(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】蓄電池システムおよび蓄電池システムの充放電制御方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241206BHJP
【FI】
H02J7/00 302C
(21)【出願番号】P 2023528870
(86)(22)【出願日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 JP2021022983
(87)【国際公開番号】W WO2022264346
(87)【国際公開日】2022-12-22
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002941
【氏名又は名称】弁理士法人ぱるも特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原 聡
【審査官】赤穂 嘉紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/239640(WO,A1)
【文献】特開2020-114055(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/00-7/12
H02J 7/34-7/36
H01M 10/42-10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池モジュールと変換器の組が複数接続され、前記蓄電池モジュールの充放電を制御する充放電制御装置を備えた蓄電池システムであって、
前記充放電制御装置は、
前記蓄電池モジュールの電流、電圧および温度ならびに前記変換器の電流および電圧を含む情報を取得し、
取得した前記情報をもとに前記変換器の変換効率を推定する変換器効率推定部と、
取得した前記情報をもとに少なくとも前記蓄電池モジュールの定格容量を含む蓄電池性能を推定する蓄電池性能推定部と、
前記変換器効率推定部で推定された前記変換器の変換効率をもとに複数の前記組を1または複数の群に分別するとともに、分別された前記群ごとに設定された目標変換効率を超えるように前記蓄電池モジュールの出力下限値を決定する出力下限値決定部と、を備え、
前記出力下限値決定部は、分別された前記群ごとに前記蓄電池モジュールの定格容量に基づいて前記蓄電池モジュールの出力下限値を決定する、蓄電池システム。
【請求項2】
複数の前記蓄電池モジュールは、蓄電池性能の異なるものを含む、請求項1に記載の蓄電池システム。
【請求項3】
複数の前記変換器は、変換器特性の異なるものを含む、請求項1または2に記載の蓄電池システム。
【請求項4】
前記出力下限値決定部は、前記群内では前記蓄電池モジュールの定格容量が大きいほど出力下限値を大きくする、請求項1から3のいずれか1項に記載の蓄電池システム。
【請求項5】
蓄電池モジュールと変換器の組が複数接続された蓄電池システムの充放電制御方法であって、
前記蓄電池モジュールの電流、電圧および温度ならびに前記変換器の電流および電圧を含む情報を取得するステップと、
取得した前記情報をもとに、前記変換器の変換効率を推定するステップと、
推定された前記変換器の変換効率から、複数の前記蓄電池モジュールを変換器特性ごとに蓄電池モジュールの群に分別するステップと、
取得した前記情報をもとに、前記蓄電池モジュールの定格容量を含む蓄電池性能を推定する蓄電池性能推定ステップと、
前記群に分別するステップで分別された群内で、設定された群の目標変換効率に対応する群の出力下限値を前記蓄電池モジュールの性能によって配分し、前記蓄電池モジュールの出力下限値を決定するステップと、
を備えた蓄電池システムの充放電制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、蓄電池システムおよび蓄電池システムの充放電制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車およびハイブリット自動車の増加に伴い、劣化した電池および車種によって特性の異なる電池、例えば、電圧および容量が異なるモジュール構成の電池、あるいは電池を構成する電池材料が異なるもの等の再利用方法が検討されている。また、出力の大きな電気自動車で使用できなくなった電池は、出力の小さな定置用途での再利用方法が検討されている。
【0003】
再利用方法として、最小単位である電池セルまで分解して、劣化が同程度の電池を再度構成して使用する方法と、電池モジュールまで分解し、そのまま使用する再利用方法が検討されている。最小単位である電池セルまで分解して、再構成する方法はコストが高いため、電池モジュールまで分解し、定置用途で再利用する方法が注目されている。現状では、劣化が同程度の電池および同種類の電池など特性が同等な電池の適用に留まっている。
【0004】
一方、系統向け大容量蓄電池システムなど、大型の蓄電池システムへの利用においては、容量および劣化状態などの特性が異なる蓄電池モジュールを効率よく使用する制御技術が望まれている。大容量蓄電池システムは、複数の蓄電池モジュールで構成されており、各蓄電池モジュールの出力を制御することで蓄電池システムの効率が向上する。また、各蓄電池モジュールに接続され各蓄電池モジュールの出力電力を変換する変換器は、蓄電池モジュールの出力が低い領域において効率が低くなるため、効率向上のためには特に低出力領域における制御方法の開発が課題である。
【0005】
