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特許7599541ユーザ機器を識別するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】ユーザ機器を識別するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/11 20180101AFI20241206BHJP
   H04W 88/12 20090101ALI20241206BHJP
   H04W 92/14 20090101ALI20241206BHJP
【FI】
H04W76/11
H04W88/12
H04W92/14
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023214835
(22)【出願日】2023-12-20
【審査請求日】2024-02-28
(31)【優先権主張番号】112145219
(32)【優先日】2023-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】390023582
【氏名又は名称】財團法人工業技術研究院
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】No.195,Sec.4,ChungHsingRd.,Chutung,Hsinchu,Taiwan 31040
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】顏 在賢
(72)【発明者】
【氏名】陳 柏▲ウェイ▼
【審査官】鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2023-519594(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0014912(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2023/0322259(US,A1)
【文献】特許第7451790(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)を識別するためのシステムであって、
前記UEの無線アクセスネットワークUE識別子(RAN UE ID)を生成するよう構成された基地局と、
前記基地局に接続された無線アクセスネットワークインテリジェントコントローラ(RIC)と
を含み、
前記UEがエンリッチメント情報プロバイダへ登録要求を提出したとき、前記基地局は前記UEのパケットを受信し、前記パケットに基づいて前記UEに対応するIPアドレスを取得し、前記パケットをコアネットワークへ送信し、
前記基地局は前記RICへ前記UEに対応する前記IPアドレスと前記RAN UE IDとを送信し、
前記RICはマッピングテーブルにおいて前記UEに対応する前記IPアドレスと前記RAN UE IDに関連付く対応付け関係を確立し、
前記コアネットワークは前記パケットを前記エンリッチメント情報プロバイダへ送信し、前記エンリッチメント情報プロバイダは前記パケットに基づいて前記UEに対応する前記IPアドレスを取得し、前記IPアドレスで前記UEの前記登録要求を受け付ける、
UEを識別するためのシステム。
【請求項2】
前記エンリッチメント情報プロバイダがエンリッチメント情報と前記IPアドレスを前記RICに送信したとき、前記RICは前記RAN UE IDを取得するため、前記IPアドレスに基づいて前記マッピングテーブルにて前記対応付け関係のクエリを行い、前記基地局は前記RAN UE IDに対応する前記UEへ前記エンリッチメント情報を送信する、
請求項1に記載のUEを識別するためのシステム。
【請求項3】
前記基地局が前記UEのネットワーク接続要求を受信したとき、前記基地局は前記UEに対応する前記RAN UE IDを前記RICへ送信し、前記RICは前記ネットワーク接続要求を完了させるため前記基地局に応答する、
請求項1に記載のUEを識別するためのシステム。
【請求項4】
前記基地局はE2インターフェイスを介して前記UEに対応する前記RAN UE IDを前記RICへ送信する、
請求項3に記載のUEを識別するためのシステム。
【請求項5】
前記基地局はE2インターフェイスを介して前記UEに対応する前記IPアドレスと前記RAN UE IDを前記RICへ送信する、
請求項1に記載のUEを識別するためのシステム。
