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  • 特許-耐火性フィルタ 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】耐火性フィルタ
(51)【国際特許分類】
   B01D 39/16 20060101AFI20241206BHJP
   B01D 39/20 20060101ALI20241206BHJP
   B01D 39/08 20060101ALI20241206BHJP
   B01D 46/00 20220101ALI20241206BHJP
   F24F 7/06 20060101ALI20241206BHJP
   F24F 8/108 20210101ALI20241206BHJP
【FI】
B01D39/16 A
B01D39/16 E
B01D39/20 A
B01D39/20 B
B01D39/20 C
B01D39/20 D
B01D39/20 Z
B01D39/08
B01D46/00 C
B01D46/00 E
F24F7/06 101A
F24F8/108
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021512633
(86)(22)【出願日】2019-09-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-27
(86)【国際出願番号】 IB2019057538
(87)【国際公開番号】W WO2020049522
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-09-02
(31)【優先権主張番号】62/728,562
(32)【優先日】2018-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/781,384
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ゴーレル, マシュー ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ストートン, ハンナ エル.
(72)【発明者】
【氏名】サンタ クルーズ,ウィンディー エー.
(72)【発明者】
【氏名】マクール, クリスティーン エル.
(72)【発明者】
【氏名】ケリー, トミー ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ステンダー, ジョン ビー.
(72)【発明者】
【氏名】グリフィス,ブレイク アール.
(72)【発明者】
【氏名】ブランドナー, ジョン エム.
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,ヤオファ
(72)【発明者】
【氏名】サノッキ, ステファン エム.
(72)【発明者】
【氏名】ダンバー, ジョセフ エー.
【審査官】壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-253428(JP,A)
【文献】特開平09-234316(JP,A)
【文献】特開2012-091152(JP,A)
【文献】特表2007-516830(JP,A)
【文献】特開2007-016341(JP,A)
【文献】特開平11-253717(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 39/00-41/04
B01D 46/00-46/54
F24F 7/04-7/06
F24F 8/00-8/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐火性繊維を含む繊維ウェブ又はシートを含むフィルタと、
前記フィルタの主側面に配置されたフィルタフレームと、
を備えたフィルタアセンブリであって、
前記耐火性繊維は、酸化ポリアクリロニトリル(OPAN)含み、
前記繊維ウェブ又はシートは、400g/m未満の全体密度を有し、
前記フィルタフレームは、2つの異なる次元に延びた、複数の山部及び複数の谷部を有する、フィルタアセンブリ。
【請求項2】
前記繊維ウェブ又はシートが、ブンゼンバーナー火炎試験に合格する、請求項1に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項3】
前記繊維ウェブ又はシートが、不織布である、請求項1に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項4】
自己支持型フィルタアセンブリであって、
耐火性繊維を含む繊維不織ウェブ又はシートを含むフィルタであって、前記耐火性繊維が、酸化ポリアクリロニトリル(OPAN)、難燃性(FR)レーヨン、又はこれらの組み合わせを含み、前記OPAN、FRレーヨン、又はこれらの組み合わせは、前記繊維ウェブ又はシートの少なくとも約60重量%であるフィルタ、及び
前記フィルタの主側面に配置されたフィルタフレームであって、2つの異なる次元に延びた、複数の山部及び複数の谷部を有するフィルタフレーム
を備える、自己支持型フィルタアセンブリ。
【請求項5】
前記フィルタが、前記フィルタフレームの形状に実質的に適合している、請求項1に記載のフィルタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
多くの商業用及び住宅用厨房では、油脂がエアゾール化する恐れがあり、過剰な熱及び火炎が発生する恐れがある、油たっぷりの揚げ器、グリル、焼き板、中華なべ、及びオーブンをはじめとする様々な種類の調理設備の上の排気フード内に、油脂のフィルタ処理又は除去システムが設置されている。
【0002】
バッフルは、排気フード構造の主要な構成要素である。バッフルは、排気フードに挿入されたデバイスであり、エアゾール化油脂をフィルタ処理するように動作する。バッフルにより、バッフル内のチャネルを通過する空気中で摂動が生じ、それによって次に、油脂の液滴がバッフルの表面にぶつかり、その上で凝縮することがある。
【0003】
このシステムでは、バッフルを排気フードから取り外し、定期的に洗浄する必要がある。バッフルは排気フードに入る油脂の全てを捕獲するものではないので、排気フードの内部も定期的に洗浄する必要がある。これらの洗浄プロセスの両方とも、時間がかかり、コストがかかる場合がある。これらの洗浄プロセスでは、刺激的な化学物質の使用を必要とすることが多く、それらが接触する場合がある食品表面を汚染する恐れがある。加えて、排気フードの洗浄の複雑さのため、この動作には、典型的には厨房又は少なくとも調理設備を使用していないことが必要とされる。これにより、厨房又は営業が閉まっている時間中に洗浄を行うことが多くの場合必要とされ、又は洗浄の機会とするために営業を閉めることが必要とされる。
【0004】
バッフルが多くの場合非常に重く、また頭越しに保持して排気フードシステム内の正しいチャネルに置く必要があるため、バッフルを取り外し交換するとき、このことは、厨房内の作業者にとって実施するのが困難なプロセスになる場合がある。
【0005】
既存のフィルタ又は二次フィルタは、重く、高価であり、バッフルによって裏打ちされておらず、耐火性が不十分になる。
【発明の概要】
【0006】
本発明の様々な実施形態は、耐火性繊維を含む繊維ウェブ又はシート、を含むフィルタを提供する。耐火性繊維は、酸化ポリアクリロニトリル(OPAN)、難燃性(FR)レーヨン、又はこれらの組み合わせを含む。
【0007】
本発明の様々な実施形態は、耐火性繊維を含む繊維ウェブ又はシート、を含むフィルタを備えるフィルタアセンブリを提供する。フィルタアセンブリはまた、フィルタフレームを備える。
【0008】
本発明の様々な実施形態は、耐火性繊維を含む繊維性不織布ウェブ又はシート、を含む自己支持型フィルタアセンブリを提供する。耐火性繊維は、OPAN、FRレーヨン、又はこれらの組み合わせを含む。OPAN、FRレーヨン、又はこれらの組み合わせは、繊維ウェブ又はシートの少なくとも約60重量%である。自己支持型フィルタアセンブリはまた、フィルタフレームを備える。
