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特許7599538ディレイドデビット決済システム、ディレイドデビット決済方法およびディレイドデビット決済プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】ディレイドデビット決済システム、ディレイドデビット決済方法およびディレイドデビット決済プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/26 20120101AFI20241206BHJP
【FI】
G06Q20/26
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2023198074
(22)【出願日】2023-11-22
【審査請求日】2023-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】502018486
【氏名又は名称】株式会社りそなホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(72)【発明者】
【氏名】瀬下 恵一
(72)【発明者】
【氏名】平澤 幸恵
(72)【発明者】
【氏名】野中 衿花
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-258740(JP,A)
【文献】特開2002-109427(JP,A)
【文献】特開2022-065553(JP,A)
【文献】特開2007-052636(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末と、前記ユーザ端末に通信可能に接続されたディレイドサーバとを備えるディレイドデビット決済システムであって、
前記ユーザ端末は、ユーザからディレイドデビット取引を行うか否かの設定を受け付ける情報受付部を備え、
前記ディレイドサーバは、
前記ユーザのキャッシュレス取引による取引金額を含むキャッシュレス取引情報を取得する情報取得部と、
前記ユーザのキャッシュレス取引利用状況に基づいて、ディレイドデビット取引用のディレイド枠を決定するディレイド枠決定部と、
前記取引金額および前記ディレイド枠に基づいて、ディレイドデビット取引が可能であるかどうか判定する取引可否判定部と、
前記ディレイドデビット取引を行う設定がされており、前記ディレイドデビット取引が可能であると判定された場合、前記キャッシュレス取引の前記取引金額を前記ユーザの口座情報および精算日とともに未精算取引データベースに格納するタンキング処理を行うタンキング処理部と、
前記精算日が到来すると、前記取引金額を前記ユーザの口座から引き落とすための口座引落し指示を銀行システムに出力する情報出力部と、
を備え
前記ディレイドデビット取引が不可であると判定された場合、前記ディレイドサーバの前記情報出力部は、前記取引金額を前記ユーザの口座から即時に引き落とすための口座引落し指示を前記銀行システムに出力する、ディレイドデビット決済システム。
【請求項2】
ユーザ端末と、前記ユーザ端末に通信可能に接続されたディレイドサーバとを備えるディレイドデビット決済システムであって、
前記ユーザ端末は、ユーザからディレイドデビット取引を行うか否かの設定を受け付ける情報受付部を備え、
前記ディレイドサーバは、
前記ユーザのキャッシュレス取引による取引金額を含むキャッシュレス取引情報を取得する情報取得部と、
前記ユーザのキャッシュレス取引利用状況に基づいて、ディレイドデビット取引用のディレイド枠を決定するディレイド枠決定部と、
前記取引金額および前記ディレイド枠に基づいて、ディレイドデビット取引が可能であるかどうか判定する取引可否判定部と、
前記ディレイドデビット取引を行う設定がされており、前記ディレイドデビット取引が可能であると判定された場合、前記キャッシュレス取引の前記取引金額を前記ユーザの口座情報および精算日とともに未精算取引データベースに格納するタンキング処理を行うタンキング処理部と、
前記精算日が到来すると、前記取引金額を前記ユーザの口座から引き落とすための口座引落し指示を銀行システムに出力する情報出力部と、
を備え、
前記ディレイドデビット取引を行う設定がされている場合であっても、前記ユーザが前記キャッシュレス取引についてデビット取引を希望する場合、前記タンキング処理部は前記タンキング処理を行わず、前記情報出力部は、前記取引金額を前記ユーザの口座から即時に引き落とすための口座引落し指示を前記銀行システムに出力する、ディレイドデビット決済システム。
【請求項3】
前記ディレイド枠決定部は、前記キャッシュレス取引利用状況として、前記キャッシュレス取引の利用回数、利用加盟店のカテゴリ数、利用金額および利用月数のうち少なくともいずれか一つに基づいて前記ディレイド枠を決定する、請求項1または2に記載のディレイドデビット決済システム。
【請求項4】
前記ディレイド枠決定部は、前記ユーザの口座の残高によらずに前記ディレイド枠を決定する、請求項1または2に記載のディレイドデビット決済システム。
【請求項5】
前記ディレイド枠決定部は、前記キャッシュレス取引利用状況に基づいて所定期間ごとに前記ディレイド枠を増減する、請求項1または2に記載のディレイドデビット決済システム。
【請求項6】
ユーザ端末と、前記ユーザ端末に通信可能に接続されたディレイドサーバとを備えるディレイドデビット決済システムであって、
前記ユーザ端末は、ユーザからディレイドデビット取引を行うか否かの設定を受け付ける情報受付部を備え、
前記ディレイドサーバは、
前記ユーザのキャッシュレス取引による取引金額を含むキャッシュレス取引情報を取得する情報取得部と、
前記ユーザのキャッシュレス取引利用状況に基づいて、ディレイドデビット取引用のディレイド枠を決定するディレイド枠決定部と、
前記取引金額および前記ディレイド枠に基づいて、ディレイドデビット取引が可能であるかどうか判定する取引可否判定部と、
前記ディレイドデビット取引を行う設定がされており、前記ディレイドデビット取引が可能であると判定された場合、前記キャッシュレス取引の前記取引金額を前記ユーザの口座情報および精算日とともに未精算取引データベースに格納するタンキング処理を行うタンキング処理部と、
前記精算日が到来すると、前記取引金額を前記ユーザの口座から引き落とすための口座引落し指示を銀行システムに出力する情報出力部と、
を備え、
前記タンキング処理が行われた後に前記ユーザ端末が前記キャッシュレス取引の即時支払指示を受け付けた場合、前記ディレイドサーバの前記情報出力部は、前記取引金額を前記ユーザの口座から即時に引き落とすための口座引落し指示を前記銀行システムに出力する、ディレイドデビット決済システム。
【請求項7】
前記ディレイド枠決定部は、前記ディレイド枠を上限として、前記口座から引き落とされた前記取引金額の分だけ前記ディレイド枠の残高を回復させる、請求項に記載のディレイドデビット決済システム。
【請求項8】
前記ユーザ端末は、複数のキャッシュレス取引のなかから即時支払を行う取引を個別に受け付ける、請求項またはに記載のディレイドデビット決済システム。
【請求項9】
