部132が記憶する残量情報が示す残量に、抽出した購入量情報が示す米の量を加算して得られる量を示す新たな残量情報を生成し、生成した残量情報を用いて在庫量記憶部132が記憶する残量情報を更新する(ステップS51)。
【0041】
次に、本実施の形態に係るクラウドサーバ1が実行する残量管理処理について
図17および
図18を参照しながら説明する。この残量管理処理は、クラウドサーバ1において残量管理処理を実行するためのプログラムが起動されたことを契機として開始される。まず、利用者情報設定部119は、
図17に示すように、端末装置3から送信された登録情報を取得したか否かを判定する(ステップS101)。利用者情報設定部119が、登録情報を取得していないと判定すると(ステップS101:No)、後述するステップS106の処理が実行される。一方、利用者情報設定部119が、登録情報を取得したと判定すると(ステップS101:Yes)、前述の応答要求情報を炊飯器2へ送信することにより(ステップS102)、炊飯器2から送信される応答情報を取得する(ステップS103)。次に、利用者情報設定部119は、取得した応答情報に含まれる機器識別情報と登録情報の送信元の端末装置3の端末識別情報とを対応づけて利用者情報記憶部135に記憶させる(ステップS104)。続いて、利用者情報設定部119は、前述のECサイト提案情報を生成して端末装置3へ送信する(ステップS105)。
【0042】
その後、利用者情報設定部119は、端末装置3から送信される端末識別情報を取得したか否かを判定する(ステップS106)。利用者情報設定部119が、端末装置3から端末識別情報を取得していないと判定すると(ステップS106:No)、後述のステップS111の処理が実行される。一方、利用者情報設定部119は、端末装置3から端末識別情報を取得したと判定すると(ステップS106:Yes)、利用者情報記憶部135が記憶する機器識別情報の中から取得した端末識別情報に対応する機器識別情報を特定する(ステップS107)。次に、利用者情報設定部119は、端末識別情報を取得した後予め設定された待機時間内に管理サーバ91、92から送信される機器識別情報要求情報を取得したか否かを判定する(ステップS108)。利用者情報設定部119は、前述の待機時間内に機器識別情報要求情報を取得していないと判定すると(ステップS108:No)、後述のステップS111の処理が実行される。一方、利用者情報設定部119は、機器識別情報要求情報を取得したと判定すると(ステップS108:No)、機器識別情報要求情報に含まれる端末識別情報を抽出し、抽出した端末識別情報が特定した機器識別情報に対応する端末識別情報と一致するか否かを判定する(ステップS109)。利用者情報設定部119が、抽出した端末識別情報と特定した機器識別情報に対応する端末識別情報とが一致しないと判定すると(ステップS109:No)、後述のステップS111の処理が実行される。一方、利用者情報設定部119は、抽出した端末識別情報と特定した機器識別情報に対応する端末識別情報とが一致すると判定すると(ステップS109:Yes)、特定した機器識別情報を管理サーバ91、92へ送信する(ステップS110)。
【0043】
続いて、利用者情報設定部119は、管理サーバ91、92から送信される前述の登録通知情報を取得したか否かを判定する(ステップS111)。ここで、利用者情報設定部119が、登録通知情報を取得していないと判定すると(ステップS111:No)、後述のステップS113の処理が実行される。一方、利用者情報設定部119は、登録通知情報を取得したと判定すると(ステップS111:Yes)、取得した登録通知情報から機器識別情報および端末識別情報を抽出し、抽出した機器識別情報および端末識別情報を用いて利用者情報記憶部135が記憶する機器識別情報および端末識別情報を更新する(ステップS112)。このとき、利用者情報設定部119は、在庫量記憶部132において、抽出した機器識別情報に対応する残量情報および商品情報を記憶する領域を確保する。
【0044】
次に、在庫量取得部113は、端末装置3から送信される在庫量情報を取得したか否かを判定する(ステップS113)。ここで、在庫量取得部113が、在庫量情報を取得していないと判定すると(ステップS113:No)、後述のステップS116の処理が実行される。一方、在庫量取得部113が、在庫量情報を取得したと判定したとする(ステップS113:Yes)。この場合、在庫量取得部113は、取得した在庫量情報に含まれる残量情報、商品情報および炊飯器2の機器識別情報を抽出し、抽出した残量情報、商品情報および機器識別情報を互いに対応づけて在庫量記憶部132に記憶させる(ステップS114)。続いて、在庫量取得部113は、利用者に対して米の在庫量の初期値の設定が完了したことを通知する在庫量設定完了通知情報を端末装置3へ送信する(ステップS115)。
