IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱重工航空エンジン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-タービン動翼及びタービン 図1
  • 特許-タービン動翼及びタービン 図2
  • 特許-タービン動翼及びタービン 図3
  • 特許-タービン動翼及びタービン 図4
  • 特許-タービン動翼及びタービン 図5
  • 特許-タービン動翼及びタービン 図6
  • 特許-タービン動翼及びタービン 図7
  • 特許-タービン動翼及びタービン 図8
  • 特許-タービン動翼及びタービン 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】タービン動翼及びタービン
(51)【国際特許分類】
   F01D 5/26 20060101AFI20241206BHJP
   F01D 25/06 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
F01D5/26
F01D25/06
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021050679
(22)【出願日】2021-03-24
(65)【公開番号】P2022148852
(43)【公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】514275772
【氏名又は名称】三菱重工航空エンジン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 敏生
(72)【発明者】
【氏名】秋元 健太郎
【審査官】佐々木 淳
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05373922(US,A)
【文献】英国特許出願公開第02255138(GB,A)
【文献】特開2000-161005(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 1/00-11/24
F01D 13/00-15/12
F01D 23/00-25/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線に沿って延びる回転軸に固定される翼根、該翼根の径方向外側に一体に設けられた基部、該基部の径方向外側に一体に設けられた翼体、及び、前記基部の軸方向端面から突出するフィンを有する動翼本体と、
前記軸方向端面における前記フィンの径方向内側の内周側領域と前記フィンにおける径方向内側を向くフィン内周面とにわたって設けられたダンパピースと、
を備え
前記ダンパピースは、
前記内周側領域に当接するように径方向及び周方向に延びる板状をなす第一板部と、
前記第一板部の径方向外側の端部に接続されて、前記フィン内周面に当接するように軸線方向及び周方向に延びる第二板部と、
を有するタービン動翼。
【請求項2】
前記基部は、前記第一板部の径方向内側の端部が当接する第一当接部を有し、
前記フィンは、前記第二板部における軸線方向の先端が当接する第二当接部を有する請求項に記載のタービン動翼。
【請求項3】
前記基部は、前記第一板部の径方向内側の端部を前記軸線方向から覆うように周方向に延びる柵部をさらに有する請求項に記載のタービン動翼。
【請求項4】
前記フィン内周面の一部に径方向内側に向かって凹む凹部が形成されており、
前記ダンパピースにおける前記第二板部の径方向外側を向く面に、前記凹部に嵌まり込む凸部が形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載のタービン動翼。
【請求項5】
軸線に沿って延びる回転軸に固定される翼根、該翼根の径方向外側に一体に設けられた基部、該基部の径方向外側に一体に設けられた翼体、及び、前記基部の軸方向端面から突出するフィンを有する動翼本体と、
周方向視でL字状をなしていることにより、前記軸方向端面における前記フィンの径方向内側の内周側領域と前記フィンにおける径方向内側を向くフィン内周面とにわたって設けられたダンパピースと、
を備えるタービン動翼。
【請求項6】
前記ダンパピースに固定されたボックス本体、及び、該ボックス本体内で移動可能に設けられた移動ダンパを有する請求項1から5のいずれか一項に記載のタービン動翼。
【請求項7】
前記回転軸と、
該回転軸に周方向に配列された請求項1から6のいずれか一項に記載のタービン動翼と、
を備え、
前記ダンパピースは、周方向に互いに隣り合う前記動翼本体にわたって設けられているタービン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タービン動翼及びタービンに関する。
【背景技術】
【0002】
