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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】触覚刺激提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20241206BHJP
   G06F 3/04847 20220101ALI20241206BHJP
   H04R 1/00 20060101ALI20241206BHJP
   H04R 3/12 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
G06F3/01 560
G06F3/04847
H04R1/00 310G
H04R3/12 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022533326
(86)(22)【出願日】2020-10-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-13
(86)【国際出願番号】 KR2020014330
(87)【国際公開番号】W WO2021141215
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2023-08-15
(31)【優先権主張番号】10-2020-0001697
(32)【優先日】2020-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519437984
【氏名又は名称】ビーハプティクス インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】(KT Daedeok 2 Research Center, Jeonmin-dong) 3Dong-503Ho, 70, Yuseong-daero 1689beon-gil, Yuseong-gu, Daejeon 34047, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】チェ サン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】カク キ ウク
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0378385(US,A1)
【文献】特表2011-505921(JP,A)
【文献】国際公開第2019/138867(WO,A1)
【文献】特開2015-053045(JP,A)
【文献】特開2014-154126(JP,A)
【文献】特開2014-049139(JP,A)
【文献】特開2015-095264(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2018-0054524(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048 - 3/04895
A63F 13/00 - 13/98
H04R 1/00
H04R 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1オーディオデータのn個の周波数帯域のそれぞれの代表値に対応する第1アクチュエータ強度値及び第2オーディオデータのm個の周波数帯域のそれぞれの代表値に対応する第2アクチュエータ強度値を生成する触覚刺激パターン生成装置と、
p個のアクチュエータを含み、上記n個の第1アクチュエータ強度値及び上記m個の第2アクチュエータ強度値に基づいて上記p個のアクチュエータを駆動する触覚刺激提供装置と、を含み、
上記n、m、及びpは1より大きい整数であり、上記pはn及びmを合計した値より小さく、
上記第1オーディオデータは第1方向に関する情報を含み、
上記第2オーディオデータは上記第1方向とは異なる第2方向に関する情報を含み、上記第1方向と対応する第1位置情報に対応するアクチュエータは上記第1アクチュエータ強度値のうち少なくとも1つに基づいて駆動され、
上記第2方向と対応する第2位置情報に対応するアクチュエータは上記第2アクチュエータ強度値のうち少なくとも1つに基づいて駆動されることを特徴とする触覚刺激提供システム。
【請求項2】
上記第1オーディオデータはステレオオーディオデータ(stereo audio data)の第1チャネルのデータに対応し、
上記第2オーディオデータはステレオオーディオデータの第2チャネルのデータに対応することを特徴とする請求項1に記載の触覚刺激提供システム。
【請求項3】
上記第1オーディオデータは3つ以上のチャネルを有するサラウンドオーディオデータ(surround audio data)の第1チャネルのデータに対応し、
上記第2オーディオデータは上記サラウンドオーディオデータの第2チャネルのデータに対応することを特徴とする請求項1に記載の触覚刺激提供システム。
【請求項4】
上記p個のアクチュエータのうち少なくとも1つのアクチュエータは、上記n個の第1アクチュエータ強度値のうち少なくとも1つ及び上記m個の第2アクチュエータ強度値のうち少なくとも1つに基づいて駆動されることを特徴とする請求項1に記載の触覚刺激提供システム。
【請求項5】
上記p個のアクチュエータのうち少なくとも1つのアクチュエータは、上記n個の第1アクチュエータ強度値のうち少なくとも2つに基づいて駆動されることを特徴とする請求項1に記載の触覚刺激提供システム。
【請求項6】
上記周波数帯域の少なくとも2つは少なくとも一部の範囲が重畳することを特徴とする請求項1に記載の触覚刺激提供システム。
【請求項7】
上記触覚刺激パターン生成装置は、
時間ドメイン(time domain)の上記第1オーディオデータ及び上記第2オーディオデータを周波数ドメイン(frequency domain)の第1変換データ及び第2変換データにそれぞれ変換するデータ変換部を含むことを特徴とする請求項1 に記載の触覚刺激提供システム。
【請求項8】
上記触覚刺激パターン生成装置は、
上記第1変換データ及び上記第2変換データのそれぞれに対し、上記周波数帯域の上記代表値を算出する帯域代表値算出部をさらに含み、
上記代表値は上記周波数帯域のそれぞれの最小閾値より大きくて最大閾値より小さい有効データに基づくことを特徴とする請求項7に記載の触覚刺激提供システム。
【請求項9】
上記触覚刺激パターン生成装置は、
上記代表値に対応するアクチュエータ強度値を算出するアクチュエータ強度算出部をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の触覚刺激提供システム。
【請求項10】
上記アクチュエータ強度算出部は、上記代表値がアクチュエータ強度値の最大値に対応する代表値よりも小さいほど上記アクチュエータ強度値が小さくなるように算出し、上記代表値がアクチュエータ強度値の最大値に対応する代表値よりも大きいほど上記アクチュエータ強度値が小さくなるように算出することを特徴とする請求項9に記載の触覚刺激提供システム。
【請求項11】
上記アクチュエータ強度算出部は、上記代表値と上記アクチュエータ強度値との関係が不連続関数を含むことを特徴とする請求項9に記載の触覚刺激提供システム。
【請求項12】
上記周波数帯域のうち第1周波数帯域に対応する第1最小閾値は、上記周波数帯域のうち第2周波数帯域に対応する第2最小閾値と異なり、
上記第1周波数帯域に対応する第1最大閾値は、上記第2周波数帯域に対応する第2最大閾値と異なることを特徴とする請求項8に記載の触覚刺激提供システム。
【請求項13】
上記触覚刺激パターン生成装置は、
上記アクチュエータ強度値が一定時間以上保持されると、上記アクチュエータ強度値を次第に減衰させるアクチュエータ強度減衰部をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の触覚刺激提供システム。
【請求項14】
上記触覚刺激パターン生成装置は、
1つのアクチュエータにマッピングされた2つ以上のアクチュエータ強度値を併合することで1つのアクチュエータ強度値を生成するアクチュエータ強度併合部をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の触覚刺激提供システム。
【請求項15】
上記触覚刺激パターン生成装置は、
上記周波数帯域のそれぞれに対し、時間経過に伴う上記代表値の頻度分布に基づいて上記代表値の有効範囲を算出し、上記有効範囲の最小値に対応するように上記最小閾値を設定し、上記有効範囲の最大値に対応するように上記最大閾値を設定する自動設定部をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の触覚刺激提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は触覚刺激提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
触覚刺激提供装置は複数のアクチュエータ(actuator)を含み、複数のアクチュエータを選択的に振動させることによってユーザに触覚刺激を提供することができる。モバイル、コンソール、コンピュータ、仮想現実端末などを利用してゲームや動画などの視聴覚ベースのコンテンツを楽しむ際に、当該触覚刺激がユーザに一緒に伝われば、ユーザは楽しみが増えるとともに没入感を味わうことができる。
【0003】
ところが、例えば、ゲームプログラムの開発時から触覚刺激提供機能をゲーム内にビルトイン(built-in)しないのであれば、外部のプログラムを利用して各々のゲーム状況に適する触覚刺激の提供方法を新たに研究しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする技術的課題は、外部のプログラムを利用して状況に適する触覚刺激が提供できる触覚刺激提供システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施例による触覚刺激提供システムは、第1オーディオデータの周波数帯域の代表値に対応するn個の第1アクチュエータ強度値及び第2オーディオデータの周波数帯域の代表値に対応するm個の第2アクチュエータ強度値を生成する触覚刺激パターン生成装置と、p個のアクチュエータを含み、上記n個の第1アクチュエータ強度値及び上記m個の第2アクチュエータ強度値に基づいて上記p個のアクチュエータを駆動する触覚刺激提供装置と、を含み、上記n、m、及びpは1より大きい整数であり、上記pはn及びmを合計した値より小さく、上記第1オーディオデータは第1方向に関する情報を含み、上記第2オーディオデータは上記第1方向とは異なる第2方向に関する情報を含み、上記第1方向と対応する第1位置情報に対応するアクチュエータは上記第1アクチュエータ強度値のうち少なくとも1つのみに基づいて駆動され、上記第2方向と対応する第2位置情報に対応するアクチュエータは上記第2アクチュエータ強度値のうち少なくとも1つのみに基づいて駆動される
【0006】
上記第1オーディオデータはステレオオーディオデータ(stereo audio data)の第1チャネルのデータに対応し、上記第2オーディオデータはステレオオーディオデータの第2チャネルのデータに対応してもよい。
【0007】
上記第1オーディオデータは3つ以上のチャネルを有するサラウンドオーディオデータ(surround audio data)の第1チャネルのデータに対応し、上記第2オーディオデータは上記サラウンドオーディオデータの第2チャネルのデータに対応してもよい。
【0008】
上記p個のアクチュエータのうち少なくとも1つのアクチュエータは、上記n個の第1アクチュエータ強度値のうち少なくとも1つ及び上記m個の第2アクチュエータ強度値のうち少なくとも1つに基づいて駆動されてもよい。
【0009】
上記p個のアクチュエータのうち少なくとも1つのアクチュエータは、上記n個の第1アクチュエータ強度値のうち少なくとも2つに基づいて駆動されてもよい。
【0010】
上記周波数帯域の少なくとも2つは少なくとも一部の範囲が重畳してもよい。
【0011】
上記触覚刺激パターン生成装置は、時間ドメイン(time domain)の上記第1オーディオデータ及び上記第2オーディオデータを周波数ドメイン(frequency domain)の第1変換データ及び第2変換データにそれぞれ変換するデータ変換部を含んでもよい。
【0012】
上記触覚刺激パターン生成装置は、上記第1変換データ及び上記第2変換データのそれぞれに対し、上記周波数帯域の上記代表値を算出する帯域代表値算出部をさらに含み、上記代表値は上記周波数帯域のそれぞれの最小閾値より大きくて最大閾値より小さい有効データに基いてもよい。
【0013】
上記触覚刺激パターン生成装置は、上記代表値に対応するアクチュエータ強度値を算出するアクチュエータ強度算出部をさらに含んでもよい。
【0014】
上記アクチュエータ強度算出部は、上記代表値が小さいほど上記アクチュエータ強度値が小さくなるように算出し、上記代表値が大きいほど上記アクチュエータ強度値が小さくなるように算出することができる。
【0015】
上記アクチュエータ強度算出部は、上記代表値と上記アクチュエータ強度値との関係が不連続関数を含んでもよい。
【0016】
