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特許7599465スマートウォッチ着用者の人生における特定のイベントをアーカイブする方法
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  • 特許-スマートウォッチ着用者の人生における特定のイベントをアーカイブする方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】スマートウォッチ着用者の人生における特定のイベントをアーカイブする方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241206BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022176050
(22)【出願日】2022-11-02
(65)【公開番号】P2023092463
(43)【公開日】2023-07-03
【審査請求日】2022-11-02
(31)【優先権主張番号】21216578.1
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】592081254
【氏名又は名称】スワッチ・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ステファーヌ・ギャマール
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-527007(JP,A)
【文献】特開2021-093042(JP,A)
【文献】特開2016-095690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマートウォッチの着用者の人生における特定のイベントに関連するマルチメディアメッセージをアーカイブする方法であって、前記方法は、
-前記スマートウォッチに接続する電子装置の少なくとも1つのプロセッサによって、前記着用者の生体情報の少なくとも1つを追跡することであって、前記追跡することは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記スマートウォッチに含まれる生体情報センサから得られる、前記生体情報のなくとも1つのデータにおける変化を取得することを備える、前記追跡することと、
-前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記追跡された前記着用者の前記生体情報の少なくとも1つの前記測データにおける変化に基づいて、前記着用者の人生における特定の前記イベントを検出することと、
-前記スマートウォッチによって、前記着用者に対して、前記着用者にとって特定の前記イベントの前記検出の通知を拡散することと、
-前記着用者が、前記スマートウォッチ上で、前記通知に応じて、前記特定のイベントに関連するマルチメディアメッセージを設計することと、
-前記プロセッサによって、前記着用者の特定のイベントに関連する前記マルチメディアメッセージを含むメッセージをアーカイブするように構成されたサーバのデータベースに、前記マルチメディアメッセージを送信することと、
-前記マルチメディアメッセージを含むメッセージを、前記サーバによって、前記サーバのデータベースにアーカイブすることと、
を備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記方法は、前記通知が拡散された後に、前記スマートウォッチのディスプレイ上に、前記着用者が経験した前記特定のイベントに関連する前記マルチメディアメッセージを入力するための特定のインターフェースを表示するステップを備える、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記マルチメディアメッセージの前記設計は、前記スマートウォッチによって、前記スマートウォッチのディスプレイ上に表示される特定のインターフェースを用いて前記マルチメディアメッセージを作成することを備える、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記マルチメディアメッセージの前記設計は、前記電子装置によって、前記マルチメディアメッセージを完成させることを備える、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記変化の検出は、前記測定データに含まれる少なくとも1つの生体情報の測定を、対応する生体情報の参照測定と比較することによって、受信した前記測定データを監視することを備える、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記変化の検出はさらに、所定の期間において、前記測定データに含まれる生体情報の測定が、対応する生体情報の参照測定を超えるという判断に基づいて、検出メッセージを生成することを備える、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記通知を拡散することは、前記検出メッセージに基づいて前記通知を生成することを備える、方法。
【請求項8】