【0009】
様々な実施形態は、耐火性繊維を含む繊維ウェブ又はシート、を含むフィルタを使用する方法を提供する。方法は、そこを通してフィルタ処理される空気のために、フィルタ又はフィルタを備えるフィルタアセンブリを取り付けること、を含む。
【0010】
様々な実施形態は、耐火性繊維を含む繊維ウェブ又はシート、を含むフィルタを使用する方法を提供する。方法は、フィルタを通して、空気をフィルタ処理すること、を含む。
【0011】
本発明の様々な実施形態は、フィルタの実施形態を製造する方法を提供する。方法は、OPAN、FRレーヨン、又はこれらの組み合わせを含む、耐火性繊維を含む繊維ウェブ又はシート、を形成すること、を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、耐火性繊維を含む繊維ウェブ若しくはシートを含むフィルタ、又はそれを製造する方法若しくは使用する方法により、利点を他のフィルタよりも確かなものにすることができ、そのうちの少なくともいくつかは予想外である。例えば、いくつかの実施形態では、フィルタは、他の親油性フィルタよりも耐火性を良好にすることができる。いくつかの実施形態では、フィルタにより、音響効果を他のフィルタよりも良好にすることができ、通気及びフードシステムにおけるノイズ効果をより効果的に弱めることができる。様々な実施形態では、本発明のフィルタは、他の耐火性フィルタと比較して、重量を軽くすることができ、製造コストを下げることができ、又はこれらの組み合わせにすることができる。様々な実施形態では、重量を軽くすることにより、使い捨て用途に使用するとき、廃棄物を少なくすることに対応するものにでき、安全性を強化するとともに設置を容易にすることができる。
【0013】
様々な実施形態では、耐火性フィルタは、他の耐火性フィルタと比較して親油性特性を強化することができ、バッフル及び空気ダクトの洗浄の必要性を低減又はなくし、対応する維持コストを減少させることができる。いくつかの実施形態では、耐火性フィルタは、使い捨てにしてもよく、洗浄及び再使用してもよい。排気フード内の油脂の蓄積を低減することにより、ダクト火災のリスクが下がる。油脂粒子の捕獲の強化によってもまた、屋根上への蓄積並びに油脂排出物及び臭気への近隣の曝露を生じさせる場合がある、近隣への大気排出物を低減することができる。フード内の油脂の蓄積の低減によると、標準的なバッフルを取り外し及び交換するために、梯子又は設備に乗ることの危険に作業者をさらすことについて低減することができる。
【0014】
様々な実施形態では、フィルタの耐火性の強化によると、フィルタを備え、フィルタフレームを備える、本発明のフィルタアセンブリについて、フィルタフレームの耐火性を利用する他の耐火性フィルタアセンブリよりも、フィルタ処理に有用である開放領域を大きくし、フィルタフレームによって覆い隠されていないようにすることで、アセンブリを耐火性にすることができる。様々な実施形態では、本発明のフィルタアセンブリ開放領域を大きくすることにより、あまり耐火性でなく、耐火性フィルタフレームによる開放領域の遮断をより多く必要とするフィルタを使用して製造した他のフィルタアセンブリと比較して、フィルタアセンブリの表面積当たりのフィルタ処理効率を高めることで、所望のレベルの耐火性が得られる。様々な実施形態では、開放領域大きくすることにより、本発明のフィルタアセンブリを、他の同様の耐火性フィルタよりも視覚的に魅力的なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図面は、概ね、本発明の様々な実施形態について、例として、ただし限定的ではなく例示するものである。
図1A】バッフルによる商業用厨房の画像である。
図1B】油脂捕獲に使用するバッフルの画像である。
図2A】通気フードの断面図である。
図2B】従来のバッフルの断面図である。
図3】様々な実施形態によるフィルタアセンブリを図示している。
図4】様々な実施形態によるフィルタフレームを図示している。
図5A】様々な実施形態による多層フィルタの画像である。
図5B】様々な実施形態による多層フィルタの画像である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、開示されている主題のある特定の実施形態について詳細に述べる。開示されている主題は、列挙された請求項に関連して記述されるが、例示されている主題は、これらの請求項を開示されている主題に限定することを意図しないことが理解される。
【0017】
この文書全体にわたって、範囲の形式で表される値は、その範囲の限界として明示的に記載されている数値を含むだけでなく、その範囲内に含まれる全ての個々の数値又は部分範囲も、各数値及び部分範囲が明示的に記載されている場合と同様に含むように、柔軟に解釈すべきである。例えば、「約0.1%~約5%」又は「約0.1%~5%」という範囲は、約0.1%~約5%だけでなく、示された範囲内の各値(例えば、1%、2%、3%、及び4%)及び部分範囲(例えば、0.1%~0.5%、1.1%~2.2%、3.3%~4.4%)も含むと解釈すべきである。「約X~Y」という記述は、特に断りのない限り、「約X~約Y」と同じ意味を有する。同様に、「約X、Y、又は約Z」という記述は、特に断りのない限り、「約X、約Y、又は約Z」と同じ意味を有する。
【0018】
本文書において、「1つの(a)」、「1つの(an)」、又は「その(the)」という用語は、文脈上明確な別段の指示がない限り、1つ以上を含めるために使用される。「又は」という用語は、特に断りのない限り非排他的な(nonexclusive)「又は」を指すために使用される。「A及びBのうちの少なくとも1つ」又は「A又はBのうちの少なくとも1つ」という記述は、「A、B、又はA及びB」と同じ意味を有する。加えて、本明細書で用いられている特に定義されていない表現又は用語は、説明のみを目的としており、限定するためではないと理解されるべきである。節の見出しの使用はいずれも、本文書の読み取りを補助することを意図しており、限定と解釈すべきではなく、節の見出しに関連する情報は、その特定の節の中又は外に存在し得る。
【0019】
本明細書に記載の方法において、行為は、時間的又は操作上の順序が明示的に記載されている場合を除いて、本発明の原理を逸脱することなく任意の順序で行うことができる。更に、特定の行為が別個に行われることが請求項で明示的に記載されていない限り、それらの行為は同時に行うことができる。例えば、Xするという特許請求されている行為及びYするという特許請求されている行為は、単一の操作で同時に行うことができ、結果として生じるプロセスは特許請求されているプロセスの文言上の範囲内に入る。
【0020】
本明細書で使用される「約」という用語は、値又は範囲のある程度の変動性、例えば、記述されている値の又は記述されている範囲の限界の10%以内、5%以内、又は1%以内を許容することができ、かつ正確な記述されている値又は範囲を含む。
【0021】
本明細書で使用される「実質的に」という用語は、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%、若しくは少なくとも約99.999%以上等の大部分若しくはほとんど又は100%を指す。本明細書で使用されるとき、「実質的に含まない」という用語は、存在する材料の量が材料を含む組成物の材料特性に影響を及ぼさないような、組成物が、材料を約0重量%~約5重量%、又は約0重量%~約1重量%、又は約5重量%以下、又は約4.5重量%、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.01、若しくは約0.001重量%以下の値について、これら未満であるか、これらと等しいか、若しくはこれらより多い量を有しないか、又はわずかな量を有することを意味し得る。「実質的に含まない」という用語は、組成物が、材料の約0重量%~約5重量%、又は約0重量%~約1重量%、又は約5重量%以下、又は約4.5重量%、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.01、若しくは約0.001重量%以下の値について、これら未満であるか、これらと等しいか、若しくはこれらより多いか、又は約0重量%であるようなわずかな量を有することを意味し得る。
