(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】相互接続デバイスの無線クロスペアリングの解決策
(51)【国際特許分類】
H04W 4/48 20180101AFI20241206BHJP
H04R 3/12 20060101ALI20241206BHJP
H04W 40/34 20090101ALI20241206BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20241206BHJP
【FI】
H04W4/48
H04R3/12
H04W40/34
H04W84/10 110
(21)【出願番号】P 2022549806
(86)(22)【出願日】2021-02-19
(86)【国際出願番号】 US2021018707
(87)【国際公開番号】W WO2021168195
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2024-01-24
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516298445
【氏名又は名称】サフラン パッセンジャー イノベーションズ, エルエルシー
【住所又は居所原語表記】3151 East Imperial Highway,Brea,California 92821,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ミクラク,スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】バード,ランドール
(72)【発明者】
【氏名】ラシード,ティンク
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト,ジェフリー デイビッド
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/046276(WO,A1)
【文献】特開2004-48601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 3/00-3/14
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク化デバイスを無線周辺機器とペアリングする
ための方法であって、
前記方法は、
音声を1つ以上の接続された周辺機器に送信するように
各々構成されている2つ以上のネットワーク化デバイスのセットに関する第1の情報を受信することと
、
2つ以上の無線周辺機器のセットに関する第2の情報を受信することと
、
受信
された第1の情報および第2の情報を分析して、前記
ネットワーク化デバイスのセットの
うちのどのネットワーク化デバイスが
前記無線周辺機器のセットのうちのどの無線周辺機器と関連付けられるべきかを判定することと
、
最初のペアリングのセットを生成することであって、各ペアリングは
、前記ネットワーク化デバイスの
うちの1つと前記無線周辺機器の
うちの1つ
との間にあ
ることと
、
固有の音声チャレンジを
前記無線周辺機器
のセットの各々に送信することと
、
1つ以上の入力を
前記ネットワーク化デバイス
のセットを介して受信することと
、
受信
された入力に基づいて、前記ネットワーク化デバイスの
うちの1つと前記無線周辺機器の
うちの1つ
との間の提案されたペアリングのセットを生成し、信頼値を前記提案されたペアリングの各々と関連付けること
であって、前記提案されたペアリングのセットは、前記ネットワーク化デバイスのセットを介して受信する入力のタイミング、前記無線周辺機器における前記ネットワーク化デバイスの信号強度、および接続されたネットワーク化デバイスを介してユーザによって選択された初期サービスセット識別子(SSID)に基づくことと
、
ある提案されたペアリングに
ついての信頼値が閾値を超え
る場合
に、前記無線周辺機器
およびそのペアリング
のネットワーク化デバイスを関連付けることと
、
を
備える、方法。
【請求項2】
前記ネットワーク化デバイスの各々
は、互いと通信可能に結合されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記無線周辺機器
およびそのペアリング
のネットワーク化デバイス
のペアリング
は、Bluetooth(登録商標)プロトコルを利用する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記最初のペアリング
のセット
は、前記ネットワーク化デバイスの信号強度
、およ
び接続されたネットワーク化デバイスを介してユーザによって選択された初期サービスセット識別子(SSID)に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記提案されたペアリングの
うちの少なくとも1つ
は、誤ったペアリングを備
え、前記提案されたペアリング
は、前記無線周辺機器と意図せぬマッチであるネットワーク化デバイス
、および
前記無線周辺機器と意図するマッチである
別のネットワーク化デバイスを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、
前記誤ったペアリングに
ついて、前記誤ったペア
リングのネットワーク化デバイスからの音声送信を、前記無線周辺機器と意図するマッチであ
るネットワーク化デバイスと同期させることと、
前記誤ったペア
リングのネットワーク化デバイスからの音声送信を、前記誤ったペア
リングの無線周辺機器に、前記同期に基づいてマッピングすることと
、
をさらに備え
、
前記無線周辺機器および前記ネットワーク化デバイスを関連付けることは、前記ネットワーク化デバイスのうちの1つ以上に対する前記無線周辺機器とのマッチを判定することを備える、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記無線周辺機器
および前記ネットワーク化デバイスを関連付ける
ことは、前記
無線周辺機器のセットの
うちの第1の無線周辺機器
および前記
ネットワーク化デバイスのセットの
うちの第1のネットワーク化デバイスをリンク削除し
て再ペアリングすることを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記無線周辺機器
および前記ネットワーク化デバイスを関連付ける
ことは、前記ネットワーク化デバイスの
うちの1つ以上に対する前記無線周辺機器の場所を判定することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ネットワークのデバイスを無線周辺機器とペアリングするためのシステムであって、
前記システムは、
