IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ラインメタル ヴァッフェ ムニシオーン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

特許7599486活性素子及び活性素子を点火するための方法
<>
  • 特許-活性素子及び活性素子を点火するための方法 図1
  • 特許-活性素子及び活性素子を点火するための方法 図2
  • 特許-活性素子及び活性素子を点火するための方法 図3
  • 特許-活性素子及び活性素子を点火するための方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】活性素子及び活性素子を点火するための方法
(51)【国際特許分類】
   F42C 19/08 20060101AFI20241206BHJP
   F41J 2/02 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
F42C19/08
F41J2/02
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022520155
(86)(22)【出願日】2020-09-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-01
(86)【国際出願番号】 EP2020074306
(87)【国際公開番号】W WO2021063615
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】102019126466.9
(32)【優先日】2019-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】509334642
【氏名又は名称】ラインメタル ヴァッフェ ムニシオーン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Rheinmetall Waffe Munition GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カダヴァニヒ、ヴィコーン
(72)【発明者】
【氏名】フーバー、フロリアン
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-050698(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0266882(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0036932(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41H 11/02
F41J 2/02
F42B 4/26
F42B 5/15
F42B 12/00
F42C 19/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性素子(1)であって、
少なくとも1つの活性物質(10 1...n )と、
活性物質(10 1...n )を点火する火工品組成物を含む、少なくとも2つの点火手段(20 1...n )と、を備え、
前記少なくとも2つの点火手段(20 1...n )は、少なくとも1つの活性物質(10 1...n )上に配置され、且つ前記少なくとも1つの活性物質(10 1...n )を複数の側面から同時に点火できるように、チャネル(30 1...n 、31 1...n )を介して互いに接続され、
前記活性素子(1)は、少なくとも2つの活性物質(101...n)を含み、前記点火手段(201...n)は、前記少なくとも2つの活性物質(101...n)が複数の側面から同時に点火できるように、活性素子(1)の活性物質(101...n)の間に配置されていることを特徴とする性素子(1)。
【請求項2】
活性素子(1)であって、
少なくとも1つの活性物質(10 1...n )と、
活性物質(10 1...n )を点火する火工品組成物を含む、少なくとも2つの点火手段(20 1...n )と、を備え、
前記少なくとも2つの点火手段(20 1...n )は、少なくとも1つの活性物質(10 1...n )上に配置され、且つ前記少なくとも1つの活性物質(10 1...n )を複数の側面から同時に点火できるように、チャネル(30 1...n 、31 1...n )を介して互いに接続され、
前記活性素子(1)は、個々の前記活性物質(101...n)が分離され、かつ前記チャネル(301...n、311...n)が延在する溝、スロット及び/又は孔(221...n、231...n)を有することを特徴とする性素子(1)。
【請求項3】
活性素子(1)であって、
少なくとも1つの活性物質(10 1...n )と、
活性物質(10 1...n )を点火する火工品組成物を含む、少なくとも2つの点火手段(20 1...n )と、を備え、