タービン動翼は、回転軸に取り付けられる翼根と、該翼根の径方向外側に一体に設けられてシャンク及びプラットフォームからなる基部と、該基部から径方向外側に延びる翼体とによって構成されている。基部には、該基部から軸線方向に突出するフィンが設けられている。当該フィンによって、タービン静翼と回転軸との間に燃焼ガスの流れが入り込むことを抑制している。
【0003】
ここで例えば特許文献1には、航空機分野のガスタービンにおけるタービン動翼にダンパを適用した例が開示されている。タービン動翼が回転する際には、該タービン動翼と該ダンパとの間で生じる摩擦力によって、タービン動翼の振動が減衰される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-161005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、タービン動翼の軽量化・高アスペクト化が進み、タービン動翼自体の体格強度を確保することが厳しくなってきている。また、高性能化・高出力化を図るためには、制振性をより向上させることが必要となる。
【0006】
本開示は上記課題を解決するためになされたものであって、体格強度を確保しながら制振性を向上させることができるタービン動翼及びタービンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係るタービン動翼は、軸線に沿って延びる回転軸に固定される翼根、該翼根の径方向外側に一体に設けられた基部、該基部の径方向外側に一体に設けられた翼体、及び、前記基部の軸方向端面から突出するフィンを有する動翼本体と、前記軸方向端面における前記フィンの径方向内側の内周側領域と前記フィンにおける径方向内側を向くフィン内周面とにわたって設けられたダンパピースと、を備え、前記ダンパピースは、前記内周側領域に当接するように径方向及び周方向に延びる板状をなす第一板部と、前記第一板部の径方向外側の端部に接続されて、前記フィン内周面に当接するように軸線方向及び周方向に延びる第二板部と、を有する。
本開示に係るタービン動翼は、軸線に沿って延びる回転軸に固定される翼根、該翼根の径方向外側に一体に設けられた基部、該基部の径方向外側に一体に設けられた翼体、及び、前記基部の軸方向端面から突出するフィンを有する動翼本体と、周方向視でL字状をなしていることにより、前記軸方向端面における前記フィンの径方向内側の内周側領域と前記フィンにおける径方向内側を向くフィン内周面とにわたって設けられたダンパピースと、を備える。
【0008】
本開示に係るタービンは、前記回転軸と、該回転軸に周方向に配列された上記のタービン動翼と、を備え、前記ダンパピースは、周方向に互いに隣り合う前記動翼本体にわたって設けられている。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、体格強度を確保しながら制振性を向上させることができるタービン動翼及びタービンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の第一実施形態に係る航空機用ガスタービンの概略構成を示す縦断面図である。
図2】本開示の第一実施形態に係るタービン動翼の斜視図である。
図3】本開示の第一実施形態に係るタービン動翼の要部の縦断面図である。
図4】本開示の第一実施形態に係るタービン動翼におけるダンパピースを軸線方向から見た図である。
図5】本開示の第一実施形態に係るタービン動翼におけるダンパピースの第一変形例を軸線方向から見た図である。
図6】本開示の第一実施形態に係るタービン動翼におけるダンパピースの第の意変形例を軸線方向から見た図である。
図7】本開示の第二実施形態に係るタービン動翼の要部の縦断面図である。
図8】本開示の第二実施形態に係るタービン動翼のダンパボックスの縦断面図である。
図9】本開示の第二実施形態に係るタービン動翼の変形例に係るダンパボックスの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第一実施形態>
以下、本発明の第一実施形態に係るガスタービン1について図1から図4を参照して詳細に説明する。
【0012】
<ガスタービンの構成>
本実施形態のガスタービン1は、航空機用エンジンとして用いられる。ガスタービン1は、圧縮機4と、燃焼室10と、タービン11と、を備えている。
【0013】
圧縮機4は、吸気ダクト5から取り込まれた空気を圧縮することで高圧空気を生成する。圧縮機4は、圧縮機ケーシング6と、圧縮機ロータ軸7と、圧縮機動翼段8と、圧縮機静翼段9と、を備えている。圧縮機ケーシング6は、圧縮機ロータ軸7を外周側から覆っており、軸線Oの延びる方向(以下、軸線O方向と称する)に延びている。
【0014】
圧縮機動翼段8は、圧縮機ロータ軸7に複数設けられている。これら圧縮機動翼段8は、軸線O方向に間隔をあけて配列されている。複数の圧縮機動翼段8は、それぞれ複数の圧縮機動翼8aを備えている。圧縮機動翼8aは、軸線Oを中心とする仮想円の半径に沿う方向(以下、径方向と称する)に延びている。各圧縮機動翼段8の圧縮機動翼8aは、圧縮機ロータ軸7の外周面上で軸線Oを中心とした方向(以下、周方向と称する)に配列されている。
