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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】サイドモール
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/04 20060101AFI20241206BHJP
【FI】
B60R13/04 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020216123
(22)【出願日】2020-12-25
(65)【公開番号】P2022101814
(43)【公開日】2022-07-07
【審査請求日】2023-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】504136889
【氏名又は名称】株式会社ファルテック
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】宿里 龍司
【審査官】池田 晃一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-069902(JP,A)
【文献】特開2015-063199(JP,A)
【文献】特開2017-210062(JP,A)
【文献】特開平07-205731(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0288842(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面が意匠面であると共に背面側が開口端とされた中空のアウタと、前記アウタに覆われると共に前記開口端の少なくとも一部を閉塞するインナとを有し、車体の側面に固定されるサイドモールであって、
前記アウタは、前記車体の下端部の下方に配置された下縁部を有し、
前記インナは、前記開口端の一部を閉塞するインナ本体部と、前記インナ本体部から下方に垂下されると共に前記アウタの下縁部を前記アウタの背面側から覆う被覆部とを有し、
前記被覆部は、前記インナ本体部よりも前記アウタと反対側に突出して配置されており、
前記アウタは、
直線状に延伸すると共に外壁面が前記意匠面でありかつ下端部が前記下縁部であるアウタ本体壁と、
前記アウタ本体壁の延伸方向における縁部に接続されると共に前記アウタ本体壁の延伸方向と交差する方向に前記アウタ本体壁から突出して設けられたアウタ側壁と
を有し、
前記アウタ側壁は、前記アウタ本体壁の延伸方向における前記被覆部の側端面を覆う延設部を有し、
前記アウタ本体壁の延伸方向に沿った方向から見て、前記延設部の外縁形状は、同方向から見た被覆部の外縁形状と一致している
ことを特徴とするサイドモール。
【請求項2】
前記インナ本体部の外壁面と前記被覆部の外壁面とが屈曲せずに円滑な湾曲面で接続されていることを特徴とする請求項記載のサイドモール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイドモールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、車体のドアの下部に固定されたドアモールを備える車両が開示されている。特許文献1に開示されたドアモールは、樹脂によって形成されており、外側から視認可能なアウタ側カバー部と、アウタ側カバー部の内側に配置されてドアに固定される外側取付部とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-68632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のドアモールのような車体の側面に設けられるサイドモールでは、上述のようにドア等の車体に対して固定されるインナ(外側取付部)と、インナを覆うと共に外部から視認可能なアウタ(アウタ側カバー部)とを備える場合がある。インナとアウタとは、一般的に樹脂の射出成形によって形成され、例えばビス等によって固定されることで一体化される。
【0005】
このようなサイドモールの下部は、ドアの下端部よりも下方に配置される場合がある。このような場合には、アウタの裏側がドアを開放した場合に乗員等から視認可能となる。アウタの裏側面にはインナと固定される固定部等が設けられるため、このようなアウタの裏側面が視認可能となると、見た者に雑多な印象を与えることとなり、サイドモールさらには車両の外観印象の低下を招く。このため、一般的には、アウタの裏側面はインナによって覆われている。
【0006】
