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特許7599343複合機群の制御プログラムおよび複合機群の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】複合機群の制御プログラムおよび複合機群の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20241206BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20241206BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
H04N1/00 127B
H04N1/00 350
G06F3/0484
B41J29/38
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021004253
(22)【出願日】2021-01-14
(65)【公開番号】P2021129295
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2023-11-09
(31)【優先権主張番号】16/791,412
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003362
【氏名又は名称】弁理士法人i.PARTNERS特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マリアンヌ コディマー
【審査官】鈴木 明
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-062197(JP,A)
【文献】特開2018-107575(JP,A)
【文献】特表2011-525275(JP,A)
【文献】特開2016-224711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 3/0484
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の複合機群のデータを蓄積し、その蓄積データを基に機械学習機能により提案又は推奨を生成するデータ分析サーバから前記提案又は推奨を受信するハンドヘルドデバイスによって実行される複合機群の制御プログラムであって、
前記ハンドヘルドデバイスのユーザインタフェースに複数の選択項目のダッシュボードを表示する手順と、
前記ダッシュボード中の1つの選択項目を選択する手順と、
選択した前記選択項目に関係する前記提案又は推奨を前記ユーザインタフェースに表示する手順と、
表示された前記提案又は推奨を前記ユーザインタフェースから選択した前記複合機に適用する手順と、
を前記ハンドヘルドデバイスに実行させる複合機群の制御プログラム。
【請求項2】
前記ユーザインタフェースの前記ダッシュボード中の表示される前記複数の選択項目には、適正化、サービス、アプリケーション、修正の1つ以上が含まれ、
前記ユーザインタフェースの複合機群の一覧表示領域から前記適用する複合機を選択することを特徴とする請求項1に記載の複合機群の制御プログラム。
【請求項3】
前記ダッシュボード中の前記複数の選択項目には、夫々の動的指示数を表すバッジが表示されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合機群の制御プログラム。
【請求項4】
前記提案又は推奨の承認に応じて、承認した前記選択項目の前記バッジの動的指示数が1つ減じられて表示されることを特徴とする請求項3に記載の複合機群の制御プログラム。

【請求項5】
前記複合機群の管理を実施するにあたり、前記ハンドヘルドデバイスに制御対象とする複数の複合機を定義することを特徴とする請求項1に記載の複合機群の制御プログラム。
【請求項6】
複数の複合機群のデータを蓄積し、その蓄積データを基に機械学習機能により提案又は推奨を生成するデータ分析サーバからの提案又は推奨を受信するハンドヘルドデバイスによって実行される複合機群の制御方法であって、
前記ハンドヘルドデバイスのユーザインタフェースに複数の選択項目のダッシュボードを表示し、
前記ダッシュボード中の1つの選択項目を選択し、
選択した前記選択項目に関係する前記提案又は推奨を前記ユーザインタフェースに表示し、
表示された前記提案又は推奨を前記ユーザインタフェースから選択した前記複合機に適用する、
ことを特徴とする複合機群の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合機群の制御プログラムおよび複合機群の制御方法に関する。