スマートウォッチの着用者の人生における特定のイベントをアーカイブするシステムであって、前記システムは、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の前記方法を実装し、前記システムは、前記スマートウォッチと、前記着用者の生体情報の少なくとも1つを追跡するように構成される電子装置と、を備え、
本システムにおいて、前記スマートウォッチはまた、
-前記追跡された前記着用者の生体情報の少なくとも1つのデータの測定における変化に基づく、前記着用者にとって特定の前記イベントの前記検出の通知を、前記着用者に拡散するように構成され、
-前記通知に応じて、前記着用者に、前記スマートウォッチ上で、前記特定のイベントに関連するマルチメディアメッセージを設計させるように構成され、
前記電子装置はまた、前記着用者の特定のイベントに関連する、前記マルチメディアメッセージを含むメッセージをアーカイブするように構成されたサーバのデータベースに、前記マルチメディアメッセージを送信するように構成される、システム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムであって、前記電子装置は、設計中に、前記マルチメディアメッセージを完成させるように構成されることを備える、システム。
【請求項10】
請求項8に記載のシステムであって、前記スマートウォッチは、
-前記スマートウォッチの視覚情報を配信するためのンターフェース上に、前記通知が拡散された直後に、前記着用者が経験した前記特定のイベントに関連する前記マルチメディアメッセージを入力するための特定のインターフェースを表示するように構成され、または、
-前記スマートウォッチの視覚情報を配信するための前記インターフェース上に、前記着用者が前記通知を受信したことを前記スマートウォッチ検出した時にのみ、前記着用者が経験した前記特定のイベントに関連する前記マルチメディアメッセージを入力するための特定のインターフェースを表示するように構成される、システム。
【請求項11】
請求項8に記載のシステムであって、前記スマートウォッチは、前記スマートウォッチの視覚情報を配信するためのンターフェース上に表示される特定のインターフェースからマルチメディアメッセージを作成することによって、前記マルチメディアメッセージを設計するように構成される、システム。
【請求項12】
コンピュータ命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ命令は、ウォッチに接続する電子装置の少なくとも1つのプロセッサに、
-前記ウォッチに含まれる生体情報センサから得た測定データに基づいて、前記ウォッチの着用者の生体情報の少なくとも1つを追跡させ、前記追跡させることは、前記着用者の前記生体情報の少なくとも1つのデータの測定における変化を取得させることを含み、
-前記追跡された前記着用者の生体情報の少なくとも1つのデータの測定における変化に基づいて、前記着用者の人生における特定のベントを検出させ、
-前記少なくとも1つの感情的要因のカテゴリの前記変化の検出メッセージを前記ウォッチに送信させ、
-前記検出メッセージに応じて、前記ウォッチ上で、前記着用者によって設計される、前記特定のイベントに関連するマルチメディアメッセージを、前記マルチメディアメッセージを含むメッセージをアーカイブするように構成されたサーバのデータベースに送信させるように構成される、媒体。
【請求項13】
コンピュータ命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ命令は、スマートウォッチの少なくとも1つのプロセッサに、
-前記スマートウォッチに接続する電子装置から得た、前記スマートウォッチの着用者の生体情報の少なくとも1つのデータの測定における変化に基づいて、前記スマートウォッチによって、前記着用者に対して、前記着用者の人生における特定のイベントの検出の通知を拡散させ、前記特定のイベントは、前記電子装置の少なくとも1つのプロセッサによって、前記着用者の前記生体情報の少なくとも1つのデータの測定における変化に基づいて検出されたものであり、
-前記通知に応じて、前記着用者に、前記スマートウォッチ上で、前記特定のイベントに関連するマルチメディアメッセージを設計させる、媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、スマートウォッチ着用者の人生における特定のイベントをアーカイブする方法に関し、上記方法を用いてこの特定のイベントをアーカイブするシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
すべての人の人生には、数多くのイベントが散りばめられている。学校、家族、仕事、生涯学習、趣味、旅行および経歴は人生の連鎖であり、各人はそこでしばしば重大なイベントを経験する。
【0003】
さらに、イベントに対して各人が様々な観点や経験を有するため、これらの重大なイベントそれぞれの記憶は各人に固有のものである。
【0004】
この観点から、一般的な問題は、これらの人生におけるイベントのいくつかを正確に覚えることはしばしば難しいという事実に関連する。
【0005】