【請求項6】
ユーザ機器(UE)を識別するための方法であって、
基地局によって前記UEに対応する無線アクセスネットワークUE識別子(RAN UE ID)を生成することと、
前記UEがエンリッチメント情報プロバイダへ登録要求を提出したとき、前記基地局によって前記UEのパケットを受信し、前記パケットに基づいて前記UEに対応するIPアドレスを取得し、前記パケットをコアネットワークへ送信することと、
前記基地局によって前記UEに対応する前記IPアドレスと前記RAN UE IDを無線アクセスネットワークインテリジェントコントローラ(RIC)へ送信することと、
前記RICによってマッピングテーブルにおいて前記IPアドレスと前記RAN UE IDに関連付く対応付け関係を確立することと、
前記コアネットワークを介して前記パケットを前記エンリッチメント情報プロバイダへ送信することであって、前記エンリッチメント情報プロバイダは前記パケットに基づいて前記UEに対応する前記IPアドレスを取得し、前記IPアドレスで前記UEの前記登録要求を受け付けることと
を含む、
UEを識別するための方法。
【請求項7】
前記エンリッチメント情報プロバイダが前記RICへエンリッチメント情報と前記IPアドレスとを送信するとき、前記RAN UE IDを取得するため、前記RICによって前記IPアドレスに基づいて前記マッピングテーブルにて前記対応付け関係のクエリを行い、前記基地局によって前記エンリッチメント情報を前記RAN UE IDに対応する前記UEへ送信すること
を含む、
請求項6に記載のUEを識別するための方法。
【請求項8】
前記基地局が前記UEのネットワーク接続要求を受信したとき、前記基地局によって前記RICへ前記UEに対応する前記RAN UE IDを送信することであって、前記RICは前記ネットワーク接続要求を完了するため前記基地局へ応答すること
を含む、
請求項6に記載のUEを識別するための方法。
【請求項9】
前記基地局はE2インターフェイスを介して前記RICへ前記UEに対応する前記RAN UE IDを送信する、
請求項8に記載のUEを識別するための方法。
【請求項10】
前記基地局はE2インターフェイスを介して前記RICへ前記UEに対応する前記IPアドレスと前記RAN UE IDとを送信する、
請求項6に記載のUEを識別するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はユーザ機器(User Equipment、UE)を識別するための技術に関するものであり、特に、エンリッチメント情報プロバイダが無線アクセスネットワーク内のUEを識別するシステム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
Open Radio Access Network(O-RAN)はオープンなインターフェイス、ソフトウェア、及びハードウェアを提供し、これは通信機器の購入又は更新をより容易にし、これによって全体的な構築コストを低下させることを可能とし、また、無線アクセスネットワークがアプリケーション要件に応じて無線リソースを最適に管理することを可能とする。O-RANはまた、RAN最適化を向上させるため、外部エンリッチメント情報サービスを取得するためのエンリッチメント情報(Enrichment Information、EI)インターフェイスを提供する。
【0003】
セキュリティ上の理由により、無線アクセスネットワークは一時的な識別子を無線アクセスネットワークUE識別子(RAN UE ID)として用いる。接続が変わるとRAN UE IDは動的に更新され、その結果、外部エンリッチメント情報プロバイダは特定UEを識別するためにRAN UE IDを取得できなくなる。
【0004】
無線アクセスネットワークが外部エンリッチメント情報プロバイダと対話するとき、無線アクセスネットワークはエンリッチメント情報UE識別子(EI UE ID)とRAN UE IDとの間の関連付けに対応することができない。このため、エンリッチメント情報の状態に基づいて無線アクセスネットワーク内の特定UEの挙動を調整することは不可能である。
【0005】
具体的には、O-RANアーキテクチャにおいて、RIC(RAN Intelligent Controller)はUEを識別するためにRAN関連ID(例えば、AMF UE NGAP ID、gNB-CU-UE E1AP ID、RAN UE ID等)を用いてよい。エンリッチメント情報プロバイダにおいて、UEを識別するために、UE IP(Internet Protocol)アドレス、IMSI、及び電話番号がIDとして用いられてよい。しかし、共通する規則がないことから、ID間の関連付けを知ることは不可能である。このため、RICがEIインターフェイスを介してエンリッチメント情報プロバイダによって送信された情報を受信したとき、どのUEが受信した情報に関係するのか分からない。
