(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】ハイブリッド分散光ファイバセンシングシステム
(51)【国際特許分類】
G01D 5/353 20060101AFI20241206BHJP
G01B 11/00 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
G01D5/353 B
G01B11/00 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022193657
(22)【出願日】2022-12-02
【審査請求日】2023-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】390023582
【氏名又は名称】財團法人工業技術研究院
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】No.195,Sec.4,ChungHsingRd.,Chutung,Hsinchu,Taiwan 31040
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】リャウ シェンケイ
(72)【発明者】
【氏名】リ イェンチン
(72)【発明者】
【氏名】チェン ゲンイン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ヤメイ
(72)【発明者】
【氏名】リ ボヘン
(72)【発明者】
【氏名】リャオ チウェン
【審査官】藤澤 和浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-155409(JP,A)
【文献】特開2008-216123(JP,A)
【文献】特表2014-517269(JP,A)
【文献】特開2001-165808(JP,A)
【文献】特開2016-80600(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107607135(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106441447(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/353
G01B 11/00-11/30
G01M 11/00-11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブリルアン光時間領域解析法(Brillouin Optical Time Domain Analysis)および位相敏感光時間領域反射率計(Phase-sensitive Optical Time Domain Reflectometry)に基づくハイブリッド分散光ファイバセンシングシステムであって、
少なくとも、第1全ファイバコンポーネント偏光コントローラおよび第2全ファイバコンポーネント偏光コントローラに接続された、カプラに接続された狭線幅ファイバレーザを含み、
電気光学変調器が信号発生器を介して接続され、前記第1全ファイバコンポーネント偏光コントローラが前記電気光学変調器に接続され、前記電気光学変調器はさらに第1可変光減衰器、光アイソレータ、スイッチおよび被試験ファイバに接続され、
前記第2全ファイバコンポーネント偏光コントローラは、音響光学変調器、第1エルビウムドープファイバ増幅器、第2可変光減衰器、光サーキュレーター、第2エルビウムドープファイバ増幅器、チューナブルフィルタ、光検出器、DCブロック、およびデジタル蛍光体オシロスコープを接続するように構成され、
音響光学変調器は、ドライバおよびパルス発生器に接続される、ハイブリッド分散光ファイバセンシングシステム。
【請求項2】
前記第1全ファイバコンポーネント偏光コントローラ及び前記第2全ファイバコンポーネント偏光コントローラは、出力パワーを最大にするように光偏光状態を調整可能である、請求項1に記載の光ファイバセンシングシステム。
【請求項3】
前記音響光学変調器は、プローブ光を生成するために必要な正弦波信号をロードするために、前記ドライバに接続され、前記パルス発生器に接続される、請求項1に記載の光ファイバセンシングシステム。
【請求項4】
ブリルアン光時間領域解析法(Brillouin Optical Time Domain Analysis)および位相敏感光時間領域反射率計(Phase-sensitive Optical Time Domain Reflectometry)に基づくハイブリッド分散光ファイバセンシングシステムであって、
少なくとも、第1全ファイバコンポーネント偏光コントローラおよび第2全ファイバコンポーネント偏光コントローラに接続された、カプラに接続された狭線幅ファイバレーザを含み、