【0045】
その後、パラメータ取得部111は、
図18に示すように、炊飯器2から送信されるパラメータ情報を取得したか否かを判定する(ステップS116)。ここで、パラメータ取得部111が、パラメータ情報を取得していないと判定すると(ステップS116:No)、再びステップS101の処理が実行される。一方、パラメータ取得部111は、パラメータ情報を取得したと判定すると(ステップS116:Yes)、取得したパラメータ情報をパラメータ情報に付加された炊飯器2の機器識別情報に対応づけてパラメータ記憶部131に記憶させる。そして、炊飯量推定部112が、パラメータ記憶部131が記憶するパラメータ情報が示す炊飯器2の内鍋の内側の温度の時間プロファイルに基づいて、予め設定された単位時間当たりの温度変化量を算出し、算出した温度変化量から炊飯量を推定する(ステップS117)。
【0046】
次に、炊飯量推定部112は、炊飯量履歴記憶部133が記憶する、炊飯量を推定した日に対応する炊飯量情報が示す炊飯量に、推定した炊飯量を加算して得られる炊飯量を示す情報で、その日の炊飯量情報を更新する(ステップS118)。続いて、残量推定部114は、在庫量記憶部132が記憶するパラメータ情報に含まれる機器識別情報に対応する残量情報を参照して、残量情報が示す米の残量から推定された炊飯量を差し引くことにより、炊飯器2での炊飯処理後の時点における米の残量を算出する。そして、残量推定部114は、算出した新たな残量を示す残量情報で在庫量記憶部132が記憶する残量情報を更新する(ステップS119)。その後、残量推定部114は、炊飯器2での炊飯処理後の時点よりも予め設定された米の炊飯量を算出するための算出対象期間だけ過去の時点から炊飯器2での炊飯処理後の時点までの間における、炊飯器2の1日当たりの米の炊飯量の平均値を算出する(ステップS120)。次に、残量推定部114は、炊飯器2が1回の炊飯処理を行った後における米の残量と算出した米の炊飯量の平均値とに基づいて、炊飯器2での炊飯処理後の時点から基準期間だけ経過後の推定残量を算出する(ステップS121)。このとき、残量推定部114は、算出した推定残量を示す情報を残量判定部115に通知する。
【0047】
続いて、残量判定部115は、残量推定部114から通知される情報が示す米の推定残量が前述の基準残量以下になるか否かを判定する(ステップS122)。ここで、残量判定部115は、米の推定残量が基準残量よりも多いと判定すると(ステップS122:No)、再びステップS101の処理が実行される。一方、残量判定部115は、米の推定残量が基準残量以下になると判定すると(ステップS122:Yes)、推定残量が基準残量以下になることを通知する残量不足情報を通知部116に通知する。
【0048】
その後、通知部116は、利用者情報記憶部135が記憶するECサイト種別情報に基づいて、パラメータ情報の送信元の炊飯器2の利用者が自動発注に対応したECサイトを登録しているか否かを判定する(ステップS123)。通知部116は、パラメータ情報の送信元の端末装置3を所持する利用者が自動発注に対応したECサイトを登録していると判定すると(ステップS123:Yes)、前述の米の発注を行うための発注情報を生成して管理サーバ91へ送信する(ステップS124)。次に、通知部116は、前述の自動発注通知情報を生成された発注情報を、パラメータ情報の送信元の炊飯器2の利用者が所持する端末装置3へ送信する(ステップS125)。続いて、後述のステップS117の処理が実行される。
【0049】
一方、通知部116は、パラメータ情報の送信元の端末装置3を所持する利用者が自動発注に対応していないECサイトを登録していると判定すると(ステップS123:No)、前述の米の発注を促す購入促進情報を生成してパラメータ情報の送信元の炊飯器2の利用者が所持する端末装置3へ送信する(ステップS126)。その後、購入通知取得部117は、管理サーバ91、92から前述の購入通知情報を取得したか否かを判定する(ステップS127)。ここで、購入通知取得部117が、購入通知情報を取得していないと判定すると(ステップS127:No)、再びステップS101の処理が実行される。一方、購入通知取得部117が、購入通知情報を取得したと判定すると(ステップS127:Yes)、在庫管理部118が、取得した購入通知情報から前述の購入量情報を抽出する(ステップS128)。