【0006】
このため、効果的にリソースを設定してネットワークシステムパフォーマンス及びユーザ体験を向上させるためにRANがエンリッチメント情報プロバイダにより提供されるエンリッチメント情報を使用することができるよう、RAN UE IDとIPアドレスとの間の関連付けを如何にして確立するかを見出すことは重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、RANが効果的にリソースを設定してネットワークシステムパフォーマンス及びユーザ体験を向上させることができるよう、RAN UE IDとIPアドレスとの間の対応を如何にして確立するかを見出すことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、基地局と無線アクセスネットワークインテリジェントコントローラ(RIC)とを含む、ユーザ機器(UE)を識別するためのシステムを提供する。基地局は、UEのRAN UE識別子(RAN UE ID)を生成するよう構成され、RICネットワークは基地局に接続する。基地局はRICからUEに対応するRAN UE IDを取得する。UEがエンリッチメント情報プロバイダに登録要求を提出したとき、基地局はUEのパケットを受信し、該パケットに基づいてUEに対応するIPアドレスを取得し、該パケットをコアネットワークに送信する。基地局はUEに対応するIPアドレスとRAN UE IDをRICに送信する。RICは、マッピングテーブルに、UEのIPアドレスとRAN UE IDとに関連付く対応付け関係を確立する。コアネットワークは該パケットをエンリッチメント情報プロバイダに送信し、エンリッチメント情報プロバイダは該パケットに基づいてUEに対応するIPアドレスを取得し、該IPアドレスでUEの登録要求を受け付ける。
【0009】
本発明の1つの実施形態において、エンリッチメント情報プロバイダがエンリッチメント情報とIPアドレスをRICに送信したとき、RICはRAN UE IDを取得するため、IPアドレスに基づいてマッピングテーブルにて対応付け関係のクエリを行い、基地局はRAN UE IDに対応するUEへエンリッチメント情報を送信する。
【0010】
本発明の1つの実施形態において、基地局がUEのネットワーク接続要求を受信したとき、基地局はUEに対応するRAN UE IDをRICへ送信し、RICはネットワーク接続要求を完了させるため基地局に応答する。
【0011】
本発明の1つの実施形態において、基地局はE2インターフェイスを介してUEに対応するRAN UE IDをRICへ送信する。
【0012】
本発明の1つの実施形態において、基地局はE2インターフェイスを介してUEに対応するIPアドレスとRAN UE IDをRICへ送信する。
【0013】
本発明は、ユーザ機器(UE)を識別するための方法を更に提供し、該方法は、基地局によってUEに対応するRAN UE識別子(RAN UE ID)を生成することと、UEがエンリッチメント情報プロバイダへ登録要求を提出したとき、基地局はUEからパケットを受信し、該パケットに基づいてUEに対応するIPアドレスを取得し、該パケットをコアネットワークへ送信することとを含む。基地局は、UEに対応するIPアドレスとRAN UE IDをRICへ送信する。RICは、マッピングテーブルにおいて、UEのIPアドレスとRAN UE IDとに関連付く対応付け関係を確立する。コアネットワークは該パケットをエンリッチメント情報プロバイダへ送信し、エンリッチメント情報プロバイダは該パケットに基づいてUEに対応するIPアドレスを取得し、該IPアドレスでUEの登録要求を受け付ける。
【発明の効果】
【0014】
上記に基づき、本発明が提供するUEを識別するための方法及びシステムは、UEが基地局に接続したとき、RICからRAN UE IDを取得することができる。UEがパケットを送信した後、パケットは基地局を通過し、基地局はパケット中のUEのIPアドレスを取得し、RICにおいてRAN UE IDとIPアドレスとの間のマッピングテーブルを確立する。エンリッチメント情報プロバイダがRICと通信するためにUEに関連付くIPアドレスを使用したとき、テーブルを調べることにより、どのUEを無線リソース制御のために用いるかを知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の1つの実施形態によるUEを識別するためのシステムの概略図である。
