(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】調理器具
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20241206BHJP
A47J 36/06 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
A47J27/00 103N
A47J36/06 Z
(21)【出願番号】P 2022516074
(86)(22)【出願日】2020-04-20
(86)【国際出願番号】 CN2020085532
(87)【国際公開番号】W WO2021047174
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】201921530522.7
(32)【優先日】2019-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910866385.2
(32)【優先日】2019-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518198750
【氏名又は名称】ゼジアン シャオシン スーポア ドメスティック エレクトリカル アプライアンス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジンジョウ リー
(72)【発明者】
【氏名】ジアン リー
(72)【発明者】
【氏名】グオイン ホー
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-039489(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0373729(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104068741(CN,A)
【文献】特開2009-297125(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00-36/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼成と煮沸の両方で調理するための調理器具であって、前記調理器具は、カバー(10)と、前記カバー(10)が配置される本体を含み、前記カバー(10)は、前記本体を開閉し、前記本体は、加熱構造を含み、前記カバー(10)は、
-通気通路を備えたカバー本体(30)と、
-前記カバー本体(30)の内側に配置され、熱シールド(44)と、前記熱シールド(44)の下方に配置された加熱要素(41)を含む、焼成アセンブリ(40)と、
-前記焼成アセンブリ(40)の下方に取り外し可能に設けられた内側カバー(50)であって、前記カバー本体(30)に向かって延びる通気アセンブリ(54)を備え、シール構造(130)が、前記通気アセンブリ(54)と前記通気通路の間に設けられる、前記内側カバー
(50)と、
を含
み、
前記内側カバー(50)は、前記調理器具が、焼成によって調理を行うことを必要とされる場合、取り外されることを特徴とする調理器具。
【請求項2】
請求項1に記載の調理器具であって、前記焼成アセンブリ(40)は、前記通気通路と連通する貫通孔(444)を備え、前記通気アセンブリは、前記貫通孔(444)を通り、前記シール構造(130)は、前記カバー本体(30)と前記焼成アセンブリ(40)の間の隙間を密封することを特徴とする調理器具。
【請求項3】
請求項2に記載の調理器具であって、前記シール構造(130)は、前記カバー本体(30)と前記焼成アセンブリ(40)との間に固定され、前記通気アセンブリ(54)は、前記シール構造(130)を通り、前記シール構造(130)に密に取付けられることを特徴とする調理器具。
【請求項4】
請求項2に記載の調理器具であって、前記カバー本体(30)は、外側カバー(35)と、前記外側カバー(35)の下方に配置された内側ライナー(36)とを含み、前記シール構造(130)は、前記焼成アセンブリ(40)と前記内側ライナー(36)の間の隙間を密封することを特徴とする調理器具。
【請求項5】
請求項1に記載の調理器具であって、前記通気アセンブリ(54)は、その中に、前記シール構造(130)の少なくとも一部が固定される取り付けスロットを備え、前記シール構造(130)は、前記内側カバー(50)と一緒に取り外し可能であることを特徴とする調理器具。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の調理器具であって、前記通気アセンブリ(54)は、圧力制限弁座(52)と開放不能化弁座(53)を含み、前記シール構造(130)は、一体の構成要素であるか、または、それぞれの弁座用に、2つの別個のシールリングを含むことを特徴とする調理器具。
【請求項7】
請求項1の調理器具であって、前記熱シールド(44)における前記加熱要素(41)の正射影が、前記熱シールド(44)における前記シール構造(130)の正射影と一致しないことを特徴とする調理器具。
【請求項8】
請求項1の調理器具であって、前記シール構造(130)は、前記加熱要素(41)の上方に配置されることを特徴とする調理器具。
【請求項9】
請求項2に記載の調理器具であって、前記シール構造(130)は、前記カバー本体(30)と前記焼成アセンブリ(40)との間に固定される本体セクション(201)と、前記本体セクション(201)の内周から延び、前記通気アセンブリ(54)に密に取り付けられる、シールセクション(202)を有することを特徴とする調理器具。
【請求項10】
請求項9に記載の調理器具であって、前記シール構造(130)は、さらに、前記本体セクション(201)の上部に配置される第1の曲げセクションと、前記本体セクション(201)の下部に配置される第2の曲げセクションを有し、前記第1の曲げセクションの曲げ方向は、前記第2の曲げセクションの曲げ方向と反対であり、前記第1の曲げセクションの上面は、前記カバー本体(30)の下面に当接し、前記第2の曲げセクションの下面は、前記焼成アセンブリ(40)の上面に当接することを特徴とする調理器具。
【請求項11】
請求項10に記載の調理器具であって、前記第1の曲げセクション、および、前記第2の曲げセクションのうちの、前記通気アセンブリ(54)に向かって曲がるのは、前記シールセクション(202)であり、前記シールセクション(202)は、前記通気アセンブリ(54)に締まり嵌めされ、蒸気が、前記カバー本体(30)と前記焼成アセンブリ(40)の間の空間に入るのを防止することを特徴とする調理器具。
【請求項12】
請求項9に記載の調理器具であって、前記通気アセンブリ(54)は、取付けフランジ(541)を備え、前記シールセクション(202)は、前記通気アセンブリ(54)に向かって延びるオーバーラップフランジ(204)を備え、前記オーバーラップフランジ(204)は、前記取付けフランジ(541)とオーバーラップし、前記通気アセンブリ(54)と締まり嵌めされることを特徴とする調理器具。
【請求項13】
請求項1の調理器具であって、前記熱シールド(44)は、順次積み重ねられる複数の反射シェルを含み、前記シール構造(130)は、前記複数の反射シェル間の隙間を密封することを特徴とする調理器具。
【請求項14】
請求項13に記載の調理器具であって、前記シール構造(130)は、前記シール構造(130)の本体部分(132)から下向きに延びる協働セクション(1321)を有し、二つの隣接する反射シェル間の隙間を密封することを特徴とする調理器具。
【請求項15】
請求項14に記載の調理器具であって、前記協働セクション(1321)は、前記通気アセンブリ(54)から離れて延びるクランプセクション(1322)を有し、少なくとも1つの反射シェルが、前記クランプセクション(1322)と前記本体部分(132)の間に形成されたスロットに延び、前記クランプセクション(1322)は、2つの隣接する反射シェルの間の前記隙間に延び、前記反射シェルに対して押し付けられて、前記2つの隣接する反射シェルの間の前記隙間をシールすることを特徴とする調理器具。
【請求項16】
請求項1から6のいずれか一項に記載の調理器具であって、前記シール構造(130)は、圧力制限弁座用の拡張孔(133)、および、開放不能化弁座用の拡張孔(134)を含む、本体部分(132)を有し、前記内側カバー(50)の圧力制限弁座(52)は、前記圧力制限弁座用の前記拡張孔(133)を通って圧力制限弁(120)に接続され、前記内側カバー(50)の開放不能化弁座(53)は、前記開放不能化弁座用の前記拡張孔(134)を通って、開放不能化弁(190)に接続されることを特徴とする調理器具。
【請求項17】
請求項16に記載の調理器具であって、前記シール構造(130)は、また、前記本体部分(132)から前記カバー本体(30)に向かって延び、位置を制限する態様で前記カバー本体(30)と協働する、複数の位置制限足部(131)を含み、前記位置制限足部(131)は、前記シール構造(130)の周囲に沿って配置されることを特徴とする調理器具。
【請求項18】
請求項17に記載の調理器具であって、前記本体部分(132)は、前記圧力制限弁座用の前記拡張孔(133)を取り囲む、第1の周方向当接フランジ(135)と、前記開放不能化弁座用の前記拡張孔(134)を取り囲む、第2の周方向当接フランジ(136)を有することを特徴とする調理器具。
【請求項19】
請求項18に記載の調理器具であって、
-前記第1の周方向当接フランジ(135)の一部は、前記本体部分(132)の境界に沿って延び、および/または、
-前記第2の周方向当接フランジ(136)の一部は、前記本体部分(132)の境界に沿って延び、および/または、
-互いに近接する前記第1の周方向当接フランジ(135)と前記第2の周方向当接フランジ(136)の部分は、互いに離れて配置され、それらの間に変形隙間を形成することを特徴とする調理器具。
【請求項20】
請求項4に記載の調理器具であって、前記内側ライナー(36)は、前記外側カバー(35)に向かって延び、前記外側カバー(35)に配置された当接リブ(352)に密に取り付けられた、当接シリンダ(361)を含み、前記外側カバー(35)と前記内側ライナー(36)の間の隙間を密封することを特徴とする調理器具。
【請求項21】
請求項20に記載の調理器具であって、前記当接リブ(352)は、また、前記シール構造(130)と密封的に協働することを特徴とする調理器具。
【請求項22】
請求項1の調理器具であって、前記熱シールド(44)、または、前記カバー本体(30)は、前記カバー本体(30)と前記焼成アセンブリ(40)の間の隙間を密封するためのシールシリンダ(230)を有することを特徴とする調理器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家電製品の技術分野に関し、特に、調理器具に関する。
【背景技術】
【0002】
既存の圧力-焼成調理器では、焼成アセンブリは、カバーに設けられ、カバーから調理器本体に向かって熱を放射する。焼成アセンブリが加熱されると、熱が、また、多数のプラスチック部品が配置されており、影響を受けやすい、カバー本体に向かって、上方に放射され、安全上のリスクを生成する。
【0003】
