(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】マルチショット注射パッチ
(51)【国際特許分類】
A61M 5/303 20060101AFI20241206BHJP
A61M 37/00 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
A61M5/303
A61M37/00
(21)【出願番号】P 2021553699
(86)(22)【出願日】2020-10-29
(86)【国際出願番号】 JP2020040706
(87)【国際公開番号】W WO2021085565
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2023-09-21
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000002901
【氏名又は名称】株式会社ダイセル
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フォアマン デイヴィッド マイケル
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0216337(US,A1)
【文献】米国特許第05860957(US,A)
【文献】特表2006-524120(JP,A)
【文献】特表2010-504797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/303
A61M 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面および上面を有する基部であって、前記底面が患者の皮膚に対して配置されるように構成される、基部と、
前記基部によって支持され、第1の薬剤を収容する第1の容器と、
前記基部によって支持され、第2の薬剤を収容する第2の容器と、
前記基部内において前記上面および前記第1の容器の間に配置された第1の火工装薬と、
前記基部内において前記上面と前記第2の容器の間に配置された第2の火工装薬と、
前記第1の火工装薬および第2の火工装薬を起爆するように構成された1つまたは複数の電子部品と、
を備え
、
前記基部は回路基板を有すると共に、前記第1の火工装薬および前記第2の火工装薬は前記回路基板に支持され、且つ、前記第1の容器および前記第2の容器と、前記回路基板との間にスペーサが形成されている、
着用可能なマルチショット注射パッチ。
【請求項2】
前記基部によって支持され、前記第1の火工装薬からみて前記第1の容器の反対側に配置された第1のノズルと、
前記基部によって支持され、前記第2の火工装薬からみて前記第2の容器の反対側に配置された第2のノズルと、
を更に備える、請求項1に記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
【請求項3】
前記回路基板の底面が、患者の肢または胴体の表面に適合することができるように可撓性を有する、請求項1または2に記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
【請求項4】
前記基部が、前記着用可能なマルチショット注射パッチを前記患者の皮膚に接着可能に構成された接着層を含む、請求項1から3の何れか1項に記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
【請求項5】
前記基部に連結され、前記底面と前記患者の皮膚との間の接触が維持されるように前記患者の肢または胴体の周りに固定可能なストラップを、更に備える、請求項1から4の何
れか1項に記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
【請求項6】
前記1つまたは複数の電子部品は、前記第1の火工装薬および前記第2の火工装薬を選択的に起爆するように、または、双方を同時に起爆するように構成される、請求項1から5の何れか1項に記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
【請求項7】
前記1つまたは複数の電子部品は、遠隔制御されるように、または所定の時系列で制御されるように構成される、請求項1から6の何れか1項に記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
【請求項8】
前記1つまたは複数の電子部品はマイクロコントローラを備え、前記マイクロコントローラは前記第1の火工装薬および前記第2の火工装薬のうちの少なくとも何れかを起爆するための命令を記憶するように構成される、請求項1から7の何れか1項に記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
【請求項9】
前記1つまたは複数の電子部品は、無線信号を受信するように構成された受信機を備え、前記1つまたは複数の電子部品は、前記無線信号に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の火工装薬および前記第2の火工装薬のうちの少なくとも何れかを起爆するように構成される、請求項1から8の何れか1項に記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
【請求項10】
底面および上面を有する基部であって、前記底面が患者の皮膚に対して配置されるように構成される、基部と、
前記基部によって支持され、第1の薬剤を収容する第1の容器と、
前記基部によって支持され、第2の薬剤を収容する第2の容器と、
前記基部内において前記上面および前記第1の容器の間に配置された第1の火工装薬と、
前記基部内において前記上面と前記第2の容器の間に配置された第2の火工装薬と、
前記第1の火工装薬および第2の火工装薬を起爆するように構成された1つまたは複数の電子部品と、
を備え、
前記基部は、第1のチャンバおよび第2のチャンバを形成するマスク層を含み、
前記第1の火工装薬は前記第1のチャンバ内に配置されると共に前記第2の火工装薬は前記第2のチャンバ内に配置され、
前記第1のチャンバの少なくとも一部および前記第2のチャンバの少なくとも一部は、前記第1の火工装薬と前記第2の火工装薬との間のバリアを形成
し、
前記基部が、前記マスク層と前記第1の容器および前記第2の容器の双方との間に配置されたシートを更に備え、
前記シートが、前記第1のチャンバを覆うように配置された第1のダイヤフラムと、前記第2のチャンバを覆うように配置された第2のダイヤフラムを有する、
着用可能なマルチショット注射パッチ。
【請求項11】
前記第1のダイヤフラムおよび前記第2のダイヤフラムのそれぞれは、ドーム形状を有する、請求項
10に記載の
着用可能なマルチショット注射パッチ。
【請求項12】
前記第1の容器および前記第2の容器の各々が球形状を有する、請求項
11に記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
【請求項13】
前記1つまたは複数の電子部品が前記第1の火工装薬を起爆するとき、前記第1の火工装薬が圧力スパイクを引き起こして前記第1のダイヤフラムを前記第1の容器に向かって移動させ、前記第1の容器から前記第1の薬剤の少なくとも一部を噴出するように前記第
1のダイヤフラムが柔軟であり、
前記1つまたは複数の電子部品が前記第2の火工装薬を起爆するとき、前記第2の火工装薬が圧力スパイクを引き起こして前記第2のダイヤフラムを前記第2の容器に向かって移動させ、前記第2の容器から前記第2の薬剤の少なくとも一部を噴出するように前記第2のダイヤフラムが柔軟である、
請求項
10から
12の何れか1項に記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
【請求項14】
前記基部がクランプシートを更に備え、前記第1の容器および前記第2の容器が前記クランプシート内に配置される、請求項1から
13の何れか1項に
記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
【請求項15】
着用可能なマルチショット注射パッチを製造する方法であって、
底面および上面を有し、且つ、前記底面と前記上面との間に配置された複数の容器を備え、前記底面が患者の皮膚に対して配置されるように構成され、前記複数の容器における各々が薬剤を収容する、第1の部品組立品を提供することと、
複数のチャンバを備え、前記複数のチャンバの各々が火工装薬を有する第2の部品組立品を提供することと、
前記複数のチャンバが前記底面からみて前記複数の容器の反対側に配置されるように、前記第2の部品組立品を前記第1の部品組立品における前記上面に接合することと、
を含
み、
前記第2の部品組立品は回路基板を有し、
前記複数のチャンバが、少なくとも前記第2の部品組立品が前記第1の部品組立品に接合されるときに前記複数の容器と整列されることにより、前記複数の容器と前記回路基板との間にスペーサが形成される、
マルチショット注射パッチの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、薬剤の無針注射のための装置および方法に関する。より具体的には、本装置および方法は、患者の皮膚を通した薬剤の複数回の無針注射を提供する着用可能なデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
無針注射システムが知られている。これらのシステムによって採用される原動力は、火工品、バネ、または電磁アクチュエータ等を含む(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、これらのシステムのデバイスはシングルショット設計のものであり、かなりの長さを有するためウェアラブルデバイスとして適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特定の医療用途では、無針注射デバイスを利用することが有利であり得る。本発明の特定の実施形態は、単一の着用可能なパッチ上に取り付けられた、複数の無針注射デバイスを提供する。例えば、医師は、患者が3時間毎に3日間、薬剤の注射を受けることを要求する場合がある。現在、患者が自分で注射することができない場合、または注射の種類が、患者が自己投与するのに適していない場合には、医療専門家が患者へと頻繁に訪問する必要があるか、さもなければ、患者が保健クリニックに頻繁に訪問する必要があるか、または患者が治療を受けている間に入院する必要があり得る。本発明の実施形態は、患者が本発明の装置を着用し、おそらくは通常の日常活動を行っている間、必要な注射を自動的に行うことを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