上記周波数帯域のうち第1周波数帯域に対応する第1最小閾値は、上記周波数帯域のうち第2周波数帯域に対応する第2最小閾値と異なり、上記第1周波数帯域に対応する第1最大閾値は、上記第2周波数帯域に対応する第2最大閾値と異なってもよい。
【0017】
上記触覚刺激パターン生成装置は、上記アクチュエータ強度値が一定時間以上保持されると、上記アクチュエータ強度値を次第に減衰させるアクチュエータ強度減衰部をさらに含んでもよい。
【0018】
上記触覚刺激パターン生成装置は、1つのアクチュエータにマッピングされた2つ以上のアクチュエータ強度値を併合することで1つのアクチュエータ強度値を生成するアクチュエータ強度併合部をさらに含んでもよい。
【0019】
上記触覚刺激パターン生成装置は、上記周波数帯域のそれぞれに対し、時間経過に伴う上記代表値の頻度分布に基づいて上記代表値の有効範囲を算出し、上記有効範囲の最小値に対応するように上記最小閾値を設定し、上記有効範囲の最大値に対応するように上記最大閾値を設定する自動設定部をさらに含んでもよい。
【0020】
本発明の一実施例によるコンピュータで読み取り可能な記録媒体は、コンピュータで実行可能なプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体であって、上記プログラムはユーザインタフェースを作成し、上記ユーザインタフェースは、2つ以上のオーディオチャネルのうち少なくとも1つのオーディオチャネルの周波数帯域を含むチャネル設定領域と、上記周波数帯域から選択された周波数帯域のローカル設定値を含むローカル設定領域と、を含み、上記ローカル設定値は複数の仮想アクチュエータのうち上記選択された周波数帯域に対応して選択された仮想アクチュエータを含む。
【0021】
上記ローカル設定値は、上記選択された周波数帯域の有効データの上限である最大閾値及び上記有効データの下限である最小閾値を含んでもよい。
【0022】
上記ユーザインタフェースは、上記周波数帯域に共通して適用されるグローバル設定値を含むグローバル設定領域をさらに含んでもよい。
【0023】
上記ユーザインタフェースは、2つのオーディオチャネルを有するステレオオーディオモード及び3つ以上のオーディオチャネルを有するサラウンドオーディオモードのうち1つが選択可能なモード選択領域をさらに含んでもよい。
【0024】
上記ユーザインタフェースは、入力されたオーディオデータに対応して上記仮想アクチュエータの駆動強度を視覚化するシミュレーション領域をさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明による触覚刺激提供システムは、外部のプログラムを利用して状況に適する触覚刺激を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施例による触覚刺激提供システムを説明するための図である。
図2】本発明の一実施例によるアクチュエータケースを一視点で説明するための図である。
図3図2のアクチュエータケースを別の視点で説明するための図である。
図4】本発明の一実施例による腕カバー状の触覚刺激提供装置の正面図である。
図5図4の触覚刺激提供装置の背面図である。
図6図4の触覚刺激提供装置をユーザが装着しているところを示す図である。
図7図4の触覚刺激提供装置をユーザが装着している様子を示す図である。
図8】本発明の他の実施例によるアクチュエータケースを一視点で説明するための図である。
図9図8のアクチュエータケースを別の視点で説明するための図である。
図10】本発明の一実施例によるベスト状の触覚刺激提供装置の正面図である。
図11図10の触覚刺激提供装置の背面図である。
図12図11の触覚刺激提供装置の前面パネルを開放した場合を説明するための図である。
図13】本発明の一実施例によるユーザインタフェースを説明するための図である。
図14図13のユーザインタフェースのシミュレーション領域を説明するための図である。
図15図13のユーザインタフェースのシミュレーション領域を説明するための図である。
図16】本発明の一実施例による触覚刺激パターン生成装置を説明するための図である。
図17図16の触覚刺激パターン生成装置のデータ変換部を説明するための図である。
図18図16の触覚刺激パターン生成装置の帯域代表値算出部を説明するための図である。
図19図16の触覚刺激パターン生成装置のアクチュエータ強度算出部を説明するための図である。
図20図16の触覚刺激パターン生成装置のアクチュエータ強度算出部を説明するための図である。
図21図16の触覚刺激パターン生成装置のアクチュエータ強度算出部を説明するための図である。
図22図16の触覚刺激パターン生成装置のアクチュエータ強度算出部を説明するための図である。
図23図16の触覚刺激パターン生成装置のアクチュエータ強度併合部を説明するための図である。
図24】触覚刺激パターン生成装置及び触覚刺激提供装置の例示的な関係を説明するための図である。
図25】本発明の他の実施例による触覚刺激パターン生成装置を説明するための図である。
図26】本発明の他の実施例によるユーザインタフェースを説明するための図である。
図27】単位効果である経路効果を説明するための図である。
図28】単位効果であるドット効果を説明するための図である。
図29】本発明の一実施例による触覚刺激フレームの配置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付の図面を参照して、本発明の様々な実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は様々な相違する形態で具現でき、ここに説明する実施例に限定されない。
【0028】
本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略しており、明細書の全体において同じまたは類似する構成要素には同じ参照符号を付す。従って、上述の参照番号は他の図面でも使用できる。
【0029】
また、説明の便宜上、図面に示す各構成のサイズ及び厚さは任意で示しており、本発明は必ずしも図示された内容に限定されない。図面では、複数の層及び領域を明確に表現するために厚さを誇張して示すことができる。
【0030】
図1を参照すると、本発明の一実施例による触覚刺激提供システム8は、触覚刺激パターン生成装置9及び触覚刺激提供装置10を含む。
【0031】
触覚刺激パターン生成装置9は第1オーディオデータの周波数帯域の代表値に対応するn個の第1アクチュエータ強度値、及び第2オーディオデータの周波数帯域の代表値に対応するm個の第2アクチュエータ強度値を生成することができる。触覚刺激パターン生成装置9は第1アクチュエータ強度値及び第2アクチュエータ強度値に基づいた触覚刺激パターンTSPを触覚刺激提供装置10に提供することができる。
【0032】
一実施例によると、第1オーディオデータはステレオオーディオデータの第1チャネルのデータに対応し、第2オーディオデータはステレオオーディオデータの第2チャネルのデータに対応することができる。
【0033】
さらに他の実施例によると、第1オーディオデータは3つ以上のチャネルを有するサラウンドオーディオデータの第1チャネルのデータに対応し、第2オーディオデータはサラウンドオーディオデータの第2チャネルのデータに対応してもよい。サラウンドオーディオデータは既存の5.1チャネルサラウンドオーディオデータ、7.1チャネルサラウンドオーディオデータなどに対応することができる。
【0034】
上述の実施例によると、時間ドメインの元のオーディオデータをそのまま利用するのではなく、周波数ドメインの特定周波数帯域の代表値を利用するため、触覚刺激パターンTSPに含まれている各々のオーディオチャネルに対するデータ量が減少する。即ち、触覚刺激パターン生成装置9から触覚刺激提供装置10へのデータ伝送率が固定されていると仮定する場合、より多いオーディオチャネルに対するデータを含む触覚刺激パターンTSPの伝送が可能となる。従って、本発明の実施例による触覚刺激提供システム8は2つのチャネルのステレオオーディオモード、5.1チャネルのサラウンドオーディオモード、7.1チャネルのサラウンドオーディオモードなどの様々なオーディオモードに対応可能である。
【0035】
触覚刺激提供装置10はp個のアクチュエータを含み、n個の第1アクチュエータ強度値及びm個の第2アクチュエータ強度値に基づいてp個のアクチュエータを駆動することができる。
【0036】
このとき、n、m、及びpは1より大きい整数であってもよい。pはnとmを合計した値より小さくてもよい。即ち、アクチュエータ強度値がアクチュエータにマッピングされるとき、アクチュエータ強度値の数はアクチュエータの数より多くてもよい。このような場合、少なくとも1つのアクチュエータは少なくとも2つのアクチュエータ強度値に基づいて駆動されてもよい。
【0037】
例えば、p個のアクチュエータのうち少なくとも1つのアクチュエータは、n個の第1アクチュエータ強度値のうち少なくとも1つ及びm個の第2アクチュエータ強度値のうち少なくとも1つに基づいて駆動されてもよい。即ち、少なくとも1つのアクチュエータの駆動強度を決める際に、第1オーディオデータと第2オーディオデータの両方に基づくことができる。
【0038】
また、例えば、p個のアクチュエータのうち少なくとも1つのアクチュエータは、n個の第1アクチュエータ強度値のうち少なくとも2つに基づいて駆動されてもよい。即ち、少なくとも1つのアクチュエータの駆動強度を決める際に、第1オーディオデータだけに基づくが、少なくとも2つの周波数帯域の代表値に基づいてもよい。
【0039】
上述の実施例によると、アクチュエータの位置によって音響の方向性を強調したり、アクチュエータに対する音響特性を強調することができる。アクチュエータの位置による方向性の強調効果については図24を参照して後述する。アクチュエータに対する音響特性の強調効果は図18を参照して後述する。
【0040】
本発明の実施例において、アクチュエータ強度値または駆動強度はアクチュエータの1回の振動大きさだけを意味するものではない。アクチュエータ強度値または駆動強度は1回の振動大きさ、駆動時間、駆動周波数、駆動パターンなどが適切に調整されることによって多様に具現されてもよい。
【0041】
一実施例によると、触覚刺激パターン生成装置9は、複数のアクチュエータの位置がマッピングされた複数の仮想アクチュエータを含むユーザインタフェースを介して触覚刺激パターンTSPを生成することができる。
【0042】
触覚刺激パターン生成装置9は情報処理のために少なくとも1つのプロセッサ及びメモリを含むコンピュータであってもよい。触覚刺激パターン生成装置9はデータまたはプログラムが記録された記録媒体を読み取ることで目的の機能を実行することができる。
【0043】
記録媒体はコンピュータシステムによって読み取ることができるデータまたはプログラムを保存し得るあらゆる種類の記録装置を含む。コンピュータが読み取り可能な記録媒体の例としては、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ記憶装置、ハードディスク、外付けハードディスク、SSD、USB記憶装置、DVD、ブルーレイディスクなどがある。また、コンピュータが読み取り可能な記録媒体は複数のデバイスの組み合わせであってもよく、ネットワークで接続されたコンピュータシステムに分散されていてもよい。当該記録媒体は非一時的なコンピュータで読み取り可能な記録媒体(non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的なコンピュータで読み取り可能な記録媒体とは、レジスタ、キャッシュ、メモリなどの短い間データまたはプログラムを保存する媒体ではなく、半永久的にデータまたはプログラムを保存し、コンピュータで読み取り可能な媒体を意味する。
【0044】
ユーザインタフェースはユーザに視覚的情報を表示するディスプレイ装置及びユーザの入力を受ける入力装置により具現されてもよい。ディスプレイ装置はモニター、TV、プロジェクタ、モバイルディスプレイなどを含んでもよい。入力装置はマウス、キーボード、タッチパッド、マイクロフォン、ビジョンセンサ(vision sensor)などを含んでもよい。ディスプレイ装置と入力装置は必ずしも区別されるものではなく、例えば、ディスプレイ装置と入力装置はタッチディスプレイ装置のように一体で具現されてもよい。ユーザインタフェースは触覚刺激パターン生成装置9によって提供されてもよい。
【0045】
複数のアクチュエータは触覚刺激提供装置10に物理的に存在する複数の触覚刺激提供モジュールを意味する。複数のアクチュエータは電動式アクチュエータ(electric actuator)の1つである振動モータ(vibration motor)であってもよい。以下では、複数のアクチュエータが振動モータであることを例に挙げて説明するが、複数のアクチュエータは空圧式(pneumatic)、油圧式(hydraulic)、EAP(electroactive polymer)、または圧電式(piezoelectric)アクチュエータであってもよい。複数のアクチュエータは電気刺激または温度伝達機器であってもよい。従って、1種類または複数種類のアクチュエータが本発明に適用されてもよい。
【0046】