言い換えれば、技術的な問題は、既存の調理器具のカバー本体内のプラスチック部品が、温度によって大きく影響されるという事実にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、調理器具を提供することであり、既存の調理器具のカバー本体内のプラスチック部品が温度によって大きく影響されるという問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために、本発明の1つの態様によれば、カバーと、カバーが配置される本体を含み、カバーが本体を開閉する、調理器具が提供され、本体は、加熱構造を含み、カバーは、通気通路を備えたカバー本体、カバー本体の内側に配置され、熱シールドと、熱シールドの下方に配置された発熱体を含む、焼成アセンブリ、焼成アセンブリの下方に取り外し可能に設けられ、カバー本体に向かって延びる通気アセンブリを備える内側カバー、通気アセンブリと通気通路の間に設けられるシール構造を含む。
【0006】
カバーに焼成アセンブリと内部カバーの両方を装備することにより、調理器具は、焼成と煮沸の両方で調理を実行し得る。内側カバーは焼成アセンブリの下方に取り外し可能に配置されるため、調理器具が焼成によって調理を行うことを必要とされる場合は、内側カバーが取り外され、焼成アセンブリを使用して、器具本体内で食品材料を焼成する。調理器具が煮沸によって調理を行うことを必要とされる場合、内側カバーが焼成アセンブリの下方に取り付けられ、従来の調理を実現する。シール構造は、通気アセンブリと通気通路の間の隙間を密封し、空気が、カバーの内側に入るのを防止し、カバーの内側の部品への湿気のある空気の影響を低減し、カバーの作用信頼性を確実にする。シール構造は、また、焼成アセンブリとカバー本体の間の熱伝達を十分に絶縁し得、カバー本体の内側の部品への熱の影響を低減し、カバー本体を保護し、それゆえに、カバー本体の機能の、信頼性を改善する。
【0007】
さらに、焼成アセンブリは、通気通路と連通し、通気アセンブリが通過する貫通孔を備え、シール構造は、カバー本体と焼成アセンブリの間の隙間を密封する。シール構造は、空気が、焼成アセンブリとカバー本体の間に入るのを低減し得、これにより、焼成アセンブリの構造要素への湿気の影響を低減し、焼成アセンブリ機能の信頼性を改善する。シール構造は、焼成アセンブリとカバー本体の間の隙間をシールするだけでなく、通気アセンブリと通気通路の間の隙間も密封する。
【0008】
さらに、シール構造は、カバー本体と焼成アセンブリの間に固定され、通気アセンブリは、シール構造を通過し、シール構造に密に取り付けられる。カバー本体と焼成アセンブリの間にシール構造が固定されることで、焼成アセンブリとカバー本体の間の隙間が密封され得、これにより、空気が、カバー本体と焼成アセンブリの間に入るのを防止する。さらに、シール構造は、また、カバー本体に対する支持体を形成し得、焼成アセンブリは、カバー本体と確実に接続される。
【0009】
さらに、カバー本体は、外側カバーと外側カバーの下方に配置された内側ライナーを含み、シール構造は、焼成アセンブリと、外側カバーまたは内側ライナーとの間の隙間を密封する。この配置は、空気が、カバー本体内の空間に入るのを低減し得、これにより、カバー本体内の部品への湿気の影響を回避し、カバー本体内の部品の機能の信頼性を改善する。
【0010】
さらに、通気アセンブリは、その内部に、少なくともシール構造の一部が固定される、取り付けスロットを備え、シール構造は、内側カバーと一緒に取り外し可能である。シール構造は、内側カバーと一緒に取り外されるため、調理器具が、焼成によって調理を行う場合、焼成アセンブリによって生成される高温は、シール構造に影響を与えず、したがって、シール構造の機能の信頼性を改善するであろう。
【0011】
さらに、通気アセンブリは、圧力制限弁座と開放不能化弁座を含み、シール構造は、一体型構成要素であり得、また、弁座ごとに2つの別個のシールリングを含み得る。
【0012】
さらに、熱シールド上の発熱体の正射影は、熱シールド上のシール構造の正射影と一致しない。この配置は、発熱体によって放射される熱が、シール構造に伝達されるのに必要とされる時間を増大させ得、シール構造に伝達される温度を低下させ、シール構造の耐用年数を延ばす。
【0013】
さらに、シール構造は、発熱体の上方に配置される。この配置は、熱伝達を減少させ得、シール構造が高温に直接接触させられるのを防止し、したがって、シール構造の機能の信頼性を改善する。
【0014】
さらに、シール構造は、カバー本体と焼成アセンブリの間に固定された本体セクションと、本体セクションの内周から延び、通気アセンブリに密に嵌め込まれた、シールセクションを有する。本体セクションは、カバー本体と焼成アセンブリの間で固定され、カバー本体と焼成アセンブリの間の隙間をシールする。シールセクションは、通気アセンブリに密に嵌め込まれ、通気アセンブリと、カバー本体、および/または、焼成アセンブリの間の隙間を密封する。
【0015】
さらに、シール構造は、本体セクションの上部に配置された第1の曲げセクションと、本体セクションの下部に配置された第2の曲げセクションを、さらに有し、第1の曲げセクションの曲げ方向は、第2の曲げセクションの曲げ方向とは反対であり、第1の曲げセクションの上面は、カバー本体の下面に当接し、第2の曲げセクションの下面は、焼成アセンブリの上面に当接する。第1の曲げセクションの上面は、カバー本体の下面に当接し、その結果、シール構造とカバー本体は、隙間のない態様で接続され、密封を実現する。したがって、空気は、シール構造とカバー本体の間の隙間を介して、カバー本体と焼成アセンブリの間の隙間に入るのを防止される。第2の曲げセクションの下面は、焼成アセンブリの上面に当接し、その結果、シール構造と焼成アセンブリは、隙間のない態様で接続され、密封を実現する。
【0016】
さらに、第1の曲げセクションと第2の曲げセクションのうち、通気アセンブリに向かって曲がるのは、シールセクションであり、これは、蒸気が、カバー本体と焼成アセンブリの間の空間に入るのを防止するために、通気アセンブリに締まり嵌めされる。シールセクションは、カバー本体と通気アセンブリの間の隙間を密封し得、空気が、カバー本体と焼成アセンブリの間の空間に逆流するのを防止する。
【0017】
さらに、通気アセンブリは、取り付けフランジを備え、シールセクションは、通気アセンブリに向かって延びるオーバーラップフランジを備え、オーバーラップフランジは、取付けフランジとオーバーラップし、通気アセンブリに締まり嵌めされる。取り付けフランジとオーバーラップフランジの間の取り付けは、シール構造と通気アセンブリの間の接続をより緊密にし、シール構造を通気アセンブリから取り外すことを困難にし、また、シール構造の密封効果を改善し得る。
【0018】
さらに、熱シールドは、順次積み重ねられる複数の反射シェルを含み、シール構造は、複数の反射シェル間の隙間をシールする。この配置は、熱気を効果的に冷却し得、熱気がカバー本体に伝達されたときに熱が減少させられ、カバー本体に影響を与えることはないであろう。熱障壁隙間を設けることで、カバー本体に伝達される温度は、低下させられ得、カバー本体の機能の信頼性を改善する。
【0019】
さらに、シール構造は、シール構造の本体部分から下向きに延びる協働セクションを有し、2つの隣接する反射シェル間の隙間を密封する。この配置は、1つのシール構造が、複数の部品間の隙間を密封することを可能にし、これにより、シール要素の数を減少させ、組み立てコストと難易度も低減させる。
【0020】
さらに、協働セクションは、通気アセンブリから離れて延びるクランプセクションを有し、少なくとも1つの反射シェルは、クランプセクションと本体セクションの間に形成されるスロットに延び、クランプセクションは、2つの隣接する反射シェル間の隙間に延び、反射シェルに押し付けられて、2つの隣接する反射シェル間の隙間を密封する。この配置は、2つの反射シェルの間に湿気が入るのを低減させ、反射シェルの間の構造要素への湿気の影響を回避する。
【0021】
さらに、焼成アセンブリは、2つの隣接する反射シェルがそれによって接続される、支持部材を、さらに含む。空気障壁が、支持部材のために、2つの隣接する反射シェルの間に形成され、カバー本体に近い反射シェルに伝達される熱と、カバー本体に伝達される熱を減少させ、その結果、カバー本体は、確実に機能し得る。
【0022】
さらに、支持部材は、圧力制限弁座用の位置制限孔と、開放不能化弁座用の位置制限孔を有し、それらは、それぞれ、圧力制限弁および開放不能化弁を通過させる。圧力制限弁座用の位置制限孔は、圧力制限弁座に向かって延びる、第1の環状フランジを有し、開放不能化弁座用の位置制限孔は、開放不能化弁座に向かって延びる、第2の環状フランジを有する。第1の環状フランジと第2の環状フランジは、圧力制限弁座と開放不能化弁座が揺動するのを防ぎ、それによって、圧力制限弁座と開放不能化弁座の機能の信頼性を改善する。
【0023】
さらに、シール構造は、本体部分と、本体部分からカバー本体に向かって延び、カバー本体と位置制限態様で協働する、複数の位置制限足部を有し、位置制限足部は、シール構造の周囲に沿って配置される。位置制限足部は、カバー本体に接続され、シール構造がカバー本体から外れるのを防ぎ、シール構造とカバー本体の間の接続の堅固さを改善する。
【0024】
さらに、本体部分は、圧力制限弁座用の拡張孔と、開放不能化弁座用の拡張孔を有し、内側カバーの圧力制限弁座は、圧力制限弁座用の拡張孔を通過して、圧力制限弁に接続され、内側カバーの開放不能化弁座は、開放不能化弁座用の拡張孔を通過し、開放不能化弁に接続される。シール構造は、圧力制限弁座と貫通孔の間の隙間を密封し、開放不能化弁座と貫通孔の間の隙間もシールし、カバー本体に伝達される熱を減少させ、熱気が、カバー本体内の部品に影響を与えるのを防止する。
【0025】
さらに、本体部分は、圧力制限弁座拡張孔を囲む、第1の周方向当接フランジと、開放不能化弁座拡張孔を囲む、第2の周方向当接フランジを有する。第1の周方向当接フランジと第2の周方向当接フランジは、カバー本体に当接し、その結果、シール構造は、貫通孔を確実に密封する。
【0026】
さらに、第1の周方向当接フランジの少なくとも一部は、本体部分の境界に沿って延び、および/または、第2の周方向当接フランジの少なくとも一部は、本体部分の境界に沿って延び、および/または、互いに近接する、第1の周方向当接フランジと第2の周方向当接フランジの部分は、互いに離れて配置され、それらの間に変形隙間を形成する。変形隙間は、また、圧力制限弁座と開放不能化弁座からシール構造を取り外すことを困難にし、シール構造の信頼性を改善する。
【0027】
さらに、内側ライナーは、外側カバーに向かって延びる当接シリンダを含み、外側カバーに配置された当接リブに密に固定され得、外側カバーと内側ライナーの間の隙間を密封する。好ましくは、当接リブは、また、シール構造と密封的に協働する。
【0028】
さらに、熱シールドまたはカバー本体は、シールシリンダを含み得、カバー本体と焼成アセンブリの間の隙間を密封する。これらの追加のシール要素は、部品間の気密性を改善し得る。
【0029】
本適用の一部を形成する、本明細書の添付図面は、本発明のさらなる理解のために提示される。本発明の実例とその説明は、本発明を説明するのに役立ち、本発明の不適切な制限を構成しない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の第1の実施形態の調理器具のカバーの概略構造図である。
【
図2】
図1のカバーの1つの角度からの、内側カバーを除いた図である。
【
図3】
図1のカバーの別の角度からの、内側カバーを除いた図である。
