(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】表示パネル
(51)【国際特許分類】
H01L 33/38 20100101AFI20241206BHJP
H01L 33/44 20100101ALI20241206BHJP
H01L 33/08 20100101ALI20241206BHJP
【FI】
H01L33/38
H01L33/44
H01L33/08
(21)【出願番号】P 2021566347
(86)(22)【出願日】2020-05-08
(86)【国際出願番号】 KR2020006115
(87)【国際公開番号】W WO2020231108
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2023-04-27
(32)【優先日】2019-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506029004
【氏名又は名称】ソウル バイオシス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEOUL VIOSYS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】65-16,Sandan-ro 163 Beon-gil,Danwon-gu,Ansan-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, ジョン ミン
(72)【発明者】
【氏名】キム, チャン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ミョン ハク
【審査官】百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-134854(JP,A)
【文献】国際公開第2019/004508(WO,A1)
【文献】特開2011-187679(JP,A)
【文献】特開2017-055038(JP,A)
【文献】特開2006-319099(JP,A)
【文献】特開2004-260111(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気配線を含む回路基板と、
第1LEDサブユニットと、
前記第1LEDサブユニット上に配置された第2LEDサブユニットと、
前記第2LEDサブユニット上に配置された第3LEDサブユニットと、
前記第3LEDサブユニット上に配置されたパッシベーション層と、
前記第1、第2及び第3LEDサブユニットの
それぞれに電気的に接続された第1接続電極と、
前記第1LEDサブユニットに電気的に接続される第2接続電極と、
前記第2LEDサブユニットに電気的に接続される第3接続電極と、
前記第3LEDサブユニットに電気的に接続される第4接続電極と、
を含み、
前記第1接続電極と前記第3LEDサブユニットとは、前記第3LEDサブユニットの上面と前記第1接続電極の内面との間で定義された、80°以下の第1角度を形成し、
前記第3LEDサブユニットの上面に垂直な方向において、前記パッシベーション層の上面から前記第3LEDサブユニットの上面までの距離は、前記パッシベーション層の上面から前記第2LEDサブユニットの上面のうち前記第3LEDサブユニットと重畳しない部分までの距離よりも短
く、
前記パッシベーション層は、前記第3LEDサブユニットから遠ざかる方向を向いた上面と、前記上面と交差する側面とを有し、
前記第1接続電極、前記第2接続電極、前記第3接続電極、及び前記第4接続電極のそれぞれは、前記パッシベーション層の上面及び側面に接触すると共に、前記パッシベーション層の上面において互いに対向する、表示パネル。
【請求項2】
前記第1角度は、60°よりも大きく、70°よりも小さい、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記パッシベーション層と前記第3LEDサブユニットとは、前記第3LEDサブユニットの上面と前記パッシベーション層の内面との間で定義された、80°未満の第2角度を形成する、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記第1接続電極は、湾曲した形状を有する少なくとも1つの表面を有する、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記第1接続電極は、前記第1LEDサブユニットの上面の少なくとも一部に電気的に接続する、請求項
1に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記第1接続電極は、平面視で前記第1、第2、第3LEDサブユニットのそれぞれの少なくとも一部と重なっている、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記パッシベーション層の少なくとも一部は、前記第1接続電極によって露出している、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記パッシベーション層は、前記第1LEDサブユニットの側面の少なくとも一部を露出させる、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記パッシベーション層は、前記第2及び第3LEDサブユニットの側面を覆う、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記パッシベーション層は、前記第1LEDサブユニットの上面の少なくとも一部を露出させる、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記第1、第2、第3及び第4接続電極のそれぞれは、湾曲した形状を有している、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記第1、第2、第3及び第4接続電極のそれぞれは、前記パッシベーション層の上面に配置された第1部分を有し、
前記パッシベーション層は、前記第1、第2、第3及び第4接続電極の少なくとも1つの前記第1部分の間に配置されていない、請求項
11に記載の表示パネル。
【請求項13】
基板をさらに含み、
前記第1LEDサブユニットは、第1LED発光積層体を含み、
前記第2LEDサブユニットは、第2LED発光積層体を含み、
前記第3LEDサブユニットは、第3LED発光積層体を含み、
前記第1、第2及び第3LED発光積層体は、前記基板と重なる領域が順次小さくなる、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項14】
前記発光積層体の少なくとも1つは、10,000平方μm未満の表面積を有するマイクロLEDを含む、請求項
13に記載の表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の例示的な実施形態は、ディスプレイ用の発光チップ及びその製造方法に関し、より具体的には、積層構造を有するマイクロ発光チップ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
無機質な光源である発光ダイオード(LED)は,ディスプレイ,車載用ランプ,一般照明など,さまざまな技術分野で利用されている。発光ダイオードは、長寿命、低消費電力、高応答性などの特長を持ち、既存の光源に代わって急速に普及している。
【0003】
発光ダイオードは、主にディスプレイ装置のバックライト用光源として使用されてきた。しかし、最近では、発光ダイオードを用いて直接画像を表示できるマイクロLEDディスプレイが開発されている。
【0004】
一般的に、表示装置は、青、緑、赤の光の混合色を用いて様々な色を実現する。表示装置は、青、緑、赤の各色に対応するサブピクセルを有する画素を含み、ある画素の色は、そのサブピクセルの色に基づいて決定され、画素の組み合わせによって画像を表示することができる。
【0005】
LEDは、その構成材料によって様々な色を発光することができるため、表示装置は通常、青、緑、赤の光を発する個々のLEDチップを2次元平面上に配置することができる。しかし、サブピクセルごとに1つのLEDチップを設けると、表示装置を形成するために実装が必要なLEDチップの数が、例えば数十万個以上、数百万個以上と非常に多くなり、実装作業に多大な時間と手間がかかる場合がある。さらに、サブピクセルは表示装置の2次元平面上に配置されるため、青、緑、赤の光に対するサブピクセルを含めて1つの画素に比較的大きな面積が必要となり、各サブピクセルの発光面積を小さくすると、サブピクセルの輝度が劣化してしまうという問題がある。
【0006】
また、マイクロLEDは一般的に表面積が約10,000平方μm以下と非常に小さいため、この小ささに起因する様々な技術的問題が生じている。例えば、基板上にマイクロLEDのアレイを形成し、基板を切断することにより、マイクロLEDを個々のマイクロLEDチップに個片化することがある。その後、プリント基板などの別の基板にマイクロLEDチップを実装し、その際に様々な転写技術を用いることがある。しかし、これらの転送ステップにおいて、各マイクロLEDチップは、その小さなサイズと脆弱な構造のために、一般的に取り扱いが困難である。
【0007】
この背景の章で開示されている上記の情報は、あくまでも本発明の概念の背景を理解するためのものであり、したがって、先行技術に該当しない情報が含まれている可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の原理及びいくつかの例示的な実施例に従って構成された発光チップは、様々な転写プロセスの間、発光積層構造を保護することができる。
【0009】
本発明の原理及びいくつかの例示的な実施例に従って構成された発光チップ、例えばマイクロLED、及びそれを用いたディスプレイは、構造が単純化されており、製造時の実装プロセスの時間を短縮することができる。
【0010】
本発明の概念の追加の特徴は、以下の説明に記載され、部分的には説明から明らかになり又は本発明の概念の実践によって知ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
例示的な実施形態による発光チップは、第1LEDサブユニットと、前記第1LEDサブユニット上に配置された第2LEDサブユニットと、前記第2LEDサブユニット上に配置された第3LEDサブユニットと、前記第3LEDユニット上に配置されたパッシベーション層と、前記第1、第2及び第3LEDサブユニットの少なくとも1つに電気的に接続された第1接続電極と、を含み、前記第1接続電極と前記第3LEDサブユニットとは、前記第3LEDサブユニットの上面と前記第1接続電極の内面との間で定義された、約80°以下の第1角度を形成する。
【0012】
前記第1角度は、約60°よりも大きく、約70°よりも小さくてもよい。
【0013】
前記パッシベーション層と前記第3LEDサブユニットとは、前記第3LEDサブユニットの上面と前記パッシベーション層の内面との間で定義された、約80°未満の第2角度を形成してもよい。