特定の実施形態において、各注射装置が、注射装置内の火工装薬を点火する電流によって作動される。特定の実施形態において、各注射装置の作動または点火を制御するために、電子機器が採用される。特定の実施形態において、電子機器が各注射装置を独立して作動または点火することができる。特定の実施形態においては、パッチが、患者が着用するのに十分にコンパクトかつ薄く、その結果、注射は遠隔で、または所定の時系列で投与され得る。
【0006】
特定の実施形態において、パッチは約5mm~10mmの厚さである。特定の実施形態において、パッチが着用可能なデバイスとして適している。各注射装置の直径約5mm~10mmである特定の実施形態においては、いくつかの注射装置を同一の着用可能なパッチ(wearable patch)上に配置することができる。
【0007】
いくつかの実施形態において、着用可能なマルチショット注射(injection)パッチは、底面および上面を有する基部を備えることができる。底面は、患者の皮膚に対して配置されるように構成される。パッチは、基部によって支持されると共に第1の薬剤を収容する第1の容器(receptacle)と、基部によって支持されると共に第2の薬剤を収容する第2の容器と、を更に備える。第1の火工装薬は、基部内において上面と第1の容器の間に配置される。第2の火工装薬は、基部内において上面と第2の容器の間に配置される。1つまたは複数の電子部品は、第1の火工装薬および第2の火工装薬を起爆(点火、trigger)するように構成される。第1のノズルは、基部によって支持され、第1の火工装薬からみて第1の容器の反対側に配置される。第2のノズルは、基部によって支持され、第2の火工装薬からみて第2の容器の反対側に配置される。
【0008】
いくつかの実施形態においては、着用可能なマルチショット注射パッチが底面および上面を有する基部を含むことができる。底面は、患者の皮膚に対して配置されるように構成される。2つ以上の容器は基部によって支持され、1つまたは複数の薬剤および他の成分を含む溶液を含む。2つ以上の容器は、電気パルスによって点火される火工装薬を使用することによって溶液を同時にまたは連続的に放出して溶液に患者の皮膚を貫通(浸透)させる。
【0009】
いくつかの実施形態においては、着用可能な注射パッチが底面および上面を有する基部を含むことができる。底面は、患者の皮膚に対して配置されるように構成される。容器は、外壁によって形成され、薬剤を収容する。外壁は、基部によって支持される。火工装薬は、基部内における容器と外壁との間に配置される。
【0010】
いくつかの実施形態において、着用可能なマルチショット注射パッチを製造するための方法は、底面および上面を有し、且つ、底面と上面との間に配置された複数の容器を備える第1の部品組立品(subassembly)を提供することを含むことができる。底面は、患者の皮膚に対して配置されるように構成される。複数の容器における各容器は薬剤を収容する。この方法は、複数のチャンバを含む第2の部品組立品を提供することによって継続する。複数のチャンバにおける各チャンバは火工装薬を含む。この方法は、複数のチャンバが底面からみて複数の容器の反対側に配置されるように、第2の部品組立品を第1の部品組立品における上面に接合することによって継続する。
【0011】
いくつかの実施形態において、底面および上面を有する着用可能なパッチを用いて患者の皮膚を通して薬剤を注射するための方法は、複数の容器と、複数の容器と整列した複数のチャンバと、を含み、複数の容器が底面と前記上面の間に配置されると共に各容器が薬剤を収容し、複数のチャンバの各々が複数の容器と上面との間に配置されると共に各チャンバが火工装薬を有する、着用可能なパッチの底面を患者の皮膚に貼り付ける(接着する)ことと、複数のチャンバのうちの少なくとも1つのチャンバ内で火工装薬を起爆し、複数の容器のうちの少なくとも1つの容器を圧縮して、薬剤を少なくとも容器から患者の皮膚を通して噴出させることと、を含むことができる。
【0012】
いくつかの実施形態において、着用可能なマルチショット注射パッチは、底面および上面を有する基部であって底面が患者の皮膚に対して配置されるように構成される基部と、基部によって支持されると共に第1の薬剤を収容する第1の容器と、基部によって支持されると共に第2の薬剤を収容する第2の容器と、基部内において上面および第1の容器の間に配置された第1の火工装薬と、基部内において上面と第2の容器の間に配置された第2の火工装薬と、を備えることができる。
【発明の効果】
【0013】
本開示に係る技術によれば、患者の皮膚を通した薬剤の無針注射を行うために着用可能な注射パッチを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の好ましい実施形態による、パッチにわたって分配された複数の注射装置を含むパッチの実施形態の斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1のパッチの上面図であり、複数の注射装置のための複数の火工装薬を起爆するための1つまたは複数の電子部品を示す。
【
図3】
図3は、
図1のパッチの斜視分解図であり、クランプシートの下方であってシートの上方に整列された溶液を収容する2つ以上の容器、マスク層、および複数の火工装薬を示す。
【
図4】
図4は、
図2の切断面4-4に沿って眺めた
図2のパッチの断面図であり、パッチが患者の皮膚に取り付けられる前に取り外し可能な剥離ライナーによって覆われた複数の注射装置のうちの3つのノズルを示す。
【
図5】
図5は、剥離ライナーが取り除かれ、複数の火工装薬のうちの1つが起爆されて、溶液をそのノズルから患者の皮膚内に出射していることを除いて、
図4と同様の断面図である。
【
図6】
図6は、1つまたは複数の電子部品、複数の火工装薬、マスク層、およびシートを含むパッチの第1の部品組立体の斜視分解図である。
【
図7A】
図7Aは、
図6の切断面7A-7Aに沿って眺めた、
図6の第1の部品組立体の断面図であり、マスク層の下面に組み立てられている複数の火工装薬のうちの1つを支持する回路基板を示す。シートは、シートにおける複数のダイヤフラムのうちの1つがマスク層の複数のチャンバのうちの1つと整列するように、マスク層の上面に組み立てられて示されている。
【
図7B】
図7Bは、回路基板がマスク層の下面に組み立てられており、シートがマスク層の上面に組み立てられていることを除いて、
図7Aと同様の断面図である。
【
図8】
図8は、クランプシートおよび2つ以上の容器を含むパッチの第2の部品組立品の斜視分解図である。2つ以上の容器はクランプシートの凹部と整列している。取り外し可能な剥離ライナーはクランプシートの上方に配置された状態で示されている。
【
図9A】
図9Aは、
図8の切断面9A-9Aに沿って眺めた、
図8の第2の部品組立品の断面図であり、クランプシートの凹部のうちの1つに組み立てられている2つ以上の容器のうちの1つを示す。取り外し可能な剥離ライナーはクランプシートの上方に示されている。
【
図9B】
図9Bは、容器がクランプシートの凹部に挿入され、剥離ライナーがクランプシートに取り付けられていることを除いて、
図9Aと同様の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、図面を参照して本開示に係る実施形態について説明する。なお、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は、一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲内で、適宜、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本開示は、実施形態によって限定されることはなく、請求の範囲によってのみ限定される。
【0016】
図1は、本発明の好ましい実施形態による、パッチ10にわたって分配された複数の注射(注入)装置11(
図5を参照のこと)を含むパッチ10の実施形態の斜視図である。特定の実施形態において、パッチ10が底面14および上面16を有する基部12を備える。底面14は、
図5に最も良く示されているように、患者の皮膚13に対して配置されるように構成されている。
【0017】
特定の実施形態において、パッチ10は、2つ以上の容器18(a)~(i)を備える。特定の実施形態では、2つ以上の容器18(a)~(i)が基部12によって支持されている。特定の実施形態において、2つ以上の容器18(a)~(i)は薬剤を収容している。特定の実施形態において、薬剤は溶液44である。特定の実施形態においては、溶液44が1つまたは複数の薬剤および他の成分(ingredient)を含んでいる。特定の実施形態において、2つ以上の容器18(a)~(i)内の薬剤または溶液44は同一である。特定の実施形態において、2つ以上の容器18(a)~(i)内の薬剤または溶液44は異なっている。特定の実施形態において、2つ以上の容器18(a)~(i)内の薬剤または溶液44は異なっているが、互いに相補的である。
【0018】
特定の実施形態において、2つ以上の容器18(a)~(i)の各々は、溶液44を受け入れるための可撓性を有する球形状の容器を備えている。特定の実施形態において、溶液44を2つ以上の容器18(a)~(i)に注入することによって溶液44が受容される。特定の実施形態において、溶液44は、パッチ10の組み立ての前に2つ以上の容器18(a)~(i)に注入される。特定の実施形態において、溶液44は、パッチ10の組み立て中に2つ以上の容器18(a)~(i)に注入される。特定の実施形態において、溶液44は、パッチ10の組み立て後に2つ以上の容器18(a)~(i)に注入される。
【0019】