プロセッサおよびメモリを備えるサーバと
、
前記サーバと有線または無線ネットワークを介して通信可能に結合された複数のネットワーク化デバイスであって、前記メモリは、前記ネットワーク化デバイスの各々の概ねの場所を格納しており、前記複数のネットワーク化デバイスの各々は、音声を無線
で送信するように構成されている
、ネットワーク化デバイスと
、
を備え、
前記サーバは
、音声を受信するように
各々構成されている無線周辺機器のセットに関する情報を受信し、
前記サーバは、
前記無線周辺機器
のセットに関す
る受信
された情報を分析して、前記複数のネットワーク化デバイスの
うちの1つと前記無線周辺機器の
うちの1つ
との間の最初のペアリングのセットを生成し、
前記サーバは、前記無線周辺機器の各々と前記複数のネットワーク化デバイスの各々
との間
の無線接続を介して、前記無線周辺機器の各々に音声チャレンジを送信するように構成されており、
前記サーバは、前記音声チャレンジに
応答して、前記複数のネットワーク化デバイスの
うちの1つ以上を介して入力のセットを受信し、
前記サーバは、
前記入力
のセットを分析し、前記複数のネットワーク化デバイスの
うちの1つと前記無線周辺機器の
うちの1つ
との間に、提案されたペアリングのセットを生成し、前記提案されたペアリングの各々は信頼値を備え、
各提案されたペアリングに
ついて、
ある提案されたペアリング
についての信頼値が閾値を超え
る場合
に、前記サーバは、前記無線周辺機器
および前記ネットワーク化デバイスを関連付け
られるようにさせ
、
各提案されたペアリングについて、ある提案されたペアリングについての信頼値が前記閾値未満である場合に、前記サーバは、第2の音声チャレンジを前記無線周辺機器に送信されるようにさせ、
前記サーバは、前記第2の音声チャレンジに応答して、前記複数のネットワーク化デバイスのうちの1つ以上を介して第2の入力のセットを受信し、
前記サーバは、前記第2の入力のセットを分析し、前記提案されたペアリングの第2のセットの各々に対して前記信頼値を修正し、
前記提案されたペアリングの第2のセットの各々に対して、ある提案されたペアリングについての修正された信頼値が閾値を超える場合に、前記サーバは、前記無線周辺機器および前記ネットワーク化デバイスを関連付けられるようにさせる
、システム。
【請求項10】
関連付けられた無線周辺機器
およびネットワーク化デバイス
は、Bluetooth(登録商標)プロトコルを用いてペアリングされ得る、請求項
9に記載のシステム。
【請求項11】
前記最初のペアリング
のセット
は、前記ネットワーク化デバイスの信号強度
、およ
び接続されたネットワーク化デバイスを介してユーザによって選択された初期周辺機器名称またはBT_ADDRに基づく、請求項
9に記載のシステム。
【請求項12】
前記提案されたペアリング
のセット
は、
前記ネットワーク化デバイス
のセットを介して受信
する入力のタイミング、前記無線周辺機器における前記ネットワーク化デバイスの信号強度、およ
び接続されたネットワーク化デバイスを介してユーザによって選択された初期周辺機器名称またはBT_ADDRに基づく、請求項
9に記載のシステム。
【請求項13】
前記提案されたペアリングの
うちの少なくとも1つ
は、前記無線周辺機器と意図せぬマッチである前記複数のネットワーク化デバイスの
うちのネットワーク化デバイス
、および
前記無線周辺機器と意図するマッチである前記複数のネットワーク化デバイスの
うちの別のネットワーク化デバイスを備える誤ったペアリングを備える、請求項
9に記載のシステム。
【請求項14】
前記サーバは、前記複数のネットワーク化デバイスの
うちの1つ以上に対する前記無線周辺機器の各々とのマッチを判定するようにさらに構成され
ており、
前記誤ったペアリングに
ついて、
前記プロセッサは、(i)前記誤ったペア
リングのネットワーク化デバイスからの音声送信を、前記無線周辺機器
と意図するマッチであ
るネットワーク化デバイスと同期させ、(ii)前記誤ったペア
リングのネットワーク化デバイスからの音声送信を、前記誤ったペア
リングの無線周辺機器
に、前記同期に基づいて
マッピングするように構成され
ている、
請求項
13に記載のシステム。
【請求項15】
前記サーバは、前記複数のネットワーク化デバイスの
うちの1つ以上に対する前記無線周辺機器の各々の場所を判定するようにさらに構成され
ており、
前記誤ったペアリングに
ついて、
前記プロセッサは、(i)前記無線周辺機器を、前記誤ったペアリング
のネットワーク化デバイスとリンク削除
されるようにさせ、(ii)前記無線周辺機器を、前記無線周辺機器
の場所
により近
いネットワーク化デバイスとペアリング
されるようにさせるように構成され
ている、
請求項
13に記載のシステム。
【請求項16】
前記無線周辺機器
および前記ネットワーク化デバイスを関連付ける
ことは、前記複数のネットワーク化デバイスの
うちの1つ以上に対する前記無線周辺機器の場所を判定することを備える、請求項
9に記載のシステム。
【請求項17】
前記複数のネットワーク化デバイスの
うちの1つ
は、前記サーバを備える、請求項
9に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年2月20日に出願された番号第62/979,074号を有する米国仮出願に対する優先権を主張する。このそして他の全ての参照される外部資料は、その全体が参照によって本明細書中に援用される。参照によって援用される参照文献における用語の定義または使用が本明細書中で提供されたその用語の定義と矛盾するまたはそれに反する場合、本明細書中で提供されたその用語の定義が支配的であると見なされる。
【0002】
本発明の分野は、デバイスと無線周辺機器のペアリングである。
【背景技術】
【0003】
以下の説明は、本発明を理解するのに有用であり得る情報を含む。本明細書中で提供された情報のいずれも従来技術であるもしくは現在クレームされている発明に関すると、または、具体的にもしくは暗に参照された任意の引例が従来技術であると認めない。
【0004】
多数のユーザが同時にヘッドセットまたは他の無線周辺機器を、音源、または、航空機での機内娯楽システムの背もたれのディスプレイユニットなどの他のネットワーク化デバイスとペアリングしたい環境において、各周辺機器が所望の音源とペアリングされることを確保するのは複雑であり得る。航空機上で、例えば、各背もたれのディスプレイユニットは、そのディスプレイユニットの関連シートに座っているユーザの周辺機器とペアリングされる無線トランシーバを有し得る。しかしながら、ヘッドセットおよび他の周辺機器はディスプレイを有さないことが多いので、誤ったスクリーンとのクロスペアリングが起こり得る。その代わり、ペアリングは通常、必ずしもユーザに対して明らかまたは知られているとは限らない場合がある、周辺機器と関連付けられたマッチング名称および識別番号に依存する。
