(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】抗菌および抗血栓性ガス放出装置および関連システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61M 39/16 20060101AFI20241206BHJP
A61M 25/06 20060101ALI20241206BHJP
【FI】
A61M39/16
A61M25/06 502
(21)【出願番号】P 2022541256
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(86)【国際出願番号】 US2020066632
(87)【国際公開番号】W WO2021138154
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2023-09-29
(32)【優先日】2020-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ギドン オフェク
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー クァック
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ フリージエ
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-532517(JP,A)
【文献】特表2010-522050(JP,A)
【文献】特表2017-503599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/16
A61M 25/06
A61L 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リザーバであって、
ハウジングであって、開口部及びガス不透過性壁を備え、前記開口部は、血管アクセス装置に結合するように構成される、ハウジングと、
前記ハウジング内に配置されたハイドロゲル中に懸濁されたガス状薬剤の分子前駆体であって、前記ガス状薬剤が、抗菌性、抗血栓性、又は、抗菌性及び抗血栓性の両方である、分子前駆体と、
を備え
、
前記開口部がさらに膜を含み、前記膜が、ガス透過性及び疎水性であるリザーバ
。
【請求項2】
前記ガス状薬剤が、一酸化窒素である、請求項1に記載のリザーバ。
【請求項3】
前記ガス状薬剤の前記分子前駆体が、S-ニトロソ-N-アセチルペニシラミン、S-ニトロソグルタチオン、ニトロプルシドナトリウム、またはそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載のリザーバ。
【請求項4】
前記ハウジングが、前記ハウジングを、第1のチャンバ及び第2のチャンバに分離するガス透過性仕切り壁をさらに備え、前記第1のチャンバが、前記ハイドロゲル中に懸濁した前記ガス状薬剤の前記分子前駆体を含み、前記第2のチャンバが、前記分子前駆体のための触媒を含み、前記第2のチャンバが、穿孔可能な水不透過性膜によって、前記第1のチャンバから分離される、請求項1に記載のリザーバ。
【請求項5】
前記ハウジングが、上部ハウジング及び下部ハウジングを備え、前記上部ハウジング及び前記下部ハウジングが、ガス不透過性壁を備え、前記下部ハウジングが、前記開口部をさらに備え、前記上部ハウジングが、前記下部ハウジングに結合するように構成される、請求項1に記載のリザーバ。
【請求項6】
前記ハウジングが、前記ハウジングを、第1のチャンバ及び第2のチャンバに分離するガス透過性仕切り壁をさらに備え、前記第1のチャンバが、前記ハイドロゲル中に懸濁した前記ガス状薬剤の前記分子前駆体を含み、前記第2のチャンバが、前記分子前駆体のための触媒を含み、前記第2のチャンバが、穿孔可能な水不透過性膜によって、前記第1のチャンバから分離され、
前記ハウジングが、穿孔機構をさらに備え、前記リザーバを前記血管アクセス装置に結合する際に、前記穿孔機構が前記水不透過性膜を穿孔する、請求項
5に記載のリザーバ。
【請求項7】
前記ハウジングが、前記開口部を覆い、取り外し可能又は穿孔可能なシールをさらに備える、請求項1に記載のリザーバ。
【請求項8】
前記ハウジングを貫通する芯をさらに備える、請求項1に記載のリザーバ。
【請求項9】
血管アクセス装置にガスを注入するシステムであって、
カテーテルインターフェースであって、遠位端、近位端、及び、前記遠位端と前記近位端との間に延びる1つ以上の管腔を備える、カテーテルインターフェースと、
前記カテーテルインターフェースの外面に配置されたコネクタであって、リザーバに結合し、前記リザーバから前記1つ以上の管腔へのガス状薬剤の通過を可能にするように構成されるコネクタと、
を備え、
前記リザーバが、
開口部及びガス不透過性壁を備えるハウジングであって、前記開口部は、前記カテーテルインターフェースの前記コネクタに結合するように構成される、ハウジングと、
前記ハウジング内に配置されたハイドロゲル中に懸濁されたガス状薬剤の分子前駆体であって、前記ガス状薬剤が、抗菌性、抗血栓性、又は、抗菌性及び抗血栓性の両方である、分子前駆体と、を備える、血管アクセス装置にガスを注入するシステム。
【請求項10】
前記ガス状薬剤が、前記コネクタを通って前記管腔内に浸透し、前記ガス状薬剤が、抗菌性、抗血栓性、又は、抗菌性及び抗血栓性の両方の保護を、前記カテーテルシステムの少なくとも1つの表面に提供する、請求項