特定の実施形態において、パッチ10は、複数の火工装薬(火薬)20(a)~(i)を備えている。特定の実施形態において、複数の火工装薬20(a)~(i)は基部12によって支持されている。複数の火工装薬20(a)~(i)は、任意の適切な点火材料を備えることができる。特定の実施形態において、複数の火工装薬20(a)~(i)の各々は、ジルコニウムと過塩素酸カリウムとの混合物を含んでいる。特定の実施形態において、混合物が、バインダーを更に含んでいる。特定の実施形態においては、複数の火工装薬20(a)~(i)が、湿潤スラリーとして堆積され、次いで乾燥される。
【0020】
複数の火工装薬20(a)~(i)は、制御された様式で、2つ以上の容器18(a)~(i)から溶液44を放出するように構成される。特定の実施形態において、2つ以上の容器18(a)~(i)は、望ましくは、火工装薬20の燃焼および膨張が2つ以上の容器18(a)~(i)のそれぞれに関連する1つ以上のノズル26(a)~(i)を通して溶液44または薬剤を噴出(排出)するのに十分に容器を変形させることができるように、十分な柔軟性(可撓性)を有している。溶液44が噴出されると、望ましくは患者の皮膚13を溶液44が貫通する。特定の実施形態において、複数の火工装薬20(a)~(i)は、複数(2つ以上)の容器18(a)~(i)から同時に溶液44を放出させる。特定の実施形態において、複数の火工装薬20(a)~(i)は、複数(2つ以上)の容器18(a)~(i)から連続的に(順次)、溶液44を放出させる。
【0021】
特定の実施形態において、複数の火工装薬20(a)~(i)によって放出された溶液44は、皮膚13の所望の深さまで皮膚13を貫通(浸透)する。特定の実施形態において、所望の深さは予め規定される。特定の実施形態において、所望の深さは、放出された薬剤または溶液44の組成に少なくとも部分的に基づいて決定される。例えば、所望の深さは、同じパッチ10上の各注射装置11に対して異なる深さに設定することができる。
【0022】
特定の実施形態において、パッチ10は、複数の火工装薬20(a)~(i)を起爆(点火)するための1つまたは複数の電子部品22を備えている。特定の実施形態において、1つまたは複数の電子部品22は、ベース12によって支持されている。
【0023】
特定の実施形態において、1つまたは複数の電子部品22は、複数の火工装薬20(a)~(i)を起爆するための電流を生成するように構成されている。特定の実施形態において、1つまたは複数の電子部品22は、複数の火工装薬20(a)~(i)を選択的に起爆するように構成されている。特定の実施形態において、1つまたは複数の電子部品22は、複数の火工装薬20(a)~(i)の各々を独立して起爆するように構成されている。特定の実施形態において、1つまたは複数の電子部品22は、複数の火工装薬20(a)~(i)のうちの2つ以上を同時に起爆するように構成されている。
【0024】
特定の実施形態において、1つまたは複数の電子部品22は、遠隔制御されるように構成されている。特定の実施形態において、1つまたは複数の電子部品22は、所定の時系列で制御されるように構成されている。
【0025】
特定の実施形態において、1つまたは複数の電子部品22がコントローラを備えている。特定の実施形態において、コントローラはマイクロコントローラである。特定の実施形態において、コントローラはプログラム可能である。特定の実施形態において、1つまたは複数の電子部品22は、必要な注射回数、注射間隔、および、所望の薬剤または溶液44を収容する適切な容器18(a)~(i)についてプログラムされている。特定の実施形態において、パッチ10が患者の皮膚13にいったん適用されると、パッチ10は医療専門家からの介入なしに自動的に薬物を投与する。
【0026】
特定の実施形態において、コントローラは、複数の火工装薬20(a)~(i)のうちの少なくとも1つを起爆するための命令を記憶するように構成されている。特定の実施形態において、命令は、複数の火工装薬20(a)~(i)の起爆間隔を指定する。特定の実施形態において、1つまたは複数の電子部品22は、タイマーを備えている。そのような実施形態においては、コントローラは、タイマーに少なくとも部分的に基づいて、複数の火工装薬20(a)~(i)のうちの少なくとも何れかを起爆するように構成することができる。
【0027】
特定の実施形態において、1つまたは複数の電子部品22は、無線信号を受信するように構成された受信機を備えている。そのような実施形態では、1つまたは複数の電子部品22は、無線信号に少なくとも部分的に基づいて、複数の火工装薬20(a)~(i)のうちの少なくとも何れかを起爆するように構成することができる。特定の実施形態において、受信機は、患者からの無線信号を受信するように構成されている。特定の実施形態において、受信機は、医療専門家から無線信号を受信するように構成されている。
【0028】
特定の実施形態において、パッチ10は、患者が複数の火工装薬20(a)~(i)のうちの少なくとも何れかを起爆するために1つまたは複数の電子部品22を起動するように構成されたユーザインタフェースを備えている。
【0029】
特定の実施形態において、パッチ10は、1つまたは複数の電子部品22のためのエネルギー源を備えている。特定の実施形態において、エネルギー源は、基部12によって支持されている。特定の実施形態において、エネルギー源は、バッテリ24であってもよい。特定の実施形態において、バッテリ24は、1つまたは複数の電子部品22に電力を供給して、選択された注射装置11を発射する。特定の実施形態において、1つまたは複数の電子部品22は、第1の時間フレーム中に複数の火工装薬20(a)~(i)のうちの選択された1つまたは複数に第1の電気パルスを供給し、次いで、第2の時間フレーム中に複数の火工装薬20(a)~(i)のうちの別の選択された1つまたは複数に第2の電気パルスを供給する。
【0030】
図2は、
図1のパッチ10の平面図であり、複数の注射装置11のための複数の火工装薬20(a)~(i)を起爆するための1つまたは複数の電子部品22を示す。
【0031】
図示の実施形態では、パッチ10は、格子パターンに配置された9個の注射装置11を備えている。勿論、本開示はそのように限定されない。パッチ10は、わずか2つの注射装置11を備えることができる。他の実施形態において、パッチ10は、9個よりも多い注射装置11を備える。
【0032】
図示の実施形態において、2つ以上の容器18(a)~(i)は同じサイズを有している。勿論、本開示はそのように限定されない。特定の実施形態において、少なくとも1つの容器18(a)~(i)が、別の容器18(a)~(i)とは異なるサイズを有する。特定の実施形態において、サイズとは、容器18(a)~(i)の外径の尺度である。特定の実施形態において、サイズとは、容器18(a)~(i)の内径の尺度である。特定の実施形態において、サイズとは、容器18(a)~(i)の容積の尺度である。
【0033】
特定の実施形態において、容器18(a)~(i)の容積は、容器18(a)~(i)内に含まれる薬剤または溶液44に少なくとも部分的に基づいて選択される。例えば、第1の薬剤は第2の薬剤よりも有効であるために、より大きな用量(投与量)を必要とし得る。用量(投与量)のサイズの変更(変化)に適応するために、単一のパッチ10は、異なる容積を有する容器18(a)~(i)を備えることができる。パッチ10が同様のサイズの容器18(a)~(i)を備え、用量(投与量)のサイズの変更(変化)が必要となる特定の実施形態においては、1つまたは複数の電子部品22が複数の火工装薬20(a)~(i)のうちの2つ以上を起爆して、1回当たりの用量(投与量)のサイズを増やすことができる。
【0034】
注射装置11は、パッチ10の基部12にわたって対称または非対称のパターンで配置することができる。例えば、特定の実施形態において、注射装置11は、パッチ10の基部12を横切って、正方形パターン、円形パターン、または任意の他の空間的配置で配置される。
【0035】
特定の実施形態において、注射装置11のクラスタ(群)が、パッチ10の基部12にわたって配置される。特定の実施形態において、単一のクラスタ内の注射装置11が線形様式でグループ化される。他の実施形態において、単一のクラスタ内の注射装置11が、パッチ10における単一の場所(例えば、円)で接近してグループ化される。
【0036】
図示の実施形態では、バッテリ24を含む1つまたは複数の電子部品22がパッチ10の外周に配置されている。他の実施形態では、1つまたは複数の電子部品22が注射装置11同士の間における基部12に埋め込まれる。他の実施形態では、1つまたは複数の電子部品22がパッチ10の上面16上に配置される。他の実施形態では、1つまたは複数の電子部品22がベース12の側面に配置される。
【0037】
特定の実施形態において、
図2に示されるように、2つ以上の容器18(a)~(i)の各々は、ノズル26(a)~(i)のうちの1つを備えている。特定の実施形態において、ノズル26(a)~(i)は、基部12によって支持される。特定の実施形態において、ノズル26(a)~(i)は、複数の火工装薬20(a)~(i)からみて2つ以上の容器18(a)~(i)の反対側に配置される。図示の実施形態では、ノズル26(a)~(i)がパッチ10を横切って格子パターンで配置されている。
【0038】
図2に示すように、各ノズル26(a)~(i)は、容器18(a)~(i)の1つと整列されている。特定の実施形態において、各ノズル26(a)~(i)は、2つ以上の容器18(a)~(i)のうちの1つと流体連通している。特定の実施形態では、2つ以上のノズル26(a)~(i)が、2つ以上の容器18(a)~(i)のうちの1つと流体連通している。特定の他の実施形態では、各ノズル26(a)~(i)が、2つ以上の容器18(a)~(i)と流体連通している。例えば、第1の注射装置11のための火工装薬20は、ノズル26(a)を通して容器18の1つから薬剤または溶液44を噴出させ、その後、第2の注射装置11は、ノズル26(a)を通して容器18の別の1つから薬剤または溶液44を噴出させる。また、例えば、第1の注射装置11のための火工装薬20は、ノズル26(a)を通して容器18の1つから薬剤または溶液44を噴出させるのと同時に、第2の、おそらく隣接する注射装置11は、ノズル26(a)を通して容器18の別の1つから薬剤または溶液44を噴出させる。
【0039】