従来技術では、インターネットサイトによって実装される方法を用いることが既知である。この方法では、重大な人生のイベントに関連する画像または動画をアーカイブすることが可能となり、いつでも閲覧することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の実施形態は、既存の方法に対する代替を提示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために、本開示の実施形態は、スマートウォッチ着用者の人生における特定のイベントをアーカイブする方法を含む。本方法は、以下のステップを備える。
-着用者の感情的要因の少なくとも1つのカテゴリを追跡することと、
-追跡された着用者の感情的要因の少なくとも1つのカテゴリで変化が生じたとき、スマートウォッチから着用者に対して、特定のイベントの検出の通知を拡散することと、
-通知に応じて、特定のイベントに関連するマルチメディアメッセージを設計することと、
-着用者の特定のイベントに関連するメッセージをアーカイブするように構成されるサーバのデータベースに、マルチメディアメッセージを保存すること。
【0008】
別の実施形態では、
-本方法は、通知が拡散された後に、スマートウォッチの視覚情報を配信するためのインターフェース上に、着用者が経験した特定のイベントに関連するマルチメディアメッセージを入力するための特定のインターフェースを表示するステップを備え、
-マルチメディアの設計は、スマートウォッチによってマルチメディアメッセージを作成することを備え、マルチメディアメッセージは、スマートウォッチの視覚情報を配信するためのインターフェース上に表示される特定のインターフェースを用いて作成され、
-マルチメディアメッセージを設計するステップは、スマートウォッチからマルチメディアメッセージを作成するサブステップを備え、
-マルチメディアメッセージを設計するステップは、電子装置からマルチメディアメッセージを完成させることから成るサブステップを備え、
-追跡ステップは、スマートウォッチに含まれる生体情報センサから得られる、感情的要因の測定データにおける変化を検出するサブステップを備え、
-追跡ステップは検出のサブステップを含み、サブステップは受信した測定データを監視することを備え、測定データに含まれる各感情的要因はその感情的要因の参照測定と比較され、
-追跡ステップは検出のサブステップを含み、サブステップは、所定の期間において、測定データが提供する感情的要因の連続した測定が、その感情的要因の参照測定を超えることに基づいて、検出メッセージを生成する段階を備え、
-通知を拡散するステップは、検出メッセージに基づいて通知を生成するサブステップを備える。
【0009】
本開示の実施形態はまた、本方法を実施するスマートウォッチ着用者の人生における特定のイベントをアーカイブするシステムも含む。本システムは、生体情報センサを備えるスマートウォッチと、電子装置と、データベースを含むサーバとを備える。データベースは着用者の特定のイベントに関連するマルチメディアメッセージをアーカイブするように構成される。
【0010】
本開示の実施形態はまた、前述の記載により本方法を実施する、スマートウォッチ着用者の人生における特定のイベントをアーカイブするシステムも含む。本システムは、スマートウォッチと、着用者の感情的要因の少なくとも1つのカテゴリを追跡するように構成される電子装置とを備える。本システムにおいて、スマートウォッチはまた、
-追跡された着用者の感情的要因の少なくとも1つのカテゴリで起こる変化に基づいて、着用者にとって特定のイベントの検出の通知を着用者に拡散するように構成され、
-通知に応じて、特定のイベントに関連するマルチメディアメッセージを設計するように構成される。
電子装置はまた、マルチメディアメッセージを本システムのサーバのデータベースに送信するように構成される。サーバのデータベースは、着用者の特定のイベントに関連するマルチメディアメッセージを含むメッセージをアーカイブするように構成される。
【0011】
別の実施形態では、
-電子装置は設計中に、マルチメディアメッセージを完成させるように構成され、
-スマートウォッチは、スマートウォッチの視覚情報を配信するためのインターフェース上に、通知が拡散された直後に、着用者が経験した特定のイベントに関連するマルチメディアメッセージを入力するための特定のインターフェースを表示するように構成され、
-スマートウォッチは、スマートウォッチの視覚情報を配信するためのインターフェース上に、着用者が本通知を受信したことをスマートウォッチの処理装置が検出した時にのみ、着用者が経験した特定のイベントに関連するマルチメディアメッセージを入力するための特定のインターフェースを表示するように構成され、
-スマートウォッチは、スマートウォッチの視覚情報を配信するためのインターフェース上に表示される特定のインターフェースから、マルチメディアメッセージを作成することによって、マルチメディアメッセージを設計するように構成される。
【0012】
本開示の実施形態はまた、非一時的なコンピュータ可読媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体は、スマートウォッチと、電子装置と、サーバとに本方法を実施させる命令を記憶する。
【0013】