これに対し、蓄電池と変換器の組が複数並列に電力系統に接続された蓄電池システムの制御方式であって、複数の蓄電池と変換器の組による充放電総電力を複数の蓄電池と変換器の組に分配する電力分配決定部を備え、電力分配決定部において、変換器の変換効率が基準効率以上となるときの限界出力と充放電総電力を比較し、充放電総電力が限界出力以上である時、運転する全ての蓄電池と変換器の組の出力を限界出力以上とするように運転台数を決定することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1には、さらに、運転することに決定した全ての蓄電池と変換器の組について、充電量の上限下限の余裕度に応じ出力配分が決定されること、および各組の余寿命管理の観点から運転する組を選択することも開示されている。しかし、蓄電池の容量のばらつきは考慮されているものの、中古電池など特性の異なる蓄電池モジュールを組み合わせた場合、あるいは変換器の効率が異なっている場合については考慮されていない。
【0008】
本願は、上記の課題を解決するための技術を開示するものであり、特性の異なる蓄電池モジュールおよび特性の異なる変換器を備えていても、効率よく運転可能な蓄電池システムおよび蓄電池システムの充放電制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願に開示される蓄電池システムは、
蓄電池モジュールと変換器の組が複数接続され、前記蓄電池モジュールの充放電を制御する充放電制御装置を備えた蓄電池システムであって、
前記充放電制御装置は、
前記蓄電池モジュールの電流、電圧および温度ならびに前記変換器の電流および電圧を含む情報を取得し、
取得した前記情報をもとに前記変換器の変換効率を推定する変換器効率推定部と、
取得した前記情報をもとに少なくとも前記蓄電池モジュールの定格容量を含む蓄電池性能を推定する蓄電池性能推定部と、
前記変換器効率推定部で推定された前記変換器の変換効率をもとに複数の前記組を1または複数の群に分別するとともに、分別された前記群ごとに設定された目標変換効率を超えるように前記蓄電池モジュールの出力下限値を決定する出力下限値決定部と、を備え、
前記出力下限値決定部は、分別された前記群ごとに前記蓄電池モジュールの定格容量に基づいて前記蓄電池モジュールの出力下限値を決定する、ものである。
【発明の効果】
【0010】
本願に開示される蓄電池システムおよび蓄電池システムの充放電制御方法によれば、特性の異なる蓄電池モジュールおよび特性の異なる変換器を備えていても、変換効率の低い低出力領域においても効率よく運転可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態1に係る蓄電池システムの構成を示す概略図である。
【
図2】実施の形態1に係る充放電制御装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】実施の形態1に係る蓄電池システムが具備する蓄電池ユニットの電力変換について説明するための図である。
【
図4】実施の形態1に係る蓄電池システムが具備する蓄電池ユニットの変換器の一例を示す構成図である。
【
図5】蓄電池モジュールの出力下限値の決定方法を説明するための図で、
図5Aは特性が同じ蓄電池ユニットをn個用いた例の構成および変換効率曲線を示す図、
図5Bは特性が同じ蓄電池ユニットをn―2個用いた例の構成および変換効率曲線を示す図である。
【
図6】実施の形態1に係る充放電制御装置の出力下限値決定部による出力下限値の決定方法を説明するための図で、一部に特性の異なる蓄電池モジュールを用いた場合の構成図および変換効率曲線を示す図である。
【
図7】
図6で示した第1のユニット群における各蓄電池モジュールの定格容量、係数(定格容量比)、出力下限値を示す図である。
【
図8】
図6で示した第2のユニット群における各蓄電池モジュールの定格容量、係数(定格容量比)、出力下限値を示す図である。
【
図9】
図6で示した第1のユニット群の蓄電池モジュールの具体例を説明する図である。
【
図10】
図9で示した蓄電池モジュールの出力下限値の算出方法を説明するための図および算出結果を示す図である。
【
図11】
図6で示した第2のユニット群112の蓄電池モジュールの具体例を説明する図である。
【
図12】
図11で示した蓄電池モジュールの出力下限値の算出方法を説明するための図および算出結果を示す図である。
【
図13】実施の形態1に係る充放電制御装置において各蓄電池モジュールの出力下限値を決定する手順を示すフローチャートである。
【
図14】実施の形態1に係る充放電制御装置による制御の効果を説明するための図で、
図14Aは比較例である出力下限値が固定の場合、
図14Bは実施の形態1に係る充放電制御装置によって出力下限値が決定された場合の図である。
【
図15】比較例である出力下限値が固定の場合の蓄電池モジュールの劣化推移を説明するための図である。
【
図16】実施の形態1に係る充放電制御装置によって出力下限値が決定された場合の蓄電池モジュールの劣化推移を説明するための図である。
【
図17】比較例である出力下限値が固定の場合の蓄電池モジュールの交換頻度と維持コストを説明するための図である。
【
図18】実施の形態1に係る充放電制御装置によって出力下限値が決定された場合の蓄電池モジュールの交換頻度と維持コストを説明するための図である。
【
図19】実施の形態1に係る充放電制御装置のハードウエア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本実施の形態について図を参照して説明する。なお、各図中、同一符号は、同一または相当部分を示すものとする。
【0013】
実施の形態1.