【0014】
前記第1接続電極は、湾曲した形状を有する少なくとも1つの表面を有していてもよい。
【0015】
前記パッシベーション層は、前記第3LEDサブユニットから遠ざかる方向を向いた上面と、前記上面と交差する側面とを有してもよい。前記第1接続電極は、前記パッシベーション層の上面及び側面のそれぞれの少なくとも一部に接触してもよい。
【0016】
前記第1接続電極は、前記第1LEDサブユニットの上面の少なくとも一部に接触してもよい。
【0017】
前記第1接続電極は、平面視で前記第1、第2、第3LEDサブユニットのそれぞれの少なくとも一部と重なっていてもよい。
【0018】
前記パッシベーション層の少なくとも一部は、前記第1接続電極によって露出していてもよい。
【0019】
前記パッシベーション層は、前記第1LEDサブユニットの側面の少なくとも一部を露出させてもよい。
【0020】
前記パッシベーション層は、前記第2及び第3LEDサブユニットの側面を覆っていてもよい。
【0021】
前記パッシベーション層は、前記第1LEDサブユニットの上面の少なくとも一部を露出させてもよい。
【0022】
発光チップは、前記第1LEDサブユニットに電気的に接続される第2接続電極と、前記第2LEDサブユニットに電気的に接続される第3接続電極と、前記第3LEDサブユニットに電気的に接続される第4接続電極と、をさらに含んでいてもよく、この場合、前記第1接続電極は、前記第1、第2及び第3LEDサブユニットのそれぞれに電気的に接続されていてもよく、前記第1、第2、第3及び第4接続電極のそれぞれは、湾曲した形状を有していてもよい。
【0023】
前記第1、第2、第3及び第4接続電極のそれぞれは、前記パッシベーション層の上面に配置された第1部分を有していてもよい。前記パッシベーション層は、前記第1、第2、第3及び第4接続電極の少なくとも1つの前記第1部分の間に配置されていなくてもよい。
【0024】
発光チップは、基板をさらに含んでもよい。前記第1LEDサブユニットは、第1LED発光積層体を含んでもよい。前記第2LEDサブユニットは、第2LED発光積層体を含んでもよい。前記第3LEDサブユニットは、第3LED発光積層体を含んでもよい。前記第1、第2及び第3LED発光積層体は、前記基板と重なる領域が順次小さくなっていてもよい。
【0025】
前記発光積層体の少なくとも1つは、約10,000平方μm未満の表面積を有するマイクロLEDを含んでいてもよい。
【0026】
前記パッシベーション層は実質的に黒色であってもよく、感光性材料を含んでいてもよい。
【0027】
別の例示的な実施形態による発光チップは、実質的に長方形の基板と、前記基板上に配置された第1LEDサブユニットと、前記第1LEDサブユニット上に配置された第2LEDサブユニットと、前記第2LEDサブユニット上に配置された第3LEDサブユニットと、前記第3LEDサブユニット上に配置されたパッシベーション層と、前記第1、第2及び第3LEDサブユニットの少なくとも1つに電気的に接続された第1接続電極と、を含み、前記パッシベーション層が、前記基板の少なくとも1つの角部に配置された前記第3LEDサブユニットの一部を露出させる。
【0028】
前記第1接続電極は、前記第1LEDサブユニットの少なくとも一部に接触する第1部分と、前記パッシベーション層の上面の少なくとも一部に接触する第2部分とを有していてもよい。
【0029】
前記第1接続電極と前記基板とは、前記第3LEDサブユニットの上面と前記第1接続電極の内面との間で定義された、約80°以下の角度を形成してもよい。
【0030】
前記第1接続電極は、前記パッシベーション層によって露出した前記基板の一角で、前記第1、第2、第3LEDサブユニットのそれぞれに接続されていてもよい。
【0031】
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明の両方は例示的かつ説明的であり、請求項に記載された本発明のさらなる説明を提供することを意図していることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれてその一部を構成する添付図面は、本発明の例示的な実施形態を示しており、説明と合わせて本発明の概念を説明する役割を果たしている。
【0033】
【
図1A】本発明の例示的な実施形態に従って構成された発光チップの模式的な透視図である。
【
図1B】例示的な実施形態による
図1Aの発光チップの下層構造を示す平面図である。
【
図1C】例示的な実施形態による
図1Bの発光チップの線A-A’に沿ってそれぞれ取った断面図である。
【
図1D】例示的な実施形態による
図1Bの発光チップの線B-B’に沿ってそれぞれ取った断面図である。
【
図1E】例示的な実施形態による、
図1Aの発光チップのSEM画像である。
【
図2】例示的な実施形態に従って構成された発光積層構造の模式的な断面図である。
【
図3A】例示的な実施形態による
図1Aの発光チップの製造工程を示す平面図である。
【
図3B】例示的な実施形態による
図3Aに示す対応する平面図の線A-A’に沿って取った断面図である。
【
図4A】例示的な実施形態による
図1Aの発光チップの製造工程を示す平面図である。
【
図4B】例示的な実施形態による
図4Aに示す対応する平面図の線A-A’に沿って取った断面図である。
【
図5A】例示的な実施形態による
図1Aの発光チップの製造工程を示す平面図である。
【
図5B】例示的な実施形態による
図5Aに示す対応する平面図の線A-A’に沿って取った断面図である。
【
図6A】例示的な実施形態による
図1Aの発光チップの製造工程を示す平面図である。
【
図6B】例示的な実施形態による
図6Aに示す対応する平面図の線A-A’に沿って取った断面図である。
【
図7A】例示的な実施形態による
図1Aの発光チップの製造工程を示す平面図である。
【
図7B】例示的な実施形態による
図7Aに示す対応する平面図の線A-A’に沿って取った断面図である。
【
図8A】例示的な実施形態による
図1Aの発光チップの製造工程を示す平面図である。
【
図8B】例示的な実施形態による
図8Aに示す対応する平面図の線A-A’に沿って取った断面図である。
【
図9A】例示的な実施形態による
図1Aの発光チップの製造工程を示す平面図である。
【
図9B】例示的な実施形態による
図9Aに示す対応する平面図の線A-A’に沿って取った断面図である。
【
図10A】例示的な実施形態による
図1Aの発光チップの製造工程を示す平面図である。
【
図10B】例示的な実施形態による
図10Aに示す対応する平面図の線A-A’に沿って取った断面図である。
【
図11】別の例示的な実施形態に従って構成された発光チップの断面図である。
【
図12】さらに別の例示的な実施形態に従って構成された発光チップの断面図である。
【
図13】例示的な実施形態による発光パッケージの製造工程を示す断面図である。
【
図14】例示的な実施形態による発光パッケージの製造工程を示す断面図である。
【
図15】例示的な実施形態による発光パッケージの製造工程を示す断面図である。
【
図16】別の例示的な実施形態による発光パッケージの製造プロセスを模式的に示す断面図である。
【
図17】別の例示的な実施形態による発光パッケージの製造プロセスを模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下の記載では、説明のために、本発明の様々な例示的な実施形態又は実装の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。本明細書で使用される「実施形態」(embodiments)及び「実装」(implementations)は、本明細書で開示される発明的概念の1つ以上を採用する装置又は方法の非限定的な例である交換可能な言葉である。しかしながら、様々な例示的な実施形態は、これらの特定の詳細なしに又は1つ以上の同等の配置で実施することができることは明らかである。他の例では、様々な例示的な実施形態を不必要に不明瞭にすることを避けるために、よく知られた構造や装置をブロック図の形で示している。さらに、様々な例示的な実施形態は異なっていてもよいが、排他的である必要はない。例えば、例示的な実施形態の特定の形状、構成及び特性は、本発明の概念から逸脱することなく、別の例示的な実施形態で使用又は実装することができる。
【0035】
特に明記しない限り、図示された例示的な実施形態は、本発明の概念を実際に実施することができるいくつかの方法の様々な詳細の例示的な特徴を提供するものとして理解されるべきである。したがって、特に指定しない限り、様々な実施形態の特徴、構成要素、モジュール、層、フィルム、パネル、領域及び/又は側面など(以下、個別に又はまとめて「要素」と呼ぶ)は、本発明の概念から逸脱することなく、別の方法で組み合わせ、分離し、交換し及び/又は再配置することができる。
【0036】
添付図面のクロスハッチング及び/又はシェーディングの使用は、一般に、隣接する要素間の境界を明確にするためのものである。そのため、クロスハッチングや陰影の有無にかかわらず、特定の材料、材料特性、寸法、比率、図示された要素間の共通性及び/又は要素のその他の特性、属性、性質などについて、指定されない限り、好みや要求を伝えたり示したりするものではない。さらに、添付の図面では、要素のサイズ及び相対的なサイズは、明確化及び/又は説明目的のために誇張されている場合がある。例示的な実施形態が異なって実施される可能性がある場合、特定の処理順序が記載された順序とは異なって実行される可能性がある。例えば、連続して記述された2つのプロセスは、実質的に同時に実行されてもよいし、記述された順序とは逆の順序で実行されてもよい。また、同様の参照数字は同様の要素を示す。
【0037】
層などの要素が他の要素や層の「上」にある、「接続されている」、「結合されている」とした場合、他の要素や層の上に直接あるか、接続されているか、結合されているか、あるいは介在する要素や層が存在している可能性がある。しかし、ある要素や層が、他の要素や層の「直上」にある、「直接接続されている」、「直接結合されている」とした場合、介在する要素や層は存在しない。このため、「接続されている」という用語は、介在する要素の有無にかかわらず、物理的、電気的及び/又は流体的な接続を指すことがある。さらに、D1軸、D2軸、D3軸は、x、y、z-軸のような直交座標系の3軸に限定されず、より広い意味で解釈されてもよい。例えば、D1軸、D2軸、D3軸は、互いに直交していてもよいし、互いに直交しない異なる方向を表していてもよい。本開示の目的のために、「X、Y及びZのうちの少なくとも1つ」及び「X、Y及びZからなる群から選択される少なくとも1つ」は、Xのみ、Yのみ、Zのみ又はX、Y及びZのうちの2つ以上の任意の組み合わせ、例えば、XYZ、XYY、YZ及びZZなどと解釈されてもよい。本明細書では、「及び/又は」という用語は、関連する記載された項目の1つ又は複数の任意及びすべての組み合わせを含む。
【0038】