【
図5】
図4の支持部材の1つの角度からの図である。
【
図7】
図4の支持部材のさらに別の角度からの図である。
【
図8】
図4のシール構造の1つの角度からの図である。
【
図9】
図4のシール構造の別の角度からの図である。
【
図10】
図4のシール構造のさらに別の角度からの図である。
【
図13】本発明の第2の実施形態の、シール構造、カバー本体、および、焼成アセンブリの間の位置関係の概略図である。
【
図14】本発明の第4の実施形態の調理器具のカバーの概略構造図である。
【
図18】本発明の第5の実施形態の調理器具のカバーの概略構造図である。
【
図20】本発明の第6の実施形態の調理器具のカバーの概略構造図である。
【
図22】本発明の第7の実施形態の調理器具のカバーの概略構造図である。
【
図24】本発明の第8の実施形態の調理器具のカバーの概略構造図である。
【
図27】本発明の第9の実施形態の調理器具のカバーの概略構造図である。
【
図30】発明の第10の実施形態の調理器具のカバーの概略構造図である。
【
図33】内側のカバーが取り付けられない、
図32のカバーの概略図である。
【
図37】
図36の内側カバーと圧力制限弁の間の位置関係の概略図である。
【
図44】
図30のカバーのさらに別の角度からの断面図である。
【
図45】
図43の圧力制限シールリングの1つの角度からの図である。
【
図46】
図43の圧力制限シールリングと圧力制限弁座の間の位置関係の概略図である。
【
図47】
図43の圧力制限シールリングの別の角度からの図である。
【
図48】
図44の開放不能化シールリングの1つの角度からの図である。
【
図49】
図44の開放不能化シールリングと開放不能化弁座の間の位置関係の概略図である。
【
図50】
図44の開放不能化シーリングリングの別の角度からの図である。
【0031】
上記の添付図面には、次の参照を含む。
10:カバー; 30:カバー本体; 31:第1のプラグ端子; 33:圧力制限弁取付け孔; 34:開放不能化弁取付け孔; 35:外側カバー; 351:通気孔; 352:当接リブ; 353:当接面; 354:シールリブ; 36:内側ライナー 361:当接シリンダ; 362:環状支持リブ 363:支持セクション; 364:環状突出リブ; 365:フランジセクション; 366:段状面; 37:回転バー; 40:焼成アセンブリ; 41:発熱体; 44:熱シールド; 441:第1の反射シェル; 442:第2反射シェル; 444:貫通孔; 445:圧力制限バルブの通過孔;446:第1通過孔; 447:第1のシール環状リブ; 448:第2通過孔; 449:第2シール環状リブ; 48:支持部材; 481:圧力制限弁座用の位置制限孔; 482:開放不能化弁座用の位置制限孔; 483:第1環状フランジ; 484:第2環状フランジ; 49:固定クランプ; 50:内側カバー; 52:圧力制限弁座; 53:開放不能化弁座; 54:通気アセンブリ; 541:取り付けフランジ; 80:固定ネジ; 100:圧力制限シールリング; 101:リング本体; 102:位置制限リブ; 110:開放不能化シールリング; 111:幅狭セクション; 120:圧力制限バルブ; 130:シール構造; 131:位置制限足部; 132:本体部分; 1321:協働セクション; 1322:クランプセクション; 133:圧力制限弁座用の拡張孔; 134:開放不能化弁座用の拡張孔; 135:第1の周方向当接フランジ; 136:第2の周方向当接フランジ; 137:接続セクション; 138:補強セクション; 139:延長セクション; 140:ハンドル; 150:蒸気カバー; 160:断熱綿; 170:回転式カバー; 190:開放不能化弁; 201:本体セクション; 202:シールセクション; 203:案内用傾斜面; 204:オーバーラップフランジ; 205:協働セクション; 206:クランプセクション; 207:当接セクション; 208:取り付け環状スロット; 210:スロット; 220:シール要素; 221:主セクション; 222:薄肉セクション; 230:シールシリンダ
【発明を実施するための形態】
【0032】
発明の詳細な説明
矛盾のない場合は、本適用での実施形態、および、その態様は、相互に組み合わせられ得ることが留意されるべきである。本発明は、添付の図面を参照して、および、実施形態に関連して、以下に説明されるであろう。
【0033】
特に明記されない限り、本適用で使用される、すべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有することが留意されるべきである。
【0034】
本適用では、明記されない限り、「上方」、「下方」、「上部」、「下部」などの方向の用語は、通常、添付の図面に示される方向を指し、または、部品それ自身の垂直または直立方向、または、重力の方向を指す。同様に、理解と説明を容易にするために、「内側」と「外側」は、それぞれの部分自体の輪郭の内側と外側を指す。ただし、それらの方向性のある用語は、発明を限定するために使用されない。
【0035】
既存の調理器具のカバー本体が温度によって大きく影響を受けるという問題を解決するために、本発明は調理器具を提供する。
【0036】
図1から
図50に示されように、調理器具は、カバー10と、カバー10が配置される本体を含み、カバー10は、本体を開閉可能である。器具本体は、加熱構造を含む。カバー10は、カバー本体30、焼成アセンブリ40、および、内側カバー50を含む。カバー本体30は、通気通路を備える。焼成アセンブリ40は、カバー本体30の内側に設けられ、熱シールド44と、熱シールド44の下方に配置された加熱要素41とを含む。内側カバー50は、焼成アセンブリ40の下方に取り外し可能に配置され、カバー本体30に向かって延びる通気アセンブリ54を備える。シール構造130は、通気アセンブリ54と通気通路の間に設けられる。
【0037】
カバー10は、焼成アセンブリ40および内側カバー50の両方を備えるので、調理器具は、焼成による調理を実行するだけでなく、煮沸による調理も実行し得る。内側カバー50は、焼成アセンブリ40の下方に取り外し可能に配置されるので、調理器具が焼成によって調理を行うことを必要とされる場合、内側カバー50は、取り外され、焼成アセンブリ40を使用して器具本体の内部の食品素材を焼成する。調理器具が加圧調理を実行することを必要とされる場合、内側カバー50が、焼成アセンブリ40の下方に取り付けられ、従来の調理を実現する。シール構造130は、焼成アセンブリ40とカバー本体30の間の熱伝達を十分に絶縁でき、カバー本体30の内部の部品への熱の影響を低減し、カバー本体30を保護して、カバー本体30の機能の信頼性を改善する。焼成アセンブリ40の底面の上方にシール構造130を配置することは、加熱要素41によって、直接、シール構造130に放射される熱を低減させ、それにより、シール構造130の耐用年数を延ばし得る。
【0038】
シール構造130は、カバー本体30と焼成アセンブリ40との間に固定される。通気アセンブリ54は、シール構造130を通り、シール構造130に隙間なくはめ込まれる。シール構造130がカバー本体30と焼成アセンブリ40との間に固定された状態で、焼成アセンブリ40とカバー本体30との間の隙間がシールされ得、それにより、空気が、カバー本体と焼成アセンブリ40の間の隙間に入るのを防ぐ。さらに、シール構造130は、また、カバー本体30に対する支持体を形成し得、その結果、焼成アセンブリ40は、カバー本体30と確実に接続される。
【0039】
図14に示されるように、カバー本体30は、外側カバー35と、外側カバー35の下に方配置された内側ライナー36とを含む。シール構造130は、焼成アセンブリ40と、外側カバー35または内側ライナー36との間の隙間をシールする。この配置は、カバー本体30の内部の空間に入る空気を減少させ得、それにより、湿った空気がカバー本体30の内部の部品に影響を与えるのを防ぎ、カバー本体30の内部の部品の機能の信頼性を改善する。
【0040】
任意で、シール構造130はシールリングである。
【0041】
図3に示されるように、熱シールド44上の加熱要素41の正投影は、熱シールド44上のシール構造130の正投影と一致しない。この配置は、加熱要素41によって放射される熱がシール構造130に伝達されるのに必要とされる時間を増大させ、シール構造130に伝達される温度を低下させ、したがって、シール構造130の耐用年数を延ばし得る。
【0042】
具体的には、シール構造130は、発熱体の上方に配置される。この配置は、加熱要素41がシール構造130と直接接触するのを防ぎ、したがって、熱伝達を低減させ、シール構造130との高温の直接接触を防止し得る。したがって、シール構造130の機能の信頼性が改善される。
【0043】
図2に示されるように、熱シールド44は、順に積み重ねられた複数の反射シェルを含み、隣接する2つの反射シェル間の距離は、少なくとも6mmである。隣接する2つの反射シェル間の距離を6mm以上に制限したことは、熱気を効果的に冷却し、熱気がカバー本体30に伝達されるときに、熱が減少させられ、カバー本体30に影響を及ぼさないであろうことを確実にする。もちろん、カバー10の容積を増大させることを避けるために、そうはいっても、当接する2つの反射シェル間の距離は、あまり大きすぎてはならない。本適用で説明されるすべての実施形態において、熱シールド44は、例として、2つの積み重ねられた反射シェルを含むことが留意されるべきである。つまり、以下で説明される本適用の実施形態では、熱シールド44は、第1反射シェル441および第2反射シェル442を含む。
【0044】
通気アセンブリ54は、圧力制限弁座52と開放不能化弁座53とを含むことが留意されるべきである。
第1の実施形態
図1から
図12に示されるように、焼成アセンブリ40は、さらに、2つの隣接する反射シェルが接続される、支持部材48を含む。この実施形態では、支持部材48は、隣接する2つの反射シェルの間に空気障壁を形成し、カバー本体30に近い反射シェルに伝達される熱、および、カバー本体30に伝達される熱を低減させ、その結果、カバー本体30は、確実に機能する。
【0045】
図4に示されるように、通気アセンブリ54は、圧力制限弁座52と開放不能化弁座53を含む。支持部材48は、圧力制限バルブ用の位置制限孔481と、開放不能化弁座用の位置制限孔482とを含み、圧力制限弁座52、および、開放不能化弁座53は、それぞれ、対応する位置制限孔を通る。圧力制限弁座用の位置制限孔481は、圧力制限弁座52に向かって延びる第1の環状フランジ483を有する。開放不能化弁座用の位置制限孔482は、開放不能化弁座に向かって延びる第2の環状フランジ484を有する。言い換えると、支持部材48は、圧力制限弁座52と開放不能化弁座53に嵌められ、第1の環状フランジ483と第2の環状フランジ484は、圧力制限弁座52と開放不能化弁座53が揺動するのを防ぎ、圧力制限弁座52と開放不能化弁座53の機能の信頼性を改善する。さらに、第1の環状フランジ483と第2の環状フランジ484は、支持部材48と、圧力制限弁座52および開放不能化弁座53の間の嵌め合いに一定の許容誤差を提供する。支持部材48は、また、圧力制限弁座52および開放不能化弁座53における焼成アセンブリ40内部の熱の影響を低減し、圧力制限弁座52および開放不能化弁座53を保護し得る。
【0046】
この実施形態では、熱シールド44は、圧力制限弁座52と開放不能化弁座53が通過するための貫通孔444を備え、支持部材48は、貫通孔444に対応する位置に配置され、圧力制限弁座52と開放不能化弁座53の通過を容易にする。