ユーザインタフェースは複数のアクチュエータの位置がマッピングされた複数の仮想アクチュエータを含む。ユーザインタフェースは触覚刺激提供装置10に含まれている複数のアクチュエータの物理的な配列をユーザが直観的に認識できるようにグラフィカルに表示することができる。例えば、触覚刺激提供装置10が5行5列の複数のアクチュエータを含む場合、ユーザインタフェースは5行5列の複数の仮想アクチュエータを含むことができる。他の例として、触覚刺激提供装置10が1行5列の複数のアクチュエータを含む場合、ユーザインタフェースは1行5列の複数の仮想アクチュエータを含むことができる。
【0047】
他の実施例において、触覚刺激提供装置10の複数のアクチュエータとユーザインタフェースの複数の仮想アクチュエータは1対1に対応しなくてもよい。例えば、触覚刺激パターン生成装置9において1行5列の複数の仮想アクチュエータに対して生成された触覚刺激パターンは、触覚刺激提供装置10の5行5列の複数のアクチュエータのうち1行に対応することができる。従って、複数のアクチュエータと複数の仮想アクチュエータのマッチング方法は実施例に応じて多様に変わってもよい。
【0048】
触覚刺激パターン生成装置9で生成された触覚刺激パターンTSPは、触覚刺激提供装置10の入力で提供されるデータまたはプログラムであってもよい。
【0049】
触覚刺激提供装置10は複数のアクチュエータを含み、生成された触覚刺激パターンTSPに応じて複数のアクチュエータを駆動する。触覚刺激パターンに応じて複数のアクチュエータの駆動時間、駆動周波数、駆動強度、駆動間隔などが調整されることによって、触覚刺激提供装置10のユーザは様々な触覚刺激を感じることができる。
【0050】
図2は本発明の一実施例によるアクチュエータケースを一視点で説明するための図であり、図3図2のアクチュエータケースを別の視点で説明するための図である。
【0051】
図2及び図3を参照すると、本発明の一実施例によるアクチュエータケース1は、ボトムケースbc1と、カバーケースcc1と、トップケースtc1と、を含む。
【0052】
ボトムケースbc1、カバーケースcc1、及びトップケースtc1の位置関係はベースバンドを基準として決まってもよい。ベースバンドはカバーケースcc1とトップケースtc1との間に位置することができる。ベースバンドとアクチュエータケース1の相対的な位置関係は図3及び図4の説明をさらに参照する。
【0053】
アクチュエータ(actuator)ac1はベースバンドの一面に位置し、駆動部mb1と偏心質量体(eccentric mass)em1を含む。駆動部mb1と偏心質量体em1はシャフト(shaft)を介して回転可能に連結されてもよい。アクチュエータac1はERMモータ(eccentric rotation motor)であってもよい。アクチュエータac1は駆動部mb1によって回転する偏心質量体em1が不均衡な振動子の役割をしながら振動を生成することができる。アクチュエータac1は円筒の直径が約6mm、全高が約17mmの円筒状の振動モータであってもよい。コイン型モータは振動子が水平に回転して水平方向の振動を生成するが、本実施例のアクチュエータac1は垂直方向の振動を生成することができる。
【0054】
ボトムケース(bottom case)bc1はベースバンドの一面に位置し、駆動部mb1を収容する第1収容部tha1と、偏心質量体em1を収容する第2収容部thb1と、を含む。即ち、ボトムケースbc1は配線を除いたアクチュエータac1の全部または一部を収容することができる。実施例に応じて、ボトムケースbc1がアクチュエータac1の一部のみを収容する場合、アクチュエータac1の残りの部分は後述するカバーケースcc1によって収容されてもよい。
【0055】
カバーケース(cover case)cc1はベースバンドの一面に位置し、第1収容部tha1に駆動部mb1を密着させるようにボトムケースbc1と結合される。
【0056】
図2及び図3を参照すると、カバーケースcc1がアクチュエータac1を覆いながらボトムケースbc1と結合されてもよい。カバーケースcc1の雄締結部cm1がボトムケースbc1の雌締結部bsf1と嵌合してカバーケースcc1がボトムケースbc1と強固に固定されることができる。特に、アクチュエータac1の駆動部mb1が強固に固定されるように第1収容部tha11と収容部cha1を形成されてもよい。カバーケースcc1の雄締結部cm1はカバーケースcc1がベースバンドと当接する面に平行するように突出してもよい。本実施例における雄締結部cm1と雌締結部bsf1は4対であるが、実施例によってその数は変わってもよい。
【0057】
カバーケースcc1はボトムケースbc1と結合されることによって偏心質量体em1をベースバンドの一面から隔離させながら第2収容部thb1とともに偏心質量体em1の余裕回転空間を形成することができる。即ち、カバーケースcc1の収容部chb1は第2収容部thb1とマッチングされることによって偏心質量体em1の回転を妨げない余裕回転空間を形成することができる。また、カバーケースcc1の収容部chb1は偏心質量体em1をベースバンドの一面と隔離させる役割もする。従って、ベースバンドが可撓性のある布やゴム材質であっても、偏心質量体em1はベースバンドに当たる恐れがなく確実に回転することができる。
【0058】
トップケース(top case)tc1はベースバンドの他面に位置し、ボトムケースbc1をベースバンドに固定させる。
【0059】
トップケースtc1の雄締結部tm1はベースバンドを貫通してボトムケースの雌締結部bf1に結合されることによって、アクチュエータac1及びアクチュエータケース1をベースバンドに固定させることができる。このとき、ベースバンドは雄締結部tm1が通過できる形状の開口部を含んでもよい。実施例に応じて、ベースバンドの他面に密着するトップケースtc1の面積はベースバンドの一面に密着するボトムケースbc1の面積より小さくてもよい。このような場合、雄締結部tm1が位置できる空間が比較的足りないため、本実施例では、雄締結部tm1及び雌締結部bf1が2対で形成されている。本実施例に応じて、トップケースtc1の面積がボトムケースbc1の面積より小さいと、複数のアクチュエータが密集して配置されても各々の振動が集中する複数のトップケース間の間隔が十分になり、ユーザが体感する振動の解像度が上げられるというメリットがある。また、本実施例では、トップケースtc1の一面が円形で構成されるため、ユーザに角が感じられずより楽な感じを提供することができる。
【0060】
ボトムケースbc1は突出部bm1を含み、トップケースtc1は凹部tf1を含んでもよい。ボトムケースbc1の突出部bm1がベースバンドを圧迫して凹部tf1に嵌合されることで、アクチュエータac1及びアクチュエータケース1がベースバンドにさらに強固に固定されることができる。本実施例では、トップケースtc1の面積が比較的小さいため、それに合わせて突出部bm1及び凹部tf1が4対で形成されている。
【0061】
図4は本発明の一実施例による腕カバー状の触覚刺激提供装置の正面図であり、図5図4の触覚刺激提供装置の背面図である。
【0062】
図4及び図5を参照すると、本発明の一実施例による腕カバー状の触覚刺激提供装置10aは、ベースバンド100、複数のアクチュエータ、複数のボトムケース、複数のカバーケース、及び複数のトップケース500cを含んでもよい。実施例に応じて、触覚刺激提供装置10は、補助バンド200、コントローラケース300、リング400、コントローラ、信号伝達部材を選択的にさらに含んでもよい。
【0063】
ベースバンド100の背面には複数のトップケース500cが位置してもよい。ベースバンド100の前面には複数のボトムケース及びカバーケースが位置してもよい。複数のボトムケース及びカバーケースは保護カバーCV及び着脱部材110、120によりカバーされてもよい。複数のアクチュエータは対応するボトムケースとカバーケースとの間に介在して位置することができる。従って、ベースバンド100は複数のアクチュエータを支持することができる。
【0064】
ベースバンド(base band)100の構成には、布素材、メッシュ(mesh)素材、ゴム素材、ネオプレン(Neoprene)などの可撓性(flexible)を有する素材を用いてもよい。ユーザは同じ身体部位であってもそれぞれ多様な形状及び大きさを有するため、可撓性のある素材がベースバンド100として採用されると、ユーザに楽な装着感を提供することができる。ベースバンド100は一層で構成されてもよいが、好ましい実施例では複数の層で構成されてもよい。複数の層は異なる素材で構成されてもよい。例えば、ベースバンド100の背面はメッシュ素材の層で構成され、ベースバンド100の前面はネオプレン素材の層で構成されてもよい。このような場合、メッシュ素材で構成されたベースバンド100の背面には複数のアクチュエータが位置することができるが、メッシュ素材は複数のアクチュエータの振動を広げず、またその動きを妨げないようにすることができる。また、ネオプレン素材で構成されたベースバンド100の前面は複数のアクチュエータから発生した振動がコントローラケース300まで到達することを防止することができる。
【0065】
着脱部材110はベースバンド100の前面に位置してもよい。また、着脱部材120はベースバンド100の前面の他端において着脱部材110と離隔して位置し、着脱部材110と着脱可能であってもよい。
【0066】
着脱部材110はA種類(A type)の着脱部材で、着脱部材120はB種類の着脱部材であってもよい。
【0067】
本実施例において、着脱部材はA種類及びB種類(B type)のいずれか1つのタイプであってもよい。A種類とB種類は互いに着脱可能である。しかし、A種類とA種類は互いに着脱が不可能であってもよい。同様に、B種類とB種類は互いに着脱が不可能であってもよい。このような種類のあらゆる形態の着脱部材を本実施例の着脱部材として用いることができる。この着脱部材には、例えば、ベルクロ(velcro)、磁石、電磁石、スナップ(snap)ボタン、バックル(buckle)などを含んでもよい。以下の実施例の図面では、着脱部材がベルクロである場合を仮定して示した。
【0068】
ベースバンド100の上側縁及び下側縁は流線形であってもよい。ベースバンド100の広げられた形状は円錐台の展開図のように流線形になることで、ベースバンド100を巻いたときユーザの腕により一層密着されることができる。
【0069】
補助バンド200は背面に着脱部材110と着脱可能なB種類の着脱部材(不図示)を含み、一端がベースバンド100の一端と連結されてもよい。
【0070】
補助バンド200はコントローラケース300をベースバンド100と分離させることで、ベースバンド100に位置する複数のアクチュエータの振動がコントローラケース300に伝達されないようにして騒音を防止することができる。また、補助バンド200は背面の着脱部材と着脱部材110の相対的な付着位置を調整することで、コントローラケース300がユーザの体型に合うように位置調整されるというメリットがある。
【0071】
着脱部材210は補助バンド200の前面に位置し、着脱部材120と着脱可能であってもよい。着脱部材210はA種類の着脱部材であってもよい。従って、ユーザが触覚刺激提供装置10を装着する際、着脱部材120は着脱部材110だけでなく、着脱部材210にも着脱できるため、触覚刺激提供装置10はさらに多様なユーザの体型に合わせることができる。
【0072】
一実施例によると、補助バンド200の他端の幅はコントローラケース300の開口部の内周面の幅より大きくてもよい。例えば、補助バンド200の他端はラッパ状またはフック状であってもよい。このため、コントローラケース300は補助バンド200から容易に外れなくなることができる。
【0073】
リング(ring)400はベースバンド100の一端に連結されてもよい。このとき、ベースバンド100の他端の幅はリングの内周面の幅より大きくてもよい。例えば、ベースバンド100の他端はラッパ状またはフック状であってもよい。当該実施例によると、ユーザが触覚刺激提供装置10を腕から取り外すとき、ベースバンド100の他端がリング400に引っ掛かることで装置の急な落下を防止することができる。また、ベースバンド100の他端がリング400に引っ掛かった状態を保持することにより、次のユーザが触覚刺激提供装置10を装着するとき、ベースバンド100の他端をリング400に再び挿入する手順を省略することができる。ベースバンド100は伸縮性があるので、ユーザは触覚刺激提供装置10を装着するとき、ベースバンド100の他端を曲げてリング400に通過させることができる。
【0074】
複数のトップケース500cは外部に露出されてもよく、外部に露出された複数のトップケース500cはユーザの腕と密着されてもよい。複数のトップケース500cは対応するアクチュエータの駆動力をユーザの身体に伝達することで、ユーザが触覚刺激を感じることができる。
【0075】
コントローラはコントローラケース300の内部に位置し、複数のアクチュエータを制御する駆動信号を生成することができる。コントローラはマイクロコントローラ(microcontroller)、モータドライバ(motor dirvier)、及び電力管理モジュール(power management module)などを含むように構成されてもよい。コントローラケース300の内部にはコントローラを駆動するための別のバッテリがあってもよい。コントローラはPCB、FPCB、ICなどの形態で構成されてもよい。また、コントローラはブルートゥース(Bluetooth)、ワイファイ(Wi-Fi)などの既存の無線通信技術または有線通信技術を通じて触覚刺激パターンの入力を受けてもよい。触覚刺激パターンは多方向触覚刺激パターンであってもよい。コントローラケース300の内部に別のメモリ素子が位置してもよい。