【0022】
図1Aは、高熱で様々な(多くの場合、油脂状の)食品を調理するために使用する調理面102を含む、例示的な商業用の厨房100の画像を示している。通気フードシステム104は、調理面の近くに位置決めされ、調理面102から昇ってくる油っぽい蒸気又はミストの出口としている。バッフル105は、調理面102の近くの通気フードシステム104内に位置決めされ、それにより、調理面102から昇ってくる油っぽい蒸気は最初にバッフルを通って、通気フードシステム104を通って出ることが必要になる。
【0023】
図1Bは、従来のバッフル110を示している。従来のバッフル110は、多くの場合、ステンレス鋼、アルミニウム、又は他の金属などの金属製であり、1キログラム~3キログラムの範囲の重量になることがある。バッフルは、バッフルの配置及び取り外しを補助するために、バッフルの前にハンドル112を有してもよい。バッフルは、オーバーヘッド通気フードシステムに入っているときに管理が非常に厄介であることがあり、特に、バッフル110の縁部114は通気フードシステム内のリップに噛み合っている。バッフルは、典型的には使用者の頭部の上に位置しており嵩高で重い場合があることから、バッフル110を、通気フードシステム内のリップに噛み合うように正しく位置決めすることは困難である場合がある。理想的な厨房内であっても、電化製品、又は他の物体によって、特に高温及び表面が滑りやすい環境において、バッフルの位置決めは複雑になることが多い。
【0024】
図2Aは、通気フードシステム200の断面図である。空気(多くの場合、油っぽいミスト)は、矢印211の方向にバッフル220を通って流れ、排気ダクト212から矢印213の方向に流れ出る。バッフル220は主油脂回収要素であり、空気は、排気ダクト212を通った後、出る必要がある。バッフル220は、油脂を捕獲するのに従来的からあまり効果的ではないため、かなりの量の油脂が、典型的には、厨房から環境に出て、排気ダクト内及び排気ダクト212の領域内での建物の外部に集まる。これにより、通気フードシステム200の全体にわたって及び建物の外部で油脂被覆によって生じる火災の危険の増大ともに、環境汚染が生じる場合がある。
【0025】
図2Bは、従来のバッフル220の断面である。矢印225は、バッフル板227の構造の周りでの油っぽいミスト又は油脂の多い空気の動きを示している。バッフル板227の周りを流れる空気によって生じた乱流により、油脂又は油滴がバッフル板と接触し、バッフル220上で集まる、又は凝縮する結果となる。バッフルには、定期的に洗浄して、回収した油を除去することが必要とされ、油を回収するのに比較的非効率的であり、結果として、かなりの量の、油脂の多い空気が通気フードシステムに入り、システム全体にわたって及びシステムが設置されている建物の外部で集まる。
【0026】
耐火性フィルタ
様々な実施形態では、本発明は、耐火性フィルタを提供する。フィルタは、耐火性繊維を含む繊維ウェブ又はシートを含む。耐火性繊維は、酸化ポリアクリロニトリル(OPAN)、難燃性(FR)レーヨン、又はこれらの組み合わせを含む。繊維ウェブ又はシートは、フレキシブルであってもよい。フィルタ又は繊維ウェブ若しくはシートは、概ね形状が平坦であり、プリーツ加工済、平坦、又はこれらの組み合わせであってもよい。繊維ウェブ又はシートにより、耐火性フィルタの実質的に全体を形成することができ、又はフィルタが、他の層、補強材(例えば、フィルタフレーム)、コーティングなどを含んでもよい。
【0027】
フィルタ、又はフィルタを備えるフィルタアセンブリは、スロット内などの空気フィルタホルダ内への、磁石又は接着剤を用い、機械的締結具を用いる取り付けに好適にすることができ、自己支持型フィルタとしては、一時的に若しくは恒久的に備え付けることができるフィルタのフレーム若しくは帯、又はその組み合わせを介して、空気フィルタを定位置に保持するカバースクリーンを用いることができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、フィルタ、又はフィルタを備えるフィルタアセンブリは、フィルタ、又はフィルタフレームを越えて延びるプルタブを有することができ、それにより、使用者は、片方の手でプルタブをつかみ、もう一方の手でフィルタフレームをつかみ、フィルタ又はフィルタアセンブリをフレームから分離することができる。フィルタをフィルタフレームから手作業により妥当な容易性で分離する能力により、使用者がフィルタフレームを再利用又は再使用し、油脂含浸フィルタを適切に廃棄することを可能にする。いくつかの場合では、フィルタフレームは、プルタブを有してもよい。このようなプルタブは、フィルタ又はフィルタアセンブリ上のプルタブの代わりに、又はそれに加えて使用することができる。いくつかの場合では、フィルタフレームは、中核施設で再使用又は再利用することができる。本明細書で企図される任意の他の備え付け機構を使用して互いに備え付けたフィルタ又はフィルタアセンブリ及びフィルタフレームはまた、フィルタフレームを再使用又は再利用することができるシステムを備えてもよい。いくつかの場合では、フィルタ、フィルタフレーム、又はアセンブリ全体が使い捨てであってもよい。
【0029】
耐火性フィルタの繊維ウェブ又はシートは、本出願の実施例の項に記載のように、金属バッフルなどのいずれの他の層の補助もなしで、ブンゼンバーナー火炎試験(Bunsen Burner Flame Test)に合格することができる。例えば、天然ガスブンゼンバーナーから長さ10cmの火炎の上6cmに置いた、繊維ウェブ又はシートの10cm×10cmの試料は、無傷のままであることができ、火炎への10秒間の曝露、続いて火炎の10秒間の除去、更に続いて火炎への更なる10秒間の曝露の後に、火炎の貫入がないものにできる。試料は、燃焼することなく「焦げ」、依然としてこの試験に合格することができる。
【0030】
繊維ウェブ又はシートを形成する耐火性繊維は、任意の好適な方法で繊維ウェブ又はシートに形成することができ、それにより、繊維ウェブ又はシートは、本明細書に記載の耐火性をもたらす。例えば、繊維ウェブ又はシートは、不織布(例えば、スパンレース、ニードル交絡、又はニードルタックなどの、嵩高、カード処理、エアレイド、又は機械的結合)、織布、編み物、メッシュ、又は有孔フィルムであってもよい。繊維ウェブ又はシートは、結合していてもよく(例えば、繊維は、様々な位置で互いに結合している)、又は非結合であってもよい。
【0031】
繊維ウェブ又はシートは、結合していてもよいものであり、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、又はこれらの組み合わせなどの、任意の好適な熱可塑性又は熱硬化性ポリマーを含むものなど、フレーク、粉末、繊維、又はこれらの組み合わせなどの、繊維ウェブ又はシート中の結合の一部若しくは全てを提供する熱硬化性材料又は溶融材料を含んでもよい。溶融又は加熱結合後、フレーク、粉末、又は繊維は、溶融して繊維を一緒に結合することができる。繊維ウェブ又はシートの結合により、フィルタの安定性及び強度を増大させることができる。繊維ウェブ又はシートは、OPAN、FRレーヨン、又はこれらの組み合わせを含む耐火性繊維に加えて、任意の好適な材料又は繊維を含んでもよい。例えば、繊維ウェブ又はシートは、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、カポック繊維、ポリ(乳酸)(PLA)、綿、ナイロン、ポリエステル、レーヨン(例えば、非難燃性レーヨン)、羊毛、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。繊維ウェブ又はシートは、コーティング、難燃剤、繊維、熱硬化性若しくは溶融材料(例えば、粉末、フレーク、又は繊維)、金属繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、吸着剤、発泡性材料(例えば、繊維又は粒子)、雲母、珪藻土、ガラスバブル、炭素粒子、又はこれらの組み合わせを更に含んでもよい。