前記ディレイドデビット取引を行う設定がされてない場合、前記ディレイドサーバの前記タンキング処理部は前記タンキング処理を行わず、前記情報出力部は、前記取引金額を前記ユーザの口座から即時に引き落とすための口座引落し指示を前記銀行システムに出力する、請求項1、2または6に記載のディレイドデビット決済システム。
【請求項10】
前記取引可否判定部は、前記取引金額が前記ディレイド枠からディレイドデビット取引の未精算額を引いた金額以下であればディレイドデビット取引が可能であると判定する、請求項1、2または6に記載のディレイドデビット決済システム。
【請求項11】
ユーザ端末が、ユーザからディレイドデビット取引を行うか否かの設定を受け付けるステップと、
前記ユーザ端末に通信可能に接続されたディレイドサーバの情報取得部が、前記ユーザのキャッシュレス取引による取引金額を含むキャッシュレス取引情報を取得するステップと、
前記ディレイドサーバのディレイド枠決定部が、前記ユーザのキャッシュレス取引利用状況に基づいて、ディレイドデビット取引用のディレイド枠を決定するステップと、
前記ディレイドサーバの取引可否判定部が、前記取引金額および前記ディレイド枠に基づいて、ディレイドデビット取引が可能であるかどうか判定するステップと、
前記ディレイドサーバのタンキング処理部が、前記ディレイドデビット取引を行う設定がされており、前記ディレイドデビット取引が可能であると判定された場合、前記キャッシュレス取引の前記取引金額を前記ユーザの口座情報および精算日とともに未精算取引データベースに格納するタンキング処理を行うステップと、
前記ディレイドサーバの情報出力部が、前記精算日が到来すると、前記取引金額を前記ユーザの口座から引き落とすための口座引落し指示を銀行システムに出力するステップと、
を備え
前記ディレイドデビット取引が不可であると判定された場合、前記ディレイドサーバの前記情報出力部は、前記取引金額を前記ユーザの口座から即時に引き落とすための口座引落し指示を前記銀行システムに出力する、ディレイドデビット決済方法。
【請求項12】
ユーザ端末が、ユーザからディレイドデビット取引を行うか否かの設定を受け付けるステップと、
前記ユーザ端末に通信可能に接続されたディレイドサーバの情報取得部が、前記ユーザのキャッシュレス取引による取引金額を含むキャッシュレス取引情報を取得するステップと、
前記ディレイドサーバのディレイド枠決定部が、前記ユーザのキャッシュレス取引利用状況に基づいて、ディレイドデビット取引用のディレイド枠を決定するステップと、
前記ディレイドサーバの取引可否判定部が、前記取引金額および前記ディレイド枠に基づいて、ディレイドデビット取引が可能であるかどうか判定するステップと、
前記ディレイドサーバのタンキング処理部が、前記ディレイドデビット取引を行う設定がされており、前記ディレイドデビット取引が可能であると判定された場合、前記キャッシュレス取引の前記取引金額を前記ユーザの口座情報および精算日とともに未精算取引データベースに格納するタンキング処理を行うステップと、
前記ディレイドサーバの情報出力部が、前記精算日が到来すると、前記取引金額を前記ユーザの口座から引き落とすための口座引落し指示を銀行システムに出力するステップと、
を備え、
前記ディレイドデビット取引を行う設定がされている場合であっても、前記ユーザが前記キャッシュレス取引についてデビット取引を希望する場合、前記タンキング処理部は前記タンキング処理を行わず、前記情報出力部は、前記取引金額を前記ユーザの口座から即時に引き落とすための口座引落し指示を前記銀行システムに出力する、ディレイドデビット決済方法。
【請求項13】
ユーザ端末が、ユーザからディレイドデビット取引を行うか否かの設定を受け付けるステップと、
前記ユーザ端末に通信可能に接続されたディレイドサーバの情報取得部が、前記ユーザのキャッシュレス取引による取引金額を含むキャッシュレス取引情報を取得するステップと、
前記ディレイドサーバのディレイド枠決定部が、前記ユーザのキャッシュレス取引利用状況に基づいて、ディレイドデビット取引用のディレイド枠を決定するステップと、
前記ディレイドサーバの取引可否判定部が、前記取引金額および前記ディレイド枠に基づいて、ディレイドデビット取引が可能であるかどうか判定するステップと、
前記ディレイドサーバのタンキング処理部が、前記ディレイドデビット取引を行う設定がされており、前記ディレイドデビット取引が可能であると判定された場合、前記キャッシュレス取引の前記取引金額を前記ユーザの口座情報および精算日とともに未精算取引データベースに格納するタンキング処理を行うステップと、
前記ディレイドサーバの情報出力部が、前記精算日が到来すると、前記取引金額を前記ユーザの口座から引き落とすための口座引落し指示を銀行システムに出力するステップと、
を備え、
前記タンキング処理が行われた後に前記ユーザ端末が前記キャッシュレス取引の即時支払指示を受け付けた場合、前記ディレイドサーバの前記情報出力部は、前記取引金額を前記ユーザの口座から即時に引き落とすための口座引落し指示を前記銀行システムに出力する、ディレイドデビット決済方法。
【請求項14】
ユーザからディレイドデビット取引を行うか否かの設定を受け付けるユーザ端末に通信可能に接続されたディレイドサーバを、
前記ユーザのキャッシュレス取引による取引金額を含むキャッシュレス取引情報を取得する情報取得部、
前記ユーザのキャッシュレス取引利用状況に基づいて、ディレイドデビット取引用のディレイド枠を決定するディレイド枠決定部
前記取引金額および前記ディレイド枠に基づいて、ディレイドデビット取引が可能であるかどうか判定する取引可否判定部、
前記ディレイドデビット取引を行う設定がされており、前記ディレイドデビット取引が可能であると判定された場合、前記キャッシュレス取引の前記取引金額を前記ユーザの口座情報および精算日とともに未精算取引データベースに格納するタンキング処理を行うタンキング処理部、および
前記精算日が到来すると、前記取引金額を前記ユーザの口座から引き落とすための口座引落し指示を銀行システムに出力する情報出力部、
として機能させ
前記ディレイドデビット取引が不可であると判定された場合、前記ディレイドサーバの前記情報出力部は、前記取引金額を前記ユーザの口座から即時に引き落とすための口座引落し指示を前記銀行システムに出力する、ディレイドデビット決済プログラム。
【請求項15】
ユーザからディレイドデビット取引を行うか否かの設定を受け付けるユーザ端末に通信可能に接続されたディレイドサーバを、
前記ユーザのキャッシュレス取引による取引金額を含むキャッシュレス取引情報を取得する情報取得部、
前記ユーザのキャッシュレス取引利用状況に基づいて、ディレイドデビット取引用のディレイド枠を決定するディレイド枠決定部、
前記取引金額および前記ディレイド枠に基づいて、ディレイドデビット取引が可能であるかどうか判定する取引可否判定部、
前記ディレイドデビット取引を行う設定がされており、前記ディレイドデビット取引が可能であると判定された場合、前記キャッシュレス取引の前記取引金額を前記ユーザの口座情報および精算日とともに未精算取引データベースに格納するタンキング処理を行うタンキング処理部、および
前記精算日が到来すると、前記取引金額を前記ユーザの口座から引き落とすための口座引落し指示を銀行システムに出力する情報出力部、
として機能させ、