【0076】
信号伝達部材はコントローラから複数のアクチュエータに駆動信号を伝達することができる。信号伝達部材はFPCBまたはワイヤ(wire)などの素材で構成されてもよい。信号伝達部材は複数のアクチュエータとコントローラを電気的に接続することができる。信号伝達部材が通るために、ベースバンド100、補助バンド200、及びコントローラケース300はそれぞれの開口部を含んでもよい。
【0077】
図6図4の触覚刺激提供装置をユーザが装着しているところを示す図である。
【0078】
図6を参照すると、ユーザが自分の身体に触覚刺激提供装置10aを装着しているところである。図6は、触覚刺激提供装置10aがユーザの身体に乗せられ、触覚刺激提供装置10aの着脱部材120を含む一端がリング400を通過した状態である。
【0079】
図7図4の触覚刺激提供装置をユーザが装着している様子を示す図である。
【0080】
図7を参照すると、ユーザは触覚刺激提供装置10aの着脱部材120を着脱部材210に付着することで、触覚刺激提供装置10をユーザの身体に固定させている。ユーザが装着する身体部位の厚さがさらに厚い場合は、着脱部材120を着脱部材110に付着してもよい。従って、着脱部材120は着脱部材110または着脱部材210に付着できることで、様々なユーザの身体に対応できる。
【0081】
図8は本発明の他の実施例によるアクチュエータケースを一視点で説明するための図であり、図9図8のアクチュエータケースを別の視点で説明するための図である。
【0082】
図8及び図9を参照すると、本発明の他の実施例によるアクチュエータケース2は、ボトムケースbc2、カバーケースcc2、及びトップケースtc2を含む。
【0083】
ボトムケースbc2、カバーケースcc2、及びトップケースtc2の位置関係はベースバンドを基準として決まってもよい。ベースバンドはカバーケースcc2とトップケースtc2の間に位置してもよい。ベースバンドとアクチュエータケース2の相対的な位置関係は、図10図12の説明をさらに参照する。
【0084】
アクチュエータac2はベースバンドの一面に位置し、駆動部mb2と偏心質量体em2を含む。駆動部mb2と偏心質量体em2はシャフトを介して回転可能に連結されてもよい。アクチュエータac2はERMモータであってもよい。アクチュエータac2は駆動部mb2によって回転する偏心質量体em2が不均衡な振動子の役割をしながら振動を生成することができる。アクチュエータac2は円筒の直径が約6mm、全高が約17mmの円筒状の振動モータであってもよい。コイン型モータは振動子が水平に回転して水平方向の振動を生成するが、本実施例のアクチュエータac2は垂直方向の振動を生成することができる。
【0085】
ボトムケースbc2はベースバンドの一面に位置し、駆動部mb2を収容する第1収容部tha2と、偏心質量体em2を収容する第2収容部thb2とを含む。即ち、ボトムケースbc2は配線を除いたアクチュエータac2の全部または一部を収容することができる。実施例に応じて、ボトムケースbc2がアクチュエータac2の一部のみを収容する場合、アクチュエータac2の残りの部分は後述するカバーケースcc2によって収容されてもよい。
【0086】
カバーケースcc2はベースバンドの一面に位置し、第1収容部tha2に駆動部mb2を密着させるようにボトムケースbc2と結合される。
【0087】
図8及び図9を参照すると、カバーケースcc2はアクチュエータac2を覆いながらボトムケースbc2と結合されることができる。カバーケースcc2の雄締結部cm2がボトムケースbc2の雌締結部bsf2と嵌合してカバーケースcc2がボトムケースbc2と強固に固定されることができる。特に、アクチュエータac2の駆動部mb2が強固に固定されるように第1収容部tha2と収容部cha2が形成されてもよい。カバーケースcc2の雄締結部cm2はカバーケースcc2がベースバンドと当接する面に平行するように突出してもよい。本実施例では、雄締結部cm2と雌締結部bsf2は4対であるが、実施例によってその数は変わってもよい。
【0088】
カバーケースcc2はボトムケースbc2と結合されることによって偏心質量体em2をベースバンドの一面から隔離させながら第2収容部thb2とともに偏心質量体em2の余裕回転空間を形成することができる。即ち、カバーケースcc2の収容部chb2は第2収容部thb2とマッチングされることで、偏心質量体em2の回転を妨げない余裕回転空間を形成することができる。また、カバーケースcc2の収容部chb2は偏心質量体em2をベースバンドの一面から隔離させる役割もする。このため、ベースバンドが可撓性のある布やゴム材質であっても、偏心質量体em2はベースバンドに当たる恐れがなく確実に回転することができる。
【0089】
トップケースtc2はベースバンドの他面に位置し、ボトムケースbc2をベースバンドに固定させる。
【0090】
トップケースtc2の雄締結部tm2はベースバンドを貫通してボトムケースの雌締結部bf2に結合されることにより、アクチュエータac2及びアクチュエータケース2をベースバンドに固定させることができる。このとき、ベースバンドは雄締結部tm2が通過できる形状の開口部を含んでもよい。実施例に応じて、ベースバンドの他面に密着するトップケースtc2の面積はベースバンドの一面に密着するボトムケースbc2の面積に対応してもよい。この場合、雄締結部tm2が位置できる空間が比較的十分なので、本実施例では、雄締結部tm2及び雌締結部bf2が4対で形成されている。このため、アクチュエータac2がより強く振動してもこれに耐えられる。本実施例に応じて、トップケースtc2の面積がボトムケースbc2の面積に対応すると、比較的敏感度の低いユーザの背中にも十分な振動力が伝えられるため、ユーザがより確実に振動を体感できるメリットがある。また、本実施例では、トップケースtc2の一面の角を丸く構成することで、ユーザにより楽な感じを提供することができる。
【0091】
ボトムケースbc2は突出部bm2を含み、トップケースtc2は凹部tf2を含んでもよい。ボトムケースbc2の突出部bm2がベースバンドを圧迫して凹部tf2に嵌合されることにより、アクチュエータac2及びアクチュエータケース2がベースバンドにさらに強固に固定されることができる。本実施例では、トップケースtc2の面積が比較的十分なので、それに合わせて突出部bm2及び凹部tf2が6対で形成され、十分な支持力を提供する。
【0092】
図10は本発明の一実施例によるベスト型の触覚刺激提供装置の正面図であり、図11図10の触覚刺激提供装置の背面図であり、図12図11の触覚刺激提供装置の前面パネルを開放した場合を説明するための図である。
【0093】
図10図12を参照すると、触覚刺激提供装置10bは、第1前面パネルrp1、第2前面パネルlp1、及び背面パネルbp1を含んでもよい。それぞれのパネルrp1、lp1、bp1は複数の層からなってもよく、複数の層のうち少なくとも1層はベースバンドに該当してもよい。ベースバンドの一面はパネルの内側に位置して見えなくてもよい。図12を参照すると、ベースバンドの他面は内側に露出されてもよい。
【0094】
第1前面パネルrp1は一側と他側の間に配列された複数のアクチュエータを含んでもよい。第2前面パネルlp1は一側と他側の間に配列された複数のアクチュエータを含んでもよい。第2前面パネルlp1は一側が第1前面パネルrp1の他側と締結可能であってもよい。例えば、第2前面パネルlp1の一側と第1前面パネルrp1の他側は、ファスナー、ベルクロ、バックル、ボタンなどで締結可能であってもよい。
【0095】
背面パネルbp1は一側と他側の間に配列された複数のアクチュエータを含み、一側が第1前面パネルrp1の一側と締結可能で、他側が第2前面パネルlp1の他側と締結可能であってもよい。
【0096】
背面パネルbp1は一側に連結された第1リングrr1と、他側に連結された第2リングlr1とを含んでもよい。第1前面パネルrp1は一側に連結された第1ウイングバンドrwb1を含んでもよい。第2前面パネルlp1は他側に連結された第2ウイングバンドlwb1を含んでもよい。
【0097】
着脱部材rv21は第1ウイングバンドrwb1の前面の一端に位置してもよい。着脱部材rv11は第1前面パネルrp1の前面に位置し、着脱部材rv21と着脱可能であってもよい。
【0098】
着脱部材lv21は第2ウイングバンドlwb1の前面の一端に位置してもよい。着脱部材lv11は第2前面パネルlp1の前面に位置し、着脱部材lv21と着脱可能であってもよい。
【0099】
ユーザは、第1ウイングバンドrwb1の一端を第1リングrr1に通した後、身体のサイズに合わせて引っ張って着脱部材rv21を着脱部材rv11に付着することで、第1前面パネルrp1をユーザの胴体に密着させることができる。同様に、ユーザは、第2ウイングバンドlwb1の一端を第2リングlr1に通した後、身体のサイズに合わせて引っ張って着脱部材lv21を着脱部材lv11に付着することで、第2前面パネルlp1をユーザの胴体に密着させることができる。
【0100】
一実施例によると、第1ウイングバンドrwb1の一端の幅は第1リングrr1の内周面の幅より大きく、第2ウイングバンドlwb1の一端の幅は第2リングlr1の内周面の幅より大きくてもよい。例えば、第1ウイングバンドrwb1の一端及び第2ウイングバンドlwb1の一端はラッパ状またはフック状に構成されてもよい。このため、ユーザが触覚刺激提供装置21を胴体から取り外す際にウイングバンドrwb1、lwb1の一端が各リングrr1、lr1に引っ掛かった状態を保持することで、次のユーザが触覚刺激提供装置21を装着するとき、ウイングバンドrwb1、lwb1を各リングrr1、lr1に再び挿入する手順を省略することができる。
【0101】
背面パネルbp1はバッテリ保管用またはその他の用途用のポケットbppをさらに含んでもよい。ポケットbppの一部に開口部があり、バッテリの電線をパネルlp1、rp1、bp1の内側に延ばすこともできる。他の実施例では、コントローラは内蔵バッテリを使用することができる。この場合、ポケットbppが不要となることがある。
【0102】
図12を参照すると、本発明の他の実施例による触覚刺激提供装置10bの右側前面パネルrp1、背面パネルbp1、及び左側前面パネルlp1はそれぞれ複数のアクチュエータを含んでもよい。
【0103】
図12のように前面パネルrp1、lp1を開放した場合、第1前面パネルrp1の複数のトップケースtcr1、背面パネルbp1の複数のトップケースtcb1、第2前面パネルlp1の複数のトップケースtcl1が露出されてもよい。
【0104】
当該複数のトップケースtcr1、tcb1、tcl1は、ウイングバンドlwb1、rwb1、着脱部材rv11、rv21、lv11、lv21、リングlr1、rr1によって触覚刺激提供装置10bがユーザの胴体に締められることで、ユーザの胴体に密着することができる。このため、ユーザは、密着した複数のトップケースtcr1、tcb1、tcl1を介して内装された複数のアクチュエータの振動を強く感じることができる。
【0105】
他の実施例では、パネルrp1、bp1、lp1の裏地の役割をする内皮が複数のトップケースtcr1、tcb1、tcl1をカバーすることで複数のトップケースtcr1、tcb1、tcl1が外部に露出しなくてもよい。
【0106】
実施例に応じて、第1前面パネルrp1は連結バンドrcb1により背面パネルbp1と伸縮性をもって連結されてもよい。第2前面パネルlp1は連結バンドlcb1により背面パネルbp1と伸縮性をもって連結されてもよい。
【0107】
第1前面パネルrp1はトップケースtcr1に対応するアクチュエータを含んでもよい。例えば、前面アクチュエータの列FC1は、第1前面パネルrp1の一側に列方向に配列されたアクチュエータac11、ac12、ac13、ac14、ac15を含んでもよい。また、前面アクチュエータの列FC2は、第1前面パネルrp1の他側に列方向に配列されたアクチュエータを含んでもよい。
【0108】
第2前面パネルlp1はトップケースtcl1に対応するアクチュエータを含んでもよい。例えば、前面アクチュエータの列FC3は第2前面パネルlp1の一側に列方向に配列されたアクチュエータを含んでもよい。また、前面アクチュエータの列FC4は第2前面パネルlp1の他側に列方向に配列されたアクチュエータac41、ac42、ac43、ac44、ac45を含んでもよい。
【0109】
背面パネルbp1はトップケースtcb1に対応するアクチュエータを含んでもよい。例えば、背面アクチュエータの列BC1は背面パネルbp1の一側に列方向に配列されたアクチュエータを含んでもよい。背面アクチュエータの列BC4は背面パネルbp1の他側に列方向に配列されたアクチュエータを含んでもよい。背面アクチュエータの列BC2、BC3は背面アクチュエータの列BC1、BC4の間に位置してもよい。
【0110】