本明細書では、様々なタイプの要素を説明するために「第1」、「第2」などの用語を使用することがあるが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある要素を別の要素から区別するために使用される。したがって、以下で説明する第1要素は、本開示の教示から逸脱することなく、第2要素と呼ぶことができる。
【0039】
本明細書では、説明の目的で、図面に示されたある要素と他の要素との関係を説明するために、下に(beneath)、下方に(below)、真下に(under)、より低い(lower)、上方に(above)、上の方の(upper)、真上に(over)、より高い(higher)、側方の(side)(例えば、側壁(sidewall)のように)などの空間的に相対的な用語を使用することができる。空間的に相対的な用語は、図面に描かれている向きに加えて、使用、操作及び製造における装置の異なる向きを包含することを意図している。例えば、図面の装置を裏返した場合、他の要素又は特徴の「下方」(below)又は「下」(beneath)として記述された要素は、他の要素又は特徴の「上方」(above)に向けられることになる。したがって、「下方」(below)という例示的な用語は、上と下の両方の向きを包含することができる。さらに、本装置は、他の向き(例えば、90度回転させたり、他の向きにしたり)であってもよく、そのような場合、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は、それに応じて解釈される。
【0040】
本明細書で使用されている用語は、特定の実施形態を説明するためのものであり、限定することを意図したものではない。本明細書で使用される単数形、「a」、「an」及び「the」は、文脈が明確に他を示さない限り、複数形も含むことを意図している。さらに、本明細書で使用される用語「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」及び/又は「含んでいる(including)」は、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素(elements)、構成要素(components)及び/又はそれらのグループの存在を特定するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成要素及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではない。また、本明細書では、「実質的に」、「約」及びその他の類似した用語は、程度を表す用語ではなく、近似性を表す用語として使用されており、当業者であれば認識できるであろう、測定値、計算値及び提供された値の固有の偏差を考慮するために利用されていることにも留意されたい。
【0041】
本明細書では、様々な例示的な実施形態を、理想化された例示的な実施形態及び/又は中間構造の概略図である断面図及び/又は分解図を参照して説明している。そのため、例えば、製造技術及び/又は公差の結果として、図の形状からの変動が予想される。したがって、ここで開示されている例示的な実施形態は、必ずしも特定の図示された領域の形状に限定して解釈されるべきではなく、例えば、製造に起因する形状の偏差を含むものである。このように、図面に図示された領域は、本質的に概略的であり、これらの領域の形状は、デバイスの領域の実際の形状を反映していない可能性があり、そのような場合、必ずしも限定を意図するものではない。
【0042】
特に定義されていない限り、本明細書で使用されているすべての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本開示が一部をなす技術分野の通常の技術者によって一般的に理解されているのと同じ意味を持つ。一般的に使用されている辞書で定義されているような用語は、本明細書で明示的にそのように定義されていない限り、関連する技術の文脈での意味と一致する意味を持つと解釈されるべきであり、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されるべきではない。
【0043】
以下、本開示の例示的な実施形態について、添付の図面を参照して詳細に説明する。本明細書で使用されるように、例示的な実施形態による発光積層構造、発光チップ又は発光パッケージは、当技術分野で知られているように、約10,000平方μm未満の表面積を有するマイクロLEDを含んでもよい。他の例示的な実施形態では、マイクロLEDは、特定のアプリケーションに応じて、約4,000平方μm未満の表面積又は約2,500平方μm未満の表面積を有してもよい。
【0044】
図1Aは、本発明の例示的な実施形態に従って構成された発光チップの概略図である。
図1Bは、例示的な実施形態による
図1Aの発光チップの透視平面図であり、
図1C及び
図1Dは、例示的な実施形態による
図1Bの発光チップの線A-A’及び線B-B’に沿ってそれぞれ取った断面図であり、
図1Eは、例示的な実施形態による
図1Aの発光チップのSEM画像である。
【0045】
図1A及び
図1Bを参照すると、例示的な実施形態による発光チップ100は、発光積層構造と、発光積層構造上に形成された第1接続電極20ce、第2接続電極30ce、第3接続電極40ce及び第4接続電極50ceと、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceを囲むパッシベーション層90とを含む。発光チップ100のアレイは、基板11上に形成されていてもよく、
図1Aに示す発光チップ100は、例示的にアレイから単数化されたものを示しているが、これについては以下で詳細に説明することとする。いくつかの例示的な実施形態では、発光積層構造を含む発光チップ100は、さらに処理されて発光パッケージとして形成されてもよく、これについては後にさらに詳しく説明する。
【0046】
図1A~
図1Dを参照すると、図示された例示的な実施形態による発光チップ100は、発光積層構造を含み、この発光積層構造は、基板11上に配置された第1LEDサブユニット、第2LEDサブユニット及び第3LEDサブユニットを含んでもよい。第1LEDサブユニットは、第1LED発光積層体(以下、第1発光積層体という)20を含んでいてもよく、第2LEDサブユニットは、第2LED発光積層体(以下、第2発光積層体という)30を含んでいてもよく、第3LEDサブユニットは、第3LED発光積層体(以下、第3発光積層体という)40を含んでいてもよい。図面では、3つの発光積層体20、30及び40を含む発光積層構造が示されているが、本発明の概念は、発光積層構造に形成される特定の数の発光積層体に限定されるものではない。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、発光積層構造は、その中に2つ以上の発光積層を含んでもよい。以下、例示的な実施形態による3つの発光積層体20、30及び40を含む発光積層構造を参照して、発光チップ100を説明する。
【0047】
基板11は、光を透過させるための光透過性の絶縁材料を含んでいてもよい。しかし、いくつかの例示的な実施形態では、基板11は、特定の波長を有する光のみを透過する半透明に形成されてもよく又は、特定の波長を有する光の一部のみを透過する部分透明に形成されてもよい。また、基板11は、その上に第3発光積層体40をエピタキシャル成長させることが可能な成長基板であってもよく、例えば、サファイア基板などであってもよい。しかし、本発明の概念はこれに限定されるものではなく、いくつかの例示的な実施形態において、基板11は、他の様々な透明な絶縁材料を含んでもよい。例えば、基板11は、ガラス、石英、シリコン、有機ポリマー又は有機無機複合材料、例えば、炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ガリウム(Ga2O3)又はシリコン基板などを含んでいてもよい。別の例として、いくつかの例示的な実施形態における基板11は、その上に形成された発光積層体のそれぞれに発光信号及び共通電圧を提供するために、その中に電気配線を含むプリント回路基板又は複合基板であってもよい。
【0048】
第1、第2及び第3発光積層体20、30及び40のそれぞれは、基板11に向けて光を発するように構成されている。そのため、例えば第1発光積層体20から発せられた光は、第2及び第3発光積層体30及び40を通過してもよい。例示的な実施形態によれば、第1、第2及び第3発光積層体20、30及び40のそれぞれから放出された光は、互いに異なる波長帯域を有してもよく、基板11からより遠くに配置されている発光積層体は、より長い波長帯域を有する光を放出してもよい。例えば、第1、第2、第3発光積層体20、30及び40は、それぞれ、赤色光、緑色光、青色光を発光してもよい。しかし、本発明の概念はこれに限定されるものではない。別の例として、第1、第2及び第3発光積層体20、30及び40は、それぞれ赤色光、青色光及び緑色光を発光してもよい。さらに別の例として、別の例示的な実施形態では、1つ以上の発光積層体は、実質的に同じ波長帯域を有する光を放出してもよい。さらに別の例として、発光積層構造が、当該技術分野で知られているように約10,000平方μm未満又は他の例示的な実施形態では約4,000平方μm又は2,500平方μm未満の表面積を有するマイクロLEDを含む場合、マイクロLEDの小さなフォームファクタ(form factor)により、動作に悪影響を及ぼすことなく、基板11から遠くに配置された発光積層体が、基板11に近くに配置されたものから放出された光よりも短い波長帯域を有する光を放出してもよい。この場合、マイクロLEDは低い動作電圧で動作させることができるため、発光積層体間に別のカラーフィルタを設ける必要がない場合もある。以下、第1、第2及び第3発光積層体20、30及び40は、例示的な実施形態に従って、それぞれ赤色光、緑色光及び青色光を放出するものとして例示的に説明する。
【0049】
第1発光積層体20は、第1型半導体層21、活性層23及び第2型半導体層25を含む。例示的な実施形態によれば、第1発光積層体20は、これに限定されることなく、アルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)、ガリウムヒ素リン化物(GaAsP)、アルミニウムガリウムインジウムリン化物(AlGaInP)及びガリウムリン化物(GaP)などの赤色光を放出する半導体材料を含んでもよい。
【0050】
第1上部コンタクト電極21nは、第1型半導体層21上に配置され、第1型半導体層21とオーミック接触を形成し、第1下部コンタクト電極25pは、第1発光積層体20の第2型半導体層25の下に配置されてもよい。例示的な実施形態によると、第1型半導体層21の一部がパターニングされてもよく、第1上部コンタクト電極21nは、第1型半導体層21のパターニングされた領域に配置されて、その間のオーミック接触のレベルを高めてもよい。第1上部コンタクト電極21nは、単層構造を有していてもよいし、多層構造を有していてもよく、これに限定されることなく、Al、Ti、Cr、Ni、Au、Ag、Sn、W、Cu又はこれらの合金、例えばAu-Te合金やAu-Ge合金などを含んでいてもよい。例示的な実施形態では、第1上部コンタクト電極21nは、約100nmの厚さを有し、基板11に向かう下方向の発光効率を高めるために、高い反射率を有する金属を含んでいてもよい。