前記ディレイドデビット取引を行う設定がされている場合であっても、前記ユーザが前記キャッシュレス取引についてデビット取引を希望する場合、前記タンキング処理部は前記タンキング処理を行わず、前記情報出力部は、前記取引金額を前記ユーザの口座から即時に引き落とすための口座引落し指示を前記銀行システムに出力する、ディレイドデビット決済プログラム。
【請求項16】
ユーザからディレイドデビット取引を行うか否かの設定を受け付けるユーザ端末に通信可能に接続されたディレイドサーバを、
前記ユーザのキャッシュレス取引による取引金額を含むキャッシュレス取引情報を取得する情報取得部、
前記ユーザのキャッシュレス取引利用状況に基づいて、ディレイドデビット取引用のディレイド枠を決定するディレイド枠決定部、
前記取引金額および前記ディレイド枠に基づいて、ディレイドデビット取引が可能であるかどうか判定する取引可否判定部、
前記ディレイドデビット取引を行う設定がされており、前記ディレイドデビット取引が可能であると判定された場合、前記キャッシュレス取引の前記取引金額を前記ユーザの口座情報および精算日とともに未精算取引データベースに格納するタンキング処理を行うタンキング処理部、および
前記精算日が到来すると、前記取引金額を前記ユーザの口座から引き落とすための口座引落し指示を銀行システムに出力する情報出力部、
として機能させ、
前記タンキング処理が行われた後に前記ユーザ端末が前記キャッシュレス取引の即時支払指示を受け付けた場合、前記ディレイドサーバの前記情報出力部は、前記取引金額を前記ユーザの口座から即時に引き落とすための口座引落し指示を前記銀行システムに出力する、ディレイドデビット決済プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディレイドデビット決済システム、ディレイドデビット決済方法およびディレイドデビット決済プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗またはECサイトにおけるキャッシュレス取引の一つとして、取引金額を銀行口座から即時に引き落とすデビットカード取引(以下、単に「デビット取引」ともいう。)が知られている。デビット取引によれば、支払者(ユーザ)にとってクレジットカード決済のように使いすぎの心配がないという利点がある。他方、口座の残高や他の引落し予定を事前に把握しておく必要がある。このため、デビット取引はクレジットカードに比べてユーザの利便性が高くない。
【0003】
そこで、ユーザが所定の引き落とし期間の中で引き落とし日を設定できるようにしたり(特許文献1)、口座残高等の口座状況に基づいて算出された金額内であれば、取引を成立させ、ユーザが指示するまで取引金額の引き落としを猶予することが提案されている(特許文献2)。
【0004】
このように、従来、デビットカードによる取引でありながら、取引金額の即時引落しを行わない取引(本願では、「ディレイドデビット取引」という。)が知られている。しかし、ユーザにとって、より柔軟で利便性の高いディレイドデビット取引を提供することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-351036号公報
【文献】特許第6368446号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザにとって柔軟で利便性の高いディレイドデビット取引を提供することができるディレイドデビット決済システム、ディレイドデビット決済方法およびディレイドデビット決済プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るディレイドデビット決済システムは、
ユーザ端末と、前記ユーザ端末に通信可能に接続されたディレイドサーバとを備えるディレイドデビット決済システムであって、
前記ユーザ端末は、ユーザからディレイドデビット取引を行うか否かの設定を受け付ける情報受付部を備え、
前記ディレイドサーバは、
前記ユーザのキャッシュレス取引による取引金額を含むキャッシュレス取引情報を取得する情報取得部と、
前記ユーザのキャッシュレス取引利用状況に基づいて、ディレイドデビット取引用のディレイド枠を決定するディレイド枠決定部と、
前記取引金額および前記ディレイド枠に基づいて、ディレイドデビット取引が可能であるかどうか判定する取引可否判定部と、
前記ディレイドデビット取引を行う設定がされており、前記ディレイドデビット取引が可能であると判定された場合、前記キャッシュレス取引の前記取引金額を前記ユーザの口座情報および精算日とともに未精算取引データベースに格納するタンキング処理を行うタンキング処理部と、
前記精算日が到来すると、前記取引金額を前記ユーザの口座から引き落とすための口座引落し指示を銀行システムに出力する情報出力部とを備える。
【0008】
また、前記ディレイドデビット決済システムにおいて、
前記ディレイドデビット取引が不可であると判定された場合、前記ディレイドサーバの前記情報出力部は、前記キャッシュレス取引ができない旨を出力するようにしてもよい。
【0009】
また、前記ディレイドデビット決済システムにおいて、
前記ディレイドデビット取引が不可であると判定された場合、前記ディレイドサーバの前記情報出力部は、前記取引金額を前記ユーザの口座から即時に引き落とすための口座引落し指示を前記銀行システムに出力するようにしてもよい。
【0010】
また、前記ディレイドデビット決済システムにおいて、
前記ディレイドデビット取引を行う設定がされている場合であっても、前記ユーザが前記キャッシュレス取引についてデビット取引を希望する場合、前記タンキング処理部は前記タンキング処理を行わず、前記情報出力部は、前記取引金額を前記ユーザの口座から即時に引き落とすための口座引落し指示を前記銀行システムに出力するようにしてもよい。
【0011】
また、前記ディレイドデビット決済システムにおいて、
前記ディレイド枠決定部は、前記キャッシュレス取引利用状況として、前記キャッシュレス取引の利用回数、利用加盟店のカテゴリ数、利用金額および利用月数のうち少なくともいずれか一つに基づいて前記ディレイド枠を決定するようにしてもよい。
【0012】
また、前記ディレイドデビット決済システムにおいて、
前記ディレイド枠決定部は、前記ユーザの口座の残高によらずに前記ディレイド枠を決定するようにしてもよい。
【0013】
また、前記ディレイドデビット決済システムにおいて、
前記ディレイド枠決定部は、前記キャッシュレス取引利用状況に基づいて所定期間ごとに前記ディレイド枠を増減するようにしてもよい。
【0014】
また、前記ディレイドデビット決済システムにおいて、
前記タンキング処理が行われた後に前記ユーザ端末が前記キャッシュレス取引の即時支払指示を受け付けた場合、前記ディレイドサーバの前記情報出力部は、前記取引金額を前記ユーザの口座から即時に引き落とすための口座引落し指示を前記銀行システムに出力するようにしてもよい。
【0015】
また、前記ディレイドデビット決済システムにおいて、
前記ディレイド枠決定部は、前記ディレイド枠を上限として、前記口座から引き落とされた前記取引金額の分だけ前記ディレイド枠の残高を回復させるようにしてもよい。
【0016】
また、前記ディレイドデビット決済システムにおいて、
前記ユーザ端末は、複数のキャッシュレス取引のなかから即時支払を行う取引を個別に受け付けるようにしてもよい。
【0017】