【0015】
圧縮機静翼段9は、圧縮機ケーシング6に複数設けられている。これら圧縮機静翼段9は、軸線O方向に間隔をあけて配列されている。圧縮機静翼段9は、軸線O方向で上記圧縮機動翼段8と交互に配置されている。複数の圧縮機静翼段9は、それぞれ複数の圧縮機静翼9aを備えている。各圧縮機静翼段9の圧縮機静翼9aは、圧縮機ケーシング6の内周面上で周方向に配列されている。
【0016】
燃焼室10は、圧縮機4で生成された高圧空気に燃料Fを混合して燃焼させることで、燃焼ガスGを生成する。燃焼室10は、圧縮機ケーシング6とタービン11のタービンケーシング13との間に設けられている。この燃焼室10によって生成された燃焼ガスGは、タービン11に供給される。
【0017】
タービン11は、燃焼室10で生成された高温高圧の燃焼ガスGによって駆動する。より具体的には、タービン11は、高温高圧の燃焼ガスGを膨張させて、燃焼ガスGの熱エネルギーを、回転エネルギーに変換する。このタービン11は、タービンケーシング13と、タービンロータ軸(回転軸)12と、タービン動翼段14と、タービン静翼段15と、を備えている。
【0018】
タービンケーシング13は、タービンロータ軸12を外周側から覆っている。タービンケーシング13と、上述した圧縮機ケーシング6とは、軸線Oに沿って一体に接続されている。これら圧縮機ケーシング6とタービンケーシング13とによってガスタービンケーシング2が構成されている。
【0019】
タービンロータ軸12は、軸線O方向に延びている。このタービンロータ軸12と、上述した圧縮機ロータ軸7とは、軸線O方向に並んで相対移動不能にされている。これらタービンロータ軸12と圧縮機ロータ軸7とによって、ガスタービンロータ軸3が構成されている。このガスタービンロータ軸3は、ガスタービンケーシング2の内部で軸線O回りに一体に回転可能とされている。
【0020】
タービン動翼段14は、タービンロータ軸12の外周面に、軸線O方向に間隔をあけて複数設けられている。これら複数のタービン動翼段14は、それぞれ複数のタービン動翼20(詳細は後述する)を有している。一つのタービン動翼段14が備える複数のタービン動翼20は、周方向に等ピッチで並んで配置されている。
【0021】
タービン静翼段15は、タービンケーシング13の内周面に、軸線O方向に間隔をあけて複数設けられている。これら複数のタービン静翼段15は、軸線O方向で上記タービン動翼段14と交互に配置されている。これらタービン静翼段15は、それぞれ複数のタービン静翼15aを備えている。各タービン静翼段15に設けられたタービン静翼15aは、タービンケーシング13の内周面上で周方向に等ピッチで並んで配列されている。
【0022】
上述した構成のガスタービン1を運転するに当たっては、まず外部の駆動源によって圧縮機ロータ軸7を回転駆動する。圧縮機ロータ軸7の回転に伴って外部の空気が順次圧縮され、高圧空気が生成される。この高圧空気は、圧縮機ケーシング6を通じて燃焼室10内に供給される。燃焼室10内では、この高圧空気に燃料Fが混合されたのち燃焼され、高温高圧の燃焼ガスGが生成される。燃焼ガスGは、タービンケーシング13を通じてタービン11内に供給される。なお、以下では、軸線O方向の両側のうち、燃焼ガスGの流れてくる側を単に「上流側」と呼び、その反対側を単に「下流側」と呼ぶことがある。
【0023】
タービン11内では、タービン動翼段14、及びタービン静翼段15に燃焼ガスGが順次衝突することで、タービンロータ軸12に対して回転駆動力が与えられる。この回転エネルギーは、主に、圧縮機4の駆動に利用される。タービン11を駆動した燃焼ガスGは、排気ノズル16により流速が増加されて推力を生む噴流となり、噴射口17から外部に排出される。
【0024】
<タービン動翼>
次に図2を参照してタービン動翼20の動翼本体21の全体構成について説明する。動翼本体21は、タービン動翼20は、翼根30、基部40、フィン70、翼体90及びシュラウド91を備えている。
【0025】
<翼根>
翼根30は、動翼本体21における径方向内側の端部に設けられている。翼根30は、動翼本体21をタービンロータ軸12に固定する。翼根30は、周方向両側に凹凸が形成されたいわゆるクリスマスツリー型をなしている。翼根30は、軸線O方向の一方側(燃焼ガスGの流れ方向上流側)から軸線O方向の他方側(燃焼ガスGの流れ方向下流側)にわたって一様な形状をなしている。翼根30がタービンロータ軸12に形成された溝部に軸線O方向から挿入されることで、動翼本体21はタービンロータ軸12に一体に固定される。
【0026】
<基部>
基部40は翼根30の径方向外側に設けられている。基部40は、シャンク41及びプラットフォーム50を有する。
【0027】
<シャンク>