【0005】
ヘッドフォン(スピーカまたはヘッドセット)または他の周辺機器の、音源とのBluetooth(登録商標)プロトコルを用いたペアリングは、通常、音源上の発見ボタンを押し発見モードに入ることによってペアリングシーケンスを開始することを含む。次に、ユーザは、音源上のリストから、Bluetooth(登録商標)対応周辺機器名称またはBT_ADDR(MACアドレス)を選択するよう要求される。しかしながら、BT_ADDRおよび周辺機器名称の参加機器は暗号である。例えば人々が同じブランドの周辺機器を有する場合、名称および番号は類似のものであり得る。選択がいったんなされると、検証は通常、周辺機器を有するユーザが0000または1234などの汎用PINを入力することを含み、すると接続が完了する。これらのステップは、選ばれるデバイスの個数が少ないためペアリング動作が頻繁ではなく物理的に距離がある場合に機能する。
【0006】
ユーザの多くが同時に周辺機器をペアリングし得る、ユーザでいっぱいの航空機または他の車両または室内において、この手法は実用的でない。クロスペアリング(音源と周辺機器の誤ったマッチ)の可能性は、共通のまたは知られていない周辺機器名称、BT_ADDRなどにより、大幅に増加する。
【0007】
この問題に対処しようとした他の解決策は存在するが、それらは全て、1つ以上の不利益を被る。例えば、米国特許公開番号第2016/0029154号は、ペアリングプロセスを助けるためにバーコードを用いることを記載する。しかしながら、そうした概念は、消費者デバイスで広く用いられてはおらず、スキャナを有さない既設のデバイスでは機能しないように思われる。
【0008】
米国特許番号第7831207号に記載された別の例では、ユーザは、接続を認証するためにチャレンジデジットまたはコードを入力することが求められる。誤ったコードが入力されると、デバイスのペアリングは中断される。そのようなプロセスは、誤ったデバイスがペアリングされないことを確保することができるが、プロセスは、多数の類似の周辺機器名称が示され、いずれを選択するべきなのかユーザが分からない、混雑した空間でのデバイスのペアリングを容易にしない。
【0009】
他の可能な解決策が米国特許公開番号第2016/0360350号およびWIPO公開番号2016/168409号に記載されており、それらは、様々な手段を通してアカウントに登録されたデバイスに接続するためユーザのアカウントを利用することによるデバイスの自動ペアリングを記載する。
【0010】
かくして、上記の概念は全て、正しいペアリングがなされることの確保を対象とするが、混雑したエリアで複数のデバイスを接続しようとするときに存在する問題への対処に失敗する。
【0011】
本明細書中で特定された全ての刊行物は、個々の刊行物または特許出願があたかも具体的かつ個々に参照によって援用されることが意図されているかのように、参照によって援用される。援用された参照文献の用語の定義または使用が本明細書中で提供されたその用語の定義と矛盾するまたはそれに反する場合、本明細書中で提供されたその用語の定義が適用され、参照文献におけるその用語の定義は適用されない。
【0012】
かくして、無線デバイスを源とペアリングするための改善されたプロセスの必要性がいまだ存在する。
【発明の概要】
【0013】
発明の主題は、ネットワーク化デバイスの無線周辺機器との簡潔化されたペアリングのための装置、システム、および方法を提供する。発明の主題は、ユーザが、制限されたインタフェースを有する無線周辺機器を、豊富なインタフェースを有するネットワーク化デバイスとペアリングすることを望む場合に適用可能である。そのようなシステムおよび方法は、例えば、航空機、バス、電車、車、フェリーおよび他のボート、ならびに他の車両、加えて、映画館、教室、遊園地、および、複数のディスプレイもしくは他のネットワーク化デバイスが存在し得、無線ヘッドセットもしくは他の周辺機器をネットワーク化デバイスとペアリングする必要がある他の公的空間または建物を含む様々な場所で機能するように構成され得る。
【0014】
発明の主題は、音源として機能しているネットワーク化デバイスのネットワーク抽象化を、一対のヘッドフォン上で聞かれる音声チャレンジまたは異なるタイプの無線周辺機器上に提示される他のチャレンジを物理的なペアのリンクに関係なくネットワーク化デバイス上の表示されたコンテンツとマッチさせるチャレンジシステムとともに利用することによって、上記の問題を解決しようとしている。
【0015】
本明細書中に記載された検討されているシステムおよび方法は、2つ以上の無線周辺機器のペアリングを、周辺機器のIDを把握せずに有利に可能にし得る。かくして、無線周辺機器の各々は、ペアリングが最終的に正しいかどうかを把握せずに、固有の源デバイス(すなわち、ネットワーク化デバイス)とペアリングすることができる。このことを達成するために、ソフトウェアアルゴリズムは、受信データを分析して、どのネットワーク化デバイスと無線周辺機器がペアリングされるべきかを判定する。以下の説明はBluetooth(登録商標)プロトコルを介したペアリングに言及するが、デバイスと周辺機器のマスペアリングによって問題が生じるとき、システムおよび方法は、デバイスと無線周辺機器の他の無線プロトコルを介したペアリングに同等に適用可能であり得ると考えられる。
【0016】
そのようなデータは、例えば、キューのタイミング(例えば、「ペア」ボタンを押す)、送信機の信号強度、およびユーザが選択した周辺機器名称またはBT_ADDRを含み得る。かくして、本明細書中に記載されたシステムおよび方法は、例えば航空機上でどのヘッドセットまたは他の無線周辺機器がどのネットワーク化デバイスとペアリングされるべきかのベストな予測をなすことができる。このことは、航空機上に数百のネットワーク化デバイスが存在し得、それらの全てが各々、飛行中に無線周辺機器とペアリングされる必要があり得る航空機において特に有利である。したがって、システムおよび方法は、ユーザに対してプロセスを簡略化するように、無線周辺機器とネットワーク化デバイスのペアリングを容易にし得る。
【0017】
ネットワーク化デバイスの少なくともいくつかかが無線周辺機器とペアリングされた後、システムは、ネットワークが任意のネットワーク化デバイス(ディスプレイスクリーンを有する背もたれに搭載されたディスプレイユニットなど)と関連付けられた音声を、任意の無線周辺機器(ヘッドフォンなど)に送信することができるように、音声およびビデオを抽象化するように構成され得る。ペアリングがなされると、システムは、各ユーザ接続を、例えばディスプレイスクリーンなどのネットワーク化デバイスの構成要素上に表示され得るいくつかの固有のコードシーケンス(形状、数など)でチャレンジすることができる。ユーザがクエリに応答すると、システムは、無線周辺機器が無線周辺機器とペアリングされたネットワーク化デバイスから正しい音声を受信するように、音声送信を、受信した応答に基づいて再マップし得る。このようにして、無線周辺機器が正しいネットワーク化デバイスとペアリングされていなくても、無線周辺機器はそれでも、例えばユーザの正面のネットワーク化デバイス(例えば、背もたれのディスプレイユニット)上に提示されているビデオに対する正しい音声送信を受信することができる。