前記少なくとも2つの点火手段(20 1...n )は、少なくとも1つの活性物質(10 1...n )上に配置され、且つ前記少なくとも1つの活性物質(10 1...n )を複数の側面から同時に点火できるように、チャネル(30 1...n 、31 1...n )を介して互いに接続され、
前記少なくとも1つの活性物質(101...n)は、チャネル(301...n、311...n)が延びる溝、スロット、及び/又は孔(221...n、231...n)を有することを特徴とする性素子(1)。
【請求項4】
活性素子(1)であって、
少なくとも1つの活性物質(10 1...n )と、
活性物質(10 1...n )を点火する火工品組成物を含む、少なくとも2つの点火手段(20 1...n )と、を備え、
前記少なくとも2つの点火手段(20 1...n )は、少なくとも1つの活性物質(10 1...n )上に配置され、且つ前記少なくとも1つの活性物質(10 1...n )を複数の側面から同時に点火できるように、チャネル(30 1...n 、31 1...n )を介して互いに接続され、
前記活性素子(1)は、前記活性素子(1)全体を被覆する火工品被覆組成物を有していないことを特徴とする性素子(1)。
【請求項5】
前記少なくとも2つの点火手段(201...n)は、前記活性素子(1)の内側及び/又は外側に配置されることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の活性素子(1)。
【請求項6】
各点火手段(201...n)の火工品組成物と前記少なくとも1つの活性物質(10)とが不活性材料によって互いに分離されていることを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の活性素子(1)。
【請求項7】
少なくとも1つの活性物質及び/又は点火手段(201...n)は、膜、筐体及び/又は空隙によって互いに分離されていることを特徴とする請求項に記載の活性素子(1)。
【請求項8】
溝、スロット及び/又は孔(221...n、231...n)は、これらが複数の交点(251...n、261...n)で交差するように延在し、且つ前記点火手段(201...n)は、前記交点(251...n、261...n)において形成されていることを特徴とする請求項に記載の活性素子(1)。
【請求項9】
前記溝、スロット及び/又は孔(221...n、231...n)は、前記活性素子(1)の内側及び/又は外側に配置されることを特徴とする、請求項2、3及び8のいずれか1項に記載の活性素子(1)。
【請求項10】
前記活性素子(1)は、不活性膜又は筐体によって環境の影響から保護されていることを特徴とする請求項1~9の何れか1項に記載の活性素子(1)。
【請求項11】
前記チャネル(301...n、311...n)の長さが、点火手段(201...n)を同時に点火できるように形成されていることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の活性素子(1)。
【請求項12】
デコイ活性素子である、請求項1~11のいずれか1項に記載の活性素子(1)。
【請求項13】
求項1~12のいずれかに記載の活性素子(1)を点火する方法であって、
前記活性素子(1)は、
少なくとも1つの活性物質(101...n)と、
少なくとも2つの点火手段(201...n)であって、それぞれが活性物質(101...n)を点火するための火工品組成物を含む少なくとも2つの点火手段(201...n)と、
を備え、
前記少なくとも2つの点火手段(201...n)は、少なくとも1つの活性物質(101...n)上に配置され、前記少なくとも2つの点火手段(201...n)は、少なくとも1つの活性物質(101...n)が複数の側面から同時に点火できるようにチャネル(301...n、311...n)を介して互いに接続されていることを特徴とする方法。
【請求項14】
活性素子(1)の複数の活性物質(101...n)は、複数の側面から同時に点火されることを特徴とする請求項13に記載の活性素子(1)の点火方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性素子(active element)、特にデコイ活性素子に関し、少なくとも1つの活性素子と、各々が活性素子を点火するための火工品組成物を含む少なくとも2つの点火手段とを含む。
【0002】
さらに、本発明は、活性素子を点火する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
デコイ活性素子のような活性素子は、航空において使用される。およそ1970年以来、このようなデコイ活性素子は、保護フィルム下又は容器内に設けられ、片側から点火されてきた。これは、特に全ての従来のMTV(マグネシウム-テフロン-ビトン)デコイ活性素子とスペクトルデコイ活性素子に当て嵌まる。
【0004】
点火チェーンは、航空機の場合には好ましくは長尺状である活性素子に対して点火側から好ましくはフェールセーフシステムを介して起動され、その後、投下後に活性素子に点火する。これらの活性素子は、要求される時間内に全ての側面からの点火を達成するために、しばしば速燃焼コーティング組成物を有する。