以下、実施の形態1に係る蓄電池システムについて図を用いて説明する。
図1は、実施の形態1に係る蓄電池システムの構成を示す概略図である。
図1において、蓄電池システム100は、複数の蓄電池ユニット110と充放電制御装置101を備えている。各蓄電池ユニット110は、蓄電池モジュール102と変換器103を備え、接続部106を介して、他の蓄電池ユニット110および負荷または電源に接続されている。
蓄電池モジュール102は、最小単位の電池セル104が複数直列または並列に接続されており、それを監視、制御するバッテリマネジメントユニット(Battery Management Unit、以下BMUと称す)105を有している。
【0014】
蓄電池システム100において、複数の蓄電池ユニット110が
図1のように直列接続されていれば、各変換器103の電圧V
1、・・、V
nを制御し、複数の蓄電池ユニット110が並列接続されていれば、各変換器103の電流I
1、・・、I
nを制御することで、間接的に各蓄電池モジュール102の電流I
b1、・・、I
bnもしくは電圧V
b1、・・、V
bnを制御可能となる。
充放電制御装置101は、各蓄電池モジュール102の情報を取得し、負荷もしくは電源に対する要求出力あるいは入力を各蓄電池ユニット110に分配する装置である。
【0015】
変換器103は、一例は後述するが、蓄電池モジュール102の直流電流を交流電流に変換するAC/DC変換器、あるいは蓄電池モジュール102の電圧を任意の電圧に変換するDC/DC変換器等が用いられる。
【0016】
各蓄電池モジュール102の電池セル104は、充放電可能な二次電池であり、例えばリチウムイオン電池、ニッケル水素電池および鉛蓄電池等のいずれかである。
BMU105は、電池セル104の過充電、過放電、過電圧、過電流、温度異常などを防止する目的で、上下限電圧、最大充放電電流、最大セル温度が設定され、保護機能および電圧計測、電流計測、電力計測、温度計測、満充電管理および残容量管理等の電池セル104の状態監視機能を有する。
【0017】
接続部106は、蓄電池モジュール102と変換器103とを、および変換器103と他の変換器103もしくは負荷または電源とを接続する。なお、蓄電池ユニット110は接続部106により、変換器103と蓄電池モジュール102のBMU105を除く電池セル104群もしくは電池セル104群のみを交換可能な構成と想定している。
【0018】
図2は、実施の形態1に係る充放電制御装置101の構成を示す機能ブロック図である。
図2において、充放電制御装置101は、電流取得部200、電圧取得部201、温度取得部202、変換器効率推定部203、蓄電池性能推定部204および出力下限値決定部205を備えている。なお、図では例として複数の蓄電池ユニット110のうちの1つを示し、充放電制御装置101との情報の流れを説明している。
【0019】
電流取得部200、電圧取得部201および温度取得部202は、それぞれ蓄電池モジュール102の電流、電圧および温度を、変換器103を介して取得する。取得した電流値と電圧値を用いて、変換器効率推定部203にて、変換器103の変換効率を計算する。なお、変換器103の詳細な構成は後述するが、変換器103は蓄電池モジュール102の電流、電圧を計測可能な構成が望ましい。
【0020】
ここで、
図3を用いて蓄電池モジュール102の出力P
b1と変換器出力P
1の関係を説明する。
図3の変換器103と蓄電池モジュール102を備えた蓄電池ユニット110において、蓄電池モジュール102の出力P
b1は変換器103の変換効率Ceを用いて、
P
b1=Ce・P
1 ・・・(1)
と表される。ここで、蓄電池モジュールの電圧をV
b1、電流をI
b1、変換後の電圧をV
1、電流をI
1とすると式(1)は、
V
b1・I
b1=Ce・V
1・I
1 ・・・(2)
となる。
【0021】
式(2)から、蓄電池モジュールの電流I
b1は、次式(3)のようになる。
【数1】
なお、
図3に示すように、蓄電池ユニット1に備わる蓄電池モジュール1のように、蓄電池ユニットの番号と蓄電池モジュールの番号は対応しており、以下も同様な扱いとする。
【0022】
上述したように、変換器103の電圧、電流を制御することにより、間接的に蓄電池モジュール102の電流を制御可能であることがわかる。本実施の形態では、変換器103に電圧計測、電流計測機能を持たせているが、蓄電池モジュール102内にて計測を実施し、BMU105がそれらを取得してもよい。その場合でも、充放電制御装置101でそれらの情報がBMU105からあるいはBMU105から変換器103を経由して取得可能であればよい。
【0023】
次に、充放電制御装置101の蓄電池性能推定部204について説明する。