また、前記ディレイドデビット決済システムにおいて、
前記ディレイドデビット取引を行う設定がされてない場合、前記ディレイドサーバの前記タンキング処理部は前記タンキング処理を行わず、前記情報出力部は、前記取引金額を前記ユーザの口座から即時に引き落とすための口座引落し指示を前記銀行システムに出力するようにしてもよい。
【0018】
また、前記ディレイドデビット決済システムにおいて、
前記取引可否判定部は、前記取引金額が前記ディレイド枠からディレイドデビット取引の未精算額を引いた金額以下であればディレイドデビット取引が可能であると判定するようにしてもよい。
【0019】
本発明に係るディレイドデビット決済方法は、
ユーザ端末が、ユーザからディレイドデビット取引を行うか否かの設定を受け付けるステップと、
前記ユーザ端末に通信可能に接続されたディレイドサーバの情報取得部が、前記ユーザのキャッシュレス取引による取引金額を含むキャッシュレス取引情報を取得するステップと、
前記ディレイドサーバのディレイド枠決定部が、前記ユーザのキャッシュレス取引利用状況に基づいて、ディレイドデビット取引用のディレイド枠を決定するステップと、
前記ディレイドサーバの取引可否判定部が、前記取引金額および前記ディレイド枠に基づいて、ディレイドデビット取引が可能であるかどうか判定するステップと、
前記ディレイドサーバのタンキング処理部が、前記ディレイドデビット取引を行う設定がされており、前記ディレイドデビット取引が可能であると判定された場合、前記キャッシュレス取引の前記取引金額を前記ユーザの口座情報および精算日とともに未精算取引データベースに格納するタンキング処理を行うステップと、
前記ディレイドサーバの情報出力部が、前記精算日が到来すると、前記取引金額を前記ユーザの口座から引き落とすための口座引落し指示を銀行システムに出力するステップと、
を備える。
【0020】
本発明に係るディレイドデビット決済プログラムは、
ユーザからディレイドデビット取引を行うか否かの設定を受け付けるユーザ端末に通信可能に接続されたディレイドサーバを、
前記ユーザのキャッシュレス取引による取引金額を含むキャッシュレス取引情報を取得する情報取得部、
前記ユーザのキャッシュレス取引利用状況に基づいて、ディレイドデビット取引用のディレイド枠を決定するディレイド枠決定部と、
前記取引金額および前記ディレイド枠に基づいて、ディレイドデビット取引が可能であるかどうか判定する取引可否判定部、
前記ディレイドデビット取引を行う設定がされており、前記ディレイドデビット取引が可能であると判定された場合、前記キャッシュレス取引の前記取引金額を前記ユーザの口座情報および精算日とともに未精算取引データベースに格納するタンキング処理を行うタンキング処理部、および
前記精算日が到来すると、前記取引金額を前記ユーザの口座から引き落とすための口座引落し指示を銀行システムに出力する情報出力部、
として機能させる。
【0021】
本発明に係るディレイドデビット決済プログラムは、
ディレイドサーバに通信可能に接続されたユーザ端末を、
デビット取引およびディレイドデビット取引が可能であると判定されたキャッシュレス取引について、ディレイドデビット取引またはデビット取引を選択するための画面を表示させる表示制御部として機能させる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ユーザにとって柔軟で利便性の高いディレイドデビット取引を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態に係るディレイドデビット決済システムの概略的な構成を示す図である。
図2】実施形態に係るユーザ端末の機能ブロック図である。
図3】(a)および(b)は、実施形態に係るユーザ端末の画面の一例を示す図である。
図4】実施形態に係るディレイドサーバの機能ブロック図である。
図5】実施形態に係るユーザ情報データベースの一例である。
図6】実施形態に係る未精算取引データベースの一例である。
図7】実施形態に係るディレイドデビット決済方法を説明するためのシーケンス図である。
図8図7に続く、実施形態に係るディレイドデビット決済方法を説明するためのシーケンス図である。
図9】(a)および(b)は、実施形態に係るユーザ端末の画面の一例を示す図である。
図10】実施形態の変形例1に係るディレイドデビット決済方法を説明するためのシーケンス図である。
図11】実施形態に係るユーザ端末の画面の一例を示す図である。
図12】実施形態の変形例2に係るディレイドデビット決済方法を説明するためのシーケンス図である。
図13】実施形態に係るユーザ端末の画面の一例を示す図である。
図14】(a)および(b)は、実施形態に係るユーザ端末の画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0025】
<ディレイドデビット決済システム>
まず、図1を参照して、実施形態に係るディレイドデビット決済システム1の概略的な構成について説明する。ディレイドデビット決済システム1は、店舗またはECサイトにおいてキャッシュレス取引が行われた際に、ディレイドデビット取引(以下、単に「ディレイド取引」ともいう。)を可能とするように構成されている。
【0026】
ディレイドデビット決済システム1は、ユーザ端末10と、ディレイドサーバ20と、銀行システム(勘定系システム)30と、購入サイトサーバ40とを備えている。ここで、ディレイドサーバ20は、インターネット、専用回線等の通信ネットワークNWを介してユーザ端末10および購入サイトサーバ40と通信可能に接続されている。なお、接続形態(有線、無線等)や通信プロトコルは特に限定されない。
【0027】
ユーザ端末10は、ユーザが使用する情報処理端末であり、たとえば、スマートフォン、タブレット端末、デスクトップパソコン、ノートパソコン等である。本実施形態では、ユーザ端末10はスマートフォンである。また、詳しくは後述するが、ユーザ端末10は、ディレイドデビット取引を行うか否かの設定(以下、単に「ディレイド設定」ともいう。)をユーザから受け付けるように構成されている。ディレイド設定がオンのあいだ、キャッシュレス取引はすべてディレイドデビット取引となる。
【0028】
なお、本実施形態において、キャッシュレス取引は、デビットカード(Visaデビットカード等)による取引である。また、本願において、ディレイドデビット取引は、「マイペース払い」とも称される。
【0029】
ユーザ端末10がスマートフォンの場合、ユーザ端末10にデビットカードを登録し、ユーザ端末10によりデビットカードによる取引を行えるようにしてもよい。
【0030】
ディレイドサーバ20は、ユーザ端末10と通信可能に接続されている。ディレイドサーバ20は、詳しくは後述するが、ユーザ端末10が受け付けたディレイド設定に基づいて、銀行システム30との間でキャッシュレス取引の精算に係る処理等を行う。
【0031】
銀行システム30は、ディレイドサーバ20と通信可能に接続されている。銀行システム30は、ディレイドサーバ20から口座引落し指示を受信すると、ユーザの口座からキャッシュレス取引に係る取引金額を引き落とす処理を実行する。
【0032】
