(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】障子のストッパー部材及び建具
(51)【国際特許分類】
E05F 5/00 20170101AFI20241206BHJP
E06B 7/14 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
E05F5/00 D
E06B7/14
(21)【出願番号】P 2020210023
(22)【出願日】2020-12-18
【審査請求日】2023-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】宇山 健
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-71192(JP,A)
【文献】特開平11-294030(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1969668(KR,B1)
【文献】特開2009-30352(JP,A)
【文献】特開2004-183414(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 5/00-5/02
E06B 1/70
E06B 7/12-7/14
E06B 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体の下枠の幅方向の端部に設けられ、幅方向に移動可能な障子と当接する障子のストッパー部材であって、
前記下枠における前記障子を幅方向に移動可能に支持するレールに係合されるレール係合部を備え、
前記枠体には前記レール係合部のみが係合され、
前記レールには、屋内外方向に貫通する切欠き部が形成され、
前記レールは、板面が上下方向を向く中間内板部を有し、
前記レール係合部は、前記レール
の前記中間内板部における前記切欠き部側を向く側の下端部に係合されている障子のストッパー部材。
【請求項2】
前記レール係合部よりも幅方向の外側に配置され、前記下枠の上面に当接する回転規制部を備える請求項1に記載の障子のストッパー部材。
【請求項3】
前記下枠の上面には、水が流通する貫通孔が形成され、
該貫通孔の上方に配置される上面壁部を備え、
該上面壁部の下面は、幅方向の外側に向かうにしたがって上方に傾斜している請求項1または2に記載の障子のストッパー部材。
【請求項4】
枠体と、
該枠体内に幅方向に移動可能に設けられた障子と、
前記枠体の下枠の幅方向の端部に設けられた請求項1から3のいずれか一項に記載の障子のストッパー部材と、を備える建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、障子のストッパー部材及び建具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、引違いサッシ等の建具には、障子の開方向への移動を規制するストッパー部材が枠体の下部に設けられている。例えば、特許文献1には、縦枠に係止される係止片部と、下枠に係止される支持片部と、を備えたストッパー部材が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたストッパー部材を枠体に取り付ける際には、係止片部を縦枠に係止するとともに、支持片部を下枠に係止するように、2方向に係止する必要があり、取り付けに手間がかかるという問題点がある。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、容易に取り付けることができる障子のストッパー部材及び建具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る障子のストッパー部材は、下枠の幅方向の端部に設けられ、幅方向に移動可能な障子と当接する障子のストッパー部材であって、前記下枠における前記障子を幅方向に移動可能に支持するレールに係合されるレール係合部を備え、前記枠体には前記レール係合部のみが係合され、前記レールには、屋内外方向に貫通する切欠き部が形成され、前記レールは、板面が上下方向を向く中間内板部を有し、前記レール係合部は、前記レールの前記中間内板部における前記切欠き部側を向く側の下端部に係合されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図4】建具の下枠の幅方向の端部近傍を示す斜視図。