ユーザが触覚提供装置10bを装着すると、前面アクチュエータの列FC1及び背面アクチュエータの列BC1はユーザの右側に位置し、前面アクチュエータの列FC4及び背面アクチュエータの列BC4はユーザの左側に位置するようになる。また、ユーザが触覚提供装置10bを装着すると、前面アクチュエータの列FC2、FC3はユーザの前面中央に位置し、背面アクチュエータの列BC2、BC4はユーザの背面中央に位置するようになる。
【0111】
図13は本発明の一実施例によるユーザインタフェースを説明するための図である。
【0112】
ユーザインタフェース70aはプログラムによって生成されてもよく、プログラムはコンピュータで実行されてもよい。プログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。
【0113】
図13を参照すると、ユーザインタフェース70aは、モード選択領域71、チャネル選択領域72、グローバル設定領域73、シミュレーション領域74、チャネル設定領域75、及びローカル設定領域76を含んでもよい。実施例によって、一部の領域はユーザインタフェース70aから除外されてもよい。
【0114】
モード選択領域71は2つのオーディオチャネルを有するステレオオーディオモード及び3つ以上のオーディオチャネルを有するサラウンドオーディオモードのうち1つを選択することができる。図13では、ステレオオーディオモードに対応するボタン及び7.1チャネルサラウンドオーディオモードに対応するボタンのみが示されているが、他の実施例では、5.1チャネルサラウンドオーディオモードに対応するボタンが追加されてもよい。以下では、モード選択領域71でステレオオーディオモードが選択された場合を仮定する。
【0115】
チャネル選択領域72は選択されたオーディオモードのチャネルのうち1つが選択可能な領域であってもよい。例えば、ステレオオーディオモードは第1チャネルch1a及び第2チャネルch2aを含んでもよい。以下では、説明の便宜上、第1チャネルch1aをユーザの右側に位置するスピーカーのチャネルと仮定し、第2チャネルch2aをユーザの左側に位置するスピーカーのチャネルと仮定する。また、第1チャネルch1aが選択されたと仮定する。
【0116】
グローバル設定領域73は周波数帯域に共通して適用されるグローバル設定値を含んでもよい。例えば、グローバル設定値は、グローバル最大閾値GHTH、グローバル最小閾値GLTH、及びグローバルゲイン値GGAを含んでもよい。ユーザーは、グローバル最大閾値GHTH、グローバル最小閾値GLTH、及びグローバルゲイン値GGAを調整することで、すべての周波数帯域(または選択された周波数帯域)の最大閾値、最小閾値、ゲイン値を容易に調整できる。
【0117】
シミュレーション領域74は入力されたオーディオデータに対応して仮想アクチュエータの駆動強度を視覚化することができる。例えば、駆動強度の大きさに応じて仮想アクチュエータに表示されるグラフィックシンボルの大きさが変わってもよい。例えば、駆動強度が大きい場合はグラフィックシンボルが大きく表示され、駆動強度が小さい場合はグラフィックシンボルが小さく表示されてもよい。従って、ユーザは、各仮想アクチュエータに対するグラフィックシンボルの大きさによって対応する実際のアクチュエータの振動力の大きさを直観的に認識することができる。
【0118】
チャネル設定領域75は2つ以上のオーディオチャネルのうち少なくとも1つのオーディオチャネルの周波数帯域を含んでもよい。例えば、チャネル選択領域72で第1チャネルch1aが選択された場合、第1チャネルch1aの周波数帯域SFT11~SFT115が表示されてもよい。例えば、周波数帯域SFT11~SFT115のそれぞれの範囲はデフォルト値であってもよく、ユーザが設定した値であってもよい。例えば、ユーザはボタンSFBを利用してそれぞれの周波数帯域を活性化または非活性化することができる。図示されていないが、チャネル設定領域75はグローバル設定値の該当周波数帯域への適用有無を決めるボタンをさらに含んでもよい。
【0119】
図13では、チャネル設定領域75は第1チャネルch1aの周波数帯域SFT11~SFT115のみが表示されているが、他の実施例において、チャネル設定領域75は第1チャネルch1a及び第2チャネルch2aの周波数帯域を全て表示することもできる。このような実施例では、チャネル選択領域72はユーザインタフェース70aから除外されてもよい。
【0120】
ローカル設定領域76は周波数帯域のうち選択された周波数帯域のローカル設定値を含んでもよい。ローカル設定値は複数の仮想アクチュエータのうち選択された周波数帯域に対応して選択された仮想アクチュエータを含んでもよい。ローカル設定値は選択された周波数帯域の有効データの上限である最大閾値と、有効データの下限である最小閾値とを含んでもよい。また、ローカル設定値は選択された周波数帯域のデータのスケーリングファクタ(scaling factor)であるゲイン値を含んでもよい。
【0121】
例えば、ユーザが周波数帯域SFT11~SFT115から周波数帯域SFT11を選択した場合、ユーザはローカル設定領域76で周波数帯域SFT11の最大閾値SHTH11及び最小閾値SLTH11を設定することができる。また、ユーザは、ローカル設定領域76で周波数帯域SFT11のゲイン値SFG11を設定することもできる。
【0122】
ユーザーがグローバル設定領域73でグローバル設定値を設定した場合、グローバル設定値は基準値として適用され、ローカル設定値はオフセット値として適用されてもよい。即ち、グローバル最大閾値GHTHと最大閾値SHTH11を合わせた値が周波数帯域SFT11に対する最終最大閾値であってもよい。同様に、グローバル最小閾値GLTHと最小閾値SHTH11を合わせた値が周波数帯域SFT11に対する最終最小閾値であってもよい。同様に、グローバルゲイン値GGAとゲイン値SFG11を合わせた値が周波数帯域SFT11に対する最終ゲイン値であってもよい。
【0123】
他の実施例では、ユーザがローカル設定領域76で周波数帯域SFT11の最大閾値SHTH11、最小閾値SLTH11、及びゲイン値SFG11を設定する場合、グローバル設定値は無視されてもよい。このような実施例では、グローバル設定値に関わらず周波数帯域SFT11に対する最終設定値は、最大閾値SHTH11、最小閾値SLTH11、及びゲイン値SFG11であってもよい。
【0124】
図12のアクチュエータac11~ac45に対応する仮想アクチュエータva11~va45がローカル設定領域76に表示されてもよい。仮想アクチュエータの列VFC1、VFC2、VFC3、VFC4は、図12の前面アクチュエータの列FC1、FC2、FC3、FC4に対応することができる。同様に、仮想アクチュエータの列VBC1、VBC2、VBC3、VBC4は、図12の背面アクチュエータの列BC1、BC2、BC3、BC4に対応することができる。
【0125】
ユーザは、ローカル設定領域76で周波数帯域SFT11に対応する仮想アクチュエータva11~va45を選択することができる。選択された仮想アクチュエータva11、va12、va13に対応するアクチュエータac11、ac12、ac13は、受信したアクチュエータ強度値に対応する駆動強度で駆動されてもよい。
【0126】
ユーザインタフェース70aはその他にもユーザの便宜のための様々な設定値を含んでもよい。例えば、ボタンAABの状態に応じて、選択された周波数帯域のローカル設定値が他の周波数帯域に同様に適用されるかどうかが決まってもよい。これにより、ユーザは、全ての周波数帯域に対するローカル設定を一々行う必要がなくなり、ユーザの利便性が向上する。
【0127】
例えば、ボタンADBの状態に応じて、図25の自動設定部96が動作有無を決まってもよい。自動設定部96については図25に対する説明を参照する。
【0128】
例えば、ボタンUCBが第1状態(ロック状態)である場合、ローカル設定領域76の仮想アクチュエータは選択不可能な状態になることができる。この場合、選択された周波数帯域に対してデフォルトとして決まっている仮想アクチュエータが固定的に選択されてもよい。ボタンUCBが第2状態(ロック解除状態)である場合、ローカル設定領域76の仮想アクチュエータは選択可能な状態であることができる。この場合、上述のように、ユーザは選択された周波数帯域に対する仮想アクチュエータを選択することができる。
【0129】
例えば、ボタンFHBの状態はボタンUCBの状態に従属的であってもよい。例えば、ボタンUCBが第1状態(ロック状態)である場合、ボタンFHBが活性化されることができる。このとき、活性化されたボタンFHBが第1状態である場合、低い周波数帯域であるほど、上位アクチュエータ行にマッピングされ、高い周波数帯域であるほど、下位アクチュエータ行にマッピングされることができる。一方、活性化されたボタンFHBが第2状態である場合、高い周波数帯域であるほど、上位アクチュエータ行にマッピングされ、低い周波数帯域であるほど、下位アクチュエータ行にマッピングされることができる。これにより、ユーザが手動で周波数帯域に対するアクチュエータのマッピングを一々行う必要がなくなり、ユーザの利便性が向上する。ボタンUCBが第2状態(ロック解除状態)である場合、ボタンFHBは非活性化されることができる。
【0130】
図示されていないが、第1チャネルch1aの設定値を第2チャネルch2aの設定値としてコピーするボタンが追加されてもよい。このとき、第1チャネルch1aの設定値に対応する仮想アクチュエータの列は、第2チャネルch2aのコピーされた設定値に対応する仮想アクチュエータの列とは異なってもよい。例えば、第1チャネルch1aがユーザの右側に位置するスピーカーに対応し、第2チャネルch2aがユーザの左側に位置するスピーカーに対応する場合、第1チャネルch1aの設定値に対応する仮想アクチュエータの列は、第2チャネルch2aのコピーされた設定値に対応する仮想アクチュエータの列と対称(左右反転)してもよい。他の実施例では、このボタンは存在せず、当該機能がユーザインタフェース70aの基本的機能として含まれてもよい。
【0131】
上述の実施例によると、1つのチャネルに対する設定値のみを設定しても他のチャネルに対する設定値が設定されるため、ユーザの利便性が向上することができる。
【0132】
図14及び図15は、図13のユーザインタフェースのシミュレーション領域を説明するための図である。
【0133】
図14を参照すると、他の実施例によるシミュレーション領域74’が示されている。
【0134】
シミュレーション領域74’は選択されたチャネルの周波数帯域を表示する領域742と、各周波数に対する信号強度を表示する領域741とを含んでもよい。例えば、各周波数に対する信号強度は、PSD(power spectral density)、マグニチュード(magnitue)、フェーズ(phase)などで示すことができる。また、領域741には各周波数帯域に対する代表値RPVがグラフで表示されてもよい。
【0135】
本実施例によると、シミュレーション領域74’は現在再生中のオーディオデータの各フレームをリアルタイムで周波数ドメインに変換してデシベル値で表示することができる。当該情報を参照することで、ユーザは各周波数帯域のゲイン値、最小閾値、及び最大閾値を容易に設定することができる。
【0136】
図15を参照すると、他の実施例によるシミュレーション領域74’’が示されている。
【0137】
シミュレーション領域74’’は、周波数帯域SFT11~SFT110のそれぞれに対して、時間経過に伴う代表値の頻度分布を視覚化することができる。例えば、各周波数帯域において、明るい部分であるほど、多い数のフレームが該当代表値を有することを意味し、暗い部分であるほど、少ない数のフレームが該当代表値を有することを意味することができる。
【0138】
従って、ユーザは、シミュレーション領域74’’を参照することで、各周波数帯域のゲイン値、最小閾値、及び最大閾値を容易に設定することができる。
【0139】
図16は本発明の一実施例による触覚刺激パターン生成装置を説明するための図であり、図17図16の触覚刺激パターン生成装置のデータ変換部を説明するための図であり、図18図16の触覚刺激パターン生成装置の帯域代表値算出部を説明するための図であり、図19図22図16の触覚刺激パターン生成装置のアクチュエータ強度算出部を説明するための図であり、図23図16の触覚刺激パターン生成装置のアクチュエータ強度併合部を説明するための図である。
【0140】
図16を参照すると、本発明の一実施例による触覚刺激パターン生成装置9は、データ変換部91、帯域代表値算出部92、アクチュエータ強度算出部93、アクチュエータ強度減衰部94、及びアクチュエータ強度併合部95を含んでもよい。
【0141】
データ変換部91は、時間ドメインの第1オーディオデータIN1a及び第2オーディオデータIN2aを周波数ドメインの第1変換データ及び第2変換データにそれぞれ変換することができる。
【0142】
一実施例において、第1オーディオデータIN1a及び第2オーディオデータIN2aは触覚刺激パターン生成装置8が直接受信したオーディオデータであってもよい。または、第1オーディオデータIN1a及び第2オーディオデータIN2aは記録媒体に保存されたオーディオデータであってもよい。
【0143】