9に記載のシステム。
【請求項11】
前記リザーバと前記管腔との間で流体連通する流体経路をさらに備える、請求項
9に記載のシステム。
【請求項12】
前記コネクタが、ルアーコネクタ又は成形接合継手であり、前記リザーバハウジングが、カテーテルアダプタに干渉嵌合で機械的に結合する、請求項
9に記載のシステム。
【請求項13】
前記コネクタが、凹形突起をさらに有し、前記ハウジングの前記開口部が、シールをさらに有し、前記コネクタを前記リザーバに結合する際に、前記凹形突起が、前記シールを穿孔する、請求項
9に記載のシステム。
【請求項14】
前記コネクタがさらに膜を含み、前記膜が、ガス透過性及び疎水性である、請求項
9に記載のシステム。
【請求項15】
前記リザーバの開口部が、膜をさらに備え、前記膜が、ガス透過性及び疎水性である、請求項
9に記載のシステム。
【請求項16】
血管アクセス装置にガスを注入するシステムであって、
前記血管アクセス装置に結合するように構成された安定化装置と、
リザーバであって、
開口部及びガス不透過性壁を備えるハウジングであって、前記開口部が、前記血管アクセス装置に結合するように構成され、前記ガス不透過性壁が、前記安定化装置に結合される、ハウジングと、
前記ハウジング内に配置されたハイドロゲルに懸濁されたガス状薬剤の分子前駆体であって、前記ガス状薬剤が、抗菌性、抗血栓性、又は、抗菌性及び抗血栓性の両方である、分子前駆体と、
を備える、リザーバと、
を備える、血管アクセス装置にガスを注入するシステム。
【請求項17】
前記安定化装置が、前記血管アクセス装置を挿入部位に固定するための粘着パッドをさらに備える、請求項1
6に記載のシステム。
【請求項18】
前記血管アクセス装置が、外面上に配置されたコネクタをさらに備え、前記コネクタが、前記ハウジングの前記開口部が、前記血管アクセス装置に干渉嵌合で結合するような成形接合継手である、請求項1
6に記載のシステム。
【請求項19】
前記ハウジングの前記開口部が、膜をさらに備え、前記膜が、ガス透過性及び疎水性である、請求項1
6に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
カテーテル関連の血流感染症(CRBSI)は、血管アクセス装置を使用する際の一般的な合併症の可能性がある。CRBSIを引き起こす血管アクセス装置の感染は、この装置を定期的に洗浄しなかったこと、滅菌されていない挿入技術、又は、血管アクセス装置の挿入後に流体経路のいずれかの端から病原体が侵入することによって引き起こされる場合がある。CRBSIのリスクは、カテーテル留置期間に応じて増加することが研究で示されている。血管アクセス装置が汚染されると、病原体が付着し、コロニー化し、バイオフィルムが形成される。このバイオフィルムは、ほとんどの殺生物剤に耐性があり、病原体が患者の血流に入り感染症を引き起こす補充源となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
抗菌剤や抗血栓剤は、血管アクセス装置の表面に塗布されるコーティング剤に配合されている。これらのコーティングは、この装置への適用が困難であったり、高価であったりする場合がある。コーティングの別の問題は、溶剤の蒸発やコーティングの硬化に比較的長い時間を要するため、血管アクセス装置の製造コストが高くなるという問題がある。さらに、コーティングの抗菌・抗血栓活性が留置期間にわたって減少し、抗菌剤や抗血栓剤の有効性を低下させる。したがって、当該技術分野では、様々な種類の医療機器、特に輸液療法に関連する機器に抗菌性及び抗血栓性の能力を提供するための改良された手段が必要とされている。
【0003】
本明細書で開示および請求される主題は、任意の欠点を解決する実施形態や、上記のような環境でのみ動作する実施形態に限定されない。むしろ、この背景技術は、本明細書で説明されるいくつかの実施例を実行し得る技術領域の一例を示すために提供されるにすぎない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、一般に、ハウジング内に配置されたハイドロゲル中に懸濁されたガス状薬剤の分子前駆体を収容するためのリザーバであって、ガス状薬剤が抗菌性又は抗血栓性であるリザーバ、並びに関連するシステム及び方法に関する。いくつかの実施形態では、リザーバは、開口部と、ガス不透過性壁とを有するハウジングを含むことができる。開口部は、血管アクセス装置と結合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、リザーバはまた、ハイドロゲル中に懸濁され、ハウジング内に配置され得るガス状薬剤の分子前駆体を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ガス状薬剤は、抗菌性、抗血栓性、又は抗菌性及び抗血栓性の両方であってもよい。
【0005】
いくつかの実施形態では、ハウジングの開口部はまた、膜を含んでもよい。いくつかの実施形態では、膜は、ガス透過性及び疎水性であってもよい。いくつかの実施形態では、ハウジングは、開口部を覆う取り外し可能又は穿孔可能なシールを含むこともできる。いくつかの実施形態では、ガス状薬剤の分子前駆体は、S-ニトロソ-N-アセチルペニシラミン、S-ニトロソグルタチオン、ニトロプルシドナトリウム、またはそれらの組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、ガス状薬剤は、一酸化窒素であってもよい。
【0006】