本開示の実施形態はまた、任意に媒体に記憶されるコンピュータプログラムを含む。コンピュータプログラムは、スマートウォッチと、電子装置と、サーバとに本方法を実施させる命令を備える。
【0014】
本開示の実施形態の非限定的実施例を、添付図を参照して以下詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の実施形態による、スマートウォッチ着用者の人生における特定のイベントをアーカイブするシステムを例示する概略図である。
図2】本開示の実施形態による、特定のイベントをアーカイブする方法に関連するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここで図を参照して、本開示の実施形態による、スマートウォッチ2の着用者の人生における特定のイベントをアーカイブするシステム1および方法を詳細に説明する。
【0017】
簡潔に述べると、本システム1および方法によって、着用者は自分の人生における特定のイベントの記憶を保持することが可能となる。本特定のイベントは、着用者の感情的変化の検出から特定される。さらに、本システム1および方法によって、着用者は、記録することを決定した自分の人生における特定のイベントを選ぶ/選択することが可能となる。これは、本技術分野で既知のシステムおよび方法では、検出された着用者の人生におけるすべてのイベントを区別せずに、自動的に記録することとは反対である。換言すれば、本発明において、検出されたイベントはスマートウォッチ着用者の同意を得て記録される。
【0018】
特定のイベントは、着用者の人生において重大な影響を持つ事実として定義することができる。たとえば、若い女性が妊娠していることに気づくことは、特定のイベントの良い実例である。
【0019】
まず図1を参照すると、本システム1は、スマートウォッチ2と、電子装置3と、データベース5を含むサーバ4とを備える。本システム1はまた、電子装置3、スマートウォッチ2、サーバ4を接続する無線または有線のネットワークアーキテクチャを備える。
【0020】
本システム1において、スマートウォッチ2は、ウォッチケースなどの本体と、たとえば着用者の腕に本体を固定できる腕輪などの取り付け要素とを備える。より具体的には、本スマートウォッチ2は、非限定的および/または非網羅的様式で以下を備える。
-ハードウェアおよびソフトウェアリソースを含む処理装置8(「コントローラ」とも称される)であって、具体的には、記憶素子と協働する少なくとも1つのプロセッサと、
-視覚情報を配信するためのデジタルディスプレイなどのインターフェース9と、
-音声情報を配信するためのラウドスピーカなどのインターフェース10と、
-無線通信インターフェース11(たとえば、携帯電話、WLANブルートゥース(登録商標)など)と、
-たとえば、視覚情報を配信するためのインターフェースに含まれるタッチインターフェースなどの入力インターフェース12と、
-マイクロホン13と、
-着用者の生体情報を測定する生体情報センサ14。
【0021】
本スマートウォッチ2では、処理装置はとりわけ、視覚情報および音声情報を配信するためのインターフェース9、10と、入力インターフェース12と、マイクロホン13と、さらに無線通信インターフェース11と、生体情報センサ14とに接続する。実施形態によると、生体情報センサ14は、スマートウォッチ2の裏蓋および/または取り付け要素内に配置可能である。
【0022】
すでに特定したように、生体情報センサ14は、着用者の生体情報を測定する。本生体情報は主に、着用者の行動および生理的特性に結び付く様々な感情的要因に関連する。この観点から、生体情報は、非限定的および非網羅的な方法で以下列挙する感情的要因の複数のカテゴリを備える。たとえば、呼吸、発汗量、心拍、呼吸、まばたき、眼球運動、注視時間、瞳孔の直径、血圧、脳波、体動、姿勢、皮膚温度、電気皮膚反応(GSR)、微小振動(MV)、筋電図(EMG)、および血中酸素飽和度(SPO2)を備える。感情的要因のこれらのカテゴリは、心電図測定単位、EMG測定単位、頭部電圧測定単位、赤外線画像強度解析、圧力センサ、温度センサ、または発汗センサによって測定されてもよい。生体情報センサ14は、感情的要因、たとえば着用者の心拍を検出できるような場所で、着用者によって支持されるように構成されてもよい。または生体情報センサ14は、着用者の皮膚と接触し、抵抗などのパラメータを測定可能な位置で着用者に着用されるように構成されてもよい。
【0023】
本システム1において、サーバ4(リモートサーバなど)は、複数の着用者の情報に関する複数のデータを備えることが可能なデータベース5と、各データに対して、着用者の特定のイベントに関する少なくとも1つのマルチメディアメッセージ7とを含む。
【0024】
本サーバ4はまた、制御部17(「コントローラ」とも称される)と、通信ユニット18とを備える。本サーバ4において、制御部17は、ハードウェアと、ソフトウェアリソース、具体的には少なくとも1つのプロセッサと協働するメモリ要素とを含む。本制御部17は、コンピュータプログラムを実装するための命令を実行可能である。たとえば、コンピュータプログラムは、サーバ4のデータベース5を管理し、電子装置3、具体的には電子装置3の処理装置15から到着するクエリ/命令/データ、および電子装置3の処理装置15に送信されるクエリ/命令/データを処理するように構成される。