他の実施例において、第1オーディオデータIN1a及び第2オーディオデータIN2aは、第1プログラム(例えば、ゲームプログラム)からオーディオ機器(例えば、スピーカー、ヘッドセットなど)に送信されるオーディオデータを触覚刺激パターン生成装置9がインターセプトした(intercept)データであってもよい。第1プログラムはコンピュータのプログラムであってもよく、触覚刺激パターン生成装置9は該当コンピュータの第2プログラムで具現されてもよい。例えば、触覚刺激パターン生成装置9はコンピュータのオペレーティングシステムから発生するシステムコール(system call)をインターセプトすることで、第1オーディオデータIN1a及び第2オーディオデータIN2aを生成することができる。
【0144】
本実施例では2つのチャネルを有するステレオオーディオモードと仮定しているが、3つ以上のチャネルを有するサラウンドオーディオモードに対する他の実施例ではオーディオデータは3つ以上であってもよい。また、以下では、第1オーディオデータIN1aに対応する第1変換データFFIについてのみ説明する。第2オーディオデータIN2aに対応する第2変換データにも同様の内容が適用でき、重複する説明は省略する。
【0145】
図16及び図17を参照すると、データ変換部91はウインドウ長WDL及びシフト長SHFLに基づいて、第1オーディオデータIN1aから複数のフレームFR1、FR2、FR3、FR4をサンプリングすることができる。
【0146】
ウインドウ長WDLは、第1オーディオデータIN1aにおいてフレームFR1、FR2、FR3、FR4の時間軸に対する長さを決める設定値である。ウインドウ長WDLが長いほど、各フレームFR1~FR4はより低い周波数成分を検出及び含むことができ、より高い周波数分解能(frequency resolution)を有することができる。しかし、ウインドウ長WDLが長いほど、データ量及びサンプリング時間が増えるため、ウインドウ長WDLを適切に設定する必要がある。また、ウインドウ長WDLが長すぎるように設定されると、オーディオデータの変化が代表値RPVに適切に反映されないことがある。例えば、ウインドウ長WDLが500msであり、該当ウインドウの最後の部分(例えば、450ms~500ms)で銃声などの効果音によって信号強度が増加したとき、信号が大きく増加したとしても全体ウインドウの10%でのみ起きた変化であるため、代表値RPVに適切に反映されないことがある。
【0147】
例えば、歌、演奏曲などの拍子(time signature)、テンポ(tempo)、ビート(beat)などが重要な部分では、ウインドウ長WDLを相対的に長く設定することができる。また、銃声、破裂音などの効果音が重要な部分では、ウインドウ長WDLを相対的に短く設定することができる。このようなウインドウ長WDLはオーディオデータを分析して自動的に設定されるか、またはユーザが直接設定してもよい。実施例によって、1つのオーディオデータにおいてもウインドウ長WDLが時間に応じて可変してもよい。
【0148】
シフト長SHFLは、現在のフレームの時間軸での位置を基準として次のフレームの時間軸での位置を決める設定値である。即ち、シフト長SHFLは現在のフレームと次のフレーム間の時間間隔に対する設定値である。ウインドウ長WDL及びシフト長SHFLによって現在のフレームと次のフレームの重畳程度が決まってもよい。シフト長SHFLが長すぎると、ユーザが遅延(latency)を感じることがあるため、適切な設定値が必要である。
【0149】
図示していないが、データ変換部91はサンプリング周波数を設定値として含んでもよい。デジタルオーディオデータの場合、システム及びファイルに予め設定されたサンプリング周波数があるため、データ変換部91は当該サンプリング周波数を使用することができる。しかし、オーディオジャックなどのアナログオーディオデータを受信する場合、データ変換部91は適切な値のサンプリング周波数を受信する必要がある。このとき、サンプリング周波数は、ウインドウ長WDLと同様に、処理可能なデータの量とそれに伴う速度、そしてオーディオ信号の特性(細かいメロディのような重要な音の場合は高いサンプリング周波数で詳しく、銃声(gunfire)のように広い帯域に広がっている短い音の場合は低い周波数で速く)に応じて決まってもよい。
【0150】
一実施例によると、データ変換部91はサンプリングされたフレームFR1に補正ウインドウを適用することができる。補正ウインドウはHann、Hamming、Blackmann-harrisウインドウなどのFFT(Fast Fourier Transform)に用いられる従来知られているウインドウを利用してもよい。データ変換部91はサンプリングされたフレームFR1に補正ウインドウを適用することで、フレームの開始データ及び終了データの不連続性によるFFTスペクトル漏れ(leakage)を防止し、より正確な周波数に対する強度情報を取得することができる。
【0151】
データ変換部91は補正ウインドウが適用されたフレームFR1を周波数ドメインに変換することにより、第1変換データFFIを生成することができる。周波数ドメインへの変換には上述のFFTなどの様々な既存のアルゴリズムが用いられてもよい。
【0152】
帯域代表値算出部92は、第1変換データFFI及び第2変換データのそれぞれに対して周波数帯域SFT11~SFT110の代表値RPVを算出することができる。帯域代表値算出部92は最小閾値SLTH、最大閾値SHTH、及びゲイン値SFGをさらに受信することができる。このとき、代表値RPVは周波数帯域SFT11~SFT110のそれぞれの最小閾値SLTHより大きくて最大閾値SHTHより小さい有効データに基づいてもよい。
【0153】
図18を参照すると、周波数帯域SFT11、SFT12、SFT13、SFT14のうち少なくとも2つは少なくとも一部の範囲が重畳し得る。例えば、周波数帯域SFT11と周波数帯域SFT12が重畳し、周波数帯域SFT11と周波数帯域SFT13が重畳してもよい。また、周波数帯域SFT14が周波数帯域SFT11、SFT13と一部重畳してもよい。これにより、ドラムビート、ベース音などの相対的に広い周波数範囲の音を効果的にカバーしながら、声のように相対的に狭い周波数範囲の音を強調することができる(音響特性の強調効果)。
【0154】
この構成によると、広い周波数範囲をカバーする周波数帯域SFT11の代表値は相対的に多い数のアクチュエータ強度値に変換され、狭い周波数範囲をカバーする周波数帯域SFT12、SFT13は相対的に少ない数または1つのアクチュエータ強度値に変換されることができる。これにより、ユーザはより大きいスピーカーの前にいるように感じられるため、より強い没入感を感じるようになる。
【0155】
一実施例によると、周波数帯域SFT11~SFT14のうち第1周波数帯域SFT11に対応する第1最小閾値SLTH11は、周波数帯域SFT11~SFT14のうち第2周波数帯域SFT12に対応する第2最小閾値SLTH12と異なってもよい。また、第1周波数帯域SFT11に対応する第1最大閾値SHTH11は、第2周波数帯域SFT12に対応する第2最大閾値SHTH12と異なってもよい。一実施例によると、周波数帯域SFT11~SFT14のうち第1周波数帯域SFT11に対応する第1ゲイン値SFG11は周波数帯域SFT11~SFT14のうち第2周波数帯域SFT12に対応する第2ゲイン値と異なってもよい。
【0156】
他の実施例では、最小閾値SLTH、最大閾値SHTH、及びゲイン値SFGは、周波数帯域SFT11~SFT14に対して共通して設定されてもよい(図13のグローバル設定領域73を参照)。
【0157】
まず、帯域代表値算出部92は第1周波数帯域SFT11のデータ(強度値)に第1ゲイン値SFG11を適用することができる。例えば、データ及び第1ゲイン値SFG11がリニアスケール(linear scale)の値である場合、データのそれぞれに第1ゲイン値SFG11を乗算することができる。例えば、データ及び第1ゲイン値SFG11が対数スケール(logarithmic scale)の値である場合、データのそれぞれに第1ゲイン値SFG11を合計することができる。図18では、説明の便宜上、各周波数帯域SFT11~SFT14のゲイン値が0であると仮定する(対数スケール)。同様に、帯域代表値算出部92は第2周波数帯域SFT12のデータ(強度値)に第2ゲイン値を適用することができる。
【0158】
次いで、帯域代表値算出部92は、第1周波数帯域SFT11のデータ(強度値)のうち第1最小閾値SLTH11より大きくて第1最大閾値SHTH11より小さいデータを第1周波数帯域SFT11の有効データとして決めることができる。同様に、帯域代表値算出部92は、第2周波数帯域SFT12のデータ(強度値)のうち第2最小閾値SLTH12より大きくて第2最大閾値SHTH12より小さいデータを第2周波数帯域SFT12の有効データとして決めることができる。
【0159】
最後に、帯域代表値算出部92は第1周波数帯域SFT11の有効データに基づいて第1周波数帯域SFT11の代表値RPVを決めることができる。同様に、帯域代表値算出部92は第2周波数帯域SFT12の有効データに基づいて第2周波数帯域SFT12の代表値を決めることができる。
【0160】
代表値RPVは、それぞれの周波数帯域の有効データの平均値、有効データのRMS(root mean square)、有効データの合計値などで設定されてもよい。有効データはPSD値、マグニチュード値、及びフェーズ値のうち少なくとも1つであってもよい。
【0161】
アクチュエータ強度算出部93は、代表値RPVに対応するアクチュエータ強度値MDPを算出することができる。図19図22を参照すると、代表値RPVに対するアクチュエータ強度値MDPのマッピングカーブCCVの様々な実施例が示されている。
【0162】
一実施例によると、代表値RPVが大きいほど(音が大きいほど)アクチュエータ強度値MDPを増加させることはユーザに適切な触覚刺激を提供することができる。しかし、代表値RPVが上限に近い状態で有効データの大きさがさらに増加すると、帯域代表値算出部92が出力する代表値RPVが0になることがある。このとき、強い触覚刺激の提供中に突然触覚刺激の提供が中断されるという問題がある。このような場合、強い触覚刺激が間欠的に提供されることで、ユーザは不便を感じることがある。
【0163】
図19を参照すると、アクチュエータ強度算出部93は代表値RPVが小さいほどアクチュエータ強度値MDPが小さくなるように算出し、代表値RPVが大きいほどアクチュエータ強度値MDPが小さくなるように算出することができる。一実施例では、少なくとも1つの代表値RPVはアクチュエータ強度値MDPの最大値MMXに対応することができる。
【0164】
図20を参照すると、代表値RPVとアクチュエータ強度値MDPとの関係は不連続関数(discontinuous function)を含んでもよい。例えば、マッピングカーブCCVは非線形的(non-linear)であってもよい。例えば、機械学習などを用いた分類(classification)アルゴリズムによりマッピングカーブCCVが設定されてもよい。
【0165】
図21を参照すると、マッピングカーブCCVを曲線状に設定できることが確認できる。例えば、マッピングカーブCCVは最大値MMXに対応する代表値RPVを基準として対称する対数関数(logarithmic functions)を含んでもよい。
【0166】
図22を参照すると、最大値MMXに対応する代表値RPVが最小閾値SLTHよりも最大閾値SHTHに近いようにマッピングカーブCCVが設定されてもよい。本実施例によると、代表値RPVが大きいほど(音が大きいほど)アクチュエータ強度値MDPを自然に増加させることができる。さらに、代表値RPVが最大閾値SHTH付近で提供し続けられる場合、強い触覚刺激の間欠的な提供を防止することができる。
【0167】
アクチュエータ強度減衰部94はアクチュエータ強度値MDPが一定時間以上保持されるとき、アクチュエータ強度値MDPを次第に減衰(attenuation)させることによって、減衰されたアクチュエータ強度値AMDPを提供することができる。
【0168】
ユーザは同じ振動が続くと、不快に感じることがある。また、人の触覚は持続的に提供される同じ刺激には反応が小さくなる特性がある。従って、アクチュエータ強度値MDPが一定時間以上保持されると、アクチュエータ強度値MDPを次第に減衰させるオプション(option)がユーザに提供されてもよい。
【0169】
アクチュエータ強度減衰部94はアクチュエータ強度値MDPをエクスポネンシャル(exponential)に減少させることができる(式1参照)。
【0170】
【数1】
【0171】
このとき、y(t)は現在時点のアクチュエータ強度値MDPであり、y(t-1)は直前時点のアクチュエータ強度値MDPであり、y’(t)は現在時点の減衰されたアクチュエータ強度値AMDPであり、y’(t-1)は以前時点の減衰されたアクチュエータ強度値AMDPであり、aは変化値に対する重み値であり、fは該当周波数帯域の周波数中間値であり、tauは減衰パラメータであり、dtはサンプリング間隔(例えば、シフト長SHFL)であってもよい。
【0172】
f周波数を有する正弦波(sinewave)がtauサイクル(cycle)が流れるほどの時間の後、アクチュエータ強度値MDPは半分になり得る。式1によると、aの設定値によってy’(t)が殆どの状況においてy(t)より小さくなることがあるため、y’(t)を周期的にy(t)に初期化(reset)する必要がある。例えば、アクチュエータ強度値MDPの変化量(y(t)-y(t-1))の絶対値が特定値より大きい場合、y’(t)をy(t)に初期化する必要がある。