シャンク41は、翼根30の径方向外側の端部に一体に固定されている。シャンク41における周方向両側を向く一対の面は、それぞれシャンク端面42とされている。シャンク端面42は、径方向及び軸線O方向に沿う平面状をなしている。シャンク41における一対のシャンク端面42の周方向の間隔は翼根30の周方向の寸法よりも大きい。
【0028】
<プラットフォーム>
プラットフォーム50は、シャンク41に一体に設けられている。プラットフォーム50は、シャンク41における軸線O方向一方側、径方向外側、軸線O方向他方側を覆う板状をなしている。
プラットフォーム50における径方向外側を向く面は、燃焼ガスGの流路に沿って面する外周側端面51とされている。
【0029】
プラットフォーム50における周方向を向く一対の面は、それぞれ周方向端面52とされている。周方向端面52は、周方向視で径方向内側が開放されたU字状をなしている。一対の周方向端面52は、シャンク41における対応するシャンク端面42よりも周方向外側(基部40の周方向の中心から周方向一方側及び他方側に離れる方向)に位置している。隣り合う動翼本体21のプラットフォーム50同士は、互いの周方向端面52が周方向に対向している。隣り合う動翼本体21のプラットフォーム50同士の間には隙間が形成されている。
【0030】
プラットフォーム50における軸線O方向一方側及び他方側を向く一対の面は、それぞれ軸方向端面53とされている。軸方向端面53は、上端が外周側端面51における軸線O方向の端部に接続されている。軸方向端面53の下端は、基部40の下端まで延びている。
【0031】
<フィン>
フィン70は、基部40におけるプラットフォーム50の軸方向端面53から軸線O方向に突出するように形成されている。
【0032】
本実施形態のフィン70は、軸線O方向一方側の軸方向端面53、軸線O方向他方側の軸方向端面53に対応して一対が設けられている。即ち、フィン70はタービン動翼20の上流側及び下流側の双方に設けられている。一対のフィン70は、それぞれ軸方向端面53から軸線O方向外側(動翼本体21の軸線O方向の中央から軸線O方向に離れる方向)に突出するように設けられている。即ち、軸線O方向一方側のフィン70は軸線O方向一方側に突出し、軸線O方向他方側のフィン70は、軸線O方向他方側に突出している。
【0033】
フィン70は軸線O方向及び周方向に延びる板状をなしている。フィン70の周方向の寸法はプラットフォーム50の周方向の寸法と同一とされている。したがって、フィン70における周方向を向く一対のフィン周方向端面71aは、プラットフォーム50の周方向端面52と面一とされている。
【0034】
<翼体>
翼体90は、プラットフォーム50の外周側端面51に一体に固定されており、該外周側端面51から径方向外側に向かって延びている。翼体90における径方向に直交する断面形状は、翼型をなしている。翼体90における周方向一方側を向く面は腹側面とされており、周方向他方側を向く面は背側面とされている。上流側から下流側に向かって流れ込む燃焼ガスGが腹側面に当たることによって、動翼本体21が回転する。
【0035】
<シュラウド>
シュラウド91は翼体90における径方向外側の端部に一体に設けられている。シュラウド91は、翼体90の径方向外側の端部よりも軸線O方向及び周方向に張り出す形状をなしている。互いに隣り合う動翼本体21のシュラウド91同士は、互いのコンタクト面を介して接触している。
【0036】
<動翼本体の制振構造>
次に、タービン動翼20の制振構造について図3を用いて詳細に説明する。タービン動翼20は、制振部材としてのダンパピース100をさらに備えている。ダンパピース100は、動翼本体21の外面に設けられている。ダンパピース100は、基部40のプラットフォーム50おける軸方向端面53とフィン70とにわたって設けられている。本実施形態では、タービン動翼20の上流側及び下流側のそれぞれにダンパピース100が設けられている。
【0037】
<基部の詳細構造>
上述した基部40のプラットフォーム50における一対の軸方向端面53は、それぞれ対応するフィン70によって径方向に二分されている。軸方向端面53におけるフィン70の径方向外側の部分は、外周側領域54とされている。外周側領域54の径方向外側の端部は、外周側端面51に接続されている。外周側領域54は、径方向内側に向かうにしたがって軸線O方向外側に向かうように傾斜している。
【0038】
<内周側領域>
軸方向端面53におけるフィン70の径方向内側の領域は、内周側領域60とされている。内周側領域60は、軸線O方向を向く面であって、周方向及び径方向に延びている。内周側領域60の径方向の寸法は、外周側領域54の径方向の寸法よりも長い。即ち、フィン70は、軸方向端面53における径方向外側寄りの位置に設けられている。
【0039】
内周側領域60は、内周側端面63と第一摺接面61とを有している。
内周側端面63は、軸方向端面53における径方向内側の端部を形成する面である。