電気光学変調器が信号発生器を介して接続され、前記第1全ファイバコンポーネント偏光コントローラが前記電気光学変調器に接続され、前記電気光学変調器は第1可変光減衰器、光アイソレータ、スイッチおよび被試験ファイバに接続され、
第2全ファイバコンポーネント偏光コントローラは、音響光学変調器、第1エルビウムドープファイバ増幅器、第2可変光減衰器、光サーキュレーター、第2エルビウムドープファイバ増幅器、第2カプラ、第1チューナブルフィルタ、および第2チューナブルフィルタを接続するように構成され、
第1チューナブルフィルタは、第1光検出器およびデジタル蛍光オシロスコープに接続され、
第2チューナブルフィルタは、第2光検出器および前記デジタル蛍光オシロスコープに接続され、
前記音響光学変調器は、ドライバおよびパルス発生器に接続される、ハイブリッド分散光ファイバセンシングシステム。
【請求項5】
前記第1全ファイバコンポーネント偏光コントローラ及び前記第2全ファイバコンポーネント偏光コントローラは、出力パワーを最大にするように光偏光状態を調整可能である、請求項4に記載の光ファイバセンシングシステム。
【請求項6】
前記音響光学変調器は、プローブ光を生成するために必要な正弦波信号をロードするために、前記ドライバに接続され、前記パルス発生器に接続される、請求項4に記載の光ファイバセンシングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は光ファイバセンシングシステムに関し、特に、ブリルアン光時間領域解析法(Brillouin Optical Time Domain Analysis)と位相敏感光時間領域反射率計(Phase-sensitive Optical Time Domain Reflectometry)に基づくハイブリッド分散光ファイバセンシングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の測定技術の分野では、測定が必要な場合、ある長さを測定する必要があり、光ファイバセンシングを単独で測定に用いた場合、長さごとに温度変化または地形が異なるため、正確な位置を測定することが困難であり、悪影響が温度によって引き起こされるのか、または他の応力などの他の要因によって引き起こされるのかを判断することが困難である。
【0003】
図1は従来技術のブリルアン光時間領域解析法および測定システムを示し、これは、例えば、以下の要素を含む。最初に、システム光源1001はレーザ光源であり、次いで、カプラ1002がポンプ光源およびプローブ光源に分割し、第1全ファイバコンポーネント偏光コントローラ1003および第2全ファイバコンポーネント偏光コントローラ1004が出力パワーを最大にするように光偏光状態を調整する。
【0004】
また、
図1に示されるように、信号発生器1005を使用して連続波信号を生成し、被試験ファイバのブリルアン周波数をセンシングし、第1電気光学変調器1006および第2電気光学変調器1007を使用して電気信号を光信号に変換し、パルスパターン発生器1008および任意波形発生器1009を使用して、システムによって必要とされるパルス波信号を生成する。
【0005】
また、
図1に示すように、アイソレータ1014には可変光減衰器1010が接続され、可変光減衰器1010は光パワーを調整し、アイソレータ1014は、当該光路が被試験ファイバ1015に一方向のみにおいて接続されるように制限する。変調器バイアスコントローラ1011は、安定したパルス波信号出力を生成するようにバイアス電圧を自動的に調整することができ、変調器バイアスコントローラ1011は、コンピュータ1012に接続される。
【0006】
また、
図1に示されるように、コンピュータ1012はデジタル蛍光オシロスコープ1013に電気的に接続され、変調器バイアスコントローラ1011は第1エルビウムドープファイバ増幅器1016に接続され、第1エルビウムドープファイバ増幅器1016は偏光スクランブラ1017に接続される。偏光スクランブラ1017は、偏光ノイズを抑制することができる。
【0007】
また、
図1に示すように、偏光スクランブラ1017は可変光減衰器1018に接続され、可変光減衰器1018は光サーキュレーター1019および第2エルビウムドープファイバ増幅器1020に接続され、第2エルビウムドープファイバ増幅器1020は、チューナブルフィルタ1021を使用して必要なブリルアン散乱光帯域をフィルタリングするためのチューナブルフィルタ1021に接続される。
【0008】
最後に、
図1に示すように、チューナブルフィルタ1021は光検出器1022に接続され、光検出器1022はDCブロック1023に接続される。
【0009】