【0047】
図8から
図10に示されるように、シール構造130は、本体部分132と、本体部分132からカバー本体30に向かって延び、位置制限的にカバー本体30と協働する、複数の位置制限足部131を含む。位置制限足部131は、シール構造130の周囲に沿って設けられる。位置制限足部131は、例えば、カバー本体30の内側に配置された、対応する穴に挿入されることによって、カバー本体30に接続され、シール構造130がカバー本体30から外れるのを防ぎ、シール構造130とカバー本体30の間の接続の堅固さを改善する。
【0048】
図9に示されるように、位置制限足部131は、順次接続される、接続セクション137、補強セクション138、および、延長セクション139を有する。接続セクション137は、本体部分132に接続される。接続セクション137の外径は、補強セクション138の外径よりも小さい。補強セクション138は、直径減少セクションを有し、外径は、延長セクション139に向かって徐々に減少する。この配置は、位置制限足部131とカバー本体30との間の接続の堅固さを増大させ、位置制限足部131とカバー本体30との間の分離のリスクを低減させる。
【0049】
図8から
図10に示されるように、本体部分132は、さらに、圧力制限弁座用の拡張孔133と、開放不能化弁座用の拡張孔134を含む。内側カバー50の圧力制限弁座52は、拡張孔133を通過して、圧力制限弁120に接続する。内側カバー50の開放不能化弁座53は、拡張孔134を通過して、開放不能化弁190に接続する。位置制限足部131は、本体部分132から突出する。シール構造130は、圧力制限弁座52と貫通孔444の間の隙間、および、開放不能化弁座53と貫通孔444の間の隙間をシールし、カバー本体30に伝達される熱を減少させ、熱風がカバー本体30内の部品に影響を与えることを防止する。
【0050】
図8から
図10に示されるように、本体部分132には、圧力制限弁座用の拡張孔133を囲む、第1の周方向当接フランジ135と、開放不能化弁座用の拡張孔134を囲む、第2の周方向当接フランジ136を有する。第1の周方向当接フランジ135および第2の周方向当接フランジ136は、カバー本体30に当接し、その結果、シール構造130は、貫通孔444を確実にシールする。
【0051】
具体的には、焼成アセンブリ40に当接する本体部分132の側面は、シール構造130と焼成アセンブリ40との間の隙間を減少させるために平らな面である。したがって、シール構造130と焼成アセンブリ40との間の隙間を通ってカバー本体30に流入する熱は低減させられ、それにより、カバー本体30内部の部品への熱の影響が低減され、その結果、カバーは、確実に機能する。
【0052】
図9に示されるように、第1の周方向当接フランジ135の少なくとも一部は、本体部分132の境界に沿って延びる。言い換えると、第1の周方向当接フランジ135の少なくとも一部は、本体部分132の境界に配置される。第1の周方向当接フランジ135は、また、圧力制限弁座52が揺動するのを防ぎ、圧力制限弁座52の機能の信頼性を改善し得る。
【0053】
図9に示されるように、第2の周方向当接フランジ136の少なくとも一部は、本体部分132の境界に沿って延びる。言い換えれば、第2の周方向当接フランジ136の少なくとも一部は、本体部分132の境界に配置される。第2の周方向当接フランジ136は、また、開放不能化弁座53が揺動するのを防ぎ、開放不能化弁座53の機能の信頼性を改善し得る。
【0054】
図9に示されるように、互いに近接する、第1の周方向当接フランジ135と第2の周方向当接フランジ136の部分は、それらの間に変形隙間を形成するために、間隔を空けて配置される。変形隙間は、シール構造130の普遍性を高め、圧力制限弁座52と開放不能化弁座53の間の取り付けに一定の許容範囲を提供する。加えて、変形隙間は、また、シール構造130が、圧力制限弁座52および開放不能化弁座53から取り外されることを困難にし、それにより、シールの信頼性を改善する。
【0055】
図10に示されるように、第1の周方向当接フランジ135は、曲げられたエッジを有する。第1の周方向当接フランジ135の曲げられたエッジは、圧力制限弁座52とその周囲の部品との間に、一定の緩衝隙間を形成し、他の部品が圧力制限弁座52と衝突するのを防ぎ、したがって、圧力制限弁座52の機能の信頼性を改善する。同時に、それは、他の部品が揺動するのを防止し得る。
【0056】
図9に示される特定の実施形態では、位置制限足部131は、第1の周方向当接フランジ135、および/または、第2の周方向当接フランジ136から、カバー本体30に向かって延びる。
【0057】
図4に示される実施形態では、内側カバー50は、固定ねじ80によって、焼成アセンブリ40と取り外し可能に接続され、その結果、調理器具は、焼成と圧力調理との間で切り替え得る。
第2の実施形態
この実施形態は、支持部材48が設けられないという点で第1の実施形態とは異なり、シール構造130は、支持部材48の機能も実行する。
【0058】
図13に示されるように、シール構造130は、隣接する2つの反射シェルの間の隙間をシールするために、シール構造130の本体部分132から下向きに延びる協働セクション1321を有する。この配置は、1つのシール構造130が複数の部品間の隙間をシールすることを可能にし、シール要素の数を減らし、組み立てのコストと難易度を減少させる。
【0059】
図13に示されるように、協働セクション1321は、通気アセンブリ54から離れて延びるクランプセクション1322を有する。少なくとも1つの反射シェルは、クランプセクション1322と本体部分132の間に形成されたスロット内に延びる。クランプセクション1322は、隣接する2つの反射シェル間の隙間内に延びて、反射シェルに対して押し付けられ、隣接する2つの反射シェル間の隙間をシールする。この配置は、2つの反射シェルの間に入る湿り空気を減少させ、湿り空気が、反射シェルの間に配置される構造要素に影響を与えるのを防止する。クランプセクション1322は、別個に設けられる支持部材48に置き換わり、構造要素の使用と装着を減少させ、調理器具の組み立てをより簡単で便利にする。
第3の実施形態
この実施形態は、シール構造130が、内側カバーと一緒に取り外され得るという点で、第1の実施形態とは異なる。
【0060】
具体的には、通気アセンブリ54は、(図には示されていない)取り付けスロットを備え、その中には、シール構造130の少なくとも一部がスナップ嵌めされ、シール構造130を内側カバーと一緒に取り外す。この配置は、調理器具が焼成によって調理を行うとき、内側カバー50は、シール構造130と一緒に取り外され、焼成アセンブリ40の高温の影響を低減し、シール構造の機能の信頼性を改善する。
第4の実施形態
この実施形態は、シール構造130の特定の構造が異なるという点で、第1の実施形態とは異なる。
【0061】
図14から
図17に示されるように、シール構造130は、カバー本体30と焼成アセンブリ40との間に固定された本体セクション201と、本体セクション201の内側周辺から延び、通気アセンブリ54に締まり嵌めされる、シールセクション202とを有する。本体セクション201は、カバー本体30と焼成アセンブリ40との間の隙間をシールするために、カバー本体30と焼成アセンブリ40との間に固定される。シールセクション202は、通気アセンブリ54と、カバー本体30および/または焼成アセンブリ40との間の隙間をシールするために、通気アセンブリ54に締まり嵌めされる。さらに、本体セクション201は、ある程度、カバー本体30を支持し、カバー本体30の変形を低減し得、その結果、カバー本体30は、信頼して使用され得る。
【0062】
図14から
図17に示されるように、シール構造130は、本体セクション201と、本体セクション201の上部に配置される第1の曲げセクションと、本体セクション201の下部に配置される第2の曲げセクションを有し、第1の曲げセクションの曲げ方向は、第2の曲げセクションの曲げ方向と反対である。第1の曲げセクションの上面は、カバー本体30の下面に当接する。第2の曲げセクションの下面は、焼成アセンブリ40の上面に当接する。第1の曲げセクションの上面は、カバー本体30の下面に当接し、その結果、シール構造130およびカバー本体30は、隙間なしでシールされ、空気は、シール構造130とカバー本体30の間の隙間を通過することによって、カバー本体30と焼成アセンブリ40の間の隙間に入り得ない。第2の曲げセクションの下面は、焼成アセンブリ40の上面に当接し、その結果、シール構造130および焼成アセンブリ40は、隙間なしでシールされ、空気は、シール構造130と焼成アセンブリ40の間の隙間を通って、カバー本体30と焼成アセンブリ40の間の隙間に入り得ない。したがって、カバー10の密封が改善され、焼成アセンブリ40およびカバー本体30内の空間における空気の影響が減少させられ得る。
【0063】
図14から
図17に示されるように、第1の曲げセクションと第2の曲げセクションのうち、通気アセンブリ54に向かって曲がるのは、シールセクション202であり、これは、蒸気が、カバー本体30と焼成アセンブリ40の間の空間に入るのを防止するために、通気アセンブリ54に締まり嵌めされる。シールセクション202は、カバー本体30と通気アセンブリ54との間の隙間をシールし、空気が、カバー本体30と焼成アセンブリ40との間の空間に逆流するのを防止し得る。シールセクション202は、また、焼成アセンブリ40と安全弁との間の隙間をシールし得、空気が、焼成アセンブリ40に逆流するのを防ぐ。したがって、焼成アセンブリ40内部の部品に対する空気中の水分の影響が減少させられ、焼成アセンブリ40内部の部品の耐用年数が延長させられる。
【0064】
図14に示されるように、焼成アセンブリ40は、熱シールド44と加熱要素41を含む。シール構造130は、カバー本体30と熱シールド44との間に固定される。この配置は、加熱要素41のシール構造130への直接放射を低減し、シール構造130への高温の影響を低減し、シール構造130の耐用年数を延ばし得る。
【0065】
この実施形態では、熱シールド44は、第1反射シェル441および第2反射シェル442を含み、これらは、互いに接続され、離間させられる。
【0066】
この実施形態では、熱シールド44は、2つの反射シェル、すなわち、第1反射シェル441および第2反射シェル442、のみを有することが留意されるべきである。
【0067】
図17に示されるように、シールセクション202は、通気アセンブリ54の通過を容易にするために、シールセクション202の下面から通気アセンブリ54に向かって斜め上向きに延びる、斜めの案内面203を有する。斜めの案内面203は、通気アセンブリ54に向かって斜め上向きに延び、通気アセンブリ54が、シール構造130を通過して、上向きに延びるのを容易にし、圧力制限弁座に締まり嵌めされてシール構造130の密封を改善する。
【0068】