このようなインナは、サイドモールの一体感を向上させるために、一般的には、中空状とされたアウタの背面側に形成された開口面と重なるように配置される。つまり、射出成形によって背面側が開放された容器状の中空のアウタが形成され、板状のインナがアウタの開口を塞ぐように配置される。これによって、アウタとインナとの一体感が高い中空のサイドモールが形成されている。このような場合には、上記開口を囲うアウタの縁部によって囲われた空間に収容されるようにインナが配置される。このため、アウタの縁部の端面は、露出されている。
【0007】
しかしながら、アウタの縁部の端面は、外部からの視認を想定した意匠面として形成されていない。例えばアウタの下縁部の端面には、アウタを射出成形した際のゲート跡が残留している場合もある。このようなアウタの下縁部は、車体の下方に位置する場合には、車両のドアを開放した場合に、乗員等によって視認可能となる。このようなアウタの下縁部は、アウタの裏面と比較して極めて小さい領域であるものの、外観印象の低下を招く可能性がある。
【0008】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、アウタ及びインナを有すると共に下部が車体の下端部よりも下方に配置されたサイドモールにおいて、アウタの下縁部の端面が視認されることによる外観印象の低下を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0010】
本発明の第1の態様は、表面が意匠面であると共に背面側が開口端とされた中空のアウタと、上記アウタに覆われると共に上記開口端の少なくとも一部を閉塞するインナとを有し、車体の側面に固定されるサイドモールであって、上記アウタが、上記車体の下端部の下方に配置された下縁部を有し、上記インナが、上記開口端の一部を閉塞するインナ本体部と、上記インナ本体部から下方に垂下されると共に上記アウタの下縁部を上記アウタの背面側から覆う被覆部とを有するという構成を有する。
【0011】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、上記被覆部が、上記インナ本体部よりも上記アウタと反対側に突出して配置されているという構成を採用する。
【0012】
本発明の第3の態様は、上記第2の態様において、上記アウタが、直線状に延伸すると共に外壁面が上記意匠面でありかつ下端部が上記下縁部であるアウタ本体壁と、上記アウタ本体壁の延伸方向における縁部に接続されると共に上記アウタ本体壁の延伸方向と交差する方向に上記アウタ本体壁から突出して設けられたアウタ側壁とを有し、上記アウタ側壁が、上記アウタ本体壁の延伸方向における上記被覆部の側端面を覆う延設部を有するという構成を採用する。
【0013】
本発明の第4の態様は、上記第2または第3の態様において、上記インナ本体部の外壁面と上記被覆部の外壁面とが屈曲せずに円滑な湾曲面で接続されているという構成を採用する。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、インナがインナ本体部から下方に垂下される被覆部を備えており、アウタの下縁部が被覆部によってアウタの背面側から覆われている。このため、アウタの下縁部の端面が外部から視認されることを防止することができる。したがって、本発明によれば、アウタ及びインナを有すると共に下部が車体の下端部よりも下方に配置されたサイドモールにおいて、アウタの下縁部の端面が視認されることによる外観印象の低下を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態におけるドアモールを備える車両の概略構成を示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態におけるドアモールを裏側から見た背面図である。
図3】本発明の第1実施形態におけるドアモールを裏側から見た分解図である。
図4図2のA-A断面図である。
図5】本発明の第1実施形態におけるドアモールが備えるアウタ及びインナの後側の端部付近を拡大した模式的な斜視図である。
図6】本発明の第2実施形態におけるドアモールが備えるアウタ及びインナの後側の端部付近を拡大した模式的な斜視図である。
図7】本発明の第3実施形態におけるドアモールが備えるアウタ及びインナの後側の端部付近を拡大した模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明に係るサイドモールの一実施形態について説明する。