【0005】
特定の活性素子及び幾何学的形状を有するデコイ活性素子には、設計及び使用の種類に起因する点火問題があり、これは、点火の初期段階において、遅延及び減少した出力供給につながる可能性がある。
【0006】
通常、ベース領域内の点火側から点火開始され(initiation)、この点火側は、活性素子の所謂端面であり、最終的には、全ての側面で活性素子の反応を達成するために、噴出側の方向の表面に沿って、前記素子の内側又は外側において広がる。
【0007】
上で概説した点火の問題は、点火フェーズ中の危険に関して有効性に直接影響を及ぼす可能性がある。
【0008】
文献DE 10 2009 030 871 A1は、プラスチックフィルムからなる可燃性の活性物質(active substance)の容器を備える活性素子を開示しており、この活性素子は、レーザー又は高温によって誘導点火することができる。
【0009】
DE 10 2016 122 740 A1は、筐体、点火装置、及び少なくとも1つの活性組成物を有する火工式の活性素子を開示する。点火装置は、例えば、活性素子の底部に配置される。
【0010】
特許出願DE 10 2010 030 869 A1は、複数の活性物質を含む活性素子を開示しており、これらの活性素子は複数の個々のフレアを有し、これらのフレアは、一方が他方の背後に配置され、レーザーによって、又は高温によって誘導点火され得る。
【0011】
DE 10 2009 030 872 A1は、誘導点火される活性素子に関し、赤リンを被覆した鋼箔のような担体材料中に充填される個々のフレアからなる。
【0012】
赤外線デコイのための多数の個々の構成要素を有し、中心縦方向の点火を提供する封入活性素子は、DE 10 2010 013 110 A1から知られている。
【0013】
DE 10 2004 047 231 A1は、複数の活性素子及び点火手段を有する一般的な活性素子を開示する。点火がどのように行われ、点火手段がどのように配置されているかは開示されていない。
【0014】
基本及び活性素子の幾何学的形状によっては、軍事活性素子としての実施に使用できる適切な承認済み又は信頼性のあるコーティング組成物が存在しない場合がある。活性素子の組成又は幾何学的形状の変更は、既存のシステムによる制限なしには不可能であり、従って、この場合には目標の衝突が存在する。
【0015】
さらに、コーティング組成物がないと、すべての側面から、又は複数の側面からの発火は保証できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【文献】DE 10 2009 030 871 A1
【文献】DE 10 2016 122 740 A1
【文献】DE 10 2010 030 869 A1
【文献】DE 10 2009 030 872 A1
【文献】DE 10 2010 013 110 A1
【文献】DE 10 2004 047 231 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
このことから、本発明が対処する問題は、複数の活性素子の迅速かつ確実な点火を可能にする活性素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この問題は、請求項1の活性素子によって解決される。さらに、この問題は、請求項13の方法によって解決される。有利な実施形態及び発展形態は、それぞれの従属クレームの主題である。
【0019】
本発明によれば、少なくとも1つの活性物質と少なくとも2つの点火手段とを備え、各々が少なくとも1つの活性物質を点火するための火工品組成物(pyrotechnic composition)を有する活性素子、特にデコイ活性素子が提供される。少なくとも2つの点火手段は、少なくとも1つの活性物質上に配置され、少なくとも2つの点火手段は、少なくとも1つの活性物質を複数の側面から同時に点火できるように、チャネルを介して互いに接続される。
【0020】
さらに、本発明によれば、この種の活性素子又は後述するような活性素子に点火する方法が提供される。活性素子は少なくとも1つの活性物質と少なくとも2つの点火手段を含み、各々が活性物質を点火するための火工品組成物を含む。少なくとも2つの点火手段は、少なくとも1つの活性物質上に配置され、少なくとも2つの点火手段は、少なくとも1つの活性物質を複数の側面から同時に点火できるように、チャネルを介して互いに接続される。
【0021】
従って、本発明によれば、活性素子を、複数の側面で、しかし、少なくとも2つの側面、例えば、側面及び反対側で点火開始させることができるように設計することが提案される。従って、多点点火を有する活性素子である。
【0022】
少なくとも1つの活性物質は、フレアに用いられるような少なくとも1つの火工品型活性物質であることが好ましい。
【0023】
チャネルは、点火手段を点火するか、又は点火手段に点火を伝導するように設計された点火チャネルであることが好ましい。チャネルは、互いに対して対称的及び/又は非対称的に配置することができる。
【0024】