蓄電池性能推定部204は、蓄電池モジュール102の蓄電池性能として劣化および定格容量を推定する機能を有する。蓄電池モジュール102の劣化の推定は、一般的な方法でよく、本実施の形態では、オームの法則を用いた抵抗を算出する方法について説明する。蓄電池モジュールの抵抗値Rbnは蓄電池モジュールの劣化と相関があり、時間の経過とともに抵抗値を追跡することで、蓄電池の劣化がわかる。ある時刻における蓄電池モジュールの電圧Vbnと電流Ibnを取得し、
Rbn=Vbn/Ibn
から算出することが可能である。
抵抗算出の時刻は任意でよいが、抵抗値は充電状態および温度によって変化するため、充電状態および温度が同じ状態であると誤差が少なく、正確な劣化状態を検知することができる。
【0024】
また、定格容量は、蓄電池モジュールに蓄えられることが可能な電気量を意味し、蓄電池モジュールの制御範囲内(例えば、セル電圧2.5Vから4.2Vの電圧範囲)において充電した時の電流の総和である。
【0025】
本実施の形態で想定しているような、特性の異なる蓄電池モジュール102を具備する蓄電池システム100の場合には、劣化が進行し、定格容量が小さくなった蓄電池モジュール102および異なる定格容量の蓄電池モジュール102が蓄電池システム100内で接続される場合がある。そのため、各蓄電池モジュール102に対し、定格容量の推定を実施し、制御に利用する。推定方法は、上述したように蓄電池モジュール102の規定範囲内(例えば、セル電圧2.5Vから4.2Vの電圧範囲)において充電した時の電流の総和でも良いが、各蓄電池モジュール102のBMU105から送付される定格容量を用いてもよい。
【0026】
ここで、
図4を用いて変換器103の構成について説明する。
図4は、蓄電池ユニット110に備わる変換器103の一例を示す構成図である。変換器103は、蓄電池モジュール102の電圧V
bの昇圧あるいは降圧を実施する機能を有する。
図4では、トランスを挟んで蓄電池モジュール側にスイッチング素子SW1からスイッチング素子SW4で構成されたフルブリッジ回路を備え、負荷および電源側にスイッチング素子SW11からスイッチング素子SW14で構成されたフルブリッジ回路を備えた絶縁型変換器の一例を示している。変換器103、このような回路構成に限るものではなく、他の回路構成でもよいし、絶縁型、非絶縁型のいずれの構成でも良い。
【0027】
変換器103は、蓄電池モジュール102の電圧Vbの昇圧あるいは降圧を行うために、各スイッチング素子のオンオフ駆動用の制御指令を送信する。また、変換器103は、電圧計301、電流計302を有し、計測された蓄電池モジュール102の電圧Vbn、電流Ibnは制御器303に送信される。さらに、変換器103は、電流計304、電圧計305を有し、電流計304、電圧計305で計測された変換器103の電流In、電圧Vnも制御器303に送信される。制御器303に集約されたこれら情報は電池情報として充放電制御装置101に送信される。
【0028】
また、この蓄電池システム100の特徴として、蓄電池ユニット110が直列接続の場合には各蓄電池ユニット110の電圧の総和が、電源および負荷に要求される電圧Vである必要があるため、
V1+V2+・・・+Vn=V
が成立する。蓄電池ユニット110が並列接続の場合には各蓄電池ユニット110の電流の総和が、電源および負荷に要求される電流Iである必要があるため、
I1+I2+・・・+In=I
が成立する。
【0029】
変換器103に電圧計測、電流計測機能を持たせているが、蓄電池モジュール102の電圧Vbn、電流IbnはBMU105で計測を実施し、充放電制御装置101へ送信してもよい。送信する場合であっても、充放電制御装置101で電圧、電流の情報が取得可能であれば問題ない。
【0030】
このように、充放電制御装置101の蓄電池性能推定部204では、変換器103で取得した、あるいはBMU105から取得した蓄電池モジュールの電圧Vbnと電流Ibnから上述したオームの法則により、各蓄電池モジュールの劣化状態が推定できる。また、定格容量も、上述したように変換器103で取得した蓄電池モジュールの電圧Vbnと電流Ibnから算出可能である。また、予め蓄電池モジュールの定格容量が判明している場合には、BMU105から入手すればよく、変換器103から取得する必要はない。
なお、BMU105から蓄電池制御情報として、蓄電池モジュールの電圧Vbn、電流Ibnおよび温度を変換器103の制御器303に送信してもよい。
【0031】
次に、充放電制御装置101の出力下限値決定部205について説明する。出力下限値決定部205は、変換器効率推定部203で推定された変換器の変換効率、および蓄電池性能推定部204で推定された蓄電池モジュール102の劣化および蓄電池モジュール102の定格容量を用いて、蓄電池モジュール102の低負荷領域における出力制限値を算出し決定する。以下に、出力制限値である出力下限値の算出方法について説明する。
【0032】