【0018】
本明細書で用いられる用語「ペア」または「ペアリング」は、Bluetooth(登録商標)プロトコルを通常用いて確立される接続などの、ネットワーク化デバイスと無線周辺機器のピアツーピア無線接続を確立するためのプロセスを意味するのに用いられる。本明細書で用いられる用語「マッチ」は、ペアに対する音声パスを意味するものであり、所与のネットワーク化デバイスと関連付けられた音声が、乗客が着用するヘッドフォンのセット(または他の無線周辺機器)にルーティングされることを示すのに用いられる。乗客は、数列離れたネットワーク化デバイスの送信機にペアリングされ得るが、音声リンクは単に、乗客のヘッドフォンの音が、乗客が見ることを意図するネットワーク化デバイス上のアクティビティを表す場合、マッチである。
【0019】
本明細書中で論じられる発明の主題は、音声を、ペアリングされた無線周辺機器に、無線周辺機器が正しいネットワーク化デバイスとペアリングされているかに関わらず、適切にルーティングまたは送信するために、ネットワーク化システムの知能および機能を有利に活用する。多くの無線トランシーバは、互いと通信することができる音源として機能し、音声は、例えばサーバから、または別のネットワーク化デバイスから有線および無線ネットワークインフラストラクチャを介して任意のネットワーク化デバイスにマッピングかつ同期することができる。
【0020】
発明の主題の様々なオブジェクト、特徴、態様、および利点は、同様の番号が同様の構成要素を表す添付の図面の図と共に、以下の好ましい実施形態の詳細な説明からより明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】初期ペアリング後のユーザに送信される音声チャレンジを示す図である。
【
図2】音声チャレンジ受信後にユーザが応答を入力していることを示す図である。
【
図3】ユーザの入力に基づいて音声送信を再マップすることを示す図である。
【
図4】ユーザの入力に基づいて無線周辺機器を再リンクすることを示す図である。
【
図5】無線周辺機器とネットワーク化デバイスのマッチを判定するための方法のフローチャートである。
【
図6】無線周辺機器とネットワーク化デバイスのマッチを判定するための方法のフローチャートである。
【
図7】ネットワーク化デバイスの無線周辺機器とのタイムスロットペアリングの図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の考察全体を通して、サーバ、サービス、インタフェース、ポータル、プラットフォーム、またはコンピューティングデバイスから形成された他のシステムに関して多数の言及がなされる。そうした用語の使用は、コンピュータ可読の有形な非一時的媒体に格納されているソフトウェア命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを有する1つ以上のコンピューティングデバイスを表すと見なされると理解すべきである。例えば、サーバは、記述された役割、能力、または機能を満たすように、ウェブサーバ、データベースサーバ、または他のタイプのコンピュータサーバとして動作している1つ以上のコンピュータを含み得る。
【0023】
以下の考察は、発明の主題の多数の例示的な実施形態を提供する。各実施形態は発明の要素の単一の組み合わせを表すが、発明の主題は、開示された要素のあらゆる可能な組み合わせを含むと見なされる。かくして、一実施形態が要素A、B、およびCを備え、第2の実施形態が、要素BおよびDを備える場合、発明の主題は、明示的に開示されていなくても、A、B、C、またはDの他の残りの組み合わせを含むとも見なされる。
【0024】
図1~3で、3人のユーザ/人が示され、各人は、コンテンツをディスプレイスクリーンに提示するように構成されたディスプレイユニットに結合されているディスプレイスクリーンを正面に有する。ディスプレイユニットの各々は、示すようにサーバ130と、かつ/または互いと通信可能に結合され得るネットワーク化デバイスの構成要素である。セントラルサーバが示されているが、本明細書中のシステムおよび方法は集中型サーバなしで用いられ得ると考えられる。例えば、本明細書中で用いられるサーバは、本質的にアドホックまたはメッシュであり得、ネットワーク化デバイスの1つ以上に存在し得る。
【0025】
図に示すように、人Xは、ヘッドセット101をネットワーク化デバイス100とペアリングしようとし、人Yは、ヘッドセット103をネットワーク化デバイス102とペアリングしようとし、人Zは、ヘッドセット105をネットワーク化デバイス104とペアリングしようとしている。
【0026】
ヘッドセットが示されかつ以下に記載されるが、ネットワーク化デバイスとのペアリングを要する任意の無線周辺機器が、本明細書中の発明の範囲から逸脱せずに代替として用いられ得る。
【0027】
ペアリング中、ネットワーク化デバイス100、102、および104の各々は、ヘッドセット101、103、および105の1つと任意にまたはベストな予測によって関連付けられ得る。一部の実施形態では、ユーザは、彼らの正面にあるネットワーク化デバイスのディスプレイスクリーンからペアリングを始め得る。ユーザは、彼らが正しいと信じるヘッドセットもしくは他の無線周辺機器を選択することができ、または、無線周辺機器は、任意にもしくは例えば乗客のヘッドセット選択、ペアリングの時間、および信号強度などの利用可能なデータからベストな予測によってペアリングされ得る。最初のペアリングは、ペアリングが正しいかどうかの最初の判定を必要とせずに発生し得るため、ネットワーク化デバイスとヘッドセットまたは他の無線周辺機器の誤ったペアリングが予測される。
図1に示すように、人Xと人Zに対するペアリングは交換されており(例えば、意図せぬマッチ)、ヘッドセット101は、ネットワーク化デバイス104とペアリングされ、ヘッドセット105は、ネットワーク化デバイス100とペアリングされる。ヘッドセット103は、ネットワーク化デバイス102と正しくペアリングされる(例えば、意図するマッチ)。
【0028】
最初のペアリングが完了すると、音声送信の再マップが、以下に記載する1つ以上の方法を用いて発生し得る。
【0029】
この時点で、サーバ130は、どのネットワーク化デバイスがどのユーザのヘッドセットとペアリングされているかを把握していない。これを判定するために、サーバ130は、コマンドを、有線または無線ネットワークを介してネットワーク化デバイス100、102、および104の各々に送信して、