添加することができる繊維の例としては、添加してより大きな嵩及び本体を得ることができる、より大きな直径の繊維が挙げられる。他の繊維を添加することで、フィルタに親油性又は疎油性特性の強化をもたらすような、中空繊維又は芯鞘繊維など、特別な特性をもたらすことができる。難燃剤の例としては、難燃性若しくは「FR」と表記される任意のポリマーが挙げられ、又は(例えば、純粋な材料として、又は材料を含むコンパウンドとして)アルミニウム、ポリリン酸塩、リン、窒素、硫黄、ケイ素、アンチモン、塩素、臭素、マグネシウム、亜鉛、炭素、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。難燃剤は、ハロゲン含有難燃剤であっても、非ハロゲン化難燃剤であってもよい。コーティング又は添加剤の例としては、膨張性黒鉛、バーミキュライト、ポリリン酸アンモニウム、アルミナ三水和物(ATH)、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、水酸化アルミニウム(Al(OH))、モリブデン酸塩化合物、塩素化化合物、臭素化化合物、酸化アンチモン、有機リン化合物、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0032】
繊維ウェブ又はシートは、任意の好適な全体密度、例えば、約10~約400g/m、若しくは約80~約250g/m、若しくは約10g/m以下、又は、約20、40、60、80、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375g/m、若しくは約400g/m以上の値について、これら未満であるか、これらと等しいか、若しくはこれらより多い値を有することができる。
【0033】
フィルタは、少なくとも1つの層の、耐火性繊維を含む繊維ウェブ又はシートを含む。フィルタは、単層の、耐火性繊維を含む繊維ウェブ又はシートを含んでもよく、多層の、繊維ウェブ又はシートを含んでもよい。多層は、独立して、フィルタ内で隣接していても別々であってもよい。例えば、フィルタは、1、2、3、4、5、6、7、8、9層、若しくは10層以上の、繊維ウェブ又はシートを含んでもよい。
【0034】
フィルタは、1つ以上の層の、耐火性繊維を含む繊維ウェブ若しくはシートに加えて、他の層を含んでもよい。いくつかの実施形態では、繊維ウェブ又はシートの一方の主面は更なる層を含み、繊維ウェブ又はシートの反対側の主面は更なる層を含まない。いくつかの実施形態では、繊維ウェブ又はシートの両方の主面が、更なる層を含む。1つ以上の層は、独立して別個であってもよく、又は少なくとも部分的にブレンドしていてもよい。1つ以上の層は、隣接する層と、例えば、互いに、1つ以上の層の、耐火性繊維を含む繊維ウェブ又はシートとブレンドすることができる。
【0035】
1つ以上の更なる層は、任意の好適な層、例えば、難燃性層(例えば、Nextel(商標)Dot Paperなどの難燃性材料の薄いシート、又はセラミック、金属、ガラス、若しくは他の難燃性/耐火性繊維から構成される他の薄いウェブ)、非難燃性層、織布層、不織布層、金属層(例えば、有孔又は膨張金属の、薄い金属又は箔)、接着剤層、コーティング、粉末、吸着層、勾配層(例えば、油/油脂に対して高い親和性を有する、凝縮管理フィルム又は熱誘導相分離材料を使用する、内部又は縁部に油脂を引き込む勾配層)、犠牲層(例えば、油脂で飽和したときに剥離することができる層と、使い捨て層を剥離した後に既に存在する、又は追加する、更なる犠牲層と)、油脂劣化層(例えば、酵素又は微生物)、樹脂層、スクリム層、又はこれらの組み合わせであってもよい。1つ以上の更なる層は、各々独立して、難燃剤、接着剤、熱硬化性又は溶融材料(例えば、繊維、粉末、又はフレーク)、耐火性繊維、コーティング繊維、粉末、金属、ガラス、セラミック、金属繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、吸着剤、発泡性材料(例えば、繊維又は粒子)、雲母、珪藻土、ガラスバブル、炭素粒子、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。1つ以上の更なる層は、各々独立して、未結合、接着剤積層、熱結合、超音波結合、ニードル留め、締結具による物理的備え付け、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0036】
いくつかの場合では、フィルタは、スクリムの2つの層の間に入っている材料を含んでもよい。いくつかの場合では、スクリムを使用して、耐火性繊維を含むフィルタからの繊維の脱落を低減することにより、フィルタからの繊維又は他の緩んだ材料が食品の調理又は取扱い領域に落ちないことの確保に役立つことができる。このような材料の例としては、活性炭、油吸収粒子、バーミキュライト、又はこれらの組み合わせが挙げられる。スクリム材料の例としては、ポリマー又は金属から形成したメッシュ、ポリマーから製造した不織布材料、繊維(例えば、セラミック、ガラス、又はアラミド繊維)、ポリマー又は金属製の有孔フィルム、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。スクリム材料は、任意選択的に、金属、セラミック、ガラス、FRレーヨン、OPAN、及びアラミド繊維(Kevlar及びNormex)を含むものなど、耐火性であってもよい。スクリム材料は、ポリリン酸アンモニウムなどの難燃剤でコーティングすることができる。難燃剤でコーティングすることができるスクリム材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はナイロンを含んでもよい。いくつかの場合では、フィルタは、非耐火性であってもよい異なる層の層を取り囲む、又は挟む、耐火性材料を含んでもよい。
【0037】
耐火性繊維
耐火性フィルタは、繊維ウェブ又はシートを含む。繊維ウェブ又はシートは、耐火性繊維を含む。耐火性繊維は、OPAN、難燃性(FR)レーヨン、又はこれらの組み合わせを含む。耐火性繊維は、親油性であっても、非親油性(例えば、疎油性である、又は親油性でも疎油性でもない)であってもよい。
【0038】
各耐火性耐性繊維の任意の好適な割合が、OPAN、FRレーヨン、又はこれらの組み合わせであってもよい。例えば、耐火性繊維の各々の約60重量%~約100重量%、若しくは約90重量%~約100重量%、又は約60重量%以下、又は、約65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.5、99.9、99.99重量%、若しくは約99.999重量%以上の値について、これら未満であるか、これらと等しいか、若しくはこれらより多い値が、OPAN、FRレーヨン、若しくはこれらの組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、耐火性繊維は、各々独立して、100重量%がOPAN、又は100重量%がFRレーヨンであり、耐火性繊維は、材料のブレンドから構成されているのではなく、各々が1つの材料から実質的に形成されている。
【0039】
FRレーヨンは、1つ以上の難燃性添加剤を含む再生セルロース(ビスコース)である。難燃剤は、リン、硫黄、窒素、ケイ素、又はこれらの組み合わせを含有する難燃剤などの、本明細書に記載の任意の好適な難燃剤であってもよい。難燃剤としては、有機リン、シリカ、ポリケイ酸、ポリケイ酸の複合体、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。難燃剤としては、2,2’-オキシビス[5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサホスホリナン]2,2’-ジスルフィリドなどの、リン及び硫黄を挙げることができる。1つ以上の難燃剤が、FRレーヨン全体にわたって組み込まれていてもよく、レーヨン上のコーティング、又はこれらの組み合わせとして存在していてもよい。1つ以上の難燃剤が、FRレーヨンの任意の好適な割合、例えば、約0.001重量%~約50重量%、若しくは約0.001重量%~約25重量%、若しくは約0.001重量%~約10重量%、若しくは約0.001重量%~約5重量%、又は約0.001重量%以下、又は、約0.01、0.1、1、2、3、4、5、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、25、30、35、40、45重量%、若しくは約50重量%以上の値について、これら未満であるか、これらと等しいか、若しくはこれらより多い値を形成してもよい。