【0051】
第2発光積層体30は、第1型半導体層31、活性層33及び第2型半導体層35を含む。例示的な実施形態によれば、第2発光積層体30は、これに限定されることなく、窒化インジウムガリウム(InGaN)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、リン化アルミニウムガリウムインジウム(AlGaInP)、リン化アルミニウムガリウム(AlGaP)など、緑色に発光する半導体材料を含んでいてもよい。第2発光積層体30の第2型半導体層35の下には、第2下部コンタクト電極35pが配置されている。
【0052】
第3発光積層体40は、第1種半導体層41と、活性層43と、第2種半導体層45とを含む。例示的な実施形態によれば、第3発光積層体40は、これに限定されることなく、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、セレン化亜鉛(ZnSe)など、青色に発光する半導体材料を含んでいてもよい。第3発光積層体40の第2型半導体層45上には、第3下部コンタクト電極45pが配置されている。
【0053】
例示的な実施形態によれば、第1、第2及び第3発光積層体20、30及び40の第1型半導体層21、31及び41のそれぞれと、第2型半導体層25、35及び45のそれぞれは、単層構造又は多層構造を有していてもよく、いくつかの例示的な実施形態では、超格子層を含んでいてもよい。さらに、第1、第2及び第3発光積層体20、30及び40の活性層23、33及び43は、単一量子井戸構造又は多重量子井戸構造を有していてもよい。
【0054】
第1、第2及び第3下部コンタクト電極25p、35p及び45pのそれぞれは、光を透過させるための透明導電材料を含んでいてもよい。例えば、下部コンタクト電極25p、35p、45pは、これに限らず、酸化スズ(SnO)、酸化インジウム(InO2)、酸化亜鉛(ZnO)、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウムスズ亜鉛酸化物(ITZO)などの透明導電性酸化物(TCO)を含んでいてもよい。
【0055】
第1発光積層体20と第2発光積層体30との間には、第1接着層61が配置されており、第2発光積層体30と第3発光積層体40との間には、第2接着層63が配置されている。第1接着層61及び第2接着層63は、光を透過する非導電性材料を含んでいてもよい。例えば、第1接着層61及び第2接着層63は、それぞれOCA(Optical Clear Adhesive)を含んでいてもよく、これに限定されることなく、エポキシ、ポリイミド、SU8、SOG(Spin-on Glass)、BCB(Benzocyclobutene)などを含んでいてもよい。
【0056】
図示した例示的な実施形態によれば、第1、第2及び第3発光積層体20、30及び40の側面の少なくとも一部に、第1絶縁層81及び第2絶縁層83が配置されている。第1絶縁層81及び第2絶縁層83の少なくとも一方は、ポリイミド、SiO2、SiNx、Al2O3などの様々な有機又は無機の絶縁材料を含んでいてもよい。例えば、第1絶縁層81及び第2絶縁層83の少なくとも一方は、分布型ブラッグ反射器(DBR)を含んでいてもよい。別の例として、第1及び第2絶縁層81及び83の少なくとも1つは、黒色に着色された有機ポリマーを含んでもよい。いくつかの例示的な実施形態では、発光積層体20、30及び40から放出された光を基板11に向けて反射するために、第1及び第2絶縁層81、83上に、電気的にフローティングの金属反射層がさらに配置されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、第1及び第2絶縁層81、83の少なくとも一方は、互いに異なる屈折率を有する2つ以上の絶縁層で形成された単層構造又は多層構造を有していてもよい。
【0057】
例示的な実施形態によれば、第1、第2及び第3発光積層体20、30及び40のそれぞれが独立して駆動されてもよい。より詳細には、各発光積層体の第1及び第2型半導体層の一方には共通の電圧が印加され、各発光積層体の第1及び第2型半導体層の他方にはそれぞれの発光信号が印加されてもよい。例えば、図示の例示的な実施形態によれば、各発光積層体の第1型半導体層21、31、41がn型であり、各発光積層体の第2型半導体層25、35、45がp型であってもよい。この場合、第3発光積層体40は、第1発光積層体20及び第2発光積層体30と比較して、製造工程を簡略化するために、p型半導体層45が活性層43の上に配置されるように、積層順序が逆になっていてもよい。以下、図示された例示的な実施形態にしたがって、第1型半導体層及び第2型半導体層を、交換可能にそれぞれp型及びn型と呼ぶことがある。
【0058】
また、発光積層体のp型半導体層25、35、45にそれぞれ接続された第1、第2、第3下部コンタクト電極25p、35p、45pのそれぞれが、第4コンタクト部50Cに接続され、第4コンタクト部50Cが第4接続電極50ceに接続されて、外部から共通電圧を受けてもよい。一方、発光積層体のn型半導体層21、31、41は、それぞれ第1コンタクト部20c、第2コンタクト部30c、第3コンタクト部40cに接続され、それぞれ第1、第2、第3接続電極20ce、30ce及び40ceを介して対応する発光信号を受けてもよい。このようにして、第1、第2、第3発光積層体20、30及び40のそれぞれは、共通のp型発光積層構造を有しながら、独立して駆動することができる。
【0059】
図示した例示的な実施形態による発光チップ100は、共通のp型構造を有するが、本発明の概念はこれに限定されない。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、各発光積層体の第1型半導体層21、31及び41がp型であり、各発光積層体の第2型半導体層25、35及び45がn型であって、共通のn型発光積層構造を形成してもよい。さらに、いくつかの例示的な実施形態において、各発光積層体の積層順序は、図面に示されたものに限定されることなく、様々に変更されてもよい。以下、図示した例示的な実施形態に係る発光チップ100について、共通のp型発光積層構造を参照して説明する。
【0060】
図示の例示的な実施形態に依れば、第1コンタクト部20cは、第1パッド20pdと、第1パッド20pdに電気的に接続された第1バンプ電極20bpとを含む。第1パッド20pdは、第1発光積層体20の第1上部コンタクト電極21n上に配置され、第1絶縁層81を貫通して規定された第1コンタクトホール20CHを介して、第1上部コンタクト電極21nに接続されている。また、第1バンプ電極20bpの少なくとも一部は、第1パッド20pdと重なっていてもよく、第1バンプ電極20bpと第1パッド20pdとの重なり部分には、その間に第2絶縁層83が介在した状態で、第1スルーホール20ctを介して第1バンプ電極20bpが第1パッド20pdに接続されている。この場合、第1パッド20pdと第1バンプ電極20bpとは、それに限定されることなく、互いに重なり合うように実質的に同じ形状を有していてもよい。
【0061】
第2コンタクト部30cは、第2パッド30pdと、第2パッド30pdに電気的に接続された第2バンプ電極30bpとを含む。第2パッド30pdは、第2発光積層体30の第1型半導体層31上に配置されており、第1絶縁層81を貫通して規定された第2コンタクトホール30CHを介して第1型半導体層31に接続されている。なお、第2バンプ電極30bpの少なくとも一部は、第2パッド30pdと重なっていてもよい。第2バンプ電極30bpは、第2バンプ電極30bpと第2パッド30pdとの重なり部分において、その間に第2絶縁層83を介在させた状態で、第2貫通孔30ctを介して第2パッド30pdに接続されていてもよい。
【0062】
第3コンタクト部40Cは、第3パッド40pdと、第3パッド40pdに電気的に接続された第3バンプ電極40bpとを含む。第3パッド40pdは、第3発光積層体40の第1型半導体層41上に配置されており、第1絶縁層81を貫通して規定された第3コンタクトホール40CHを介して第1型半導体層41に接続されている。なお、第3バンプ電極40bpの少なくとも一部は、第3パッド40pdと重なっていてもよい。第3バンプ電極40bpは、第3バンプ電極40bpと第3パッド40pdとの重なり部分において、その間に第2絶縁層83を介在させた状態で、第3貫通孔40ctを介して第3パッド40pdに接続されていてもよい。
【0063】
第4コンタクト部50cは、第4パッド50pdと、第4パッド50pdに電気的に接続された第4バンプ電極50bpとを含む。第4パッド50pdは、第1、第2、第3発光積層体20、30及び40の第1、第2、第3下部コンタクト電極25p、35p、45pに規定された第1サブコンタクトホール50CHa及び第2サブコンタクトホール50CHbを介して、第1、第2、第3発光積層体20、30及び40の第2型半導体層25、35、45に接続されている。特に、第4パッド50pdは、第2サブコンタクトホール50CHbを介して第1下部コンタクト電極25pに接続され、第1サブコンタクトホール50CHaを介して第2及び第3下部コンタクト電極35p、45pに接続されている。このように、第4パッド50pdが1つの第1サブコンタクトホール50CHaを介して第2及び第3下部コンタクト電極35p、45pに接続されるので、発光チップ100の製造工程が簡略化され、発光チップ100のコンタクトホールが占める面積が縮小させることができる。また、第4バンプ電極50bpの少なくとも一部は、第4パッド50pdと重なっていてもよい。第4バンプ電極50bpは、第4バンプ電極50bpと第4パッド50pdとの重なり部分において、その間に第2絶縁層83が介在した状態で、第4貫通孔50ctを介して第4パッド50pdに接続されていてもよい。
【0064】
例示的な実施形態によれば、第1、第2、第3及び第4接触部20C、30C、40C及び50Cは、様々な位置に形成されてもよい。例えば、発光チップ100が図面に示すように実質的に四角形の形状を有する場合、第1、第2、第3及び第4接触部20C、30C、40C及び50Cは、実質的に四角形の形状の各角を囲むように配置されてもよい。しかし、本発明の概念はこれに限定されず、いくつかの例示的な実施形態において、発光チップ100は様々な形状を有するように形成されてもよく、第1、第2、第3及び第4接触部20C、30C、40C及び50Cは、発光チップ100の形状に応じて他の場所に形成されてもよい。
【0065】