第一摺接面61は、内周側端面63とフィン70との間に挟まれた部分であって、内周側端面63よりも軸線O方向内側(動翼本体21における軸線O方向の中央に近づく方向)に後退するように位置している。即ち、第一摺接面61は、基部40の基本構成から一部分を切り取るようにして形成された面である。第一摺接面61は、周方向及び軸線O方向の二方向に延びる平面状をなしている。
【0040】
第一摺接面61の径方向内側の端部には、該第一摺接面61から軸線O方向外側に張り出す第一当接部62が形成されている。第一当接部62は、第一摺接面61と内周側端部との段差に形成されており、径方向外側を向いている。該第一当接部62は、周方向にわたって設けられている。
第一当接部62における軸線O方向外側の端部には、内周側端面63が径方向外側に向かって突出するようにして形成された柵部64が設けられている。柵部64は周方向にわたって設けられている。
このようにして、第一摺接面61の間には、第一当接部62及び柵部64によって周方向に延びる溝状の構造が形成されている。当該溝は、ダンパ挿入溝65とされている。
【0041】
<フィンの詳細構造>
フィン70における径方向外側を向く面は、軸線O方向及び周方向に延びるフィン外周面71とされている。フィン外周面71の軸線O方向内側の端部は、軸方向端面53における外周側領域54の径方向内側の端部に接続されている。
【0042】
<フィン内周面>
フィン70における径方向内側を向く面は、軸線O方向及び周方向に延びるフィン内周面80とされている。
フィン内周面80は、第二摺接面81と先端内面83とを有している。
【0043】
第二摺接面81は、フィン内周面80における軸線O方向内側の部分であって、周方向及び径方向に延びている、第二摺接面81は、周方向に平面状に延びていてもよいし、周方向に向かうに従って軸線O回りに湾曲して延びていてもよい。
【0044】
第二摺接面81の軸線O方向内側の端部は、軸方向端面53における内周側領域60の径方向外側の端部、即ち、第一摺接面61の径方向外側の端部に周方向にわたって接続されている。第一摺接面61と第二摺接面81とは、周方向視で垂直をなすように接続されている。
【0045】
先端内面83は、フィン内周面80における軸線O方向外側の部分、即ち、フィン70の先端側の部分である。先端内面83は、第二摺接面81の軸線O方向外側に隣接するように配置されている。先端内面83は、先端内面83よりも径方向内側に前進するように設けられている。言い換えれば、第二摺接面81は、先端内面83よりも径方向外側に後退するように凹んでいる。即ち、第二摺接面81は、フィン70のフィン内周面80の一部を切り取るようにして形成された面である。
【0046】
第二摺接面81と先端内面83との間の段差面は、軸線O方向内側向く第二当接部82とされている。第二当接部82は、周方向にわたって延びている。
【0047】
第二摺接面81における軸線O方向の一部には、該第二摺接面81から径方向外側に凹むとともに周方向にわたって延びる凹部84が形成されている。凹部84は、第二摺接面81における軸線O方向外側の端部及び軸線O方向内側の端部から離間した位置、即ち、第二摺接面81における軸線O方向の中間部に形成されている。
【0048】
<ダンパピース>
ダンパピース100は、例えばNi基合金やチタン等の金属から構成されている。なお、ダンパピース100としては、使用される環境の温度が適切であれば高減衰金属を採用してもよい。ダンパピース100は、第一板部110及び第二板部120を有している。第一板部110及び第二板部120の厚さは、例えば2~10mmに設定されている。
【0049】
<第一板部>
第一板部110は、周方向及び径方向に延びる矩形板状をなしている。即ち、第一板部110の辺は、周方向及び径方向に一致するように延びている。
第一板部110における軸線O方向内側を向く面は、基部40における第一摺接面61に対して面接触している。第一板部110における径方向内側の端部は、第一当接部62に対して径方向から当接している。第一板部110における径方向内側の端部は、柵部64によって軸線O方向外側から覆われている。即ち、第一板部110の径方向内側の端部は、第一当接部62及び柵部64によって構成されたダンパ挿入溝65に挿入されている。
【0050】
<第二板部>
第二板部120は、周方向及び軸線O方向に延びる板状をなしている。即ち、第二板部120の辺は、周方向及び軸線O方向に一致するように延びている。第二板部120の軸線O方向内側の端部は、第一板部110の径方向外側の端部に周方向にわたって接続されている。これによって、ダンパピース100は、周方向視でL字状をなしている。
【0051】
第二板部120における軸線O方向外側を向く面は、フィン70における第二摺接面81に対して面接触している。第二板部120は、第二摺接面81の形状に応じて、平板状をなしていてもよいし、軸線O回りに湾曲する板状をなしていてもよい。第二板部120における軸線O方向外側の端部は、第二当接部82に対して軸線O方向内から当接している。