【0017】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のドアモール1を備える車両100の概略構成を示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態のドアモール1は、車両100の一部として設けられた外装部品であり、車体の側面を形成するドアパネル101の外表面に固定されている。このように本実施形態のドアモール1は、車体の側面であるドアパネル101の外表面に固定されることで、車両100の側部に配置されている。
【0018】
図1に示すように、本実施形態のドアモール1は、車両100の前後方向に直線状に延伸した長尺状の部材である。図2は、本実施形態のドアモール1を裏側(ドアパネル101側)から見た背面図である。また、図3は、本実施形態のドアモール1を裏側(ドアパネル101側)から見た分解図である。また、図4は、図2のA-A断面図である。例えば、図2及び図4に示すように、本実施形態のドアモール1は、下部がドアパネル101の下端部よりも下方に配置されている。つまり、ドアモール1は、ドアパネル101よりも下方に突出して設けられている。このような本実施形態のドアモール1は、アウタ2と、インナ3とを備えている。
【0019】
アウタ2は、インナ3の外側に配置されており、車両100の外部から視認可能な意匠面を有している。このアウタ2は、インナ3及びドアパネル101によって支持されており、インナ3を介してドアパネル101に固定されている。アウタ2は、全体が樹脂の射出成形によって形成されている。このアウタ2の表面は、例えば図4に示すように、外部から視認可能な意匠面21である。アウタ2は、背面側をドアパネル101側に向け、意匠面21をドアパネル101と反対側に向けて配置されている。このアウタ2は、アウタ本体壁2aとアウタ側壁2bとを有する容器状の中空体形状に形成されている。このアウタ2の背面側(すなわちドアパネル101側)には、図4に示すように、開口端22が設けられている。この開口端22は、後述するアウタ本体壁2aの上縁部2a4と下縁部2a5と、アウタ側壁2bの縁部2b1によって囲われることで形成されている。
【0020】
アウタ本体壁2aは、車両100の前後方向に沿って直線状に延伸する壁部である。アウタ本体壁2aの外壁面2a1は、車両100の外部から視認可能な上述の意匠面21である。アウタ本体壁2aの内壁面には、インナ3を固定するためのビス固定台2a2が複数設けられている。これらのビス固定台2a2は、インナ3をアウタ2に固定する構造体であり、アウタ本体壁2aの延伸方向に沿って配列されている。これらのビス固定台2a2にインナ3がビス止めされることで、アウタ2とインナ3とが一体的に締結されている。
【0021】
また、アウタ本体壁2aは、図4に示すように、断面がU字型となる形状に形成されている。このアウタ本体壁2aの上縁部2a4の端面は、図4に示すように、ドアパネル101に対して当接されている。また、アウタ本体壁2aの下縁部2a5は、図4に示すように、ドアパネル101の下端部よりも下方に配置されている。本実施形態においては、図3に示すように、アウタ2を射出成形により形成する場合のゲート跡Gが下縁部2a5の端面に形成されている。
【0022】
アウタ側壁2bは、アウタ本体壁2aの後端縁(アウタ本体壁2aの延伸方向における縁部)に接続されている。アウタ側壁2bは、アウタ本体壁2aの後端縁からアウタ本体壁2aの延伸方向と略直交(交差)する方向に突出して設けられている。より具体的には、アウタ側壁2bは、アウタ本体壁2aの後端縁からアウタ本体壁2aの内壁面(意匠面と反対側の面)が向く方向に突出している。
【0023】
インナ3は、車両100の外部から見て、アウタ2によって覆われており、アウタ2の内部に配置されている。このインナ3は、図2に示すように、複数のビス4によってアウタ2と締結されており、アウタ2を支持する。このようなインナ3は、例えば図3に示すように、インナ本体部3aと、被覆部3bと、接着台座部3cとを有している。
【0024】
インナ本体部3aは、アウタ本体壁2aに沿って延伸する板状の部位である。このインナ本体部3aには、アウタ2を固定するためのビス取付部3a1が複数設けられている。これらのビス取付部3a1は、アウタ本体壁2aに設けられたビス固定台2a2と同数かつ延伸方向にて同位置に設けられている。各々のビス取付部3a1は、アウタ本体壁2aに設けられたビス固定台2a2にビス4によって締結される。
【0025】
また、インナ本体部3aには、ドアパネル101と締結されるパネル締結部3a2が複数設けられている。これらのパネル締結部3a2は、インナ3をドアパネル101に固定するための構造体であり、インナ本体部3aの延伸方向に沿って配列されている。これらのパネル締結部3a2がJナット及びボルト等によってドアパネル101に締結される。