「複数の側面において同時に」は、活性素子又は少なくとも1つの活性物質が、側面、上面、底面又は縁部のような複数の点で同時に点火され得ることを意味する。本発明の意味の範囲内で、同時に、少なくとも1つの活性物質を実質的に時間遅延なしに点火できることを意味する。
【0025】
本発明の意味の範囲内では、点火手段は、例えば、導火爆管、より小さな点火に敏感な火工品組成物又は他の既知の点火手段である。
【0026】
本発明による多面点火の結果、大面積にわたる感受性の低い活性物質は、著しく小さい点火手段によって迅速かつ確実に点火することができる。
【0027】
複数の点火手段が設けられているので、この点火手段を冗長に設けることにより、点火の信頼性が向上する。
【0028】
さらに、このような活性素子は、(例えば飛行機から)射出された直後にすべての側面に混乱効果を有し、接近するミサイルを確実に回避することができる。
【0029】
さらに、特に、少なくとも1つの活性物質が複数の側面から同時に点火され得るという事実のために、使用中の散乱挙動の低減及び応答性の向上が、本発明による活性素子によって達成される。さらに、活性素子の有効性が改善される。
【0030】
本発明の有利な展開において、活性素子の複数の活性物質の好ましくはそれぞれが、複数の側面から同時に点火され得ることを提供することができる。
【0031】
少なくとも2つの活性物質は、同じサイズ及び/又は異なるサイズであってよい。多数の異なる活性物質を用いることにより、活性物質の燃焼中に活性素子が発するスペクトルの波長を設定することができる。
【0032】
有利な展開では、活性素子は少なくとも2つの活性物質を有し、点火手段は、少なくとも2つの活性物質が複数の側面から同時に点火できるように、活性素子における活性物質の間に配置される。
【0033】
これにより、活性素子の各活性物質が確実かつ同時に点火され、活性素子が全ての側面で良好な混乱効果を生じることが保証される。
【0034】
さらに、点火手段は、有利には、活性素子の内側及び/又は外側に配置することができる。
【0035】
点火手段の火工品組成物及び少なくとも1つの活性物質は、さらに、不活性材料によって互いに分離することができる。
【0036】
その結果、少なくとも1つの活性物質の点火手段の火工品組成物からの所定の分離が達成される。これによって、活性素子の貯蔵中に活性物質と火工品組成物が互いに化学的影響を及ぼすのが防止される。さらに、これにより望ましくない点火が防止される。さらに、これは、本体を点火するために、所定の点火エネルギーが必要であることを意味する。
【0037】
一実施形態によると、少なくとも1つの活性物質及び/又は点火手段は、フィルム、筐体又は空隙によって互いに分離することもできる。個々の活性物質は、好ましくは、このようにして互いに分離することができる。
【0038】
このような物理的分離は、例えば、フィルム、又は紙、プラスチック材料又は金属で作られた筐体によって達成することができる。
【0039】
更に、活性素子が溝、スロット及び/又は孔を有することを提供することができる。チャネルは、溝、スロット及び/又は孔内に延在する。個々の活性素子は、好ましくは、これらの溝及び/又はスロットによって分離される。しかし、溝、スロット及び/又は孔が活性素子の内部に延在することも可能である。
【0040】
溝、スロット及び/又は孔を設けることによって、チャネルの位置決めが所定となり、また、チャネルが活性素子の輪郭を越えないか又は僅かに突出することが確実となる。
【0041】
さらなる発展において、溝及び/又はスロットは、それらが複数の交点で交差し、点火手段が交点で形成されるように延在することが提供され得る。
【0042】
このような交点を設けることは、複数の活性物質、例えば、4つ又は8つの活性物質が、交点において互いに離れたところに設けられており、このように複数の活性素子を点火手段によって1点で点火することができることを意味する。
【0043】
さらに、溝、スロット及び/又は孔は、活性素子の内側及び/又は外側に配置することができる。
【0044】
更に、活性素子は、フィルム又は筐体によって環境の影響から保護することができる。これにより、活性素子は、高い風速及び/又は射出速度、例えば、高速飛行装置又は航空機から発射された場合でも、確実に点火することができる。
【0045】
更に、本発明によれば、活性素子が活性素子全体を被覆する火工被覆組成物を有さないようにしてもよい。このようなコーティング組成物は、活性素子をコーティングし、あらゆる側面からの点火を可能にする速燃性組成物である。これは、適当な認可コーティング組成がなくても、活性素子を認可できるという利点がある。
【0046】
点火手段は、このように配置することができ、チャネルの長さは、点火手段を同時に点火できるように形成することができる。
【0047】
点火手段は、チャネルを介して点火開始装置に接続することもできる。
【0048】
本方法の実施形態では、活性素子の複数の活性物質を複数の側面から同時に点火することもできる。
【0049】
有利な発展形態では、活性素子は、実質的に立方形であってもよく、実質的に立方形の活性物質を有してもよい。この場合、活性素子は、特に2×1×8”又は1×1×8”NATO標準口径の弾薬用の活性素子とすることができる。