いくつかの実施形態では、リザーバのハウジングは、ハウジングを、第1のチャンバ及び第2のチャンバに分離するガス透過性仕切り壁を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1のチャンバは、ハイドロゲル中に懸濁されたガス状薬剤の分子前駆体を含んでもよく、第2のチャンバは、ガス状薬剤を放出するために、分子前駆体のための触媒を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第2のチャンバは、ハウジング内に触媒を含んでもよい。いくつかの実施形態では、触媒は、水又は生理食塩水であってもよい。いくつかの実施形態では、触媒は、金属触媒をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、第2のチャンバは、穿孔可能な水不透過性膜によってハイドロゲルから分離されてもよい。
【0007】
いくつかの実施形態では、リザーバハウジングは、上部ハウジング及び下部ハウジングを含んでもよい。いくつかの実施形態では、上部ハウジング及び下部ハウジングの両方が、ガス不透過性壁を含んでもよい。いくつかの実施形態では、下部ハウジングは、開口部をさらに含み、上部ハウジングは、下部ハウジングに結合するように構成されてもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、ハウジングはまた、リザーバを血管アクセス装置に結合する際に、水不透過性膜を突き刺し、分子前駆体からガス状薬剤の生成を触媒する穿孔機構を含むこともできる。いくつかの実施形態では、リザーバは、ハウジングを貫通する、ろうそくなどに用いられる芯(wick)を含んでもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、血管アクセス装置にガスを注入するためのシステムは、カテーテルインターフェースを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルインターフェースは、遠位端、近位端、及び、遠位端と近位端との間に延びる1つ以上の管腔を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルインターフェースは、カテーテルインターフェースの外面に配置されたコネクタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタは、リザーバに結合し、リザーバから1つ以上の管腔へのガス状薬剤の通過を可能にするように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、リザーバは、ハウジングと、ハウジング内に配置されたハイドロゲルに懸濁されたガス状薬剤の分子前駆体とを含む。いくつかの実施形態では、ガス状薬剤は、コネクタを通過して1つ以上の管腔に浸透してもよい。いくつかの実施形態では、ガス状薬剤は、抗菌性又は抗血栓性の保護、若しくは、抗菌性及び抗血栓性の両方の保護をカテーテルシステムの表面に提供することができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、血管アクセス装置にガスを注入するためのシステムは、リザーバと、1つ以上の管腔との間で流体連通する流体経路とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタは、ルアーコネクタまたは成形接合継手であってもよい。いくつかの実施形態では、リザーバハウジングは、カテーテルアダプタに干渉嵌合で機械的に結合することができる。いくつかの実施形態では、コネクタはまた、凹形突起機構を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ハウジングの開口部は、シールを含み、コネクタをリザーバに結合する際に、凹形突起がシールを貫通することができる。いくつかの実施形態では、コネクタは、ガス透過性及び疎水性の膜を含んでもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、血管アクセス装置にガスを注入するためのシステムは、血管アクセス装置及びリザーバに結合するように構成された安定化装置を含むことができる。いくつかの実施形態において、リザーバは、ハウジングと、ハウジング内に配置されたハイドロゲルに懸濁されたガス状薬剤の分子前駆体とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、安定化装置または、安定化装置が血管アクセス装置を挿入部位に固定するように粘着パッドを含んでもよい。いくつかの実施形態では、血管アクセス装置は、外面上に配置されたコネクタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタは、ハウジングの開口部が干渉嵌合でカテーテルシステムに結合するような成形接合継手であってもよい。
【0012】
上述の概略の説明、および以下の詳細な説明の両方は、例示であり、また、説明のためのものであり、特許請求された発明を限定するものではないことが理解されるべきである。様々な実施形態は、図面に示された構成(arrangements)及び手段(instrumentality)に限定されないことが理解されるべきである。また、実施形態は、組み合わされてよいこと、又は、他の実施形態が用いられてよいこと、及び、そのように特許請求されていない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく構造変更がなされてよいことが理解されるべきである。従って、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】