【0002】
ドキュメント処理装置には、プリンタ、コピー機、スキャナ及び電子メールゲートウェイが含まれる。より最近では、これらの機能のうちの2つ以上を使用するデバイスが、オフィス環境にある。これらの機器は、複合機(MFPまたはMFD)と呼ばれる。本明細書で使用されるように、MFPは、単独で、または前述の機能の他のものと組み合わせて、プリンタを含むものと理解される。さらに、任意の適切なドキュメント処理装置を使用できることも理解されたい。
【0003】
多くのビジネスにおいて、多数のMFPが使用される。多数のデバイスに対するデバイスの動作又はユーザの利便性を改善するために、何を行うことができるかを決定することは、極めて困難である場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-161467号公報
【文献】特開2018-170629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、スマートフォンまたはタブレット等のハンドヘルドデバイスを用いて、複合機群を維持し、最適化するための複合機群の制御プログラムおよび複合機群の制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の複合機群の制御プログラムは、複数の複合機群のデータを蓄積し、その蓄積データを基に機械学習機能により提案又は推奨を生成するデータ分析サーバから前記提案又は推奨を受信するハンドヘルドデバイスによって実行される複合機群の制御プログラムであって、前記ハンドヘルドデバイスのユーザインタフェースに複数の選択項目のダッシュボードを表示する手順と、前記ダッシュボード中の1つの選択項目を選択する手順と、選択した前記選択項目に関係する前記提案又は推奨を前記ユーザインタフェースに表示する手順と、表示された前記提案又は推奨を前記ユーザインタフェースから選択した前記複合機に適用する手順と、を前記ハンドヘルドデバイスに実行させる。
【0007】
様々な実施形態は、以下の説明、添付の特許請求の範囲及び添付の図面を参照してより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る複合機群管理システムの例示的な構成を示す図である。
図2】実施形態に係る複合機におけるネットワーク化デジタル装置の構成を示す図である。
図3】実施形態に係る、複合機に接続されるスマートフォンまたはタブレットコンピュータなどのハンドヘルドデバイスの例示的な構成を示す図である。
図4】実施形態に係るハンドヘルドデバイスを介した機械学習支援を有する複合機群管理システムの制御する複合機群の制御プログラムのフローチャートである。
図5】実施形態に係る複合機群の制御プログラムを実行するハンドヘルドデバイスのユーザインタフェース画面の第1シーケンスの一例を示す図である。
図6】実施形態に係る複合機群の制御プログラムを実行するハンドヘルドデバイスのユーザインタフェース画面の第2シーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で開示される装置、システム、プログラム、および方法は、図面を参照しながら詳細に説明されるが、これらは例示に過ぎない。開示され、説明された例、配置、構成、構成要素、要素、装置、デバイス方法、プログラム、システムなどに対しては適宜変更が可能であり、また、所定の実施のために変更が望まれることは、当業者ならば容易に理解可能であろう。本開示で同定される特定の技術的方法、配置などは、特定の提示例であるか、またはそのような技術的方法、配置などの一般的な説明のいずれかにすぎない。特定の説明や例に基づいて同定されるものは、そのようなものとして特に指定されない限り、必須のものであるまたは限定されるべきものであると解釈されることを意図しておらず、また解釈されるべきではない。
【0010】
推薦エンジンは、他の同様のユーザ及び/または製品の特性に基づいて、ユーザに製品及びサービスを推薦するためにしばしば使用される。現在、類似のMFPに基づいてMFPを予測する当業者が存在する。このデータを使用することは、問題解決のためにビジネス環境内のほとんどのユーザにとって困難である。
【0011】
本明細書で説明される実施形態は、非技術的なエンドユーザが、デバイスデータに適用される人工知能を利用して、会社の効率を改善し、コストを削減し、または推薦エンジンに基づいて誤差を修正する、直接的なユーザインタフェースを介して複合機群管理を達成することを可能にするハンドヘルドデバイスのモバイルアプリケーションを提供する。ハンドヘルドデバイスによる選択は、デバイスを更新するため、予約を設定するため、又は推奨事項に基づいて修正支援を得るために、ワンタッチアクションボタン(画面ボタン)を用いて適切に行われる。以下で詳細に説明するように、ハンドヘルドデバイスのユーザインタフェース(操作画面)には、カウントを示すアイコン又はバッジが含まれ、問題が解決されると動的に更新される。また、問題が発生しなくなるか、又はMFPフリートが更新されると、発行された推奨事項が編成される。