【
図6】建具の下枠の幅方向の端部近傍の断面斜視図。
【
図7】建具の下枠の幅方向の端部近傍を示す断面図。
【
図8】建具の下枠の幅方向の端部近傍を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態に係る建具の一例として引違い窓について、図面に基づいて説明する。
図1から
図3に示すように、引違い窓100は、建築物の外壁の外壁開口部Waに設けられている。引違い窓100は、枠体1と、外障子2Aと、内障子2Bと、を備えている。
【0009】
以下の説明において、屋外側と屋内側とを結ぶ方向を屋内外方向と称する。屋内外方向と直交する見付け方向のうち、水平方向に沿う方向を幅方向と称し、鉛直方向を上下方向と称する。幅方向のうち引違い窓100の中央側を幅方向の内側と称し、反対側(端部側)を幅方向の外側と称する。
【0010】
図1に示すように、枠体1は、四方枠状に形成されている。枠体1は、上枠11と、下枠12と、一対の縦枠13と、を有している。本実施形態では、枠体1は樹脂製であるが、アルミ合金等の金属形材から構成されたものやアルミ樹脂複合(アルミニウム製部材と樹脂製部材とが組み付けられた構成)であってもよい。
【0011】
上枠11及び下枠12は、幅方向に延びている。縦枠13は、上下方向に延びている。
縦枠13は、上枠11の幅方向の端部と下枠12の端部とを連結している。
【0012】
外障子2Aは、内障子2Bよりも屋外側に配置されている。外障子2A及び内障子2Bは、枠体1に幅方向に移動可能に設けられている。外障子2A及び内障子2Bが閉じた状態で、外障子2A及び内障子2Bは枠体1内を閉塞する。
【0013】
外障子2Aと内障子2Bとは、同様の構成をしている。外障子2A及び内障子2Bを総称して、障子2と称することがある。障子2は、框体20と、ガラス29と、を有している。框体20は、四方枠状に形成されている。框体20は、上框21と、下框22と、一対の縦框23と、を有している。本実施形態では、框体20は樹脂製であるが、アルミ合金等の金属形材から構成されたものやアルミ樹脂複合であってもよい。上框21及び下框22は、幅方向に延びている。縦框23は、上下方向に延びている。各縦框23は、上框21の幅方向の端部と下框22の幅方向の端部とを連結している。ガラス29は、框体20内に納められている。
【0014】
下枠12の構成について説明する。
図2に示すように、下枠12は、外板部41と、内板部42と、内レール部(レール)44と、外レール部(レール)45と、を有している。
【0015】
外板部41は、外壁Wの外壁開口部Waの下縁部に沿って配置されている。外板部41は、板状に形成されている。外板部41の板面は、上下方向を向いている。
【0016】
内板部42は、外板部41の上方に間隔を有して配置されている。内板部42は、板状に形成されている。内板部42の板面は、上下方向を向いている。
【0017】
内レール部44は、内障子2Bを幅方向に移動可能に支持している。内レール部44は、内障子2Bの幅方向に沿って延びている。
図5に示すように、内レール部44では、開方向に移動してきた内障子2Bの召合せ側の縦框23が配置される側の端部には、屋内外方向に貫通する切欠き部44aが形成されている。内レール部44における切欠き部44aよりも幅方向の内側の部分を、長手内レール部44bとする。内レール部44における切欠き部44aよりも幅方向の外側の部分を、端部内レール部44cとする。
【0018】
図6に示すように、内レール部44は、第一内板部441と、第二内板部442と、内レール支持壁部443,444と、中間内板部445と、を有している。
【0019】
第一内板部441は、内板部42から上方に延びている。第一内板部441は、板状に形成されている。第一内板部441の板面は、屋内外方向を向いている。第二内板部442は、第一内板部441よりも屋外側に配置されている。第二内板部442は、内板部42から上方に延びている。第二内板部442は、板状に形成されている。第二内板部442の板面は、屋内外方向を向いている。
【0020】
内レール支持壁部443は、第一内板部441の上端部から屋外側に延びている。内レール支持壁部444は、第二内板部442の上端部から屋内側に延びている。内レール支持壁部443の先端部と内レール支持壁部444の先端部との間には隙間が形成されている。
図5に示すように、長手内レール部44bには、内レール支持壁部443の先端部と内レール支持壁部444の先端部との間の隙間には、内レール本体447が嵌合されている。内障子2B(