図15に示されるように、焼成アセンブリ40は、互いに接続された、第1反射シェル441および第2反射シェル442を含む。第2反射シェル442は、第1反射シェル441の下方に配置される。第1反射シェル441は、通気アセンブリ54が通過するための第1通過孔446を有する。第2反射シェル442は、通気アセンブリ54が通過するための第2通過孔448を有する。第2反射シェル442は、第2のシール環状リブ449を有する。第2のシール環状リブ449は、第2通過孔448の境界から上方に延び、第1反射シェル441に当接して、それらの間のシールを達成し、および/または、第2のシール環状リブ449が第1反射シェル441に当接する場所は、シール構造130によってシールされる。この配置により、第1反射シェル441と第2反射シェル442との間に、それ以上のシール構造要素が設けられる必要がなく、それにより構造要素の数を減少させる。さらに、シールに使用される構造要素は、一般にプラスチック部品であり、高温にさらされた後に損傷を受けやすく、不十分なシールをもたらす。この配置により、第1反射シェル441と第2反射シェル442の間の隙間は、確実に密封され得、高温によって影響を受けない。
【0069】
もちろん、第1のシール環状リブが、第1反射シェル441から第2反射シェル442に向かって延びることが、また、可能である。第1反射シェル441は、シールを達成するために、第1通過孔446の境界から下向きに延び、第2反射シェル442に当接する、第1のシール環状リブを有する。第1のシール環状リブは、第2のシール環状リブと同じ機能を有し、ここではこれ以上説明されない。
【0070】
図15に示されるように、カバー本体30は、通気アセンブリ54に対応する通気孔351を有する外側カバー35と、外側カバー35の下方に配置される内側ライナー36とを含む。内側ライナー36は、外側カバー35に向かって延びて、外側カバー35と締まり嵌めされる、当接シリンダ361を有し、外側カバー35と内側ライナー36との間の空間に蒸気が入るのを防止する。当接シリンダ361を設けることにより、内側ライナー36と外側カバー35との間の隙間が密封され、空気が内側ライナー36と外側カバーとの間の隙間に入るのを防止する。シール構造130は、内側ライナー36と焼成アセンブリ40との間に配置され、内側ライナー36と焼成アセンブリ40との間の隙間をシールし、および、同時に、焼成アセンブリ40と安全弁との間の隙間をシールする。
【0071】
図16に示されるように、内側ライナー36は、焼成アセンブリ40に向かって延びる環状支持リブ362を有する。通気アセンブリ54に向かって曲がる、第1の曲げセクションおよび第2の曲げセクションのうちの1つは、当接セクション207である。当接セクション207は、シール構造130の誤った位置決めを防止するために、当接シリンダ361の半径方向において当接する態様で、環状支持リブ362と協働する。環状支持リブ362を設けることにより、シール構造130は、位置決めするように取り付けられた後に揺動の影響を受けにくく、シール構造130のシールの信頼性を改善する。
第5実施形態
第5実施形態は、第4実施形態と同様であり、シール構造130が異なる構造を有するという点で第4実施形態とは異なる。
【0072】
図18と
図19に示されるように、通気アセンブリ54は、取付けフランジ541を備える。シールセクション202は、通気アセンブリ54に向かって延びるオーバーラップフランジ204を備え、取付けフランジ541にオーバーラップする。オーバーラップフランジ204は、通気アセンブリ54に締まり嵌めされる。取付けフランジ541とオーバーラップフランジ204の間のはめ込みは、シール構造130と通気アセンブリ54との間のより緊密な接続を可能にし、したがって、シール構造130が通気アセンブリから取り外されることを困難にし、また、シール構造130のシール効果を改善し得る。
第6実施形態
第6実施形態は、第4実施形態と同様であり、第2反射シェル442が第2のシール環状リブ449を備えていないという点で、第4実施形態とは異なる。代わりに、第1反射シェル441と第2反射シェル442との間の隙間は、シール構造130によって密封される。
【0073】
図20および
図21に示されるように、焼成アセンブリ40は、互いに接続される第1反射シェル441および第2反射シェル442を含む。第2反射シェル442は、2つの間に熱障壁隙間を形成するように、第1反射シェル441の下方に配置され、第1反射シェル441から間隔を空けられる。第1反射シェル441は、通気アセンブリ54が通過するための第1通過孔446を有する。第2反射シェル442は、通気アセンブリ54が通過するための第2通過孔448を有する。シール構造130は、シールセクション202から下向きに延び、第1通過孔446の境界および第2通過孔448の境界と密封的に協働する、協働セクション205を有し、その結果、熱障壁隙間が密封される。この配置により、複数の部品間の隙間は、1つのシール構造130で密封され得、それにより、シール要素の数を減少させ、したがって、組み立てのコストと難易度を低減させる。加熱要素41は、第2反射シェル442の下方に配置される。熱障壁隙間は、カバー本体30に伝達される温度を低下させ得、カバー本体30の機能の信頼性を改善させる。
【0074】
図21に示されるように、協働セクション205は、通気アセンブリ54から離れて延びるクランプセクション206を有する。第1反射シェル441は、クランプセクション206とシールセクション202との間に形成されたスロット内に延びる。クランプセクション206の下面は、第1反射シェル441と第2反射シェル442の間の隙間をシールするために、第2反射シェル442に対して押し付けられる。クランプセクション206は、第1反射シェル441と第2反射シェル442との間に延び、空気が、第1反射シェル441と第2反射シェル442の間の隙間に入るのを防止する。クランプセクション206は、第1反射シェル441と第2反射シェル442の間の一定の距離にわたってのみ延び、熱障壁隙間全体を密封しないであろうことが留意されるべきである。
第7実施形態
第7実施形態は、第4実施形態と同様であり、当接リブ352が、当接シリンダ361に対して当接するだけでなく、シール構造130と密封的に協働するという点で、第4実施形態とは異なる。
【0075】
図22および
図23に示されるように、当接リブ352は、外側カバー35の通気孔351の境界に配置され、焼成アセンブリ40に向かって延びる。当接リブ352は、シールセクション202まで延び、シールセクション202に当接し、カバー本体30と焼成アセンブリ40との間の隙間をシールする。本適用では、当接リブ352は、外側カバー35の通気孔351を囲み、円筒形である。したがって、カバー本体30、焼成アセンブリ40、および、通気アセンブリ54の間の隙間は、より小さくなり、したがって、シール構造130は、当接リブ352と焼成アセンブリ40の間の隙間を密封することを必要とするのみである。
第8実施形態
この実施形態は、焼成アセンブリ40またはカバー本体30が、シールシリンダ230を有し、接触により、カバー本体30または焼成アセンブリ40の少なくとも一部を密封するという点で、第1実施形態とは異なる。
【0076】
図24から
図26に示されるように、調理器具は、カバー10と、カバー10が配置される本体を含み、本体を開閉可能である。カバー10は、カバー本体30、焼成アセンブリ40、および、内側カバー50を含む。焼成アセンブリ40は、カバー本体30の内側に設けられる。内側カバー50は、焼成アセンブリ40の下方に取り外し可能に配置され、カバー本体30に向かって延びる通気アセンブリ54を有する。焼成アセンブリ40またはカバー本体30は、通気アセンブリ54が通過するためのシールシリンダ230を有する。シールシリンダ230は、接触により、カバー本体30または焼成アセンブリ40の少なくとも一部をシールする。
【0077】
シールシリンダ230は、焼成アセンブリ40またはカバー本体30上に配置され、焼成アセンブリ40とカバー本体30との間の隙間は、焼成アセンブリ40とカバー本体30との間に、他のシール要素を設ける必要なく、密封され得る。したがって、シール要素の数が減少させられ、したがって、調理器具の組み立ての困難さ、および、調理器具の組み立てコストがすべて減少させられる。さらに、シールシリンダ230が、焼成アセンブリ40またはカバー本体30上に配置されることで、焼成アセンブリ40およびカバー本体30が一緒に組み立てられると、シールシリンダ230の位置は、固定され、したがって、焼成アセンブリ40とカバー本体30との間の隙間を、信頼性をもって密封し得、調理器具の密封の信頼性を改善する。
【0078】
図示されない特定の実施形態では、カバー本体30は、外側カバー35および内側ライナー36を含む。外側カバー35は、焼成アセンブリ40に向かって延びる、シールシリンダ230を備え、接触により、焼成アセンブリ40と密閉される。シールシリンダ230が外側カバー35から焼成アセンブリ40に向かって延びることで、通気アセンブリ54での、外側カバー35と内側ライナー36の間の隙間は、同様に封止される。1つのシールシリンダ230で複数の場所が同時にシールされるので、シール要素の数が減少させられ、一方で、シールの信頼性を改善する。
【0079】
図示されない特定の実施形態では、焼成アセンブリ40は、シールシリンダ230を備えた熱シールド44、および、加熱要素41を含む。熱シールド44は、加熱要素41によって生成された高温空気が、カバー本体30に向かって放射するのを防止するために、加熱要素41を包み込む。したがって、カバー本体30への高温の影響が回避され、熱が器具本体に反射されて、器具本体内で食品を迅速に調理する。シールシリンダ230を備えた熱シールド44が設けられることで、焼成アセンブリ40とカバー本体30との間の隙間、および、外側カバー35と内側ライナー36との間の隙間は、両方とも、封止され得る。
【0080】
図24から
図26に示されるように、焼成アセンブリ40は、互いに接続される第1反射シェル441および第2反射シェル442を含む。第2反射シェル442と比較して、第1反射シェル441は、内側カバー50からさらに離れて配置される。シールシリンダ230は、第2反射シェル442から第1反射シェル441を通過し、次に、カバー本体30内に延びる。加熱要素41は、第2反射シェル442の下方に配置される。第2反射シェル442は、加熱要素41によって放射される熱を、器具本体に向かって反射する。第1反射シェル441に伝達される温度を低下させるために、第1反射シェル441と第2反射シェル442との間に熱障壁隙間が形成される。さらに、第1反射シェル441は、さらなる熱障壁を形成し得、カバー本体30に伝達される温度を低減させる。シールシリンダ230は、第2反射シェル442からカバー本体30に向かって延び、その結果、シールシリンダ230は、また、通気アセンブリ54の近くで、第1反射シェル441と第2反射シェル442との間の隙間を、さらに封止し得、熱気が、第1反射シェル441と第2反射シェル442の間に入ることを防止する。
【0081】
任意で、シールシリンダ230は、断熱材で形成される。
【0082】
図26に示されるように、カバー本体30は、外側カバー35と内側ライナー36を含む。外側カバー35または内側ライナー36は、通気アセンブリ54に面する通気孔351を有する。当接リブ352は、通気孔351の境界に配置され、焼成アセンブリ40に向かって延びる。当接リブ352は、シールシリンダ230の半径方向において当接する態様で、シールシリンダ230と協働する。そのような配置により、シールシリンダ230の揺動が低減され得、したがって、シール不良に起因する問題が低減させられる。
【0083】