【0173】
上述の実施例におけるアクチュエータ強度減衰部94はアクチュエータ強度値MDPを減衰させるが、他の実施例におけるアクチュエータ強度減衰部94は代表値RPVを減衰させることもできる。例えば、アクチュエータ強度減衰部94は代表値RPVが一定時間以上保持されると、代表値RPVを次第に減衰させることができる。
【0174】
アクチュエータ強度併合部95は、1つのアクチュエータにマッピングされた2つ以上のアクチュエータ強度値を併合することで1つのアクチュエータ強度値を生成することができる。
【0175】
図23を参照すると、例えば、周波数帯域SFT11のアクチュエータ強度値AMDP11がアクチュエータac11、ac12、ac13にマッピングされ、周波数帯域SFT12のアクチュエータ強度値AMDP12がアクチュエータac11にマッピングされ、周波数帯域SFT13のアクチュエータ強度値AMDP13がアクチュエータac12にマッピングされてもよい。
【0176】
アクチュエータac11は1つのアクチュエータ強度値に対してのみ駆動されるため、アクチュエータ強度値AMDP11とアクチュエータ強度値AMDP12の併合が必要である(図12及び図13参照)。
【0177】
一実施例によると、アクチュエータ強度値AMDP11及びアクチュエータ強度値AMDP12の平均値を併合されたアクチュエータ強度値としてアクチュエータac11に提供することができる。他の実施例によると、アクチュエータ強度値AMDP11及びアクチュエータ強度値AMDP12に異なる重み値を乗算し、乗算した値の合計値を併合されたアクチュエータ強度値としてアクチュエータac11に提供することができる。さらに他の実施例によると、アクチュエータ強度値AMDP11及びアクチュエータ強度値AMDP12のうち最も大きい値を併合されたアクチュエータ強度値としてアクチュエータac11に提供することができる。
【0178】
アクチュエータ強度値AMDPがデシベルなどの対数スケールの値であれば、エクスポネンシャル関数によりアクチュエータ強度値AMDPをリニアスケールに先ず変換することができる。リニアスケールのアクチュエータ強度値AMDPを併合した後、併合したアクチュエータ強度値を再び対数スケールに変換してアクチュエータに提供することができる。この過程により、ユーザは併合されたアクチュエータ強度値を自然に感じることができる。
【0179】
図24は触覚刺激パターン生成装置及び触覚刺激提供装置の例示的な関係を説明するための図である。
【0180】
図24を参照すると、7.1サラウンドオーディオモードのように、オーディオモードが8つのチャネルch1b~ch8bを含む場合、アクチュエータ列FC1~FC4、BC1~BC4にどのようにマッピングされるかが例示的に示されている。
【0181】
例えば、触覚刺激提供装置10bはそれぞれのアクチュエータに対応する位置情報を提供することができる。位置情報はそれぞれのアクチュエータが触覚刺激提供装置10bのどの部位に位置するかに関する情報であってもよい。例えば、触覚刺激パターン生成装置9はそれぞれの仮想アクチュエータに対応する位置情報を提供することができる。実施例に応じて、触覚刺激提供装置10b及び触覚刺激パターン生成装置9のうち少なくとも1つは上述した位置情報を提供することができる。
【0182】
例えば、チャネルch1b~ch8bのオーディオデータは対応するチャネルに関する方向情報を含んでもよい。
【0183】
一実施例によると、チャネルch6bに対する第1オーディオデータは第1方向(右側方向)に関する情報を含み、チャネルch5bに対する第2オーディオデータは第1方向とは異なる第2方向(左側方向)に関する情報を含んでもよい。
【0184】
このとき、第1方向と対応する第1位置情報に対応するアクチュエータ(前面アクチュエータの列FC1及び背面アクチュエータの列BC1のアクチュエータのうち1つ)は、第1オーディオデータの第1アクチュエータ強度値のうち少なくとも1つのみ(only)に基づいて駆動されてもよい(第2オーディオデータに基づかない)。また、第2方向と対応する第2位置情報に対応するアクチュエータ(前面アクチュエータの列FC4及び背面アクチュエータの列BC4のアクチュエータのうち1つ)は、第2オーディオデータの第2アクチュエータ強度値のうち少なくとも1つのみに基づいて駆動されてもよい(第1オーディオデータに基づかない)。
【0185】
同様に、第1方向と対応する第1位置情報に対応するアクチュエータ列(前面アクチュエータの列FC1及び背面アクチュエータの列BC1のうち1つ)は、第1オーディオデータの第1アクチュエータ強度値のうち少なくとも1つのみに基づいて駆動されてもよい。また、第2方向と対応する第2位置情報に対応するアクチュエータ列(前面アクチュエータの列FC4及び背面アクチュエータの列BC4のうち1つ)は、第2オーディオデータの第2アクチュエータ強度値の少なくとも1つのみに基づいて駆動されてもよい。
【0186】
例えば、サブウーファーに対応するチャネルch1bは前面アクチュエータの列FC1、FC2、FC3、FC4にマッピングされてもよい。前面の左側方向に対応するチャネルch2bは前面アクチュエータの列FC3にマッピングされてもよい。前面の中央方向に対応するチャネルch3bは前面アクチュエータの列FC2、FC3にマッピングされてもよい。前面の右側方向に対応するチャネルch4bは前面アクチュエータの列FC1にマッピングされてもよい。
【0187】
また、左側方向に対応するチャネルch5bは前面アクチュエータの列FC4及び背面アクチュエータの列BC4にマッピングされてもよい。右側方向に対応するチャネルch6bは前面アクチュエータの列FC1及び背面アクチュエータの列BC1にマッピングされてもよい。背面の左側方向に対応するチャネルch7bは背面アクチュエータの列BC3にマッピングされてもよい。背面の右側方向に対応するチャネルch8bは背面アクチュエータの列BC2にマッピングされてもよい。
【0188】
上述した方向は触覚刺激提供装置10を装着したユーザを基準とする。上述の実施例によると、アクチュエータの位置によって音響の方向性を強調することができる。特に、7.1サラウンドオーディオシステムを特定の空間に備えても、ユーザが移動したり方向を変えると、固定された位置の7.1サラウンドオーディオシステムはきちんとした音響の方向性を提供することができない。本実施例によると、ユーザが直接装着する触覚刺激提供装置10を介して音響の方向性を強調するため、ユーザが移動したり方向を変えても音響の方向性が間違うことはない。
【0189】
図25は本発明の他の実施例による触覚刺激パターン生成装置を説明するための図である。
【0190】
図25の触覚刺激パターン生成装置9’は、自動設定部96をさらに含むという点で図16の触覚刺激パターン生成装置9と相違する。触覚刺激パターン生成装置9’の帯域代表値算出部92は、自動設定部96が提供する最大閾値SHTH、最小閾値SLTH、及びゲイン値SFGを用いるという点で触覚刺激パターン生成装置9の帯域代表値算出部92と相違する。
【0191】
例えば、自動設定部96は、周波数帯域のそれぞれに対し、時間経過に伴う代表値RPVの頻度分布に基づいて代表値RPVの有効範囲を算出し、有効範囲の最小値に対応するように最小閾値SLTHを設定し、有効範囲の最大値に対応するように最大閾値SHTHを設定することができる(図15のヒストグラム参照)。
【0192】
例えば、最小閾値SLTHと最大閾値SHTHとの間隔が広すぎると、該当アクチュエータが無駄に持続的な振動を提供するため、触覚刺激の精度が低下することがある。また、最小閾値SLTHと最大閾値SHTHとの間隔が狭すぎると、対象効果音などの検出ができず、有意味な触覚刺激が提供できない可能性がある。従って、本実施例によると、適切な最小閾値SLTH及び最大閾値SHTHを提供することで、有意味な触覚刺激を提供するだけでなく、ユーザの利便性も提供することができる。また、本実施例によると、最小閾値SLTH及び最大閾値SHTHがリアルタイムで適応的に変動することができる。
【0193】
一実施例によると、ユーザが予め設定した最小閾値SLTH及び最大閾値SHTHにより制限された範囲内において自動設定部96が最小閾値SLTH及び最大閾値SHTHを変更することができる。これにより、ユーザが意図した静かすぎる音(例えば、小さな背景音)及び大きすぎる音(例えば、近いところの爆発音)などは触覚刺激に変換しないようにすることができる。
【0194】
その他にも、自動設定部96は様々なアルゴリズムを介して最大閾値SHTH、最小閾値SLTH、及びゲイン値SFGのうち少なくとも1つを提供することができる。
【0195】
例えば、直前5秒間の周波数帯域の代表値RPVの平均またはRMSなどの統計的な値を、基準値と比較してその差または比率に合わせて最大閾値SHTH及び最小閾値SLTHを調整するアルゴリズムが具現されてもよい。例えば、直前5秒間の周波数帯域のPSD値の平均が-50dBであり、基準値が-40dBであれば、これに合わせて最大閾値SHTHを10dBだけ下げることができる。
【0196】
また、この平均値の信頼区間(confidence interval、CI)を求め、これを基準として最大閾値SHTH及び最小閾値SLTHを設定するアルゴリズムが具現されてもよい。例えば、この平均値の95%信頼区間を求めたところ、-45dB~-55dBと計算され、基準平均値が-40dBで、基準95%信頼区間の範囲が20dBであれば、計算された信頼区間の範囲が10dBと基準範囲より2倍狭いため、最大閾値SHTHと最小閾値SLTHの差を2倍狭め、基準平均より10dB低いため、最大閾値SHTHと最小閾値SLTHを10dBだけ下げることができる。
【0197】
また、平均値の分布を示す信頼区間ではなく、個々のサンプル値に対する分布が推定できるようにする予測区間(Prediction Interval、PI)を使用するアルゴリズムが具現されてもよい。特に、入力信号の統計的分布が予め予測できない場合は、非パラメトリック(non-parametric)PI推定が用いられてもよい。非パラメトリックPI方式を用いると、各周波数帯域の過去代表値RPVを利用して95%の確率で現在の入力が位置できる区間を計算することができる。例えば、n個の過去の代表値がある場合、p(例えば、95%を意味する0.95)のPIを計算するとき、n個のサンプルを小さいものから順に整列(sorting)した後、次の式2及び式3のようにj及びkを求めることができる。
【0198】
【数2】
【0199】
【数3】
【0200】
このようにjとkを求めると、j番目とk番目の値がそれぞれp%の予測区間の下限及び上限になる。これをそのまま最小閾値SLTH及び最大閾値SHTHとして使用することもでき、これらの値とn個のサンプルの平均との差などを利用して最小閾値SLTH及び最大閾値SHTHをスケーリングすることもできる。
【0201】
例えば、自動設定部96はゲイン値SFGを自動的に生成することもできる。例えば、アクチュエータは特定範囲(0%~100%)の強度で駆動することができるが、一定期間の間より狭い範囲(30%~70%)の強度で駆動した場合、ゲイン値SFGを調整することで、アクチュエータをより広い範囲の強度で駆動させることができる。
【0202】
例えば、ゲイン値SFGの増加は最低閾値SLTH及び最大閾値SHTHを減少させるのと実質的に同じ効果をもたらすことができる。さらに、ゲイン値SFGの減少は最低閾値SLTH及び最大閾値SHTHを増加させるのと実質的に同じ効果をもたらすことができる。即ち、ユーザが設定した最低閾値SLTH及び最大閾値SHTHの範囲外にデータが主に分布する場合、自動設定部96はゲイン値SFGを調整することで、範囲外のデータを最低閾値SLTH及び最大閾値SHTHの範囲内に調整することができる。これにより、有効データが増加することができる。但し、このような実施例では、ユーザが予め設定した最小閾値SLTH及び最大閾値SHTHは無視されてもよい。
【0203】
図26は本発明の他の実施例によるユーザインタフェースを説明するための図である。
【0204】
ユーザインタフェース80aはプログラムによって生成されてもよく、プログラムはコンピュータで実行されてもよい。プログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。
【0205】
図26を参照すると、ユーザインタフェース80aは、プロジェクト管理領域81、効果管理領域82、配列領域83、レファレンスコンテンツ領域84、タイムライン領域85を含んでもよい。
【0206】
プロジェクト管理領域81はプロジェクト管理のための複数のメニューを含んでもよい。例えば、プロジェクト管理領域81はプロジェクト削除(delete project)、プロジェクト保存(save project)、プロジェクト名変換(rename project)、及び触覚刺激パターン抽出(export haptics)メニューを含んでもよい。抽出された触覚刺激パターンは触覚刺激提供装置10で用いられてもよい。
【0207】
効果管理領域82は、経路効果(path effect)、ドット効果(dot effect)、触覚刺激フレームコピー(duplicate)、効果名変換(rename effect)、効果削除(delete effect)メニューを含んでもよい。
【0208】