ノズル26(a)~(i)は、2つ以上の容器18(a)~(i)の下流端を少なくとも部分的に越えて延びることができる。ノズル26(a)~(i)は、2つ以上の容器18(a)~(i)から薬剤または溶液44を出力するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ノズル26(a)~(i)は、加圧方式で薬剤または溶液44を出力することができる。例えば、ノズル26(a)~(i)は、加圧された薬剤または溶液44を患者の皮膚13に向けることができる。
【0040】
特定の実施形態において、ノズル26(a)~(i)のサイズは、薬剤が皮膚13に浸透する(皮膚13を貫通する)所望の深さに少なくとも部分的に基づいて選択される。例えば、ノズル26(a)~(i)のサイズは、皮膚13を貫通する所望の深さを達成するノズル26(a)~(i)から出る薬液または溶液44の噴流(jet)が所望の速度を達成するように選択することができる。特定の実施形態では、ノズル26(a)~(i)の直径は、少なくとも複数の火工装薬20(a)~(i)が起爆されていないときにおいて、2つ以上の容器18(a)~(i)の直径よりも小さい。
【0041】
いくつかの実施形態では、ノズル26(a)~(i)は、薬剤または溶液44を所定の方向に出力することができる。例えば、ノズル26(a)~(i)は、ノズル26(a)~(i)の前後軸(縦軸)に沿って薬剤または溶液44を出力することができる。いくつかの実施形態では、ノズル26(a)~(i)は、薬剤または溶液44を患者の皮膚13上の所定の位置に向けることができる。いくつかの実施形態では、ノズル26(a)~(i)のうちの2つ以上が、患者の皮膚13上の同じ位置に薬剤または溶液44を向けるように整列される。
【0042】
例えば、特定の実施形態では、第1のノズル26は、1つまたは複数の電子部品22が第1の火工装薬20を起爆すると、第1の薬剤44の少なくとも一部が第1のノズル26から出射し、患者の皮膚13を貫通するように配置される。第2のノズル26は、1つまたは複数の電子部品22が第2の火工装薬20を起爆すると、第2の薬剤44の少なくとも一部が第2のノズル26から出射し、患者の皮膚13を貫通するように配置される。特定の実施形態において、第1のノズル26および第2のノズル26は、第1の薬剤44の少なくとも一部が、第2の薬剤44の少なくとも一部が患者の皮膚13を貫通する位置とは異なる位置で患者の皮膚13を貫通するように、それぞれ相対的に配置される。特定の他の実施形態において、第1のノズル26および第2のノズル26は、第1の薬剤44の少なくとも一部が、第2の薬剤44の少なくとも一部が患者の皮膚13を貫通する位置と同じ位置で患者の皮膚13を貫通するように、それぞれ相対的に配置される。
【0043】
特定の実施形態では、ノズル26(a)~(i)が2つ以上の容器18(a)~(i)と一体の要素として製造される。例えば、ノズル26(a)~(i)は、2つ以上の容器18(a)~(i)の壁を貫通する開口部によって形成することができる。代替の実施形態においては、ノズル26(a)~(i)が2つ以上の容器18(a)~(i)とは別個の要素として製造され、その後、2つ以上の容器18(a)~(i)に対して位置決めされる。特定の実施形態では、ノズル26(a)~(i)は、2つ以上の容器18(a)~(i)にノズル26(a)~(i)を接着、超音波溶接、またはクランプすることによって、2つ以上の容器18(a)~(i)に対して位置決めされる。特定の実施形態では、別個に製造されたノズル26を、容器18の壁を貫通する開口部に対して配置することができる。そのような実施形態においては、容器18から出る薬剤または溶液44の噴流を加速する、より狭い流路を提供するように、容器18の壁の開口部の直径よりもノズル26の内径を小さくすることができる。
【0044】
特定の実施形態では、ノズル26(a)~(i)が一定の内径を有する。特定の実施形態において、ノズル26(a)~(i)は、流れ(流路)の方向に収束する内径を有する。特定の実施形態において、ノズル26(a)~(i)は、流れ(流路)の方向に発散する内径を有する。特定の実施形態において、ノズル26(a)~(i)は流れの方向に収束し、次いで、発散する内径を有する。
【0045】
特定の実施形態において、ノズル26(a)~(i)は、内部流路内に形成された1つ又は複数の偏向板(vane)を有することができる。特定の実施形態では、1つ又は複数の複数の偏向板が、ノズル26を通過する溶液44を真っ直ぐに整えるような大きさおよび形状になされる。偏向板は、溶液44がノズル26から放出される際に、溶液44内の乱流を減少させることができる。特定の実施形態では、ノズル26はスクリーン(覆い)として形成される。特定の実施形態において、スクリーンは複数の細孔を有する。特定の実施形態において、複数の細孔は微細孔である。
【0046】
図示の実施形態では、2つ以上の容器18(a)~(i)の各々が、単一のノズル26を備えている。勿論、本開示はそのように限定されない。特定の実施形態では、1つの容器18が複数のノズル26を備えることができる。容器18が複数のノズル26に関連付けられた実施形態では、各ノズル26が同じ容器18に関連付けられた他のノズル26と同じまたは異なるサイズを有していてもよい。
【0047】
図3は、クランプシート50への挿入前における2つ以上の容器18(a)~(i)を示す、
図1のパッチ10の斜視分解図である。
図3は、複数の火工装薬20(a)~(i)の上方のクランプシート50、シート40、およびマスク層36の積層配置を更に示している。また、取り外し可能な剥離ライナー48がパッチ10の上方に配置された態様が示されている。
【0048】
特定の実施形態では、パッチ10が複数の火工装薬20(a)~(i)を支持するプリント回路基板(PCB)または回路基板28を備えている。特定の実施形態では、回路基板28が可撓性(柔軟性)を有し、基部12の底面14を患者の肢または胴体の表面に適合(一致)させることができる。特定の実施形態では、回路基板28は可撓性を有している必要はない。例えば、湾曲が少ない患者の部位に適用する場合、回路基板28が皮膚13に接触する程度に湾曲し、またはその程度の可撓性を有していればよい。例えば、小さなパッチ10は、皮膚13上の接触面が同様に小さいため、柔軟性または湾曲が小さくてもよい。特定の実施形態では、回路基板28が、1つまたは複数の電子部品22を更に支持する。
【0049】
特定の実施形態では、回路基板28が、1つまたは複数の電子部品22と複数の火工装薬20(a)~(i)のそれぞれとの間に延在する少なくとも1つの配線(trace)32(a)~(i)を備える。特定の実施形態において、少なくとも1つの配線32(a)~(i)は、1つまたは複数の電子部品22が複数の火工装薬20(a)~(i)のそれぞれを個別に起爆できるように構成される。特定の実施形態では、1つまたは複数の電子部品22および複数の火工装薬20(a)~(i)が、少なくとも1つの配線32(a)~(i)を使用することなく、1つまたは複数の電子部品22が複数の火工装薬20(a)~(i)に直接電気的に接続するように配置される。
【0050】
少なくとも1つの配線32(a)~(i)を使用する特定の実施形態では、少なくとも1つの配線32(a)~(i)が、回路基板28における1つまたは複数の電子部品22と複数の火工装薬20(a)~(i)との間の任意の経路をたどることができる。例えば、図示の実施形態では、少なくとも1つの配線32(a)~(i)における部分30が、各配線32が個別に向きを変えてそれぞれの火工装薬20に向かって概ね長手方向に延在するに先立って、1つまたは複数の電子部品22から横方向に延在している。
【0051】
各配線32(すなわち、配線32(a))は、1つまたは複数の電子部品22を有する電気回路の少なくとも一部を完成させるための2つの別個のワイヤを備えることができる。特定の実施形態では、各火工装薬20が、各配線32における2本のワイヤに関連付けられる。2つの配線32またはワイヤは、1つまたは複数の電子部品22と複数の火工装薬20の各々との間の電気回路の一部を形成する。
【0052】
特定の実施形態では、パッチ10はクランプシート50を備える。特定の実施形態では、クランプシート50が、2つ以上の容器18(a)~(i)を支持する。例えば、特定の実施形態では、2つ以上の容器18(a)~(i)がクランプシート50の個々の凹部56(a)~(i)に挿入される。特定の実施形態では、各凹部56(a)~(i)がクランプシート50の滞流部として形成される。特定の実施形態において、各滞流部は、2つ以上の容器18(a)~(i)の外面に概ね一致するような大きさおよび形状となっている。
【0053】
特定の実施形態では、凹部56(a)~(i)における頂部の開口部(シート40に最も近い)が、組み立て中に2つ以上の容器18(a)~(i)をクランプシート50の凹部56(a)~(i)に挿入するのを容易にするサイズを有する。特定の実施形態では、(凹部56の頂部における)開口部が、2つ以上の容器18(a)~(i)の最大直径以上の直径を有している。特定の他の実施形態では、(凹部56の頂部における)開口部が、2つ以上の容器18(a)~(i)の最大直径よりも僅かに小さい直径を有するが、組み立て中に、2つ以上の容器18(a)~(i)をクランプシート50の凹部56(a)~(i)に挿入することを依然として可能にする。
【0054】
特定の実施形態において、各凹部56(a)~(i)の底面(剥離ライナー48に最も近い)は、クランプシート50を貫通する開口部を備える。特定の実施形態では、(凹部56の底面における)開口部が、2つ以上の容器18(a)~(i)の直径よりも小さいサイズである。このようにして、複数の火工装薬20(a)~(i)が、2つ以上の容器18(a)~(i)を変形させて溶液44を噴出させるときに、2つ以上の容器18(a)~(i)がクランプシート50の(底面における)開口部を通過することが抑制される。
【0055】
特定の実施形態において、パッチ10はシート40を備える。特定の実施形態では、シート40がポリマー材料を含んでいる。特定の他の実施形態では、シート40が非ポリマー材料を含んでいる。特定の実施形態では、シート40がクランプシート50からみて2つ以上の容器18(a)~(i)の反対側に配置される。特定の実施形態では、シート40が、例えば、超音波溶接、接着、クリッピング(クリップ留め)、およびクランプ(クランプ留め)によってクランプシート50に接合される。組み立てられると、シート40は、複数の火工装薬20(a)~(i)と2つ以上の容器18(a)~(i)との間にバリアを提供する。