図1に示す「XYZ」などの入力要求を提示することができる。ネットワーク化デバイス100、102、および104の各々が同じ入力要求を表示するように示されているが、具体的な要求は、ネットワーク化デバイス100、102、および104の1つ以上の間で変わり得ると考えられる。さらに、アルファベット文字が示されているが、ユーザが示されたものの中から選択するように要求され得るものである限り、オブジェクト、記号、色または他の物の任意の組み合わせが示され得ると考えられる。一部の実施形態では、矢印などの単一のオブジェクトが様々な方向を指して示され得る。一部の実施形態では、ユーザは、要求に応じて何かを入力するように要求され得ると考えられ、それは、文字または数字の描画、特定の方向へのスワイプなどであり得る。
【0030】
次に、ユーザは、1つ以上の音声チャレンジを受信することができる。音声チャレンジは、ユーザ間で固有のチャレンジを備え得ると考えられる。
図1に示すように、人Xは、音声チャレンジ「Zを押してください」をヘッドセット101で音声パス110を介して受信し、人Yは、音声チャレンジ「Yを押してください」をヘッドセット103で音声パス112を介して受信し、人Zは、音声チャレンジ「Xを押してください」をヘッドセット105で音声パス114を介して受信する。しかしながら、多数のユーザがいる場合、ユーザの一部は同一の音声チャレンジを受信し得ると考えられる。しかしながら、そのような状況では、システムが、どのネットワーク化デバイスとユーザの無線周辺機器がペアリングされるべきかを判定することを助けるためにチャレンジのタイミングが変えられ得、かつ/または、判定は、信号強度および他の要因に基づき得る。
【0031】
図2に示すように、ユーザは、選択を、彼らの正面にあるネットワーク化デバイス上のタッチスクリーンまたは他の入力部を介して入力することによって、音声チャレンジに応答する。示すように、人Xは、「Z」を入力し、人Yは、「Y」を入力し、人Zは、「X」を入力している。
【0032】
ユーザによる彼らのそれぞれのネットワーク化デバイスへのこれらの入力は、フィードバックをサーバ130に提供し、それにより、サーバ130または、以下に限定するものではないが、ネットワーク化デバイス100、102、および104を含む、ネットワーク化装置の他の構成要素が、各ユーザを、ユーザの座席と関連するネットワーク化デバイスと関連付けることを可能とする。ネットワーク化デバイスの1つ以上がサーバ130を備える場合、入力により、サーバとして機能しているネットワーク化デバイス(複数可)が、各ユーザを、彼らの座席と関連するネットワーク化デバイスと関連付けることが可能になると考えられる。かくして、ネットワーク化デバイスの数およびネットワークアーキテクチャに応じて、システムは、各ユーザを、ユーザの座席と関連するネットワーク化デバイスと関連付けるように機能する複数のサーバを有し得ると考えられる。
【0033】
衝突をさらに失くすために、複数の音声チャレンジが、全てのアクティブなヘッドフォンまたは他の無線周辺機器とネットワーク化デバイスが許容範囲の信頼度でマッチするまで、必要に応じて用いられ得ると考えられる。
【0034】
このことを達成するために、各ユーザに対する音声が、ユーザが最初にペアリングしたネットワーク化デバイスから送信され続け得るが、コンテンツは、サーバ130を介してユーザのローカルネットワーク化デバイス(例えば、ユーザの正面に配置されたネットワーク化デバイス)と同期される。例えば、
図3は、人Zのヘッドセット105に音声を送信しているネットワーク化デバイス100を示し、ディスプレイ104上のコンテンツは、ネットワーク化デバイス100から送信された音声と同期される。同様に、ネットワーク化デバイス104は、音声を、人Xのヘッドセット101に送信することができる。かくして、人XおよびZは、彼らの座席と関連付けられていないネットワーク化デバイス(遠隔にある源)から音声送信を受信し続けるが、コンテンツは、ネットワークを介してユーザのローカルネットワーク化デバイスと同期される。
図3は、ネットワーク音声がサーバ130から具体的なネットワーク化デバイスに無線送信され得ることを示すが、有線接続も考えられる。
【0035】
ユーザは、彼らが彼らのスクリーンに直接接続されていない場合があることに気が付いてない場合があり、彼らはただ、セットアッププロセス中、命令にしたがい、それが終了すると、音声がマッチされる。有利には、ユーザは、無線周辺機器名称、BT_ADDRまたはピンなどのユーザの周辺機器の詳細を把握する必要はない。そうではなく、ユーザはただ、音声チャレンジによって要求されたときに正しいエントリを選択することのみを要求される。
【0036】
代替として、音声は、ローカルネットワーク化デバイスが音声を最適な構成でユーザに送信するように再マップされ得る。例えば、
図4に示すように、サーバ130は、ユーザの入力に基づいて音声を再マップし得る。かくして、例えば、人Xが「Z」とネットワーク化デバイス100に入力したので、サーバ130は、ヘッドセット101が、この例ではネットワーク化デバイス104であり得る誤ったネットワーク化デバイスと意図せぬマッチでペアリングされていると判定する。同様に、人Zが「X」とネットワーク化デバイス104に入力したので、サーバ130は、ヘッドセット105が、ネットワーク化デバイス100であり得る誤ったネットワーク化デバイスと意図せぬマッチでペアリングされていると判定する。サーバ130はまた、人Yが「Y」をネットワーク化デバイス102に入力したことに基づいて、ヘッドセット103が、ネットワーク化デバイス102に意図するマッチでペアリングされている可能性が高いとも判定する。
【0037】
サーバ130は、次いで、ネットワーク化デバイスと無線周辺機器の無線ペアリングを知的に再リンクすることができる。この例では、サーバ130がどのヘッドセットがどのネットワーク化デバイスと関連付けられるべきかを判定すると、サーバ130は、ネットワーク化デバイス100からの音声送信を人Xに、ネットワーク化デバイス104からの音声送信を人Zに再マップすることができる。このことは、サーバ130が無線接続をリンク削除し、次いで例えば最短距離に基づいてネットワーク化デバイスの1つ(すなわち最も近いネットワーク化デバイス)とペアリングされるように無線周辺機器を再リンクさせることによって、発生させることができる。かくして、人XおよびZは、彼らの正面に配置されたネットワーク化デバイスとは異なるネットワーク化デバイスから音声送信を受信することはもはやない。
【0038】