図2参照)に設けた戸車(不図示)は、内レール本体447上を走行可能である。
【0021】
図6に示すように、中間内板部445は、第一内板部441の上下方向の中間と第二内板部442の上下方向に中間とを連結している。中間内板部445は、内板部42よりも上方に配置されている。中間内板部445は、板状に形成されている。中間内板部445の板面は、上下方向を向いている。
【0022】
外レール部45は、外障子2A(
図2参照)を幅方向に移動可能に支持している。外レール部45は、外障子2Aの幅方向に沿って延びている。外レール部45では、開方向に移動してきた外障子2Aの召合せ側の縦框23が配置される側の端部には、内レール部44の切欠き部44aと同様に、屋内外方向に貫通する切欠き部(不図示)が形成されている。
【0023】
外レール部45は、内レール部44よりも屋外側に配置されている。外レール部45は、第一外板部451と、第二外板部452と、外レール支持壁部453,454と、中間外板部455と、を有している。
【0024】
外レール部45は、内レール部44と同様の構成であり説明を省略する。第一外板部451は、第一内板部441に対応する。第二外板部452は、第二内板部442に対応する。外レール支持壁部453は、内レール支持壁部443に対応する。外レール支持壁部454は、内レール支持壁部444に対応する。
【0025】
縦枠13は、下枠12と略同一断面形状で形成されている。縦枠13は、長さ方向を上下方向として、内レール部44及び外レール部45が幅方向の内側に突出するように設けられている。縦枠13における内レール部44では、第一内板部441の先端部と第二内板部442の先端部とは、連結内板部449で連結されている。縦枠13における外レール部45では、第一外板部451の先端部と第二外板部452の先端部とは、連結外板部459で連結されている。
【0026】
下枠12の幅方向の端部に取り付けられた障子ストッパー(障子のストッパー部材)5について説明する。障子ストッパー5は、開方向に移動した障子2の幅方向の端部に当接して、障子2の移動を規制するものである。障子ストッパー5は、下枠12の内レール部44では、内障子2Bの戸先と反対側の端部に取り付けられている。障子ストッパー5は、下枠12の外レール部45では、外障子2Aの戸先と反対側の端部に取り付けられている。
【0027】
内レール部44に取り付けられた障子ストッパー5について説明する。
図5に示すように、障子ストッパー5は、第一上面板部51と、障子当接板部52と、レール係合部53と、一対の対向板部54と、一対の規制板部55(
図6参照)と、第二上面板部(上面壁部)56と、を備えている。
【0028】
第一上面板部51は、板状に形成されている。第一上面板部51の板面は、上下方向を向いている。第一上面板部51は、長手内レール部44bの幅方向の端部、切欠き部44a及び端部内レール部44cの上方に配置されている。第一上面板部51における縦枠13に対向する端部には、内方に向かって凹む凹部51aが形成されている。第一上面板部51の凹部51aには、縦枠13の内レール部44の下端部が挿入配置されている。
【0029】
図6に示すように、第一上面板部51における屋内側の端部には、屋内側側壁部511が設けられている。屋内側側壁部511は、第一上面板部51における屋内側の端部から下方に延びている。屋内側側壁部511は、板状に形成されている。屋内側側壁部511の板面は、屋内外方向を向いている。屋内側側壁部511は、内レール部44よりも屋内側に配置されている。屋内側側壁部511の下端部は、下枠12の内板部42の上方に位置している。
【0030】
第一上面板部51における屋外側の端部には、屋外側側壁部512が設けられている。屋外側側壁部512は、第一上面板部51における屋内側の端部から下方に延びている。屋外側側壁部512は、板状に形成されている。屋外側側壁部512の板面は、屋内外方向を向いている。屋外側側壁部512は、内レール部44と外レール部45との間に配置されている。屋外側側壁部512の下端部は、下枠12の内板部42の上方に位置している。
【0031】
図5に示すように、障子当接板部52は、第一上面板部51における引違い窓100の幅方向の内側の端部から下方に延びている。障子当接板部52は、屋内側側壁部511の幅方向の内側の端部及び屋外側側壁部512の幅方向の内側の端部に接続されている。障子当接板部52は、板状に形成されている。障子当接板部52の板面は、引違い窓100の幅方向を向いている。障子当接板部52は、開方向に移動してきた内障子2Bの召合せ側の縦框23の下端部の端面(屋内外方向の沿う面)に当接可能とされている。