【0012】
図1は、ドキュメント処理装置(MFP104、108及び112)を含む複合機群管理システム100の例示的な構成を示している。複合機群(複合機フリート又はMFPフリートとも言う)は、同じタイプでも異なるタイプでもよく、任意の複数のMFPを適切に含む。図1の例では、MFP104及び108は同じ機能を共有し、MFP112はMFP104及び108とは異なる機能を有する。各MFP104,108,112は、夫々に設定されるIPアドレスなどを介して、固有の識別子によって適切に識別される。フリートMFPのリストは、ネットワークデバイスの発見、又はデバイスの手動追加、又は削除などによって自動的に行うことができる。
【0013】
図1のMFP104,108,112は、ネットワーク116を介してデータ通信を行うことができる。ネットワーク116は、適切な有線または無線手段を介して、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネットを含むことができるワイドエリアネットワーク(WAN)、またはそれらの任意の適切な組合せによって構成される。ネットワーク116には、機械学習を含む人工知能を累積データに適用するのに適したデータ分析サーバ120が接続される。図1の実施例では、分析されるデータは、監視または報告されたMFP状態に関連する無数のソースから取得される。分析されるステータスは、使用データおよびデバイスステータスデータ、ならびにユーザ挙動、会社固有の使用要因又は業界固有の使用要因に対応するデータ、並びにデバイス構成およびデバイスサービス等を含む。業界特有の使用要因は、当技術分野で理解されるように、法律、医療、政府、教育、製造、または他のタイプのビジネスなどのビジネスタイプに基づくことができる。
【0014】
複合機群(複合機フリート)の各MFP104,108,112の使用に対応するヒューリスティックデータは、データ分析サーバ120によって記憶され、分析される。データ分析サーバ120は、任意の適切な機械学習システムによって、結果として得られる深いデータに対して適切に動作する。適切な機械学習システムは、利用可能なサードパーティのプラットフォーム上に構築しても良い。ソフトウェアの更新、デバイス構成、またはソフトウェアの追加に関する推奨事項は、データ分析サーバ120からスマートフォンやタブレットなどのハンドヘルドデバイス(以下、スマートフォン124を例に記載する)に伝えられる。推奨事項は、格納されたヒューリスティックデータ、デバイス使用、ビジネスタイプ、および他の適切な情報に基づくことができる。図1に示した実施例では、推奨事項は、図5および図6でさらに詳細に説明されるように、装置ダッシュボードとともにタッチスクリーンディスプレイ(ユーザインタフェースとも言う)128を含むスマートフォン124に通信される。ユーザは、フリートを作成するためにスマートフォン124に表示されるユーザインタフェースを介してMFP104,108,112に対する動作を実行する。推奨事項は、後述する図5および図6に示すように、変更された条件又はユーザの変更に基づいて自動的に更新される。また、ユーザは、定義されたフリートのために供給された提案に従って、ダウンロードのために、新しいアプリケーションなどの製品を買い物することもできる。
【0015】
予測や推奨事項は、人工知能または機械学習のアプリケーションにより生成される。ここで、「予測」には以下のものが含まれる。
毎日の技術的フィーチャー、アプリ、パターン、時間帯の個人デバイスの使用状況。
雇用者の行動、習慣、分析。
個人デバイスの健全さ、エラー、保守スケジュール、統計。
収集デバイスの健全さ、エラー、保守スケジュール、統計。
教育機関、法務、テック、医療、防衛、採掘、官公庁などを含む企業/産業ヒューリスティック。
類似企業/産業の類似デバイスと、部門や他社のセグメントを横断したデバイスとから収集されるデータ。
【0016】
「推奨事項」には以下のものが含まれる。
ダウンロードすべきアプリケーション。
変更すべきフリート設定。
変更すべき個人デバイスの設定。
予定されたサービス。
フリートにおいてエンドユーザが修正できるエラー(例えば、紙詰まりやトナー不足など)。
【0017】