図26に示されるように、当接リブ352は、シールシリンダ230の内壁に押し付けられ、および/または、シールシリンダ230の上面が、外側カバー35または内側ライナー36に当接する。カバー本体30の第1シールは、当接リブ352をシールシリンダ230の内壁に押し付けることによって達成されて、空気が、カバー本体の内部に入るのを防ぐ。カバー本体30の第2シールは、シールシリンダ230の上面と外側カバー35との間で達成され、焼成アセンブリ40とカバー本体30との間のシールを大幅に改善し、シールの信頼性を改善する。
【0084】
図26に示されるように、カバー本体30は、さらに、内側ライナー36を含む。内側ライナー36は、当接シリンダ361を有する。シールシリンダ230は、当接シリンダ361内に延び、シールシリンダ230の半径方向において当接する態様で、当接シリンダ361の内壁と協働する。当接シリンダ361とシールシリンダ230との間の協働により、シールシリンダ230の揺動が低減され得、したがって、シールシリンダ230のシールの信頼性を改善する。
【0085】
図26に示されるように、当接シリンダ361の内壁は、シールシリンダ230に向かって延びるフランジセクション365を有する。フランジセクション365は、内側ライナー36の第1シールを形成するため、シールシリンダ230の外壁に押し付けられるように配置される。フランジセクション365により、外側カバー35と内側ライナー36の間に入る空気が減少させられ、これにより、湿気のある空気が、内側ライナー36上の電気部品に影響を与えることを防止し、内側ライナー36の電気部品の機能の信頼性と寿命を増加させる。
【0086】
図26に示されるように、外側カバー35は、内側ライナー36に向かって延びる、シールリブ354を有する。当接リブ352とシールリブ354は、スロットを形成する。シールシリンダ230は、スロットに挿入され、スロットに締まり嵌めされ、外側カバー35と熱シールド44との間の第1シールを形成する。この配置により、シールは、シールシリンダ230と、当接リブ352とシールリブ354の両方との間で達成され、内側ライナー36と外側カバー35との間の隙間に入る空気を減少させ、調理器具のシールを改善する。
【0087】
図26に示されるように、カバー本体30は外側カバー35を含む。内側ライナー36は、外側カバー35の下方に設けられる。外側カバー35は、通気アセンブリ54に面する通気孔351を有する。外側カバー35は、内側ライナー36に向かって延びるシールリブ354を有する。シールリブ354は、シールシリンダ230の外側に配置され、内側ライナー36に当接して、少なくとも、内側ライナー36の第2シールを達成する。この配置は、シール要素を別個に設けることなく、外側カバー35と内側ライナー36との間のシールを改善し、それにより、調理器具の組み立ての困難さを軽減させる。
【0088】
図26に示されるように、当接シリンダ361の上部は放射状に外側に曲がり、次に、垂直方向に上方に延びて、当接シリンダ361の内壁に放射状の段状面366を形成する。フランジセクション365は、放射状の段状面366の下方に配置される。シールリブ354の自由端は、放射状の段状面366に当接し、内側ライナー36の第2シールを達成する。半径方向の段状面366の下方に配置される当接シリンダ361の内壁の部分は、シールシリンダ230の外壁に当接し、内側ライナーの第3シールを達成する。三重のシールは、内側ライナー36と、外側カバー35およびシールシリンダ230との間で達成され、それにより、内側ライナー36と外側カバー35との間に入る空気を大幅に低減し、そして、内側ライナー36と外側カバー35との間のシールを改善し、その結果、内側ライナー36上の電気部品が、確実に機能する。
【0089】
図26に示されるように、シールリブ354の厚さは、内側カバー50に向かって徐々に減少する。シールリブ354の厚さが徐々に減少することで、シールリブ354が、シールシリンダ230と内側ライナー36の間の隙間内に延びて挿入されることをより容易にし、シールリブ354の少なくとも一部が、内側ライナー36と締まり嵌めされる。
【0090】
図26に示されるように、カバー10は、さらに、シール構造130を含む。シール構造130は、通気アセンブリ54に取り付けられる。通気アセンブリ54は、取付けフランジ541を有する。シール構造130は、取付けフランジ541が挿入される取付け環状スロット208を有する。シール構造130は、焼成アセンブリ40の第2反射シェル442に当接し、第2反射シェル442と通気アセンブリ54との間の隙間を密封する。シール構造130は、通気アセンブリ54に設けられ、内側カバー50と一緒に取り外され得る。シール構造130を設けることで、圧力制限弁座と焼成アセンブリ40との間の隙間は密封され得、焼成アセンブリ40に入る空気を減少させ、したがって、焼成アセンブリ40内部の部品に対する湿気のある空気の影響を制限する。取付けフランジ541を設けることで、シール構造130の取り付け位置が画定され得、その結果、シール構造130は、圧力制限弁座に確実に嵌められ得る。シール構造130が内側カバー50と一緒に取り外し可能であることで、焼成アセンブリ40によるシール構造130の高温焼成が低減させられ得、したがって、シール構造130の耐用年数を延長させる。
第9実施形態
この実施形態では、外側カバーと内側ライナーとの間のシールが達成される点で、この実施形態は、第1の実施形態とは異なる。
【0091】
図27から
図29に示されるように、調理器具は、カバー10と、カバー10が配置される本体を含み、本体を開閉可能である。カバー10は、カバー本体30と内側カバー50を含む。カバー本体30は、外側カバー35と内側ライナー36を含む。外側カバー35は、通気孔351を有する。内側ライナー36は、外側カバー35に向かって延び、通気孔351に面する、当接シリンダ361を有する。外側カバー35は、内側ライナー36に向かって延びる、環状シールリブを有し、その半径方向で、当接シリンダ361に当接し、その結果、内側ライナー36と外側カバー35との間の接合部は、環状シールリブによって、密封される。
【0092】
内側ライナー36が当接シリンダ361を備えることで、内側ライナー36と外側カバー35との間の隙間は、密封され、空気が、内側ライナー36と外側カバー35との間の隙間に入るのを防ぎ、それにより、内側ライナー36と外側カバー35の間の構造要素に対する空気の影響を低減させ、それらの機能の信頼性を改善する。さらに、当接シリンダ361を設けることで、外側カバー35と内側ライナー36の間の密封が、それ以上、構造的なシール要素を別個に取り付けることなく達成され得、シール要素の数を減少させ、調理器具の組み立てコストと組み立ての困難性を低減させる。環状のシールリブを設けることにより、内側ライナー36と外側カバー35は、当接する態様で互いに協働し、それらの間の揺動を低減させ、それらの間のシールを改善する。構造用シール要素は、ほとんど、プラスチック部品であり、それらは、湿気の多い環境に長時間置かれると、破損、および、機能不全に陥りやすいことが留意されるべきである。そのような問題は、当接シリンダ361で解決される。
【0093】
従来技術では、圧力-焼成調理器の特殊性により、圧力調理中に放出された蒸気と、焼成中の熱風の両方が、同じ通路を通って排出され、シリカゲルの短命をもたらす。本発明では、外側カバー35と内側ライナー36との間のセルフシールによって、シールシリカゲルの使用が減らされ得、それにより、シールの信頼性を改善し、安全リスクを低減させる。
【0094】
図29に示されるように、当接シリンダ361の上部にスロット210が配置される。外側カバー35は、スロット210内に延び、スロット210と締まり嵌めされる、シール要素220を有する。環状シールリブは、シール要素220として使用される。環状シールリブは、スロット210に挿入され、スロット210に締まり嵌めされる。環状シールリブがスロット210に挿入されることで、環状シールリブと当接シリンダ361との間の接続の堅固さが改善される。締まり嵌めは、外側カバー35と内側ライナー36の間の密封を改善し、内側ライナー36と外側カバー35の間の空間に湿気のある空気が入るのを大幅に減少させる。
【0095】
図27に示されるように、焼成アセンブリ40は、熱シールド44と加熱要素41を含む。シール構造130は、カバー本体30と熱シールド44との間に固定される。この配置は、シール構造130への加熱要素41の直接放射を低減させ、シール構造130への高温の影響を低減させ、シール構造130の耐用年数を延ばし得る。
【0096】
この実施形態では、熱シールド44は、互いに接続され、間隔を置いて配置された、第1反射シェル441および第2反射シェル442を含む。
【0097】
図27に示されるように、内側カバー50は、カバー本体30に向かって延び、通気孔351に面する通気アセンブリ54を備える。通気アセンブリ54は、当接シリンダ361内に延びる。通気アセンブリ54は、圧力制限弁座と開放不能化弁座の少なくとも1つを含む。この配置により、当接シリンダ361は、通気アセンブリ54の揺動を制限し、内側ライナー36と外側カバー35の間の隙間をシールし、焼成アセンブリ40の密封の信頼性を改善する。
【0098】
図28に示されるように、シール構造130は、カバー本体30と焼成アセンブリ40との間に固定された本体セクション201と、本体セクション201の内周から延びるシールセクション202を有する。通気アセンブリ54は、シールセクション202に密に取り付けられる。本体セクション201は、カバー本体30と焼成アセンブリ40の間に固定され、カバー本体30と焼成アセンブリ40の間の隙間をシールし、一方で、シールセクション202は、通気アセンブリ54に、密に取り付けられ、通気アセンブリ54とカバー本体30および/または焼成アセンブリ40との間の隙間をシールする。加えて、本体セクション201は、さらに、カバー本体30に対しある程度の支持を提供し、カバー本体30の変形を低減し、カバー本体30の信頼できる機能を可能にする。
【0099】
シールセクション202は、通気アセンブリの通過を容易にするために、シールセクション202の底面から通気アセンブリ54に向かって斜め上向きに延びる、斜めの案内面203を備える。斜めの案内面203は、通気アセンブリ54に向かって斜め上向きに延びて、通気アセンブリ54がシール構造130を通過するのを容易にし、一方、上向きに延びて、圧力制限バルブに締まり嵌めされ、それにより、シール構造130の密封効果を改善する。
【0100】
図28に示されるように、シール構造130は、本体セクション201、ならびに、本体セクション201の上部に配置される第1の曲げセクション、および、本体セクション201の下部に配置される第2の曲げセクションを有し、第1の曲げセクションの曲げ方向は、第2の曲げセクションの曲げ方向と反対である。第1の曲げセクションの上面は、カバー本体30の下面に当接する。第2の曲げセクションの下面は、焼成アセンブリ40の上面に当接する。第1の曲げセクションの上面は、カバー本体30の下面に当接し、その結果、シール構造130およびカバー本体30は、隙間のない態様で密封され、それにより、空気が、シール構造130とカバー本体30との間の任意の隙間を介して、カバー本体30と焼成アセンブリ40の間の隙間に入るのを防止する。第2の曲げセクションの下面は、焼成アセンブリ40の上面に当接し、その結果、シール構造130および焼成アセンブリ40は、隙間のない態様でシールされて、密封を達成し、それによって、空気が、シール構造130と焼成アセンブリ40との間の任意の隙間を介して、カバー本体30と焼成アセンブリ40の間の隙間に入るのを防止する。したがって、カバー10の密封が改善され、焼成アセンブリ40およびカバー本体30内の空間への空気の影響を低減させる。