サーバ130は、どのヘッドセットまたは他の無線周辺機器がどのネットワーク化デバイスとリンクされるべきかを判定するために、上述した方法を含む様々な方法を利用し得る。例えば、知的再リンクを用いて、サーバ130は、各ヘッドセットの識別子および各デバイスのmacアドレスまたは他の識別子を把握する。サーバ130は、無線リンクを削除し、それらを最小RF距離に対して最適化するように再確立することができる。サーバ130は次いでユーザに、1つ以上の音声チャレンジを用いて別のチャレンジを要求し得ると考えられる。ユーザの入力を用いて、ヘッドセットごとにマッチが判定され得る。具体的なヘッドセットに対してマッチが判定されない場合、無線ペアリング/リンクは、ヘッドセットまたは他の無線周辺機器が例えば電話およびラップトップなどの他の装置と自在にペアリングするように、外すことができる。
【0039】
正しいペアリングが識別された後、サーバ130は、任意選択的に、ベストパフォーマンスのためにまたは無線プロトコルが許容するように移動しているユーザに対処するために接続を再ルーティングすることによって、ネットワーク化デバイスと無線周辺機器のリンクを最適化し得る。そうした再ルーティングは、例えば、周辺機器同士の干渉を低減するためにまたはハードウェアの問題により発生し得る。自動交換がサポートされていない場合(例えば、Bluetooth(登録商標)プロトコルは、周辺機器を発見モードに置くにはペアリングボタンが押されることを必要とする)、ユーザの1人以上が、所望の再ルーティングを可能とするためペアリングボタンを押すという音声メッセージを受信し得ると考えられる。ネットワーク化デバイスの1つ以上がヘッドセット101、103、105のうちの複数などに対して同一のまたは異なる音声をサポートするシナリオも考えられる。
【0040】
かくして、上記のように、本明細書中のシステムおよび方法は、ネットワーク化デバイスと無線周辺機器のクロスペアリングを、後に、ネットワーク化デバイスの、ヘッドセットなどの無線周辺機器との再マップまたは再リンクを介して解決されることを有利に可能とする。この方法では、任意のペアリングが、誤っていてもまたは意図せぬ場合でも、最初は許容され得る。ユーザは、次いで、チャレンジステップを経験して、ユーザの無線周辺機器をネットワーク化デバイスとマッチさせることができる。最悪の場合のシナリオでは、ユーザは、音声チャレンジに誤って応答し得る。このことにより、誤った音声フィード/送信が発生し得、ユーザは、チャレンジプロセスをやり直す必要がでてくる。このことは、従来のペアリングと比較して類似の不利益であるが、発明の主題は、従来のヘッドセットペアリング技術と比較して、誤ったマッチを大いに最小化することができる。
【0041】
上記で提示した
図1~4における例は、ペアリングが各々、無線周辺機器と意図せぬマッチをしているネットワーク化デバイスおよび無線周辺機器と意図するマッチをしている別のネットワーク化デバイスを備える誤ったペアリングへの、システムおよび方法の適用を示す簡略化された例である。しかしながら、発明の概念は、ネットワーク化デバイスと無線周辺機器のペアリングのみに限定されるのではなく、トランシーバと制御ネットワークの範囲内の任意の数の誤ったペアリングにまで拡張可能であり得る。システムおよび方法はまた、航空機内のディスプレイスクリーンとヘッドセットのペアリングに限定されるものでもない。例えば、システムおよび方法は、ディスプレイスクリーンと別個の音声ハブまたは無線スピーカなどの異なるネットワーク化デバイスとともに用いられ得る。それらはまた、VRヘッドセット、WiFi接続、および、タブレットPCまたはスマートフォンなどのユーザのデバイスの機内娯楽ユニット(航空機上に配置されたものなどの)とのペアリングとともに用いられ得る。もちろん、システムおよび方法は、クロスペアリングが発生し得る可能性がある任意の車両または他の状況で用いられ得る。
【0042】
図5は、上記のシステムで利用される方法の一実施形態を示す。示すように、各々が具体的なネットワーク化デバイスとペアリングされる3つの無線周辺機器が存在する。最初のペアリング後、音声チャレンジが、無線周辺機器の各々に送信され得る。音声チャレンジを受信後、各ユーザは、応答を、好ましくはネットワーク化デバイスの1つに入力することができる。
【0043】
各ユーザから受信した応答に基づいて、ネットワーク化デバイスの1つ以上に対する信頼値は増分され得る。信頼値はユーザの応答が予測される応答と等しいかどうか、ネットワーク化デバイスの1つ以上までの無線周辺機器の距離、信号品質、および他の要因に基づいて生成され得ると考えられる。かくして、人Xが「X」と入力するための音声チャレンジを受信し「X」と入力した場合、ネットワーク化デバイスXに対する信頼値は増分され得る。同様に、人Xが「Y」または「Z」と入力した場合、代わりに、それぞれネットワーク化デバイスYまたはネットワーク化デバイスZに対する信頼値が増分され得る。
【0044】
ユーザの入力を受信後、システムは、ペアリングごとの信頼値が閾値を超えているかを把握するようチェックする。超えていれば、システムはマッチを判定する。超えていなければ、システムは、信頼値が閾値を超えるまで、別の音声チャレンジをユーザの無線周辺機器の1つ以上に送信し得るか、または、システムは最初のペアリングを外し得ると考えられる。信頼閾値は、ユーザ経験、チャレンジの種類、および/またはマッチ精度といった重み付け要因によって判定され得ると考えられる。信頼閾値が高い程、通常、より多くの数の質問が必要とされるが、リターンは減少していく。
【0045】
同様に、
図5は、上記のシステムで利用されるが任意の数のネットワーク化デバイスおよび無線周辺機器を有する方法の別の実施形態を示す。最初に、ネットワーク化デバイスと無線周辺機器の1つ以上のペアリング(n個のペアリング)が生成され得る。n>=1であり、上限は、システムリソースによってのみ制限される。
【0046】
最初のペアリング後、音声チャレンジが、無線周辺機器の各々に送信され得る。音声チャレンジの受信後、各ユーザは応答を入力し得る。
【0047】
各ユーザから受信した応答に基づいて、ネットワーク化デバイスの1つ以上に対する信頼値は増分され得る。かくして、人Xが「X」と入力するための音声チャレンジを受信し「X」と入力した場合、ネットワーク化デバイスXに対する信頼値は増分され得る。同様に、人Xが「Y」または「Z」と入力した場合、代わりに、それぞれネットワーク化デバイスYまたはネットワーク化デバイスZに対する信頼値が増分され得る。
【0048】
ユーザの入力を受信後、システムは、ペアリングごとの信頼値が閾値を超えているかを把握するようチェックする。超えていれば、システムはマッチを判定する。ペアリングごとの信頼値が閾値を超えていない場合、システムは、信頼値が閾値を超えるまで別の音声チャレンジをユーザの1人以上に送信し得るか、または、マッチは発見されないと判定し無線周辺機器とネットワーク化デバイスの任意のリンクを外し得ると考えられる。
【0049】