図1Aは、いくつかの実施形態による、例示的なリザーバの断面図である。
【
図1B】
図1Bは、いくつかの実施形態による、別の例示的なリザーバの断面図である。
【
図2A】
図2Aは、いくつかの実施形態による、別の例示的なリザーバの断面図である。
【
図2B】
図2Bは、いくつかの実施形態による、別の例示的なリザーバの断面図である。
【
図2C】
図2Cは、いくつかの実施形態による、別の例示的なリザーバの断面図である。
【
図2D】
図2Dは、いくつかの実施形態による、別の例示的なリザーバの断面図である。
【
図2E】
図2Eは、いくつかの実施形態による、別の例示的なリザーバの断面図である。
【
図2F】
図2Fは、いくつかの実施形態による、別の例示的なリザーバの断面図である。
【
図3A】
図3Aは、いくつかの実施形態による、血管アクセス装置の上面図である。
【
図4A】
図4Aは、いくつかの実施形態による、血管アクセス装置及びリザーバの側面図である。
【
図4C】
図4Cは、いくつかの実施形態による、別の例示的な血管アクセス装置の側面図である。
【
図4D】
図4Dは、いくつかの実施形態による、別の例示的なリザーバの断面図である。
【
図4E】
図4Eは、いくつかの実施形態による、別の例示的なリザーバの断面図である。
【
図5A】
図5Aは、いくつかの実施形態による、例示的な安定化装置の上方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで
図1A~
図1Bを参照すると、いくつかの実施形態において、リザーバ10は、開口部14及びガス不透過性壁16を含み得るハウジング12を含んでもよい。いくつかの実施形態では、開口部14は、血管アクセス装置に結合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、リザーバ10は、ハイドロゲル22に懸濁されたガス状薬剤20に対する分子前駆体18を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ハイドロゲル22は、ハウジング12内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、ガス状薬剤20は、抗菌性、抗血栓性、又は、抗菌性及び抗血栓性の両方であってもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、開口部14は、膜24を含んでもよい。いくつかの実施形態では、膜24は、ハウジング12内にハイドロゲル22を保持することができる。いくつかの実施形態では、膜24は疎水性であってもよい。いくつかの実施形態では、膜24は、ガス透過性であってもよい。いくつかの実施形態では、ガス状薬剤20は、膜24を通過し、ハイドロゲル22は、ハウジング12内に保持されることができる。いくつかの実施形態では、膜24は、シリコーンで構成されてもよい。いくつかの実施形態では、膜24は、ポリエステル共重合体であってもよい。他の実施形態では、膜24は、フッ素化ポリマーであってもよい。他の実施形態では、膜24は、疎水性、及び、ガス透過性である当該技術分野で知られている任意の適切な材料で構成されてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、ガス状薬剤20は、一酸化窒素であってもよい。いくつかの実施形態では、ガス状薬剤20は、抗菌性、及び/又は、抗血栓性を示す他の任意の気体であってもよい。いくつかの実施形態では、分子前駆体18は、S-ニトロソ-N-アセチルペニシラミン(SNAP)、S-ニトロソグルタチオン、ニトロプルシドナトリウム(SNP)、又は、それらの組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、分子前駆体18は、ハイドロゲル22、又は、当該技術分野で知られている他のタイプの適切な抗菌剤、又は、抗血栓剤送達システムに懸濁され得るガス状薬剤の任意の前駆体であってもよい。いくつかの実施形態では、ハイドロゲル22は、ポリエチレングリコール(PEG)であってもよい。他の実施形態では、ハイドロゲル22は、アルギン酸、又は、他の適切なハイドロゲルであってもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、ハウジング12は、円筒形であってもよい。いくつかの実施形態では、ガス不透過性壁16は、ガス状薬剤20に対して不透過性であってもよい。いくつかの実施形態では、ガス不透過性壁16は、分子前駆体18及びハイドロゲル22に対して不透過性である。いくつかの実施形態では、ガス不透過性壁16は、高デュロメータウレタンで構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ガス不透過性壁16は、ポリエステル、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、又は、当該技術分野で知られている任意の適切なプラスチックまたは材料であってもよい。いくつかの実施形態では、ガス不透過性壁16は、球形状、立方体状、又は、他の幾何学的形状であってもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、膜24は、ガス不透過性壁16の内壁に機械的に結合することができる。