【0026】
このようなインナ本体部3aは、図4に示すように、ドアパネル101の下端から下方に延出しており、車両のドアパネル101が開放された場合に、ドアパネル101の下方において、アウタ2の裏側面が視認されないように被覆する。このインナ本体部3aは、アウタ2の開口端22の開口面に重なるように、アウタ本体壁2aの上縁部2a4と下縁部2a5と、アウタ側壁2bの縁部2b1によって囲われた領域に配置されている。つまり、インナ本体部3aは、アウタ本体壁2aの上縁部2a4の端面と、アウタ本体壁2aの下縁部2a5の端面と、アウタ側壁2bの縁部2b1の端面とに対して、外壁面が略面一となるように配置されている。
【0027】
被覆部3bは、インナ本体部3aから下方に垂下された板状の部位である。この被覆部3bは、図2及び図3に示すように、アウタ2の延伸方向に沿って延伸して設けられている。被覆部3bの延伸方向の長さ寸法は、例えばアウタ2の延伸方向の長さ寸法と略同一である。
【0028】
図5は、アウタ2及びインナ3の後側の端部付近を拡大した模式的な斜視図である。この図に示すように、被覆部3bは、インナ本体部3aから下方に垂下されることによって、アウタ本体壁2aの下縁部2a5に対向配置されている。このような被覆部3bは、ゲート跡Gが残る下縁部2a5の端面をアウタ2の背面側(ドアパネル101側)から覆い、ドアパネル101が開放された場合に、アウタ本体壁2aの下縁部2a5の端面が露出することを防止する。
【0029】
また、図5に示すように、被覆部3bは、インナ本体部3aよりもアウタ2と反対側に突出して配置されている。この被覆部3bの上端部は、インナ本体部3a側に屈曲されており、インナ本体部3aの下端と一体的に接続されている。
【0030】
このような被覆部3bの外壁面は、インナ本体部3aの外壁面と同様に、外部からの視認を前提した造形面である。このような被覆部3bにアウタ本体壁2aの下縁部2a5が被覆されることによって、ドアパネル101が開放された場合に、下縁部2a5の端面が露出されずに、被覆部3bの外壁面が視認される。
【0031】
また、図2及び図3に示すように、被覆部3bには、延伸方向に沿って配列された複数の溝3b1が設けられている。これらの溝3b1が設けられることで、射出成形時の冷却等の影響等によって被覆部3bが変形することを防止すること可能となる。
【0032】
接着台座部3cは、インナ本体部3aの延伸方向における後縁部に設けられており、接着台座部3cは、ドアパネル101側に向けて突出した台部であり、ドアパネル101側の面がドアパネル101の表面と接着される接着面である。この接着台座部3cは、図2及び図3に示すように、インナ本体部3aの後縁部の上下方向に長く設けられている。なお、接着台座部3cは、例えば接着テープによってドアパネル101と接着されている。
【0033】
このような本実施形態のドアモール1では、アウタ2とインナ3とがビス4で締結されることで一体化されている。また、本実施形態のドアモール1は、アウタ本体壁2aのパネル締結部2a3及びインナ本体部3aのパネル締結部3a2がドアパネル101と締結されることでドアパネル101に固定されている。
【0034】
以上のような本実施形態のドアモール1は、表面が意匠面21であると共に背面側が開口端22とされた中空のアウタ2と、アウタ2に覆われると共に開口端22の少なくとも一部を閉塞するインナ3とを有し、ドアパネル101の側面に固定される。また、アウタ2は、ドアパネル101の下端部の下方に配置された下縁部2a5を有する。また、インナ3は、開口端22の一部を閉塞するインナ本体部3aと、インナ本体部3aから下方に垂下されると共にアウタ2の下縁部2a5をアウタ2の背面側から覆う被覆部3bとを有する。
【0035】
このような本実施形態のドアモール1においては、インナ3がインナ本体部3aから下方に垂下される被覆部3bを備えており、アウタ2の下縁部2a5が被覆部3bによってアウタ2の背面側から覆われている。このため、アウタ2の下縁部2a5の端面が外部から視認されることを防止することができる。したがって、本実施形態のドアモール1によれば、アウタ2及びインナ3を有すると共に下部がドアパネル101の下端部よりも下方に配置されたドアモール1において、アウタ2の下縁部2a5の端面が視認されることによる外観印象の低下を防止することが可能となる。
【0036】
また、本実施形態のドアモール1においては、被覆部3bが、インナ本体部3aよりもアウタ2と反対側に突出して配置されている。このため、被覆部3bをアウタ2の下縁部2a5に外側から対向配置させた場合であっても、インナ本体部3aをアウタ2の開口端22から突出しないように配置することが可能となる。したがって、アウタ2とインナ3との一体感を高め、ドアモール1の外観印象をより向上させることが可能となる。