図5は、蓄電池モジュールの出力下限値を決定する方法を説明するための図で、
図5Aは特性が同じ蓄電池ユニット110をn個用いた例、
図5Bは特性が同じ蓄電池ユニット110をn―2個用いた例である。ここで、同じ特性とは、各蓄電池ユニット110の変換器103は全て同じ変換器特性、すなわち同じ変換効率特性を持ち、蓄電池モジュール102の劣化状態、定格容量もほぼ等しいものとする。
【0033】
図5Aにおいて、蓄電池システム100の要求出力Pに対して、n個(nは3以上の自然数)の蓄電池ユニットで要求出力Pを等配分した出力P/n[W]が、各蓄電池ユニットに分配される。変換器の変換効率曲線が示されているが、要求出力Pが低い場合には、この変換効率特性により、分配出力P/n時の効率は小さく、変換器の変換効率が悪くなる恐れがある。ここで、変換効率Z以上となる、出力下限値をPthと定め、各蓄電池モジュールの負担する出力をこのPth以上の出力になるようにすることで変換効率を向上することができる。
【0034】
図5Bは、
図5Aの特性が同じ蓄電池ユニット110をn個から2個減らしてn―2個とした例である。要求出力Pを等配分した出力P/(n―2)[W]が、各蓄電池ユニットに分配されるが、出力P/(n―2)では変換効率曲線上で、出力下限値Pthを超え、変換効率がZ以上となる。
【0035】
このように、蓄電池ユニットの数を調整する方法は、変換器の特性および蓄電池モジュールの特性が同一の場合には問題はないが、特性の異なる蓄電池モジュールあるいは変換効率特性の異なる変換器を使用する場合などには、異なる特性を考慮した出力下限値を決定する必要がある。
【0036】
次に、特性の異なる蓄電池モジュールを含む場合について説明する。
図6は、蓄電池システム100内に、
図5Aで示した特性が同じ蓄電池ユニット110をm個(mは2以上の自然数かつm<n)有する第1のユニット群111と、第1のユニット群111とは特性が異なるが、ユニット
群内で特性が同じ蓄電池ユニット110をn―m個有する第2のユニット群112とを備えた構成例および変換器の変換効率曲線を示す図である。蓄電池システム100内の蓄電池ユニット110はn個であり、第2のユニット群112の蓄電池ユニット110の蓄電池モジュール102は、例えばリユース品である。
【0037】
図6において、第1のユニット群111と第2のユニット群112とは蓄電池モジュールの特性および変換効率特性が異なるので、互いに異なる変換効率曲線に対し、異なる出力下限値が設定される。なお、ここでは、各群内では特性の等しい変換効率曲線を有する、すなわち各群内では変換特性が等しいものとする。変換効率Zに対し、第1のユニット群111の蓄電池モジュールの出力下限値は
Pth
_a
であり、変換効率Zに対し、第2のユニット群112の蓄電池モジュールの出力下限値は
Pth
_b
である。以下、各群の各蓄電池モジュールの出力下限値の決定方法について説明する。
【0038】
図7に、第1のユニット群111の各蓄電池モジュールの定格容量、係数(定格容量比)、出力下限値を示す。
まず、第1のユニット群111の蓄電池モジュール1から蓄電池モジュールmに対し、定格容量をそれぞれQ1,Q2,・・・,Qa・・・,Qm-1,Qmと定義する。第1のユニット群111の蓄電池モジュールの変換器の変換効率Zにおける出力下限値
Pth
_a
に対して、蓄電池モジュールの定格容量に応じて出力下限値を分配する。各蓄電池モジュールの出力下限値Pth
_1,・・・,Pth
_mは、次式(4)のように表される。
【0039】
【数2】
ここで係数αは、蓄電池モジュールの定格容量比に応じた値であり、すなわち
【数3】
である。
【0040】
Qaは、第1のユニット群111の蓄電池モジュールの定格容量の中で最も平均に近い定格容量を示す。
式(5)を用いると、各蓄電池モジュールの出力下限値Pth
_1,・・・,Pth
_mは、次式(6)のように表される。
【数4】
なお、各係数αの和は蓄電池モジュールの個数と一致する。
すなわち、
α
1+α
2+・・・+α
m-1+α
m=m
である。
【0041】
この時、各蓄電池モジュールの出力下限値に対応する変換効率をZ
1,Z
2,・・・,Z
mとすると、第1のユニット群111の平均効率Z
α_aveは次式で計算される。
【数5】
第1のユニット群111の効率は、各蓄電池モジュール出力時の変換効率の和をモジュール数で割った値となり、その値は目標の変換効率Zと等しくなる。
【0042】
第2のユニット群112の蓄電池モジュールに関しても同様に、計算を実施する。
図8に、第2のユニット群112の各蓄電池モジュールの定格容量、係数(定格容量比)、出力下限値を示す。
第2のユニット群112の蓄電池モジュールm+1から蓄電池モジュールnに対し、定格容量をそれぞれQm+1,Qm+2,・・・,Qb・・・,Qn-1,Qnと定義する。第2のユニット群112の蓄電池モジュールの変換器の効率Zにおける出力下限値