【0040】
耐火性繊維からのOPAN、FRレーヨン、又はこれらの組み合わせが、繊維ウェブ又はシート全体の任意の好適な割合を形成してもよい。例えば、OPAN、FRレーヨン、又はこれらの組み合わせは、繊維ウェブ又はシートの少なくとも約50重量%、若しくは少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、又は約50重量%~約100重量%、若しくは約60重量%~約100重量%、若しくは約70重量%~約100重量%、又は約50重量%以下、又は、約52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、95、96、97、98、99、99.5、99.9、99.99重量%、若しくは約99.999重量%以上の値について、これら未満であるか、これらと等しいか、若しくはこれらより多い値であってもよい。繊維ウェブ又はシートは、少なくとも25g/m、若しくは少なくとも50g/m、又は約25g/m以下、又は、約30、40、50、60、70、80、90、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375g/m、若しくは約400g/m以上の値について、これら未満であるか、これらと等しいか、若しくはこれらより多い値の、OPAN、FRレーヨン、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。本明細書では、フィルタの面積当たりの特性への言及は、フィルタの主面の平面表面積に対するものである。
【0041】
耐火性繊維は任意の好適な直径及び長さを有することができ、それにより、本明細書に記載の耐火性特性をもたらす。例えば、耐火性繊維は、約0.5~約20デニール、若しくは約3~約7デニール、又は約0.5デニール以下、又は、約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18デニール、若しくは約20デニール以上の値について、これら未満であるか、これらと等しいか、若しくはこれらより多い値の線質量密度を有してもよい。本明細書で使用するとき、「デニール」は、繊維の線質量密度の単位を指し、繊維9000メートル当たりのグラム単位での質量を指す。本明細書で使用するとき、「dtex」は、繊維10,000メートル当たりのグラム単位での質量を指す。耐火性繊維は、約0.001cm~約10cm、若しくは約2cm~約8cm、又は約0.001cm以下、又は、約0.01、0.1、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5cm、若しくは約10cm以上の値について、これら未満であるか、これらと等しいか、若しくはこれらより多い値の長さを有してもよい。
【0042】
耐火性フィルタを備えるフィルタアセンブリ
様々な実施形態では、本発明は、フィルタアセンブリを提供する。フィルタアセンブリは、耐火性繊維を含む繊維ウェブ又はシート、を含む耐火性フィルタの実施形態を備える。フィルタアセンブリはまた、フィルタフレームを備える。フィルタフレームは、フレキシブルであっても、剛性であってもよい。フィルタフレームにより、フィルタアセンブリの構造的支持をもたらすことができる。耐火性繊維を含む繊維ウェブ又はシートは、典型的にはフレキシブルであるが、フィルタフレームは、耐火性繊維を含むフィルタと組み合わせたときに剛性及び自己支持型フィルタアセンブリを提供する、剛性の自己支持型構造であってもよい。
【0043】
フィルタフレームは、フィルタの外部にあってもよく、フィルタの内側にあってもよく(例えば、フィルタの縁部の外側又は周りに延びていない)、又はこれらの組み合わせであってもよい。フィルタフレームは、薄い材料から形成したフィルタの前側、後側、又は両側に、支持用交差部材を備えてもよい。フィルタフレームは、フィルタフレームの境界の周りにフレーム構造を有する、又は有していない、メッシュ又は膨張金属の構造を有することができる。フィルタフレームは、主面から見たときに、格子状の輪郭を有することができ、平坦であっても、テクチャ加工していてもよい。例えば、図4は、格子状の輪郭を有するフィルタフレーム300を図示している。フレーム又はメッシュ構造は、金属、樹脂、発泡体、粘土、シリカ、又はこれらの組み合わせから形成することができる。フィルタフレームは、コーティングしていても、未コーティンであってもよい。
【0044】
フィルタフレーム及びフィルタは、互いに固定することができる。例えば、フィルタフレームは、フィルタの内部の内で固定することができ、フィルタフレームは、フィルタの外部の1つ以上の部分、又はこれらの組み合わせに固定することができる。フィルタフレームは、超音波結合、接着剤、熱結合、機械的取り付け機構、又はこれらの組み合わせを使用することなど、任意の好適な方法にてフィルタに固定することができる。
【0045】
図3は、耐火性フィルタを備えるフィルタアセンブリの実施形態を図示している。自己支持型フィルタアセンブリ又はフィルタフレームは、概して剛性を有し、それにより、使用者が1つの縁部又は角部から水平に保持する場合、フィルタアセンブリ又はフィルタフレームは、平坦な表面上に乗っているかのように実質的に同じ形状を維持する。フィルタアセンブリの実施形態は、油脂通気フードシステム内でバッフルの代わりに使用することができる。
【0046】
フィルタアセンブリ300は、x軸310、y軸320、及びz軸330を基準にして位置決めしている。フィルタアセンブリ300は、耐火性繊維を含む繊維ウェブ又はシートを含む、2つの主要部分、すなわち、フィルタフレーム340及びフィルタ350を有する。図3に示すように、フィルタフレーム340は、フィルタ350の一方の主側面に配置されている。フィルタフレーム340は、図3に示すようにフィルタ350の縁部に接触するようには延びていないが、いくつかの場合では、フィルタフレーム340は、フィルタ350の縁部に接触するように延びていてもよい。いくつかの場合では、フィルタフレーム340は、フィルタ350の縁部を越えて延びて、フィルタの通気フード内のフレームと、又は隣接するフィルタと重なり合っていてもよい。いくつかの場合では、この重なり合いを使用して、緩んだシール又はガスケットを通気フード又はシステムで形成することができる。この場合、フィルタ350の縁部は、フィルタの第2の主側面まで延びていなくてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、フィルタフレームは、平坦であってもよい。他の実施形態では、フィルタフレームは、テクスチャ加工していてもよい。例えば、フィルタフレーム340は、複数の山部351及び複数の谷部352を有する。複数の山部351及び複数の谷部は、2次元に延びており、それにより、フィルタアセンブリ300の断面をx軸310に平行に、又はy軸320に平行に取った場合、各断面は、複数の山部351及び複数の谷部352を含む。z軸330に沿って測定した、山部351と谷部352との間の高さの差は、実施形態に基づいて変化してもよい。いくつかの場合では、高さの差は、任意の選択山部351と任意の選択谷部352との間で同じであってもよい。他の例では、山部351及び谷部352は、様々な高さであってもよい。一例では、複数の山部351のうちの1つと複数の谷部352のうちの1つとの間の高さの差は、0.75cm超である。これは、1cm超、1.5cm超、2cm超、2.5cm超、3cm超、3.5cm超、4cm超、又は5cm超であってもよい。いくつかの場合では、複数の山部351のうちの1つと複数の谷部352のうちの1つとの間の高さの差は、10cm未満であってもよい。いくつかの場合では、山部351と谷部352との間の高さの差が、どの山部351及びどの谷部352を選択するかによって変化する場合、高さの差は、任意の山部351と任意の谷部352との間のz軸に沿った最大距離として測定することができる。