【0037】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図6を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0038】
図6は、本第2実施形態のドアモールのアウタ2及びインナ3の後側の端部付近を拡大した模式的な斜視図である。この図に示すように、本実施形態においては、アウタ側壁2bは、インナ3の被覆部3bの側端面に対向するように配置された延設部2b2が設けられている。
【0039】
延設部2b2は、アウタ本体壁2aの延伸方向における被覆部3bの側端面を覆っており、被覆部3bの側端面が、ドアパネル101を開放した場合に、外部から視認されることを防ぐ。アウタ側壁2bの外壁面は、外部からの視認を前提した造形面である。このようなアウタ側壁2bの一部である延設部2b2に被覆部3bの側端面が覆われている。このため、被覆部3bの側端面が視認されることによる外観印象の低下を防止することが可能となる。
【0040】
なお、アウタ本体壁2aの延伸方向に沿った方向から見て、延設部2b2の外縁形状は、同方向から見た被覆部3bの外縁形状と一致していることが好ましい。このように、延設部2b2の外縁形状が被覆部3bの外縁形状と一致することで、アウタ2とインナ3との一体感を向上させることが可能となる。
【0041】
このような本実施形態のドアモールにおいては、アウタ2が、直線状に延伸すると共に外壁面が意匠面21でありかつ下端部が下縁部2a5であるアウタ本体壁2aと、アウタ本体壁2aの延伸方向における縁部に接続されると共にアウタ本体壁2aの延伸方向と交差する方向にアウタ本体壁2aから突出して設けられたアウタ側壁2bとを有している。また、アウタ側壁2bは、アウタ本体壁2aの延伸方向における被覆部3bの側端面を覆う延設部2b2を有している。このため、上述のように、被覆部3bの側端面が視認されることによる外観印象の低下を防止することが可能となる。
【0042】
さらに、延設部2b2を設けることによって、仮にアウタ2及びインナ3の一方あるいは両方が変形することで、アウタ側壁2bとインナ本体部3aとの間に隙間が生じた場合であっても、ドアモールの内部(アウタ2の内壁面)が外部から視認されることを防止することが可能となる。
【0043】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、図7を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0044】
図7は、本第3実施形態のドアモールのアウタ2及びインナ3の後側の端部付近を拡大した模式的な斜視図である。この図に示すように、本実施形態においては、被覆部3bの上端部は、インナ本体部3a側に湾曲されており、インナ本体部3aの外壁面と被覆部3bの外壁面とが屈曲することなく円滑な湾曲面で接続されている。
【0045】
このような本実施形態のドアモールによれば、インナ本体部3aと被覆部3bとの境界部に外部から角部が視認されることを抑止することが可能となる。このため、インナ本体部3aと被覆部3bとの一体感を向上させることが可能となる。
【0046】
なお、本第3実施形態のドアモールに対して、上記第2実施形態における延設部2b2を設けるようにしても良い。このような場合には、延設部2b2の外縁形状を被覆部3bの外縁形状に合わせて湾曲させることが好ましい。
【0047】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0048】
上記実施形態においては、ヒンジ型のドアパネル101に対して、本実施形態のドアモールを固定する構成について説明した。しかしながら、スライドドアに対してドアモールを取り付けた場合においても、スライドドアの開放時にアウタの下端部が視認可能となることもある。このため、本実施形態のドアモールをスライドドアに対して設ける構成を採用することも可能である。
【符号の説明】
【0049】
1……ドアモール(サイドモール)、2……アウタ、2a……アウタ本体壁、2a1……外壁面(意匠面)、2a4……下縁部、2b……アウタ側壁、2b2……延設部、3……インナ、3a……インナ本体部、3b……被覆部、3c……接着台座部、4……ビス、100……車両、101……ドアパネル(車体)、G……ゲート跡
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7