Pth
_b
に対して、蓄電池モジュールの定格容量に応じて出力下限値を分配する。各蓄電池モジュールの出力下限値Pth
_m+1,・・・,Pth
_nは、次式(7)のように表される。
【0043】
【数6】
ここで係数βは、蓄電池モジュールの定格容量比に応じた値であり、すなわち
【数7】
である。
【0044】
Qbは、第2のユニット群112の蓄電池モジュールの定格容量の中で最も平均に近い定格容量を示す。
式(8)を用いると、各蓄電池モジュールの出力下限値Pth
_m+1,・・・,Pth
_nは、次式(9)のように表される。
【数8】
なお、各係数βの和は蓄電池モジュールの個数と一致する。
すなわち、
β
m+1+β
m+2+・・・+β
n-1+β
n=n―m
である。
【0045】
この時、各蓄電池モジュールの効率をZ
m+1,Z
m+2,・・・,Z
nとすると、第2のユニット群112の平均効率Z
β_aveは次式で計算される。
【数9】
第2のユニット群112の効率は、各蓄電池モジュール出力時の効率の和をモジュール数で割った値となり、その値は目標の変換効率Zと等しくなる。
【0046】
以上のように、第1のユニット群111と第2のユニット群112のように異なる特性の蓄電池モジュールを備えた蓄電池システムにおいても、各群で目標変換効率Zを超えるように各群内の各蓄電池モジュールの出力下限値を算出することができるので、蓄電池システムとして、目標の変換効率Zを超える充放電制御が可能となる。すなわち、効率よく運転可能な蓄電池システムが実現できる。
【0047】
以下、さらに具体的な例に基づいて説明する。
蓄電池ユニット110を10個備えた蓄電池システムを想定する。蓄電池ユニット110のそれぞれの蓄電池モジュールを蓄電池モジュール1、2・・・、10と称する。第1のユニット群には蓄電池モジュール1~5、第2のユニット群には蓄電池モジュール6~10を備え、各群内では変換器特性が同等と仮定し、各群において蓄電池モジュールの定格容量が異なる場合を示している。ここで、定格容量が異なる蓄電池モジュールがあるが、初期特性が同じ蓄電池であれば、定格容量の違いは、蓄電池の劣化を表す。
【0048】
図9に第1のユニット群の蓄電池モジュールの定格容量とそれから求めた係数(定格容量比)を、
図11に第2のユニット群の蓄電池モジュールの定格容量とそれから求めた係数(定格容量比)を示す。
まず、第1のユニット群の蓄電池モジュール1~5について説明する。
図10は、第1のユニット群の変換器特性である、変換効率曲線とそれを用いて求めた各蓄電地モジュールの出力下限値を示している。ここで、目標変換効率を90%とする。目標変換効率90%を満たす出力は88[kW]である。
図9より、最も平均の定格容量に近い蓄電池モジュールは蓄電池モジュール3であり、これを基準に各蓄電池モジュールの出力下限値を算出する。すなわち、蓄電池モジュール3の出力下限値Pth
_3は88[kW]、各蓄電池モジュールは蓄電池モジュール3から係数を乗算して算出する。その結果が、
図10である。
【0049】
また、この結果を変換効率曲線にプロットすると、最も平均の定格容量に近い蓄電池モジュール3を基準に、定格容量の大きな蓄電池モジュール4,5の出力下限値が大きく、定格容量の小さな蓄電池モジュール1、2の出力下限値が小さく制御されていることがわかる。そして、この出力下限値以上で制御された場合、この第1のユニット群の平均変換効率は目標変換効率の90%を超えることができる。
【0050】
次に、第2のユニット群の蓄電池モジュール6~10について説明する。
図12は、第2のユニット群の変換器特性である、変換効率曲線とそれを用いて求めた各蓄電地モジュールの出力下限値を示している。ここで、目標変換効率を90%とする。目標変換効率90%を満たす出力は18[kW]である。
図11より、最も平均の定格容量に近い蓄電池モジュールは蓄電池モジュール8であり、これを基準に各蓄電池モジュールの出力下限値を算出する。すなわち、蓄電池モジュール
8の出力下限値Pth
_8は18[kW]、各蓄電池モジュールは蓄電池モジュール8から係数を乗算して算出する。その結果が、
図12である。
【0051】
また、この結果を変換効率曲線にプロットすると、最も平均の定格容量に近い蓄電池モジュール8を基準に、定格容量の大きな蓄電池モジュール6,7の出力下限値が大きく、定格容量の小さな蓄電池モジュール9,10の出力下限値が小さく制御されていることがわかる。そして、この出力下限値以上で制御された場合、この第2のユニット群の平均変換効率は目標変換効率の90%を超えることができる。
【0052】
また、2つの群に分類された蓄電池モジュール出力の平均は、それぞれ88[kW]、18[kW]となり、蓄電池システム全体として、変換効率90%となる。