購入サイトサーバ40は、ディレイドサーバ20と通信可能に接続されている。購入サイトサーバ40は、ユーザが店舗やECサイト等においてキャッシュレス取引を行った際に決済データ(キャッシュレス取引情報)をディレイドサーバ20に送信する。決済データは、キャッシュレス取引による取引金額を含む。その他、決済データは、取引時間、店舗・ECサイトの識別情報、ユーザの口座情報およびキャッシュレス決済手段(カード等)の情報を含んでもよい。
【0033】
以下、ユーザ端末10およびディレイドサーバ20について、それぞれ詳しく説明する。
【0034】
<ユーザ端末10>
図2の機能ブロック図を参照して、ユーザ端末10について説明する。
【0035】
ユーザ端末10は、処理部11と、通信部12と、表示部13と、記憶部14とを備えている。
【0036】
処理部11は、ユーザの入力操作等による情報を受け付ける情報受付部111と、所望の情報を表示させるために表示部13を制御する表示制御部112とを有している。
【0037】
通信部12は、無線通信もしくは有線通信により、ディレイドサーバ20との間で情報を送受信するためのインターフェースである。なお、通信部12による通信の方式・規格は特に限定されない。
【0038】
表示部13は、ユーザの操作を受け付けるGUI(Graphical User Interface)等、各種の画像や情報を表示する。表示部13は、たとえば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等によって構成される。
【0039】
記憶部14は、処理部11に接続されており、処理部11で使用される各種の情報(処理部11で実行されるプログラム、使用されるデータ等)を記憶する。記憶部14は、半導体メモリおよび/またはハードディスクドライブ等から構成される。
【0040】
本実施形態では、ユーザ端末10に、ユーザが口座を有する銀行のアプリがインストールされている。ユーザは、アプリを起動することで、口座の残高、キャッシュレス取引の履歴を確認することが可能である。図3(a)および図3(b)は、アプリの画面例である。この画面は、デビットカードの使用履歴を表示しており、月ごとの使用金額が画面上部に棒グラフで示されている。画面中央の金額(3,300円)は選択中の月(10月)においてデビット取引により出金された金額を示している。画面の下部には、デビット取引の明細(スーパー○○ 2,200円など)が表示されている。
【0041】
図3(a)の画面中央には、「マイペース払い」と表示され、その隣にトグルスイッチTSが配置されている。ユーザがトグルスイッチTSを右側にスライドさせると、図3(b)に示すように、マイペース払い、すなわち、ディレイド設定がオンとなる。ディレイド設定が変更されると、ユーザ端末10は、その旨を示す情報をディレイドサーバ20に送信する。当該情報を受信すると、ディレイドサーバ20の処理部21は、後述のユーザ情報データベース231を更新する。また、ディレイド設定がオンになると、「設定したタイミングで口座から引落し」というテキストT1が選択可能となる。ユーザがテキストT1を選択(タップ等)すると、即時支払画面(後述の図9(a))に画面遷移する。
【0042】
<ディレイドサーバ20>
次に、図4の機能ブロック図を参照して、ディレイドサーバ20について説明する。
【0043】
ディレイドサーバ20は、処理部21と、通信部22と、記憶部23とを備えている。
【0044】
処理部21は、情報取得部211と、ディレイド枠決定部212と、取引可否判定部213と、タンキング処理部214と、情報出力部215と、を備えている。本実施形態では、処理部21はプロセッサにより構成され、記憶部23からプログラムを読み出して実行することで、各プログラムに対応する機能が実現される。なお、処理部21の各機能は、互いに通信可能な複数のサーバが協働することにより実現されてもよい。
【0045】
通信部22は、無線通信もしくは有線通信により、ユーザ端末10、銀行システム30、購入サイトサーバ40等、外部の情報処理装置との間で情報を送受信するためのインターフェースである。なお、通信部22による通信の方式、規格は特に限定されない。
【0046】
記憶部23は、半導体メモリおよび/またはハードディスクドライブ等から構成される。本実施形態では、処理部21により実行される各機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶部23に格納されている。
【0047】
また、記憶部23には、ユーザ情報データベース231および未精算取引データベース232が記憶されている。ユーザ情報データベース231は、ユーザごとの情報を格納したデータベースである。未精算取引データベース232は、ディレイドデビット取引による未精算のキャッシュレス取引に係る情報を格納したデータベースである。
【0048】
図5は、ユーザ情報データベース231の一例を示している。この例では、ユーザごとに、識別情報(ユーザID)、ディレイド設定、キャッシュレス取引情報(精算済み、未精算)、ディレイド枠および未収情報(未収フラグ)が格納されている。「ディレイド設定」は、前述したユーザ端末10に表示されるトグルスイッチTSの操作に応じて更新される。「キャッシュレス取引情報」は、購入サイトサーバ40から受信されたキャッシュレス取引情報に基づく情報が格納されている。「ディレイド枠」には、ディレイド枠決定部212により決定されたディレイド枠(ディレイドデビット取引の限度額)が格納されている。「未収」は、初期状態において「無」であるが、ディレイドサーバ20が銀行システム30から口座引落し処理ができなかった旨の通知を受信した場合等に、「有」となる。
【0049】
図6は、未精算取引データベース232の一例を示している。この例では、取引可否判定部213によりディレイドデビット取引が可能であると判定された各取引について、口座引き落としのための情報(取引金額および引き落し口座情報)が格納されている。なお、「精算日」は、たとえば、取引の発生した月の翌月の固定日(ここでは10日)である。また、「精算日」はユーザが指定した日であってもよい。
【0050】
次に、ディレイドサーバ20の処理部21の各部の詳細について説明する。
【0051】
情報取得部211は、ユーザ端末10、銀行システム30および購入サイトサーバ40から各種情報を取得する。たとえば、店舗等でキャッシュレス取引が発生した際、情報取得部211は、購入サイトサーバ40から送信された、ユーザのキャッシュレス取引による取引金額を含むキャッシュレス取引情報を取得する。
【0052】
情報取得部211は、ユーザ端末10から、ディレイド設定、即時支払指示などを取得する。ここで、即時支払指示とは、ディレイド設定にかかわらず、取引金額をユーザの口座から即時に引き落とすための口座引落し指示のことであり、任意支払指示または任意精算指示とも称される。また、情報取得部211は、銀行システム30から口座引落し処理の結果などを取得する。
【0053】
ディレイド枠決定部212は、ディレイドデビット取引用のディレイド枠(利用可能限度額)を決定する。詳しくは、ディレイド枠決定部212は、ユーザのキャッシュレス取引利用状況に基づいてディレイド枠を決定する。キャッシュレス取引利用状況は、本実施形態では、デビットカードの利用状況である。ディレイド枠決定部212は、キャッシュレス取引(デビットカード取引)の利用回数、利用加盟店のカテゴリ数(業種の数)、利用金額および利用月数のうち少なくともいずれか一つに基づいてディレイド枠を決定する。デビットカードの利用回数は、デビット取引とディレイドデビット取引の利用回数の合計であってもよいし、ディレイドデビット取引のみ(もしくはデビット取引のみ)の利用回数であってもよい。