光ファイバセンシング技術などの従来の既知の技術は、数キロメートルから数十キロメートルに及ぶ任意の測定対象領域におけるセンシング測定として使用することができ、センシング範囲はかなり広いが、センシングヘッドが多いほど、センシングコストが高くなり、光源の光エネルギー挿入損失が生じやすい。一方、ポイントバイポイントの光ファイバセンシングでは、短距離で正確な精度を有し、外乱の正しい位置を判断することができるが、長距離測定に使用すると、被試験ファイバが分断点を有しやすく、プローブ光とポンプレーザとが通信できない場合にシステムが検出できなくなる。すなわち、従来技術のブリルアン光学時間領域分析測定システムは、長距離測定に使用することができない。
【0010】
上記から分かるように、既存の従来技術の分散型光ファイバセンシングおよびポイントバイポイントの光ファイバセンシングは依然として改善を必要とし、さらなる見直しが必要であり、実現可能な解決策が求められ、したがって、新しいタイプの光ファイバのための測定システムに関する研究および進歩が、実際に実行するために必要である。さらに、光ファイバ測定システムの更新および商品化が依然として必要である。
【発明の概要】
【0011】
本開示のブリルアン光時間領域解析法と位相敏感光時間領域反射率計に基づくハイブリッド分散光ファイバセンシングシステムはブリルアン散乱およびブリルアン周波数シフトを使用してセンシングを行い、それによって、任意の位置で被試験物体の温度を測定する。
【0012】
本開示の第1実施形態のブリルアン光時間領域解析法と位相敏感光時間領域反射率計に基づくハイブリッド分散光ファイバセンシングシステムは以下の要素を含む。第1全ファイバコンポーネント偏光コントローラおよび第2全ファイバコンポーネント偏光コントローラに接続された、カプラに接続された狭線幅ファイバレーザ、電気光学変調器が信号発生器を介して接続され、前記第1全ファイバコンポーネント偏光コントローラが前記電気光学変調器に接続され、前記電気光学変調器はさらに第1可変光減衰器、アイソレータ、スイッチおよび被試験ファイバに接続され、前記第2全ファイバコンポーネント偏光コントローラは、音響光学変調器に接続され、第1エルビウムドープファイバ増幅器、第2可変光減衰器、光サーキュレーター、第2エルビウムドープファイバ増幅器、チューナブルフィルタ、光検出器、DCブロック、およびデジタル蛍光体オシロスコープに順次接続されるように構成され、音響光学変調器は、ドライバおよびパルス発生器に接続される。
【0013】
本開示の第2実施形態のブリルアン光時間領域解析法と位相敏感光時間領域反射率計に基づくハイブリッド分散光ファイバセンシングシステムは以下の要素を含む。カプラに接続された狭線幅ファイバレーザ、第1カプラはポンプ光源およびプローブ光源を分割し、第1カプラは第1全ファイバコンポーネント偏光コントローラおよび第2全ファイバコンポーネント偏光コントローラに接続され、信号発生器を介して電気光学変調器に接続され、第1全ファイバコンポーネント偏光コントローラは電気光学変調器に接続され、電気光学変調器は、第1可変光減衰器、アイソレータ、スイッチ、および被試験ファイバに順次接続され、第2全ファイバコンポーネント偏光コントローラは音響光学変調器に接続されるように構成され、第1エルビウムドープファイバ増幅器、第2可変光減衰器、光サーキュレーター、第2エルビウムドープファイバ増幅器、第2カプラ、および第1チューナブルに順次接続され、第1チューナブルフィルタは第1光検出器に接続され、最終的にデジタル蛍光体オシロスコープに接続され、第2チューナブルフィルタは第2光検出器に接続され、最終的にデジタル蛍光体オシロスコープに接続され、音響光学変調器はドライバに接続され、パルス発生器に接続される。
【0014】
本開示の上述の特徴をより透明かつ理解可能にするために、以下の実施例を詳細に示す。以下、添付図面を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本開示の前述および多くの他の利点は、以下の図面の好ましい実施形態の詳細な説明においてより明確に提示されるのであろう。
【
図1】
図1は、従来技術のブリルアン光時間領域解析法および測定システムを示す。
【
図2】
図2は、本開示の第1実施形態のブリルアン光時間領域解析法および位相敏感光時間領域反射率計に基づくハイブリッド分散光ファイバセンシングシステムの概略図を示す。
【
図3】
図3は、本開示の第2実施形態のブリルアン光時間領域解析法および位相敏感光時間領域反射率計に基づくハイブリッド分散光ファイバセンシングシステムの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
様々な態様および実施形態は例示的かつ非限定的なものにすぎないので、本明細書を読んだ後、当業者は本開示の範囲から逸脱することなく、他の態様および実施形態も有することができる。以下の詳細な説明および特許請求される範囲によれば、これらの実施形態の特徴および利点は、より明白になるのであろう。
【0017】
本開示のブリルアンブリルアン光時間領域解析法および位相敏感光時間領域反射率計に基づくハイブリッド分散光ファイバセンシングシステムは、任意の位置における被試験物体の温度を測定するために、ブリルアン散乱およびブリルアン周波数シフトを使用する。