【0056】
特定の実施形態では、シート40が、1つまたは複数のダイヤフラム42(a)~(i)を備える。図示の実施形態では、各ダイヤフラム42(a)~(i)が、2つ以上の容器18(a)~(i)のうちの1つに関連付けられている。特定の実施形態では、各ダイヤフラム42(a)~(i)が、2つ以上の容器18(a)~(i)のうちの2つ以上と関連付けられる。特定の実施形態では、シート40が単一のダイヤフラム42と、単一のダイヤフラム42を取り囲む周囲部分とを含む。
【0057】
特定の実施形態では、ダイヤフラム42(a)~(i)は可撓性(柔軟性)を有する。特定の実施形態では、ダイヤフラム42(a)~(i)が、シート40における残りの部分(ダイヤフラム42以外の部分)よりも柔軟である。特定の実施形態では、ダイヤフラム42(a)~(i)が、シート40における残りの部分と同等に柔軟である。ダイヤフラム42(a)~(i)の可撓性は、複数の火工装薬20(a)~(i)によって生成される圧力スパイクに応答してダイヤフラム42がクランプシート50の凹部56(a)~(i)内に突出し、2つ以上の容器18(a)~(i)を圧縮することを可能にし得る。
【0058】
特定の実施形態では、シート40が概して平坦であり、シート40全体にわたって一定の厚さを有する。特定の実施形態では、シート40がダイヤフラム42(a)~(i)の領域を除いて、概して平坦である。特定の実施形態では、ダイヤフラム42(a)~(i)の領域におけるシート40の厚さは、シート40の残りの部分の厚さよりも小さい。特定の実施形態では、ダイヤフラム42(a)~(i)の領域が、ドーム形状を有する。特定の実施形態では、ダイヤフラム42(a)~(i)の領域が、組み立てられたときに2つ以上の容器18(a)~(i)におけるダイヤフラム42に隣接する部分の形状にほぼ一致する形状を有する。
【0059】
特定の実施形態では、パッチ10はマスク層36を備える。特定の実施形態では、マスク層36が、回路基板28と2つ以上の容器18(a)~(i)との間にスペーサを形成する。特定の実施形態では、マスク層36が隣接する火工装薬20(a)~(i)の間にバリアを形成する。特定の実施形態では、バリアは、1つの注射装置11が別の注射装置11を交感的に(連動させて)作動させることを抑制する。
【0060】
特定の実施形態では、マスク層36が1つ以上のチャンバ38を備える。特定の実施形態では、各チャンバ38が円筒形状を有する。特定の他の実施形態では、各チャンバ38が、正方形または任意の他の形状を有する。特定の実施形態において、1つまたは複数のチャンバ38の各々は、1つの注射装置11と関連付けられる。図示の実施形態では、1つまたは複数のチャンバ38(a)~(i)の各々が、複数の火工装薬20(a)~(i)のうちの1つに関連付けられている。
【0061】
図示の実施形態では、1つまたは複数のチャンバ38(a)~(i)の各々が開放頂部および開放底部を有する。特定の実施形態では、1つまたは複数のチャンバ38(a)~(i)のそれぞれの頂部および底部の一方または双方が閉鎖される。図示の実施形態では、1つまたは複数のチャンバ38(a)~(i)が、回路基板28から離れる方向に延在している。他の実施形態では、マスク層36が、
図3に示す実施形態に対して上下逆さまに反転されており、そのような実施形態では、1つまたは複数のチャンバ38(a)~(i)が回路基板28に向かう方向に延在する。
【0062】
特定の実施形態では、マスク層36が、超音波溶接、接着、クリッピング、クランピング、または他の取り付け手段を介して回路基板28に接合されるか、或いは他の方法で取り付けられる。ある実施形態では、マスク層36が、シート40と回路基板28との間で圧縮される。特定の実施形態では、マスク層36が、超音波溶接、接着、クリッピング、クランピング、または他の取り付け手段によってシート40に接合されるか、或いは他の方法で取り付けられる。特定の実施形態では、マスク層36が、ポリマー材料を含む。勿論、本開示はそのように限定されるものではなく、マスク層36は、非ポリマー材料から作ることができる。
【0063】
図4は、
図2における切断面4-4に沿って眺めたパッチ10の断面図であり、パッチ10が患者の皮膚13に取り付けられる前に取り外し可能な剥離ライナー48によって覆われたノズル26(d)、26(e)、26(f)を示す。特定の実施形態では、シール46が、ノズル26(a)~(i)内に配置される。シール46は、注射装置11が作動していないときに、溶液44が2つ以上の容器18(a)~(i)から漏れるのを抑制する。注射装置11がひとたび作動すると、容器18の圧縮によって引き起こされる2つ以上の容器18(a)~(i)内の圧力はシール46を破壊し、溶液44を通過させてノズル26から出射することを可能にする。
【0064】
特定の実施形態において、パッチ10は、複数の抵抗ワイヤ34(a)~(i)を備える。
図4は、抵抗ワイヤ34(d)、34(e)、34(f)を示している。特定の実施形態では、抵抗ワイヤ34(a)~(i)が複数の火工装薬20(a)~(i)と接触している。図示の実施形態では、抵抗ワイヤ34(d)が火工装薬20(d)と接触している。図示の実施形態では、抵抗ワイヤ34(e)が火工装薬20(e)と接触している。図示の実施形態では、抵抗ワイヤ34(f)が火工装薬20(f)と接触している。
【0065】
特定の実施形態では、抵抗ワイヤ34(a)~(i)が、少なくとも1つの配線32と更に電気的に接触している(
図3参照)。図示の実施形態では、抵抗ワイヤ34(d)は配線32(d)と接触している。図示の実施形態では、抵抗ワイヤ34(e)が配線32(e)と接触している。図示の実施形態では、抵抗ワイヤ34(f)が配線32(f)と接触している。上述のように、各配線32(すなわち、配線32(e))は、1つまたは複数の電子部品22を有する電気回路の少なくとも一部を完成させるための2つの別個のワイヤを備えることができる。例えば、1つまたは複数の電子部品22は、配線32(d)の2つのワイヤのそれぞれの一端に電気的に接続することができる。次いで、抵抗ワイヤ34(d)の各端部は、電気回路を完成する配線32(d)の2つのワイヤの各々の他方の端部の1つに電気的に接続することができる。
【0066】
特定の実施形態では、抵抗ワイヤ34が、20ミクロンの直径を有する。ある実施形態では、抵抗ワイヤ34が0.5mmの長さを有する。ある実施形態では、抵抗ワイヤ34が1オームの抵抗(値)を有する。勿論、本開示はそのように限定されない。抵抗ワイヤ34(a)~(i)は、任意の長さ、直径、および/または抵抗値を有することができる。
【0067】
図5は、剥離ライナー48が取り除かれ、複数の火工装薬20(e)のうちの1つが起爆されて、溶液44をそのノズル26(e)から患者の皮膚13内に出射(放出)していることを除いて、
図4と同様の断面図である。
図5において、燃焼している火工装薬20(e)からの圧力は、容器18(e)の一部をクランプシート50の凹部56(a)~(i)内に更に移動または押圧し、容器18(e)内の圧力を増加させる。このようにして、火工装薬20(e)は、ノズル26(e)を通じて皮膚13中に入り、またはそれを貫通する溶液44の噴流を押し出すための圧力を提供する。燃焼した火工装薬20(e)自体は、ノズル26(e)を通過せず、皮膚13中に入らずそれを貫通しない。
【0068】
特定の実施形態では、燃焼後の火工装薬20(e)がパッチ10内に収容される。特定の他の実施形態では、燃焼後の火工装薬20(e)が、ノズル26(e)を通って漏れ出すことができるが、その速度は皮膚13に入らないように十分に減衰される。
【0069】
特定の実施形態では、溶液44が容器18(e)から噴出するとき、シート40および容器18(e)の壁の一方または双方は破裂せず、燃焼した火工装薬20(e)と患者の皮膚13との間のバリアを維持する。特定の実施形態では、溶液44が容器18(e)から噴出すると、シート40および容器18(e)の壁の双方が破裂するが、例えば、破裂のサイズや形状のために、燃焼した火工装薬20(e)が皮膚13内に入らないように、燃焼した火工装薬20(e)が漏れ出す速度が十分に減衰する。そのような実施形態では、溶液44を皮膚13に進入させる力の源が依然として溶液44自体の推進力(運動量)であり、パッチ10から漏れ出た可能性のある燃焼後における火工装薬20(e)のいずれかと皮膚13との間の偶発的接触ではない。
【0070】
特定の実施形態において、チャンバ38(a)~(i)の高さは、燃焼している火工装薬20(a)~(i)からの圧力が2つ以上の容器18(a)~(i)を破裂させることなく、溶液44を放出する2つ以上の容器18(a)~(i)を適切に圧縮することを可能にするのに十分な空間を複数の火工装薬20(a)~(i)とシート40との間に提供するように選択される。特定の実施形態において、チャンバ38(a)~(i)の高さは、燃焼している火工装薬20(a)~(i)からの圧力がシート40を破裂させることなく、溶液44を放出する2つ以上の容器18(a)~(i)を適切に圧縮することを可能にするのに十分な空間を複数の火工装薬20(a)~(i)とシート40との間に提供するように選択される。特定の実施形態において、チャンバ38の高さは、燃焼している火工装薬20(a)~(i)からの圧力がシート40および2つ以上の容器18(a)~(i)のうちの何れも破裂させることなく、溶液44を放出する2つ以上の容器18(a)~(i)を適切に圧縮することを可能にするのに十分な空間を複数の火工装薬20(a)~(i)とシート40との間に提供するように選択される。特定の実施形態では、チャンバ38の高さが、シート40および容器18(a)~(i)の破裂を通って漏れ出し得る燃焼中の火工装薬20の圧力を減衰させつつ、溶液44を放出する2つ以上の容器18(a)~(i)を適切に圧縮することを可能にするのに十分な空間を複数の火工装薬20(a)~(i)とシート40との間に提供するように選択される。
【0071】
図6は、1つまたは複数の電子部品22、複数の火工装薬20(a)~(i)、マスク層36、およびシート40を含むパッチ10の第1の部品組立品(サブアセンブリ)の分解斜視図である。マスク層36は、複数の火工装薬20(a)~(i)のための複数のチャンバ38(a)~(i)を含む。
【0072】
図7Aは、