【0025】
さらに、本システム1の電子装置3は、たとえば、コンピュータ、スマートフォンまたはタブレットからも成ることもある。このような電子装置3は、可動性があり、および/または持ち運び可能であり、および/またはコンパクトでありえる。本電子装置3は、非限定的および/または非網羅的な様式で以下を含む。
-ハードウェアおよびソフトウェアリソースを含む処理装置15(「コントローラ」とも称される)であって、具体的には記憶素子と協働する少なくとも1つのプロセッサと、
-情報データの視覚説明を表示する画面などのディスプレイモジュールと、
-ラウドスピーカなどの音声情報伝達のためのインターフェースと、
-電子装置3がサーバ4またはスマートウォッチ2と通信接続を確立できるようにする通信インターフェース16と、
-キーボードまたは、さらにはタッチセンサー式インターフェースなどの選択インターフェースと、
-少なくとも1つのマイクロホンを備える少なくとも1つの音声ストリームキャプチャモジュールと、
-少なくとも1つの画像センサを備える、少なくとも1つの画像を獲得するためのモジュール。
【0026】
本電子装置3において、処理装置15は、とりわけ、送信インターフェースと、通信インターフェース16と、獲得モジュールと、選択インターフェースとに接続する。本電子装置3の通信インターフェースは、データをリモートで受信および送信する通信要素を備える。データのリモート通信は、携帯電話ネットワーク、電話ネットワークによるIPタイプのデータネットワーク、またはWI-FIなどの中距離ネットワークもしくはブルートゥース技術を実装する短距離ネットワークによるIPタイプのデータネットワークを介して行われる。
【0027】
さらに、本電子装置3、処理装置15は、とりわけ、ディスプレイモジュール、伝達インターフェース、通信インターフェースおよび選択インターフェースに接続する。本処理装置15は、具体的にはコンピュータプログラムを実装するための命令を実施可能である。コンピュータプログラムは、たとえば、
-サーバ4、具体的にはサーバ4の制御部17が受信するクエリ/命令/データ、およびサーバ4の制御部17から送信されるクエリ/命令/データを処理するように構成され、および/または、
-スマートウォッチ2の処理装置8が受信するクエリ/命令/データ、およびスマートウォッチ2の処理装置8から送信されるクエリ/命令/データを処理するように構成される。
【0028】
さらに、本電子装置3の処理装置15は、アプリケーションまたはappとも称されるコンピュータプログラムを実行可能である。より具体的には、本文脈において、アプリケーションは「特定のイベントのアプリケーション」である。本処理装置15が本アプリケーションを実行するとき、本アプリケーションは以下に説明する方法においてステップの一部の実装に関与可能である。
【0029】
システム1は、図2に示すように、スマートウォッチ2の着用者の人生における特定のイベントをアーカイブする方法を実装可能である。
【0030】
このような方法は、スマートウォッチ2を電子装置3に接続するステップ100から開始する。本ステップ100において、スマートウォッチ2の処理装置8と、電子装置3の処理装置15は、通信インターフェース11、16によって、たとえば、ブルートゥース(商標)プロトコルを用いて互いに接続する。
【0031】
この接続が確立されると、特定のイベントのアプリケーションは電子装置3上でアクティブとなり、スマートウォッチ2の処理装置8とデータを交換することができる。換言すれば、電子装置3の処理装置15が、スマートウォッチ2と本電子装置3との間に接続が確立したことを検出するとすぐに、アプリケーションはアクティブになる。
【0032】
次に、本方法は、着用者の感情的要因の少なくとも1つのカテゴリを追跡するステップ101を含む。本ステップ101の実装中に、複数のカテゴリも同時に追跡可能であることを理解されたい。
【0033】
以下から分かるように、本ステップ101は、アプリケーションを実行する電子装置3の処理装置15によって実装され、また生体情報センサ14に接続するスマートウォッチ2の処理装置8によっても実装される。
【0034】
この観点から、本追跡ステップ101は、感情的要因の測定データを生体情報センサ14から受信するサブステップ102を備える。測定データは、具体的にはスマートウォッチ2の処理装置8によって受信され、次に、送信サブステップ103において、アプリケーションを実行する電子装置3の処理装置15に送信されてもよい。
【0035】
この観点から、処理装置15が実行する本アプリケーションは、受信した測定データから、着用者の人生における特定のイベントを検出することに関与するように構成される。そのために追跡ステップ101は、感情的要因の測定データの変化を検出するためのサブステップ104を含む。このサブステップ104は、受信した測定データを監視するための段階105を含む。本段階105において、測定データに含まれる各感情的要因測定は、本感情的要因の参照測定と比較される。本参照測定は、閾値と考えられてもよい。さらに、本サブステップ104は、所定の期間において、測定データが提供するこの感情的要因の連続した測定が、本感情的要因の参照測定を超える場合、検出メッセージを生成する段階106を備える。この観点から、感情的要因のカテゴリが心拍である場合、着用者の心拍数が、所定の期間内で本感情的要因の参照測定を超える数値だけ上昇するか、または参照測定を超える数値まで上昇するかに基づいて、検出メッセージが生成される。