【0032】
障子当接板部52には、引違い窓100の幅方向に貫通する挿通孔52hが形成されている。挿通孔52hは、内レール部44に対応した形状をしている。
図4に示すように、挿通孔52hには、長手内レール部44bの幅方向の端部近傍が配置されている。長手内レール部44bの幅方向の端部は、障子ストッパー5の内部にまで到達している。
【0033】
図7に示すように、レール係合部53は、第一上面板部51から下方に延びている。レール係合部53は、障子当接板部52よりも引違い窓100の幅方向の外側に配置されている。レール係合部53は、内レール部44の切欠き部44aに配置されている。レール係合部53の下端部には、引違い窓100の幅方向の内側に突出する係合片53aが設けられている。
【0034】
レール係合部53の係合片53aは、長手内レール部44bの中間内板部445における切欠き部44a側を向く側の下端部445aに係合されている。これによって、障子ストッパー5の上方への移動が規制されている。障子ストッパー5において、下枠12及び縦枠13と係合する箇所は、レール係合部53の係合片53a以外に設けられていない。
【0035】
図5に示すように、一対の対向板部54は、障子当接板部52の挿通孔52hにおける屋内外方向の端部の縁部から引違い窓100における幅方向の外側に延びている。一対の対向板部54は、屋内外方向に対向配置されている。
【0036】
図6に示すように、一対の対向板部54は、長手内レール部44b(
図5参照)及び端部内レール部44cの第一内板部441及び第二内板部442の屋内外方向の外側に配置されている。対向板部54の上部における対向する対向板部54側を向く面54aは、上方に向かうにしたがって次第に対向する対向板部54側にそれぞれ向かうように傾斜している。対向板部54の面54aは、第一内板部441の上部及び第二内板部442の上部に当接している。一対の対向板部54の面54aが第一内板部441の上部及び第二内板部442を屋内外方向に挟み込むことによって、障子ストッパー5の屋内外方向のがたつき及び移動が抑制される。
【0037】
図7に示すように、規制板部55は、屋内外方向から見てL字状に形成されている。規制板部55は、レール係合部53よりも引違い窓100の幅方向の外側に配置されている。一対の対向板部54間では、規制板部55が対向板部54から対向する対向板部54側にそれぞれ突出するように設けられている。規制板部55は、回転規制片部(回転規制部)551と、移動規制片部552と、を有している。
【0038】
回転規制片部551は、板状に形成されている。回転規制片部551の板面は、上下方向を向いている。回転規制片部551の下面551dは、端部内レール部44cの内レール支持壁部443,444(
図7では内レール支持壁部444を示している)の上面444uに当接している。開方向に移動してきた内障子2Bの召合せ側の縦框23の下端部の端面が障子当接板部52に当接して、障子ストッパー5に幅方向の外側の端部を下方に向ける回転モーメントが生じる場合がある。回転規制片部551の下面551dが端部内レール部44cの内レール支持壁部443,444の上面443u,444u(
図6参照)に当接しているため、障子ストッパー5の回転が規制される。
【0039】
移動規制片部552は、板状に形成されている。移動規制片部552の板面は、引違い窓100の幅方向を向いている。移動規制片部552における引違い窓100の幅方向の外側を向く端面552aは、端部内レール部44cにおける切欠き部44a側を向く端面44dに当接または僅かに隙間を有して配置されている。開方向に移動してきた内障子2Bの召合せ側の縦框23の下端部の端面が障子当接板部52に当接して、障子ストッパー5が引違い窓100の幅方向の外側に移動する力を受ける場合がある。移動規制片部552の端面552aは、端部内レール部44cの端面44dに当接しているため、障子ストッパー5の引違い窓100の幅方向の外側への移動が規制される。
【0040】
図5に示すように、第二上面板部56は、屋外側側壁部512の下端部から屋外側に延びている。第二上面板部56は、板状に形成されている。第二上面板部56の板面は、略上下方向を向いている。
【0041】