次に、在庫管理部118は、在庫量記憶部132が記憶する残量情報が示す残量に、抽出した購入量情報が示す米の量を加算して得られる量を示す新たな残量情報を生成し、生成した残量情報を用いて在庫量記憶部132が記憶する残量情報を更新する(ステップS129)。続いて、再びステップS101の処理が実行される。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態に係るクラウドサーバ1によれば、残量判定部115が、炊飯器2が1回の炊飯処理を行った後における米の残量と、過去に炊飯器2が1日の処理で使用した米の炊飯量の履歴と、に基づいて、基準期間経過後における米の推定残量が基準残量以下になるか否かを判定する。そして、通知部116が、残量判定部115により基準期間経過後における米の推定残量が基準残量以下になると判定されると、発注情報を管理サーバ91へ送信したり、購入促進情報を端末装置3へ送信したりする。これにより、利用者は、使用する米を1箇所に纏めて保管して置く必要が無く、分散して保管していても、米の残量が基準残量以下になる前に米を発注したり或いは購入促進情報を端末装置3で確認したりすることができる。従って、米の在庫切れを抑制しつつ、利用者の利便性を高めることができる。
【0051】
また、本実施の形態に係る購入通知取得部117は、管理サーバ91、92から米を購入した利用者に対応する炊飯器2の機器識別情報と、米の購入量を示す購入量情報と、を含む購入通知情報を取得する。そして、在庫管理部118が、購入通知情報に含まれる機器識別情報と購入量情報とに基づいて、機器識別情報に対応する米の残量を購入量情報が示す購入量に相当する量だけ加算した量を示す新たな残量情報を生成して在庫量記憶部132に記憶させる。これにより、利用者が米を購入する毎に、在庫量記憶部132が記憶する残量情報が自動的に更新されるので、利用者による残量情報の管理負担が軽減される。
【0052】
更に、本実施の形態に係る残量推定部114は、炊飯器2での炊飯処理後の時点よりも前述の炊飯量算出対象期間だけ過去の時点から炊飯器2での炊飯処理後の時点までの間における、炊飯器2の1日当たりの米の炊飯量の平均値を算出する。そして、残量推定部114は、炊飯器2が1回の炊飯処理を行った後における米の残量から、前述の基準期間に含まれる日数と米の炊飯処理量の平均値との積に相当する量を差し引いて得られる推定残量を算出する。これにより、利用者は、将来の米が在庫切れとなる時点よりも基準期間だけ前の時点において、事前に米の残量が減ってきたことを認識できるので、米の在庫切れの発生を低減できる。
【0053】
また、本実施の形態に係る通知部116は、利用者が自動発注に対応したECサイトを登録している場合、残量判定部115により前述の基準期間経過後における米の推定残量が基準残量以下になると判定されると、自動的に発注情報を管理サーバ91へ送信する。これにより、利用者の発注忘れによる米の在庫切れの発生が抑制される。
【0054】
更に、本実施の形態に係る端末装置3は、例えば
図9(A)および(B)に示すように、米の残量を示す米を模した消費材画像GRを表示部304に表示させるとともに米の残量を示す数値画像M51、M61を表示部304に表示させる。そして、端末装置3は、利用者による入力部305を介した操作に応じて、米の残量を表す数値の単位を切り替えて表示する。これにより、利用者の選択に応じて利用者が把握し易い残量表示を行うことができるので、利用者の利便性を高めることができる。
【0055】
以上、本開示の実施の形態について説明したが、本開示は前述の実施の形態によって限定されるものではない。例えばクラウドサーバが、
図19に示すように、炊飯した日時を示す炊飯日時情報とその日時において1回の炊飯処理での炊飯量を示す炊飯量情報とを、炊飯器2の機器識別情報に対応づけて記憶する炊飯量履歴記憶部2133を備えるものであってもよい。この場合、残量推定部114は、炊飯器2での炊飯処理後の時点から予め設定された基準回数だけ炊飯処理を行った後における米の残量を推定するようにすればよい。具体的には、残量推定部114は、まず、炊飯器2での炊飯処理後の時点よりも前述の算出対象期間だけ過去の時点から炊飯器2での炊飯処理後の時点までの間における、炊飯器2の1回の炊飯処理の米の炊飯量の平均値を算出する。次に、残量推定部114は、炊飯器2が1回の炊飯処理を行った後における米の残量から、前述の基準回数と算出した米の炊飯量の平均値との積に相当する量を差し引いて得られる炊飯器2での炊飯処理後の時点から基準回数だけ炊飯処理を行った後における推定残量を算出するようにすればよい。そして、残量判定部115は、残量推定部114が推定した推定残量が前述の基準残量以下になるか否かを判定すればよい。