いくつかの実施形態では、膜24は、接着剤でガス不透過性壁に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、ハウジング12は、開口部14を覆うシール26をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、シール26は、穿刺又は露出から膜を保護してもよい。いくつかの実施形態では、シール26は、取り外し可能及び/又は穿孔可能であってもよい。いくつかの実施形態では、シール26は、任意のガス又は流体に対して不透過性であってもよい。いくつかの実施形態では、シール26は、箔、プラスチック、又は、当該技術分野で知られている任意の適切なシールであってもよい。いくつかの実施形態では、シール26は、接着剤、又は、任意の他の適切な取り付け方法を用いてハウジング12に結合されてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、リザーバ10はまた、ガス透過性であってもよい仕切り壁28を含んでもよい。いくつかの実施形態では、仕切り壁28は、ハウジング12を、第1のチャンバ30及び第2のチャンバ32に分離してもよい。いくつかの実施形態では、第1のチャンバ30は、ハイドロゲル22に懸濁された分子前駆体18を含んでもよく、第2のチャンバ32は、分子前駆体18のための触媒を含んでもよい。いくつかの実施形態では、仕切り壁28は、第1のチャンバ30と第2のチャンバ32とがほぼ同じサイズであるように、ハウジング12を分離してもよい。いくつかの実施形態では、第2のチャンバ32は、開口部14に近接していてもよい。いくつかの実施形態では、仕切り壁28は、第1のチャンバ30が第2のチャンバ32よりも大きなサイズを有するように、ハウジング12を分離してもよい。いくつかの実施形態では、仕切り壁28は、第1のチャンバ30及び第2のチャンバ32の両方が開口部14、及び/又は、膜24に近接するように、リザーバ10を分離してもよい。
【0020】
ここで
図2A~
図2Eを参照すると、いくつかの実施形態では、第2のチャンバ32は、穿孔可能な水不透過性膜34によって、第1のチャンバ30から分離されてもよい。いくつかの実施形態では、第2のチャンバ32は、ハウジング12内の水又は生理食塩水の薄膜であってもよい。いくつかの実施形態では、第2のチャンバ32は、水溶性触媒36を含んでもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、分子前駆体18のための触媒36は、純水、脱酸素水、脱イオン水、又は、イオン化水を含んでもよい。他の実施形態では、触媒36は、緩衝溶液を含んでもよい。いくつかの実施形態では、触媒36は金属であってもよい。いくつかの実施形態では、触媒36は、その中に触媒イオン、又は、元素を有する水溶液を含んでもよい。いくつかの実施形態では、触媒36は、銅、鉄、亜鉛、セレン、又は、それらの組み合わせを含むことができるイオン又は元素であってもよい。いくつかの実施形態では、緩衝溶液は、当該技術分野で知られている任意の適切な溶液であってもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、水又は水溶液が、分子前駆体18からの一酸化窒素の放出を開始させることができる。いくつかの実施形態では、SNAP、SNP、S-ニトロソグルタチオン、及び、他のニトロソ化剤は、水溶液中で自発的な脱窒素、又は、一酸化窒素供与を受けることができる。いくつかの実施形態では、SNPは、水及び/又は緩衝液に容易に溶解し、水の存在下で一酸化窒素を放出してもよい。いくつかの実施形態では、リザーバ10は、ガス状薬剤20を連続的に放出してもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、ハウジング12は、穿孔機構38を含んでもよい。いくつかの実施形態では、穿孔機構38は、穿孔可能な水不透過性膜34を穿孔するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、穿孔可能な水不透過性膜34を穿孔すると、分子前駆体18が湿潤され、ガス状薬剤20が、ハイドロゲル22から放出されてもよい。いくつかの実施形態では、穿孔機構38は、リザーバ10を血管アクセス装置に結合する際に、水不透過性膜34を穿孔することができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、穿孔機構38は、尖端部40を含んでもよい。いくつかの実施形態では、尖端部40と穿孔可能な水不透過性膜34との接触時に、水及び/又は緩衝液が、穿孔可能な水不透過性膜34を通過して、ハイドロゲル22を水和させることができる。いくつかの実施形態では、穿孔機構38は、ハウジング12に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、穿孔機構38は、ハウジング12の外面まで、又は、それを超えて延在していてもよい。いくつかの実施形態では、穿孔機構38は、膜24を貫通して延びていてもよい。いくつかの実施形態では、穿孔機構38は、ガス不透過性壁16の外側に延在してもよい。いくつかの実施形態では、ハウジング12の外面まで、又は、それを超えて延びる穿孔機構38の部分を押すことによって、尖端部40が、穿孔可能な水不透過性膜34を突き刺す。いくつかの実施形態では、穿孔機構38は、リザーバ10を血管アクセス装置に結合することによって押されてもよい。いくつかの実施形態では、穿孔機構38は、臨床医などのユーザによって押されてもよい。