【0048】
フィルタは、フィルタフレームの形状に実質的に適合することができる。例えば、フィルタ350は、フィルタフレーム340の山部351及び谷部352に実質的に適合することができ、それにより、いくつかの場合では、フィルタ350は、山部351のうちの1つ以上及び谷部352のうちの1つ以上に固定することができる。フィルタ350は、概して、フィルタフレーム340の屈曲に従うことができ、いくつかの場合では、フィルタ350は、山部351及び谷部352でフィルタフレームに接触することができる。
【0049】
フィルタフレームは、任意の好適な1つ以上の材料で形成すること、又はコーティングすることができ、それにより、フィルタアセンブリに十分な構造的安定性、耐火性、又はこれらの組み合わせをもたらす。フィルタフレームは、アルミニウム、ステンレス鋼、スズ、銅、ガラス、グラスファイバー、ポリイミド(PI)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリベンゾチアゾール(PBT)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレンテレフタレートポリエステル(PET)、ナイロン、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエーテルスルホン(PES)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。フィルタフレームが難燃性特性を有してもよく、フィルタフレームが難燃性材料から形成していてもよく、又は難燃性添加剤若しくはコーティングを含んでもよい。
【0050】
フィルタフレームにより、フィルタ処理に使用可能なフィルタの表面積の一部を遮断することができる。しかし、様々な実施形態では、耐火性繊維を含む繊維ウェブ又はシートを含むフィルタの耐火性特性により、フィルタフレームの使用によって、耐火性がより低いレベルのフィルタを使用する他のフィルタアセンブリよりも、フィルタアセンブリの耐火性を全体的に所望のレベルにすることができる。例えば、フィルタフレームは、フィルタの表面積の約50%未満、又はフィルタの表面積の約10%~約50%未満、又は約10%以下、又は、約15、20、25、30、32、34、36、38、40、42、44、45、46、47、48、49、49.5、49.9%、若しくは約49.99%の値について、これら未満であるか、これらと等しいか、若しくはこれらより多い値を遮断することができる。フィルタフレームは、50%超の開放領域(例えば、フィルタフレームによって未遮断の領域、又は他の障壁によって未遮断の領域であり、それによって、領域はフィルタ処理に有用になる)、又は約50%~約90%の開放領域、又は約50%以上、又は、約51、52、53、54、55、56、58、60、62、64、66、68、70、75、80、85、86、87、88、89%、若しくは約90%以上の値について、これら未満であるか、これらと等しいか、若しくはこれらより多い値の開放領域を含んでもよい。
【0051】
フィルタフレーム及びフィルタを備える、フィルタアセンブリは、広範な審美的変型を有することができる。例えば、それらは、色、質感、表面仕上げなどの範囲にわたってもよい。いくつかの実施例では、フィルタは、フィルタフレームとは異なる色を有してもよい。いくつかの場合では、色を選択し、フィルタ内の油脂の集まりによって引き起こされるものなどの、経時的使用の可視的影響を減少させることができる。他の場合では、色を選択し、フィルタアセンブリを周囲の通気フードと調和させることができる。フィルタは、テクスチャ加工した外観を生じさせるよう、多色の繊維を含んでもよい。フィルタフレームは、着色及び外観を変更するよう、コーティングを有してもよい。一例は、金属の外観を有する軽量樹脂構造を提供するための、金属コーティングである。フィルタフレーム、フィルタ、又はフィルタフレームとフィルタとの間の備え付け機構のいずれかに使用される材料にて、変型を製造することができる。
【0052】
耐火性フィルタを使用する方法
様々な実施形態は、耐火性繊維を含む繊維ウェブ又はシート、を含む耐火性フィルタ、を使用する方法を提供する。方法は、耐火性フィルタの実施形態を使用する任意の好適な方法であってもよい。方法は、通気フード又は空気ダクトなど、そこを通してフィルタ処理される空気のために、フィルタ、又はフィルタを備えるフィルタアセンブリを取り付けること、を含んでもよい。方法は、フィルタ、又はフィルタを備えるフィルタアセンブリを通して、空気をフィルタ処理することと、を含んでもよい。方法は、取り付け工程又はフィルタ処理工程のいずれか1つ又は任意の組み合わせを含んでもよい。
【0053】
耐火性フィルタを製造する方法。
様々な実施形態は、耐火性繊維を含む繊維ウェブ又はシート、を含む耐火性フィルタ、を製造する方法を提供する。方法は、耐火性フィルタの実施形態を形成する任意の好適な方法であってもよい。方法は、OPAN、FRレーヨン、又はこれらの組み合わせを含む、耐火性繊維を含む繊維ウェブ又はシート、を形成すること、を含んでもよい。耐火性フィルタを製造する方法は、繊維ウェブ又はシートを、他の層、補強材(例えば、フィルタフレーム)、コーティングなどと組み合わせること、を含んでもよい。方法は、繊維ウェブ又はシートをフィルタフレームと組み合わせ、本明細書に記載のフィルタアセンブリの実施形態を形成すること、を含んでもよい。方法は、形成工程又は組み合わせ工程のいずれか1つ又は組み合わせを含んでもよい。
【実施例
【0054】
本発明の様々な実施形態は、例示によって提供される以下の実施例を参照することによって、よりよく理解することができる。本発明は、本明細書に記載されている実施例に限定されない。
【0055】
【表1】
【0056】
実施例1.不織布の調製
70重量%の繊維1及び30重量%の結合繊維のブレンドを含む、代表的な実施例のエアレイド不織布ウェブを調製した。ウェブについては、従来のエアレイ式ウェブ形成機(Rando Machine Company(Macedon,NY)から商品名「RANDO WEBBER」で入手可能)を使用し、100グラム/平方メートル(gsm)の範囲の名目坪量を目標として形成した。Rando-WEBBER装置にて形成した際、回収した繊維を多孔質ベルト上で支持し、次いで、巻き取ることによって3”コア上で回収した。産出したウェブの厚さを、約10~20mmの範囲であると推定した。
【0057】
熱硬化ウェブ。Rando-WEBBER装置にて形成した際、回収した繊維を多孔質ベルト上で支持し、熱風(160℃(320°F)に設定)を空気側からベルト側まで(すなわち、頂部から底部まで)回収した繊維の厚さにわたって吸い込んだ、加熱装置に通した。ベルト速度は、1.82m/分(6フィート/分)であった。これにより十分な、繊維-繊維溶融結合が得られ、得られたウェブは、ベルトから取り出して以下に記載のような更なる加工に供することができる、自己支持型ウェブとなった。
【0058】
ニードル留めウェブ。従来のニードルパンチ装置(Dilo(Germany)から商品名「DILO」で市販)を使用して、ウェブをニードルパンチし、型番号15X18x36x3.5のRB有棘ニードル(Foster Needle Company,Inc.(Manitowoc,WI)から市販)を用い、約15パンチ/cmとした。有刺ニードルで、マットの全厚さにわたってパンチした。ニードルパンチした不織布ウェブの厚さは、約10~20mm(1/16インチ)であった。
【0059】
調製した不織布のリストを、表2に示す。結合繊維で調製した不織布を、上記のように熱硬化した。個々の不織布を、上記のようにニードル留めした。内面が第2の不織布ウェブの内面と接触するように、2つ(以上)の不織布を含む多層ウェブを組み合わせ(積層し)た。層1は、複合ウェブの前面を示す。調製した多層ウェブを、表3に示す。