【0052】
ダンパピース100は、第二板部120における径方向外側を向く面の一部に、該面から径方向外側に突出するとともに周方向にわたって延びる凸部122をさらに有している。凸部122は、フィン内周面80の凹部84に対応する位置で対応する形状をなしている。これによって、ダンパピース100が動翼本体21に取り付けられた状態では、該ダンパピース100の凸部122が凹部84に嵌まり込んだ状態とされている。
【0053】
上記のようなダンパピース100は、図4に示すように、タービン動翼段14全体として周方向に複数が配列されるように設置された分割構造をなしている。各ダンパピース100は、隣り合うタービン動翼20における動翼本体21同士にわたって設けられている。
<作用効果>
上記のような構成のガスタービン1では、タービン動翼20の回転時に該タービン動翼20に励振力が作用した際には、ダンパピース100によって当該励振力が抑えられる。即ち、タービン動翼20に励振力が作用して該タービン動翼20が振動すると、動翼本体21の第一摺接面61、第二摺接面81に当接するダンパピース100が、第一摺接面61及び該第二摺接面81に対して滑るように摺接する。これによって、ダンパピース100と動翼本体21との間で摩擦力が生じ、当該摩擦力によって振動エネルギーを散逸させることができる。したがって、ダンパピース100によるタービン動翼20全体としての制振効果を得ることができる。
【0054】
特に本実施形態では、ダンパピース100が第一板部110及び第二板部120からなる周方向視L字状をなしており、これら第一板部110及び第二板部120と基部40の第一摺接面61、フィン70の第二摺接面81の双方との間で摩擦力を得る構成とされている。即ち、基部40の間のみならずフィン70と間でも振動減衰に寄与する摩擦力を得ることができる。そのため、タービン動翼20全体としての振動減衰効果を大きく得ることができる。
【0055】
さらに、このような第一板部110及び第二板部120を有するダンパピース100を設置することで、基部40のみならず、比較的薄く強度の低いフィン70の体格を補強することができる。したがって、タービン動翼20全体としての体格強度を確保することができる。
【0056】
一方で、第一板部110及び第二板部120が当接する第一摺接面61、第二摺接面81は、本来の動翼本体21の形状から一部を切り取ることで形成された面である。即ち、当該切り取った部分に第一板部110及び第二板部120が設置される構成とされている。そのため、これら第一板部110及び第二板部120によって高減衰性を確保しながら、タービン動翼20全体としての重量が不用意に増加してしまうことを抑えることができる。これにより、設計自由度拡大によるさらなる性能向上、信頼性向上を図ることができる。
【0057】
また、本実施形態では、ダンパピース100が第一当接部62、第二当接部82に当接していることで当該ダンパピース100の位置決め及び動翼本体に対する保持を適切に行うことができる。即ち、ダンパピース100が第一当接部62と第二当接部82との間で突っ張るように設けられることで、ダンパピース100を適切に固定しながら、振動に応じて摺動できる構成とすることができる。
【0058】
さらに、第一板部110の径方向内側の端部は、基部40の柵部64によって軸線O方向から覆われた構成となる。即ち、第一板部110の径方向内側の端部は、ダンパ挿入溝65に挿入された構成とされているため、ダンパピース100を基部40に対して確実に保持することができるとともに、当該ダンパピース100を基部40に対して容易に取り付けることができる。
【0059】
また、ダンパピース100における第二板部120に設けられた凸部122がフィン内周面80の凹部84に嵌まり込む構成のため、第二板部120の位置決め及び取り付けをより適切に行うことができる。
【0060】
さらに、本実施形態では、複数のダンパピース100のそれぞれが隣り合うタービン動翼20にわたって設けられている。これによって、隣り合うタービン動翼20におけるプラットフォーム50同士の間の隙間をシールすることができるため、燃焼ガスGが当該隙間を通過することを抑制することができる。したがって、ガスタービン1としての性能を向上させることができる。
【0061】
<第一実施形態の第一変形例>
なお、ダンパピース100は例えば、図5に示すように、周方向に配列された複数の動翼本体21にわたって設けられた構成であってもよい。この場合、ダンパピース100の第一板部110及び第二板部120は、第一実施形態の構成よりも周方向に延びた形状、例えば、ガスタービン1の上半部全域にわたって延びた形状とされている。これによっても、ダンパピース100による減衰性能を得ながら、隣り合うタービン動翼20の基部40同士の間で燃焼ガスGが漏れ出てしまうことを抑制できる。
【0062】
<第一実施形態の第二変形例>