【0025】
図2C~
図2Eを参照すると、いくつかの実施形態では、ハウジング12は、上部ハウジング42、及び、下部ハウジング44という2つの分離可能な部分を含んでもよい。いくつかの実施形態では、上部ハウジング42、及び、下部ハウジング44は、ガス不透過性壁16を含んでもよい。いくつかの実施形態では、下部ハウジング44は、開口部14を含んでもよい。いくつかの実施形態では、上部ハウジング42は、下部ハウジング44に結合するように構成されてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、上部ハウジング42は、第1のチャンバ30を含んでもよい。他の実施形態では、上部ハウジング42は、第2のチャンバ32を含んでもよい。いくつかの実施形態では、上部ハウジング42は、第1のチャンバ30、及び、第2のチャンバ32の両方を含んでもよい。いくつかの実施形態では、上部ハウジング42は、穿孔機構38を含んでもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、下部ハウジング44は、第1のチャンバ30を含んでもよい。他の実施形態では、下部ハウジング44は、第2のチャンバ32を含んでもよい。いくつかの実施形態では、下部ハウジング44は、第1のチャンバ30、及び、第2のチャンバ32の両方を含んでもよい。いくつかの実施形態では、下部ハウジング44は、穿孔機構38を含んでもよい。いくつかの実施形態では、穿孔機構38は、円錐形の形状であってもよい。いくつかの実施形態では、穿孔機構38は、上部ハウジング42、又は、下部ハウジング44に一体化されてもよく、リザーバ10を血管アクセス装置に結合する際に、水不透過性膜34を穿孔することができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、上部ハウジング42と下部ハウジング44は、同じ材料で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、上部ハウジング42、及び、下部ハウジング44の両方が、高デュロメータを有するウレタンで構成されてもよい。いくつかの実施形態では、高デュロメータウレタンは、ガス状薬剤20がガス不透過性壁16から拡散、又は、流出することを防止してもよい。いくつかの実施形態では、上部ハウジング42は、下部ハウジング44よりも大きいデュロメータを有する材料で構成されてもよい。他の実施形態では、下部ハウジング44は、上部ハウジング42よりも大きなデュロメータを有していてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、上部ハウジング42と下部ハウジング44は、同じサイズであってもよい。いくつかの実施形態では、上部ハウジング42と下部ハウジング44は、同じ体積、及び/又は、長さであってもよい。いくつかの実施形態では、上部ハウジング42、又は、下部ハウジング44の大きさは異なってもよい。いくつかの実施形態では、ハイドロゲル22に懸濁された分子前駆体18を含む第1のチャンバ30は、分子前駆体18のための触媒を含む第2のチャンバ32よりも大きな長さを有していてもよい。いくつかの実施形態では、第1のチャンバ30のより大きな長さは、穿孔機構38が、膜24を不注意に突き刺すことを防止することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、上部ハウジング42と下部ハウジング44は、クリップ機構46で結合することができる。いくつかの実施形態では、クリップ機構46は、歯48及びクリップ50を含み、一緒に結合して、上部ハウジング42を下部ハウジング44に結合したままにすることができる。いくつかの実施形態では、クリップ機構46は、上部ハウジング42と下部ハウジング44が一緒に押されたときに、穿孔機構38が水不透過性膜34を突き破るように、上部ハウジング42及び下部ハウジング44がラチェットするように複数の歯48を有してもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、リザーバ10は、穿孔機構38が水不透過性膜34を不注意に穿孔することを防止し得る安全機構52を含んでもよい。いくつかの実施形態では、安全機構52は、上部ハウジング42と下部ハウジング44の間の円筒形のスペーサであってもよい。いくつかの実施形態では、安全機構52は、リザーバ10を血管アクセス装置に結合する前に、安全機構52を除去して廃棄することができるように、取り外し可能であってよい。いくつかの実施形態では、安全機構52は、圧縮可能であってもよい。
【0032】
ここで
図2Fを参照すると、いくつかの実施形態では、リザーバ10は、ろうそくなどに用いられる芯54を含んでもよい。いくつかの実施形態では、芯54は、水及び/又は水溶液を、ハウジング12内に輸送して、ハイドロゲル22を濡らすことを可能にする水輸送又は溶液輸送デバイスであってよい。いくつかの実施形態では、芯54は、膜24を貫通して、又は、ガス不透過性壁16を貫通して延びてもよい。いくつかの実施形態では、芯54は、リザーバを血管アクセス装置に結合する際に湿潤されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、芯54は、合成繊維で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、芯54は、ポリエステルで構成されてもよい。他の実施形態では、芯54は、綿、他の天然繊維、又は、他の任意の適切な分配材料で構成されてもよい。