本実施の形態および実施例では、変換器の変換効率曲線を一次関数として近似し、出力下限値を決定したが、近似曲線に制約はなく、変換器の変換効率曲線をよく説明できるような近似式であれば、どのような近似式でもよい。ただし、変換効率曲線を正確に説明できる近似曲線が望ましい。誤差が大きければ、制御の目標変換効率と変換効率の平均に誤差が生じる恐れがあるからである。
【0053】
上述の例では、変換器特性の等しい群に予め分別されていたが、分別の考え方を含め、以下のフローチャートで、蓄電池モジュールの出力下限値の決定方法の手順について説明する。
図13は、充放電制御装置101の動作手順を示すフローチャートである。
充放電制御が開始されると、まず、ステップS1において、充放電制御装置101は、変換器103またはBMU105から蓄電池モジュール102の電圧V
bn、電流I
bnを、変換器103から変換器103の電圧V
n、電流I
nを取得する。また、温度は蓄電池モジュール102の温度をBMU105から取得する。
【0054】
ステップS2において、変換器効率推定部203は、取得した蓄電池モジュール102の電圧Vbn、電流Ibnおよび変換器103の電圧Vn、電流Inを用いて、変換器103の変換効率および変換器特性を推定する。変換効率は、充電時には蓄電池モジュール102の入力(電圧Vbn×電流Ibn)、および変換器103の入力(電圧Vn×電流In)から算出することができ、放電時には蓄電池モジュール102の出力(電圧Vbn×電流Ibn)、および変換器103の出力(電圧Vn×電流In)から算出することができる。変換効率特性は、変換器の入力もしくは出力を横軸に変換効率をプロットすることで得られる。
【0055】
ステップS3において、推定された各変換器の変換効率特性から、複数の蓄電池モジュール102を同じあるいは同等の変換器特性を持つ蓄電池モジュールの群に分類する。
ここで、同じあるいは同等の変換器特性を持つと群とは、1つの近似された変換効率曲線で変換器特性が表記できるものをいう。
また、複数の蓄電池モジュール102に対し、変換器特性がすべて同じあるいは同等の場合は、群は1つである。
【0056】
次に、ステップS4において、蓄電池性能推定部204は、取得した蓄電池モジュール102の電圧Vbn、電流Ibnおよび蓄電池モジュール102の温度を用いて、各蓄電池モジュール102の性能を推定する。推定する性能には蓄電池モジュールの定格容量を含む。
【0057】
ステップS5において、出力下限値決定部205は、推定された各蓄電池モジュールの定格容量から、分別された各群内での定格容量比(係数)を求める。一方、変換器の変換効率曲線と目標変換効率から各群の出力下限値を算出する。群内の各蓄電池モジュールに対し、群の出力下限値を定格容量比に対応して配分し、各蓄電池モジュールの出力下限値を決定する。
この手順により設定された出力下限値は、各蓄電池モジュール102のBMU105に入力され、BMU105は各蓄電池モジュール102が出力下限値以上の出力となるように制御する。
【0058】
このように、蓄電池システム100には性能の異なる蓄電池モジュール102を備えていても、同等な変換器特性ごとに分別して群を形成し、その群の目標変換効率を達成するように、それぞれの蓄電池モジュールの出力下限値を決定したので、蓄電池システム100としての高効率な運転が可能となる。
【0059】
なお、本実施の形態では、蓄電池モジュールの定格容量比によって出力下限値を決定したが、定格容量比に拘らず、すなわち定格容量比に対応して正確に出力を配分しなくても、定格容量の大きな蓄電池モジュールは出力下限値を大きく設定し、定格容量の小さな蓄電池モジュールは出力下限値を小さくする制御が望ましい。
【0060】
以下に、本実施の形態の効果について比較例と対比して説明する。
図14Aおよび
図14Bは、蓄電池システムに備わる複数の蓄電池モジュールが例えば2種類の変換器特性を有する場合の出力下限値の決定方法を説明するための図である。
図14Aの比較例においては、複数の変換効率曲線A、Bを想定していないため、例えば目標変換効率Zに対し、いずれかの変換効率曲線で出力下限値を決定する。ここでは、変換効率曲線Aに基づいて出力下限値Pnを決定した。そしてすべての蓄電池モジュールについて出力下限値Pnとした。この場合、変換効率曲線Bを有する蓄電池モジュールは出力Pnでは効率が悪くなってしまう。
図14Bの本実施の形態においては、複数の変換効率曲線A、Bごとに目標効率Zに対応する出力下限値Pn、P1を決定しているのでいずれの蓄電池モジュールも効率よく制御されることになる。
【0061】
このように、変換器特性および蓄電池モジュール特性に応じた出力下限値の決定によって、各蓄電池モジュールの高効率化が見込め、結果として蓄電池システムの低負荷領域における効率の向上が見込める。
【0062】