図6の切断面7A-7Aに沿って眺めた、
図6の第1の部品組立品の断面図であり、マスク層36の下面に組み立てられている火工装薬20(b)を支持する回路基板28を示す。シート40は、シート40におけるダイヤフラム42(b)がマスク層36のチャンバ38(b)と整列するように、マスク層36の上面に組み立てられて示されている。
【0073】
図7Bは、回路基板28がマスク層36の下面に組み立てられており、シート40がマスク層36の上面に組み立てられていることを除いて、
図7Aと同様の断面図である。特定の実施形態において、第1の部品組立品の構成要素のうちの1つまたは全ては、例えば、超音波溶接、接着、クリッピング、またはクランピングによって互いに接合される。
【0074】
図8は、クランプシート50および2つ以上の容器18(a)~(i)を含むパッチ10の第2の第1の部品組立品(サブアセンブリ)の斜視分解図である。図示の実施形態では、2つ以上の容器18(a)~(i)がクランプシート50の凹部56(a)~(i)と整列している。取り外し可能な剥離ライナー48は、クランプシート50の上方に配置された状態で示されている。
【0075】
特定の実施形態では、パッチ10が接着層54を備える。特定の実施形態では、接着層54がパッチ10を患者の皮膚13に固定するように構成される。特定の実施形態において、接着層54は、パッチ10を患者の皮膚13に一定期間(継続して)固定できるように構成される。
【0076】
特定の実施形態では、剥離ライナー48が、クランプシート50からの剥離ライナー48の取り外しを容易にするためのタブ52を含む。特定の実施形態において、パッチ10は、基部12に連結されたストラップを備える。ストラップは、患者の皮膚13と下面14との間の接触を維持するように、患者の肢または胴の周りに固定されるように構成されている。
【0077】
図9Aは、
図8の切断面9A-9Aに沿って眺めた、
図8の第2の部品組立品の断面図であり、クランプシート50の凹部56(a)~(i)のうちの1つに組み込まれた容器18(b)を示している。剥離ライナー48は、クランプシート50の上方に示されている。
【0078】
図9Bは、容器18(b)がクランプシート50の凹部56(a)~(i)に挿入され、剥離ライナー48がクランプシート50に取り付けられていることを除いて、
図9Aと同様の断面図である。特定の実施形態において、第2の部品組立品の構成要素のうちの1つまたは全ては、例えば、超音波溶接、接着、クリッピング、またはクランピングによって互いに接合される。
【0079】
特定の実施形態において、
図7Bの第1の部品組立品および
図9Bの第2の部品組立品は、例えば、超音波溶接、接着、クリッピング、またはクランプによって互いに接合され、
図4に図示されるようにパッチ10の最終組立品を形成する。
【0080】
特定の実施形態では、パッチ10を製造するための方法が、
図7Bに示されるような第1の部品組立品を提供することによって開始する。第1の部品組立品は、底面と、上面と、底面および上面の間に配置された2つ以上の容器18(a)~(i)とを有する。底面は、患者の皮膚13に対して配置されるように構成される。特定の実施形態において、2つ以上の容器18(a)~(i)における各容器18は、溶液または薬剤44を含む。この方法は、続いて、
図9Bに示すような第2の部品組立品を提供する。第2の部品組立品は、複数のチャンバ38(a)~(i)を有する。特定の実施形態では、複数のチャンバ38(a)~(i)における各チャンバ38が、複数の火工装薬20(a)~(i)のうちの1つを含む。この方法は、続いて、複数のチャンバ38(a)~(i)が底面からみて2つ以上の容器18(a)~(i)の反対側に配置されるように、第2の部品組立品を第1の部品組立品の上面に接合する。特定の実施形態において、複数のチャンバ38(a)~(i)は、少なくとも第2の部品組立品が第1の部品組立品に接合されるときに、2つ以上の容器18(a)~(i)と整列される。この方法は、続いて、最終組立品を形成するために、第1の部品組立品および第2の部品組立品が、例えば超音波溶接、接着、クリッピング、またはクランピングによって互いに接合される。
【0081】
図10は、切頭三角形状を有する
図4の2つ以上の容器18(a)~(i)の別の実施形態を示す。
図11は、切頭五角形の形状を有する、
図4の2つ以上の容器18(a)~(i)の別の実施形態を示す。勿論、2つ以上の容器18(a)~(i)の形状は、開示された形状に限定されず、代わりに任意の形状を有することができる。
【0082】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を示す。
(付記1)
底面および上面を有する基部であって、前記底面が患者の皮膚に対して配置されるように構成される、基部と、
前記基部によって支持され、第1の薬剤を収容する第1の容器と、
前記基部によって支持され、第2の薬剤を収容する第2の容器と、
前記基部内において前記上面および前記第1の容器の間に配置された第1の火工装薬と、
前記基部内において前記上面と前記第2の容器の間に配置された第2の火工装薬と、
前記第1の火工装薬および第2の火工装薬を起爆するように構成された1つまたは複数の電子部品と、
を備える、着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記2)
前記第1の火工装薬および第2の火工装薬を起爆するように構成された1つまたは複数の電子部品と、
前記基部によって支持され、前記第1の火工装薬からみて前記第1の容器の反対側に配置された第1のノズルと、
前記基部によって支持され、前記第2の火工装薬からみて前記第2の容器の反対側に配置された第2のノズルと、
を更に備える、付記1に記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記3)
前記第1のノズルは、前記1つまたは複数の電子部品が前記第1の火工装薬を起爆するときに、前記第1の薬剤の少なくとも一部が前記第1のノズルから射出して前記患者の皮膚を貫通するように配置され、
前記第2のノズルは、前記1つまたは複数の電子部品が前記第2の火工装薬を起爆するときに、前記第2の薬剤の少なくとも一部が前記第2のノズルから射出して前記患者の皮膚を貫通するように配置される、付記2に記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記4)
前記第1のノズルおよび前記第2のノズルは、前記第1の薬剤の少なくとも一部が、前記第2の薬剤の少なくとも一部が前記患者の皮膚を貫通する位置とは異なる位置で前記患者の皮膚を貫通するように、それぞれ相対的に配置される、付記3に記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記5)
前記第1のノズルおよび前記第2のノズルは、前記第1の薬剤の少なくとも一部が、前記第2の薬剤の少なくとも一部が前記患者の皮膚を貫通するのと同じ位置で前記患者の皮膚を貫通するように、それぞれ相対的に配置される、付記3に記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記6)
前記基部は回路基板を有し、前記回路基板の底面が、患者の肢または胴体の表面に適合することができるように可撓性を有する、付記1から5の何れかに記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記7)
前記基部が、前記着用可能なマルチショット注射パッチを前記患者の皮膚に接着可能に構成された接着層を含む、付記1から6の何れかに記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記8)
前記基部に連結され、前記底面と前記患者の皮膚との間の接触が維持されるように前記患者の肢または胴体の周りに固定可能なストラップを、更に備える、付記1から7の何れかに記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記9)
前記1つまたは複数の電子部品は、前記第1の火工装薬および前記第2の火工装薬を起爆するための電流を生成するように構成される、付記1から8の何れかに記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記10)
前記1つまたは複数の電子部品は、前記第1の火工装薬および前記第2の火工装薬を選択的に起爆するように構成される、付記1から9の何れかに記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記11)
前記1つまたは複数の電子部品は、前記第1の火工装薬および前記第2の火工装薬のそれぞれを独立して起爆するように構成される、付記1から9の何れかに記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記12)
前記1つまたは複数の電子部品は、前記第1の火工装薬および前記第2の火工装薬の双方を同時に起爆するように構成される、付記1から9の何れかに記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記13)
前記1つまたは複数の電子部品は、遠隔制御されるように構成される、付記1から12の何れかに記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記14)
前記1つまたは複数の電子部品は、所定の時系列で制御されるように構成される、付記1から12の何れかに記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記15)
前記1つまたは複数の電子部品はマイクロコントローラを備え、前記マイクロコントローラは前記第1の火工装薬および前記第2の火工装薬のうちの少なくとも何れかを起爆するための命令を記憶するように構成される、付記1から14の何れかに記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記16)
前記命令は、前記第1の火工装薬と前記第2の火工装薬とを起爆する間隔を指定する、付記15に記載の装着可能なマルチショット注射パッチ。
(付記17)