図2は、図1のドキュメント処理装置(MFP104、108、112)のようなMFP内に適切に含まれるドキュメントレンダリングシステム200の構成が示されている。MFP104、108、112は、それ自体がコンピュータシステムであるインテリジェントコントローラ201を含むことが理解される。コントローラ201には、プロセッサCPU202によって示されるような1つ以上のプロセッサが含まれる。プロセッサCPU202は、データバス212を介して、リードオンリーメモリROM204、ランダムアクセスメモリRAM206などの不揮発性メモリに適切にアクセスすることができる。
【0018】
プロセッサCPU202はまた、当業者によって理解されるように、ハードディスク、光ディスク、ソリッドステートディスク、クラウドベースのストレージ、または任意の他の適切なデータストレージから適切に構成されるストレージ216とデータを読み書きするためのストレージインタフェース(I/F)208とデータ通信する。
【0019】
プロセッサCPU202はまた、ネットワークインタフェースコントローラ(NIC)214へのインタフェースを提供するネットワークインタフェース(I/F)210とデータ通信し、ネットワークインタフェースコントローラ(NIC)214は、次に、任意の適切な有線または物理ネットワークバス220を介して有線データパスを提供するか、またはWiFi218などの無線ネットワークインタフェースを介して無線データパスを提供する。無線接続の実施例としては、セルラー、Wi-Fi、近距離無線通信(NFC)、無線ユニバーサルシリアルバス(無線USB)、衛星などがある。有線インタフェースの例としては、イーサネット(登録商標)、USB、IEEE1394(FIREWIRE(登録商標))、LIGHTNING(登録商標)、電話回線などがある。プロセッサCPU202はまた、ハードウェアモニタ221とデータ通信し、サブアセンブリ、センサ、デジタル温度計などからの状態データを適切に蓄積し、デバイスエラーコードなどのデバイスコードを含むデジタル状態データを適切に含む。プロセッサCPU202はまた、データ経路212を介して、Bluetooth(登録商標)インタフェース226およびNFCインタフェース228とのデータ通信においてドキュメントプロセッサインタフェース222とすることができる。
【0020】
プロセッサCPU202は、ディスプレイ、キーボード、マウス、トラックボール、タッチスクリーンなどのユーザ周辺機器とのデータ通信を提供する適切なユーザインタフェース(図示せず)とデータ通信することもできる。
【0021】
ドキュメントプロセッサインタフェース222は、MFP機能ユニット250とのデータ通信に適している。図2の実施例では、MFP機能ユニット250は、コピーハードウェア240から適切に構成されるコピーエンジンと、スキャンハードウェア242から適切に構成されるスキャンエンジンと、プリンタハードウェア244から適切に構成されるプリンタエンジンと、ファックスハードウェア246から適切に構成されるファックスエンジンとを含む。これらのサブシステムは、共にMFP機能ユニット250を含む。MFP機能ユニット250は、任意の適切なハードウェアまたはソフトウェアプラットフォームを含むインテリジェントユニットから適切に構成されることが理解される。
【0022】
次に、図3は、図1のデータ分析サーバ120のデジタルデバイスシステム300の一例を示している。デジタルデバイスシステム300は、プロセッサ304によって示されるような1つ以上のプロセッサが含まれる。プロセッサ304は、データバス314を介して、リードオンリーメモリROM310及びランダムアクセスメモリRAM312などの不揮発性メモリを適切にアクセスすることができる。
【0023】
プロセッサ304はまた、当業者によって理解されるように、ハードディスク、光ディスク、ソリッドステートディスク、又は他の適切なデータ記憶装置から構成される、ストレージ308に対する読取り又は書込みを制御するストレージインタフェース306とデータ通信することができる。
【0024】
プロセッサ304はまた、ワイヤレスネットワークインタフェース338を介した無線接続の適切なネットワーク又は装置接続へのデータ経路を提供するネットワークインタフェースコントローラ330とデータ通信することができる。MFP104、108、112又はデータ分析サーバ120への適切なデータ接続は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネットを含むことができるワイドエリアネットワーク(WAN)、又はそれらの任意の適切な組合せなどのデータネットワークを介して実現する。また、デジタルデータ接続は、Bluetooth、光データ転送、Wi-Fiダイレクトなどを介して、MFP104、108、112又はデータ分析サーバ120と直接的に接続することもできる。
【0025】