図2】本発明の1つの実施形態によるUEを識別するための方法のフロー図である。
図3】本発明の1つの実施形態による、無人航空機を識別するためにハンドオーバー判定を行うため、RIC上の位置支援ハンドオーバーアプリケーションを使用するシステムの概略図である。
図4】本発明の1つの実施形態による無人航空機を識別するための方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、添付図面を参照して本発明の例示的な実施形態を詳細に説明する。以下の説明で用いる部材符号は、異なる図面間で同一の部材符号が出現する場合には同一又は類似の部材と見なされる。これらの例示的な実施形態は本発明の一部にすぎず、本発明の全ての潜在的な実施を開示するものではない。むしろ、これらの例示的な実施形態は、本発明の特許請求の範囲内の方法、装置、及びシステムの単なる例にすぎない。
【0017】
図1は、本発明の1つの実施形態によるUE11とUE15を識別するためのシステム1の概略図である。図1を参照し、UE11を識別するシステム1は基地局12と無線アクセスネットワークインテリジェントコントローラ(RIC)13とを含み、RIC13ネットワークは基地局12に接続する。
【0018】
ハードウェアアーキテクチャの面で、5G NR通信システムは主に無線アクセスネットワーク(RAN)とコアネットワークとを含む。RAN121は主に基地局12から成り、UE11に無線アクセスサービス及び関連する管理機能を提供し、コアネットワーク(未図示)は主にUE11にインターネットアクセスサービス及び関連する管理機能を提供する。基地局12は5G NR通信システムにおける次世代Node B(gNB)5G基地局であってよく、コアネットワークは次世代コア(Next Generation Core、NGC)であってよい。
【0019】
RIC13はO-RANアーキテクチャ中のソフトウェアで定義された構成装置であり、RAN機能の制御及び最適化を担当し、RANを動作可能で、インテリジェントで、機敏で、プログラム可能とし、リアルタイム及び非リアルタイム管理機能を備える。RIC13は、UE11のRAN UE識別子(RAN UE ID)を生成するよう構成される。
【0020】
図2は、本発明の1つの実施形態によるUE11と15を識別するための方法2のフロー図である。具体的にはシステム1においてUE11と15を識別するために使用される基地局12とRIC13との協働により、UE11とUE15を識別する方法2が実行され、RIC13がマッピングテーブルにおいてRAN UE IDとUE11及びUE15のIPアドレスとの間の対応付け関係を確立することが可能となり、エンリッチメント情報プロバイダEが無線アクセスネットワーク内のUE11とUE15を識別することができる。UE11とUE15を識別するための方法2は、ステップS201~S204、S221~S230、S241を含む。
【0021】
図1図2を同時に参照し、UE11とUE15が基地局12との接続確立を完了する前は、RIC13のマッピングテーブルにおいてRAN UE IDとUE11及びUE15のIPアドレスとの間の対応付け関係は未だ確立されていない。先ず、UE11と基地局12との間の接続の確立を説明する。
【0022】
ステップS201にて、UE11が基地局12からネットワークサービスを取得する場合、UE11は基地局12へ接続確立/再確立要求、即ちネットワーク接続要求を開始する。ステップS202にて、基地局12がUE11のネットワーク接続要求を受信した後、基地局12はUE11に割り当てるRAN UE IDを生成し、UE11に割り当てられたRAN UE IDをRIC13のE2インターフェイスを介してRIC13へ送信する。1つの実施形態において、基地局12はE2インターフェイスを介してUE11に対応するRAN UE IDをRIC13へ送信する。ステップS203にて、RIC13は基地局12に応答する。ステップS204にて、ネットワーク接続要求が完了する。
【0023】
ステップS204が完了すると、即ち、基地局12がネットワーク接続確立を完了すると、RIC13のマッピングテーブルにおいてRAN UE IDとUE11のIPアドレスとの間の対応付け関係を確立することができる。
【0024】