第1、第2、第3及び第4パッド20pd、30pd、40pd及び50pdは、互いに間隔を空けて絶縁されている。さらに、第1、第2、第3及び第4バンプ電極20bp、30bp、40bp及び50bpは、互いに間隔を空けて絶縁されている。例示的な実施形態によれば、第1、第2、第3及び第4バンプ電極20bp、30bp、40bp及び50bpのそれぞれは、第1、第2及び第3発光積層体20、30及び40の側面の少なくとも一部を覆っていてもよく、これにより、第1、第2及び第3発光積層体20、30及び40から発生する熱のその場での放散が容易になる。
【0066】
図示された例示的な実施形態によれば、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceのそれぞれは、基板11から離れて突出する曲線(上から見たときに凸)形状を有していてもよい。より詳細には、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceは、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceの間にパッシベーション層90を露出させつつ、発光積層構造の少なくとも側面を実質的に覆っていてもよい。接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceは、これに限定されることなく、Cu、Ni、Ti、Sb、Zn、Mo、Co、Sn、Ag又はこれらの合金などの金属を含んでいてもよい。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceのそれぞれは、2つ以上の金属又は複数の異なる金属層を含み、それにかかる応力を低減してもよい。別の例示的な実施形態では、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceがCuを含む場合、Cuの酸化を抑制するために、追加の金属をその上に堆積又はめっきしてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceがCu/Ni/Snを含む場合、Cuは、発光積層構造にSnが浸入するのを防止してもよい。いくつかの例示的な実施形態では、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceは、以下でより詳細に説明する、めっきプロセス中に金属層を形成するためのシード層を含んでもよい。
【0067】
図面に示すように、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceのそれぞれは、発光積層構造と後述する外部の配線又は電極との間の電気的接続を容易にするために、実質的に平坦な上面を有していてもよい。例示的な実施形態によれば、発光チップ100が、当技術分野で知られているように約10,000平方μm未満又は他の例示的な実施形態では約4,000平方μm又は2,500平方μm未満の表面積を有するマイクロLEDを含む場合、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceは、図面に示すように、第1、第2及び第3発光積層体20、30及び40のうちの少なくとも1つの部分と重なっていてもよい。より詳細には、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceは、発光積層構造の側面に形成された少なくとも1つの段差に重なっていてもよい。このようにすることで、発光積層構造体から発生する熱をより効率的に外部に逃がすことができる。
【0068】
接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceは、発光積層体20、30及び40のそれぞれの側面と重なっていてもよく、少なくとも1つ以上の発光積層体20、30及び40から発せられた光を反射して、光効率を向上させることができる。また、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceは、発光積層構造の少なくとも側面を実質的に覆っているため、発光チップ100を外部からの衝撃から保護することができる。図示の例示的な実施形態によれば、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceの側面は、発光チップ100と後に詳細に説明するモールディング層(molding layer)91との間の接着性を向上させるために、基板11に対して傾斜角G、G’を形成してもよい。例示的な実施形態では、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceのうちの少なくとも1つと基板11との間に形成される角度G及びG’、すなわち、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceの内面と第3発光積層体40の上面との間に規定される角度G及びG’は、基板11に対して約80°未満であってもよく、いくつかの例示的な実施形態では、傾斜角度G及びG’は、基板11に対して約60°乃至約70°であってもよい。
【0069】
一般に、製造時には、複数の発光チップのアレイが基板上に形成される。その後、基板をスクライブ線に沿って切断して各発光チップを個片化(分離)し、様々な転写技術を用いて発光チップを別の基板やテープに転写して、パッケージなどの発光チップのさらなる加工を行うことがある。この場合、発光チップが発光構造から外部に突出する金属バンプやピラーなどの接続電極を含む場合、剥き出しの発光チップが接続電極を外部に露出させる構造のため、転写のステップなど、その後の工程で様々な問題が発生する可能性がある。さらに、発光チップが、用途によっては表面積が約10,000平方μm未満、約4,000平方μm未満、約2,500平方μm未満のマイクロLEDを含む場合には、その小さなフォームファクタのために、発光チップの取り扱いが困難になることがある。
【0070】
例えば、接続電極が棒状などの実質的に細長い形状をしている場合、接続電極の突出した構造により、発光チップの吸着面積が十分に確保できないことがあるため、従来の真空方式での搬送が困難になる。さらに、露出した接続電極は、接続電極が製造装置に接触するなど、その後の工程で様々なストレスが直接かかり、発光チップの構造にダメージを与える可能性がある。他の例として、従来のピックアンドプレース(pick-and-place)方式で発光チップを搬送する場合、排出ピン(ejection pin)が接続電極間に配置された発光チップの一部に直接接触し、発光チップの上部構造を損傷することがある。特に、排出ピンが発光チップの中央部に衝突し、発光チップの最上部の発光積層体に物理的なダメージを与える可能性がある。このような排出ピンによる発光チップへの衝撃は、
図1Eに示されており、発光チップ100の中心部が排出ピンによって凹んでいる。
【0071】
図示された例示的な実施形態によれば、第3及び第4接続電極40ce及び50ceは、第1及び第2接続電極20ce及び30ceに対して非対称であるように示されている。より詳細には、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceのそれぞれは、パッシベーション層90と重ならない部分を有していてもよく、例えば
図1C及び
図1Dでは、第3及び第4接続電極40ce及び50ceのそれらは、基板11の対向する2つの端部付近において、第1及び第2接続電極20ce及び30ceのそれらよりも面積が大きいことが示されている。しかしながら、本発明の概念はこれに限定されるものではなく、いくつかの例示的な実施形態において、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceのそれぞれは、互いに対称であってもよい。例えば、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceのそれぞれのうち、パッシベーション層90と重ならない部分は、互いに同じ面積を有していてもよい。
【0072】
例示的な実施形態によれば、パッシベーション層90は、発光積層構造上に形成されてもよい。より詳細には、
図1Aに示すように、パッシベーション層90は、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceの間に形成され、発光積層構造の少なくとも側面を覆っていてもよい。図示の例示的な実施形態によれば、パッシベーション層90は、基板11、第1及び第2絶縁層81、83及び第3発光積層体40の側面を露出してもよい。パッシベーション層90は、黒や透明など様々な色に形成されたエポキシモールドコンパウンド(epoxy molding compound:EMC)を含んでいてもよい。しかしながら、本発明の概念はこれに限定されるものではない。例えば、いくつかの例示的な実施形態において、パッシベーション層90は、ポリイミド(PID)を含んでもよく、この場合、PIDは、発光積層構造に適用されたときの平坦性のレベルを高めるために、液体タイプではなく、ドライフィルムとして提供されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、パッシベーション層90は、感光性を有する材料を含んでもよい。このようにして、パッシベーション層90は、後続の工程で加わる可能性のある外部からの衝撃から発光構造体を保護するとともに、発光チップ100に十分な接触面積を与えて、後続の転写工程での取り扱いを容易にすることができる。さらに、パッシベーション層90は、発光チップ100の側面に向かって光が漏れるのを防ぎ、隣接する発光チップ100から放出される光の干渉を防止又は少なくとも抑制することができる。例示的な実施形態によれば、パッシベーション層90の側面は、その上に形成された接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceがそれぞれ湾曲した形状を有するように、傾斜していてもよい。
【0073】
図2は、例示的な実施形態による発光積層構造の模式的な断面図である。図示した例示的な実施形態による発光積層構造は、上述した発光チップ100に含まれるものと実質的に同じであるため、発光積層構造を形成する実質的に同じ要素については、冗長性を避けるために繰り返しの説明を省略する。
【0074】
図2を参照すると、例示的な実施形態による第1、第2及び第3下部コンタクト電極25p、35p及び45pは、共通電圧Scが印加される共通線に接続されてもよい。発光信号線S
R、S
G、S
Bは、それぞれ、第1、第2、第3発光積層体20、30及び40の第1型半導体層21、31、41に接続されてもよい。この場合、発光信号線は、第1上部コンタクト電極21nを介して、第1発光積層体20の第1型半導体層21に接続される。また、図示の例示的な実施形態では、共通線を介して第1、第2、第3下部コンタクト電極25p、35p、45pに共通電圧Scが印加され、発光信号線を介して第1、第2、第3発光積層体20、30及び40の第1型半導体層21、31、41にそれぞれ発光信号が印加されるようになっている。このようにして、第1、第2、第3発光積層体20、30及び40を個別に制御して、選択的に発光させることができる。
【0075】
なお、