このようにして、上記のシステムおよび方法は、システムがネットワーク化されてから、音声が任意のネットワーク化デバイスにルーティングされることを可能とする。したがって、音声が物理的にどのネットワーク化デバイスから送信されているかは問題ではなく、ユーザの無線ヘッドフォンまたは他の無線周辺機器が、彼らの正面にあるディスプレイ(ネットワーク化デバイス)上のコンテンツとマッチしている正しい送信を受信することが問題なだけである。後続の実施形態の多くは、可能な限り少ない音声チャレンジでマッチを生成するために任意選択的に用いられかつ/または組み合わせられ得る方策である。
【0050】
図7は、それ以外を除外する一部のネットワーク化デバイス上でのペアリングを可能とするためにタイムスロットが用いられるタイムスロット手法を示す。例えば、サーバ230は、ペアリングのための無線周辺機器に具体的なタイムスロットを編成かつ割り当てるように用いられ得、それによって、他の無線機器を同時のペアリングからブロックする。図に示すように、サーバ230は、人Yの無線周辺機器203がネットワーク化デバイス204とペアリングすることを可能とするためのコマンドを送信する。同様に、サーバ230は、無線周辺機器201および205がこのタイムスロット中にペアリングされることを防ぐためのコマンドを送信し得る。
【0051】
この手法は、無線周辺機器の同時のペアリング動作の開始を防ぐことによって、同時に発生するペアリングの数を有利に制限する。もちろん、ペアリングされる周辺機器の数がより大きいまたは周辺機器が配置される空間のサイズがより広い場合(デバイスと周辺機器間の干渉の可能性が高くないまたはペアリングが許可されるものの間の信号強度に計測可能な差が存在する場合など)、設定された1つより多いネットワーク化デバイス/無線周辺機器が単一のタイムスロットでペアリングされ得ると考えられる。しかしながら、この手法は、ユーザがそれでも誤って入力し得るまたは近隣のユーザが彼らのヘッドフォンもしくは他の無線周辺機器を作動させ誤ったペアもしくは意図せぬマッチを確立し得るので、クロスペアリングまたは誤ったマッチを完全に防ぐわけではない。この手法は
図1~4に関して上述したシステムおよび方法を補足するのに用いられ得るとさらに考えられる。
図7の残りの番号に関して、
図1の同様の番号を有する同様の構成要素に対する同じ考察が適用される。
【0052】
他の実施形態では、ネットワーク化デバイスと無線周辺機器の最初のペアリングは、ユーザの無線周辺機器とペアリングするための信号強度およびタイミング(例えば、音声チャレンジに応じて入力が受信されたとき)などの情報に基づいて、ベストな予測を用いてなすことができる。この手法を用いて、無線周辺機器とネットワーク化デバイスの可能なペアリングを最初にアクティブに判定することによって、誤ったペアリングの数を低減することができる。これを用いて、信号強度を最適化し、上記の実施形態におけるチャレンジ群を縮小し得る。
【0053】
別の実施形態では、音声をペアリングしようとする前に、最初に、好ましい言語が、ネットワーク化デバイスまたは他の場所においてユーザによって選択され得、または、デフォルトの言語群が、サーバに知られているフライトの人口動態に基づいて事前設定され得る。ネットワーク化デバイスと無線周辺機器をアクティブにペアリングするように構成された、多言語シナリオにおけるチャレンジ命令は、あらゆる言語で単に繰り返され得る。
【0054】
そのような実施形態では、マッチングプロセスを支援するためのチャレンジ質問は、言語によって変わり得ると考えられる。例えば、ユーザにスペイン語で赤いボタンまたは具体的な文字を押すように求め、次いで、同じ人に英語で緑のボタンまたは異なる文字を押すように求める。しかしながら、命令のスクリプト記述は、一部のユーザはマルチリンガルであり得ることを考慮すべきである。
【0055】
タイミングおよび言語は、マッチの信頼を増大させるためにまたは音声プロンプトをより速く行うためにも用いられ得る。1人のユーザが、多言語セットにおいてドイツ語の命令中に常に応答する場合、彼らは、ドイツ語を話す人である可能性が最も高く、彼らのディスプレイ上で用いられる言語としておそらくドイツ語を選択している。このユーザは、さらなるチャレンジ質問が必要とされるまたはドイツ語でのプロンプトが最初に発生し得る場合、他の言語プロンプトをもう必要としないだろう。
【0056】
ペアリングは自動で発生せずユーザに彼らの無線周辺機器と手動でペアリングする時間を可能とするブランキング時間が最初に実装され得るとも考えられる。そのようなアルゴリズムは、無線周辺機器またはネットワーク化デバイスがペアリングモード中であることが発見された場合、選択的に実装され得る。
【0057】
航空機または他の車両用途またはユーザの着席位置が知られ得るもしくはユーザがサーバあるいはシステムの他の構成要素に知られているアカウントを有する他の用途で、最初のペアリングは、履歴周辺機器接続データを用いて効率化することができると考えられる。ユーザが無線周辺機器をペアリングしシステムにおいてネットワーク化デバイスとマッチさせると、システムは、無線周辺機器を記憶し、それを、未来のマッチングのためにユーザと関連付けることができる。そうした実施形態では、一部のユーザが無線周辺機器または座席を切り替え得るので、システムにおける保存された情報が不正確であり得る場合などに検証ステップはいまだ必要であり得ると考えられる。
【0058】
同様に、ユーザは、ユーザのスマートフォンまたは他のポータブルコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、タブレットPC、ラップトップ、スマートウォッチなど)上のアプリケーションを用いて、サーバまたはシステムの他の構成要素にリンクされ得ると考えられる。アプリケーションは、ユーザの無線周辺機器に関する情報を有し得ると考えられる。例えば、ユーザのポータブルコンピューティングデバイスは、無線ネットワーク接続を介してサーバとリンクし得、サーバは、ユーザに、彼らの座席または他の場所を確認するように尋ね得る。次いで、サーバは、ユーザの無線周辺機器とユーザの場所にあるネットワーク化デバイスのペアリングを開始し得る。この手法は、上記システムおよび方法を補足し得るが置き換えるわけではなく、作成されるペアリングの総数をさらに低減する。
【0059】
別の実施形態では、無線周辺機器が、システムおよび知られているその場所とリンクされると、システムは、現在のリンクが準最適である場合、再ペアリングする要求をユーザに自動的または手動で提供し得る。このことは、音源アンテナまたはRFチャネルを変えることを可能とし、それは不良な接続を改善し得る。現在のBluetooth(登録商標)プロトコルにおいて、このことは、クライアントに発見ボタンを押すことを要求する。
【0060】