ステップS221にて、UE11がエンリッチメント情報プロバイダEへ登録要求を提出するとき、基地局12はUE11のパケットを受信する。
【0025】
ステップS222にて、基地局12はUE11のパケットを受信し、該パケットに基づいてUE11に対応するIPアドレスを取得する。ステップS223にて、基地局12はパケットをコアネットワーク14へ送信する。
【0026】
ステップS224にて、基地局12はUE11に対応するIPアドレスとRAN UE IDをRIC13へ送信する。1つの実施形態において、基地局12はE2インターフェイスを介してUE11に対応するIPアドレスとRAN UE IDをRIC13へ送信する。ステップS225にて、RIC13はマッピングテーブルにおいてUE11のIPアドレスとRAN UE IDに関連付く対応付け関係を確立する。表1はRIC13のUE11のIPアドレスとRAN UE IDに関連付く対応付け関係を含むマッピングテーブルの一例である。
【0027】
【表1】
【0028】
ステップS226にて、コアネットワーク14はパケットをエンリッチメント情報プロバイダEへ送信し、エンリッチメント情報プロバイダEは該パケットに基づいてUE11に対応するIPアドレスを取得する。ステップS227にて、エンリッチメント情報プロバイダEはUE11に対応するIPアドレスでUE11の登録要求を受け付ける。
【0029】
ステップS228にて、エンリッチメント情報プロバイダEがエンリッチメント情報とUEに対応するIPアドレスとをRIC13へ送信したとき、RIC13はUE11に対応するRAN UE IDを取得するため、UE11に対応するIPアドレスに基づいてマッピングテーブルにて対応付け関係のクエリを行う。具体的には、RIC13がUE11に対してリソース制御を実行するとき、RIC13はUE11に対応するIPアドレスに基づいてマッピングテーブルからUE11に対応するRAN UE IDを取得してよく、ステップS229にて、RAN UE IDを含む制御要求を基地局12へ送信する。ステップS230にて、基地局12はRAN UE IDに対応するUE11へエンリッチメント情報を送信し、UE11のために関連する設定を行う。
【0030】
もう1つのユーザ機器(UE15)が基地局12からネットワークサービスを取得したいとき、ステップS241にて、UE15は基地局12へネットワーク接続要求を開始し、ステップS202~S204に類似の動作を実行することによってネットワーク接続要求を完了する。UE15と基地局12がネットワーク接続確立を完了すると、RIC13のマッピングテーブルにおいてRAN UE IDとUE15のIPアドレスとの間の対応付け関係を確立するため、ステップS221~S225に類似の動作が実行されてよい。次いで、UE15のパケットをコアネットワーク14を介してエンリッチメント情報プロバイダEへ送信するため、ステップS226~S230に類似の動作が実行されてよい。エンリッチメント情報プロバイダEは該パケットに基づいてUE15に対応するIPアドレスを取得し、UE15の登録要求を受け付けるためUE15に対応するIPアドレスを用いる。エンリッチメント情報プロバイダEがエンリッチメント情報とUE15に対応するIPアドレスとをRIC13へ送信したとき、RIC13はUE15に対応するRAN UE IDを取得するため、UE15に対応するIPアドレスに基づいてマッピングテーブルにて対応付け関係のクエリを行う。
【0031】
UEが1つのネットワークからもう1つのネットワークへ切り換える手順をハンドオーバー手順と呼ぶ。通常、UEはハンドオーバー手順を行うか判定するため周囲の基地局の信号強度を測定し、UEが報告を行う間隔は、20ms、40ms、80ms、160ms等である。
【0032】
図3は、本発明の1つの実施形態による、無人航空機(UAV)31とUAV35を識別するためにハンドオーバー判定を行うため、RIC33上の位置支援ハンドオーバーアプリケーション331を使用するシステム3の概略図である。図1を参照し、UAV31とUAV35を識別するためのシステム3は、基地局32とRIC33とを含む。RIC33はネットワークを介して基地局12に接続し、RIC33は位置支援ハンドオーバーAPP331を有する。この例は、UAV31とUAV35の位置情報を提供するために超広帯域(Ultra Wide Band、UWB)ロケーションプロバイダUを用いる。RIC33上の位置支援ハンドオーバーAPP331はハンドオーバー判定を行い、UWBロケーションプロバイダUがUAV31とUAV35に報告する間隔は10msであってよい。