配列領域83は複数の仮想アクチュエータを含んでもよい。図2には4行5列の複数の仮想アクチュエータが示されているが、一実施例によると、メニューの操作により仮想アクチュエータの数及び配列を変更することもできる。一実施例によると、ユーザはそれぞれの仮想アクチュエータをドラッグアンドドロップ(drag and drop)して配列の形態を変更してもよい。このような場合、四角配列とは異なり、円形配列や別の形状の配列が具現されてもよい。
【0209】
レファレンスコンテンツ領域84はレファレンスコンテンツ(reference contents)を含んでもよい。レファレンスコンテンツは映像データ、サウンドデータ、映像及びサウンドの複合データなどであってもよい。レファレンスコンテンツは時系列情報を有してもよい。プロジェクトにより生成された触覚刺激パターンの時系列情報は、リファレンスコンテンツの時系列情報と対応することができる。
【0210】
タイムライン領域85にはレファレンスコンテンツの時系列情報を基準として整列された複数の触覚刺激フレームl1、l2、l3、l4、r1、r2、r3が表示される。それぞれの触覚刺激フレームの大きさは該当触覚刺激フレームの効果が提供される時間の大きさと比例することができる。
【0211】
タイムライン領域85は少なくとも1つのトラック(track)を有し、実施例に応じて複数のトラックを有してもよい。複数のトラックはそれぞれ複数の触覚刺激提供装置に対応することができる。例えば、ユーザが左腕に1つの触覚刺激提供装置10を装着し、右腕に他の1つの触覚刺激提供装置10を装着することが予想される場合、タイムライン領域85は2つのトラックを有するように構成されてもよい。このような場合、第1トラック1track 1はユーザの左腕に装着される触覚刺激提供装置に対応することができる。第2トラックtrack 2はユーザの右腕に装着される触覚刺激提供装置に対応することができる。
【0212】
それぞれの触覚刺激フレームは特定のトラックに従属的であってもよい。例えば、触覚刺激フレームl1、l2、l3、l4は第1トラックtrack 1に従属し、触覚刺激フレームr1、r2、r3は第2トラックtrack 2に従属してもよい。
【0213】
図27は単位効果である経路効果を説明するための図である。
【0214】
図27を参照すると、ユーザインタフェース80aは経路効果設定領域86をさらに含む。経路効果設定領域86はユーザが効果管理領域82で経路効果メニューを選択した場合に表示されることができる。経路効果メニューを選択した場合、それに対応するようにタイムライン領域85に触覚刺激フレームl1が生成されてもよい。
【0215】
ユーザは効果管理領域82で経路効果メニューを選択し、配列領域83に経路83pを描くことができる。一実施例において、ユーザは入力装置であるマウスを利用して地点83p1、地点83p2、及び地点83p3を順にクリックすることで経路83pを描くことができる。他の実施例において、ユーザは入力装置であるマウスを利用してドラッグすることで経路83pを一度に描くこともできる。他の実施例において、入力装置がタッチパッドである場合、ユーザは経路83pを指で一度に描くことができる。描かれた経路83pに対応して、経路効果設定領域86に経路効果path 1が生成されてもよい。経路効果path 1は単位効果であり、1つまたは複数の経路効果を組み合わせるか、または後述するドット効果を組み合わせることで、応用効果を生成してもよい。
【0216】
触覚刺激パターン生成装置9は、ユーザインタフェース80a上の経路83pに対応する複数の仮想アクチュエータに駆動値を設定することで触覚刺激パターンを生成することができる。駆動値は、駆動強度、駆動周波数、駆動時間、駆動間隔などの要素を含んでもよい。
【0217】
一実施例によると、経路83pの各時点に対応する地点に最も近い仮想アクチュエータに駆動値を設定することで触覚刺激パターンを生成することができる。例えば、仮想アクチュエータv12、v22、v32、v33、v34に順に駆動値を設定することで経路効果path 1を有する触覚刺激パターンを生成することができる。
【0218】
他の実施例によると、経路83pの各時点に対応する地点を囲む三角形を構成する仮想アクチュエータに駆動値を設定することで触覚刺激パターンを生成することができる。例えば、地点83p3に触覚刺激を与えるために仮想アクチュエータv34、v35、v44に同時に駆動値を設定することができる。このとき、三角形を構成する仮想アクチュエータの駆動値は互いに異なってもよい。地点83p3に最も近い仮想アクチュエータv34には比較的大きい駆動値を設定し、地点83p3に相対的に遠い仮想アクチュエータv35、v44には比較的小さい駆動値を設定することもできる。
【0219】
図27には触覚刺激フレームl1が1つの経路効果path 1を有するように示されているが、ユーザは経路効果設定領域86で経路効果追加ボタン(プラスボタン)を押して追加の経路効果を触覚刺激フレームl1に挿入することもできる。また、経路効果削除ボタン(マイナスボタン)を押して既に生成された経路効果を触覚刺激フレームから削除することもできる。 触覚刺激フレームl1が複数の経路効果を有する場合、それぞれの経路効果は開始時点及び終了時点が独立して設定されてもよい。例えば、最初の経路効果は0.0~0.2秒、2番目の経路効果は0.4~0.7秒、3番目の経路効果は0.6~1.0秒と開始時点及び終了時点が設定されてもよい。
【0220】
ユーザは経路効果設定領域86でパワー(power)数値を調整することで、駆動値が設定された複数の仮想アクチュエータの駆動強度を調整することもできる。パワー数値に応じて地点83p1、83p2、83p3に表示されるグラフィックシンボルの大きさは変化してもよい。例えば、パワー数値が高いと、グラフィックシンボルの大きさが大きく表示され、パワー数値が低いと、グラフィックシンボルの大きさが小さく表示されることができる。従って、ユーザは各地点83p1、83p2、83p3のグラフィックシンボルの大きさに応じて対応する振動力の大きさを直観的に認識することができる。
【0221】
ユーザは経路効果設定領域86で期間(duration)数値を調整することで、経路効果path1の時間の長さを調整することもできる。また、ユーザはタイムライン領域85の対応する触覚刺激フレームl1の側面をドラッグして経路効果1の時間の長さを調整することもできる。
【0222】
ユーザは経路効果設定領域86で再生パターン(playing pattern)を調整することもできる。一実施例では、一定速度(constant speed)が再生パターンとして選択された場合、開始地点83p1から終了地点83p3まで一定速度で触覚刺激が加えられるように複数の仮想アクチュエータに駆動値が設定されてもよい。他の実施例では、各地点に対する一定時間(constant time to each point)が再生パターンとして選択された場合、地点83p1から地点83p2までは遅い速度、地点83p2から地点83p3までは速い速度で触覚刺激が加えられるように複数の仮想アクチュエータに駆動値が設定されてもよい。
【0223】
ユーザは経路効果設定領域86で経路効果path 1のテクスチャ(texture)を調整することができる。テクスチャがソフト(soft)に近いほど、複数のアクチュエータ間の連結性が緊密となり、滑らかに駆動され、テクスチャがラフ(rough)に近いほど、複数のアクチュエータ間の連結性が低下し、途切れ途切れに駆動されることがある。
【0224】
ユーザは経路効果設定領域86でダイナミック設定(dynamic setting)を調整することができる。ダイナミック設定値はフェードイン、フェードアウト、設定なしなどを含んでもよい。
【0225】
図28は単位効果であるドット効果を説明するための図である。
【0226】
図28を参照すると、ユーザインタフェース80aはドット効果設定領域87をさらに含む。ドット効果設定領域87はユーザが効果管理領域82でドット効果メニューを選択した場合に表示されることができる。ドット効果メニューが選択された場合、タイムライン領域85に触覚刺激フレームl3が生成されることができる。
【0227】
ユーザは効果管理領域82でドット効果メニューを選択し、配列領域83に少なくとも1つの仮想アクチュエータv22、v31、v32、v33、v42を選択することができる。一実施例において、ユーザは入力装置であるマウスを利用してアクチュエータv22、v31、v32、v33、v42をそれぞれクリックすることができる。ユーザの入力に対応して、ドット効果設定領域87にドット効果dot1が生成されてもよい。ドット効果dot1、dot2は単位効果であり、1つまたは複数のドット効果を組み合わせるか、または、上述した経路効果と組み合わせることで、応用効果を生成してもよい。
【0228】
図28には触覚刺激フレームl3が2つのドット効果dot1、dot2を有することが示されている。ユーザはドット効果設定領域87でドット効果追加ボタン(プラスボタン)を押して追加のドット効果を触覚刺激フレームl3に挿入することもできる。ユーザはドット効果削除ボタン(マイナスボタン)を押して既に生成されたドット効果dot1、dot2を触覚刺激フレームl3から削除することもできる。触覚刺激フレームl3が複数のドット効果を有する場合、それぞれのドット効果は開始時点及び終了時点が独立して設定されてもよい。例えば、最初のドット効果は0.0~0.2秒、2番目のドット効果は0.4~0.7秒、3番目のドット効果は0.6~1.0秒と開始時点及び終了時点が設定されてもよい。
【0229】
ユーザはドット効果設定領域87でパワー数値を調整することで、駆動値が設定された複数の仮想アクチュエータv22、v31、v32、v33、v42の駆動強度を調整することもできる。パワー数値に応じて仮想アクチュエータv22、v31、v32、v33、v42に表示されるグラフィックシンボルの大きさは変化してもよい。例えば、パワー数値が高いと、グラフィックシンボルの大きさが大きく表示され、パワー数値が低いと、グラフィックシンボルの大きさが小さく表示されることができる。従って、ユーザは各仮想アクチュエータv22、v31、v32、v33、v42のグラフィックシンボルの大きさに応じて対応する振動力の大きさを直観的に認識することができる。
【0230】
ユーザはドット効果設定領域87で期間数値を調整することでドット効果dot1、dot2の時間の長さを調整することもできる。また、ユーザはタイムライン領域85の対応する触覚刺激フレームl3の側面をドラッグしてドット効果の時間の長さを調整することもできる。
【0231】
ユーザはドット効果設定領域87で再生パターンを調整することができる。再生パターンが離散型(discrete)である場合、第1ドット効果dot1と第2ドット効果dot2はそれぞれの仮想アクチュエータに対して連結性がなく分離された駆動値を有することができる。再生パターンが連結型(connecting dots)である場合、第1ドット効果dot1と第2ドット効果do2はまるで1つの効果であるかのように時間的連結性を有し、仮想アクチュエータが時間的に連結された駆動値を有することができる。
【0232】
ユーザはドット効果設定領域87でテクスチャを調整することができる。テクスチャは再生パターンが連結型である場合に意味があり、第1ドット効果dot1と第2ドット効果dot2間の連結性を滑らかに(soft)にするか、やや粗く(rough)することができる。テクスチャが粗く設定されている場合、再生パターンが連結型であっても離散型に近い感じの触覚刺激が提供され得る。
【0233】
図29は本発明の一実施例による触覚刺激フレームの配置を説明するための図である。
【0234】
上述したように、触覚刺激フレームl1、l3はユーザがマウスなどで直接作製したフレームであってもよい。しかし、触覚刺激フレームl4はユーザが作成したフレームではなく、第1オーディオデータに基づいて触覚刺激パターン生成装置9が自動的に生成したフレームであってもよい。例えば、銃声が右側から鳴った場合、ユーザの左腕に装着する触覚刺激提供装置10と連動する第1トラックtrack1の触覚刺激フレームl4には仮想アクチュエータに駆動強度値が与えられなくてもよい。例えば、触覚刺激フレームl4における仮想アクチュエータの駆動強度値はすべて0であってもよい。
【0235】
本実施例によると、タイムライン領域85は第1オーディオデータに基づく第1触覚刺激フレームと、第2オーディオデータに基づく第2触覚刺激フレームとを含んでもよい。このとき、第1触覚刺激フレームは第1トラックに従属し、第2触覚刺激フレームは第2トラックに従属することができる。
【0236】
以上で参照した図面と記載された発明の詳細な説明は本発明の例示に過ぎず、本発明を説明するためにだけに用いられており、意味の限定や特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するために用いられたものではない。よって、本技術分野の通常の知識を有する者であれば、これから様々な変形及び均等な他の実施例が可能であることが理解できるであろう。従って、本発明の真の技術的保護範囲は添付の特許請求の範囲の技術的思想によって定められるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
図11
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