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
図5Aは、多層ウェブ1の層2(ポリエステル繊維3)の写真を示している。図5Bは、多層ウェブ1の層1(OPAN繊維1)の写真を示している。
【0063】
実施例2.ウェブ耐火性特性の試験。
実施例1から調製した不織布及び多層ウェブを、ブンゼンバーナー火炎試験に従って耐火性特性について試験した。直径8cmの開口部を有する水平リングクランプを、リングスタンドに備え付けた。クランプからバーナーの頂部までの距離を6cmとなるようにEiscoの天然ガスブンゼンバーナーをリングクランプの下方に置き、クランプ高さを調整した。10cm×10cmに切り出したウェブ試料を、リングクランプ上に載せた。青色の火炎が長さ10cmであることを、バーナの頂部から火炎先端まで測定することによって確定した。点火したブンゼンバーナーを、リングクランプ上で位置決めした試料の下に移動した。火炎を、試料上で10秒間維持した。火炎を試料から10秒間取り除き、次いで試料/リングクランプの下に更に10秒間戻した。この試験に合格するウェブは無傷のままであり、バーナーからの青色の火炎が試料に貫入せず、このことは、試料が火炎に対する障壁として働き、試料の他方の側では、試験期間中に燃焼又は物理的劣化しないということを意味している。試験に不合格になるウェブでは、試料に火炎が貫入し、試料は溶融して滴り落ち、又は、火炎を取り除いた後3秒超、試料は燃焼し続ける。ウェブが溶融性ポリマーを含む場合、その材料は、溶融により劣化することがあるが、火炎は貫入せず、それにより、ウェブは火炎遮断層として働く。溶融性ポリマーは、火災事象中に犠牲になってもよい。
【0064】
不織布A~G及び多層ウェブ1~2でのブンゼンバーナー火炎試験からの結果を、表4にまとめている。
【0065】
【表4】
【0066】
不織布Gは、試料の燃焼及び滴り落ちにより直ちに不合格になっている。同様に、多層ウェブ2もまた、火炎試験に不合格になっている。多層ウェブ1では、不織布Aは防火仕切りとして働き、ウェブの形状を維持し、滴り落ちを全て防止する。
【0067】
実施例3.ULl1046火炎筒における火炎貫入の試験
実施例1からの選択不織布及び多層ウェブについて、ANSI/UL 1046 Standard,4th edition,2010(Standard for Grease Filters for Exhaust Ducts)に従って、より激しい火炎貫入実験にて試験した。単層及び多層不織布ウェブを、油(Crisco(登録商標)Frying Oil Blend)の浴内に飽和するまで浸漬した。次いで、緩んだウェブを、2つの有孔金属シート(Grainger、22-ゲージ、79%の開放領域)の間で、20インチ×20インチの金属フレームに固定した。ウェブについて、ANSI/UL1046に概説のある機器設定及び試験方法を使用して、火炎貫入試験に供した。簡潔に述べると、油脂浸漬フィルタを筒に詰め、一定した200fpmの空気流下で、点火した天然ガスバーナからの4,000BTU/分に3分間供した。合格するウェブは、無傷のままであり、また取り出し容易である必要があり、火炎は、個々の火炎が1.0秒超、又は累積火炎が合計20.0秒超のとき、18インチを超えて貫入することができない。
【0068】
不織布H、J、及び多層ウェブ3での火炎筒試験からの結果を、表5にまとめている。
【0069】
【表5】
【0070】
表5中の3つの不織布ウェブの全てが、ANSI/UL1046における装置及び方法に従って、火炎筒試験に合格している。しかし、金属フレームによるアセンブリ(フレーム+前側/後側有孔シート)は、直ちに試験に不合格となり、火炎貫入を防止していない。これらの不織布の火炎障壁性能では、従来のバッフルなしで、それらの耐火性特性及び構造のみを利用している。
【0071】
用いた用語及び表現は、限定ではなく説明の用語として使用したものであり、そのような用語及び表現を使用する際、図示及び記載する特徴又はその一部分の均等物を除外する意図はなく、本発明の実施形態の範囲内で様々な修正形態が可能であることが理解される。したがって、特定の実施形態及び任意選択の特徴によって、本発明を具体的に開示したが、本明細書に開示する概念の修正形態及び変形形態を、当業者であれば用いることができ、そのような修正形態及び変形形態は、本発明の実施形態の範囲内であると見なされることが理解されるべきである。
【0072】
例示的な実施形態.
以下の例示的な実施形態を示すが、その番号付けは重要度を示すものと解釈されるものではない。
【0073】
実施形態1は、フィルタであって、
耐火性繊維を含む繊維ウェブ又はシートを含み、耐火性繊維が、酸化ポリアクリロニトリル(OPAN)、難燃性(FR)レーヨン、又はこれらの組み合わせを含む、フィルタを提供する。
【0074】
実施形態2は、耐火性繊維の各々の約60重量%~約100重量%が、独立してOPAN又はFRレーヨンである、実施形態1に記載のフィルタを提供する。
【0075】
実施形態3は、耐火性繊維が、FRレーヨンを含む、実施形態1又は2に記載のフィルタを提供する。
【0076】
実施形態4は、耐火性繊維が、OPANを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載のフィルタを提供する。
【0077】
実施形態5は、繊維ウェブ又はシートが、ブンゼンバーナー火炎試験に合格する、実施形態1~4のいずれか1つに記載のフィルタを提供する。
【0078】
実施形態6は、天然ガスブンゼンバーナーからの長さ10cmの火炎の上6cmに載せた、繊維ウェブ又はシートの10cm×10cmの試料が、無傷のままであり、火炎への10秒間の曝露、続いて火炎の10秒間の除去、更に続いて火炎への更なる10秒間の曝露の後に、火炎が貫入しない、実施形態1~5のいずれか1つに記載のフィルタを提供する。
【0079】
実施形態7は、繊維ウェブ又はシートが、不織布である、実施形態1~6のいずれか1つに記載のフィルタを提供する。
【0080】
実施形態8は、繊維ウェブが、結合している、実施形態1~7のいずれか1つに記載のフィルタを提供する。
【0081】
実施形態9は、繊維ウェブが、熱硬化性材料又は溶融材料を含む、実施形態8に記載のフィルタを提供する。
【0082】
実施形態10は、耐火性繊維が、親油性又は疎油性である、実施形態1~9のいずれか1つに記載のフィルタを提供する。
【0083】
実施形態11は、OPAN、FRレーヨン、又はこれらの組み合わせが、繊維ウェブ又はシートの少なくとも約50重量%である、実施形態1~10のいずれか1つに記載のフィルタを提供する。
【0084】
実施形態12は、OPAN、FRレーヨン、又はこれらの組み合わせが、繊維ウェブ又はシートの少なくとも約60重量%である、実施形態1~11のいずれか1つに記載のフィルタを提供する。
【0085】
実施形態13は、繊維ウェブ又はシートが、少なくとも25g/mの、OPAN、FRレーヨン、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態1~12のいずれか1つに記載のフィルタを提供する。
【0086】
実施形態14は、繊維ウェブ又はシートが、少なくとも50g/mの、OPAN、FRレーヨン、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態1~13のいずれか1つに記載のフィルタを提供する。
【0087】
実施形態15は、耐火性繊維が、約0.5~約20デニールの線質量密度を有する、実施形態1~14のいずれか1つに記載のフィルタを提供する。
【0088】
実施形態16は、耐火性繊維が、約3~約7デニールの線質量密度を有する、実施形態1~15のいずれか1つに記載のフィルタを提供する。
【0089】
実施形態17は、耐火性繊維が、約0.001~約10cmの長さを有する、実施形態1~16のいずれか1つに記載のフィルタを提供する。
【0090】
実施形態18は、耐火性繊維が、約2cm~約8cmの長さを有する、実施形態1~17のいずれか1つに記載のフィルタを提供する。
【0091】