また、ダンパピース100は例えば、図6に示すようなトポロジー最適化を施した構成であってもよい。即ち、例えば、タービン動翼20について有限要素法を用いた振動解析を行い、振動を最も低減できるようにダンパピース100自体の形状を最適化してもよい。図6の例では、第二板部120の先端部の一部を削除することで凹凸構造を形成している。これによって、制振効果の最適化のみならず、重量低減を図ることができる。
なお、トポロジー最適化の結果に基づき、三次元積層造形法を用いてダンパピース100を製造してもよい。この際、ダンパピース100を三次元格子形状としてもよい。
【0063】
<第二実施形態>
次に本発明の第二実施形態について図7及び図8を参照して説明する、図7及び図8では、第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0064】
図7に示すように、第二実施形態のタービン動翼20は、第一実施形態の構成に加えて、ダンパボックス140を有している。
ダンパボックス140は、ダンパピース100に一体に設けられている。ダンパボックス140は、図8に示すように、ボックス本体141と、移動ダンパとしての球状ダンパ142とを有している。
【0065】
ボックス本体141は、ダンパピース100と同一の材料、または、その他の鋼材から構成された矩形箱状をなしている。ボックス本体141はその外面のうちの二面が、ダンパピース100の第一板部110及び第二板部120に一体に固定されている。ボックス本体141の内側には空間が形成されている。
【0066】
球状ダンパ142は、ダンパピース100と同一の材料又はボックス本体141と同一の材料から構成された球体である。球状ダンパ142は、ボックス本体141内の空間に複数が収容されるように設けられている。球状ダンパ142は、ボックス本体141内の空間で自由に移動できるように設けられている。
【0067】
<作用効果>
第二実施形態のタービン動翼20によれば、第一実施形態の作用効果に加えて、ダンパボックス140による振動減衰効果を得ることができる。
即ち、タービン動翼20に励振力が作用して振動が生じた際には、ボックス本体141内の球状ダンパ142がボックス本体141の内面に衝突、摺接する。これによって、タービン動翼20の振動を衝突エネルギーや摩擦エネルギーとして散逸させることができる。そのため、タービン動翼20の振動を減衰させる効果を得ることができる。
また、ダンパピース100とダンパボックス140とが併用されることで、タービン動翼20全体としての振動減衰効果をより高く得ることができる。
【0068】
<第二実施形態の変形例>
なお、ダンパボックス140のボックス本体141内に収容される移動ダンパとしては、例えば図9に示すように、ボックス本体141内で移動可能な板状ダンパ143を採用してもよい。板状ダンパ143は、各外面をボックス本体141の各内面に対向させた状態で収容されている。
タービン動翼20が振動する際には、板状ダンパ143がボックス本体141の内面に衝突、摺接する。これによっても、上記同様、振動減衰効果を高く得ることができる。
なお、移動ダンパとしては、球状ダンパ142、板状ダンパ143のみならず、種々の形状を採用することができる。
【0069】
<その他の実施形態>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0070】
例えば実施形態では、フィン70が上流側及び下流側に一対が設けられており、これらフィン70に対応して上流側及び下流側の双方にダンパピース100が設けられた例について説明したがこれに限定されることはない。上流側と下流側との少なくとも一方のみにダンパピース100が設けられていてもよい。
【0071】
さらに、第二実施形態では、一対のダンパピース100に対応してダンパボックス140を一対設けた例について説明したが、いずれか一方のダンパピース100のみにダンパボックス140を設けてもよい。
【0072】
<付記>
各実施形態に記載のタービン動翼20及びタービン11は、例えば以下のように把握される。
【0073】
(1)第1の態様に係るタービン動翼20は、軸線Oに沿って延びる回転軸に固定される翼根30、該翼根30の径方向外側に一体に設けられた基部40、該基部40の径方向外側に一体に設けられた翼体90、及び、前記基部40の軸方向端面53から突出するフィン70を有する動翼本体21と、前記軸方向端面53における前記フィン70の径方向内側の内周側領域60と前記フィン70における径方向内側を向くフィン内周面80とにわたって設けられたダンパピース100と、を備える。
【0074】
上記構成により、タービン動翼20の回転時にタービン動翼20に励振力が作用すると、タービン動翼20における基部40の内周側領域60、フィン70におけるフィン内周面80に対して接触しているダンパピース100が、これら内周側領域60及びフィン内周面80に対して滑ることで摩擦力が発生する。これにより、当該摩擦力による振動の減衰効果を得ることができる。即ち、内周側領域60及びフィン内周面80といった広い領域で摩擦力を得ることができるため、タービン動翼20全体としての減衰効果を大きく得ることができる。