【0050】
しかしながら、活性素子は、好ましくは36mm又は55mmの直径を有する円筒形活性素子であってもよい。
【0051】
活性素子は、また、球状又は三角形状であってもよい。
【0052】
以下、本発明を、図面を参照して実施の形態に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1図1は、第1の実施の形態に係るチャネルを有する本発明による活性素子の概略斜視図である。
図2図2は、図1の第1の実施の形態に係る活性素子の概略斜視図であり、チャネルは隠されている。
図3図3は、第2の実施の形態に係る発明による活性素子の概略斜視図であり、内部チャネルを有する活性素子である。
図4図4は、第3の実施の形態に係る発明による活性素子の概略斜視図であり、内部対称チャネル及び非対称チャネルを有する活性素子である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1は、本発明1による活性素子の概略斜視図である。活性素子1は、複数の活性物質101...nと、複数の点火手段201...nとを含む。点火手段201...nはそれぞれ、活性物質101...nを点火するための火工品組成物を含む。
【0055】
図2は、図1に係る発明による活性素子の概略斜視図でもあり、チャネル301...nは隠れている。
【0056】
点火手段201...nは、個々の活性物質101...nと点火手段201...nとの間に配置され、活性素子1を複数の側面から同時に点火できるように、チャネル301...nを介して互いに接続されている。
【0057】
点火手段201...nは、チャネル301...nを介して点火開始装置(図示せず)に接続され、点火手段201...nが配置され、チャネル301...nの長さが、点火手段201...nが同時に点火できるように形成される。
【0058】
図2から分かるように、活性素子1は溝及び/又はスロット221...nを有し、これによって個々の活性物質101...nが互いに分離される。図1及び図2の第1の実施形態によれば、溝及び/又はスロット251...nは、活性素子1の内側及び/又は外側、すなわち外部に配置される。
【0059】
溝及び/又はスロット221...nは、それらが複数の交点251...nで交差し、点火手段201...nが交点251...nで配置されるように延びている。
【0060】
図1に示すように、溝及び/又はスロット221...nは、チャネル301...nを収容する。すなわち、チャネル301...nは、溝及び/又はスロット内に配置される。
【0061】
個々のチャネル301...nは、ビード様に形成される。
【0062】
活性素子1の個々の活性物質101...nは、複数の側面から同時に点火することができる。
【0063】
実施形態によれば、点火手段201...nは、活性素子1の内側/外側に配置される。この目的のために、前記点火手段は、活性素子1のスロット/溝内に設けられる。
【0064】
点火手段201...nの火工品組成物及び活性物質101...nは、不活性材料によって互いに分離される。これは、例えば、フィルム、筐体又はエアギャップとして設計することができる。
【0065】
図3によれば、図1に係る本発明の形態に基づく第2の本発明の形態に係る活性素子1の概略斜視図が示されており、その相違点を以下に追加的に示す。活性素子1は、チャネル311...nが形成される内部スロット、溝及び/又は孔231...nを有する。チャネル311...nは、個々の活性物質101...nの内側に形成され、対称パターンを有する。
【0066】
図4によれば、本発明に係る活性素子1の概略斜視図が、図3に係る実施の形態に基づく第3の実施の形態に係るものとして示されている。図3による実施形態とは対照的に、内部チャネル311...nは、個々の活性物質101...nの内側に対称及び/又は非対称チャネル311...nとして形成される。
【0067】
図1図4に示される実施形態は、8つの活性物質101...8及び6つの点火手段201...6を有する活性素子1である。活性素子1は、実質的に立方形であり、実質的に立方形の活性物質101...8を含む。この場合、活性素子は、特に2×1×8”又は1×1×8”NATO標準口径の弾薬用の活性素子とすることができる。しかしながら、上記実施形態のこの設計は、単なる例示的な実施形態である。8種類以外の活性物質や6種類の点火手段も可能である。しかしながら、活性素子は、好ましくは36mm又は55mmの直径を有する円筒形活性素子であってもよい。活性素子は球状又は三角形状であってもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 活性素子
101...n 活性物質
201...n 点火手段
221...nスロット、溝及び/又は穴(内部)
231...n スロット、溝及び/又は穴(外部)
251...n 交点(内部)
261...n 交点(外部)
301...n チャネル(内部)
311...n チャネル(外部)
図1
図2
図3
図4