図2では、p-共通構造を有する発光積層体を示しているが、本発明の概念はこれに限定されるものではない。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、共通電圧Scは、第1、第2及び第3発光積層体20、30及び40の第1型(又はn型)半導体層21、31及び41に印加され、発光信号は、第1、第2及び第3発光積層体20、30及び40の第2型(又はp型)半導体層25、35及び45に印加されてもよい。
【0076】
例示的な実施形態による発光積層構造は、各発光積層体20、30及び40の動作状態に応じて様々な色の光を表示することができるが、従来の発光装置は、単一色の光を発する複数の発光セルの組み合わせによって様々な色を表示することができる。より詳細には、従来の発光装置は、一般的に、フルカラーディスプレイを実現するために、2次元平面に沿って互いに間隔を空けて配置された異なる色の光、例えば、赤、緑及び青をそれぞれ発光する発光セルを含む。そのため、従来の発光セルでは、比較的大きな面積が占有されることがあった。しかし、例示的な実施形態による発光積層構造は、複数の発光積層体20、30及び40を積層することによって、異なる色の光を放出することができ、それによって、高レベルの統合を提供し、従来の発光装置におけるものよりもかなり小さい面積を通じてフルカラーを実装することができる。
【0077】
また、発光チップ100を他の基板に実装して表示装置を製造する場合、例えば、その積層構造により、従来の発光装置と比較して、実装するチップの数を大幅に削減することができる。このように、発光チップ100を採用した表示装置の製造は、特に1つの表示装置に数十万又は数百万の画素が形成される場合には、実質的に簡略化され得る。
【0078】
例示的な実施形態によれば、発光積層構造は、そこから放出される光の純度及び効率を向上させるための様々な追加の構成要素をさらに含んでもよい。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、より短い波長を有する光が、より長い波長を発する発光積層体に向かって移動するのを防ぐ又は少なくとも抑制するために、隣接する発光積層体の間に波長通過フィルタを形成してもよい。さらに、いくつかの例示的な実施形態では、発光積層体間で光の明るさのバランスをとるために、少なくとも1つの発光積層体の発光面に凹凸部が形成されてもよい。例えば、一般的に緑色の光は赤色の光や青色の光よりも視認性が高いため、いくつかの例示的な実施形態では、赤色の光や青色の光を発する発光積層体に凹凸部を形成してその光効率を向上させ、発光積層体から発せられる光の間の視認性のバランスを取ってもよい。
【0079】
以下、例示的な実施形態に基づいて、発光チップ100の形成方法を、図面を参照しながら説明する。
【0080】
【0081】
図2に戻って、第3発光積層体40の第1型半導体層41、第3活性層43及び第2型半導体層45は、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法やMBE(Molecular Beam Epitaxy)法によって、基板11上に順次成長させてもよい。第3下部コンタクト電極45pは、例えば、化学的気相成長法によって第2型半導体層45上に形成されてもよく、酸化スズ(SnO)、酸化インジウム(InO
2)、酸化亜鉛(ZnO)、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウムスズ亜鉛酸化物(ITZO)などの透明導電性酸化物(TCO)を含んでいてもよい。例示的な実施形態により第3発光積層体40が青色光を発光する場合、基板11は、Al
2O
3(例えば、サファイア基板)を含み、第3下部コンタクト電極45pは、酸化スズ(SnO)、酸化インジウム(InO
2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウムスズ亜鉛(ITZO)などの透明導電性酸化物(TCO)を含んでいてもよい。また、第1発光積層体20及び第2発光積層体30も同様に、仮基板上に第1型半導体層、活性層及び第2型半導体層をそれぞれ順次成長させて形成し、第2型半導体層上に透明導電性酸化物(TCO)を含む下部コンタクト電極を、例えば化学気相成長法などによりそれぞれ形成してもよい。その後、第1及び第2発光積層体20及び30は、その間に第1接着層61を介在させて互いに隣接してもよく、第1及び第2発光積層体20及び30の仮基板の少なくとも一方は、例えば、レーザーリフトオフ工程、化学的工程、機械的工程などによって除去されてもよい。この場合、いくつかの例示的な実施形態では、光効率(light efficiency)を向上させるために、露出した発光積層体に凹凸部を形成してもよい。その後、第1及び第2発光積層体20及び30を、その間に第2接着層63を介在させて第3発光積層体40と隣接させ、第1及び第2発光積層体20及び30の仮基板の残りの一方を、例えば、レーザーリフトオフ工程、化学的工程、機械的工程などによって除去してもよい。この場合、いくつかの例示的な実施形態では、光効率を向上させるために、露出した残りの発光積層体に凹凸部を形成してもよい。このようにして、
図2に示すような発光積層構造を形成してもよい。
【0082】
図3A及び
図3Bを参照すると、第1、第2及び第3発光積層体20、30及び40の各々の様々な部分は、第1型半導体層21、第1下部コンタクト電極25p、第1型半導体層31、第2下部コンタクト電極35p、第3下部コンタクト電極45p及び第1型半導体層41の一部を露出させるために、エッチング処理などを介してパターニングされてもよい。図示の例示的な実施形態によれば、第1発光積層体20は、発光積層体20、30及び40の中で最も小さい面積を有する。しかし、本発明の概念は、発光積層体20、30及び40の相対的な大きさに限定されない。
【0083】
図4A及び
図4Bを参照すると、第1発光積層体20の第1型半導体層21の上面の一部が、例えばウェットエッチングを介してパターニングされ、そこに第1上部コンタクト電極21nが形成されていてもよい。上述したように、第1上部コンタクト電極21nは、第1型半導体層21のパターニングされた領域に、その間のオーミック接触を向上させるために、例えば100nm程度の厚さで形成されてもよい。
【0084】
図5A及び
図5Bを参照すると、発光積層体20、30及び40を覆うように第1絶縁層81を形成し、第1絶縁層81の一部を除去して、第1、第2、第3及び第4コンタクトホール20CH、30CH、40CH及び50CHを形成してもよい。第1コンタクトホール20CHは、第1n型コンタクト電極21nの一部を露出させるように、第1n型コンタクト電極21n上に規定されている。
【0085】
また、第2コンタクトホール30CHは、第2発光積層体30の第1型半導体層31の一部を露出させてもよい。第3コンタクトホール40CHは、第3発光積層体40の第1型半導体層41の一部を露出させてもよい。第4コンタクトホール50CHは、第1、第2及び第3下部コンタクト電極25p、35p及び45pの一部を露出させてもよい。第4コンタクトホール50CHは、第1下部コンタクト電極25pの一部を露出させる第2サブコンタクトホール50CHbと、第2及び第3下部コンタクト電極35p及び45pを露出させる第1サブコンタクトホール50CHaとを含んでもよい。しかし、いくつかの例示的な実施形態では、単一の第1サブコンタクトホール50CHが、第1、第2及び第3下部コンタクト電極25p、35p及び45pのそれぞれを露出させてもよい。
【0086】
図6A及び
図6Bを参照すると、第1、第2、第3及び第4パッド20pd、30pd、40pd及び50pdは、第1、第2、第3及び第4コンタクトホール20CH、30CH、40CH及び50CHが形成された第1絶縁層81上に形成されている。なお、第1、第2、第3及び第4パッド20pd、30pd、40pd及び50pdは、例えば、基板11の実質的な全面に導電層を形成し、フォトリソグラフィプロセスなどを用いて導電層をパターニングすることで形成することができる。
【0087】
第1パッド20pdは、第1コンタクトホール20CHが形成された領域に重なるように形成されており、第1パッド20pdが第1コンタクトホール20CHを介して第1発光積層体20の第1上部コンタクト電極21nに接続され得るようになっている。第2パッド30pdは、第2コンタクトホール30CHが形成された領域と重なるように形成されており、第2パッド30pdが第2コンタクトホール30CHを介して第2発光積層体30の第1型半導体層31に接続され得るようになっている。第3パッド40pdは、第3コンタクトホール40CHが形成された領域と重なるように形成されており、第3パッド40pdが第3コンタクトホール40CHを介して第3発光積層体40の第1型半導体層41と接続され得るようになっている。また、第4パッド50pdは、第4コンタクトホール50CHが形成された領域、より詳細には、第1サブコンタクトホール50CHa及び第2サブコンタクトホール50CHbが形成された領域と重なるように形成されており、第4パッド50pdが第1サブコンタクトホール50CHa及び第2サブコンタクトホール50CHbを介して第1、第2、第3発光積層体20、30及び40の第1、第2、第3下部コンタクト電極25p、35p、45pに接続されてもよいようになっている。
【0088】
図7A及び
図7Bを参照すると、第2絶縁層83は、第1絶縁層81上に形成されてもよい。第2絶縁層83は、酸化シリコン及び/又は窒化シリコンを含んでもよい。しかし、本発明の概念はこれに限定されるものではなく、いくつかの例示的な実施形態において、第1絶縁層81及び第2絶縁層83は、無機材料を含んでいてもよい。次に、第2絶縁層83をパターニングして、その中に第1、第2、第3及び第4貫通孔20ct、30ct、40ct及び50ctを形成する。
【0089】
第1パッド20pdに形成された第1貫通孔20ctは、第1パッド20pdの一部を露出させる。第2パッド30pdに形成された第2貫通孔30ctは、第2パッド30pdの一部を露出させる。第3パッド40pdに形成された第3貫通孔40ctは、第3パッド40pdの一部を露出させる。第4パッド50pdに形成された第4貫通孔50ctは、第4パッド50pdの一部を露出させる。図示された例示的な実施形態では、第1、第2、第3及び第4貫通孔20ct、30ct、40ct及び50ctは、第1、第2、第3及び第4パッド20pd、30pd、40pd及び50pdが形成される領域にそれぞれ定義されてもよい。
【0090】
図8A及び