プロセッサ304はまた、ユーザI/Oインタフェース340とデータ通信することができる。このユーザI/Oインタフェース340は、キーボード(不図示)、マウス(不図示)、トラックボール(不図示)、ディスプレイジェネレータ346が接続されている。プロセッサ304はまた、ディスプレイジェネレータ346を介してタッチスクリーンディスプレイ344などのユーザ周辺機器とデータ通信することができる。各機能ユニットは、任意の適切なハードウェアまたはソフトウェアプラットフォームを含むインテリジェントユニットから適切に構成されることが理解される。
【0026】
図4は、ハンドヘルドデバイス(スマートフォン124)を用いて、機械学習支援を受ける複合機群管理システムにおけるスマートフォン124の動作制御を示すフローチャート400である。制御プロセス400は、ブロック404で開始し、ブロック408に進む。ブロック408で、MFPフリート(MFP104、108、112)が、機器発見及び又はグループへの機器の追加(自動又は手動で)/削除又はそれらの組合せによって定義され、スマートフォン124によって制御対象とするMFPを決定する。機械学習は、ブロック412において、デバイス設定、構成、人間の特性、産業の特性などに適用され、ハードウェア、ソフトウェア又は設定の提案あるいは推奨事項が決定される。ブロック416において、フリート状態を反映するダッシュボードがスマートフォン124のユーザインタフェース128上に生成される。ブロック420で提案または推奨事項が決定され、ブロック424で決定された提案又は推奨事項をユーザインタフェース128上に表示バッジと共に表示される(図5および図6を参照)。ブロック428において、ユーザがスマートフォン124のユーザインタフェース128からの操作により、1つまたは複数のMFPで提案または推奨事項を受け入れる場合(ブロック428のYes)、適用するMFPを選択する。適用するMFPは、複合機群の一覧表示領域540に表示されるMFPフリート(MFP104、108、112)をタッチすることに選択可能である。これにより、ブロック436において、スマートフォン124を介して選択したMFP(MFP104、108、112)内に提案または推奨事項が適用される。そして、システムはブロック412に戻り、修正されたMFPフリートに人工知能が再び適用される。したがって、ユーザには、変更が行われると動的インテリジェンス(ユーザインタフェース)が提供される。ユーザがブロック428で1つ以上の提案または推奨事項を受け入れない場合、処理はブロック432で終了する。
【0027】
前述の実施例によれば、ユーザは、MFPフリートを最適化するために、個々のMFPデバイスに、または全てのフリート(集合群)に対して、どのような変形例を適用すべきかを定義することができる。定義する項目としては、(1)アプリケーションの追加/削除、(2)デバイスセッティングの切り替え、(3)スケジュールサービス、(4)ハードウェア又はソフトウェアの更新、(5)エンドユーザが適用可能な修正等である。これによりユーザは、インストールするアプリケーションを個別に、または集合的に決定することもできる。後述する図5および図6から明らかなように、スマートフォン124のユーザインタフェース128のダッシュボードには、紙詰まり、トナー不足、用紙不足、インク不足など、修正可能なエラーを持つ特定のMFPデバイスとともに、多数のMFPが表示される。特定のMFPデバイスは、修正するためにサービスチケットを必要とすることがあり、適切なサービスが適切にスケジュールされる。
【0028】
後述する図5および図6から明らかなように、実施形態では、スマートフォン124のユーザインタフェース128にボタンを呼び出すことは、推奨事項又は説明がアクションボタンと共に提供される二次スクリーンにつながる。アクションボタンは、追加の支援なしに推奨アクションを呼び出すための1回のクリックを提供する。呼び出されると、画面が削除され、ユーザには更新中の装置の進行状況またはステータスが表示される。
【0029】
図5は、図1のスマートフォン124のタッチスクリーン(ユーザインタフェース)128上に好適に生成される、ユーザインタフェーススクリーン504、508および512のシーケンス500の例示的な実施形態を示す。スクリーン504は、選択項目としてオプティマイズ(最適化)518、サービス520、ショップ524、アプリケーション526、修正528の適用、又はチャット530を最適化するために、ユーザが選択可能な表示領域を含むダッシュボード516を含む。
【0030】