【0054】
このようにディレイド枠決定部212は、ユーザによるキャッシュレス取引の利用状況に基づいて、ディレイドデビット取引の限度額を決定する。なお、本実施形態では、ディレイド枠決定部212は、ユーザの口座の残高によらずに(すなわち、口座残高とは無関係に)ディレイド枠を決定してもよい。これにより、ユーザのキャッシュレス取引の利用状況に応じて適切な枠付与を行うことができる。また、ディレイド枠決定部212は、ユーザの属性(年齢、職業等)に基づいてディレイド枠を決定してもよい。また、ディレイド枠決定部212は、機械学習により得られた学習済みモデル(いわゆるAI)を用いてディレイド枠を決定してもよい。
【0055】
ディレイド枠決定部212は、適当なタイミングでディレイド枠を見直してもよい。たとえば、ディレイド枠決定部212は、キャッシュレス取引利用状況に基づいて所定期間ごとにディレイド枠を増減する。また、ディレイド枠決定部212は、ユーザからディレイド枠の見直し要求があったタイミングでディレイド枠を増減してもよい。
【0056】
取引可否判定部213は、デビットカードによる通常の取引(デビット取引)、ディレイドデビット取引の可否を判定する。デビット取引について、取引可否判定部213は、たとえば、デビットカードを利用できない店舗・ECサイトである場合、デビットカードの限度額をオーバーする場合、または取引金額がユーザの口座残高を超える場合に、デビット取引が不可であると判定する。
【0057】
また、取引可否判定部213は、ディレイドデビット取引について、取引金額およびディレイド枠に基づいて、ディレイドデビット取引が可能であるかどうか判定する。詳しくは、取引可否判定部213は、キャッシュレス取引の取引金額が、ディレイド枠からディレイドデビット取引の未精算額を引いた金額以下であればディレイドデビット取引が可能であると判定する。
【0058】
タンキング処理部214は、ディレイドデビット取引が可能であると判定されたキャッシュレス取引のタンキング処理を行う。詳しくは、ディレイドデビット取引を行う設定がされており、ディレイドデビット取引が可能であると判定された場合、タンキング処理部214は、キャッシュレス取引の取引金額をユーザの口座情報および精算日とともに未精算取引データベース232に格納する。
【0059】
情報出力部215は、ユーザ端末10、銀行システム30および購入サイトサーバ40に各種情報を出力する。たとえば、情報出力部215は、ユーザ端末10にユーザ情報データベース231のキャッシュレス取引情報を出力する。また、情報出力部215は、口座引落し指示を銀行システム30に出力する。たとえば、情報出力部215は、未精算取引データベース232に基づいて、精算日が到来すると、取引金額をユーザの口座から引き落とすための口座引落し指示を銀行システム30に出力する。このような精算日の到来による口座引落し指示は「定期精算指示」とも称される。
【0060】
情報出力部215は、タンキング処理後であっても、ユーザの求めに応じて即時支払指示を銀行システム30に出力してもよい。すなわち、タンキング処理が行われた後にユーザ端末10の情報受付部111がキャッシュレス取引の即時支払指示を受け付けた場合、情報出力部215は、取引金額をユーザの口座から即時に引き落とすための口座引落し指示を銀行システム30に出力してもよい。この場合、ディレイド枠決定部212は、ディレイド枠を上限として、ユーザの口座から引き落とされた取引金額の分だけディレイド枠の残高を回復させてもよい。ディレイド枠の回復は、口座引落し指示が出力された後であってもよいし、銀行システム30から口座引落し処理が完了した旨の報告を受信した後であってもよい。なお、タンキング処理部214は、引落し処理の完了後、未精算取引データベース232から当該取引に係るレコードを削除する。
【0061】
<ディレイドデビット決済方法>
図7および図8のシーケンス図を参照して、上述したディレイドデビット決済システム1による決済方法の一例を説明する。なお、説明は、ユーザが店舗等でキャッシュレス取引を行い、ディレイドサーバ20が購入サイトサーバ40からキャッシュレス取引情報を受信した後のステップから始める。また、ディレイド枠は予め決定されている。
【0062】
ステップS11:ディレイドサーバ20の取引可否判定部213は、デビット取引が可能であるか否かを判定する。本ステップでは、たとえば、デビットカードを利用できない店舗である場合、デビットカードの限度額をオーバーする場合、一時利用停止されている場合、暗証番号が相違する場合に、取引可否判定部213はデビット取引が不可であると判定する。
【0063】
デビット取引が不可であると判定された場合(S11:No)、ディレイドサーバ20の情報出力部215は取引不可である旨のメッセージを購入サイトサーバ40に出力する。なお、当該メッセージをユーザ端末10に出力してもよい。当該メッセージを受信したユーザ端末10は、表示部13に当該メッセージを表示する。他方、デビット取引が可能であると判定された場合(S11:Yes)、ステップS12に進む。
【0064】
ステップS12:取引可否判定部213は、ディレイド設定がON(オン)であるか否か(すなわち、ディレイドデビット取引を行う設定がされているか否か)を判定する。たとえば、判定はユーザ情報データベース231の「ディレイド設定」を参照することにより行われる。ディレイド設定がオンの場合(S12:Yes)、ステップS13に進む。他方、ディレイド設定がOFFの場合(S12:No)、ステップS14に進む。
【0065】
ステップS13:取引可否判定部213は、ディレイドデビット取引(ディレイド取引)が可能であるか否かを判定する。たとえば、取引可否判定部213は、キャッシュレス取引情報の取引金額およびディレイド枠に基づいてディレイドデビット取引が可能であるかどうか判定する。なお、取引可否判定部213は、ユーザ情報データベース231の「未収」欄が「有」の場合、ディレイドデビット取引が不可であると判定してもよい。
【0066】
ディレイド取引が可能であると判定された場合(S13:Yes)、ディレイドサーバ20は銀行システムに有効性チェックの要求を送信する。他方、ディレイド取引が不可であると判定された場合(S13:No)、ディレイドサーバ20の情報出力部215は取引不可である旨(キャッシュレス取引ができない)のメッセージを購入サイトサーバ40に出力する。なお、当該メッセージはユーザ端末10に出力されてもよい。
【0067】
ディレイドサーバ20から有効性チェックの要求を受信した銀行システム30は、有効性チェックを行う(ステップS22)。有効性チェックにおいては、たとえば、デビットカードの紛失・盗難届が提出されているか否かなど、カード取引の一般的な条件を満たすかどうかが確認される。
【0068】
有効性チェックをクリアした場合(S22:OK)、銀行システム30は、その旨をディレイドサーバ20に送信する。この場合、ディレイドサーバ20はステップS15を行う。他方、有効性チェックをクリアできなかった場合(S22:NG)、その旨をディレイドサーバ20に送信する。この場合、ディレイドサーバ20は取引不可である旨のメッセージを購入サイトサーバ40に送信する。