【0056】
実施の形態では、炊飯器2が、内鍋の内側の温度の時間プロファイルを示すパラメータ情報を生成してクラウドサーバ1へ送信し、クラウドサーバ1の炊飯量推定部112が、炊飯器2から送信されるパラメータ情報が示す炊飯器2の内鍋の内側の温度プロファイルに基づいて炊飯量を推定する例について説明した。但し、これに限らず、例えば炊飯器2が、内鍋と内鍋に投入された米との重量を計測する重量センサを備え、炊飯器制御部24が、重量センサで計測された重量を示すパラメータ情報をクラウドサーバ1へ送信するものであってもよい。この場合、クラウドサーバ1の炊飯量推定部112は、炊飯器2から送信されるパラメータ情報が示す炊飯器2の内鍋と内鍋に投入された米との重量から、内鍋の重量を差し引いて得られる重量に基づいて炊飯量を推定するようにすればよい。
【0057】
実施の形態では、消費材が米である例について説明したが、例えば、炊飯器2の代わりに、クラウドサーバ1との通信が可能な通信アダプタを備えるコーヒーメーカが局所ネットワークNW2に接続され、コーヒーの残量を管理するものであってもよい。この場合、コーヒーメーカは、例えば投入されるコーヒーの重量を計測する重量センサを備えており、1回のコーヒー抽出処理で使用されるコーヒーの重量を示す重量情報をクラウドサーバ1へ送信するようにすればよい。そして、クラウドサーバ1は、コーヒーメーカから送信される重量情報に基づいて、1回のコーヒー抽出処理で使用されるコーヒーの量を算出するようにすればよい。
【0058】
また、本開示に係るクラウドサーバ1の各種機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。この場合、ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述され、プログラムを、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)およびMO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータに読み込んでインストールすることにより、前述の各機能を実現することができるコンピュータを構成してもよい。そして、各機能をOS(Operating System)とアプリケーションとの分担またはOSとアプリケーションとの協同により実現する場合には、OS以外の部分のみを記録媒体に格納してもよい。
【0059】
さらに、搬送波に各プログラムを重畳し、ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、ネットワーク上の掲示板(BBS,Bulletin Board System)に当該プログラムを掲示し、ネットワークを介して当該プログラムを配信してもよい。そして、これらのプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前述の処理を実行できるように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本開示は、米のような消費材の残量を管理するシステムとして好適である。
【符号の説明】
【0061】
1 クラウドサーバ、2 炊飯器、3 端末装置、4 電気機器、6 BBR、21 加熱部、22 計時部、23 温度計測部、24 炊飯器制御部、29 通信アダプタ、91,92 管理サーバ、101,301 CPU、102,302 主記憶部、103,303 補助記憶部、106,306 広域通信部、109,309 バス、111 パラメータ取得部、112 炊飯量推定部、113 在庫量取得部、114 残量推定部、115 残量判定部、116 通知部、117 購入通知取得部、118 在庫管理部、119 利用者情報設定部、131 パラメータ記憶部、132 在庫量記憶部、133,2133 炊飯量履歴記憶部、134 判定基準記憶部、135 利用者情報記憶部、304 表示部、305 入力部、B11,B12 入力欄、BU7,BU11,BU12,BU13,BU21,BU22,BU31,BU32,BU41,BU42,BU51,BU52,BU53 釦画像、GA10 操作画面画像、GA11,GA12,GA13 ECサイト提案画面画像、GA14 在庫量設定画面画像、GA15,GA16 在庫量通知画面画像、GA17 自動発注通知画面画像、GR 消費材画像、H 住宅、M41 メッセージ画像、M51,M61 数値画像、NW1 広域ネットワーク、NW2 局所ネットワーク、PG12,PG13,PG14,PG17 ポップアップ画像、SB41 スライド釦画像