図5の実施例では、オプティマイズ518、サービス520、アプリケーション526および修正528の右肩には、それぞれバッジ(丸数字)531、532、534および538を含んでいる。バッジ531、532、534および538は、対応する選択可能領域に現在いくつの問題が適用されているかについての動的指示数(例えば、問題数)を提供する。この実施例では、バッジ531は1つの最適化問題を示し、バッジ532は1つのサービス問題を示し、バッジ534は3つのアプリケーション問題を示し、バッジ538は4つの修正問題を示していることが分かる。ダッシュボード516の下に示す複合機群の一覧表示領域540は、関連フリートの表示部であり、図1のMFP104、108および112の反映である、識別されたMFPデバイスを示す。MFPフリートの総数「3デバイス」及びアドレス可能な問題の総数「9ノーティフィケーション(通知)」は、表示領域542に要約されている。バッジ531、532、534および538は、デバイスが更新されるとき、ユーザが通知を棄却するとき、又はMFPフリートが更新されるときなど、ユーザによってアクションが取られるまで表示されている。
【0031】
図5の実施例では、ユーザは左側のスクリーン504のオプティマイズ516を選択して、バッジ531によって反映される最適化問題を提示する。そのような選択は、省エネモードの実施が費用を節約することができることをユーザに示唆する中央のスクリーン508に移行(提示)する。ユーザは、この実施例では、「省エネモードを適用する」ボタン544をタッチすると共に、複合機群の一覧表示領域540に表示されるMFPフリートから適用したいMFPをタッチする。図5の例では、MFPフリート(MFP104、108、112)の全MFPを選択したことを網掛け表示で示している。ボタン544および適用MFPがタッチされると、右側のスクリーン512に移行する。スクリーン512では、オプティマイズ(最適化)のボタン518′に関連するユーザ選択可能表示領域の右肩に位置するバッジ560には問題数が表示されていない。即ち、1つの関連する問題が対処されたので、もはや存在しないことが理解できる。また、複合機群の一覧表示領域540に表示されるMFPフリートから適用したいMFPをタッチするので、適用したいMFPだけを選択することができる。なお、MFPの選択において、複合機群の全てのMFPを一括して選択できる「一括選択」ボタンを複合機群の一覧表示領域540に表示するようにしても良い。
【0032】
図6は、同じく図1のスマートフォン124のタッチスクリーン(ユーザインタフェース)128上に好適に生成される、ユーザインタフェスクリーン604、608、および612のシーケンス600の例示的な実施形態を示す。この実施例で、ユーザは、左側のスクリーン604上でアプリケーションのバッジ634内の3つのアプリケーション問題をリストするアプリボタン626を選択したとする。これにより、データ分析サーバ120からの情報を受信して、中央に示す3つの問題のうちの1つに関するスクリーン608が表示される。このスクリーン608においては、アプリケーション問題の1つとして、MFPフリート(MFP104、108、112)にファクシミリ・ソリューションをインストールする提案が提示されている。これにユーザが同意した場合、ユーザはボタン644をタッチすると共に、複合機群の一覧表示領域540に表示されるMFPフリートから適用したいMFPをタッチする。図6の例では、MFP104(MFP1)、112(MFP3)の2つのMFPを選択したことを網掛け表示で示している。ボタン644および適用MFPがタッチされると、同アプリケーションが適切にダウンロードされMFPフリート(MFP104、108、112)にインストールされる。次に、右側のスクリーン612が表示(移行)され、アプリケーションのバッジ634′がアプリボタン626′上に現れる。これにより、アプリケーションの問題が1つ少なくなっていることに気づかせる。したがって、動的なユーザインタフェースが注目される。
【0033】
以上の説明の通り、実施形態の複合機群の制御プログラムおよび複合機群の制御方法によれば、スマートフォンまたはタブレット等のハンドヘルドデバイスを用いて、複合機群を維持し、最適化することができる。また、監視される複合機からのデータに機械学習を適用することによって、ハンドヘルドデバイスを介して管理者によって選択可能な推奨事項を提供することができる。
【0034】