【0069】
ステップS14:ディレイドサーバ20の取引可否判定部213は、通常のデビット取引が可能であるか否かを判定する。本ステップでは、たとえば、取引金額がユーザの口座残高を超える場合、取引可否判定部213は通常のデビット取引が不可であると判定する。
【0070】
通常のデビット取引が不可であると判定された場合(S14:No)、ディレイドサーバ20の情報出力部215は取引不可である旨のメッセージを購入サイトサーバ40に出力する。他方、通常のデビット取引が可能であると判定された場合(S14:Yes)、ディレイドサーバ20は口座引落し指示を銀行システム30に送信する。銀行システム30は、口座引落し指示を受信すると、口座引落し処理を行う(ステップS21)。口座引落し処理が正常に終了すると、銀行システム30は引落し完了通知をディレイドサーバ20に送信する。
【0071】
ステップS15:ディレイドサーバ20のタンキング処理部214は、ディレイドデビット取引が可能であると判定されたキャッシュレス取引のタンキング処理を行う。詳しくは、タンキング処理部214は、キャッシュレス取引の取引金額をユーザの口座情報および精算日とともに未精算取引データベース232に格納する。
【0072】
ステップS16:ディレイドサーバ20の処理部21(たとえば情報出力部215)は、精算日が到来したか否かを判定する。たとえば、情報出力部215は未精算取引データベース232を参照し、精算日が到来したレコードがあるかどうかを判定する。ユーザのキャッシュレス取引について精算日が到来したと判定された場合(S16:Yes)、ステップS17に進む。他方、精算日が未だ到来していない場合(S16:No)、ステップS18に進む。
【0073】
ステップS17:情報出力部215は、銀行システム30に口座引落し指示を出力する。銀行システム30は、口座引落し指示を受信すると、口座引落し処理を行う(ステップS23)。口座引落し処理が正常に終了した場合、銀行システム30は引落し完了通知をディレイドサーバ20に送信してもよい。ディレイドサーバ20は引落し完了通知を受信した後に未精算取引データベース232の当該取引のレコードを削除するようにしてもよい。
【0074】
ステップS18:処理部21(たとえば情報取得部211)は、即時支払指示があるかどうかを判定する。ディレイドサーバ20がユーザ端末10から即時支払指示を受信していると判定された場合(S18:Yes)、ステップS17に進み、そうでない場合(S18:No)、ステップS16に戻る。
【0075】
なお、ユーザは、ユーザ端末10から即時支払指示をディレイドサーバ20に送信することが可能である。たとえば、前に説明した図3(b)の画面において、ユーザが「設定したタイミングで口座から引落し」というテキストT1をタップすると、図9(a)の画面に遷移する。この画面には、ディレイドデビット取引され、未精算のもの(すなわち、未精算取引データベース232に格納された取引)が表示される。各取引には、「支払」というボタンB1,B2が表示されており、ユーザが即時精算したい取引のボタンをタップすると、図9(b)の画面に遷移する。図9(b)の画面において、ユーザが「今すぐ支払う」というボタンB3をタップすると、ユーザ端末10は、当該取引の即時支払指示をディレイドサーバ20に送信する。
【0076】
このように、本実施形態では、ユーザ端末10(の情報受付部111)は、複数のキャッシュレス取引のなかから即時支払を行う取引を個別に受け付けるように構成されている。
【0077】
なお、図7および図8の処理フローは一例に過ぎず、種々の変形があり得る。たとえば、ステップS14の処理(取引金額がユーザの口座残高を超えるかどうかの確認)はステップS11において行ってもよく、その場合はステップS14を省略してもよい。
【0078】
また、ステップS13(ディレイド取引の可否判定)は、ステップS12(ディレイド設定の確認)の前に行ってもよい。
【0079】
また、銀行システム30におけるステップS21(デビット取引による口座引落し)の前に、銀行システム30は、カード紛失や本人死亡等の確認を行い、問題ないことが確認された場合にステップS21を行うようにしてもよい。また、ステップS22(銀行システム30における有効性チェック)を省略してもよい。
【0080】
また、銀行システム30において残高不足等により口座引落し処理が行えなかった場合、銀行システム30は口座引落し不可である旨をディレイドサーバ20に送信してもよい。この場合、ディレイドサーバ20は、ユーザ情報データベース231の「未収」の欄を「有」とする。
【0081】
また、二重取引を防止するために、ステップS12またはS13において、未精算のディレイドデビット取引であることを確認してもよい。
【0082】
<作用効果>
以上説明したように、本実施形態において、ユーザ端末10はユーザからディレイドデビット取引を行うか否かの設定を受け付け、ディレイドサーバ20は、ユーザのキャッシュレス取引による取引金額を含むキャッシュレス取引情報を取得し、ユーザのキャッシュレス取引利用状況に基づいてディレイドデビット取引用のディレイド枠を決定し、取引金額およびディレイド枠に基づいてディレイドデビット取引が可能であるかどうか判定し、ディレイドデビット取引を行う設定がされており、ディレイドデビット取引が可能であると判定された場合、キャッシュレス取引の取引金額をユーザの口座情報および精算日とともに未精算取引データベースに格納するタンキング処理を行い、精算日が到来すると、取引金額をユーザの口座から引き落とすための口座引落し指示を銀行システム30に出力する。
【0083】
このように、ユーザ端末はユーザからディレイドデビット取引を行うか否かの設定を受け付けるように構成されているため、ユーザはディレイドデビット取引を行うか否かを任意のタイミングで選択することができる。さらに、ディレイドデビット取引の限度額であるディレイド枠がユーザのキャッシュレス取引利用状況に基づいて決定されるため、ユーザはキャッシュレス取引の利用に応じてディレイドデビット取引を利用することができる。
【0084】
したがって、本実施形態によれば、ユーザにとって柔軟で利便性の高いディレイドデビット取引を提供することができる。
【0085】
次に、実施形態に係る2つの変形例について説明する。
【0086】
<変形例1>
上述の実施形態では、ステップS13においてディレイドデビット取引が不可であると判定された場合、取引不可となり、キャッシュレス取引が完了しなかった。これに対して本変形例では、ディレイドデビット取引不可の場合であっても、デビット取引が可能であれば、自動的にデビット取引を行う。
【0087】
図10は、変形例1に係る処理を示すシーケンス図の一例である。この図から分かるように、ディレイドデビット取引が不可であると判定された場合(S13:No)、ステップS14に進む点が実施形態と異なっている。ステップS14において取引可否判定部213が通常のデビット取引が可能であると判定した場合、ディレイドサーバ20は口座引落し指示を銀行システム30に送信する。
【0088】