さらに、ダンパピース100によって基部40及びフィン70の体格を確保することができるため、タービン動翼20全体としての強度を向上させることが可能となる。
【0075】
(2)第2の態様に係るタービン動翼20は、第1の態様において、 前記ダンパピース100は、前記内周側領域60に当接するように径方向及び周方向に延びる板状をなす第一板部110と、前記第一板部110の径方向外側の端部に接続されて、前記フィン内周面80に当接するように軸線O方向及び周方向に延びる第二板部120と、を有する。
【0076】
第一板部110が基部40の内周側領域60に対して当接しているとともに第二板部120がフィン内周面80に対して当接していることで、タービン動翼20に作用する励振力を適切に減衰させることができる。
さらに、これら第一板部110及び第二板部120によって基部40及びフィン70の体格を確保することができる。
【0077】
(3)第3の態様に係るタービン動翼20は、第2の態様において、前記基部40は、前記第一板部110の径方向内側の端部が当接する第一当接部62を有し、前記フィン70は、前記第二板部120における軸線O方向の先端が当接する第二当接部82を有する。
【0078】
ダンパピース100が第一当接部62、第二当接部82に当接していることで当該ダンパピース100の位置決め及び基部40に対する保持を適切に行うことができる。
【0079】
(4)第4の態様に係るタービン動翼20は、第3の態様において、前記基部40は、前記第一板部110の径方向内側の端部を前記軸線O方向から覆うように周方向に延びる柵部64をさらに有する。
【0080】
これによってダンパピース100を基部40に対して確実に保持することができるとともに、当該ダンパピース100を基部40に対して容易に取り付けることができる。
【0081】
(5)第5の態様に係るタービン動翼20は、第2から第3のいずれかの態様において、前記フィン内周面80の一部に径方向内側に向かって凹む凹部84が形成されており、前記ダンパピース100における前記第二板部120の径方向外側を向く面に、前記凹部84に嵌まり込む凸部122が形成されている。
【0082】
これによって、ダンパピース100の第二板部120のフィン内周面80に対する位置決め及び取り付けをより適切に行うことができる。
【0083】
(6)第6の態様に係るタービン動翼20は、第1から第5のいずれかの態様において、前記ダンパピース100に固定されたボックス本体141、及び、該ボックス本体141内で移動可能に設けられた移動ダンパを有する。
【0084】
タービン動翼20に励振力が作用した際には、ダンパボックス140内の移動ダンパが、ダンパボックス140の内面に対して衝突又は摺動する。これによって、励振力をより適切に低減することができる。
【0085】
(7)第7の態様に係るタービン11は、前記回転軸と、該回転軸に周方向に配列された第1から第6のいずれかのタービン動翼20と、を備え、前記ダンパピース100は、周方向に互いに隣り合う前記動翼本体にわたって設けられている。
【0086】
ダンパピース100によって、隣り合うタービン動翼20の間の隙間をシールすることができる。よって、ガスタービン1の性能向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0087】
1…ガスタービン 2…ガスタービンケーシング 3…ガスタービンロータ軸 4…圧縮機 5…吸気ダクト 6…圧縮機ケーシング 7…圧縮機ロータ軸 8…圧縮機動翼段 8a…圧縮機動翼 9…圧縮機静翼段 9a…圧縮機静翼 10…燃焼室 11…タービン 12…タービンロータ軸(回転軸) 13…タービンケーシング 14…タービン動翼段 15…タービン静翼段 15a…タービン静翼段 16…排気ノズル 17…噴射口 20…タービン動翼 21…動翼本体 30…翼根 40…基部 41…シャンク 42…シャンク端面 50…プラットフォーム 51…外周側端面 52…周方向端面 53…軸方向端面 54…外周側領域 60…内周側領域 61…第一摺接面 62…第一当接部 63…内周側端面 64…柵部 65…ダンパ挿入溝 70…フィン 71a…フィン周方向端面 71…フィン外周面 80…フィン内周面 81…第二摺接面 82…第二当接部 83…先端内面 84…凹部 90…翼体 91…シュラウド 100…ダンパピース 110…第一板部 111…内周端部 120…第二板部 121…軸方向先端 122…凸部 140…ダンパボックス 141…ボックス本体 142…球状ダンパ(移動ダンパ) 143…板状ダンパ(移動ダンパ) F…燃料 G…燃焼ガス O…軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9