【0018】
まず、
図2に示される本開示の第1実施形態200のブリルアン光時間領域解析法および位相敏感光時間領域反射率計に基づくハイブリッド分散光ファイバセンシングシステムの概略図を参照されたい。これは、示されるように、第1に、狭線幅ファイバレーザ(NLFL)2001がレーザ光源を提供し、狭線幅ファイバレーザ2001がカプラ(カプラ)2002に接続され、カプラ2002がポンプ光源(ポンプ光)とプローブ光源とを分割する。カプラ2002は第1全ファイバコンポーネント偏光コントローラ(PC)2003に接続され、同時に、第2全ファイバコンポーネント偏光コントローラ(PC)2004に接続され、第1全ファイバコンポーネント偏光コントローラ2003および第2全ファイバコンポーネント偏光コントローラ2004は、出力パワーを最大にするように光偏光状態を調整することができる。
【0019】
図2に示される本開示の第1実施形態200のブリルアン光時間領域解析法および位相敏感光時間領域反射率計に基づくハイブリッド分散光ファイバセンシングシステムの概略図を続けると、信号発生器(SG)2005が電気光学変調器(EOM)2006に接続され、第1全ファイバコンポーネント偏光コントローラ2003が電気光学変調器(EOM)2006に接続され、連続波信号を生成する。続いて、被試験ファイバのブリルアン周波数を検出することができる。次いで、電気光学変調器(EOM)2006は、第1可変光減衰器(VOA)2007、アイソレータ(ISO)2008、スイッチ2009、および被試験ファイバ(FUT)2010に順次接続される。
【0020】
図2に示される本開示の第1実施形態200のブリルアン光時間領域解析法および位相敏感光時間領域反射率計に基づくハイブリッド分散光ファイバセンシングシステムの概略図を続けると、第2全ファイバコンポーネント偏光コントローラ2004は、音響光学変調器(AOM)2011、第1エルビウムドープファイバ増幅器(EDFA)2012、第2可変光減衰器(VOA)2013、光サーキュレーター(OC)2014、第2エルビウムドープファイバ増幅器(EDFA)2017、チューナブルフィルタ2018、光検出器(PD)2019、直流(DC)ブロック2020、およびデジタル蛍光オシロスコープ(DPO)2021に順次接続される。
【0021】
図2に示される本開示の第1実施形態200のブリルアン光時間領域解析法および位相敏感光時間領域反射率計に基づくハイブリッド分散光ファイバセンシングシステムの概略図を続けると、音響光学変調器(AOM)2011はプローブ光を生成するために必要な正弦波信号をロードするために、ドライバ2015およびパルス発生器(PG)2016に順次接続される。コンピュータ2022は、ドライバ2015およびチューナブルフィルタ2018との信号伝送を行う。
【0022】
加えて、
図3に示される本開示の第2実施形態300のブリルアン光時間領域解析法および位相敏感光時間領域反射率計に基づくハイブリッド分散光ファイバセンシングシステムの概略図を参照されたい。これは、示されるように、以下の要素を含む。第1に、狭線幅ファイバレーザ3001がレーザ光源を提供し、狭線幅ファイバレーザ3001がカプラ3002に接続され、第1カプラ3002がポンプ光源およびプローブ光源を分割し、第1カプラ3002が第1全ファイバコンポーネント偏光コントローラ3003に接続され、同時に第2全ファイバコンポーネント偏光コントローラ3004に接続され、第1全ファイバコンポーネント偏光コントローラ3003および第2全ファイバコンポーネント偏光コントローラ3004が電気光学変調器3006および音響光学変調器3011への入力パワーを最大にするように光偏光状態を調整し得る。
【0023】
図3に示される本開示の第2実施形態300のブリルアン光時間領域解析法および位相敏感光時間領域反射率計に基づくハイブリッド分散光ファイバセンシングシステムの概略図を続けると、信号発生器3005が電気光学変調器3006に接続され、被試験ファイバのブリルアン周波数のその後のセンシングのための連続波信号を生成するために第1全ファイバコンポーネント偏光コントローラ3003が電気光学変調器3006に接続される。次いで、電気光学変調器3006は、第1可変光減衰器3007、アイソレータ3008、スイッチ3009、および被試験ファイバ3010に順次接続される。
【0024】
図3に示される本開示の第2実施形態300のブリルアン光時間領域解析法および位相敏感光時間領域反射率計に基づくハイブリッド分散光ファイバセンシングシステムの概略図を続けると、第2全ファイバコンポーネント偏光コントローラ3004は、音響光学変調器3011、第1エルビウムドープファイバ増幅器3012、第2可変光減衰器3013、光サーキュレーター3014、第2エルビウムドープファイバ増幅器3017、および第2カプラ3018に順次接続され、次いで、第1チューナブルフィルタ3019および第2チューナブルフィルタ3020に同時に接続され、第1チューナブルフィルタ3019は第1光検出器3021、および最終的にデジタル蛍光オシロスコープ3023に接続される。第2チューナブルフィルタ3020は、第2光検出器3022に接続され、最終的にデジタル蛍光体オシロスコープ3023に接続される。