図11は、口座引落し処理後に、ユーザ端末10に表示される画面の一例を示している。この画面では、ディレイド利用可能額の超過によりデビット取引(即時引落し)が行われたこと、引落し日時および引落し金額のほか、ディレイドデビット取引の利用可能残高が表示されている。また、画面の下部には任意精算(事前返済)によりディレイド枠が戻る旨が表示されている。画面中のテキストT2をタップすると、任意精算を行うための図9(a)の画面に遷移する。
【0089】
上記のように変形例1によれば、ディレイドデビット取引ができない場合であっても、デビット取引が可能であれば、デビット取引を行うことでキャッシュレス取引を完了させることができる。その結果、ユーザにとってさらに柔軟で利便性の高いディレイドデビット取引を提供することができる。なお、図11の処理フローは一例であり、実施形態で述べたことと同様の変形を行うことが可能である。
【0090】
<変形例2>
上記の実施形態では、ディレイドデビット取引を行う設定がされ(すなわち、ディレイド設定がオンであり)、ディレイドデビット取引が可能と判定された場合、ディレイドデビット取引が自動的に行われた。これに対して本変形例では、そのような場合であっても、キャッシュレス取引ごとに、ユーザにデビット取引を行うのか、ディレイドデビット取引を行うのかを選択させる点が異なる。
【0091】
図12は、変形例2に係る処理を示すシーケンス図の一例である。本変形例では、ステップS11において、実施形態で説明したステップS14の判定も行う。すなわち、ステップS11において、取引可否判定部213は、デビットカードを利用できない店舗・ECサイトであるかどうか、デビットカードの限度額をオーバーするかどうか、および取引金額がユーザの口座残高を超えるかどうかを判定し、いずれかに該当する場合はデビット取引が不可であると判定する。
【0092】
図12に示すように、本変形例では、ステップS13においてディレイドデビット取引が可能と判定されると、ステップS13aに進む。ステップS13aにおいて、ディレイドサーバ20の処理部21(たとえば情報取得部211)は、ユーザがデビット取引とディレイドデビット取引のどちらを選択したかを判定する。この判定は、ユーザ端末10から受信した選択情報に基づいて行われる。この選択情報は、ユーザがデビット取引およびディレイドデビット取引のいずれを希望するかを示す。選択情報は、図13の画面に対するユーザの操作に応じてユーザ端末10により作成され、ディレイドサーバ20に送信される。
【0093】
図13は、ユーザが取引種別を選択するための画面の一例を示している。この画面において、キャッシュレス取引の日付・時刻および取引金額(ご利用金額)とともに、「後で支払う」というボタンB4と、「今すぐ支払う」というボタンB5とが表示されている。ユーザがボタンB4をタップすると、ユーザ端末10は、ディレイドデビット取引が選択されたという情報をディレイドサーバ20に送信する。他方、ユーザがボタンB5をタップすると、ユーザ端末10は、デビット取引が選択されたという情報をディレイドサーバ20に送信する。
【0094】
ステップS13aにおいてデビット取引が選択されたと判定されると、ディレイドサーバ20は口座引落し指示を銀行システム30に送信する。銀行システム30は、口座引落し指示を受信すると、口座引落し処理を行う(ステップS21a)。口座引落し処理が正常に終了すると、銀行システム30は引落し完了通知をディレイドサーバ20に送信する。
【0095】
他方、ステップS13aにおいてディレイドデビット取引が選択されたと判定されると、ディレイドサーバ20は銀行システムに有効性チェックの要求を送信する。その後ディレイドサーバ20が銀行システム30から有効性チェックをクリアした旨の通知を受信すると、タンキング処理部214はタンキング処理(ステップS15)を行う。
【0096】
図14(a)は、ディレイドデビット取引が選択された場合におけるユーザ端末10の画面の一例を示している。この画面例では、キャッシュレス取引の日付・時刻および取引金額とともに、ディレイドデビット取引とされた旨および取引金額の引き落し日が表示される。
【0097】
図14(b)は、デビット取引が選択された場合におけるユーザ端末10の画面の一例を示している。この画面例では、キャッシュレス取引の日付・時刻および取引金額とともに、取引金額がユーザの口座から引き落とされた旨が表示される。
【0098】
上記のように変形例2によれば、ディレイドデビット取引を行う設定がされている場合であっても、ユーザは、キャッシュレス取引ごとに、デビット取引にするかディレイドデビット取引にするかを選択することができる。その結果、ユーザにとってさらに柔軟で利便性の高いディレイドデビット取引を提供することができる。
【0099】
なお、図12の処理フローは一例であり、実施形態で述べたことと同様の変形を行うことが可能である。
【0100】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【0101】
上述した実施形態および変形例で説明したディレイドデビット決済システムの少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、ディレイドデビット決済システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD-ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0102】
また、ディレイドデビット決済システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【符号の説明】
【0103】
1 ディレイドデビット決済システム
10 ユーザ端末
11 処理部
111 情報受付部
112 表示制御部
12 通信部
13 表示部
14 記憶部
20 ディレイドサーバ
21 処理部
211 情報取得部
212 ディレイド枠決定部
213 取引可否判定部
214 タンキング処理部
215 情報出力部
22 通信部
23 記憶部
231 ユーザ情報データベース
232 未精算取引データベース
30 銀行システム
40 購入サイトサーバ
B1,B2,B3,B4,B5 ボタン
NW 通信ネットワーク
T1,T2 テキスト
TS トグルスイッチ
【要約】
【課題】ユーザにとって柔軟で利便性の高いディレイドデビット取引を提供すること。
【解決手段】実施形態のディレイドデビット決済システム1は、ユーザからディレイドデビット取引を行うか否かの設定を受け付けるユーザ端末10と、ユーザ端末10に通信可能に接続されたディレイドサーバ20とを備え、ディレイドサーバ20は、キャッシュレス取引情報を取得する情報取得部211と、ユーザのキャッシュレス取引利用状況に基づいてディレイドデビット取引用のディレイド枠を決定するディレイド枠決定部212と、取引金額およびディレイド枠に基づいてディレイドデビット取引が可能であるかどうか判定する取引可否判定部213と、ディレイドデビット取引が可能である場合にタンキング処理を行うタンキング処理部214と、精算日が到来すると取引金額をユーザの口座から引き落とすための口座引落し指示を出力する情報出力部215とを備える。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
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