図6に示すように、第二上面板部56は、下枠12の内レール部44と外レール部45との間に配置されている。
図8に示すように、第二上面板部56は、内板部42よりも上方に配置されている。内板部42には、引違い窓100の幅方向の端部近傍に水抜き孔(貫通孔)42hが形成されている。下枠12上の結露水は、水抜き孔42hを下方に通過して、下枠12内の流通路(不図示)を通過して、屋外に排水される。
【0042】
第二上面板部56は、内板部42の水抜き孔42hの直上に上方に空間を有して配置されている。第二上面板部56の下面56dは、引違い窓100の幅方向の外側に向かうにしたがって上方に傾斜している。
【0043】
障子ストッパー5を内レール部44に取り付ける際には、障子ストッパー5の凹部51aに縦枠13の内レール部44を挿入して、内レール部44の切欠き部44aの上方から障子ストッパー5を下方に移動させる。レール係合部53の係合片53aは、長手内レール部44bにおける切欠き部44a側を向く端面に沿って下方に移動し、中間内板部445の下端部に係合して、障子ストッパー5は内レール部44に取り付けられる。
【0044】
下枠12の外レール部45には、内レール部44に取り付けられた障子ストッパー5を幅方向の中央で対称にした向きで、下枠12の幅方向の反対側の端部に、障子ストッパー5が取り付けられている。
【0045】
このように構成された引違い窓100では、障子ストッパー5のレール係合部53の係合片53aは、内レール部44の中間内板部445及び外レール部45の中間外板部455における切欠き部44a側を向く側の下端部445aに係合されている。これによって、障子ストッパー5を一箇所に係合させればよいため、障子ストッパー5を下枠12に容易に取り付けることができる。
【0046】
引違い窓100では、障子ストッパー5のレール係合部53の係合片53aのみを下枠12の長手内レール部44bの中間内板部445の下端部445aに係合させれば、障子ストッパー5の凹部51a、一対の対向板部54及び一対の規制板部55が所定の位置に配置される。これによって、障子ストッパー5の上下方向の移動、屋内外方向の移動及び幅方向の移動が規制される。このように、障子ストッパー5を下枠12の中間内板部445以外の箇所に係合させる必要がないため、障子ストッパー5を下枠12により一層容易に取り付けることができる。
【0047】
引違い窓100では、開方向に移動してきた障子2の召合せ側の縦框23の下端部の端面が障子当接板部52に当接して、障子ストッパー5に幅方向の外側の端部を下方に向けるようなモーメントが生じる場合がある。回転規制片部551の下面551dが端部内レール部44cの内レール支持壁部443,444の上面444uに当接しているため、障子ストッパー5の回転が規制される。
【0048】
引違い窓100では、障子ストッパー5の第二上面板部56の下面56dは、引違い窓100の幅方向の外側に向かうにしたがって上方に傾斜している。第二上面板部56と下枠12の内板部42との間の高さは、下枠12の幅方向の端部側(縦枠13側)の方が幅方向の中央側よりも大きくなっている。これによって、万が一雨水等の水が屋外側から屋内側に逆流してきた際には、水を、第二上面板部56の下面56dの傾斜に沿って、空気抵抗の少ない下枠12の幅方向の端部側(縦枠13側)に誘導することができ、水が障子ストッパー5の幅方向の内側に漏れ出ることを抑制することができる。
【0049】
上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0050】
例えば、実施形態では、障子ストッパー5は回転規制片部551を有しているが、本発明はこれに限られない。障子ストッパー5は回転規制片部551を有していなくてもよい。
【0051】
実施形態では、障子ストッパー5の第二上面板部56の下面56dは、引違い窓100の幅方向の外側に向かうにしたがって上方に傾斜しているがこれに限られない。第二上面板部56の下面56dは、水平面に沿って形成されていてもよい。障子ストッパー5は第二上面板部56を有していなくてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1…枠体、2…障子、2A…外障子、2B…内障子、5…障子ストッパー(障子のストッパー部材)、12…下枠、44…内レール部(レール)、45…外レール部(レール)、42h…水抜き孔(貫通孔)、53…レール係合部、56…第二上面板部(上面壁部)、551…回転規制片部(回転規制部)