【0033】
図4は、本発明の1つの実施形態によるUAV31とUAV35を識別するための方法4のフロー図である。具体的には、システム3においてUAV31とUAV35を識別するために使用される基地局32とRIC33との協働により、UAV31とUAV35を識別する方法2が実行され、RIC33はマッピングテーブルにおいてRAN UE IDとUAV31とUAV35のIPアドレスとの間の対応付け関係を確立することが可能となり、UWBロケーションプロバイダUは無線アクセスネットワークにおいてUAV31とUAV35を識別することができる。UAV31とUAV35を識別するための方法4は、ステップS401~S404、S421~S430、S441を含む。
【0034】
図3図4を同時に参照し、UAV31及びUAV35と基地局32との間の接続確立が完了する前は、RAN UE IDとUAV31及びUAV35のIPアドレスとの間の対応付け関係はRIC33のマッピングテーブルにおいて未だ確立されていない。先ず、UAV31と基地局32との間の接続確立を説明する。
【0035】
ステップS401にて、UAV31が基地局12からネットワークサービスを取得したい場合、UAV31は基地局12に対して接続確立/再確立要求、即ちネットワーク接続要求を開始する。ステップS402にて、基地局32がUAV31のネットワーク接続要求を受信したとき、基地局32はUAV31に割り当てるRAN UE IDを生成し(例えば、21485977652)、UAV31に割り当てたRAN UE IDをRIC33へ送信するためRIC33のE2インターフェイスを用いる。1つの実施形態において、基地局32はE2インターフェイスを介してUAV31に対応するRAN UE IDをRIC33へ送信する。ステップS403にて、RIC33は基地局32へ応答する。ステップS404にて、ネットワーク接続要求が完了する。
【0036】
ステップS404が完了すると、即ち、UAV31と基地局32がネットワーク接続確立を完了すると、RIC33のマッピングテーブルにおいてRAN UE IDとUAV31のIPアドレスとの間対応付け関係が確立されてよい。
【0037】
ステップS421にて、UAV31がUWBロケーションプロバイダUへ登録要求を提出するとき、基地局32はUAV31のパケットを受信する。
【0038】
ステップS422にて、基地局32はUAV31のパケットを受信し、該パケットに基づいてUAV31に対応するIPアドレス(例えば、10.101.129.7)を取得する。ステップS423にて、基地局32はコアネットワーク34へパケットを送信する。
【0039】
ステップS424にて、基地局32はUAV31に対応するIPアドレスとRAN UE IDをRIC33へ送信する。1つの実施形態において、基地局32はE2インターフェイスを介してUAV31に対応するIPアドレスとRAN UE IDをRIC33へ送信する。ステップS425にて、RIC33はマッピングテーブルにおいてUAV31のIPアドレスとRAN UE IDに関連付く対応付け関係を確立する。表1はRIC33のマッピングテーブルの一例であり、UAV31のIPアドレスとRAN UE IDに関連付く対応付け関係を含む。
【0040】
ステップS426にて、コアネットワーク34はUWBロケーションプロバイダUへパケットを送信し、UWBロケーションプロバイダUは該パケットに基づいてUAV31に対応するIPアドレスを取得する。ステップS427にて、UWBロケーションプロバイダUはUAV31に対応するIPアドレスでUAV31の登録要求を受け付ける。
【0041】
ステップS428にて、UWBロケーションプロバイダUがRIC33へエンリッチメント情報とUAV31に対応するIPアドレスとを送信したとき、RIC33はUAV31に対応するRAN UE IDを取得するため、UAV31に対応するIPアドレスに基づいてマッピングテーブルにて対応付け関係のクエリを行う。具体的には、RIC33がUAV31に対してリソース制御を実行したいとき、RIC33はUAV31に対応するIPアドレスに基づいてマッピングテーブルからUAV31に対応するRAN UE IDを取得してよく、ステップS429にて、RAN UE IDを含む制御要求を基地局12へ送信する。ステップS430にて、基地局32はRAN UE IDに対応するUAV31へエンリッチメント情報を送信し、UAV31のために関連する設定を行う。
【0042】