【0036】
さらに、本サブステップ104は、連続した感情的要因測定に関する情報を記録する段階107を含む。感情的要因のカテゴリが心拍である場合、本情報は、その当時の着用者の心拍数に関連していてもよい。
【0037】
次に、本方法は、追跡された着用者の感情的要因の少なくとも1つのカテゴリにおいて変化が生じた場合、特定のイベントの検出通知6をスマートウォッチ2によって着用者に拡散するステップ108を備える。このようなステップ108は、電子装置3、より具体的にはアプリケーションを実行する処理装置15から検出メッセージを受信するサブステップ109を備える。次に、本ステップは、本メッセージに基づいて通知6を生成するサブステップ110を備える。たとえば、本通知6は、本スマートウォッチ2のウォッチケースの振動であってもよく、および/または本ウォッチ2のデジタルディスプレイ9上に、特に全画面に表示されるグラフィック表示による通知6であってもよく、および/または本ウォッチ2のラウドスピーカ10から発せられる音声であってもよい。
【0038】
次に、本方法は、スマートウォッチの視覚情報を配信するためのインターフェース9上に、特定のインターフェース、または特定のグラフィックインターフェースを表示するステップを含む。特定のインターフェース、または特定のグラフィックインターフェースは、通知が拡散された後に、着用者が経験した特定のイベントに関連するマルチメディアメッセージ7を入力するためのものである。本ステップ中に、特定のインターフェースは本通知が拡散された直後に表示される。代替的に、着用者が本通知を受信したことをスマートウォッチの処理装置が検出した時に、特定のインターフェースは表示される。本通知の検出は、本通知の受領、本通知の読み取り、または/および本通知の聞き取りを認識するために、着用者とスマートウォッチの相互作用に基づいて実現可能である。スマートウォッチの処理装置は、視覚情報および音声情報を入力インターフェース12、およびマイクロホン13に配信するためのインターフェース9、10に接続することによって、このような検出を実装するように構成される。
【0039】
本通知6に対応して、本方法は、着用者が経験した特定のイベントに関連するマルチメディアメッセージ7を設計するステップ111を備える。より具体的には、本ステップは、スマートウォッチの視覚情報を配信するためのインターフェース9上に表示される特定のインターフェースを用いて、スマートウォッチ2から本メッセージ7を作成するサブステップ112を備える。本メッセージ7は、たとえばスマートウォッチ2のマイクロホン13で録音したボイスメッセージであってもよい。この観点から、本特定のインターフェースは、着用者が本メッセージを記録しているときに、着用者を支援する情報を備える。実際に、本特定のインターフェースは、着用者が本メッセージを記録中に着用者を誘導するため、および/または着用者が本記録を制御できるように、インターフェース9上に表示されるグラフィック情報を含んでいてもよい。
【0040】
さらに、本方法111は、電子装置3からの本マルチメディアメッセージ7を完成させるサブステップ113を含む。たとえば、本メッセージ7は、以下の情報を用いて完成されてもよい。
-連続した感情的要因に関する記録された情報、
-特定のイベントに関連するグラフィック表示、
-特定のイベントのテキスト記述、
-特定のイベントに関連する歌、
-その他。
【0041】
本方法は、マルチメディアメッセージをサーバのデータベースに送信するステップ114を備える。サーバのデータベースは、着用者の特定のイベントに関連するマルチメディアメッセージを含むメッセージをアーカイブするように構成される。本ステップ114の間に、処理装置15はアプリケーションを実行し、マルチメディアメッセージ7をサーバ4の制御部17に送信する。次に本制御部17は、本マルチメディアメッセージ7をデータベース5内の着用者に関する情報19に関連するデータ内に保存する。
【0042】
当業者には、本開示の精神および範囲から逸脱せずに、本開示において様々な修正を行ってもよいことが明らかであろう。したがって、本開示は、本開示の実施形態の修正および変形を対象とすることを意図する。
【符号の説明】
【0043】
1 システム
2 スマートウォッチ
3 電子装置
4 サーバ
5 データベース
6 通知
7 マルチメディアメッセージ
8 処理装置
9 インターフェース
10 インターフェース
11 無線通信インターフェース
12 入力インターフェース
13 マイクロホン
14 センサ
15 処理装置
16 通信インターフェース
17 制御部
18 通信ユニット
19 情報
100 接続ステップ
101 追跡ステップ
102 受信サブステップ
103 送信サブステップ
104 検出サブステップ
105 監視段階
106 生成段階
107 記録段階
108 拡散ステップ
109 受信サブステップ
110 生成サブステップ
111 設計ステップ
112 作成サブステップ
113 完成サブステップ
114 送信ステップ
図1
図2