実施形態の複合機群の制御プログラム400は、複数の複合機群104,108,112のデータを蓄積し、その蓄積データを基に機械学習機能により提案又は推奨を生成するデータ分析サーバ120から提案又は推奨を受信するハンドヘルドデバイス124によって実行される複合機群の制御プログラムであって、ハンドヘルドデバイス124のユーザインタフェース128に複数の選択項目518乃至530のダッシュボード516を表示する手順(504)と、ダッシュボード516中の1つの選択項目を選択する手順(504)と、選択した選択項目に関係する提案又は推奨をユーザインタフェース128に表示する手順(508)と、表示された提案又は推奨をユーザインタフェース128から選択した複合機に適用する手順(512)と、をハンドヘルドデバイス124に実行させる構成であるので、ハンドヘルドデバイス124を用いて、複合機群(MFP104,108,112)を維持し、最適化することができる。また、ダッシュボード516をハンドヘルドデバイス124のユーザインタフェース128に表示することで、簡単な操作で複合機群(MFP104,108,112)を管理することができる。
【0035】
また複合機群の制御プログラム400は、ユーザインタフェース128のダッシュボード516中の表示される複数の選択項目518乃至530には、適正化518、サービス520、アプリケーション526、修正528の1つ以上が含まれ、ユーザインタフェース128の複合機群の一覧表示領域540から適用する複合機を選択するので、適正化518、サービス520、アプリケーション526、修正528の管理を簡単な選択操作によって実現することができる。また、複合機群の一覧表示領域540に複合機群の一覧が表示されているので、適用する複合機を選択することができる。
【0036】
また複合機群の制御プログラム400は、ダッシュボード516中の複数の選択項目518,520,526,528には、夫々の動的指示数を表すバッジ531,532,534,538が表示されているので、複数の選択項目の動的指示数を簡単に掌握することができる。
【0037】
また複合機群の制御プログラム400は、提案又は推奨の承認に応じて、承認した選択項目518′のバッジ560の動的指示数が1つ減じられて表示されるので、承認した選択項目518′の問題解決がバッジの動的指示数から容易に理解できる。
【0038】
また複合機群の制御プログラム400は、複合機群(MFP104,108,112)の管理を実施するにあたり、ハンドヘルドデバイス124に制御対象とする複数の複合機を定義するので、管理対象とする複合機群(MFP104,108,112)を簡単に定義することができる。
【0039】
実施形態の複合機群の制御方法は、複数の複合機群104,108,112のデータを蓄積し、その蓄積データを基に機械学習機能により提案又は推奨を生成するデータ分析サーバ120からの提案又は推奨を受信するハンドヘルドデバイス124によって実行される複合機群104,108,112の制御方法であって、ハンドヘルドデバイス124のユーザインタフェース128に複数の選択項目518乃至530のダッシュボード516を表示し(504)、ダッシュボード516中の1つの選択項目を選択し(504)、選択した選択項目に関係する提案又は推奨をユーザインタフェース128に表示し(508)、表示された提案又は推奨をユーザインタフェース128から選択した複合機に適用する方法であるので、ハンドヘルドデバイス124を用いて、複合機群MFP104,108,112を維持し、最適化することができる。また、ダッシュボードをハンドヘルドデバイス124のユーザインタフェース128に表示することで、簡単な操作で複合機群MFP104,108,112を管理することができる。
【0040】
特定の実施形態を説明してきたが、これらの実施形態は、例としてのみ提示されており、本発明の範囲を限定することを意図していない。実際、本明細書に記載される新規な実施形態は、様々な他の形態で具現化されてもよく、さらに、本明細書に記載される実施形態の形態における様々な省略、置換及び変更が、本発明の精神から逸脱することなく行われてもよい。添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物は、本発明の精神及び範囲内に入るような形態または変更を包含することが意図される。
【符号の説明】
【0041】
104,108,112…複合機群を構成する複合機(MFP)
120…データ分析サーバ、 124…スマートフォン(ハンドヘルドデバイス)
128…タッチスクリーンディスプレイ(ユーザインタフェース)
504,508,512,604,608,612…スクリーン
516…ダッシュボード、 518…オプティマイズ、 520…サービス、
526,626,626′…アプリケーション、 528…修正
530…チャット、 531,532,534,538,634,634′…バッジ
540…複合機群の一覧表示領域
図1
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図3
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図6