ネットワーク化デバイスと無線周辺機器がペアリングされると、サーバは、無線周辺機器マッチのハンドオフ機能を提供し得ると考えられる。例えば、ユーザが異なる座席または他の場所に移動したい場合、サーバは要求を受け得、ユーザの無線周辺機器は、新しい場所におけるネットワーク化デバイスに再マッチされ得る。本明細書中に記載のシステムおよび方法は、多数の無線周辺機器が単一のネットワーク化デバイスとペアリングされることを必ずしも禁じないことに留意することが重要である。可能性のある制限は、無線プロトコルに依存するだろう。例えば、Bluetooth(登録商標)プロトコルを用いる用途において、単一のデバイスとペアリングされる無線周辺機器の数は通常、1つまたは2つの周辺機器(すなわち、Bluetooth(登録商標)5.0)に制限される。
【0061】
ペアリングプロセス中、サーバは、自動的に無線周辺機器と接続し得、ピン入力を要求しない、かつ/または、0000、1111、1234などといった標準ピンコードを試すとさらに考えられる。一部の無線周辺機器が自動ペアリングに失敗した場合、固有のピンを有するユーザがピンをネットワーク化デバイスの1つに入力するだろうという仮定のもと、チャレンジプロンプト部分は、ユーザへのピン入力の要求であり得る。固有のピンでの応答は、正しいチャレンジ応答と考えられ得、マッチを生成することに対しての信頼と見なされ得る。
【0062】
マイクロフォンを有する無線周辺機器の場合、システムは、ネットワーク化デバイスの1つ以上から、無線周辺機器のマイクロフォンによってその後ピックアップされ得る音声または超音波を送信し得ることも考えられる。このことは、特定の無線周辺機器が接続されていることを確認することに役立ち得る。同様に、ネットワーク化デバイスにおけるマイクロフォンは、近隣の無線周辺機器から音声を、マイクロフォンによって検出されるくらい十分に大きな音声の場合、聞き得る。システムは無線周辺機器に送信されている音声の源であるので、予測される音声がマイクロフォンによって検出されるときマッチを生成することができる。
【0063】
最後に、無線周辺機器がカメラまたは感光性デバイス(例えば、GOOGLEおよび他企業による製品などのスマートグラス)を備える場合、ネットワーク化デバイスは、自らを、バーコード、テキスト、色、画像、フラッシングなどといった視覚的手段によって、周辺機器に対して特定し得る。
【0064】
文脈がそうでないことを明記しない限り、本明細書で用いられる用語「に結合された」は、直接結合(互いと結合された2つの要素が互いと接触する)および間接結合(少なくとも1つの追加要素が2つの要素の間に配置される)の両方を含むことが意図される。したがって、「に結合された」および「と結合する」という用語は、同義語として用いられる。
【0065】
一部の実施形態では、発明の特定の実施形態を記載、クレームするのに用いられる濃度、反応条件などといった、成分の量、性質を表現する数は、「約」という用語によって一部の例で緩和されているとして理解される。したがって、一部の実施形態では、明細書および添付のクレームに記載される数値パラメータは、特定の実施形態によって取得されようとしている所望の性質に応じて変わり得る近似値である。一部の実施形態では、数値パラメータは、報告された有効桁の数に照らして、かつ、通常の丸め技術を適用することによって解釈されるべきである。発明の一部の実施形態の広い範囲を記載している数値範囲およびパラメータが近似値であることに関わらず、具体的な例で記載されている数値は、実行可能な程度に正確に報告される。発明の一部の実施形態で提示される数値は、それらのそれぞれのテスト測定値に見られる標準偏差による一定の誤差を必然的に含み得る。
【0066】
文脈によって反対のことが記されない限り、本明細書中に記載された全ての範囲は、それらのエンドポイントを含むとして解釈されるべきであり、オープンエンドの範囲は、商業的な実用的価値のみを含むとして解釈されるべきである。同様に、値の全リストは、文脈によって反対のことが記されない限り、中間値を含むとして見なされるべきである。
【0067】
本明細書の記載およびその後の特許請求の範囲を通して用いられる「a」、「an」、および「the」の意味は、文脈によってそうでないことが明示されない限り、複数の参照を含む。また、本明細書の記載で用いられる「in」の意味は、文脈によってそうでないことが明示されない限り、「in」および「on」を含む。
【0068】
本明細書中の値の範囲の記載は、単に、範囲内に収まる別々の各値を個別に参照する簡単な方法として機能することを意図する。本明細書中でそうでないことが記載されない限り、範囲を有する個別の各値は、本明細書中に個別に記載されるかのように、明細書に組み込まれる。本明細書中に記載のあらゆる方法は、本明細書中でそうでないことが記載されない限りまたは文脈によってそうでないように明らかに否定されない限り、任意の適切な順序で行うことができる。ありとあらゆる例の使用または本明細書中の特定の実施形態に関して提供される例示的な言語(例えば、「などの」)は、単に、発明をより良く明らかにすることを意図しており、そうでなくクレームされた発明の範囲に制限を課すものではない。明細書中のいかなる言語も、本発明の実施に不可欠なクレームされていない要素を示すとして解釈されるべきではない。
【0069】
本明細書に開示された発明の代替の要素または実施形態のグループ分けは、制限として解釈されるものではない。各グループのメンバーは、個別にまたは本明細書に見られるグループの他のメンバーもしくは他の要素との任意の組み合わせで、言及されクレームされ得る。グループの1つ以上のメンバーは、利便性および/または特許性の理由でグループに含まれ得るまたはグループから削除され得る。任意のそうした含有または削除が起こると、記載は、本明細書で、変形されてそれによって添付の特許請求の範囲で用いられるマーカッシュ群の文章記載を満たすとして群を含有すると見なされる。
【0070】
既に記載されているもの以外の多数のさらなる変形が本明細書中の発明の概念から逸脱せずに可能であることが当業者に明らかである。したがって、発明の主題は、添付されたクレームの範囲を除き制限されるものではない。さらに、明細書およびクレームの両方を解釈するにおいて、あらゆる用語は、文脈と合致する最も広い可能な方法で解釈されるべきである。特に、「備える」および「備えている」という用語は、要素、構成要素、またはステップに非排他的に言及するとして解釈されるべきであり、言及された要素、構成要素、またはステップが存在し、または利用され、または明示的に言及されていない他の要素、構成要素、もしくはステップと組み合わされ得ることを示す。明細書のクレームがA、B、C…およびNからなる群から選択されるもののうちの少なくとも1つに言及する場合、文章は、群からの1つの要素のみを必要とし、A+N、またはB+Nなどではないと解釈されるべきである。