図15は、複数の蓄電池モジュールを有する比較例である蓄電池システムに対して、蓄電池モジュールの出力下限値の決定方法を説明するための図と寿命曲線を示す図である。ここでは、すべての蓄電池モジュールに
図14Aのように1つの変換効率曲線上の目標変換効率に基づいて決定した出力下限値Pth
_aをすべての蓄電池モジュールの出力下限値とした。そのため、各蓄電池モジュールの状態に応じて出力下限値が設定されていないため、蓄電池システムの使用が進むと寿命の指標である定格容量の容量維持率が低下するとともに蓄電池モジュールによりその低下率が異なり、劣化のばらつきが大きくなっていくことがわかる。
【0063】
図16は、複数の蓄電池モジュールを有する本実施の形態に係る蓄電池システムに対して、蓄電池モジュールの出力下限値の決定方法を説明するための図と寿命曲線を示す図である。上述したように、本実施の形態においては、変換器特性ごとに蓄電池モジュールを分別するだけでなく、蓄電池モジュールの劣化度の指標となる定格容量に応じて目標変換効率Zに対応する出力下限値を配分し、分別された群内の平均の変換効率が目標変換効率Zとなるようにする。すなわち、
図16の上図のようにこの群に蓄電池モジュールがm個ある場合出力下限値がPth
_1からPth
_mまで配分される。すなわち、定格容量の大きな蓄電池モジュールは出力下限値Pth
_aより出力下限値を大きく設定し、定格容量の小さな蓄電池モジュールは出力下限値Pth
_aより出力下限値を小さく設定する。この設定で蓄電池システムの使用が進むと、寿命の指標である容量維持率が低下するが蓄電池モジュールの低下率の差異は小さくなり、劣化のばらつきが小さいことがわかる。
【0064】
このように、出力下限値を、劣化(定格容量)に応じて決定することで、劣化の大きな蓄電池モジュールの出力を抑制し、劣化の小さな蓄電池モジュールの出力を大きくすることで劣化の均等化が図れ、蓄電池システム自体の長寿命化および劣化ばらつきの抑制が見込める。
【0065】
図17は、複数の蓄電池モジュールを有する比較例である蓄電池システムに対して、
図15で示した寿命曲線を有する場合の、維持コストについて説明するための図である。寿命到達ごとに該当する蓄電池モジュールを交換した場合には、交換ごとに、交換する電池のコストと諸経費が発生する。諸経費とは、交換を実施する作業員にかかるコストおよび交換のために蓄電池システムを停止してしまうコストなどである。
【0066】
一方、
図18に、複数の蓄電池モジュールを有する本実施の形態に係る蓄電池システムに対して、
図16で示した寿命曲線を有する場合の、維持コストについて説明するための図を示す。本実施の形態では、寿命のばらつきが抑制されているために、交換の頻度が少なくなり、諸経費に関して削減することが可能となる。そのため、蓄電池システムの維持コストを削減することが可能となる。
【0067】
なお、本実施の形態の充放電制御装置101は、ハードウエアの一例を
図19に示すように、プロセッサ1001と記憶装置1002から構成される。記憶装置は図示していないが、ランダムアクセスメモリ等の揮発性記憶装置と、フラッシュメモリ等の不揮発性の補助記憶装置とを具備する。また、フラッシュメモリの代わりにハードディスクの補助記憶装置を具備してもよい。プロセッサ1001は、記憶装置1002から入力されたプログラムを実行する。この場合、補助記憶装置から揮発性記憶装置を介してプロセッサ1001にプログラムが入力される。また、プロセッサ1001は、演算結果等のデータを記憶装置1002の揮発性記憶装置に出力してもよいし、揮発性記憶装置を介して補助記憶装置にデータを保存してもよい。
また、変換器103の具備する制御器303も例えば
図19のようなハードウエア構成を有し、各スイッチング素子の動作を制御する。
【0068】
なお、本実施の形態において、充放電制御装置101を蓄電池システム100に組み込んだ例で説明したが、充放電制御装置101は蓄電池システム100に組み込まれていなくてもよい。
【0069】
本願には、例示的な実施の形態が記載されているが、実施の形態に記載された様々な特徴、態様、および機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。
【符号の説明】
【0070】
100:蓄電池システム、 101:充放電制御装置、 102:蓄電池モジュール、 103:変換器、 104:電池セル、 105:BMU、 106:接続部、 110:蓄電池ユニット、 111:第1のユニット群、 112:第2のユニット群、 200:電流取得部、 201:電圧取得部、 202:温度取得部、 203:変換器効率推定部、 204:蓄電池性能推定部、 205:出力下限値決定部、 301:電圧計、 302:電流計、 303:制御器、 304:電流計、 305:電圧計、 1001:プロセッサ、 1002:記憶装置