【0025】
図3に示される本開示の第2実施形態300のブリルアン光時間領域解析法および位相敏感光時間領域反射率計に基づくハイブリッド分散光ファイバセンシングシステムの概略図を続けると、音響光学変調器3011は、ドライバ3015に接続され、次いでパルス発生器3016に接続され、それによって、プローブ光を生成するために必要な正弦波信号をロードする。コンピュータ3024は、ドライバ3015から音響光学変調器3011に送信される信号を制御する。
【0026】
本開示のブリルアン光時間領域解析法および位相敏感光時間領域反射率計に基づくハイブリッド分散光ファイバセンシングシステムは、電気光学変調器3006の効果を有することができる。電気光学変調器3006は良好な光波周波数シフト効果を有するので、本開示は2つの光波の周波数差をブリルアンゲイン(利得)を介してフィッティングすることを必要とし、したがって、光波周波数シフト効果の特性は、電気光学変調器3006を使用してレーザキャリアの光路変調を実行することによって実現され得る。このとき、パルス波形発生器3016で所望のパルスを発生させ、ドライバ3015を介して音響光学変調器3011にパルスを送ることができる。パルスはポンプレーザの1つの経路に供給され、次いで、第1エルビウムドープファイバ増幅器3012を通過し、ポンプレーザとプローブ光との間のパワー比を調整するために光減衰器3013を通過し、制限されるようにアイソレータを通過し、非試験領域に伝送されることを防止する。さらに、プローブ光としてのポンプレーザ3001の他の経路は、正弦波信号発生器3005からの必要な正弦波信号がロードされた電気光学変調器3006を通過することができる。
【0027】
本開示のブリルアン光時間領域解析法および位相敏感光時間領域反射率計に基づくハイブリッド分散光ファイバセンシングシステムは、各チャネルの下のブリルアン散乱光およびレイリー散乱光の光信号雑音比(OSNR)、ならびにフィルタチャネルを調整することによるブリルアン散乱光の利得を観測することができる。加えて、入射ポンプパワーおよびプローブ光パワーの両方がより良好であるので、2つの間の相互作用を可能にすることによって、ブリルアン散乱光の利得が増加し、信号対雑音比が増加し得る。したがって、プローブ光パワーを変化させる際には、表1に示すように、電気信号のパルスの振幅にも同時に注意を払う必要がある。本開示は、ポンプ光パワーの固定を提案する。ブリルアン散乱光の利得は、プローブ光パワーの変化と共に観測され、それによってセンシング距離を改善することができる。以下の表1は、実験データを示す。
【0028】
【0029】
本開示のブリルアン光時間領域解析法および位相敏感光時間領域反射率計に基づくハイブリッド分散光ファイバセンシングシステムの基本動作原理のために、スイッチ3009が開回路として設定されるとき、それはブリルアン光時間領域分析の枠組みである。このフレームワークは、シングルモードファイバ103内の電歪効果を有する励起ブリルアン散乱を使用する。すなわち、ポンプ光と後方ブリルアン散乱光との間の干渉は、ビート周波数電場を推定する。ブリルアン散乱光のパワーがより小さいとき、後方入射連続プローブ光はポンプ光と相互作用するように通過することができ、それによって、プローブ光およびポンプ光の両方が特定の周波数および偏光を維持することを保証し、プローブ光およびポンプ光が互いに遭遇するとき、励起されたブリルアン散乱が生成され、エネルギー伝達が実行される。光信号は第1光検出器3021を介して受信され、信号はオシロスコープ3023を介して観察される。スイッチ3009が短絡されると、BOTDAのプローブ光路が遮断され、この枠組みは、位相感応光時間領域反射測定の枠組みである。狭線幅ファイバレーザ3001を光源として用いて、音響光学変調器3011に入ることによって、実験に必要なパルス波信号がロードされる。変調された信号はかなりの電力損失を有するので、光信号は第1エルビウムドープファイバ増幅器3012を介して初めて増幅される。位相感応光時間領域反射測定のプローブ原理はレイリー後方散乱を使用し、レイリー散乱光は、入射光および散乱光をコヒーレントにするための光の弾性衝突である。散乱光は、信号処理のために受信される。入射光が被試験ファイバ3010に入射するとき、過剰なパワーは励起されたブリルアン散乱光効果および他の不必要な非線形効果につながり、散乱信号の処理が困難になり、システムのSNRが低減される。したがって、光減衰器は入射光のパワーを調整することができ、入射光の品質は、光スペクトルアナライザによって観察することができる。光が被試験ファイバ3010に入射した後、レイリー後方散乱光は、光サーキュレーター3014のポート3から出力され、光スペクトルアナライザがブリルアン散乱光を観測しなかった後、第2エルビウムドープファイバ増幅器3017に入射する。第2増幅は、長距離伝送後に損失を有する光信号に対して実行される。しかしながら、光信号は、光増幅器3017によって増幅されるので、光信号は広スペクトル光源を含み、チューナブル光学フィルタ3020によって、必要なレイリー散乱光にフィルタリングされる。最後に、第2光検出器3022によって受信され、デジタル蛍光体オシロスコープ3023は最終的な信号処理のために信号を抽出するために使用される。