前記1つまたは複数の電子部品はタイマーを備え、前記マイクロコントローラは、前記タイマーに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の火工装薬および前記第2の火工装薬のうちの少なくとも何れかを起爆するように構成される、付記15または16に記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記18)
前記1つまたは複数の電子部品に電力を供給するように構成されたバッテリを更に備える、付記1から17の何れかに記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記19)
前記1つまたは複数の電子部品は、無線信号を受信するように構成された受信機を備え、前記1つまたは複数の電子部品は、前記無線信号に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の火工装薬および前記第2の火工装薬のうちの少なくとも何れかを起爆するように構成される、付記1から18の何れかに記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記20)
前記受信機は、前記患者からの前記無線信号を受信するように構成される、付記19に記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記21)
前記受信機は、医療専門家からの前記無線信号を受信するように構成される、付記19に記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記22)
前記患者が、前記第1の火工装薬および前記第2の火工装薬のうちの少なくとも何れかを起爆するために前記1つまたは複数の電子部品を起動するように構成されたユーザインタフェースを更に備える、付記1から21の何れかに記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記23)
前記基部は、前記1つまたは複数の電子部品と前記第1の火工装薬との間に延在する少なくとも1つの第1の配線を備える、付記1から22の何れかに記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記24)
前記基部は、前記1つまたは複数の電子部品と前記第2の火工装薬との間に延在する少なくとも1つの第1の配線を備える、付記1から23の何れかに記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記25)
前記基部は、前記第1の火工装薬と接触すると共に前記第1の配線と電気的に接続された抵抗ワイヤ、を更に備える、付記23に記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記26)
前記基部は、前記第2の火工装薬と接触すると共に前記第2の配線と電気的に接続された抵抗ワイヤ、を更に備える、付記24に記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記27)
前記抵抗ワイヤは、20ミクロンの直径を有する、付記25または26に記載の装着可能なマルチショット注射パッチ。
(付記28)
前記抵抗ワイヤは、0.5mmの長さを有する、付記25から27の何れかに記載の装着可能なマルチショット注射パッチ。
(付記29)
前記抵抗ワイヤは、1オームの抵抗を有する、付記25から28の何れかに記載の装着可能なマルチショット注射パッチ。
(付記30)
前記第1の火工装薬および前記第2の火工装薬が、ジルコニウムおよび過塩素酸カリウムのうちの少なくとも何れかを含む、付記1から29の何れかに記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記31)
前記第1の火工装薬および前記第2の火工装薬は、乾燥スラリーを含む、付記1から30の何れかに記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記32)
前記基部は、第1のチャンバおよび第2のチャンバを形成するマスク層を含み、
前記第1の火工装薬は前記第1のチャンバ内に配置されると共に前記第2の火工装薬は前記第2のチャンバ内に配置され、
前記第1のチャンバの少なくとも一部および前記第2のチャンバの少なくとも一部は、前記第1の火工装薬と前記第2の火工装薬との間のバリアを形成する、付記1から31の何れかに記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記33)
前記マスク層がポリマー材料を含む、付記32に記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記34)
前記基部が、前記マスク層と前記第1の容器および前記第2の容器の双方との間に配置されたシートを更に備え、
前記シートが、前記第1のチャンバを覆うように配置された第1のダイヤフラムと、前記第2のチャンバを覆うように配置された第2のダイヤフラムを有する、付記32または33に記載の装着可能なマルチショット注射パッチ。
(付記35)
前記シートと前記マスク層とが、超音波溶接、接着、クリッピング、およびクランピングのうちの何れかによって互いに接合される、付記34に記載の装着可能なマルチショット注射パッチ。
(付記36)
前記第1のダイヤフラムおよび前記第2のダイヤフラムのそれぞれは、ドーム形状を有する、付記34または35に記載の装着可能なマルチショット注射パッチ。
(付記37)
前記第1の容器および前記第2の容器の各々が球形状を有する、付記36に記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記38)
前記1つまたは複数の電子部品が前記第1の火工装薬を起爆するとき、前記第1の火工装薬が圧力スパイクを引き起こして前記第1のダイヤフラムを前記第1の容器に向かって移動させ、前記第1の容器から前記第1の薬剤の少なくとも一部を噴出するように前記第1のダイヤフラムが柔軟であり、
前記1つまたは複数の電子部品が前記第2の火工装薬を起爆するとき、前記第2の火工装薬が圧力スパイクを引き起こして前記第2のダイヤフラムを前記第2の容器に向かって移動させ、前記第2の容器から前記第2の薬剤の少なくとも一部を噴出するように前記第2のダイヤフラムが柔軟である、
付記34から37の何れかに記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記39)
前記第1の容器および前記第2の容器は、少なくとも一部が前記基部内に配置される、付記1から38の何れかに記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記40)
前記第1の容器を形成すると共に第1の開口部を有する外壁を更に備え、前記第1のノズルは前記第1の開口部に配置され、
前記第2の容器を形成すると共に第2の開口部を有する外壁を更に備え、前記第2のノズルは前記第2の開口部に配置される、
付記2に記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記41)
前記第1のノズルから射出される前記第1の薬剤の少なくとも一部が第1の位置において所望の深さまで患者の皮膚を貫通するのに十分な速度を有する液体の噴流を形成するように、第1のノズルの大きさおよび形状が決められ、
前記第2のノズルから射出される前記第2の薬剤の少なくとも一部が第2の位置において所望の深さまで患者の皮膚を貫通するのに十分な速度を有する液体の噴流を形成するように、第2のノズルの大きさおよび形状が決められている、
付記2または40に記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記42)
前記基部がクランプシートを更に備え、前記第1の容器および前記第2の容器が前記クランプシート内に配置される、付記1から41の何れかに複数の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記43)
前記第1の薬剤が前記第2の薬剤と同一である、付記1から42の何れか1項に記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記44)
前記第1の薬剤が前記第2の薬剤と異なる、付記1から43の何れかに記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記45)
前記第1の薬剤は、前記第2の薬剤と相補的である、付記44に記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記46)
前記1つまたは複数の電子部品は、第1の火工装薬および第2の火工装薬を同時にまたは連続的に起爆する、付記1から45に記載の着用可能なマルチショット注射パッチ。
(付記47)
着用可能なマルチショット注射パッチを製造する方法であって、
底面および上面を有し、且つ、前記底面と前記上面との間に配置された複数の容器を備え、前記底面が患者の皮膚に対して配置されるように構成され、前記複数の容器における各々が薬剤を収容する、第1の部品組立品を提供することと、
複数のチャンバを備え、前記複数のチャンバの各々が火工装薬を有する第2の部品組立品を提供することと、
前記複数のチャンバが前記底面からみて前記複数の容器の反対側に配置されるように、前記第2の部品組立品を前記第1の部品組立品における前記上面に接合することと、
を含む、マルチショット注射パッチの製造方法。
(付記48)
前記複数のチャンバは、少なくとも前記第2の部品組立品が前記第1の部品組立品に接合されるときに、前記複数の容器と整列される、付記47に記載のマルチショット注射パッチの製造方法。
(付記49)
前記第2の部品組立品は、超音波溶接、接着、クリッピング、およびクランピングのうちの何れかによって前記第1の部品組立品に接合される、付記47または48に記載のマルチショット注射パッチの製造方法。
(付記50)
底面および上面を有する着用可能なパッチを用いて患者の皮膚を通じて薬剤を注射する方法であって、
複数の容器と、前記複数の容器と整列した複数のチャンバと、を含み、前記複数の容器が前記底面と前記上面の間に配置されると共に各容器が薬剤を収容し、前記複数のチャンバの各々が前記複数の容器と前記上面との間に配置されると共に各チャンバが火工装薬を有する、前記着用可能なパッチの前記底面を前記患者の皮膚に貼り付けることと、