図8Bを参照すると、第1、第2、第3及び第4バンプ電極20bp、30bp、40bp及び50bpは、第1、第2、第3及び第4スルーホール20ct、30ct、40ct及び50ctが形成された第2絶縁層83上に形成されている。第1バンプ電極20bpは、第1貫通孔20ctが形成されている領域と重なるように形成されており、第1バンプ電極20bpが第1貫通孔20ctを介して第1パッド20pdと接続されるようになっている。第2バンプ電極30bpは、第2貫通孔30ctが形成された領域と重なるように形成されており、第2バンプ電極30bpが第2貫通孔30ctを介して第2パッド30pdに接続されるようになっていてもよい。第3バンプ電極40bpは、第3貫通孔40ctが形成されている領域と重なるように形成されており、第3バンプ電極40bpが第3貫通孔40ctを介して第3パッド40pdと接続されるようになっていてもよい。また、第4バンプ電極50bpは、第4貫通孔50ctが形成されている領域と重なるように形成されており、第4バンプ電極50bpが第4貫通孔50ctを介して第4パッド50pdに接続されるようになっている。なお、第1、第2、第3及び第4バンプ電極20bp、30bp、40bp及び50bpは、例えば、Ni、Ag、Au、Pt、Ti、Al、Crなどのうちの少なくとも1つを含む導電層を、基板11上に成膜し、パターニングすることによって形成してもよい。
【0091】
図9A及び
図9Bを参照すると、パッシベーション層90は、発光積層構造上に形成されている。上述したように、例示的な実施形態によるパッシベーション層90は、エポキシモールディングコンパウンド(EMC)を含んでもよく、黒や透明などの様々な色で形成されていてもよい。しかし、本発明の概念はこれに限定されるものではなく、いくつかの例示的な実施形態では、パッシベーション層90はポリイミド(PID)を含んでもよく、この場合、PIDは発光積層構造体に適用されたときの平坦度を高めるために、液状タイプではなくドライフィルムとして提供されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、パッシベーション層90は、感光性を有する材料を含んでもよい。
【0092】
例示的な実施形態によれば、PIDを含むようなパッシベーション層90を形成する層を、発光積層構造の実質的に外側の表面全体に堆積させてもよい。その後、この層は、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceがそれぞれ接続された第1バンプ電極20bp、第2バンプ電極30bp、第3バンプ電極40bp及び第4バンプ電極50bpのそれぞれの少なくとも一部を露出させるように、リソグラフィプロセスなどを介してパターニングされてもよい。なお、図面では、パッシベーション層90が発光チップ100の各角部を平面的に露出させているが、本発明の概念はこれに限定されるものではない。例えば、パッシベーション層90は、実質的に長方形の形状を有する基板11の少なくとも1つの角の周りに配置された第3発光積層体40の部分を露出させてもよい。例えば、パッシベーション層90によって、第1バンプ電極20bp、第2バンプ電極30bp、第3バンプ電極40bp及び第4バンプ電極50bpの少なくとも一部が露出していれば、発光チップ100の他の様々な部分が露出していてもよい。
【0093】
パッシベーション層90は、発光積層構造の上面を覆ってもよく、これにより、発光積層構造、特にその上部に配置された第1発光積層体20が、製造時の外部応力から保護されてもよい。図示された例示的な実施形態によれば、パッシベーション層90は、基板11に対して傾斜した角度G及びG’(
図1C及び
図1D参照)を形成してもよく、すなわち、パッシベーション層90の内面と第3発光積層体40の上面との間に角度G及びG’が規定されてもよい。例えば、パッシベーション層90と基板との間に形成される角度G及びG’は、約80°以下であってもよい。傾斜角G及びG’が約80°よりも大きい場合、パッシベーション層90は、発光積層構造の側面に形成された段差を十分に覆うことができない場合がある。いくつかの例示的な実施形態では、パッシベーション層90と基板11との間の傾斜G及びG’は、約60°よりも大きく、約70°よりも小さくてもよい。このようにして、パッシベーション層90上に形成される接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceも、発光積層構造上に安定して形成されてもよい。さらに、パッシベーション層90は、第3発光積層体40とは反対側を向く上面と、上面と交差する側面とを有していてもよい。パッシベーション層90の上面と側面との間のエッジが滑らかな角度を形成してもよく、その上に形成される接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceが実質的に均一な厚さを有するようにしてもよい。しかしながら、本発明の概念はこれに限定されるものではなく、いくつかの例示的な実施形態では、パッシベーション層90の上面と側面との間に実質的に鋭利なエッジが形成されてもよい。
【0094】
図10A及び
図10Bを参照すると、パッシベーション層90上には、互いに間隔をあけて配置された第1、第2、第3、第4接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceが形成されている。
図1B~
図1Dに戻って、発光積層構造上には、互いに間隔を空けて第1、第2、第3、第4接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceが形成されている。第1、第2、第3、第4接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceは、それぞれ第1、第2、第3、第4バンプ電極20bp、30bp、40bp及び50bpと電気的に接続されて、発光積層体20、30及び40のそれぞれに外部信号を伝達してもよい。より詳細には、図示の例示的な実施形態によれば、第1接続電極20ceは、第1パッド20pdを介して第1上部コンタクト電極21nに接続された第1バンプ電極20bpに接続されて、第1発光積層体20の第1型半導体層21に電気的に接続されていてもよい。また、第2接続電極30ceは、第2パッド30pdを介して第2バンプ電極30bpに接続され、第2発光積層体30の第1型半導体層31に電気的に接続されていてもよい。また、第3接続電極40ceは、第3パッド40pdに接続された第3バンプ電極40bpに接続されて、第3発光積層体40の第1型半導体層41に電気的に接続されていてもよい。また、第4接続電極50ceは、第4パッド50pdに接続された第4バンプ電極50bpに接続されて、第1、第2、第3下部コンタクト電極25p、35p、45pを介して、発光積層体20、30及び40の第2型半導体層25、35、45にそれぞれ電気的に接続されていてもよい。
【0095】
第1、第2、第3及び第4接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceの形成方法は特に限定されない。例えば、例示的な実施形態によれば、第1、第2、第3及び第4接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceとして形成する導電層をパッシベーション層90上に成膜し、各導電層がそれぞれパッシベーション層90によって露出した第1バンプ電極20bp、第2バンプ電極30bp、第3バンプ電極40bp及び第4バンプ電極50bpの一部と重なるように、フォトリソグラフィなどを用いて導電層をパターニングしてもよい。例示的な実施形態による導電層(例えば、接続電極)は、Cu、Ni、Ti、Sb、Zn、Mo、Co、Sn、Ag又はそれらの合金などの金属を含んでいてもよい。この場合、別のめっき工程を省略してもよい。いくつかの例示的な実施形態では、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceの酸化を防止又は少なくとも抑制するために、無電解ニッケル浸漬金(ENIG)などにより、導電層上に追加の金属を析出させてもよい。
【0096】
図示された例示的な実施形態によれば、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceのそれぞれは、発光積層構造及びパッシベーション層90を実質的に覆うように、基板11から離れるように突出する湾曲した形状を有していてもよい。図面に示すように、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceのそれぞれは、発光積層構造と外部の配線又は電極との間の電気的接続を容易にするとともに、その後の接合及び転写ステップ中に発光チップ100とPCBなどの他の要素との接着性を高めるために、実質的に平坦な上面を有していてもよい。また、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceは、各発光積層体20、30及び40の少なくとも一部を取り囲んで発光積層構造を保護してもよく、これにより、発光チップ100は、パッシベーション層90とともに、その後の様々な工程に耐えうる、より安定した構造を有することになる。例えば、例示的な実施形態による後続の工程で基板11が発光チップ100から取り外されるとき、発光積層構造を実質的に取り囲む接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceは、発光積層構造に直接印加されるはずの応力の少なくとも一部を吸収し、それによって製造中の発光チップ100を保護することができる。
【0097】
なお、図面では、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceのうち、パッシベーション層90の上面に配置された部分の間にはパッシベーション層90が形成されていないが、本発明の概念はこれに限定されるものではない。例えば、
図11を参照すると、別の例示的な実施形態による発光チップ200において、パッシベーション層90は、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceのうちパッシベーション層90の上面に配置される部分の間に形成され、パッシベーション層90の上面が接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceの上面と実質的に同一平面になるようにしてもよい。このようにすることで、後の工程において、発光チップ200とプリント基板等との密着性をさらに強化することができる。なお、パッシベーション層90のうち、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceの間に配置される部分は、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceを形成する前に形成してもよいし、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceを形成した後に形成してもよい。なお、図示した例示的な実施形態による発光チップ200の構成要素は、上述した発光チップ100の構成要素と実質的に同じであるため、実質的に同じ要素についての繰り返しの説明は、冗長性を避けるために省略する。
【0098】