【0030】
上記の実施形態のブリルアン光時間領域解析法および位相敏感光時間領域反射率計に基づくハイブリッド分散光ファイバセンシングシステムの利点は、従来の検出技術とは異なる。光ファイバセンシング技術は正確な位置を測定することが容易であり、他の因子の影響を回避することができる測定のために単独で使用することができる。また、光ファイバセンシング技術により、上記実施形態はセンシング計測として数キロメートル~数十キロメートルの任意の間隔に拡張することができ、センシング範囲が広い。また、上記実施形態によれば、センシングコストの低減を図ることができ、光源の光エネルギー挿入損失を低減することができる。上記の実施形態の光ファイバ検知システムは長距離にわたって合理的に正確な精度を有し、外乱の正確な位置を決定することもできる。
【0031】
上記実施形態の利点の1つは、光ファイバ自体のブリルアン周波数の増加及び減少を使用することである。この現象は、光ファイバの直径の変化および光ファイバの密度の変化によって引き起こされる。上記の説明は本開示の好ましい実施形態にすぎず、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、本開示に開示される趣旨から逸脱しない他のすべての同等の変更または修正は以下の特許請求の範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0032】
101:分散光ファイバセンシングシステム
102:分散シフトファイバ
103:シングルモードファイバ
1001:システム光源
1002:カプラ
1003:全ファイバコンポーネント偏光コントローラ
1004:全ファイバコンポーネント偏光コントローラ
1005:信号発生器
1006:第1電気光学変調器
1007:第2電気光学変調器
1008:パルスパターン発生器
1009:任意波形発生器
1010:可変光減衰器
1011:変調器バイアスコントローラ
1012:コンピュータ
1013:デジタル蛍光体オシロスコープ
1014:アイソレータ
1015:被試験ファイバ
1016:第1エルビウムドープファイバ増幅器
1017:偏光スクランブラ
1018:可変光減衰器
1019:光サーキュレーター
1020:第2エルビウムドープファイバ増幅器
1021:波長可変フィルタ(チューナブルフィルタ)
1022:光検出器
1023:DCブロック
200:ブリルアン光時間領域解析法および位相敏感光時間領域反射率計に基づくハイブリッド分散光ファイバセンシングシステム
2001:狭線幅ファイバレーザ
2002:カプラ
2003:第1全ファイバコンポーネント偏光コントローラ
2004:第2全ファイバコンポーネント偏光コントローラ
2005:信号発生器
2006:電気光学変調器
2007:第1可変光減衰器
2008:アイソレータ
2009:スイッチ
2010:被試験ファイバ
2011:音響光学変調器
2012:第1エルビウムドープファイバ増幅器
2013:第2可変光減衰器
2014:光サーキュレーター
2015:ドライバ
2016:パルス発生器
2017:第2エルビウムドープファイバ増幅器
2018:チューナブルフィルタ
2019:光検出器
2020:DCブロック
2021:デジタル蛍光オシロスコープ
2022:コンピュータ
300:ブリルアン光時間領域解析法および位相敏感光時間領域反射率計に基づくハイブリッド分散型光ファイバセンシングシステム
3001:狭線幅ファイバレーザ
3002:カプラ
3003:第1全ファイバコンポーネント偏光コントローラ
3004:第2全ファイバコンポーネント偏光コントローラ
3005:信号発生器
3006:電気光学変調器
3007:第1可変光減衰器
3008:アイソレータ
3009:スイッチ
3010:被試験ファイバ
3011:音響光学変調器
3012:第1エルビウムドープファイバ増幅器
3013:第2可変光減衰器
3014:光サーキュレーター
3015:ドライバ
3016:パルス発生器
3017:第2エルビウムドープファイバ増幅器
3018:第2カプラ
3019:第1チューナブルフィルタ
3020:第2チューナブルフィルタ
3021:第1光検出器
3022:第2光検出器
3023:デジタル蛍光体オシロスコープ
3024:コンピュータ