前記複数のチャンバのうちの少なくとも1つのチャンバ内で前記火工装薬を起爆し、前記複数の容器のうちの少なくとも1つの容器を圧縮して、前記薬剤を少なくとも容器から患者の皮膚を通して噴出させることと、
を含む、注射方法。
【0083】
<用語>
特定の実施形態および実施例が本明細書に開示されているが、本発明の主題は、具体的に開示された実施形態における実施例を超えて、他の代替の実施形態および/または使用、ならびにそれらの改変および均等物に及ぶ。したがって、本明細書に添付されたクレームの範囲は、上述の特定の実施形態のいずれによっても限定されない。例えば、本明細書に開示される任意の方法またはプロセスにおいて、方法またはプロセスの動作または工程(操作)は、任意の適切な順序で実行されてもよく、必ずしも特定の開示された順序に限定されない。様々な工程(操作)は、特定の実施形態を理解するのに役立ち得る方法で、複数の別々の工程(操作)として順番に説明され得るが、その説明の順序は、これらの工程(操作)が順序に依存することを暗示するように解釈されるべきではない。更に、本明細書に記載される構造、システム、および/または装置は、統合されたコンポーネントとして、または別個のコンポーネントとして具現化され得る。様々な実施形態を比較する目的で、これらの実施形態における特定の態様および利点が説明される。したがって、例えば、種々の実施形態は、本明細書で教示または示唆され得るような他の態様または利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示されるような1つの態様、利点、または一群の利点を達成または最適化する方法で実行され得る。
【0084】
特定の態様、実施形態、または実施例に関連して説明される特徴、材料、特性、またはこれらの組み合わせは、本明細書における本節または他の箇所で説明される何れの他の態様、実施形態、または実施例と互換性がある限り、それらに適用可能であると理解されるべきである。本明細書に開示されたすべての特徴(添付のクレーム、要約および図面を含む)、および/または、そのように開示された任意の方法またはプロセスの全てのステップは、そのような特徴および/またはステップの少なくとも一部が相互に排他的である場合を除き、任意の組み合わせで組み合わせることができる。必ずしも全てのそのような態様または利点が特定の実施形態によって達成される訳ではない。例えば、1つまたは複数の特徴は、1)薬剤のための容器、2)容器におけるノズル、3)容器を形成する外壁、4)容器における開口部、5)薬剤を加速するための容器より小さい出口、6)薬剤を噴出するために容器を圧縮する構造、7)ダイヤフラムシート、8)薬剤を噴出するためにダイヤフラムシートを押す構造、9)特定のチャンバ形状、10)火工装薬(火薬)が皮膚に接触するのを抑制する構造、および/または11)火工装薬が薬剤と混ざることを抑制する構造を含む。したがって、保護は、前述の実施形態の詳細に限定されない。保護は、本明細書(クレーム、要約書、および図面を含む)に開示された特徴の任意の新規な1つ、または任意の新規な組み合わせ、または、そのように開示された方法またはプロセスにおけるステップの任意の新規な1つ、または任意の新規な組み合わせに及ぶ。
【0085】
更に、別個の実施の文脈で本開示に記載される特定の特徴は、単一の実施において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施の文脈で記載される様々な特徴は、複数の実施で個別に、または任意の適切なサブコンビネーションで実施することも可能である。更に、特徴は特定の組み合わせで作用するものとして上記に記載され得るが、クレームされた組み合わせからの1つまたは複数の特徴は、場合によっては、組み合わせから切り出すことができ、その組み合わせはサブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形としてクレームされてもよい。
【0086】
更に、工程は、図面に示されるか、または特定の順序で本明細書に記載され得るが、そのような工程は、所望の結果を達成するために、示される特定の順序または連続した順序で全ての工程が実行される必要はない。図示または説明されていない他の工程を、例示的な方法およびプロセスに組み込むことができる。例えば、1または複数の追加の工程を、説明した工程の前、後、同時に、またはそれらの間に実行することができる。更に、工程は、他の実施において再配置または再順序付けされてもよい。当業者であれば、いくつかの実施形態において、図示および/または開示されたプロセスにおいて取られる実際のステップが、図示されているものとは異なる場合があることを理解するであろう。実施形態に応じて、上記のステップのうちのいくつかを省くことができ、他のステップを追加することができる。更に、上記開示された特定の実施形態の特徴および特性は、追加の実施形態を形成するに当たって異なる方法で組み合わされてもよく、それらは全て本開示の範囲内にある。また、上記の実施態様における様々なシステムコンポーネントの分離は、全ての実施態様においてそのような分離が必要であるものとして理解されるべきではなく、説明されるコンポーネントおよびシステムは、一般に、単一の製品に一体化されるか、または複数の製品にパッケージ化され得ることを理解されるべきである。
【0087】
本開示の目的のために、特定の態様、利点、および新規の特徴が本明細書に記載されている。必ずしも全てのそのような利点が、特定の実施形態に従って達成され得るとは限らない。したがって、例えば、当業者は、本明細書で教示または示唆され得る他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示される1つの利点または一群の利点を達成する方法で本開示が具体化または実行され得ることを認識するであろう。
【0088】
説明の目的のために、本明細書で使用される「水平」という用語は、その向きに関係なく、説明される装置が使用されまたは説明される方法が実行される領域の床または地面の平面または表面に平行な平面として定義される。「床」という用語は、「地面」という用語に置き換えることができる。「垂直」という用語は、定義される通り、水平に対して垂直な方向を指す。「上方(above)」、「下方(below)」、「底部(bottom)」、「頂部(top)」、「側(side)」、「高い(higher)」、「低い(lower)」、「上部の(upper)」、「上に(over)」および「下に(under)」等の用語は、水平面に対して定義される。
【0089】
とりわけ、「できる(can)」、「あり得る(could)」、「可能性がある(might, may)」、「例えば(e.g.)」等の本明細書で使用される条件付き用語は、特に明記しない限り、または使用される文脈内で他の意味として理解されない限り、一般に、特定の実施形態が特定の特徴、要素、および/またはステップを含むが、他の実施形態は含まないことを伝えることを意図している。したがって、そのような条件付き用語は、一般に、特徴、要素、および/またはステップが1つまたは複数の実施形態に何らかの形で必要とされること、または、1つまたは複数の実施形態が他の入力または指示の有無にかかわらず、これらの特徴、要素、および/またはステップが任意の特定の実施形態に含まれるか、または任意の特定の実施形態で実行されるべきかどうかを決定するためのロジックを必然的に含むことを暗示するものではない。「備える」、「含む」、「有する」などの用語は同義語であり、オープンエンド方式で包括的に使用され、追加の要素、特徴、動作、操作などを除外するものではない。また、「または」という用語は、その包括的な意味で使用されるため(排他的な意味ではない)、例えば、要素のリストを接続するために使用される場合、「または」という用語は、リスト内の要素のうちの1つ、いくつか、或いは全てを意味する。
【0090】
「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ」という語句などの接続詞は、特に明記しない限り、物品、用語などがX、Y、またはZの何れかであり得ることを伝えるために一般的に使用される文脈とは別に理解される。したがって、このような接続詞は、一般に、特定の実施形態がXの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、およびZの少なくとも1つの存在を必要とすることを暗示するものではない。
【0091】
本明細書で使用される「おおよそ」、「約」、「一般的に」、および「実質的に」という用語など、本明細書で使用される「程度の言語」は、記載された値、量、または特性に近い値、量、または特性を表し、依然として所望の機能を果たし或いは所望の結果を達成する。例えば、「おおよそ」、「約」、「一般的に」、および「実質的に」という用語は、記載された量の10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、および0.01%未満の範囲内の量を指す場合がある。別の例として、特定の実施形態において、「一般的に平行」および「実質的に平行」という用語は、厳密に平行から15度、10度、5度、3度、1度、0.1度、またはその他以下だけ逸脱する値、量、または特性を指す。
【0092】
マルチショットパッチは、特定の実施形態および実施例の文脈で開示されてきたが、マルチショットパッチおよびサブアセンブリは具体的に開示された実施形態を超えて、実施形態の他の代替実施形態および/または使用、並びにその変形例および均等物に及ぶことが、当業者によって理解されるであろう。したがって、本明細書に開示されるマルチショットパッチの範囲は、上述の特定の開示された実施形態によって限定されるべきではなく、以下のクレームを公正に読むことによってのみ決定されるべきである。
【0093】
本明細書に開示された各々の態様は、本明細書に開示された他のいかなる特徴とも組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0094】
10・・・パッチ
11・・・注射装置
12・・・基部
18・・・容器
20・・・火工装薬
22・・・電子部品
26・・・ノズル
28・・・回路基板
32・・・配線
36・・・マスク層
38・・・チャンバ
40・・・シート
42・・・ダイヤフラム
50・・・クランプシート