実施形態19は、繊維ウェブ又はシートが、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、カポック繊維、ポリ(乳酸)(PLA)、綿、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、羊毛、又はこれらの組み合わせを更に含む、実施形態1~18のいずれか1つに記載のフィルタを提供する。
【0092】
実施形態20は、繊維ウェブ又はシートが、コーティング、難燃剤、繊維、熱硬化性材料、溶融材料、金属繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、吸着剤、発泡性材料、雲母、珪藻土、ガラスバブル、炭素粒子、又はこれらの組み合わせを更に含む、実施形態1~19のいずれか1つに記載のフィルタを提供する。
【0093】
実施形態21は、繊維ウェブ又はシートが、約10~約400g/mである、実施形態1~20のいずれか1つに記載のフィルタを提供する。
【0094】
実施形態22は、繊維ウェブ又はシートが、約80~約250g/mである、実施形態1~21のいずれか1つに記載のフィルタを提供する。
【0095】
実施形態23は、プリーツ加工済、平坦、又はこれらの組み合わせである、実施形態1~22のいずれか1つに記載のフィルタを提供する。
【0096】
実施形態24は、単層の、繊維ウェブ又はシートを含む、実施形態1~23のいずれか1つに記載のフィルタを提供する。
【0097】
実施形態25は、多層の、繊維ウェブ又はシートを含む、実施形態1~24のいずれか1つに記載のフィルタを提供する。
【0098】
実施形態26は、各々独立して別個の又は少なくとも部分的にブレンドした、1つ以上の更なる層であって、各々独立して、難燃性層、非難燃性層、織布層、不織布層、金属層、接着剤層、コーティング、粉末、吸着層、勾配層、犠牲層、油脂劣化層、樹脂層、スクリム層、又はこれらの組み合わせである、1つ以上の更なる層を更に含む、実施形態1~25のいずれか1つに記載のフィルタを提供する。
【0099】
実施形態27は、1つ以上の更なる層が、各々独立して、難燃剤、接着剤、熱硬化性材料、溶融材料、耐火性繊維、コーティング繊維、粉末、金属、ガラス、セラミック、金属繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、吸着剤、発泡性材料、雲母、珪藻土、ガラスバブル、炭素粒子、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態26に記載のフィルタを提供する。
【0100】
実施形態28は、1つ以上の更なる層が、各々独立して、未結合、接着剤積層、熱結合、超音波結合、ニードル留め、締結具による物理的備え付け、又はこれらの組み合わせである、実施形態26又は27に記載のフィルタを提供する。
【0101】
実施形態29は、繊維ウェブ又はシートの一方の主面が更なる層を含み、繊維ウェブ又はシートの反対側の主面は更なる層を含まない、実施形態1~28のいずれか1つに記載のフィルタを提供する。
【0102】
実施形態30は、繊維ウェブ又はシートの両方の主面が、更なる層を含む、実施形態1~29のいずれか1つに記載のフィルタを提供する。
【0103】
実施形態31は、フィルタが、スロット内などの空気フィルタホルダ内に、磁石又は接着剤を用い、機械的締結具を用いて取り付け可能であり、自己支持型フィルタとしては、一時的に若しくは恒久的に備え付けることができるフィルタのフレーム若しくは帯、又はその組み合わせを介して、空気フィルタを定位置に保持するカバースクリーンを用いている、実施形態1~30のいずれか1つに記載のフィルタを提供する。
【0104】
実施形態32は、フィルタアセンブリであって、
実施形態1~31のいずれか1つに記載のフィルタ、及び
フィルタフレームを備える、フィルタアセンブリを提供する。
【0105】
実施形態33は、剛性の自己支持型構造である、実施形態32に記載のフィルタアセンブリを提供する。
【0106】
実施形態34は、フィルタフレームが、アルミニウム、ステンレス鋼、スズ、銅、ガラス、グラスファイバー、ポリイミド(PI)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリベンゾチアゾール(PBT)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレンテレフタレートポリエステル(PET)、ナイロン、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエーテルスルホン(PES)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態32又は33に記載のフィルタアセンブリを提供する。
【0107】
実施形態35は、フィルタフレームが、難燃性添加剤を含む、実施形態32~34のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリを提供する。
【0108】
実施形態36は、フィルタフレームが、超音波結合、接着剤、熱結合、機械的取り付け機構、又はこれらの組み合わせを使用してフィルタに固定されている、実施形態32~35のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリを提供する。
【0109】
実施形態37は、フィルタフレームが、フィルタの表面積の約50%未満を遮断する、請求項32~36のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリを提供する。
【0110】
実施形態38は、フィルタフレームが、フィルタの表面積の約10%~約50%未満を遮断する、請求項32~37のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリを提供する。
【0111】
実施形態39は、約50%超の開放領域を有する、実施形態32~38のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリを提供する。
【0112】
実施形態40は、約50%超から、約90%以下までの開放領域を有する、実施形態32~39のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリを提供する。
【0113】
実施形態41は、自己支持型フィルタアセンブリであって、
耐火性繊維を含む繊維不織布ウェブ又はシートであって、耐火性繊維が、酸化ポリアクリロニトリル(OPAN)、難燃性(FR)レーヨン、又はこれらの組み合わせを含み、OPAN、FRレーヨン、又はこれらの組み合わせは、繊維ウェブ又はシートの少なくとも約60重量%である、繊維不織布ウェブ又はシート、及び
フィルタフレームを備える、自己支持型フィルタアセンブリを提供する。
【0114】
実施形態42は、実施形態1~31のいずれか1つに記載のフィルタを使用する方法であって、
そこを通してフィルタ処理される空気のために、フィルタ、又はフィルタを備える実施形態32~40のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリを取り付けること、を含む、方法を提供する。
【0115】
実施形態43は、実施形態1~31のいずれか1つに記載のフィルタを使用する方法であって、
フィルタ、又はフィルタを備える実施形態32~40のいずれか1つに記載のフィルタアセンブリを通して、空気をフィルタ処理すること、を含む、方法を提供する。
【0116】
実施形態44は、実施形態1に記載のフィルタを製造する方法であって、
OPAN、FRレーヨン、又はこれらの組み合わせを含む、耐火性繊維を含む繊維ウェブ又はシート、を形成すること、を含む、方法を提供する。
【0117】
実施形態45は、引用した全ての要素又は選択肢が使用可能又はそこから選択されるように任意選択的に構成されている、実施形態1~44のいずれか1つ又は任意の組み合わせに記載の、フィルタ、フィルタアセンブリ、又は方法を提供する。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B