もう1つの無人航空機(UAV35)が基地局32からネットワークサービスを取得したいとき、ステップS441にて、UAV35は基地局32に対してネットワーク接続要求を開始し、ステップS402~S404に類似の動作を実行することによってネットワーク接続要求を完了する。UAV35と基地局32がネットワーク接続確立を完了すると、RIC33のマッピングテーブルにおいてRAN UE IDとUAV35のIPアドレスとの間の対応付け関係を確立するため、ステップS421~S425に類似の動作が実行されてよい。次いで、UAV35のパケットをコアネットワーク34を介してUWBロケーションプロバイダUへ送信するため、ステップS426~S430に類似の動作が実行される。UWBロケーションプロバイダUは該パケットに基づいてUAV35に対応するIPアドレスを取得し、UAV35の登録要求を受け付けるためにUAV35に対応するIPアドレスを用いる。UWBロケーションプロバイダUがRIC33へエンリッチメント情報とUAV35に対応するIPアドレスとを送信したとき、RIC33はUAV35に対応するRAN UE IDを取得するため、UAV35に対応するIPアドレスに基づいてマッピングテーブルにて対応付け関係のクエリを行う。
【0043】
もう1つの無人航空機(UAV35)が基地局32からネットワークサービスを取得したいとき、ステップS441にて、UAV35は基地局32に対してネットワーク接続要求を開始し、ステップS402~S404に類似の動作を実行することによってネットワーク接続要求を完了する。UAV35と基地局32がネットワーク接続確立を完了すると、RIC33のマッピングテーブルにおいてRAN UE IDとUAV35のIPアドレスとの間の対応付け関係を確立するため、ステップS421~S425に類似の動作が実行されてよい。次いで、UAV35のパケットをコアネットワーク34を介してUWBロケーションプロバイダUへ送信するため、ステップS426~S430に類似の動作が実行される。UWBロケーションプロバイダUは該パケットに基づいてUAV35に対応するIPアドレスを取得し、UAV35の登録要求を受け付けるためにUAV35に対応するIPアドレスを用いる。UWBロケーションプロバイダUがRIC33へエンリッチメント情報とUAV35に対応するIPアドレスとを送信したとき、RIC33はUAV35に対応するRAN UE IDを取得するため、UAV35に対応するIPアドレスに基づいてマッピングテーブルにて対応付け関係のクエリを行う。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明におけるUEを識別するためのシステム及び方法は、ネットワークシステムに応用することができる。
【符号の説明】
【0045】
1、3:システム
2、4:方法
11、15:ユーザ機器
12、32:基地局
13、33:無線アクセスネットワークインテリジェントコントローラ
14、34:コアネットワーク
121:無線アクセスネットワーク
31、35:無人航空機
331:位置支援ハンドオーバーアプリケーション
E:エンリッチメント情報プロバイダ
S201、S202、S203、S204、S221、S222、S223、S224、S225、S226、S227、S228、S229、S230、S241、S401、S402、S403、S404、S421、S422、S423、S424、S425、S426、S427、S428、S429、S430、S441:ステップ
U:超広帯域(UWB)ロケーションプロバイダ
【要約】      (修正有)
【課題】ユーザ機器(UE)を識別する方法及びシステムを提供する。
【解決手段】Open Radio Access Network(O-RAN)において、方法は、基地局がUEに対応するRAN UE IDを生成し、UEがエンリッチメント情報プロバイダへ登録要求を提出したとき、基地局がUEのパケットを受信し、該パケットに基づきUEに対応するIPアドレスを取得し、該パケットをコアネットワークへ送信し、RICへUEに対応するIPアドレスとRAN UE IDとを送信し、RICがマッチングテーブルにおいてUEに対応するIPアドレスとRAN UE IDに関連付く対応付け関係を確立し、コアネットワークを介して該パケットをエンリッチメント情報プロバイダへ送信し、該パケットに基づいてUEに対応するIPアドレスを取得し、エンリッチメント情報プロバイダによって該IPアドレスで登録要求を受け付ける。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4