【0101】
図28に示されるように、第1の曲げセクションと第2の曲げセクションのうち、通気アセンブリ54に向かって曲がるのは、シールセクション202であり、それは、通気アセンブリ54に締まり嵌めされ、蒸気が、カバー本体30と焼成アセンブリ40の間の空間に入るのを防止する。シールセクション202は、カバー本体30と通気アセンブリ54との間の隙間を密封し得、空気が、カバー本体30と焼成アセンブリ40の間の空間に逆流するのを防止する。シールセクション202は、また、焼成アセンブリ40と安全弁との間の隙間をシールし得、空気が、焼成アセンブリ40に逆流するのを防ぎ、それにより、焼成アセンブリ40内の部品への空気中の水分の影響を低減し、焼成アセンブリ40内の部品の耐用年数を延ばす。
【0102】
図28に示されるように、内側ライナー36は、焼成アセンブリ40に向かって延びる環状支持リブ362を有する。第1の曲げセクションおよび第2の曲げセクションのうちの、通気アセンブリ54から離れて曲がるのは、当接セクション207であり、これは、当接シリンダ361の半径方向において、環状支持リブ362に当接し、シール構造130の間違った位置決めを防止する。環状支持リブ362を設けることにより、シール構造130は、所定の位置に取り付けられた後に、揺動に対する影響を受けにくくなり、それにより、シール構造130の密封の信頼性を改善する。
【0103】
図に示されない特定の実施形態では、環状のシールリブの下部は、スロット210を有する。内側ライナー36は、スロット210内に延び、それに締まり嵌めされるシール要素220を有する。当接シリンダ361の少なくとも一部は、シール要素220として使用される。当接シリンダ361の上部は、スロット210内に延びる。スロット210に挿入される環状シールリブを有することの技術的効果は、当接シリンダ361の上部にスロット210を設けることの技術的効果と同様であり、ここで再び説明されない。
【0104】
図29に示されるように、環状のシールリブの厚さは、内側カバー50に向かって減少し、主セクション221と薄肉セクション222を有する。主セクション221は、スロット210に締まり嵌めされる。薄肉セクション222は、スロット210の底面に当接し、スロット210に締まり嵌めされ、その結果、環状シールリブは、当接シリンダ361でシールされる。この配置は、スロット210とシールリングリブとの間の複数のシールを達成し得、それにより、内側ライナー36と外側カバー35との間のシールを大幅に改善する。薄肉セクション222を設けることにより、スロット210への環状シールリブの挿入が容易にされる。主セクション221は、通気アセンブリ54に近いスロット210の表面に締まり嵌めされ、第1のシールを形成する。薄肉セクション222は、スロット210の底面に締まり嵌めされ、第2のシールを形成する。主セクション221は、通気アセンブリ54から離れたスロット210の表面に締まり嵌めされ、第3のシールを形成する。
【0105】
具体的には、主セクション221の厚さAは、スロット210の幅Bよりも大きく、厚さAと幅Bとの差は、0.02mmより大きく、0.15mm以下である。主セクション221とスロット210との間の良好なシール効果を保証する一方で、この配置は、また、主セクション221のスロット210への挿入を容易にする。したがって、環状のシールリブは、スロット210の底面に締まり嵌めされ得る。
【0106】
具体的には、薄肉セクション222とスロット210の底面との間の締まり嵌めの程度は、0.02mm以上であり、0.2mm以下である。この配置は、薄肉セクション222とスロット210の間のシールを確実にする一方で、スロット210に対し過度の力を印加せず、これにより、薄肉セクション222が、印加される過剰の力のせいで壊れることを防止し、薄肉セクション222とスロット210の間の固定の信頼性を改善する。
【0107】
図28に示されるように、当接シリンダ361の上部は、当接シリンダ361の中心に向かって横方向に延びる支持セクション363と、同心であるが異なる半径を有する、複数の環状突出リブ364を備える。環状突出リブ364は、支持セクション363の上面から外側カバー35に向かって延びる。スロット210は、2つの近接する環状突出リブ364の間の隙間によって形成される。この配置は、内側ライナー36と外側カバー35の間のシールを改善し、空気が、内側ライナー36と外側カバー35の間へ流入するのを減少させる。支持セクション363と、異なる半径で同心である複数の環状突出リブ364を設けることにより、当接シリンダ361の厚みが減らされ得、したがって、内側ライナー36の重量を減少させ、その結果、調理器具は、より薄く、より軽い。
【0108】
図29に示されるように、環状のシールリブは、通気孔351の境界からオフセットされ、当接シリンダ361に対する当接面353を確保する。当接シリンダ361の上部の少なくとも一部は、当接面353と接触する。この配置は、環状のシールリブと当接シリンダ361との間のシールをさらに改善し得、空気が、内側ライナー36と外側カバー35の間に入るのをさらに減少させ、内側ライナー36と外側カバー35の間に配置された構造要素の環境信頼性を大きく改善する。
【0109】
図27に示されるように、カバー10は、さらに、焼成アセンブリ40とシール構造130を含む。通気アセンブリ54は、焼成アセンブリ40を通過し、当接シリンダ361内に延びる。シール構造130は、通気アセンブリ54に嵌められ、焼成アセンブリ40と内側ライナー36との間に配置されて、焼成アセンブリ40と通気アセンブリ54との間の隙間を密封する。この実施形態では、シール構造130は、焼成アセンブリ40と内側ライナー36との間に配置され、それらに対して押し付けられて、焼成アセンブリ40と内側ライナーとの間の隙間を、同時にシールする。したがって、空気が内側ライナー36と焼成アセンブリ40との間を逆流するのを防ぎ、焼成アセンブリ40の電気部品に対する湿った空気の影響を低減し、焼成アセンブリ40の機能の信頼性を改善する。シール構造130が通気アセンブリ54に嵌められ、焼成アセンブリ40に当接することにより、空気が、通気アセンブリ54と焼成アセンブリ40との間の隙間を介して、焼成アセンブリ40の内部に入るのを防止される。シール構造130は、各隙間に個別に提供される他のシール構造を必要とすることなく、複数の部品間の隙間を、同時に、複数の箇所でシールすることを可能にし、これにより、シール構造130の効率を大幅に改善し、労働コストを節約する。
【0110】
図27に示されるように、焼成アセンブリ40は、互いに接続される、第1反射シェル441および第2反射シェル442を含む。第2反射シェル442は、第1反射シェル441の下方に配置される。第1反射シェル441は、通気アセンブリ54が通過するための第1通過孔446を有する。第1反射シェル441は、第1通過孔446の周囲から下向きに延び、第2反射シェル442に当接して、それらの間のシールを達成する、第1のシール環状リブ447を有する。第1のシール環状リブ447を備える第1反射シェル441を設けることにより、第1反射シェル441と第2反射シェル442の間の隙間がシールされ得、それによって、空気が、第1反射シェル441と第2反射シェル442の間に入るのを防止する。第1反射シェル441と第2反射シェル442は、互いに離れて配置され、その結果、2つの間に熱障壁が形成され、第1のシール環状リブ447のみが、第1通過孔446で、第1反射シェル441と第2反射シェル442の間の隙間を密封することが留意されるべきである。
【0111】
図示されない別の特定の実施形態では、第2反射シェル442は、通気アセンブリ54が通過するための第2通過孔448を有する。第2反射シェル442は、第2のシール環状リブ449を有する。第2のシール環状リブ449は、第2通過孔448の周囲から上方に延び、第1反射シェル441に当接して、それらの間の密封を達成する。第2のシール環状リブ449の効果は、第1のシール環状リブ447の効果と同様であり、ここで再度説明されない。
【0112】
図28に示されるように、焼成アセンブリ40は、互いに接続される、第1反射シェル441および第2反射シェル442を含む。第1反射シェル441は、通気アセンブリ54が通過するための第1通過孔446を有する。第1反射シェル441は、第1のシール環状リブ447を有する。第1のシール環状リブ447は、第1通過孔446の周囲から下向きに延び、第2反射シェル442に当接して、それらの間のシールを達成する。第2反射シェル442は、通気アセンブリ54が通過するための、第2通過孔448を有する。第2反射シェル442は、第2通過孔448の周囲から下向きに延びる、第2の環状シールリブを有する。第2の環状シールリブが下向きに設けられるため、第2反射シェル442と焼成アセンブリ40の焼成面との間の隙間が、また、シールされ得、焼成アセンブリ40内の高温空気が逃げるのを防止し、漏れを減少させ、焼成アセンブリ40の効率と信頼性を改善する。
【0113】
図28に示されるように、内側ライナー36は、焼成アセンブリ40に向かって延びる環状支持リブ362を有する。第1の曲げセクションおよび第2の曲げセクションのうち、通気アセンブリ54に向かって曲がるのは、当接セクション207であり、これは、当接シリンダ361の半径方向で、環状支持リブ362に当接し、シール構造130の誤った配置を防止する。環状支持リブ362を設けることにより、シール構造130は、所定の位置に取り付けられた後に揺動の影響を受けにくくなり、それにより、シール構造130の信頼性を向上させる。
第10実施形態
この実施形態では、熱障壁隙間が、シール構造130と、通気アセンブリ54の底部との間に形成され、シール構造130は、分離した部分を有する点で、この実施形態は、第1の実施形態とは異なる。
【0114】
図30から
図50に示されるように、圧力制限弁座52は、内側カバー50の上面に設けられる。内側カバー50は、さらに、圧力制限シールリング100を含む。第1の熱障壁隙間は、圧力制限シールリング100の下部境界と、圧力制限弁座52の下部の間に形成される。
【0115】
圧力制限シールリング100は、圧力制限弁座52に設けられ、内側カバー50と一緒に取り外し可能であるため、他の構造要素は、圧力制限シールリング100に影響を与えず、したがって、それは、高温焼成による溶融および変形が防止されるであろう。したがって、圧力制限シールリング100の耐用年数が延ばされる。第1の熱障壁隙間は、圧力制限シールリング100の下部境界と、圧力制限弁座52の下部との間に形成され、内側カバー50の下方の熱の、圧力制限シールリング100への伝達を低減し、圧力制限シールリング100の寿命を延ばす。
【0116】
具体的には、第1の熱障壁隙間は、10mmより大きい。この配置は、内側カバー50の下部における熱の、圧力制限シールリング100への伝達を低減し、圧力制限シールリング100の耐用年数を延ばし得る。
【0117】
図46に示されるように、圧力制限シールリング100は、圧力制限弁座52の中央部分に設けられ、または、圧力制限シールリング100と圧力制限弁座の上部との間の距離は、圧力制限シールリング100と圧力制限弁座52の下部との間の距離より小さい。したがって、第1の熱障壁隙間は、圧力制限シールリング100と圧力制限弁座52の底部との間に形成され、圧力制限シールリング100によって密封されるべき孔の密封は容易にされる。