【0033】
ここで
図3A~
図3Bを参照すると、いくつかの実施形態では、血管アクセス装置58にガスを注入するためのシステム56は、カテーテルインターフェース60を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルインターフェース60は、遠位端62、近位端64、及び、遠位端62と近位端64との間に延びる1つ又は複数の管腔66を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルインターフェース60は、カテーテルアダプタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルインターフェース60は、任意の適切な血管アクセス装置58を含んでもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、システム56は、カテーテルインターフェース60の外面70に配置されたコネクタ68を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ68は、リザーバ10に結合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ガス状薬剤20は、コネクタ68を通過して、1つ以上の管腔66に浸透してよい。1つ以上の管腔66は、カテーテルインターフェース60の少なくとも1つの内面72を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ガス状薬剤20は、カテーテルインターフェース60の外面70、及び/又は、内面72に、抗菌性、抗血栓性、又は、抗菌及び抗血栓性の保護を提供することができる。いくつかの実施形態では、ガス状薬剤20は、カテーテルインターフェース60を通して拡散することによって、外面70に抗菌、及び/又は、抗血栓性の保護を提供することができる。いくつかの実施形態では、リザーバ10は、分子前駆体18が枯渇した後に、コネクタ68から取り外され、交換されてもよい。したがって、リザーバ10は、カテーテルインターフェース60の内面72、及び/又は、外面70に、抗菌性、及び/又は、抗血栓性の保護を提供するために、必要に応じて再生可能または交換可能である。
【0035】
ここで
図4A~
図4Bを参照すると、いくつかの実施形態では、コネクタ68は、患者の皮膚表面に接触し得るカテーテルインターフェース60の部分の反対側の、カテーテルインターフェース60の上部に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルインターフェース60は、1つ以上の管腔66とリザーバ10との間で、流体連通する流体経路74を含んでもよい。いくつかの実施形態では、流体経路74は、気体、及び/又は、液体のための開放経路であってよい。いくつかの実施形態では、流体経路74は、気体透過性のみであってもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ68は、コネクタ膜76を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ膜76は、ガス透過性及び疎水性であってもよい。いくつかの実施形態では、ガス状薬剤20は、カテーテルインターフェース60の外面70に浸透してよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、コネクタ68は、リザーバ10に干渉嵌合で結合し得る成形接合継手78を含んでもよい。いくつかの実施形態では、成形接合継手78は、カテーテルインターフェース60の表面から延びる延長継手80を含んでもよい。いくつかの実施形態では、リザーバは、延長継手80の内面と干渉嵌合で係合することができる。他の実施形態では、リザーバ10は、延長継手80の外表面と干渉嵌合することができる。延長継手80は、リザーバを取り外す、又は、交換する必要がある場合に、リザーバ10へのより大きなアクセス性を提供することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、成形接合継手78は、凹形継手82を含んでもよい。いくつかの実施形態では、リザーバ10は、凹形継手82の内面と干渉嵌合することができる。いくつかの実施形態では、凹形継手82は、カテーテルインターフェース60の外面70からのリザーバ10の突出を最小限に抑えることができる。
【0038】
ここで
図4C~
図4Dを参照すると、いくつかの実施形態では、コネクタ68は、ルアーコネクタ84であってもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ68は、リザーバ10のガス不透過性壁16の外面に含まれるルアーコネクタねじに結合し得るルアーコネクタねじ86を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ68は、雄型又は雌型のルアーねじ86を含んでもよい。いくつかの実施形態では、リザーバのルアーコネクタ84は、必要なときにリザーバの容易なアクセス、又は、交換を促進することができる。
【0039】
次に、