図12を参照すると、さらに別の例示的な実施形態による発光チップ300は、実質的に湾曲した形状を有する接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceを含む。図示された例示的な実施形態によれば、発光積層構造上に形成されたパッシベーション層90は、実質的に丸みを帯びた角部を有してもよく、その上に形成された接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceもその角部が実質的に丸みを帯びてもよい。このようにすれば、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceがパッシベーション層90上に安定して配置され、その界面が滑らかな角を形成するため、両者の面接触が向上する。なお、図示した例示的な実施形態による発光チップ300の構成要素は、上述した発光チップ100の構成要素と実質的に同じであるため、実質的に同じ要素についての繰り返しの説明は、冗長性を避けるために省略する。
【0099】
図示した例示的な実施形態によれば、第3の接続電極40ceは、第1の接続電極20ceに対して非対称であることが示されている。より詳細には、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceのそれぞれは、パッシベーション層90と重ならない部分を有していてもよく、例えば
図11及び
図12では、基板11の対向する2つの端部付近において、第3接続電極40ceのそれらが第1接続電極20ceのそれらよりも面積が大きいことが示されている。しかし、本発明の概念はこれに限定されるものではなく、いくつかの例示的な実施形態では、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceのそれぞれは、互いに対称であってもよい。例えば、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceのそれぞれのうち、パッシベーション層90と重ならない部分は、互いに同じ面積を有していてもよい。
【0100】
図13、
図14及び
図15は、例示的な実施形態による発光パッケージの製造工程を模式的に示す断面図である。
【0101】
上述した発光チップ100のアレイは、基板11を切断することで個片化され、各発光チップ100は、当技術分野で知られている様々な方法で移送され、パッケージ化されてもよい。
【0102】
図13を参照すると、発光チップ100は、回路基板11pに実装されていてもよい。例示的な実施形態によれば、回路基板11pは、互いに電気的に接続された上部回路電極11pa、下部回路電極11pc及びそれらの間に配置された中間回路電極11pbを含んでもよい。上部回路電極11paは、第1、第2、第3及び第4接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceのそれぞれに対応していてもよい。例示的な実施形態によれば、発光チップ100の下部回路電極11pcは、所定のピッチで互いに離間していてもよく、このピッチは、ディスプレイ装置など、発光チップ100が実装される最終ターゲット装置の電極のピッチに対応していてもよい。いくつかの例示的な実施形態において、上部回路電極11paは、高温で部分的に溶融されることにより、発光チップ100の接続電極との電気的な接続を容易にするために、ENIGにより表面処理されてもよい。
【0103】
例示的な実施形態によれば、発光チップ100の第1、第2、第3及び第4接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceは、例えば、異方性導電膜(ACF)接合によって、それぞれ回路基板11pの上部回路電極11paに接合されてもよい。他の接合方法に比べて低温で行うことができるACF接合によって発光チップ100を回路基板11pに接合する場合、接合時に発光チップ100が高温に曝されることを防ぐことができる。しかしながら、本発明の概念は、特定の接合方法に限定されるものではない。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、発光チップ100は、異方性導電ペースト(ACP)、はんだ、ボールグリッドエリア(ball grid area:BGA)又は、Cu及びSnの少なくとも一方を含むマイクロバンプを用いて回路基板11pに接合されてもよい。この場合、接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceの上面は、その湾曲形状から接触面積が広くなるため、発光チップ100と異方性導電膜との密着性が高まり、回路基板11pに接合した際に、より安定した構造を形成することができ、製造時の工程マージンを確保することができる。
【0104】
図14を参照すると、発光チップ100の間には、モールディング層91が形成されている。例示的な実施形態によれば、モールディング層91は、発光チップ100から放出された光の一部を透過させてもよく、また、外部の光の一部を反射、回折及び/又は吸収して、外部の光が発光チップ100によってユーザに視認され得る方向に向かって反射されるのを防止してもよい。また、モールディング層91は、発光チップ100の少なくとも一部を覆って、例えば、外部の湿気やストレスから発光チップ100を保護してもよい。このように、発光チップ100上に形成されたパッシベーション層90とともに、モールディング層91は、発光パッケージの構造をさらに強化することで、発光パッケージにさらなる保護を提供してもよい。
【0105】
例示的な実施形態によれば、モールディング層91が回路基板11pから離れる方向を向いた基板11の上面を覆うとき、モールディング層91は、発光チップ100から発せられる光の50%を少なくとも透過させるために、約100μm未満の厚さを有してもよい。例示的な実施形態では、モールディング層91は、有機ポリマー又は無機ポリマーを含んでもよい。いくつかの例示的な実施形態では、モールディング層91は、シリカ又はアルミナなどのピラーをさらに含んでもよい。いくつかの例示的な実施形態では、モールディング層91は、パッシベーション層90と同じ材料を含んでもよい。モールディング層91は、積層法、めっき法及び/又は印刷法など、当技術分野で知られている様々な方法によって形成されてもよい。例えば、モールディング層91は、発光パッケージの実質的に平面的な上面を提供することによって光の均一性を向上させるために、発光チップ100上に有機ポリマーシートを配置し、真空中で高温及び圧力を印加する真空ラミネートプロセスによって形成されてもよい。
【0106】
図15を参照すると、回路基板11p上に形成され、モールディング層91で覆われた発光チップ100は、所望の形状に切断されて、発光パッケージ110として形成されてもよい。例えば、発光パッケージ110は、その中に単一の発光チップ100を含んでいてもよいし、2×2配列のように、その中に複数の発光チップを含んでいてもよい。しかし、本発明の概念は、発光パッケージ110に形成される発光チップの数が特定の数であることに限定されない。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、発光パッケージ110は、回路基板11p上に形成された1つ以上の発光チップ100を含んでいてもよい。また、本発明の概念は、発光パッケージ110における1つ又は複数の発光チップ100の特定の配置に限定されない。例えば、発光パッケージ110内の1つ以上の発光チップ100は、n×m配列であってもよく、n及びmはゼロよりも大きい自然数である。例示的な実施形態によれば、回路基板11pは、発光パッケージ110に含まれる発光チップ100のそれぞれを独立的に駆動するためのスキャン線及びデータ線を含んでもよい。
【0107】
図16を参照すると、発光パッケージ110は、表示装置などの最終装置のターゲット基板11dに実装されてもよい。ターゲット基板11dは、発光パッケージ110の下部回路電極11pcにそれぞれ対応するターゲット電極を含んでもよい。例示的な実施形態によれば、表示装置は、複数の画素を含んでもよく、発光チップ100の各々は、各画素に対応するように配置されてもよい。より詳細には、例示的な実施形態による発光チップ100の発光積層体のそれぞれは、1つのピクセルの各サブピクセルに対応してもよい。発光チップ100は、垂直方向に積層された発光積層体20、30及び40を含むので、各サブピクセルのために転写する必要があるチップの数は、従来の発光装置におけるそれよりも大幅に減少し得る。また、例示的な実施形態による接続電極20ce、30ce、40ce及び50ceは湾曲しており、発光積層構造を覆うパッシベーション層90を実質的に取り囲んでいるため、発光チップ100を外部応力から保護することができる。以上、発光チップ100は、回路基板11pに実装された後、パッケージ化されて、表示パネルなどの最終デバイスに実装されるものとして説明したが、本発明の概念はこれに限定されない。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、発光チップ100は、モールディング層91で覆われていてもよいし、モールディング層91がなくてもよく、表示パネルなどの最終デバイスに直接実装されてもよい。
【0108】
図16及び
図17は、別の例示的な実施形態による発光パッケージの製造工程を模式的に示す断面図である。
【0109】
図13に戻って、別の例示的な実施形態によれば、
図16に示すように、発光チップ100上に接着した基板11を、レーザーリフトオフ(LLO)工程、化学工程、機械工程などによって除去してもよい。この場合、本発明の原理に従って構成された発光チップ100は、上述したように内部構造が強化されているので、基板11が除去されても、発光チップ100に含まれる発光積層構造は、外部応力から保護されていてもよい。
【0110】
例示的な実施形態によれば、基板11がパターン化されたサファイア基板である場合、光効率を向上させるために、基板11に接触した第3発光積層体40の第1型半導体層41に凹凸部を形成してもよい。別の例示的な実施形態では、当技術分野で知られているように、エッチング又はパターニングによって、第3発光積層体40の第1型半導体層41に凹凸部を形成してもよい。
【0111】
図17を参照すると、発光チップ100の間にモールディング層91’が形成されており、発光チップ100を所望の構成で切断して、発光パッケージ120を提供してもよい。例示的な実施形態によれば、モールディング層91’は、発光チップ100を覆ってもよい。モールディング層91’は、上述したモールディング層91と実質的に同じであり、また、発光パッケージ120における発光チップ100の配置は、上述した発光パッケージ110と実質的に同じであるため、冗長性を避けるために、その繰り返しの説明は省略する。
【0112】
本明細書では、特定の例示的な実施形態及び実装を説明してきたが、他の実施形態及び修正がこの説明から明らかであろう。したがって、本発明の概念は、そのような実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲のより広い範囲と、当業者には明らかな、様々な自明な変更や均等物にも適用されるものである。