【0118】
図45に示されるように、圧力制限シールリング100は、リング本体101と、リング本体101の外周からカバー本体30に向かって突出する、位置制限リブ102を含む。位置制限リブ102の内輪面と外輪面は、リング本体101から上向きに延び、互いに向かって傾斜する。リング本体101の内周は、位置制限リブ102の内周と比較して、圧力制限シールリング100の中心に近い。リング本体101の少なくとも一部は、圧力制限弁座52に挿入され、圧力制限弁座52に当接して、圧力制限シールリング100が脱落するのを防止し、圧力制限シールリング100の密封の信頼性を改善する。位置制限リブ102を設けることにより、圧力制限シールリング100の取り付けが容易にされ、より便利になる。さらに、位置制限リブ102は、他の構造要素に対して当接し、圧力制限弁座52に対する他の構造要素の衝突を低減し、圧力制限弁座52の安全性を改善する。位置制限リブ102の内輪面と位置制限リブ102の外輪面が、上向きおよび互いに向かって傾斜させられることにより、圧力制限シールリング100の取り付けおよび取り外しが容易にされる。内側カバー50に面する側では、圧力制限シールリング100の表面は平らな面であり、圧力制限弁座の少なくとも一部に対して押し付けられ、それによって、圧力制限シールリング100と圧力制限弁座52との間の密封の信頼性を改善する。
【0119】
図46に示されるように、圧力制限弁座52は、圧力制限シールリング100が固定される取り付けスロットを備える。この配置は、圧力制限シールリング100と圧力制限弁座52の間の接続の堅固さを改善し得、その結果、圧力制限シールリング100は、内側カバー50と一緒に取り外され得る。
【0120】
図34、
図37、および、
図38に示されるように、開放不能化弁座53が、内側カバー50の上面に配置される。内側カバー50は、さらに、開放不能化シールリング110を含む。開放不能化シールリング110は、開放不能化弁座53に設けられ、第2の熱障壁隙間が、開放不能化シールリング110の下側境界と開放不能化弁座53の下端との間に形成される。開放不能化シールリング110は、開放不能化弁座53に設けられ、内側カバー50と一緒に取り外され得る。この配置は、他の構造要素が開放不能化シールリング110に影響を与えるのを防止し得、それにより、開放不能化シールリング110が、高温焼成のために溶融および変形するのを防止し、開放不能化シールリング110の耐用年数を延ばす。第2の熱障壁隙間は、開放不能化シールリング110の下部境界と、開放不能化弁座53の下部との間に形成され、内部カバーの下方で、開放不能化シールリング110への熱の伝達を低減させ、したがって、開放不能化シールリング110の耐用年数を延ばす。
【0121】
具体的には、第2の熱遮蔽隙間は、10mmより大きい。この配置は、内側カバー50の下部の熱の、開放不能化シールリング110への伝達を低減し、開放不能化シールリング110の耐用年数を延ばし得る。
【0122】
図49に示されるように、開放不能化シールリング110と開放不能化弁座53の上部との間の距離は、開放不能化シールリング110と開放不能化弁座53の下部と間の距離よりも小さく、または、開放不能化シールリング110は、開放不能化弁座53の上部に設けられ得る。言い換えると、開放不能化シールリング110は、開放不能化弁座53の中央上部、または、開放不能化弁座53の上部に配置される。したがって、第2の熱障壁隙間は、開放不能化シールリング110と開放不能化弁座53の下部の間に形成され、開放不能化シールリング110によってシールされるべき孔の密封が容易にされる。
【0123】
図48に示されるように、開放不能化シールリング110は、幅の狭いセクション111を有する。幅の狭いセクション111を設けることにより、開放不能化シールリング110の取り付けがより便利になされる。内側カバー50に面する側では、開放不能化シールリング110の表面は平らな面であり、開放不能化弁座53の少なくとも一部に対して押し付けられ、それにより、開放不能化シールリング110が開放不能化弁座53から取り外される危険を減少させる。
【0124】
この実施形態では、開放不能化シールリング110と圧力制限シールリング100は、別個の部品である。したがって、2つの間の相互作用は比較的制限されるが、組み立ては、より複雑になり、両方を同時に所定の位置に配置することは簡単でない。
【0125】
もちろん、開放不能化シールリング110と圧力制限シールリング100は、一体的に形成され得(図には示されない)、開放不能化シールリング110と圧力制限シールリング100を取り付けるための工程数を減少させる。
【0126】
図30から
図50に示されるように、調理器具は、カバー10と、カバー10が配置される本体を含み、カバー10は、本体を開閉し得る。カバー10は、カバー本体30、焼成アセンブリ40、および、上記の内側カバー50を含む。カバー本体30は、内部にファンを備える。焼成アセンブリ40は、カバー本体30の内側に配置される。内側カバー50は、焼成アセンブリ40の下方に取り外し可能に配置される。
【0127】
調理器具に焼成アセンブリ40と内側カバー50の両方を設けることにより、調理器具は、焼成と高圧調理の両方によって調理を行い得る。内側カバー50は、焼成アセンブリ40の下方に取り外し可能に配置されるので、調理器具が焼成によって調理を行うことを必要とされる場合、内側カバー50が取り外され、その結果、焼成アセンブリ40は、器具本体内で食材の焼成を行う。調理器具が高圧調理を行うことを必要とされる場合、内側カバー50は、焼成アセンブリ40の下方に取り付けられ、その結果、内側カバー50は、装置本体内の高圧空気を密封し、器具本体の内部で食材の圧力調理が行われ得る。圧力制限弁座52は、圧力制限弁120の取り付け位置を提供する。圧力制限シールリング100は、圧力制限弁座52に設けられ、内側カバー50と一緒に取り外され得、圧力制限シールリング100が焼成アセンブリ40によって加熱され、さらに、高温焼成によって溶融および変形されるのを防止し、したがって、圧力制限シールリング100の耐用年数を延ばす。第1の熱障壁隙間は、圧力制限シールリング100の下部境界と、圧力制限弁座52の下部との間に形成され、圧力制限シールリング100への器具本体内の熱の伝達を減少させ、圧力制限シールリング100の耐用年数を延ばす。カバー本体30内のファンは、カバー本体30に伝達される熱を吹き払い、カバー本体30での温度を低下させ、カバー本体30内の部品の信頼性を改善し得る。
【0128】
本適用では、カバー本体30は、第1のプラグ端子31を備え、器具本体は、第1のプラグ端子31と協働する第2のプラグ端子を備えることが留意されるべきである。第1のプラグ端子31と第2のプラグ端子は一緒に接続されてカバー10に電力を供給する。この結合電力供給アプローチは、電力を供給することにおいて、より信頼し得る。
【0129】
図35に示されるように、内側カバー50の圧力制限シールリング100は、カバー本体30の圧力制限バルブの取付け孔33にしっかりと取り付けられる。内側カバー50の開放不能化シールリング110は、カバー本体30の開放不能化弁の取付け孔34にしっかりと取付けられる。圧力制限シールリング100は、焼成アセンブリ40を通過して、カバー本体30の圧力制限弁の取付け孔33を密封する。開放不能化シールリング110は、焼成アセンブリ40を通過して、カバー本体30の開放不能化弁の取付け孔34を密封する。
【0130】
図35および
図36に示されるように、焼成アセンブリ40は、上から下に順次に、熱シールド44、加熱要素41、および、複数の固定クランプ49を含み、複数の固定クランプ49によって、加熱要素41は、熱シールド44に取付けられ、熱シールド44を通って、内側カバー50の圧力制限弁座52が通過する。加熱要素41は、圧力制限弁座52が、それをバイパスすることを可能にする。熱シールド44は、圧力制限弁座52が通過するための通過孔445を有する。焼成アセンブリ40は、加熱要素41によって生成された熱によって、器具本体内の食品材料の焼成を行う。熱シールド44は、焼成アセンブリ40によって生成される熱を遮断して、熱がカバー本体30に伝達されるのを防止する。圧力制限弁座用の通過孔445を備えることで、圧力制限弁座52は、熱シールド44を通過して、カバー本体30に延び得る。複数の固定クランプ49は、複数の位置で、加熱要素41を固定し、加熱要素41と熱シールド44の間の接続の信頼性を改善する。
【0131】
図に示されない特定の実施形態では、固定クランプの代わりに、それによって加熱要素41が熱シールド44に接続される保護ネットが、焼成アセンブリ40内に配置される。保護ネットと加熱要素41の間の接触面積が大きく、その結果、加熱要素41と熱シールド44の間の接続は、より緊密になる。
【0132】
図35および
図36に示される特定の実施形態では、カバー10は、さらに、ハンドル140、および、カバー本体30の外側カバー35に接続される蒸気カバー150を含む。ハンドル140の少なくとも一部は、内側ライナー36の回転バー37に接続されて、回転カバー170を回転するように駆動させ、それにより、器具本体上でカバー10を開閉する。蒸気カバー150は、ハンドル140から離れて配置され、圧力制限弁120を覆い、圧力制限弁120が圧力制限弁座52から外れるのを防止する。
【0133】
本適用では、カバー本体30は、さらに、内側ライナー36と熱シールド44との間に配置された断熱綿160を含み、焼成アセンブリ40から内側ライナー36への熱の伝達を低減させ、したがって、カバー本体30の信頼性を改善する。
【0134】
この実施形態では、内側カバー50は、装置本体内の食品材料の圧力調理を実行するために、装置本体内の高圧空気を密封し得る。
【0135】
任意に、上記の調理器具は、電気圧力調理器である。もちろん、調理器具は、また、電気炊飯器など、食品材料の調理に使用される他の電気器具であり得る。
【0136】
明らかに、上記の実施形態は、本発明の実施形態の単なる一部であり、全てではない。創造的な労働を伴わずに、本発明の実施形態に基づいて当業者によって取得される他のすべての実施形態は、本発明の保護の範囲内にある。
【0137】
本明細書で使用される用語は、特定の実現モードを説明するためのものであり、本適用による例示的な実施形態を限定することを意図されないことが留意されるべきである。本明細書で使用されるように、本明細書のどこかで特に示されない限り、単数形は、また、複数形を含むことを意図される。さらに、この明細書において、「備える」や「含む」などの用語が使用される場合、それは、態様、工程、機能、部分、組立体、および/または、それらの組み合わせが存在することを示すことが留意されるべきである。
【0138】
「第1」や「第2」などの用語は、類似した対象を区別するために使用され、特定の順番や順序を説明するために必ずしも必要とされるわけではないことが留意されるべきである。このように使用される情報は、適切な状況で交換可能であり、その結果、本明細書で説明される本適用の実施形態は、本明細書で示され、または、説明される以外の順序で、実現され得ることが理解されるべきである。
【0139】
上記で説明されたことは、本発明の単なる好ましい実施形態であり、本発明の範囲を限定するものではない。当業者にとって、本発明は、様々な修正および変更を受け得る。本発明の精神および原理の範囲内でなされる、任意の変更、等価置換、および、改良は、本発明の保護の範囲内にあるであろう。