図4Eを参照すると、いくつかの実施形態では、コネクタ68は、凹形突起88を含んでもよい。いくつかの実施形態では、凹形突起88は、カテーテルインターフェース50の凹形継手82から延在してもよい。上述したように、リザーバ10のハウジング12の開口部14は、シール26を含んでもよい。いくつかの実施形態では、リザーバ10をコネクタ68に結合する際に、凹形突起88は、ガス状薬剤20がリザーバ10からコネクタ68を通って、1つ以上の管腔66へと通過し得るように、シール26を貫通し得る。いくつかの実施形態では、凹形突起88は、凹形突起を通る流体経路74を含んでもよい。
【0040】
ここで
図5A~
図5Bを参照すると、いくつかの実施形態では、血管アクセス装置58にガスを注入するためのシステム90は、安定化装置92を含んでもよい。いくつかの実施形態では、安定化装置92は、血管アクセス装置58に結合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、システム90は、リザーバ94を含んでもよい。いくつかの実施形態では、リザーバ94は、開口部98及びガス不透過性壁100を有するハウジング96を含んでもよい。いくつかの実施形態では、開口部98は、血管アクセス装置58に結合するように構成されてもよく、ガス不透過性壁100は、安定化装置92に結合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、リザーバ94は、ガス状薬剤20に対する分子前駆体18を含んでもよい。いくつかの実施形態では、分子前駆体18は、ハウジング96内に配置されたハイドロゲル22内に懸濁されてもよい。いくつかの実施形態では、安定化装置92は、Becton, Dickinson & Companyから入手可能なStatLock(登録商標)安定化装置であってよく、リザーバ94を含んでもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、リザーバ94は、以下の1つ以上の含まれる特徴、及び/又は、動作の点で、
図1A~
図1B、
図2A~
図2C、及び、
図4A~
図4Eに関して議論したリザーバ10と類似又は同一であってよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、安定化装置92は、粘着パッド102及び保持器104を含んでもよい。いくつかの実施形態では、保持器104は、粘着パッド102に結合されてもよく、粘着パッド102は、患者の皮膚上の挿入部位に固定、又は、定着されてもよい。いくつかの実施形態では、粘着パッド102は、粘着パッド102の底面上に配置された接着剤によって固定されてもよい。いくつかの実施形態では、保持器104は、血管アクセス装置58を受け取り、それを所定位置に固定するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、保持器104は、リザーバ94に結合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、保持器104は、保持器104を血管アクセス装置58に結合するために、ベース106、カバー108、及び、ラッチ110を含むいくつかのサブ構成要素から構成されてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、血管アクセス装置58は、外面70に配置されたコネクタ68を含む。いくつかの実施形態では、コネクタ68は、ハウジング96の開口部98が、血管アクセス装置58に干渉嵌合で結合され得るように、成形接合継手78を含む。いくつかの実施形態では、リザーバ94は、安定化装置92に干渉嵌合で結合されてもよい。いくつかの実施形態では、リザーバ94は、安定化装置92から取り外され、交換されてもよい。他の実施形態では、リザーバ94は、接着剤又は接着剤で安定化装置92に結合されてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、保持器104のベース106は、保持器104を粘着パッド102に結合する。いくつかの実施形態では、カバー108は、リザーバ94に結合する。いくつかの実施形態では、カバー108は、保持器104から取り外され、交換されてもよい。したがって、カバー108が取り外され、別のリザーバ94と交換されたとき、安定化装置22は保持され得る。いくつかの実施形態では、ラッチ110は、血管アクセス装置58と干渉嵌合で結合してもよい。いくつかの実施形態では、リザーバ94は、血管アクセス装置58と干渉嵌合で結合し得るので、ラッチ110として機能し得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、開口部98は、膜112を含んでもよい。いくつかの実施形態では、膜112は、以下の1つ以上の含まれる特徴、及び/又は、動作の点で、
図1A~
図1B、
図2C、及び、
図3A~
図3Bに関して議論した膜24と類似又は同一であってもよい。
【0046】
本明細書で記載されるすべての例及び条件付き文言は、本発明、および技術を促進するために発明者によって提供される概念を理解することの助けとなるような教育的目的を意図しており、その具体的に列挙されている例及び条件に限定されないものとして解釈されるべきである。本発明の実施形態について詳細に説明されているが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更、置換、および改変が本明細書にされ得ることを理解されたい。